JPWO2020149305A1 - 自動車ドア - Google Patents

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Abstract

自動車ドア(600)を車高方向の両端部領域に亘り延びるように横断する第1の衝撃吸収部材(122)と、自動車ドア(600)を車長方向の両端部領域に亘り延びるように横断する第2の衝撃吸収部材(124)と、外装材(110)と、ベルトラインレインフォース(300)と、を備え、支持部におけるベルトラインレインフォース(300)の延在方向に垂直な断面の車幅方向の曲げ剛性は、交差部における第1の衝撃吸収部材(122)の延在方向に垂直な断面の車幅方向の曲げ剛性より大きい、自動車ドア(600)を提供する。

Description

本発明は、自動車ドアに関する。
本願は、2019年1月15日に、日本に出願された特願2019−004038号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、例えば下記の特許文献1には、ドアアウタパネルの高いレベルでの振動抑制と張り剛性向上を、重量増およびコスト増を抑制しつつ達成できる自動車用ドア構造を提供することを想定した技術が記載されている。
日本国特開2003−205741号公報
上記特許文献1に記載された技術では、ドアの車高方向に延在する1本のストラットと、ドアの車長方向に延在するドアアウタウエストレインフォース及びガードバーとが設けられている。このうち、ドアの車高方向に延在するストラットはパネルの張り剛性向上のために設けられており、衝突による衝撃吸収は車長方向に延在するガードバーが担っている。
しかしながら、ガードバーなどの衝撃吸収部材は、ドアを横断するように設置される。衝撃吸収部材の端部は固定されており、衝撃吸収部材は固定部より中央側で折れ曲がることで衝撃を吸収する。しかし、衝撃吸収部材が容易に折れ曲がってしまうと、衝撃吸収部材の性能を十分に発揮することができない問題があることを本発明者らは見出した。
また、1本のみ設けられたストラットは張り剛性向上のために設けられていることから、ストラットの周囲で衝撃吸収を行うことはできない。更に、衝撃を吸収するためには、頑丈なガードバーを設ける必要があり、ドアの重量増を招来する問題があることを本発明者らは見出した。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、衝撃をより確実に吸収することが可能な、新規かつ改良された自動車ドアを提供することである。
(1)本発明の一態様に係る自動車ドアは、前記自動車ドアを車高方向の両端部領域に亘り延びるように横断する第1の衝撃吸収部材と、前記自動車ドアを車長方向の両端部領域に亘り延びるように横断する第2の衝撃吸収部材と、外装材と、ベルトラインレインフォースと、を備え、前記第2の衝撃吸収部材は前記外装材に隣接し、前記第1の衝撃吸収部材と前記第2の衝撃吸収部材は交差部で交差し、前記第1の衝撃吸収部材と前記第2の衝撃吸収部材は前記交差部で接触し、前記第2の衝撃吸収部材は前記外装材と前記第1の衝撃吸収部材の間に配置され、前記車高方向の両端部領域と前記車長方向の両端部領域と前記交差部とを除く部位において、前記第1の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面の車幅方向の曲げ剛性は、前記第2の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面の前記車幅方向の曲げ剛性より大きく、前記ベルトラインレインフォースは前記第1の衝撃吸収部材の窓側端部を支持部で支持し、前記ベルトラインレインフォースは前記第1の衝撃吸収部材より車室側に配置され、前記支持部における前記ベルトラインレインフォースの延在方向に垂直な断面の前記車幅方向の曲げ剛性は、前記交差部における前記第1の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面の前記車幅方向の曲げ剛性より大きい。
(2)上記(1)に記載の自動車ドアでは、前記第1の衝撃吸収部材と前記第2の衝撃吸収部材の前記交差部において、前記第1の衝撃吸収部材および/または前記第2の衝撃吸収部材の前記車幅方向の厚さが減少してもよい。
(3)上記(1)に記載の自動車ドアでは、前記交差部において、前記第1の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面の前記車幅方向の曲げ剛性は、前記第2の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面の前記車幅方向の曲げ剛性より大きくてもよい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の自動車ドアでは、前記第2の衝撃吸収部材は、前記第1の衝撃吸収部材に接合されていてもよい。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の自動車ドアでは、前記第1の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面において、前記車幅方向の幅は前記車長方向の幅以上であってもよい。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の自動車ドアでは、前記第2の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面において、前記車幅方向の幅は前記車高方向の幅以上であってもよい。
