WO2006046464A1

WO2006046464A1 - 紫外線硬化型インク梱包体

Info

Publication number: WO2006046464A1
Application number: PCT/JP2005/019297
Authority: WO
Inventors: Atsushi Nakajima
Original assignee: Konica Minolta Medical & Graphic, Inc.
Priority date: 2004-10-29
Filing date: 2005-10-20
Publication date: 2006-05-04
Also published as: JPWO2006046464A1; US7364283B2; US20060092244A1; EP1806296A1; CN101048325A

Abstract

低コストで振動や曲げ等の外的要因に対して、長期に渡って遮光性とインク耐性を有する紫外線硬化型インクジェット記録方法に用いるインク袋体およびインク梱包体を提供することにある。又、紫外線硬化型インク梱包体であって、多層膜で形成された袋体と、前記袋体内に収納された紫外線硬化型インクとを有し、前記多層膜は遮光層と、収納すべき前記紫外線硬化型インクによる浸漬テストで質量変化率が１％以下の耐インク層とを有するものである。

Description

明細書

紫外線硬化型インク梱包体

技術分野

[0001] 本発明は、紫外線硬化型インクジェット記録方法で用いられるインク梱包体及びィンク袋体に関する。

背景技術

[0002] インクジェット記録方式には、水性インク、油性インク、溶剤インク、紫外線硬化型ィンク等、さまざまなインクを用いる方法がある。

[0003] 近年、紫外線や EB等の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録方式は、インク吸収性の乏しい基材に対しても画像形成する方法として注目 ^^めている。これらには、水、水性溶剤、各種有機溶剤にて反応性のモノマーを希釈した溶剤タイプと、硬化後溶剤が残らない無溶剤タイプとがある。近年は、 VOCフリーが望まれる背景もあつて、無溶剤型のインクが注目されて、る。

[0004] 活性エネルギー線によりインクを硬化する、活性エネルギー線硬化型のインクとしては、アタリレートモノマーを主体としたラジカル重合性のインクと、エポキシモノマーやォキセタンモノマーを主体としたカチオン重合性のインクが知られている。

[0005] 水性インク、油性インク、溶剤インクに関しては、多くのインク袋体が実用化されており、これらのインクを用いた場合でも、十分な耐久性、保存性を持った構成が知られている。

[0006] しかしながら、活性エネルギー線硬化型のインクに用いるアタリレートモノマー、ェポキシモノマー、ォキセタンモノマー等は、従来の水性インク、油性インク、溶剤インクに用いられてきた希釈溶剤とは大きく異なる性質を示し、インクの貯蔵等に関して、特に長期の耐久性、保存性には多くの問題を抱えていた。モノマーはプラスチックの添加剤として用いる可塑剤に近い性質を持っており、多くのプラスチックと相溶しやすい。そのため、これらのインクと接触する部材として、従来力も用いられているような部材を用いると耐インク性がな、ため、活性エネルギー線硬化型のインクによって変質し、その機能を発揮できない。 [0007] これらのモノマー成分は従来の希釈溶剤に比べて、インク袋体に用いる構成部材を著しく溶解、膨潤させやすいために、インク袋体の変形等の問題が生じていた。また、溶出成分によっては、インクジェットノズルの詰まりを生じさせる、活性エネルギー線による硬化感度が低下するといつた問題も生じることが分力つた。特に、エポキシモノマー、ォキセタンモノマー、ビュルエーテルモノマー等を用いたカチオン重合性のインクは、ラジカル重合性のインクに比べて臭気、感度、基材への密着性等の点で利点があるものの、さまざまなプラスチック部材に対する侵食性、膨潤性が大きぐ部材の寸法'硬度等が変化する等の問題があった。

[0008] また、活性エネルギー線硬化型のインクは紫外線等の活性エネルギー線により硬化するため、インク袋体には遮光性が求められる。

[0009] これらの耐インク性と遮光性とを備えた部材として SUS (Stainless Used Steel) 等の金属を用いたインク袋体が考えられるが、コストが高く実用的ではない。また、重合タイプによってはインクが消費されるに従い、インク袋体内の空気量の影響で保存性が劣化する場合がある。例えば、ラジカル重合性インクの場合、混入空気から持ち込まれる水分により、主成分であるアクリル酸エステル等の加水分解が進行する。また、酸を活性種とするカチオン重合性インクの場合、インク中に微量含まれる水分が暗反応を抑制する働きがあり、乾燥空気の混入により脱水現象が起こり、わずかに発生した酸成分による暗反応が促進される。

