WO2024018646A1

WO2024018646A1 - 空気調和機

Info

Publication number: WO2024018646A1
Application number: PCT/JP2022/032151
Authority: WO
Inventors: 尚也清宮
Original assignee: 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
Priority date: 2022-07-20
Filing date: 2022-08-26
Publication date: 2024-01-25
Also published as: WO2024018549A1

Abstract

【課題】空気調和機のオプションユニットに設けられる駆動源の駆動時における振動や騒音を抑制可能にすることを目的とする。【解決手段】室内機と、前記室内機とは別体として設けられたオプションユニットと、壁面に取り付けられる据付板と、を備え、前記オプションユニットは、弾性体を介して前記据付板または前記室内機に据え付けられる、または、取り付けられる。

Description

空気調和機

　本発明は、空気調和機に関する。

　従来、加湿機能を備える空気調和機が知られている。このような空気調和機としては、室内機が加湿機能を内蔵するものや、室内機とは別に加湿ユニットが設けられているものが知られている。特許文献１には、室内機に並設された加湿ユニットが開示されている。なお、この特許文献１に記載された室内機および加湿ユニットは、被空調室の壁面に据付けられる、いわゆる壁掛けタイプである。

特開２００２－８１７０１号公報

　加湿ユニットなど、空気調和機のオプションとしてのオプションユニットにおいては、当該オプションユニットの内部に送風機などの駆動源が設けられている場合がある。そのような駆動源が設けられている場合には、駆動源の駆動時における振動が空気調和機の室内機を取り付ける壁面などに伝わり、ひいては振動や騒音が発生するおそれがある。

　本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、空気調和機のオプションユニットに設けられる駆動源の駆動時における振動や騒音を抑制可能にすることを目的とする。

　本発明は、空気調和機であって、室内機と、前記室内機に別体に設けられたオプションユニットと、を備え、前記オプションユニットは、弾性体を介して壁面に取り付けられる据付板または前記室内機に据え付けられる、または、取り付けられる。

　また、本発明は、室内機と、前記室内機に別体に設けられたオプションユニットと、を備え、前記オプションユニットは、筐体と、前記筐体の内部に配置され駆動部材を有する駆動部と、を有し、前記駆動部は、弾性体を介して前記筐体に取り付けられる。

　また、本発明は、室内機と、前記室内機に別体に設けられたオプションユニットと、を備え、前記オプションユニットは、筐体と、前記筐体の内部に配置され駆動部材を有する駆動部と、を有し、前記駆動部は、少なくとも２つ以上の部材によって構成され、前記部材間に弾性体が設けられる。

　本発明によれば、空気調和機のオプションユニットに設けられる駆動源の駆動時における振動や騒音を抑制することができる。

本実施形態に係る空気調和機の外観図である。冷媒回路を示す図である。換気装置の斜視分解図である。換気装置と据付板との間に設けられる弾性体を説明するための図である。ファンユニットと外郭キャビネットとの間に設けられる弾性体を説明するための図である。ファンユニットの部材間に設けられる弾性体を説明するための斜視図である。図６の弾性体の一例を説明するための図である。図６の弾性体とモータ弾性体との位置関係を説明するための図である。換気装置における固定箇所を説明するための斜視図である。空気調和機における他の外観図である。

　本発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。

　図１は、第１の実施形態に係る空気調和機の外観図である。本実施形態の空気調和機１は、空気調和の機能を有する室内機１０および室外機２０と、換気の機能を有する換気装置３０と、を備えている。ここで、換気装置３０は、室内機１０又は室外機２０と通信線で接続され、室内機１０又は室外機２０から電気が供給されるオプションユニットの一例である。

　換気装置３０は、室内機１０の側面に隣接して配置される。換気装置３０には室内の空気を室外に排気する排気ダクト（図示せず）が接続されている。換気装置３０は、主にファンユニット３２備える。換気装置３０の詳細な説明については、後述する。

　空気調和機１は、冷凍サイクル（ヒートポンプサイクル）で冷媒を循環させることによって、空調を行う。空気調和機１は、室内（被空調空間）に設置される室内機１０と、屋外（室外）に設置される室外機２０と、ユーザによって操作されるリモコン１９と、を備えている。

