WO2006129640A1 - マルチチャンネル収音装置、マルチチャンネル音声再生装置、およびマルチチャンネル収音再生装置 - Google Patents

Abstract

　撮影装置がズーム操作された時刻とマルチチャンネル収音部が音声を収音した時刻とを一致させて音声信号とズーム制御信号とを記憶媒体に記録し、音声が再生されるとき、ズーム制御信号に基づいて音声信号を制御することができるマルチチャンネル収音装置、マルチチャンネル音声再生装置、及びマルチチャンネル収音再生装置を提供する。 　撮影装置の周囲からの音声を収音し、収音した音が示された音声信号を生成するマルチチャンネル収音部１１１と、撮影装置がズーム操作された時刻とマルチチャンネル収音部が音声を収音した時刻とを一致させて音声信号とズーム制御信号の記録及び読出しを実行する収音信号記録読出し部１２０と、音声信号をチャンネル毎に制御するゲイン制御部１２３と、ゲイン制御部１２３をズーム再生モードで動作させる状態と、ゲイン制御部１２３を既定再生モードで動作させる状態とを取るモード切替スイッチ１２２とを備える。

Description

明 細 書

マルチチャンネル収音装置、マルチチャンネル音声再生装置、およびマ ルチチャンネル収音再生装置

技術分野

[0001] 本発明は、複数チャンネルの音声を収音し再生するマルチチャンネル収音装置、 マルチチャンネル音声再生装置、およびマルチチャンネル収音再生装置に関し、特 に、ズーム操作に応じて音声および映像を収録することができるマルチチャンネル収 音装置、マルチチャンネル音声再生装置、およびマルチチャンネル収音再生装置に 関する。

背景技術

[0002] 従来、マルチチャンネルカメラ一体型 VTR等のマルチチャンネル収音再生装置に おいて、ズーム操作があつたときの音声の信号処理 (以下、ズーム信号処理という。 ) は、収音を行ったときに行われ、再生時には行われないようになつていた。具体的に は、ズーム信号処理は、収録を行って得られた音声に対して、ズームに応じて予め決 められた信号処理を行って所定の記録媒体に記録しておくというものであり、再生す るときは、記録された音声をそのまま再生するというものであった (例えば、特許文献 1、特許文献 2参照)。

[0003] 図 19は、特許文献 1に記載された従来のマルチチャンネル収音再生装置の構成を 示すブロック図である。図 19において、マルチチャンネル収音再生装置 laのズーム レンズ la6の制御は、マイクロプロセッサ la8を介して入力されたズーム操作の情報（ 以下、単にズーム操作情報という。）に応じてズームレンズ制御回路 la7がズームレ ンズ制御信号を生成し、ズームレンズ la6がズームレンズ制御信号に応じてレンズの 焦点距離を変更するようにして行われる。

[0004] テレ（望遠)端とワイド (広角）端との間の現在のズームを、テレ端を基準にして表す ものとすると、ズーム位置電圧発生回路 la5は、ズーム操作情報に応じて、現在のズ ームを電圧に変換し、合成比率利得制御回路 la3およびェンノヽンサ (低域高域成分 強調制御回路） la4に出力するようになっている。 [0005] 合成比率利得制御回路 la3は、ワイド端では、ステレオマイク用信号処理回路 lal 力 のステレオ音声が支配的で、テレ端では、超指向性マイク用信号処理回路 la2 力ものモノラル音声が支配的となるように、音声の合成比率および利得を制御するよ うになつている。ワイド端力 テレ端までの間では、ステレオ音声とモノラル音声との合 成比率が連続的に切り替えられ、ズーム映像に連動して音声もズームするようになつ ている。

[0006] 図 20は、特許文献 2に記載された従来のマルチチャンネル収音再生装置の構成を 示すブロック図である。図 20において、マルチチャンネル収音再生装置 lbのズーム レンズ lb7の制御は、制御回路 lb3を介して入力されたズームレンズ制御信号に応 じて、ズームレンズ lb7がレンズの焦点距離を変更するようにして行われる。

[0007] ズーム操作情報に応じた音声の制御は、ミツドマイク用係数乗算器 lb4a、サイドマ イク用係数乗算器 lb4b、およびマトリックス回路 lb5を用い、ミツドマイク lblおよび サイドマイク lb2からの出力信号の混合比を変更するように行われる。具体的には、 ズーム操作情報に応じて、ミツドマイク用係数乗算器 lb4aがミツドマイク lblから出力 された音声に所定の係数 Kを乗算し、サイドマイク用係数乗算器 lb4bがサイドマイク lb2から出力された音声に係数（1— K)を乗算し、マトリックス回路 lb5がミツドマイク 用係数乗算器 lb4aから出力された信号とサイドマイク用係数乗算器 lb4bから出力 された信号との和と差を取り、それぞれを異なるチャンネルのスピーカ用とするように なっている。

[0008] 具体的には、以下の式（la)および式（lb)を用いて表されるように混合する。すな わち、マトリックス回路 lb5の出力は、ミツドマイク lblの出力を L+Rとし、サイドマイク lb2の出力を L— Rとすると、

1=K X (L+R) + (1 -K) X (L-R) (la)

r=K X (L+R)—（1 K) X (L— R) (lb)

と表される。ここで、 1は左チャンネル端子 lb6aを介して出力される音声であり、 rは右 チャンネル端子 lb6bを介して出力される音声であり、 Kは 0以上 1以下のいずれかの 値である。

[0009] 制御回路 lb3は、ズームレンズ lb7の画角の制御と共に、画角に応じて音声にズ ームの効果が表されるように制御を行う。音声の制御は、具体的には、ズームに応じ て係数乗算器 lb4a、 lb4bに設定する係数 Kの値を変化するように行われ、マトリツ タス回路 lb5の出力力 ワイド端で通常のステレオ信号となるよう定数 Kを 0. 5に設定 し、テレ端で単一指向性を有するモノラル信号となるよう定数 Kを 1に設定するように 行われる。

特許文献 1：特開 2004— 328052号公報

特許文献 2：特許第 3109938号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] し力しながら、このような従来のマルチチャンネル収音再生装置では、ズーム信号 処理後の音声信号が記録媒体に記録されるようになっているため、再生時に音声の ズームを変更することができないという問題があった。そのため、ユーザがォーケスト ラの演奏会等で撮影した映像音声の再生時に映像をズームしたままで会場全体の 音声を聞きたいときにできないという問題が生じていた。具体的には、ズームして特 定の人を画面に映し出し、会場全体の音声を聞きたい場合にできな力つた。

[0011] 本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、撮影装置がズーム操作 された時刻とマルチチャンネル収音部が音声を収音した時刻とを一致させて音声信 号とズーム制御信号とを記憶媒体に記録し、音声が再生されるとき、ズーム制御信号 に基づ!/、て音声信号を制御することができるマルチチャンネル収音装置、マルチチ ヤンネル音声再生装置、及びマルチチャンネル収音再生装置を提供するものである

課題を解決するための手段

[0012] 本発明のマルチチャンネル収音装置は、ズーム操作が可能な撮影装置の周囲力 到来する音声を収音し、前記音声が示された音声信号を生成するマルチチャンネル 収音部と、前記撮影装置からのズーム制御信号と前記マルチチャンネル収音部から の音声信号を受け取り、前記撮影装置がズーム操作された時刻と前記マルチチャン ネル収音部が前記音声を収音した時刻とを一致させて前記ズーム制御信号と前記 音声信号とを記憶媒体に記録する収音信号記録部とを備える構成を有している。 [0013] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立 に読み出せるように記録するため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、ズーム制御 信号に基づいて音声信号を制御することが可能なマルチチャンネル収音装置を実 現することができる。

[0014] また、本発明のマルチチャンネル収音装置は、前記マルチチャンネル収音部が、 前記撮影装置の周囲の複数の方向からの音声を収音する複数の指向性マイクロホ ンを有する構成を有して 、る。

[0015] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立 に読み出せるように記録するため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、ズーム制御 信号に基づいて音声信号を制御することができると共に、撮影方向を含む複数の方 向から到来する音声を収音して記録するため、ズーム変更機能と組み合わせること で臨場感を高めユーザの要求に応じ易いマルチチャンネル収音装置を実現すること ができる。

[0016] また、本発明のマルチチャンネル収音装置は、前記マルチチャンネル収音部が、 前記撮影装置の左及び右方向からの音声を収音する 1対の指向性マイクロホンを有 する構成を有している。

