WO2007057971A1

WO2007057971A1 - デジタルカメラ、デジタルカメラを搭載した電子機器、デジタルカメラの撮像方法、およびデジタルカメラのプログラムを記憶した記憶媒体

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Publication number: WO2007057971A1
Application number: PCT/JP2005/021338
Authority: WO
Inventors: Hifumi Nakamura
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2005-11-21
Filing date: 2005-11-21
Publication date: 2007-05-24
Also published as: JPWO2007057971A1; US20090231464A1; CN101341737A

Description

明細書

デジタルカメラ、デジタルカメラを搭載した電子機器、デジタルカメラの撮像方法、およびデジタルカメラのプログラムを記憶した記憶媒体

技術分野

[0001] 本発明は、被写体を撮像してその画像データを記録媒体に記録するデジタルカメラ、デジタルカメラを搭載した電子機器、デジタルカメラの撮像方法、およびデジタルカメラのプログラムを記憶した記憶媒体に関する。背景技術

[0002] 近年、デジタルカメラは、小形化、多機能化により、使い勝手が格段に向上してきている。その反面、デジタルカメラのイメージセンサが高画素化されており、さらに持ち運びに好適なようにイメージセンサが小型化されて、ることで、イメージセンサの感度が劣化してしまうため、特に低照度での撮影においては、フレームレートを低下させて長い露光時間による撮影が必要になってきている。しかし、長い露光時間による撮影の際、撮影するときの被写体をディスプレイに前もって表示するプレビュー中でのフレームレートが低下してしま、、被写体にカメラを合わせて構図を確認するまでの時間が掛かると、う問題が生じて、る。

[0003] 特に、携帯電話装置に搭載されているデジタルカメラにおいては、より小型化への要求があり、かつストロボのような十分に明るい光源の搭載が困難なことから、低照度でのフレームレートを低下させることがより顕著となっている。

[0004] 以上から、従来のデジタルカメラにおいては、低照度でのフレームレートを低下させないために、イメージセンサ力も出力される信号のゲイン値を大きくして、十分な信号レベルを確保する方法がある。し力し、この方法では、ノイズレベルも同様に大きくしてしまうことから、撮影して保存するための画像の画質が悪くなつてしまう。よって、従来のデジタルカメラは、ゲイン値を必要以上に大きくさせずにしてノイズレベルが大きくなりすぎないように抑えており、その上でフレームレートを低下させて長い露光時間で高、画質を保つのが一般的である。

[0005] また、従来のデジタルカメラとしては、被写体を撮像するときの照度が低、場合にお、て、デジタルカメラで撮像するときのプレビュー中に被写体の位置が変わったとき、新し、位置に!/、る被写体の画像が素早く得られるように、予め用意した専用のボタンを押すことによって、被写体の位置が変わる前の画像を一旦破棄し、再度、新しい位置にいる被写体の画像を取得し始めるものが提案されている。（例えば、特許文献 1 参照）

[0006] また、従来の他のデジタルカメラとしては、ライブビュー表示に際して各画素毎に露光量に応じた電荷の画像信号を出力する通常モードと、水平方向に隣接する画素の電荷を所定数加算してその画像信号を出力する画素加算モードとを備え、撮像される被写体の明るさが所定値以下の場合に、画素加算モードにより出力される画像信号を処理してディスプレイに表示するものが提案されている。（例えば、特許文献 2参照）

特許文献 1：特開 2004 - 312515号公報

特許文献 2：特開 2001— 285684号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] しかしながら、上述した従来のデジタルカメラにおいては、プレビュー中に被写体の位置が変わる毎に画像を破棄するためのボタンを撮影者が押す必要があるため、撮影者がボタンを押すタイミングを判断すると共にボタン操作が頻繁になってしま、、また、イメージセンサの感度を向上させる画素加算を行うには、専用の回路を持つ必要があるため、汎用的なイメージセンサを導入することが困難になり、回路の複雑化、大型化、またはコストアップの原因になってしまうという問題があった。

[0008] 本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、被写体を低照度で撮像するときに小型かつ安価な構成で被写体の位置の変化に素早く追従することができるデジタルカメラ、デジタルカメラを搭載した電子機器、デジタルカメラの撮像方法、およびデジタルカメラのプログラムを記憶した記憶媒体を提供することを目的とする。課題を解決するための手段

