WO2019198243A1

WO2019198243A1 - 搬送装置

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Publication number: WO2019198243A1
Application number: PCT/JP2018/015616
Authority: WO
Inventors: 永志別府
Original assignee: アズビル株式会社
Priority date: 2018-04-13
Filing date: 2018-04-13
Publication date: 2019-10-17
Also published as: EP3778443A4; CN111936402A; US20210147159A1; US11097905B2; EP3778443A1

Abstract

上部に複数の物品を配置可能な支持体５と、支持体５上に配置された複数の物品２０を押す搬出器具３０と、支持体５から押し出された物品を搬送するコンベヤーベルト４０と、支持体５上に配置された物品２０とコンベヤーベルト４０上に配置された物品２０とが離間するよう、物品２０を移動させるスライダーと、支持体５とコンベヤーベルト４０の間に配置され、支持体５上に配置された物品２０とコンベヤーベルト４０上に配置された物品２０とが離間された場合に、支持体５及びコンベヤーベルト４０の上面より高い位置に上昇するリフト８０と、を備える搬送装置。

Description

搬送装置

　本発明は搬送装置に関する。

　例えば、医薬品や食品等を製造する際には、容器を炉内に格納し、容器の内包物に凍結乾燥処理等の温度処理や圧力処理を加えることがある。炉の前には、コンベヤーが配置される。コンベヤーは炉内に搬入される容器、及び炉内から搬出された容器を搬送する（例えば、特許文献１から３参照）。

　特許文献１は、プレート上に配置されていた複数の容器のうち、最もコンベヤーに近い容器の列の下に、コンベヤー側から薄いシートを挿入し、シートを引くことによって、１列の容器をコンベヤー上に移動させる方法を提案している。

　特許文献２は、炉内から容器をプレートを介してコンベヤーに押し出して搬出する際に、コンベヤーに押し出された容器の列に隣接する容器の列を、吸引装置によってプレート上に固定し、コンベヤーに押し出された容器の列内に、隣接する列の容器が引き出されて混入することを防止する方法を提案している。

　特許文献３は、プレート上に配置されていた複数の容器のうち、１列の容器をコンベヤーに押し出した後、容器が配置されているプレートを上昇させるか、コンベヤーを下降させるかして、プレート上の容器がコンベヤーに接触することを防止する方法を提案している。

欧州特許第１７１７５３３号明細書国際公開２０１５／０８２５６３号米国特許出願公開第２００９／２０８３２０号明細書

　炉内からコンベヤーに押し出された容器の一部が転倒すると、コンベヤーが駆動した際、転倒した容器が他の容器の搬出を妨げる場合がある。また、医薬品や食品等の製造工程に限らず、転倒した物品の影響を回避しながら複数の物品をコンベヤーに搬送可能な技術が望まれている。そこで、本発明は、転倒した物品の影響を回避しながら複数の物品をコンベヤーに搬送可能な搬送装置を提供することを目的の一つとする。

　本発明の態様によれば、上部に複数の物品を配置可能な支持体と、支持体上に配置された複数の物品を押す搬出器具と、支持体から押し出された物品を搬送するコンベヤーベルトと、支持体上に配置された物品とコンベヤーベルト上に配置された物品とが離間するよう、物品を移動させるスライダーと、支持体とコンベヤーベルトの間に配置され、支持体上に配置された物品とコンベヤーベルト上に配置された物品とが離間された場合に、支持体及びコンベヤーベルトの上面より高い位置に上昇するリフトと、を備える搬送装置が提供される。

　上記の搬送装置において、複数の物品が支持体からコンベヤーベルトに押し出されている間、リフトが支持体及びコンベヤーベルトの上面より低い位置に格納されてもよい。

　上記の搬送装置において、スライダーで移動されるべき物品であり、かつ転倒していない物品の少なくとも一部が、格納されているリフト上に位置するまで、搬出器具が複数の物品を押してもよい。