[0017] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立 に読み出せるように記録するため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、ズーム制御 信号に基づいて音声信号を制御することができると共に、撮影方向の左右方向から 到来する音声を収音して記録するため、ズーム変更機能と組み合わせることで臨場 感を高めユーザの要求に応じ易いマルチチャンネル収音装置を実現することができ る。

[0018] また、本発明のマルチチャンネル収音装置は、前記マルチチャンネル収音部が、 前記撮影装置の撮影方向力 の音声を収音する指向性マイクロホンを有する構成を 有している。

[0019] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と音声とを独立に読み出せるよ うに記録するため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、ズーム制御信号に基づいて 音声信号を制御することができると共に、単一の指向性マイクロホンによってマルチ チャンネル収音部が構成されるため、簡易な構成のマルチチャンネル収音装置を実 現することができる。

[0020] また、本発明のマルチチャンネル収音装置は、前記収音信号記録部が、前記音声 信号に前記ズーム制御信号を多重化し、前記ズーム制御信号が多重化された音声 信号を前記記憶媒体に記録する構成を有して 、る。

[0021] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と音声とを独立に読み出せるよ うに記録するため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、ズーム制御信号に基づいて 音声信号を制御することができ、収音信号記録部が、音声信号にズーム制御信号を 多重化して記録することができると共に、ズーム制御信号を記録するための別途の記 録領域を削減することが可能なマルチチャンネル収音装置を実現することができる。

[0022] 本発明のマルチチャンネル音声再生装置は、記録媒体から音声信号とズーム制御 信号を読み出す収音信号読出し部と、前記音声信号をチャンネル毎に制御するゲイ ン制御部と、前記ゲイン制御部に前記収音信号読出し部からの前記ズーム制御信号 を受け取らせ、前記ゲイン制御部をズーム再生モードで動作させる状態と、前記ゲイ ン制御部に前記収音信号読出し部力 の前記ズーム制御信号を受け取らせることを 阻止し、前記ゲイン制御部を既定再生モードで動作させる状態とを取るモード切替ス イッチとを備える構成を有して 、る。

[0023] この構成により、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独 立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生モードとを 切り替えられるようにしたため、収音時のズームでもスルーを含めたユーザが設定し たズームでも、再生時に音声のズームを変更することが可能なマルチチャンネル音 声再生装置を実現することができる。

[0024] また、本発明のマルチチャンネル音声再生装置は、前記ゲイン制御部が、前記音 声信号にゲインを乗算する乗算器と、前記ズーム制御信号に応じたゲインを前記乗 算器に設定するゲイン設定部とを含む構成を有して ヽる。

[0025] この構成により、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独 立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生モードとを 切り替えられるようにしたため、ズーム制御信号に応じたゲインを音声信号に乗算す ることが可能なマルチチャンネル音声再生装置を実現することができる。

[0026] また、本発明のマルチチャンネル音声再生装置は、前記撮影装置のレンズがテレ 端に位置するときに収音された音声を再生するとき、前記ゲイン制御部は、前記撮影 方向からの音声が示された音声信号のゲインを前記撮影方向以外力 の音声が示 された音声信号のゲインよりも高く設定する構成を有している。

[0027] この構成により、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独 立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生モードとを 切り替えられるようにしたため、収音時のズームでもスルーを含めたユーザが設定し たズームでも、再生時に音声のズームを変更することができると共に、撮影方向を含 む複数の方向から到来する音声を収音して記録するため、ズーム変更機能と組み合 わせることで臨場感を高めユーザの要求に応じ易いマルチチャンネル音声再生装置 を実現することができる。

[0028] また、本発明のマルチチャンネル音声再生装置は、前記撮影装置のレンズがワイド 端に位置するときに収音された音声を再生するとき、前記ゲイン制御部は、前記撮影 装置の右及び左方向力 の音声が示された 1対の音声信号力 ステレオ音声が再生 されるよう前記 1対の音声信号のゲインを設定し、前記撮影装置のレンズがテレ端に 位置するときに収音された音声を再生するとき、前記ゲイン制御部は、前記撮影装置 の右及び左方向力 の音声が示された 1対の音声信号力 モノラル音声が再生され るよう前記 1対の音声信号のゲインを設定する構成を有している。

[0029] この構成により、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独 立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生モードとを 切り替えられるようにしたため、収音時のズームでもスルーを含めたユーザが設定し たズームでも、再生時に音声のズームを変更することができると共に、撮影方向の左 右方向から到来する音声を収音して記録するため、ズーム変更機能と組み合わせる ことで臨場感を高めユーザの要求に応じ易いマルチチャンネル音声再生装置を実 現することができる。

[0030] また、本発明のマルチチャンネル音声再生装置は、前記撮影装置のレンズがワイド 端とテレ端の中間に位置するときに収音された音声を再生するとき、前記ゲイン制御 部は、前記記憶媒体から読み取られたズーム制御信号に基づ!、て前記撮影装置の 周囲からの複数の音声が示された複数の音声信号のゲインを設定する構成を有して いる。

[0031] この構成により、収音信号読出し部がズーム制御信号と音声とを独立に読み出し、 モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生モードとを切り替えられるよ うにしたため、収音時のズームでもスルーを含めたユーザが設定したズームでも、再 生時に音声のズームを変更することができると共に、ズームの状態に応じて再生する 音声のゲインを制御するため、単一のチャンネルの音声に対しても収音時のズーム によりきめ細力べ対応して音声を再生することが可能なマルチチャンネル音声再生装 置を実現することができる。

[0032] また、本発明のマルチチャンネル音声再生装置は、前記ゲイン制御部からの音声 信号の周波数スペクトルをチャンネル毎に制御する周波数特性制御部を備える構成 を有している。

[0033] この構成により、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独 立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生モードとを 切り替えられるようにしたため、収音時のズームでもスルーを含めたユーザが設定し たズームでも、再生時に音声のズームを変更することができると共に、周波数特性制 御部がズーム制御信号に応じて音声の周波数スペクトルを制御するため、ズームに 応じて臨場感を現出し易いマルチチャンネル音声再生装置を実現することができる。

[0034] 本発明のマルチチャンネル収音再生装置は、ズーム操作が可能な撮影装置に搭 載され、前記撮影装置の周囲からの音声を収音し、収音した音が示された音声信号 を生成するマルチチャンネル収音部と、前記撮影装置がズーム操作された時刻と前 記マルチチャンネル収音部が前記音声を収音した時刻とを一致させて前記音声信 号と前記ズーム制御信号とを記憶媒体に記録し、更に、前記記憶媒体から前記音声 信号と前記ズーム制御信号を読み出す収音信号記録読出し部と、前記音声信号を チャンネル毎に制御するゲイン制御部と、前記ゲイン制御部に前記収音信号記録読 出し部からの前記ズーム制御信号を受け取らせ、前記ゲイン制御部をズーム再生モ ードで動作させる状態と、前記ゲイン制御部に前記収音信号記録読出し部からの前 記ズーム制御信号を受け取らせることを阻止し、前記ゲイン制御部を既定再生モード で動作させる状態とを取るモード切替スィッチとを備え、前記収音信号記録読出し部 力 前記モード切替スィッチが前記ズーム再生モードに就いているときに、前記ズー ム制御信号に基づ 、て前記音声信号をチャンネル毎に制御し、前記モード切替スィ ツチが前記既定再生モードに就いているときに、所定の制御方法で音声信号をチヤ ンネル毎に制御する構成を有して 、る。

[0035] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立 に読み出せるように記録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの 音声とを独立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生 モードとを切り替えられるようにしたため、再生時に音声のズームを変更することが可 能なマルチチャンネル収音再生装置を実現することができる。

[0036] また、本発明のマルチチャンネル収音再生装置は、前記ゲイン制御部が、前記音 声信号にゲインを乗算する乗算器と、前記ズーム制御信号に応じたゲインを前記乗 算器に設定するゲイン設定部とを含む構成を有して ヽる。

[0037] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立 に読み出せるように記録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの 音声とを独立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生 モードとを切り替えられるようにしたため、ズーム制御信号に応じたゲインを音声信号 に乗算することが可能なマルチチャンネル収音再生装置を実現することができる。

