WO2008069280A1

WO2008069280A1 - 伸縮性不織布、吸収性物品及び吸収性物品の製造方法

Info

Publication number: WO2008069280A1
Application number: PCT/JP2007/073611
Authority: WO
Inventors: Hirotomo Mukai; Tatsuya Hashimoto; Tomoko Tsuji; Akiyoshi Kinoshita; Hidefumi Goda; Masaharu Tomioka; Shinji Noma
Original assignee: Uni-Charm Corporation
Priority date: 2006-12-08
Filing date: 2007-12-06
Publication date: 2008-06-12
Also published as: TWI479060B; JP5570121B2; US20080139067A1; EG25926A; EP2559796B1; BRPI0717188A2; EA200900545A1; EP2559796A1; EP2090684A1; JPWO2008069280A1; EA015784B1; MA31818B1; US7754627B2; AU2007329939A1; EP2090684B1; CN101548042A; MY145869A; CA2670880A1; BRPI0717188B1; CN101548042B

Abstract

　本発明は、装着時における吸収体の吸収性能を抑制することなく、装着感のよい使い捨ておむつ及び使い捨ておむつの製造方法を提供する。シャーシ２の非肌当接面側に配置され、伸縮性を有する熱可塑性繊維と該熱可塑性繊維よりも融点の低い熱融着繊維とで構成された伸縮性不織布９ａ、９ｂにおいて、少なくとも吸収体４と厚さ方向に重なる領域に、該伸縮性不織布９ａ、９ｂの伸縮性を低下させた低伸縮部２５を形成する。低伸縮部２５は、当該領域に対して伸縮性不織布原反１９を伸長させた状態で加熱及び加圧を行うことで形成される。

Description

明細書

伸縮性不織布、吸収性物品及び吸収性物品の製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、伸縮性不織布、使い捨ておむつ等の吸収性物品及び吸収性物品の製造方法に関する。

背景技術

[0002] 従来の使い捨ておむつは、装着時において、身体の動き等に合わせるため、また様々な体型に合わせて密着させるため、伸縮性を有するように形成されている。しかし、この伸縮の影響で吸収体自体にも皺が寄り、吸収体と身体との隙間が発生する場合があった。このような吸収体と身体との隙間は、***物等が漏れる原因ともなつている。

[0003] これに対し、外側カバーに伸縮性部材が配置し、吸収体を中心とするインサートの長手方向両端部のみが外側カバーにおける前後のウェスト取り付けゾーンにのみ接続され、外側カバーの伸縮性を抑制することなぐ着用者の体型に合わせ、吸収体の性能が発揮できるようにすることを目的とした使い捨ておむつが開示されている（例えば、特表平 1 503473号公報特許文献 1参照）。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] しかし、特許文献 1における使い捨ておむつは、吸収体を中心とするインサートを長手方向両端部のみウェスト取り付けゾーンに接続され、シャーシから遊離した状態で配置される。したがって、着用時に吸収体を押し広げるものがなぐ吸収体がよれてしまう。

[0005] 本発明は、吸収体におけるョレ等の不要な変形を抑制する伸縮性不織布、吸収性物品及び吸収性物品の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006] (1) 伸縮性不織布であって、伸縮性を有する熱可塑性繊維と、前記熱可塑性繊維よりも融点の低い熱融着性繊維と、を備え、所定領域において、少なくとも前記熱融着性繊維が互いに融着され、該所定領域の周囲領域よりも伸縮性が低下された低伸縮部を有する伸縮性不織布。

[0007] (2) 前記低伸縮部は通気性を有する（1)に記載の伸縮性不織布。

[0008] (3) 部分的に伸縮性が低下された領域を有する伸縮性不織布の製造方法であつて、

伸縮性を有する熱可塑性繊維と前記熱可塑性繊維よりも融点の低い熱融着性繊維とを含む伸縮性を有する不織布の所定領域に、少なくとも前記熱融着性繊維を互いに融着させ該所定領域における伸縮性を低下させる処理をする低伸縮化工程を含む伸縮性不織布の製造方法。

[0009] (4) 前記低伸縮化工程は、前記熱融着性繊維を互いに融着させる前に、前記伸縮性を有する不織布を伸長させる工程を含む（3)に記載の伸縮性不織布の製造方法。

[0010] (5) 伸縮性複合シートの製造方法であって、伸縮性を有する熱可塑性繊維と前記熱可塑性繊維よりも融点の低い熱融着性繊維とを含む伸縮性を有する不織布を、 20から 200%の範囲から選ばれる所定の伸長率で伸長する不織布伸長工程と、前記不織布伸長工程により伸長させた前記不織布を非伸縮性シートに張り合わせるように積層配置し、複合シートを形成する複合シート形成工程と、前記複合シートの所定領域において、少なくとも前記熱融着性繊維を互いに融着させ、該所定領域の周囲の領域よりも伸縮性を低下させる低伸縮化工程と、を含む伸縮性複合シートの製造方法。

[0011] (6) 幅方向と、前記幅方向に直交する長手方向とを有して、前胴周り域と、後胴周り域と、前記前胴周り域と前記後胴周り域との間に位置する股下域とが配されるシヤーシと、前記長手方向に沿うように配置されると共に少なくとも一部が前記シャーシと厚さ方向において重なるように配置される吸収体と、を備え、前記シャーシの少なくとも一部には、伸縮性を有する熱可塑性繊維と前記熱可塑性繊維よりも融点の低!/、熱融着性繊維とを含む伸縮性不織布が配置され、前記伸縮性不織布の所定領域には、該所定領域における周囲の領域よりも伸縮性が低下された低伸縮部が形成され、前記低伸縮部における熱可塑性繊維は、該低伸縮部における前記熱融着性繊維が互いに融着した融着構造により伸縮が規制される吸収性物品。

[0012] (7) 前記低伸縮部は、前記前胴周り域及び後胴周り域それぞれの前記幅方向における略中央に形成されると共に、少なくとも前記吸収体における前記幅方向外側の両側縁と前記厚さ方向において重なるように形成される（6)に記載の吸収性物品

[0013] (8) 前記低伸縮部は通気性を有する（6)または（7)に記載の吸収性物品。

発明の効果

[0014] 本発明によれば、吸収体におけるョレ等の不要な変形を抑制する伸縮性不織布、吸収性物品及び吸収性物品の製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1]本発明の実施形態に係る使い捨ておむつの斜視図である。

