WO2004008915A1

WO2004008915A1 - 椅子

Info

Publication number: WO2004008915A1
Application number: PCT/JP2003/009085
Authority: WO
Inventors: Naoki Numa; Ken Nakayama; Ryo Igarashi; Hiroshi Masunaga
Original assignee: Okamura Corporation
Priority date: 2002-07-23
Filing date: 2003-07-17
Publication date: 2004-01-29
Also published as: KR100767959B1; EP1527714B1; US20040017102A1; US7246859B2; US7243993B2; KR20050028046A; EP1527714A4; CN1671317A; AU2003281505A1; DE60324941D1; US20060238009A1; CA2435782A1; EP1527714A1; CN100569146C; US20060244295A1; CA2435782C; US7097249B2

Abstract

椅子は、背凭れと１対の肘掛けを備えている。背凭れを支持する１対の背凭れ支持杆が、座の下の支基の軸に回動可能に連結されている。肘掛けは、肘掛け支柱により支持されている。操作レバーが、肘掛け支柱の上部前端に取り付けられている。背凭れを傾ける際に、操作レバーを押し上げることにより、所望の角度で背凭れが保持される。

Description

明細書

椅子

発明の背景

本発明は、座体または背凭れを、段階的な任意の傾斜角度で係止したり、その係止状態を解除したりする操作レバ一、ケーブル及び傾動装置等を備える椅子に関する。

背凭れを、段階的な任意の傾斜角度で係止し得るようにした従来の椅子においては、自動車用シートのリクライニング機構に用いられているように、背凭れと一体的に回動するセクタ一ギヤの外周面に形成した歯に、座の側面に枢着した操作レバーまたはそれに連係した係止レバーに突設したピンを係脱させるようにした傾動装置を備えているのが一般的である。

しかし、上述のような従来の椅子では、操作レバーが座の側面後部に設けられているので、特に肘掛けがある場合には、腕を肘掛けの外側に回して、操作レバ一を操作しなければならず、操作しづらい。

また、家具用の椅子には、座の下方に、背凭れまたは座の傾斜角度調節、高さ調節、付勢力調節等の各種調節用の操作レバ一を設けたものがあるが、いずれも、着座状態ではこれらの操作レバーを操作しづらく、特に、背凭れの傾斜角度調節を行う場合は、着座者が背中で背凭れを後傾させつつ調節するので、後傾角度が大きくなるにつれて、操作レバ一が着座者の肩から遠ざかり、操作しづらくなる。発明の要約

本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、背凭れまたは座の傾斜角度を、着座したままで、かつ楽な姿勢で容易に調節することができ、特に、着座者が背凭れ等とともに後方に傾倒しても、着座者と操作レバ一との位匱関係がさほど変動しないようにした椅子を提供することを目的としている。

本発明によれば、座と、この座の両脇の 1対の肘掛けと、この肘掛けを支持する 1対の肘掛け支柱と、背凭れと、この背凭れを支持する 1対の背凭れ支持杆と、座の下の支基と、前記支基内に水平方向に、かつ前記 1対の支持杆に取り付けた軸と、この軸を回動させることにより、段階的な任意の傾斜角度で背凭れを傾斜させるべく、支基内に設けられた傾動手段と、前記傾斜角度で、背凭れを固定するためのロック手段と、肘掛け支柱内の支持アームと、この支持アームを介して、ロック手段に連結され、背凭れの傾動をロックしたり、解除したりする操作レバ —とを備える椅子が提供される。 .

操作レバーは、肘当ての前端部を支持する支持アームに設けられているため、肘当てと操作レバーとが近接し、操作レバ一を着座したままで、かつ楽な姿勢で操作することができるようになり、その操作性が著しく向上する。

また、肘当ての高さや左右方向の位置を調節可能とした椅子に適用した際でも、操作レバーは、肘当てと共に移動するため、その操作性が悪くなることはない。さらに、支持アームに操作レバーを設けると、操作レバーにケ一プル等を接続する際に、それを急角度に折曲する必要はなく、ケーブルのプッシュプルが円滑となる。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明の椅子の正面図である。

図 2同じく、側面図である。

図 3は、同じく、肘掛けの中央縦断側面図である。

図 4は、同じく、肘当てを上限位置まで上昇させた際の中央縦断側面図である。図 5は、図 3の V— V線の拡大横断平面図である。

図 6は、同じく、図 3の VI— VI線の拡大横断平面図である。

図 7は、同じく、図 3の VI I— VI I線の拡大横断平面図である。

図 8は、高さ調節機構の分解斜視図である。

図 9は、図 8の IX— IX線の拡大縦断後面図である。

図 1 0は、支持アームの平面図である。

図 1 1は、肘当てにおける肘当てパッドを取外して示す拡大平面図である。図 1 2は、高さ調節機構の作用を説明するための高さ調節部材の側面図である。図 1 3は、支基とその内部の付勢手段との分解斜視図である。

図 1 4は、支基とその上部のロック手段との分解斜視図である。

図 1 5は、図 2の XV— XV線に沿う拡大横断平面図である。

図 1 6は、図 1 5の XVI— XVI線に沿う縦断側面図である。

図 1 7は、同じく、図 1 5の XVI I— XVI I線に沿う縦断側面図である。図 1 8は、切換手段における左右の円筒カムのカム面の展開図である。

図 1 9は、ロック手段のロック解除状態を示す概略平面図である。

図 20は、同じく、ロック手段のロック状態を示す概略平面図である。

図 2 1は、肘掛け支柱の下端部におけるケーブル引出し部の縦断正面図である。図 22は、図 2 1の XXII— XXII線の縦断側面図である。

図 23は、肘掛けの変形例を示す要部の一部切欠側面図である。

図 24は、同じく、操作レバーを上向きに操作したときの要部の縦断側面図である。

図 2 5は、同じく、支持アームの平面図である。

図 26は、同じく、操作レバーの平面図である。

図 27は、図 2 6の XXVII— XXVII線に沿う縦断正面図である。

好適実施例の詳細な説明

以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。

図 1は、本発明の椅子の正面図、図 2は、同じく側面図を示すもので、この椅子は、先端部にキャスタ（1)が設けられた放射状をなす 5本の脚杆（2)を有する脚体（3)を備えている。脚体（3)の中央には、ガススプリング（図示略）を備える伸縮式の脚柱（4)が立設されており、脚柱（4)の上端には、支基（5)の後部が固着されている。

支基（5)は、下面が開口するほぼ中空箱状なし、下面の開口部は、着脱可能なカバ一（6 )により覆われている。 ' 支基（5)の内部には、背凭れ（7)及び座体（8)の復帰用の付勢手段（9) (図 1 3 参照）及びその付勢力の切換手段（10) (図 1 5参照）等が設けられているが、それらについては、後に詳細に説明する。

支基（5)の前後方向の中間部には、左右方向を向く六角柱状の軸（11)が、その中心軸線回りに回動可能として貫通されている。

支基（5)の両側壁（5a) (5a)より左右に突出する軸（11)の両端部には、背凭れ (7)を支持する側面視ほぼ L字状の左右 1対の背凭れ支持杆（12) 02)の前端部に設けた左右方向を向く筒部（12a) (12a)が固嵌されており、背凭れ（7)及び背凭れ支持杆（12〉（12〉は、軸（11)と一体となって、軸（11)を中心に後下方に傾動し得るようになっている。

(13)は、背凭れ（7 )の上端部に設けられたヘッドレスト、（14)は、左右の背凭れ支持杆（1 2)における前方を向く下部の中間に起立するように設けられた肘掛けである。

両肘掛け（14)は、背凭れ支持杆（12)より若干前傾して起立する肘掛け支柱（15) と、これに上下動可能に嵌合された後記する肘当て支持杆（22)と、この上端部にほぼ水平をなして取付けられた肘当て（16)とを備え、肘当て（16)は、後記する高さ調節機構と水平位置調節機構とにより、高さと、左右方向の位置とを調節しうるようになっている。