[0010] 混入空気による影響をなくすには、インクの消費に伴いインク袋体の容積が減少可能な軟包材が好適である。具体的には、フレキシブルなフィルム状の遮光部材、耐ィンク部材を組み合わせたシートを用い、インク装填時に減圧しながらパッキング 'ヒートシールしたインク袋体である。軟包材とすることにより、さまざまな機能を付与することができ、かつインク袋体のコストを低減することができ、廃棄部材の軽減をすることができる。

[0011] そこで、遮光性の大きい金属膜の遮光部材と耐インク部材カもなる、多層の複合フイルムを用いた軟包材のインク袋体を検討した力このような単純な組み合わせでは、十分な保存性、耐久性を持たせることができなカゝつた。

[0012] また、製造されたインク袋体は載置台に載置された状態で外箱に収納されており、インク袋体はインク導出部が載置台と外箱の側壁により固定され、幅は載置台の側壁で動きが規制されている。このため、インク袋体が輸送、取り扱い等で動力されたり、振動が与えられたとき、インク袋体のインク収納部は前後に移動するようになる。特にインク収納部がインク導出部側に移動した場合、インク収納部は縮んだ状態になるため、インク収納部にシヮが発生しやすくなる。

[0013] ー且、シヮが発生すると同じ場所にシヮが発生しやすくなり、何回も繰り返されることで外箱の内側と擦れ、シヮの発生箇所にピンホールが発生しやすくなる。特にインク収納部をアルミニウム箔層を有する多層フィルムで作製してある場合は、折れ曲がりやすいため、折れ曲がった部分が外箱の内側と擦れピンホールが入り、遮光性を低下させるという問題があった。

[0014] 遮光性に関しては、特許文献 1に、紫外線を透過するインクタンクに紫外光を減光する膜を密着させ、遮光性とインク残量の視認性を考えた提案があるが、わずかではあるもの紫外線透過性があるため、長期保存には不十分であった。

[0015] 特許文献 2は、インクタンク部材の機械的強度を得ること、インクタンク部材からの溶出物によるインクへの影響を抑えることを目的としたものである力低コストで遮光性とインク耐性を満足させるには不十分であった。特に、長期保存または高温保存ではィンクがわずかに遮光部材まで到達し、遮光部材の劣化、遮光部材と耐インク部材との接着強度の低下等の問題が生じる。

特許文献 1：特開 2003— 182111号公報

特許文献 2 :特開 2004— 188903号公報

発明の開示

[0016] 本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、低コストで振動や曲げ等の外的要因に対して、長期に渡って遮光性とインク耐性を有する紫外線硬化型インクジェット記録方法に用いるインク袋体及びインク梱包体を提供することにある。

[0017] 本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。

[構成 1]

紫外線硬化型インク梱包体で、 (1)多層膜で形成された袋体と、 (2)前記袋体内に収納された紫外線硬化型インクとを有し、前記多層膜は (a)遮光層と、 (b)収納すべき前記紫外線硬化型インクによる浸漬テストで質量変化率が 1%以下の耐インク層とを有す。

[構成 2]

前記耐インク層の内側にヒートシール層を有する構成 1に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[構成 3]

前記遮光層が 2層以上で構成される構成 1又は 2に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[構成 4]

前記遮光層がアルミ層である構成 1〜3の何れか 1項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[構成 5]

前記遮光層がアルミ層と遮光性素材を含有する榭脂層の 2種類である構成 3に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[構成 6]

前記遮光層の外側にナイロンまたはポリエステルカゝらなる保護層を有する構成 1〜 5の何れか 1項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[構成 7]

前記耐インク層がナイロンまたはポリエステルである構成 1〜5の何れか 1項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[構成 8]

前記ヒートシール層がポリエチレンである構成 2〜7の何れか 1項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[構成 9]

前記ポリエチレン力 Sメタ口セン触媒を使用して製造されたポリエチレンである構成 ₈ に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

図面の簡単な説明 [0018] [図 1]インク袋体の斜視図である。

[図 2]図 1に示すインク袋体の概略断面図である。

[図 3]図 2の Pで示される部分の拡大概略断面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0019] 本発明者は鋭意研究の結果、紫外線硬化型インクジェット記録方法に用いるインク袋体であって、内側から、少なくとも遮光層、紫外線硬化型インクジェットインクによる浸責試験で質量変化率が 1%以下の耐インク層を有するインク袋体により、低コストで振動や曲げ等の外的要因に対して、長期に渡って遮光性とインク耐性を有する紫外線硬化型インクジェット記録方法に用いるインク袋体とインク梱包体が得られることを見出した。