　室内機１０は、リモコン通信部１１を備えている。リモコン通信部１１は、赤外線通信等によって、リモコン１９との間で所定の信号を送受信する。例えば、リモコン通信部１１は、空調運転および換気運転の開始／停止指令、設定温度の変更、運転モードの変更、タイマの設定等の信号をリモコン１９から受信する。また、リモコン通信部１１は、室内温度の検出値等をリモコン１９に送信する。室内機１０と室外機２０とは、冷媒配管を介して接続されるとともに、通信線、電源線を介して接続されている。なお、リモコン１９とは別に換気装置３０を操作するための換気装置用リモコンを備えてもよい。本実施形態の空気調和機１は、換気装置用リモコンからの換気運転の信号も含めて室内機１０のリモコン通信部１１で受信する。

　なお、本実施形態においては、室内機１０および換気装置３０においては、室内機１０の長手方向を、Ｘ軸方向、高さ方向をＹ方向、奥行方向をＺ方向とする。また、Ｘ軸のプラス方向を右、Ｘ軸のマイナス方向を左、Ｙ方向のプラス方向を上、Ｙ方向のマイナス方向を下、Ｚ軸のプラス方向を奥、Ｚ軸のマイナス方向を手前と称する。

　図２は、実施形態に係る室内機１０および室外機２０の冷媒回路Ｑを示す図である。なお、図２に示す実線矢印は、冷媒配管５における、暖房運転時における冷媒の流れを示している。また、図２に示す破線矢印は、冷媒配管５における、冷房運転時における冷媒の流れを示している。

　室内機１０は、リモコン通信部１１の他に、室内熱交換器１２と、室内ファン１４と、を備えている。室内熱交換器１２において、その伝熱管（図示せず）を通流する冷媒と、室内ファン１４から送り込まれる室内空気と、の間で熱交換が行われる。室内熱交換器１２は、後述の四方弁２５の切り替えにより凝縮器または蒸発器として動作する。室内ファン１４は、室内熱交換器１２の付近に設置されている。室内ファン１４は、室内ファンモータ１４ａの駆動によって、室内熱交換器１２に室内空気を送り込む。

　室外機２０は、圧縮機２１と、室外熱交換器２２と、室外ファン２３と、室外膨張弁２４（膨張弁）と、四方弁２５と、を備えている。圧縮機２１は、圧縮機モータ２１ａの駆動によって、低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒として吐出する。室外熱交換器２２において、その伝熱管（図示せず）を通流する冷媒と、室外ファン２３から送り込まれる外気と、の間で熱交換が行われる。室外熱交換器２２は、四方弁２５の切り替えにより凝縮器または蒸発器として動作する。

　室外ファン２３は、室外熱交換器２２の付近に設置されている。室外ファン２３は、室外ファンモータ２３ａの駆動によって、室外熱交換器２２に外気を送り込む。室外膨張弁２４は、「凝縮器」（室外熱交換器２２および室内熱交換器１２の一方）で凝縮した冷媒を減圧する機能を有している。なお、室外膨張弁２４において減圧された冷媒は、「蒸発器」（室外熱交換器２２および室内熱交換器１２の他方）に導かれる。

　四方弁２５は、空気調和機１の運転モードに応じて、冷媒の流路を切り替える弁である。四方弁２５の切り替えにより、冷房運転時には、破線矢印で示すように、圧縮機２１、室外熱交換器２２（凝縮器）、室外膨張弁２４、および室内熱交換器１２（蒸発器）の順に冷媒が循環する冷凍サイクルとなる。また、四方弁の切り替えにより、暖房運転時には、実線矢印で示すように、圧縮機２１、室内熱交換器１２（凝縮器）、室外膨張弁２４、および室外熱交換器２２（蒸発器）の順に冷媒が循環する冷凍サイクルとなる。すなわち、圧縮機２１、「凝縮器」、室外膨張弁２４、および「蒸発器」を順次に介して、冷凍サイクルで冷媒が循環する冷媒回路Ｑにおいて、前記した「凝縮器」および「蒸発器」の一方は室外熱交換器２２であり、他方は室内熱交換器１２である。

