WO2006087875A1

WO2006087875A1 - バランス型弾性波フィルタ装置

Info

Publication number: WO2006087875A1
Application number: PCT/JP2005/024036
Authority: WO
Inventors: Masaru Yata
Original assignee: Murata Manufacturing Co., Ltd.
Priority date: 2005-02-16
Filing date: 2005-12-28
Publication date: 2006-08-24
Also published as: EP1852973A4; JPWO2006087875A1; US20070126531A1; KR20070057146A; CN101006640A; CN100546179C; EP1852973A1; KR100840872B1; US7330089B2

Abstract

　平衡－不平衡変換機能を有し、通過帯域内の挿入損失を低減することができるバランス型弾性波フィルタ装置を得る。　不平衡端子３に並列に接続された第１，第２の弾性波フィルタ部６，７が、それぞれ、第１，第２の平衡端子に接続されており、第１，第２の平衡端子４，５の位相が１８０度異なるように第１，第２の弾性波フィルタ部６，７が構成されており、第１，第２の弾性波フィルタ部６，７が、弾性波伝搬方向に配置された複数のＩＤＴを有する縦結合共振子型弾性波フィルタ部であり、ＩＤＴ同士が弾性波伝搬方向において隣接する部分において隣り合っている電極指の極性が等しい第１の弾性波フィルタ部６におけるＩＤＴの電極指の総対数に比べて、ＩＤＴ同士が隣接する部分における隣り合っている電極指の極性が異なっている第２の弾性波フィルタ部７のＩＤＴの電極指の総対数が多くされている、バランス型弾性波フィルタ装置１。

Description

明細書

ノンス型弾性波フィルタ装置

技術分野

[0001] 本発明は、弾性表面波や弾性境界波を利用したバランス型弾性波フィルタ装置に関し、より詳細には、第 1,第 2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部を備えた平衡— 不平衡変能を有するバランス型弾性波フィルタ装置に関する。

背景技術

[0002] 弾性表面波フィルタは、移動体通信機器において、アンテナと差動アンプとの間に帯域フィルタとして接続されることが多い。この場合、アンテナは不平衡信号を入出力する。他方、差動アンプは平衡信号を入出力する。従って、アンテナと差動アンプとの間において、不平衡ー平衡変換機能を有する部品、すなわちバランを挿入する必要があった。平衡ー不平衡変換機能を有する弾性表面波フィルタを、上記帯域フィルタとして用いた場合には、バランを省略することができる。従って、平衡一不平衡変換機能を有するバランス型弾性表面波フィルタが種々提案されてヽる。

[0003] 下記の特許文献 1には、図 14に電極構造を模式的平面図で示すバランス型弾性表面波フィルタ装置が開示されている。図 14に示すように、バランス型弾性表面波フィルタ装置 501では、圧電基板上に図示の電極が形成されている。すなわち、縦結合共振子型の第 1の弾性表面波フィルタ部 502及び縦結合共振子型の第 2の弾性表面波フィルタ部 503を構成するように電極が形成されて！、る。

[0004] 第 1の弾性表面波フィルタ部 502は、表面波伝搬方向に沿って配置された第 1〜第 3の IDT511〜513を有する。また、第 2の弾性表面波フィルタ部 503もまた、表面波伝搬方向に沿って配置された第 4〜第 6の IDT514〜516を有する。 IDT511〜5 13が設けられてヽる領域の表面波伝搬方向両側に反射器 517a, 517bが配置されている。同様に、 IDT514〜516が配置されている部分の表面波伝搬方向両側には反射器 518a, 518bが配置されている。

[0005] すなわち、弾性表面波フィルタ部 502, 503は、上記電極構造を有する 3IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部である。 [0006] また、不平衡端子 504に、第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部 502, 503の中央の I DT512, 515の一端が接続されている。 IDT512, 515の他端はァ―ス電位に接続されている。

[0007] また、 IDT511, 513の一端が共通接続されて、第 1の平衡端子 505に接続されている。 IDT511, 513の他端はァ―ス電位に接続されている。他方、第 2の弾性表面波フィルタ部 503の両側の IDT514, 516の一端が共通接続され、第 2の平衡端子 5 06に接続されている。 IDT514, 516の他端はァ―ス電位に接続されている。

[0008] 弾性表面波フィルタ装置 501では IDT512の位相と IDT515の位相とが反転されている。従って、第 1の平衡端子 505に流れる信号の位相と、第 2の平衡端子 506に流れる信号の位相とが 180度異なっている。

[0009] 弾性表面波フィルタ装置 501は上記のように構成されているため、平衡—不平衡変換機能を有する。

特許文献 1：特開 2003 - 78387号公報

発明の開示

[0010] し力しながら、上記弾性表面波フィルタ装置 501では、通過帯域における挿入損失及び VSWRが十分でないという問題があった。すなわち、弾性表面波フィルタ装置 5 01では、 IDT512の極性と IDT515の極性とを逆とすることにより、第 1,第 2の平衡端子 505, 506から取り出される信号の位相が約 180度異ならされている。

