JPWO2020075838A1 - 急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、急性骨髄性白血病に対して実用的な効果を示す急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤を提供することである。本発明によれば、1回あたりの投与量が所定の範囲内である、(S,E)−N−(1−((5−(2−((4−シアノフェニル)アミノ)−4−(プロピルアミノ)ピリミジン−5−イル)−4−ペンチン−1−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチル−2−ブテンアミドなどの本明細書で規定する一般式[1]で表される化合物またはその塩を含む急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤が提供される。

Description

本発明は、急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤に関する。
優れたFms様チロシンキナーゼ3(FLT3)阻害活性を有し、医薬品の原薬として有用である含窒素複素環化合物が報告されている(特許文献1および2)。また、上記の含窒素複素環化合物を含むFLT3変異陽性癌を処置するための医薬組成物が報告されている(特許文献3)。さらに、含窒素複素環化合物の製造方法およびその中間体が報告されている(特許文献4)。以下、特許文献3に記載の一般式[1]で表わされる化合物またはその塩を単に化合物Aということがある。
国際公開第2013/157540号パンフレット 国際公開第2015/056683号パンフレット 国際公開第2016/027904号パンフレット 国際公開第2017/010535号パンフレット
FLT3は、造血細胞の増殖・分化に重要な役割を果たす。正常な骨髄では、FLT3の発現は造血幹細胞・前駆細胞等で認められるが、血液癌では、FLT3が過剰に発現するかあるいはFLT3が変異を起こすことにより、FLT3シグナル伝達経路の活性化を介して癌の増殖悪性化に寄与する。このような疾患に対する新しい治療方法が望まれている。
これまでのところ、化合物Aを急性骨髄性白血病患者に対して投与した結果の報告はない。そのため、化合物Aがどのような血中動態を示すのかは、知られていない。化合物Aが急性骨髄性白血病患者に対してその薬効を発揮するためには、24時間以上、所定の血中濃度以上を維持することが重要であるが、どのような用量にすればそれが達成できるかは、急性骨髄性白血病患者に投与してみなければ当業者でも想定できるものではない。また、化合物Aについて、急性骨髄性白血病患者に対して実用的な治療効果を示すために必要とされる、24時間以上維持すべき所定の血中濃度の値についても、これまでのところ検討されていなかった。本発明の課題は、急性骨髄性白血病患者に対して実用的な治療効果を示す急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤、を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、1日当たりの投与回数および1回当たりの投与量を所定の範囲に設定することにより、24時間以上にわたり40ng/mLを超える血漿中薬物濃度を達成することができることを見出した。さらに本発明者らは、上記の条件下で化合物Aを投与した場合に、化合物Aが急性骨髄性白血病に対して優れた治療効果を奏することを見出した。本発明は上記知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記を提供する。
<1> 1日2回の投与において、1回あたりの投与量が25〜225mgであり、または、1日3回の投与において、1回あたりの投与量が20〜150mgである、
一般式[1]で表される化合物またはその塩(化合物A)を含む急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤。
Figure 2020075838
式中、
は、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基を示し、
は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
mは、1〜3の整数を示し、
m個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基を示し、m個から選ばれる一つのRは、Rと一緒になって、置換されてもよいC1−6アルキレン基を形成してもよく、
m個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
は、酸素原子、N(R20)(式中、R20は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示す。)、C(=O)、C(=O)−N(R20)(式中、R20は、上記と同様の意味を有する。)または結合手を示し、
は、置換されてもよいC1−6アルキレン基、置換されてもよい2価の脂環式炭化水素基または置換されてもよい2価の芳香族炭化水素基を示し、
nは、0〜3の整数を示し、
n個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基を示し、
n個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基を示し、
は、置換されてもよいC1−6アルキレン基、置換されてもよいC2−6アルケニレン基、置換されてもよいC2−6アルキニレン基またはN(R20)−C(=O)(式中、R20は、前記と同様の意味を有する。)を示し、
は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
は、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基、置換されてもよいC2−6アルキニル基または置換されてもよいC3−8シクロアルキル基を示し、
およびRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されてもよい環状アミノ基を形成してもよく、
10は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
11は、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基、置換されてもよいC2−6アルキニル基、置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環式基を示す。
<2> 1日2回の投与において、1回あたりの投与量が35〜150mgである、<1>に記載の抗腫瘍剤。
<3> 1日2回の投与において、1回あたりの投与量が35〜100mgである、<1>に記載の抗腫瘍剤。
<4> R10が、水素原子であり、
が、C(=O)−N(R20)(式中、R20は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示す。)である、<1>から<3>の何れか一に記載の抗腫瘍剤。
<5> Xが、置換されてもよいC2−6アルキニレン基である、<1>から<4>の何れか一に記載の抗腫瘍剤。
<6> 一般式[1]で表される化合物が、(S,E)−N−(1−((5−(2−((4−シアノフェニル)アミノ)−4−(プロピルアミノ)ピリミジン−5−イル)−4−ペンチン−1−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチル−2−ブテンアミドである、<1>から<5>の何れか一に記載の抗腫瘍剤。
<7> 1日3回の投与において、1回あたりの投与量が35〜150mgである、<1>に記載の抗腫瘍剤。
<8> 1日3回の投与において、1回あたりの投与量が35〜100mgである、<1>に記載の抗腫瘍剤。
<9> 経口剤である、<1>から<8>の何れか一に記載の抗腫瘍剤。
(A1) 化合物Aを、急性骨髄性白血病の処置に用いるための方法であって、化合物Aを1日2回、1回あたりの投与量を25〜225mgとして、急性骨髄性白血病の処置が必要な対象(ヒトを含む哺乳動物)に投与することを含む方法。
(A2) 化合物Aを、急性骨髄性白血病の処置に用いるための方法であって、化合物Aを1日3回、1回あたりの投与量を20〜150mgとして、急性骨髄性白血病の処置が必要な対象(ヒトを含む哺乳動物)に投与することを含む方法。
(B1) 化合物Aを1日2回、1回あたりの投与量を25〜225mgとして、急性骨髄性白血病の処置が必要な対象(ヒトを含む哺乳動物)に投与することを含む、急性骨髄性白血病の処置方法。
(B2) 化合物Aを1日3回、1回あたりの投与量を20〜150mgとして、急性骨髄性白血病の処置が必要な対象(ヒトを含む哺乳動物)に投与することを含む、急性骨髄性白血病の処置方法。
(C1) 1日2回の投与において、1回あたりの投与量が25〜225mgである急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤の製造のための、化合物Aの使用。
(C2) 1日3回の投与において、1回あたりの投与量が20〜150mgである急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤の製造のための、化合物Aの使用。
(D1) 1日2回の投与において、1回あたりの投与量が25〜225mgである、急性骨髄性白血病の治療において使用するための、化合物A。
(D2) 1日3回の投与において、1回あたりの投与量が20〜150mgである、急性骨髄性白血病の治療において使用するための、化合物A。
化合物Aは、急性骨髄性白血病に対して治療効果を奏する。すなわち、本発明によれば、急性骨髄性白血病に対して効果を示す急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤が提供される。
図1は、化合物A1を投与した患者についての、血漿中濃度とPlasma Inhibitory activity(PIA)試験結果の相関グラフを示す。 図2は、1日1回(QD)投与のシミュレーション結果を示す。 図3は、1日2回(BID)投与のシミュレーション結果を示す。 図4は、1日3回(TID)投与のシミュレーション結果を示す。
本発明において「〜」で表す範囲は、特に記載した場合を除き、両端の値を含む。
