WO2013129073A1

WO2013129073A1 - 電池パック

Info

Publication number: WO2013129073A1
Application number: PCT/JP2013/052927
Authority: WO
Inventors: 玉井　幹隆; 裕太西條
Original assignee: 三洋電機株式会社
Priority date: 2012-02-27
Filing date: 2013-02-07
Publication date: 2013-09-06

Abstract

【課題】受電コイルを送電コイルとの電磁結合効率を維持しつつ、厚さを薄型とする。【解決手段】充電台に載置して無接点で充電可能な電池パックであって、厚さよりも幅を広くした角型の二次電池セル１と、二次電池セル１の表面に配置され、充電台に内蔵された送電コイルと電磁的に結合可能な受電コイル４と、受電コイル４を収納するためのコイル配置穴２Ａを開口したホルダー２と、二次電池セル１と受電コイル４との間に配置され、コイル配置穴２Ａに収納可能な大きさに形成した磁性体シート３と、磁性体シート３上に配置された受電コイル４が、コイル配置穴２Ａに配置された状態で、さらに該コイル配置穴２Ａに挿入されるコイルカバー６とを備える。

Description

電池パック

　本発明は、携帯電話等の電池駆動機器に収納され、充電台に載置して無接点又はワイヤレスで充電可能な電池パックに関する。

　携帯電話や携帯音楽プレーヤ等のモバイル機器に代表される電池駆動機器は、携帯に便利なように、充電できる電池により駆動されるものが多い。このような電池駆動機器は、電池を素電池の状態で、あるいは電池パックの状態で収納している。電池駆動機器は、電池を収納する状態で充電器に接点を接続して充電される。一方で、このように接点を接続することなく、電磁誘導の作用を利用して充電台に内蔵された送電コイルから、受電コイルに対して電力を搬送して、電池を充電する電池パックが開発されている（特許文献１参照）。

　このような無接点式の電池パックでは、充電台側に、高周波電源で励磁される送電コイルを内蔵している。一方、電池駆動機器側に、この送電コイルと電磁的に結合される受電コイルを設けておき、受電コイルに誘導される電力で電池駆動機器の二次電池を充電する。電池駆動機器は、受電コイルに誘導される交流を整流し、これを電池に供給して充電する充電回路を内蔵している。この構造によると、充電台の上に電池駆動機器を載せて、接点を接続することなく無接点な状態で二次電池を充電できる。

　電磁誘導では、送電コイルと受電コイルとの距離の二乗に反比例して磁束密度が減少するため、距離が離れると受電コイル側の誘導起電力も減少する。そこでこの構成の電池パックは、受電コイルと送電コイルとの結合効率を高めるためには、両者を極力接近させる必要がある。言い換えると、受電コイルの表面を極力薄くする必要がある。

　このような無接点式の電池パックの一例として、特許文献１に開示される電池パックを、図５及び図６の分解斜視図に示す。これらの図に示す電池パック８８０では、電池組立８１０の円盤状の受電コイル８０１の表面を、出力端子８１１を除く各側面を覆うようにシール状のラベル８１２を貼付している。

　しかしながら、ラベル８１２で受電コイル８０１を直接被覆する構成では、ラベル８１２の貼付面における受電コイル８０１の凹凸が外観として表出してしまい、見栄えが悪くなる。加えて、充電台への載置面に凹凸が生じることで、充電台に電池パック８８０を載置した際に不安定になったり、結合効率が悪くなる可能性もあった。

　さらに、薄いラベル８１２のみで受電コイル８０１を保護しているため、外部からの応力に対して受電コイル８０１の保護が不十分となるおそれもあった。一方、ラベルに変えて樹脂製のケースで被覆することも考えられるが、強度を増すためにケースを厚くすると、電磁結合効率が悪くなる。かといって、ケースを薄くするほど、強度が弱くなりラベルと同様の問題が顕在化する。

　加えてこの電池パックは、送電コイルから受ける磁力線を磁気シールドして、薄型電池への悪影響を防止するために電磁シールド膜８０６を電池セル８０２の全面に設けているが、電磁シールド膜８０６の厚さによって電池パック全体の厚さが増すという問題もある。