以上説明したように本発明によれば、衝撃をより確実に吸収することが可能な自動車ドアを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る自動車の構造を示す斜視図である。 本実施形態に係るドアの構造を示す模式図である。 図2に示す一点鎖線I−I’に沿った断面を示す模式図である。 本実施形態に係る外装パネルを裏側(自動車の内側)から見た状態を示す模式図である。 本実施形態に係る衝撃吸収部材の構成の一例を示す概略的な斜視図である。 本実施形態に係る第1の衝撃吸収部材とベルトラインレインフォースとが接続される部位を示す概略的な模式図である。 本実施形態に係る第1の衝撃吸収部材と第2の衝撃吸収部材の交差部の一例を詳細に示す概略的な斜視図である。 比較例に係るドアの構造を示す模式図である。 図8に示す一点鎖線II−II’に沿った断面を示す模式図である。 図2に示す本実施形態の構成と、図8に示す比較例の構成について、ドアの外装パネルを圧子で押した場合に、圧子のストロークと圧子が受ける荷重との関係を示す特性図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
近年、高張力鋼板の自動車外装への適用が検討されている。高張力鋼板を適用すると、鋼板の板厚は薄くなり、自動車の外装材の軽量化を図ることができる。例えば、従来の板厚が0.7mmであった外装材は、高張力鋼板を適用すると、板厚を0.4mmとしても従来の板厚0.7mmと同等の耐デント性を得ることが期待できる。しかし、外装材の張り剛性は板厚に依存するため、板厚を薄くすると張り剛性不足に陥る。換言すれば、板厚を薄くすると、外装材を手で押した場合に、外装材が容易に変形しやすくなる。これに対し、本発明者らは国際公開第2018/021422号において、外装パネルの内側に縦横に配置された衝撃吸収部材を開示し、外装材の板厚を薄くしても張り剛性や耐衝撃性能を低下させることなく軽量化を行った。これに対し、本願は更なる自動車の外装材の軽量化を達成するものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動車1000の構造を示す斜視図である。図1に示すように、自動車1000は、ボデー500、ドア600(フロントドア及び/またはリアドア)、ボンネット700、フェンダー800、トランクリッド900などの構成要素を備える。本実施形態では、自動車1000について、特にドア600の近辺の構造について説明する。本発明は、ヒンジを介して車体に取り付けられるドアの他に、スライド式のドアにも適用できる。
通常、ドア600とボデー500とは、ボデー500のAピラー510(フロントピラーとも称する)に設けられたドアヒンジ(又はBピラー530に設けられたドアヒンジ)を介して、ボデー500に対してドア600が回動できるように連結されている。
図2は、ドア600の構造を示す模式図であって、ドア600を自動車1000の外側から見た状態を示している。なお、説明の便宜上、図2では、後述する外装パネル100の衝撃吸収部材120のみを図示し、外装材110の図示は省略している。また、図3は、図2に示す一点鎖線I−I’に沿った断面を示す模式図である。なお、図2に示す一点鎖線I−I’の位置は、図1に示す一点鎖線I−I’の位置に対応している。
ドア600が自動車前席側のドア(フロントドア)である場合、ボデー500に対して閉じた状態では、その下端部610がボデー500のサイドシル520とサイドパネルを介して隣接し、自動車前席側のドア600の後側の端部620はボデー500のBピラー530(センターピラーとも称する)とサイドパネルを介して隣接する。なお、Aピラー510、Bピラー530を総称してピラーとも称する。
図3に示すように、ドア600は外装パネル100を備えている。外装パネル100は、表側が自動車1000の外側に露出するパネルである。外装パネル100の表側の表面には、自動車1000の色に応じた塗装が施されている。
外装パネル100は、外装材110と衝撃吸収部材120とから構成される。外装材110は、一例として厚さが0.4〜0.7mm程度の鋼板から構成される。一例として、外装材110は表側が凸面となるように湾曲している。すなわち、外装材110は車長方向に垂直な断面において湾曲している。
