WO2015182347A1

WO2015182347A1 - 部品装着装置

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Publication number: WO2015182347A1
Application number: PCT/JP2015/063330
Authority: WO
Inventors: 真希夫亀田; 渡辺　昭夫; 主山　修二
Original assignee: ヤマハ発動機株式会社
Priority date: 2014-05-30
Filing date: 2015-05-08
Publication date: 2015-12-03
Also published as: JP6280817B2; CN106465578A; CN106465578B; JP2015226037A

Abstract

　部品装着装置（１）は、孔部（４７）を有する基板（Ｐ）に部品（Ｄ）を装着する。部品装着装置（１）は、基板（Ｐ）を位置決めして固定する固定手段（３３）と、リード付の部品（Ｄ）を保持し下降することにより、前記孔部（４７）に前記部品のリード（４１）を挿入する保持手段（４０）と、前記固定手段（３３）に固定された基板に挿入された前記部品のリード（４１）を、その上部に形成された傾斜面（４９）が押し当ることにより折り曲げる曲げ部材（４４）と、前記曲げ部材（４４）を前記基板に対して相対的に上昇させ、前記部品のリード（４１）に前記傾斜面（４９）を押し当てる昇降手段（２０）と、を備える。

Description

部品装着装置

　本発明は、保持手段により部品を保持して基板に装着する部品装着装置に関する。

　例えば特許文献１には、電子部品のリードをプリント基板に開けられた孔部に挿入して、この電子部品を前記プリント基板に装着する技術が開示されている。

　しかし、前記従来技術は、主には基板の表面のパターン（ランド）上に印刷されたペースト半田上に電子部品を装着する装置を用いている。この装置では、基板に穿孔された孔部にリードを挿入する際に圧入することにより、前記リードが基板から抜けなくなるようにしている。同装置では、挿入したリードを曲げることまではしていない。

　基板に挿入したリードを曲げて簡単に挿入した部品が抜けないようにするためには、例えば特許文献２に示されているような、アンビル（Ａｎｖｉｌ）と呼ばれる特別な機構を用いなければならなかった。このアンビルは、例えばリードに爪を当接させてから水平方向に押すことにより、このリードを曲げる機構が採用されている。しかし、当該機構は構造が複雑で、コストも掛るものであった。特に、保持した部品を基板に載置するために下降するだけの機構を備える所謂チップマウンタと呼ばれる表面実装装置では、このような機構をさらに追加することは難しかった。

特開２０１１－２５８８７５号公報特開平２－１３２８９９号公報

　本発明は、部品のリードを基板に穿設された孔部に挿入して部品が基板から容易に抜けることがないように曲げる動作を、簡単な機構で実現することを目的とする。

　本発明の一局面に係る部品装着装置は、孔部を有する基板に部品を装着する部品装着装置であって、前記基板を位置決めして固定する固定手段と、リード付の部品を保持し下降することにより、前記孔部に前記部品のリードを挿入する保持手段と、前記固定手段に固定された基板に挿入された前記部品のリードを、その上部に形成された傾斜面が押し当ることにより折り曲げる曲げ部材と、前記曲げ部材を前記基板に対して相対的に上昇させ、前記部品のリードに前記傾斜面を押し当てる昇降手段と、を備える。

　本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。

図１は、本発明の実施形態に係る電子部品装着装置の平面図である。図２は、前記電子部品装着装置における基板位置決め部の側面図である。図３は、前記基板位置決め部の側面図である。図４は、電子部品装着装置における、部品装着に係わる制御ブロック図である。図５は、曲げ冶具ピンがバックアップテーブル上に設けられた、基板位置決め部の側面図である。図６は、曲げ冶具ピンが、把持爪に把持された電子部品のリードを曲げる状態を示す側面図である。図７は、部品のリードを曲げるための把持爪及びバックアップテーブルの昇降のタイミングチャートである。

　以下図１及び図２に基づいて、基板としてのプリント基板Ｐ上に電子部品Ｄを装着する電子部品装着装置１（部品装着装置）について、本発明の実施の形態を説明する。この電子部品装着装置１には、各プリント基板Ｐの搬送を行なう搬送装置２と、装置本体の手前側と奥側に配設され電子部品を供給する部品供給装置３Ａ、３Ｂと、駆動源により一方向に移動可能（Ｙ方向に往復移動可能）な一対のビーム４Ａ、４Ｂと、前記各ビーム４Ａ、４Ｂに沿った方向に各駆動源により別個に移動可能な装着ヘッド６とが設けられている。

　搬送装置２は、供給コンベア２Ａと、プリント基板Ｐを位置決め固定する位置決め部２Ｂと、排出コンベア２Ｃとを備えている。供給コンベア２Ａは、上流より受けた各プリント基板Ｐを位置決め部２Ｂに搬送する。各位置決め部２Ｂで位置決め装置により位置決めされた各基板Ｐ上に、電子部品Ｄが装着される。その後、基板Ｐは、排出コンベア２Ｃに搬送され、その後下流側装置に搬送される。

