WO2015045591A1

WO2015045591A1 - ワイヤハーネス

Info

Publication number: WO2015045591A1
Application number: PCT/JP2014/069342
Authority: WO
Inventors: 遼平井上; 康幸山田; 優二土屋
Original assignee: 矢崎総業株式会社
Priority date: 2013-09-26
Filing date: 2014-07-22
Publication date: 2015-04-02
Also published as: DE112014004466T5; JP2015065783A; US20160200269A1

Abstract

　ワイヤハーネス（１）は、導体部（３）と導体部（３）を覆っている絶縁体部（５）とを備えた電線（６）と、電線（６）とは別体で構成され、電線（６）を覆っているシールド部（７）と、シールド部（７）の長手方向でシールド部（７）を断続的に覆っている強固な第１外装部（９）とを備える。

Description

ワイヤハーネス

　本発明は、ワイヤハーネスに係り、特に、一部が強固になっているワイヤハーネスに関する。

　従来例として、図８で示すような電線３０１が知られている（特許文献１参照）。従来例に係る電線３０１では、芯線３０３を絶縁体部３０５で被覆してあり、絶縁体部３０５を編組線からなるシールド部３０７で覆ってあり、シールド部３０７をシース部３０９で被覆している。さらに、電線３０１を外層としてのコルゲート３１１で覆っている。

　電線３０１は、図９に示すような工程を経て製造されている。すなわち、金属の素材を鍛造し圧延し伸線し撚り線することで、芯線３０３を生成する。この芯線３０３のまわりに樹脂を押し出すことで芯線３０３を被覆し絶縁体部３０５を形成する。

　続いて、絶縁体部３０５のまわりにシールド部３０７を設けた後、シールド部３０７のまわりに樹脂を押し出してシールド部３０７を被覆することによりシース部３０９を形成し、電線３０１を得る。続いて、コルゲート３１１を押し出すことで電線３０１を、コルゲート３１１に挿通している。

　なお、従来例の技術に関連するさらなる文献として、特許文献２―６を掲げることができる。

特開２００８－７１５２５号公報(JP 2008-071525 A) 特開２０１２－１８６９７８号公報(JP 2012-186978 A) 特開２０１２－１７５８７９号公報(JP 2012-175879 A) 特開２０１２－１３８４５７号公報(JP 2012-138457 A) 特開２０１２－８４４３５号公報(JP 2012-084435 A) 特開２０１２－２４９５０６号公報(JP 2012-249506 A)

　コルゲート挿通済み電線（ワイヤハーネス）３１３は、電線３０１をコルゲート３１１で覆っている。このため、自動車のワイヤハーネス等として使用される場合、擦れやつぶれ等に対する耐久性が高くなっている。しかし、電線３０１を生成した後、電線３０１をさらにコルゲート３１１に挿通する必要があるので、ワイヤハーネス３１３の製造工程が煩雑になっており、製造に長時間を要しコストが上昇してしまうという問題がある。

　なお、シース部３０９は、シールド部３０７とコルゲート３１１との接触を避けるために必要であり、製造工程簡素化のために削除することは難しい。

　また、ワイヤハーネス３１３では、コルゲート３１１の形状が定まっていないので（容易に変化してしまうので）、車輌等のワイヤハーネス設置体に設置するときの組み付け性が悪いという問題がある。

　本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、製造工程を簡素化することで製造時間を短縮し、コストの上昇を抑えることができるとともに、車輌等のワイヤハーネス設置体への組み付け性が良いワイヤハーネスを提供することを目的とする。

　本発明の第１の態様に係るワイヤハーネスは、導体部とこの導体部を覆っている絶縁体部とを備えた１本以上の電線と、電線とは別体で構成され、電線を覆っているシールド部と、シールド部の長手方向でシールド部を断続的に覆っている強固な第１外装部とを備える。

　本発明の第１の態様に係るワイヤハーネスは、第１外装部の間に設けられ、第１外装部と協同して、シールド部の長手方向でシールド部を連続的に覆っている柔軟な第２外装部を更に備えてもよい。

　本発明の第１の態様に係るワイヤハーネスは、シールド部の長手方向でシールド部を連続的に覆っている柔軟な第２外装部を更に備え、第１外装部が第２外装部の長手方向で第２外装部を断続的に覆っていてもよい。

　本発明の第２の態様に係るワイヤハーネスは、導体部とこの導体部を覆っている絶縁体部とを備えた１本以上の電線と、電線とは別体で構成され電線の長手方向で絶縁体部を断続的に覆っている強固な外装部とを備える。