　上記の搬送装置において、スライダーが、支持体上の転倒していない物品とコンベヤーベルト上の転倒していない物品との間に、上昇するリフトが入れる隙間ができるよう、支持体上に配置された物品とコンベヤーベルト上に配置された物品とを離間させてもよい。

　上記の搬送装置において、スライダーが、コンベヤーベルト上に配置された物品が支持体上に配置された物品から離間するよう、搬出器具の押出方向と同じ方向にコンベヤーベルト上に配置された物品を移動させてもよい。

　上記の搬送装置において、スライダーが、搬出器具が物品を押す方向と同じ方向にコンベヤーベルトを移動させ、コンベヤーベルトを支持体から離間させてもよい。

　上記の搬送装置において、スライダーがコンベヤーベルトの裏面構造と接触する接触部を有し、スライダーの接触部がコンベヤーベルトの裏面構造を押すことにより、コンベヤーベルトが支持体から離間してもよい。

　上記の搬送装置において、コンベヤーベルトの裏面構造が突起であり、スライダーの接触部がコンベヤーベルトの裏面の突起を押すことにより、コンベヤーベルトが支持体から離れてもよい。

　上記の搬送装置が、スライダーを移動させる偏芯カムをさらに備えていてもよい。

　上記の搬送装置が、コンベヤーベルトの位置をガイドする歯車をさらに備え、スライダーが、歯車を移動させることにより、コンベヤーベルトを移動させてもよい。

　上記の搬送装置において、コンベヤーベルトが弾性体であってもよい。コンベヤーベルトがチェーンを備えていてもよい。

　上記の搬送装置において、上昇するリフトが、支持体とコンベヤーベルトの間をまたいで転倒している物品を、支持体又はコンベヤーベルト上に移動させてもよい。

　上記の搬送装置において、リフトの形状が板状であってもよい。

　上記の搬送装置が、コンベヤーベルト上で転倒していない物品を、転倒している物品から分離するための分離ガイドをさらに備えていてもよい。

　また、本発明の態様によれば、炉と、炉内に配置されるプレートと、プレート上に配置された複数の物品を押す搬出器具と、プレートに隣接して配置されたブリッジと、ブリッジに隣接して配置された、プレートから押し出された物品を搬送する、炉外に配置されたコンベヤーベルトと、ブリッジ上に配置された物品とコンベヤーベルト上に配置された物品とが離間するよう、物品を移動させるスライダーと、ブリッジとコンベヤーベルトの間に配置され、ブリッジ上に配置された物品とコンベヤーベルト上に配置された物品とが離間された場合に、ブリッジ及びコンベヤーベルトの上面より高い位置に上昇するリフトと、を備える炉システムが提供される。

　上記の炉システムにおいて、複数の物品がブリッジからコンベヤーベルトに押し出されている間、リフトがブリッジ及びコンベヤーベルトの上面より低い位置に格納されてもよい。

　上記の炉システムにおいて、スライダーで移動されるべき物品であり、かつ転倒していない物品の少なくとも一部が、格納されているリフト上に位置するまで、搬出器具が複数の物品を押してもよい。

　上記の炉システムにおいて、スライダーが、ブリッジ上の転倒していない物品とコンベヤーベルト上の転倒していない物品との間に上昇するリフトが入れる隙間ができるよう、ブリッジ上に配置された物品とコンベヤーベルト上に配置された物品とを離間させてもよい。

　上記の炉システムにおいて、スライダーが、コンベヤーベルト上に配置された物品がブリッジ上に配置された物品から離間するよう、搬出器具の押出方向と同じ方向にコンベヤーベルト上に配置された物品を移動させてもよい。

