WO2008056675A1

WO2008056675A1 - Article absorbant

Info

Publication number: WO2008056675A1
Application number: PCT/JP2007/071572
Authority: WO
Inventors: Tomoko Sugito; Kyo Kikuchi; Jyoji Shimizu; Osamu Nakajima
Original assignee: Unicharm Corporation
Priority date: 2006-11-06
Filing date: 2007-11-06
Publication date: 2008-05-15
Also published as: US20090240222A1; KR20090083369A; EP2080497A4; CN101563054A; EP2080497A1; EP2080497B1; JP5054962B2; JP2008113866A

Description

明細書

吸収性物品

技術分野

[0001] 本発明は、使い捨ておむつ，生理用ナプキン，パンティライナー，失禁パッド等のトップシート（表面材）に適用して好適な吸収性物品に関する。

背景技術

[0002] 従来より、トップシートの長手方向の両端部及び略中央部にそれぞれ横エンボス列及び縦エンボス列が形成された吸収性物品が知られて!/、る (特許文献 1参照）。このような吸収性物品では、縦エンボス列にお!/、て体液を長手方向に拡散させて体液の幅方向への拡散を抑制し、横エンボス列においては体液を幅方向に拡散させて体液の長手方向への拡散を抑制することにより、吸収性物品の幅方向及び長手方向の端部から体液が漏れることを防止してレ、る。

[0003] しかしながら、従来の吸収性物品は、上述の通り、トップシート表面における体液の拡散方向を制御することによって体液の漏れを防止するという構成になっているために、水溶便や経血等の高粘度でトップシートを透過しにくい体液については、トップシート表面における体液の拡散面積を小さくすることができな力、つた。

[0004] 本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、表面シート上における体液の拡散面積を抑制可能な吸収性物品を提供することにある。

特許文献 1 :特開 2004— 298271公報

発明の開示

[0005] 本発明に係る吸収性物品は、透液性の繊維不織布により形成され、波形状に賦型された表面シートを備える。表面シートを形成する繊維は表面シートの幅方向よりも長手方向に沿って多く配向している。波形状は長手方向に連続的に形成され、波形状の頂部領域と底部領域は表面シートの長手方向に交差する方向に延びる。波形状の頂部領域と底部領域の間の壁部領域における繊維の密度は頂部領域又は底部領域における繊維の密度よりも低くなつている。

[0006] 本発明に係る吸収性物品によれば、表面シートを透過しやすい体液中の成分が主に壁部領域から表面シートを透過し、表面シート上には高粘度成分のみが残るようになるので、体液の粘度が上昇することによって表面シート上における体液の拡散面積を ί卬制すること力でさる。

図面の簡単な説明

[0007] [図 1]本発明の実施形態となる使い捨ておむつの全体構成を示す模式図である。

[図 2]本発明の実施形態となるトップシートの長手方向の断面構成を示す模式図であ

[図 3]本発明の実施形態となるトップシートの構成を示す上面図である。

[図 4]図 3に示す賦型領域における繊維の配向を示す模式図である。

[図 5]本発明の実施形態となるトップシートの製造方法を説明するための模式図であ発明を実施するための最良の形態

[0008] 本発明に係る吸水性物品は、例えば図 1に示すような使!/、捨ておむつに適用すること力 Sできる。以下、図面を参照して、本発明の実施形態となる使い捨ておむつの構成について説明する。なお、本発明に係る吸収性物品は、本実施形態に限定されることはなぐ例えば生理用ナプキン，パンティライナー，失禁パッド等のトップシートに適用すること力でさる。

[0009] 〔使い捨ておむつの全体構成〕

本発明の実施形態となる使い捨ておむつ 1は、図 1に示すように、吸水性物品 2を備え、前後の長手方向は前胴周り域 3,後胴周り域 4,及び前胴周り域 3と後胴周り域 4の間に位置する股下域 5とにより構成されている。前胴周り域 3及び後胴周り域 4はそれぞれ使い捨ておむつ 1の側方方向へ延出するウィング部分 6 , 7を有し、ウィング部分 6 , 7は、使い捨ておむつ 1が着用状態にある際、ウィング部分 6を内側にした状態で重なり合レ、、テープファスナ 8を介して連結される。