[0009] 本発明のデジタルカメラは、被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部から出力される信号によって構成される画像を記憶する記憶部と、前記撮像部から出力される信号のゲイン値を変えられる機能、カメラ動作時のフレームレートを変えられる機能、前記ゲイン値とフレームレートを把握出来る機能、被写体の照度が所定値以下力どうかを判定する機能、とを備えた制御部と、（1)前記撮像部から出力された画像全体が停止して、るかどうかを判定する制御部、または (2)前記撮像部から出力された画像の特定の対象物が停止して、るかどうかを判定する制御部、または (3)本発明のデジタルカメラ本体が停止しているかどうかを判定する方向監視部の (1)〜(3)のうち何れか一つまたは複数を備えた構成を有して、る。

この構成により、プレビュー中において被写体の照度が所定値以下で、かつ画像全体または画像の特定の対象物またはデジタルカメラ本体の何れか一つまたは複数の動きを選択して検出し、それら選択したものの何れか一つ力または複数が停止していないと判断した場合、当デジタルカメラは撮影者がまだ被写体の構図を決定していないと判断し、ゲイン値を撮影用の設計値よりも上げることによって、フレームレートの低下を撮影時よりも抑えることが出来る。これにより、プレビュー中に低照度で被写体を確認するときに、フレームレートを低下しすぎずに被写体を確認でき、被写体の位置の変化に素早く追従することができる。

[0010] また、本発明のデジタルカメラは、前記被写体の照度が所定値以下で、かつ画像全体または画像の特定の対象物またはデジタルカメラ本体の何れかまたは複数を選択し、それらの何れか一つまたは複数が停止していたと判断したとき、撮影者が撮影のための被写体の構図を決定したと判断し、前記制御部は、前記ゲイン値とフレームレートを撮影用の設計値にすることで、撮影用の画質において撮影する機能を有している。

この構成により、撮影時に、ゲイン値及びフレームレートを撮影用の設計値にするため、比較的ノイズの少ない高い画質を保って撮影を行うことができる。

[0011] また、前記ゲイン値とフレームレートを撮影用の設計値にするとき、前記撮影者が撮影のための構図を決定したとデジタルカメラが判断する前でも、撮影者が例えば撮影ボタンを押下するといつたようにゲイン値とフレームレートを撮影用の設計値にするための操作を行った時には、瞬間的に前記ゲイン値とフレームレートを撮影画像用の設計値にすることで、撮影用の画質において撮影出来るという方法を有することも出来る。これによつて、撮影者が任意のタイミングで、撮影用の画質で撮影することが可能となる。

[0012] ここで本発明のデジタルカメラは、被写体の照度が所定値以下力どうかを判断する機能を有するが、この照度が所定値以下かどうかの判断は、前記撮像部からの出力信号の画像の輝度値を判定して行う。被写体の照度が暗くなり、照度が充分明るい時の画像の輝度値に対して輝度値が低下し、画像の輝度値を充分に保っためにフレームレートを下げなければいけないとき、この被写体の照度を、所定値以下と判断する。

[0013] また、本発明のデジタルカメラの前記制御部は、前記撮像部から出力された画像全体が停止して!/ヽるか否か、または前記画像の特定の対象物が停止してヽるか否かの判定を、取り込まれた前記画像全体と前に取り込まれた前記画像全体、または取り込まれた前記画像の特定の対象物の位置と前に取り込まれた前記画像の特定の対象物の位置とを比較して行う構成を有して、る。

この構成により、取り込まれた前記画像全体と前に取り込まれた前記画像全体、または取り込まれた前記画像の特定の対象物の位置と前に取り込まれた前記画像の特定の対象物の位置とを制御部が比較するため、前記画像全体力または前記画像の特定の対象物の位置が停止している力否かの判定を安価な構成で行うことができる。

また、前記撮像部から出力された画像の特定の対象物が停止してヽるカゝ否かの判定は、赤外線センサ等を用いて、被写体自体の位置をセンサで検出し、動きを判定するという構成を取ることも出来る。