[0038] また、本発明のマルチチャンネル収音再生装置は、前記マルチチャンネル収音部 力 前記撮影装置の周囲の複数の方向からの音声を収音する複数の指向性マイクロ ホンを有する構成を有して 、る。

[0039] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立 に読み出せるように記録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの 音声とを独立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生 モードとを切り替えられるようにしたため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、ズーム 制御信号に基づいて音声信号を制御することができると共に、撮影方向を含む複数 の方向から到来する音声を収音して記録するため、ズーム変更機能と組み合わせる ことで臨場感を高めユーザの要求に応じ易いマルチチャンネル収音再生装置を実 現することができる。

[0040] また、本発明のマルチチャンネル収音再生装置は、前記マルチチャンネル収音部 力 前記撮影装置の指向性マイクロホンを有する構成を有して 、る。

[0041] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立 に読み出せるように記録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの 音声とを独立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生 モードとを切り替えられるようにしたため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、ズーム 制御信号に基づいて音声信号を制御することができると共に、撮影方向の左右方向 力 到来する音声を収音して記録するため、ズーム変更機能と組み合わせることで 臨場感を高めユーザの要求に応じ易いマルチチャンネル収音再生装置を実現する ことができる。

[0042] また、本発明のマルチチャンネル収音再生装置は、前記マルチチャンネル収音部 力 前記撮影装置の撮影方向からの音声を収音する指向性マイクロホンを有する構 成を有している。

[0043] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立 に読み出せるように記録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの 音声とを独立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生 モードとを切り替えられるようにしたため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、ズーム 制御信号に基づいて音声信号を制御することができると共に、単一の指向性マイクロ ホンによってマルチチャンネル収音部が構成されるため、簡易な構成のマルチチヤ ンネル収音再生装置を実現することができる。

[0044] また、本発明のマルチチャンネル収音再生装置は、前記収音信号記録部が、前記 音声信号に前記ズーム制御信号を多重化し、前記ズーム制御信号が多重化された 音声信号を前記記憶媒体に記録する構成を有して 、る。

[0045] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と音声とを独立に読み出せるよ うに記録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立に 読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生モードとを切り替 えられるようにしたため、再生時に音声のズームを変更することができると共に、収音 信号記録部が、音声信号にズーム制御信号を多重化して記録するため、ズーム制御 信号を記録するための別途の記録領域を削減することが可能なマルチチャンネル収 音再生装置を実現することができる。

[0046] また、本発明のマルチチャンネル収音再生装置は、前記撮影装置のレンズがテレ 端に位置するときに収音された音声を再生するとき、前記ゲイン制御部が、前記撮影 方向からの音声が示された音声信号のゲインを前記撮影方向以外力 の音声が示 された音声信号のゲインよりも高く設定する構成を有している。

[0047] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立 に読み出せるように記録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの 音声とを独立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生 モードとを切り替えられるようにしたため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、音声 のズームを変更することができると共に、撮影方向を含む複数の方向から到来する音 声を収音して再生するため、ズーム変更機能と組み合わせることで臨場感を高めュ 一ザの要求に応じ易いマルチチャンネル収音再生装置を実現することができる。

[0048] また、本発明のマルチチャンネル収音再生装置は、前記撮影装置のレンズがワイド 端に位置するときに収音された音声を再生するとき、前記ゲイン制御部が、前記撮影 装置の右及び左方向力 の音声が示された 1対の音声信号力 ステレオ音声が再生 されるよう前記 1対の音声信号のゲインを設定し、前記撮影装置のレンズがテレ端に 位置するときに収音された音声を再生するとき、前記ゲイン制御部が、前記撮影装置 の右及び左方向力 の音声が示された 1対の音声信号力 モノラル音声が再生され るよう前記 1対の音声信号のゲインを設定する構成を有している。

[0049] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立 に読み出せるように記録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの 音声とを独立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生 モードとを切り替えられるようにしたため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、音声 のズームを変更することができると共に、撮影方向の左右方向から到来する音声を収 音して再生するため、ズーム変更機能と組み合わせることで臨場感を高めユーザの 要求に応じ易いマルチチャンネル収音再生装置を実現することができる。

[0050] また、本発明のマルチチャンネル収音再生装置は、前記撮影装置のレンズがワイド 端とテレ端の中間に位置するときに収音された音声を再生するとき、前記ゲイン制御 部が、前記記憶媒体から読み取られたズーム制御信号に基づ!、て前記撮影装置の 周囲からの複数の音声が示された複数の音声信号のゲインを設定する構成を有して いる。

[0051] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と音声とを独立に読み出せるよ うに記録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立に 読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生モードとを切り替 えられるようにしたため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、再生時に音声のズー ムを変更することができると共に、単一のチャンネルの音声に対しても収音時のズー ムによりきめ細力べ対応して音声を再生することができるマルチチャンネル収音再生 装置を実現することができる。

[0052] また、本発明のマルチチャンネル収音再生装置は、前記ゲイン制御部からの音声 信号の周波数スペクトルをチャンネル毎に制御する周波数特性制御部を備える構成 を有している。

[0053] この構成により、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立 に読み出せるように記録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの 音声とを独立に読み出し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生 モードとを切り替えられるようにしたため、記憶媒体力も音声が再生されるとき、音声 のズームを変更することができると共に、周波数特性制御部がズーム制御信号に応 じて音声の周波数スペクトルを制御するため、ズームに応じて臨場感を現出し易いマ ルチチャンネル収音再生装置を実現することができる。

発明の効果

[0054] 本発明は、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立に読 み出せるように記録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの音声と を独立に読み出し、または、収音信号記録読出し部がズーム制御信号と各チャンネ ルの音声とを独立に記録して読み出すようになっているため、再生時に音声のズー ムを変更することができると 、う効果を有するマルチチャンネル収音装置、マルチチ ヤンネル音声再生装置、およびマルチチャンネル収音再生装置を提供することがで きるものである。

図面の簡単な説明

[図 1]図 1は、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置の構成を 示すブロック図である。

[図 2]図 2は、収音信号記録部 113が記録するズーム制御信号の一例を示す図であ る。

[図 3]図 3は、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置の 構成を示すブロック図である。

[図 4]図 41は、本発明の第 1の実施の形態に係るゲイン制御部 123の構成の一例を 示すブロック図である。

[図 5]図 5は、ゲイン設定手段 123fが設定する係数の設定方法について説明するた めの図である。

[図 6]図 6は、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル収音再生装置の 構成を示すブロック図である。

[図 7]図 7は、本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置の構成を 示すブロック図である。

[図 8]図 8は、本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置の 構成を示すブロック図である。

[図 9]図 9は、本発明の第 2の実施の形態に係るゲイン制御部 223の構成の一例を示 すブロック図である。

[図 10]図 10は、ゲイン設定手段 223Fが設定する係数の設定方法について説明する ための図である。

[図 11]図 11は、本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル収音再生装置 の構成を示すブロック図である。

[図 12]図 12は、本発明の第 3の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置の構 成を示すブロック図である。 [図 13]図 13は、本発明の第 3の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置 の構成を示すブロック図である。

[図 14]図 14は、本発明の第 3の実施の形態に係るゲイン制御部 323の構成の一例を 示すブロック図である。

[図 15]図 15は、ゲイン設定手段 323fが設定する係数の設定方法について説明する ための図である。

[図 16]図 16は、本発明の第 3の実施の形態に係るマルチチャンネル収音再生装置 の構成を示すブロック図である。

[図 17]図 17は、本発明の第 4の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置 の構成を示すブロック図である。

[図 18]図 18は、本発明の第 4の実施の形態に係るマルチチャンネル収音再生装置 の構成を示すブロック図である。

[図 19]図 19は、特許文献 1に記載された従来のマルチチャンネル収音再生装置の 構成を示すブロック図である。

[図 20]図 20は、特許文献 2に記載された従来のマルチチャンネル収音再生装置の 構成を示すブロック図である。

符号の説明

la、 lb マルチチャンネル収音再生装置

lal ステレオマイク用信号処理回路

la2 超指向性マイク用信号処理回路

la3 合成比率利得制御回路

la4 ェンハンサ (低域高域成分強調制御回路）

la5 ズーム位置電圧発生回路

la6、 lb7 ズームレンズ

la7 ズームレンズ制御回路

la8 マイクロプロセッサ

lbl ミツドマイク

lb2 サイドマイク lb3 制御回路

lb4a ミツドマイク用係数乗算器

lb4b サイドマイク用係数乗算器

lb5 マトリックス回路

lb6a、 b マトリックス回路の左右チャンネル端子

10、 20、 30、 40 マルチチャンネル収音再生装置

11、 21、 31 マルチチャンネル収音装置

12、 22、 32、 42 マルチチャンネル音声再生装置

111、 211、 311 マルチチャンネル収音部

l l la〜e 指向性マイクロホン

112、 212、 312 アナログデジタル変換部

112a〜e アナログデジタル変換器

113、 213、 313 収音信号記録部

120、 220、 320、 420 収音信号記録読出し部

発明を実施するための最良の形態

[0057] 以下、図面を参照し、本発明の実施の形態のマルチチャンネル収音装置、マルチ チャンネル音声再生装置、及びマルチチャンネル収音再生装置につ ヽて説明する。