　本発明の第１の態様または第２の態様によれば、製造工程を簡素化することで製造時間を短縮しコストの上昇を抑えることができるとともに、車輌等のワイヤハーネス設置体への組み付け性が良いワイヤハーネスを提供することができるという効果を奏する。

図１は、実施形態に係るワイヤハーネスの斜視図である。図２は、実施形態に係るワイヤハーネスの製造工程を示す図である。図３は、実施形態に係るワイヤハーネスの外装部の設置工程を示す図である。図４は、実施形態に係るワイヤハーネスの外装部の設置工程を示す図である。図５は、実施形態に係るワイヤハーネスの外装部の設置工程を示す図である。図６は、実施形態の第１変形例に係るワイヤハーネスの斜視図である。図７は、実施形態の第２変形例に係るワイヤハーネスの斜視図である。図８は、従来例のワイヤハーネスの斜視図である。図９は、従来例のワイヤハーネスの製造工程を示す図である。

　以下、実施形態について、図面を参照して説明する。実施形態に係るワイヤハーネス１は、図１に示すように、芯線としての導体部３と内側の絶縁被覆としての絶縁体部５とを備えた電線６と、編組線からなるシールド部７と、第１外装部９と、第２外装部１１とを備える。

　導体部３は、例えば、多数本の細長い円柱状の金属の素線を集束した撚り線で構成されている。絶縁体部５は、例えば、絶縁性の合成樹脂で円筒状に形成されており、導体部３をこの長手方向で連続的に覆っている。これにより、電線６が形成されている。シールド部７は、例えば、多数本の細長い円柱状の金属の素線を編み込むことで円筒状に形成された編組線であり、電線６とは別体で構成され、電線６（絶縁体部５）をこの長手方向で連続的に覆っている。

　シールド部７の構成として、アルミニウム、銅、金属メッキを施した樹脂繊維等のチューブ状の編組やそれらの織布、不織布、それらに加えて、銅等の金属箔、もしくはそれらに樹脂をコーティングしたものを採用してもよい。

　導体部３は、円筒状の絶縁体部５の内部に入り込んで延びている。絶縁体部５は、導体部３に接触して導体部３を覆っている。絶縁体部５は、円筒状のシールド部７の内部に入り込んで延びている。シールド部７は、絶縁体部５に接触して絶縁体部５を覆っている。導体部３の中心軸と絶縁体部５の中心軸とシールド部７の中心軸とはお互いが一致している。導体部３と絶縁体部５とシールド部７とは可撓性を有している。

　第１外装部９は、強固に構成されており、例えば、絶縁性の合成樹脂で円筒状に形成されており、導体部３と絶縁体部５とシールド部７との長手方向でシールド部７を断続的に覆っている。

　シールド部７は、円筒状の第１外装部９の内部に入り込んで延びている。第１外装部９は、複数の円筒状の第１外装部構成部材１３で構成されており、シールド部７の長手方向で、各第１外装部構成部材１３が所定の間隔をあけてならんでおり、シールド部７に接触してシールド部７を覆っている。なお、第１外装部９の中心軸とシールド部７の中心軸とはお互いが一致している。

　第１外装部９（第１外装部構成部材１３）は、硬くほぼ剛体とみなせる程度の剛性を備えており、人が素手で加える程度の力では、ほとんど変形しないようになっている。なお、第１外装部９にさらに大きな力を加えたとき、第１外装部９がほとんど変形せず、たとえば、脆性材料としての性質を示すようになっていてもよい。

　第１外装部９（第１外装部構成部材１３）は、具体的には、引っ張り弾性係数が1000 - 4000 MPaであるポリプロピレン、もしくは、高密度ポリエチレン、もしくは、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタラート）、もしくは、ＰＡ（ポリアミド）等の樹脂で構成されている。

　なお、図１等では、第１外装部９がまっすぐ延びているが、第１外装部９が円弧状等の形態で曲がって延びていてもよい。

　第２外装部１１は、柔軟で可撓性を備えた形態で構成されており、たとえば、絶縁性の合成樹脂で円筒状に形成されており、第１外装部９の間に設けられており、第１外装部９と協同して、導体部３と絶縁体部５とシールド部７との長手方向でシールド部７を連続的に覆っている。

