WO2013038466A1

WO2013038466A1 - 車両用ルーフ構造

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Publication number: WO2013038466A1
Application number: PCT/JP2011/070692
Authority: WO
Inventors: 飛田　一紀; 仁溝畠
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 2011-09-12
Filing date: 2011-09-12
Publication date: 2013-03-21
Also published as: EP2757026B1; US8944496B2; CN103796907A; CN103796907B; US20140217783A1; EP2757026A4; EP2757026A1

Abstract

　ルーフパネル(40)を支えるための左右のルーフレール(15,15)は、左右のインナレール(21,21)と、該左右のインナレールの車幅方向外側に位置する左右のアウタパネル(31,31)と、から成る。該左右のアウタパネルは、上端(36,36)から車幅方向内側へ向かって、中段の段差部(33,33)と下段の上部アウタフランジ(34,34)とに、段差状に構成される。該上部アウタフランジは、該左右のインナレールの上面(21a,21a)に接合されている。該ルーフパネルの左右の端部(47,47)は、該段差部の段差面(33a,33a)に対して接着部(72,72)と仮止め部(73.73)とにより接合されている。該仮止め部は、該接着部が接着力を発揮することが可能となるまで仮に止めておく溶接部分であり、該段差部に充填された充填剤層(74,74)によって覆われている。

Description

車両用ルーフ構造

　本発明は、車体前後方向に延びた左右のルーフレールによってルーフパネルを支えている、車両用ルーフ構造に関する。

　車体の上部に有しているルーフは、左右のルーフレールによってルーフパネルの左右の端部を支えるように構成されている。左右のルーフレールとルーフパネルの左右の端とは、互いに上下方向に重ね合わされ且つスポット溶接されることにより、接合される。上下方向のスポット溶接を可能にするために、左右のルーフレールとルーフパネルの左右の端との接合部分は、上に開放された溝部に構成されている。該溝部は、化粧用モールによって塞がれている。該溝部の底に現れているスポット溶接の痕跡が、化粧用モールによって覆われるので、車両の外観性が高まる。しかし、このような化粧用モールは、車体の部品数を低減する観点から、廃止されることが好ましい。

　該化粧用モールを廃止した車両用ルーフは、特許文献１から知られている。特許文献１から知られている車両用ルーフは、ルーフパネルと左右のルーフレールとの間に、枠状の内部ルーフ部材が介在している。該内部ルーフ部材の左右の端の一部は、１段下がった段差部に構成されている。該段差部は、左右のルーフレールの上に重ねられ且つスポット溶接によって接合されている。該内部ルーフ部材の左右の端と左右のルーフレールとの接合部分は、上に開放した溝部を成す。該段差の最下面は、溝部の底を成す。ルーフパネルは、溝部の大部分を覆うように、内部ルーフ部材の上に被せられている。

　しかし、該溝部は、ルーフパネルによって大部分が塞がれているものの、塞がれていない残りの部分が、必要のない隙間として際だって見えてしまう。車両の外観性を高めるためには、更なる改良の余地がある。しかも、車体を生産する場合に、ルーフパネルの左右の端と左右のルーフレールとの間の隙間の寸法管理を十分に行う必要がある。

米国特許第６０２７１６０号明細書

　本発明は、左右のルーフレールとルーフパネルの左右の端との接合部分に、化粧用モールを設けることなく、車両の外観性を高めることができる技術を、提供することを課題とする。

　請求項１に係る発明によれば、ルーフパネルと、車体の前後方向に延びて前記ルーフパネルを支えるための左右のルーフレールと、を備える車両用ルーフ構造において、前記左右のルーフレールは、前記車体の骨格の一部を構成するための車体前後方向に細長い閉断面状の左右のインナレールと、該左右のインナレールの車幅方向外側に位置する左右のアウタパネルと、から成り、前記左右のアウタパネルは、上端から車幅方向内側へ向かって段差状に下がりつつ延びる左右の段差部と、該左右の段差部から車幅方向内側へ向かって段差状に下がりつつ延びる左右の上部アウタフランジと、を有し、該左右の上部アウタフランジは、前記左右のインナレールの上面に重なって接合されており、前記ルーフパネルの左右の端部が、前記左右の段差部の段差面へ向かって下がりつつ延びて該左右の段差面に重なっていることにより、該左右の段差部と前記左右の端部とによって、上が開放された左右の溝部が構成され、前記ルーフパネルの左右の端部は、前記左右の段差面に対して、接着剤による接着部と、該接着部が接着力を発揮することが可能となるまで仮に止めておくための溶接による仮止め部と、によって接合されており、該仮止め部は、前記左右の段差部に充填された充填剤による充填剤層によって覆われていることを特徴とする車両用ルーフ構造が提供される。

　請求項２に記載のごとく、好ましくは、前記仮止め部は、パルスレーザー溶接された溶接部である。

　請求項３に記載のごとく、好ましくは、前記接着部は、前記ルーフパネルの左右の端部のなかで、前記仮止め部の位置よりも車幅方向内側に位置している。

　請求項４に記載のごとく、好ましくは、前記左右の段差部のなかで、前記充填剤層の範囲は、前記左右のアウタパネルの上端と前記左右の段差面との間の左右のコーナから、前記仮止め部を覆う部位までの範囲である。

　請求項５に記載のごとく、好ましくは、前記左右の段差部に充填された前記充填剤層の表面形状は、前記左右のアウタパネルの上端近傍から、前記仮止め部を覆う部位にかけて、徐々に窪むように湾曲した略湾曲状である。