図4は、外装パネル100を裏側(自動車の内側)から見た状態を示す模式図である。衝撃吸収部材120は、外装パネル100における、車高方向の両端部領域に亘り延びるように外装パネル100を横断して配置された第1の衝撃吸収部材122と、外装パネル100における、車長方向の両端部領域に亘り延びるように外装パネル100を横断して配置された第2の衝撃吸収部材124とを含む。
ここで、「外装パネル100における、車高方向の両端部領域」とは、外装パネル100の車高さ方向の両端部から内側にそれぞれ20%までの領域を意味する。
また、「外装パネル100における、車長方向の両端部領域」とは、外装パネル100の車長方向の両端部から内側にそれぞれ10%までの領域を意味する。
第1の衝撃吸収部材122は、外装材110の形状に倣って湾曲していることが望ましい。第2の衝撃吸収部材124は、ほぼ直線状に、車長方向に平行に延在している。但し、外装材110が車高方向に垂直な断面において湾曲している場合は、第2の衝撃吸収部材124は外装材110の湾曲した形状に倣った形状であることが望ましい。第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124は、外装材110に倣った形状であれば、外装材110に密着することができ、好ましくは外装材110に接合(接着)することができるからである。第1の衝撃吸収部材122または第2の衝撃吸収部材124と外装材110とを接合すると、第1の衝撃吸収部材122または第2の衝撃吸収部材124が変形する際に外装材110が変形に抵抗する。すなわち、外装材110を衝撃吸収に寄与させることができるため、より好ましい。
外装パネル100の内側には、ドアインナーパネル200が設けられている。一例として、ドアインナーパネル200は鋼板から構成される。ドアインナーパネル200の更に内側は、車室に面しており、通常、皮革や樹脂材料からなる内装材が設けられている。車幅方向において、第1の衝撃吸収部材122とドアインナーパネル200との間には、第3の衝撃吸収部材126が介在している。
図5は、衝撃吸収部材120の構成の一例を示す斜視図である。第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124の基本的な構成は、同一とすることができる。図5では、衝撃吸収部材120の長手方向と直交する断面構成も示している。図5に示す例では、衝撃吸収部材120は、中空の矩形(長方形)断面を有している。衝撃吸収部材120は板材130を折り曲げて製造される。また、衝撃吸収部材120は中空の管状部材や中実の棒状部材で製造されても良い。また、衝撃吸収部材120は、中空や中実の台形断面を有していてもよい。さらに、車高方向に配置された第1の衝撃吸収部材122の横断面において、車幅方向の幅は車長方向の幅以上であり、また車長方向に配置された第2の衝撃吸収部材124の横断面において、車幅方向の幅は車高方向の幅以上であることが好ましい。図5に示す例では、衝撃吸収部材120は長方形の断面形状であり、その一辺は長辺Hが6〜20mm程度、短辺Dが6〜16mm程度である。また、衝撃吸収部材120を構成する板材130の板厚は、一例として0.6〜1.2mm程度である。板材130としては、鋼板を用いることができる。なお、第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124の引張強度は、980MPa以上が好ましく、より好ましくは1470MPa以上である。また、鋼板から第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124をプレス成形によって成形する場合、冷間成形を用いても良く、鋼板の強度によってはホットスタンピングを採用してもよい。
図5に示すように、折り曲げられた板材130の端部130aと端部130bの間には所定の隙間が設けられていてもよい。一方、端部130aと端部130bは密着していても良い。また、端部130aと端部130bは、溶接や接着等により接合されても良い。衝撃吸収部材120の断面は、連続した矩形状、環状あるいは台形状である必要はなく、隙間が存在することで、不連続な形状であってもよい。また、衝撃吸収部材120の断面において端部が存在する場合、この端部同士が密着していてもよく、端部同士が溶接や接着等により接合されても良い。
衝撃吸収部材120は、端部130a,130bが位置する面、あるいは端部130a,130bが位置する面に反対側の面が外装材110と密着するように配置される。好適には、端部130a,130bが位置する面、あるいは端部130a,130bが位置する面に反対側の面が外装材110と接合される。
図2に示すように、ドア600には窓枠630が設けられている。第1の衝撃吸収部材122の窓枠630側の端部は、ベルトラインレインフォース300に支持されている。すなわち、車高方向に延在する第1の衝撃吸収部材122の上側の端部は、ベルトラインレインフォース300に接続されている。第1の衝撃吸収部材122の窓枠630側の端部は、ベルトラインレインフォース300よりも車外側に配置されている。
