反射防止膜の形成方法
技術分野
[0001] 本発明は、反射防止膜の形成方法に関するものである。
背景技術
[0002] 従来、ガラス又は透明プラスチックは、光学部品、レンズ、プリズム、光ディスク、カメ ラレンズ、眼鏡、液晶パネル、プラズマディスプレイ、ブラウン管、ディスプレイ、機器メ 一ターフード、太陽電池、太陽電池パネル (太陽電池モジュール)、太陽光集光器、 窓ガラス、車両用ガラス及びショーウィンドガラス等の透明部材材料として用いられて いる。これら透明部材の表面には、しばしば反射防止を目的とした層である反射防止 膜が形成されている。その形成方法としては、単層膜又は多層膜の真空蒸着あるい はディップコートなどの方法が挙げられる。一方、これら透明部材の中には、その用 途'目的によって強化処理を要するものもある。特に太陽電池パネルのカバーガラス 、建材用ガラス、自動車用ガラス及びディスプレイ用ガラスは、通常強化処理を施さ れている。
[0003] 単層の反射防止膜を用いて良好な反射防止効果を得るためには、その反射防止 膜の屈折率が、透明部材の屈折率に対して 1Z2乗程度である必要がある。例えば、 透明部材を構成する光学ガラスは、通常 1. 47〜: L . 92の屈折率を有する。そのため 、反射防止膜の屈折率としては、 1. 21〜: L 38程度が要求されることになる。無機材 料のうち最も低い屈折率を示すのは MgFであるが、それでも屈折率は 1. 38程度で
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ある。通常のガラス材料や透明プラスチックの屈折率が 1. 5程度であることを鑑みる と、それよりも低い屈折率を示す材料が望まれる。
[0004] ところで、無機材料を主成分とする反射防止膜の形成手段としては、通常 CVD法 が採用されている。しかしながら、 CVD法によって反射防止膜を形成する場合、真空 プロセスを用いるため、生産性の向上に限界があり、工程上の制約が大きくなる。し たがって、 CVD法は、太陽電池パネルのカバーガラス、建材用ガラス、自動車用ガ ラスの製造に適用するには、コストの面から実用的と言 ヽ難 、。
[0005] また、低屈折率の反射防止膜の要求に対して、反射防止膜材料を多孔質化して低 屈折率ィ匕を図ろうとする試みがなされている(例えば、特許文献 1〜12参照。 )0 特許文献 1:特開昭 58 - 116507号公報
特許文献 2:特開昭 62— 226840号公報
特許文献 3:特開平 1 312501号公報
特許文献 4:特開平 3 - 199043号公報
特許文献 5:特開平 5— 157902号公報
特許文献 6:特開平 6— 3501号公報
特許文献 7:特開平 6 - 157076号公報
特許文献 8:特開平 7— 140303号公報
特許文献 9:特開平 7— 150356号公報
特許文献 10:特開平 7— 333403号公報
特許文献 11:特開平 9 249411号公報
特許文献 12 :特開 2000— 147750号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] し力しながら、特許文献 1〜12に記載のものを始めとする従来の反射防止膜の形 成方法により反射防止膜を備えた透明部材を得るには、まだ高コストであり、更なる 低コストィ匕が切望されて 、る。
[0007] そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、十分に低コストで反 射防止膜を形成できる反射防止膜の形成方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0008] 上記目的を達成するために、本発明は、ガラス体の表面上に形成されている反射 防止膜の前駆体を含む塗膜の焼結処理と、上記ガラス体の強化処理とが同時に行 われる工程を有する反射防止膜の形成方法を提供する。これにより本発明は、反射 防止膜の形成工程の一部をガラス体の強化処理と兼ねて行うことになるので、十分 な低コストィ匕が達成できると共に、工程の短縮化にも繋がるものである。
[0009] 本発明は、上述の焼結処理及び強化処理が 400〜800°Cで行われると好ましい。
これにより、反射防止膜の屈折率を低くできる傾向にあると共に、ガラス体の強化をよ り有効に行うことができる。
[0010] 本発明は、反射防止膜がシリカ系被膜であると好ましい。シリカ系被膜は、その塗 膜の焼結処理に適した温度がガラス体の強化処理の温度と同じ又は近似している。 そのため、反射防止膜がシリカ系被膜であると、十分な低コストィ匕を達成できると共に 、反射防止膜の屈折率を更に低くすることが容易となる。また、反射防止膜が多孔質 のシリカ系被膜であると、屈折率を一層低くすることができ、反射防止効果の向上に 繋がる。
[0011] 本発明は、上記塗膜が、(a)成分:シロキサン樹脂と、(b)成分:(a)成分を溶解可 能な溶媒と、(c)成分:硬化促進触媒とを含有するシリカ系被膜形成用組成物を、ガ ラス体の表面上に塗布し乾燥して得られるものであると好まし 、。このような塗膜を更 に焼結することによって得られる反射防止膜は、特許文献 1〜13に記載の反射防止 膜と比較して、特に低い屈折率を示すことが可能となる。これは、シリカ系化合物の 中でも高分子量であるシロキサン樹脂と硬化促進触媒とを併用することにより、得ら れる反射防止膜 (シリカ系被膜)が、従来の反射防止膜よりも十分に緻密な空孔を、 極めて多数有することに起因すると考えられる。
発明の効果
[0012] 本発明によれば、十分に低コストで反射防止膜を形成する反射防止膜の形成方法 を提供することができる。
図面の簡単な説明
[0013] [図 1]本発明に係る白板強化ガラスと反射防止膜とからなる積層体を示す模式断面 図である。
[図 2]反射防止膜(白板強化ガラス)の反射率の波長依存性を示す図である。
[図 3]本発明のシリコン太陽電池の模式平面図である。
[図 4]本発明のシリコン太陽電池の製造工程を示す工程断面図である。
[図 5]本発明に係る複数の太陽電池を相互に配線接続する態様を示した模式図であ る。
[図 6]本発明に係る太陽電池モジュールを透視した斜視模式図である。
[図 7]本発明に係る太陽電池モジュールを部分的に示す模式断面図である。
[図 8]本発明の実施例における反射防止膜について反射率の波長依存性を示す図 である。
[図 9]本発明の実施例における反射防止膜について反射率の波長依存性を示す図 である。
[図 10]本発明の実施例における反射防止膜について反射率の波長依存性を示す図 である。
[図 11]本発明の実施例における反射防止膜について反射率の波長依存性を示す図 である。
符号の説明
[0014] 1…シリコン基板、 2…テクスチャ一面、 3〜n型層、 4…反射防止膜、 5…表面電極 用銀ペースト、 6…裏面電極用アルミペースト、 7…表面銀電極(グリッド電極)、 8··· 裏面アルミ電極、 9···ρ+層、 10…表面銀電極 (バス電極)、 11···裏面銀電極 (バス 電極)、 51···太陽電池、 52a, 52b…タブ電極、 53···ノ ックシート、 54···横タブ配線 、 55、 56···電極タブ、 57···白板強化ガラス、 58···太陽電池封止材、 60···反射防止 膜、 100…積層体、 600···太陽電池モジュール。
発明を実施するための最良の形態
[0015] 本発明の反射防止膜の形成方法は、ガラス体の表面上に形成されている反射防 止膜の前駆体を含む塗膜の焼結処理と、上記ガラス体の強化処理とが同時に行わ れる工程を有するものである。以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適 な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付 すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らな い限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の 比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アタリレート」とは「ァク リレート」及びそれに対応する「メタタリレート」を意味する。
[0016] 本実施形態の反射防止膜の形成方法は、シリカ系被膜形成用組成物をガラス体の 表面上に塗布して塗膜を形成する塗布工程、塗膜に含まれる溶媒を除去する溶媒 除去工程、及び塗膜の焼結処理と、上記ガラス体の強化処理とが同時に行われる焼
結強化工程とを有する。
[0017] 〔塗布工程〕
塗布工程にぉ ヽて、シリカ系被膜形成用組成物をガラス体の表面上に塗布する方 法としては、特に限定されず、例えば、スピン塗布、刷毛塗り、スプレー塗布、スリット 塗布、リップ塗布、印刷法などが挙げられる。
[0018] 塗布工程において用いられるシリカ系被膜形成用組成物は反射防止膜の前駆体 であり、下記の(a)〜(c)成分を含有する。また、この組成物は、必要に応じて (d)成 分及び Z又はその他の成分を更に含有する。
[0019] く (a)成分〉
(a)成分はシロキサン榭脂であり、公知のものを使用できるが、榭脂の末端や側鎖 などに OH基を有することが好ましい。これにより、シリカ系被膜形成用組成物を硬化 させるための加水分解縮合反応を一層進行させることができる。
[0020] また、シロキサン榭脂は、溶媒への溶解性、機械特性、成形性等を向上させる観点 力ら、重量平均分子量(Mw)力 500〜 1000000であること力 S好ましく、 500〜500 000であるとより好ましく、 500〜100000であること力更に好ましく、 500〜10000で あることが特に好ましぐ 500〜5000であることが極めて好ましい。この重量平均分 子量が 500未満ではシリカ系被膜の成膜性が劣る傾向にあり、この重量平均分子量 力 S 1000000を超えると、溶媒との相溶性が低下する傾向にある。なお、本明細書に おいて、重量平均分子量は、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー(以下、「GPC」 という。 )により測定され且つ標準ポリスチレンの検量線を使用して換算されたもので ある。
[0021] 重量平均分子量 (Mw)は、例えば、以下の条件による GPCにより測定することがで きる。
試料:シリカ系被膜形成用組成物 10 L
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(分子量; 190000、 17900 、 9100、 2980、 578、 474、 370、 266)
検出器:株式会社日立製作所社製 RI—モニター、商品名「L 3000」 インテグレータ:株式会社日立製作所社製 GPCインテグレータ、商品名「D— 2200
J
ポンプ:株式会社日立製作所社製、商品名「L— 6000」
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGASJ
カラム:日立化成工業株式会社製、商品名「GL— R440」、「GL— R430」、「GL— R420Jをこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン (THF)
測定温度: 23°C
流速: 1. 75mLZ分
測定時間: 45分
[0022] 好ましいシロキサン榭脂としては、例えば、下記一般式(1);
R1 SiX _
で表される化合物を必須成分として加水分解縮合して得られる榭脂等が挙げられる 。ここで、式中、 R1は、 B原子、 N原子、 A1原子、 P原子、 Si原子、 Ge原子及び Ti原 子のうちの少なくとも 1種を含む基 (炭素数 1〜20の有機基を除く。)、炭素数 1〜20 の有機基、 H原子、又は、 F原子を示し、 Xは加水分解性基を示し、 nは 0〜2の整数 を示し、 n力 のとき、各 R1は同一でも異なっていてもよぐ n力 〜 2のとき、各 Xは同 一でも異なっていてもよい。
[0023] 加水分解性基 Xとしては、例えば、アルコキシ基、ァリールォキシ基、ハロゲン原子 、ァセトキシ基、イソシァネート基及びヒドロキシル基が挙げられる。これらの中では、 組成物自体の液状安定性や塗布特性等の観点から、アルコキシ基又はァリールォ キシ基が好ましぐアルコキシ基がより好ましい。