「対象」とは、その予防もしくは治療を必要とするヒト、マウス、サル、家畜等の哺乳動物であり、好ましくは、その予防もしくは治療を必要とするヒトである。
「予防」とは、発症の阻害、発症リスクの低減または発症の遅延などを意味する。
「治療」とは、対象となる疾患または状態の改善または進行の抑制(維持または遅延)などを意味する。
「処置」とは、各種疾患に対する予防または治療などを意味する。
「腫瘍」とは、良性腫瘍または悪性腫瘍を意味する。
「良性腫瘍」とは、腫瘍細胞およびその配列がその由来する正常細胞に近い形態をとり、浸潤性または転移性のない腫瘍を意味する。
「悪性腫瘍」とは、腫瘍細胞の形態やその配列がその由来する正常細胞と異なっており、浸潤性または転移性を示す腫瘍を意味する。
「1回あたりの投与量」とは、ヒトについての1回あたりの化合物Aの投与量を意味する。ヒトは成人であることが好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる
1−6アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチルおよびヘキシル基などの直鎖状または分枝鎖状のC1−6アルキル基が挙げられる。
1−3アルキル基としては、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基が挙げられる。
2−6アルケニル基としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、1,3−ブタジエニル、ペンテニルおよびヘキセニル基などの直鎖状または分枝鎖状のC2−6アルケニル基が挙げられる。
2−6アルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニル基などの直鎖状または分枝鎖状のC2−6アルキニル基が挙げられる。
3−8シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基などのC3−8シクロアルキル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニルまたはナフチル基が挙げられる。
アリールC1−6アルキル基としては、ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、フェネチルおよびナフチルメチル基などのアリールC1−6アルキル基が挙げられる。
1−6アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、シクロブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシ基などの直鎖状、環状または分枝鎖状のC1−6アルキルオキシ基が挙げられる。
1−3アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはイソプロポキシ基が挙げられる。
1−6アルコキシC1−6アルキル基としては、メトキシメチルおよび1−エトキシエチル基などのC1−6アルキルオキシC1−6アルキル基が挙げられる。
アリールC1−6アルコキシC1−6アルキル基としては、ベンジルオキシメチルおよびフェネチルオキシメチル基などのアリールC1−6アルキルオキシC1−6アルキル基が挙げられる。
2−6アルカノイル基としては、アセチル、プロピオニル、バレリル、イソバレリルおよびピバロイル基などの直鎖状または分枝鎖状のC2−6アルカノイル基が挙げられる。
アロイル基としては、ベンゾイルまたはナフトイル基が挙げられる。
素環式カルボニル基としては、ニコチノイル、テノイル、ピロリジノカルボニルまたはフロイル基が挙げられる。
(α−置換)アミノアセチル基としては、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリンおよびヒドロキシプロリンなどのアミノ酸が挙げられる。)から誘導されるN末端が保護されてもよい(α−置換)アミノアセチル基が挙げられる。
アシル基としては、ホルミル基、スクシニル基、グルタリル基、マレオイル基、フタロイル基、C2−6アルカノイル基、アロイル基、複素環式カルボニル基または(α−置換)アミノアセチル基が挙げられる。
アシルC1−6アルキル基としては、アセチルメチル、ベンゾイルメチルおよび1−ベンゾイルエチル基などのアシルC1−6アルキル基が挙げられる。
アシルオキシC1−6アルキル基としては、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、ベンゾイルオキシメチルおよび1−(ベンゾイルオキシ)エチル基などのアシルオキシC1−6アルキル基が挙げられる。
1−6アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルおよび1,1−ジメチルプロポキシカルボニル基などの直鎖状または分枝鎖状のC1−6アルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
アリールC1−6アルコキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニルおよびフェネチルオキシカルボニル基などのアリールC1−6アルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、フェニルオキシカルボニルまたはナフチルオキシカルボニル基が挙げられる。
1−6アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ペンチルアミノおよびヘキシルアミノ基などの直鎖状または分枝鎖状のC1−6アルキルアミノ基が挙げられる。
ジ(C1−6アルキル)アミノ基としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジ(tert−ブチル)アミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、(エチル)(メチル)アミノおよび(メチル)(プロピル)アミノ基などの直鎖状または分枝鎖状のジ(C1−6アルキル)アミノ基が挙げられる。
ジ(C1−3アルキル)アミノ基としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、(エチル)(メチル)アミノおよび(メチル)(プロピル)アミノ基などの直鎖状または分枝鎖状のジ(C1−3アルキル)アミノ基が挙げられる。
1−6アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニルおよびプロピルスルホニル基などのC1−6アルキルスルホニル基が挙げられる。
アリールスルホニル基としては、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニルまたはナフタレンスルホニル基が挙げられる。
1−6アルキルスルホニルオキシ基としては、メチルスルホニルオキシおよびエチルスルホニルオキシ基などのC1−6アルキルスルホニルオキシ基が挙げられる。
アリールスルホニルオキシ基としては、ベンゼンスルホニルオキシまたはp−トルエンスルホニルオキシ基が挙げられる。
環状アミノ基としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、ピペリジニル、テトラヒドロピリジル、ホモピペリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルおよびキヌクリジニルなどの上記環を形成する異項原子として一つ以上の窒素原子を含み、更に、一つ以上の酸素原子または硫黄原子を含んでもよい環状アミノ基が挙げられる。
単環の含窒素複素環式基としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、ピペリジル、テトラヒドロピリジル、ピリジル、ホモピペリジニル、オクタヒドロアゾシニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ホモピペラジニル、トリアゾリルおよびテトラゾリル基などの上記環を形成する異項原子として窒素原子のみを含む単環の含窒素複素環式基が挙げられる。
単環の含酸素複素環式基としては、テトラヒドロフラニル、フラニル、テトラヒドロピラニルまたはピラニル基が挙げられる。
単環の含硫黄複素環式基としては、チエニル基が挙げられる。
単環の含窒素・酸素複素環式基としては、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルおよびモルホリニル基などの上記環を形成する異項原子として窒素原子および酸素原子のみを含む単環の含窒素・酸素複素環式基が挙げられる。
単環の含窒素・硫黄複素環式基としては、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、チオモルホリニル、1−オキシドチオモルホリニルおよび1,1−ジオキシドチオモルホリニル基などの上記環を形成する異項原子として窒素原子および硫黄原子のみを含む単環の含窒素・硫黄複素環式基が挙げられる。
単環の複素環式基としては、単環の含窒素複素環式基、単環の含酸素複素環式基、単環の含硫黄複素環式基、単環の含窒素・酸素複素環式基または単環の含窒素・硫黄複素環式基が挙げられる。
二環式の含窒素複素環式基としては、インドリニル、インドリル、イソインドリニル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピラゾロピリジニル、キノリル、テトラヒドロキノリニル、キノリル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ジヒドロキノキサリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニルおよびキヌクリジニル基などの上記環を形成する異項原子として窒素原子のみを含む二環式の含窒素複素環式基が挙げられる。
二環式の含酸素複素環式基としては、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロマニル、クロメニル、イソクロマニル、1,3−ベンゾジオキソリル、1,3−ベンゾジオキサニルおよび1,4−ベンゾジオキサニル基などの上記環を形成する異項原子として酸素原子のみを含む二環式の含酸素複素環式基が挙げられる。
二環式の含硫黄複素環式基としては、2,3−ジヒドロベンゾチエニルおよびベンゾチエニル基などの上記環を形成する異項原子として硫黄原子のみを含む二環式の含硫黄複素環式基が挙げられる。
