JPWO2019221097A1 - 抗ヒトngf抗体又はその抗原結合フラグメントを有効成分とする心房細動の抑制用医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

正常な心臓機能に影響を与えない作用機序を有する、心房細動の抑制のための新規な医薬組成物を提供することにある。抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントを有効成分とする医薬組成物を提供する。

Description

本発明は、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの心房細動抑制用組成物としての新規な医薬用途に関する。
不整脈は心臓の調律に異常が生じた病態である。不整脈は、主たる所見が脈の遅くなる状態である徐脈性不整脈と、速くなる状態である頻脈性不整脈に大別される。頻脈性不整脈は、異常が発生する部位に基づき、心房細動等の上室性不整脈と心室細動等の心室性不整脈に分類される(非特許文献1)。
上室性不整脈である心房細動は心房内に流れる電気信号の乱れによって発生する。心房細動を発症すると、心臓機能が低下することにより心不全の発症原因になることがある。また、心房内の血液うっ滞により形成された血栓が脳動脈に運ばれて塞栓子を形成することにより脳梗塞が引き起こされることがあり、臨床上の問題となっている(非特許文献2)。
心房細動等の上室性不整脈は外科手術後にも発症する。例えば、心臓外科手術後に10−30%の割合で発症するとされており、術後心房細動の発症は死亡率や脳梗塞発生率の上昇、入院期間の延長、医療コストの増加等、医療上の問題となることが知られている(非特許文献3)。
心房細動の治療及び予防のために種々の抗不整脈薬が用いられている。これらの薬剤は心筋細胞上に存在するイオンチャネルや神経伝達物質受容体に作用して薬効を発揮するため、不整脈の発生源である心筋の異常な部分の刺激伝導や収縮機能に対してだけでなく、心筋の正常な部分においても影響を及ぼす(非特許文献4)。このため、これらの薬剤を使用する際には、催不整脈作用等の副作用の発生に十分な注意が必要とされている。例えば、アミオダロン等のカリウムチャネル遮断作用を有する抗不整脈薬には、致死性の心室頻拍(torsades de pointes)が誘発される危険があることが分かっている(非特許文献5)。そのため、正常な心臓機能に影響を与えない新たな薬剤が望まれる。
自律神経系の異常が不整脈の病態に重要な役割を果たしていることがよく知られている。自律神経は交感神経及び副交感神経に大別される。交感神経系及び/または副交感神経系の不整脈発症への関与の仕方は、不整脈の種類によって多様であることが分かっている。例えば、交感及び副交感神経系の両方を同時に刺激すると心房細動が引き起されるのに対し、交感神経系の刺激が増加すると心室細動あるいは心室頻拍が引き起されることが報告されている(非特許文献6)。すなわち、上室性不整脈である心房細動と心室性不整脈である心室細動あるいは心室頻拍との間では不整脈の発症の機序が同一ではない。また、抗不整脈薬の一つであるリドカインは、心室の不整脈に対しては有効であるが、心房の不整脈に対しては無効であるとされており(非特許文献7)、各種薬剤の細動抑制作用は心室細動と心房細動との間で異なると考えられる。
発達障害や心筋梗塞等の疾患により心筋の損傷がおこると、損傷を受けた心筋部分の交感神経支配に異常(unbalanced patterningやhyperinnervation)が起こり、これが不整脈の発症に関与すると考えられている。心筋の損傷部における神経支配の異常は、神経軸索ガイダンス分子であるセマフォリン3A(Semaphorin 3A)や神経成長因子(nerve growth factor;NGF)の発現変化によって引き起こされることが知られている(非特許文献6)。NGFは神経栄養因子の一つであり、神経細胞の分化、成長において重要な役割を担っている。また、NGFは交感神経の繰り返しの発火を変化させ、あるいは過剰神経支配を引き起こし、不整脈の誘発に関与することが報告されている(非特許文献8、9)。
ラットの左心室に電気刺激を与えて心室細動を誘発させる検討において、NGFの受容体であるtropomyosin receptor kinase A(TrkA)に対してアンタゴニスト活性を持つGK−1ペプチドを投与することにより心室細動の誘発に必要な電流の閾値を上昇させることが報告されている(非特許文献10)。一方で、前述のように、上室性不整脈と心室性不整脈との間には発症機序及び作用する薬剤において相違点があると考えられており、NGFシグナルの阻害を介して心房細動を抑制できることについてはこれまで報告されていない。
ヒトNGFの作用を中和する抗体として、完全ヒト型抗ヒトNGF抗体であるfulranumab(特許文献1)、MEDI−578(特許文献2)、REGN475(特許文献3)、1−15(N52D−A)−Fab’−PEG(特許文献4)、及びh1f.6(特許文献5)、ヒト化抗ヒトNGF抗体であるtanezumab(特許文献6)及びPG110(特許文献7)等が報告されている。
国際公開第2005/019266号 国際公開第2006/077441号 国際公開第2009/023540号 国際公開第2013/022083号 国際公開第2016/190263号 国際公開第2004/058184号 国際公開第2010/128398号