[0024] 加水分解性基 Xがアルコキシ基である場合の、一般式(1)で表される化合物 (アル コキシシラン)としては、例えば、それぞれ置換されていてもよい、テトラアルコキシシ ラン、トリアルコキシシラン及びジアルコキシシランが挙げられる。
[0025] テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、 テトラー n—プロポキシシラン、テトラー iso—プロポキシシラン、テトラー n—ブトキシシ ラン、テトラ一 sec—ブトキシシラン及びテトラ一 tert—ブトキシシランが挙げられる。
[0026] トリアルコキシシランとしては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロ
ポキシシラン、フルォロトリメトキシシラン、フルォロトリエトキシシラン、メチルトリメトキ シシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ一 n—プロポキシシラン、メチルトリ一 iso —プロボキシシラン、メチルトリ一 n—ブトキシシラン、メチルトリ一 iso ブトキシシラン 、メチルトリー tert ブトキシシラン、ェチルトリメトキシシラン、ェチルトリエトキシシラ ン、ェチルトリー n—プロポキシシラン、ェチルトリー iso プロポキシシラン、ェチルト リー n ブトキシシラン、ェチルトリー iso ブトキシシラン、ェチルトリー tert ブトキシ シラン、 n—プロピルトリメトキシシラン、 n—プロピルトリエトキシシラン、 n—プロビルト リー n—プロポキシシラン、 n—プロピルトリー iso プロポキシシラン、 n—プロピルトリ —n—ブトキシシラン、 n—プロピルトリー iso ブトキシシラン、 n—プロピルトリー tert —ブトキシシラン、 iso プロピルトリメトキシシラン、 iso プロピルトリエトキシシラン、 i so プロピルトリ n プロポキシシラン、 iso プロピルトリ iso プロポキシシラン 、 iso プロピルトリー n—ブトキシシラン、 iso プロピルトリー iso ブトキシシラン、 is o プロピルトリ一 tert—ブトキシシラン、 n—ブチルトリメトキシシラン、 n—ブチルトリ エトキシシラン、 n ブチルトリー n プロポキシシラン、 n ブチルトリー iso プロボ キシシラン、 n ブチルトリー n ブトキシシラン、 n ブチルトリー iso ブトキシシラン 、 n ブチルトリー tert ブトキシシラン、 sec ブチルトリメトキシシラン、 sec ブチ ルトリエトキシシラン、 sec ブチルトリー n プロポキシシラン、 sec ブチルトリー iso プロポキシシラン、 sec ブチルトリー n—ブトキシシラン、 sec ブチルトリー iso— ブトキシシラン、 sec ブチルトリー tert ブトキシシラン、 tーブチルトリメトキシシラン 、 t ブチルトリエトキシシラン、 t ブチルトリー n プロポキシシラン、 t ブチルトリー iso プロポキシシラン、 t ブチルトリー n ブトキシシラン、 t ブチルトリー iso ブ トキシシラン、 t—ブチルトリ一 tert—ブトキシシラン、フエニルトリメトキシシラン、フエ二 ルトリエトキシシラン、フエニルトリー n—プロポキシシラン、フエニルトリー iso—プロボ キシシラン、フエニルトリー n—ブトキシシラン、フエニルトリー iso ブトキシシラン、フ ェニルトリー tert ブトキシシラン、トリフルォロメチルトリメトキシシラン、ペンタフルォ ロェチルトリメトキシシラン、 3, 3, 3—トリフルォロプロピルトリメトキシシラン及び 3, 3, 3—トリフルォロプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
ジアルコキシシランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジェトキシ
シラン、ジメチノレジ n プロポキシシラン、ジメチノレジ iso プロポキシシラン、ジメ チルジー n—ブトキシシラン、ジメチルジー sec ブトキシシラン、ジメチルジー tert— ブトキシシラン、ジェチノレジメトキシシラン、ジェチノレジェトキシシラン、ジェチノレジ n プロポキシシラン、ジェチノレジ iso プロポキシシラン、ジェチノレジ n ブトキシ シラン、ジェチノレジ sec ブトキシシラン、ジェチノレジ tert ブトキシシラン、ジー n プロピノレジメトキシシラン、ジー n プロピノレジェトキシシラン、ジー n プロピノレジ n プロポキシシラン、ジー n プロピノレジ iso プロポキシシラン、ジー n プロ ピルジー n ブトキシシラン、ジー n プロピルジー sec ブトキシシラン、ジー n—プ ロピルジー tert ブトキシシラン、ジー iso プロピノレジメトキシシラン、ジー iso プロ ピノレジェトキシシラン、ジー iso プロピルジー n プロポキシシラン、ジー iso プロ ピノレジ iso プロポキシシラン、ジー iso プロピルジー n ブトキシシラン、ジー iso プロピノレジ sec ブトキシシラン、ジ iso プロピノレジ tert ブトキシシラン、 ジー n—ブチノレジメトキシシラン、ジー n—ブチノレジェトキシシラン、ジー n—ブチノレジ n プロポキシシラン、ジー n—ブチルジー iso プロポキシシラン、ジー n ブチル ジー n ブトキシシラン、ジー n—ブチルジー sec ブトキシシラン、ジー n—ブチルジ tert ブトキシシラン、ジー sec ブチノレジメトキシシラン、ジー sec ブチノレジエト キシシラン、ジー sec ブチルジー n プロポキシシラン、ジー sec ブチルジー iso プロポキシシラン、ジー sec ブチノレジ n ブトキシシラン、ジー sec ブチノレジ sec ブトキシシラン、ジー sec ブチルジー tert ブトキシシラン、ジー tert ブ チルジメトキシシラン、ジ tert—ブチルジェトキシシラン、ジ tert—ブチルジー n プロポキシシラン、ジー tert—ブチルジー iso プロポキシシラン、ジー tert—ブチ ルジー n ブトキシシラン、ジー tert—ブチルジー sec ブトキシシラン、ジー tert— ブチルジー tert ブトキシシラン、ジフエ二ルジメトキシシラン、ジフエ二ルジェトキシ シラン、ジフエ二ルジー n プロポキシシラン、ジフエ二ルジー iso プロポキシシラン 、ジフエ二ルジー n ブトキシシラン、ジフエ二ルジー sec ブトキシシラン、ジフエ二 ルジ— tert—ブトキシシラン、ビス(3, 3, 3—トリフルォロプロピル)ジメトキシシラン及 びメチル(3, 3, 3—トリフルォロプロピル)ジメトキシシランが挙げられる。
加水分解性基 Xがァリールォキシ基である場合の上記一般式(1)で表される化合
物としては、例えば、それぞれ置換されていてもよい、テトラァリールォキシシラン、トリ ァリールォキシシラン及びジァリールォキシシランが挙げられる。テトラァリールォキ シシランとしては、例えば、テトラフエノキシシランが挙げられる。トリアリーノレォキシシ ランとしては、例えば、トリフエノキシシラン、メチルトリフエノキシシラン、ェチルトリフエ ノキシシラン、 n—プロピルトリフエノキシシラン、 iso プロピルトリフエノキシシラン、 se c ブチルトリフエノキシシラン、 t—ブチルトリフエノキシシラン及びフエニルトリフエノ キシシランが挙げられる。ジァリールォキシシランとしては、ジメチルジフエノキシシラ ン、ジェチノレジフエノキシシラン、ジー n プロピルジフエノキシシラン、ジー iso プロ ピルジフエノキシシラン、ジー n—ブチルジフエノキシシラン、ジー sec ブチルジフエ ノキシシラン、ジ tert ブチルジフエノキシシラン及びジフエ二ルジフエノキシシラン が挙げられる。
[0029] また、 R1が炭素数 1〜20の有機基である場合の上記一般式(1)で表される化合物 としては、上記以外で、例えば、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル )メタン、ビス(トリー n—プロポキシシリル)メタン、ビス(トリー iso プロポキシシリル)メ タン、ビス(トリメトキシシリル)ェタン、ビス(トリエトキシシリル)ェタン、ビス(トリー n—プ ロポキシシリノレ)ェタン、ビス(トリー iso プロポキシシリノレ)ェタン、ビス(トリメトキシシ リル)プロパン、ビス(トリエトキシシリル)プロパン、ビス(トリー n—プロポキシシリル)プ 口パン及びビス(トリー iso プロポキシシリル)プロパン等のビスシリルアルカン、並び に、ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリー n プロポキシシリノレ)ベンゼン及びビス(トリー iso プロポキシシリノレ)ベンゼン等のビ スシリルベンゼンが挙げられる。
[0030] R1が Si原子を含む基である場合の一般式(1)で表される化合物としては、例えば、 へキサメトキシジシラン、へキサェトキシジシラン、へキサー n プロポキシジシラン及 びへキサー iso プロポキシジシラン等のへキサアルコキシジシラン類、並びに、 1, 2 ージメチノレテトラメトキシジシラン、 1, 2—ジメチノレテトラエトキシジシラン及び 1, 2- ジメチルテトラプロポキシジシラン等のジアルキルテトラアルコキシジシラン類が挙げ られる。
[0031] 加水分解性基 Xがハロゲン原子 (ハロゲン基)である場合の一般式(1)で表される
化合物 (ハロゲンィ匕シラン)としては、例えば、上述した各アルコキシシラン分子中の アルコキシ基がハロゲン原子で置換されたものが挙げられる。さらに、加水分解性基
Xがァセトキシ基である場合の一般式(1)で表される化合物 (ァセトキシシラン)として は、例えば、上述した各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がァセトキシ基で置 換されたものが挙げられる。またさらに、加水分解性基 Xがイソシァネート基である場 合の一般式(1)で表される化合物 (イソシァネートシラン)としては、例えば、上述した 各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がイソシァネート基で置換されたものが挙 げられる。さらにまた、加水分解性基 Xがヒドロキシル基である場合の一般式(1)で表 される化合物(ヒドロキシシラン)としては、例えば、上述した各アルコキシシラン分子 中のアルコキシ基がヒドロキシル基で置換されたものが挙げられる。
[0032] これら一般式(1)で表される化合物は、 1種類を単独で又は 2種類以上を組み合わ せて使用される。
[0033] また、シロキサン榭脂として、一般式(1)で表される化合物の多量体等の部分縮合 物を加水分解縮合して得られる榭脂、一般式(1)で表される化合物の多量体等の部 分縮合物と一般式 (1)で表される化合物とを加水分解縮合して得られる榭脂、一般 式(1)で表される化合物とその他の化合物とを加水分解縮合して得られる榭脂、並 びに、一般式(1)で表される化合物の多量体等の部分縮合物と一般式(1)で表され る化合物とその他の化合物とを加水分解縮合して得られる榭脂、などを使用すること ちでさる。
[0034] 一般式(1)で表される化合物の多量体等の部分縮合物としては、例えば、へキサメ トキシジシロキサン、へキサエトキシジシロキサン、へキサー n—プロポキシジシロキサ ン、へキサ—iso—プロポキシジシロキサン等のへキサアルコキシジシロキサン、部分 縮合が進んだトリシロキサン、テトラシロキサン、オリゴシロキサン等が挙げられる。