　部品供給装置３Ａ、３Ｂは、搬送装置２の奥側位置と手前側位置に配設され、取付台であるカート台７Ａ、７Ｂのフィーダベース上に多数並設された部品供給ユニット８を含む。各カート台７Ａ、７Ｂは、部品供給ユニット８の部品供給側の先端部がプリント基板Ｐの搬送路に臨むように、前記装置本体に連結具を介して着脱可能に配設されている。各カート台７Ａ、７Ｂが正規に前記装置本体に取り付けられると、カート台７Ａ、７Ｂに搭載された部品供給ユニット８に電源が供給される。また、前記連結具を解除して作業者が把手を引くと、下面に設けられたキャスタによりカート台７Ａ、７Ｂを移動することができる。

　ビーム４Ａ、４Ｂは、Ｘ方向に長い前後一対の部材である。ビーム４Ａ、４Ｂは、各リニアモータであるＹ駆動モータ１５（図４参照）の駆動により、左右一対の前後に延びたガイドに沿って前記各ビームに固定されたスライダが摺動することによって、個別にＹ方向に移動する。Ｙ駆動モータ１５は、左右一対の基体１Ａ、１Ｂに沿って固定された上下一対の固定子と、ビーム４Ａ、４Ｂの両端部に設けられた取付板の下部に固定された可動子９Ａとから構成される。

　ビーム４Ａ、４Ｂには、リニアモータであるＸ駆動モータ１６（図４参照）により、その長手方向（Ｘ方向）にガイドに沿って移動する装着ヘッド６が夫々内側に設けられている。Ｘ駆動モータ１６は、各ビーム４Ａ、４Ｂに固定された前後一対の固定子と、各固定子の間に位置して装着ヘッド６に設けられた可動子とから構成される。

　各装着ヘッド６は、互いに向き合うように各ビーム４Ａ、４Ｂの内側に設けられている。奥側の装着ヘッド６は、対応する奥側の部品供給装置３Ａの部品供給ユニット８から電子部品Ｄの取出し作業を行い、搬送装置２上のプリント基板Ｐに装着することができる。手前側の装着ヘッド６は、対応する手前側の部品供給装置３Ｂから電子部品Ｄを取り出して、プリント基板Ｐに装着することができる。

　各装着ヘッド６は、取付け部材６Ｃを介して前記ビーム４Ａ、４Ｂに移動可能に取り付けられている。装着ヘッド６には、部品保持具としての吸着ノズル５が所定間隔を存して複数本配設されている。吸着ノズル５は、ノズル昇降モータ１７（図４参照）により上下動可能であり、また、θ駆動モータ１８（図４参照）により回転可能である。吸着ノズル５は、部品供給ユニット８から電子部品Ｄを取出して、プリント基板Ｐ上に取出した電子部品Ｄを装着する。

　部品供給ユニット８は、テープ送り機構と、カバーテープ剥離機構とを備える。テープ送り機構は、電子部品Ｄの収納テープを間欠送りするスプロケットを含む。前記収納テープは、電子部品Ｄを収納するキャリアテープと、キャリアテープを覆うカバーテープとからなり、カート台７Ａ、７Ｂに回転自在に載置した供給リールに巻回した状態で順次繰り出され。前記収納テープは、所定間隔で開設された送り孔を有し、前記スプロケットの歯が、前記送り孔に嵌合される。テープ送り機構は、前記スプロケットを送りモータにより所定角度回転させ、前記収納テープを電子部品Ｄの部品吸着取出位置まで間欠送りする。カバーテープ剥離機構は、剥離モータの駆動により吸着取出位置の手前で、キャリアテープからカバーテープを引き剥がす。部品供給ユニット８は、カバーテープ剥離機構によりカバーテープを剥離して、キャリアテープの収納部に装填された電子部品Ｄを順次部品吸着取出位置へ供給する。

　上記の部品供給ユニット８に代えて、ＸＹ方向に所定間隔を存して電子部品Ｄが配置されたトレイを、部品供給装置３Ａ上に載置する構成としても良い。この場合、装着ヘッド６は、前記トレイから電子部品Ｄを取り出してプリント基板Ｐに装着する。

　各部品認識カメラ１０は、各装着ヘッド６に設けられた各吸着ノズル５に吸着保持された電子部品Ｄを、プリント基板Ｐ上に装着する前に下方から撮像する。

　電子部品装着装置１は、タッチパネルスイッチを備えたモニタ３０をさらに備える。作業者は、モニタ３０に表示された種々のタッチパネルスイッチを押すことで、電子部品装着装置１の運転の開始や停止等の操作をすることができる。