[0058] (第 1の実施の形態）

図 1は、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置の構成を示 すブロック図である。

[0059] 本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置は、図 1に示すように 、ズーム操作が可能な撮影装置に搭載され、撮影装置の周囲から到来する音を収音 するようになつている。一方、撮影装置は、レンズをテレ端力もワイド端まで切り替える ことができるズームレンズ部 201と、ズームレンズ部 201を制御するズーム制御部 20 2とを有している。

[0060] 図 1に示すように、マルチチャンネル収音装置 11は、 1つ以上の指向性マイクロホ ンを有するマルチチャンネル収音部 111と、各指向性マイクロホンが収音したアナ口 グ音声をデジタル音声に変換するアナログデジタル変換部 112と、ズーム操作に応 じて生成されたズーム制御信号とデジタル音声とを記録する収音信号記録部 113と を備えている。ここで、上記の撮影装置は、テレ端力もワイド端までズームを切り替え ることができるズームレンズ部 201と、ズームレンズ部 201を制御するズーム制御部 2 02とを有するものとする。

[0061] マルチチャンネル収音部 111は、撮影装置が向けられている方向から到来する音 を収音する指向性マイクロホン 11 laと、撮影装置の左前方力 到来する音を収音す る指向性マイクロホン 11 lbと、撮影装置の右前方力 到来する音を収音する指向性 マイクロホン 11 lcと、撮影装置の左後方から到来する音を収音する指向性マイクロホ ン 11 Idと、撮影装置の右後方力 到来する音を収音する指向性マイクロホン 11 と を含んでいる。

[0062] 撮影方向から到来する音を収音する指向性マイクロホン 11 laの指向性 ¾|¾くする ことは、ズーム効果をより上げることができ好ましい。ただし、指向性マイクロホン 11 la 〜eのいずれか 1つ以上を、複数の無指向性マイクロホンと、整相処理等の所定の信 号処理を行う手段とで構成して指向性を持たせたものに代えるのでもよい。

[0063] アナログデジタル変換部 112は、マルチチャンネル収音部 111を構成する指向性 マイクロホン 11 la〜e毎に設けられ、各指向性マイクロホン 11 la〜eから出力された アナログ音声をデジタル音声に変換する複数のアナログデジタル変換器 (以下単に 、 AZD変換器という） 112a乃至 112eを含んでいる。

[0064] 収音信号記録部 113は、アナログデジタル変換部 112から出力されたデジタル音 声と、ズーム制御部 202から出力されたズーム制御信号とを取得し、撮影装置がズ ーム操作された時刻とマルチチャンネル収音部が音声を収音した時刻とを一致させ てデジタル音声とズーム制御信号をディスク、テープ等の所定の記録媒体に記録す るようになっている。ここで、入力されたデジタル音声は、収音した指向性マイクロホン l l la〜e毎に、対応する上記の記録媒体の記録領域 (以下、チャンネル毎の記録領 域という。 )に記録される。また、収音信号記録部 113は、音声信号とズーム制御信号 とを記憶媒体に記録するようになって 、る。

[0065] 図 2は、収音信号記録部 113が記録するズーム制御信号の一例を示す図である。

図 2に示すように、ズーム制御信号のレベルを縦軸にとり、収音時刻を横軸にとり、各 サンプリング時刻のズーム制御信号が 3ビットの信号として表されて 、る。図 2では、 テレ端が「000」で、ワイド端が「111」で表され、ズームがワイド端力 テレ端に移り、 テレ端力 ワイド端に戻るときのズーム制御信号の例が表されている。

[0066] なお、収音した音声を記録する記録領域のうちのいずれかに、収音した音声の下 位ビットをズーム制御信号で置き換え記録することは、新たな記録領域を設けること を要せず、記録領域の削減等の観点から好ましい。ここで、ズーム制御信号が記録さ れている力否かの情報を、例えば、各チャンネルの音声のヘッダの所定位置に書き 込むのでもよい。また、ズーム制御信号が記録されている力否かの情報を、音声の下 位の 2ビットに書き込むのでもよい。また、所定の規格の下で信号に対して AAC (Ad vanced Audio Coding)等の音声符号ィ匕を行い記録するのは、記録領域を縮小 できる等の観点から好ましい。また、収音信号記録部 113は、記録する信号を一時的 に記憶するノッファメモリを有するのでもよ 、。

[0067] 以下、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置 11の動作に ついて説明する。

[0068] 撮影の開始されると、各方向からの音声が指向性マイクロホン 11 la〜eによって収 音され、アナログ音声としてアナログデジタル変換部 112に入力される。アナログデジ タル変換部 112に入力されたアナログ音声は、デジタル音声に変換され収音信号記 録部 113に出力される。

[0069] 並行して、ズーム制御部 202からズーム制御信号が、収音信号記録部 113に出力 される。収音信号記録部 113に出力されたデジタルの各音声は、ディスク、テープ等 の所定の記録媒体のチャンネル毎の記録領域に記録される。ここで、収音信号記録 部 113に出力されたデジタルの各音声およびズーム制御信号は、バッファメモリを用 いてバッファリングして力 記録されるのでもよい。また、収音した音声を記録する記 録領域のうちの 、ずれかに、収音した音声の下位ビットをズーム制御信号で置き換 えて記録するのでもよい。さらに、記録に先立ち、所定の音声符号ィヒ処理がなされる のでもよい。

[0070] 本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置は、撮影時のズ ーム操作に応じて音声を再生できるように音声のゲインを制御して出力するようにな つている。図 3は、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装 置の構成を示すブロック図である。図 3において、マルチチャンネル音声再生装置 1 2は、各チャンネルの音声とズーム制御信号とを対応付けて所定の記録媒体力 読 み出す収音信号読出し部 121と、収音信号読出し部 121が読み出した音声の再生 モードを切り替えるモード切替スィッチ 122と、モード切替スィッチ 122で指定される 再生モードに応じてゲインを制御するゲイン制御部 123とを有する。

[0071] 収音信号読出し部 121は、チャンネル毎に対応する記録領域に記録された各音声 を上記の記録媒体力 チャンネル毎に読み出すと共に、ズーム制御信号を読み出し 、収音時刻を介して同期させて出力するようになっている。ここで、各チャンネルの音 声はゲイン制御部 123に出力され、ズーム制御信号はモード切替スィッチ 122に出 力される。

[0072] また、記録媒体に音声符号化されて記録された各音声およびズーム制御信号を読 み出す場合、読み出した後に復号するようになつている。ここで、ズーム制御信号が 所定のチャンネルの音声の下位ビットに記録されて ヽる場合は、この下位ビット部分 をコピーしてズーム制御信号としモード切替スィッチ 122に出力するようになっている

[0073] マルチチャンネル音声再生装置 12は、収音信号読出し部 121が読み出した音声 をズーム制御信号に応じて再生するズーム再生モードと、収音信号読出し部 121が 読み出した音声を所定の制御モードで再生する既定再生モードとの 2つの再生モー ドで音声を再生し、モード切替スィッチ 122は、上記のズーム再生モードと既定再生 モードとを切り替えるようになって!/、る。

