WO2012029217A1

WO2012029217A1 - 包装セット

Info

Publication number: WO2012029217A1
Application number: PCT/JP2011/003309
Authority: WO
Inventors: 次男中園
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2010-08-30
Filing date: 2011-06-10
Publication date: 2012-03-08

Abstract

　複数枚の収納トレイ３を上下に重ねる。最上部を除く収納トレイ３の収納凹部７に、ＦＰＣ付き液晶モジュール５を保護シート１９を挟んで上下に積層状態で収納する。これにより、収納トレイ３を大型化することなく収納トレイ３の１枚当たりのＦＰＣ付き液晶モジュール５の収納個数を増加させる。

Description

包装セット

　この発明は、板状収納物を収納した収納トレイを複数枚上下に重ねて包装する包装セットの改良に関するものである。

　特許文献１及び特許文献２には、液晶表示装置の製造ラインにおいて液晶モジュールを次工程に搬送したり、あるいは別の組立会社に搬送する場合等に、液晶モジュールを複数個の収納凹部に１個ずつ収納した収納トレイを上下に複数枚重ね、下側収納トレイに収納した複数個の液晶モジュールを上側収納トレイで押さえて動かないようにし、この状態で搬送することで液晶モジュールが搬送中に振動等の衝撃で傷付かないようにした技術が開示されている。

特開２００８－１００７４３号公報（段落００１６欄、図３）特開平１１－１９８９３８号公報（段落００３３欄、図１，２）

　しかし、上記の特許文献１及び特許文献２は共に、１枚の収納トレイに複数個の液晶モジュールを収納してはいるものの、１個の収納凹部に対し１個の液晶モジュールしか収納されておらず、より多くの液晶モジュールを同時に搬送するには収納トレイ１枚当たりの収納凹部の個数を増やさなければならず、これでは、収納トレイが大型化して嵩張ってしまうとともに、搬送効率が低下する。

　この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液晶モジュール等の板状収納物を収納して搬送する場合に、収納トレイを大型化することなく収納トレイ１枚当たりの板状収納物の収納個数を増加させることである。

　上記の目的を達成するため、この発明は、収納トレイの１個の収納凹部に対し少なくとも２個の板状収納物を収納するようにしたことを特徴とし、具体的には、次のような解決手段を講じた。

　すなわち、第１の発明は、板状収納物が収納される収納凹部を有し、上下に重ねて使用される複数枚の収納トレイと、これら収納トレイを上下に重ねた状態で、最上部を除く収納トレイの収納凹部に配置される少なくとも１枚の保護シートとを備え、上記板状収納物は、最上部を除く収納トレイの収納凹部に上記保護シートを挟んで上下に積層状態で収納されることを特徴とする。

　第２の発明は、第１の発明において、上記収納凹部の底面外周に設けられ、上記板状収納物をその外周縁を下方から支持して上記収納トレイに搭載する第１支持部と、該第１支持部の外側方に隣設され、上記収納トレイを上下に重ねた状態で、下側収納トレイの上記第１支持部の上方に位置して該下側収納トレイに搭載された板状収納物の外周縁を上方から押さえる押さえ部と、該押さえ部の外側方に設けられ、上記収納トレイを上下に重ねた状態で、上側収納トレイを下方から支持する第２支持部とを備えていることを特徴とする。

　第３の発明は、第１の発明において、上記収納凹部の側面には、該収納凹部の開口が底面から開口端に亘って上方に次第に拡がる傾斜面部と、上記板状収納物の形状に対応するように上下方向途中から開口端に亘って延び底面に対して鉛直な鉛直面部とが設けられていることを特徴とする。

　第４の発明は、第１の発明において、上記収納トレイの外周部には、上記収納凹部を囲む水平壁と、該水平壁の外周縁から下方に延びる縦壁と、該縦壁の下端縁から外側方に張り出すフランジとが設けられ、上記水平壁と縦壁との境及び上記フランジと縦壁との境には、アール部がそれぞれ形成されていることを特徴とする。