図 3〜図 9に示すように（以下、左方の肘掛けについてのみ説明する）、上記肘掛け支柱（15)は、ほぼ卵形断面をなす金属パイプにより形成され、その下端部は、背凭れ支持杆（12)の外側面に結合された正面視 L字形をなすパイプ状の接続杆 (17)の上端に嵌合され、それらに揷通したねじ（18)により抜け止めされている。肘掛け支柱（15)の下端部を除いた外周面は、合成樹脂製の内力パー（19a)と外力バー（19b)とからなる左右 2分割構造の支柱カバー（19)により覆われている。支柱カバー（19)の上端部は漸次広幅とされ、その後部側の上端は肘当て（16)の後端部下面と当接している。

肘掛け支柱（15)内には、肘当て（16)の高さ調節機構（20)が収容されている。高さ調節機構（21)は、図 8に示すように、肘掛け支柱（15)内に余裕を持って嵌合された、上端に水平の肘当て支持板（21)を備える平面視前向きコ字状の金属製の肘当て支持杆（22)と、この肘当て支持杆（22)の周囲を、これが上下に摺動しうるように覆う内外 1対の合成樹脂製の高さ調節部材（23)と、肘当て支持杆（22)のコ字空間内に嵌着される合成樹脂製の支持部材（24)とからなっている。

肘当て支持杆（22)における左右の側板（22a)の前端縁には、外向きの保持片 (25) (25)が、上端から下端近傍に亘つて形成され、この両保持片（25)と両側板 (22a)の前端部との上下部には、後方を向くスリット状の係止溝（26)が形成されている。

左右の両側板（22a)における上下の係止溝（26)のやや上方には、方形の係止孔 (27) (27)力また両側板（22a)の下端部のほぼ中央には、前後方向を向く下向円弧状のガイド孔（28)が、それぞれ穿設されている。

上記肘当て支持板（21)の中央部には、前後方向を向く矩形孔（29)が形成され、肘当て支持杆（22)の上端部は、この矩形孔（29)に斜めに嵌合した状態で、溶接により固着されている。

肘当て支持杆（22)の後面の上端部は切欠いてあり、この切欠部（30)を通して、後記するケーブル（50)が内外に揷通しうるようになつている。

上記 1対の高さ調節部材（23)の内面のやや前方寄りには、上下方向を向く凹溝 (31)が形成され、その上下の対向面は、中央に向かって上下反対向きに傾斜する山形及び谷形の傾斜面（31 a) (31 b)となっている。

上記両凹溝（31)内の奥端面には、上下方向を向く基片（32a)の後面に、斜め上向の複数段の係止片（32b)を、一定の間隔を設けて連設してなる側面視鋸歯状の停止部材（32)が、その周囲と凹溝（31)の内面との間に、後記するピン（49)が移動しうる環状の案内路（31 c)が形成されるように、内向き対向状に突設されている。上記基片（32a)の下端は、円弧状の湾曲面とされ、かつその下端面は、凹溝（31) における下部傾斜面（31b)の中央の V字状をなす最底面よりもやや前方に偏倚させてある（図 1 2参照）。

また、基片（32a)の上端には、斜め後ろ上方を向くガイド片（32c)が連設されている。

1対の高さ調節部材（23)は、内方の高さ調節部材（23)の上端の突合わせ面に突設した前後 1対の突起（33)を、外方の高さ調節部材（23)の上端の突合わせ面に形成した凹孔（図示略）に嵌合したのち、上記肘掛け支柱（15)内に上方より嵌合し、両高さ調節部材（23)の上端の外向鍔部（23a)を、図 3に示すように、肘掛け支柱 (15)の上端開口部に係止するとともに、内方の高さ調節部材（23)の上端部前面に形成した弾性係合片（34)を、肘掛け支柱（15)の上端部前面の係合孔（35)に内方より弾性係合させることにより、上方に抜け外れるのが防止されて、肘掛け支柱（15) 内に嵌合されている。

両高さ調節部材（23)を肘掛け支柱（15)に嵌合した際、それらの後端部の対向面に突設した上下方向を向くリブ（36)同士が当接することにより、図 5〜図 7に示すように、後記するケーブル（50)が揷通しうる揷通孔（37)が形成されるようになつている。

肘当て支持杆（22)は、その両側板（22a)に形成した保持片（25)を、両高さ調節部材（23)の対向面の前端部に形成した上下方向を向くガイド溝（38)に摺動可能に嵌合させるようにして、上方より両高さ調節部材（23)内に挿入されている（図 5〜図 7参照）。

上記支持部材（24)は、図 8及び図 9の縦断面図に示すように、前後寸法と上下寸法が肘当て支持杆（22)のそれよりも若干短寸の側面視縦長の楕円枠状をなし、その下端部を除く内側には、前後の中心を通る上下方向を向くリブ（39a)と、上下複数の前後方向を向くリプ（39b)と、それらのリブ（39a) (39b)と支持部材（24)の内面との左右方向の中間部を直交状に接続するリブ（39c) (図 6参照）とが一体成形され、全体が補強されている。

支持部材（24)の下端部の空間部内には、その下端の内面中央より起立する弹性支持片（40)が、卞端部を中心として前後方向に弹性変形しうるようにして設けられ、その上端には、左右方向を向く軸孔（40を有する円筒状の支軸部（42)が、一体成形されている。

支持部材（24)の前面には、平面視前向き U字状の凹溝（43)が、上下方向のほぼ全長に亘つて形成され、同じく後面には、円弧状断面をなす前後 1対の保持片 (₄₄) (₄₄)が、下端部から上端部のやや下方に亘つて後向きに突設され、両保持片 (44)内には、後記するケ一ブル（50)が保持されるようになっている（図 5〜図 7 参照）。

また、支持部材（24)を肘当て支持杆（22)に組付けて肘掛け支柱（15)内に嵌合した際、図 5〜図 7に示すように、上記凹溝（43)と、両高さ調節部材（23)内の前端部内面に形成された凹溝（45)とにより、後記するケーブル（50)が余裕を持って揷通しうる揷通孔（46)が形成されるようになっている。

支持部材（24)の上下両端部の左右両側面には、上下両端部のリブ（39b)と等高をなす位置において、支持部材（24)の前端からほぼ中間部付近に到る長さの前後方向を向く突条片（47)が突設され、また、その上方の支持部材（24)の左右両側面には、その内部空間に向かって弾性変形可能な係合爪（48)が後向きに突設されている。支持部材（24)を肘当て支持杆（22)に嵌合した際、上記各突条片（47)と係合爪

(48)とが、それぞれ肘当て支持杆（22)の各係止溝（26)と係止孔（27)とに嵌合して係合することにより、支持部材（24)は、上下方向と前後方向に移動するのが阻止される。

支持部材（24)の肘当て支持杆（22)への組付け後において、その弾性支持片（40) における支軸部（42)の軸孔（41)には、肘当て支持杆（22)の側板（Ha)のガイド孔 (28)を揷通して、係止軸であるピン（49)が、その左右両端部が側板（22a)より所要寸法突出するように嵌合されている（図 7参照）。

ピン（49)の左右の突出端部は、内外の高さ調節部材（23)における凹溝（31)の下部傾斜面（31 b)の V字状を示す最底面により支持され、かっこの状態においてピン