[0020] 以下本発明を詳細に説明する。

[0021] 構成 1は、紫外線硬化型インク梱包体であって、多層膜で形成された袋体と、前記袋体内に収納された紫外線硬化型インクとを有し、前記多層膜は遮光層と、収納すべき前記紫外線硬化型インクによる浸漬テストで質量変化率が 1%以下の耐インク層とを有するものである。遮光層と、浸責試験で質量変化率が 1%以下の耐インク層とを貼り合わせた層構成とすることによって、長期保存時に耐インク層の膨潤を抑えることで振動や曲げと、つた機械的変形が生じても、遮光層のピンホール発生を防ぐことができる。また、耐インク層がインクにより膨潤することがほとんどないため、機械的変形が起こっても遮光層との密着性が損なわれない。本発明で行う浸責試験は、使用するインクに部材を入れ、 60°Cにて 1週間浸漬して行う。浸漬前後の質量変化率を測定する。尚、上記記載の紫外線硬化型インク梱包体は多層膜で形成された袋体とその袋体内に収納された紫外線硬化型インクを有する梱包体と定義される。

[0022] 構成 2は、この構成にヒートシール層を設けることでインクを充填後、封印することができる。

[0023] 構成 3は、遮光層が 2層以上で構成されることを特徴とするインク袋体である。遮光層のピンホールをゼロにすることは非常に難しぐまたコストが高くなつてしまう。遮光層を 2層以上とすることによって、一つの遮光層にピンホールがあっても他の遮光層を設けることで遮光することができる。 [0024] 構成 4は、遮光層がアルミ層であることを特徴とするインク袋体である。遮光層のうち、少なくとも 1層はアルミからなる遮光層を設けることが好ましい。アルミは良好な遮光性を示すだけではなぐ水蒸気ノリア性やガスノリア性が大きぐ特に好ましい。アルミは蒸着によって設けることができるが、蒸着はピンホールが発生しやいため、アルミ箔を用いることが好ましい。アルミ箔の厚さは 1〜30 μ m、好ましくは 5〜25 μ mである。アルミの種類は屈折時の靱性の高!、鉄系のアルミ合金が好ま、。

[0025] 本発明に用いられるインク袋体は、遮光性であり、かつ空気透過性または水分透過性が低、素材力も構成されることが好ま、。

[0026] 遮光性としては、光の透過率が 250〜440nmの波長範囲で 0〜8%、好ましくは 5 %以下の袋体とすることがよりインクの増粘を抑制できる点で好ま U、。本発明のインク袋体にインクを入れた後、インクを入れた袋体をさらに別の袋体に入れておくこともできる。例えば、ダンボール、ポリ袋、プラスチック袋体等が挙げられ、これら袋体を 2 50〜440nmにおける光透過率が 8%以下にしておくことがより好ましい。 440nmを超える波長範囲での光の透過率は 8%以下であることが好ましぐさらに好ましくは 5 %以下である。かかる袋体は、 250〜440nmの波長範囲の光を完全に遮断する袋体 (透過率は 0%)であってもよヽ。

[0027] 一般に、インク袋体として用いられるポリエチレン等のプラスチック袋体は、空気透過性または水分透過性が必ずしも小さくないため、長期保存されている間、温度の高い環境下に晒されると、保存袋体を通してインクが含有している空気または水分が変動し、インク保存性に影響を与える。特に酸を触媒とするカチオン重合性インクでは含水率が低下すると、系内に発生した微量の酸により重合が促進され、その結果、粘度上昇、ゲル化、あるいは逆に粘度低下といった粘度変動を招く結果となる。

[0028] このように重合性インクの長期保存性、特にォキセタンを用いたカチオン重合性ィンクの場合、水分透過性が低い素材力構成される袋体とすることが好ましぐ保存時に環境温度が上昇しても、保存袋体内の水分が外部に放出されることが抑制されるため、酸発生剤を用いた系であって、微量の酸が発生したとしても、存在する水分の抑制効果により、保存性が改善される。

[0029] 水分透過性が低!、素材としては、例えば、ビ-リデンク口ライドポリマー、ナイロン 11 、ナイロン 12、ポリクロ口トリフルォロエチレン、ポリテトラフルォロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリフエ-レンサルファイドや、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン（LDPE) 、高密度ポリエチレン等を挙げることができる。