[0074] モード切替スィッチ 122は、例えば、ズーム再生モードのときにズーム制御信号が 収音信号読出し部 121からゲイン制御部 123に伝達されるようにし、既定再生モード のときにズーム制御信号が収音信号読出し部 121からゲイン制御部 123に伝達され ないようにする。具体的には、ハードウェアボタン、タツチパネル上のボタン等を押下 して入力されたユーザの操作に応じて再生モードが切り替わるようにするのでもよい 。以下、モード切替スィッチ 122がオンのときにズーム再生モードが選択され、オフの ときに既定再生モードが選択されて 、るものとする。 [0075] ゲイン制御部 123は、ズーム再生モードで、収音信号読出し部 121が読み出した 各チャンネルの音声のゲインをズーム制御信号に応じて制御し、既定再生モードで、 収音信号読出し部 121が読み出した音声のゲインを所定の制御方法で制御するよう になっている。図 4は、本発明の第 1の実施の形態に係るゲイン制御部 123の構成の 一例を示すブロック図である。

[0076] 図 4において、ゲイン制御部 123は、各チャンネルに対応して設けられた乗算器 12 3a〜eと、各乗算器 123a〜eが対応するチャンネルの音声に乗ずる係数を撮影時の ズームの状態に応じて設定するゲイン設定手段 123fとを有し、ゲイン設定手段 123f が設定する係数を介して各チャンネルの音声のゲインを制御するようになって 、る。 具体的には、乗算器 123a〜eは、それぞれ、入力された音声にゲイン設定手段 123 fによって設定された各係数を乗ずるようになって!/、る。

[0077] 図 5は、上記の係数の設定方法について説明するための図である。図 5 (A)はゲイ ン設定手段 123fに入力されたズーム制御信号の一例を示す図であり、図 5 (al)〜（ a5)は各乗算器 123a〜eに出力する上記の係数の信号の一例（以下、第 1例という。 )であり、図 5 (bl)〜(b5)は上記の係数の信号の他の一例（以下、第 2例という。）で ある。

[0078] 上記の第 1例、第 2例とも、ゲイン設定手段 123fが、乗算器 123b〜eに、ズームが ワイド端のときに係数として「1」を設定し、テレ端のときに「0近傍の値」を設定する点 で共通する。しかし、乗算器 123aには、ゲイン設定手段 123fは、ズームがワイド端の とき、第 1例では係数として「0」を設定し、第 2例では係数として「1」を設定し、テレ端 のとき、第 1例では係数として「1」を設定し、第 2例では係数として「2」を設定する。こ こで、ワイド端とテレ端の間では、第 1例、第 2例とも、ゲイン設定手段 123fは、ズーム 制御信号に応じて変化する係数を設定するようになって 、る。このようにして略連続 的にズームが変化するようになっている。これによつて、音声は画角に応じて音声の ズームの状態が切り替えられることになる。

[0079] ゲイン制御部 123は、ゲイン設定手段 123fにズーム制御信号が伝達されない場合 は、予め設定されたデータまたは不図示の外部の手段を介して入力された信号に応 じて各乗算器 123a〜eに係数を設定する。ここで、上記の外部の手段を介して入力 される信号として、例えば、操作パネル等を介してユーザにズームの状態を設定させ 、設定操作で得られた信号とするのでもよい。

[0080] 以下、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置 12の動 作について説明する。音声の再生の開始と共に、音声およびズーム制御信号が記 録された記録媒体から、収音信号読出し部 121によってチャンネル毎に各音声が読 み出されると共にズーム制御信号を読み出され、チャンネル毎の各音声とズーム制 御信号とが同期して出力される。

[0081] 各チャンネルの音声はゲイン制御部 123に出力され、ズーム制御信号はモード切 替スィッチ 122に出力される。ここで、上記の記録媒体に各音声が音声符号化されて 記録されている場合、各音声は復号処理が施された後、出力される。また、ズーム制 御信号が所定のチャンネルの音声の下位ビットに記録されて ヽる場合は、この下位 ビット部分がズーム制御信号として出力される。

[0082] モード切替スィッチ 122に出力されたズーム制御信号は、モード切替スィッチ 122 がオンのときにゲイン制御部 123のゲイン設定手段 123fに伝達され、ゲイン設定手 段 123fによって各乗算器 123a〜eに設定する係数に変換される。以下、モード切替 スィッチ 122がオンになっている場合、すなわちズーム再生モードでの動作について 説明する。ズーム制御信号に応じて設定された各係数は、各乗算器 123a〜eに出 力される。

[0083] ゲイン制御部 123に出力された各チャンネルの音声は、それぞれ、各乗算器 123a 〜eによって、ゲイン設定手段 123fが設定した係数が乗じられ、チャンネル毎に外部 の装置に出力される。これによつて、再生される音声は撮影時の画角に応じて音声 のズームの状態が切り替えられ、マルチチャンネル音声再生装置 12から出力される ことになる。

[0084] マルチチャンネル音声再生装置 12から出力された各チャンネルの音声は、例えば 図 3に示す構成の装置の、デジタルアナログ変換器 203a〜eによって、チャンネル毎 にアナログ音声に変換され、パワーアンプ 204a〜eによって、チャンネル毎に電力増 幅され、ラウドスピーカ 205a〜eによって撮影時の音場が再生される。

[0085] 次に、モード切替スィッチ 122がオフになっている場合、すなわち既成再生モード での動作について説明する。この場合、モード切替スィッチ 122に出力されたズーム 制御信号は、モード切替スィッチ 122がオフのときはゲイン設定手段 123fに伝達さ れず、各チャンネルの音声は、それぞれ各乗算器 123a〜eによって、予め設定され たデータまたは不図示の外部の手段を介して入力された信号によって指定される係 数が乗じられ、チャンネル毎に外部の装置に出力される。これによつて、撮影時のズ ーム操作と独立に音声を再生することが可能となる。具体的には、ユーザが各チャン ネルの音声のゲインを設定することによって、ユーザの嗜好に応じた音声の再生が 可能となる。

[0086] なお、本発明の第 1の実施の形態では、マルチチャンネル収音装置 11がデジタル の信号を記録媒体に記録し、マルチチャンネル音声再生装置 12が記録媒体力 読 み出して再生しデジタル信号として出力する構成例について説明したが、本発明の 適用範囲は、この構成に限られるものではなぐアナログ信号を記録媒体に記録して 再生する構成に対しても同様に適用される。アナログ信号を記録する場合、マルチ チャンネル収音装置 11は、アナログデジタル変換部 112を除 、たものとして構成さ れ、アナログ信号を再生する場合、マルチチャンネル音声再生装置 12は、デジタル アナログ変換部 203a〜eを除いたものとして構成される。

[0087] また、上記では、マルチチャンネル収音装置 11とマルチチャンネル音声再生装置 12とが分離した別個の装置として構成される例について説明したが、図 6に示すよう に収音力 再生まで行う単一のマルチチャンネル収音再生装置として構成されるの でもよい。この場合、収音信号記録部 113および収音信号読出し部 121は、収音信 号記録部 113が行う音声等の記録動作と、収音信号読出し部 121が行う音声等の読 出し動作とを行う、例えばノ、ードディスク、ディスク装置等の収音信号記録読出し部 1 20によって構成されるのでもよい。

[0088] 以上説明したように、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装 置は、収音信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立に読み出 せるように記録するため、再生時に音声のズームを変更することができる。

[0089] また、撮影方向を含む複数の方向から到来する音声を収音して記録するため、ズ ーム変更機能と組み合わせることで臨場感を高めユーザの要求に応じ易くすることが できる。

[0090] また、収音信号記録部が、 V、ずれかのチャンネルの音声の下位ビットにズーム制御 信号を記録するため、ズーム制御信号を記録するための別途の記録領域を削減す ることがでさる。

[0091] また、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置は、収音 信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立に読み出し、モード 切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生モードとを切り替えられるようにし たため、収音時のズームでもスルーを含めたユーザが設定したズームでも、再生時 に音声のズームを変更することができる。

[0092] また、撮影方向を含む複数の方向から到来する音声を収音したものを読み出すた め、ズーム変更機能と組み合わせることで臨場感を高めユーザの要求に応じ易くす ることがでさる。

[0093] また、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル収音再生装置は、収音 信号記録部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立に読み出せるように記 録し、収音信号読出し部がズーム制御信号と各チャンネルの音声とを独立に読み出 し、モード切替スィッチを介してズーム再生モードと既定再生モードとを切り替えられ るようにしたため、再生時に音声のズームを変更することができる。

[0094] また、撮影方向を含む複数の方向から到来する音声を収音して再生するため、ズ ーム変更機能と組み合わせることで臨場感を高めユーザの要求に応じ易くすることが できる。