本実施形態において、ベルトラインレインフォース300は、衝突などにより生じる荷重を吸収する耐衝突部材として機能を有する。一般的なベルトラインレインフォースは、ドアの窓枠の近傍において、窓ガラスの位置を境に車室側と車外側のいずれか又は双方に設けられる。この際、スペースを確保しやすい車室側に耐衝突部材として材料強度や曲げ剛性の高いベルトラインレインフォースが設けられ、車外側には窓ガラスが出入りする開口部を補強するために比較的強度の低いベルトラインレインフォースが設けられるのが一般的である。
より詳細には、一般的に、ベルトラインレインフォースとしては、窓ガラスより車室側に配置されるベルトラインインナーレインフォースと、窓ガラスより車外側に配置されるベルトラインアウターレインフォースがある。ベルトラインインナーレインフォースとしては、乗員保護のため、強度や剛性の高い部材(例えばパイプなど)が使用される。また、ベルトラインアウターレインフォースは、窓ガラスが出入りする昇降口である開口部を補強するために設けられる。軽量化のため、ベルトラインアウターレインフォースとしては、高い剛性の部材は使用されず、例えば板厚0.6mm程度の金属板が使用されることが多い。また、ベルトラインインナーレインフォースとベルトラインアウターレインフォースとを統合しようとすることは、窓ガラスが出入する開口部を補強できなくなるため、困難である。
本実施形態に係るベルトラインレインフォース300は、窓ガラスより車外側に配置される車高方向の第1の衝撃吸収部材122を支持するため、ベルトラインアウターレインフォースに相当する。そして、本実施形態では、従来はドア600の窓ガラスよりも内側に配置されていた比較的強度の高いベルトラインレインフォースを、ドア600の窓ガラスよりも車外側に配置することで、ドア600の窓枠630の近傍における耐衝突性能を高めている。換言すれば、本実施形態に係るベルトラインレインフォース300は、ドア600の窓ガラスよりも車外側に配置されていた従来の開口部の補強だけを目的としたベルトラインレインフォースとは異なり、衝突時の衝撃を吸収する衝撃吸収部材として機能する。
そして、本実施形態では、車高方向に延在する第1の衝撃吸収部材122の上側の端部をベルトラインレインフォース300に接続し、第1の衝撃吸収部材122の窓枠630側の端部をベルトラインレインフォース300よりも車外側に接続することで、ドア600の外側から加わる荷重をベルトラインレインフォース300で支持するようにしている。
更には、第1の衝撃吸収部材122と車長方向に延在する第2の衝撃吸収部材124を交差させることで、ドア600の全体としての耐衝突性能を高めている。以下、ベルトラインレインフォース300、第1の衝撃吸収部材122、第2の衝撃吸収部材124による衝撃吸収機能について詳細に説明する。
図3に示すように、ベルトラインレインフォース300は、外装材110に沿った形状の板金310と、板金310よりも車室側に設けられたハット材320とから構成されている。板金310に対してハット材320が接合されることで、ベルトラインレインフォース300は、車長方向に軸を有する筒形状を成しており、ドア600の外側からの荷重に対する曲げ剛性が高められている。
本実施形態に係るベルトラインレインフォース300は、ドア600内の狭い空間に配置され、高い曲げ剛性が要求される。このため、ベルトラインレインフォース300として、図3に示したような閉断面部材、中実材、他の部材より板厚が厚い板材、閉断面部材の中に充填剤を充填した部材、等々により構成することが望ましい。なお、図3に示すベルトラインレインフォース300の断面形状は一例であり、ベルトラインレインフォース300の断面形状は他の形状であっても良い。また、曲げ剛性が確保できれば、ベルトラインレインフォース300は、板金310のみから構成されていても良い。ベルトラインレインフォース300の素材としては、鋼板、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)など様々な材質を用いることができる。
図6は、第1の衝撃吸収部材122とベルトラインレインフォース300とが接続される部位を示す模式図であって、図2中に二点鎖線で囲んだ領域A1を示している。図6は、ベルトラインレインフォース300、第1の衝撃吸収部材122、第2の衝撃吸収部材124を車両の外側(外装材110側)から見た状態を示しており、外装材110、ドアインナーパネル200の図示は省略している。
図6に示すように、第1の衝撃吸収部材122の車高方向の上側の末端は、ベルトラインレインフォース300よりも外側に位置し、ベルトラインレインフォース300と重なっている。そして、第1の衝撃吸収部材122とベルトラインレインフォース300が重なった部分で、第1の衝撃吸収部材122は、接合部122bにてベルトラインレインフォース300に接合されている。換言すれば、第1の衝撃吸収部材122は、ベルトラインレインフォース300に対して、車外側から接合されている。
