WO2006035809A1

WO2006035809A1 - 多針刺繍ミシン

Info

Publication number: WO2006035809A1
Application number: PCT/JP2005/017834
Authority: WO
Inventors: Ikuo Tajima; Katsuharu Yoshikawa
Original assignee: Tokai Kogyo Mishin Kabushiki Kaisha
Priority date: 2004-09-28
Filing date: 2005-09-28
Publication date: 2006-04-06
Also published as: KR20070049649A; JP2006094918A; CN101027444A; KR100794874B1; TR200701916T1

Abstract

　多針ミシンヘッド３と、釜土台５と、該多針ミシンヘッドの針位置を選択する色換え機構２３とをミシンフレームに対して横方向（Ｘ方向）に移動可能に配備し、これらを一体的に横方向に移動させる横移動機構２２，３１を設ける。横方向に延びた前後一対の送りローラ５２ａ，５２ｂ上において長尺の原反Ｎの刺繍領域を展張し、該送りローラ５２ａ，５２ｂの回転により該展張された原反を布長方向（Ｙ方向）へ移送し、該送りローラ５２ａ，５２ｂ上に展張された原反はＸ方向に動かず、多針ミシンヘッド３、釜土台５、色換え機構２３を一体的にＸ方向に動かすことで、２次元的縫いパターンを実現する。これにより、１対の送りローラ間に展張された原反部分に対して刺繍縫いを行う場合、原反の蛇行や展張の弛みが起きないようにすることができる。

Description

明細書

多針刺繍ミシン

技術分野

[0001] 本発明は、縫い糸の色換え機構を具備する多針刺繍ミシンに関し、特に、長尺の原反に刺繍縫いを行う多針刺繍ミシンに関し、更に詳細には、長尺の原反を一対の送りローラ間で展張し、該送りローラを回転させて原反を一方向に送る機構を具備した多針刺繍ミシンに関する。

背景技術

[0002] 下記特許文献 1には、長尺の原反を一対の送りローラ間で展張し、該送りローラを回転させて原反を一方向（前後方向つまり Y方向）に送るローラトラバース機構を具備した刺繍ミシンが示されている。この特許文献 1に示された刺繍ミシンでは、横方向 (X方向）への布送りのために、該一対の送りローラそのものを軸方向（X方向）移動するようにしている。

特許文献 1：特開昭 58-197364号

[0003] 上記特許文献 1に示された刺繍ミシンにおいては、送りローラが回転とともに軸方向へ移動するため、原反の送りに伴って原反が蛇行したり、原反の幅方向の展張が弛んで柄がずれることがある。これを防ぐために、原反の蛇行を防止する機構や原反を幅方向へ拡布する機構を備えた刺繍ミシンも存在するが、送りローラを軸方向へ移動制御する機構に加えて、蛇行防止機構及び拡布機構をも更に具備しなければならないため、刺繍ミシンの構造が複雑となる。

発明の開示

[0004] 本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、縫い糸の色換え機構を具備する多針刺繍ミシンにぉ、て、従来のローラトラバース機構の持つ欠点を除去することのできる、改善された構成を提供しょうとするものである。

[0005] 本発明は、複数の縫!、針を備えた多針ミシンヘッドと、前記多針ミシンヘッドの下方に配列された釜を備えた釜土台と、前記多針ミシンヘッドにお!、て任意の縫、針を所定の作動位置に選択的に位置させる色換え機構とを具えた多針刺繍ミシンにおいて、前記多針ミシンヘッド、釜土台、色換え機構をミシンフレームに対して横方向に移動可能に配備し、これらを一体的に横方向に移動させる横移動機構と、長尺の原反の刺繍領域を展張し、かつ該展張された原反を布長方向へ移送するために、横方向に延びた前後一対の送りローラとを具備し、前記一対の送りローラに展張された原反の刺繍領域を布長方向に前後に動かし、かつ、前記横移動機構により前記多針ミシンヘッド、釜土台、色換え機構を一体的に横方向に左右に動かすことで、所望の 2次元的縫、パターンを実現することを特徴とする。