(49)は、最下段の係止片（32b)の下面の傾斜面の前端部（基端部）と対向している (図 6，図 1 2参照）。

図 3〜図 7に示すように、肘掛け支柱（15)内には、背凭れ支持杆（12)の傾動装 m (詳細は後述する）に下端が連係され、かつ上端が後記する操作レバー（69)に連結されたケ一ブル（50)における可撓性のァウタチューブ（50a)が、その上端から下方に向かう直線部を支持部材 (24)の後端の両保持片（44)内に嵌合して保持したのち、支持部材（24)の下方において上向き U字状に折り返し、その上向き直線部を、支持部材（24)の前面と高さ調節部材（23)との間の揷通孔（46)に揷通するとともに、支持部材（24)の上方かつ肘当て支持杆（22)の両側板（22a)間においてさらに後側に下向き U字伏に折り返し、その下向き直線部を、肘当て支持杆（22)の上端の切欠部（30)を通して、両高さ調節部材（23)の後端の揷通孔（37)に揷通することにより、上下方向の長さに余裕をもたせてループ状に収容されている。

上記肘当て（16)は、平面視概ね長方形をなすアルミニウム合金等よりなる肘当て基板（51)の上面に、それよりも若干大きな合成樹脂製の肘当てパッド（52)をねじ止めして形成され、肘当て基板（51)の後端部に穿設された上下方向を向く取付孔（53)を、肘当て支持杆（22)における上端の肘当て支持板（21)の後端に溶接により固着された垂直の段付支持軸（54)の小径軸（54a)に嵌合することにより、肘当て (16)の後端部が、肘当て支持杆（22)により左右方向に水平回動可能として枢着されている。肘当て（16)の前端部は、肘当て支持板（21)の前端の支持孔（55)に水平回動可能に嵌合された支持アーム（56)により、次のようにして支持されている。

支持ァ一ム（56)は、図 3及び図 1 0に示すように、後端下部に上記肘当て支持板（21 )の上面に載置可能な円形の基部（56a)を有するとともに、その基部（56a)より斜め前上方に向かって延出し、前端部が上向きになだらかに折曲されたアーム本体（56b)と、その上端部中央に前向きに突設され、前端部上面に上向きの短寸の軸部（56c)を有する補助アーム（56d)と、アーム本体（56b)の前端の左右両側部に前向きに突設され、上端が上記肘当て基板（51)の前端部下面に摺接可能な側面視扇状の左右 1対の側板（56e)とを備え、基部（56a)の下面中央に突設した支軸（57)を、上記肘当て支持板（21)の支持孔（55)に回動可能に嵌合し、ねじ（58)により枢着することにより、支持アーム（56)全体は、支持孔（55)を中心として左右方向に旋回することができる。

上記両側板（56e)の基部の上端の対向面には、左右 1対の凹状をなす支持溝（59) が形成され、この支持溝（59)には、後記する操作レバー（69)の上端が支持されるようになっている。

上記補助アーム（56d)における軸部（56c)の上端の前半部には、その軸径より大径の半円状の摺動片（60)が突設されている。

基部（56a)の後端部とアーム本体（56b)の上面には、それぞれケーブル（50)の揷通孔（61)と揷通溝（62)とが連通状に形成され、かつアーム本体（56b)の前端部下面には、ケーブル（50)の端末のねじ部（50b)と、ァウタチューブ（50a)の上端より突出しているワイヤ（50c)の端末を揷入するための上向きの凹状の揷通溝（63)が形成されている。

ケーブル（50)の上端部は、上記揷通孔（61)と揷通溝（62)とに揷通され、かつ端末のねじ部（50b)とワイヤ（50c)とを揷通溝（63)に揷通することにより、ワイヤ (50c)の上端の係止軸部（50d)を、アーム本体（56b)の前方に突出させうるようになつている。

また、ケ一ブル（50)の端末部は、上記両揷通溝（62) (63)の連通部に突設した上向きのコ字状片（64)に挾入したのち、ねじ部（50b)を締付けることにより、固定されるようになっている。支持アーム（56)は、上述したように、その後端下部の支軸（57)を肘当て支持板 (21)の支持孔（55)に、旋回可能に嵌合して取付けたのち、前端上部の軸部（56c) を、図 1 1にも示すように、肘当て基板（51)の前端部の上向き膨出部（65)に穿設された、摺動片（60)が挿入可能な大きさの前後方向を向く長孔（66)に遊嵌し、かつ該長孔（66)の左右対向面における後半部中段に内向きに突設された、対向面間の寸法を軸部（56c)の径ょりも大とした左右 1対の係止段部（67) (67)の上面に、摺動片（60)の左右両端部下面を前後方向に摺動可能に係合させることにより、肘当て（16)の上方への動きを阻止した状態で、左右方向に旋回可能に取付けられている。

アーム本体（56b)の上端面は、上向き膨出部（65)の下面と当接し、肘当て（16) の前端部を支持している。

支持アーム（56)の取付後において、肘当て（16)の直下の前後方向の中間部には、アーム本体（56b)、支柱カバー（19)、及び肘当て基板（51)により囲まれた、手が揷入可能な大きさの左右方向に貫通する開口部（68)が形成されるようになっている _c 支持アーム（56)の前端部には、上記ケ一ブル（50)を操作するための操作レバ一 (69)が、次のようにして取付けられている。

操作レバー（69)は、前後寸法が肘当て（16)における支持アーム（56)の前端よりの突出寸法よりも若千短寸の、下向きになだらかに湾曲する平板状をなし、かつ前端部下面に指掛け用の凹部（70)を備えるレバー本体（69a)と、その後端部上面の左右両側部に立設された、上記支持アーム（56)における補助アーム（56d)と左右の側板（56e)との間に揷入可能な左右 1対の支持片（69b)とからなり、両支持片（69b) の上端には、支持アーム（56)の上端の支持溝（59)に上方より遊嵌可能な短寸の軸部（69c)が外向きに突設されている（図 3 , 図 1 1参照）。

レバー本体（69a)の後端部中央の上面には、上記ケーブル（50)における端末部のワイヤ（50c)と、その端部の係止軸部（50d)を縦向きとして挿入可能なスリット状の挿入溝（71)が形成され、またそれと対向する下面には、左右方向に向けた係止軸部（50d)を係止するため切欠溝（72)が、挿入溝（71)の前端と連続するようにして形成されている。

操作レバ一（69)を支持アーム（56)に取付けるには、肘当て（16)を装着する前において、まずケーブル（50)の端末の係止軸部（50d)を、揷入溝（71)を介して切欠溝 (72)内に挿入し、その上端の隅部により係止したのち、両支持片（69b)の上端の軸部（69c)を、支持アーム（56)の左右 1対の支持溝（59)内に上方より嵌合する。この状態で肘当て（16)を装着すると、図 3及び図 1 0に示すように、軸部（69c) の上端には、肘当て基板（51)における上向き膨出部（65)の下面が当接又は近接し、支持溝（59)より離脱するのが防止されるため、操作レバー（69)は、軸部（69c)を中心として上向きに回動することができ、これにより、ケ一ブル（50)のワイヤ（50c) が引かれるようになる。

また、ケーブル（50)のワイヤ（50c)に作用している張力により、操作レバー（69) は常時下向きに付勢されている。

操作レバ一（69)の下向き回動は、その後端面がアーム本体（56b)の前端面と当接することにより阻止される。

なお、上記操作レバー（69)の両支持片（69b)の上端部を、支持アーム（56)の補助アーム（56d)に、左右方向を向くピン等により回動可能に枢着し、支持アーム（56) の上端の支持溝（59)や支持片（69b)の軸部（69c)を省略することもある。

水平位匱調節機構（73)は、図 3及び図 1 1に示すように、肘当て基板（51)の後端部上面に載置され、かつ上記肘当て支持杆（22)の段付支持軸（54)の上端に、ねじ（74)により水平回動不能に固定された位置調節プレート（75)と、その前方において肘当て基板（51)に形成された楕円状のガイド孔（76)内に上方より遊嵌され、位置調節プレート（75)と係脱することにより、肘当て（16)の回動を阻止したり許容したりする操作ボタン（77)と、これを常時下向きに付勢する板ばね（78)とを備えている。