　図３は、換気装置３０の斜視分解図である。換気装置３０は、主な構成部材として、ブロアファン３１（以下、ファン３１と記す）を有するファンユニット３２と、ファンユニット３２を収容する外郭キャビネット３３と、外郭キャビネット３３と共にファンユニット３２を収容するフロントカバー３４と、を備えている。すなわち換気装置３０は、外郭キャビネット３３とフロントカバー３４とで筐体を構成し、当該筐体の内部にファンユニット３２が収容される。このように構成された換気装置３０は、据付板３５を介して図示しない壁面に取り付けられる。すなわち、据付板３５は、オプションユニットである換気装置３０を壁面に取り付けるための板である。なお、室内機１０も、据付板３５とは別の据付板を介して壁面に取り付けられる。そして、図３に示すように、フロントカバー３４には、フロントパネル３６と、フィルタ３７とが取り付けられる。なお、ファン３１は、可動部の一例であり、ファンユニット３２は、可動ユニットの一例である。

　ファンユニット３２は、図３に示すように複数の部材により構成されている。具体的には、ファンユニット３２の軸線方向Ｘにおいて、ファン３１の外側にケーシング３８，３９が設けられている。また、ケーシング３８の外側のうち右端部（Ｘ軸のプラス側）には、ファン３１を駆動させるためのモータを含むファンモータ部４０が取り付けられ、当該ファンモータ部４０を挟んでケーシング３８の反対側にケーシングサポート４１が取り付けられる。一方、ケーシング３９の外側の左端部（Ｘ軸のマイナス側）には吸気ダクト４２，４３が取り付けられる。そして、吸気ダクト４２，４３を挟んでケーシング３９の反対側にケーシングサポート４４が取り付けられる。

　また、本実施形態の換気装置３０には、ファン３１の振動を抑制するための緩衝部材である複数の弾性体５０，５１，５２が設けられている。上述のように、ファン３１は、ファンモータ部４０によって駆動される。そのため、ファン３１が駆動することによる振動が室内機１０や室内機１０が取り付けられる壁面に伝播し、騒音が生じることがある。そこで、本実施形態では、所定の箇所に複数の弾性体５０，５１，５２が設けられている。

　図４は、弾性体５０の取り付け前後の図、および、弾性体５０を取り付けた場合の換気装置３０の部分断面図を示す図である。弾性体５０は、例えばゴムやエラストマーなどの柔軟材であって、換気装置３０と据付板３５との間に設けられている。具体的には、弾性体５０は、図４に示すように、据付板３５の上部に、その上部全体を覆うように取り付けられる。据付板３５の上部は、例えば据付板３５における引っ掛け部３５ａである。引っ掛け部３５ａは、換気装置３０を据付板３５に固定する際に換気装置３０を据付板３５に引っ掛ける箇所である。このように、弾性体５０は、換気装置３０と据付板３５との複数の固定箇所のうち換気装置３０の上方の箇所に設けられる。なお、換気装置３０と据付板３５とは、この弾性体５０が設けられた箇所の他、後述するネジ止め部により、弾性体５０で固定された位置よりも下方においても固定される。引っ掛け部３５ａに取り付けられた弾性体５０は、図４の部分断面図に示すように、据付板３５の上部を覆うとともに、据付板３５に密着し、その断面形状はほぼ逆Ｕ字状となる。このように、弾性体５０を据付板３５の上部に取り付けることにより、据付板３５の上下方向、および、前後方向における振動が抑制される。