[0035] 上記「その他の化合物」としては、例えば、重合性の 2重結合又は 3重結合を有する 化合物が挙げられる。重合性の 2重結合を有する化合物としては、例えば、エチレン 、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビュル、酢酸ビュル、プロピオ ン酸ビュル、カプロン酸ビュル、ステアリン酸ビュル、メチルビ-ルエーテル、ェチル ビュルエーテル、プロピルビュルエーテル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸ェチル、メタクリル酸 n プロピル、メタクリル酸 is o プロピル、メタクリル酸 n—ブチル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ェ チル、アクリル酸フエ-ル、ビュルピリジン、ビュルイミダゾール、アクリルアミド、ァリル ベンゼン及びジァリルベンゼン、並びに、これらの化合物が部分縮合したものなどが 挙げられる。 3重結合を有する化合物としてはアセチレン及びェチュルベンゼン等が 挙げられる。
[0036] このようにして得られるシロキサン榭脂は、 1種類を単独で又は 2種類以上を組み合 わせて使用される。
[0037] 一般式(1)で表される化合物を加水分解縮合させる際に用いる水の量は、一般式 ( 1)で表される化合物 1モル当たり 0. 1〜: L000モルであることが好ましぐさらに好ま しくは 0. 5〜: L00モルである。この水の量が 0. 1モル未満では加水分解縮合反応が 十分に進行しない傾向にあり、水の量が 1000モルを超えると加水分解中又は縮合 中にゲルィ匕物を生じる傾向にある。
[0038] また、一般式(1)で表される化合物の加水分解縮合において、触媒を使用すること も好ましい。このような触媒の種類としては、例えば、酸触媒、アルカリ触媒、金属キレ 一トイ匕合物等が挙げられる。
[0039] 酸触媒としては、例えば、有機酸及び無機酸が挙げられる。有機酸としては、例え ば、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、 乳酸、クェン酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、へキサン酸、ヘプタン 酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シユウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、ォレ イン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸、安 息香酸、 P ァミノ安息香酸、 p トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルォロ メタンスルフォン酸及びトリフルォロエタンスルフォン酸が挙げられる。無機酸としては 、例えば、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸及びフッ酸等が挙げられる。これらのなか で、有機酸としてはマレイン酸が好ましぐ無機酸としては硝酸が好ましい。これら酸 触媒は 1種類を単独で又は 2種類以上を組み合わせて使用される。
[0040] アルカリ触媒としては、例えば、無機アルカリ及び有機アルカリが挙げられる。無機 アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、水酸化ルビジウム及び
水酸ィ匕セシウム等が挙げられる。有機アルカリとしては、例えば、ピリジン、モノエタノ ールァミン、ジエタノールァミン、トリエタノールァミン、ジメチルモノエタノールァミン、 モノメチルジェタノールァミン、アンモニア、テトラメチルアンモ -ゥムハイドロォキサイ ド、テトラエチルアンモ -ゥムハイド口オキサイド、テトラプロピルアンモ-ゥムハイド口 オキサイド、メチルァミン、ェチルァミン、プロピルァミン、ブチルァミン、ペンチルアミ ン、へキシルァミン、ヘプチルァミン、ォクチルァミン、ノ-ルァミン、デシルァミン、ゥ ンデカシルァミン、ドデカシルァミン、シクロペンチルァミン、シクロへキシルァミン、 N , N—ジメチルァミン、 N, N—ジェチルァミン、 N, N—ジプロピルァミン、 N, N—ジ ブチルァミン、 N, N—ジペンチルァミン、 N, N—ジへキシルァミン、 N, N—ジシクロ ペンチルァミン、 N, N—ジシクロへキシルァミン、トリメチルァミン、トリエチルァミン、ト リプロピルァミン、トリブチルァミン、トリペンチルァミン、トリへキシルァミン、トリシクロべ ンチルァミン及びトリシクロへキシルァミンが挙げられる。これらアルカリ触媒は 1種類 を単独で又は 2種類以上を組み合わせて使用される。
金属キレートイ匕合物としては、金属及び多座配位子を有しているものであれば特に 限定されず、更に有機基を有していてもよい。金属キレートイ匕合物における金属とし ては、例えば、チタン、ジルコニウム、アルミニウム等が挙げられる。多座配位子として は、例えば、ァセチルァセトナトイオン及びェチルァセトアセテートが挙げられる。有 機基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、 n—プロポキシ基、 iso—プロポキシ基 、 n—ブトキシ基、 sec—ブトキシ基、 tert—ブトキシ基などのアルコキシ基が挙げられ る。金属キレート化合物の具体例としては、トリメトキシ'モノ (ァセチルァセトナト)チタ ン、トリエトキシ 'モノ(ァセチルァセトナト)チタン、トリー n—プロポキシ 'モノ(ァセチル ァセトナト)チタン、トリー iso—プロボキシ.モノ(ァセチルァセトナト)チタン、トリー n— ブトキシ ·モノ(ァセチルァセトナト)チタン、トリー sec—ブトキシ ·モノ(ァセチルァセト ナト)チタン、トリ— tert—ブトキシ ·モノ(ァセチルァセトナト)チタン、ジメトキシ 'ジ(ァ セチノレアセトナト)チタン、ジェトキシ 'ジ(ァセチノレアセトナト)チタン、ジ n—プロポキ シ 'ジ(ァセチルァセトナト)チタン、ジ iso—プロポキシ 'ジ(ァセチルァセトナト)チタン 、ジ n—ブトキシ 'ジ(ァセチノレアセトナト)チタン、ジ sec—ブトキシ 'ジ(ァセチノレアセト ナト)チタン、ジ tert—ブトキシ 'ジ(ァセチノレアセトナト)チタン、モノメトキシ 'トリス(ァ
セチルァセトナト)チタン、モノエトキシ 'トリス(ァセチルァセトナト)チタン、モノ n—プ 口ポキシ 'トリス(ァセチルァセトナト)チタン、モノ iso—プロポキシ 'トリス(ァセチルァ セトナト)チタン、モノ n—ブトキシ 'トリス(ァセチルァセトナト)チタン、モノ sec—ブトキ シ ·トリス(ァセチルァセトナト)チタン、モノ tert—ブトキシ ·トリス(ァセチルァセトナト) チタン、テトラキス(ァセチルァセトナト)チタン、トリメトキシ 'モノ(ェチルァセトァセテ ート)チタン、トリエトキシ 'モノ(ェチルァセトアセテート)チタン、トリ— n—プロポキシ' モノ(ェチノレアセトアセテート)チタン、トリー iso—プロポキシ ·モノ(ェチノレアセトァセ テート)チタン、トリ— n—ブトキシ ·モノ(ェチルァセトアセテート)チタン、トリ— sec— ブトキシ 'モノ(ェチノレアセトアセテート)チタン、トリー tert—ブトキシ 'モノ(ェチノレア セトアセテート)チタン、ジメトキシ 'ジ(ェチルァセトアセテート)チタン、ジエトキシ 'ジ (ェチノレアセトアセテート)チタン、ジ n—プロポキシ 'ジ(ェチノレアセトアセテート)チタ ン、ジ iso—プロポキシ 'ジ(ェチノレアセトアセテート)チタン、ジ n—ブトキシ 'ジ(ェチ ノレァセトアセテート)チタン、ジ sec—ブトキシ 'ジ(ェチノレアセトアセテート)チタン、ジ t ert -ブトキシ ·ジ(ェチルァセトアセテート)チタン、モノメトキシ ·トリス(ェチルァセトァ セテート)チタン、モノエトキシ 'トリス(ェチルァセトアセテート)チタン、モノ n—プロボ キシ 'トリス(ェチルァセトアセテート)チタン、モノ iso—プロポキシ 'トリス(ェチルァセト アセテート)チタン、モノ n—ブトキシ 'トリス(ェチルァセトアセテート)チタン、モノ sec -ブトキシ ·トリス(ェチノレアセトアセテート)チタン、モノ tert -ブトキシ ·トリス(ェチノレ ァセトアセテート)チタン、テトラキス(ェチルァセトアセテート)チタン等のチタンを有 する金属キレート化合物、上記チタンを有する金属キレート化合物のチタンがジルコ ユウム、アルミニウム等に置換された化合物などが挙げられる。これらは 1種類を単独 で又は 2種類以上を組み合わせて使用される。
一般式(1)で表される化合物の加水分解縮合に際し、上述の触媒を用い加水分解 を行うことが好ましい。しカゝしながら、シリカ系被膜形成用組成物が触媒を含むこと〖こ より、組成物の安定性が悪化する場合、及び Z又は、他材料への腐食等の影響が懸 念される場合もある。そのような場合は、例えば、加水分解後に、上記触媒を組成物 力 取り除いたり、他の化合物と反応させて触媒としての機能を失活させたりしてもよ い。触媒を取り除く方法や反応させる方法に特に制限はないが、蒸留やイオンクロマ
トカラム等を用いて取り除いてもよい。また、一般式(1)で表される化合物力も得られ る加水分解生成物は、再沈等により組成物から取り出されてもよい。また、反応により 触媒としての機能を失活させる方法としては、例えば、触媒がアルカリ触媒の場合、 酸触媒を添加して、酸塩基反応により中和したり pHを酸性側にしたりする方法が挙 げられる。同様に触媒が酸触媒の場合、アルカリ触媒を添加して、酸塩基反応により 中和したり pHをアルカリ性側にしたりする方法が挙げられる。
[0043] この触媒の使用量は、一般式(1)で表される化合物 1モルに対して 0. 0001〜1モ ルの範囲であることが好ましい。この使用量が 0. 0001モル未満では実質的に反応 が進行しな 、傾向にあり、 1モルを超えると加水分解縮合時にゲルィ匕が促進される傾 I口」にある。
[0044] さらに、この加水分解によって副生するアルコールはプロトン性溶媒であるため、ェ バポレータ等を用いて除去されることが好まし 、。
[0045] このようにして得られる榭脂は、溶媒への溶解性、機械特性、成形性等の観点から 、重量平均分子量力 500〜1000000であること力 S好ましく、 500〜500000である とより好ましく、 500〜100000であること力更に好ましく、 500〜10000であること力 S 特に好ましぐ 500〜5000であることが極めて好ましい。この重量平均分子量が 500 未満では反射防止膜の成膜性が劣る傾向にあり、この重量平均分子量が 1000000 を超えると、溶媒との相溶性が低下する傾向にある。
[0046] シリカ系被膜形成用組成物が、それを塗布する下地への接着性及び機械強度を 必要とする場合、シロキサン樹脂のシロキサン結合を形成して 、る Si原子の 1原子あ たりに結合している H原子、 F原子、 B原子、 N原子、 A1原子、 P原子、 Si原子、 Ge原 子、 1原子及び C原子力 なる群より選ばれる少なくとも 1種の原子の総数 (これを、 特定の結合原子(一般式(1)中の R1)の総数 (M)とする。)が、 1. 30〜0. 20である こと力 S好ましく、 1. 00〜0. 20であること力 Sより好ましく、 0. 90〜0. 20であること力 S特 に好ましく、 0. 80-0. 20であることが極めて好ましい。このようにすれば、シリカ系 被膜のガラス体等への接着性及び機械強度の低下を抑制することができる。
[0047] この特定の結合原子の総数 (M)が 0. 20未満では、シリカ系被膜の誘電特性が劣 る傾向にあり、 1. 30を超えると最終的に得られる反射防止膜のガラス体等との接着
性や機械強度等が劣る傾向にある。また、上述の特定の結合原子のなかでも、シリカ 系被膜の成膜性の点で、 H原子、 F原子、 N原子、 Si原子、 Ti原子及び C原子からな る群力 選択される少なくとも 1種の原子を含むことが好ましぐそれらのなかでも、誘 電特性及び機械強度の点において、 H原子、 F原子、 N原子、 Si原子及び C原子か らなる群力も選択される少なくとも 1種の原子を含むことがより好ましい。
[0048] なお、特定の結合原子の総数 (M)は、シロキサン樹脂の仕込み量力 求めることが でき、例えば、下記式 (A) ;
M = (M 1 + (M2/2) + (M3/3))/Msi - -- (A)