　請求項６に記載のごとく、前記ルーフ構造は、好ましくは、前記左右のルーフレール間に掛け渡されて前記ルーフパネルを支持するためのルーフ支持用骨組体を、更に備え、該ルーフ支持用骨組体と前記ルーフパネルとによって、ルーフパネル組立体が構成され、前記ルーフ支持用骨組体は、前記ルーフパネルの前端に沿って車幅方向へ延びたルーフ前端横アーチと、前記ルーフパネルの中央に位置して車幅方向へ延びたルーフ中央横アーチと、前記ルーフパネルの後端に沿って車幅方向へ延びたルーフ後端横アーチと、前記ルーフパネルの車幅方向の略中央に位置して車体前後方向に延び、前記ルーフ前端横アーチと前記ルーフ中央横アーチと前記ルーフ後端横アーチとを繋いだ少なくとも１個のルーフ縦アーチと、から成り、前記ルーフパネルの前端部は、前記ルーフ前端横アーチに接合され、前記ルーフパネルの後端部は、前記ルーフ後端横アーチに接合され、該ルーフパネル組立体は、前記左右のルーフレールに対して、前記ルーフパネルの左右の端部が接合される他に、前記ルーフ前端横アーチの両端と前記ルーフ後端横アーチの両端とが接合されている。

　請求項７に記載のごとく、前記ルーフ構造は、好ましくは、前記左右のルーフレール間に掛け渡されて前記ルーフパネルを支持するためのルーフ支持用骨組体を、更に備え、該ルーフ支持用骨組体と前記ルーフパネルとによって、ルーフパネル組立体が構成され、前記ルーフ支持用骨組体は、前記ルーフパネルの前端に沿って車幅方向へ延びたルーフ前端横アーチと、前記ルーフパネルの中央に位置して車幅方向へ延びたルーフ中央横アーチと、前記ルーフパネルの後端に沿って車幅方向へ延びたルーフ後端横アーチと、前記ルーフパネルの車幅方向の略中央に位置して車体前後方向に延び、前記ルーフ前端横アーチと前記ルーフ中央横アーチと前記ルーフ後端横アーチとを繋いだ左右のルーフ縦アーチと、から成り、該左右のルーフ縦アーチは、車幅方向に互いに離間して位置し、前記ルーフパネルの前端部は、前記ルーフ前端横アーチに接合され、前記ルーフパネルの後端部は、前記ルーフ後端横アーチに接合され、該ルーフパネル組立体は、前記左右のルーフレールに対して、前記ルーフパネルの左右の端部が接合される他に、前記ルーフ前端横アーチの両端と前記ルーフ後端横アーチの両端とが接合されている。

　請求項１に係る発明では、左右のインナレールの車幅方向外側に位置した左右のアウタパネルは、上端から車幅方向内側へ向かって、中段と下段の段差状に構成され、該下段の上部アウタフランジが該左右のインナレールの上面に接合されている。ルーフパネルの左右の端部は、該中段の段差部の段差面へ向かって下がりつつ延び、該段差面に対して接着部と仮止め部とにより接合されている。ルーフパネルの左右の端部と左右の段差部とによって、上が開放された左右の溝部が構成される。

　該仮止め部は、接着部が所定の接着力を発揮することが可能となるまで、仮に止めておく程度に溶接された部分であり、接合強度は小さくてよい。つまり、段差面に対してルーフパネルの左右の端部を主に接合するものは、接着部である。該接着部が所定の接着力を発揮した後には、仮止め部は、仮に止めておくという役割を終えて、該接着部による接合を補う程度の役割を果たせばよい。このため、該左右の溝部の底に現れる仮止め部の溶接の痕跡は、小さくてすむので視認し難い。しかも、該仮止め部は、左右の段差部に充填された充填剤層によって覆われているので、外部から視認できない。

　さらに、該ルーフパネルの左右の端部が、中段の段差部の段差面へ向かって下がりつつ延びて接合されることによって、左右の溝部が構成される。このため、該左右の溝部は、溝深さが浅くてすむので外観性が良い。このようなことから、左右の溝部の内部を化粧用モールによって覆う必要はない。さらに、左右のインナレールの上面に対する、左右の上部アウタフランジの接合部分は、ルーフパネルによって覆われることになるので、外部から視認できない。

　このように、請求項１に係る発明では、左右のルーフレールとルーフパネルの左右の端部との接合部分に、化粧用モールを設けることなく、車両の外観性を高めることができる。

　請求項２に係る発明では、仮止め部がパルスレーザー溶接によるものなので、溶接時にルーフパネルの左右の端部に発生する痕跡（打痕、凹み）は小さくてすむ。このため、該痕跡を充填剤層によって容易に覆うことができる。しかも、溶接する部位（仮止め部）の面積が小さくてもよく、ルーフパネルの左右の端部の縁に接近させて溶接することができる。

　請求項３に係る発明では、接着部は、ルーフパネルの左右の端部のなかで、仮止め部の位置よりも車幅方向内側に位置している。このため、該接着部は仮止め部に重なることなく、ルーフパネルの左右の端部に対し、溝部の長手方向へ連続して位置することができる。従って、ルーフパネルの左右の端部と左右の段差部との接着範囲が広いので、接着強度を高めることができる。