二環式の含窒素・酸素複素環式基としては、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾモルホリニル、ジヒドロピラノピリジル、ジヒドロジオキシノピリジルおよびジヒドロピリドオキサジニル基などの上記環を形成する異項原子として窒素原子および酸素原子のみを含む二環式の含窒素・酸素複素環式基が挙げられる。
二環式の含窒素・硫黄複素環式基としては、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリルおよびベンゾチアジアゾリル基などの上記環を形成する異項原子として窒素原子および硫黄原子を含む二環式の含窒素・硫黄複素環式基が挙げられる。
二環式の複素環式基としては、二環式の含窒素複素環式基、二環式の含酸素複素環式基、二環式の含硫黄複素環式基、二環式の含窒素・酸素複素環式基または二環式の含窒素・硫黄複素環式基が挙げられる。
複素環式基としては、単環の複素環式基または二環式の複素環式基が挙げられる。
1−6アルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびヘキシレン基などの直鎖状または分枝鎖状のC1−6アルキレン基が挙げられる。
1−3アルキレン基としては、メチレン、エチレンまたはプロピレン基が挙げられる。
2−6アルケニレン基としては、ビニレン、プロペニレン、ブテニレンおよびペンテニレン基などの直鎖状または分枝鎖状のC2−6アルケニレン基が挙げられる。
2−6アルキニレン基としては、エチニレン、プロピニレン、ブチニレンおよびペンチニレン基などの直鎖状または分枝鎖状のC2−6アルキニレン基が挙げられる。
2価の脂環式炭化水素基としては、1,2−シクロブチレン、1,3−シクロブチレン、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、ビシクロ(3.2.1)オクチレン、ビシクロ(2.2.0)ヘキシレンおよびビシクロ(5.2.0)ノニレン基などの脂環式炭化水素環から2個の水素原子を除去して形成される基が挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン、インデニレン、ナフチレン、フルオレニレン、フェナントレニレン、アントリレンおよびピレニレン基などの芳香族炭化水素環から2個の水素原子を除去して形成される基が挙げられる。
シリル基としては、トリメチルシリル、トリエチルシリルまたはトリブチルシリル基が挙げられる。
アミノ保護基としては、通常のアミノ基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、T.W.グリーン(T.W.Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第696〜926頁、2007年、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons,INC.)に記載されている基が挙げられる。具体的には、アリールC1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、アシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アリールC1−6アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはシリル基が挙げられる。
イミノ保護基としては、通常のイミノ基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、T.W.グリーン(T.W.Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第696〜868頁、2007年、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons,INC.)に記載されている基が挙げられる。具体的には、アリールC1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、アシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アリールC1−6アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはシリル基が挙げられる。
ヒドロキシル保護基としては、通常のヒドロキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、T.W.グリーン(T.W.Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第16〜299頁、2007年、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(JohnWiley & Sons,INC.)に記載されている基が挙げられる。具体的には、例えば、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、アリールC1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、アリールC1−6アルコキシC1−6アルキル基、アシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アリールC1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シリル基、テトラヒドロフラニル基またはテトラヒドロピラニル基が挙げられる。
カルボキシル保護基としては、通常のカルボキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、T.W.グリーン(T.W.Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第533〜643頁、2007年、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons,INC.)に記載されている基が挙げられる。具体的には、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、アリール基、アリールC1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、アリールC1−6アルコキシC1−6アルキル基、アシルC1−6アルキル基、アシルオキシC1−6アルキル基またはシリル基が挙げられる。
〔一般式[1]の化合物およびその塩〕
本発明における化合物Aは、一般式[1]で表される化合物およびその塩である。
Figure 2020075838
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、X、X、X、mおよびnは、上記と同様の意味を有する。)
は、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基であり、好ましくは、水素原子である。
他の置換基がいずれの場合においても、RのC1−6アルキル基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよいアミノ基および保護されてもよいヒドロキシル基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
の、置換されてもよいC1−6アルキル基のC1−6アルキル基は、好ましくは、C1−3アルキル基である。
は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基であり、好ましくは、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基であり、より好ましくは、置換されてもよいC1−6アルキル基である。
他の置換基がいずれの場合においても、RのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基は、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルキルアミノ基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいジ(C1−6アルキル)アミノ基および置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい複素環式基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
置換基群A:ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基、保護されてもよいヒドロキシル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルキル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアリール基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルキルアミノ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいジ(C1−6アルキル)アミノ基、置換基群Bから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい複素環式基、オキソ基。
置換基群B:ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基、保護されてもよいヒドロキシル基、ハロゲン原子またはヒドロキシル基で置換されてもよいC1−6アルキル基、ハロゲン原子またはヒドロキシル基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基、アリール基、複素環式基、オキソ基。
の、置換されてもよいC1−6アルキル基は、好ましくは、ジ(C1−6アルキル)アミノ基で置換されているC1−6アルキル基であり、より好ましくは、ジ(C1−3アルキル)アミノ基で置換されているC1−3アルキル基であり、さらに好ましくは、ジメチルアミノメチル基である。
の、置換されてもよいC1−6アルキル基のC1−6アルキル基は、好ましくは、C1−3アルキル基であり、より好ましくは、メチル基である。