　図２、図３は、電子部品装着装置１における基板位置決め部の側面図である。この基板位置決め部に示すように、プリント基板Ｐはコンベア２Ａ、２Ｂに取り付けられたベルト３２に載置されて搬送され、クランプレバー３３（固定手段）により位置決めして固定される。プリント基板Ｐは、クランプレバー３３に持ち上げられることによりシュート天面３４に押し当てられ、高さ方向及びＸＹ方向の位置決めがされた上で固定される。

　クランプレバー３３は、エアシリンダ３５（図４参照）に駆動されて上下動し、プリント基板Ｐを昇降させる。プリント基板Ｐの下面は、バックアップテーブル３７に立設されたバックアップピン３８により支持されている。バックアップピン３８は、電子部品Ｄの装着時に、プリント基板Ｐが下方に反らないように当該プリント基板Ｐを支持する。バックアップテーブル３７は、バックアップテーブル昇降モータ２０（昇降手段）により上下動する。プリント基板Ｐは、クランプレバー３３が下降すると共に、バックアップテーブル３７が下降することにより、ベルト３２に載置される。バックアップピン３８及びクランプレバー３３がさらに下降することによりにより、これらはプリント基板Ｐから離間する。

　図２のごとく固定されたプリント基板Ｐに、装着ヘッド６に設けられた吸着ノズル５が電子部品Ｄを吸着して装着する。

　次に、図４の制御ブロック図に基づいて、電子部品装着装置１の電気的構成を説明する。電子部品装着装置１は、電子部品Ｄの装着に係る動作を統括制御する制御装置２５を備える。制御装置２５は、電子部品Ｄの装着ステップ番号順（装着順序毎）にプリント基板Ｐ内でのＸ方向、Ｙ方向及び角度位置から成る装着座標情報や各部品供給ユニット８の配置番号情報等から成る装着データ、部品供給ユニット８の配置番号毎の部品ＩＤに係る部品配置位置データ、電子部品Ｄのサイズデータ、厚さデータ等から成る部品ライブラリデータ等を格納する記憶部（記憶装置）を備えている。

　制御装置２５は、前記記憶部に記憶された各種データに基づき、駆動回路３９を介して吸着ノズル５を回転させるθ駆動モータ１８、装着ヘッド６の移動駆動源となるＸ駆動モータ１６及びＹ駆動モータ１５、吸着ノズル５を昇降させるノズル昇降モータ１７等の駆動を制御する。また、制御装置２５は、バックアップテーブル３７を昇降させるバックアップテーブル昇降モータ２０も制御する。ノズル昇降モータ１７はサーボモータであり、内蔵するエンコーダからの位置情報に基づき、出力軸の位置制御及び速度制御等がなされる。また、前記サーボモータに掛る負荷の大きさも、当該モータに流れる電流の大きさから検出することができる。

　制御装置２５は、部品認識カメラ１０により撮像された吸着ノズル５に吸着された電子部品Ｄの画像を認識処理する。この処理によって、電子部品Ｄの吸着ノズル５に対する位置ずれ等が認識される。

　図５は、リード４１付きの電子部品Ｄをプリント基板Ｐに装着する際の、基板位置決め部の側面図である。装着ヘッド６には、真空吸着により電子部品Ｄを保持する吸着ノズル５の代わりに、電子部品Ｄの左右側面を狭持する態様で保持する把持爪４０（保持手段）が取り付けられる。吸着ノズル５と把持爪４０とは交換可能である。把持爪４０により、リード４１が設けられた電子部品Ｄが把持され、プリント基板Ｐに穿設された孔部４７（図６参照）にこのリード４１が挿入される。吸着ノズル５の代わりに取り付けられた把持爪４０の昇降も、ノズル昇降モータ１７により実行される。把持爪４０の開閉は、例えば、吸着ノズル５の真空吸引の実行及びその解除により制御することができる。

　図５に示すように、リード４１付きの電子部品Ｄをプリント基板Ｐに穿孔された孔部４７（図６参照）に、当該リード４１を挿入して装着する場合には、治具プレート４７がプリント基板Ｐの下方に配置される。治具プレートには、リード４１を曲げるための曲げ冶具ピン４４（曲げ部材）が立設されている。冶具プレート４６は、バックアッププレート３７上に位置決め固定されている。冶具プレート４６（曲げ冶具ピン４４）も、バックアップテーブル昇降モータ２０によるバックアッププレート３７の昇降に伴って、昇降する。つまり、曲げ冶具ピン４４を上下動させる昇降手段として、バックアップピン３８を昇降させる機構であるバックアップテーブル昇降モータ２０が利用されている。

　以下、電子部品Ｄの取出し及び装着動作について説明する。作業者が図示しない操作部のタッチパネルスイッチの運転開始スイッチ部を押すと、プリント基板Ｐが上流側装置より電子部品装着装置１の基板位置決め部に搬入され、位置決め機構によりプリント基板Ｐの位置決め動作が実行される。