[0010] 吸水性物品 2の幅方向両側部には、吸水性物品 2の幅方向側部及びウィング部分 6の表層を成すシート部材 9を折り返すことにより吸水性物品 2の幅方向側縁 2aに沿つて長手方向に伸びるカフ 10が形成されている。このカフ 10は、吸水性物品 2の長手方向中央部分では吸水性物品 2の表面状に略一定幅（高さ）で突出するように折り曲げて形成されていると共に、その先端縁 10aには紐状の弾性部材 11が伸縮状態で取り付けられている。

[0011] 弾性部材 11を取り付けることにより、カフ 10の先端縁 10aが長手方向に縮んでカフ 10のギャザーが形成されると共に、カフ 10を介して吸水性物品 2の長手方向両側を中央側に弓 Iつ張る力が作用して、吸水性物品 2を後述するトップシート 21側を内側とする状態で長手方向に湾曲させ、且つ、カフ 10を吸水性物品 2の長手方向中央部で壁状に起立させる性向が与えられている。

[0012] 吸水性物品 2の長手方向中央部分には、カフ 10の固定端縁よりも吸水性物品 2の幅方向外側（幅方向側縁 2a側）に離間した位置に、幅方向側縁 2a及び固定端縁に沿うように紐状の弾性部材 12が伸張状態で設けられている。この弾性部材 12を取り付けることにより、吸水性物品 2の幅方向側部にギャザーが生じることになる。

[0013] 〔吸水性物品の構成〕

吸水性物品 2は、図 2に示すように、繊維不織布により形成された透液性のトップシート（表面シート） 21と、プラスチックフィルムやプラスチックフィルムと不織布の積層材料等により形成された不透液性のバックシート (裏面シート） 22と、トップシート 21とバックシート 22との間に介在し、トップシート 21及びバックシート 22の少なくとも一方に接合された吸液性コア（吸収体） 23とを有する。

[0014] 吸液性コア 23としては、所要の厚みに圧縮された、粒子状や繊維状の高吸水性ポリマーとフラッフパルプとの混合物や、粒子状や繊維状の高吸水性ポリマーとフラッフパルプと熱可塑性合成樹脂繊維との混合物等を使用することできる。また吸液性コア 23全体は、型崩れやポリマー粒子の脱落を防止するためにティッシュペーパーにより被覆されていることが望ましい。ポリマー粒子としては、デンプン系，セルロース系，合成ポリマー系のものを使用することができる。

[0015] 〔トップシートの構成〕

トップシート 21には、図 3に示すように、吸収性物品の長手方向に延びる賦型領域 R1が長手方向に交差する方向（幅方向）に複数形成され、各賦型領域 R1には、図 2 に示すように、頂部領域 T,底部領域 B,及び頂部領域 Tと底部領域 Bの間の壁部領域 Wからなる波形状が長手方向に連続的に賦型されている。またトップシート 21を形成する繊維 24は、図 4に示すようにトップシート 21の幅方向よりも長手方向に沿って多く配向し、壁部領域 Wにおける繊維密度は、例えば頂部領域 T又は底部領域 Bにおける繊維を溶融結合することにより、頂部領域 T又は底部領域 Bにおける繊維密度よりも低く形成されている。なお、壁部領域 Wにおける繊維密度は、壁部領域 Wにおける繊維又は繊維同士の接合点を破断させることにより、頂部領域 T又は底部領域 B における繊維密度よりも低く形成されていてもよい。さらに壁部領域 Wにおける繊維密度は、壁部領域 Wにおける繊維を延伸させることによって壁部領域 Wにおける繊維径を頂部領域 T及び底部領域 Bにおける繊維径よりも小さく（細く）することにより、頂部領域 T又は底部領域 Bにおける繊維密度よりも低く形成されて!/、てもよ!/、。具体的には、頂部領域 T及び底部領域 Bにおける繊維密度は 0. 05 [g/cm³]以上 0. 2 [ g/cm³]以下の範囲内、壁部領域 Wにおける繊維密度は 0. 005 [g/cm³]以上 0. 15 [g/cm³]以下の範囲内に形成されて!/、る。

[0016] このように頂部領域 T,底部領域 B,及び壁部領域 Wからなる波形状をトップシート 21の長手方向に連続的に賦型することにより、体液は底部領域 Bに沿って拡散しやすくなり、体液の拡散方向を制御することができる。また壁部領域 Wにおける繊維密度を頂部領域 T又は底部領域 Bにおける繊維密度よりも低くすることにより、トップシート 21を透過しやすい体液中の成分は主に壁部領域 Wからトップシート 21を透過し、トップシート 21表面上には高粘度成分のみが残るようになるので、体液の粘度が上昇することによって体液の拡散面積を抑制することができる。そしてこの結果、肌への体液の付着面積を減らすことができると共に、吸収性物品からの体液の漏れを防止すること力 Sできる。なお、頂部領域及 Tび底部領域 Bにおける繊維を溶融結合した場合には、繊維の配向方向に交差する形で繊維を固定され、隣り合う溶融箇所間で繊維が確実に配向，延伸されるようになる。