　請求項４に係る発明では、充填剤層の範囲は、左右のアウタパネルの上端と左右の段差面との間の左右のコーナから、仮止め部を覆う部位までの範囲である。このため、該左右のコーナ及び仮止め部は、該充填剤層によって覆われる。従って、車両の外観性を一層高めることができる。

　請求項５に係る発明では、充填剤層の表面形状は、左右のアウタパネルの上端近傍から、仮止め部を覆う部位にかけて、徐々に窪むように湾曲した略湾曲状である。このため、表面が略湾曲状の充填剤層によって左右のコーナ及び該コーナの周辺部分を覆うことにより、左右の溝部の輪郭を、ぼかすことができる。従って、車両の外観性を一層高めることができる。

　請求項６に係る発明では、ルーフパネルと、該ルーフパネルを支持するためのルーフ支持用骨組体とによって、ルーフパネル組立体が構成されている。該ルーフ支持用骨組体を左右のルーフレール間に掛け渡すことにより、ルーフパネル組立体を車体に組み込むことができる。つまり、該ルーフパネル組立体は、左右のルーフレールに対して、ルーフパネルの左右の端部が接合される他に、ルーフ前端横アーチの両端とルーフ後端横アーチの両端とが接合されることによって、車体に組み込まれる。従って、左右のルーフレールに対するルーフパネル組立体の接合箇所が少なくてすむ。この結果、車体の組立工数を低減することができるとともに、車体の組立作業を容易にすることができる。

　さらには、ルーフ支持用骨組体は、車幅方向へ延びたルーフ前端横アーチ、ルーフ中央横アーチ及びルーフ後端横アーチと、車体前後方向に延びた少なくとも１個のルーフ縦アーチと、から成る。ルーフパネル組立体が左右のルーフレール間に掛け渡されている構成では、該左右のルーフレールと、ルーフ前端横アーチとルーフ後端横アーチとによって、平面視略矩形状の枠が構成される。該矩形状の枠の中を、ルーフ中央横アーチ及び少なくとも１個のルーフ縦アーチによって区画しているので、ルーフパネルの強度、剛性を高めることができる。

　請求項７に係る発明では、ルーフパネルと、該ルーフパネルを支持するためのルーフ支持用骨組体とによって、ルーフパネル組立体が構成されている。該ルーフ支持用骨組体を左右のルーフレール間に掛け渡すことにより、ルーフパネル組立体を車体に組み込むことができる。つまり、該ルーフパネル組立体は、左右のルーフレールに対して、ルーフパネルの左右の端部が接合される他に、ルーフ前端横アーチの両端とルーフ後端横アーチの両端とが接合されることによって、車体に組み込まれる。従って、左右のルーフレールに対するルーフパネル組立体の接合箇所が少なくてすむ。この結果、車体の組立工数を低減することができるとともに、車体の組立作業を容易にすることができる。

　さらには、ルーフ支持用骨組体は、車幅方向へ延びたルーフ前端横アーチ、ルーフ中央横アーチ及びルーフ後端横アーチと、車体前後方向に延びた左右のルーフ縦アーチと、から成る。ルーフパネル組立体が左右のルーフレール間に掛け渡されている構成では、該左右のルーフレールと、ルーフ前端横アーチとルーフ後端横アーチとによって、平面視略矩形状の枠が構成される。該矩形状の枠の中が、ルーフ中央横アーチ及び左右のルーフ縦アーチによって６つに区画されているので、ルーフパネルの強度、剛性を高めることができる。その分、ルーフパネルの板厚を低減することによって、車体の軽量化を図ることができる。

本発明のルーフ構造を有している車体の斜視図である。図１に示された左のルーフレール周りの要部を破断した斜視図である。図１に示された右のルーフレールの斜視図である。図１の４－４線に沿った断面図である。図４に示された段差部周りの拡大図である。図１に示されたルーフパネル組立体の斜視図である。図６に示されたルーフ骨組立体の斜視図である。

　本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。

　図１に示されるように、車両１０は例えば乗用車であり、車体１１の内側に前部のエンジンルーム１２と、該エンジンルーム１２の真後ろに位置する車室１３とが、形成されている。該車体１１は、モノコックボディから成り、車両１０の車幅方向の中心を通って車両前後方向へ延びる車幅中心線ＣＬに対し、左右対称形に形成されている。

　車体１１のルーフ構造１４（以下、「ルーフ１４」ということもある。）は、車室１３の上を覆う部分であって、車体前後方向に延びた左右のルーフレール１５，１５と、該左右のルーフレール１５，１５によって支えられたルーフパネル組立体１６と、から成る。

　図１、図２及び図３に示されるように、左右のルーフレール１５，１５は、車幅方向内側（車室１３側）に位置する左右のインナレール２１，２１と、該左右のインナレール２１，２１の車幅方向外側（車外側）に位置する左右のアウタパネル３１，３１と、から成る。以下、右のルーフレール１５について詳しく説明する。左のルーフレール１５は、右のルーフレール１５に対して左右対称形である他には同じ構成であり、同一符号をして説明を省略する。

　図３、図４及び図５に示されるように、右のインナレール２１は、車体前後方向に細長い閉断面状の部材であって、車体１１の骨格の一部を構成する。該右のインナレール２１は、車幅方向内側（図１に示される車室１３側）に位置する右のインナ部材２２と、該右のインナ部材２２の車幅方向外側に位置する右のアウタ部材２３と、から成る。