で表される関係を用いて算出できる。式中、 Mlは、特定の結合原子のうち単一の( ただ 1つの) Si原子と結合している原子の総数を示し、 M2は、特定の結合原子のうち 2つの Si原子と結合している原子の総数を示し、 M3は、特定の結合原子のうち 3つ の Si原子と結合している原子の総数を示し、 Msiは、 Si原子の総数を示す。
[0049] このようなシロキサン榭脂は 1種類を単独で又は 2種類以上を組み合わせて使用さ れる。 2種類以上のシロキサン榭脂を組み合わせる方法としては、例えば、異なる重 量平均分子量を有する 2種類以上のシロキサン榭脂を組み合わせる方法、異なる化 合物を必須成分として加水分解縮合して得られる 2種類以上のシロキサン榭脂を組 み合わせる方法等が挙げられる。
[0050] く (b)成分〉
(b)成分は (a)成分を溶解可能である溶媒であれば特に限定されな 、。 (b)成分と しては、例えば、プロトン供与性を示さない非プロトン性溶媒、及びプロトン供与性を 示すプロトン性溶媒が挙げられる。これらは 1種類を単独で又は 2種類以上を組み合 わせて使用される。
[0051] 非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルェチルケトン、メチルー n プロ ピルケトン、メチルー iso プロピルケトン、メチルー n—ブチルケトン、メチルー iso— ブチルケトン、メチルー n ペンチルケトン、メチルー n—へキシルケトン、ジェチルケ トン、ジプロピルケトン、ジ一 iso ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロへキサノン、 シクロペンタノン、メチルシクロへキサノン、 2, 4 ペンタンジオン、ァセトニルアセトン 、 y ブチロラタトン及び γ バレロラタトン等のケトン系溶媒;ジェチルエーテル、メ
チノレエチノレエーテノレ、メチノレー n—ジー n プロピノレエーテノレ、ジー iso プロピノレエ 一テル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジォキサン、ジメチルジォキサン 、エチレングリコーノレジメチノレエーテノレ、エチレングリコーノレジェチノレエーテノレ、ェチ レングリコールジー n—プロピルエーテル、エチレングリコーノレジブチノレエーテノレ、ジ エチレングリコーノレジメチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレジェチノレエーテノレ、ジェ チレングリコーノレメチノレエチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレメチノレモノー n プロ ピルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノー n ブチルエーテル、ジエチレング リコーノレジ プロピノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレジ ブチノレエーテノレ、 ジエチレングリコールメチルモノ へキシルエーテル、トリエチレングリコールジメ チノレエーテノレ、トリエチレングリコーノレジェチノレエーテノレ、トリエチレングリコーノレメチ ノレェチノレエーテノレ、トリエチレングリコーノレメチノレモノー n—ブチノレエーテノレ、トリェチ レングリコールジ ブチノレエーテノレ、トリエチレングリコールメチルモノ n—へキ シルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレンダリコール ジェチノレエーテノレ、テトラジエチレングリコールメチルェチルエーテル、テトラエチレ ングリコールメチルモノ ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ ブチル エーテル、テトラエチレングリコールメチルモノー n—へキシルエーテル、テトラエチレ ングリコーノレジ —ブチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレジメチノレエーテノレ、プロ ピレングリコールジェチルエーテル、プロピレングリコールジ n プロピルエーテル 、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、 ジプロピレングリコールジェチルエーテル、ジプロピレングリコーノレメチノレエチノレエ一 テル、ジプロピレングリコーノレメチノレモノー n—ブチノレエーテル、ジプロピレングリコー ルジー n プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジー n ブチルエーテル、ジプ ロピレングリコールメチルモノー n—へキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメ チルエーテル、トリプロピレングリコールジェチルエーテル、トリプロピレングリコールメ チルェチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルモノー n ブチルエーテル、トリ プロピレングリコールジ n ブチノレエーテノレ、トリプロピレングリコールメチルモノ n—へキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレ ングリコールジェチルエーテル、テトラジプロピレングリコールメチルェチルエーテル
、テトラプロピレングリコーノレメチノレモノー n—ブチノレエーテル、ジプロピレングリコー ルジ n—ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルモノ n へキシルェ 一テル及びテトラプロピレングリコールジー n ブチルエーテル等のエーテル系溶媒 ;酢酸メチル、酢酸ェチル、酢酸 n プロピル、酢酸 i プロピル、酢酸 n—ブチル、酢 酸 iーブチル、酢酸 sec ブチル、酢酸 n ペンチル、酢酸 sec ペンチル、酢酸 3— メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸 2—ェチルブチル、酢酸 2—ェチルへキ シル、酢酸ベンジル、酢酸シクロへキシル、酢酸メチルシクロへキシル、酢酸ノエル、 ァセト酢酸メチル、ァセト酢酸ェチル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル 、酢酸ジエチレングリコールモノェチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノー n ブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレ ングリコールモノェチルエーテル、ジ酢酸ダリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロ ピオン酸ェチル、プロピオン酸 n—ブチル、プロピオン酸 iーァミル、シユウ酸ジェチル 及びシユウ酸ジ n ブチル等のエステル系溶媒;エチレングリコールメチルエーテ ノレプロピオネート、エチレングリコールェチルエーテルプロピオネート、エチレングリコ 一ノレメチノレエーテノレアセテート、エチレングリコーノレエチノレエーテノレアセテート、ジェ チレングリコーノレメチノレエーテノレアセテート、ジエチレングリコーノレェチノレエーテノレア セテート、ジエチレングリコーノレ n—ブチノレエーテノレアセテート、プロピレングリコー ノレメチノレエーテノレアセテート、プロピレングリコーノレェチノレエーテノレアセテート、プロ ピレンダリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテ ルアセテート及びジプロピレングリコールェチルエーテルアセテート等のエーテルァ セテート系溶媒;ァセトニトリル、 N メチルピロリジノン、 N ェチルピロリジノン、 N— プロピルピロリジノン、 N ブチルピロリジノン、 N—へキシルピロリジノン、 N—シクロ へキシルピロリジノン、 N, N ジメチルホルムアミド、 N, N ジメチルァセトアミド、並 びに、 N, N ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
これらの非プロトン性溶媒のなかでは、厚膜ィ匕の観点から、エーテル系溶媒、エー テルアセテート系溶媒及びケトン系溶媒力 なる群より選ばれる 1種以上の溶媒が好 ましい。更にこれらの中でも塗布ムラやはじきを抑制する観点から、 1番目にエーテル アセテート系溶媒が好ましぐ 2番目にエーテル系溶媒が好ましぐ 3番目にケトン系
溶媒が好ま ヽ。これらは 1種類を単独で又は 2種類以上を組み合わせて使用される
[0053] プロトン性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、 n—プロパノール、 iープ ロパノール、 n—ブタノール、 iーブタノール、 sec—ブタノール、 tーブタノール、 n—ぺ ンタノール、 i—ペンタノール、 2—メチルブタノール、 sec—ペンタノール、 t—ペンタノ ール、 3—メトキシブタノール、 n—へキサノール、 2—メチルペンタノール、 sec—へキ サノール、 2—ェチルブタノール、 sec—へプタノール、 n—ォクタノール、 2—ェチル へキサノーノレ、 sec—ォクタノ一ノレ、 n—ノ-ノレアノレコーノレ、 n—デカノーノレ、 sec—ゥ ンデシルアルコール、トリメチルノ-ルアルコール、 sec—テトラデシルアルコール、 se c一へプタデシルアルコール、フエノール、シクロへキサノール、メチルシクロへキサノ ール、ベンジルアルコール、エチレングリコーノレ、 1, 2—プロピレングリコール、 1, 3 ーブチレングリコーノレ、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレング リコール及びトリプロピレングリコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールメチ ノレエーテノレ、エチレングリコーノレエチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノフエニノレエ ーテノレ、ジエチレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノェチノレ エーテノレ、ジエチレングリコーノレモノー n—ブチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモ ノー n—へキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレンダリコールモノー n ーブチノレエーテル、プロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、ジプロピレングリコー ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノェチルエーテル及びトリプロピレ ングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;並びに、乳酸メチル、乳酸ェ チル、乳酸 n—ブチル及び乳酸 n—ァミル等のエステル系溶媒などが挙げられる。
[0054] これらのプロトン性溶媒のなかでは、保管安定性の観点から、アルコール系溶媒が 好ましい。更にその中でも、塗布ムラやはじきを抑制する観点から、エタノール、イソ プロピルアルコール及びプロピレングリコールプロピルエーテルからなる群より選ばれ る 1種以上の溶媒が好ま 、。
[0055] これらは 1種類を単独で又は 2種類以上を組み合わせて使用される。
[0056] 非プロトン性溶媒の配合割合は、シリカ系被膜形成用組成物中の全溶媒量に対し て 70質量%〜90質量%であることが好ましぐ 75質量%〜85質量%であることがよ
り好ましぐ 73質量%〜83質量%であることが特に好ましい。この配合割合が 70質 量%未満では、塗布ムラが発生しやすい傾向にあり、 90質量%を超えると安定性が 低下する傾向にある。
[0057] プロトン性溶媒の配合割合は、シリカ系被膜形成用組成物の全溶媒量に対して 0.