　上記の炉システムにおいて、スライダーが、搬出器具が物品を押す方向と同じ方向にコンベヤーベルトを移動させ、コンベヤーベルトをブリッジから離間させてもよい。

　上記の炉システムにおいて、スライダーがコンベヤーベルトの裏面構造と接触する接触部を有し、スライダーの接触部がコンベヤーベルトの裏面構造を押すことにより、コンベヤーベルトがブリッジから離間してもよい。

　上記の炉システムにおいて、コンベヤーベルトの裏面構造が突起であり、スライダーの接触部がコンベヤーベルトの裏面の突起を押すことにより、コンベヤーベルトがブリッジから離れてもよい。

　上記の炉システムが、スライダーを移動させる偏芯カムをさらに備えていてもよい。

　上記の炉システムが、コンベヤーベルトの位置をガイドする歯車をさらに備え、スライダーが、歯車を移動させることにより、コンベヤーベルトを移動させてもよい。

　上記の炉システムにおいて、コンベヤーベルトが弾性体であってもよい。コンベヤーベルトがチェーンを備えていてもよい。

　上記の炉システムにおいて、上昇するリフトが、ブリッジとコンベヤーベルトの間をまたいで転倒している物品を、ブリッジ又はコンベヤーベルト上に移動させてもよい。

　上記の炉システムにおいて、リフトの形状が板状であってもよい。

　上記の炉システムが、コンベヤーベルト上で転倒していない物品を、転倒している物品から分離するための分離ガイドをさらに備えていてもよい。

　上記の炉システムにおいて、物品がバイアルであり、半打栓されたバイアルの栓の上部に接触してバイアルを打栓する、炉内のプレートの上部に配置された上部プレートをさらに備えていてもよい。

　上記の炉システムにおいて、炉が凍結乾燥炉であってもよい。

　本発明によれば、転倒した物品の影響を回避しながら複数の物品をコンベヤーに搬送可能な搬送装置を提供可能である。

第１実施形態に係る搬送装置の模式的上面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的上面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的上面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的上面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的上面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的上面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的上面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的上面図である。第１実施形態に係る搬送装置の模式的上面図（ａ）及び模式的正面図（ｂ）である。参考例に係る搬送装置の模式的上面図である。第２実施形態に係る搬送装置の模式的上面図である。第２実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第２実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第３実施形態に係る搬送装置の模式的正面図である。第３実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。第３実施形態に係る搬送装置の模式的側面図である。

　以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。ただし、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。

　（第１実施形態）
　第１実施形態に係る搬送装置は、図１に示すように、上部に複数の物品を配置可能な支持体５と、支持体５上に配置された複数の物品２０を押す搬出器具３０と、支持体５から押し出された物品を搬送するコンベヤーベルト４０と、支持体５上に配置された物品２０とコンベヤーベルト４０上に配置された物品２０とが離間するよう、物品２０を移動させるスライダーと、支持体５上に配置された物品２０とコンベヤーベルト４０上に配置された物品２０とが離間された場合に、支持体５及びコンベヤーベルト４０の上面より高い位置に上昇するリフト８０と、を備える。

　支持体５は、図２に示すように、閉空間１００内に配置されているプレート１０と、少なくとも一部が閉空間１００外に配置されているブリッジ５０と、を備える。ブリッジ５０は、プレート１０とコンベヤーベルト４０の間に配置されている。閉空間１００は、例えば、炉、槽及び保管庫等によって提供される。閉空間１００において、温度及び圧力の少なくとも一方が管理されてもよい。また、閉空間１００において、温度分布及び圧力分布の少なくとも一方が管理されてもよい。炉は、凍結乾燥炉であってもよい。扉等により、閉空間１００は解放可能である。以下においては、炉が、凍結乾燥炉である例を説明する。

