明 細 書
画像投影システム及び画像幾何補正装置
技術分野
[0001] この発明は、複数の画像投影装置により投影される部分画像を 1つのスクリーン上 でつなぎ合わせて 1つの画像を表示する画像投影システムと、複数の画像投影装置 により投影される部分画像同士の重なり部が滑らかに繋がるように、各部分画像を幾 何補正する画像幾何補正装置とに関するものである。
背景技術
[0002] 複数の画像投影装置の投影画像を 1つのスクリーン上でつなぎ合わせて 1つの画 像を表示する画像投影システムにお ヽては、投影画像同士の重なり部が滑らかに繋 がるように、投影画像の位置を移動したり、投影画像を変形させたりする必要がある。 この移動処理や変形処理は一般的に幾何補正と呼ばれる。
この幾何補正を実施するには、複数の画像投影装置により投影された画像のスクリ ーン上の位置や、複数の投影画像間の重なり状況などを把握する必要があるため、 画像撮影装置が複数の画像投影装置により投影された画像を撮影する。
[0003] ただし、従来の画像幾何補正装置は、複数の投影画像間の重なりを実際に重なり 合った状態の画像を撮影して求めるため、また、画像幾何補正量を正しく求めるため に、歪みのな!、スクリーン全体の画像を一枚の画像として撮影する必要がある。 そのためには、一回の撮影でスクリーン全体を撮影できる位置に、スクリーンと正対 するように画像撮影装置を設置する必要がある (例えば、特許文献 1参照)。
[0004] 特許文献 1:特開 2000— 350230号公報
[0005] 従来の画像投影システムは以上のように構成されて ヽるので、すべての画像投影 装置が画像を投影している状態でスクリーン全体を一枚の画像として取得するには、 予め決められた位置に厳密に画像撮影装置を配置する必要がある課題があった。
[0006] この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、予め決められた位 置に厳密に画像撮影装置を配置することなぐスクリーン全体を複数の画像に分割し て撮影して、投影画像を幾何補正することができる画像投影システム及び画像幾何
補正装置を得ることを目的とする。
発明の開示
[0007] この発明に係る画像投影システムは、画像幾何補正装置が複数の画像撮影装置 により撮影された画像の座標系を統一し、統一後の座標系上での画像投影範囲を基 準にして複数の画像投影装置により投影される画像を幾何補正するようにしたもので ある。
[0008] このこと〖こよって、予め決められた位置に厳密に画像撮影装置を配置することなぐ スクリーン全体を複数の画像に分割して撮影して、投影画像を幾何補正することがで きる効果がある。
図面の簡単な説明
[0009] [図 1]この発明の実施の形態 1による画像投影システムを示す構成図である。
[図 2]画像投影装置及び画像幾何補正装置の内部を示す構成図である。
[図 3]記憶部に保存されている画像と変形移動変換データを示す説明図である。
[図 4]スクリーンにおける投影範囲 Eを示す説明図である。
[図 5]変形移動された画像を示す説明図である。
[図 6]画像の変形移動を示す説明図である。
[図 7]この発明の実施の形態 2による画像投影システムの画像投影装置と画像幾何 補正装置を示す構成図である。
[図 8]記憶部に保存されている画像と変形移動変換データを示す説明図である。
[図 9]この発明の実施の形態 3による画像投影システムを示す構成図である。
[図 10]この発明の実施の形態 4による画像投影装置及び画像幾何補正装置の内部 を示す構成図である。
[図 11]この発明の実施の形態 5による画像投影システムを示す構成図である。
[図 12]記憶部に保存されている画像と変形移動変換データを示す説明図である。 発明を実施するための最良の形態
[0010] 以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形 態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態 1.