また、前記本発明のデジタルカメラ本体が停止しているかの判定は、本発明のデジタルカメラ本体が停止してヽるか否カゝを監視する方向監視部を備えた構成を用いて行う。前記方向監視部は、ジャイロセンサ、 GPSセンサ、角速度センサ、方位センサ等のいずれか、または複数を有し、これらのセンサのうちいずれか一つまたは複数のセンサによって、デジタルカメラ本体が動いたかどうかの判定を行い、デジタルカメラ本体が動!、て、な、時に、撮影者が撮影のための構図を決定したと判定する。これらセンサ類は、従来のデジタルカメラや電子機器に搭載されてヽる赤外線センサ、ジャイロセンサ、 GPSセンサ、角速度センサ、方位センサ等を方向監視部として使用すれば、あらたな機器の搭載をせずにデジタルカメラ本体の動きを監視することができ、デジタルカメラ本体の実装体積および実装面積が増加したりコストが高くなつたりすることもなぐ小型で安価な構成とすることができる。

発明の効果

[0014] 以上のように本発明は、被写体を低照度で撮影するときに、プレビュー中に撮像部力も出力される信号のゲイン値を大きくすることでノイズが大きくなるが、フレームレートが低下しすぎることを抑制できるため、画像内の被写体の位置の変化に素早く追従することができる。また、撮影時にはノイズが大きくならないようにゲイン値を下げて、従来のデジタルカメラのようにフレームレートを低下させて長い露光時間によって撮影を行うことから、高、画質の画像を得ることができる。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1]本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの概略構成を示すブロック図

[図 2]本発明の他の実施の形態に係るデジタルカメラの概略構成を示すブロック図 [図 3]本発明の実施の形態に係るデジタルカメラのプログラムの一例を示すフローチヤート

[図 4]本発明の実施の形態に係るデジタルカメラに設定されるフレームレートおよびゲイン値の一例を表した図

符号の説明

[0016] 100 デジタルカメラ

110 撮像部

120 表示部

130 記憶部

140 操作部

150 制御部

160 方向監視部

発明を実施するための最良の形態 [0017] 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図 1は、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態に係るデジタルカメラは、撮影専用の一般的なデジタルカメラに限らず、携帯電話機等の電子機器に搭載して用いることもできる。

[0018] 図 1に示すように、デジタルカメラ 100は、撮像部 110、表示部 120、記憶部 130、操作部 140、および制御部 150などによって構成されている。

[0019] 撮像部 110は、レンズや絞りなどからなる光学系、および CCD (Charge- Coupled D evices)センサ、 CMOS (Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサ、または vマイコピコンセンサ ( V MAICOVICON)など力もなる撮像デバイスを備えており、撮像デバイスで撮像した被写体の像を表す画像データを制御部 150に出力するようになっている。なお、撮像部 110は、画像を一定時間間隔で制御部 150に出力するようになっている。

[0020] 表示部 120は、モニタ用の LCD (Liquid Crystal Display)などからなり、撮像部 110 力出力された画像データなどを画像として表示するようになっている。

[0021] 記憶部 130は、撮像部 110から出力された画像データなどを記憶するようになっている。また、記憶部 130には、制御部 150により実行されるプログラムおよびプロダラムで使用されるデータが格納されている。記憶部 130に格納されるプログラムには、例えば、公知の画像認識技術を用いて、撮像部 110から取り込まれた画像全体または画像の特定の対象物の位置と前に取り込まれた画像全体または特定の対象物の位置とを比較して画像全体または画像の特定の対象物の位置の変化を検出するプログラムが含まれる。

[0022] 操作部 140は、デジタルカメラ 100を起動するための操作ボタンや、撮影を制御する撮影ボタン等の操作ボタン、また例えば撮影ボタンを押下すると、つたようにゲイン値とフレームレートを撮影用の設計値にする、すなわち撮影用の画質へ設定するための操作、を備えて構成される。撮影ボタンは、撮像部 110の撮像デバイスが撮像して、る被写体の撮影開始を制御部 150に指示するためのキーである。この操作部 1 40を構成する撮影ボタンが押されたとき、撮像部 110から出力された画像データが記憶部 130に記憶される。 [0023] 制御部 150は、 CPUなどのプロセッサで構成され、記憶部 130に格納されているプログラムを実行することにより、デジタルカメラ 100を構成する各部を制御する。