　複数の物品２０のそれぞれは、例えば凍結乾燥等の処理をされる薬品を保存しているバイアル等の容器であるが、特に限定されない。以下においては、物品２０がバイアルである例を説明する。複数の物品２０のそれぞれは、例えば、円柱形状を含む。より多くの物品２０がプレート１０上に配置されるよう、複数の物品２０は、千鳥配置（Ｓｔａｇｇｅｒｅｄ　ａｒｒａｎｇｅｍｅｎｔ）されていてもよい。この場合、複数の物品２０は、搬出器具３０の進行方向横側から見ると、重なり合うように配置されている。また、複数の物品２０は、コンベヤーベルト４０と略平行な列ごとに、上方から見て、中心が互い違いになるよう配置されている。

　例えば、コンベヤーベルト４０側の１列目の物品２０のそれぞれの中心に対して、２列目の物品２０のそれぞれの中心は列方向にずれている。しかし、１列目の物品２０のそれぞれの中心に対して、３列目の物品２０のそれぞれの中心は、列方向において概ねずれていない。複数の物品２０の中心は、三角格子状のパターンの格子点に配置されているとみなすことができる。ただし、本開示において、三角格子状のパターンをなす三角形は、正三角形であってもよいし、正三角形でなくてもよい。

　内部に薬品を含むバイアルである物品２０は、栓で半打栓されて、凍結乾燥炉内のプレート１０上に搬入される。栓は、例えば、ゴム等の弾性体からなる。内部の薬品が凍結乾燥されると、図３に示すように、凍結乾燥炉内においてプレート１０の上部に配置されている上部プレート１１が下降し、バイアルに半打栓されている栓を押下し、バイアルを打栓する。あるいは、プレート１０が上部プレート１１に向かって上昇し、栓の上部を上部プレート１１に接触させて、バイアルを打栓してもよい。その後、図４に示すように、上部プレート１１が、バイアルを凍結乾燥炉外に搬出可能なように上昇する。あるいは、プレート１０が、バイアルを凍結乾燥炉外に搬出可能なように下降してもよい。

　プレート１０と上部プレート１１が相対的に離れる際、一部のバイアルの栓が上部プレート１１に吸着し、一部のバイアルが上部プレート１１に引き上げられる場合がある。ここで、周囲を他のバイアルで囲まれているバイアルは、上部プレート１１で引き上げられても、元の位置に転倒せずに落下するか、転倒せずに浮いたまま周囲の直立しているバイアルに保持される傾向にある。これに対し、図５に示すように、コンベヤーベルト４０側の１列目のバイアルのように、周囲を他のバイアルで囲まれていないバイアルは、上部プレート１１で引き上げられると、落下して転倒しやすい傾向にある。

　打栓が終了した後、図６に示すように、複数の物品２０を閉空間１００から出す際には、閉空間１００を提供している炉等の扉が開かれる。また、搬出器具３０が、プレート１０上の複数の物品２０を、ブリッジ５０を介して、コンベヤーベルト４０に向けて押し出す。搬出器具３０は、例えば、閉空間１００内における複数の物品２０の一番奥の列に接触可能な形状を有する。換言すれば、搬出器具３０は、プレート１０上の複数の物品２０のうち、コンベヤーベルト４０の反対側の物品２０の列に接触可能な形状を有する。搬出器具３０の形状は、例えばバーである。搬出器具３０による物品２０の押出方向は、例えば、プレート１０及びブリッジ５０の上面と平行、かつコンベヤーベルト４０の搬送方向に対して垂直である。プレート１０及びブリッジ５０近傍には、搬出器具３０で押された物品２０が、搬出器具３０の進行方向に対して横方向に広がらないようにするガイド７０が設けられていてもよい。

　搬出器具３０が物品２０をコンベヤーベルト４０に向かって押している間、コンベヤーベルト４０は、ブリッジ５０に近接している。この間、コンベヤーベルト４０とブリッジ５０の間には、物品２０が落下しない程度の隙間があってもよい。コンベヤーベルト４０の高さとブリッジ５０の高さは、物品２０が転倒しないように調整される。図７に示すように、物品２０がブリッジ５０からコンベヤーベルト４０に押されている間は、リフト８０は、ブリッジ５０及びコンベヤーベルト４０の間の、ブリッジ５０及びコンベヤーベルト４０の上面より低い位置に格納されている。リフト８０の形状は、例えば、板状である。所定の列、例えば１列の物品２０をコンベヤーベルト４０上に押し出した後、図６に示す搬出器具３０は停止する。なお、所定の列は、２列以上の複数の列であってもよい。