　該右のインナ部材２２は、鋼板のプレス成型品であって、略縦板状のインナ本体２２ａと、該インナ本体２２ａの上端から車幅方向内側へ向かって略水平に延びた上部フランジ２２ｂと、該インナ本体２２ａの下端から車幅方向外側へ且つ下方へ向かって延びた下部フランジ２２ｃと、から成る。

　該右のアウタ部材２３は、鋼板のプレス成型品であって、該インナ本体２２ａに向かって開放した略Ｕ字状断面のアウタ本体２３ａと、該アウタ本体２３ａの上端から車幅方向内側へ向かって略水平に延びた上部フランジ２３ｂと、該アウタ本体２３ａの下端から車幅方向外側へ且つ下方へ向かって延びた下部フランジ２３ｃと、から成る。

　アウタ部材２３の上部フランジ２３ｂは、インナ部材２２の上部フランジ２２ｂの上に重ねられてスポット溶接等の溶接によって接合されている。アウタ部材２３の下部フランジ２３ｃは、インナ部材２２の下部フランジ２２ｃに重ねられてスポット溶接等の溶接によって接合されている。このように、右のインナ部材２２に右のアウタ部材２３が一体化されることによって、閉断面状の右のインナレール２１が構成されている。なお、右のインナレール２１は、閉断面状の構成であればよく、例えば単一のパイプによって構成することが可能である。該パイプは、例えば押し出し成型品から成る。

　該右のアウタパネル３１は、右のルーフレール１５の外表面を構成するための部材であり、右のインナレール２１よりも薄板によって構成されている。このような右のアウタパネル３１は、アルミニウムメッキ鋼板などの鋼板のプレス成型品であって、右のインナレール２１に車幅方向外側から所定の間隔を有して被せられている。詳しく述べると、該右のアウタパネル３１は、全体が右のインナレール２１に向かって開放した略Ｕ字状断面に構成されており、アウタパネル本体３２と段差部３３と上部アウタフランジ３４と下部アウタフランジ３５とから成る。

　該アウタパネル本体３２は、アウタ部材２３の全体を覆うように車幅方向外側へ凸状に湾曲し、上端３６がアウタ部材２３の上に位置している。該段差部３３は、アウタパネル本体３２の上端３６から車幅方向内側へ向かって段差状に下がりつつ延びた、いわゆる略Ｌ字状断面に構成されている。つまり、該段差部３３は、アウタパネル本体３２の上端３６から垂下した縦板３７と、該縦板３７の下端から車幅方向内側へ向かって略水平に延びた横板３８と、から成る。段差部３３の段差面３３ａは、横板３８の上面に合致する。該上部アウタフランジ３４は、段差部３３の先端から車幅方向内側へ向かって段差状に下がりつつ延びた、いわゆる略Ｌ字状断面に構成されている。該下部アウタフランジ３５は、アウタパネル本体３２の下端から車幅方向外側へ且つ下方へ向かって延びている。

　なお、アウタパネル本体３２の上端３６は、アウタパネル３１の最も上端を構成している。以下、アウタパネル本体３２の上端３６のことを、適宜「アウタパネル３１の上端３６」と言い換える。

　上部アウタフランジ３４は、インナレール２１の上面２１ａに重なって接合されている。つまり、上部アウタフランジ３４は、アウタ部材２３の上部フランジ２３ｂの上に重ねられて、インナ部材２２の上部フランジ２２ｂと共にスポット溶接等の溶接によって接合されている。下部アウタフランジ３５は、アウタ部材２３の下部フランジ２３ｃに重ねられて、インナ部材２２の下部フランジ２２ｃと共にスポット溶接等の溶接によって接合されている。このように、右のインナレール２１に右の上部アウタフランジ３４が一体化されることによって、閉断面状の右のルーフレール１５が構成されている。該アウタ部材２３は、インナ部材２２とアウタパネル３１との間に介在することにより、ルーフレール１５の補強部材の役割を果たすことが可能である。

　図１及び図６に示されるように、ルーフパネル組立体１６は、ルーフパネル４０と、左右のルーフレール１５，１５間に掛け渡されてルーフパネル４０を支持するためのルーフ支持用骨組体５０と、から成る。結果的に、ルーフパネル４０は、左右のルーフレール１５，１５によって支えられる。該ルーフパネル４０は、車体前後方向に細長い略矩形状に形成されている、鋼板のプレス成型品である。

　図６及び図７に示されるように、ルーフ支持用骨組体５０は、ルーフパネル４０の前端に沿って車幅方向へ延びたルーフ前端横アーチ５１と、ルーフパネル４０の中央に位置して車幅方向へ延びたルーフ中央横アーチ５２と、ルーフパネル４０の後端に沿って車幅方向へ延びたルーフ後端横アーチ５３と、ルーフパネル４０の車幅方向の略中央に位置して車体前後方向に延びた少なくとも１個（例えば左右２個）のルーフ縦アーチ５４，５４と、から成る。

　ルーフ中央横アーチ５２は、車幅方向の略中央にランプ開口部５２ａを有する。該ランプ開口部５２ａには、車室１３内（図１参照）を照明するためのルームランプ５５が取り付けられている。結果的に、該ルームランプ５５は、ルーフパネル４０の下に且つ車幅中央に配置される。

　左右のルーフ縦アーチ５４，５４は、車幅方向に互いに離間して位置するとともに、車幅中央に位置しているルームランプ５５と左右のルーフレール１５，１５との間に、それぞれ位置している。さらに、該左右のルーフ縦アーチ５４，５４は、ルーフ前端横アーチ５１とルーフ中央横アーチ５２とルーフ後端横アーチ５３とを繋いでいる。