[0006] 本発明によれば、多針ミシンヘッド、釜土台、色換え機構をミシンフレームに対して横方向に移動可能に配備し、これらを一体的に横方向に移動させる横移動機構を、一対の送りローラとは別個に設けているので、所望の 2次元的縫いパターンを実現するための横方向 (X方向）の布送りは、原反は動力さずに、横移動機構により多針ミシンヘッド、釜土台、色換え機構を一体的に動かすことにより、実現される。一方、所望の 2次元的縫いパターンを実現するための前後方向（Y方向）の布送りは、一対の送りローラにて長尺の原反を布長方向（Y方向）に移送させることによって実現される。このように一対の送りローラは、その軸方向に動力されずに、回転するのみとしたため、該ローラに展張された原反も幅方向（横方向）には動力されず布長方向（前後方向 )にのみ送られるものとなるので、刺繍縫いの進行に伴って原反が蛇行したり、原反の幅方向の展張が弛むことで、仕上がりの刺繍柄がずれるようなことが起こらない。これによって、原反の蛇行を防止する機構や原反を幅方向へ拡布する機構を設ける必要がなぐ刺繍ミシンの構造が簡素となる。

図面の簡単な説明

[0007] [図 1]本発明の一実施例に係る多針刺繍ミシンの正面図。

[図 2]該多針刺繍ミシンの上フレームとミシンヘッドを省略して示す平面図。

[図 3]図 1の I-I線断面に従う側面断面図。

[図 4]図 1の II II線断面に従う側面断面図。

[図 5]同実施例のミシンの背面図。

[図 6] 1つのミシンヘッドを拡大して示す側面図。

[図 7]色換え機構の構成を拡大して示す正面図。 [図 8]該色換え機構の側断面図。

[図 9]ミシン主軸と下軸に対する主軸モータの回転運動をスプライン結合により伝達する機構の一例を示す拡大正面図。

[図 10]図 9における III III線に沿う側面断面拡大図。

発明を実施するための最良の形態

[0008] 以下、添付図面を参照して本発明の一実施例につき詳細に説明する。

図 1は本発明の一実施例に係る多針刺繍ミシンの正面図、図 2は該多針刺繍ミシンの上フレーム 1とミシンヘッド 3を省略して示す平面図、図 3は図 1の I I線断面に従う側面断面図、図 4は図 1の II II線断面に従う側面断面図、図 5は同ミシンの背面図である。ミシンフレームは、上フレーム 1と下フレーム 2とからなる。この実施例は多頭式多針刺繍ミシンの例を示し、上フレーム 1の前面には、取付板 11を介して、 1ヘッドにっき複数 (例えば 3本)の縫、針を備えたミシンヘッド 3が、ミシンの横 (長手)方向に複数個配列されている。各ミシンヘッド 3の下方には釜 4を備えた釜土台 5がそれぞれ配置される。

[0009] 図 6は、 1つのミシンヘッド 3を拡大して示す側面図である。図 6に示されるように、ミシンヘッド 3は、アーム 6と、該アーム 6に横方向スライド可能に支持された針棒ケース 7とを含んでおり、針棒ケース 7は複数 (例えば 3本)の縫い針 8を備えている。針棒ケース 7は後述するように色換え機構 23によって横方向にスライドされて任意の 1つの縫い針 8が所定の作動位置 (選択位置）に選択的に位置せしめられる。各ミシンへッド 3にはミシン主軸 9が貫通して設けてあり、該作動位置 (選択位置）に位置された縫 Vヽ針 8がミシン主軸 9の回転によって上下動されるようになって、る。各釜土台 5には下軸 10が貫通して設けてあり、下軸 10の回転によって釜 4が回転されるようになって V、る。この縫、針 8の上下動と釜 4の回転によって周知の縫!、動作が行われる。

[0010] ミシンヘッド 3のアーム 6は、 2枚の取付板 11に固定してあり、該取付板 11は上フレーム 1の前面に固定された 2本のガイドレール 12に移動可能に設けられた複数のスライダ 13に固定してある。これにより、各ミシンヘッド 3は、上フレーム 1に対して、取付板 11のスライダ 13を介して、その配列方向つまり横方向（X方向）に一体的に移動可能となっている。 [0011] 下フレーム 2の前面には土台 14が固定してあり、土台 14の上方にはスタッド 15を介してレール土台 16が固定してある。釜土台 5は X方向に長尺な取付板 17に固定してあり、該取付板 17には、レール土台 16の上面に固定されたガイドレール 18に移動可能に設けられた複数のスライダ 19 (各釜土台 5毎に或る程度の長さで設けられている）が固定してある。これにより、各釜土台 5も、下フレーム 2に対して、取付板 17のスライダ 19を介して、ミシンヘッド 3の配列方向つまり横方向（X方向）に一体的に移動可能となっている。釜土台 5には、ブラケット 20を介して一対の支持ローラ 21が設けてある。この両支持ローラ 21にてレール土台 16を挟持しており、釜土台 5の移動をガイドするとともにミシン運転時に生ずるおそれのある釜土台 5の振動を抑制している