[図 2]本発明の実施形態に係る使い捨ておむつの展開状態を示す展開図である。

[図 3]本発明の実施形態に係る使い捨ておむつの分解組み立て図である。

[図 4]本発明の実施形態に係る図 2の Y— Y断面図である。

[図 5]本発明の実施形態に係る図 2の X— X断面図である。

[図 6A]本発明の実施形態に係る低伸縮部の断面図である。

[図 6B]図 6Aの低伸縮部の部分拡大図である。

[図 7]本発明の実施形態に係る伸縮性不織布の製造工程を説明する図である。

[図 8]本発明の実施形態に係る使い捨ておむつの製造工程を説明する図である。

[図 9]本発明の実施形態に係る伸縮性不織布の他の製造工程を説明する図である。発明を実施するための形態

[0016] 以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施形態は下記の実施形態に何ら限定されることなぐ本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。

[0017] 図 1は、本発明の実施形態に係る使い捨ておむつ 1の斜視図である。図 2は、使い捨ておむつ 1の展開状態を示す展開図である。図 3は、使い捨ておむつ 1の分解組み立て図である。図 4は、図 2の Y— Y断面図である。図 5は、図 2の X— X断面図である。図 6Aは、低伸縮部の断面図である。図 6Bは、低伸縮部の部分拡大図である。図 7は、伸縮性不織布 9の製造工程を説明する図である。図 8は、使い捨ておむつ 1の製造工程を説明する図である。図 9は、伸縮性不織布 9の他の製造工程を説明する図である。

[0018] 1.実施形態

1 - 1.吸収性物品の全体構成

本実施形態におけるパンツ型の使 V、捨ておむつ 1を用いて、本発明に係る使 V、捨ておむつの全体構成を説明する。なお、本実施形態においては、使い捨ておむつ 1 のうち着用者の身体に向けられる一方側を肌当接面側とし、肌当接面側と反対の他方側を非肌当接面側とする。

[0019] 図 1に示すように、本実施形態に係る使い捨ておむつ 1は、使い捨ておむつ 1の外形を形成し、装着時において胴周りを形成するシャーシ 2を有する。図 2に示すように、シャーシ 2は、着用者の腹部側に配置される前胴周り域 21と、着用者の背部側に配置される後胴周り域 22と、前胴周り域 21と後胴周り域 22との間に配置される股下域 23とを有する。

[0020] シャーシ 2は、非伸縮性シートで形成されたベースシート 9cと、伸縮性不織布 9a、 9 bとで構成される。具体的には、シャーシ 2は、ベースシート 9cにおける前胴周り域 21 及び後胴周り域 22に、それぞれ後述の伸縮性不織布 9a、 9bをシャーシ 2 (ベースシート 9c)における非肌当接面側に貼り合わせるように配置することで構成される。また、伸縮性不織布 9a、 9bは、熱可塑性繊維と、熱可塑性繊維よりも融点が低い熱融着性繊維とで構成された不織布である。すなわち、シャーシ 2における前胴周り域 21及び後胴周り域 22は、ベースシート 9cと伸縮性不織布 9a、 9bとで構成された伸縮性を有する複合シートで形成される。

[0021] また、図 2の Y— Y断面図である図 4に示すように、伸縮性不織布 9a、 9bにおける少なくとも一部分には、伸縮性を低下させた低伸縮部 25が形成される。具体的には、伸縮性不織布 9a、 9bにおける少なくとも吸収体 4と厚さ方向 TDにおいて重なる部分に、該伸縮性不織布 9a、 9bの伸縮性を他の領域よりも低下させた低伸縮部 25が形成される。低伸縮部 25の形成については後述する。これにより、吸収体 4と厚さ方向 TDに重なる部分における低伸縮部 25が形成された領域では、伸縮性不織布 9a 、 9bの伸縮性が低下され、該伸縮性不織布 9a、 9bの伸縮性の影響で吸収体 4、特に吸収体 4の外縁に皺が形成されることを抑制することができる。

[0022] 図 1に示すように、使い捨ておむつ 1は、前胴周り域 21及び後胴周り域 22の両側縁に形成される所定の接合部 24a、 24bにおいて前胴周り域 21と後胴周り域 22とを接合することにより、いわゆるパンツ型に形成される。

[0023] 具体的には、図 2に示すように、前胴周り域 21における接合部 24aと後胴周り域 22 における接合部 24bとを貼り合わせるようにして接合することで、パンツ型に形成される。そして、側縁 95、 95それぞれにより一対の脚開口 7、 7が形成される。そして、図 2における長手方向 LDの両縁（前縁 91及び後縁 93)により胴開口 8が形成される。

[0024] 脚開口 7、 7には、該脚開口 7、 7における周縁の全部又は一部に沿うようにレツグギャザーシート 73及び所定の弾性部材を配置することができる。具体的には、後述の吸収体 4の側縁に沿うようにレッダギャザーシート 73を配置し、該レッダギャザーシート 73の側縁に沿うように糸状もしくは帯状の弾性部材 72を複数配置することができる。これにより、図 1に示すようにレッダギャザー 71、 71を設けること力 Sできる。

[0025] また、さらに図 2から図 5に示すように、該使い捨ておむつ 1には、シャーシ 2における股下域 23の側縁に沿うように、伸縮性を有する股下シート 74を配置することができる。具体的には、股下シート 74は、伸縮性不織布で形成され、ベースシート 9cの非肌当接面側に該ベースシート 9cにおける股下域の側縁 95に貼り合わせるように配置される。すなわち、股下シート 74が配置される部分は、該股下シート 74とベースシート 9cとで形成される複合シートとなる。

[0026] 同様に、胴開口 8には、該胴開口 8における周縁に沿うように所定の弾性部材を配置すること力 Sできる。具体的には、図 2に示すように、糸状もしくは帯状の弾性部材 82 力前胴周り域 21における前縁 91に該前縁 91に沿うように複数配置される。また、後胴周り域 22における後縁 93にも該後縁 93に沿うように糸状もしくは帯状の弾性部材 82を複数配置することができる。これにより、図 1に示すようにウェストギャザー 81 を設けることができる。