の、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基のそれぞれの置換基は、好ましくは、置換基群A−1から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいジ(C1−6アルキル)アミノ基または置換基群A−1から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい複素環式基であり、より好ましくは、置換基群A−1から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいジ(C1−6アルキル)アミノ基である。
ここで、置換基群A−1から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいジ(C1−6アルキル)アミノ基のジ(C1−6アルキル)アミノ基は、好ましくは、ジ(C1−3アルキル)アミノ基であり、より好ましくは、ジメチルアミノ基である。
置換基群A−1から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい複素環式基の複素環式基は、好ましくは、アゼチジニル基、ピペラジニル基またはモルホリニル基である。
置換基群A−1:ハロゲン原子、保護されてもよいヒドロキシル基、ヒドロキシル基で置換されてもよいC1−6アルキル基。
は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基であり、好ましくは、水素原子またはC1−6アルキル基であり、より好ましくは、C1−6アルキル基である。
他の置換基がいずれの場合においても、RのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基、保護されてもよいヒドロキシル基、置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいアリール基および置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい複素環式基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
の、置換されてもよいC1−6アルキル基のC1−6アルキル基は、好ましくは、C1−3アルキル基であり、より好ましくは、メチル基である。
mは、1〜3の整数であり、好ましくは、1または2の整数であり、より好ましくは、1の整数である。
m個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基であり、好ましくは、水素原子である。
他の置換基がいずれの場合においても、RのC1−6アルキル基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基および保護されてもよいヒドロキシル基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
m個から選ばれる一つのRは、Rと一緒になって、置換されてもよいC1−6アルキレン基を形成してもよく、置換されてもよいC1−6アルキレン基のC1−6アルキレン基は、好ましくは、C1−3アルキレンであり、より好ましくは、プロピレン基である。置換されてもよいC1−6アルキレン基の置換基は、好ましくは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基またはC1−3アルコキシ基であり、より好ましくは、フッ素原子、ヒドロキシル基またはメトキシ基であり、さらに好ましくは、フッ素原子またはメトキシ基である。
m個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基であり、好ましくは、置換されてもよいC1−6アルキル基である。
他の置換基がいずれの場合においても、RのC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基および保護されてもよいヒドロキシル基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
の、置換されてもよいC1−6アルキル基のC1−6アルキル基は、好ましくは、C1−3アルキル基であり、より好ましくは、メチル基である。
nは、0〜3の整数であり、好ましくは、0または1の整数であり、より好ましくは、0の整数である。
n個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基であり、好ましくは、水素原子またはC1−6アルキル基であり、より好ましくは、水素原子である。
n個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基であり、好ましくは、水素原子またはC1−6アルキル基であり、より好ましくは、水素原子である。
他の置換基がいずれの場合においても、RおよびRのC1−6アルキル基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基または保護されてもよいヒドロキシル基で置換されてもよい。
は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基であり、好ましくは、水素原子である。
他の置換基がいずれの場合においても、RのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基および保護されてもよいヒドロキシル基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
は、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基または置換されてもよいC3−8シクロアルキル基であり、好ましくは、置換されてもよいC1−6アルキル基または置換されてもよいC3−8シクロアルキル基であり、より好ましくは、置換されてもよいC1−6アルキル基である。
他の置換基がいずれの場合においても、RのC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基またはC3−8シクロアルキル基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基、保護されてもよいヒドロキシル基および置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
の、置換されてもよいC1−6アルキル基は、好ましくは、置換基を有しないC1−6アルキル基である。
の、置換されてもよいC1−6アルキル基のC1−6アルキル基は、好ましくは、C1−3アルキル基である。
の、置換されてもよいC1−6アルキル基の置換基は、好ましくは、ハロゲン原子またはC1−3アルコキシ基であり、より好ましくは、メトキシ基である。
およびRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されてもよい環状アミノ基を形成してもよく、置換されてもよい環状アミノ基の環状アミノ基は、好ましくは、モルホリニル基である。
他の置換基がいずれの場合においても、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって形成する環状アミノ基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基、保護されてもよいヒドロキシル基およびオキソ基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
10は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基であり、好ましくは、水素原子である。
他の置換基がいずれの場合においても、R10のC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基、保護されてもよいヒドロキシル基および置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
11は、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基、置換されてもよいC2−6アルキニル基、置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環式基であり、好ましくは、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環式基であり、より好ましくは、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環式基であり、より好ましくは、置換されてもよいアリール基である。
他の置換基がいずれの場合においても、R11のC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、アリール基または複素環式基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基、保護されてもよいヒドロキシル基および置換基群Aから選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
11の、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環式基のそれぞれの置換基は、好ましくは、置換基群A−2から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基である。
置換基群A−2:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C3−8シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基、複素環式基。
11の、置換されてもよいC1−6アルキル基は、好ましくは、置換されているC1−6アルキル基であり、より好ましくは、置換されているC1−3アルキル基、更に好ましくは、置換されているエチル基である。
11が、置換されているC1−6アルキル基である場合、C1−6アルキル基の置換基は、好ましくは、複素環式基であり、より好ましくは、ピリジル基、ピロリジニル基またはモルホリニル基である。
11の、置換されてもよいアリール基は、好ましくは、置換されているアリール基であり、より好ましくは、置換されているフェニル基である。