特開２００８－６６１４０号公報

　本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、受電コイルを送電コイルとの電磁結合効率を維持しつつ、厚さを薄型にした電池パックを提供することにある。

課題を解決するための手段及び発明の効果

　上記の目的を達成するために、本発明の第１の側面に係る電池パックによれば、充電台に載置して無接点で充電可能な電池パックであって、厚さよりも幅を広くした角型の二次電池セル１と、前記二次電池セル１の表面に配置され、充電台に内蔵された送電コイルと電磁的に結合可能な受電コイル４と、前記受電コイル４を収納するためのコイル配置穴２Ａを開口したホルダー２と、前記二次電池セル１と受電コイル４との間に配置され、前記コイル配置穴２Ａに収納可能な大きさに形成した磁性体シート３と、前記磁性体シート３上に配置された受電コイル４が、前記コイル配置穴２Ａに配置された状態で、さらに該コイル配置穴２Ａに挿入されるコイルカバー６と、を備えることができる。上記構成により、ホルダーのコイル配置穴に、磁性体シートと受電コイルを共に収納し、コイル配置穴全体をコイルカバーで覆うことにより、受電コイルを保護しつつ、電池パックの厚さを薄くすることができる。

　また、第２の側面に係る電池パックによれば、前記ホルダー２は、前記コイル配置穴２Ａの周縁に張り出し２ａを設けており、前記張り出し２ａは、前記コイル配置穴２Ａに面して、段差を設けており、前記段差の深さを前記コイルカバー６と略等しくすることができる。上記構成により、ホルダーで、コイルカバーを位置決めして受電コイルを確実に被覆できると共に、コイルカバーをホルダーの段差に挿入した状態で表面の段差を低減し、仕上がりの綺麗な電池パックを得ることができる。

　さらに、第３の側面に係る電池パックによれば、前記受電コイル４が、角型のコイルであり、前記受電コイル４からの引き出し線を、該角型の隅部に位置させることができる。上記構成により、円形のコイルに比べて磁束を受ける面積を大きくすることができるため電磁結合効率を向上でき、また引き出し線を隅部に位置させることで位置決めが容易となり、引き出し線を目視等によらず確実に所定位置に規定できる。

　さらにまた、第４の側面に係る電池パックによれば、前記受電コイル４が、中心に開口を設けており、前記電池パックはさらに、該開口された空間に収納できる大きさで、かつ前記受電コイル４と略等しい厚さとしたスペーサー５を備えることができる。上記構成により、スペーサーでもって受電コイルの開口部分も平坦な状態とでき、受電コイルをコイルカバーで被覆する際の押圧力を均一に維持することができる。

　さらにまた、第５の側面に係る電池パックによれば、さらに前記ホルダー２を配置した前記二次電池セル１の外側面を被覆するラベル９を備えることができる。上記構成により、電池パックは外側面における絶縁構造を簡素化しつつ、薄型化も図られる。

　さらにまた、第６の側面に係る電池パックによれば、さらに前記二次電池セル１を制御する保護回路基板７を備えており、前記二次電池セル１は、前記受電コイル４を載置する面を第一主面１ａとし、該第一主面１ａの両側で交差する面を一対の側面１ｃ；１ｅとし、該第一主面１ａ及び側面１ｃ；１ｅと各々交差する面を一対の端面１ｄ；１ｆとしており、前記ホルダー２は、前記第一主面１ａ、両端面１ｄ；１ｆ及び両側面１ｃ；１ｅを覆うと共に、一方の端面１ｄに前記保護回路基板７を載置するための基板配置部２ｂを設けることができる。上記構成により、電池パックの薄型化を損なうことなく、回路基板を載置することができる。