　第５の発明は、第１の発明において、上記収納トレイの外周部には、上記収納凹部を囲む水平壁が設けられ、該水平壁には、上方に開口する凹部を有する位置決め筒部が複数個所定間隔をあけて下方に突設され、該各位置決め筒部の凹部内面には、開口側が底部側よりも大きく開口するように段部が形成され、上記収納トレイを上下に重ねた状態で、上側収納トレイの位置決め筒部が下側収納トレイの位置決め筒部の凹部内に上方から挿入されて下側収納トレイの上記段部に接触していることを特徴とする。

　第６の発明は、第１の発明において、上記保護シートには、該保持シート下方の板状収納物を視認する視認窓が形成されていることを特徴とする。

　第７の発明は、第１の発明において、上記収納トレイは、上記収納凹部を複数個有し、上記保護シートの外周部には、該保護シートの向きを認識する突出部が形成され、上記収納トレイの外周部には、上記突出部を挿入する挿入凹部が形成されていることを特徴とする。

　第８の発明は、第１の発明において、上記収納トレイは、上記収納凹部を複数個有し、上記保護シートには、上記各収納凹部に収納された板状収納物を覆うカバー部が上記各収納凹部に対応するように連結部を介して複数個連続して形成され、上記連結部には、スリットが隣り合うカバー部を分断するように形成されていることを特徴とする。

　第９の発明は、第１の発明において、上記収納トレイは、板状収納物を上記収納凹部に収納した状態で、上下に重ねられて保護袋で包まれ、１組の収納トレイ集合体を構成することを特徴とする。

　第１０の発明は、第９の発明において、上記１組の収納トレイ集合体は、両端が開口する収納ケースに両側若しくは片側から挿入されて収納されることを特徴とする。

　第１１の発明は、第１０の発明において、収納トレイ集合体を収納した収納ケースは、包装箱に複数個収納されて包装されることを特徴とする。

　第１２の発明は、第１～１１のいずれか１つの発明において、上記板状収納物は、液晶モジュールであることを特徴とする。

　第１の発明によれば、板状収納物を最上部を除く収納トレイの収納凹部に保護シートを挟んで上下に積層状態で収納するので、１個の収納凹部に対し少なくとも２個の板状収納物を収納できる。つまり、保護シートが１枚の場合には、１個の収納凹部に対し２個の板状収納物を収納でき、保護シートが２枚の場合には、１個の収納凹部に対し３個の板状収納物を収納できる。したがって、収納トレイを大型化することなく（嵩張ることなく）、収納トレイ１枚当たりの板状収納物の収納個数を増加させて効率良く搬送できる。

　第２の発明によれば、収納トレイを上下に重ねた状態で、下側収納トレイに搭載された板状収納物の外周縁を上側収納トレイの押さえ部が上方から押さえるが、上側収納トレイは下側収納トレイの第２支持部で下方から支持されているので、上記押さえ部の押圧力は必要以上に板状収納物の外周縁に作用しない。また、上側収納トレイの押さえ部は下側収納トレイの第１支持部上方に位置しているので、板状収納物に作用する剪断力を緩和できる。これらにより、板状収納物を外力から保護して損傷を防止できる。

　第３の発明によれば、板状収納物を傾斜面部で案内しながら傾くことなく水平姿勢で収納凹部に収納できるとともに、上下に重なる上側板状収納物の水平方向の動き（ガタツキ）を鉛直面部で規制して板状収納物の積層状態を安定させることができる。

　第４の発明によれば、収納トレイの外周部のエッジにアール部が形成されていることで、当該箇所に応力が集中せず、搬送中の衝撃に対して十分に抗し得て収納トレイの破損を防止できる。

　第５の発明によれば、収納トレイを上下に重ねた状態で、上側収納トレイの位置決め筒部を下側収納トレイの位置決め筒部の凹部内に上方から挿入して下側収納トレイの段部に接触させているので、上側収納トレイが水平方向及び上下方向に位置ずれせず、上側収納トレイを下側収納トレイに安定して重ねることができる。

　第６の発明によれば、保護シート上に上側板状収納物を載せる際に、保護シートで覆われている下側板状収納物を視認窓から視認でき、板状収納物の入れ忘れを防止できる。

　第７の発明によれば、保護シートの突出部を収納トレイの挿入凹部に挿入することで、保護シートを正規の向きで収納トレイに配置できる。

　第８の発明によれば、保護シート上の板状収納物を取り出す際に、当該板状収納物側方の連結部を指で下方に押しても、その押圧力はスリットで遮られて隣のカバー部に伝わらず、当該カバー部上の板状収納物が浮き上がって位置ずれするのを防止でき、その後の搬送に支障を来さないようにできる。