　図５は、弾性体５１の取り付け前後の図、および、弾性体５１を取り付けた場合の換気装置３０の部分断面図を示す図である。弾性体５１は、弾性体５０と同様、例えばゴムやエラストマーなどの柔軟材であって、換気装置３０におけるファンユニット３２と外郭キャビネット３３との間に設けられている。具体的には、弾性体５１は、図５に示すように、ケーシングサポート４１，４４の端部４１ａ，４４ａの湾曲した部分を覆うように端部４１ａ，４４ａの形状に沿って取り付けられる。この端部４１ａ，４４ａは、ファンユニット３２と外郭キャビネット３３とが当接する部分であって、これらが当接する部分のうち最も上方の部分となる。ファンユニット３２は、弾性体５１を介して外郭キャビネット３３に当接して固定される。弾性体５１は、ファンユニット３２と外郭キャビネット３３との複数の固定箇所のうち換気装置３０の上方（ファンユニット３２の上方）の箇所に設けられる。なお、ファンユニット３２と外郭キャビネット３３とは、この弾性体５１が設けられた箇所の他、後述するネジ止め部により、弾性体５１で固定された位置よりも下方においても固定される。そして、弾性体５１は、図５の部分断面図に示すように、ケーシングサポート４１（４４）の端部４１ａ（４４ａ）と、外郭キャビネット３３との間で、互いの部材に対して密着するように配置されている。このように、弾性体５１を配置することにより、ファンユニット３２と外郭キャビネット３３との間に生じる振動を抑制できる。つまり、据付板３５の上下方向、および、前後方向における振動が抑制される。

　図６および図７は、弾性体５２を説明するための図である。図６に示す例では、弾性体５２は３つ（弾性体５２ａ，５２ｂ，５２ｃ）設けられている。弾性体５２ａ，５２ｂ，５２ｃは、弾性体５０や弾性体５１と同様、例えばゴムやエラストマーなどの柔軟材であって、複数の部材で構成されたファンユニット３２の部材間に設けられている。具体的には、図６に示すように、ファンユニット３２には、ケーシング３９の円周方向外側に複数の突起部３９ａが形成され、その突起部３９ａには軸線方向に貫通孔３９ｂが形成されている。そして、この貫通孔３９ｂに弾性体５２が配置されている。また、軸線方向において、ケーシング３８の外側（Ｘ軸のプラス側）には、当該ケーシング３８の径より小さいファンモータ部４０が設けられている。このファンモータ部４０が駆動すると、ファンユニット３２におけるファン３１（図６では図示せず）が回転させられ、ファンユニット３２の内部で振動が伝播する。弾性体５２は、この振動を抑制するために、ファンユニット３２の部材間に設けられている。

　図７は、弾性体５２の一例を示す図である。弾性体５２は、所定の板厚を有する環状部材であって、中心付近に貫通孔５２０が形成されている。この貫通孔５２０は、ファンユニット３２を組み付けた際に、ケーシングサポート４１とケーシングサポート４４とが嵌合する孔である。具体的には、図３に示すように、ケーシングサポート４１の端部には、上述の貫通孔５２０に挿入される軸を有する嵌合部４１ｂが形成されている。一方、ケーシングサポート４４の端部には、ケーシングサポート４１の嵌合部４１ｂと嵌まり合う嵌合部４４ｂが形成されている。つまり、ファンユニット３２を組み付けた際には、突起部３９ａの内周側で突起部３９ａの内周面と弾性体５２の外周面とが当接する。さらに、嵌合部４１ｂと嵌合部４４ｂとが嵌まり合った状態で、弾性体５２の内周面と嵌合部４１ｂの外周面とが当接する。このように、弾性体５２は、内周側と外周側とで複数の部材と接し、かつ密着する。弾性体５２が配置されていることにより、例えばケーシング３８，３９側からケーシングサポート４１，４４側に伝わる振動を抑制できる。すなわちファンユニット３２の部材間における振動を抑制できる。

　また、図７に示す弾性体５２の円周方向外側には、孔部５２１が３つ形成されている。この孔部５２１は、弾性体５２の硬度を調整または変更するための孔であって、この孔の大きさや孔の形状等を変更することにより、局所的に柔らかい箇所と硬い箇所とを形成することができる。これにより、所定の周波数帯を狙った振動、および、振動に伴う騒音を抑制することができる。なお、この弾性体５２の形状は、孔部５２１に替えて、薄肉部や凹凸部などの適宜の形状であってもよい。また、図７に示す例では、弾性体５２を例として説明したものの、この孔部、薄肉部、または、凹凸部の形状は、上述の弾性体５０，５１、ならびに、モータ弾性体４００にも適用されてよい。