[0027] また、図 3に示すように、使い捨ておむつ 1は、着用者の肌当接面側に設けられ、表面層を構成する縦長状に形成される液透過性の表面シート 3と、表面シート 3とべースシート 9cとの間に配置され吸収層を構成する縦長状に形成された液保持性の吸収体 4と、着用者の非肌当接面側に設けられ裏面層を構成する縦長状に形成された液不透過性の裏面シート 5と、裏面シート 5の非肌当接面側に配置され使い捨ておむつ 1における最外層となる股下外装シート 6とを有する。表面シート 3、吸収体 4、裏面シート 5及び股下外装シート 6のそれぞれは、股下域 23を介して前胴周り域 21から後胴周り域 22に長手方向 LDに沿って配置される。これにより、***部から***された尿等の***物は、表面シート 3における液透過領域を透過して、吸収体 4で吸収される。非肌当接面側に配置される裏面シート 5は、液不透過性であるため、尿等の***物は股下外装シート 6ゃ該股下外装シート 6における非肌当接面側には透過せず、吸収体 4に吸収された状態で保持される。

[0028] 1 2.シャーシ

図 1から図 5に示すように、シャーシ 2は、着用時における着用者の腹部側に配置される前胴周り域 21と、着用者の背部側に配置される後胴周り域 22と、前胴周り域 21 と後胴周り域 22との間に配置される股下域 23とを有する。前胴周り域 21と、股下域 2 3と、後胴周り域 22とは、前胴周り域 21の前縁 91側から前述の順に長手方向 LDに沿って配置される。

[0029] シャーシ 2は、非伸縮性シートであるベースシート 9cと前胴周り域 21及び後胴周り域 22に配置される伸縮性不織布 9a、 9bとで構成される。つまり、シャーシ 2における前胴周り域 21及び後胴周り域 22は、複合シートにより構成され、股下域 23は、ベースシート 9cの一部により構成される。ベースシート 9cは、例えばスパンボンド法で形成された非伸縮性不織布で形成されることが好ましい。

[0030] また、シャーシ 2の幅方向 WDにおける長さは、例えば、 300〜； 1000mm力 S好ましく、また、前胴周り域 21の前縁 91における幅方向 WDの長さは、 300〜； 1000mm力 S好ましい。また、シャーシ 2の長手方向 LDにおける長さは、 300〜； 1000mm力 S好ましい。特に大人用の使い捨ておむつ 1の場合には、シャーシ 2の幅方向 WDにおける長さは、前胴回り域 21又は後胴回り域 22を伸長した場合に 450〜900mmが好ましぐ長手方向 LDにおける長さが 600〜900mmが好ましい。

[0031] シャーシ 2における股下域 23の長手方向 LDにおける長さは、 250〜450mm力 S好ましい。

[0032] また、シャーシ 2には、幅方向 WDにおける略中央を頂点とした略 U字状の切り込み部（図 8の 77参照）による側縁 95が形成される。切り込み部の形成により、シャーシ 2の前胴周り域 21と後胴周り域 22とが接合部 24a、 24bにより互いに接合されてパンッ型となった際、側縁 95が脚開口 7、 7を形成する。また、前胴周り域 21と後胴周り域 22とが互いに接合されることにより、前胴周り域 21の前縁 91と後胴周り域 22の後縁 93とにより月同開口 8が形成される。

[0033] 1 3.伸縮性不織布

図 3から図 5に示すように、ベースシート 9cの前胴周り域 21と後胴周り域 22における非肌当接面側には、伸縮性不織布 9a、 9bが配置される。そして、伸縮性不織布 9a 、 9bは、伸縮性を有する不織布である伸縮発現後不織布 19に対し、該伸縮性不織布 9a、 9bをベースシート 9cに配置した場合に吸収体 4と厚さ方向 TDに重なる部分に、後述の低伸縮部 25を形成した不織布である。

[0034] 伸縮発現後不織布 19は、伸縮性を有する熱可塑性繊維と、該熱可塑性繊維よりも融点の低い熱融着性繊維とで構成される。また、伸縮発現後不織布 19は、上記繊維で構成された伸縮性発現前の伸縮率が小さ V、非伸縮性不織布 (伸縮発現前不織布） 18に対しギア延伸加工を行うことにより顕著に伸縮性が付与された伸縮性を有する不織布である（図 7参照）。

[0035] 伸縮性を有する熱可塑性繊維は、例えば、ウレタン系、ポリエステル系等の伸縮弹性を有する繊維を使用することができる。また、熱融着性繊維は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを使用すること力 Sでさる。

[0036] 熱可塑性繊維と熱融着性繊維との混率（質量比）は、 30： 70〜70： 30を例示できる。熱可塑性繊維の混率が 70%より大きくなると、熱融着性繊維の量が減りすぎて、目標とする伸縮低減率が得られな V、場合がある。逆に熱融着性繊維 129の混率が 7 0%より大きくなると、伸縮性不織布 9a、 9bの歪みが大きくなり、目標とする伸縮応力を得ることが困難となる。

[0037] このような繊維で構成され、伸縮性をあまり有しない状態である伸縮発現前不織布 18にギア延伸加工を行うことにより伸縮性が付与されて伸縮発現後不織布 19が形成される。ギア延伸加工とは、図 7で示すように、一対の賦形ロール（ギアロール） 10 2、 102'で伸縮発現前不織布 18を圧搾し、熱融着性繊維を伸長させることで伸縮性を付与する加工である。

[0038] 伸縮性を有する熱可塑性繊維は、ギア延伸加工後であっても収縮して元の繊維長に戻るが、ギア延伸加工によって伸長された熱融着性繊維は、加工前の繊維長に戻らずにギア延伸加工によって少なくとも部分的に引き伸ばされた状態で維持される。そして、この引き伸ばされた分の長さ力該伸縮発現後不織布 19が伸びる伸びしろとなり、伸縮性が付与される。

[0039] 伸縮発現後不織布 19の生地単体での伸び止まりまでの伸長可能範囲を表す伸縮率は、 20〜200%が好ましい。また伸縮発現後不織布 19の伸縮方向は、該伸縮発現後不織布 19における MD方向（機械流れ方向）又は CD方向（機械流れ方向に対して直交する方向）のいずれかであってもよぐまた、 MD方向及び CD方向の両方向であってもよい。ギア延伸加工によって伸縮発現前不織布 18に付与される伸縮方向については、使用される吸収性物品その他の用途に応じて定めることができる力本実施形態では、少なくとも MD方向（使い捨ておむつ 1の幅方向 WD)への伸縮性が付与されるものとする。

[0040] ここで、伸縮発現後不織布 19の伸縮率の測定方法について説明する。まず、対象となるシート（ここでは、伸縮発現後不織布 19)をその伸縮方向に最大に伸長させた場合での長さを Yとし、その後伸長を開放して自然状態に放置し、自然に収縮した状態における対象となるシートの縮み長さを yとして下記の式にあてはめる。