図 1はこの発明の実施の形態 1による画像投影システムを示す構成図であり、図に おいて、画像投影装置 1 1はスクリーン 3の左側に部分画像である画像 2— 1を投影 し、画像投影装置 1 2はスクリーン 3の中央に部分画像である画像 2— 2を投影する。 また、画像投影装置 1 3はスクリーン 3の右側に部分画像である画像 2— 3を投影す る。
[0011] 画像撮影装置 4 1は画像投影装置 1 1, 1 2により投影された画像 2— 1, 2— 2を 包含する画像撮影範囲 5— 1を撮影し、画像撮影装置 4 2は画像投影装置 1 2, 1— 3により投影された画像 2— 2, 2-3を包含する画像撮影範囲 5— 2を撮影する。
画像幾何補正装置 6は画像撮影装置 4-1, 4-2により撮影された画像の座標系を 統一し、統一後の座標系上での画像投影範囲を基準にして画像投影装置 1 1, 1 2, 1-3により投影される画像を幾何補正する。
[0012] 図 2は画像投影装置及び画像幾何補正装置の内部を示す構成図であり、図にお いて、画像幾何補正装置 6の指示部 11は例えばキーボードなどのマンマシンインタ フェースを備えており、画像投影装置と画像撮影装置の対応関係を設定するとともに 、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3により投影される画像のスクリーン 3上の位置などを 指定する。
画像幾何補正装置 6の制御部 12は全体の処理を制御するほか、変形移動変換デ ータ生成部 14により生成された変形移動変換データを用いて、画像撮影装置 4 1, 4 2により撮影された画像の座標系を統一するとともに、統一後の座標系上での画 像投影範囲を設定するなどの処理を実施する。
[0013] 画像幾何補正装置 6の記憶部 13は画像撮影装置 4 1, 4 2により撮影された画像 や変形移動変換データ生成部 14により生成された変形移動変換データなどを保持 する。
画像幾何補正装置 6の変形移動変換データ生成部 14は画像撮影装置 4 1 , 4-2 により撮影された画像から画像投影装置 1と画像撮影装置 4間の変形移動変換デー タを生成する。
なお、制御部 12及び変形移動変換データ生成部 14は座標系統一手段を構成し ており、また、制御部 12は投影範囲設定手段を構成している。
[0014] 画像幾何補正装置 6の投影状態設定部 15は画像撮影装置 4 1 , 4-2により撮影 される画像の投影範囲が制御部 12により設定された画像投影範囲と一致するよう〖こ 、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3の画像変形移動部 21を制御する。なお、投影状態 設定部 15は幾何補正手段を構成して!/ヽる。
画像投影装置 1 - 1, 1-2, 1 - 3の画像変形移動部 21は投影状態設定部 15の指 示の下、画像投影部 22が投影する画像の変形処理や移動処理を実施する。
画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3の画像投影部 22は画像変形移動部 21による処理 後の画像 2-1, 2-2, 2-3をスクリーン 3に投影する。
[0015] 次に動作について説明する。
画像幾何補正装置 6の指示部 11は、画像投影装置 1と画像撮影装置 4の対応関 係を設定する。
図 1の例では、画像投影装置 1 1により投影される画像は画像撮影装置 4 1が撮 影し、画像投影装置 1-2により投影される画像は画像撮影装置 4-1と画像撮影装置 4-2が撮影し、画像投影装置 1-3により投影される画像は画像撮影装置 4-2が撮影 するように、画像投影装置 1と画像撮影装置 4の対応関係を設定する。したがって、こ の場合、画像投影装置 1と画像撮影装置 4の 4つの組み合わせを設定する。
ただし、画像投影装置 1と画像撮影装置 4の組み合わせは、予め決められた組み 合わせでもよ!/、し、ユーザが指示部 11を操作して指定するようにしてもょ 、。
[0016] 画像幾何補正装置 6の指示部 11は、上記のようにして、画像投影装置 1と画像撮 影装置 4の対応関係を設定すると、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3により投影される 画像のスクリーン 3上の位置を指定するが、画像投影装置 1-1により投影される画像 2— 1の範囲と、画像投影装置 1 2により投影される画像 2— 2の範囲とがー部重なり、 また、画像投影装置 1 2により投影される画像 2— 2の範囲と、画像投影装置 1 3に より投影される画像 2— 3の範囲とがー部重なるように、画像投影装置 1 1, 1-2, 1- 3により投影される画像のスクリーン 3上の位置を指定する。