11が、置換されているフェニル基である場合、フェニル基の置換基は、好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基またはカルバモイル基であり、より好ましくは、フッ素原子またはシアノ基である。
11が、置換されているフェニル基である場合、フェニル基は、o−位に置換基を有さず、m−位またはp−位に置換基を有することが好ましく、p−位のみに置換基を有することがより好ましい。
m−位またはp−位の好ましい置換基は、上記の通りである。
11の、置換されてもよい複素環式基は、好ましくは、置換されてもよいピリジル基、置換されてもよいインダゾリル基、置換されてもよいピラゾロピリジニル基または置換されてもよいイソキノリル基である。
は、酸素原子、N(R20)(式中、R20は、上記同様な意味を有する。)、C(=O)、C(=O)−N(R20)(式中、R20は、上記と同様の意味を有する。)または結合手であり、好ましくは、C(=O)−N(R20)(式中、R20は、上記と同様の意味を有する。)である。
20は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基であり、好ましくは、水素原子である。
他の置換基がいずれの場合においても、R20のC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基および保護されてもよいヒドロキシル基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
は、置換されてもよいC1−6アルキレン基、置換されてもよい2価の脂環式炭化水素基または置換されてもよい2価の芳香族炭化水素基であり、好ましくは、置換されてもよいC1−6アルキレン基または置換されてもよい2価の脂環式炭化水素基である。
他の置換基がいずれの場合においても、XのC1−6アルキレン基、2価の脂環式炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基および保護されてもよいヒドロキシル基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
の、置換されてもよいC1−6アルキレン基は、好ましくは、置換されていないC1−6アルキレン基である。
の、置換されてもよいC1−6アルキレン基のC1−6アルキレン基は、好ましくは、メチレン基、エチレン基またはトリメチレン基であり、より好ましくは、トリメチレン基である。
の、置換されてもよいC1−6アルキレン基の置換基は、好ましくは、C1−6アルキル基であり、より好ましくは、C1−3アルキル基であり、更に好ましくは、エチル基である。
の、置換されてもよい2価の脂環式炭化水素基は、好ましくは、置換されていない2価の脂環式炭化水素基である。
の、置換されてもよい2価の脂環式炭化水素基の2価の脂環式炭化水素基は、好ましくは、シクロブチレン基またはシクロヘキシレン基であり、より好ましくは、シクロブチレン基である。
が、シクロブチレン基である場合、好ましくは、下記式[2]
Figure 2020075838
(式中、*は結合位置を示す。)で表されるシクロブチレン基であり、より好ましくは、下記式[3]
Figure 2020075838
(式中、*は結合位置を示す。)で表されるシクロブチレン基である。
が、シクロヘキシレン基である場合、好ましくは、下記式[4]
Figure 2020075838
(式中、*は結合位置を示す。)で表されるシクロヘキシレン基である。
の、置換されてもよい2価の芳香族炭化水素基の2価の芳香族炭化水素基は、好ましくは、フェニレン基である。
が、フェニレン基である場合、好ましくは、下記式[5]
Figure 2020075838
(式中、*は結合位置である。)で表されるフェニレン基である。
の、置換されてもよい2価の芳香族炭化水素基の置換基は、好ましくは、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基である。
置換基が、ハロゲン原子である場合、好ましくは、塩素原子である。
置換基が、C1−6アルキル基である場合、好ましくは、C1−3アルキル基であり、より好ましくは、メチル基である。
は、置換されてもよいC1−6アルキレン基、置換されてもよいC2−6アルケニレン基、置換されてもよいC2−6アルキニレン基またはN(R20)−C(=O)(式中、R20は、上記と同様の意味を有する。)であり、好ましくは、置換されてもよいC2−6アルキニレン基またはN(R20)−C(=O)(式中、R20は、上記と同様の意味を有する。)であり、より好ましくは、置換されてもよいC2−6アルキニレン基である。
他の置換基がいずれの場合においても、XのC1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基またはC2−6アルキニレン基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されてもよいアミノ基および保護されてもよいヒドロキシル基から選ばれる一つ以上の基で置換されてもよい。
の、置換されてもよいC2−6アルキニレン基のC2−6アルキニレン基は、好ましくは、エチニレン基である。
一般式[1]の化合物の塩としては、通常知られているアミノ基などの塩基性基、ヒドロキシル基およびカルボキシル基などの酸性基における塩を挙げることができる。
塩基性基における塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸および硫酸などの鉱酸との塩;ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;ならびにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩などが挙げられる。
上記した塩の中で、好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。より好ましい塩は、コハク酸塩である。
塩は、無水物、水和物または溶媒和物であってもよい。
化合物A(一般式[1]で表される化合物)としては、具体的には、特許文献3の段落0130以降の表1−1〜表1−4に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい化合物は、(S,E)−N−(1−((5−(2−((4−シアノフェニル)アミノ)−4−(プロピルアミノ)ピリミジン−5−イル)−4−ペンチン−1−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチル−2−ブテンアミドであり、この化合物を本明細書中では特に化合物A1という。
化合物A1は、(S,E)-N-{1−[(5−{2−[(4一シアノフェニル)アミノ]−4−(プロピルアミノ)ピリミジン-5-イル}ペント-4-イン-1-イル)アミノ]−1一オキソプロパン-2-イル}-4-(ジメチルアミノ)-N-メチルブト-2-エンアミドということもある。
なお、化合物Aとしては、特許文献1の一般式[1]で表される化合物または塩であってもよく、その説明を援用および参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また化合物Aの他の好ましい化合物としては、以下が挙げられる。
(S,E)-4-(dimethylamino)-N-(1-((5-(2-((3-fluorophenyl)amino)-4-(propylamino)pyrimidin-5-yl)pent-4-yn-1-yl)amino)-1-oxopropan-2-yl)-N-methylbut-2-enamide(特許文献3の化合物34)、
(E)-4-(dimethylamino)-N-((S)-1-(((1s,3R)-3-((2-((3-fluorophenyl)amino)-4-(propylamino)pyrimidin-5-yl)ethynyl)cyclobutyl)amino)-1-oxopropan-2-yl)-N-methylbut-2-enamide(特許文献3の化合物39)、
(E)-N-((S)-1-(((1s,3R)-3-((4-(cyclopropylamino)-2-((4-fluorophenyl)amino)pyrimidin-5-yl)ethynyl)cyclobutyl)amino)-1-oxopropan-2-yl)-4-(dimethylamino)-N-methylbut-2-enamide(特許文献3の化合物40)、
(E)-4-(dimethylamino)-N-((S)-1-(((1s,3R)-3-((2-((4-fluorophenyl)amino)-4-(methylamino)pyrimidin-5-yl)ethynyl)cyclobutyl)amino)-1-oxopropan-2-yl)-N-methylbut-2-enamide(特許文献3の化合物41)、
次に、化合物Aの製造法について説明する。化合物Aは、例えば、特許文献4に記載の方法で製造することができる。また塩は、特許文献2に記載の方法で製造することができる。
次に、化合物Aを含む医薬組成物について説明する。患者へは、医薬組成物の形態で投与してもよい。医薬組成物は、化合物A、並びに、セルロース類、糖類及び糖アルコールからなる群より少なくとも1種以上を含有する。
医薬組成物は、優れた溶出性を有し、たとえば、第17改正日本薬局方溶出試験法(パドル法)において、pH4.5の酢酸緩衝液を試験液とし、回転数50回/分とする溶出試験における30分後の溶出率が85質量%以上であることが好ましい。
セルロース類としては、たとえば、水不溶性セルロース誘導体及び水溶性セルロース誘導体などが挙げられ、好ましくは、水不溶性セルロース誘導体が挙げられる。
水溶性セルロース誘導体としては、たとえば、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムなどが挙げられる。
水不溶性セルロール誘導体としては、たとえば、結晶セルロース、粉末セルロース、エ
チルセルロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム及び低置換度
ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられ、好ましくは、結晶セルロース及び粉末セ
ルロースなどが挙げられ、より好ましくは、結晶セルロースが挙げられる。
結晶セルロースとしては、たとえば、セオラスKG−1000(旭化成)、セオラスP
H101(旭化成)及びセオラスPH−F20JP(旭化成)などが挙げられ、好ましく