國伸縮率（％) = Y/ y X 1 0 0 - 1 0 0

[0041] また、収縮した状態で、伸縮方向に一定間隔 (例： 100mm)の記しを付け、対象となるシートをその伸縮方向に最大に伸長させた状態の印間の長さを測定し、上記式で伸縮率を求めてもよい。

[0042] そして、伸縮発現後不織布 19における一部の領域に、該伸縮発現後不織布 19における他の領域よりも伸縮性が低下された領域である低伸縮部 25が形成され、伸縮性不織布 9a、 9bが形成される。

[0043] 非伸縮性不織布でなるベースシート 9cの目付は 10〜50g/m²が好ましぐ伸縮性発現前の伸縮性不織布原反である伸縮発現前不織布 18の目付は 20〜； 100g/m² が好ましぐ伸縮性不織布 9a、 9b形成のための伸縮発現後不織布 19の目付は 20 〜； 130g/m²が好ましい。

[0044] 1 4.低伸縮部

低伸縮部 25は、低伸縮化工程を経て伸縮発現後不織布 19における一部の領域に形成された伸縮発現後不織布 19における他の領域よりも伸縮性が低い領域である。具体的には、低伸縮部 25は、使い捨ておむつ 1の前胴周り域 21及び後胴周り域 22に配置された場合に、前胴周り域 21及び後胴周り域 22それぞれの幅方向 WDにおける略中央であって、少なくとも吸収体 4と厚さ方向 TDに重なる領域に形成される

〇

[0045] 低伸縮部 25の幅方向 WDにおける長さは、少なくとも吸収体 4の幅方向 WDにおける長さの 1/2以上、好ましくは 2/3以上の長さであることが好ましい。また、使い捨ておむつ 1を展開して前胴周り域 21又は後胴周り域 22を最大まで伸長させた状態の幅方向 WDにおける長さに対して 7〜40%の長さが好ましぐ特には、 12〜30% の長さであることが好ましい。低伸縮部 25の幅方向 WDにおける長さが 7%未満である場合には、低伸縮部 25の幅方向 WDにおける長さが吸収体 4の幅方向 WDにおける長さの半分以下になる場合があり、吸収体 4とシャーシ 2との接合方法によっては、吸収体 4に皺がよる場合がある。また、低伸縮部 25の幅方向 WDにおける長さが 40 %を超える場合には、低伸縮部 25における胴回りの伸縮範囲が不足し、装着感を悪化させる場合がある。なお、低伸縮部 25は、前胴周り域 21及び後胴周り域 22における吸収体 4に厚さ方向 TDに重なる領域全体に形成することが好ましいが、これに限らず、例えば、吸収体 4の長手方向 LD側縁部に沿って形成されてもよい。

[0046] 低伸縮部 25の幅方向 WDにおける長さは、伸長させた状態で 60〜250mmが好ましい。また、低伸縮部 25の幅方向 WDにおける両側部の伸縮発現後不織布 19における幅方向 WDの長さは、大人用の使い捨ておむつ 1として製造する場合、伸長させた状態で片側で 100〜420mm、特には 200〜300mmが好ましい。

[0047] 低伸縮部 25の長手方向 LDにおける長さは、少なくとも前胴周り域 21又は後胴周り域 22における吸収体 4に厚さ方向 TDに重なる吸収体 4の長手方向 LDにおける長さ以上であることが好ましい。具体的には、それぞれ片側で 60〜250mmを例示できる。 60mm未満の場合には、吸収体 4と伸縮性不織布 9a、 9bとが厚さ方向 TDに重なる長手方向 LDにおける長さを十分にカバーできない場合がある。

[0048] 低伸縮部 25の伸縮方向における引張強度は、 3N/50mm以上であることが好ましい。 3N/50mm未満である場合には、使い捨ておむつ 1の製造中に破断したり、該使レ、捨ておむつ 1の使用中に引き裂かれて破ける場合がある。

[0049] 上記引張強度及び破断伸度の測定方法を説明する。まず、低伸縮部 25を弛緩した状態で 50mm幅に切り取り、オートグラフ引張試験機（(株）島津製作所製オートグラフ型引張試験機 (形式 AG— 1KNI) )を用いて引張試験を行う。試験片における伸縮方向の両端を (装置)ではさみ、装置が挟んだ長さを除いた距離 (チャック間距離）を 100mmとして、引張速度を lOOmm/minとして試験片を破断するまで引っ張り、破断したときの最大強度を測定した。また、破断伸度として破断した際の伸度を測定した。

[0050] 伸縮性を低下させる低伸縮化工程は、伸縮発現後不織布 19を伸長させた状態で、所定温度で加熱すると共に、該伸縮発現後不織布 19における所定領域を厚さ方向 TDに押しつぶすように加圧して低伸縮部 25を形成し、伸縮性不織布 9a、 9bを形成する処理である。具体的には、該伸縮発現後不織布 19を伸縮性不織布 9a、 9bとして使い捨ておむつ 1の前胴周り域 21又は後胴周り域 22に配置した場合に、吸収体 4と厚さ方向 TDに少なくとも重なる領域に対し、伸縮発現後不織布 19を伸長させた状態のまま熱融着性繊維 129が変形可能な温度で加圧する処理である。

[0051] この加圧及び加熱は、例えば、ヒートエンボスにより加圧及び加熱を同時に行う方法や、熱風により加熱した後、ローラにより加圧する方法、超音波により熱を発生させてローラにより加圧する方法等、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができ

[0052] このように、ギア延伸加工により伸縮性を発現させた伸縮発現後不織布 19を伸長させた状態で加熱及び加圧を行うことで、熱融着性繊維 129同士が互いに融着して融着構造が形成される。

[0053] 詳細には、図 6Aに示すように、低伸縮部 25の厚さ方向 TDにおける長さは、低伸縮化工程により、伸縮性不織布における他の領域の厚さ方向 TDにおける長さよりも小さく（薄く）なるように形成される。これは、後述の伸縮性を低下させる低伸縮化工程により低伸縮部 25が所定の圧力により圧縮されてなる。

[0054] また、低伸縮部 25における繊維間距離は、伸縮性不織布 9が伸長された状態で低伸縮化工程に導入されることにより、低伸縮部 25以外の領域における繊維間距離よりも短くなるように形成される。また、低伸縮化工程における熱処理を伴う圧縮により、低伸縮部 25は、低伸縮部 25以外の領域よりも密度が高くなるよう形成される。