[0095] また、収音信号記録部が、 V、ずれかのチャンネルの音声の下位ビットにズーム制御 信号を記録するため、ズーム制御信号を記録するための別途の記録領域を削減す ることがでさる。

[0096] (第 2の実施の形態）

本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置は、 2つの指向性マ イク口ホンからなるステレオマイクロホンによってマルチチャンネル収音部が構成され る。図 7は、本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置の構成を 示すブロック図である。本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装 置 21の構成要素のうち、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装 置 11の構成要素と同様のものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。

[0097] 本実施例では、マルチチャンネル収音部 211は、ステレオマイクを構成する 2つの 指向性マイクロホン 21 lb及び 211cを有し、左右に指向性を有するステレオマイクロ ホンを構成している。ここで、マルチチャンネル収音部 211が、複数の無指向性マイ クロホンと整相処理等の所定の信号処理を行う手段によって構成されてもよい。

[0098] 指向性マイクロホン 2 l ibは、撮影方向左側から到来する音を収音し、指向性マイ クロホン 211cは、撮影方向右側力も到来する音を収音するようになっている。

[0099] アナログデジタル変換部 212は、アナログデジタル変換器 112b及び 112cを含み、 第 1の実施の形態のアナログデジタル変換部 112の機能と同様の機能を有している 。アナログデジタル変 12b及び 112cは、対応する指向性マイクロホン 21 lb及 び 21 lcから出力されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換し、収音信号 記録部 213に出力するようになっている。

[0100] 収音信号記録部 213は、本発明の第 1の実施の形態の収音信号記録部 113の機 能と同様の機能を有している。収音信号記録部 213は、アナログデジタル変換部 21 2からのデジタル音声信号をチャンネル毎の記録領域に記録するようになって 、る。

[0101] 本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置の動作は、本発明の 第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置の動作と同様であるため、その 説明を省略する。

[0102] 本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置は、 2つの指向 性マイクロホン力もなるステレオマイクロホンを用いて収音された音声を、撮影時のズ ーム操作に応じて再生する構成を有する。

[0103] 図 8は、本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置の構成 を示すブロック図である。本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再 生装置 22の構成要素の内、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル音 声再生装置 12の構成要素と同様のものについては同一の符号を付し、その説明を 省略する。

[0104] 収音信号読出し部 221は、本発明の第 1の実施の形態で説明した収音信号読出し 部 121の機能と同様の機能を有する。ただし、収音信号読出し部 121が 5チャンネル の音声を読み出すのに対して、収音信号読出し部 221は 2チャンネルの音声を読み 出すようになつている。

[0105] ゲイン制御部 223は、本発明の第 1の実施の形態で説明した機能と同様に、ズーム 再生モードで、収音信号読出し部 221が読み出した各チャンネルの音声のゲインを ズーム制御信号に応じて制御し、既定再生モードで、収音信号読出し部 221が読み 出した音声のゲインを所定の制御方法で制御するようになっている。ただし、ゲイン 制御部 223は、本発明の第 1の実施の形態で説明したものとは、構成および信号処 理が以下に説明するように異なって 、る。

[0106] 図 9は、本発明の第 2の実施の形態に係るゲイン制御部 223の構成の一例が示さ れたブロック図である。図 9に示すように、ゲイン制御部 223は、左チャンネルの一対 の乗算器 223A及び 223Cと、右チャンネルの一対の乗算器 223B及び 223Dと、乗 算器 223A乃至 223Dが音声に乗ずる係数 ocを撮影時のズーム制御信号に応じて 設定するゲイン設定手段 223Fと、乗算器 223Aと乗算器 223Dの出力を加算する加 算器 223Lと、乗算器 223Bと乗算器 223Cの出力を加算する加算器 223Rとを有し 、ゲイン設定手段 223Fが設定する係数 ocを介して各チャンネルの音声のゲインを制 御して混合するようになって!/、る。

[0107] 具体的には、ゲイン制御部 223は、以下の式（2a)、 (2b)に示す信号処理を行うよ うになつている。

[0108] yL (t) = a X xL (t) + ( l - a ) X xR (t) (2a)

yR (t) = a X xR (t) + ( l - a ) X xL (t) (2b)

ここで、 xL (t)と xR (t)はそれぞれ撮影方向の左側と右側から到来する音声を表し、 yL (t)と yR (t)はそれぞれ左チャンネルと右チャンネルに出力する音声を表し、 aは 乗算器 223A、 223Bが乗算する係数であり、（1— α )は乗算器 223C、 223Dが乗 算する係数である。

[0109] すなわち、ゲイン制御部 223は、図 9に示すように、ゲイン設定手段 223F力 ズー ム制御信号に基づいて上記の αおよび（1 α )を生成して αを各乗算器 223A、 B に出力すると共に（1 α )を各乗算器 223C、 223Dに出力し、乗算器 223Aが音声 xL (t)〖こ係数 ocを乗じて上記の式（2a)の第 1項に示す音声を生成し、乗算器 223C が音声 xL (t)に係数（ 1 α )を乗じて上記の式 (2b)の第 2項に示す音声を生成し、 乗算器 223Bが音声 xR (t)〖こ係数 αを乗じて上記の式（2b)の第 1項に示す音声を 生成し、乗算器 223Dが音声 xR (t)〖こ係数（1— α )を乗じて上記の式（2a)の第 2項 に示す音声を生成し、加算器 223Lが乗算器 223A力もの出力 a X xL (t)と乗算器 223Dからの出力（1- α ) X xR (t)とをカ卩算して左チャン

ネルの音声として出力し、加算器 223Rが乗算器 223Bからの出力 a X xR (t)と乗算 器 223C力もの出力（1- α ) X xL (t)とを加算して右チャンネルの音声として出力する ようになっている。

[0110] 図 10は、上記の係数 aの設定方法の一例を示す図である。図 10において、係数 aは、ズームがワイド端のときに「1」の値をとり、テレ端のときに「0. 5」の値をとるよう に設定される。ワイド端とテレ端の間では、係数 aは、ズーム制御信号に応じて略連 続的に変化するように設定される。このように、テレ端のときに、係数 aを「0. 5」とす ることによって音声がモノラル音声となり、音声を遠方力 到来するように再生すること ができる。

[0111] マルチチャンネル収音装置 21およびマルチチャンネル音声再生装置 22の動作は 、本発明の第 1の実施の形態で説明したマルチチャンネル収音装置 11およびマル チチャンネル音声再生装置 12の動作と同様であるため、その説明を省略する。

[0112] また、本発明の第 2の実施の形態では、マルチチャンネル収音装置 21がデジタル の信号を記録媒体に記録し、マルチチャンネル音声再生装置 22が記録媒体力 読 み出して再生しデジタル信号として出力する構成例について説明したが、本発明の 第 1の実施の形態と同様に、本発明の適用範囲は、この構成に限られるものではなく 、アナログ信号を記録媒体に記録して再生する構成に対しても同様に適用される。ァ ナログ信号を記録する場合、マルチチャンネル収音装置 21は、アナログデジタル変 換部 212を除いたものとして構成され、アナログ信号を再生する場合、マルチチャン ネル音声再生装置 22は、デジタルアナログ変換部 203b、 cを除いたものとして構成 される。

[0113] また、上記では、マルチチャンネル収音装置 21とマルチチャンネル音声再生装置 22とが分離した別個の装置として構成される例にっ 、て説明したが、図 11に示すよ うに収音力 再生まで行う単一のマルチチャンネル収音再生装置として構成されるの でもよい。この場合、収音信号記録部 213および収音信号読出し部 221は、収音信 号記録部 213が行う音声等の記録動作と、収音信号読出し部 221が行う音声等の読 出し動作とを行う、例えばノ、ードディスク、ディスク装置等の収音信号記録読出し部 2

20によって構成されるのでもよい。

[0114] 以上説明したように、本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装 置は、本発明の第 1の実施の形態の効果に加え、撮影方向の左右方向から到来す る音声を収音して記録するため、ズーム変更機能と組み合わせることで臨場感を高 めユーザの要求に応じ易くすることができる。

[0115] また、本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置は、本発 明の第 1の実施の形態の効果に加え、撮影方向の左右方向から到来する音声を収 音したものを読み出すため、ズーム変更機能と組み合わせることで臨場感を高めュ 一ザの要求に応じ易くすることができる。