　第９の発明によれば、収納トレイを複数枚重ねた状態で保護袋で包んでいるので、収納トレイに対する異物や塵の付着を防止できるとともに、収納トレイの重なり状態の安定化を図ることができる。

　また、複数枚の収納トレイをまとめて１組の収納トレイ集合体とすることで、収納トレイの管理を容易にできる。

　第１０の発明によれば、収納トレイ集合体を収納ケースに収納することで、収納トレイがばらけるのを確実に防止できる。

　第１１の発明によれば、複数枚の収納トレイを収納ケース単位で出し入れでき、収納トレイの取扱いを簡便にできる。

　第１２の発明によれば、液晶モジュールを収納して搬送する場合に、収納トレイを大型化することなく収納トレイ１枚当たりの収納個数を増加させて液晶モジュールを搬送できる。

図１は、実施形態１に係る包装セットを構成する収納トレイ及び保護シートと、液晶モジュールとの位置関係を示す斜視図である。図２は、液晶モジュールを下側収納トレイの収納凹部に保護シートを挟んで上下に積層状態で収納した状態を示す図３及び図４のＡ－Ａ線に相当する断面図である。図３は、図１のＢ－Ｂ線において破断して示す収納トレイの拡大斜視図である。図４は、図３の平面図である。図５は、実施形態１において、収納トレイを４段重ねした状態を示す斜視図である。図６は、実施形態１において、４段重ねの収納トレイを保護袋で包む要領を説明する斜視図である。図７は、実施形態１において、保護袋で包んだ４段重ねの収納トレイを仕切りシートを間において上下に配置した状態を示す斜視図である。図８は、実施形態１において、収納トレイ集合体を収納ケースに収納して、該収納ケースを複数個包装箱に収納して包装する要領を説明する斜視図である。図９は、実施形態２の図１相当図である。図１０は、実施形態２の図２相当図である。図１１は、実施形態３の図１相当図である。

　以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。

　（実施形態１）
　実施形態１に係る包装セット１（図８参照）は、図１～図４に示すように、平面視矩形状の収納トレイ３を複数枚備えている。この収納トレイ３は樹脂製であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリスチレン等の熱可塑性樹脂を原料として真空成形等により成形されている。また、この収納トレイ３に収納する対象は、板状収納物であり、本例では、矩形状の液晶パネル５ａにフレキシブルプリント基板（ＦＰＣ）５ｂを実装したＦＰＣ付き液晶モジュール５を例示するが、これに限らず、板状の物であれば、その種類を問わない。

　上記収納トレイ３は、ＦＰＣ付き液晶モジュール５が収納される収納凹部７を複数個有している。具体的には、１０個の収納凹部７が長手方向に５個ずつ２列に並設されているが、収納凹部７の個数はこれに限らず、板状収納物の大きさに応じて適宜決定すればよく、例えば、板状収納物が大型であれば、収納凹部７は１個でもよい。

　上記収納凹部７は、上記液晶パネル５ａを収納する矩形状のパネル収納凹部９と、該パネル収納部９に連続し上記フレキシブルプリント基板５ｂを収納するＦＰＣ収納凹部１１とからなる。上記パネル収納凹部９の底面１３外周には、第１支持部１３ａが矩形環状に一体に突設され、上記液晶パネル５ａをその外周縁を下方から該第１支持部１３ａで支持して収納トレイ３に搭載するようになっている。

　上記パネル収納凹部９の第１支持部１３ａ外側方には、隣り合うパネル収納凹部９を連通するように段下げ凹部１５がそれぞれ形成され、該段下げ凹部１５の上記第１支持部１３ａ下方には、押さえ部１５ａが傾斜して隣設され、該押さえ部１５ａは、上記収納トレイ３を上下に重ねた状態で、下側収納トレイ３の上記第１支持部１３ａの上方に位置して該下側収納トレイ３に搭載されたＦＰＣ付き液晶モジュール５の液晶パネル５ａの外周縁を上方から押さえるようになっている。