[0055] 図 6Bに示すように、低伸縮部 25における熱融着性繊維 129は、伸長状態でもって低伸縮化工程を経ることにより、熱により熱融着性繊維 129同士で互いに融着して融着構造を形成している。このため、伸長した状態又は収縮した状態の熱可塑性繊維 119は、熱融着性繊維 129の融着構造により伸縮動作が抑制される。これにより、低伸縮部 25における伸縮が規制される。

[0056] 伸縮性不織布 9a、 9bの低伸縮部 25における伸縮率は、 25%以下、特には 15% 以下であることが好ましい。また、この場合における伸縮性不織布 9a、 9bの低伸縮部 25とは異なる領域における伸縮性は 30%以上であることが好ましい。なお、伸縮性不織布 9a、 9bにおける伸縮性の測定については上述のとおりである。

[0057] また、使い捨ておむつ 1の前胴周り域 21及び後胴周り域 22に配置した場合に、伸縮性不織布 9a、 9bを伸長させた状態の幅方向 WDにおける長さから、弛緩した状態の幅方向 WDにおける長さへ戻した場合における伸長させる前の元の幅方向の長さとの差の割合（戻り率）は、 15%以下であることが好まし!/、。

[0058] 1 - 5.吸収体

図 2から図 5に示すように、吸収体 4は、液保持性を有し、略縦長状に形成される。ここで、略縦長とは、長手方向 LDと幅 (短手)方向 WDを有する略矩形のものを含むものとし、また、長手方向 LDの両辺の一部が長手方向 LDにおける中心方向に窪んだものや、中心方向と反対方向に***したものを含むものとする。つまり、吸収体 4は、吸収体 4の長手方向 LDの一部に幅方向 WDにおける長さが異なるものを含むものとする。

[0059] 吸収体 4は、ティッシュ（図示せず)や親水性不織布 41に包まれた状態で配置されるようにしてもよい。また、親水性不織布 41に包まれている場合、使い捨ておむつ 1 におレ、て表面シート 3を用いなレ、構成や、表面シート 3を部分的にのみ用いる構成としてもよい。これにより、生産コストの減少を図ることが可能である。

[0060] 吸収体 4の剛性は、股間から胴回り域にかけて違和感が無く装着性に優れる剛性であること力 S好ましく、具体的には、 0. 01-0. 6N'cmが好ましい。剛性が 0. 01N- cm未満である場合には、吸収体 4自体に皺が寄りやすくなる。剛性は、テーバー法により公知の装置を用いて測定できる。

[0061] 吸収体 4の幅方向 WDにおける長さは、 120〜250mm力 S好ましい。これは、上述した低伸縮部 25の幅方向 WDにおける長さ力 S、使い捨ておむつ 1の幅方向 WDにおける長さの 10〜30%の範囲であることが好ましいからである。また、低伸縮部 25の幅方向 WDにおける長さが 120mm未満である場合には、必要な吸収性能を得ることが困難となる場合があり、 250mmを超えると胴回りに必要な伸縮範囲を得ることが困難となる場合があるからである。

[0062] 吸収体 4と、吸収体 4における肌当接面側に配置される液透過性の表面シート 3とは、ホットメルト接着剤により貼り合わされるようにして接合される。また、吸収体 4の非肌当接面側とベースシート 9cとは、ホットメルト接着剤により貼り合わされるようにして接合される。なお、特に吸収体 4におけるベースシート 9cに配置される伸縮性不織布 9a、 9bと厚さ方向 TDに重なる部分については、吸収体 4を包む親水性不織布 41における端部周縁を少なくとも接合することが好ましレ、。ホットメルト接着剤の塗工バターンとしては、例えば、コントロールシーム塗工、スロットコーター塗工、スパイラル塗ェ、カーテンコーター塗工、サミットガン塗工等が挙げられる。ホットメルト接着におけるホットメルト接着剤の目付は、 2〜； 15g/m²が好ましい。

[0063] 1 6.製造方法

1 - 6 - 1.概要

図 7及び図 8を用いて、使い捨ておむつ 1の製造方法について説明する。使い捨ておむつ 1は、伸縮性不織布 9a、 9bを形成し、伸縮性不織布 9a、 9bを伸長させた状態で非伸縮性不織布であるベースシート 9cに貼り合わせるように接合させた複合シートとし、該複合シートに使い捨ておむつ 1の各パーツを接合して形成される。

[0064] 伸縮性不織布 9a、 9bは、まず、熱可塑性繊維と熱融着性繊維とで構成された伸縮発現前不織布 18にギア延伸加工を行い、伸縮発現後不織布 19を形成する。そして、該伸縮発現後不織布 19の少なくとも一部に低伸縮化工程により伸縮性を低下させる処理を行うことで低伸縮部 25を形成する。

[0065] このようにして作られた伸縮性不織布 9a、 9bを伸長させた状態でベースシート 9cに接合して前胴周り域 21又は後胴周り域 22を形成する。また、股下外装シート 6、液不透過性の裏面シート 5、股下シート 74がベースシート 9cにおける非肌当接面側に接合され、レッダギャザーシート 73、吸収体 4、液透過性の表面シート 3がベースシート 9cにおける肌当接面側にそれぞれ接合され、さらにウェストギャザー 81が形成されて使レ、捨ておむつ 1が製造される。

[0066] 1 6— 2.伸縮性不織布の製造方法

図 7により、以下に伸縮性不織布 9a、 9bの製造工程について説明する。まず、原反ロール 101に巻かれたギア延伸加工前の伸縮発現前不織布 18を巻き出す。

[0067] 巻き出された伸縮発現前不織布 18は、ギア延伸加工により伸縮性が付与されて伸縮発現後不織布 19となる。具体的には、互いに歯付領域 103が嚙み合うようになされた一対のギアロール 102、 102'の間に伸縮発現前不織布 18が揷入される。そして、歯付領域 103により熱融着性繊維が伸長される。伸縮方向は、使用目的により、 MD方向又は CD方向、もしくは両方向のいずれかを選択可能である。双方向に伸縮可能とする場合は、伸縮発現前不織布 18に対し、ギア延伸加工を異なる方向に 2 回行うこと力 Sできる。すなわち、 MD方向又は CD方向に伸縮を発現させた後、 2回目としてもう一方の方向にギア延伸加工を行うことができる。本実施形態においては、少なくとも MD方向に伸縮性を有するように形成されるものとする。