[0011] そのため、 IDT同士が隣り合つているギャップにおいて、隣接し合っている一対の電極指の極性が、第 1の弾性表面波フィルタ部 502と第 2の弾性表面波フィルタ部 5 03とで異なっている。たとえば、第 1の弾性表面波フィルタ部 502において、 IDT51 1, 512間のギャップを介して隣り合う電極指はいずれも信号端子に接続される電極指であり、 IDT512, 513間のギャップを隔てて隣り合つている電極指もいずれも信号端子に接続されている電極指である。従って、 IDT511, 512間及び IDT512, 5 13間では表面波はさほど強く励振しない。

[0012] これに対して、第 2の弾性表面波フィルタ部 503の IDT514, 515間のギャップを隔てて対向し合っている電極指の一方が信号端子に接続される電極指であり、他方がァ―ス電位に接続される電極指である。同様に、 IDT515, 516間において隣り合つている電極指も、一方がァ―ス電位に接続される電極指であり、他方が信号端子に接続される電極指である。従って、 IDT514, 515間のギャップ及び IDT515, 516 間のギャップでは表面波が比較的強く励振され、帯域幅が広くなる傾向がある。

[0013] そのため、第 1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部 502及び第 2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部 503における表面波の励振の状態がギャップにおいて異なるため、帯域幅が異なり、かつ通過帯域内における VSWR及び挿入損失が劣ィ匕しがちであるという問題があった。

[0014] 本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、平衡ー不平衡変換機能を有し、不平衡端子に第 1,第 2の縦結合共振子型の弾性表面波フィルタ部が接続されて、るバランス型弾性表面波フィルタ装置であって、通過帯域内における挿入損失及び VSWRを低減することが可能とされている構造を備えたバランス型弾性表面波フィルタ装置を提供することにある。

[0015] 本発明によれば、圧電基板と、圧電基板上に形成されており、それぞれ、表面波伝搬方向に配置された複数個の IDTを有する縦結合共振子型の第 1,第 2の弾性波フィルタ部とを備え、第 1,第 2の弾性波フィルタ部の入力または出力が不平衡端子に接続されており、第 1の弾性波フィルタ部の出力または入力が第 1の平衡端子に、第 2の弾性波フィルタ部の出力または入力が第 2の平衡端子に接続されており、第 1の弾性波フィルタ部の出力または入力の信号の位相が、第 2の弾性波フィルタ部の出力または入力の信号の位相と 180度異なるように構成されており、前記第 1の弾性波フィルタ部にぉ、ては、 IDT同士が弾性波伝搬方向にぉ、て隣接する部分にぉ、て隣り合つている電極指の極性が等しくされており、前記第 2の弾性波フィルタ部では、 IDT同士が隣接する部分における隣り合つている電極指の極性が異なっており、第 1 の弾性波フィルタ部における電極指の総対数に比べて、第 2の弾性波フィルタ部における電極指の総対数が多くされていることを特徴とされている、バランス型弾性波フィルタ装置が提供される。

[0016] 本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置のある特定の局面では、第 1,第 2の弾性波フィルタ部のそれぞれに縦続接続された少なくとも 1つの第 3,第 4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部がさらに備えられている。 [0017] 本発明に係るバランス型弾性表面波フィルタ装置のさらに他の特定の局面では、 I DT同士が隣り合つている部分において、各 IDT力当該 IDTの他の部分の電極指ピッチに比べて電極指ピッチが狭い狭ピッチ電極指部を有する。

[0018] 本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置のさらに別の特定の局面では、前記弾性波として弾性表面波を用いており、それによつて弾性表面波フィルタ装置が構成されている。

[0019] 本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置のさらに他の特定の局面では、前記弾性波として弾性境界波が用いられており、それによつて弾性境界波フィルタ装置が構成されている。

[0020] 本発明では、第 1,第 2の弾性波フィルタ部の入力または出力が不平衡端子に接続されており、第 1の弾性波フィルタ部の出力または入力が第 1の平衡端子に、第 2の弾性波フィルタ部の出力または入力が第 2の平衡端子に接続されており、第 1の弾性波フィルタ部の出力または入力の信号の位相が、第 2の弾性波フィルタ部の出力または入力の信号の位相と 180度異なるように構成されているため、平衡—不平衡変換機能を有するバランス型弾性波フィルタ装置を提供することができる。

[0021] し力も、 IDT同士が弾性波伝搬方向において隣接する部分において隣り合つている電極指の極性がアース一アースまたはホット一ホットである第 1の弾性波フィルタ部における電極指の総対数に比べ、 IDT同士が隣接する部分における隣り合つている電極指の極性が異なっている第 2の弾性波フィルタ部の電極指の総対数が多くされているため、通過帯域内における挿入損失及び VSWRを低減することができる。

[0022] 特に、近年、移動体通信器等の帯域フィルタでは、通過帯域内における挿入損失力できる限り小さいことが求められており、従って、従来のバランス型弾性表面波フィルタ装置に比べて、挿入損失が約 0. ldB改善される場合でも、挿入損失低減効果は非常に大きい。本発明によれば、通過帯域内の挿入損失を効果的に改善することができる。従って、バランス型弾性波フィルタ装置の通信機器の帯域フィルタ等への利用をより一層拡大することができる。