　上記５個１列のパネル収納凹部９のうち両端のパネル収納凹部９の押さえ部１５ａ外側方、つまり上記段下げ凹部１５上方のパネル収納凹部９の側面１７には、第２支持部１７ａが内向きに一体に突設され、上記収納トレイ３を上下に重ねた状態で、上側収納トレイ３を第２支持部１７ａで下方から支持するようになっている。

　上記収納トレイ３は、複数枚上下に重ねて使用される。これら収納トレイ３を上下に重ねた状態で、最上部を除く収納トレイ３の収納凹部７には、１枚の保護シート１９がそれぞれ配置される。そして、ＦＰＣ付き液晶モジュール５は、最上部を除く収納トレイ３の収納凹部７に上記保護シート１９を挟んで向きを同じにして上下に積層状態で収納される。本例では、保護シート１９の上下で、配置されるＦＰＣ付き液晶モジュール５の種類を異ならせている（図１参照）。上記保護シート１９は、柔軟で緩衝性のある樹脂等の素材で形成され、上記各収納凹部７に収納されたＦＰＣ付き液晶モジュール５を覆うカバー部１９ａが上記各収納凹部７に対応するように連結部１９ｂを介して複数個連結されて構成されている。

　このように、ＦＰＣ付き液晶モジュール５を最上部を除く収納トレイ３の収納凹部７に保護シート１９を挟んで上下に積層状態で収納するので、１個の収納凹部７に対し２個のＦＰＣ付き液晶モジュール５を収納することができる。したがって、収納トレイ３を大型化することなく（嵩張ることなく）、収納トレイ１枚当たりのＦＰＣ付き液晶モジュール５の収納個数を倍増させて効率良く搬送することができる。

　また、収納トレイ３を上下に重ねた状態で、下側収納トレイ３に搭載されたＦＰＣ付き液晶モジュール５の液晶パネル５ａ外周縁を上側収納トレイ３の押さえ部１５ａが上方から押さえるが、上側収納トレイ３は下側収納トレイ３の第２支持部１７ａで下方から支持されているので、上記押さえ部１５ａの押圧力は必要以上に液晶パネル５ａの外周縁に作用しないようにできる。また、上側収納トレイ３の押さえ部１５ａは下側収納トレイ３の第１支持部１３ａ上方に位置しているので、液晶パネル５ａに作用する剪断力を緩和することができる。これらにより、ＦＰＣ付き液晶モジュール５（液晶パネル５ａ）を外力から保護して損傷を防止することができる。

　上記収納凹部７の側面１７には、該収納凹部７の開口が底面１３から開口端に亘って上方に、例えば５度から７度の傾斜角で次第に拡がる傾斜面部１７ｂが形成されている。また、収納凹部７の側面１７の４隅には、液晶パネル５ａの形状に対応するように上下方向途中から開口端に亘って延び底面１３に対して鉛直な鉛直面部１７ｃが形成され、当該鉛直面部１７ｃから底面１３にかけては例えば２度から４度の傾斜角αの傾斜面部１７ｄが形成されている。

　これにより、ＦＰＣ付き液晶モジュール５（液晶パネル５ａ）を傾斜面部１７ｂで案内しながら傾くことなく水平姿勢で収納凹部７に収納することができるとともに、上下に重なる上側ＦＰＣ付き液晶モジュール５（液晶パネル５ａ）の水平方向の動き（ガタツキ）を鉛直面部１７ｃで規制してＦＰＣ付き液晶モジュール５（液晶パネル５ａ）の積層状態を安定させることができる。

　上記収納トレイ３の外周部には、上記収納凹部７を囲む水平壁２１と、該水平壁２１の外周縁から下方に末広がりに傾斜して延びる縦壁２３と、該縦壁２３の下端縁から外側方に張り出すフランジ２５とが一体に形成されている。また、上記水平壁２１と縦壁２３との境及び上記フランジ２５と縦壁２３との境には、アール部２７がそれぞれ形成されている。