[0017] 賦型領域 R1は、図 3に示すように、後ろ胴周り領域 4側に偏移している。トップシートは尿等の低粘度の体液を透過できる力水溶便等の高粘度の体液を透過しにくい。そして高粘度の体液は吸収性物品の背中側に拡散する確率が高い。一方、上述のようにトップシートに波形状を賦型した場合、肌刺激が増えるので、賦型領域は必要最小限に留めることが望ましい。従って、賦型領域 R1を後ろ胴周り領域 4側に偏移させることにより、高粘度の体液の拡散面積を抑制できると共に肌刺激を最小にすること力 Sでさる。

[0018] 賦型領域 R1間には、長手方向に延伸し、 0. 2 [mm]以上 3 [mm]以下の幅方向寸法を有する非賦型領域 R2が形成されて!/ヽる。賦型領域 R1間に非賦型領域 R2を形成することにより、賦型領域 R1内の壁部領域 Wが折り重なることにより体液の拡散が妨げられることを防止できる。またこのような構成によれば、トップシート 21を製造する際に、トップシート 21のテンションを保つことができるので、トップシート 21が弛んで皺が発生することを防止できる。

[0019] 頂部領域 T及び底部領域 Bは長手方向に 0. 2 [mm]以上 3 [mm]以下及び幅方向に 3 [mm]以上 100 [mm]以下の範囲内の寸法を有し、壁部領域 Wは長手方向に 0. 3 [mm]以上 5 [mm]以下及び幅方向に 3 [mm]以上 100 [mm]以下の範囲内の寸法を有する。また、波形状の底部から頂部の高さ寸法は 0. 3 [mm]以上 3 [mm ]以下の範囲内にある。

[0020] 上述の通り、頂部領域 T及び底部領域 Bにおける繊維の密度は壁部領域 Wにおける繊維の密度と比較して高!/、ために、頂部領域 T及び底部領域 Bの面積比率が高くなると、体液の透過性が悪くなる。従って、頂部領域 T及び底部領域 Bの面積比率を小さくして壁部領域 Wの面積比率を小さくする必要がある。し力、しながら、壁部領域 Wの面積比率を大きくすると、トップシート 21の強度が弱くなり、肌の擦れ等で破れたり、波形状がつぶれやすくなる。従って、トップシート 21は上述した寸法に形成することが望ましい。

[0021] 〔トップシートの製造方法〕

上記トップシート 21の波形状は、繊維不織布に適当なテンションを与えながら、例えば図 5 (b)に示すような凹凸パターンが表面に形成されたローラ 31a, 31b間に繊維不織布を供給する（図 5 (a)参照）ことにより形成することができる。ローラ 31aの長手方向に形成された複数の台形形状の凸部 33の上底，下底，及び上底間の長さ D 1 , D2, D3、ローラ 31aの幅方向に形成された複数の台形形状の凸部 34の上底，下底，及び上底間の長さ D4, D5, D6は形成する波形状及び賦型領域の寸法に応じて適宜決定する。なお、図 5に示す装置はローラ 31a, 31bの凹凸パターンが互いに咬み込むように構成されており、具体的にはローラ 31aの凸部がローラ 31bの凹部に嚙み込む。従ってトップシート 21の波形状の頂部と底部はそれぞれローラ 31aの凹部とローラ 31bの凸部に相当し、トップシート 21の壁部領域の密度はローラ 31a, 3 lbの深さ等を適宜調整することで変化させることができる。

[0022] 〔その他の実施形態〕

以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明した力この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはな!/、。例えば、トップシート 21の賦型領域の吸液性コア 23側表面に、トップシート 21よりも嵩高な密度が 0. 005 [g/cm³]以上 0. 10 [g/cm³]以下の範囲内にある不織布を形成してもよい。吸液性コアが高密度のシートにより覆われていると、高粘度の体液はトップシートを透過しても行き場がなくなり溢れ、トップシート 2 1上に留まるか流れてしまう。従って、嵩高な密度が 0. 005 [g/cm³]以上 0. 10 [g /cm³]以下の範囲内にある不織布を設けることにより、トップシート 21を透過した高粘度の体液は吸液性コア 23側に流れ、体液と肌の接触面積が減少しやすくなる。