[0023] 第 1,第 2の弾性波フィルタ部のそれぞれに縦続接続された少なくとも 1つの第 3, 第 4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部をさらに備える場合には、帯域外減衰量の拡大を図ることができる。

[0024] IDT同士が隣り合つている部分において、各 IDT力当該 IDTの他の部分の電極指ピッチに比べて電極指ピッチが狭い狭ピッチ電極指部を有する場合には、 IDT同士が隣り合つている部分の不連続性を緩和することができる。従って、帯域内の挿入損失をより一層低減することができる。

図面の簡単な説明

[0025] [図 1]図 1は、本発明の第 1の実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置の模式的平面図である。

[図 2]図 2は、第 1の実施形態及び比較例 1の弾性表面波フィルタ装置の減衰量周波数特性を示す図である。

[図 3]図 3は、第 1の実施形態及び比較例 1の弾性表面波フィルタ装置の不平衡端子側の VSWR特性を示す図である。

[図 4]図 4は、第 1の実施形態及び比較例 1の弾性表面波フィルタ装置の平衡端子側の VSWR特性を示す図である。

[図 5]図 5は、第 1の実施形態及び比較例 2の弾性表面波フィルタ装置の減衰量周波数特性を示す図である。

[図 6]図 6は、第 1の実施形態及び比較例 2の弾性表面波フィルタ装置の不平衡端子側の VSWR特性を示す図である。

[図 7]図 7は、第 1の実施形態及び比較例 2の弾性表面波フィルタ装置の平衡端子側の VSWR特性を示す図である。

[図 8]図 8は、第 1の実施形態の変形例に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。

[図 9]図 9は、第 1の実施形態の他の変形例に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。

[図 10]図 10は、第 1の実施形態のさらに他の変形例に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。

[図 11]図 11は、第 2の実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。 [図 12]図 12は、第 3の実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。

[図 13]図 13は、弾性境界波装置の構造を説明するための模式的正面断面図である

[図 14]図 14は、従来の弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。

符号の説明

1…弾性表面波フィルタ装置

2…圧電基板

3…不平衡端子

4， 5…平衡端子

6， 7…第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部

7A…第 2の弾性表面波フィルタ部

8, 9…弾性表面波共振子

11〜16· ··第 1〜第 6の IDT

12B- --IDT

15A, 15B- --IDT

17a, 17b, 18a, 18b…反射器

21· ··弾性表面波フィルタ装置

26, 27· ··第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部

31〜33· ··Π Γ

31a, 32a…電極指

41-弾性表面波フィルタ装置

42, 43· ··浮き電極指

81· ··弾性表面波フィルタ装置

82, 83…弾性表面波フィルタ部

91· ··弾性境界波フィルタ装置

92…圧電基板 93…誘電体

94…電極

発明を実施するための最良の形態

[0027] 以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。

[0028] 図 1は、本発明の第 1の実施形態に係るバランス型弾性表面波フィルタ装置を示す模式的平面図である。

[0029] ノンス型弾性表面波フィルタ装置 1は、圧電基板 2上に、図 1に示されている電極構造を形成することにより構成されて、る。

[0030] 本実施形態では、圧電基板 2は、 40° ± 5° Yカット X伝搬の LiTaO力もなる圧電

3

基板を用いて構成されている。もっとも、圧電基板は、他の圧電単結晶もしくは圧電セラミックスにより構成されていてもよい。さら〖こ、圧電基板は圧電体もしくは絶縁体の表面に圧電薄膜を形成した構造を有して！/ヽてもよヽ。

[0031] また、図示の電極は、本発明実施形態では、 AUり形成されている力 A1合金もしくは他の金属もしくは合金により構成されてもよい。さらに、電極は、複数の電極膜を積層した構造を有して、てもよ、。

[0032] バランス型弾性表面波フィルタ装置 1は、不平衡端子 3と、第 1,第 2の平衡端子 4, 5とを有する。不平衡端子 3に、縦結合共振子型の第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部 6, 7が並列に接続されている。

[0033] 第 1の弾性表面波フィルタ部 6は、表面波伝搬方向に沿って配置された第 1〜第 3 の IDT11〜 13を有する、 3IDT型の縦結合共振子型の弾性表面波フィルタ部である。中央の IDT12が、前述した不平衡端子 3に電気的に接続されている。なお、 IDT1 1〜 13が設けられて、る部分の表面波伝搬方向両側には、反射器 17a

, 17bが配置されている。

[0034] 中央の第 2の IDT12の両側に位置する第 1,第 3の IDT11, 13の一端が共通接続され、 1ポート型弾性表面波共振子 8を介して第 1の平衡端子 4に接続されている。