　このように、収納トレイ３の外周部のエッジにアール部２７が形成されていることで、当該箇所に応力が集中せず、搬送中の衝撃に対して十分に抗し得て収納トレイ３の破損を防止することができる。

　上記水平壁２１には、上方に開口する凹部２９を有する位置決め筒部３１が複数個所定間隔をあけて下方に突設され、該各位置決め筒部３１の凹部２９内面には、開口側が底部側よりも大きく開口するように段部２９ａが形成され、該段部２９ａを境に開口側に円形の上側凹部２９ｂが、底部側に横断面十文字形状の下側凹部２９ｃがそれぞれ形成されている。そして、上記収納トレイ３を上下に重ねた状態で、上側収納トレイ３の位置決め筒部３１が下側収納トレイ３の位置決め筒部３１の凹部２９内に上方から挿入されて下側収納トレイ３の上記段部２９ａに接触するとともに、最下段の収納トレイ３の位置決め筒部３１が載置面に接触するようになっている。なお、上記下側凹部２９ｃは横断面十文字形状に限らず、上記上側凹部２９ｂよりも小径の円形であってもよく、多角形や楕円形、その他の形状であってもよい。

　したがって、上側収納トレイ３が水平方向及び上下方向に位置ずれせず、上側収納トレイ３を下側収納トレイ３に安定して重ねることができるとともに、最下段の収納トレイ３の位置決め筒部３１が載置面に接触することで、収納トレイ３を上下多段に安定して重ねることができる。

　なお、２列の収納凹部７列の間にも、同様の位置決め筒部３１が形成されている。また、上記水平壁２１には、上面補強用凹部２１ａが隣り合う位置決め筒部３１間に位置するように形成されているとともに、上記縦壁２３にも、側面補強用凹部２３ａが所定間隔をあけて複数個形成され、これら上面補強用凹部２１ａ及び側面補強用凹部２３ａにより収納トレイ３の外周部の剛性を確保している。

　上記収納トレイ３は、ＦＰＣ付き液晶モジュール５を上記収納凹部７に、例えば帯電防止処理されたポリエチレン製の保護シート１９を挟んで上下２層に収納した状態で、図５に示すように上下４段に重ねられ、さらに、図６に示すように保護袋３３で包まれ、クレープテープ３５で封緘されて１組の収納トレイ集合体３７を構成するようになっている。

　したがって、収納トレイ３に対する異物や塵の付着を防止できるとともに、収納トレイ３の重なり状態の安定化を図ることができる。

　また、複数枚の収納トレイ３をまとめて１組の収納トレイ集合体３７とすることで、収納トレイ３を容易に管理することができる。

　このように構成された上記収納トレイ集合体３７は、図７に示すように、仕切りシート３９を挟んで上下に２組重ねられ、図８に示すように、カバーシート４１で包まれた後、両端が開口する収納ケース４３に両側から挿入されて収納される。

　したがって、収納トレイ集合体３７が収納ケース４３に収納されることで、収納トレイ３がばらけるのを確実に防止できるとともに、複数組の収納トレイ集合体３７を１個の収納ケース４３に収納することで、収納トレイ３の管理がさらに向上することになる。

　上記収納トレイ集合体３７を収納した収納ケース４３は、包装箱４５に複数個収納されて包装され、目的地に搬送される。

　したがって、複数枚の収納トレイ３を収納ケース４３単位で出し入れでき、収納トレイ３を簡便に取り扱うことができる。

　なお、上記仕切りシート３９、カバーシート４１、収納ケース４３及び収納ケース４３としては、その材質を問わず、例えば紙製段ボールでも、樹脂製段ボールでもよい。

　（実施形態２）
　図９及び図１０は実施形態２を示し、この実施形態２は以下の点で実施形態１と異なっているほかは、実施形態１と同様に構成されているので、同じ構成については説明を省略し、異なる点のみを説明することとする。

　すなわち、この実施形態２では、収納トレイ３に２枚の保護シート１９を用いて１個の収納凹部７に対して３個の同一種のＦＰＣ付き液晶モジュール５を保護シート１９を挟んで上下に積層状態で収納している。なお、実施形態１では、バックライトの搭載を想定してＦＰＣ付き液晶モジュール５の厚みを実施形態２に比べて厚くしている（図２及び図１０参照）。