　該左右のルーフ縦アーチ５４，５４は、それぞれ車体前後方向に二分割の構成にすることが可能である。例えば、該左のルーフ縦アーチ５４は、車体前後方向に１列に配列された、２個のルーフ縦アーチ分割体５６，５７によって構成される。該右のルーフ縦アーチ５４は、車体前後方向に１列に配列された、２個のルーフ縦アーチ分割体５８，５９によって構成される。

　図７に示されるように、各横アーチ５１～５３及び各左右のルーフ縦アーチ５４，５４は、上が開放したハット状断面に形成されている。詳しく述べると、各横アーチ５１～５３及び各ルーフ縦アーチ分割体５６～５９は、鋼板のプレス成型品であり、略Ｕ字状断面の細長いアーチ本体６１と、該アーチ本体６１の開放した上縁から略水平に折り返された前後のフランジ６２，６３と、から成る。

　前側の各ルーフ縦アーチ分割体５６，５８は、ルーフ前端横アーチ５１の後側のフランジ６３とルーフ中央横アーチ５２の前側のフランジ６２との間に掛け渡され、それぞれ２箇所ずつスポット溶接によって接合されている。後側の各ルーフ縦アーチ分割体５７，５９は、ルーフ中央横アーチ５２の後側のフランジ６３とルーフ後端横アーチ５３の前側のフランジ６２との間に掛け渡され、それぞれ２箇所ずつスポット溶接によって接合されている。該各ルーフ縦アーチ分割体５６～５９の、該スポット溶接による各々の接合部（溶接部）は、符号６４によって示されている。

　図６及び図７に示されるように、ルーフパネル４０は、ルーフ支持用骨組体５０に接合されている。つまり、ルーフパネル４０の前端部４１は、ルーフ前端横アーチ５１に接合されている。ルーフパネル４０の後端部４２は、ルーフ後端横アーチ５３に接合されている。ルーフパネル４０の前後方向の中央部は、各ルーフ縦アーチ分割体５６～５９の各フランジ６２，６３にスポット溶接によって接合されている。

　詳しく述べると、該ルーフパネル４０の前端部４１は、ルーフ前端横アーチ５１の前側のフランジ６２に対して、車幅方向に所定ピッチで複数箇所、例えば１２箇所をスポット溶接によって接合されている。該ルーフパネル４０の後端部４２は、ルーフ後端横アーチ５３の後側のフランジ６３に対して、車幅方向に所定ピッチで複数箇所、例えば１２箇所をスポット溶接によって接合されている。該ルーフパネル４０の前端部４１及び後端部４２の、該スポット溶接による各々の接合部（溶接部）は、符号６５によって示されている。

　ルーフパネル組立体１６は、左右のルーフレール１５，１５に対して、矩形状のルーフパネル４０の四隅のコーナ部４３～４６と、該ルーフパネル４０の左右の端部４７，４７と、ルーフ前端横アーチ５１の両端と、ルーフ後端横アーチ５３の両端と、が接合されている。ルーフ中央横アーチ５２の両端を左右のルーフレール１５，１５に接合することは任意であるが、ルーフ１４の強度、剛性を一層高めるためには、接合することが好ましい。

　詳しく述べると、ルーフパネル４０の前側の左右のコーナ部４３，４４は、左右のルーフレール１５，１５に対して、車幅方向に所定ピッチで複数箇所、例えば３箇所ずつをスポット溶接によって接合されている。該ルーフパネル４０の前側の左右のコーナ部４３，４４の、該スポット溶接による各々の接合部（溶接部）は、符号６６によって示されている。前側の左右のコーナ部４３，４４に位置する３個ずつの溶接部６６は、ルーフパネル４０の前端部４１に１列に位置している複数の溶接部６５の延長線上に配列されている。

　ルーフパネル４０の後側の左右のコーナ部４５，４６は、左右のルーフレール１５，１５に対して、車幅方向に所定ピッチで複数箇所、例えば４箇所ずつをスポット溶接によって接合されている。該ルーフパネル４０の後側の左右のコーナ部４５，４６の、該スポット溶接による各々の接合部（溶接部）は、符号６７によって示されている。後側の左右のコーナ部４５，４６に位置する３個ずつの溶接部６７は、ルーフパネル４０の後端部４２に１列に位置している複数の溶接部６５の延長線上に配列されている。

　次に、右のルーフレール１５に対するルーフパネル４０の右の端部４７の接合構造について説明する。左のルーフレール１５に対するルーフパネル４０の左の端部４７の接合構造は、左の接合構造と同じであり、説明を省略する。

　図４及び図５に示されるように、ルーフパネル４０の右の端部４７が、右の段差部３３の段差面３３ａへ向かって下がりつつ延びて該右の段差面３３ａに重なっていることにより、該右の段差部３３と右の端部４７とによって、上が開放された右の溝部７１が構成されている。図５に示されるように、該右の端部４７は、右の段差面３３ａに対して接着剤による接着部７２と、該接着部７２が接着力を発揮することが可能となるまで仮に止めておくための溶接による複数の仮止め部７３と、によって接合されている。つまり、右の段差面３３ａに対して、右の端部４７は、主に接着部７２によって接合され、補助的に仮止め部７３によって接合されている。

