JP5079042B2 - 車体上部構造 - Google Patents
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Description
車体上部構造はルーフパネルの左右端の内側にインナルーフ端部を車両の前後に延ばして設けている。このインナルーフ端部と車体上部をなすルーフレールとを溝の底で溶接部によって接合し、この接合した部位を底とする溝をルーフパネルの左右端で溝幅が狭くなるようにカバーしている。その結果、溝に嵌める樹脂製のシールやルーフモールを廃止している(例えば、特許文献1参照)。
また、ルーフのルーフパネルのような薄い金属板の溶接に用いられるパルスレーザー溶接がある。第1金属部材と第2金属部材を重ねてパルスレーザビームで溶融させ接合している(例えば、特許文献2参照)。
また、ルーフの左右端に存在する溝が隙間として存在し、隙間の管理を厳しくする必要があり、製造が難しい。
さらに、ルーフパネルの左右端は、ルーフレールに対し、低い。ルーフパネルの上面をルーフレールの位置まで高くしようとすると、左右端の内部に設けたインナルーフ端部を嵩上げ構造にする必要があり、ルーフレールとの接合構造が複雑になる。
具体的には、まず、表面処理工程では、ルーフパネル組立体を取付けた車体を処理槽内の処理液(電着液)に沈める。その際、ルーフに浮力が加わるが、仮止め溶接部によって浮力に対する強度を確保することができる。
その結果、表面処理工程の下流の塗装工程において、塗料を塗装した後の焼き付け工程のときに、ルーフパネルの両端に塗られた接着剤が加熱され、硬化し、ルーフパネルの両端を接合することができる。
さらに、パルスレーザー溶接の設備は、価格が低く、ルーフパネルの両端に仮止め溶接部を形成するのに必要な溶接設備の費用を削減することができる。
車体上部構造は、主に図1、図2に示す通り、ルーフ11のルーフパネル12を左右のルーフレール13に接着剤14で接合している。
以降で具体的に説明していく。
さらに、アンダボデー28の左に立設したサイドボデー32と、右に立設したサイドボデー33と、リヤボデー34と、ルーフ11と、を備える。
なお、ルーフ11は車幅方向の中央(基準線E)を基準に左右がほぼ対称である。
車体上部構造は、前述した車両16のルーフ11のルーフパネル12を前から順に支持し、車両16の車幅方向へ延びているルーフ前端横アーチ37と、ルーフ中央横アーチ38と、ルーフ後端横アーチ41と、これらのアーチ37、38、41の両端42、43、44をそれぞれ接合して乗降口46の上部で前後に延びる左右のルーフレール13と、を備える。
第1ルーフ縦アーチ21、第2ルーフ縦アーチ22、第3ルーフ縦アーチ23、第4ルーフ縦アーチ24を設けている。
ここでは2本と呼称し、左の1本が第1ルーフ縦アーチ21と第3ルーフ縦アーチ23からなり、右の1本が第2ルーフ縦アーチ22と第4ルーフ縦アーチ24からなる。
ここでは紙面の都合により、溶接部61、62を図4に示すルーフパネル組立体56の時に施しているが、詳しくは、ルーフレール13に載せた後(図1、図2参照)にスポット溶接で溶接部61、62を形成する。
接着剤14は、所望の接合強度を確保するもので、詳しい特性は任意である。
接合したルーフパネル12の左・右端57、58を覆うダストシーラー65(図6参照)を塗布している。
ルームランプ67は既存のものである。
そして、左右の溝12aの底部64と、内積層結合部75と、内積層結合部75に連なる棚接合部76と、外積層結合部77と、を有する。
底部64が棚接合部76を有している。
そして、内上層フランジ81に連ね棚接合部76が一段高くなるように形成されている。この棚接合部76に連ね壁部83がほぼ垂直に形成され、壁部83に連ね外面部84が形成されている。
左端57は、右端58と同様である(図2参照)。
前側部92に連続した上端部にルーフパネル12のパネル前端54を接合するルーフパネル接合部94が形成されている。
後側部93に連続した上端部に第1ルーフ縦アーチ21、第2ルーフ縦アーチ22を接合する縦アーチ接合部95が形成されている。
後側部98に連続した上端部に第3ルーフ縦アーチ23、第4ルーフ縦アーチ24を接合する後縦アーチ接合部102が形成されている。
ルーフ中央横アーチ38は、車幅方向の中央にルームランプ67を配置するためのランプ開口部103を開けている。
前側部106に連続した上端部に第3ルーフ縦アーチ23、第4ルーフ縦アーチ24を接合する縦アーチ接合部108が形成されている。
後側部107に連続した上端部にルーフパネル12のパネル後端55を接合するルーフパネル接合部111が形成されている。
第2〜4ルーフ縦アーチ22、23、24は、第1ルーフ縦アーチ21とほぼ同様である。