[0017] 画像幾何補正装置 6の投影状態設定部 15は、指示部 11から制御部 12を介して、 画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3により投影される画像のスクリーン 3上の位置を受け ると、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3により投影される画像の位置力 指示部 11によ
り指定された位置と一致するように、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3を制御する。
[0018] ただし、投影状態設定部 15は、この段階では画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3の画 像変形移動部 21が画像の変形処理や移動処理を実施しな ヽで、画像投影部 22が 画像 2— 1, 2-2, 2— 3をスクリーン 3に投影するように制御する。
これにより、画像投影装置 1-1, 1-2, 1-3の画像投影部 22は、画像幾何補正装 置 6の制御の下、図 1に示すように、画像 2— 1, 2-2, 2— 3をスクリーン 3に投影する。
[0019] このとき、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3の画像投影部 22が同時に画像 2— 1, 2— 2, 2— 3をスクリーン 3に投影すると、画像撮影装置 4 1, 4 2の画像処理精度が劣 化するので、画像幾何補正装置 6の制御部 12が、投影状態設定部 15を介して、画 像投影装置 1と画像撮影装置 4の 4つの組み合わせ毎に、合計 4回の投影と撮影を 行うように制御する。
[0020] 即ち、画像投影装置 1-1が画像を投影しているときは、画像投影装置 1-2, 1-3が 画像を投影せずに、画像撮影装置 4-1が画像を撮影する。
また、画像投影装置 1-2が画像を投影しているときは、画像投影装置 1-1, 1-3が 画像を投影せずに、画像撮影装置 4-1と画像撮影装置 4-2が画像を撮影する。 また、画像投影装置 1-3が画像を投影しているときは、画像投影装置 1-1, 1-2が 画像を投影せずに、画像撮影装置 4-2が画像を撮影する。
[0021] ここでは、ある画像投影装置が画像を投影しているときは、他の画像投影装置が画 像を投影しないようにしているが、他の画像投影装置が全面黒表示するなど、画像 撮影装置 4 - 1, 4 - 2の画像処理精度の劣化を招かな 、表示状況を構築できれば、 画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3が同時に画像 2— 1, 2-2, 2— 3をスクリーン 3に投影 するようにしてちょい。
[0022] なお、この段階で画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3が投影する画像 2— 1, 2-2, 2— 3 は、変形移動変換データ生成部 14が変形移動変換データを生成するために投影す る画像であるため、画像幾何補正装置 6の投影状態設定部 15は、例えば、チェッカ 一パターンなどの画像を投影するように画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3を制御する。
[0023] 画像幾何補正装置 6の制御部 12は、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3がチェッカー パターンなどの画像 2—1, 2-2, 2— 3を順次投影して、画像撮影装置 4 1, 4 2が
画像を順次撮影すると、その画像を記憶部 13に格納する。
なお、記憶部 13は、図 3に示すように、画像投影装置 1 1が投影して、画像撮影装 置 4 1が撮影している画像は画像(11)として保存し、画像投影装置 1 2が投影して 、画像撮影装置 4 1が撮影している画像は画像 (21)として保存している。
また、画像投影装置 1-2が投影して、画像撮影装置 4-2が撮影している画像は画 像 (22)として保存し、画像投影装置 1 3が投影して、画像撮影装置 4 2が撮影して V、る画像は画像 (32)として保存して 、る。
[0024] 画像幾何補正装置 6の変形移動変換データ生成部 14は、画像撮影装置 4 1, 4 2により撮影された画像 (11) , (21) , (22) , (32)から画像投影装置 1と画像撮影装 置 4間の変形移動変換データを生成する。
具体的には、次のようにして、変形移動変換データを生成する。
まず、変形移動変換データ生成部 14は、例えば、画像投影装置 1-1と画像撮影 装置 4 1間の変形移動変換データを生成する場合、画像投影装置 1 1により投影 される画像 2— 1と画像撮影装置 4 1により撮影された画像 (11)との対応点を特定す る。例えば、双方の画像の 4隅の点を特定する。