[0116] また、本発明の第 2の実施の形態に係るマルチチャンネル収音再生装置は、本発 明の第 1の実施の形態の効果に加え、撮影方向の左右方向から到来する音声を収 音して再生するため、ズーム変更機能と組み合わせることで臨場感を高めユーザの 要求に応じ易くすることができる。

[0117] (第 3の実施の形態）

図 12は、本発明の第 3の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置の構成を示 すブロック図である。本発明の第 3の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装置 3 1は、モノラル音声を収音すること以外は、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチ チャンネル収音装置 11と構成および機能が同様である。本発明の第 3の実施の形態 に係るマルチチャンネル収音装置 31の各構成部分のうち、本発明の第 1の実施の形 態に係るマルチチャンネル収音装置 11の構成部分と同様のものについては同一の 符号を付し、その説明を省略する。

[0118] 本発明の第 3の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置は、モノラル音 声を撮影時のズーム操作に応じて再生する構成を有する。図 13は、本発明の第 3の 実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第 3の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置 32の各構成部分 のうち、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置 12の構成 部分と同様のものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。

[0119] 収音信号読出し部 321は、本発明の第 1の実施の形態で説明した収音信号読出し 部 121の機能と同様の機能を有する。ただし、収音信号読出し部 121が 5チャンネル の音声を読み出すのに対して、収音信号読出し部 221はモノラル音声を読み出すよ うになつている。

[0120] ゲイン制御部 323は、本発明の第 1の実施の形態で説明した機能と同様に、ズーム 再生モードのときは、収音信号読出し部 321が読み出したモノラル音声のゲインをズ ーム制御信号に応じて制御し、既定再生モードのときは、収音信号読出し部 321が 読み出したモノラル音声のゲインを所定の制御方法で制御するようになって!/、る。た だし、ゲイン制御部 323は、本発明の第 1の実施の形態で説明したものとは、構成お よび信号処理が以下に説明するように異なる。

[0121] 図 14は、本発明の第 3の実施の形態に係るゲイン制御部 323の構成の一例を示す ブロック図である。図 14において、ゲイン制御部 323は、音声に係数を乗ずる乗算器 123aと、この係数を撮影時のズームの状態に応じて設定するゲイン設定手段 323^ を有する。具体的には、図 15に示すように、ゲイン設定手段 323fは、ワイド端のとき に係数を「1」に設定し、テレ端のときはズーム効果を表すために係数を「2」に設定す る。ワイド端とテレ端の中間では、ズームに応じて係数を略連続的に変化させる。

[0122] マルチチャンネル収音装置 31およびマルチチャンネル音声再生装置 32の動作は 、本発明の第 1の実施の形態で説明したマルチチャンネル収音装置 11およびマル チチャンネル音声再生装置 12の動作と同様であるため、その説明を省略する。

[0123] また、本発明の第 3の実施の形態では、マルチチャンネル収音装置 31がデジタル の信号を記録媒体に記録し、マルチチャンネル音声再生装置 32が記録媒体力 読 み出して再生しデジタル信号として出力する構成例について説明したが、本発明の 第 1の実施の形態と同様に、本発明の適用範囲は、この構成に限られるものではなく 、アナログ信号を記録媒体に記録して再生する構成に対しても同様に適用される。ァ ナログ信号を記録する場合、マルチチャンネル収音装置 31は、アナログデジタル変 換部 312を除いたものとして構成され、アナログ信号を再生する場合、マルチチャン ネル音声再生装置 32は、デジタルアナログ変換部 203aを除 、たものとして構成され る。

[0124] また、上記では、マルチチャンネル収音装置 31とマルチチャンネル音声再生装置 32とが分離した別個の装置として構成される例について説明したが、図 16に示すよ うに収音力 再生まで行う単一のマルチチャンネル収音再生装置として構成されるの でもよい。この場合、収音信号記録部 313および収音信号読出し部 321は、収音信 号記録部 313が行う音声等の記録動作と、収音信号読出し部 321が行う音声等の読 出し動作とを行う、例えばノ、ードディスク、ディスク装置等の収音信号記録読出し部 3 20によって構成されるのでもよい。

[0125] 以上説明したように、本発明の第 3の実施の形態に係るマルチチャンネル収音装 置は、本発明の第 1の実施の形態の効果にカ卩え、単一の指向性マイクロホンによつ てマルチチャンネル収音部が構成されるため、簡易な構成にすることができる。

[0126] また、本発明の第 3の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置は、本発 明の第 1の実施の形態の効果に加え、ズームの状態に応じて再生する音声のゲイン を制御するため、単一のチャンネルの音声に対しても収音時のズームによりきめ細か く対応して音声を再生することができる。

[0127] また、本発明の第 3の実施の形態に係るマルチチャンネル収音再生装置は、本発 明の第 1の実施の形態の効果に加え、単一のチャンネルの音声に対しても収音時の ズームによりきめ細力べ対応して音声を再生することができる。

[0128] (第 4の実施の形態）

図 17は、本発明の第 4の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置の構 成を示すブロック図である。本発明の第 4の実施の形態に係るマルチチャンネル音声 再生装置 42は、例えば、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル収音 装置 11が記憶媒体に記録した音声を再生するものであり、ゲイン制御部 123の出力 側に周波数特性制御部 424が設けられていること以外は、本発明の第 1の実施の形 態に係るマルチチャンネル音声再生装置 12と構成および機能が同様である。本発 明の第 4の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置 42の各構成部分のう ち、本発明の第 1の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再生装置 12の構成部 分と同様のものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。

[0129] 周波数特性制御部 424は、チャンネル毎に、公知の FIR (Finite Impulse Resp onse)フィルタ、 IIR (Infinite Impulse Response)フィルタ等のデジタルフィルタ 4 24a〜eを有し、チャンネル毎に音声の周波数スペクトルを設定できるようになって!/ヽ る。具体的には、周波数特性制御部 424は、テレ端のとき、ゲインが相対的に高くさ れた撮影方向の音声に対して、低域成分および高域成分のいずれか一方または両 方を低減または除去し、または、低域成分および高域成分のいずれか一方または両 方を強調し、または、それらを組み合わせたフィルタ処理を行うようになっている。これ によって、周波数特性制御部 424は、より臨場感の高い音声を再生できる。

[0130] マルチチャンネル音声再生装置 42の動作は、周波数特性制御部 424が所定のフ ィルタ処理を行う以外本発明の第 1の実施の形態で説明したマルチチャンネル音声 再生装置 12の動作と同様であるため、その説明を省略する。

[0131] なお、本発明の第 4の実施の形態では、マルチチャンネル収音装置 11がデジタル の信号を記録媒体に記録し、マルチチャンネル音声再生装置 42が記録媒体力 読 み出して再生しデジタル信号として出力する構成例について説明したが、本発明の 適用範囲は、この構成に限られるものではなぐアナログ信号を記録媒体に記録して 再生する構成に対しても同様に適用される。

[0132] また、上記では、マルチチャンネル収音装置 11とマルチチャンネル音声再生装置 42とが分離した別個の装置として構成される例について説明したが、図 18に示すよ うに収音力 再生まで行う単一のマルチチャンネル収音再生装置として構成されるの でもよい。この場合、収音信号記録部 113および収音信号読出し部 121は、収音信 号記録部 113が行う音声等の記録動作と、収音信号読出し部 121が行う音声等の読 出し動作とを行う、例えばノ、ードディスク、ディスク装置等の収音信号記録読出し部 4 20によって構成されるのでもよい。

[0133] 以上説明したように、本発明の第 4の実施の形態に係るマルチチャンネル音声再 生装置は、本発明の第 1の実施の形態の効果に加え、周波数特性制御部がズーム 制御信号に応じて音声の周波数スペクトルを制御するため、ズームに応じて臨場感 を現出し易くすることができる。

[0134] また、本発明の第 4の実施の形態に係るマルチチャンネル収音再生装置は、本発 明の第 1の実施の形態の効果に加え、周波数特性制御部がズーム制御信号に応じ て音声の周波数スペクトルを制御するため、ズームに応じて臨場感を現出し易くする ことができる。

産業上の利用可能性

[0135] 本発明に係るマルチチャンネル収音装置、マルチチャンネル音声再生装置、およ びマルチチャンネル収音再生装置は、撮影装置がズーム操作された時刻とマルチチ ヤンネル収音部が音声を収音した時刻とを一致させて音声信号とズーム制御信号と を記憶媒体に記録し、音声が再生されるとき、ズーム制御信号に基づいて音声信号 を制御することができるという効果を有し、マルチチャンネル収音装置、マルチチャン ネル音声再生装置、およびマルチチャンネル収音再生装置等として有用である。