位置調節プレート（75)の後端には、ねじ（74)を中心とする円弧状の長孔（79)が穿設され、この長孔（79)には、肘当て基板（51)の後端部中央に立設したストツバピン（80)が遊嵌され、このピン（80)が長孔（79)の左右端に当接するまで、肘当て (1 6)は左右方向に水平回動することができる。

肘当て基板（51 )における取付孔（53)の前方には、有底孔（81)が形成され、この有底孔（81 )には、圧縮コイルばね（82)と、これにより上方に押圧されるポール（剛球）（83)が収容されている。位匱調節プレート（75)の前後方向の中間部には、複数（4個）の停止孔（84)が、段付支持軸（54)を中心とする回転軌跡上に穿設され、それらの開口下端には、上記ボール（83)が選択的に係止されるようになつている。なお、上記有底孔（81)、圧縮コイルばね（82)、ポール（83)及び停止孔（84)等は、省略して実施することもあ。

位置調節プレート（75)の前端部には、段付支持軸（54)を中心とする円弧状の長孔（85)が穿設され、その前部側の開口部の内面には、前向きに凹入する半円弧状の複数（4個）の係止溝（86)が、それらの中心と、上記各停止孔（84)及び段付支持軸（54)の中心とを結ぶ線が、ほぼ一直線に並ぶように形成されている。

上記操作ポタン（77)の前後の端縁には、肘当て基板（51)の上面に当接する支持片（77a) (77b)が前後方向を向いて突設され、前側の支持片（77a)の前端の左右両側部には、 1対の軸部（87)が突設されている。

上記両軸部（87)は、肘当て基板（51)の中央部上面に突設した左右 1対の挾持片 (88)間に回動可能に挾入され、支持片（88a)の前端部上面に、肘当てパッド（52) の下面に突設した押え片（89)の下端が摺接又は近接することにより、操作ポタン (77)は、軸部（87)を中心としてガイド孔（76)内を上下に回動することができる。なお、上記軸部（87)を 1対の挾持片（88)により挾持する代わりに、肘当て基板（51) の上面に上向きコ字状の 1対の軸受部を突設し、この軸受部に軸部（87)を回動可能に嵌合するようにしてもよい。

上記板ばね（78)は、く字状断面をなし、その下片は、操作ポタン（77)の上面に形成した方形をなす有底孔（90)内に収容され、かつ上片の上端は、肘当てパッド (52)の下面に圧接している。

上記後部側の支持片（77b)の後端の下面中央には、係止軸（91)が下向きに突設され、この係止軸（91)は、上記複数の係止溝（86)に、上方より選択的に係合しうるようになつている。

操作ポタン（77)の下端部は、上記肘当て（16)と支持アーム（56)との間の開口部 (68)内に若干突出し、開口部（68)に手を揷入して上向きに回動しうるようになつている。

操作ポタン（77)の下面中央には、指掛け用の上向きに凹入する凹部（77c)が形成されている。

上記実施形態の肘掛け装置において、肘当て（1 6)の高さ調節は、次のようにして行うことができる。

図 1 2に略示するように、肘当て（1 6)の高さが下限位置にあるときには、支持部材（24)における弾性支持片（40)の上端に揷通したピン（49)の左右両端部が、左右の高さ調節部材（23)の対向面に形成した凹溝（31 )の下端の傾斜面（31 b)の V字状をなす最底面により受支され、それ以上下降するのが阻止されている。

この状態から肘掛け（14)全体を引き上げると、ピン（49)の両端部が、停止部材 (32)における第 1段目の係止片（32b)の下面に沿って斜め後ろ上方に移動することにより、弾性支持片（40)は後向きに弾性変形させられ、ピン（49)が係止片（32b) の先端を乗り越えると同時に弾性支持片（40)は、 2点鎖線のように元の垂直位置まで弾性復元する。

これにより、ピン（49)の両端部は、第 1段目の係止片（32b)の上面の基部に弹性的に係合して受支され、肘当て（1 6)の高さは、凹溝（31 )の下端から第 1段目の係止片（32b)の基部間の寸法だけ高くなり、その位置に保持される。

この位置からさらに肘掛け（14)全体を引き上げると、上記と同様の作用により、順次上段の係止片（32b)にピン（49)が係合して受支され、係止片（32b)の数だけ、肘当て（1 6)の高さを段階的に調節することができる。図 4は肘当て（1 6)を最大高さに調節した例を示している。

この際、肘掛け支柱（1 5)内に収容したケーブル（50)も引っ張られることになるが、ケーブル（50)は肘掛け支柱（1 5)内においてループ状とされ、かつ挿通孔 (37) (46)内に摺動可能に支持されているため、高さの上昇分は、ループ長が短縮することにより吸収され、肘当て（1 6)の上昇に何ら支障を来す恐れはない。

肘掛け（14)を上限位置まで引き上げると、ピン（49)がガイド片（32c)の先端を乗り越えて前方に移動するため、この状態で肘掛け（14)を押し下げると、図 1 2に示すように、弾性支持片（40)は上記と反対に前方に弹性変形させられ、かつピン (49)が停止部材（32)の基片（32 a)と凹溝（31 )の前面との間の案内路（3 1 c)を通って下方に移動し、凹溝（31 )の下端まで移動することにより、肘当て（1 6)は下限位置まで一度に下降する。なお、この際、肘当て（16)が急激に下降するのを防止し、下限位置で停止した際の衝撃を緩和するために、基片（32a)と凹溝（31)の前面との案内路（31 c)の隙間を、ピン（49)が適度の摩擦力をもつて摺動しうる寸法としてもよい。

このように、上記実施形態のような高さ調節機構（20)を用いると、特別な操作手段を別途設けたりすることなく、単に肘掛け（14)全体を昇降させるだけの簡単な操作で、肘当て 06)の高さを段階的に調節することができる。

また、ケーブル（50)の操作レバー（69)は、支持ァ一ム（56)に取付けてあり、それと共に昇降するため、操作レバー（69)を着座したままで、かつ楽な姿勢で操作することができ、座体の下部に操作レバ一が設けられているものに比して、操作性が格段に向上する。

肘当て（16)の左右方向の位置を調節する際は、まず操作ポタン（77)を板ばね (78)に抗して押上げ、その後端の係止軸（91)を位置調節プレート（75)の係止溝 (86)より上方に離脱させる。 ' ついで、操作ポタン（77)を押したままの状態で、肘当て（16)を、ポール（83)がいずれかの停止孔（84)と係合するまで左右方向に回動させる。

ついで、操作ボタン（66)より手を離せば、係止軸（91)は、上記停止した停止孔 (84)と直線的に並ぶいずれかの係止溝（86)と自動的に係合し、肘当て（16)の左右方向の位置を、着座者の体格や作業内容等に応じて段階的に調節することができる。

この際、ボール（83)が停止孔（84)と弹性的に係合するため、肘当て（16)を節度感をもって段階的に回動させうる。

肘当て（16)の直下の前後方向の中間部には、手が挿入可能な開口部（68)が貫通して設けられ、かつ操作ポタン（77)は、開口部（68)の上方に設けてあるため、開口部（68)の外方より手を揷入するだけで、操作ポタン（77)の位置を着座姿勢のまま容易に確認しうるとともに、肘当て（16)の上面に添えた親指と、開口部（68)より挿入した他の 4指とにより、肘当て（16)を把持するようにして、これを回動させたり、操作ボタン（77)を押動したりすることができ、操作性が向上する。肘当て（16)の前端部は、肘当て支持杆（22)に設けた、前上方に延出する支持ァーム（56)により支持されており、後端部とにより両持ちで支持されているため、押圧荷重に対する強度が高い。

また、支持アーム（56)は、肘当て（16)と共に回動し、その前端部の支持点は殆ど変わらないため、肘当て（16)を左右いずれの方向に回動させても、大きな耐荷重強度が得られる。