[0025] 変形移動変換データ生成部 14は、画像投影装置 1-1により投影される画像 2-1と 画像撮影装置 4 1により撮影された画像(11)の双方が平面上にあるとみなせれば、 4点以上の対応点を特定すると、画像投影装置 1 1と画像撮影装置 4 1間を平面射 影変換 H (Homography)により定義することができるので、画像投影装置 1 1と画 像撮影装置 4 1間の平面射影変換 Hを求める。
ここで、平面射影変換 Hは、下記に示すように 3 X 3の行列であり、定数倍の自由度 があるので、行列の自由度は 8である。したがって、 4点以上の対応点を検出すること 力できれば、画像投影装置 1-1と画像撮影装置 4-1間の平面射影変換 Hを求める ことができる。
[数 1]
[0026] 即ち、変形移動変換データ生成部 14は、画像投影装置 1 1の座標上の点を (X, y )、画像撮影装置 4-1の座標上の点を (X, Y)とすると、下記の関係が成立し、変数( a— h)が 8個であるため、 4点以上の対応点(X , y ) & (X , Y ) , (x , y ) & (X , Y
1 1 1 1 2 2 2 2
) , (X , y ) & (X , Y ) , (X , y ) & (X , Y )が特定されれば、平面射影変換 Hを求
3 3 3 3 4 4 4 4
めることができる。
[数 2]
[0027] 変形移動変換データ生成部 14は、上記のようにして、平面射影変換 Hを求めると、 その平面射影変換 Hを画像投影装置 1 - 1と画像撮影装置 4 - 1間の変形移動変換 データ(11)として、記憶部 13に保存する。
ここでは、画像投影装置 1-1により投影される画像 2-1と画像撮影装置 4-1により 撮影された画像(11)の双方が平面上にあるとみなしているが、対応点を変換テープ ルとして求めれば、双方の画像が平面上でなくても、画像投影装置 1-1と画像撮影 装置 4 1間の変形移動変換データ(11)を同様にして求めることができる。
なお、他の画像投影装置 1と画像撮影装置 4間の変形移動変換データ (21) , (22 ) , (32)も同様に求めることができる。
[0028] 次に、画像幾何補正装置 6の制御部 12は、変形移動変換データ生成部 14により 生成された変形移動変換データを用いて、画像撮影装置 4-1, 4-2により撮影され た画像の座標系を統一する。
具体的には、次のようにして、画像の座標系を統一する。
まず、制御部 12は、図 4に示すように、スクリーン 3における投影範囲 Eを特定する ため、例えば、ユーザが指示部 11を操作し、その投影範囲 Eの頂点 A, B, C, Dを入 力する。
[0029] 投影範囲 Eの頂点 A, B, C, Dのうち、左上の点である頂点 Aと左下の点である頂 点 Bは、画像撮影装置 4 1の画像撮影範囲 5— 1における座標系上の座標を有し、 右上の点である頂点 Cと右下の点である頂点 Dは、画像撮影装置 4 2の画像撮影範 囲 5— 2における座標系上の座標を有している。
そこで、制御部 12は、頂点 A, Bの座標系を頂点 C, Dの座標系に変換、あるいは、 頂点 C, Dの座標系を頂点 A, Bの座標系に変換することにより、投影範囲 Eの座標 系を統一する。
[0030] 制御部 12は、例えば、頂点 C, Dの座標系を頂点 A, Bの座標系に変換する場合、 画像投影装置 1-1, 1-2, 1-3の中から、画像撮影装置 4-1と画像撮影装置 4-2に 共通する画像投影装置 1 - 2を検索する。
制御部 12は、記憶部 13に保存されている変形移動変換データの中から、その検 索した画像投影装置 1 2と画像撮影装置 4 2間の変形移動変換データ (22)を読 み込み、その変形移動変換データ (22)を逆変換する。即ち、変形移動変換データ( 22)は 3 X 3の行列(平面射影変換 H)であるので、その平面射影変換 Hの逆行列 H_ 1を求める。
[0031] 制御部 12は、上記のようにして、平面射影変換 Hの逆行列 H—1を求めると、頂点 C , Dの座標に逆行列 H—1を乗算することにより、頂点 C, Dの座標系を画像投影装置 1 —2の座標系に変換する。
次に、その乗算結果に変形移動変換データ (21)である平面射影変換 Hを乗算す ることにより、画像撮影装置 4-1の座標系、即ち、頂点 A, Bの座標系に変換する。 これにより、スクリーン 3上の投影範囲 Eは、画像撮影範囲 5— 1の座標系上の座標 で表された頂点 A, B, C, Dを結ぶ四角形として表現されたことになる。
なお、画像撮影範囲の座標系を統一する処理を実施しない場合、頂点 A, Bと頂点 C, Dの座標系が異なるため、頂点 Aと頂点 C、頂点 Bと頂点 Dを結ぶことができない 。したがって、四角形の辺を求めるには、スクリーン 3の縁を求めたり、画像撮影装置 4-1と画像撮影装置 4-2により撮影された画像の歪みを補償して、一枚の画像を整 形したりするなどの処理が必要となる。
[0032] 次に、制御部 12は、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3が投影する画像 2— 1, 2—2, 2