[0068] 次に、それぞれ一対のロール 104、 105により、伸縮性が発現された伸縮発現後不織布 19は、 MD方向に、例えば 1. 8倍伸長される。このとき、一対のロール 104、 10 5間の伸縮発現後不織布 19の CD方向における長さは、 MD方向に引き伸ばされることによりいわゆるネックインした状態となり伸長される前よりも CD方向における長さが狭くなつた状態となる。

[0069] この後、伸縮発現後不織布 19に対しそれぞれ一対の拡幅ロール 106、 106 'により拡幅処理を行う。これは、伸縮発現後不織布 19を伸長させることにより該伸縮発現後不織布 19が CD方向に狭くなるような、いわゆるネックインした状態となるため、これを拡幅するためである。ネックインした伸縮発現後不織布 19を拡幅するには、拡幅ロール 106、 106 'の前に備えられたセンサ 110で伸縮発現後不織布 19の CD方向における長さを読み取り、それぞれ上下に挟んだ一対の拡幅ロール 106、 106 'で 2段階にそれぞれ所定の長さに調節する。そして、伸長かつ拡幅した状態の伸縮発現後不織布 19を低伸縮化工程である熱エンボスロール 107に導入する。

[0070] 熱エンボスロール 107、 107 'は、伸縮発現後不織布 19の一部に伸縮性を低下させる処理を行う低伸縮化工程の主要なユニットである。熱エンボスロール 107、 107 ' は一対のロールであり、その一部分に伸縮発現後不織布 19の伸縮性を低下させるための圧縮部 108を備える。圧縮部 108は、一対の熱エンボスロール 107、 107，それぞれに備えられ、各ロールの圧縮部 108が嚙み合うように配置される。圧縮部 108 は、熱エンボスロール 107、 107 'の外周より外側に凸状に突出しており、この熱ェンボスロール 107、 107の外周に沿って圧縮部 10が複数配置される。この熱エンボスロール 107、 107 'に複数配置された圧縮部 108の間隔力伸縮性不織布 9における低伸縮部 25が形成される間隔 (ピッチ）となる。言い換えると、伸縮性不織布 9における低伸縮部 25が形成される間隔（ピッチ）に応じて圧縮部 108が熱エンボスロール 1 07、 107 'に配置される。尚、熱エンボスロール 107、 107 'における圧縮部 108の進行方向側の側部から、進行方向に隣り合う圧縮部 108における進行方向の側部間のピッチは、シャーシ 2の幅方向 WDにおける長さと等しいことが好ましい。

[0071] 圧縮部 108の温度は 90〜； 130度が好ましい。圧縮部 108の温度が 90度未満である場合には、熱融着性繊維が熱融着することができず、伸縮性を低下させることができなくなる。また、圧縮部 108の温度が 130度を超える場合には、熱融着性繊維が口ールゃ圧縮部 108に付着してしまい、伸縮性不織布 9を破損させてしまう原因となる [0072] 尚、熱エンボスロール 107、 107 'へ伸縮発現後不織布 19を導入する前に例えば熱風や超音波により加熱処理を行うことが好ましい。これにより、伸縮発現後不織布 1 9を構成する繊維が変形しやすくなる。当該加熱処理における温度は、 40〜80度が好ましい。

[0073] また、熱エンボスロール 107、 107，の泉圧は、 30kgf/cm〜； 1000kgf/cm力 S好ましい。 30kgf/cm未満の場合には、必要な繊維間を切断するための圧力が不足し、また、 1000kgf/cmを超える場合には、設備への負荷が増大すると共に、シートの巻き付き防止のために施した表面処理等が破壊され、ロールの寿命が短くなる場合がある。

[0074] 圧縮部 108の圧縮パターンは、例えば、ベタ、梨地、サンドブラスト等を挙げることができる。圧縮部 108の圧縮パターンを変更することで、低伸縮部 25における伸縮残り率や表面の風合いをある程度コントロールすることができる。具体的には、圧縮ノターンを変更することにより、伸縮性不織布 9の表面がフィルム化したり固くなりすぎたりすることを抑制すること力 Sできる。例えば、圧縮パターンをベタとした場合は伸縮残り率が 0 (ゼロ）％となり、表面は固くなる場合がある力例えば梨地とした場合には、表面に細かな凹凸が形成されることにより伸縮残り率を低くして風合いをよくすること力 Sでさる。

[0075] このようにして、低伸縮化工程を経て伸縮性不織布 9が形成される。この伸縮性不織布 9をさらに使い捨ておむつ 1の前胴周り域 21及び後胴周り域 22に配置するため、伸縮性不織布 9を MD方向に伸長された状態のまま後述の使い捨ておむつ 1の生産ラインに合流させる。なお、この場合、伸縮性不織布 9は、 MD方向に伸長されているため、伸縮性不織布 9はいわゆる CD方向に狭くなるような、いわゆるネックインした状態となる。このため、センサ 111で伸縮性不織布 9の CD方向における長さを読み取り、それぞれ上下に挟んだ一対の拡幅ロール 109、 109 'で 2段階に所定の幅に調節すること力 S好ましい。拡幅する CD方向における長さは、ネックインする前の長さ（伸縮発現前不織布 18の CD方向における長さ）の 85〜； 100%の長さになるように調節されることが好ましい。

[0076] また、本実施形態においては、低伸縮部 25は、伸縮発現後不織布 19の略中央に配置される。これに加えて、低伸縮部 25は、伸縮性不織布 9a、 9bにおいて、前胴周り域 21の前縁 91及び後胴周り域 22の後縁 93におけるウェストギャザー 81が形成される領域の内側に幅方向 WDに横断するように形成されてもよい。また、伸縮性不織布 9a、 9bにおける前胴周り域 21及び後胴周り域 22の股下域 23側の側縁に幅方向 WDに横断するように形成してもよい。

[0077] 1 6— 3.使い捨ておむつの製造方法

図 8を用いて、以下に使い捨ておむつ 1の製造方法について説明する。この製造方法は単に一例を示したものであり、実際には別の製造方法も存在する。

[0078] まず、非伸縮性不織布であるベースシート 9c (シャーシ 2)に、使い捨ておむつ 1とした場合の非肌当接面側となる側に、伸縮発現後不織布 19で形成された股下シート 74が所定の位置にホットメルト接着剤で接着される（図 8 (A) )。この伸縮発現後不織布 19は、所定のサイズにカットされた状態であって、例えば、 1. 9倍の長さに伸長した状態で接合される。