さらに、操作レバ一（69)も、肘当て（16)及び支持アーム（56)と共に回動し、常に肘当て（16)の前端部の直下においてそれとほぼ同方向を向いているため、肘当て（16)前端部に手の平を当てた状態で、指により簡単に上向きに回動操作することができる。

操作レバ一（69)のレバ一本体（69a)と支持アーム（56)のアーム本体（56b)とは、ほぼ前上方を向いて連続しているため、操作レバー（69)に接続したケーブル（50) を急角度に折曲する必要はなく、その中のワイヤのプッシュプルが円滑に行われる。

次に、図 1 3〜図 2 0を参照して、前述した背凭れ（7 )及び座体（8 )の傾動装置（A)について説明する。

左右の背凭れ支持杆（12)における筒部（12a)と肘掛け（14)との間の中間部には、上向きの座支持杆（92)が一体的に設けられており、各座支持杆（92)の上端部は、前後方向を向く左右 1対のガイドレール（93)の後端部内側面に、左右方向を向く軸（94)をもって連結されている。

左右のガイドレール（93) (93)の前部同士及び後部同士は、左右方向を向く横杆 (95)をもってそれぞれ互いに連結されており、また、両ガイドレール（93)の前端部外側面には、ほぼ上下方向を向く左右 1対の支持リンク（96) (96)の上端部が、左右方向を向く軸（97)をもって連結されている。

左右の支持リンク（96) (96)の下端部は、支基（5 )の両側壁（5a) (5a)の前部に設けられた外向きの筒部（98) (98)の外側に、左右方向を向く 1本の軸（99)をもって枢着され、かつ各筒部（98)内に設けられたねじりコイルばね（100) (図 1 5参照）により、それぞれ図 2における反時計回りに付勢されている。

左方の支持リンク（96)の外側における軸（99)の端部には、付勢手段（9 )の付勢力調節用の操作レバ一（101 )が固嵌されている。

左右のガイドレール（93) (93)には、座体（8 )の下面に短寸の脚片（102) (102)をもって前後の端部が固着された前後方向を向く左右 1対の可動レール（103) (103) が、前後方向に位置調節可能として装着されている。なお、この座体（8 )の前後位置調節機構は、本発明には直接関係しないので詳細な説明は省略する。

かくして、背凭れ支持杆（12)、それと一体の座支持杆（92)、支持リンク（96)、ねじりコイルばね（100)、及び支基（5 )の内部に設けられた、これから説明する復帰用の付勢手段（9 )、並びにその付勢力の切換手段（10)等により、背凭れ及び座体の傾動装置（A)が形成されており、背凭れ（ 7 )及び背凭れ支持杆（12) (12)を、軸（1 1)を中心として後下方に傾動させると、そのときの背凭れ支持杆（12) (12)と一体の座支持杆（92) (92)の後傾により、座体（8 )の後部が後下方に移動させられ、かつそれに連動して、座体（8 )の前部も、左右の支持リンク（96) (96)が、ねじりコイルばね（100) (100)の付勢力に抗して、後傾することにより、若千後下方に移動させられるようになつている。

なお、この例では、左右のねじりコイルばね（100) (100)は、支基（5 )の内部に設けられた復帰用の付勢手段（ 9 )の補助的なものとなっている。

図 1 3に示すように、支基（5 )の内部に設けられた付勢手段（9 )は、複数（この例では 3個）の単位付勢手段（104) (105) (106)からなり、各単位付勢手段 (104) (105) (106)は、上述の六角柱状の軸（1 1)が相対回転不能として嵌合された六角孔（107)を中央に備えるほぼ円筒形の芯材（108)と、この芯材（108)とほぼ同芯をなし、外周面に突設した突部（109)が支基（5 )または切換手段（10)に当接することにより、支基（5 )に対して回り止めされるようにした外筒（110)と、芯材（108)と外筒（110)との間に充填され、芯材（108)が外筒（110)に対して中心軸線回りに回動することにより弾性変形して、芯材（108)に復帰回動力を付与するようにしたゴムまたは軟質合成樹脂材料等からなる円筒状の弾性体（1 11)とを備えている。

中央の単位付勢手段（105)は、その左右の単位付勢手段（104) (106)より軸方向の長さを大とすることにより、付勢力も大となるようにしてあり、また、左方の単位付勢手段（104)は、その弾性体（111)の弾性係数が他の単位付勢手段（105) (106) における弾性体（111)のものより大となるように、弾性体（111)の材質を、他の単位付勢手段（105) (106)におけるものと互いに異ならせることにより、付勢力が最も小となるようにしてある。したがって、この例では、左方の単位付勢手段（104)—右方の単位付勢手段（106) -中央の単位付勢手段（105)の順で、付勢力が漸次増大するように設定してある。中央の単位付勢手段（105)における外筒（110)の突部（109)は、支基（5 )の上壁 (5b)の前部中央の下面より垂下する停止片（112)に常時当接している（図 1 6参照）。

最も外側の単位付勢手段（104) (106)と、支基（5)の両側壁（5a) (5a)との間には、中央に六角孔（113)が切設され、かつ外周の下部に下向きの突片（114)が設けられた左右 1対の円板（115) (115)が、その六角孔（113)が軸（11)に相対回転不能として嵌合するようにして配設されている。

右方の円板（115)の上部には、支基（5)の上壁（5b)の右側部に形成された前後方向を向く長孔（116)を通って上方に突出し、かつ内側面に放射状の歯（117)が形成された側面視扇形のセクタギヤ（118)が連設されている。

このセクタギヤ（118)は、背凭れ（ 7 )が最も起立した位置（以下初期位置という）で停止しているときにも、背凭れ（7)に、中央の単位付勢手段（105)の付勢力（初期捩回力）を作用させるための機能と、背凭れ（7)を任意の後傾位置でロックさせる機能とを有している。

すなわち、中央の単位付勢手段（105)における外筒（110)の突部（109)が停止片 (112)に当接した状態から、セクタギヤ（118)を軸（11)とともに、図 1 6における時計回りに、予め定めた初期捩り角度だけ回動させた状態で、セクタギヤ（118) の前縁に、停止板（119)の後端を当接させて、停止板（119)を支基（5 )の上壁（5b) の上面に、止めねじ（120)をもって固着することにより、軸（11)に中央の単位付勢手段（105)の初期捩回力を付与した状態で、軸（11)を、図 1 6における反時計回りに回り止めしておくことができる。

さらに、この状態で、軸（11)の両端部に、初期位置とした背凭れ支持杆（12) (12) の筒部（12a) (12a)を嵌合して固着することにより、初期位置としたときの背凭れ (7)に、中央の単位付勢手段（105)による初期捩回力を付与することができる。なお、セクタギヤ（118)における背凭れ（7)を任意の後傾位置でロックさせる機能については後述する。

左右の円板（115) (115)における下向きの突片（114) (114)は、最も外側の単位付勢手段（104) (106)における各外筒（1 10)の外周面の下部に設けられた台座（121)に、止めねじ（122) (122)をもって固着された係止板（123)における外筒（110)より外側方に突出する部分に係合している。

この円板（115) (1 15)及び係止扳（123)は、最も外側の単位付勢手段（104) (106) に、中央の単位付勢手段（105)に付与されるのと同様の初期捩回力を付与するためのものである。

すなわち、最も外側の単位付勢手段（104) (106)において、外筒（110)を軸（1 1) に対して、上記の中央の単位付勢手段（105)についての初期捩り角度と同一角度だけ図 1 7における反時計回りに回動させた状態で、係止板（123)を、その外端部に円板（1 15)の突片（1 14)が係合するようにして、外筒（110)の外周面における台座 (1 21 )に、止めねじ（122) (122)をもって固着することにより、中央の単位付勢手段 (105)に付与されるのと同様の初期捩回力を、最も外側の単位付勢手段（104) (106) にも付与することができる。