笠貫 宏、改訂版 目でみる循環器病シリーズ1 不整脈、メジカルビュー社 2000:7−14 早川 弘一ら、心房細動・粗動・頻拍、医学書院 1999:60−65及び275−279 Ann Thorac Surg 2014、98:527−533 Am Heart J 2000、140:12−20 Europace 2006、8:1051−1053 Auton Neurosci 2017、205:1−11 J Mol Cell Cardiol 1995、27:831−846 J Neurophysiol 2006、96:946−958 Circ Res 2015、116:2005−2019 Human Physiol 2012、38:428−432
本発明の課題は、正常な心臓機能に影響を与えない作用機序を有する、心房細動の抑制のための新規な医薬組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントを有効成分とする医薬組成物が、心房細動の抑制に有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメント、及び薬学的に許容される担体を含む心房細動の抑制用医薬組成物であり、一態様において、本発明は以下のとおりであってよい。
[1]抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメント、及び薬学的に許容される担体を含む、心房細動の抑制用医薬組成物。
[2]抗ヒトNGF抗体の抗原結合フラグメントが、抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントである、上記[1]に記載の医薬組成物。
[3]抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントが、以下の(a)及び/又は(b)からなる群より選択される、上記[2]に記載の医薬組成物:
(a)配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント;
(b)(a)の抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントの翻訳後修飾により生じた抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント。
[4]配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントを含む、上記[3]に記載の医薬組成物。
[5]配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントの翻訳後修飾により生じた抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントを含む、上記[3]に記載の医薬組成物。
[6]配列番号3のアミノ酸番号1のグルタミンがピログルタミン酸に修飾された配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントを含む、上記[5]に記載の医薬組成物。
[7]配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント、並びに、配列番号3のアミノ酸番号1のグルタミンがピログルタミン酸に修飾された配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントを含む、上記[3]に記載の医薬組成物。
[8]心房細動が術後心房細動である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の医薬組成物。
[9]心房細動の抑制用医薬組成物の製造のための、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの使用。
[10]心房細動を抑制するための、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの使用。
[11]心房細動の抑制に使用するための、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメント。
[12]抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、心房細動の抑制方法。
抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントを有効成分とする本発明の医薬組成物は、無菌性心膜炎により誘発されるイヌ心房細動モデルにおいて心房細動の発症を抑制したことから、心房細動の抑制に有用であることが期待される。
図1は、実施例1の結果を示すグラフである。縦軸は、無菌性心膜炎により誘発されるイヌ心房細動モデルにおいて、右心房にバーストペーシング(刺激条件:刺激電圧9.9V、刺激間隔90ms、刺激回数20発、刺激部位は右心房の心耳、低位側壁、高位側壁及び自由壁の4か所、誘発回数は各刺激部位あたり2回ずつ)による刺激操作を行った際に心房細動が誘発される頻度(% Induced)を示し、個別値及び中央値で記す。「h1f.6」はh1f.6抗体投与群を示す。*は、ウィルコクソン(Wilcoxon)の順位和検定において溶媒群(Vehicle)に対して有意な差(p<0.05)が認められたことを示す。
以下に、本発明について詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本明細書で特段に定義されない限り、本発明に関連して用いられる科学用語及び技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。