　制御装置２５は、前記記憶部に格納された当該プリント基板Ｐの装着すべきＸＹ座標位置、鉛直軸線回りへの回転角度位置及び配置番号等が指定された装着データ等に従い、電子部品装着装置１の各装着ヘッド６の吸着ノズル５が、装着すべき電子部品Ｄを各部品供給ユニット８から吸着して取出すように制御する。装着ヘッド６の複数の吸着ノズル５の夫々が、取出すべき電子部品Ｄを供給する部品供給ユニット８の部品供給位置に移動して停止する毎に、吸着ノズル５によって電子部品Ｄが取出される。

　同一装着ヘッド６内のすべての吸着ノズル５が保持している電子部品Ｄは、装着ヘッド６の水平方向への移動により、部品認識カメラ１０の上に移動される。認識カメラ１０により、複数の吸着ノズル５に保持されているすべての電子部品Ｄが撮像され、装着ヘッド６に対する水平方向の位置認識が為される。前記位置認識によって把握された位置ずれを補正して、プリント基板Ｐの装着すべき位置に吸着ノズル５に吸着された電子部品Ｄが順次装着される。

　装着データに指定されたすべての電子部品Ｄがプリント基板Ｐに装着されると、制御装置２５は、エアシリンダ３５及びバックアップテーブル昇降モータ２０を制御し、クランプレバー３３及びバックアップテーブル３７が下降させる。これにより、図３に示すようにプリント基板Ｐは、ベルト３２上に移載され、ベルト３２の移動により下流方向に搬送される。次のプリント基板Ｐが上流よりベルト３２により搬送され、位置決め位置に到達すると、制御装置２５は、バックアップテーブル３７及びクランプレバー３３を上昇させる。この動作によって、前記次のプリント基板Ｐは、図２に示すように固定される。

　次に、把持爪４０が設けられた装着ヘッド６により、部品供給装置３Ａからリード４１付きの電子部品Ｄが取り出される場合について説明する。この場合、図５に示すように曲げ冶具ピン４４を立設した冶具プレート４６が、バックアップテーブル３７上に予め固定される。曲げ冶具ピン４４のＸＹ方向の立設位置は、予めリード４１が挿入される孔部４７の真下となるように設定されている。また鉛直周りの回転位置も、リード４１を折り曲げる方向に後述の傾斜面４９の傾斜方向が向くように、位置決め固定される。

　曲げ冶具ピン４４（ピン部材）は、上下方向に長く、この長手方向に対して斜めにカットして形成された傾斜面４９を有する先端部と、その反対側の基端部とを有する。曲げ冶具ピン４４は、長手方向が鉛直方向を向くように立設される。即ち、冶具プレート４６及びバックアップテーブル３７に対して垂直な方向に配向するよう、前記基端部が冶具プレート４６の上面に取り付けられている。曲げ冶具ピン４４は、円柱形状もしくは断面が正方形または長方形の角柱の形状とすることができる。

　図５では、曲げ冶具ピン４４の先端部のカットされた傾斜面４９が、鉛直方向に対して４５度程度の傾斜を有する例を示しているが、図５のように横方向から見て、鉛直方向の長い側面と傾斜面４９とのなす角度を、４５度よりも少し大き目にすることがよい。これに限らず、傾斜面４９は、水平方向に対して所定の勾配を有して傾斜した平面となっていれば良い。この傾斜面４９は側方から見て直線状（即ち平面）であるが、上方向または下方向に湾曲した曲面であってもよい。または、傾斜面の途中で勾配が変化する折れ線形状であってもよい。

　リード４１は通常金属であるので、これと当接する曲げ冶具ピン４４は、リード４１よりも硬い金属であることが好ましい。上述の通り曲げ冶具ピン４４は、斜めにカットされて面取りされた傾斜面４９を先端部に有する形状である。この先端部をさらに水平方向に切除して上端が水平面の部分を形成し、この水平面の隣に斜めの面取りされた面（傾斜面）が位置するようにしてもよい。

　リード４１付きの電子部品Ｄを装着する作業の実行に際し、作業員が冶具プレート４６をバックアップテーブル３７に取り付ける場合には、プリント基板Ｐが上流より搬送されて位置決め位置にて、例えば規制ピンに当接して停止する。

　次に、制御装置２５の指令によりエアシリンダ３５にエアが供給されクランプレバー３３が上昇し、プリント基板Ｐが持ち上げられシュート天面３４に当接し押し付けられ固定される。このとき図５に示すように、バックアップテーブル３７は下降した位置にあり、曲げ冶具ピン４４はプリント基板Ｐの裏面（下面）より離間している。