[0012] 図 1及び図 2に示されるように、ミシンヘッド 3の 2枚の取付板 11及び、釜土台 5の取付板 17の右端付近には連動板 22が固定してあり、これにより図 6に示された取付板 11と取付板 17を連結している。連動板 22の前面には、各ヘッド 3の針棒ケース 7をスライドさせて任意の縫い針 8を所定の作動位置 (選択位置）に選択的に位置させるための色換え機構 23が固設してある。これにより、連動板 22の横方向（X方向）の動きに伴って、ミシンヘッド 3、釜土台 5、および色換え機構 23が、横方向（X方向）に一体的に移動されることとなる。

[0013] 図 7は色換え機構 23の構成を拡大して示す正面図であり、図 8は該色換え機構 23 の側断面図である。図 7及び図 8に示されるように、色換え機構 23は、連動板 22に固定される断面コ字形のフレーム部材 24と、フレーム部材 24に回転自在に支持したボ一ルネジ 25と、ボールネジ 25に螺合されたナット部材 26と、該ナット部材 26に取り付けられた移動子 28と、該移動子 28をガイドするガイドシャフト 27とを備えている。フレーム部材 24には駆動モータ 29が固定してあり、駆動モータ 29のモータ軸はボールネジ 25の一端に連結してある。これにより、駆動モータ 29を駆動するとボールネジ 25が回転され、ナット部材 26とともに移動子 28がスライドされることとなる。移動子 28 にはロッド (スライド駆動部材） 30の一端が固定してあり、該ロッド 30は各ミシンヘッド 3の針棒ケース 7に連結されている。これにより、縫い糸の色換えのために、駆動モータ 29が適量駆動されると、この駆動モータ 29の駆動によって移動子 28がスライドされ、これに伴い、ロッド 30を介して各ミシンヘッド 3の針棒ケース 7が左右にスライドされることとなる。こうして、針棒ケース 7における複数の縫い針 8のうち、任意の縫い針 8が所定の作動位置 (選択位置）に選択的に位置せしめられる。

[0014] 図 1に示すように、連動板 22は駆動機構 31に連結されて横移動機構を構成して！/、る。駆動機構 31は、上フレーム 1と下フレーム 2の間に固定されたプレート 32 (図 3参照）に固定してある。図 1に示すように、駆動機構 31は、プレート 32に固定したフレーム部材 33と、フレーム部材 33に回転自在に支持されたボールネジ 34と、ボールネジ 34の回転によってスライドされる移動子 35と、ボールネジ 34を回転駆動するための駆動モータ 36を備えており、連動板 22は移動子 35の前面に固定してある。これにより、駆動モータ 36を正又は逆に駆動させれば、連動板 22、取付板 11、取付板 17がミシンヘッド 3の配列方向つまり横方向（X方向）に左又は右に移動され、色換え機構 23、ミシンヘッド 3、釜土台 5が横方向（X方向）に左又は右に一体的に移動されることとなる。なお、ミシンヘッド 3及び釜土台 5が横方向（X方向）に移動されるときはミシン主軸 9及び下軸 10も一緒に同方向に移動される。典型的には、駆動モータ 36は、刺繍縫いパターンに応じた縫い幅データの X方向成分に従って駆動される。