1質量%〜 15質量%であることが好ましぐ 0. 5質量%〜 10質量%であることがより 好ましぐ 1. 0質量%〜7質量%であることが特に好ましい。この配合割合が 0. 1質 量%未満では安定性が低下する傾向にあり、 15質量%を超えるど塗布ムラが発生し やすくなる傾向にある。
[0058] (b)成分のシリカ系被膜形成用組成物への配合方法は特に限定されない。この配 合方法としては、例えば、(a)成分を調製する際の溶媒として用いる方法、(a)成分を 調製後添加する方法、溶媒交換を行う方法、(a)成分を溶媒留去等で取り出した後 に (b)成分を加える方法等が挙げられる。
[0059] シリカ系被膜形成用組成物におけるこれらの溶媒 (非プロトン性溶媒とプロトン性溶 媒との合計)の配合割合は、シリカ系被膜形成用組成物中の (a)成分 (シロキサン榭 脂)の濃度が 5〜30質量%となるような量であることが好ましぐ 10〜30質量%となる ような量であることがより好ましぐ 13〜30質量%となるような量であることが更に好ま しぐ 15〜30質量%となるような量であることが特に好ましぐ 15〜25質量%となるよ うな量であることが極めて好ましい。溶媒量が過多になり(a)成分の濃度が 5質量% 未満になると、所望の膜厚を有するシリカ系被膜を形成し難くなる傾向にある。また、 溶媒の量が過少で (a)成分の濃度が 30質量%を超えると、シリカ系被膜の成膜性等 が悪ィ匕すると共に、組成物自体の安定性が低下する傾向がある。
[0060] く (c)成分〉
(c)成分は硬化促進触媒である。
[0061] この硬化促進触媒は溶液中では触媒作用を示さず、塗布後の塗膜中で活性を示 す特異なものである。硬化促進触媒は、硬化促進触媒能を有するものであれば特に 限定されない。
[0062] 硬化促進触媒の硬化促進触媒能を調べる手段を以下 1〜4に示す。
1.まず (a)成分及び (c)成分からなる組成物を準備する。
2.続いて、ベイク(焼成)後の膜厚が 1. 0±0. になるようにシリコンウェハ上 に、準備した組成物を塗布する。次に、塗布した組成物を所定の温度で 30秒間べィ クした後、得られる被膜の膜厚を測定する。この際、その膜厚が 1. 0±0. 1 mとな つていればよい。
3.続いて、被膜を積層したシリコンウェハを、 23± 2。Cの 2. 38質量0 /0テトラメチル アンモ-ゥムハイドロォキシド (TMAH)水溶液に 30秒間浸漬し、更に水洗及び乾燥 して、再度被膜の膜厚を測定する。この際、 TMAH水溶液浸漬前後の被膜の膜厚 変化が浸漬前の膜厚に対して 20%以内であるべイク時の最低温度を不溶解温度と する。
4.次いで、上記 (a)成分及び (c)成分力もなる組成物に、硬化促進触媒能の有無 を確認した!/、化合物を (a)成分の総量に対して 0. 01質量%添加して新たな組成物 を得る。得られた組成物について上記 2及び 3と同様の処理を施し、新たな組成物の 不溶解温度を求める。
[0063] この結果、硬化促進触媒能の有無を確認した 、ィヒ合物を添加することにより、組成 物の不溶解温度が低下すれば、その化合物は硬化促進触媒能を有するものと判断 される。
[0064] (c)成分である硬化促進触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、塩ィ匕ナトリウム、 水酸化カリウム、塩化カリウム等の硬化促進触媒能を有するアルカリ金属類、ォニゥ ム塩などが挙げられる。これらは 1種類を単独で又は 2種類以上を組み合わせて使用 される。
[0065] これらの中でも、得られるシリカ系被膜の電気特性及び機械強度を向上でき、更に 、組成物の安定性を高めることができるという観点から、硬化促進触媒能を有するォ ニゥム塩であると好ましぐ硬化促進触媒能を有する 4級アンモニゥム塩であるとより 好ましい。
[0066] ォ -ゥム塩の一つとして、例えば、窒素含有化合物と、ァ-オン性基含有化合物及 びハロゲン原子力ゝら選ばれる少なくとも 1種とから形成される塩が挙げられる。上記窒 素含有化合物の窒素と結合する原子は、 H原子、 F原子、 B原子、 N原子、 A1原子、 P原子、 Si原子、 Ge原子、 Ti原子及び C原子力 なる群より選ばれる少なくとも 1種の
原子であることが好ましい。また、上記ァニオン性基としては、例えば、水酸基、硝酸 基、硫酸基、カルボニル基、カルボキシル基、カーボネート基及びフエノキシ基等が 挙げられる。
[0067] ォニゥム塩としては、例えば、アンモニゥムハイドロォキシド、アンモニゥムフルオラィ ド、アンモ-ゥムクロライド、アンモ-ゥムブロマイド、ヨウ化アンモ-ゥム、燐酸アンモ
-ゥム塩、硝酸アンモ-ゥム塩、ホウ酸アンモ-ゥム塩、硫酸アンモ-ゥム塩、蟻酸ァ ンモニゥム塩、マレイン酸アンモニゥム塩、フマル酸アンモニゥム塩、フタル酸アンモ -ゥム塩、マロン酸アンモニゥム塩、コハク酸アンモニゥム塩、酒石酸アンモニゥム塩 、リンゴ酸アンモ-ゥム塩、乳酸アンモ-ゥム塩、クェン酸アンモ-ゥム塩、酢酸アン モ -ゥム塩、プロピオン酸アンモ-ゥム塩、ブタン酸アンモ-ゥム塩、ペンタン酸アン モ -ゥム塩、へキサン酸アンモ-ゥム塩、ヘプタン酸アンモ-ゥム塩、オクタン酸アン モニゥム塩、ノナン酸アンモニゥム塩、デカン酸アンモニゥム塩、シユウ酸アンモニゥ ム塩、アジピン酸アンモ-ゥム塩、セバシン酸アンモ-ゥム塩、酪酸アンモ-ゥム塩、 ォレイン酸アンモ-ゥム塩、ステアリン酸アンモ-ゥム塩、リノール酸アンモ-ゥム塩、 リノレイン酸アンモ-ゥム塩、サリチル酸アンモ-ゥム塩、ベンゼンスルホン酸アンモ -ゥム塩、安息香酸アンモ-ゥム塩、 p—ァミノ安息香酸アンモ-ゥム塩、 p—トルエン スルホン酸アンモ-ゥム塩、メタンスルホン酸アンモ-ゥム塩、トリフルォロメタンスル フォン酸アンモ-ゥム塩及びトリフルォロエタンスルフォン酸アンモ-ゥム塩、等のァ ンモ -ゥム塩が挙げられる。
[0068] また、上記アンモニゥム塩におけるアンモニゥムイオン力 メチルアンモニゥムイオン 、ジメチルアンモ -ゥムイオン、トリメチルアンモ -ゥムイオン、テトラメチルアンモ-ゥ ムイオン、ェチルアンモ -ゥムイオン、ジェチルアンモ -ゥムイオン、トリェチルアンモ -ゥムイオン、テトラエチルアンモ -ゥムイオン、プロピルアンモニゥムイオン、ジプロ ピルアンモ-ゥムイオン、トリプロピルアンモ-ゥムイオン、テトラプロピルアンモ-ゥム イオン、ブチルアンモ -ゥムイオン、ジブチルアンモ -ゥムイオン、トリブチルアンモ- ゥムイオン、テトラプチルアンモ -ゥムイオン、エタノールアンモ-ゥムイオン、ジェタノ 一ルアンモ -ゥムイオン、トリエタノールアンモ-ゥムイオン等に置換されたアンモ-ゥ ム塩なども挙げられる。
[0069] これらのォ -ゥム塩のなかでは、シリカ系被膜の硬化促進の観点から、アンモ-ゥム 塩が好ましぐテトラメチルアンモ -ゥム硝酸塩、テトラメチルアンモ -ゥム酢酸塩、テ トラメチルアンモ -ゥムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモ -ゥムマレイン酸塩及びテ トラメチルアンモ -ゥム硫酸塩力 なる群より選ばれる 1種以上のアンモ-ゥム塩がよ り好ましい。
これらアンモ-ゥム塩は 1種類を単独で又は 2種類以上を組み合わせて使用される
[0070] (c)成分の配合割合は、シリカ系被膜形成用組成物中の(a)成分 100質量部に対 して 0. 0010-1. 0重量咅であること力 S好ましく、 0. 0050質量咅〜1. 0質量咅であ ることがより好ましぐ 0. 0050-0. 50質量部であることが特に好ましい。この配合割 合が 0. 0010質量部未満では硬化性が低下する傾向にあり、また、ディスプレイ用途 などに使用すると、反射防止膜の屈折率が上昇する傾向にある。一方、この配合割 合が 1. 0質量部を超えると、シリカ系被膜形成用組成物の保管安定性が低下する傾 向がある。
[0071] なお、ォ-ゥム塩は、必要に応じて水や溶媒に溶解又は希釈した後でシリカ系被膜 形成用組成物に添加して、所望の濃度に調整することができる。また、ォ-ゥム塩を シリカ系被膜形成用組成物に添加するタイミングは特に限定されな ヽ。このタイミング 力 例えば、(a)成分の加水分解を行う時点、加水分解中、反応終了時、溶媒留去 前後、酸発生剤を添加する時点等であってもよい。
[0072] また更に、本実施形態のシリカ系被膜形成用組成物は、必要に応じて水を含んで V、てもよ 、が、目的とする特性を損なわな 、範囲であることが好まし!/、。
[0073] 〈(d)成分〉
本実施形態のシリカ系被膜形成用組成物は、上記 (a)〜(c)成分の他、(d)成分: 空隙形成剤を含有してもよい。これにより、反射防止膜の屈折率をより低くすることが できる。
[0074] 空隙形成剤の具体例としては、例えば、ビニルエーテル系化合物、ポリオキシェチ レン単位及び/又はポリオキシプロピレン単位などのポリオキシアルキレン単位を有 するビニル系化合物あるいはその重合体等のポリオキシアルキレン単位を有するィ匕
合物、ビュルピリジン系化合物、スチレン系化合物、アルキルエステルビ-ル系化合 物、(メタ)アタリレート系化合物、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアンノヽイドライド 等が挙げられる。これらのなかでは、重合体の分解特性及び膜の機械強度の観点か ら、ポリオキシアルキレン単位を有する重合体が好ましぐポリオキシプロピレン単位 を有する重合体が特に好まし 、。
[0075] 上記ポリオキシアルキレン単位としては、例えば、ポリオキシエチレン単位、ポリオキ シプロピレン単位、ポリオキシテトラメチレン単位及びポリオキシブチレン単位が挙げ られる。
[0076] ポリオキシアルキレン単位を有する化合物としては、より具体的には、例えば、ポリ ォキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキ シエチレンラノリン誘導体、アルキルフエノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘 導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシプロピレ ンアルキルエール及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等 のエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシェチ レンソルビトール脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸アル力ノールアミド 硫酸塩等のエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ェ チレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステ ル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等のエステル型 ィ匕合物、エチレングリコーノレ、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ ングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等のグリコール型 化合物等が挙げられる。
[0077] (メタ)アタリレート系化合物としては、例えば、アクリル酸アルキルエステル、メタタリ ル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル、メタクリル酸アルキ ルエステル及びメタクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。アクリル酸ァ ルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ェチル、アクリル酸 n プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸 n—ブチル、アクリル酸イソブチル、ァ クリル酸ペンチル及びアクリル酸へキシル等の炭素数 1〜6のアクリル酸アルキルェ ステルが挙げられる。メタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸ェチル、メタクリル酸 n—プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタタリ ル酸 n—ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ペンチル及びメタクリル酸へキ シル等の炭素数 1〜6のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。アクリル酸アル コキシアルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メトキシメチル及びアクリル酸ェ トキシェチル等が挙げられる。メタクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、メタ クリル酸メトキシメチル及びメタクリル酸エトキシェチル等が挙げられる。
[0078] (メタ)アタリレート系化合物は、ヒドロキシル基を有する化合物との共重合体を使用 してもよい。ヒドロキシル基を有する化合物としては、例えば、 2—ヒドロキシェチルァ タリレート、ジエチレングリコールアタリレート、 2—ヒドロキシプロピルアタリレート、ジプ ロピレングリコールアタリレート、メタクリル酸、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート、ジェ チレングリコールメタタリレート、 2—ヒドロキシプロピルメタタリレート及びジプロピレン グリコールメタタリレート等が挙げられる。
[0079] ポリエステルとしては、例えば、ヒドロキシカルボン酸の重縮合物、ラタトンの開環重 合物、脂肪族ポリオールと脂肪族ポリカルボン酸との重縮合物等が挙げられる。
[0080] ポリカーボネートとしては、例えば、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボ ネート、ポリトリメチレンカーボネート、ポリテトラメチレンカーボネート、ポリペンタメチレ ンカーボネート及びポリへキサメチレンカーボネート等の炭酸とアルキレングリコール との重縮合物が挙げられる。
[0081] ポリアンハイドライドとしては、ポリマロニノレ才キシド、ポリアジポイノレ才キシド、ポリピ メイルォキシド、ポリスべロイルォキシド、ポリアゼライルォキシド及びポリセバコイルォ キシド等のジカルボン酸の重縮合物等が挙げられる。
[0082] なお、空隙形成剤は、溶媒への溶解性、シロキサン樹脂との相溶性、膜の機械特 性、膜の成形性等の点から、重量平均分子量が 200〜10000であることが好ましぐ 300〜5000であること力より好ましく、 400〜2000であること力より好まし!/、。ここで、 重量平均分子量は、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標 準ポリスチレンの検量線を使用して換算した値である。
[0083] (d)成分の配合割合は、シリカ系被膜形成用組成物の全重量基準で、 0. 1〜10質 量%であることが好ましぐ 1〜5質量%であることがより好ましい。この配合割合が 0.