[0024] なお、図 2は、本発明の他の実施の形態に係るデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。図 2に示すように、デジタルカメラ 100は、ジャイロセンサ、 GPSセンサ、角速度センサ、方位センサ等力もなる方向監視部 160を備え、方向監視部 160 がデジタルカメラ 100本体力も被写体に向力方向の変化を監視するように構成することちでさる。

[0025] 以上のように構成された本発明の実施の形態に係るデジタルカメラが実行するプログラムの動作について以下に説明する。図 3は、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラのプログラムの一例を示すフローチャートである。なお、図 3では、デジタル力メラ 100に特有の機能であるプレビュー中における被写体の位置の変化に素早く追従することができる動作と、プレビュー力撮影に移る動作についてのみ説明することとする。

[0026] 図 3において、操作部 140のキー操作によりカメラが起動し、プレビューが開始され、プレビュー開始時に撮像部 110から出力される信号のゲイン値およびフレームレートに対してそれぞれの初期設定値が設定される (ステップ Sl)。

[0027] そして、撮像部 110を通じて画像データが取り込まれ (ステップ S2)、制御部 150は、取り込んだ画像の明るさが適正力否かを判定する (ステップ S3)。ステップ S3で使用する明るさの値は、取り込んだ画像を構成する画素の輝度値を平均した値としたり、または、取り込んだ画像の一部の輝度値としたり、または画像の中で重点的に明るさを計りたい箇所に重み付けをして算出された輝度値としてもよい。

[0028] 制御部 150は、取り込んだ画像の明るさが適性でないと判断した場合、すなわち、算出した輝度値が所定の範囲内にないと判断した場合、算出した輝度値が所定の範囲よりも大きいか否かを判定することで、明るさが明るすぎるかどうか判定する (ステップ S5)。

[0029] 次に、制御部 150は、算出した輝度値が所定の範囲よりも大きいと判断した場合、露光時間またはゲイン値を適宜減少させる (ステップ S6)。この場合、露光時間を減少させる量やゲイン値を減少させる量は、デジタルカメラ 100の性能等を規定する規格に従ったものが用いられる。また、制御部 150は、露光時間とゲイン値とを同時に減少させてもよい。なお、制御部 150は、露光時間またはゲイン値を減少させる際、フレームレートは初期設定値を越えないように、また、ゲイン値を初期設定値以下にならないように設定する。

[0030] ステップ S5において、制御部 150は、算出した輝度値が所定の範囲よりも小さいと判断した場合、画像全体、または画像の特定の対象物、またはデジタルカメラ 100本体が停止していた否かを判断する (ステップ S7)。また、画像全体、または画像の特定の対象物が停止していたか否かの判定については、制御部 150は、公知の画像認識技術を用いて、取り込まれた前記画像全体と前に取り込まれた前記画像全体、または取り込まれた前記画像の特定の対象物の位置と前に取り込まれた前記画像の特定の対象物の位置とを比較して行う。または赤外線センサをデジタルカメラ 100に設け、このセンサにより直接画像の特定の対象物が停止しているかどうかの判断を行うようにしてもよい。

[0031] また、ステップ S7については、図 2で説明したように方向監視部 160をデジタルカメラ 100に設け、方向監視部 160を用、てデジタルカメラ 100本体が停止して、たか否かを制御部 150が判定することにより、撮影者が被写体の構図を決定したか否かの判定をすることもできる。さらに、上述した画像認識技術および方向監視部 160の双方を用い双方で確認した結果から、撮影者が被写体の構図を決定した力どうかの判断基準とする方法もある。また、図 2で説明した方向監視部 160を用いる方法にお V、て、画像認識技術を用いずにデジタルカメラ 100本体が停止して、たか否かだけで判断する方法もある。

[0032] なお、この停止して、る状態は、撮影者が被写体を写すときの構図を決定したかどうかが判断できれば良ぐ停止している時間や、画像力得られる情報 (例えば輪郭情報等）により判断することも出来る。