本発明は、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントを有効成分とする心房細動抑制用の医薬組成物に関する。抗体分子の基本構造は、各クラス共通で、分子量5万〜7万の重鎖と2万〜3万の軽鎖から構成される。重鎖は、通常約440個のアミノ酸を含むポリペプチド鎖からなり、クラスごとに特徴的な構造をもち、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEに対応してγ、μ、α、δ、ε鎖とよばれる。さらにIgGには、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4が存在し、それぞれγ1、γ2、γ3、γ4とよばれている。軽鎖は、通常約220個のアミノ酸を含むポリペプチド鎖からなり、L型とK型の2種が知られており、それぞれλ、κ鎖とよばれる。抗体分子の基本構造のペプチド構成は、それぞれ相同な2本の重鎖及び2本の軽鎖が、ジスルフィド結合(S−S結合)及び非共有結合によって結合され、分子量15万〜19万である。2種の軽鎖は、どの重鎖とも対をなすことができる。個々の抗体分子は、常に同一の軽鎖2本と同一の重鎖2本からできている。
鎖内S−S結合は、重鎖に4つ(μ、ε鎖には5つ)、軽鎖には2つあって、アミノ酸100〜110残基ごとに一つのループを成し、この立体構造は各ループ間で類似していて、構造単位あるいはドメインとよばれる。重鎖、軽鎖ともにN末端に位置するドメインは、同種動物の同一クラス(サブクラス)からの標品であっても、そのアミノ酸配列が一定せず、可変領域とよばれており、各ドメインは、それぞれ、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)とよばれている。可変領域よりC末端側のアミノ酸配列は、各クラスあるいはサブクラスごとにほぼ一定で定常領域とよばれており、各ドメインは、それぞれ、CH1、CH2、CH3あるいはCLと表される。
抗体の抗原決定部位はVH及びVLによって構成され、結合の特異性はこの部位のアミノ酸配列によっている。一方、補体や各種細胞との結合といった生物学的活性は各クラスIgの定常領域の構造の差を反映している。重鎖と軽鎖の可変領域の可変性は、どちらの鎖にも存在する3つの小さな超可変領域にほぼ限られることがわかっており、これらの領域を相補性決定領域(CDR;それぞれN末端側からCDR1、CDR2、CDR3)と呼んでいる。可変領域の残りの部分はフレームワーク領域(FR)とよばれ、比較的一定である。
ある態様では、本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントは、以下の(1)又は(2)の特徴を有する抗体又はその抗原結合フラグメントである:
(1)配列番号3の31〜35番目のアミノ酸配列からなるCDR1、配列番号3の50〜65番目のアミノ酸配列からなるCDR2、及び配列番号3の98〜110番目のアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域、及び配列番号4の24〜39番目のアミノ酸配列からなるCDR1、配列番号4の55〜61番目のアミノ酸配列からなるCDR2、及び配列番号4の94〜102番目のアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域を含む抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメント;
(2)配列番号3の1〜121番目のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号4の1〜113番目のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメント。
抗体の重鎖定常領域のCH1ドメインとCH2ドメインとの間にある領域はヒンジ領域とよばれ、この領域は、プロリン残基を多く含み、2本の重鎖をつなぐ複数の鎖間S−S結合を含む。例えば、ヒトのIgG1、IgG2、IgG3、IgG4の各ヒンジ領域には、重鎖間のS−S結合を構成している、それぞれ、2個、4個、11個、2個のシステイン残基を含む。ヒンジ領域は、パパインやペプシン等のタンパク質分解酵素に対する感受性が高い領域である。抗体をパパインで消化した場合、ヒンジ領域の重鎖間S−S結合よりもN末端側の位置で重鎖が切断され、2個のFabフラグメントと1個のFcフラグメントに分解される。Fabフラグメントは、軽鎖と、重鎖可変領域、CH1ドメインとヒンジ領域の一部とを含む重鎖フラグメントから構成される。抗体をペプシンで消化した場合、ヒンジ領域の重鎖間S−S結合よりもC末端側の位置で重鎖が切断され、F(ab')2フラグメントが生成される。F(ab')2フラグメントは、2つのFab'フラグメントがヒンジ領域中の重鎖間S−S結合で結合した二量体構造のフラグメントである。Fab'フラグメントは、軽鎖と、重鎖可変領域、CH1ドメインとヒンジ領域の一部とを含む重鎖フラグメントから構成され、このヒンジ領域の部分には重鎖間S−S結合を構成していたシステイン残基が含まれる。Fabフラグメント、F(ab')2フラグメント、Fab'フラグメントは、いずれも可変領域を含み、抗原結合活性を有する。本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体の抗原結合フラグメントは、ある態様では、抗ヒトNGF抗体のFabフラグメント、F(ab')2フラグメント、又はFab'フラグメントである。また、ある態様では、本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体の抗原結合フラグメントは、抗ヒトNGF抗体のFabフラグメントである。さらに、ある態様では、本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントは、以下の(a)及び/又は(b)の特徴を有する抗体又はその抗原結合フラグメントである:
(a)配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント;
(b)(a)の抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントの翻訳後修飾により生じた抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント。
本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントは、ある態様では、以下の特徴を有するFabフラグメントである:
配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント。
本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントの例としては、後記実施例に記載されるh1f.6抗体が挙げられる。
本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体またはその抗原結合フラグメントは、当該分野で公知の方法を使用して、当業者によって容易に作製され得る。
例えば、本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントは、国際公開第2016/190263号の記載に従って、あるいはその変法によって製造することができる。例えば、完全ヒト型抗ヒトNGF抗体1−15(N52D−A)−Fab'フラグメント(国際公開第2013/022083号;同文献中で1−15(N52D−A)−Fab'とも称する)を改変し、各種生物学的活性試験及び物性試験を用いた抗体のスクリーニングによって、安定でかつ高い中和活性を保持する抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントとして、抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントを得ることができる。
別の例としては、本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントは、本明細書に開示される配列情報に基づいて、当該分野で公知の方法を使用して、当業者によって容易に作製され得る。例えば、抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントの重鎖フラグメントをコードする塩基配列を含むポリヌクレオチド及び軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを合成し、適当な発現ベクターに連結する。次いで、当該発現ベクターを培養細胞中に導入する。最後にこの培養細胞を培養して培養上清からモノクローナルFabフラグメントを得ることができる。このようなポリヌクレオチドの合成方法や当該ポリヌクレオチドの発現ベクターへの導入、発現ベクターの培養細胞への導入、培養細胞の培養、Fabフラグメントの精製等については、当該分野で公知の種々の方法を使用して行うことができ、例えば、国際公開第2016/190263号に記載の方法が使用され得る。
配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントの重鎖フラグメントをコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号1に示される塩基配列を含むポリヌクレオチドが挙げられる。また、配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントの軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号2に示される塩基配列を含むポリヌクレオチドが挙げられる。
抗体を細胞で発現させる場合、抗体が翻訳後に修飾を受けることが知られている。翻訳後修飾の例としては、重鎖C末端のリジンのカルボキシペプチダーゼによる切断、重鎖及び軽鎖N末端のグルタミン又はグルタミン酸のピログルタミル化によるピログルタミン酸への修飾、グリコシル化、酸化、脱アミド化、糖化等が挙げられ、種々の抗体において、このような翻訳後修飾が生じることが知られている(J Pharm Sci 2008、97:2426−2447)。
本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントには、翻訳後修飾により生じた抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントも含まれ得る。翻訳後修飾により生じ得る抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントの例としては、重鎖可変領域N末端のピログルタミル化した抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントが挙げられる。このようなN末端のピログルタミル化による翻訳後修飾は、抗体の活性に影響を及ぼすものではないことは当該分野で知られている(Anal Biochem 2006、348:24−39)。