　また、上下３層のＦＰＣ付き液晶モジュール５を互いに１８０度向きを変えて収納凹部７に収納している。

　これにより、収納トレイ３の荷重の偏りをなくしてバランス良くＦＰＣ付き液晶モジュール５を収納することができるとともに、ＦＰＣ付き液晶モジュール５の凸部同士の干渉を回避することができる。

　さらに、保護シート１９の４隅の１箇所には、保護シート１９の向きを認識する突出部１９ｃが側方に向かって一体に突設され、一方、収納トレイ３外周部の水平壁２１には、上記突出部１９ｃを挿入する挿入凹部２１ｂが形成されている。

　したがって、上記保護シート１９の突出部１９ｃを収納トレイ３の挿入凹部２１ｂに挿入することで、保護シート１９を正規の向きで収納トレイ３に配置することができる。

　加えて、上記保護シート１９のカバー部１９ａを連結する連結部１９ｂには、Ｔ形のスリット１９ｄが隣り合うカバー部１９ａを分断するように形成されている。なお、スリット１９ｄは、Ｔ形に限らず、Ｈ形やＵ形、その他の形状であってもよい。

　したがって、保護シート１９上のＦＰＣ付き液晶モジュール５を取り出す際に、当該ＦＰＣ付き液晶モジュール５側方の連結部１９ｂを指で下方に押しても、その押圧力はスリット１９ｄで遮られて隣のカバー部１９ａに伝わらず、当該カバー部１９ａ上のＦＰＣ付き液晶モジュール５が浮き上がって位置ずれするのを防止でき、その後の搬送に支障を来さないようにすることができる。

　なお、実施形態２では、収納凹部７の底面１３に２条の凸条１３ｂが並設されて、上記底面１３を補強している。

　（実施形態３）
　図１１は実施形態３を示し、この実施形態２３は以下の点で実施形態１と異なっているほかは、実施形態１と同様に構成されているので、同じ構成については説明を省略し、異なる点のみを説明することとする。

　すなわち、この実施形態３では、保護シート１９に該保護シート１９下方のＦＰＣ付き液晶モジュール５（フレキシブルプリント基板５ｂ）を視認する視認窓１９ｅが形成されていることを特徴としている。

　したがって、保護シート１９上に上側のＦＰＣ付き液晶モジュール５を載せる際に、保護シート１９で覆われている下側のＦＰＣ付き液晶モジュール５（フレキシブルプリント基板５ｂ）を上記視認窓１９ｅから視認でき、ＦＰＣ付き液晶モジュール５を入れ忘れしないようにすることができる。

　なお、実施形態１では、収納トレイ３に１枚の保護シート１９を用いて１個の収納凹部７に対して２個のＦＰＣ付き液晶モジュール５を保護シート１９を挟んで上下に積層状態で収納し、実施形態２では、収納トレイ３に２枚の保護シート１９を用いて１個の収納凹部７に対して３個のＦＰＣ付き液晶モジュール５を保護シート１９を挟んで上下に積層状態で収納しているが、保護シート１９を３枚以上用いて４個のＦＰＣ付き液晶モジュール５を上下に積層状態で収納してもよい。

　また、上下に積層したＦＰＣ付き液晶モジュール５の最上部にも保護シート１９を重ねて、最上部のＦＰＣ付き液晶モジュール５の傷付きを防止するようにしてもよい。

　この発明は、板状収納物を収納した収納トレイを複数枚上下に重ねて包装する包装セットについて有用である。

１　　　包装セット
３　　　収納トレイ
５　　　ＦＰＣ付き液晶モジュール（板状収納物）
７　　　収納凹部
１３　　底面
１３ａ　第１支持部
１５ａ　押さえ部
１７ａ　第２支持部
１７ｂ　傾斜面部
１７ｃ　鉛直面部
１７ｄ　傾斜面部
１９　　保護シート
１９ａ　カバー部
１９ｂ　連結部
１９ｃ　突出部
１９ｄ　スリット
１９ｅ　視認窓
２１　　水平壁
２１ｂ　挿入凹部
２３　縦壁
２５　　フランジ
２７　　アール部
２９　　凹部
２９ａ　段部
３１　　位置決め筒部
３３　　保護袋
３７　　収納トレイ集合体
４３　　収納ケース
４５　　包装箱