　また、上述のように、軸線方向におけるケーシング３８の外側には、ファンモータ部４０が設けられている。このファンモータ部４０には、図６に示すように、ファンモータ部４０の円周方向外側に所定の間隔を空けて突起部４０ａが設けられている。その突起部４０ａには貫通孔（図示せず）が形成され、当該貫通孔には、ファンモータ部４０の振動を抑制するモータ弾性体４００（４００ａ，４００ｂ，４００ｃ）が配置されている。このモータ弾性体４００は、上述の弾性体５２との位置関係で、それぞれ所定の角度ずれた位置に配置されている。

　図８は、弾性体５２（５２ａ，５２ｂ，５２ｃ）とモータ弾性体４００（４００ａ，４００ｂ，４００ｃ）の位置関係を説明するための図である。弾性体５２ａ，５２ｂ，５２ｃは、ケーシング３９の円周方向（言い換えればファン３１の回転方向）でほぼ等間隔に配置されている。モータ弾性体４００ａ，４００ｂ，４００ｃもファンモータ部４０の円周方向でほぼ等間隔に配置されている。さらに、これら弾性体５２とモータ弾性体４００とは、ファンモータ部４０の駆動に起因する振動を抑制するように、所定の角度ずれた位置に配置される。例えば、弾性体５２ａとモータ弾性体４００ａとは、角度αずれた位置に配置されている。ここで「α」は、例えば６０～７０度、より好ましくは６３度に設定される。また、弾性体５２ｂとモータ弾性体４００ｂとは、角度βずれた位置に配置されている。ここで「β」は、例えば８０～９０度、より好ましくは８７度に設定される。また、弾性体５２ｃとモータ弾性体４００ｃとは、角度γずれた位置に配置されている。ここで「γ」は、例えば７０～８０度、より好ましくは７８度に設定される。図８に示す例では、弾性体５２とモータ弾性体４００との角度は、「α＜γ＜β」の関係となっている。なお、角度α、βおよびγの大きさは、例えば実験等により定められてもよい。

　つぎに、ファンユニット３２と外郭キャビネット３３との固定について、ならびに、換気装置３０と据付板３５との固定についてそれぞれ説明する。図９は、据付板３５を含む換気装置３０の斜視図であって、換気装置３０を下方からから視た図である。図９には、ファンユニット３２と外郭キャビネット３３との固定箇所であるネジ止め部６０と、換気装置３０と据付板３５との固定箇所であるネジ止め部７０とが示されている。このように、ファンユニット３２と外郭キャビネット３３とを組みつけた際に当接する部分のうち、弾性体５１が設けられた当接位置より下方にネジ孔を有するネジ止め部６０が形成され、そのネジ止め部６０のネジ孔にネジが挿入されることより、ファンユニット３２と外郭キャビネット３３とが固定される。

　また、換気装置３０と据付板３５とを組みつけた際に当接する部分のうち、弾性体５０が設けられた当接位置より下方に、ネジ孔を有するネジ止め部７０が形成され、そのネジ止め部７０のネジ孔にネジが挿入されることより、換気装置３０と据付板３５とが固定される。上述のように、据付板３５には、換気装置３０を引っ掛けるための引っ掛け部３５ａが形成されており、当該引っ掛け部３５ａに換気装置３０を引っ掛けることで、据付板３５に対して換気装置３０が固定される。つまり、ネジ止め部７０は、引っ掛け部３５ａより下方に形成され、そのネジ止め部７０と引っ掛け部３５ａとの複数箇所で換気装置３０と据付板３５とを固定している。

　つぎに、弾性体によって振動を抑制する制振方向について、各弾性体５０，５１，５２とモータ弾性体４００との関係を説明する。図６及び図８に示すように、モータ弾性体４００は、ファンモータ部４０の円周方向外側で所定の間隔を空けて設けられている。このモータ弾性体４００の制振方向は、回転軸を回転中心とした円周方向となる。一方、弾性体５０，５１，５２のうち弾性体５０は、図３及び図４に示すように、換気装置３０と据付板３５との間に設けられ、この弾性体５０の制振方向は、据付板３５の前後方向、および、上下方向となる。つまり、弾性体５０とモータ弾性体４００は、それぞれ異なる方向へ伝播する振動を抑制する位置に配置されていることになる。