[0035] 第 1,第 3の IDT11, 13の各他端はァ―ス電位に接続されている。第 2の IDT12の不平衡端子 3に接続されている側と反対側の端部はァ一ス電位に接続されている。 [0036] 第 2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部 7は、同様に、表面波伝搬方向に配置された第 4〜第 6の IDT14〜16を有する。中央の第 5の IDT15が不平衡端子 3に接続されている。 IDT15の他端はアース電位に接続されている。 IDT14, 16の一端が共通接続され、弾性表面波共振子 9を介して第 2の平衡端子 5に接続されている。 IDT14, 16の他端はァ―ス電位に接続されている。 IDT14〜16が設けられている領域の表面波伝搬方向両側には、反射器 18a, 18bが配置されている。

[0037] 第 5の IDT15と、第 2の IDT12とは位相が反転されている。それによつて、第 1の平衡端子 4から取り出される信号の位相と、第 2の平衡端子 5から取り出される信号の位相とが 180度異ならされており、平衡-不平衡変能が実現されている。

[0038] なお、本実施形態では、 IDT11〜13, 14〜16において、 IDT同士が隣り合って V、る部分にぉ、て各 IDTに狭ピッチ電極指部が設けられて、る。 IDT11と IDT12とが隣り合つている部分を代表して狭ピッチ電極指部 Nの構造を説明する。 IDT11と I DT12とがギャップを隔てて隣り合つている部分において、 IDT11の IDT12側端部力少なくとも 2本の電極指のピッチが、 IDT11の残りの電極指の電極指ピッチよりも小さくされており、それによつて電極指ピッチが狭い少なくとも 2本の電極指により狭ピッチ電極指部 Nが形成されている。 IDT12の IDT11側端部においても、同様に狭ピッチ電極指部 Nが設けられている。狭ピッチ電極指部 Nを設けることにより、 IDT11 と IDT12とのギャップにおける表面波の伝搬における不連続性を緩和することができ、それによつて通過帯域内の挿入損失をより一層低減することができる。

[0039] もっとも、本発明においては、 IDT同士が隣接している部分において必ずしも狭ピツチ電極指部 Nは設けられずともよヽ。

[0040] 本実施形態の弾性表面波装置 1の特徴は、第 1の弾性表面波フィルタ部 6における電極指の総対数に比べて、第 2の弾性表面波フィルタ部 7における電極指の総対数が多くされており、それによつて通過帯域内における挿入損失及び VSWRの低減が果たされていることにある。これを、図 2〜図 7を参照してより具体的に説明する。

[0041] 上記実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1を以下の仕様で作成した。圧電基板 2： 40 ± 5° Yカット X伝搬 LiTaO基板。

3

[0042] (第 1の弾性表面波フィルタ部 6) 膜厚 =0.092 λ

1

IDT11〜13の波長え =2. 15/ζπι、 IDT11〜13の狭ピッチ電極指部 Nの波長

1

=1. 93 μ m

反射器 17a , 17bの波長 =2.

第 1〜第 3の IDT11〜13の電極指の対数： IDT11:8. 5/(1. 5)、IDT12:(1. 5 )/13.0/(1. 5)、 IDT13: (1. 5)/8. 5。なお、括弧書きの電極指の対数は狭ピツチ電極指部 Nの電極指の対数を示し、括弧で囲まれて!/、な!/、電極指の対数は狭ピツチ電極指部 N以外の電極指部の対数を示す。

[0043] 第 1〜第 3の IDT11〜13の対数の和は 8. 5 + 1. 5 + 1. 5 + 13.0+1. 5 + 1. 5

+ 8. 5 = 36対である力 IDT間ギャップ数を考慮し、総対数は 36+ (IDT間ギャップ数） XO. 5 = 39対となる。

[0044] 反射器 17a , 17bの電極指の本数： 80本

IDT11〜13における IDT間の間隔（電極指中心間距離） =0.47 μτα 反射器 17a , 17bと、 IDT11, 13との間の間隔 =0.49

1

電極指交叉幅 = 35. 9λ

1

(第 2の弾性表面波フィルタ部 7)

膜厚 =0.092 λ

2

IDT14〜16の狭ピッチ電極指部 Ν以外の電極指部の波長え =2. 15 m

2

IDT14〜16の狭ピッチ電極指部 Nの電極指の波長： 1. 98

第4〜第6の10丁14〜16の電極指の対数：10丁：8. 5/(2. 5)、IDT15:(1. 5) /13.0/(1. 5)、IDT16:(2. 5)/8. 5。括弧内は狭ピッチ電極指部 Nの電極指の対数を、括弧で囲まれて!/ヽな、対数は狭ピッチ電極指部 Nを除、た残りの電極指部の対数を示す。

[0045] 第 4〜第 6の IDT14〜16の対数の和は 8. 5 + 2. 5 + 1. 5 + 13.0+1. 5 + 2. 5

+ 8. 5 = 38対である力 IDT間ギャップ数を考慮し、総対数は 38+ (IDT間ギャップ数） XO. 5=41対となる。

[0046] 反射器 18a, 18bの電極指の本数： 80本

反射器 18a , 18bの電極指の波長 =2. 反射器 18a, 18bと IDT14, 16との間の間隔 =0. 47 λ

2

IDT14〜16における IDT間の間隔 =0. 49 λ

2

電極指交叉幅 = 34. 6 λ

2

(弾性表面波共振子 8, 9)

膜厚 =0. 094

3

IDT8a, 9aの電極指の対数 = 120対

反射器 8b, 8c, 9b, 9cl個あたりの電極指の本数 = 15本

IDT8a, 9aの波長 = 2. l l ^ m

3

反射器 8b, 8c, 9b, 9cにおける波長 = 2. l l ^ m

電極指交叉幅については、 IDT8においては 29. 3 λとし、 IDT9においては 43.