[0015] 図 9は、ミシン主軸 9と下軸 10に対する主軸モータ 41の回転運動をスプライン結合により伝達する機構の一例を示すもので、本実施例に係る刺繍ミシンの正面左側の部分の拡大正面図である。図 10は、図 9における III III線に沿う側面断面拡大図である。図 9に示すように、ミシン主軸 9の左端部にはスプライン軸 37が連結してある。スプライン軸 37には、スプライン軸 37の軸線に沿ってスライド可能で、スプライン軸 3 7とともに回転するスプラインベアリング 38が設けてある。スプラインベアリング 38には主軸プーリ 39が固定してある。図 10に示すように、主軸プーリ 39はタイミングベルト 4 0を介して上フレーム 1の背面に固定した主軸モータ 41と連結してある。スプライン軸 37の左端部にはプーリ軸 42が連結してある。プーリ軸 42は伝達ボックス 43に回転可能に支持してあり、プーリ軸 42には伝達ボックス 43内に位置する従動プーリ 44が固定してある。伝達ボックス 43の下方には下軸 10に固定した下軸プーリ 45が位置しており、従動プーリ 44と下軸プーリ 45はタイミングベルト 46にて連結してある。伝達ボックス 43には、従動プーリ 44と下軸プーリ 45の中間位置にテンションプーリ 47が設けてあり、タイミングベルト 46のテンションを調整できるようになつている。これにより、主軸モータ 41を駆動させればミシン主軸 9と下軸 10が回転され、縫い針 8が上下動されるとともに釜 4が回転される。そして、スプライン軸 37、スプラインベアリング 38 によってミシン主軸 9と下軸 10の軸方向スライドが許容されながらも、主軸モータ 41 の駆動がミシン主軸 9と下軸 10に伝達されることとなる。

[0016] 伝達ボックス 43は、その背面が上フレーム 1の前面に固定されたガイドレール 48に移動可能に設けられたスライダ 49に固定してあるとともに、その底面は下フレーム 2 の土台 14にスタッド 15を介して固定されたガイドレール 50に移動可能に設けられたスライダ 51に固定してある。伝達ボックス 43内の従動プーリ 44、下軸プーリ 45は、その位置を規制して設けてあり、ミシンヘッド 3及び釜土台 5とともにミシン主軸 9、下軸 1 0が X方向（ミシンヘッド 3の配列方向）に移動されると、従動プーリ 44、下軸プーリ 45 を介して伝達ボックス 43が同様に移動されるようになっている。なお、図 9では伝達ボックス 43が最も右側に移動した状態が実線で示してあり、最も左側に移動した状態が想像線 43'で示してある。

[0017] 図 2〜図 4に示すように、釜土台 5の前後位置には一対の送りローラ 52a, 52b力配置してある。各送りローラ 52a, 52bは両端部をローラ支持台 53a, 53b及び 54によつて回転可能に支持してある。右側のローラ支持台 53a, 53bは連動板 22との干渉を防ぐために前後に分割してある。左側のローラ支持台 54には送りローラ 52a, 52bを回転駆動させる駆動モータ 55が固定してある。駆動モータ 55は、各送りローラ 52a, 52b毎に個別に設ければよいが、 1つのみ設けて両ローラ 52a, 52bに同量同方向の回転運動を伝達するようにしてもよい。なお、各送りローラ 52a, 52bは、長尺であるため、両端にて軸受するだけでは中央部が橈むおそれがあることに鑑み、それぞれ中間部にて左右に 2分割し、その中間部を軸受 56にて支持してある。

[0018] 図 4に示すように、各ローラ支持台 53a, 53b, 54には、各送りローラ 52にそれぞれ当接可能なテンションローラ 57が夫々設けてある。これらのテンションローラ 57は、その両端部を各支持部材 58に回転可能に支持してあり、各支持部材 58はローラ支持台 53a, 53b, 54に前後動可能に設けてある。ローラ支持台 53a, 53b, 54には各支持部材 58を夫々独立に前後駆動させるための駆動モータ 59が個別に設けてあり、各駆動モータ 59の駆動によって、各テンションローラ 57の位置力該テンションローラ 57が各送りローラ 52と当接する位置又は送りローラ 52から離れる位置のどちらかに切換えられる。

[0019] 各支持部材 58には各テンションローラ 57をそれぞれ回転駆動させるための駆動モータ 60が夫々固定してあり、送りローラ 52にセットした原反 Nを展張するために、原反 Nを展張する方向へ回転する力を付与するようになっている。つまり、前部の送り口ーラ 52aを前寄り（反時計方向）に回転させる傾向を付与し、後部の送りローラ 52bを後寄り（時計方向）に回転させる傾向を付与する。この展張用の回転力は各送りローラ 52a, 52bに加えられる布送り用の回転力よりは弱く設定してあり、原反 Nを送るために駆動モータ 55よって各送りローラ 52a, 52bが同方向に回転されると、各テンションローラ 57も追従して回転されることとなる。各テンションローラ 57の上方にはそれぞれガイドバー 61が設けてあり、各ガイドバー 61の両端部は各ローラ支持台 53a, 53b , 54に固定してある。