[0030] 本発明に用いられる保存袋体の水分透過性としては、 JIS K7129 B法に従って測定した水蒸気透過度が、 lgZm²Zday以下であることが好ましぐさらに好ましくは 0. lgZm²Zday未満である。この水蒸気透過度は、例えば、モダンコントロール社製水蒸気透過率測定装置 PERMATRAN— W1Aを用いて、 37°C、 90%RHの条件で測定することができる。

[0031] または、水分透過性は、 JIS Z 0208、あるいは ASTM E96に規定される方法により測定して求めることができる。これらの方法は、乾燥剤の入ったカップ中に厚さ 25 mの試験片を固定し、規定の恒温恒湿装置の中に所定時間放置し、乾燥剤に吸収される前後の質量変化を測定するものである。この方法では、 40°C、 90%RH、常圧下で、 25 111の厚さにぉける水分透過性(透湿度）が20₈7111²' 24111：以下でぁるプラスチック素材力選ばれる材料力も構成されて、ることが好まし!/、。プラスチック素材としては、透湿度として好ましくは 0. 01〜20gZm²' 24hrであり、より好ましくは 0. 01〜： LOg/m²' 24hrである。

[0032] 同様に、空気透過性の指標として酸素透過率は 1. OmlZm²Zd以下であることが好ましぐさらに好ましくは 0. 5mlZm²Zdである。酸素透過率は例えば、モダンコントロール社製酸素透過率測定装置 OX— TRAN100を用いて、 23°C、 0%RHの条件で測定することができる。

[0033] 構成 5は、遮光層がアルミ層と遮光性素材を含有する榭脂層の 2種類であることを特徴とするインク袋体である。遮光層を 2層とする場合、一方はアルミ、他方は遮光性素材を練り込んだ榭脂とすることが遮光性、生産性、コストの点で好ましい。遮光性素材を練り込んだ榭脂としては、カーボンブラックを含有するポリエチレン等が挙げられる。

[0034] 遮光用のカーボンブラックの市販品としては、 # 45、 # 950 (以上、三菱化成社)、バルカン P (キャボット社）、デンカブラック（デン力社）、 PEX9860 20 (東京インキ社)等が挙げられる。 [0035] 添カ卩量としてはフィルムの物性、遮光性の観点で 0. 3〜0. 6質量％が好ましぐより好ましくは 0. 35-0. 40質量⁰ /₀である。

[0036] 構成 6は、遮光層の外側にナイロンまたはポリエステル力なる保護層を有することを特徴とするインク袋体である。遮光層を保護するため、外側に保護層を設けることが好ましぐその材質は、ナイロンまたはポリエステルが好ましぐポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。膜厚は 5〜： LOO μ mが好ましぐさらに好ましくは 5〜50 μ mである。

[0037] 構成 7は、耐インク層がナイロンまたはポリエステルであることを特徴とするインク袋体である。特に、ポリエステルは耐衝撃性があり、機械的強度があり好ましい。遮光層の機械的強度を補うことができるため、ポリエステル力もなる耐インク層は遮光層と隣接して用いることが好ましい。また、ナイロンは耐油性が高く好ましい。

[0038] 構成 8は、ヒートシール層がポリエチレンであることを特徴とするインク袋体である。

紫外線硬化型インクに対して適度な耐性を持ち、かつ、ヒートシール性が優れる素材としてポリエチレンが好ましい。膜厚は 10〜100 μ m、好ましくは 12〜75 μ mである。また、ヒートシール層に用いるポリエチレンは、 Gel Permeation Chromatograr phy(G. P. C)法により測定した分子量が 3万以下の低分子量成分が 3質量％以下であることが好ましい。

[0039] ヒートシール層はインクと接触することから、浸責試験で質量変化率が 5%以下であることが好ましい。

[0040] ヒートシール層にカーボンブラック等の遮光性素材を含有させて遮光層を兼ねることちでさる。

[0041] 衝撃に対するクッション性を持たせるため、ヒートシール層と遮光層との間に 10〜5 0 μ mの厚さのポリエチレン層を設けることが好ましい。

[0042] ヒートシール層には、一般の包装材料として使用されて、る高分子フィルム (例えば機能性包装材料の新展開株式会社東レリサーチセンター記載の高分子フィルム)である低密度ポリエチレン (LDPE)、高密度ポリエチレン (HDPE)、線状低密度ポリエチレン（LLDPE)、中密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン（CPP)、 OPP、 ONy 、 PET、セロハン、ポリビュルアルコール（PVA)、延伸ビニロン（OV)、エチレン酢酸ビュル共重合体 (EVA)、塩化ビ-リデン (PVDC)等が使用できる。