　図６（ａ）～（ｄ）は、曲げ冶具ピン４４が、把持爪４０に把持された電子部品Ｄのリード４１を曲げるプロセスを順次示す側面図である。図６（ａ）には、把持爪４０の全体構造を模式的に示している。把持爪４０は、チャック部４０１、プッシュ板４０２、昇降部材４０３及びバネ４０４を含む。チャック部４０１は、電子部品Ｄの側部を把持する部材であり、前記側部に圧接される把持姿勢と、前記側部から離間する解除姿勢との間で姿勢変更する。プッシュ板４０２は、電子部品Ｄの上面が突き当たり、該電子部品Ｄを押圧することが可能な押圧面を有する。昇降部材４０３は、ノズル昇降モータ１７により昇降される部材である。バネ４０４は、プッシュ板４０２の上面と昇降部材４０３の下面との間に介在されている。

上記に続いて、装着データに基づき、上述と同様にリード４１付きの電子部品Ｄが、部品供給装置３Ａ、３Ｂから取り出され、把持爪４０に挟まれて保持され搬送され。図６（ａ）に示すように、電子部品Ｄは、プリント基板Ｐの装着データで指定された位置に停止する。このように装着ヘッド６が停止することにより、リード４１は、プリント基板Ｐの孔部４７の真上に位置することになる。また、冶具プレート４６に立設された曲げ冶具ピン４４は、前記孔部４７の真下にプリント基板Ｐとは離れて位置している。

　次に、制御装置２５の制御により、図７に示すタイミングチャートの通りに把持爪４０及びバックアップテーブル３７が昇降するよう、ノズル昇降モータ１７及びバックアップテーブル昇降モータ２０の駆動が制御される。但し、プリント基板Ｐに装着される最初のリード付きの電子部品Ｄを装着する場合には、バックアップテーブル３７の最初の高さ位置は下降位置であり、図７と異なる。

　先ず、電子部品Ｄを把持した把持爪４０が、図６（ａ）の状態から装着ヘッド６より下降を開始する。詳しくは、リード４１を鉛直下方に向けた電子部品Ｄの両側面がチャック部４０１で挟持され、また、電子部品Ｄの上面がプッシュ板４０２に接した状態で、昇降部材４０３がノズル昇降モータ１７によって下降され、これによりチャック部４０１及びプッシュ板４０２と共に電子部品Ｄが下降する。この下降により、電子部品Ｄのリード４１が孔部４７に入り込む。把持爪４０がさらに下降することにより、リード４１は孔部４７内をさらに下降し、電子部品Ｄはその本体部の底面がプリント基板Ｐの上面に押し当てられる位置まで下降する（図６（ｂ））。リード４１の径が孔部４７の径と比較して略同じで、リード４１が孔部４７内を通過するときに摺動抵抗があっても、ノズル昇降モータ１７はこれに抗した駆動力でリード４１を圧入することができる。

　このとき、リード４１が孔部４７に引っ掛かりなく挿入されたことを検出するために、制御装置２５は、把持爪４０の下降を指令して指令通りの位置に把持爪４０が下降しているか否かを、図示しないエンコーダの出力に基づいて監視をしている。リード４１の先端部が孔部４１に挿入され、所定の距離下降した特定の位置に達したことを検出した場合に、リード４１が孔部４１に正しく挿入されたと判断する。この特定の位置に達したことが、指令より所定時間経った時に検出できなければ、リード４１が孔部４１へ適正に挿入されていないと判断することができる。このとき、ノズル昇降モータ１７の駆動力、即ち把持爪４０に加えられる力は、リード４１を曲げてしまわないような小さな力に制限することがよい。孔部４７にリード４１が入らず電子部品Ｄが下降できない状態であると判断した場合、制御装置２５は、ノズル昇降モータ１７の下降を停止し、例えば電子部品装着装置１の運転を停止する。

　電子部品Ｄの本体部の底面がプリント基板Ｐの上面に当接する位置まで電子部品Ｄが下降した後に、制御装置２５は、把持爪４０（昇降部材４０３）をさらに少しだけ下降させ、プッシュ板４０２を介して電子部品Ｄをプリント基板Ｐに押し付ける。プッシュ板４０２には、装着ヘッド６に対して昇降部材４０３を下降させる駆動力が、バネ４０４を介して掛けられている。このバネ４０４が収縮し、電子部品Ｄの高さ方向位置は変化しないままで、昇降部材４０３のみが押込み量分だけ下降する。バネ４０４は、前記押込み量分だけ昇降部材４０３の下降を許容して、昇降部材４０３の下降量を吸収する。このような、バネ４０４を圧縮させての押込み動作は、リード４１を有していない電子部品Ｄを、ペースト状の半田が塗付されたプリント基板Ｐ上に装着する場合と同様の動作である。

　図６（ｂ）に示す時点では、バックアップテーブル４６は下降位置にあり、曲げ冶具ピン４４はリード４１より下方に離れている。ノズル昇降モータ１７はサーボモータであり、把持爪４０で電子部品Ｄを下方に押し付ける。制御装置２５は、把持爪４０の高さ位置を変えないようにするため、ノズル昇降モータ１７の出力位置（回転位置）を一定に保つように駆動力の制御を行う。具体的には制御装置２５は、エンコーダからの位置情報のフィードバックにより、ノズル昇降モータ１７のロータが指令通りの回転位置となるよう、負荷に応じてモータ電流を制御することによって前記駆動力を制御する。さらに、エンコーダからの位置情報から得られる、ノズル昇降モータ１の出力軸の速度及び加速度の制御も可能である。