例えば、本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントには、以下の抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントも含まれる:
配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントの翻訳後修飾により生じた抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント。
別の例としては、本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントには、以下の抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントも含まれる:
配列番号3のアミノ酸番号1のグルタミンがピログルタミン酸に修飾された配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント。
さらに別の例としては、本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントには、以下の抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントも含まれる:
配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント、並びに、配列番号3のアミノ酸番号1のグルタミンがピログルタミン酸に修飾された配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント。
本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトNGFに結合する。また、本発明の医薬組成物における有効成分である抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトNGFに対する中和活性を有している。抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントのヒトNGFに対する結合活性や中和活性を測定する方法としては、当該分野で公知の種々の方法を使用して行うことができ、例えば、国際公開第2016/190263号の記載の方法が使用され得る。また、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの各種安定性(例えば、熱安定性、長期保存安定性、高濃度安定性)を評価する方法についても、国際公開第2016/190263号の記載の方法を使用することができ、例えばサイズ排除クロマトグラフィーによる保存中の凝集体形成の測定を利用する方法が使用され得る。
抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントによる心房細動抑制効果を評価するために、in vivoでの試験を用いることができる。例えば、心房細動を反映するとされる無菌性心膜炎誘発イヌ心房細動モデル(J Am Coll Cardiol 1986、8:872−879)を用いる心房細動抑制効果試験等を用いて、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントのin vivoでの心房細動抑制効果を評価することができる。
抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントは、必要に応じて精製された後、常法に従って製剤化され、心房細動の抑制に用いることができる。
心房細動は頻脈性不整脈の一種であり、心房細動に関連する疾患として、心不全や脳梗塞が挙げられる。なお、本明細書中で使用する「心房細動」には、胸部外科等の手術後に高頻度で発生する術後心房細動が含まれる。
本明細書において「心房細動の抑制」とは、心房細動を抑制することをいい、より具体的には、心房細動の発生前に本発明の医薬組成物を適用して心房細動の発生を予防することや、心房細動の発生後に本発明の医薬組成物を適用して心房細動を治療することを含む概念である。すなわち、本発明の心房細動の抑制用医薬組成物は、心房細動の予防用医薬組成物であっても、心房細動の治療用の医薬組成物であってもよい。さらに、本発明の医薬組成物は、胸部外科等の手術後に高頻度で発生する術後心房細動の抑制、すなわち、術後心房細動の予防又は治療に対しても有効であると期待される。従って、ある態様では、本発明の心房細動の抑制用医薬組成物は、術後心房細動の抑制用医薬組成物であってもよく、ある態様では、本発明の術後心房細動の抑制用医薬組成物は、術後心房細動の予防用医薬組成物であっても、術後心房細動治療用の医薬組成物であってもよい。