このような構成によれば、ドア600が衝突した際に、第1の衝撃吸収部材122にかかる衝撃による荷重が、ベルトラインレインフォース300に対して車外側から車室側に向けて加わることになる。ベルトラインレインフォース300に対して第1の衝撃吸収部材122が外側から重なっていることから、ベルトラインレインフォース300に対して確実に荷重を伝達させることができ、ベルトラインレインフォース300で荷重を支えることができる。
以上のように、衝突による荷重は、第1の衝撃吸収部材122からベルトラインレインフォース300に伝わる。次に、衝突による荷重を第2の衝撃吸収部材124から第1の衝撃吸収部材122に伝える構成について説明する。
車長方向に延在する第2の衝撃吸収部材124と車高方向に延在する第1の衝撃吸収部材122は交差部で交差している。交差部において第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124は接触している。ここで、「接触」とは、直接接触している他にマスチックなどの接着剤を介して接合されていることも含む。図7は、第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124の交差部の一例を概略的に示す斜視図である。図7は、第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124を車両の外側(外装材110側)から見た状態を概略的に示している。交差部では第2の衝撃吸収部材124が第1の衝撃吸収部材122に対して車両の外側方向(外装材110側)に位置している。図7に示すように、第1の衝撃吸収部材122に凹部122aを、第2の衝撃吸収部材124に凹部124aを設けても良い。換言すれば、第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124の交差部においては、第1の衝撃吸収部材122および/または第2の衝撃吸収部材124の車幅方向の厚さが減少していてもよい。これにより第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124が同一面内に配置される。
第2の衝撃吸収部材124が第1の衝撃吸収部材122に対して車両の外側方向(外装材110側)に位置していることで、ドア600の外装パネル100に他の構造物が衝突した場合に、荷重は外装材110から第2の衝撃吸収部材124に伝わる。そして、第2の衝撃吸収部材124は車長方向に配置され、1つの第2の衝撃吸収部材124は複数の交差部で複数の第1の衝撃吸収部材122と交差している。このため、1つの第2の衝撃吸収部材124に掛かる荷重は、複数の交差部から複数の第1の衝撃吸収部材122に伝わる。そして、複数の第1の衝撃吸収部材122は、車高方向に配置され、ドア600の窓枠630側の端部がベルトラインレインフォース300に支持されているため、荷重はベルトラインレインフォース300に分散される。ベルトラインレインフォース300は、衝撃吸収部材であり、耐衝突性能が高く、また曲げ剛性も高いため、衝突による荷重をベルトラインレインフォース300で受け止めることができ、衝撃をより確実に吸収することが可能となる。特に、ベルトラインレインフォース300は、図2に示す通りドア600の窓ガラスの昇降口の範囲だけでなく、ドア600の全長に亘って延在しており、ベルトラインレインフォース300の車長方向両端は、Aピラー510側、及び、Bピラー530側に荷重を伝達できるように設置されている。このため、衝突による荷重を更に確実に吸収することができる。
ここで、部材の曲がりにくさは、部材の曲げ剛性(縦弾性係数×断面2次モーメント)で定義することができる。本実施形態では、第1の衝撃吸収部材122、第2の衝撃吸収部材124、ベルトラインレインフォース300の曲げ剛性の大小関係を最適に調整し、第2の衝撃吸収部材124、第1の衝撃吸収部材122、ベルトラインレインフォース300の順で曲げ剛性をより大きくすることで、ドア600の衝撃吸収性能を大幅に高めている。以下では、本実施形態に係る、第1の衝撃吸収部材122、第2の衝撃吸収部材124、ベルトラインレインフォース300の曲げ剛性について、詳細に説明する。
上述したように、車長方向の第2の衝撃吸収部材124は、車高方向の第1の衝撃吸収部材122に衝撃荷重を伝える機能を有している。そして、主に車高方向の第1の衝撃吸収部材122で衝撃荷重を吸収するようにしている。先ず、車高方向の両端部領域と車長方向の両端部領域と交差部とを除く部位においては、車高方向に延在する第1の衝撃吸収部材122の横断面の車幅方向の(車長方向の軸回りの)曲げ剛性は、車長方向に延在する第2の衝撃吸収部材124の横断面の車幅方向の(車高方向の軸回りの)曲げ剛性より大きい。特に、第1の衝撃吸収部材122の横断面の車幅方向の曲げ剛性は、第2の衝撃吸収部材124の横断面の車幅方向の曲げ剛性より1.5倍以上大きいことが好ましく、5倍以上大きいことが更に好ましく、10倍以上大きいことが更に好ましい。