まず、ルーフ骨組立体52を造る(図4参照)。
第1ルーフ縦アーチ21、第2ルーフ縦アーチ22、第3ルーフ縦アーチ23、第4ルーフ縦アーチ24をそれぞれ前述したようにスポット溶接(溶接部117)で接合する。スポット溶接(溶接部117)の数は、第1ルーフ縦アーチ21の片側を2箇所、計4箇所とした。残りのルーフ縦アーチ22、23、24も同様である。
ルーフ骨組立体52にルーフパネル12をスポット溶接(溶接部121)で接合する。スポット溶接(溶接部121)の数は、前を12箇所、後を12箇所とした。
まず、ルーフレール13の棚接合部76に接着剤14を塗布する。このとき塗布しないところはパルスレーザー溶接で溶接するレーザー溶接部86(図6、図7参照)である。
レーザー溶接部86で固定した部位を止め溶接部とする。
続けて、ルーフパネル12の左端57の止め溶接部、右端58の止め溶接部をパルスレーザー溶接を施すことでレーザー溶接部86で止める。レーザー溶接部86の数は、片側4箇所、計8箇所とした。
ルーフレール13に接合するスポット溶接(溶接部125)の数は、溶接部61の1点を含め片側3箇所、計6箇所とした。
ルーフレール13に接合するスポット溶接(溶接部62)の数は、片側4箇所、計8箇所とした。
パルスレーザー溶接を採用することで、打痕(溶接の跡)が小さくなり、打痕(溶接の跡)をダストシーラー65で隠せる。
ダストシーラー65を、レーザー溶接部86を覆い(幅Ws)、アウタレール73の壁部83の高さの中間(高さHs)で、刷毛により、滑らかな湾曲状の凹部を外面部84と傾斜部88の間に形成するように形状をととのえる。
これで車体上部構造の組付けが完了する。
下流工程では、表面処理工程、塗装工程を実施する。
表面処理工程では、ルーフパネル組立体56を取付けた車体26を処理槽内の処理液(電着液)に沈める。その際、ルーフパネル12の左端57、右端58に浮力が加わるが、パルスレーザー溶接を施した部位(レーザー溶接部86)はこの浮力に対する強度を確保している。
この焼き付け工程のとき、ルーフパネル12の左端57、右端58に塗られた接着剤14は、加熱されて、硬化することによって、ルーフパネル12の左端57、右端58を接合する。
車体上部構造は、ルーフパネル12の下方に、ルーフレール13に複数のレール(インナレール71、補強レール72、アウタレール73)の端(内上層フランジ81、内中間層フランジ82、インナレール71の内下層フランジ141)を重ねた内積層結合部75を設け、内積層結合部75に連ねて棚接合部76を形成し、棚接合部76にルーフパネル12の両端(左端57、右端58)を接着剤14及び仮止め溶接部(レーザー溶接部86)で接合し、仮止め溶接部86をダストシーラー65で隠す。
仮止め溶接部86は、アウタレール73のメッキ層を形成しているアルミニウムと補強レール72とを接合している。そして、アウタレール73のメッキの剥離強度より大きい強度を備える。
その上、ダストシーラー65を、車両正面視(図6の視点)、湾曲形状に刷毛で形成している。
刷毛は既存のものである。条件によっては、薄板状のへらを用いてもよい。
車体上部構造では、図2、図6に示す通り、ルーフパネル12の左端57、右端58を溝12aの底部64に配置して、底部64に仮止め溶接部(レーザー溶接部86)を設けてもデザインを損なうことがなく、溝12aに嵌めるルーフモールを廃止することができるという利点がある。
Claims (5)
- 車両のルーフのルーフパネルを前から順に支持し、前記車両の車幅方向へ延びているルーフ前端横アーチと、ルーフ中央横アーチと、ルーフ後端横アーチと、これらのアーチの両端をそれぞれ接合して乗降口の上部で前後に延びる左右のルーフレールと、を備えた車体上部構造において、
前記ルーフパネルの下方に、前記ルーフレールに複数のレールの端を重ねた内積層結合部を設け、該内積層結合部に連ねて棚接合部を形成し、該棚接合部に前記ルーフパネルの両端を接着剤及び仮止め溶接部で接合し、該仮止め溶接部をダストシーラーで隠すことを特徴とする車体上部構造。 - 前記仮止め溶接部は、パルスレーザー溶接を用いて形成されていることを特徴とする請求項1記載の車体上部構造。
- 前記仮止め溶接部が、前記ルーフパネルの前記端に形成されている縁と前記接着剤の間に形成されていることを特徴とする請求項2記載の車体上部構造。
- 前記ダストシーラーが、前記仮止め溶接部を隠す部位から前記棚接合部に連なり左右で対向している壁部まで塗布されていることを特徴とする請求項3記載の車体上部構造。
- 前記ダストシーラーを、車両正面視、湾曲形状に刷毛で形成していることを特徴とする請求項4記載の車体上部構造。
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