- 3の変形移動位置を設定する。
即ち、画像投影装置 1—1, 1-2, 1 3が投影する画像 2—1, 2-2, 2— 3の変形移 動位置が、スクリーン 3上の投影範囲 Eと一致するように設定する。
図 5の例では、 7— 1は画像 2— 1が変形移動された画像、 7— 2は画像 2— 2が変形移 動された画像、 7— 3は画像 2— 3が変形移動された画像を表して 、る。
なお、変形移動位置は、ユーザが指示部 11を操作して対話的に指定してもよいし 、予めスクリーン 3に対する投影位置を決めておいてもよい。また、この例では、各変 形移動後の投影位置が重なり合うように設定しているが、各変形移動後の投影位置 が接するように設定したり、離れるように設定したりしてもょ 、。
[0033] 次に、制御部 12は、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3が投影すべき変形移動後の画 像 7— 1, 7-2, 7— 3の位置を、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3の座標系に変換する。 例えば、変形移動後の画像 7— 1の位置を画像投影装置 1 1の座標系に変換する 場合、制御部 12は、記憶部 13から変形移動変換データ(11)を読み込み、その変形 移動変換データ(11)を逆変換する。即ち、変形移動変換データ(11)は 3 X 3の行 列 (平面射影変換 H)であるので、その平面射影変換 Hの逆行列 H—1を求める。 制御部 12は、変形移動変換データ(11)の逆変換を変形移動後の画像 7— 1の位 置に乗算することにより、変形移動後の画像 7— 1の位置を画像投影装置 1 1の座標 系に変換する。
[0034] また、変形移動後の画像 7— 2の位置を画像投影装置 1 2の座標系に変換する場 合、制御部 12は、記憶部 13から変形移動変換データ(21)を読み込み、その変形移 動変換データ(21)を逆変換する。即ち、変形移動変換データ (21)は 3 X 3の行列( 平面射影変換 H)であるので、その平面射影変換 Hの逆行列 H—1を求める。
制御部 12は、変形移動変換データ(21)の逆変換を変形移動後の画像 7— 2の位 置に乗算することにより、変形移動後の画像 7— 2の位置を画像投影装置 1 2の座標 系に変換する。
[0035] また、変形移動後の画像 7— 3の位置を画像投影装置 1 3の座標系に変換する場 合、制御部 12は、記憶部 13から変形移動変換データ(21)を読み込み、その変形移 動変換データ(21)を逆変換する。
制御部 12は、変形移動変換データ(21)の逆変換を変形移動後の画像 7— 3の位 置に乗算することにより、変形移動後の画像 7— 3の位置を画像投影装置 1 2の座標 系に変換する。
[0036] 次に、制御部 12は、記憶部 13から変形移動変換データ(22)を読み込み、その変 形移動変換データ(22)を画像投影装置 1 2の座標系に変換した変形移動後の画 像 7— 3の位置に乗算することにより、変形移動後の画像 7— 3の位置を画像撮影装置 4-2の座標系に変換する。
次に、制御部 12は、記憶部 13から変形移動変換データ(32)を読み込み、その変 形移動変換データ(32)を逆変換する。
制御部 12は、変形移動変換データ(32)の逆変換を、画像撮影装置 4 2の座標系 に変換した変形移動後の画像 7— 3の位置に乗算することにより、変形移動後の画像 7— 3の位置を画像投影装置 1 3の座標系に変換する。
[0037] 画像幾何補正装置 6の投影状態設定部 15は、制御部 12が変形移動後の画像 7— 1, 7-2, 7— 3の位置を、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3の座標系に変換すると、画 像投影装置 1 1, 1-2, 1 3により投影される画像 2— 1, 2-2, 2— 3が変形移動後の 画像 7— 1, 7-2, 7— 3と一致するように、画像 2— 1, 2-2, 2— 3の変形移動量を求め る。
[0038] 図 6は画像投影装置 1 1により投影される画像 2— 1を画像 7— 1に変形移動して!/ヽ る様子を示しており、図 6の→が画像 2— 1の変形移動量に相当する。
変形移動量は公知の技術を利用して求めればよいので、詳細な説明は省略するが 、画像 2— 1の位置と、変形移動後の画像 7— 1の位置とは、同一の座標系で表されて いるので、例えば、画像 2— 1と画像 7— 1の対応点を平面射影変換 Hで定義すること により、対応点毎の変形移動量を求めることができる。
[0039] 画像幾何補正装置 6の投影状態設定部 15は、上記のようにして、画像 2— 1, 2-2, 2— 3の変形移動量を求めると、その画像 2— 1の変形移動量を画像投影装置 1 1に 出力し、その画像 2— 2の変形移動量を画像投影装置 1 2に出力する。また、その画 像 2-3の変形移動量を画像投影装置 1-3に出力する。