[0033] 次に、制御部 150は、画像全体、または画像の特定の対象物、またはデジタルカメラ 100本体が停止して、な、と判定した場合、露光時間またはゲイン値を適宜増加させる (ステップ S8)。この場合、露光時間を増カロさせる量やゲインを増加させる量は、デジタルカメラ 100の性能等を規定する規格に従ったものが用いられる。また、制御部 150は、露光時間とゲイン値とを同時に増カロさせてもよい。なお、露光時間またはゲイン値を増加させる際のステップ S8では、撮影者が未だ被写体の構図を決定していないことが想定され、それぞれの値をプレビューに適した値とするため、制御部 1 50は、ゲイン値を撮影用のゲイン値よりも大きくする。その上で、ゲイン値を最大にしても画像の輝度値が充分でないときは、必要に応じてフレームレートを下げてもよい

[0034] なお、ステップ S8で用いたプレビュー用ゲインの最大値は、プレビュー中の画像のノイズがある程度増えてプレビュー中の画像の画質が悪くなつたとしても、被写体の認識のしゃすさを向上させるゲイン値であればょ、。プレビュー用ゲインの最大値は、被写体の認識のしゃすさが向上せずにノイズのみが増えてしまうようなゲイン値まで上げな、ようにすることが好まし!/、。

[0035] また、ステップ S8で用いたプレビュー用フレームレートは、プレビュー中における被写体の変化に追従できるフレームレートであればよい。プレビュー用フレームレートは、ゲイン値を撮影用のゲイン値より大きくしても画像の輝度値が充分でないときに下げたり、ゲイン値を増加させた際のノイズを極力減少させるために設定される。従って、プレビュー用フレームレートの最小値は、画像の輝度値が充分でない時は、場合によって撮影用の設計値まで下げてもよいし、被写体の変化における追従を重視する場合には、プレビュー中はフレームレートを初期値力も減少させないようにする方法もめる。

[0036] 次に、制御部 150は、ステップ S7で画像全体、または画像の特定の対象物、またはデジタルカメラ 100本体が停止して、たと判定した場合、露光時間またはゲイン値を適宜増加させる (ステップ S9)。この場合、露光時間を増加させる量やゲイン値を増加させる量は、デジタルカメラ 100の性能等を規定する規格に従ったものが用いられる。また、制御部 150は、露光時間とゲイン値とを同時に増加させてもよい。なお、露光時間またはゲイン値を増加させる際のステップ S8では、撮影者力 Sまだ被写体の構図を決定していることが想定され、それぞれの値を撮影に適した値とするため、制御部 150は、フレームレートを撮影用フレームレートの最小値を下回らないように、また、ゲイン値を撮影用ゲインの最大値を超えな、ように設定する。 [0037] なお、ステップ S9で用いた撮影用フレームレートの最小値および撮影用ゲインの最大値は、従来のデジタルカメラで設定する値と同様に、ゲイン値をあまり上げずにフレームレートを低下させ、ノイズの少ない高い画質にするための値であり、低照度で被写体を撮像するときの設計値である。

[0038] 次に、ステップ S4において、制御部 150は、撮影ボタンの押下を検出した場合、フレームレートおよびゲイン値がそれぞれ撮影用の設定値の範囲にあるか否かを判定し (ステップ S 10)、撮影ボタンの押下を検出しない場合、動作力ステップ S 2へ戻る。

[0039] ステップ S 10でフレームレートおよびゲイン値がそれぞれ撮影用の設定値の範囲にある場合、撮影が実行され (ステップ S11)、それぞれの値が撮影用の設定値の範囲にない場合、制御部 150は、フレームレートおよびゲイン値をそれぞれ撮影用の設定値の範囲内に設定して撮影が実行される (ステップ S 12)。ステップ S 12で設定されるフレームレートおよびゲイン値は、画像信号レベルが大きく変わらな、ような値に設定されるのが望ましい。

[0040] なお、撮影者が、撮影しょうとする画像の画質を表示部 120で充分に確認した後に撮影を行いたい場合がある。そこで、ステップ S12において、制御部 150は、フレームレートおよびゲイン値を撮影用の設定値の範囲内に設定し直した後、撮影を実行せずに撮影しょうとする画像の画質を撮影者に確認させ、再度、撮影者の意思により撮影ボタンが押された時に、撮影が実行されるとヽつた方法もある。

[0041] また、他の方法としては、撮影ボタンに半押しを認識する機構をもたせ、撮影ボタンを半押しした時に、ステップ S32において、制御部 150は、フレームレートとゲイン値を強制的に撮影用の設定値の範囲内に設定し直した後、撮影しょうとする画像の画質を撮影者に確認させ、その後、撮影ボタンを充分に押した時に撮影を実行する方法もある。