3

1 λ とした。

3

[0047] 従って、上記第 1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1における第 1の弾性表面波フィルタ部 6の IDTの電極指の総対数は 39対であり、第 2の弾性表面波フィルタ部 7における IDTの電極指の総対数は 41対である。なお、弾性表面波フィルタ部の ID Tの電極指の総対数は、総対数 = (電極指の総本数 1) Z2で表される。従って、各 IDTの電極指の対数の和と、上記のようにして求められる弾性表面波フィルタ部の IDTの電極指の総対数とは必ずしも一致しない。また、本発明において、 IDTの電極指の総対数を考慮するのは電極指の総対数が、帯域幅や通過帯域の特性に影響すること〖こよる。

[0048] 上記のようにして作成した本実施形態の弾性表面波フィルタ装置の減衰量周波数特'性を図 2に実線で、不平衡端子側の VSWR特性を図 3に実線で、平衡端子側の V

SWR特性を図 4に実線で示す。

[0049] 比較のために、下記の要領で、比較例 1の弾性表面波フィルタ装置を作成し、同様に減衰量周波数特性、 VSWR特性を測定した。図 2〜図 4に、比較例 1の測定結果を破線で示す。

[0050] (比較例 1の構成）

比較例 1では、上記実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1と下記の点を異ならせ、その他は同様にして作成した。 [0051] すなわち、弾性表面波フィルタ装置 1において、第 4〜第 6の IDT14〜16を電極指の対数を、以下のように変更した。 IDT14の電極指の対数： 7. 5対 Z(2. 5対）、 ID T15の電極指の対数: (1. 5) /13. 0/ (1. 5)、 IDT16 : (2. 5) /7. 5。第 2の弹性表面波フィルタ部 7の IDTの電極指の総対数は 79本とし、従って、電極指総対数は 39対であり、第 1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部 6の電極指の総対数は 39対と等しくされている。また、弾性表面波共振子 9の電極指交叉幅を弾性表面波共振子 8の電極指交叉幅と同様とした。

[0052] 図 2〜図 4から明らかなように、比較例 1の弾性表面波フィルタ装置では、通過帯域内の挿入損失、すなわち、通過帯域内における最大の挿入損失は 1. 3dBであるのに対し、上記実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1では、 1. 2dBと 0. ldBに改善していることがわかる。通過帯域内における挿入損失が 0. ldB改善されることは、移動体通信機器の帯域フィルタとして用いる場合非常に重要であり、 0. ldBの改善は、非常に大きな特性の改善である。そして、伝送特性が大きく改善されている 1815M Hz付近及び 1860MHz付近では、 VSWR特性においても、 0. 1程度改善されていることがわ力る。すなわち、インピ一ダンス不整による損失が減少し、それによつて挿入損失が改善して、ることがわかる。

[0053] 上記のように、上記実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1では、 IDT同士が弾性表面波伝搬方向にぉヽて隣接する部分にぉヽて隣り合ってヽる電極指の極性が等しくされている第 1の弾性表面波フィルタ部 6における電極指の総対数に比べて、 IDT1 4〜16同士が隣接している部分における隣り合つている電極指の極性が異なっている第 2の弾性表面波フィルタ部 7の総対数が多くされていることにより、通過帯域内における挿入損失及び VSWRを効果的に改善することができる。

[0054] 本発明におヽて、第 2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部 7の IDTの電極指の総対数を、第 1の弾性表面波フィルタ部 6の電極指の総対数である 39対よりも多くし、 41対としたことにより、挿入損失及び VSWRが改善されているのは以下の理由によるとされている。

[0055] すなわち、 IDT11と IDT12との間のギャップ、及び IDT12と IDT13との間のギヤップでは、アース電位に接続される電極指同士がギャップを隔てて隣り合つている。従つて、 IDT間のギャップにおいて表面波は励振されない。これに対して、第 2の弾性表面波フィルタ部 7では、 IDT14と IDT15とが隣り合つている部分、 IDT15と IDT16 との間のギャップにおいて、ァ一ス電位に接続されている電極指と、信号端子に接続されて、る電極指とが隣り合って、るため、ギャップにぉ、て表面波が励振される。