[0040] 画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3の画像変形移動部 21は、投影状態設定部 15から
画像 2— 1, 2-2, 2— 3の変形移動量を受けると、その変形移動量にしたがって画像 投影部 22が投影する画像の変形処理や移動処理を実施する。
画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3の画像投影部 22は、画像変形移動部 21による処 理後の画像 2— 1, 2-2, 2— 3、即ち、画像 7— 1, 7-2, 7— 3をスクリーン 3に投影する (図 5を参照)。
[0041] 以上で明らかなように、この実施の形態 1によれば、画像幾何補正装置 6が画像撮 影装置 4 1, 4 2により撮影された画像の座標系を統一し、統一後の座標系上での 画像投影範囲 Eを基準にして画像投影装置 1-1, 1-2, 1-3により投影される画像 を幾何補正するように構成したので、予め決められた位置に厳密に画像撮影装置 4 —1, 4 2を配置することなぐ投影画像を幾何補正することができる効果を奏する。ま た、画像撮影装置 4-1と画像撮影装置 4-2は座標系が異なっても問題ないため、そ れぞれ別の撮影位置カゝら撮影しても、それらの画像を個別に処理でき、複数の画像 を一枚の画像として張り合わせることなぐ位置合わせを行うことができる効果を奏す る。
[0042] なお、この実施の形態 1では、 3台の画像投影装置 1 1, 1-2, 1—3と 2台の画像 撮影装置 4 1, 4 2が設置されているものについて示した力 画像投影装置と画像 撮影装置の台数は任意に設定できることは言うまでもない。
[0043] 実施の形態 2.
上記実施の形態 1では、画像投影装置 1-1, 1-2, 1-3と画像撮影装置 4-1, 4- 2が設置されているものについて示したが、図 7に示すように、画像投影装置 1 4, 1 —5と画像撮影装置 4-3, 4-4が追加された場合、画像幾何補正装置 6の指示部 11 が下記の組み合わせのほかに、画像投影装置 1 3と画像撮影装置 4 3の組み合わ せを設定するようにする。
[0044] 画像投影装置 1 4と画像撮影装置 4 3
画像投影装置 1 4と画像撮影装置 4 4
画像投影装置 1 5と画像撮影装置 4 3
画像投影装置 1 5と画像撮影装置 4 4
この場合、画像幾何補正装置 6の記憶部 13には、図 8に示すような画像と変形移
動変換データが保存される。
これにより、既存の画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3により投影された画像と、新設の 画像投影装置 1-4, 1-5により投影された画像との重なり部分を滑らかに表示するこ とができる効果を奏する。
[0045] 実施の形態 3.
上記実施の形態 1では、 2台の画像撮影装置 4 1, 4 2が設置されているものにつ いて示したが、画像撮影装置 4-1が移動可能なカメラなど力も構成されている場合、 図 9に示すように、画像撮影装置 4 1を適宜移動して、画像撮影装置 4 1が画像撮 影範囲 5— 1と画像撮影範囲 5— 2を撮影するようにしてもょ ヽ。
この場合でも、上記実施の形態 1と同様の効果を奏することができる。また、画像撮 影装置 4 2が不要になる分だけ、システムの構築費用を低減することができる効果を 奏する。
[0046] 実施の形態 4.
上記実施の形態 1では、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3の全てが画像変形移動部 21と画像投影部 22を実装しているものについて示した力 図 10に示すように、画像 投影装置 1 2の画像変形移動部 21が、画像投影装置 1 1の画像変形移動部 21を 兼ねるようにしてちょい。
[0047] 実施の形態 5.
上記実施の形態 1では、画像投影装置 1 1, 1-2, 1 3の投影範囲が横方向に広 力 Sつているものについて示した力 縦方向や斜め方向など、任意の方向に広がって いてもよい。
図 11は画像投影装置 1 1, 1-2, 1-3, 1 4の投影範囲が縦横両方に広がって V、るものにっ 、て示して 、る。
この場合、画像幾何補正装置 6の記憶部 13には、図 12に示すような画像と変形移 動変換データが保存される。
一つの座標系に変換できれば、画像の位置合わせが可能なため、画像投影装置 の位置や配置も自由に変更することができる。
産業上の利用可能性
以上のように、この発明に係る画像投影システムは、複数の画像投影装置により投 影される部分画像を 1つのスクリーン上でつなぎ合わせて 1つの画像を表示するに際 して、複数の画像投影装置により投影される部分画像同士の重なり部が滑らかに繋 がるように、各部分画像を幾何補正して、違和感のない大画面を表示する必要があ るものに適している。