[0042] さらに、他の方法としては、操作部 140にプレビュー用と撮影用とのモードに切り替えるボタンを用意し、このボタンを撮影者が押すことによって、制御部 150は、プレビユー用の設定値と撮影用の設定値とに切り替えながらフレームレートおよびゲイン値を設定する方法もある。

[0043] なお、ステップ S5で、撮影する直前などで輝度値が所定の範囲よりも小さいと判断された場合、フレームレートがプレビュー用のフレームレートよりも低下しており、再びプレビュー用のフレームレートに上昇させない場合は、ステップ S7の直前に、フレームレートが撮影用の設定値の範囲まで低下しているかを制御部 150が判断するステップを設け、低下していると判断した場合は、制御部 150はステップ S7を実行せずに、ステップ S4を実行するようにしてもよい。

[0044] 以上説明したように、デジタルカメラ 100は、被写体を低照度で撮像するときのプレビュー中において画像全体、または画像の特定の対象物、またはデジタルカメラ 100 本体が停止していない場合、ゲイン値を撮影用の設計値よりも増カロして設定するため、被写体を低照度で撮像するときに、プレビューのフレームレートを低下しすぎずに被写体を確認でき、被写体の位置の変化に素早く追従することができる。

[0045] また、デジタルカメラ 100は、撮影者が画面内の画像全体、または画面内の画像の特定の対象物、またはデジタルカメラ 100本体を固定したとき、撮影者が意識しなくても自動でフレームレートおよびゲイン値をそれぞれ撮影用の設定値の範囲内に設定することで、ノイズの少ない高い画質で撮影を行うことができる。また、被写体の位置を固定したとデジタルカメラ 100が判断する前でも、例えば撮影ボタンを押下するといったようにゲイン値とフレームレートを撮影用の設計値にする、すなわち撮影用の画質へ設定するための操作を行うことによって撮影用の画質で撮影を行うこともできる。この撮影用の画質への設定は、他のボタンや他の操作に同じ機能を持たせて、その操作を行ったときに設定するということも出来る。

[0046] また、従来のデジタルカメラでは、プレビュー中の画像を認識しやすくするために、明るい光源や画素加算といった新たな機能を撮像素子に追加する必要があつたが、デジタルカメラ 100は、これらの機能を追加する必要がないので、従来の撮像素子をそのまま使用することができ、小型で安価な構成とすることができる。また、デジタルカメラ 100に方向監視部 160を設ける場合は、従来のデジタルカメラや電子機器に搭載されているジャイロセンサや GPSセンサ、角速度センサ、方位センサ等を方向監視部 160として使用すれば、デジタルカメラ 100本体の実装体積および実装面積が増カロしたりコストが高くなつたりすることもなぐ小型で安価な構成とすることができる [0047] ここで、付記として、デジタルカメラ 100に設定されるフレームレートおよびゲイン値の一例を表した図を図 4に示す。図 4に示したように、撮像される被写体の照度が暗くなるに連れてデジタルカメラ 100に設定されるゲイン値は増加してヽき、デジタルカメラ 100に設定されるフレームレートは低下する。また、撮像される被写体の照度が暗い場合において、従来と比較すれば、デジタルカメラ 100に設定されるゲイン値は大きぐデジタルカメラ 100に設定されるフレームレートも大きい。

産業上の利用可能性

[0048] 以上のように、本発明は、被写体を低照度で撮像するときに小型かつ安価な構成で被写体の位置の変化に素早く追従することができるという効果を有し、デジタルカメラゃ携帯電話機等を含む電子機器に有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 被写体を撮像する撮像部と、

前記撮像部から出力される信号によって構成される画像を記憶する記憶部と、前記撮像部から出力される信号のゲイン値を変えられる機能と、前記画像全体または前記画像の特定の対象物または本発明のデジタルカメラ本体が停止して!/ヽなヽかを判定する機能と、を備えた制御部、または制御部と方向監視部を有し、プレビュー中に被写体の照度が所定値以下で、かつ前記画像全体または前記画像の特定の対象物または本発明のデジタルカメラ本体のうち選択した何れかまたは複数が停止していないと判断した場合、ゲイン値を撮影用の設計値よりも上げる制御部とを備えたことを特徴とするデジタルカメラ。