1質量%未満であると、空隙形成が不十分となる傾向がある。一方、 10質量%を越え ると、膜強度が低下する場合がある。
[0084] 〈その他の成分〉
本実施形態のシリカ系被膜形成用組成物は、本発明の目的や効果を損なわない 範囲で、さらに界面活性剤、シランカップリング剤、増粘剤、無機充填剤などが添加さ れてもよい。また、(a)成分であるシロキサン樹脂に空隙形成能を付与してもよい。ま た、シリカ系被膜形成用組成物に、さらに光酸発生剤、又は光塩基発生剤を含有し てもよい。
[0085] シリカ系被膜の膜厚を調整するために、例えば、上述のシリカ系被膜形成用組成 物中の(a)成分の濃度を調整してもよい。また、スピン塗布法を用いる場合、回転数 と塗布回数を調整することにより膜厚を調整することができる。(a)成分の濃度を調整 して膜厚を制御する場合は、例えば、膜厚を厚くする場合には (a)成分の濃度を高く し、膜厚を薄くする場合には (a)成分の濃度を低くすることにより制御することができ る。また、スピン塗布法を用いて膜厚を調整する場合は、例えば、膜厚を厚くする場 合には、回転数を下げたり、塗布回数を増やしたりすればよい。膜厚を薄くする場合 には、回転数を上げたり、塗布回数を減らしたりすればよい。
[0086] 〔溶媒除去工程〕
溶媒除去工程における溶媒除去 (乾燥)温度は、溶媒を除去可能な温度であれば 特に限定されず、溶媒の種類によっても異なる。この溶媒除去温度は、 50〜350°C であると好ましぐ 100〜300°Cであるとより好ましい。この温度が 50°C未満では、塗 膜中の溶媒が十分に除去し難い傾向にあり、 350°Cを超えると、膜厚が不均一になり やすくなる傾向にある。
[0087] 溶媒の除去は、例えば、ホットプレート上に塗膜を形成したガラス体を載置して、あ るいは加熱炉中に塗膜を形成したガラス体を収容して、所定温度で加熱することによ つて行われてもよい。ただし、溶媒の除去方法は、これらに限定されない。
[0088] なお、後述する焼結強化工程における諸条件によっては、溶媒除去工程を省略す ることち可會である。
[0089] 〔焼結強化工程〕
焼結強化工程においては、少なくとも、溶媒除去工程により得られる塗膜の焼結処 理と、上記ガラス体の強化処理とが同時に行われる。以下、ガラス体としてガラス板を 用いた場合の一実施態様を説明する。
[0090] まず、適当な板厚のガラス板の主面上に、上述のシリカ系被膜形成用組成物を塗 布して塗膜を得、必要に応じて塗膜中の溶媒を除去した積層体を準備する。次いで 、この積層体を加熱炉に収容して加熱する。この加熱処理は塗膜の焼結処理である と共に、ガラス板を強化するための一工程でもある。
[0091] 加熱温度は 300〜800°C程度が好ましぐ 400〜800°C程度力より好ましく、 400 〜700°C程度が更に好ましぐ 450〜650°C程度が特に好ましぐ 500〜600°C程度 が極めて好ましい。加熱温度が 300°Cを下回ると、ガラスの歪点に達せず、ガラスを 強化し難い傾向にある。加熱温度が 800°Cを超えると、得られる反射防止膜は多くの 有機基が離脱した状態になりやすくなる傾向にある。そのため、その反射防止膜は、 例えば 85°C、 85%RH条件下での恒温恒湿試験などの信頼性試験によって劣化し やすくなる傾向にある。
[0092] 焼結強化工程後の積層体に反りが生じることを抑制するために、焼結強化工程時 の加熱時間を短くしたり、加熱温度を低くしたりしてもよい。また、ガラス板をより強化 するためには、ガラス板材料の JIS R3103— 1に規定されている軟ィ匕点よりも 150 °C低い温度から、その軟ィ匕点よりも 150°C高い温度までの範囲で加熱温度が設定さ れることが好ましい。さらには、この加熱温度は、上記軟ィ匕点よりも 100°C低い温度か ら、その軟ィ匕点よりも 100°C高い温度までの範囲であるとより好ましぐ上記軟化点よ りも 70°C低!、温度から、その軟ィ匕点よりも 70°C高!、温度までの範囲であると更に好 ましぐ上記軟ィ匕点よりも 50°C低い温度から、その軟ィ匕点よりも 50°C高い温度までの 範囲であると特に好ましい。
[0093] なお、ガラス体 (ガラス板)の強化が必要ではなぐ反射防止効果を特に発揮させる 場合には、上記加熱温度は 300〜500°Cであってもよい。
[0094] 加熱処理後の積層体は加熱炉から取り出され、直ちにその表面への空気の吹き付 けにより冷却される。
[0095] ガラス板の強化は、ガラス板の表面及び内部間の応力の違いに基づ 、てなされる
ものである。このガラス板の強化は、例えば、ガラス板の加熱処理 冷却処理のサイ クルを繰り返すことによって行われる。本実施形態のシリカ系被膜形成用組成物を塗 布した面は、ガラス板内部と対比して、熱膨張率が特に大きく異なる傾向にある。そ のため、通常のガラス板の強化処理では、ガラス板自体が反ってしまう可能性がある 。そこで、このような場合には、シリカ系被膜形成用組成物を塗布した面と塗布してい ない面とで、ガラス板表面に吹き付ける空気の量を変えて、それぞれの面の冷却速 度を変えることによって、反り等の変形を回避可能となる。
[0096] より具体的に説明すると、まず焼結処理及び強化処理されるべき積層体は、搬送口 ールによってローラーハース式加熱炉内を水平に搬送されながら、ガラス板を強化 するのに十分な温度、例えば 500〜600°Cまで加熱される。その後、ローラーハース 式加熱炉から取り出された積層体は、冷却炉内の上下に対向して配置される風吸出 口の間に移送される。次に、それら風吸出口力も風 (例えば空気流)を積層体表面に 吹き付けて、ガラス板の温度が歪点以下 (通常のソーダライムガラスの場合には 520 °C以下、好ましくは 480°C以下)になるまで冷却する。吹き付ける空気流の温度は例 えば 25〜400°Cであってもよく、空気流の吹き付け圧力は 0. 1〜: LOkgfZcm2であ つてもよい。風吹出口又は冷却炉壁は、鏡面カ卩ェした SUS304等の材質を用いて輻 射率を 0. 1以下にすると好ましい。これにより、輻射によるガラス板の冷却を抑制でき るので、空気流によるガラス板表面の冷却熱伝達率の制御が一層容易になる。ガラ ス板表面の冷却熱伝達率を通常よりも増加させて冷却できると、 200〜900秒程度 の時間で加熱処理—冷却処理の 1サイクルを行うことができる。
[0097] 上述の焼結強化工程における塗膜の焼結処理及びガラス板の強化処理は、ローラ 一ハース式加熱炉を利用したものであるが、焼結処理及び強化処理は上記方法に 限定されない。例えば、ガスハース式加熱炉を利用して積層体を水平に搬送しなが ら加熱し、ガスハース式加熱炉の出口力 積層体が出た直後に積層体を冷却する方 法であってもよい。あるいは、積層体を吊手により吊下げて搬送しながら加熱炉内で 加熱し、この加熱炉の出口力 積層体が出た直後に積層体を冷却する方法を用い てもよい。
[0098] ガラス板内部の中心部における引張応力及びガラス板表面における圧縮応力は、
ガラス板内部の中心部温度がガラスの固化温度 (通常のソーダライムガラスの場合に は 560〜570°C)を経由して変化する際の、ガラス板表面と中心部との温度差 (温度 分布)に依存する。したがって、ガラス板の強化処理における諸条件 (加熱温度、加 熱時間等)は、所望とするガラス板の強化度、すなわち上記引張応力及び圧縮応力 に基づいて決定される。
[0099] 本実施形態では、主に上述のシリカ系被膜形成用組成物を反射防止膜の原料と することに起因して、屈折率が 1. 3程度の反射防止膜を形成することができる。
[0100] なお、本実施形態ではガラス体が板状であるガラス板である場合にっ 、て説明した 力 ガラス体の形状は板状に限定されない。ガラス体の形状は、光学部品、レンズ、 プリズム、光ディスク、カメラレンズ、眼鏡、液晶パネル、プラズマディスプレイ、ブラウ ン管、ディスプレイ、機器メーターフード、太陽電池、太陽電池パネル (太陽電池モジ ユール)、太陽光集光器、窓ガラス、車両用ガラス及びショーウィンド等の用途に適し た形状であればよい。よって、例えばレンズ状、円筒状等であってもよい。
[0101] 本発明の反射防止膜は、特に太陽電池モジュールのカバーガラス上、建材用ガラ ス上、自動車用ガラス上、ディスプレイ用ガラス上に形成される反射防止膜として特 に好適に用いられる。
[0102] 次に、本実施形態の反射防止膜及びその形成方法を太陽電池モジュールの製造 に適用した場合について、図を参照しつつ説明する。図 1は、本実施形態に係る反 射防止膜を、白板強化ガラス上に形成して得られる積層体を示す模式断面図である 。図 1に示す積層体 100は、白板強化ガラス 57とその表面上に形成された反射防止 膜 (シリカ系被膜) 60とを備えている。この積層体 100は、上述の反射防止膜の形成 方法におけるガラス板として白板ガラスを用いることにより作製される。この積層体は 後述する太陽電池モジュールの表面透明部材として用いられる。
[0103] 図 3は本実施形態に係るシリコン太陽電池(以下、単に「太陽電池」ともいう。)の表 面側(a)と裏面側 (b)の電極配置を主に示した模式平面図である。太陽電池の表面 側 (a)では、光反射を抑制させ、太陽光をできるだけ多く p型シリコン基板 1上に取り 込むため、反射防止膜 4を設けている。また、表面側 (a)には、シリコン基板 1中で局 所的に発電した電気を集電するための表面銀電極 (グリッド電極) 7と、更に集電した
電気を外部に取り出すための表面銀電極 (バス電極) 10とが配置されている。表面 電極は入射する太陽光を遮断するため、可能なかぎりその電極総面積を小さくする ことが発電効率向上の観点で望ましい。したがって、太陽電池の表面側(a)では、表 面銀電極 (グリッド電極) 7は図示の通り櫛形であると好ましぐ表面銀電極 (バス電極 ) 10は図示の通り帯状であると好ましい。また、表面電極材料は、コスト及び性能の 観点から銀を主成分とするものが好ましい。
[0104] 太陽電池の裏面側 (b)では、裏面側で発生した電気の抵抗によるロスを低減する ために、裏面アルミ電極 8が裏面全面に設けられ、集電用に裏面銀電極 (バス電極) 11が配置される。後述するが、裏面アルミ電極 8は、電極焼結時に発電能力を改善 する BSF (Back Surface Field)層である p +層 9 (図 3において図示せず。)を形 成する。
[0105] 図 4は本実施形態に係るシリコン太陽電池の製造工程 ( (a)〜 (g) )を示す工程断 面図である。(f)に示す断面は図 3 (a)に示す A— A線による断面の一部に相当する
。なお、一般的に現在最も量産されている太陽電池は、多結晶シリコン基板又は単 結晶シリコン基板を用いた結晶系の太陽電池であり、厚さ数百; z m厚の p型シリコン 基板を用いて 、る場合が多 、。以下の説明では p型の結晶系の太陽電池を例にとつ て説明する。
[0106] 図 4の(a)工程では、 p型シリコン基板 1が準備される。
[0107] (b)工程では、铸造インゴットからスライスした際に発生するシリコン基板 1の表面の ダメージ層を、例えば数質量%〜20質量%濃度の苛性ソーダや炭酸苛性ソーダを 用いて、 10〜20 /ζ πι厚ほど除去する。その後、同様のアルカリ低濃度溶液に ΙΡΑ ( イソプロピルアルコール)を添カ卩した溶液で異方性エッチングを行なって、シリコン結 晶の(111)面が表面に露出するようにテクスチャ一面 2を形成する。
[0108] 続 、て、(c)工程では、例えばォキシ塩化リン (POC1 )、窒素及び酸素の混合ガス
3