[0020] 図 3〜図 5に示すように、刺繍ミシンの背面側には長尺の原反を供給する供給部 S 1, S2が設けてある。上側の供給部 S1は幅が広い原反のロール N1が 1つセットできるようになっている。下側の供給部 S2は幅の狭い原反のロール Ν2、 Ν3が横方向に 2つセットできるようになつている。なお、図 5では、説明の便宜上、両供給部 Sl、 S2 の双方に原反のロールをセットした状態が図示してある力実際には、目的に応じて、どちらか一方に原反ロールをセットするものとする。

[0021] 図 4に示すように、上側の供給部 S1には幅広の原反のロール N1を支持する支持部 62と、ロール N1を回転させる図示しない駆動源と、上下移動自在なテンションバ一 63と、 4つの案内ローラ 64、 65、 66、 67力 ^設けてある。下佃 Jの供給咅 S2には幅狭の原反ロール N2、 N3を支持する支持部 68、 69と、ロール N2、 N3をそれぞれ回転させる図示しない駆動源と、上下移動自在なテンションバー 70と、 3つの案内ローラ 71、 72、 73が設けてある。幅の広い原反 Nへの刺繍を行うときには、上側の供給部 S1の支持部 62にロール N1をセットして、ロール N1から繰り出した原反 Nを案内口ーラ 64、テンションバー 63、案内ローラ 65、案内ローラ 66を介して送りローラ 52へと導く。一方、幅の狭い原反 Nへの刺繍を行うときには、下側の供給部 S2の支持部 68 、 69にロール N2、 N3をセットして、両ロール N2、 N3から繰り出した原反 Nを案内口ーラ 71、テンションバー 70、案内ローラ 72、案内ローラ 73、上側の供給部 S1の案内ローラ 67、案内ローラ 66を介して送りローラ 52へと導く。

[0022] 供給部 S1または S2から繰り出した原反 Nは、後側のガイドバー 61を介して後側のテンションローラ 57に巻き掛け、一対の送りローラ 52に掛け渡したのちに前側のテンシヨンローラ 57に巻き掛けて前側のガイドバー 61を介して刺繍ミシンの前方に配置した図示しな!、回収スタンドへと導く。

なお、原反 Nをセットするときには前記駆動モータ 59によって各支持部材 58を前後に駆動させ、各テンションローラ 57を各送りローラ 52から離すようになって、る。また、両供給部 Sl、 S2だけでは原反を重ねて刺繍を行うときに複数のロールをセットすることができないので、キルティングを行うときなどには刺繍ミシンの後方にそのための供給スタンドを配置するが、その詳細説明は省略する。

[0023] 刺繍縫いを行うときは、上記したように原反 Nをロール力繰り出して回収スタンドへと導いた後、主軸モータ 41を駆動して、縫い針 8を上下動させるとともに釜 4を回転させる。縫うべき刺繍柄データの Y方向の縫い幅成分に応じて送りローラ 52a, 52bを正又は逆に適量回転して原反 Nを前後方向（Y方向）に適量移動させるとともに、該刺繍柄データの X方向の縫い幅成分に応じて前記駆動モータ 36を適量回転して前記連動板 22を介してミシンヘッド 3、釜土台 5、色換え機構 23をミシンヘッド 3の配列方向つまり横方向（X方向）に左右に動かす。このとき、各テンションローラ 57には一対の送りローラ 52a, 52bに掛け渡された原反 Nの刺繍領域を展張する方向への回転力が掛けられるので、これによつて、両送りローラ 52a, 52b間の原反 Nは適正に展張される。原反 Nが送られると、供給部 Sl、 S2のテンションバー 63、 70が原反 N に引張られて上昇される。テンションバー 63、 70がある位置まで上昇されると、原反のロール Nl、 N2、 N3を回転駆動して原反 Nを繰り出すようになつている。