また、交差部においても、第1の衝撃吸収部材122の横断面の車幅方向の曲げ剛性は、第2の衝撃吸収部材124の横断面の車幅方向の曲げ剛性より大きいことが好ましい。この場合も上記と同様に、1.5倍以上大きいことが好ましく、10倍以上大きいことが更に好ましい。
更には、交差部における第1の衝撃吸収部材122の横断面の車幅方向の曲げ剛性は、車長方向の両端部領域と交差部とを除く部位における第2の衝撃吸収部材124の横断面の車幅方向の曲げ剛性より大きくてもよい。この場合も上記と同様に、1.5倍以上大きくてもよく、更に、5倍以上大きくてもよい。
尚、横断面とは、衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面を意味する。
第2の衝撃吸収部材124よりも第1の衝撃吸収部材122の曲げ剛性を大きくする理由は以下の通りである。自動車のドア600は、車長方向と車高方向を比べると、車長方向の長さの方が長くなるように構成されている場合が多い。同じ断面形状の衝撃吸収部材では、その両端部を支持した場合は長さの長い方が中央に荷重を加えたときにより変形しやすい。従って、車長方向を横断する第2の衝撃吸収部材124と車高方向を横断する第1の衝撃吸収部材122とを比べると、同じ断面形状の場合は車高方向を横断する第1の衝撃吸収部材122の方が丈夫である。更に、自動車のドア600の外装材110は、車長方向と車高方向を比べると、車長方向に垂直な断面の車高方向の形状の方が、車幅方向の外側が凸となる曲率が大きい場合が多い。衝撃吸収部材120を外装材110に沿った形状とした場合を考えると、衝撃吸収部材120が車幅方向内側へ向かう荷重を受けた場合、すなわち自動車1000の側面に衝突荷重を受けた場合に、車幅方向外側が凸となる曲率が大きい第1の衝撃吸収部材122には圧縮の軸力が作用するため、車幅方向内側への変形がより抑制される。すなわち、第1の衝撃吸収部材122の方が第2の衝撃吸収部材124よりも大きな荷重に耐えることができる。換言すれば、車高方向に延在する第1の衝撃吸収部材122の方が衝撃吸収性能は高いことになる。このため、ドア600の衝撃吸収性能をより効率良く向上するためには、第2の衝撃吸収部材124よりも第1の衝撃吸収部材122の曲げ剛性を大きくした方が良い。
車長方向の第2の衝撃吸収部材124に加えられた衝撃荷重を車高方向の第1の衝撃吸収部材122に伝えるため、車長方向の第2の衝撃吸収部材124は車高方向の第1の衝撃吸収部材122より車外側(外装材側)に配置される。この際、第2の衝撃吸収部材124は第1の衝撃吸収部材122に荷重を伝えることが主な役割であるため、第2の衝撃吸収部材124の曲げ剛性を小さくすることによるドア600の衝撃吸収性能への影響は、第1の衝撃吸収部材122の曲げ剛性を小さくすることによる影響よりも小さい。衝撃吸収部材120の断面を小さくしたり、構成する板材の板厚を薄くした場合に曲げ剛性は小さくなるため、第1の衝撃吸収部材122の曲げ剛性を相対的に大きく、第2の衝撃吸収部材124の曲げ剛性を相対的に小さく設定することで、過大な重量の増大を伴うことなく、効率よくドア600の衝撃吸収性能を向上することが可能となる。
なお、第2の衝撃吸収部材124の横断面の車幅方向の曲げ剛性が、第1の衝撃吸収部材122の横断面の車幅方向の曲げ剛性より大きい場合は、必要以上に第2の衝撃吸収部材124の重量が大きくなり、本実施形態が意図するドア600の軽量化の目的に沿わない。
次に、第1の衝撃吸収部材122とベルトラインレインフォース300の曲げ剛性について説明する。上述したように、車高方向の第1の衝撃吸収部材122の窓枠630側の端部は、ベルトラインレインフォース300に支持されている。ベルトラインレインフォース300が第1の衝撃吸収部材122の端部を支持している箇所(支持部)あるいはその近傍において、ベルトラインレインフォース300の横断面の車幅方向の曲げ剛性は、第1の衝撃吸収部材122の横断面の車幅方向の曲げ剛性より大きい。特に、ベルトラインレインフォース300の横断面の車幅方向の曲げ剛性は、第1の衝撃吸収部材122の横断面の車幅方向の曲げ剛性より2倍以上大きいことが好ましく、10倍以上大きいことが更に好ましく、20倍以上大きいことが更に好ましい。
上述したように、第1の衝撃吸収部材122は、ベルトラインレインフォース300に対して外側から重なり、ベルトラインレインフォース300の支持部にて第1の衝撃吸収部材122から加わる荷重を支持する。衝撃による荷重は、第2の衝撃吸収部材124から第1の衝撃吸収部材122に伝わり、最終的にベルトラインレインフォース300が受けることになる。従って、ベルトラインレインフォース300の横断面の車幅方向の曲げ剛性を、第1の衝撃吸収部材122の横断面の車幅方向の曲げ剛性より大きくすることで、ベルトラインレインフォース300にてより確実に荷重を受け止めることができる。