Claims

請求の範囲

[1] ズーム操作が可能な撮影装置の周囲から到来する音声を収音し、前記音声が示さ れた音声信号を生成するマルチチャンネル収音部と、

前記撮影装置からのズーム制御信号と前記マルチチャンネル収音部からの音声信 号を受け取り、前記撮影装置がズーム操作された時刻と前記マルチチャンネル収音 部が前記音声を収音した時刻とを一致させて前記ズーム制御信号と前記音声信号と を記憶媒体に記録する収音信号記録部とを備えることを特徴とするマルチチャンネ ル収音装置。

[2] 前記マルチチャンネル収音部は、前記撮影装置の周囲の複数の方向からの音声 を収音する複数の指向性マイクロホンを有することを特徴とする請求項 1に記載のマ ルチチャンネル収音装置。

[3] 前記マルチチャンネル収音部は、前記撮影装置の左及び右方向からの音声を収 音する 1対の指向性マイクロホンを有することを特徴とする請求項 1に記載のマルチ チャンネル収音装置。

[4] 前記マルチチャンネル収音部は、前記撮影装置の撮影方向からの音声を収音する 指向性マイクロホンを有することを特徴とする請求項 1に記載のマルチチャンネル収 音装置。

[5] 前記収音信号記録部は、前記音声信号に前記ズーム制御信号を多重化し、前記 ズーム制御信号が多重化された音声信号を前記記憶媒体に記録することを特徴と する請求項 1に記載のマルチチャンネル収音装置。

[6] 記録媒体から音声信号とズーム制御信号を読み出す収音信号読出し部と、

前記音声信号をチャンネル毎に制御するゲイン制御部と、

前記ゲイン制御部に前記収音信号読出し部からの前記ズーム制御信号を受け取ら せ、前記ゲイン制御部をズーム再生モードで動作させる状態と、前記ゲイン制御部に 前記収音信号読出し部からの前記ズーム制御信号を受け取らせることを阻止し、前 記ゲイン制御部を既定再生モードで動作させる状態とを取るモード切替スィッチとを 備えることを特徴とするマルチチャンネル音声再生装置。

[7] 前記ゲイン制御部は、前記音声信号にゲインを乗算する乗算器と、前記ズーム制 御信号に応じたゲインを前記乗算器に設定するゲイン設定部とを含むことを特徴とす る請求項 6に記載のマルチチャンネル音声再生装置。

[8] 前記撮影装置のレンズがテレ端に位置するときに収音された音声を再生するとき、 前記ゲイン制御部は、前記撮影方向からの音声が示された音声信号のゲインを前記 撮影方向以外力もの音声が示された音声信号のゲインよりも高く設定することを特徴 とする請求項 6に記載のマルチチャンネル音声再生装置。

[9] 前記撮影装置のレンズがワイド端に位置するときに収音された音声を再生するとき 、前記ゲイン制御部は、前記撮影装置の右及び左方向からの音声が示された 1対の 音声信号からステレオ音声が再生されるよう前記 1対の音声信号のゲインを設定し、 前記撮影装置のレンズがテレ端に位置するときに収音された音声を再生するとき、 前記ゲイン制御部は、前記撮影装置の右及び左方向からの音声が示された 1対の 音声信号力 モノラル音声が再生されるよう前記 1対の音声信号のゲインを設定する ことを特徴とする請求項 6に記載のマルチチャンネル音声再生装置。

[10] 前記撮影装置のレンズがワイド端とテレ端の中間に位置するときに収音された音声 を再生するとき、前記ゲイン制御部は、前記記憶媒体から読み取られたズーム制御 信号に基づいて前記撮影装置の周囲からの複数の音声が示された複数の音声信号 のゲインを設定することを特徴とする請求項 6に記載のマルチチャンネル音声再生装 置。

[11] 前記ゲイン制御部からの音声信号の周波数スペクトルをチャンネル毎に制御する 周波数特性制御部を備えることを特徴とする請求項 6から請求項 10までの何れかに 記載のマルチチャンネル音声再生装置。

[12] ズーム操作が可能な撮影装置に搭載され、前記撮影装置の周囲からの音声を収 音し、収音した音が示された音声信号を生成するマルチチャンネル収音部と、 前記撮影装置がズーム操作された時刻と前記マルチチャンネル収音部が前記音 声を収音した時刻とを一致させて前記音声信号と前記ズーム制御信号とを記憶媒体 に記録し、更に、前記記憶媒体から前記音声信号と前記ズーム制御信号を読み出 す収音信号記録読出し部と、

前記音声信号をチャンネル毎に制御するゲイン制御部と、 前記ゲイン制御部に前記収音信号記録読出し部からの前記ズーム制御信号を受 け取らせ、前記ゲイン制御部をズーム再生モードで動作させる状態と、前記ゲイン制 御部に前記収音信号記録読出し部からの前記ズーム制御信号を受け取らせることを 阻止し、前記ゲイン制御部を既定再生モードで動作させる状態とを取るモード切替ス イッチとを備え、

前記収音信号記録読出し部は、前記モード切替スィッチが前記ズーム再生モード に就!、て!、るときに、前記ズーム制御信号に基づ!、て前記音声信号をチャンネル毎 に制御し、前記モード切替スィッチが前記既定再生モードに就いているときに、所定 の制御方法で音声信号をチャンネル毎に制御することを特徴とするマルチチャンネ ル収音再生装置。

[13] 前記ゲイン制御部は、前記音声信号にゲインを乗算する乗算器と、前記ズーム制 御信号に応じたゲインを前記乗算器に設定するゲイン設定部とを含むことを特徴とす る請求項 12に記載のマルチチャンネル収音再生装置。

[14] 前記マルチチャンネル収音部は、前記撮影装置の周囲の複数の方向からの音声 を収音する複数の指向性マイクロホンを有することを特徴とする請求項 12に記載の マルチチャンネル収音再生装置。

[15] 前記マルチチャンネル収音部は、前記撮影装置の右及び左方向からの音声を収 音する 1対の指向性マイクロホンを有することを特徴とする請求項 12に記載のマルチ チャンネル収音再生装置。

[16] 前記マルチチャンネル収音部が、前記撮影装置の撮影方向からの音声を収音する 指向性マイクロホンを有することを特徴とする請求項 12に記載のマルチチャンネル 収音再生装置。

[17] 前記収音信号記録部が、前記音声信号に前記ズーム制御信号を多重化し、前記 ズーム制御信号が多重化された音声信号を前記記憶媒体に記録することを特徴と する請求項 12に記載のマルチチャンネル収音再生装置。

[18] 前記撮影装置のレンズがテレ端に位置するときに収音された音声を再生するとき、 前記ゲイン制御部は、前記撮影方向からの音声が示された音声信号のゲインを前記 撮影方向以外力もの音声が示された音声信号のゲインよりも高く設定することを特徴 とする請求項 12に記載のマルチチャンネル収音再生装置。

[19] 前記撮影装置のレンズがワイド端に位置するときに収音された音声を再生するとき 、前記ゲイン制御部は、前記撮影装置の右及び左方向からの音声が示された 1対の 音声信号からステレオ音声が再生されるよう前記 1対の音声信号のゲインを設定し、 前記撮影装置のレンズがテレ端に位置するときに収音された音声を再生するとき、 前記ゲイン制御部は、前記撮影装置の右及び左方向からの音声が示された 1対の 音声信号力 モノラル音声が再生されるよう前記 1対の音声信号のゲインを設定する ことを特徴とする請求項 12に記載のマルチチャンネル収音再生装置。

[20] 前記撮影装置のレンズがワイド端とテレ端の中間に位置するときに収音された音声 を再生するとき、前記ゲイン制御部は、前記記憶媒体から読み取られたズーム制御 信号に基づいて前記撮影装置の周囲からの複数の音声が示された複数の音声信号 のゲインを設定することを特徴とする請求項 12に記載のマルチチャンネル収音再生 装置。

[21] 前記ゲイン制御部からの音声信号の周波数スペクトルをチャンネル毎に制御する 周波数特性制御部を備えることを特徴とする請求項 12から請求項 20までの何れか に記載のマルチチャンネル収音再生装置。