　電子部品Ｄがプリント基板Ｐに到達したときに、把持爪４０による電子部品Ｄのさらなる押込みを許容するバネ４０４を設けない態様としても良い。この場合、制御装置２５は、把持爪４０の下降を電子部品Ｄの本体底面がプリント基板Ｐに当接した位置にて停止させ、エンコーダの監視に基づきこの位置を保つように、ノズル昇降モータ１７の駆動力をサーボ制御してもよい。このとき、センサを用いて電子部品Ｄの本体底部がプリント基板Ｐに当接（着地）したことを検出し、この位置でノズル昇降モータ１７を停止させ、この高さ位置を保持するように制御してもよい。

　次に、把持爪４０が下降してその位置を維持する状態が所定時間続いた後（上昇起動タイマでの計時後）、制御装置２５は、バックアップテーブル３７をバックアップテーブル昇降モータ２０の駆動により上昇させる。これにより、曲げ冶具ピン４４がリード４１に向かって上昇する（曲げ部材の基板に対する相対的な上昇）。把持爪４０（プッシュ板４０２）で上方より押えられた状態の電子部品Ｄの当該リード４１は、曲げ冶具ピン４４の上端に形成された傾斜した面に押し当てられる。さらに曲げ冶具ピン４４が上昇すると、この上昇に伴いリード４１の下端は曲げ冶具ピン４４の傾斜面４９に沿って外側に曲げられる。リード４１は、プリント基板Ｐの下端面における孔部４７の開口の位置、即ち孔部４７の下端位置を支点にして折り曲げられる。この曲がりの支点の位置が、電子部品Ｄがプッシュ板４０２で上方から押さえられていることから、曲げ冶具ピン４４の上昇位置によって変わらない。このため、リード４１は容易に曲げられる。

　このようにして、孔部４７の下端位置を支点にし、曲げ冶具ピン４４の傾斜面４９の傾斜に沿って図６（ｃ）のようにリード４１は両外側に押し曲げられ、電子部品Ｄのプリント基板Ｐへの装着が行われる。曲げ冶具ピン４４の傾斜面４９の勾配に沿い、リードは水平、即ちプリント基板Ｐの底面に対して４５度程度の角度で曲げられるので、プリント基板Ｐのベルト３２の搬送時等に振動が発生しても、リード４１が孔部４７から上方に抜けること及び電子部品Ｄが倒れてしまうことが回避できる。または、このままプリント基板Ｐが１８０度反転され電子部品Ｄが下向きになっても、当該電子部品Ｄは容易に抜け落ちることはない状態となる。曲げ冶具ピン４４の傾斜面４９の勾配がプリント基板Ｐの底面に対して４５度よりも小さく、この角度に沿ってリード４１が曲げられれば、さらに電子部品Ｄを抜けにくくすることができる。

　また、リード４１が曲がる途中においては、曲げ冶具ピン４４の押圧力、即ちバックアップテーブル３７を押し上げるバックアップテーブル昇降モータ２０の駆動力は、リード４１を曲げる方向の力と、リード４１を介して電子部品Ｄを押し上げる力とに分散される。制御装置２５は、電子部品Ｄを押し上げる力に対しては、把持爪４０の高さ位置を維持することができるように、ノズル昇降モータ１７が把持爪４０に駆動力（保持力）を加えるよう制御する。このため、電子部品Ｄが押し上げられてしまうことがない。従って、リード４１の高さ位置も変わらず、リード４１が曲げられる支点の位置が変わってしまうこともない。

　前述の電子部品Ｄがプリント基板Ｐに到達したときに、昇降部材４０３のさらなる押込みを許容するバネ４０４が、曲げ冶具ピン４４からの押し上げ力により多少圧縮され得る。これにより電子部品Ｄが若干上昇したとしても、リード４１の曲がりの支点の位置の変化が小さければ、リード４１が曲がる動作への影響は少ない。

　バネ４０４の変位可能量は、通常少ない。従って、曲げ冶具ピン４４の押圧により直ちにバネ４０４の圧縮等の限界位置に達し、それ以上バネ４０４は変位しないようになる。その後は、把持爪４０の高さ位置、即ち電子部品Ｄのリード４１の高さは、ノズル昇降モータ１７の保持力により変化しないようにでき、リード４１の曲がりの支点の位置を維持できる。または、電子部品Ｄがプリント基板Ｐに当接した後のさらなる把持爪４０（昇降部材４０３）の下降動作の際に、バネ４０４を限界まで圧縮させる位置まで昇降部材４０３を下降させて停止させてもよい。この場合、バネ４０４が限界まで圧縮された際に発生する力は、ノズル昇降モータ１７が発生できる駆動力よりは小さく、また、電子部品Ｄに破損等のダメージを与えることはないよう小さく設定される。