なお、第1の衝撃吸収部材122の横断面の車幅方向の曲げ剛性がベルトラインレインフォース300の横断面の車幅方向の曲げ剛性より大きい場合は、車高方向の第1の衝撃吸収部材122が衝撃荷重を十分に吸収する前にベルトラインレインフォース300が変形してしまうため、本実施形態による衝撃吸収の目的に沿わない。また、この場合、必要以上に車高方向の第1の衝撃吸収部材122の重量が大きくなるため、本実施形態が意図するドア600の軽量化の目的に沿わないことになる。なお、第1の衝撃吸収部材122の曲げ剛性とベルトラインレインフォース300の曲げ剛性との比較は、第1の衝撃吸収部材122の交差部における横断面の車幅方向の曲げ剛性とベルトラインレインフォース300の第1の衝撃吸収部材122の支持部の横断面の車幅方向の曲げ剛性との比較である。第1の衝撃吸収部材122は長手方向に均一な断面形状ではない場合がある。特に交差部において、前述したように第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124を同一面内に配置するために、第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124に凹部122a、124aを設けた場合、凹部122a、124aでは車幅方向に厚みが減少することになるため、第1の衝撃吸収部材122と第2の衝撃吸収部材124の横断面の車幅方向の曲げ剛性が、交差部以外の箇所よりも小さくなる場合がある。このため、ベルトラインレインフォース300の曲げ剛性と比較するための第1の衝撃吸収部材122の曲げ剛性は、第1の衝撃吸収部材122において曲げ剛性が他の箇所に比べて小さくなる可能性がある交差部における横断面の車幅方向の曲げ剛性とする。
次に、図8及び図9に基づいて、本発明の上記実施形態の比較例について説明する。図8は、比較例に係るドア600の構造を示す模式図であって、図2と同様に自動車1000の外側からドア600を見た状態を示している。また、図9は、図8に示す一点鎖線II−II’に沿った断面を示す模式図である。なお、図8に示す一点鎖線II−II’の位置は、図1に示す一点鎖線I−I’の位置に対応している。
図8及び図9に示す比較例は、上述した、窓ガラスより車室側に配置されるベルトラインインナーレインフォース360と、窓ガラスより車外側に配置されるベルトラインアウターレインフォース350を備える構成に対応する。上述したように、ベルトラインアウターレインフォース350は、窓ガラスの出入りする昇降口である開口部の補強のために設けられ、金属板から構成されている。ベルトラインアウターレインフォース350は、開口部の補強のみを担うため、耐衝突性能を有する材料強度や曲げ剛性が高い部材ではない。さらに、ベルトラインアウターレインフォース350は、開口部の補強のみを担うため、図8に示すようにドア600の全長に亘っては配置されておらず、窓ガラスの昇降口の範囲にのみ配置されている。すなわち、ベルトラインアウターレインフォース350の車長方向両端は、Aピラー510側、及び、Bピラー530側に荷重を伝達できるように設置されていないため、衝突による荷重を十分に吸収することができない。一方、ベルトラインインナーレインフォース360は、耐衝突部材であり、材料強度と曲げ剛性の高い部材から構成されている。図9に示すように、ベルトラインインナーレインフォース360は、車長方向に延在する筒状の部材から構成されている。
図8及び図9に示す比較例の構成では、第1の衝撃吸収部材122は、ベルトラインアウターレインフォース350に接続されている。
図8及び図9に示す比較例の構成では、ドア600の重量は同等とされている。図2及び図3に示す本実施形態の構成と、図8及び図9に示す比較例の構成は、本実施形態のベルトラインレインフォース300が比較例のベルトラインアウターレインフォース350とベルトラインインナーレインフォース360に置き換わっており、且つ第1の衝撃吸収部材122がベルトラインアウターレインフォース350に接続されている点が相違しており、その他の構成は、重量を含めて基本的に同じである。
図10は、図2及び図3に示す本発明の実施形態の構成と、図8及び図9に示す比較例の構成について、ドア600の外装パネル100の中央を半径20mmの車高方向を軸に持つ円柱状の圧子で押した場合を想定し、圧子のストロークと圧子がドア600から受ける荷重の関係をシミュレーションにより求めた特性図である。図10に示すように、同じストロークの場合、比較例よりも本実施形態の方が荷重特性が向上しており、その差はストロークが20mm以上で顕著に表れている。上述したように、本実施形態と比較例のそれぞれのドアの重量は同等である。従って、本実施形態の構成によれば、本実施形態と同等の軽量化を達成した比較例よりも、衝撃吸収性能が顕著に高くなることが判る。従って、本実施形態の構成により、衝撃吸収性能を大幅に高めることが可能であることが理解できる。
なお、上述した説明では、第1の衝撃吸収部材122、第2の衝撃吸収部材124、第3の衝撃吸収部材126、ドアインナーパネル200などの各部材を鋼板から構成した場合を例示したが、これらの部材は、アルミニウム、アルミニウム合金、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの他の素材から構成しても良い。