　搬出器具３０が停止する際、例えば、図８に示すように、コンベヤーベルト４０上で最もブリッジ５０に近い列の転倒していない物品２０の底面の少なくとも一部がリフト８０上に位置する。これに対し、ブリッジ５０上で最もコンベヤーベルト４０に近い列の転倒していない物品２０の底面は、リフト８０上に位置しない。

　図７に示すように、コンベヤーベルト４０の下方には、筐体６１が配置されている。筐体６１内には、物品２０の所定の列がブリッジ５０からコンベヤーベルト４０に押し出された後、コンベヤーベルト４０を搬出器具３０の押し出し方向に移動させ、コンベヤーベルト４０をブリッジ５０から離間させるスライダー６３が配置されている。筐体６１内部には、レール６２が配置されている。スライダー６３は、レール６２に沿って移動可能である。スライダー６３は、コンベヤーベルト４０の裏面構造４１と接触可能な接触部６４を有する。

　コンベヤーベルト４０の裏面構造４１は、突起であってもよいし、凹部であってもよい。筐体６１の上面には、コンベヤーベルト４０の裏面構造４１を露出するための開口が設けられている。あるいは、筐体６１の上面はなくてもよい。レール６２は、コンベヤーベルト４０の裏面と平行、かつコンベヤーベルト４０の搬送方向に対して垂直に配置されている。したがって、レール６２は、図６に示す搬出器具３０の押出方向と平行に配置されている。

　図７に示すスライダー６３の接触部６４は、スライダー６３に設けられた突起等のガイドであってもよいし、スライダー６３の側面であってもよい。スライダー６３は、例えば、レール６２に沿って自走可能である。図９に示すように、スライダー６３がレール６２に沿ってブリッジ５０から離れる方向に移動すると、スライダー６３の接触部６４がコンベヤーベルト４０の裏面構造４１の側面に接触し、裏面構造４１の側面を押す。これにより、コンベヤーベルト４０がブリッジ５０から離れる方向に押され、コンベヤーベルト４０がブリッジ５０から離間する。したがって図１に示すように、コンベヤーベルト４０上の物品２０の列が、搬出器具３０の押出方向と同じ方向に移動され、ブリッジ５０上の物品２０の列から離間する。図１０に示すように、スライダー６３は、コンベヤーベルト４０上の転倒していない物品２０とブリッジ５０上の転倒していない物品２０との間に、上昇するリフト８０が入れる隙間ができるよう、コンベヤーベルト４０上の物品２０の列をブリッジ５０上の物品２０の列から離間させる。

　コンベヤーベルト４０が弾性体からなる場合は、スライダー６３で押されたコンベヤーベルト４０は面内で弾性変形してもよい。コンベヤーベルト４０が、チェーン、メッシュ、あるいはスラット等を備える場合は、スライダー６３で押されたコンベヤーベルト４０において、それらの構成部品の間隔が狭まったり、広がったりすることによって、コンベヤーベルト４０が面内で変形してもよい。

　図１１に示すように、スライダー６３によってコンベヤーベルト４０上の物品２０の列がブリッジ５０から離間された場合に、リフト８０が、ブリッジ５０及びコンベヤーベルト４０の上面より高い位置に上昇する。リフト８０は、例えば、コンベヤーベルト４０及びブリッジ５０の上面から直立している物品２０の高さの半分以上の高さまで上昇する。上昇するリフト８０によって、ブリッジ５０とコンベヤーベルト４０の間にあった転倒している物品２０Ｚが起こされる。転倒している物品２０Ｚの重心がブリッジ５０側にある場合は、物品２０Ｚはリフト８０で起こされ、図１２に示すようにブリッジ５０上に立つ。