[0043] また、これら熱可塑性フィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押し出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて張り合わせて作った多層フィルム等も使用できる。ヒートシール層のインクと接触する側の熱可塑性フィルムとしては、 LDPE、 LLDPE及びメタ口セン触媒を使用して製造した LDPE、 LLDPE,また、これらフィルムと HDP Eフィルムを混合使用したフィルムが好ま U、。さらに必要とする包装材料の物性を得るために使用するフィルムの密度、分子量分布を組み合わせて作ることも当然可能である。

[0044] 構成 9は、ヒートシール層に用いられるポリエチレンカ^タ口セン触媒を使用して製造されたポリエチレンであることを特徴とするインク袋体である。メタ口セン触媒を使用して製造されたポリエチレンはヒートシール強度が高く好ましい。

[0045] 特にこれらの中でも溶融温度、強度の点からメタ口セン触媒を使用して製造した LL DPEが好ましぐ一般に市販されているものであれば充分に使用できる。メタ口センとは、遷移金属を不飽和環状ィ匕合物で挟んだ構造の化合物をいい、 Zr錯体とメチルアルミノキサン（MAO)の組み合わせが知られて!/、る。この触媒は Kaminsky触媒もしくは Kaminsky—sinn触媒とも言われる。市販品としては、例えば宇部興産 (株)製のュメリット、ダウ'ケミカル日本製の AFFINITY,エリート、日本ポリオレフイン（株）製のハーモレックス LL、日本ポリケム (株)製のカーネル 57L、三井化学 (株)製ェボリュー、積水フィルム西日本 (株)製ラミロンスーパー、タマポリ (株)製 SEシリーズ、東セロ (株)製トーセロ T. U. X— FCS、 T. U. X— TCS、二村ィ匕学工業 (株)製太閤 F L、三菱ィ匕学興人パックス (株)製メタ口エース、和田化学工業 (株)製 WMX、住友ィ匕学 (株)製 FV202等が挙げられる。

[0046] 各層に用いられる材料としては、ポリエチレン (PE)、ポリプロピレン (PP)、ポリスチレン（PS)、ポリメチルメタタリレート（PMMA)、 2軸延伸ナイロン 6、ポリエチレンテレフタレート（PET)、ポリカーボネート（PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン（PES)、薄膜ノヽンドブック p879〜901 (日本学術振興会）、真空技術ノヽンドブック p502〜50 9、 p612、 p810 (日刊工業新聞社)、真空ハンドブック増訂版 pl32〜134 (ULVA C 日本真空技術 K. K)に記載されてヽるような無機膜が挙げられる。さらに、複数のプラスチックシートを貼り合わせてなる多層構成のプラスチックシートを用いることもできる。多層構成のプラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート Zポリビュルアルコール 'エチレン共重合体 Zポリエチレンの 3層構成、延伸ポリプロピレン Zポリビュルアルコール 'エチレン共重合体 Zポリエチレンの 3 層構成、未延伸ポリプロピレン Zポリビュルアルコール 'エチレン共重合体 Zポリェチレンの 3層構成、ナイロン Zアルミニウム箔 Zポリエチレンの 3層構成、ポリエチレンテレフタレート Zアルミニウム箔 Zポリエチレンの 3層構成、セロファン Zポリエチレン Z アルミニウム箔 Zポリエチレンの 4層構成、アルミニウム箔 Z紙 Zポリエチレンの 3層構成、ポリエチレンテレフタレート Zポリエチレン Zアルミニウム箔 Zポリエチレンの 4 層構成、ナイロン Zポリエチレン Zアルミニウム箔 Zポリエチレンの 4層構成、紙 zポリエチレン zアルミニウム箔 Zポリエチレンの 4層構成、ポリエチレンテレフタレート z アルミニウム箔 Zポリエチレンテレフタレート Zポリプロピレンの 4層構成、ポリエチレンテレフタレート Zアルミニウム箔 Zポリエチレンテレフタレート Z高密度ポリエチレンの 4層構成、ポリエチレンテレフタレート zアルミニウム箔 Zポリエチレン Z低密度ポリエチレンの 4層構成、ポリビュルアルコール 'エチレン共重合体 Zポリプロピレンの 2 層構成、ポリエチレンテレフタレート Zアルミニウム箔 Zポリプロピレンの 3槽構成、紙 zアルミニウム箔 Zポリエチレンの 3層構成、特に好ましくは、ポリエチレン zポリ塩ィ匕ビ-リデン被覆ナイロン zポリエチレン zェチルビ-ルアセテート .ポリエチレン縮合物の 4層構成、ポリエチレン Zポリ塩ィ匕ビユリデン被覆ナイロン Zポリエチレンの 3層構成、ェチルビ-ルアセテート ·ポリエチレン縮合物 zポリエチレン Zアルミニウム蒸着ナイロン Zポリエチレン Zェチルビニルアセテート 'ポリエチレン縮合物の 5層構成、アルミニウム蒸着ナイロン zナイロン Zポリエチレン Zェチルビ-ルアセテート ·ポリエチレン縮合物の 4層構成、延伸ポリプロピレン Zポリ塩ィ匕ビユリデン被覆ナイロン Z ポリエチレンの 3層構成、ポリエチレン Zポリ塩ィ匕ビユリデン被覆ナイロン Zポリエチレン Zポリ塩ィ匕ビユリデン被覆ナイロン Zポリエチレンの 5層構成、延伸ポリプロピレン Zポリビニルアルコール 'エチレン共重合体 Z低密度ポリエチレンの 3層構成、延伸ポリプロピレン Zポリビュルアルコール 'エチレン共重合体 Z未延伸ポリプロピレンの 3層構成、ポリエチレンテレフタレート Zポリビュルアルコール 'エチレン共重合体 Z 低密度ポリエチレンの 3層構成、延伸ナイロン Zポリビュルアルコール 'エチレン共重合体 Z低密度ポリエチレンの 3層構成、未延伸ナイロン Zポリビュルアルコール'ェチレン共重合体 Z低密度ポリエチレンの 3層構成等を挙げることができる。