は、セオラスKG−1000(旭化成)が挙げられる。
糖類としては、白糖、乳糖、麦芽糖及びブドウ糖が挙げられ、好ましくは、乳糖及び麦芽糖が挙げられ、より好ましくは、乳糖が挙げられる。
さらに、乳糖としては、乳糖水和物、無水乳糖、スプレードライ処理を行った乳糖水和
物及び造粒した乳糖水和物などが挙げられる。
糖アルコールとしては、たとえば、マンニトール、エリスリトール及びキシリトールが挙げられ、好ましくは、マンニトール及びエリスリトールが挙げられ、より好ましくは、エリスリトールが挙げられる。
これらのセルロース類、糖類及び糖アルコールは、1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
セルロース類、糖類及び糖アルコールを合わせた含有率は、組成物に対し、好ましくは5〜95%であり、より好ましくは10〜90%であり、さらに好ましくは15〜75%である。

医薬組成物は、滑沢剤を含有してもよい。本発明で使用される滑沢剤としては、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及び硬化油などが挙げられ、好ましくは、ステアリン酸マグネシウム及びフマル酸ステアリルナトリウムが挙げられる。
ステアリン酸マグネシウムとしては、たとえば、パーテックTM LUB MST(メル
ク)、ステアリン酸マグネシウム(植物性)(太平化学産業)及び日局ステアリン酸マグ
ネシウム JPM(堺化学)などが挙げられる。
フマル酸ステアリルナトリウムとしては、たとえば、PRUV(JRS PHARMA
)が挙げられる。
滑沢剤の含有率は、組成物に対し、好ましくは0.05〜35%であり、より好ましくは0.5〜20%であり、より好ましくは1〜15%である。
医薬組成物においては、製剤的に許容される製剤助剤を使用することができる。
製剤助剤としては、崩壊剤、結合剤、矯味剤、着色剤、着香剤、界面活性剤、コーティ
ング剤及び可塑剤が挙げられる。
医薬組成物は、医薬上許容される賦形剤、滑沢剤及び製剤助剤を適宜用いて、錠剤、硬カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、速崩壊錠剤、用時溶解型製剤、ドライシロップまたは粉体製剤などの製剤として利用できる。好ましくは、硬カプセル剤及び錠剤であり、より好ましくは、硬カプセル剤である。硬カプセルは、ゼラチン、ヒプロメロース又はプルランなどを原料として製造された硬カプセルが挙げられ、好ましくは、ヒプロメロースで製造された硬カプセルが挙げられる。たとえば、Vcaps Plus(カプスゲル)、クオリーV(クオリカプス)が挙げられる。硬カプセル剤の大きさは、0号〜4号が好ましく、より好ましくは、2〜4号である。
医薬組成物の製造は、特に限定されず、常法によって実施すればよい。
医薬組成物の製造方法としては、たとえば、原料の混合物を硬カプセルに充填または打錠する方法が挙げられる。さらに、原料の混合物を造粒し、得られた造粒物を硬カプセルに充填又は打錠する方法が挙げられる。
(急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤)
本発明にかかる化合物Aは、抗腫瘍剤として、また医薬組成物の有効成分として用いることができる。本発明によれば、化合物Aを含む、急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤が提供される。下記の投与は、食前、食中および食後のいずれでもよいが、食前が好ましい。投与前の食事から1時間以上経過した後に投与することが好ましく、2時間以上経過したあとに投与することがより好ましく、6時間以上経過したあとに投与することが特に好ましい。投与後は1時間以上経過してから食事を取るのが好ましく、2時間以上経過してから食事をとることがより好ましい。
本発明は、1日2回の投与(BID投与)において、1回あたりの投与量が25〜225mgであり、化合物Aを含む急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤に関する。このような投与量の範囲とすることで、副作用を最小限として抗腫瘍剤としての治療効果を最大化することができる。
BID投与での1回あたりの投与量は、35〜150mgが好ましく、35〜100mgがより好ましく、40〜90mgがより好ましい。
BID投与での1回当たりの投与量の下限値は、25mgであり、好ましくは35mgであり、さらに好ましくは50mgであり、特に好ましくは60mgである。
BID投与での1回当たりの投与量の上限値は、225mgであり、好ましくは200mgであり、さらに好ましくは150mgであり、特に好ましくは130mgである。
本発明は、1日3回の投与(TID投与)において、1回あたりの投与量が20〜150mgであり、化合物Aを含む急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤に関する。このような投与量の範囲とすることで、副作用を最小限として抗腫瘍剤としての治療効果を最大化することができる。
TID投与での1回あたりの投与量は、35〜150mgが好ましく、35〜100mgがより好ましい。
TID投与での1回当たりの投与量の下限値は、20mgであり、好ましくは35mgであり、さらに好ましくは50mgであり、特に好ましくは60mgである。
TID投与での1回当たりの投与量の上限値は、200mgであり、好ましくは100mgであり、さらに好ましくは80mgであり、特に好ましくは50mgである。
本発明は、1日1回の食前投与(QD投与)において、1回あたりの投与量が50〜300mgであり、化合物Aを含む急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤に関する。このような投与量の範囲とすることで、副作用を最小限として抗腫瘍剤としての治療効果を最大化することができる。QD投与では、抗腫瘍剤としての治療効果を最大化するために、24時間毎を目安に患者の空腹時に投与した方がよい。そのため、投与前の食事から1時間以上経過した後に投与することが好ましく、2時間以上経過したあとに投与することがより好ましく、6時間以上経過したあとに投与することが特に好ましい。投与後は1時間以上経過してから食事を取るのが好ましく、2時間以上経過してから食事をとることがより好ましい。QD投与の場合、朝食前に投与することが好ましい。
QD投与での1回あたりの投与量は、75〜275mgが好ましく、75〜250mgが好ましく、75〜225mgが好ましく、100〜225mgが好ましく、100〜150mgがより好ましい。
QD投与での1回当たりの投与量の下限値は、50mgであり、好ましくは75mgであり、さらに好ましくは100mgである。
QD投与での1回当たりの投与量の上限値は、好ましくは275mgであり、好ましくは250mgであり、好ましくは225mgであり、好ましくは200mgであり、さらに好ましくは150mgである。
(A3) 本発明は、化合物Aを、急性骨髄性白血病の処置に用いるための方法であって、化合物Aを1日1回食前に、1回あたりの投与量を50〜300mgとして、急性骨髄性白血病の処置が必要な対象(ヒトを含む哺乳動物)に投与することを含む方法を提供する。
(B3) 本発明は、化合物Aを1日1回食前に、1回あたりの投与量を50〜300mgとして、急性骨髄性白血病の処置が必要な対象(ヒトを含む哺乳動物)に投与することを含む、急性骨髄性白血病の処置方法を提供する。
(C3) 本発明は、1日1回の食前投与において、1回あたりの投与量が50〜300mgである急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤の製造のための、化合物Aの使用を提供する。
(D3) 本発明は、1日1回の食前投与において、1回あたりの投与量が50〜300mgである、急性骨髄性白血病の治療において使用するための、化合物Aを提供する。
投与方法としては、上記の1日投与量で、28日間毎日投与することを1サイクルとすることができる。
本発明の急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤の剤形の例としては、経口剤が挙げられ、例えばカプセル剤が挙げられる。投与剤形は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
本発明の急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤は、急性骨髄性白血病の処置に有効に使用できる。本発明の急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤は、抗がん剤として使用することができる。
本発明は、急性骨髄性白血病患者に抗腫瘍剤を投与する方法であって、抗腫瘍剤が、化合物Aを含み、1日2回、1回あたりの投与量を25〜225mgとして投与するか、1日3回、1回あたりの投与量を20〜150mgとして投与する、方法を提供する。
本発明は、化合物Aを、急性骨髄性白血病の処置に用いるための方法であって、化合物Aを、1日2回、1回あたりの投与量を25〜225mgとして、または1日3回、1回あたりの投与量を20〜150mgとして、急性骨髄性白血病の処置が必要な対象(ヒトを含む哺乳動物)に投与することを含む方法を提供する。
本発明は、化合物Aを、1日2回、1回あたりの投与量を25〜225mgとして、または1日3回、1回あたりの投与量を20〜150mgとして、急性骨髄性白血病の処置が必要な対象(ヒトを含む哺乳動物)に投与することを含む、急性骨髄性白血病の処置方法を提供する。
本発明は、1日2回の投与において、1回あたりの投与量が25〜225mgであるか、または1日3回の投与において、1回あたりの投与量が20〜150mgである急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤の製造のための、化合物Aの使用を提供する。
本発明は、1日2回の投与において、1回あたりの投与量が25〜225mgであるか、または1日3回の投与において、1回あたりの投与量が20〜150mgである、急性骨髄性白血病の治療において使用するための、化合物Aを提供する。
以下に実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
<化合物A1のコハク酸塩の調製>