以上説明したように本実施形態によれば、ベルトラインレインフォース300が第1の衝撃吸収部材122の窓側端部を支持し、ベルトラインレインフォース300が第1の衝撃吸収部材122より車室側に配置される構成とした。また、ベルトラインレインフォース300の横断面の車幅方向の曲げ剛性を、第1の衝撃吸収部材122の横断面の車幅方向の曲げ剛性よりも大きくした。これにより、ドア600に荷重が加わった場合に、第1の衝撃吸収部材122からベルトラインレインフォース300に伝わる荷重をより確実に支えることが可能となる。
従って、軽量化を目的とした外装材の高強度化、薄肉化を行った場合に、外装材の張り剛性を向上することができ、且つ衝突時の耐衝撃性能をも担保することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、自動車のフロントドアやリアドアに適用することができる。また、本発明は、自動車の側部に配されるドアのみならず、自動車の後部に配されるドア(テールゲートとも称される)にも適用することができる。自動車の後部に配されるドアに本発明を適用する場合、このようなドアのインナーパネルは自動車の車長方向と交差するため、上記実施形態で説明した車長方向を車幅方向と読み替え、車幅方向を車長方向と読み替えてもよい。
本発明は、衝撃をより確実に吸収することが可能な自動車ドアを提供することができるため、産業上の利用可能性が高い。
122 第1の衝撃吸収部材
124 第2の衝撃吸収部材
300 ベルトラインレインフォース
520 サイドシル
600 ドア
1000 自動車

Claims (6)

  1. 自動車ドアであって、
    前記自動車ドアを車高方向の両端部領域に亘り延びるように横断する第1の衝撃吸収部材と、
    前記自動車ドアを車長方向の両端部領域に亘り延びるように横断する第2の衝撃吸収部材と、
    外装材と、
    ベルトラインレインフォースと、
    を備え、
    前記第2の衝撃吸収部材は前記外装材に隣接し、
    前記第1の衝撃吸収部材と前記第2の衝撃吸収部材は交差部で交差し、
    前記第1の衝撃吸収部材と前記第2の衝撃吸収部材は前記交差部で接触し、
    前記第2の衝撃吸収部材は前記外装材と前記第1の衝撃吸収部材の間に配置され、
    前記車高方向の両端部領域と前記車長方向の両端部領域と前記交差部とを除く部位において、前記第1の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面の車幅方向の曲げ剛性は、前記第2の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面の前記車幅方向の曲げ剛性より大きく、
    前記ベルトラインレインフォースは前記第1の衝撃吸収部材の窓側端部を支持部で支持し、
    前記ベルトラインレインフォースは前記第1の衝撃吸収部材より車室側に配置され、
    前記支持部における前記ベルトラインレインフォースの延在方向に垂直な断面の前記車幅方向の曲げ剛性は、前記交差部における前記第1の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面の前記車幅方向の曲げ剛性より大きい、自動車ドア。
  2. 前記第1の衝撃吸収部材と前記第2の衝撃吸収部材の前記交差部において、前記第1の衝撃吸収部材および/または前記第2の衝撃吸収部材の前記車幅方向の厚さが減少する、請求項1に記載の自動車ドア。
  3. 前記交差部において、前記第1の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面の前記車幅方向の曲げ剛性は、前記第2の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面の前記車幅方向の曲げ剛性より大きい
    ことを特徴とする請求項2に記載の自動車ドア。
  4. 前記第2の衝撃吸収部材は、前記第1の衝撃吸収部材に接合されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車ドア。
  5. 前記第1の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面において、前記車幅方向の幅は前記車長方向の幅以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の自動車ドア。
  6. 前記第2の衝撃吸収部材の延在方向に垂直な断面において、前記車幅方向の幅は前記車高方向の幅以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の自動車ドア。
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