[0024] 以上説明したように、原反 Nに対する送り動作は一方向（Y方向）のみとしたため、刺繍縫いの進行に伴って原反 Nが蛇行したり、原反 Nの幅方向（X方向）の展張が弛んで仕上がり柄がずれる、というようなことが起こらない。これによつて、原反の蛇行を防止する機構や原反を幅方向へ拡布する機構を設ける必要がなぐ刺繍ミシンの構造が簡素となる。また、色換え機構 23をミシンヘッド 3とともにスライドさせることによつて、ミシンヘッド 3における色換えを通常の構造および制御で容易に行うことができることとなる。仮に色換え機構 23をスライドさせない構造とした場合は、色換え機構 23 に対するミシンヘッド 3のスライドを許容する構造や、ミシンヘッド 3のスライド分を計算して色換え選択制御を行う処理などが必要となる。

なお、上記実施例において、色換え機構 23のスライド駆動構造及び駆動機構 31 のスライド駆動構造をボールネジ式の回転直線変換構造とした力これに限らずカム式の回転直線変換構造や、リニアモータによる直動構造など、他の適宜の構成を用いてもよい。また、上記実施例では各送りローラ 52a, 52bをそれぞれ左右に 2分割して、その中間部を軸受 56にて支持する構造としたが、必ずしもその中間部を支持しなくてもよい。また、多頭式ミシンに限らず、 1ヘッドの多針ミシンにも本発明は適用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 複数の縫い針を備えた多針ミシンヘッドと、

前記多針ミシンヘッドの下方に配列された釜を備えた釜土台と、

前記多針ミシンヘッドにおいて任意の縫い針を所定の作動位置に選択的に位置させる色換え機構と

を具えた多針刺繍ミシンにぉ、て、

前記多針ミシンヘッド、釜土台、色換え機構をミシンフレームに対して横方向に移動可能に配備し、これらを一体的に横方向に移動させる横移動機構と、

長尺の原反の刺繍領域を展張し、かつ該展張された原反を布長方向へ移送するために、横方向に延びた前後一対の送りローラと

を具備し、前記一対の送りローラに展張された原反の刺繍領域を布長方向に前後に動かし、かつ、前記横移動機構により前記多針ミシンヘッド、釜土台、色換え機構を一体的に横方向に左右に動かすことで、所望の 2次元的縫いパターンを実現することを特徴とする多針刺繍ミシン。

[2] 複数個の前記多針ミシンヘッドを横方向に所定間隔で配列してなり、複数個の前記釜土台及び前記色換え機構を該複数個の多針ミシンヘッドの各々に対応づけて横方向に所定間隔で配列してなり、前記横移動機構は、これら複数個の前記多針ミシンヘッド、釜土台、色換え機構をミシンフレームに対して横方向に一体的に移動させるものである請求項 1に記載の多針刺繍ミシン。

[3] 前記各多針ミシンヘッドは、複数の縫!、針を横方向に配列した針棒ケースをスライド可能に含み、

前記色換え機構は、前記各多針ミシンヘッドの前記針棒ケースに連結されたスライド駆動部材と、該スライド駆動部材を所定量スライド駆動させることで各針棒ケースの所望の縫い針を所定の作動位置に選択的に位置させる駆動部と、該駆動部を固定した基部とを含み、

前記各多針ミシンヘッドは第 1の取付部材を介して互いに連結され、該第 1の取付部材が前記ミシンフレームに対して横方向に移動可能に取り付けられることで、前記各多針ミシンヘッドが前記第 1の取付部材を介して前記ミシンフレームに対して横方向に移動可能であり、

前記各釜土台は第 2の取付部材を介して互いに連結され、該第 2の取付部材が前記ミシンフレームに対して横方向に移動可能に取り付けられることで、前記各釜土台が前記第 2の取付部材を介して前記ミシンフレームに対して横方向に移動可能であり、

前記横移動機構は、前記第 1及び第 2の取付部材と前記色換え機構の前記基部とを連結する連動部材と、該連動部材を横方向に移動させる駆動機構とを含み、該駆動機構により該連動部材を横方向に移動させることにより、前記各多針ミシンヘッド、各釜土台、色換え機構を一体的に横方向に移動させるようにしたことを特徴とする請求項 1又は 2に記載の多針刺繍ミシン。