　また、弾性体５１は、図３及び図５に示すように、ファンユニット３２と外郭キャビネット３３との間に設けられ、この弾性体５１の制振方向は、据付板３５の前後方向、および、上下方向となる。つまり、弾性体５１とモータ弾性体４００とは、それぞれ異なる方向へ伝播する振動を抑制する位置に配置されていることになる。

　一方、弾性体５２は、図３及び図６に示すように、ケーシング３９の円周方向外側で所定の間隔を空けて設けられており、この弾性体５２の制振方向は、モータ弾性体４００と同様、回転軸を回転中心とした円周方向となる。このように、弾性体５０，５１と、弾性体５２とは、異なる方向へ伝播する振動を抑制するような位置に配置されている。

　以上、本実施形態の空気調和機１においては、上述のように、弾性体５０，５１，５２が設けられる。これにより、ファンモータ部４０によって駆動されるファン３１の振動の伝播を抑制することができるとともに、その振動に伴う騒音が生じることをも抑制できる。すなわち、弾性体５０により換気装置３０により生じる振動および騒音が据付板３５へ伝わるのを抑制できる。また、弾性体５１によりファンユニット３２の振動および騒音が外郭キャビネット３３へ伝わるのを抑制できる。さらに、弾性体５２によりファンユニット３２内の振動および騒音がケーシングサポート４１、４４へ伝わるのを抑制できる。これにより、室内機１０が取り付けられる壁面や室内機１０に伝わる振動やそれに伴う騒音を抑制できる。

　また、本実施形態では、弾性体５０，５１は、複数の固定箇所のうち換気装置３０の上方の箇所に設けられている。具体的には、弾性体５０は、ネジ止め部６０より上方に位置し、弾性体５１は、ネジ止め部７０より上方に位置する。つまり、弾性体５０，５１は、換気装置３０の下方に対して比較的、重力の影響を受けやすい上方の固定箇所に配置される。これにより、換気装置３０の下方に弾性体を配置する場合に比べて、効果的に振動を抑制でき、ひいては弾性体の部品点数を少なくすることができる。

　また、本実施形態では、弾性体５２とモータ弾性体４００とは、それぞれファン３１、ファンモータ部４０の円周方向（すなわち回転方向）で所定範囲ずれた位置に配置されている。すなわち、円周方向で同じ位置にそれぞれの弾性体を配置せずに、所定範囲ずれた位置にすることにより、放射方向に向かう振動を効果的に抑制することができる。

　また、本実施形態では、弾性体５０，５１とモータ弾性体４００とは、それぞれ異なる方向へ伝播する振動を抑制する位置に配置される。これにより弾性体５０とモータ弾性体４００とは、制振方向が異なることになる。また、弾性体５１とモータ弾性体４００とは、制振方向が異なることになる。したがって、換気装置３０において、異なる方向において伝播する振動を抑制でき、その結果、ファン３１、および、ファンモータ部４０の駆動に起因した振動およびその振動に伴う騒音を効果的に抑制できる。

　また、本実施形態では、上述のように、換気装置３０の下方に、ファンユニット３２と外郭キャビネット３３とを固定するネジ止め部６０が形成されている。例えばネジ止め部６０の嵌め合い長さを調整するなどにより、ファンユニット３２と外郭キャビネット３３との間の弾性体５１の接触面積を調整することができる。言い換えれば、弾性体５１の弾性力の調整が可能となる。また、同様に、据付板３５の下方に、換気装置３０と据付板３５とを固定するネジ止め部７０が形成されている。例えばネジ止め部７０の嵌め合い長さを調整するなどにより、換気装置３０と据付板３５との間の弾性体５０の接触面積を調整することができる。言い換えれば、弾性体５０の弾性力の調整が可能となる。

　つぎに、本実施形態の変形例について説明する。第１の変形例としては、換気装置３０は、弾性体５０を介して据付板３５に据え付けられる他、室内機１０に据え付けられてもよい。すなわち、換気装置３０は、軸線方向で隣接して配置されている室内機１０に弾性体５０を介して据え付けられてもよい。これにより、ファン３１から室内機１０へ振動が伝播するのを抑制できるとともに、その振動による騒音を抑制できる。