　さらにまた、第７の側面に係る電池パックによれば、前記磁性体シート３を、前記受電コイル４よりも大きく形成することができる。上記構成により、確実に受電コイルの全面を磁性体シートでカバーして磁束が外部に漏れる事態を抑制できる。
　そして、第８の側面に係る電池パックによれば、ホルダー２は、二次電池セル１の底面を覆う配置部２ｃを設けることができる。二次電池セル１の底面を覆う部材を、板状とし別体として設ける場合と比べて、上記構成により、部品点数が低減でき、作業工程を低減することもできると共に、配置部２ｃのずれ、傾き等を抑制することができる。

本発明の実施例に係る電池パックの斜視図である。図１の電池パックの分解斜視図である。図１の電池パックのＩＩＩ－ＩＩＩ線における概略垂直断面図である。図３の電池パックのＩＶ－ＩＶ線における水平断面図である。従来の電池パックの組立を示す斜視図である。従来の電池パックの分解斜視図である。

　以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電池パックを例示するものであって、本発明は電池パックを以下のものに特定しない。さらに、本明細書においては、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
（実施例）

　以下、実施例に係る電池パックを、図１～図４に基づいて説明する。これら図において、図１は実施例に係る電池パックの斜視図、図２は図１の電池パックの分解斜視図、図３は図１の電池パックのＩＩＩ－ＩＩＩ線における概略垂直断面図、図４は図３の電池パックのＩＶ－ＩＶ線における水平断面図を、それぞれ示している。ここでは、電池パックとして携帯電話等の電池駆動機器に収納され、充電台に載置して無接点又はワイヤレスで充電可能な電池パックを例示している。

　図１の電池パック１０は、外観を厚さよりも幅を広くした角型としている。換言すれば、厚みのある矩形の板状の形をしている。この電池パック１０は、上面に電池駆動機器との接続端子を露出させたキャップ８を備えている。キャップ８は、接続端子部分以外を絶縁するため、絶縁部材で構成され、この例ではプラスチック構造体としている。また電池パック１０は、周囲の面にプラスチック製のラベル９を貼付している。これにより、電池パック１０は外部との絶縁性を高めている。
（キャップ８）

　キャップ８は、絶縁を図るためガラス繊維やカーボン繊維等の繊維を埋設したプラスチック素材により、一体的に成型されている。このようなプラスチックとしては、例えばＰＰＳ（ポリフェニレンサルファイド）が適している。ＰＰＳは、優れた強度を有しており、さらに繊維で補強することで衝撃強度を向上できる。さらにＰＰＳは、難燃性にも優れているので、例えば電池ケースの素材にＰＰＳを使用した場合、板厚を０．４ｍｍまで薄くしても、ＵＬ規格等に定められている難燃性に関する基準を満たすことができる。ただ、キャップ８のプラスチックは、ポリカーボネート等のプラスチックも使用できる。このように本発明は、プラスチック素材をＰＰＳに限定はしない。
（ラベル９）

　またラベル９は、絶縁性を備えるプラスチック製の薄膜としている。このようなプラスチック材としては、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルム等の安価な材料を利用できる。実施例におけるラベル９は、厚さを０．１ｍｍ以下としている。これにより、電池パック１０は周囲の面における絶縁を図りつつも薄型化することができる。ただ、ラベルの厚さは上記に限るものではなく、要求される破損強度に応じて、例えば０．１ｍｍ以上とすることもできる。
（二次電池セル１）

　図２の分解斜視図に示す電池パック１０は、充放電可能な二次電池セル１を備えている。この二次電池セル１は、体積エネルギー密度の大きいリチウムイオン二次電池又はリチウムポリマー電池を使用することで、全体を軽く、薄く、小さくして利便性を良く電池駆動機器に利用できる。ただ二次電池セルは、これに限るものではなく、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池等、充電可能な全ての二次電池を利用できる。
　また二次電池セル１は、角型で薄型の素電池を利用しており、面積の広い対向する平坦な２面を第一主面１ａと第二主面１ｂとしている。さらに二次電池セル１は、第一主面１ａと第二主面１ｂとの側縁を、一対の側面１ｃと側面１ｅでそれぞれ連結し、一体に構成されている。さらにまた、この第一主面１ａ及び第二主面１ｂと上下で直交する面として、対向する一対の端面１ｄと端面１ｆを有している。この内、一方の端面１ｄ（図において上面）には、一対の電極端子を設けている。