上記のように、すべての単位付勢手段（104) (105) (106)において、外筒（1 10)を、軸（1 1)に対して、それぞれ同一の初期捩り角度だけ捩ることによって、背凭れ（7 ) が初期位置に停止しているとき、すべての単位付勢手段（104) (105) (106)における外筒（1 10)の突部（109)の位置が揃うようにしてある。

これによつて、中央の単位付勢手段（105)における外筒（110)の突部（109)が停止片（1 12)に当接した状態で、他の単位付勢手段（104) (106)における外筒（110)の突部（109)が、中央の突部（109)より上方に位置し、後述する切換手段（10)における作動部材の左右方向の移動を妨げる等の誤作動のおそれを防止することができ、切換手段（10)の作動に都合がよくなる。

図 1 5に示すように、切換手段（10)は、上述の操作レバ一（101)により回転させられるようにした軸（99)と、この軸（99)に左右方向に摺動自在に外嵌され、かつ後方に向かって突出する停止片（124)が、左右の単位付勢手段（104) (106)における外筒（1 10)の突部（109)と当接しうる作動位置と、それより外側方に外れた不作動位置とに移動可能とした左右 1対の作動部材（125) (125)と、軸（99)に固嵌され、軸（99)の回転に伴って、左右の作動部材（125) (125)を互いに独立して内方に向かつて移動させる左お 1対の円筒カム（移動部材） (126) (127)と、軸（99)に遊嵌して、左右の作動部材（125) (125)間に縮設され、左右の作動部材（125) (125)を互いに離れる方向に付勢する圧縮コイルばね（128)と、支基（5)の両側壁（5a) (5a)の前下部間に架設され、左右の作動部材（125) (125)の停止片（124)を、支基（5)の上壁（5b) と協働して上下から挟み、各作動部材（125)の回り止めと、左右方向の移動のための案内とを果たすガイドバ一（129)とを備えている。

左右の円筒カム（126) (127)のカム面（126a) (127a)の形状は、図 1 8の展開図に示すように定めてある。

すなわち、操作レバ一（101)を、予め定めた 0 ° 位置としたときは、左右の作動部材（125) (125)がともに不作動位置に位置しており、その状態から、操作レバ一 (101)を 9 0 ° 位置まで回動させると、左方の作動部材（125)のみが、圧縮コイルばね（126)の付勢力に抗して、右方に押動されて、作動位置に位置させられ、右方の作動部材（125) (125)は、元のまま不作動位置に位置する。

その状態から、操作レバ一（101)を、さらに 1 8 0 ° 位匱まで回動させると、左右の作動部材（125) (125)がともに左方に移動させられて、左方の作動部材（125) は不作動位置に、また右方の作動部材（125)は作動位置に位置させられる。

さらに、その状態から、操作レバー（101)を、 2 7 0 ° 位置まで回動させると、左方の作動部材（125)のみが右方に移動させられて、左右の作動部材（125) (125) はともに作動位置に位置させられる。

操作レバー（101)を、 2 7 0 ° 位置から 3 6 0 ° 位置、すなわち 0 ° 位置まで回動させる間に、左右の作動部材（125) (125)は、圧縮コイルばね（128)の付勢力により、互いに外向きに移動させられて、ともに不作動位置に位置させられる。

したがって、操作レバー（101)を、 0 ° 位置から 2 7 0 ° 位置まで回動させる間に、背凭れ（7)の復帰用の付勢力は、 0 ° のとき最小（中央の単位付勢手段（105) の付勢力のみ）、 9 0 ° のときやや小（中央の単位付勢手段（105)の付勢力と左方の単位付勢手段（104)の付勢力との和）、 1 8 0 ° のときやや大（中央の単位付勢手段 (105)の付勢力と右方の単位付勢手段（106)の付勢力との和）、 2 7 0 ° のとき最大 (全単位付勢手段（104) (105) (106)の付勢力の総和）と、段階的に大となる。

一方、操作レバ一（101)を、 0 ° 位置から 2 7 0 ° 位置まで回動させる間に、左右の作動部材（125) (125)の相互の間隔は、段階的に漸次小となり、圧縮コイルばね（128)による操作レバー（101)の操作抵抗力は、段階的に漸次増大するので、操作レバ一（101)の操作抵抗力が大となるのを感じることにより、背凭れ（7 )の復帰用の付勢力も大となっていることを感覚的に知ることができる。

図 1 4に示すように、支基（5 )の上壁（5b)の上面には、背凭れ（7 )を所望の後傾角度でロックするロック手段（130)を収容するケース（131)がー体的に設けられている。

ケース（131 )内には、上面と左右両側面とが開口し、かつ右半部の拡幅部（132a) と左半部の狭幅部（132b)とからなる収容溝（132)が形成され、拡幅部（132a)内には、右端にセクタギヤ（118)の歯（117)と同一のピッチ角度をもって嚙合する歯 (133a) (134a)を有する 2枚の板状の係止部材（133) (134)が、円板（1 15)の回転中心である軸（1 1)から離れる方向である上下方向に重ねて、かつ互いに独立して左右方向に摺動可能として収容されている。

上下の係止部材（133) (134)の歯（133a) (134a)は、互いに半ピッチだけ位相を前後にずらして形成されているので、セクタギヤ（118)の歯（1 Π)にはいずれか一方だけが嚙合するようになっている。

各係止部材（133) (134)の中央には、左右方向に長く、かつ上下方向に貫通する角孔（135)が穿設され、同じく左側部下面には、角孔（135)に連通する左右方向を向く U字溝（136)が形成されている。

狭幅部（132b)の右側部には、ケース（131)の上面全体を閉塞する蓋板（137)の中央部から下方に向かって切り起こされた仕切り板（138)が上方より嵌合されており、この仕切り板（138)には、上端から下端近傍にかけて、 U字溝（139)が形成されている。

狭幅部（132b)内の仕切り板（138)より左方には、上下方向を向く角筒状の連結駒

(140)が、左右方向に摺動自在に嵌合されている。

連結駒（140)における右側壁中央には、上下縁から中間位置に向かって U字溝

(141) (142)が上下対称をなして形成されており、また左側壁の上縁中央には、下方を向く U字溝（143)が形成されている。

上下の係止部材（133) (134)における U字溝（136) (136)と、仕切り板（138)の U字溝（139)と、連結駒（140)の右側壁における上下の U字溝（141) (142)とには、両端に拡径鍔（ 4a) (145a)を有する左右方向を向く上下 1対のロッド（144) (145)が左右方向に摺動自在に嵌合されている。

上下のロッド（144) (145)の右端の拡径鍔（144a) (145a)と、上下の係止部材 (133) (134)における角孔（135)の左端面との間には、各ロッド (144) (145)に遊嵌された圧縮コイルばね（146) (146)がそれぞれ縮設されており、また、上下の係止部材（133) (134)の左端面と仕切り板（138)の右側面との間には、各ロッド（144) (145) に遊嵌された圧縮コイルばね（147) (147)がそれぞれ縮設されている。

圧縮コイルばね（146)と圧縮コイルばね（147)との付勢力の大きさは、ほぼ同等か、または、圧縮コイルばね（146)のほうが圧縮コイルばね（147)より若干大となるように設定しておくのが好ましい。

連結駒（140)における左側壁の U字溝（143)には、狭幅部（132b)内の連結駒（140) よりさらに左方に設けられたプルロック ·プルレリーズ機構（148)における、先端に拡径鍔（149a)が設けられたシャフ卜（149)の右端部が嵌合されている。