[0056] 従って、第 1の弾性表面波フィルタ部 6と第 2の弾性表面波フィルタ部 7の設計パラメータが同一である場合には第 1の弾性表面波フィルタ部のフィルタ特性、特に帯域幅と、第 2の弾性表面波フィルタ部 7のフィルタ特性、特に帯域幅とが異なることになり、第 2の弾性表面波フィルタ部 7の帯域幅が広くなる。その結果、比較例 1では、第 2の弾性表面波フィルタ部 7では、インピーダンスの集中度が低下し、 VSWRが悪ィ匕し、挿入損失が大きくなつているものと考えられる。

[0057] これに対して、上記実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1では、第 2の弾性表面波フィルタ部 7の IDTの電極指の総対数力第 1の弾性表面波フィルタ部 6の IDTの電極指の総対数よりも多くされているため、第 2の弾性表面波フィルタ部 7のフィルタ特性、特に帯域幅が、第 1の弾性表面波フィルタ 6の帯域幅に近づけられる。そのため、 VSWRや通過帯域内における挿入損失が上記のように改善されて、ると考えられる。

[0058] なお、上記実施形態では、第 1の弾性表面波フィルタ部 6と、第 2の弾性表面波フィルタ部 7の IDTの電極指の総対数が異なって、るだけでなぐ弾性表面波共振子 8, 9の設計パラメ—タなども異ならせているが、これは電極指の総対数を変更した場合、他の設計パラメータの最適値も変化するためであり、このような最適値となるように他の設計パラメ -タを調整したこと〖こよる。

[0059] もっとも、本発明の効果は、第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部 6, 7の IDTの電極指の総対数を異ならせることにより得られるものであり、上述した他の設計パラメタを異ならせることによって得られるものではないことを以下において説明する。

[0060] 上述した比較例 1の弾性表面波フィルタ装置は、第 1の弾性表面波フィルタ 6と第 2 の弾性表面波フィルタ装置 7において、 IDTの電極指の総対数をいずれも 39対とし、第 1の弾性表面波フィルタ部 6、第 2の弾性表面波フィルタ部 7、及び弾性表面波共振子 8, 9の他の設計パラメータはそれに応じて最適化した。 [0061] これに対して、以下の要領で比較例 2の弾性表面波フィルタ装置を作製した。すなわち、第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部 6, 7の IDTの電極指の対数を、上記実施形態の弾性表面波フィルタ部 7の電極指の総対数と同一とし、すなわち 41対とした。そして、他の設計パラメータを、該電極指の総対数に応じて、最適化した。

[0062] このようにして構成されたことを除いては、上記実施形態と同様にして構成された比較例 2の弾性表面波フィルタ装置のフィルタ特性を、図 5〜図 7において、上記実施形態の弾性表面波フィルタ装置のフィルタ特性と併せて示す。図 5〜図 7におヽて、実線は上記実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1の特性を、破線は比較例 2の弾性表面波フィルタ装置の特性を示す。図 5は、減衰量周波数特性を示し、図 6は不平衡端子側の VSWR特性を、図 7は平衡端子側の VSWR特性を示す。

[0063] 図 5〜図 7から明らかなように、比較例 2の弾性表面波フィルタ装置に比べても、上記実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1が、通過帯域内において挿入損失が小さく、 VSWR特性に優れていることがわかる。すなわち、図 2〜図 4の結果と、図 5〜図 7 との結果力も明らかなように、上記通過帯域内に挿入損失低減効果は、第 1の弾性表面波フィルタ部 6の IDTの電極指の総対数と第 2の弾性表面波フィルタ部 7の電極指の総対数とを異ならせたことによる効果であり、他の設計パラメータを異ならせたことによるものではないことがわ力る。

[0064] 第 1の実施形態では、第 4の IDT14,第 6の IDT16の対数を 1対ずつ増した力第 4,第 6の IDTの一方のみを 2対増してもよい。この場合、対数以外のパラメータも左右非対称になる。また、第 5の IDT15の対数のみを 2対増してもよい。

[0065] 図 8は、本発明の第 2の実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。第 2の実施形態の弾性表面波フィルタ装置 21では、不平衡端子 3に第 1,第 2の 3IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部 26, 27が接続されている。本実施形態が第 1の実施形態と異なるところは、第 1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1では、第 1の弾性表面波フィルタ部 6の IDT11〜13が隣り合つて、る部分にぉ、て、ギャップを隔ててァ一ス電位に接続されて、る電極指同士が隣り合っていたが、第 2の実施形態では、第 1の弾性表面波フィルタ部 26の第 1〜第 3の IDT31〜33が配置されて、る部分にぉ、て、 IDT同士が隣り合って、る部分の両側に位置する電極指が、ずれも信号端子に接続されて、る電極指とされて、ることにある。 IDT31, 32が隣り合つている部分を例にとると、 IDT31の IDT32側の電極指 31aと、 IDT32の IDT31側の最外側電極指 32aは、平衡端子 4または不平衡端子 3に接続されている。すなわち、ギャップを隔てて隣り合つている最外側電極指は、、ずれも信号端子に接続されて、る電極指である。

[0066] その他の構造にっヽては、弾性表面波フィルタ装置 21は、弾性表面波フィルタ装置 1と同様に構成されているため、同一部分については、同一の参照番号をすることにより、その説明を省略する。