　次に、図１３及び図１４に示すように、スライダー６３がレール６２に沿ってブリッジ５０に近づく方向に移動し、コンベヤーベルト４０は、再び、ブリッジ５０に近接する。コンベヤーベルト４０からはみ出ていた物品２０は、リフト８０の側面に接触し、コンベヤーベルト４０の内側に押されてもよい。その後、図１５に示すように、コンベヤーベルト４０は駆動され、コンベヤーベルト４０上の物品２０の列が、コンベヤーベルト４０によって搬送される。この間、リフト８０は、コンベヤーベルト４０上の物品２０がブリッジ５０上に移動するのを妨げ、ブリッジ５０上の物品２０がコンベヤーベルト４０上に移動することを妨げるガイドとして機能する。

　なお、図９に示すブリッジ５０とコンベヤーベルト４０の間にあった転倒している物品２０Ｚの重心がコンベヤーベルト４０側にある場合は、物品２０Ｚはリフト８０で起こされ、図１６に示すようにコンベヤーベルト４０上に立つ。次に、図１７及び図１８に示すように、コンベヤーベルト４０が、再び、ブリッジ５０に近接する。コンベヤーベルト４０上でリフト８０によりかかっていた物品２０Ｚは、コンベヤーベルト４０がリフト８０に近接したことにより、直立してもよい。その後、図１９に示すように、コンベヤーベルト４０は駆動され、コンベヤーベルト４０上の物品２０の列が、コンベヤーベルト４０によって搬送される。その後、リフト８０が下降し、所定の列ごとの物品２０の搬出が最初の列と同様の手順で繰り返される。

　上面図である図２０（ａ）及び正面図である図２０（ｂ）に示すように、第１実施形態に係る搬送装置は、コンベヤーベルト４０で搬送される転倒していない物品２０Ａの進行方向を、転倒している物品２０Ｚの進行方向と異なる方向に誘導する分離ガイド９１をさらに備えていてもよい。分離ガイド９１は、例えば、転倒していない物品２０Ａには接触するが、転倒している物品２０Ｚには接触しない高さに設けられる。そのため、転倒していない物品２０Ａは、分離ガイド９１によって進行方向が誘導される。分離ガイド９１で誘導された転倒していない物品２０Ａは、例えば、コンベヤーベルト４０に隣接して配置された別のコンベヤーベルト４５に乗り移る。これに対し、転倒している物品２０Ｚは、分離ガイド９１によって進行方向が誘導されず、分離ガイド９１下部の隙間を通り過ぎる。分離ガイド９１下部の隙間を通り過ぎるコンベヤー４０の進行方向先には、例えば、回収容器９２が配置される。転倒している物品２０Ｚは、コンベヤーベルト４０から回収容器９２内に落下する。

　図２１に示すように、仮に、コンベヤーベルト３４０とブリッジ５０の間に物品２０Ｚが転倒しているままコンベヤーベルト３４０が駆動されると、転倒している物品２０Ｚが、ブリッジ５０の物品２０とコンベヤーベルト３４０上の物品２０の間に挟まり、物品２０の搬出を妨げる要因となり得る。

　これに対し、第１実施形態に係る搬送装置によれば、図１１及び図１６に示すように、リフト８０が、ブリッジ５０とコンベヤーベルト４０の間に転倒していた物品２０をブリッジ５０上又はコンベヤーベルト４０上に移動させる。そのため、ブリッジ５０上の物品２０の列と、コンベヤーベルト４０上の物品の列と、の間にまたがるように転倒している物品２０Ｚがなくなるため、物品２０の搬出が妨げられない。