　ノズル昇降モータ１７の駆動力を所定の力までに制限することによって、リード４１が通常通りに曲がらない等の現象により必要以上の力が電子部品Ｄに掛った場合に、電子部品Ｄを破損させてしまうことがないようにすることができる。このように制限されたノズル昇降モータ１７の駆動力よりも、バックアップテーブル昇降モータ２０の駆動力による電子部品Ｄを押し上げる力が強くなり、電子部品Ｄが浮き、把持爪４０が上昇してしまうことが生じ得る。このような場合を想定して、ノズル昇降モータ１７のエンコーダの出力より把持爪４０の上昇を検出させ、バックアップテーブル昇降モータ２０の駆動を停止させると共に、オペレータにこの状態を報知させる実施形態を例示することができる。

　上述の場合、バックアップテーブル昇降モータ２０はサーボモータである必要はないが、サーボモータを採用して駆動力の制御や位置の監視をしてもよい。バックアップテーブル昇降モータ２０をサーボモータとしてこの駆動力をも制御すれば、電子部品Ｄに掛る力を破損等させない程度に制御することもできる。あるいは、冶具プレート４６に対して曲げ冶具ピン４４を、バネを介して上下方向に昇降可能な形態とすることもできる。この場合、バックアップテーブル３７を上昇させたときに、前記バネ力により曲げ冶具ピン４４が押し上げられつつ、傾斜面４９にリード４１が当接する。これにより、リード４１が曲げられる。

　曲げ冶具ピン４４の上端部がほぼプリント基板Ｐの下端面に当接する位置までバックアップテーブル３７が上昇すると、図６（ｃ）に示すように、制御装置２５は、バックアップテーブル３７の上昇を停止させる。しかる後、把持爪４０のチャック部４０１は水平方向に開き、電子部品Ｄの狭持、即ち保持が解除される。その後、所定時間（図７の装着停留時間）が経過した後、制御装置２５は、ノズル昇降モータ１７を駆動して把持爪４０を上昇させる。

　次に、制御装置２５は、バックアップテーブル３７を次のリード付きの電子部品Ｄの装着動作（下降動作）に先立って下降を開始させ、次の電子部品Ｄの下降開始前に下降位置に停止させる（図６（ｄ））。次の電子部品Ｄの装着動作も、上述と同様に実行される。

　当該電子部品装着装置１において、このプリント基板Ｐに装着されるべき装着データに指定されたすべての電子部品Ｄの装着が終了すると、バックアップテーブル３７が下降されると共に、クランプレバー３３が下降される。当該プリント基板Ｐは、ベルト３２上に載置されベルト３２の移動により下流の装置に搬送される。

　尚、ノズル昇降モータ１７として、サーボモータを用いる場合について本実施形態の説明をした。これに代えて、エンコーダによる位置の監視をしないパルスモータ等をノズル昇降モータ１７として用いて、上述のような動作を実行させてもよい。または、エアシリンダを用いてもよい。その場合には、把持爪４０を下降させてリード４１を孔部４７に挿入し、リード４１が所定の長さプリント基板Ｐの下端面から突出した状態にて前記エアシリンダを停止させる。下からの押し上げ力より大きな力でこの高さ位置を保持するように、シリンダが固定されていればよい。このような状態で下方から曲げ冶具ピン４４がバックアップテーブル昇降モータ２０の駆動により押し上げられることにより、電子部品Ｄの高さ位置を変更することなくリード４１を曲げることができる。

　ノズル昇降モータ１７の停止位置を制御することにより、リード４１をプリント基板Ｐの孔部４７へ全部挿入させず、電子部品Ｄの本体底面をプリント基板Ｐの上面から浮かした状態で、クリンチ動作、即ちリード４１を曲げ冶具ピン４４の押し上げにより曲げる動作をさせてもよい。この場合でもリード４１の曲がりの支点位置は変わらないのでリード４１は容易に曲げることができる。しかも、把持爪４０の停止位置を部品Ｄ毎に種々に変更することで、所望の位置でのリード４１のクリンチを実行することができる。

　リード付きの電子部品Ｄを保持してプリント基板Ｐの孔部４７にリード４１を挿入させる保持手段は、本実施形態の把持爪４０でなくても、電子部品Ｄを真空吸着する吸着ノズル５であってもよい。この場合にも同様にしてリード４１の曲げ動作を行うことができる。但し、把持爪４０で電子部品Ｄを横方向から挟み保持する方が、吸着ノズル５で真空吸着のみで保持するよりも、電子部品Ｄを孔部４７に挿入し押し込む際の水平方向の位置ずれを回避するのに有利である。