[2] 請求項 1に記載のデジタルカメラにぉ、て、フレームレートを変えられる機能を制御部に有し、

プレビュー中に被写体の照度が所定値以下で、かつ画像全体または画像の特定の対象物または本発明のデジタルカメラ本体のうち選択した何れかまたは複数が停止していないと判断した場合、ゲイン値及びフレームレートを撮影用の設計値よりも上げる制御部とを備えたことを特徴とするデジタルカメラ。

[3] 請求項 1または請求項 2に記載のデジタルカメラにぉヽて、

画像全体または画像の特定の対象物または本発明のデジタルカメラ本体のうち選択した何れかまたは複数が停止して、ると判断し、かつ被写体の照度が所定値以下の時に、ゲイン値とフレームレートを撮影用の設計値にすることを特徴とするデジタルカメラ。

[4] 請求項 1から請求項 3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、ゲイン値とフレームレートを撮影用の設計値にする操作、を有する操作部を備え、画像全体または画像の特定の対象物または本発明のデジタルカメラ本体のうち、選択した何れかまたは複数が停止していると判断する前でも、撮影者がゲイン値とフレームレートを撮影用の設計値にする操作をした際、瞬間的に前記ゲイン値とフレームレートを撮影用の設計値にすることを特徴とするデジタルカメラ。

[5] 請求項 1から請求項 4の何れかに記載のデジタルカメラを搭載したことを特徴とする電子機器。

[6] 被写体を撮像する撮像部と、

前記撮像部から出力される信号によって構成される画像を制御する制御部とを備えたデジタルカメラの撮像方法であって、

プレビュー中に、前記制御部が前記撮像部で被写体を撮像するときの照度が所定値以下か否かを判定する照度判定ステップと、

前記制御部が、前記照度判定ステップで照度が所定値以下であると判定した場合、前記画像の被写体の構図を決定してヽるカゝ否かを判定する被写体判定ステップと前記制御部が、前記被写体判定ステップで前記画像の被写体の構図を決定して V、な、と判断した場合、プレビュー中にゲイン値を撮影用の設計値よりも上げるステップとを有することを特徴とする撮像方法。

[7] プレビュー中に、制御部が撮像部で被写体を撮像するときの照度が所定値以下か否かを判定する照度判定ステップと、

前記制御部が、前記照度判定ステップで照度が所定値以下であると判定した場合、画像の被写体の構図を決定してヽるカゝ否かを判定する被写体判定ステップと、前記制御部が、前記被写体判定ステップで前記画像の被写体の構図を決定していないと判断した場合、プレビュー中にゲイン値を撮影用の設計値よりも上げ、フレームレートを撮影時よりも上げるステップとを有することを特徴とする請求項 6に記載の撮像方法。

[8] 制御部が、撮影時に、ゲイン値およびフレームレートをそれぞれ撮影用の設計値に設定するステップを有することを特徴とする請求項 6または請求項 7に記載の撮像方法。

[9] 請求項 6または請求項 7に記載の被写体判定ステップで、制御部が、取り込まれた画像全体の位置と前に取り込まれた前記画像全体の位置とを比較して、前記画像全体が停止している力否かの判定を行うことを特徴とする請求項 6から請求項 8までの何れかに記載の撮像方法。

[10] 請求項 6または請求項 7に記載の被写体判定ステップで、制御部が、取り込まれた画像の特定の対象物の位置と前に取り込まれた前記画像の特定の対象物の位置とを比較して、前記画像の特定の対象物の位置が停止して、る力否かの判定を行うことを特徴とする請求項 6から請求項 8までの何れかに記載の撮像方法。

[11] 請求項 6または請求項 7に記載の被写体判定ステップで、制御部が、デジタルカメラ本体が停止している力否かを監視する方向監視部の監視結果でデジタルカメラ本体が停止している力否かの判定を行うことを特徴とする請求項 6から請求項 10までの何れかに記載の撮像方法。

[12] 請求項 6から請求項 11までの何れかに記載の撮像方法の各ステップをコンビユータに実行させることを特徴とするプログラム。