　シールド部７は、円筒状の第２外装部１１の内部に入り込んで延びている。第２外装部１１は、複数の円筒状の第２外装部構成部材１５で構成されている。各第２外装部構成部材１５は、シールド部７に接触してシールド部７を覆っている。第２外装部１１の内外径と第１外装部９の内外径とはお互いに一致している。第２外装部１１の中心軸とシールド部７の中心軸とはお互いが一致している。シールド部７の長手方向で、各第１外装部構成部材１３と各第２外装部構成部材１５とが交互にならんでいる。

　導体部３と絶縁体部５とシールド部７と第１外装部９と第２外装部１１とは一体化しており、たとえばワイヤハーネス１の長手方向でお互いの位置がずれないようになっている。

　また、第１外装部構成部材１３と第２外装部構成部材１５との接続部はシール性を有している。

　第２外装部１１（第２外装部構成部材１５）は、可撓性を備えており、人が素手で加える程度の力で変形（たとえば弾性変形）するようになっている。

　第２外装部１１（第２外装部構成部材１５）は、具体的には、引っ張り弾性係数が30 - 990 MPaであるＳＥＢＳ（水添スチレン系熱可塑性エラストマ）、もしくは、軟質オレフィン系樹脂等で構成されている。

　ワイヤハーネス１では、共押出しにて第１外装部９と第２外装部１１とを一括成型している。すなわち、図３等に示すように、ヘッド（金型）１７に電線６とシールド部７とを通し、電線６とシールド部７との長手方向で電線６とシールド部７とを一定の速度で移動する。このときに、第１バルブ１９と第２バルブ２１を切り換えることで、ヘッド１７でシールド部７に被覆する樹脂の種類を交互に切り換え、第１外装部９と第２外装部１１とを交互にしかも連続して形成している。なお、図３等に参照符号２３で示すものは、第１外装部９を構成する樹脂を供給する第１押し出し機であり、図３等に参照符号２５で示すものは、第２外装部１１を構成する樹脂を供給する第２押し出し機である。

　次に、ワイヤハーネス１の製造工程について、図２―５を参照しつつ説明する。

　まず、図２に示すように、導体部３の素材を鍛造し、圧延し、伸線し、撚り線して、導体部３を生成する。

　続いて、導体部３の押し出しをしつつ、混練してある樹脂を押し出し機（不図示）から供給し、金型（不図示）を用いて、導体部３を絶縁体部５で被覆し、電線６を形成する。

　続いて、シールド部７を電線６の外周に設置し、電線６を筒状のシールド部７に挿通させ、第１外装部９と第２外装部１１をシールド部７の外周に設置する。

　ここで、第１外装部９と第２外装部１１の設置について詳しく説明する。

　図３に示すように、ヘッド１７に電線６に挿通されたシールド部７を通し、これらをこの長手方向に移動する。

　この移動をするときに、第１バルブ１９を開いて、第１押し出し機２３から樹脂を供給し、シールド部７の外周に第１外装部９を設置する。

　続いて、上記移動をしたまま、第１バルブ１９を閉じると同時に第２バルブ２１を開いて、図４で示すように、第２押し出し機２５から樹脂を供給し、シールド部７の外周に第２外装部１１を設置する。

　続いて、図５で示すように、第２バルブ２１を閉じると同時に第１バルブ１９を開いて、第１押し出し機２３から樹脂を供給し、シールド部７の外周に第１外装部９を設置する。これらの動作を交互に繰り返して、第１外装部９と第２外装部１１を設ける。

　ワイヤハーネス１によれば、コルゲートが不要であるので、製造工程が簡素化され製造時間が短くなりコストの上昇を抑えることができる。

　また、ワイヤハーネス１によれば、長手方向でシールド部７を強固な第１外装部９が断続的に覆っているので、車輌等のワイヤハーネス設置体への組み付け性が良くなっているとともに、擦れやつぶれ等に対する耐久性が高くなっている。

　すなわち、車輌等のワイヤハーネス設置体への組み付けをするときには、擦れやつぶれ等に対する耐久性が必要であるとともに配索経路に沿わせるために変形してはならない部位と、可撓性が必要な部位とがワイヤハーネス１において当然に必要になる。

　そこで、上記必要性に合わせて、強固な第１外装部９を設けてあれば、ワイヤハーネス配索路に沿って、強固な第１外装部９が設けられていない部位（第２外装部１１の部位）でワイヤハーネス１を曲げることができ、車輌等のワイヤハーネス設置体への組み付け性が良くなるとともに、強固な第１外装部９のところで擦れやつぶれ等に対する耐久性が高くなり、外部干渉から第１外装部９により内側の部分が守られる。