[0067] IDT間のギャップにおいて、ギャップを隔てて隣り合つている電極指の極性によって帯域幅は異なることが知られている。第 1の実施形態では、第 1の弾性表面波フィルタ部 6にお、て、ギャップを隔てて隣り合って!/、る一対の電極指が!/、ずれもアース電位に接続されており、第 2の弾性波フィルタ部 7では、一方の電極指がアース電位に接続され、他方の電極指が信号端子に接続されていた。そのため、比較例 1のように、第 1,第 2の弾性表面波フィルタ装置 6, 7の設計パラメータを全く同一とした場合には、第 2の弾性表面波フィルタ部 7の帯域幅が広くならざるを得な力つた。そのため、第 1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置では、第 2の弾性表面波フィルタ部 7の電極指の総対数を第 1の弾性表面波フィルタ部 6の IDTの電極指の総対数よりも多くすることにより、前述したように、 2つのフィルタ部 6, 7の帯域幅を近づけ、 VSWR及び挿入損失の改善が図られていた。

[0068] これに対して、第 2の実施形態の弾性表面波フィルタ装置 21では、第 1の弾性表面波フィルタ部 26では、 IDT間のギャップを隔てて隣り合ってヽる電極指は、ずれも信号端子に接続されており、第 2の弾性表面波フィルタ部の IDT間のギャップを隔てて隣り合つている電極指では、一方の電極指はァ―ス電位に、他方の電極指は信号端子に接続されている。この場合においても、第 1の実施形態の場合と同様に、第 1, 第 2の弾性表面波フィルタ部 26, 27の設計パラメ一タを同一とした場合には、第 2の弾性表面波フィルタ部 27の方が帯域幅は広くなる。従って、第 2の実施形態においても、第 2の弾性表面波フィルタ部 27の IDTの電極指の総対数が、第 1の弾性表面波フィルタ部 26における IDTの電極指の総対数よりも多くされている。よって、第 2の弾性表面波フィルタ部 27の帯域幅が、第 1の弾性表面波フィルタ部 26の帯域幅に近づけられ、第 1の実施形態の場合と同様に、通過帯域内における挿入損失及び V SWRが改善される。

[0069] 本発明に係る弾性波フィルタ装置は、第 1,第 2の実施形態の構造を有するものに限定されるものではなぐ様々に変形することができる。

[0070] 図 9は、第 1の実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置 1の変形例を示す模式的平面図である。弾性表面波フィルタ装置 41では、第 2の弾性表面波フィルタ部 7Aにおいて、中央の第 5の IDT15Aに直列重み付けが施されていることを除いては、第 1の弾性表面波フィルタ装置 1と同様に構成されてヽる。

[0071] 直列重み付けとは、 IDT15Aの最外側電極指及びその次の少なくとも 1本の電極指が設けられている位置に浮き電極指 42, 43を配置するように、最外側電極指を含む複数本の電極指に重み付けを施す方法である。このような直列重み付けを施すことにより、第 2の弾性表面波フィルタ部 7Aの帯域幅をさらに調整することができる。すなわち、第 2の弾性表面波フィルタ部 7Aの電極指の総対数は、第 1の弾性表面波フィルタ部 6の電極指の総対数よりも多くされており、それによつて両者の帯域幅が近づけられている力上記直列重み付けによって、さらに第 2の弾性表面波フィルタ部 7 Aの帯域幅を第 1の弾性表面波フィルタ部 6に近づけてもよい。

[0072] このように、本発明においては、第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部の帯域幅を近づけるに際し、第 2の弾性表面波フィルタ部の電極指の総対数を第 1の弾性表面波フィルタ部の IDTの電極指の総対数よりも多くするだけでなぐ直列重み付けなどのさまざまな重み付けをさらに併用してもよい。このような重み付けとしては、直列重み付けの他、間引き重み付け、交叉幅重み付けなどを挙げることができる。

[0073] 図 10は、第 1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1のさらに他の変形例の弾性表面フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。

[0074] 弾性表面波フィルタ装置 1では、第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部 6, 7の中央の I DT12, 15の電極指の本数は奇数本とされていた力弾性表面波フィルタ装置の 51 では、第 2,第 5の IDT12B, 15Bの電極指の本数が偶数本とされている。その他の点については、弾性表面波フィルタ装置 51は、弾性表面波フィルタ装置 1と同様に構成されている。

[0075] 弾性表面波フィルタ装置 51では、第 1の弾性表面波フィルタ部において、 IDT11と IDT12Bとが隣り合つている部分においては、ギャップを隔ててアース電位に接続されている電極指同士が隣り合つている。これに対して、 IDT12Bと IDT13とが隣り合つている部分では、ギャップを隔てて、信号端子に接続されている電極同士が隣接している。他方、第 2の弾性表面波フィルタ部 7では、 IDT同士が隣接している部分においては、ァ一ス電位に接続されている電極指と、信号端子に接続されている電極指とが隣り合つている。