雰囲気中、 800〜900°Cで数十分間の加熱処理を行う。こうして、シリコン基板 1の表 面側のテクスチャ一面 2上に均一な厚さを有する n型層 3を形成する。テクスチャ一面 2上に一様に形成された n型層 3のシート抵抗が 30〜80ΩΖ口の範囲であると、良 好な太陽電池の電気特性が得られるので好ましい。この際、 η型層はシリコン基板 1
の全面に形成された後、表面側の n型層 3のみを残して、裏面側及び側面に形成さ れた n型層を選択的に除去する。それらの n型層を除去する際に、表面側の n型層 3 まで除去しないように、まず、例えば高分子レジストペーストをスクリーン印刷法で表 面側の n型層 3上に付着して乾燥させてレジスト膜を得る。その後、 n型層及びレジス ト膜が形成されたシリコン基板 1を、 20質量%水酸化カリウム溶液中に数分間浸漬す る。こうして、裏面側及び側面に形成された n型層を除去し、次いでレジスト膜を有機 溶剤で除去する。
[0109] 次に (d)工程では、シリコン酸ィ匕膜、シリコン窒化膜又は酸ィ匕チタン膜からなる反射 防止膜 4を n型層 3表面に一様な厚みで形成する。なお、この反射防止膜 4は、本発 明の反射防止膜であってもよいが、ここでは従来公知の反射防止膜を用いた場合と して説明する。例えば、反射防止膜 4が従来公知のシリコン酸ィ匕膜である場合、ブラ ズマ CVD法により、 SiHガス及び NHガスを原材料にして、 300°C以上、減圧条件
4 3
下で成膜形成する。この場合、屈折率は 2. 0〜2. 2程度であり、最適な反射防止膜 厚は 70〜90nmである。なお、このようにして形成される反射防止膜は絶縁体である ことに注意すべきであり、表面電極をこの上に単に形成しただけでは、太陽電池とし て作用しない。
[0110] 次いで、(e)工程では、表面側のグリッド電極 7及びバス電極 10を形成するための 表面電極用銀ペースト 5をスクリーン印刷法で付着乾燥させる。この場合、表面電極 用銀ペースト 5が反射防止膜 4上に形成されている。次いで、裏面側においても表面 側と同様に、裏面アルミ電極 8及び裏面銀電極 11を形成するための裏面電極用ァ ルミペースト 6を印刷して乾燥させる。更に、図示はしないが、裏面側のノ ス電極を形 成するための銀ペーストも印刷して乾燥させる。
[0111] そして、(f)工程において、上述の各ペーストを同時に 600°C〜900°Cで数分間焼 成する。すると、表面側では銀ペースト 5中に含まれているガラス材料の作用で反射 防止膜 4が溶融している間に、銀材料がシリコンと接触し再凝固する。これによりダリ ッド電極 7と n型層 3との導通が確保される。なお、このようなプロセスはフアイヤースル 一法と呼ばれている。裏面電極用アルミペースト 6は、上記焼成により裏面アルミ電 極 8を形成すると共に、シリコン基板 1と反応して裏面アルミ電極 8のシリコン基板 1側
に p +層 9を形成する。こうして太陽電池 51が得られる。
[0112] なお、銀電極の耐湿性向上を図るため、 200〜250°Cの鉛 'スズ共晶はんだ溶融 槽に太陽電池 51を浸漬処理して、バス電極 10上に鉛はんだで被覆する場合もある
[0113] 図 5は複数の太陽電池を相互に配線接続する態様を説明するための概略を示した 模式図である。(a)は単独の太陽電池の表面側を示すものであり、(b)は単独の太陽 電池の裏面側を示すものであり、(c)は複数の太陽電池を相互に配線接続した際の 正面を示すものである。
[0114] 上述のようにして得られた複数の太陽電池 51を相互に接続するために、まず、表 裏のバス電極 10、 11上にそれぞれタブ電極 52a、 52bをはんだ付けにより形成する 。表面側(a)では、表面銀電極 (バス電極) 10上の全面に表面側用のタブ電極 52a がはんだ付けにより形成される。この際、タブ電極 52aは隣接した太陽電池に接続す べき部分が太陽電池の端部力 側方に突出した状態になっている。裏面側 (b)では 、裏面銀電極 (バス電極) 11上の全面に裏面用のタブ電極 52bがはんだ付けにより 形成される。裏面側 (b)においては表面側(a)とは異なり、タブ電極 52bが太陽電池 の端部力 側方に突出して 、な 、。
[0115] 複数の太陽電池を相互に接続するタブ電極には、一般的に知られているものを用 いることができ、例えば銅箔にはんだがコーティングされたものを用いてもよい。また、 タブ電極における銅箔の厚さは 0. 1〜0. 2mm程度、電極幅は 1. 0〜5. Omm程度 のものであり、はんだコーティングの厚さは 20〜40 μ m程度である。
[0116] 次いで、正面 (c)に示すように、太陽電池 51の端部より側方に飛び出した表面側 用のタブ電極 52aを、隣接した太陽電池 51の裏面側用のタブ電極 52bにはんだ付 けして、複数の太陽電池 51を相互に接続する。表面側用のタブ電極 52aの飛び出し た部分は、太陽電池 51の厚さを考慮し、(c)に示すようにクランク状に曲げられてい てもよい。この場合、表面側用のタブ電極 52aのクランク状の加工は表面銀電極 (バ ス電極) 10へのはんだ付け前に行うのが好まし!/、。
[0117] 図 6は、図 5に示した複数の太陽電池 51を用いて作製した太陽電池モジュールを 透視した斜視模式図を示す。また、図 7は、図 6の B—B線における断面のうち、太陽
電池一枚分の断面を示した模式断面図である。太陽電池モジュール 600における複 数の太陽電池 51の相互接続は、太陽電池 51の受光面側(表面側)がマイナス電極 、裏面側がプラス電極となっている。したがって、モジュール 600内の全太陽電池を 直列に接続する場合、最終的にはプラス電極のプラス取り出し電極タブ 55と、マイナ ス電極のマイナス取り出し電極タブ 56とをモジュールの外に引き出す構造となる。図 6では図 5の正面 (c)に示した接続態様で 4枚の太陽電池が接続され、さらにこの 4枚 の太陽電池を横タブ配線 54によって接続している。なお、太陽電池が複数枚相互に 接続された図 6のような接続状態をアレイと呼称して 、る。
[0118] 太陽電池モジュール 600は長期信頼性が必要なため、図 6及び図 7に示すように、 太陽電池アレイの表面側には太陽光を透過させながら雨水の侵入を防ぎ落下物等 の衝撃を吸収する機能を備えた表面透明基材である白板強化ガラス 57を配する。更 にその上に、上述した本実施形態に係る反射防止膜 60が形成されている。これら白 板強化ガラス 57及び反射防止膜 60は、上述の積層体 100を成して 、る。
[0119] 裏面側には耐水性に優れたバックシート 53を配した構造となっている。ノ ックシート 53としては、通常 PVF (ポリビュルフルオライド)榭脂により A1フィルム等の金属箔を 挟んだ積層構造を有するフィルムが好適に用いられる。太陽電池 51と白板強化ガラ ス 57やバックシート 53との間の間隙には、太陽電池封止材 58が充填されている。太 陽電池封止材 58には、例えば EVA (エチレンビニルアセテート)という光透過性の高 い熱硬化型榭脂が用いられる。この太陽電池封止材 58は、間隙の充填と同時に、白 板強化ガラス 57 (積層体 100)、太陽電池 51及びバックシート 53を相互に接着する 機能を有している。
[0120] このような太陽電池モジュールの作製工程を順に説明する。まず、上述のようにし て得られた積層体 100の反射防止膜 60とは反対側にシート状の太陽電池封止材 58 を載置する。更にその上にアレイ状に相互接続した太陽電池 51、シート状の太陽電 池封止材 58、及びバックシート 53を順に積層する。この積層したものを 150°C程度 に加熱して、更に脱泡工程であるラミネートを行うことにより、太陽電池封止材 58が間 隙をほぼ完全に充填し、図 6及び 7に示す構造の太陽電池モジュール 600が得られ る。
[0121] 以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定され るものではない。
実施例
[0122] (調製例 1)
まず、テトラエトキシシラン 515. 5gとメチルトリエトキシシラン 402. Ogとをジェチレ ングリコールジメチルエーテル 1854. 5gに溶解させた溶液中に、 2. 38%のテトラメ チルアンモ -ゥム硝酸塩水溶液 (pH = 3. 6) 1. 3gを添カ卩した。次いで、 0. 644質量 %に調整した硝酸 271. 7gを攪拌下で 30分間かけて滴下した。滴下終了後 3時間 反応させた後、減圧下、温浴中で生成エタノール及びジエチレングリコールジメチル エーテルの一部を留去して、濃縮されたポリシロキサン溶液 1681. 9gを得た。このポ リシロキサン溶液 1681. 9gにジエチレングリコールジメチルエーテル 128. 7g、ポリ プロピレングリコール(アルドリッチ社製、商品名「PPG725」)88. lg、及びエタノー ル 100. Ogを添加し、室温(25°C)で 30分間攪拌溶解してシリカ系被膜形成用組成 物であるポリシロキサン溶液を得た。 GPC法によりこのポリシロキサンの重量平均分 子量を測定すると、 870であった。
[0123] (調製例 2)
まず、テトラエトキシシラン 137. 5gとメチルトリエトキシシラン 107. 2gとを仕込み、 そこにジエチレングリコールジメチルエーテルを 483. 9g添カ卩して常温で 200回転数 の速度で攪拌しながら溶解させた。これに 60%硝酸 0. 47gを水 71. 98gに溶解した 水溶液を攪拌下で 30分かけて滴下した。滴下終了後 3時間反応させ、ポリシロキサ ン溶液を得た。このポリシロキサン溶液を減圧下、 75〜85°Cの温浴中に入れ、その ポリシロキサン溶液から生成したエタノール及び溶媒のジエチレングリコールジメチル エーテルの一部を留去して、濃縮されたポリシロキサン溶液 530. lgを得た。 GPC法 によりこのポリシロキサンの重量平均分子量を測定すると、 1110であった。なお、空 隙形成材として使用したポリプロピレングリコールの 350°Cにおける重量減少率は 99 . 9%であった。
[0124] 次いで、濃縮されたポリシロキサン溶液 464. 4g、さらに空隙形成剤としてポリプロ ピレンダリコール(アルドリッチ社製、商品名「PPG725」)20. 34g、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル 396. lg、 2. 38%のテトラメチルアンモ -ゥム硝酸塩水溶液( pH = 3. 6) 14. 6g、及び 1%に希釈したマレイン酸水溶液 4. 5gを添加し、室温(25 °C)で 30分間攪拌溶解してシリカ系被膜形成用組成物を作製した。なお、空隙形成 材として使用したポリプロピレングリコールの 350°Cにおける重量減少率は 99. 9% であった。
[0125] (調製例 3)
まず、テトラエトキシシラン 154. 6gとメチルトリエトキシシラン 120. 6gとをシクロへキ サノン 543. 3gに溶解させた溶液中に、 70%硝酸 0. 525gを溶解させた水 80. 98g を攪拌下で 30分かけて滴下した。滴下終了後 5時間反応させた後、減圧下、温浴中 で生成エタノール及びシクロへキサノンの一部を留去して、濃縮されたポリシロキサン 溶液 583. 7gを得た。 GPC法によりこのポリシロキサンの重量平均分子量を測定す ると、 1350であった。
[0126] 次いで、濃縮されたポリシロキサン溶液 553. 9gに空隙形成材としてポリプロピレン グリコール(アルドリッチ社製、商品名「PPG725」)24. 86g、シクロへキサノン 498. 7g、 2. 38%のテトラメチルアンモ -ゥム硝酸塩水溶液 (pH = 3. 6) 17. 89g、及び 1 %に希釈したマレイン酸水溶液 5. 5gを添加し、室温(25°C)で 30分間攪拌溶解して シリカ系被膜形成用組成物を作製した。なお、空隙形成材として使用したポリプロピ レングリコールの 350°Cにおける重量減少率は 99. 9%であった。