　第２の変形例としては、上述の実施形態では、弾性体５０は、据付板３５の上部に取り付けられている例を説明したものの、弾性体５０は、換気装置３０と据付板３５との間に設けられればよく、したがって、換気装置３０側に取り付けられてもよい。

　第３の変形例としては、上述のように、各弾性体５０，５１，５２は、ゴムやエラストマーなどの柔軟材を材料として説明したが、各弾性体の材料は、これに限られず、例えば金属ばね（例えば板ばね）であってもよい。また、空気調和機１には、換気装置３０に設けられた各弾性体５０，５１，５２に加えて、他の弾性体が設けられる。例えば空気調和機１を構成する室内機１０に、弾性体（図示せず）が設けられる。そして、この換気装置３０に設けられた弾性体５０，５１，５２と空気調和機１に設けられた他の弾性体とは同じ材料・材質であることが好ましい。すなわち、空気調和機１に設けられる弾性体のそれぞれの材料・材質は同じであることが好ましい。これにより、例えば、空気調和機１に設ける弾性体をゴム材の劣化が小さいものに統一するなど弾性体の材料・材質を同じにすることにより、材料・材質の選定の手間を省くことができ、ひいては部材の管理が容易となる。

　第４の変形例としては、上述の実施形態では、弾性体５２は、ケーシング３９の円周方向で所定の間を空けて３つ設けられた例を説明したものの、この弾性体５２の数は、所望の振動を抑制できれば、３つに限られず、少なくとも１つ以上あればよい。また、モータ弾性体４００は、円周方向に沿って所定の間隔を空けて複数のモータ弾性体を有していれば、３つに限られない。

　第５の変形例としては、上述の実施形態では、ネジ止め部６０およびネジ止め部７０が形成されているが、このネジ止め部６０およびネジ止め部６０は、必ずしも必須ではなく、ネジ止め部６０やネジ止め部７０は形成されていなくてもよい。すなわち、換気装置３０は、必ずしも動かないように据付板３５に固定されていなくてもよく、引っ掛けることで据付板３５に取り付けられてもよい。

　第６の変形例としては、オプションユニットは、換気装置に限定されるものではなく、例えば、空気清浄機などであってもよい。「オプション」とは、所定の標準仕様に対して購入者の選択で取り付けることができるという意味の他、後付け可能という意味や、室内機１０や室外機２０とは別体であるという意味も含む。例えば、換気装置３０を取り付けるか否かをユーザが選択できないような販売形態で、室内機１０や室外機２０とともに換気装置３０がセットで販売されていたとする。このような場合でも、換気装置３０が室内機１０や室外機２０とは別体であるときには、換気装置３０はオプションユニットであるものとする。

　第７の変形例について説明する。上述の実施形態では、図１に示すように、換気装置３０は室内機１０の側面に隣接して配置されていた。すなわち換気装置３０と室内機１０とは別体に設けられていた。これに対し、図１０に示すように、換気装置３０と室内機１０とは一体に設けられていてもよい。つまり、１つの筐体に室内機１０と換気装置３０とが内蔵されていてもよい。

　なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、例えば変形例を組み合わせるなど、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。

１　空気調和機
１０　室内機
２０　室外機
３０　換気装置
３１　ファン
３２　ファンユニット
３３　外郭キャビネット
３４　フロントカバー
３５　据付板
３５ａ　引っ掛け部
３６　フロントパネル
３７　フィルタ
３８，３９　ケーシング
３９ａ　突起部
３９ｂ　貫通孔
４０　ファンモータ
４０ａ　突起部
４１，４４　ケーシングサポート
４１ａ，４４ａ　端部
４１ｂ，４４ｂ　嵌合部
４２，４３　吸気ダクト
５０，５１，５２　弾性体
４００　モータ弾性体
５２０　貫通孔
５２１　孔部