[0076] このように、第 1の弾性表面波フィルタ部 6においては、 IDT同士が隣り合つている部分において、ギャップを隔てて隣り合つている一対の電極指が同極性である限り、一対の電極指がァ―ス電位に接続されている場合だけでなぐ一対の電極指が信号端子に接続されていてもよい。この場合においても、第 2の弾性表面波フィルタ部 7の IDTの電極指の総対数を、第 1の弾性表面波フィルタ部 6の電極指の総対数よりも大きくすることにより、両者の帯域幅を近づけることができ、第 1の弾性表面波フィルタ装置 1と同様に、通過帯域内における挿入損失及び VSWRの改善を図ることができる。

[0077] 図 11は、本発明の第 3の実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。弾性表面波フィルタ装置 61では、第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部 66, 67力それぞれ、第 1〜第 5の IDT71〜75及び第 6〜第 10の IDT7 6〜80を有する 5IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部である。その他の点については、弾性表面波フィルタ装置 61は、弾性表面波フィルタ装置 1と同様に構成されている。このように、本発明においては、第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部は、 5IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部であってもよい。本実施形態にお、ても、第 2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部 67の IDTの電極指の総対数は、第 1の弾性表面波フィルタ部 66の IDTの電極指の総対数よりも多くされており、それによつて通過帯域内における挿入損失及び VSWRの改善が図られる。

[0078] 図 12は、本発明の第 4の実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。図 12に示す弾性表面波フィルタ装置 81は、第 1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1の第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部 6, 7の後段に、それぞれ、 3IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部 82, 83を縦続接続させた構造を有する。

[0079] この場合、第 2の弾性表面波フィルタ部 7の電極指の総対数が、第 1の弾性表面波フィルタ部 6の IDTの電極指の総対数よりも大きくされておれば、すなわち第 1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置 1に従って構成されていれば、通過帯域内における挿入損失及び VSWRの改善を図ることができる。すなわち、弾性表面波フィルタ部 8 2, 83における電極指の総対数は等しくされていてよい。

[0080] また、図 12では、第 1,第 2の弾性表面波フィルタ部 6, 7に、それぞれ、もう一段の弾性表面波フィルタ部 82, 83を縦続接続したが、 2段以上の弾性表面波フィルタ部を縦続接続してもよぐすなわち弾性表面波フィルタを複数段構成する場合、その段数にっ、ては特に限定されな!、。

[0081] 上述してきた実施形態及び変形例の弾性表面波フィルタ装置は上記のように弾性表面波を利用したものである。もっとも、本発明は、弾性表面波にカゝえて、弾性境界波などの他の弾性波を用いたものであってもよ、。

[0082] 図 13は、弾性境界波フィルタ装置の構造を模式的に示す正面断面図である。弾性境界波フィルタ装置 91では、第 1の媒質層としての圧電基板 92と、第 2の媒質層としての誘電体 93とが積層されて、る。圧電基板 92と誘電体 93との境界に複数の IDT を有する電極 94が形成されて、る。この境界を伝搬する弾性境界波を利用してフィルタとしての特性が得られる。この場合、弾性境界波フィルタ装置 91の電極 94の構造を、前述した弾性表面波フィルタ装置についての実施形態や変形例における電極構造と同様とすることにより、本発明の弾性波フィルタ装置を構成することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 圧電基板と、圧電基板上に形成されており、それぞれ、表面波伝搬方向に配置された複数個の IDTを有する縦結合共振子型の第 1,第 2の弾性波フィルタ部とを備え第 1,第 2の弾性波フィルタ部の入力または出力が不平衡端子に接続されており、第 1の弾性波フィルタ部の出力または入力が第 1の平衡端子に、第 2の弾性波フィルタ部の出力または入力が第 2の平衡端子に接続されており、第 1の弾性波フィルタ部の出力または入力の信号の位相が、第 2の弾性波フィルタ部の出力または入力の信号の位相と 180度異なるように構成されており、

前記第 1の弾性波フィルタ部にぉ、ては、 IDT同士が弾性波伝搬方向にぉ、て隣接する部分において隣り合つている電極指の極性が等しくされており、前記第 2の弾性波フィルタ部では、 IDT同士が隣接する部分における隣り合つている電極指の極性が異なっており、

第 1の弾性波フィルタ部における電極指の総対数に比べて、第 2の弾性波フィルタ部における電極指の総対数が多くされていることを特徴とされている、バランス型弹性波フィルタ装置。

[2] 第 1,第 2の弾性波フィルタ部のそれぞれに縦続接続された少なくとも 1つの第 3, 第 4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部をさらに備える、請求項 1に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。

[3] IDT同士が隣り合つている部分において、各 IDT力当該 IDTの他の部分の電極指ピッチに比べて電極指ピッチが狭い狭ピッチ電極指部を有する、請求項 1または 2 に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。

[4] 前記弾性波として弾性表面波を用いており、それによつて弾性表面波フィルタ装置が構成されている、請求項 1〜3のいずれか 1項に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。

[5] 前記弾性波として弾性境界波が用いられており、それによつて弾性境界波フィルタ装置が構成されている、請求項 1〜3のいずれか 1項に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。