プルロック ·プルレリーズ機構（148)は、狭幅部（132b)内に設けられた角筒状のケース（150)内をシャフト（149)が左右方向に貫通し、このシャフト（149)を、ケ一ス（150)の左端から突出した左端部側から一度左方に引くと、ケース（150)内に設けられた、いわゆるノック式のポールペンにおけるのと同様の公知の回転式反復係止機構により、左方に引かれた状態で係止され、次いで、再度シャフト（149) を左方に引くと、回転式反復係止機構の係止状態が解除されて、ケース（150)に内蔵された復帰ばね（図示略）により、シャフト（149)がお方に移動させられ、以後、シャフト（149)を左方に引く都度、回転式反復係止機構が係止状態と係止解除状態とを交互に繰り返すようになつている。

シャフ卜（149)の左右方向の移動ストロ一クは、 2枚の係止部材（133) (134)の歯 (133a) (134a)のいずれかがセクタギヤ（118)の歯（1 17)と嚙合するのに必要な移動量より大としてある。

シャフト（149)の左端部には、上記一方の肘掛け（14)の操作レパ一（69)に上端が接続されたケーブル（50)の下端より突出するワイヤ（50c)の端末が接続され、操作レバー（69)を上向きに回動する度に、シャフ卜（149)が左方に引かれるようになつている。なお、口ック手段（130)の支基（5 )への組み付けに当たっては、上下反転させた蓋板（137)上に、係止部材（133) (134)、連結駒（140)、ロッド（144) (145)、圧縮コィルばね（146) (147)、プルロック ·プルレリ一ズ機構（148)を、全て反転させて順次組み付けた後、それらを一体として、反転させつつ、ケース（131)の収容溝（132) に嵌合するのがよい。

図 1 9に示すように、シャフト（149)が左方に引かれて、ロックされているときは、そのお端の拡径鍔（149a)により、連結駒（140)が左方に移動させられ、それに伴って、上下のロッド（144) (145)も左方に移動させられ、通常は、圧縮コイルばね（146) (147)の付勢力のパランスにより、上下の係止部材（133) (134)は、その歯 (133a) (134a)がセクタギヤ（118)の歯（1 17)から左方に離脱した不作動位置に停止している。

この状態では、背凭れ（7 )は、操作レバー（101)により調節された付勢力により常時起立位置に向かって付勢され、その付勢力に抗して、後方に押動することにより、適度の抵抗力をもって後傾することができる。

この状態で、背凭れ（7 )を所望の角度まで後傾させた後、肘掛け（14)の操作レバー（69)を上向き回動させると、シャフト（149)が一旦左方に移動させられ、プルロック · プルレリーズ機構（148)が解除状態となり、図 2 0に実線で示すように、シャフト（149)が右方に移動させられ、それに伴って、連結駒（140)、上下のロッド（144) (145)、及び上下の係止部材（133) (134)は、圧縮コイルばね（146) (147)の付勢力のバランスにより、右方に移動させられ、上下の係止部材（133) (134)のいずれかの歯（133a) (134a)が、セクタギヤ（118)の歯（117)に嚙合する。

それらが即座に嚙合しない場合は、背凭れ（7 )を前後方向にわずかに傾動させれば、必ずいずれかの歯（133a) (134a)が、セクタギヤ（118)の歯（1 17)に嚙合する。いずれかの歯（133a) (134a) (図 2 0では上方の歯（133a) )が、セクタギヤ（118) の歯（1 17)に嚙合した後は、背凭れ（7 )はその位置にロックされ、着座者が背を背凭れ（7 )から離しても、背凭れ（7 )はその位置から前後いずれにも移動することはない。

この背凭れ（7 )が口ックされている状態から、操作レバー（69)を再度上向き回動させると、シャフト（149)が一旦左方に移動させられたのち、プル口、ソク .プルレリ一ズ機構（148)がロック状態となり、シャフト（149)が左方に移動させられたままの状態でロックされ、それに伴って、連結駒（140)、上下のロッド（144) (145)、及びセク夕ギヤ（118)の歯（117)と嚙合していない上下いずれかの係止部材 (133) (134) (この例では下方の係止部材（134))とが、左方に移動させられる。しかし、セクタギヤ（118)の歯（117)と嚙合している方の係止部材（133) (または (134))は、付勢手段（9)による大きな付勢力がほぼ直角方向に掛かっており、即座にセクタギヤ（118)から離脱することはなく、背凭れ（7)に着座者が凭れた場合のように、上記付勢力に抗する荷重が掛かったときに始めて、セクタギヤ（118) から離脱し、圧縮コイルばね（146〉（147)の付勢力のバランスにより、左方に移動させられる。

上下の係止部材（133) (134)を上下のロッド（144) (145)に直接連結せず、左右両方向に圧縮コイルばね（146) (147)を介在させて、遊びを持たせてあるのはこのためである。

以 tから明らかなように、この実施形態によると、操作レバー（101)を回転させることにより、背凭れ（7)の復帰用の付勢力を、大きな範囲に亘つて段階的に調節することができるとともに、操作レバー（69)により、背凭れ（7)を所望の後傾角度でロックしたり、そのロック状態を解除したりすることができる。

なお、この例では、支基に、背凭れと座とを、互いに連動して後下方に向かつて傾動可能として支持し、その両方を復帰用の付勢手段をもって、前上方に向かつて付勢するようにしているが、支基に、背凭れと座とのいずれか一方のみを、後下方に向かって傾動可能として支持したものにも本発明を適用することもできる。

また、単位付勢手段は、 2個または 4個以上とすることもできるし、そのすベての付勢力を選択して、背凭れまたは座に伝達しうるようにすることもできる。さらに、係止部材（133) (134)を 3個以上とし、それらの歯（133a) (134a)の位相を互いに 3分の 1または係止部材の個数分の 1ずつずらせば、セクタギヤ（118) の歯（117)及び係止部材（133) (134)の歯（133a) (134a)のピッチより、調節可能ピッチを、さらに細かくすることができる。

図 2 1及び図 2 2は、肘掛け（14)の下端部におけるケーブル（50)の引出し部の構造を示す。

背凭れ支持杆（12)の中間部より外側方に向かって延出する肘掛け取付杆（17a) の側端には、上記正面視 L字状をなす接続杆（17)が、該接続杆（17)の下部側面の開口部（151)より挿入したポルト（152)を、肘掛け取付杆（17a)のめねじ孔（153)に螺合することにより、前後方向に回り止めして強固に結合されている。

肘掛け支柱（15)内に収容されたケ一プル（50)は、肘掛け支柱（15)の一部をなす接続杆（17)の内向き折曲部における上方を向く内側面に穿設された縦長の引出し孔（154)より座体（ 8 )側に内向きに引出され、下方の端末部は、上記傾動装置（A) におけるシャフト（149)に接続されている。

接続杆（Π)の内向き折曲部の上面中央には、左右方向を向く凹状の保持溝（155) が、引出し孔（1 54)の下端と連通するようにして形成され、この保持溝（155)内には、ケーブル（50)の下端の内向き折曲部が収容されている。

接続杆（17)の内向き折曲部の内方の面、すなわちケーブル（50)の引出し部には、上記引出し孔（154)と保持溝（155)を覆いうる大きさの合成樹脂製のカバー（156) が取付けられている。

カバー（156)は、接続杆（17)の内向き折曲部の形状に沿うように、上面が円弧状に湾曲された正面視ほぼ逆 L字状に形成され、かつ上端部を除く全体は、肘掛け支柱（1 5)側の対向面と内方の端面とが開口された U字形の断面形状とされている _c カバ一（156)の上端部の外面には、図 2 1に示すように、上向き鈎状の係止片 (156a)が突設され、この係止片（156a)は、接続杆（Π)の引出し孔（154)に揷入されて、その上端開口部の裏面に下方より係止されるようになつている。