　上記実施形態では、曲げ冶具ピン４４を搭載するバックアップテーブル３７を上昇させて、曲げ冶具ピン４４をリード４１に押し当てる例を示した。これに代えて、プリント基板Ｐを下降させて、曲げ冶具ピン４４の上部の傾斜面４９をリード４１に押し当て折り曲げるようにしてもよい。つまり、曲げ冶具ピン４４をプリント基板Ｐに対して相対的に上昇させ得れば良い。この場合には、把持爪４０も基板Ｐと共に部品Ｄを基板Ｐに押し当てながら下降させる必要がある。即ち、曲げ冶具ピン４４と基板Ｐとを相対的に接近させ、傾斜面４９がリード４１に押し当るようにすればよい。

　電子部品装着装置１は、リード付きの電子部品Ｄと共に、孔部４７に挿入するリード４１を有しない電子部品を、プリント基板Ｐに装着可能とすることが望ましい。この場合、曲げ冶具ピン４４が立設された冶具プレート４６を設けたバックアップテーブル３７に、バックアップピン３８も立設される。この実施形態では、リード付きの電子部品Ｄをプリント基板Ｐに装着すると共に、リード４１が無くプリント基板Ｐの表面に載置して装着する他の電子部品を吸着ノズル５で吸着し、或いは把持爪４０で把持して、プリント基板Ｐの同じ基板面に装着させることができる。

　以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。

　以上説明した通り、本発明によれば、部品のリードを基板に穿設された孔部に挿入して部品が基板から容易に抜けることがないように曲げる動作を、簡単な機構で実現することができる。

Claims

　孔部（４７）を有する基板（Ｐ）に部品（Ｄ）を装着する部品装着装置（１）であって、
　前記基板（Ｐ）を位置決めして固定する固定手段（３３）と、
　リード付の部品（Ｄ）を保持し下降することにより、前記孔部（４７）に前記部品のリード（４１）を挿入する保持手段（４０）と、
　前記固定手段（３３）に固定された基板に挿入された前記部品のリード（４１）を、その上部に形成された傾斜面（４９）が押し当ることにより折り曲げる曲げ部材（４４）と、
　前記曲げ部材（４４）を前記基板に対して相対的に上昇させ、前記部品のリード（４１）に前記傾斜面（４９）を押し当てる昇降手段（２０）と、を備える部品装着装置。
　請求項１に記載の部品装着装置において、
　前記部品（Ｄ）の装着時に前記基板（Ｐ）が下方に反らないように前記基板を支持するバックアップピン（３８）をさらに備え、
　前記昇降手段（２０）として、前記バックアップピン（３８）を昇降させる機構が利用される、部品装着装置。
　請求項２に記載の部品装着装置において、
　前記基板（Ｐ）の下方に配置され、前記バックアップピン（３８）が立設されるバックアップテーブル（３７）をさらに備え、
　前記曲げ部材（４４）は、前記リード付の部品（Ｄ）の装着時に前記バックアップテーブル（３７）上に位置決め固定され、
　前記昇降手段（２０）は、前記バックアップテーブル（３７）を昇降させる、部品装着装置。
　請求項１乃至３のいずれか１項に記載の部品装着装置において、
　前記曲げ部材（４４）は、上下方向に長いピン部材からなり、前記傾斜面（４９）は、前記ピン部材の先端部を、当該ピン部材の長手方向に対して斜めにカットして形成された面である、部品装着装置。
　請求項１乃至４のいずれか１項に記載の部品装着装置において、
　前記昇降手段（２０）は、前記保持手段（４０）が基板にリードが挿入された部品を上方より押えている状態で、前記曲げ部材（４４）を相対的に上昇させて前記リードを曲げる、部品装着装置。
　請求項１乃至５のいずれか１項に記載の部品装着装置において、
　前記保持手段（４０）を昇降させるサーボモータ（１７）をさらに備える、部品装着装置。
　請求項５に記載の部品装着装置において、
　前記昇降手段は、前記曲げ部材（４４）を昇降させる第１モータ（２０）を含み、
　前記部品装着装置は、さらに、
　　前記保持手段（４０）を昇降させる第２モータ（１７）と、
　　前記第１モータ（２０）及び前記第２モータ（１７）の駆動を制御する制御装置（２５）と、を備え、
　前記制御装置（２５）は、
　　前記第２モータ（１７）に駆動力を発生させて前記部品を上方より押えている状態を形成するとともに、前記第１モータ（２０）を動作させて前記曲げ部材（４４）を上昇させ、
　　前記上昇により前記リード（４１）を介して部品（Ｄ）に加わる押し上げ力に対して前記保持手段（４０）の高さ位置を維持するよう、前記第２モータ（１７）の駆動力を制御する、部品装着装置。
　請求項１に記載の部品装着装置において、
　前記部品装着装置（１）は、前記孔部に挿入するリードを有しない部品を、前記基板に装着することが可能である、部品装着装置。