[0079] 次に、股下シート 74のさらに非肌当接面側に液不透過性シートである裏面シート 5 及び股下外装シート 6が上記の順にホットメルト接着剤によりベースシート 9c (シャ一シ 2)に接合される（図 8 (B) )。

[0080] 上述のように形成された伸縮性不織布 9は、例えば元の長さ（伸縮発現前不織布 1 8における MD方向の長さ）力、ら MD方向に 1. 8倍伸長させた状態のまま CD方向は、MD方向に切断されて前胴周り域 21及び後胴周り域 22に配置される伸縮性不織布 9a、 9bとして形成される（図 8 (C) )。そして、伸縮性不織布 9a、 9bは、それぞれ、ベースシート 9cにおける非肌当接面側であって、前胴周り域 21及び後胴周り域 22 にそれぞれホットメルト接着剤により接合される（図 8 (D) )。これにより、シャーシ 2が形成される。シャーシ 2は、前胴周り域 21及び後胴周り域 22において幅方向（WD) に伸縮性を有することとなる。

[0081] また、シャーシ 2における CD方向における両端近傍に、 MD方向に沿って弾性部材 82 (図示せず）が配置され、両端部を非肌当接面側に折り返してウェストギャザー 81が形成される（図 8 (E) )。

[0082] そして、シャーシ 2は、股下シート 74、裏面シート 5、股下外装シート 6及び伸縮性不織布 9a、 9bが接合され、 MD方向における所定の長さで CD方向に沿って切断される。さらに脚開口 7、 7を形成するため、切断したシャーシ 2の両側部において該シヤーシ 2の内側に U字の切り込み部 77が形成される（図 8 (F) )。

[0083] シャーシ 2における肌当接面側には、まずレッダギャザー 71を形成するレッダギヤザ一シート 73がホットメルト接着により接合される（図 8 (G) )。この場合、レッダギヤザ一シート 73における股下域 23側のみが接合されて、一方を自由端とすることが好ましい。そして、レッダギャザーシート 73のさらに肌当接面側に親水性不織布 41に包まれた吸収体 4及び液透過性の表面シート 3がそれぞれ順番に股下域 23に貼り付けるように接合される（図 8 (H) )。

[0084] 最後に、シャーシ 2の肌当接面側が内側となるように折りたたまれ、前胴周り域 21と後胴周り域 22とを接合部 24a、 24bにより互いに接合されてパンツ型となり、使い捨ておむつ 1が形成される（図 8 (1) )。

[0085] 本実施形態によれば、伸縮性不織布 9における吸収体 4と厚さ方向 TDに重なる領域に、伸縮性不織布 9における他の領域より伸縮性が低下されている低伸縮部 25が形成されることにより、当該領域に重ねられる吸収体 4への伸縮性不織布 9の伸縮性の影響を低減させて吸収体 4に皺が寄らないようにすることができる。

[0086] また、低伸縮部 25は、吸収体 4と厚さ方向 TDに重なる部分が収縮して!/、な!/、ため、低伸縮部 25に重ねられる吸収体 4を面で押さえることができる。このため、使い捨ておむつ 1の装着時において吸収体 4に皺が寄ったり、吸収体 4がよれたりすることを抑制すること力 Sでさる。

[0087] したがって、吸収体 4を広げたまま維持することができるので、吸収体 4に皺が形成される場合よりも広い吸収面積を維持することができる。また、皺による隙間が形成されることを抑制して身体に密着させることができる。これにより、吸収体 4が不要な変形をすることによる***物の漏れを抑制することができる。

[0088] さらには、吸収体 4のョレやたくれを抑制することで装着感を向上させることができる。また、吸収体 4のョレを防止するために吸収体 4自体の剛性を高めて装着感を低下させる必要がなくなる。

[0089] また、吸収体 4に皺が形成されることを抑制することで、使い捨ておむつ 1における伸縮性不織布 9a、 9bと股下外装シート 6との接合部分へのョレやたくれを防止することができ、外観を損ねず、美観が向上する。

[0090] 2.変形例

以下に本発明に係る変形例を説明する。第 1変形例は、伸縮性不織布 9の製造方法における変形例であり、第 2変形例は、伸縮性不織布 9における変形例である。なお、以下の変形例において、特に説明しない部分は、上述の実施形態と同様であり、図に付した番号も上述の実施形態と同様である場合は、同じ番号を付している。

[0091] 2— 1.第 1変形例

図 9により第 1変形例について説明する。第 1変形例は、伸縮性不織布 9の製造方法の変形例である。本発明に係る伸縮性不織布 9は、ギア延伸加工を行うことなく形成される通常の伸縮性を有する不織布 139に伸縮性を低下させる処理を行うことにより形成すること力でさる。

[0092] まず原反ロール 101から巻き出された伸縮可能範囲が 100%である伸縮性を有する不織布 139は、ローラ 120により徐々にテンションを掛けられてテンションコントローラ 121に導入される。そして、伸縮性を有する不織布 139は、テンションコントローラ 1 21により MD方向における元の長さから、例えば約 10%伸長された状態となる。

[0093] さらに、伸縮性を有する不織布 139は、ローラ 122、 123により徐々にテンションを掛けられながら、伸縮性を有する不織布 139の MD方向における元の長さから例えば約 60%伸長される。尚、途中でスリツタ（図示せず）により予め前胴周り域 21側及び後胴周り域 22に配置できるように、伸縮性を有する不織布 139を MD方向に切断してもよい。

[0094] そして、約 60%伸長された状態の伸縮性を有する不織布 139は、熱エンボスローノレ 107により、部分的に伸縮性を低下させる処理が行われ、伸縮性不織布 9を形成される。

[0095] 2 - 2.第 2変形例

図 9を用いて第 2変形例について説明する。第 2変形例は、伸縮性不織布 9の変形例である。

[0096] 第 2変形例における伸縮性不織布 9は、上述のように形成された伸縮性を有する不織布 139を熱エンボスロール 107に導入する前に、非伸縮性不織布 131を、伸縮性を有する不織布 139と例えばホットメルト接着剤で接合される。その後、伸縮性不織布 9は、熱エンボスロール 107により、低伸縮化工程により部分的に伸縮性を低下させる処理が行われる。すなわち、伸縮性を有する不織布 139と非伸縮性不織布 131 とで構成される複合シート 132が形成され、該複合シート 132が熱エンボスロール 10 7に導入されて部分的に伸縮性を低下させる処理が行われ、伸縮性複合シート 149 が形成される。