[0048] それぞれの層間の接着性を向上するため、接着剤によるアンダーコート処理、ブラズマ処理、コロナ処理等を行うことが好ましい。接着剤としては、大日精ィ匕工業 (株）製のセイカボンド A— 158WZC— 90等が挙げられる。

[0049] (紫外線硬化型インク）

本発明のインク袋体に充填される紫外線硬化型インクは、重合性化合物、重合開始剤を含み、必要に応じて色材、重合禁止剤、界面活性剤、榭脂、溶剤等が適宜配合される。

[0050] ラジカル重合性インクとしては、例えば、特開平 7— 159983号公報、特公平 7— 3 1399号公報、特開平 8— 224982号公報、同 10— 863号公報に記載のインク組成を挙げることができ、カチオン重合性インクとしては、各種公知のインク組成が使用できる。例えば、特開平 6— 9714号公報、特開 2001— 31892号公報、同 2001— 40 068号公報、同 2001— 55507号公報、同 2001— 310938号公報、同 2001— 31 0937号公報、同 2001— 220526号公報、同 2004— 131588号公報力挙げられる

[0051] (インク袋体の構造）

図 1はインク袋体の斜視図である。インク袋体 3はインク収納部 301とインク導出部 3 02の 2つの部材とを有している。 301aはインク収納部 301の上面を示し、 301bはィンク収納部 301の下面を示す。 301c、 301dはインク収納部 301を作るためのシール部を示す。シール部 301cはインク収納部 301をセンターシール方式で作製した場合のシール部を示す。

[0052] なお、インク収納部 301の形状は作製方法により変わるため限定されるものではなぐ例えば、 2枚の材料を重ね合わせ 3方をシールし袋状としてもよいし、 1枚の材料を折り重ね合わせ 2方をシールして袋状としてもょ、。

[0053] 302aはインク導出部 302の基材を示す。 302bは基材 302aに設けられたインク収納部 301との接合部を示す。インク収納部 301を接合部 302bに接合する方法は、接合部 302bをインク収納部 301に挿入した後、熱溶着、接着剤等で接着することで接合することができる。 301eは接合部 302bにインク収納部 301を接合したシール部を示す。

[0054] 302cはインクジェット記録装置のインク供給部（不図示)への装着部を示す。 302d は 302cに設けられた筒状のインク取り出し部を示す。なお、インク収納部 301はインク導出部 302を取り付けてある側を前部とし、反対側を後部とする。インク導出部 302 は接合部 302bを取り付けてある側を裏面とし、反対側を表面とする。

[0055] 図 2は図 1にインク袋体の概略断面図である。図中、 204はインク袋体をインクジェット記録装置のインク供給部 (不図示)へ装着したとき、インク袋体のインク取り出し部 302dとインクジェット記録装置のインク供給部材 (不図示）とを接合するために設けられた切り欠け部を示す。他の符号は図 1と同義である。