Claims

　板状収納物が収納される収納凹部を有し、上下に重ねて使用される複数枚の収納トレイと、
　これら収納トレイを上下に重ねた状態で、最上部を除く収納トレイの収納凹部に配置される少なくとも１枚の保護シートとを備え、
　上記板状収納物は、最上部を除く収納トレイの収納凹部に上記保護シートを挟んで上下に積層状態で収納されることを特徴とする包装セット。
　請求項１に記載の包装セットにおいて、
　上記収納凹部の底面外周に設けられ、上記板状収納物をその外周縁を下方から支持して上記収納トレイに搭載する第１支持部と、
　該第１支持部の外側方に隣接され、上記収納トレイを上下に重ねた状態で、下側収納トレイの上記第１支持部の上方に位置して該下側収納トレイに搭載された板状収納物の外周縁を上方から押さえる押さえ部と、
　該押さえ部の外側方に設けられ、上記収納トレイを上下に重ねた状態で、上側収納トレイを下方から支持する第２支持部とを備えていることを特徴とする包装セット。
　請求項１に記載の包装セットにおいて、
　上記収納凹部の側面には、該収納凹部の開口が底面から開口端に亘って上方に次第に拡がる傾斜面部と、
　上記板状収納物の形状に対応するように上下方向途中から開口端に亘って延び底面に対して鉛直な鉛直面部とが設けられていることを特徴とする包装セット。
　請求項１に記載の包装セットにおいて、
　上記収納トレイの外周部には、上記収納凹部を囲む水平壁と、該水平壁の外周縁から下方に延びる縦壁と、該縦壁の下端縁から外側方に張り出すフランジとが設けられ、
　上記水平壁と縦壁との境及び上記フランジと縦壁との境には、アール部がそれぞれ形成されていることを特徴とする包装セット。
　請求項１に記載の包装セットにおいて、
　上記収納トレイの外周部には、上記収納凹部を囲む水平壁が設けられ、
　該水平壁には、上方に開口する凹部を有する位置決め筒部が複数個所定間隔をあけて下方に突設され、
　該各位置決め筒部の凹部内面には、開口側が底部側よりも大きく開口するように段部が形成され、
　上記収納トレイを上下に重ねた状態で、上側収納トレイの位置決め筒部が下側収納トレイの位置決め筒部の凹部内に上方から挿入されて下側収納トレイの上記段部に接触していることを特徴とする包装セット。
　請求項１に記載の包装セットにおいて、
　上記保護シートには、該保持シート下方の板状収納物を視認する視認窓が形成されていることを特徴とする包装セット。
　請求項１に記載の包装セットにおいて、
　上記収納トレイは、上記収納凹部を複数個有し、
　上記保護シートの外周部には、該保護シートの向きを認識する突出部が形成され、
　上記収納トレイの外周部には、上記突出部を挿入する挿入凹部が形成されていることを特徴とする包装セット。
　請求項１に記載の包装セットにおいて、
　上記収納トレイは、上記収納凹部を複数個有し、
　上記保護シートには、上記各収納凹部に収納された板状収納物を覆うカバー部が上記各収納凹部に対応するように連結部を介して複数個連続して形成され、
　上記連結部には、スリットが隣り合うカバー部を分断するように形成されていることを特徴とする包装セット。
　請求項１に記載の包装セットにおいて、
　上記収納トレイは、板状収納物を上記収納凹部に収納した状態で、上下に重ねられて保護袋で包まれ、１組の収納トレイ集合体を構成することを特徴とする包装セット。
　請求項９に記載の包装セットにおいて、
　上記１組の収納トレイ集合体は、両端が開口する収納ケースに両側若しくは片側から挿入されて収納されることを特徴とする包装セット。
　請求項１０に記載の包装セットにおいて、
　収納トレイ集合体を収納した収納ケースは、包装箱に複数個収納されて包装されることを特徴とする包装セット。
　請求項１～１１のいずれか１項に記載の包装セットにおいて、
　上記板状収納物は、液晶モジュールであることを特徴とする包装セット。