　この二次電池セル１は、外観を構成する外装缶を金属ケースとしている。例えば、金属ケースは、アルミニウム製等とすることができる。
（ホルダー２）

　一方、二次電池セル１には、第一主面１ａに面してホルダー２が装着される。ホルダー２には、その上面に二次電池セル１の端面１ｄを覆う基板配置部２ｂを、下面には二次電池セル１の他方の端面１ｆ（図において底面）を覆う配置部２ｃを、それぞれ設けている。このホルダー２も、二次電池セル１を絶縁するためのプラスチック製の構造体としている。これにより、二次電池セル１の端面１ｆは、ホルダー２の配置部２ｃにより外部との絶縁を図ることができる。
　基板配置部２ｂ、配置部２ｃは、基板配置部２ｂに対して、図３に開示されるように、断面視直角に設けられている。
　従来、二次電池セル１の底面を覆う部材（＝絶縁体の部材）は、板状とし別体として設け、両面テープ等の固定手段により、底面に固定していた。
　ホルダー２においては、二次電池セル１の底面を覆う配置部２ｃを設けているので、部品点数が低減でき、作業工程を低減することもできると共に、配置部２ｃのずれ、傾き等を抑制することができる。また、上述の従来のような両面テープ等の固定手段をなくすこともできる。

　ホルダー２もキャップ８と同様、ガラス繊維やカーボン繊維等の繊維を埋設したプラスチックにより、一体的に成型されている。このプラスチックも、例えばＰＰＳ（ポリフェニレンサルファイド）が適している。上述の通りＰＰＳは難燃性にも優れているので、例えば電池ケースの素材にＰＰＳを使用した場合、板厚を０．４ｍｍまで薄くしても、ＵＬ規格等に定められている難燃性に関する基準を満たすことができる。ただ、ホルダーのプラスチックは、ポリカーボネート等のプラスチックも使用できる。
（保護回路基板７）

　また、ホルダー２の基板配置部２ｂには、二次電池セル１の保護および制御を行う保護回路基板７が配置される。保護回路基板７は、二次電池セル１の端面１ｄに配置されている一対の電極端子に、それぞれのリード板が接続されている（図示せず）。一方のリード板には、ＰＴＣを配置し二次電池セル１の温度を検出している。この保護回路基板７は、上述した絶縁対策のためキャップ８で保護されている。これにより、電池パック１０は、片面にリード板と保護回路基板７を集約することができるので、両端面にそれぞれリード板を配置する構成に比べ、小型化が図られる。
（コイル配置穴２Ａ）

　さらに、このホルダー２には、無接点充電のための受電コイル４を配置する空間として、コイル配置穴２Ａを形成している。コイル配置穴２Ａには、受電コイル４が磁性体シート３上に載置された状態で配置される。またコイル配置穴２Ａの厚さは、磁性体シート３と受電コイル４とコイルカバー６の厚さとの和と、ほぼ等しくしている。これにより、磁性体シート３と受電コイル４を無駄なく収納空間内に位置決めして配置できる。
（スペーサー５）

　さらにまた、受電コイル４の中心には開口を設けており、開口部分にはこの空間内に収納できる大きさスペーサー５が配置されている。このスペーサー５の厚さは、受電コイル４の厚さとほぼ等しくしている。これにより、受電コイル４とスペーサー５との境界部分の高さがほぼ平坦となるため、段差が表出する状態を回避し、かつ安定的に受電コイル４とスペーサー５とを押圧して保持できる。このようなスペーサー５の素材としては、絶縁性に優れたポリプロピレン等の樹脂製が利用できる。
（磁性体シート３）