[0056] 図 3は図 2の Pで示される部分の、保護層 501、接着層 502、第一遮光層 503、接着層 504、耐インク層 505、アンカーコート層 506、クッション層 507、第二遮光層を兼ねたヒートシール層 508からなる多層フィルムの拡大概略断面図である。

[0057] (インク袋体の製造）

図 1に示すインク袋体を作る方法としては、先ず図 3に示す多層フィルムを使用し筒状のインク収納部を作り、開放口の一方に導出部を取り付けた後、他の開放口側より減圧条件下でインクを充填し、熱溶着または接着剤で開放口を接着することでインクを充填したインク袋体を製造することができる。

[0058] 筒状のインク収納部を作る方法としては例えば、（1)長方形の 2枚の前記多層熱可塑性フィルムの長辺側を熱溶着または接着剤で接着する方法、 (2)長方形の 1枚の前記多層熱可塑性フィルムの長手中央カゝら半折し両長辺側を熱溶着または接着剤で接着する方法、（3)長方形の 1枚の前記多層熱可塑性フィルムの幅手中央から半折し長辺側を熱溶着または接着剤で接着する方法が考えられるが一番作りやすい方法を適宜選択して作ることが可能である。

[0059] インク導出部を取り付ける方法としては、インク導出部の基材に取り付けられている接合部をインク収納部に挿入した後、熱溶着または接着剤で接着することで可能である。実施例

[0060] 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

[0061] 実施例 1

〔インク袋体の作製〕

(インク袋体 1)

以下に示す材料を使用して本発明のインク袋体 1を作製した。

[0062] PET# 12ZDLZAL12 (T— 120) ZDLZONY# 15ZACZPE30Z黒 PE50 力もなる軟包材インク袋体用の複合フィルムを作製した。用いた各材料の詳細を下記に示す。

[0063] く PET # 12〉

膜厚 12 ;ζ ΐη、インク浸漬テストで質量変化率が 1%以下の PETフィルムで、保護層となる。

[0064] 質量変化率の測定は下記のように行った。

[0065] 部材を 23°C50%RHの常温常湿下に 24時間保存後、質量を測定する。次に袋体に入れたインクに部材を浸漬し密閉して、 60°Cで 1週間保存後、部材を取り出しァセトンで洗浄した後、 23°C50%RHの常温常湿下に 24時間保存後、質量を測定し、浸漬前後の質量力質量変化率を算出した。

[0066] <DL>

ドライラミネート (大日精化工業 (株)製接着剤、セイカボンド、 A- 158W/C - 90) を用い接着した。

[0067] <AL12 (T- 120) >

水分透過性をなくすために膜厚 12 mの AL12 (アルミ箔）を使用した。また、アルミ箔は破断しやすく 3〜4Lのインク袋体では振動等による外箱内面とのこすれ、折れ等によるピンホールができやすい懸念があり、強度が高く折り曲げ性に優れる鉄系合金の T— 120との複合フィルムを使用した。これは第一遮光層となる。

[0068] 〈ONY# 15〉

膜厚 15 m、インク浸漬テストで質量変化率が 1%以下の 2軸延伸ナイロンフィルムで、耐油性で油性物質を遮断し、腐食耐性効果がある。これは耐インク層となる。

[0069] <AC>

接着力を得るための表面処理 (アンカーコート）を行った。

[0070] <PE30>

膜厚 30 mのポリエチレンフィルムで、衝撃に対するクッション効果により落下時のインク袋体の破裂を防止する。

[0071] 〈黒 PE50〉

膜厚 50 /ζ πι、インク浸漬テストで質量変化率が 1%以上、 5%未満で、カーボンブラックを練り込んだポリエチレンフィルムである。このポリエチレンはメタ口セン触媒を用 V、て重合した線状低密度ポリエチレン (住友化学 (株)製、線状低密度ポリエチレン F V202)で、分子量分布が一定で強度が高い。これは第二遮光層を兼ねたヒートシ一ル層となる。

[0072] 上記複合フィルムを使用し、黒 ΡΕ50を内側とし、図 1に示すインク収納部 (4L用）を熱溶着方式でスパゥト状に加工した後、射出成形で作製した図 1の形状の低密度ポリエチレン製インク供給口を設けてインク袋体 1を作製した。

[0073] (インク袋体 2)

AL12 (Τ— 120) ZDLZ黒 ΡΕ50からなる軟包材インク袋体用の複合フィルムを作製し、これを用いて、インク袋体 1と同様にして比較例のインク袋体 2を作製した。尚、この場合、インク袋体 2において、質量変化率 1%以下の耐インク層は使用していない。