　また、シールド部７が設けられているので、シールド部７の内部から外への電磁波によるノイズの発生が抑えられ、ワイヤハーネス外部の電子機器や他のワイヤハーネスに対する悪影響を抑えることができ、また、シールド部７の内部にノイズが入り込むことを防止することができる。

　また、ワイヤハーネス１によれば、第１外装部９の間に第２外装部１１が設けられており、第２外装部１１が第１外装部９と協同して、ワイヤハーネス１の長手方向でシールド部７を連続的に覆っているので、シールド部７を確実にシールすることができる。

　また、ワイヤハーネス１によれば、各外装部９，１１を共押出しにて一括成型しているので、ワイヤハーネス１の製造工程が簡素化されており、ワイヤハーネス１の製造コストを低減させることができる。

　上述の説明では、シールド部７と各外装部９，１１とが密着しているが、各外装部９，１１がシールド部７から離れており、シールド部７と各外装部９，１１との間に円筒状の間隙が形成されるようになっていてもよい。この場合、各外装部９，１１を別途形成した後、筒状の各外装部９，１１にシールド部７（導体部３、絶縁体部５）を挿通するようにしてもよい。

　このように、各外装部９，１１がシールド部７から離れている構成でも、円筒状の各外装部９，１１の内面がコルゲートのように凹凸になっておらず、円柱側面状でなめらかになっている。このため、振動等によって、シールド部７が傷つくことがなく、シールド部７の断線等が回避される。

　なお、図６に示す第１変形例のように、第２外装部１１をワイヤハーネス１の全長にわたって設け、第２外装部１１の外側に第１外装部９を断続的に設けてもよい。

　すなわち、第２外装部１１を、シールド部７の長手方向でシールド部７に接触してシールド部７を連続的に覆うように設け、第１外装部９を、第２外装部１１の長手方向で第２外装部１１に接触して第２外装部１１を断続的に覆うように設けてもよい。

　このように構成することで、柔軟な第２外装部１１がシールド部７の長手方向でシールド部７を連続的に覆うことになり、シールド部７を一層確実にシールすることができる。

　なお、上述の説明では、１本の電線６を１本のシールド部７等で覆っているワイヤハーネス１を例に掲げて説明したが、２本以上の複数本の電線６を１本のシールド部７で覆い、第１外装部９や第２外装部１１でシールド部７を覆っている構成であってもよい。

　さらに、２本以上の複数本の電線６のそれぞれを複数本のシールド部７で覆い、これらのシールド部７を外装部９や外装部１１で覆っている構成であってもよい。

　また、ワイヤハーネス１において、図７に示す第２変形例のように、第２外装部１１を削除してもよい。

　また、ワイヤハーネス１において、シールド部７を削除してもよい。すなわち、ワイヤハーネス１を、導体部３とこの導体部３を覆っている絶縁体部５とで構成された１本以上の電線６と、この電線６とは別体で構成され電線６の長手方向で絶縁体部５を断続的に覆っている強固な第１外装部９とで構成してもよい。

　本発明によれば、製造工程を簡素化することで製造時間を短縮しコストの上昇を抑えることができるとともに、車輌等のワイヤハーネス設置体への組み付け性が良いワイヤハーネスを提供することができる。

Claims

　ワイヤハーネスであって、
　導体部と前記導体部を覆っている絶縁体部とを備えた１本以上の電線と、
　前記電線とは別体で構成され、前記電線を覆っているシールド部と、
　前記シールド部の長手方向で前記シールド部を断続的に覆っている強固な第１外装部と、
を備えることを特徴とするワイヤハーネス。
　請求項１に記載のワイヤハーネスであって、
　前記第１外装部の間に設けられ、前記第１外装部と協同して、前記シールド部の長手方向で前記シールド部を連続的に覆っている柔軟な第２外装部を更に備える
ことを特徴とするワイヤハーネス。
　請求項１に記載のワイヤハーネスであって、
　前記シールド部の長手方向で前記シールド部を連続的に覆っている柔軟な第２外装部を更に備え、
　前記第１外装部は、前記第２外装部の長手方向で前記第２外装部を断続的に覆っている
ことを特徴とするワイヤハーネス。
　ワイヤハーネスであって、
　導体部と前記導体部を覆っている絶縁体部とを備えた１本以上の電線と、
　前記電線とは別体で構成され、前記電線の長手方向で前記絶縁体部を断続的に覆っている強固な外装部と、
を備えることを特徴とするワイヤハーネス。