[0097] 3.実施例

以下、本発明の実施例を説明するが、これらの実施例は本発明を好適に説明するための例示にすぎず、何ら本発明を限定するものではない。

[0098] ポリウレタン繊維と、ポリプロピレン繊維とを質量比率 40： 60の割合で混合して伸縮発現前不織布 18を作製し、当該伸縮発現前不織布 18について、図 7に示すようにギア延伸加工を行い、伸縮発現後不織布 19を得た。伸縮発現前不織布 18の目付は、 35g/m²であり、伸縮発現後不織布 19を弛緩させた状態の目付は、 38. 5g/ m あった。

[0099] そして、該伸縮発現後不織布 19を 1. 8倍伸長させた状態で 115度に加熱した熱エンボスロール 107、 107 'に導入し、熱エンボスパターン (圧縮パターン）を梨地とした熱エンボスロール 107、 107，により、低伸縮部 25を形成して伸縮性不織布 9を得た。さらに、非伸縮性不織布のベースシート 9cとホットメルト接着剤で貼り合わせ使い捨ておむつ 1を作製した。なお、伸縮性不織布 9を作製するラインスピードは 20m/ minであり、熱エンボスロール 107、 107，の線圧は、 167kgf/cmであった。また、接着剤の塗布パターンはスパイラル塗工であり、ホットメルト接着剤の目付は 5g/m² であった。

[0100] また、熱エンボスパターンや温度等を変更した伸縮性不織布 9を作製して実施例 1 力 4を作製し、破断伸度、引張強度、低伸縮部 25の表面状態を測定し、比較した。

[0101] 破断伸度、引張強度の測定方法は、上述のとおりである。

[0102] 試験結果は、表 1に示すとおりであった。

[表 1] 実施例ェンホ *ス Λターン深さ |¾ェンホ "スハ^ーンフラットロール伸縮残り引張強度低伸縮部ハターン mm 温度〔°c) 温度 (°C) N/50mm 表面状態実施 1列 1 へ'タ（プランク) 一 1 19 1 10 © 50.65 部分的にフィルムライク，風合い悪実施 1列 2 サンラスト 0.008 1 18 1 10 〇 48.08 部分的にフィルムライク，風合い悪実施 1 M3 サントプラスト 0.03 121 106 〇 49.43 0Kレヘレ

実施例 4 梨地 0.09 1 15 120 〇 40.9 良好

実施例 5 サンブラスト 0.08 1 18 105 NG 9.02 繊維が切れて NG

表 1より、実施例 1〜実施例 5のうち、実施例 4が最適であった。実施例 4は、表面状態がよく、伸縮性の残りが少なく良好であることがわ力、つた。また、低伸縮部 25の表面がフィルム化されずに不織布の状態を維持していることがわ力た。また、引張強度も使用時に耐えることができる強度を十分に維持していることがわ力た。これに対し、実施例 1のエンボスパターンがベタの場合には、低伸縮部 25における伸縮性の残りがほぼゼロとなり、最も効果があることがわかる力 S、表面状態がややフィルム化されており、外観上の美観を低下させている。実施例 2では、エンボスパターンの深さが浅いため伸縮残りは 15%未満だ力実施例 1と同様に表面状態がややフィルム化される。実施例 5では、エンボス面積率が他より低ぐ圧力が強くかかりすぎたために繊維が切断されてしまい、引張強度が低くなることがわ力た。

Claims

請求の範囲

[1] 伸縮性不織布であって、

伸縮性を有する熱可塑性繊維と、

前記熱可塑性繊維よも融点の低い熱融着性繊維と、

を備え、

所定領域において、少なくとも前記熱融着性繊維が互いに融着され、該所定領域の周囲領域よりも伸縮性が低下された低伸縮部を有する伸縮性不織布。

[2] 前記低伸縮部は通気性を有する請求項 1に記載の伸縮性不織布。

[3] 部分的に伸縮性が低下された領域を有する伸縮性不織布の製造方法であって、伸縮性を有する熱可塑性繊維と前記熱可塑性繊維よりも融点の低い熱融着性繊維とを含む伸縮性を有する不織布の所定領域に、少なくとも前記熱融着性繊維を互いに融着させ該所定領域における伸縮性を低下させる処理をする低伸縮化工程を含む伸縮性不織布の製造方法。

[4] 前記低伸縮化工程は、前記熱融着性繊維を互いに融着させる前に、前記伸縮性を有する不織布を伸長させる工程を含む請求項 3に記載の伸縮性不織布の製造方法。

[5] 伸縮性複合シートの製造方法であって、

伸縮性を有する熱可塑性繊維と前記熱可塑性繊維よりも融点の低い熱融着性繊維とを含む伸縮性を有する不織布を、 20から 200%の範囲から選ばれる所定の伸長率で伸長する不織布伸長工程と、

前記不織布伸長工程により伸長させた前記不織布を非伸縮性シートに張り合わせるように積層配置し、複合シートを形成する複合シート形成工程と、

前記複合シートの所定領域にお V、て、少なくとも前記熱融着性繊維を互いに融着させ、該所定領域の周囲の領域よりも伸縮性を低下させる低伸縮化工程と、を含む伸縮性複合シートの製造方法。

[6] 幅方向と、前記幅方向に直交する長手方向とを有して、前胴周り域と、後胴周り域と、前記前胴周り域と前記後胴周り域との間に位置する股下域とが配されるシャーシと、前記長手方向に沿うように配置されると共に少なくとも一部が前記シャーシと厚さ方向において重なるように配置される吸収体と、を備え、

前記シャーシの少なくとも一部には、伸縮性を有する熱可塑性繊維と前記熱可塑性繊維よりも融点の低い熱融着性繊維とを含む伸縮性不織布が配置され、前記伸縮性不織布の所定領域には、該所定領域における周囲の領域よりも伸縮性が低下された低伸縮部が形成され、

前記低伸縮部における熱可塑性繊維は、該低伸縮部における前記熱融着性繊維が互いに融着した融着構造により伸縮が規制される吸収性物品。

[7] 前記低伸縮部は、前記前胴周り域及び後胴周り域それぞれの前記幅方向における略中央に形成されると共に、少なくとも前記吸収体における前記幅方向外側の両側縁と前記厚さ方向において重なるように形成される請求項 6に記載の吸収性物品

[8] 前記低伸縮部は通気性を有する請求項 6または 7に記載の吸収性物品。