カバー（156)の内方の端面の下端には、皿状のねじ揷通孔（157)を有する取付片 (156b)が内向きに突設されている。

力パー（156)を肘掛け支柱（15)に取付けるには、ケーブル（50)の端末部をカバー (156)の内側端の開口部より引出した状態で、係止片（156a)を引出し孔（154)の上端開口部に係止させたのち、取付片（156b)を、そのねじ揷通孔（157)より挿入した皿ねじ（158)を肘掛け支柱（15)の内向き折曲部の上面に形成しためねじ孔（159)に螺合して固定すればよい。

このように、肘掛け支柱（15)における内向き折曲部の内面、すなわち、接続杆 (17)の内向き折曲部のケーブル（50)の引出し部にカバ一（156)を設けると、肘掛け支柱（1 5)に穿設したケーブル（50)の引出し孔（154)や、引出されたケーブル（50) の内向き折曲部が、カバー（156)により体裁よく覆われる。

また、ケーブル（50)の下端の内向き折曲部は、力パー（156)内においてその下方の接続杆（17)の上面に形成された保持溝（155)内に嵌合されているため、肘当て (14)の高さ調節時において、肘掛け支柱（15)内にたるませておいたケーブル（50) が、前後方向に位置ずれする恐れはなく、カバ一（156)内に安定して保持される。なお、上記実施形態のカバー（156)は、ケーブル（50)の引出し孔（154)よりの引出し部のみを覆いうる大きさとしているが、下端側の内向き寸法を大として、内向きに引出したケーブル（50)を広範囲に覆うようにしてもよい。

また、カバー（156)の肘掛け支柱（15)への取付けは、その上端部もねじを用いて行うこともできる。

図 2 3〜図 2 7は、肘掛け（14)における操作レバ一（69)とケーブル（50)との接続部と、肘当て（16)の水平位置調節機構の変形例を示す。

肘当て基板（51)の上面には、摺動可能とした停止プレート（160)が載置され、停止プレート（160)の後端部は、上記段付支持軸（54)の小径軸（54a)の上端部に、ねじ（74)により固定されている。

( 1 61 )は、停止プレート（160)の前方において肘当て基板（51)の上面に前後方向に移動可能に固定された位置調節プレートで、その後端面には、停止プレート (160)の前端が選択的に係脱しうる複数の係止溝（図示略）が形成されている。この位置調節プレート（161)と上記停止プレート（160)とにより、肘当て（16)の水平位匱調節手段が構成されている。

肘当て基板（51)の前端部下面の中央部には、上向きの凹入部（162)が形成されている。

支持アーム（56)におけるアーム本体（56b)の前端部における補助アーム（56d)連設部の直下には、上記ケーブル（50)より突出するワイヤ（50c)の端末の球状係止部 (50d)が揷通可能な揷通孔（1 63)が、前後方向を向いて穿設され、また、補助ァ一ム（56d)の下面には、ワイヤ（50c)の端末部が揷入可能なスリット状の逃げ溝（164) が、揷通孔（163)と連続して形成されている。アーム本体（56b)における補助アーム（56d)の連設部の下端部後面には、ワイヤ (50c)の球状係止部（50d)を係止保持するための、円弧状断面をなす段部（165)が、下面の一部が逃げ溝（164)と連なるように形成されている。

操作レバー（69)におけるレパー本体（69 a)の後端部中央の両支持片（69b)間には、操作レバー（69)の後端より前向きに突出する半円形断面のワイヤ掛け部（166)が一体成形され、その外周面の中央には、上記ワイヤ（50c)が摺動可能に嵌合される凹溝（167)が形成されている（図 2 6、 2 7参照）。

ヮィャ掛け部（166)の直前のレバー本体（69a)には、ワイヤ（50c)の端末部を揷通しうる大きさの貫通孔（168)が穿設されている。

操作レバー（69)にケーブル（50)の上端を取付けるには、ワイヤ（50c)の端末近傍部を、貫通孔（168)に揷通させるようにして、操作レバー（69)のワイヤ掛け部（166) の凹溝（167)内に下方より前向き U字状に掛け回すとともに、端末の球状係止部 (50d)を、支持アーム（56)の揷通孔（163)を通して、その後面の段部（165)に係止すればよい。

このように、ワイヤ（50c)の端末を固定した状態で、操作レバー（69)を上向きに回動操作すると、図 2 4に示すように、ワイヤ掛け部（166)が前方へ移動するのに伴い、その移動量の概ね 2倍の長さ分、ワイヤ（50c)は大きく引かれるようになる。この際、操作レバー（69)は、その前端が肘当て基板（51)の前端部下面に形成した凹入部（162)の下面と当接するまで、大きく回動させることができる。

上記は、本発明の単なる実施例であり、請求の範囲を逸脱しない限り、当業者により、幾多の修正および変形が可能である。

Claims

請求の範囲

1 . 座と、この座の両脇の 1対の肘掛けと、この肘掛けを支持する 1対の肘掛け支柱と、背凭れと、この背凭れを支持する 1対の背凭れ支持杆と、座の下の支基と、前記支基内に水平方向に、かつ前記 1対の支持杆に取り付けた軸と、この軸を回動させることにより、段階的な任意の傾斜角度で背凭れを傾斜させるベく、支基内に設けられた傾動手段と、前記傾斜角度で、背凭れを固定するためのロック手段と、肘掛け支柱内の支持アームと、この支持アームを介して、ロック手段に連結され、背凭れの傾動をロックしたり、解除したりする操作レバーとを備える椅子。

2 . 操作レバーが、可撓性のケーブルを介して、ロック手段に連係されている請求項 1記載の椅子。

3 . 操作レバーが支持アームに回動可能に取り付けられ、上向きに動くことにより、ケーブルを引き上げるようになっている請求項 1記載の椅子。

4 . 操作アームが、椅子に座っている人の指を引っ掛けるようになつている凹部と、支持アームの支持溝に嵌合される短寸の軸部を有する 1対の支持片とを有する請求項 3記載の椅子。

5 . 肘掛支柱内に設けられた支持部材が、この肘掛け支柱を上下に動かすことが可能で、それにより肘掛けの高さを調節し、また、ケーブルが肘掛け支柱の中で、ループ状になっている請求項 2記載の椅子。

6 . 支持部材が、中空の筒状高さ調節部材の肘当て支持支柱内に設けられ、この高さ調節部材が、複数の係止片を有し、前記支持部材からピンが突出し、前記高さ調節部材の前記複数の係止片のひとつと係合するようになつている請求項 5記載の椅子。

7 . ワイヤ掛け部が、操作レバーの後端から突出し、ケーブルの端部と係合するようになつており、ワイヤ掛け部を介して延びる、ケーブルのこの端部が、肘掛けに固定されている請求項 4記載の椅子。

8 . 凹溝がワイヤ掛け部の後端の外面に設けられ、ケーブルがワイヤ掛け部と摺動可能に嵌合している請求項 7記載の椅子。

9 . ケーブルの下端が、肘掛け支柱の接続杆の引き出し孔から引き出され、この引き出し孔を底部力パーが覆っている請求項 2記載の椅子。

1 0 . 底部カバーの下に保持溝が形成され、ケーブルがこの保持溝に嵌まるようになっている請求項 9記載の椅子。

1 1 . 底部カバーが、接続杆にねじ止めされているとともに係止されている請求項 9記載の椅子。

1 2 . 傾動手段が、単位付勢手段より構成された付勢手段を有し、この単位付勢手段が、軸とともに回動する芯材と、この芯材の回りの弾性体と、この弾性体の回りの外筒を備えている請求項 2記載の椅子。

1 3 . ロック手段が、芯材とともに回動するように、軸に取り付けたセクターギァと、このセクタ一ギアの歯と係合可能なように、ケ一プルを介して、操作レバ一に連結された係止片とより構成され、それにより、背凭れを段階的な任意の傾斜角度で保持したり、解除したりする請求項 1 2記載の椅子。