　図１及び図６に示されるように、複数の仮止め部７３は、例えば右側４個が車体前後方向に１列に配列されている。図４、図５及び図６に示されるように、該複数の仮止め部７３は、ルーフパネル４０の右の端部４７の縁４７ａと該接着部７２との間に位置するとともに、該縁４７ａに沿って配列されている。つまり、該接着部７２は、ルーフパネル４０の右の端部４７のなかで、複数の仮止め部７３の位置よりも車幅方向内側に位置している。このため、該接着部７２は仮止め部７３に重なることなく、ルーフパネル４０の右の端部４７に対し、溝部７１の長手方向へ連続して位置することができる。従って、ルーフパネル４０の右の端部４７と右の段差部３３との接着範囲が広いので、接着強度を高めることができる。

　従来、左右のルーフレール１５，１５とルーフパネル４０の左右の端部４７，４７とは、互いに上下方向に重ね合わされ且つ複数箇所のスポット溶接によって、接合されていた。これに対し、本発明では、該スポット溶接を廃止して、該接着部７２によって接合するものである。このため、該接着部７２の接着力は、従来採用されていたスポット溶接による接合力を勘案して、車両の開発段階に適宜設定される。アウタパネル３１にアルミニウムメッキ鋼板を採用した場合には、該接着部７２の接着力は、下地となる鋼板に対するアルミニウムメッキのメッキ密着力（メッキの剥離強度）と、同等以上に設定される。

　該接着剤の種類や該接着部７２の大きさ（厚み、幅、長さ）は任意であり、該接着剤が硬化することによって、右の段差面３３ａに右の端部４７を接合するのに必要な、所定の接着力を発揮することが可能であればよい。例えば、該接着部７２は、図３及び図５に示されるように、所定の幅で且つ車体前後方向に連続して、又は所定ピッチで断続的に設けられる。

　複数の仮止め部７３は、パルスレーザー溶接された溶接部であることが、最も好ましい。該パルスレーザー溶接は周知の技術であり、パルスレーザー発振器から断続的に出力されたパルスレーザー波によって溶接する方法である。該パルスレーザー波は、溶接する部位に照射する照射時間が短いため、周辺への熱影響を及ぼさずにスポット溶接をすることができる。このため、溶接時にルーフパネル４０の端部４７に発生する痕跡（打痕、凹み）は小さくてすむ。しかも、溶接する部分（仮止め部７３）の面積が小さくてもよく、ルーフパネル４０の端部４７の縁４７ａに接近させて溶接することができる。

　なお、該複数の仮止め部７３は、パルスレーザー溶接の他に、溶接に伴う打痕が１ｍｍ程度の微小の大きさですむ溶接方法を採用することは可能である。

　上述のように、該複数の仮止め部７３は、接着部７２が所定の接着力を発揮することが可能となるまで、仮に止めておく程度に溶接された部分であり、接合強度は小さくてよい。つまり、段差面３３ａに対してルーフパネル４０の右の端部４７を主に接合するものは、接着部７２である。該接着部７２が所定の接着力を発揮した後には、仮止め部７３は、仮に止めておくという役割を終えて、該接着部７２による接合を補う程度の役割を果たせばよい。このため、該右の溝部７１の底７１ａ（図５参照）に現れる仮止め部７３の溶接の痕跡は、小さくてすむので視認し難い。

　該複数の仮止め部７３の接合強度は、車両の開発段階に適宜設定される。アウタパネル３１にアルミニウムメッキ鋼板を採用した場合には、該複数の仮止め部７３の接合強度は、下地となる鋼板とアルミニウムメッキとの間の、メッキ密着力（メッキの剥離強度）と同等以上に設定される。

　該複数の仮止め部７３は、右の段差部３３に充填された充填剤による充填剤層７４によって覆われているので、外部から視認できない。該充填剤層７４の範囲は、右のアウタパネル３１の上端３６と右の段差面３３ａとの間の左のコーナ３９から、複数の仮止め部７３を覆う部位までの範囲、つまり幅Ｗｓである。右のコーナ３９から充填剤層７４までの最大高さはＨｓである。このように設定されているので、該右のコーナ３９及び複数の仮止め部７３は、該充填剤層７４によって覆われる。従って、車両１０の外観性を一層高めることができる。

　該充填剤の種類は任意であるが、例えば、一般にダストシーラーと言われている隙間充填剤が好適である。該隙間充填剤は粘性液体であるが、時間の経過とともに弾性を有した固体に変化する。

　さらに、右の段差部３３に充填された充填剤による充填剤層７４の表面形状は、右のアウタパネル３１上端３６近傍から、複数の仮止め部７３を覆う部位にかけて、徐々に窪むように湾曲した略湾曲状である。このため、表面が略湾曲状の充填剤層７４によって右のコーナ３９及び該コーナ３９周辺部分を覆うことにより、右の溝部７１の輪郭を、ぼかすことができる。従って、車両１０の外観性を一層高めることができる。

　次に、ルーフ１４の製造工程について説明する。
　先ず、図７に示されるように、各横アーチ５１～５３及び各ルーフ縦アーチ分割体５６～５９を組み合わせて溶接することにより、ルーフ支持用骨組立体５０を生産する。
　次に、図６に示されるように、該ルーフ支持用骨組立体５０にルーフパネル４０を重ねて溶接することにより、ルーフパネル組立体１６を生産する。