　また、第１実施形態に係る搬送装置によれば、図１に示すプレート１０上で複数の物品２０が千鳥配置されていても、ブリッジ５０上の物品２０の列と、コンベヤーベルト４０上の物品の列と、の間にまたがるように転倒している物品２０Ｚがなくなり、ブリッジ５０上の物品２０の列と、コンベヤーベルト４０上の物品の列と、が、リフト８０で分離されるため、コンベヤーベルト４０で運ばれる物品２０の列が、次にコンベヤーベルト４０で運ばれる物品２０の列に接触しない。したがって、コンベヤーベルト４０で運ばれた物品２０を抜き取り検査する際に、抜き取られた物品２０が、プレート１０上のどこに配置されていたかをトレースできることが容易である。

　（第２実施形態）
　第２実施形態に係る搬送装置の上面図は、図１に示した第１実施形態に係る搬送装置と同様である。第２実施形態に係る搬送装置は、図２２及び図２３に示すように、受動的なスライダー１６３を移動させる偏芯カム１６４を備える。偏芯カム１６４は、モーター等の回転装置１６５で回転される。偏芯カム１６４の回転面は、搬出器具３０の進行方向と平行である。スライダー１６３の底部には凹部１６６が設けられており、偏芯カム１６４は、スライダー１６３の凹部１６６内で回転する。

　図２４に示すように、偏芯カム１６４がある方向に回転すると、偏芯カム１６４は、凹部１６６の内壁のうち、ブリッジ５０から遠い側の内壁に接触し、当該内壁を押す。これにより、スライダー１６３がブリッジ５０から離れる方向に押される。スライダー１６３の接触部６４はコンベヤーベルト４０の裏面構造４１の側面に接触し、裏面構造４１の側面を押す。そのため、コンベヤーベルト４０がブリッジ５０から離れる方向に押され、コンベヤーベルト４０がブリッジ５０から離間する。

　リフト８０が上昇した後、偏芯カム１６４は逆方向に回転し、スライダー１６３がレール６２に沿ってブリッジ５０に近づく方向に移動し、コンベヤーベルト４０は、再び、ブリッジ５０に近接する。第２実施形態に係る搬送装置のその他の構成要素は、第１実施形態と同様であってもよい。

　（第３実施形態）
　第３実施形態に係る搬送装置の上面図は、図１に示した第１実施形態に係る搬送装置と同様である。第３実施形態に係る搬送装置は、図２５に示すように、コンベヤーベルト４０の位置をガイドする歯車２６４をさらに備える。歯車２６４の例としては、駆動スプロケット及び従動スプロケットが挙げられる。歯車２６４は、コンベヤーベルト４０の裏面構造と勘合する。コンベヤーベルト４０の裏面構造は、歯車２６４と噛み合う構造であってもよい。図２６に示すように、歯車２６４は、筐体６１内に配置された軸２６５によって保持される。軸２６５は、コンベヤーベルト４０の裏面と平行、かつコンベヤーベルト４０の搬送方向に対して垂直に配置されている。したがって、軸２６５は、搬出器具３０の進行方向と平行に配置されている。

　第３実施形態において、スライダー２６３は、歯車２６４を挟む構造を有する。そのため、図２７に示すように、スライダー１６３がレール６２に沿ってブリッジ５０から離れる方向に移動すると、スライダー１６３が歯車２６４の側面に接触し、歯車２６４を押す。これにより、歯車２６４がブリッジ５０から離れる方向に押される。また、歯車２６４にガイドされるコンベヤーベルト４０も、ブリッジ５０から離れる方向に押され、コンベヤーベルト４０がブリッジ５０から離間する。

　リフト８０が上昇した後、スライダー２６３はレール６２に沿ってブリッジ５０に近づく方向に移動し、歯車２６４をブリッジ５０方向に押す。これにより、コンベヤーベルト４０は、再び、ブリッジ５０に近接する。第３実施形態に係る搬送装置のその他の構成要素は、第１実施形態と同様であってもよい。