　ホルダー２のコイル配置穴２Ａには、磁性体シート３が配置される。磁性体シート３は、磁性体を含有するシート材であり、金属やカーボン、フェライト等の粉末を添加してなる樹脂をシート状に成形して製作される。シート状の磁性体シート３は、二次電池セル１の第一主面１ａ上に積層される。さらに磁性体シート３の上面には、受電コイル４が固定され、二次電池セル１の第一主面１ａに磁性体シート３を介して受電コイル４が配設される。これにより、二次電池セル１は、受電コイル４が受ける磁束を磁性体シート３により遮断して、磁気誘導作用による二次電池セル１の外装缶への影響を抑制できる。さらに、磁性体シート３の表面に接着層を設けてもよい。例えば裏面側に粘着材を塗布して磁性体シート３を二次電池セル１の第一主面１ａに固定でき、縦横の位置ずれを阻止できる。また表面側にも粘着材を塗布し、受電コイル４を安定的に固定できる。また、磁性体シート３はフェライトシートであってもよい。
（コイルカバー６）

　さらに、コイル配置穴２Ａに配置された磁性体シート３と受電コイル４には、保護シートとしてコイルカバー６を被覆している。一方ホルダー２には、図３に示すようにコイル配置穴２Ａの周縁に張り出し２ａを設けている。この張り出し２ａの端面が、コイル配置穴２Ａにコイルカバー６を配置した状態で、コイルカバー６の端面と対向する姿勢となるようにしている。また張り出し２ａの厚さは、上述したコイル配置穴２Ａの厚さ、すなわち磁性体シート３と受電コイル４とコイルカバー６の和と、ほぼ等しくしている。これにより、コイルカバーとホルダーとの境界部分の継ぎ目や突起を低減して、仕上がりの綺麗な電池パックを得ることができる。

　また、張り出し２ａは、コイル配置穴２Ａに面して段差を設けている。この段差の深さはコイルカバー６とほぼ等しくしている。また、コイル配置穴２Ａにコイルカバー６を配置した状態で、コイルカバー６の端面が段差部に位置すると共に、コイルカバー６の端面と段差部端縁の垂直面とがほぼ隙間なく面するようにすることで、コイルカバーとホルダーとの境界部分の継ぎ目も低減され、仕上がりの綺麗な電池パックを得ることができる。

　このコイルカバー６は、図３の概略垂直断面図に示されるように、受電コイル４およびスペーサー５の上部に配置されている。この概略垂直断面図は、コイルカバー６が二次電池セル１に対して非常に薄いため概略図としている。さらに、コイルカバー６を配置した電池パック１０は、二次電池セル１の絶縁のため、その外周にラベル９を捲回して被覆している。電池パック１０は、ラベル９で直接受電コイル４を被覆した場合にコイルのワイヤに沿った凹凸の形状が表出してしまうところ、コイルカバー６を配置することでこのような表出を回避できる。さらにコイルカバー６の厚さを薄くすることで、電池パック１０の厚型化を回避できる。このようなコイルカバー６の素材としては、絶縁性に優れたＰＥＴ等の樹脂が利用できる。
（受電コイル４）

　一方、図３の受電コイル４は、二次電池セル１の第一主面１ａ上に配置している。なお無接点充電を行う際は、充電台の上面に、充電コイル４が面する姿勢で電池パックを載置するため、受電コイル４が二次電池セル１の下方に位置する姿勢となる。受電コイル４は、図４の垂直断面図に示すように、線材を平面に渦巻き状に巻いた平面コイルで、接着材や塗料で一体化して所定の形状に保持している。この受電コイル４は、送電コイルからの磁束を如何に誘導起電力に変換できるかが重要であり、受電コイルとしての線材の巻き数及び磁束を受ける面積を如何にして増やすかが課題となる。そこで本実施の形態では、受電コイル４を四角形状コイルとしている。四角形状コイルは、円形コイルに比べ、コイルとして用いる線材の長さを円形コイルより延長できる。これにより、送電コイルからの磁束を受ける線材面積を増加させることができ、それに伴い誘導電流を増加させることが可能となる。

　この受電コイル４には、二本の引き出し線を備えている。さらに受電コイル４は、四角形状のコイルとすることにより、二本の引き出し線を隅部に合わせることができ、確実に一定方向に引き出すことができる。この引き出された二本の引き出し線は、保護回路基板７と接続される。これにより、充電台の送電コイルからの誘導起電力を、受電コイル４にて受け、保護回路基板７で直流電源に変換した後に、二次電池セル１の充電を行うことができる。