　次に、図１に示されるように、該ルーフパネル組立体１６を車体１１の左右のルーフレール１５，１５に組み付けて接合する。

　具体的には、先ず、図３及び図５に示されるように、ルーフレール１５の段差部３３の段差面３３ａに接着剤を塗布することによって、段差面３３ａに接着部７２を形成する。
　次に、図６に示されるように、左右のルーフレール１５，１５の上に、ルーフパネル組立体１６を位置決めしつつ重ね合わせる。この結果、図４及び図５に示されるように、接着部７２の上にルーフパネル４０の左右の端部４７が重ね合わされる。
　次に、図５及び図６に示されるように、ルーフパネル４０の左右の端部４７の縁４７ａ，４７ａと接着部７２，７２との間の所定位置を、段差面３３ａにパルスレーザー溶接することによって仮止めする。該仮止めされた部分が仮止め部７３である。
　次に、図６に示されるように、左右のルーフレール１５，１５の各インナレール２１，２１にルーフパネル４０の各コーナ部４３～４６と、ルーフ前端横アーチ５１の両端と、ルーフ後端横アーチ５３の両端と、を溶接する。

　次に、図５に示されるように、段差部３３に充填剤を塗布して、段差面３３ａにコーナ３９から幅Ｗｓだけ充填して、充填剤層７４を形成する。この結果、該充填剤層７４は仮止め部７３を覆う。このときに、該充填剤層７４の表面が滑らかな湾曲状の凹部を形成するように、例えば、刷毛や薄板状の「へら」を用いて該表面の形を整える。

　次に、図１に示されるようにルーフパネル組立体１６が組み付けられて完成した車体１１を、図示せぬ処理槽に入っている電着液に浸す（表面処理工程）。その際に、ルーフパネル４０の左右の端部４７，４７には浮力が加わる。この時点では、接着部７２（図４参照）は、ほとんど硬化していない。しかし、該左右の端部４７，４７は、複数の仮止め部７３によって左右のルーフレール１５，１５に仮止めされている。このため、該浮力によって、ルーフパネル４０の左右の端部４７，４７が左右のルーフレール１５，１５から外れることはない。

　次に、塗装工程で車体１１に塗料を塗った後に、塗装の焼き付け工程を実施する。該焼き付け工程を実施しているときに、接着部７２は加熱されて硬化することにより、所定の接着力を発揮する。この結果、該接着部７２は、左右のルーフレール１５，１５にルーフパネル４０の左右の端部４７，４７を強固に接合する。これで、ルーフ１４の製造工程を完了する。

　以上の説明をまとめると、次の通りである。上述したことであるが、図５に示されるように、左右の溝部７１の底７１ａに現れる仮止め部７３の溶接の痕跡は、小さくてすむので視認し難い。しかも、該仮止め部７３は、左右の段差部３３，３３に充填された左右の充填剤層７４，７４によって覆われているので、外部から視認できない。さらに、該ルーフパネル４０の左右の端部４７，４７が、左右の段差部３３，３３の段差面３３ａ，３３ａへ向かって下がりつつ延びて接合されることによって、左右の溝部７１，７１が構成される。このため、該左右の溝部７１，７１は、溝深さが浅くてすむので外観性が良い。このようなことから、左右の溝部７１，７１の内部を化粧用モールによって覆う必要はない。さらに、左右のインナレール２１，２１の上面２１ａ，２１ａに対する、左右の上部アウタフランジ３４，３４の接合部分は、ルーフパネル４０によって覆われることになるので、外部から視認できない。このように、左右のルーフレール１５，１５とルーフパネル４０の左右の端部４７，４７との接合部分に、化粧用モールを設けることなく、車両１０の外観性を高めることができる。

　さらには、図１及び図６に示されるように、ルーフ支持用骨組体５０を左右のルーフレール１５，１５間（特に、左右のインナレール２１，２１間）に掛け渡すことにより、ルーフパネル組立体１６を車体１１に組み込むことができる。つまり、該ルーフパネル組立体１６は、左右のルーフレール１５，１５に対して、ルーフパネル４０の左右の端部４７，４７が接合される他に、ルーフ前端横アーチ５１の両端とルーフ後端横アーチ５３の両端とが接合されることによって、車体１１に組み込まれる。従って、左右のルーフレール１５，１５に対するルーフパネル組立体１６の接合箇所が少なくてすむ。この結果、車体１１の組立工数を低減することができるとともに、車体１１の組立作業を容易にすることができる。

　さらには、ルーフ支持用骨組体５０は、車幅方向へ延びたルーフ前端横アーチ５１、ルーフ中央横アーチ５２及びルーフ後端横アーチ５３と、車体前後方向に延びた少なくとも１個のルーフ縦アーチ５４と、から成る。ルーフパネル組立体１６が左右のルーフレール１５，１５間に掛け渡されている構成では、該左右のルーフレール１５，１５とルーフ前端横アーチ５１とルーフ後端横アーチ５３とによって、平面視略矩形状の枠が構成される。該矩形状の枠の中を、ルーフ中央横アーチ５２及び少なくとも１個のルーフ縦アーチ５４によって区画しているので、ルーフ１４の強度、剛性を高めることができる。

　特に、ルーフ支持用骨組体５０にルーフ縦アーチ５４を２個有している場合には、該矩形状の枠の中が、ルーフ中央横アーチ５２及び左右のルーフ縦アーチ５４，５４によって６つに区画されているので、ルーフ１４の強度、剛性を一層高めることができる。その分、ルーフパネル４０の板厚を低減することによって、車体１１の軽量化を図ることができる。