[0127] [反射防止膜の製造]
(実施例 1〜3)
調製例 1〜3で得た各シリカ系被膜形成用組成物を、その塗膜厚さが硬化後に 17 5± 10nmになるように濃度を調整した。次いで、シリカ系被膜形成用組成物をシリコ ンウェハ及び白板ガラス上にそれぞれスプレー塗布して、シリコンウェハ又は白板ガ ラス上に塗膜を形成した積層体を得た。得られた積層体をホットプレートにて 250°C で 3分かけて加熱し、塗膜中の溶媒を除去した後、予め 630°Cに調整した石英チュ 一ブ炉に投入し、 30分間炉内に静置した。次いで、積層体を石英チューブ炉カも取 り出し、室温の圧縮空気を吹き付け冷却した。こうしてシリコンウェハ又は白板強化ガ ラス上に反射防止膜が形成された積層体を得た。なお調製例 1〜3のシリカ系被膜
形成用組成物に対応して、それぞれ実施例 1〜3の積層体又は反射防止膜とした。
[0128] [反射防止膜の評価]
シリコンウェハ上に形成された反射防止膜について、エリプソメータを用いて 634η mにおける屈折率を測定した。結果を表 1に示す。
[0130] また、図 1の積層体 100におけるものと同様にして、白板強化ガラス上に形成された 実施例 1の反射防止膜について、積層体 100の反射防止膜 60側と同様の側力も光 を照射した場合の反射率の波長依存性をエリプソメータにより測定した。結果を図 2 に示す。破線 aは積層体 100の反射率を示し、実線 bは白板強化ガラス 57のみの反 射率を示す。この図 2によると、シリコン系太陽電池が感度を有する全波長領域で、 白板強化ガラス 57のみの場合よりも、白板強化ガラス 57上に反射防止膜 60を形成 した場合の方が反射率は 1%程度低くなつた。
[0131] [太陽電池 (モジュール)の評価]
実施例 1の積層体 (反射防止膜 Z白板強化ガラス)を用いて、上述と同様にして、 図 7に示すものと同様の太陽電池モジュールを作製した。また、比較例 1に係る太陽 電池モジュールとして、積層体 (反射防止膜 Z白板強化ガラス)に代えて白板強化ガ ラス (旭硝子株式会社製、太陽電池カバーガラス)のみを用いた以外は実施例 1と同 様にして、太陽電池モジュールを作製した。これらの太陽電池モジュールについて、 開放電圧 (Voc)、電流密度 Cisc)、曲線因子 (FF)及び変換効率 (Eff)を測定した。 結果を表 2に示す。
[0133] 本発明に係る反射防止膜 (シリカ系皮膜)を形成したことによって、反射防止膜を形 成しなカゝつたものと比較して、電流密度が約 0. 65mAZcm2増加し、変換効率 (Eff )は絶対評価で 0. 3%向上した。これは、図 2に示した評価結果の傾向と合致するも のであった。
[0134] (実施例 4)
白板ガラス上に、調製例 2で得られたシリカ系被膜形成用組成物を滴下した後、下 記条件でスピナ一によりスピン塗布して、白板ガラス上に塗膜を形成して積層体を得 た。スピン条件は、予備スピン: lOOOrpmで 10秒、本スピン: 2000rpmで 30秒の条 件とした。
[0135] 得られた積層体をホットプレートにて 250°Cで 5分かけて加熱し、塗膜中の溶媒を 除去した。その後、予め炉内温度を 500°C、 600°C、 700°Cに調整した半導体製造 用縦型拡散炉 (光洋サーモシステムズ社製、商品名 —TF」)それぞれに、溶媒除 去後の積層体を投入し、 3分間炉内に静置した。次いで、静置後の積層体を半導体 製造用縦型拡散炉から取り出し、室温の圧縮空気を吹き付け冷却した。こうして白板 強化ガラス上に反射防止膜が形成された積層体を得た。
[0136] なお、拡散炉による加熱は以下のように行った。まず、炉のフタの機能を併せ持つ 可動ステージを上昇させ、炉を閉じた状態にした。次いで、閉じた状態のまま、所定 の温度まで炉を加熱した。また、準備として、石英製のホルダーに半導体用のシリコ ンウェハを装填し、この上に上記積層体を置いた。炉が所定の温度に達したところで 、可動ステージを下降させ、準備しておいた石英ホルダーを速やかに可動ステージ 上に載せた。そして、可動ステージを再び上昇させて、炉を閉じた状態にした。この 状態で 3分間保持した後、可動ステージを下降させ、積層体を炉外に取り出した。
[0137] それぞれの炉内温度での加熱により、白板強化ガラスの上に反射防止膜を形成し た積層体にっ 、て、その反射防止膜側力 光を照射した場合の反射率の波長依存 性をエリプソメータにより測定した。結果を図 8に示す。図中、(xl)は 500°C、(x2)は 600°C、(x3)は 700°Cの炉内温度で加熱した場合を示す。なお、(x4)は、白板強 化ガラス (旭硝子株式会社製、太陽電池カバーガラス)のみの場合を示す。この図 8 によると、シリコン系太陽電池が感度を有する全波長領域で、白板強化ガラスのみの 場合よりも、白板強化ガラス上に反射防止膜を形成した場合の方が反射率は低くな ることが分かった。
[0138] (実施例 5)
白板ガラス上に、調製例 2で得られたシリカ系被膜形成用組成物を滴下した後、下 記条件でスピナ一によりスピン塗布して、白板ガラス上に塗膜を形成して積層体を得 た。スピン条件は、予備スピン: lOOOrpmで 10秒、本スピン: 2000rpmで 30秒の条 件とした。
[0139] 得られた積層体をホットプレートにて 250°Cで 5分かけて加熱し、塗膜中の溶媒を 除去した。その後、炉内が室温である上記半導体製造用縦型拡散炉に、溶媒除去 後の積層体を投入し、所定温度(300°C、 400°C、 500°C又は 600°C)まで昇温して 、 10分間その温度で炉内に静置した。次いで、静置後の積層体を半導体製造用縦 型拡散炉から取り出し、室温の圧縮空気を吹き付け冷却した。こうして白板強化ガラ ス上に反射防止膜が形成された積層体を得た。
[0140] なお、加熱は以下のように行った。石英製のホルダーに半導体用のシリコンウェハ を装填し、この上に上記積層体を置いた。次に、積層体と共に石英ホルダーを、炉の フタの機能を併せ持つ可動ステージ上に載せた。次いで、可動ステージを上昇させ て炉を閉じた状態にした。次に、室温から所定の温度まで、 20分かけて炉内を昇温 し、 10分間その温度で保持した後、 20分かけて、 200°C程度まで炉内を降温した。 そして可動ステージを下降させ、積層体を炉外に取り出した。
[0141] それぞれの炉内温度での加熱により、白板強化ガラスの上に反射防止膜を形成し た積層体にっ 、て、その反射防止膜側力 光を照射した場合の反射率の波長依存 性をエリプソメータにより測定した。結果を図 9に示す。図中、(yl)は 300°C、(y2)は
400°C、(y3)は 500°C、(y4)は 600°Cの炉内温度で加熱した場合を示す。なお、(y 5)は、白板強化ガラス (旭硝子株式会社製、太陽電池カバーガラス)のみの場合を 示す。この図 9によると、シリコン系太陽電池が感度を有する全波長領域で、白板強 化ガラスのみの場合よりも、白板強化ガラス上に反射防止膜を形成した場合の方が 反射率は低くなることが判明した。
[0142] (実施例 6)
白板ガラス上に、調製例 3で得られたシリカ系被膜形成用組成物を滴下した後、下 記条件でスピナ一によりスピン塗布して、白板ガラス上に塗膜を形成して積層体を得 た。スピン条件は、予備スピン: lOOOrpmで 10秒、本スピン: 2000rpmで 30秒の条 件とした。
[0143] 得られた積層体をホットプレートにて 250°Cで 5分かけて加熱し、塗膜中の溶媒を 除去した。その後、予め炉内温度を 500°C、 600°C、 700°Cに調整した半導体製造 用縦型拡散炉 (光洋サーモシステムズ社製、商品名 —TF」)それぞれに、溶媒除 去後の積層体を投入し、 3分間炉内に静置した。次いで、静置後の積層体を半導体 製造用縦型拡散炉から取り出し、室温の圧縮空気を吹き付け冷却した。こうして白板 強化ガラス上に反射防止膜が形成された積層体を得た。
[0144] なお、拡散炉による加熱は以下のように行った。まず、炉のフタの機能を併せ持つ 可動ステージを上昇させ、炉を閉じた状態にした。次いで、閉じた状態のまま、所定 の温度まで炉を加熱した。また、準備として、石英製のホルダーに半導体用のシリコ ンウェハを装填し、この上に上記積層体を置いた。炉が所定の温度に達したところで 、可動ステージを下降させ、準備しておいた石英ホルダーを速やかに可動ステージ 上に載せた。そして、可動ステージを再び上昇させて、炉を閉じた状態にした。この 状態で 3分間保持した後、可動ステージを下降させ、積層体を炉外に取り出した。
[0145] それぞれの炉内温度での加熱により、白板強化ガラスの上に反射防止膜を形成し た積層体にっ 、て、その反射防止膜側力 光を照射した場合の反射率の波長依存 性をエリプソメータにより測定した。結果を図 10に示す。(zl)は 500°C、(z2)は 600 °C、(z3)は 700°Cの炉内温度で加熱した場合を示す。なお、(z4)は、白板強化ガラ ス (旭硝子株式会社製、太陽電池カバーガラス)のみの場合を示す。この図 10による
と、シリコン系太陽電池が感度を有する全波長領域で、白板強化ガラスのみの場合よ りも、白板強化ガラス上に反射防止膜を形成した場合の方が反射率は低くなることが 分かった。
[0146] (実施例 7)
白板ガラス上に、調製例 3で得られたシリカ系被膜形成用組成物を滴下した後、下 記条件でスピナ一によりスピン塗布して、白板ガラス上に塗膜を形成して積層体を得 た。スピン条件は、予備スピン: lOOOrpmで 10秒、本スピン: 2000rpmで 30秒の条 件とした。
[0147] 得られた積層体をホットプレートにて 250°Cで 5分かけて加熱し、塗膜中の溶媒を 除去した。その後、炉内が室温である上記半導体製造用縦型拡散炉に、溶媒除去 後の積層体を投入し、所定温度(300°C、 400°C、 500°C又は 600°C)まで昇温して 、 10分間その温度で炉内に静置した。次いで、静置後の積層体を半導体製造用縦 型拡散炉から取り出し、室温の圧縮空気を吹き付け冷却した。こうして白板強化ガラ ス上に反射防止膜が形成された積層体を得た。
[0148] なお、加熱は以下のように行った。石英製のホルダーに半導体用のシリコンウェハ を装填し、この上に上記積層体を置いた。次に、積層体と共に石英ホルダーを、炉の フタの機能を併せ持つ可動ステージ上に載せた。次いで、可動ステージを上昇させ て炉を閉じた状態にした。次に、室温から所定の温度まで、 20分かけて炉内を昇温 し、 10分間その温度で保持した後、 20分かけて、 200°C程度まで炉内を降温した。 そして可動ステージを下降させ、積層体を炉外に取り出した。
[0149] それぞれの炉内温度での加熱により、白板強化ガラスの上に反射防止膜を形成し た積層体にっ 、て、その反射防止膜側力 光を照射した場合の反射率の波長依存 性をエリプソメータにより測定した。結果を図 11に示す。図中、(wl)は 300°C、 (w2) は 400°C、(w3)は 500°C、(w4)は 600°Cの炉内温度で加熱した場合を示す。なお 、(w5)は、白板強化ガラス (旭硝子株式会社製、太陽電池カバーガラス)のみの場 合を示す。この図 11によると、シリコン系太陽電池が感度を有する全波長領域で、白 板強化ガラスのみの場合よりも、白板強化ガラス上に反射防止膜を形成した場合の 方が反射率は低くなることが判明した。
産業上の利用可能性
本発明によれば、十分に低コストで反射防止膜を形成する反射防止膜の形成方法 を提供することができる。