[0023] またこの場合、嵩高な不織布と吸液性コア 23との間に密度が 0. 05 [g/cm³]以上 0. 25 [g/cm³]以下の範囲内にある吸液性コア 23を覆うシートを設けても良い。トツプシート 21の密度が低くなると吸収性コア 23の成分がトップシート 21を介して吸収性物品 2の表面側に抜け出る可能性がある。吸液性コア 23を密度が 0. 05 [g/cm³ ]以上 0. 25 [g/cm³]以下の範囲内にあるシートで覆うことにより、吸液性コア 23の成分が抜け出ることを防止できる。このように、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。

産業上の利用可能性

[0024] 本発明は、使い捨ておむつ，生理用ナプキン，パンティライナー，失禁パッド等のトップシート（表面材）に適用すること力 Sできる。

Claims

請求の範囲

[1] 透液性の繊維不織布により形成され、波形状に賦型された表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートの間に介在する吸収体とを備える吸収性物品であって、

前記表面シートを形成する繊維は表面シートの幅方向より長手方向に沿って多く配向し、前記波形状は表面シートの長手方向に連続的に形成され、波形状の頂部と底部は表面シートの長手方向と交差する方向に延び、波形状の頂部領域と底部領域の間の壁部領域における繊維の密度は頂部領域又は底部領域における繊維の密度よりも低!/、ことを特徴とする吸収性物品。

[2] 請求項 1に記載の吸収性物品にお!/、て、前記頂部領域及び前記底部領域における繊維が溶融結合していることを特徴とする吸収性物品。

[3] 請求項 1又は請求項 2に記載の吸収性物品において、前記頂部領域及び前記底部領域における繊維の密度が 0. 05 [g/cm³]以上 0. 2 [g/cm³]以下の範囲内にあり、前記壁部領域における繊維の密度が 0. 005 [g/cm³]以上 0. 15 [g/cm³] 以下の範囲内にあることを特徴とする吸収性物品。

[4] 請求項 1乃至請求項 3のうち、いずれか 1項に記載の吸収性物品において、前記頂部領域及び前記底部領域が長手方向に 0. 2 [mm]以上 3 [mm]以下及び幅方向に 3 [mm]以上 100 [mm]以下の範囲内の寸法を有し、前記壁部領域が長手方向に 0 . 3 [mm]以上 5 [mm]以下及び幅方向に 3 [mm]以上 100 [mm]以下の範囲内の寸法を有し、波形状の底部から頂部までの高さ寸法が 0. 3 [mm]以上 3 [mm]以下の範囲内にあることを特徴とする吸収性物品。

[5] 請求項 1乃至請求項 4のうち、いずれか 1項に記載の吸収性物品において、前記壁部領域における繊維が延伸されることにより壁部領域における繊維径が前記頂部領域及び前記底部領域における繊維径よりも小さくなつていることを特徴とする吸収性物品。

[6] 請求項 1乃至請求項 5のうち、いずれか 1項に記載の吸収性物品において、前記壁部領域における繊維又は繊維同士の接合点が破断していることを特徴とする吸収性物品。

[7] 請求項 1乃至請求項 6のうち、いずれか 1項に記載の吸収性物品において、前記表面シートは、長手方向に延伸し、 0. 2 [mm]以上 3 [mm]以下の幅方向寸法を有する非賦型領域を有することを特徴とする吸収性物品。

[8] 請求項 1乃至請求項 7のうち、いずれか 1項に記載の吸収性物品において、波形状の賦型領域は後ろ胴周り領域側に偏移していることを特徴とする吸収性物品。

[9] 請求項 1乃至請求項 8のうち、いずれか 1項に記載の吸収性物品において、前記表面シートの賦型領域の吸収体側表面に形成された、表面シートよりも嵩高な不織布を有することを特徴とする吸収性物品。

[10] 請求項 9に記載の吸収性物品において、前記嵩高な不織布の密度が 0. 005 [g/ cm³]以上 0. 10 [g/cm³]以下の範囲内にあることを特徴とする吸収性物品。

[11] 請求項 9又は請求項 10に記載の吸収性物品において、前記嵩高な不織布と前記吸収体との間に配置され、当該吸収体を覆うシートを有し、当該シートの密度が 0. 0 5 [g/cm³]以上 0. 25 [g/cm³]以下の範囲内にあることを特徴とする吸収性物品。