　（他の実施形態）
　上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、炉内外に搬送される物品は医薬品を含むことに限定されず、食品、飲料、及び精密部品等でもよいし、その他、あらゆる物品を含む。炉は、凍結乾燥炉に限定されず、発酵炉でもよく、あるいは内部の温度分布ムラの抑制、及び発塵の抑制が望まれる、あらゆる炉を含む。また、スライダーは、コンベヤーベルト上に配置された物品を支持体上に配置された物品から離間することができれば、あらゆる装置が利用可能である。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。

　５・・・支持体、１０・・・プレート、１１・・・上部プレート、２０・・・物品、３０・・・搬出器具、４０、４５・・・コンベヤーベルト、４１・・・裏面構造、５０・・・ブリッジ、６１・・・筐体、６２・・・レール、６３・・・スライダー、６４・・・接触部、７０・・・ガイド、８０・・・リフト、９１・・・分離ガイド、９２・・・回収容器、１００・・・閉空間、１６３・・・スライダー、１６４・・・偏芯カム、１６５・・・回転装置、１６６・・・凹部、２６３・・・スライダー、２６４・・・歯車、２６５・・・軸、３４０・・・コンベヤーベルト

Claims

　上部に複数の物品を配置可能な支持体と、
　前記支持体上に配置された前記複数の物品を押す搬出器具と、
　前記支持体から押し出された前記物品を搬送するコンベヤーベルトと、
　前記支持体上に配置された物品と前記コンベヤーベルト上に配置された物品とが離間するよう、前記物品を移動させるスライダーと、
　前記支持体と前記コンベヤーベルトの間に配置され、前記支持体上に配置された物品と前記コンベヤーベルト上に配置された物品とが離間された場合に、前記支持体及び前記コンベヤーベルトの上面より高い位置に上昇するリフトと、
　を備える搬送装置。
　前記複数の物品が前記支持体から前記コンベヤーベルトに押し出されている間、前記リフトが前記支持体及び前記コンベヤーベルトの上面より低い位置に格納されている、請求項１に記載の搬送装置。
　前記スライダーが、前記支持体上の転倒していない物品と前記コンベヤーベルト上の転倒していない物品との間に前記上昇するリフトが入れる隙間ができるよう、前記支持体上に配置された物品と前記コンベヤーベルト上に配置された物品とを離間させる、請求項１又は２に記載の搬送装置。
　前記スライダーが、前記搬出器具が前記物品を押す方向と同じ方向に前記コンベヤーベルトを移動させ、前記コンベヤーベルトを前記支持体から離間させる、請求項１から３のいずれか１項に記載の搬送装置。
　前記スライダーが前記コンベヤーベルトの裏面構造と接触する接触部を有し、
　前記スライダーの接触部が前記コンベヤーベルトの裏面構造を押すことにより、前記コンベヤーベルトが前記支持体から離間する、
　請求項４に記載の搬送装置。
　前記コンベヤーベルトの裏面構造が突起であり、
　前記スライダーの接触部が前記コンベヤーベルトの裏面の突起を押すことにより、前記コンベヤーベルトが前記支持体から離れる、請求項５に記載の搬送装置。
　前記スライダーを移動させる偏芯カムをさらに備える、請求項４から６のいずれか１項に記載の搬送装置。
　前記コンベヤーベルトの位置をガイドする歯車をさらに備え、
　前記スライダーが、前記歯車を移動させることにより、前記コンベヤーベルトを移動させる、請求項４から６のいずれか１項に記載の搬送装置。
　前記上昇するリフトが、前記支持体と前記コンベヤーベルトの間をまたいで転倒している物品を、前記支持体又は前記コンベヤーベルト上に移動させる、請求項１に記載の搬送装置。
　前記コンベヤーベルト上で転倒していない物品を、転倒している物品から分離するための分離ガイドをさらに備える、請求項１に記載の搬送装置。