　本発明に係る電池パックは、携帯電話やＰＤＡ、携帯型ゲーム機器、携帯型音楽プレーヤ等の無接点充電可能な電源として、好適に利用できる。

　１０…電池パック
　　１…二次電池セル
　　　　１ａ…第一主面
　　　　１ｂ…第二主面
　　　　１ｃ、１ｅ…側面
　　　　１ｄ、１ｆ…端面
　　２…ホルダー
　　　　２Ａ…コイル配置穴
　　　　２ａ…張り出し
　　　　２ｂ…基板配置部
　　　　２ｃ…配置部
　　３…磁性体シート
　　４…受電コイル
　　５…スペーサー
　　６…コイルカバー
　　７…保護回路基板
　　８…キャップ
　　９…ラベル
８０１…受電コイル
８０２…電池セル
８０６…電磁シールド膜
８１０…電池組立
８１１…出力端子
８１２…ラベル
８８０…電池パック

Claims

　充電台に載置して無接点で充電可能な電池パックであって、
　厚さよりも幅を広くした角型の二次電池セル(1)と、
　前記二次電池セル(1)の表面に配置され、充電台に内蔵された送電コイルと電磁的に結合可能な受電コイル(4)と、
　前記受電コイル(4)を収納するためのコイル配置穴(2A)を開口したホルダー(2)と、
　前記二次電池セル(1)と受電コイル(4)との間に配置され、前記コイル配置穴(2A)に収納可能な大きさに形成した磁性体シート(3)と、
　前記磁性体シート(3)上に配置された受電コイル(4)が、前記コイル配置穴(2A)に配置された状態で、さらに該コイル配置穴(2A)に挿入されるコイルカバー(6)と、
を備えることを特徴とする電池パック。
　請求項１に記載の電池パックであって、
　前記ホルダー(2)は、前記コイル配置穴(2A)の周縁に張り出し(2a)を設けており、
　前記張り出し(2a)は、前記コイル配置穴(2A)に面して、段差を設けており、
　前記段差の深さを前記コイルカバー(6)と略等しくしてなることを特徴とする電池パック。
　請求項１又は２に記載の電池パックであって、
　前記受電コイル(4)が、角型のコイルであり、
　前記受電コイル(4)からの引き出し線を、該角型の隅部に位置させてなることを特徴とする電池パック。
　請求項１から３のいずれか一に記載の電池パックであって、
　前記受電コイル(4)は、中心に開口を設けており、
　前記電池パックはさらに、該開口された空間に収納できる大きさで、かつ前記受電コイル(4)と略等しい厚さとしたスペーサー(5)を備えてなることを特徴とする電池パック。
　請求項１から４のいずれか一に記載の電池パックであって、さらに、
　前記ホルダー(2)を配置した前記二次電池セル(1)の外側面を被覆するラベル(9)を備えることを特徴とする電池パック。
　請求項１から５のいずれか一に記載の電池パックであって、さらに、
　前記二次電池セル(1)を制御する保護回路基板(7)を備えており、
　前記二次電池セル(1)は、
　　前記受電コイル(4)を載置する面を第一主面(1a)とし、
　　該第一主面(1a)の両側で交差する面を一対の側面(1c;1e)とし、
　　該第一主面(1a)及び側面(1c;1e)と各々交差する面を一対の端面(1d;1f)としており、
　前記ホルダー(2)は、前記第一主面(1a)、両端面(1d;1f)及び両側面(1c;1e)を覆うと共に、一方の端面(1d)に前記保護回路基板(7)を載置するための基板配置部(2b)を設けてなることを特徴とする電池パック。
　請求項１から６のいずれか一に記載の電池パックであって、
　前記磁性体シート(3)を、前記受電コイル(4)よりも大きく形成してなることを特徴とする電池パック。
　請求項１から７のいずれか一に記載の電池パックであって、
　前記ホルダー(2)は、二次電池セル(1)の底面を覆う配置部(2c)を設けてなることを特徴とする電池パック。