[0074] 〔インク袋体の評価〕

作製した内容積 4Lのインク袋体に下記組成のカチオン重合型の紫外線硬化型ィンク 3Lを充填し、減圧しながら 110°Cでヒートシールして密封し、インクを充填したィンク袋体 1及び 2を作製した。減圧パッキングしたので乾燥空気は 5mL以下に抑えることができた。

[0075] (紫外線硬化型インクの調製）

〈シアン顔料分散物〉

PB15 : 3 15質量部分散剤 2質量部

ァロンォキセタン OXT— 221 (東亜合成） 83質量部

次いで、以下の配合を行い、 0. 8 mのメンブレンフィルターにてろ過、 50°Cにカロ熱しながら減圧によって脱水し、紫外線硬化型インク (シアン)を得た。

[0076] 〈インク配合〉

シアン顔料分散物 17質量部

ァロンォキセタン OXT— 221 (東亜合成） 70質量部

セロキサイド 2021P (ダイセル UCB) 30質量部

UVI— 6990 (ダウケミカル製、光酸発生剤） 5質量部

このインク入りインク袋体を用い下記評価を行った。

[0077] (インク保存性）

インクを充填したインク袋体を 70°C、 2週間保存し、保存前のインクに対する粘度及び顔料粒子の平均粒径の変化 (変動率)を定法により測定し、下記基準で評価した。

[0078] 〇：粘度及び平均粒径の変動率が 3%未満である

X：粘度及び平均粒径の変動率が 3%以上である

(強度試験）

インクを充填したインク袋体を 70°C、 2週間保存後、高さ 70cmより落下させ、ヒートシール層の破れの有無を目視で確認した。

[0079] 〇：破れは認められな！、

X：破れが認められる

(振動試験）

インクを充填したインク袋体を IDEX社製、振動試験器 BF— UAを使い、 5〜64Hz の変化を 5分間で 1回行うのを 1サイクルとし 6サイクル行った後、目視にて外観を観察し、アルミニウム箔層にピンホールが生じたと推定されるインクが染みだした跡を下記基準で評価した。

[0080] 〇：インクが染みだした跡は認められな!/ヽ

X：インクが染みだした跡が認められる

(振動試験後のインク保存性）インクを充填したインク袋体を IDEX社製、振動試験器 BF— UAを使い、 5〜64Hz の変化を 5分間で 1回行うのを 1サイクルとし 6サイクル行った後、 7日間放置し、コ- 力 (株)製インクジェット記録装置 LF— 1044SDに装着し、 AOサイズの大きさで 10分間連続記録をし、インク抜けの有無を目視にて観察し、下記基準で評価した。

[0081] 〇：インク抜けは認められない

X： 1箇所以上のインク抜けが認められる

以上の評価の結果を表 1に示す。

[0082] [表 1]

[0083] 表 1から、本発明のインク袋体は、比較例に比べ、シール強度が高ぐ振動等の外的要因に対して遮光部材にピンホールの発生がなぐ長期に渡って遮光性とインク耐性を有するインク袋体となることが分力つた。

産業上の利用可能性

[0084] 本発明により、低コストで振動や曲げ等の外的要因に対して、長期に渡って遮光性とインク耐性を有する紫外線硬化型インクジェット記録方法に用いるインク梱包体およびインク袋体を提供することができる。

Claims

請求の範囲 [1] 紫外線硬化型インク梱包体で、

(1) 多層膜で形成された袋体と、

(2) 前記袋体内に収納された紫外線硬化型インクとを有し、

前記多層膜は

(a) 遮光層と、

(b) 収納すべき前記紫外線硬化型インクによる浸漬テストで質量変化率力 Sl%以下の耐インク層とを有す。

[2] 前記耐インク層の内側にヒートシール層を有することを特徴とする請求の範囲第 1 項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[3] 前記遮光層が 2層以上で構成されることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[4] 前記遮光層がアルミ層であることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[5] 前記遮光層がアルミ層と遮光性素材を含有する榭脂層の 2種類であることを特徴とする請求の範囲第 3項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[6] 前記遮光層の外側にナイロンまたはポリエステル力もなる保護層を有することを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[7] 前記耐インク層がナイロンまたはポリエステルであることを特徴とする請求の範囲第

1項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[8] 前記ヒートシール層がポリエチレンであることを特徴とする請求の範囲第 2項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。

[9] 前記ポリエチレン力タ口セン触媒を使用して製造されたポリエチレンであることを特徴とする請求の範囲第 8項に記載の紫外線硬化型インク梱包体。