Claims

　室内機と、
　前記室内機とは別体として設けられたオプションユニットと、
　壁面に取り付けられる据付板と、を備え、
　前記オプションユニットは、弾性体を介して前記据付板または前記室内機に据え付けられる、または、取り付けられる、
空気調和機。
　室内機と、
　前記室内機とは別体として設けられたオプションユニットと、を備え、
　前記オプションユニットは、筐体と、前記筐体の内部に配置され可動部を有する可動ユニットと、を有し、
　前記可動ユニットは、弾性体を介して前記筐体に取り付けられる、
空気調和機。
　室内機と、
　前記室内機とは別体として設けられたオプションユニットと、を備え、
　前記オプションユニットは、筐体と、前記筐体の内部に配置され可動部を有する可動ユニットと、を有し、
　前記可動ユニットは、少なくとも２つ以上の部材によって構成され、
　前記部材間に弾性体が設けられる、
空気調和機。
　前記可動部は、ファンである、
請求項３に記載の空気調和機。
　前記オプションユニットと、前記据付板と、を複数箇所で固定する場合に、
　前記弾性体は、前記複数箇所のうち、前記オプションユニットにおける上方の箇所に設けられる、
請求項１に記載の空気調和機。
　前記可動ユニットと、前記筐体と、を複数箇所で固定する場合に、
　前記弾性体は、前記複数箇所のうち、前記オプションユニットにおける上方の箇所に設けられる、
請求項２または３に記載の空気調和機。
　前記オプションユニットに設けられた複数の前記弾性体は、材質が同じである、
請求項１から３のいずれか一項に記載の空気調和機。
　前記空気調和機は、前記オプションユニットに設けられた前記弾性体に加えて、他の弾性体を有し、
　前記オプションユニットに設けられた前記弾性体と前記他の弾性体とは、材質が同じである、
請求項７に記載の空気調和機。
　前記弾性体は、薄肉部、凹凸部、または、孔部を有する、
請求項８に記載の空気調和機。
　前記可動ユニットは、
　前記ファンを駆動させるモータと、
　前記モータの振動を抑制するモータ弾性体と、を有する、
請求項４に記載の空気調和機。
　前記可動ユニットの部材間には、複数の弾性体が設けられ、
　前記複数の弾性体は、前記ファンの円周方向に沿って所定の間隔を空けて配置され、
　前記モータ弾性体は、前記円周方向に沿って所定の間隔を空けて複数のモータ弾性体を有し、
　前記弾性体と前記モータ弾性体とは、それぞれ所定の角度ずれた位置に配置される、
請求項１０に記載の空気調和機。
　前記据付板は、
　前記オプションユニットを据え付ける引っ掛け部と、
　ネジ止めするネジ止め部と、
を有し、
　前記オプションユニットは、前記弾性体を介して前記引っ掛け部に引っ掛けられ、かつ前記据付板の前記ネジ止め部に対してネジ止めして固定される、
請求項１に記載の空気調和機。
　前記ネジ止め部は、前記引っ掛け部よりも下方に配置される、
請求項１２に記載の空気調和機。
　前記オプションユニットは、筐体と、前記筐体の内部に配置され可動部を有する可動ユニットと、を有し、
　前記可動ユニットは、前記可動部を駆動させるモータと、前記モータの振動を抑制するモータ弾性体と、を有し、
　前記弾性体と前記モータ弾性体とは、それぞれ異なる方向へ伝播する振動を抑制する位置に配置される、
請求項１に記載の空気調和機。
　前記可動ユニットは、前記可動部を駆動させるモータと、前記モータの振動を抑制するモータ弾性体と、を有し、
　前記弾性体と前記モータ弾性体とは、それぞれ異なる方向へ伝播する振動を抑制する位置に配置される、
請求項２に記載の空気調和機。
　室内熱交換器と、室内ファンと、可動部を有する可動ユニットと、を有する室内機と、
　壁面に取り付けられる据付板と、を備え、
　前記室内機は、弾性体を介して前記据付板に据え付けられる、または、取り付けられる、
空気調和機。
　室内熱交換器と、室内ファンと、可動部を有する可動ユニットと、前記室内熱交換器、前記室内ファン及び前記可動ユニットが内部に配置された筐体と、を有する室内機を備え、
　前記可動ユニットは、弾性体を介して前記筐体に取り付けられる、
空気調和機。
　室内熱交換器と、室内ファンと、可動部を有する可動ユニットと、を有する室内機を備え、
　前記可動ユニットは、少なくとも２つ以上の部材によって構成され、
　前記部材間に弾性体が設けられる、
空気調和機。