(S,E)−N−(1−((5−(2−((4−シアノフェニル)アミノ)−4−(プロピルアミノ)ピリミジン−5−イル)−4−ペンチン−1−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチル−2−ブテンアミドを、上記特許文献4の実施例に記載の方法に準じて合成し、上記特許文献2の実施例に記載の方法でコハク酸塩とし以下の試験で用いた。
<経口剤の調製>
化合物Aのコハク酸塩をカプセル製剤とし、経口剤を得た。
この経口剤を、以下の治療で用いた。なお、治療は、米国メリーランド州ボルチモア市にあるジョンズホプキンス大学(以下、JH)、ペンシルベニア州フィラデルフィア市にあるペンシルベニア大学(以下、UPENN)、イリノイ州シカゴ市にあるノースウエスタン大学(以下、NW)およびカリフォルニア州サンフランシスコ市にあるカリフォルニア大学サンフランシスコ校(以下、UCSF)で行われている。
<参考試験1>
急性骨髄性白血病患者を含む臨床試験で化合物A1を1日1回10mgまたは1日1回20mgを繰り返し投与された7患者(患者1〜7)のサイクル1(1サイクルは28日間)の1日目、8日目、15日目、22日目、サイクル2の1日目の投薬前と投与後4時間、および、化合物A1投薬終了日の血漿中濃度を測定した。また、同患者の同時点の血漿サンプルを用いてPlasma Inhibitory activity(PIA)試験(Blood、2006年、第108巻、p3477−3483)を行った。これらの血漿中濃度とPIA試験結果の相関グラフを図1に示す。図1において、○、□、△、●、▲、■および×は、それぞれ患者1〜7のそれぞれの結果を示す。なお、投与された患者で重篤な副作用は認められなかった。
図1に示すように、PIA試験において、回帰直線が30ng/mLを越えたところでリン酸化阻害率100%に達するので、顕著なFLT3リン酸化阻害率を示すためには、40ng/mL以上の血漿中濃度が求められることがわかる。
<実施例1>
急性骨髄性白血病患者10名から得られた198点の化合物A1血漿中濃度データを用いて母集団薬物動態解析を実施した。母集団薬物動態解析ソフトウェアは、NONMEM(登録商標)(ICON Development Solutions Co., Ltd., Software version 7.3)を使用した。母集団薬物動態解析によって推定されたパラメータを用いて、薬効が期待されるターゲット値である40ng/mLを超える血漿中薬物濃度が得られる投与量を検討するために、一日一回(QD)50mgのQD投与時、一日二回で一回当たり25〜75mgのBID投与時および一日三回で一回当たり10〜75mgのTID投与時の薬物濃度推移のシミュレーションを実施したシミュレーションの結果を図2〜図4に示す。図2〜図4において、点線は40ng/mLのラインを示す。
シミュレーションの結果,母集団平均値で40ng/mLを超える投与量は,BID投与時では一回あたり25mg以上、TID投与時では一回あたり20mg以上と予測された。一方、QD投与時では、1回あたり50mgでは40ng/mLを下回る状態が生じることが示唆された。よって、分割投与は、1日あたりの投薬量をできるだけ少なくして40ng/mLを超える血漿中薬物濃度を維持する方法として有効であることが分かった。
図3のBID投与では、低用量でもターゲット血漿中薬物濃度が得られ、化合物A1の血漿中濃度のフレ幅が小さく、十分な治療効果が期待でき、好ましくない副作用を抑制できると推定できる。
<実施例2:BID投与試験1>
急性骨髄性白血病患者に対し、化合物A1を一日二回で一回当たり25〜225mgのBID食前投与する。好ましい効果(例えば、骨髄中の芽球割合の低下、PR以上の治療効果)が確認される。具体的な投与量は、一回当たり50mg、75mg、100mgまたは150mgである。
患者は、前治療として、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシンなどによる化学療法を受けており、前治療によってCR、CRi、CRp、PRに到達しなかったものもいる。
<投与および治療効果の判定>
治療の効果は、以下の基準で判定する。
骨髄穿刺検体を評価して、以下の基準で判定する。
CR(Complete Response):アウエル小体を認めない骨髄芽球が5%以下で、好中球数と血小板数がそれぞれ1,000/μL以上と100,000/μL以上である状態。
CRp(Complete Response with incomplete platelet recovery):骨髄芽球が5%以下で好中球数が1,000/μL以上であるが、血小板数が100,000/μL以下である状態。
CRi(Complete Response with incomplete hematologic recovery):骨髄芽球が5%以下かつ輸血依存性はないが、好中球数が1,000/μL以下である状態。
PR(Partial Response):骨髄穿刺検体において、骨髄芽球が50%以上減少して5〜25%になった状態。
<結果>
75歳の男性の急性骨髄性白血病患者1名に対し、化合物A1を一日二回で一回当たり75mgのBID食前投与した。投与期間は35日間だった。投与29日目に骨髄検査を行ったところ、骨髄中の芽球割合が投与前の55%から18%に低下した。この患者は、化合物A1投与前に、シタラビン及びイダルビシンを投与する寛解導入療法、並びに、アザシチジンを投与する寛解導入療法を行ったが、完治しなかった患者であり、本結果は化合物A1の有効性を示唆するものである。
<実施例3:TID投与試験1>
急性骨髄性白血病患者に対し、化合物A1を一日3回で一回当たり20〜150mgのTID食前投与する。好ましい効果(例えば、骨髄中の芽球割合の低下、PR以上の治療効果)が確認される。
患者は、前治療として、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシンなどによる化学療法を受けており、前治療によってCR、CRiもしくはCRpに到達しなかったものもいる。
<実施例3:QD投与試験1>
急性骨髄性白血病患者に対し、化合物A1を一日1回で一回当たり50〜300mgの食前QD投与する。投与量はより具体的には、50、75、100、150、225、300mgである。好ましい効果(例えば、骨髄中の芽球割合の低下、PR以上の治療効果)が確認される。
患者は、前治療として、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシンなどによる化学療法を受けており、前治療によってCR、CRiもしくはCRpに到達しなかったものもいる。
[一般式[1]の化合物およびその塩の、新規医薬用途]
一般式[1]の化合物およびその塩は、FLT3変異陽性癌の処置のために有用であり(国際公開第2016/027904参照が参照され、本明細書に組み込まれる)、既存薬に対する変異陽性癌の処置のために有用である。
本発明は、一般式[1]の化合物およびその塩を含む、既存薬に対する変異陽性癌の処置剤及び抗癌剤、当該抗がん剤を対象(ヒトが好ましい)に投与する工程を含む対象におけるFLT3変異陽性癌を処置するための方法にもある。
また、本発明は、上記既存薬に対する変異陽性癌を処置するための方法において使用するための、一般式[1]の化合物およびその塩にもある。一般式[1]の化合物およびその塩としては、上述したものが使用され、その好適な化合物も同様である。
変異陽性癌としては血液癌があり、血液癌には、例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化白血病(AUL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、前リンパ球性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞ALL、骨髄異形成症候群(MDS)および骨髄増殖性疾患(MPD)などが含まれる。この中でも、AMLが好ましい。
ここで、既存薬としては、Gilteritinib、Quizartinibまたは、Midostaurinが挙げられる。Gilteritinibは、6−Ethyl−3−[3−methoxy−4−[4−(4−methylpiperazin−1−yl)piperidin−1−yl]anilino]−5−(oxan−4−ylamino)pyrazine−2−carboxamideである。Quizartinibは、1−(5−(tert−Butyl)isoxazol−3−yl)−3−(4−(7−(2−morpholinoethoxy)benzo[d]imidazo[2,1−b]thiazol−2−yl)phenyl)ureaである。Midostaurinは、4'−N−benzoylstaurosporineである。
抗がん剤を患者に投与すると、変異陽性癌が生じることがあり、抗がん剤の効果(阻害作用)が減弱することがある。Gilteritinib、QuizartinibおよびMidostaurinの阻害作用が減弱する変異陽性癌とは、FLT3−ITD+D698NまたはFLT3−ITD+N676Tの変異を保有するがんが挙げられる。FLT3−ITD+D698Nについては、FLT3−ITD変異に加え、野生型FLT3の698番目に相当する位置にあるアスパラギン酸残基がアスパラギン残基に置換された変異も併せもつものであり、FLT3−ITD+N676Tについては、FLT3−ITD変異に加え、野生型FLT3の676番目に相当する位置にあるアスパラギン残基がトレオニン残基に置換された変異も併せもつものである。
[実施例:変異型FLT3発現32D細胞の増殖に対するFLT3阻害薬の阻害効果の評価]
<被験物質>
被験物質として、化合物A1のコハク酸塩、Quizartinib(ChemieTek社製)、Gilteritinib(ChemieTek社製)およびMidostaurin(LKT Laboratories社製)を用いた。
<実験方法>
Random mutagenesis解析手法に従って見出されたFLT3遺伝子変異(FLT3−ITD+D698N、+N676T)を発現する32D細胞株をそれぞれ一定期間培養(37℃、5%CO設定、水蒸気飽和)後、384wellプレートに299 cells/wellとなるように播種した。Random mutagenesis解析手法は、下記の参考文献に従った。
(参考文献)
Smith CC, Wang Q, Chin CS, et al. Validation of ITD mutations in FLT3 as a therapeutic target in human acute myeloid leukaemia. Nature. 2012;485(7397):260−263.