　本発明の車両用ルーフ構造１４は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。

　１０…車両、１１…車体、１４…ルーフ構造（ルーフ）、１５…ルーフレール、１６…ルーフパネル組立体、２１…インナレール、２１ａ…上面、３１…アウタパネル、３３…段差部、３３ａ…段差面、３４…上部アウタフランジ、３９…コーナ、４０…ルーフパネル、４１…前端部、４２…後端部、４７…左右の端部、５０…ルーフ支持用骨組体、５１…ルーフ前端横アーチ、５２…ルーフ中央横アーチ、５３…ルーフ後端横アーチ、５４…ルーフ縦アーチ、７１…溝部、７２…接着部、７３…仮止め部、７４…充填剤層、Ｗｓ…充填剤層の範囲。

Claims

　ルーフパネルと、車体の前後方向に延びて前記ルーフパネルを支えるための左右のルーフレールと、を備える車両用ルーフ構造において、
　前記左右のルーフレールは、前記車体の骨格の一部を構成するための車体前後方向に細長い閉断面状の左右のインナレールと、該左右のインナレールの車幅方向外側に位置する左右のアウタパネルと、から成り、
　前記左右のアウタパネルは、上端から車幅方向内側へ向かって段差状に下がりつつ延びる左右の段差部と、該左右の段差部から車幅方向内側へ向かって段差状に下がりつつ延びる左右の上部アウタフランジと、を有し、
　該左右の上部アウタフランジは、前記左右のインナレールの上面に重なって接合されており、
　前記ルーフパネルの左右の端部が、前記左右の段差部の段差面へ向かって下がりつつ延びて該左右の段差面に重なっていることにより、該左右の段差部と前記左右の端部とによって、上が開放された左右の溝部が構成され、
　前記ルーフパネルの左右の端部は、前記左右の段差面に対して、接着剤による接着部と、該接着部が接着力を発揮することが可能となるまで仮に止めておくための溶接による仮止め部と、によって接合されており、
　該仮止め部は、前記左右の段差部に充填された充填剤による充填剤層によって覆われていることを特徴とする車両用ルーフ構造。
　前記仮止め部は、パルスレーザー溶接された溶接部である、請求項１記載の車両用ルーフ構造。
　前記接着部は、前記ルーフパネルの左右の端部のなかで、前記仮止め部の位置よりも車幅方向内側に位置している、請求項２記載の車両用ルーフ構造。
　前記左右の段差部のなかで、前記充填剤層の範囲は、前記左右のアウタパネルの上端と前記左右の段差面との間の左右のコーナから、前記仮止め部を覆う部位までの範囲である、請求項３記載の車両用ルーフ構造。
　前記左右の段差部に充填された前記充填剤層の表面形状は、前記左右のアウタパネルの上端近傍から、前記仮止め部を覆う部位にかけて、徐々に窪むように湾曲した略湾曲状である、請求項４記載の車両用ルーフ構造。
　前記左右のルーフレール間に掛け渡されて前記ルーフパネルを支持するためのルーフ支持用骨組体を、更に備え、
　該ルーフ支持用骨組体と前記ルーフパネルとによって、ルーフパネル組立体が構成され、
　前記ルーフ支持用骨組体は、
　前記ルーフパネルの前端に沿って車幅方向へ延びたルーフ前端横アーチと、
　前記ルーフパネルの中央に位置して車幅方向へ延びたルーフ中央横アーチと、
　前記ルーフパネルの後端に沿って車幅方向へ延びたルーフ後端横アーチと、
　前記ルーフパネルの車幅方向の略中央に位置して車体前後方向に延び、前記ルーフ前端横アーチと前記ルーフ中央横アーチと前記ルーフ後端横アーチとを繋いだ少なくとも１個のルーフ縦アーチと、から成り、
　前記ルーフパネルの前端部は、前記ルーフ前端横アーチに接合され、
　前記ルーフパネルの後端部は、前記ルーフ後端横アーチに接合され、
　該ルーフパネル組立体は、前記左右のルーフレールに対して、前記ルーフパネルの左右の端部が接合される他に、前記ルーフ前端横アーチの両端と前記ルーフ後端横アーチの両端とが接合されている、請求項１記載の車両用ルーフ構造。
　前記左右のルーフレール間に掛け渡されて前記ルーフパネルを支持するためのルーフ支持用骨組体を、更に備え、
　該ルーフ支持用骨組体と前記ルーフパネルとによって、ルーフパネル組立体が構成され、
　前記ルーフ支持用骨組体は、
　前記ルーフパネルの前端に沿って車幅方向へ延びたルーフ前端横アーチと、
　前記ルーフパネルの中央に位置して車幅方向へ延びたルーフ中央横アーチと、
　前記ルーフパネルの後端に沿って車幅方向へ延びたルーフ後端横アーチと、
　前記ルーフパネルの車幅方向の略中央に位置して車体前後方向に延び、前記ルーフ前端横アーチと前記ルーフ中央横アーチと前記ルーフ後端横アーチとを繋いだ左右のルーフ縦アーチと、から成り、
　該左右のルーフ縦アーチは、車幅方向に互いに離間して位置し、
　前記ルーフパネルの前端部は、前記ルーフ前端横アーチに接合され、
　前記ルーフパネルの後端部は、前記ルーフ後端横アーチに接合され、
　該ルーフパネル組立体は、前記左右のルーフレールに対して、前記ルーフパネルの左右の端部が接合される他に、前記ルーフ前端横アーチの両端と前記ルーフ後端横アーチの両端とが接合されている、請求項１記載の車両用ルーフ構造。