被験物質をそれぞれDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解し、20mmol/L DMSO溶液を調製した。順次DMSOで希釈したのち、さらに10%血清培地で希釈し、最終処理濃度の10倍濃度の被験物質溶液をそれぞれ調製した。培地は、RPMI 1640培地(Thermo Fisher Scientific社製、製品番号11875-093 )を使用した。各被験物質溶液を公比1/2の希釈系列となるように各wellに添加した。この他に、細胞を播種したwellに被験物質 の入っていないDMSOのみを添加する群(陽性対照群)および培地のみを入れたwellに被験物質 の入っていないDMSOのみを添加する群(陰性対照群)を設けた。被験物質溶液を添加後3日目に細胞内のATP量を、『細胞の』ATP測定試薬 Ver.2(東洋ビーネット社製)を用いて測定し細胞生存率を評価した。
陰性対照群の発光シグナル量を細胞生存率100%抑制、陽性対照群の発光シグナル量を細胞生存率0%抑制として、抑制率を求めた。細胞生存率を50%抑制する濃度(IC50値)はXLFitソフトウエア Ver.3(登録商標)(CTC社製)を用いて算出した。
得られたIC50値(nmol/L)から表1の効果判定基準に従い、変異型FLT3発現32D細胞の増殖に対するFLT3阻害薬の阻害効果を判定した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2020075838
Figure 2020075838
<結果および考察>
化合物A1は、gilteritinibまたはmidostaurinの細胞増殖阻害作用がFLT3−ITD発現32D細胞に比べ減弱するFLT3−ITD+D698N発現32D細胞の増殖に対して、強い阻害作用を発揮する。また、化合物A1は、同様にquizartinibまたはmidostaurinの阻害作用が大幅に減弱するFLT3−ITD+N676T発現32D細胞の増殖に対しても強い阻害作用を示す。
以上から、化合物A1は、gilteritinibおよびmidostaurinに抵抗性を示すFLT3−ITD+D698N並びにquizartinibおよびmidostaurinに抵抗性を示すFLT3−ITD+N676Tの変異陽性癌に有効であることが示唆された。
本発明の抗腫瘍剤は、急性骨髄性白血病に対して治療効果を示し有用である。

Claims (9)

  1. 1日2回の投与において、1回あたりの投与量が25〜225mgであり、または、
    1日3回の投与において、1回あたりの投与量が20〜150mgである、
    一般式[1]で表される化合物またはその塩を含む急性骨髄性白血病用抗腫瘍剤。
    Figure 2020075838
    式中、
    は、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基を示し、
    は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
    は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
    mは、1〜3の整数を示し、
    m個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基を示し、m個から選ばれる一つのRは、Rと一緒になって、置換されてもよいC1−6アルキレン基を形成してもよく、
    m個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
    は、酸素原子、N(R20)(式中、R20は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示す。)、C(=O)、C(=O)−N(R20)(式中、R20は、上記と同様の意味を有する。)または結合手を示し、
    は、置換されてもよいC1−6アルキレン基、置換されてもよい2価の脂環式炭化水素基または置換されてもよい2価の芳香族炭化水素基を示し、
    nは、0〜3の整数を示し、
    n個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基を示し、
    n個のRは、同一または異なって、水素原子または置換されてもよいC1−6アルキル基を示し、
    は、置換されてもよいC1−6アルキレン基、置換されてもよいC2−6アルケニレン基、置換されてもよいC2−6アルキニレン基またはN(R20)−C(=O)(式中、R20は、前記と同様の意味を有する。)を示し、
    は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
    は、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基、置換されてもよいC2−6アルキニル基または置換されてもよいC3−8シクロアルキル基を示し、
    およびRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、置換されてもよい環状アミノ基を形成してもよく、
    10は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示し、
    11は、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基、置換されてもよいC2−6アルキニル基、置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよい複素環式基を示す。
  2. 1日2回の投与において、1回あたりの投与量が35〜150mgである、請求項1に記載の抗腫瘍剤。
  3. 1日2回の投与において、1回あたりの投与量が35〜100mgである、請求項1に記載の抗腫瘍剤。
  4. 10が、水素原子であり、
    が、C(=O)−N(R20)(式中、R20は、水素原子、置換されてもよいC1−6アルキル基、置換されてもよいC2−6アルケニル基または置換されてもよいC2−6アルキニル基を示す。)である、請求項1から3の何れか一項に記載の抗腫瘍剤。
  5. が、置換されてもよいC2−6アルキニレン基である、請求項1から4の何れか一項に記載の抗腫瘍剤。
  6. 一般式[1]で表される化合物が、(S,E)−N−(1−((5−(2−((4−シアノフェニル)アミノ)−4−(プロピルアミノ)ピリミジン−5−イル)−4−ペンチン−1−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−4−(ジメチルアミノ)−N−メチル−2−ブテンアミドである、請求項1から5の何れか一項に記載の抗腫瘍剤。
  7. 1日3回の投与において、1回あたりの投与量が35〜150mgである、請求項1に記載の抗腫瘍剤。
  8. 1日3回の投与において、1回あたりの投与量が35〜100mgである、請求項1に記載の抗腫瘍剤。
  9. 経口剤である、請求項1から8の何れか一項に記載の抗腫瘍剤。
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