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体や添加剤を含むものである。薬学的に許容される担体や添加剤の種類は特に限定されず、当業者に周知の担体や添加剤を用いることができる。例えば、本発明の医薬組成物に含めることができる担体としては、注射用蒸留水や生理食塩液等が挙げられ、本発明の医薬組成物に含めることができる添加剤としては、等張化剤、緩衝剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は溶解補助剤等が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、例えば、フィルターろ過、高圧蒸気処理、乾熱処理、酸化エチレンガス処理、紫外線照射、放射線照射又は殺菌剤の配合によって無菌化することができる。また、本発明の医薬組成物は、無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又は懸濁して使用することもできる。
本発明の医薬組成物の剤型の例としては、注射剤、点滴用剤、デポ剤等の非経口剤を挙げることができる。また、本発明の医薬組成物は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤であってもよい。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水や生理食塩液等が挙げられる。非水性の溶剤としては、例えばエタノールのようなアルコール類が挙げられる。
本発明の医薬組成物の投与形態は特に限定されないが、例えば、標的組織局所への脂肪組織(fat pad)内注射、筋肉内注射、皮下注射、あるいは静脈内注射等により投与することができる。本発明の医薬組成物に含まれる抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの投与量は、患者の症状の程度や年齢、使用する製剤の剤型、投与形態、あるいは抗体の結合力価等により異なるが、例えば、0.001mg/kgないし100mg/kg程度を用いることができる。また、そのような投与量に対応する量の本発明の抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントを添加して製剤化することが出来る。
本発明は、心房細動の抑制用医薬組成物の製造のための抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの使用にも関する。また、本発明は、心房細動を抑制するための抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの使用にも関する。また、本発明は、心房細動の抑制に使用するための抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントにも関する。さらに、本発明は、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、心房細動の抑制方法にも関する。なお、「対象」とは、その治療を必要とするヒト又はその他のほ乳動物であり、ある態様としては、その治療を必要とするヒトである。本発明の抑制方法における医薬組成物の有効量は、当該医薬組成物に含まれる抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの量と同じであってよい。また、本発明の医薬組成物は、治療が望まれる部位、又はその領域に隣接した部位、特に外科手術時の切開組織等の標的組織、あるいはその近傍に投与、使用される医薬組成物であってよい。例えば、上記に記載した通り、標的組織局所へのfat pad内注射、筋肉内注射、皮下注射等により投与することができる。また、標的組織局所に抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントが一定時間、好ましくは168時間、さらに好ましくは96時間滞留することを含む。
本発明について全般的に記載したが、さらに理解を得るために参照する特定の実施例をここに提供する。しかし、これらは例示目的とするものであって、本発明を限定するものではない。
市販のキット又は試薬等を用いた部分については、特に断りのない限り添付のプロトコールに従って実験を行った。
抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントh1f.6(h1f.6抗体とも表記する)は、国際公開第2016/190263号の実施例1に記載の方法で作製したものを用いた。h1f.6抗体の重鎖フラグメントの塩基配列を配列番号1、それによりコードされるアミノ酸配列を配列番号3に示す。またh1f.6抗体の軽鎖の塩基配列を配列番号2、それによりコードされるアミノ酸配列を配列番号4に示す。なお、国際公開第2016/190263号の実施例1には、精製したh1f.6抗体の翻訳後修飾を確認するため質量分析を行った結果、その大部分においてN末端のピログルタミル化と考えられるピークが生じることが記載されている。
(実施例1:無菌性心膜炎誘発イヌ心房細動モデルにおける心房細動抑制効果評価)
h1f.6抗体を用いて、心房細動を反映するとされる無菌性心膜炎誘発イヌ心房細動モデル(J Am Coll Cardiol 1986、8:872−879)における心房細動の抑制効果を評価した。
具体的には、溶媒(20mMクエン酸ナトリウム、210mMスクロース、0.02%ポリソルベート80含有水溶液(pH6))群及びh1f.6抗体(1個体あたりの投与量125mg、投与検体中抗体濃度25mg/mL)群を各群5匹ずつ設定した。雄性ビーグル犬(マーシャル・バイオリソーシス・ジャパン株式会社)にチオペンタール(田辺三菱製薬株式会社、ラボナール)1mg/kgを静脈内投与して導入麻酔を施した後、速やかに気管挿管を行い、イソフルラン(マイラン製薬株式会社、イソフルラン吸入麻酔液「ファイザー」、麻酔濃度1.4〜3.0%)と酸素を用いて術中の麻酔状態を維持した(換気回数10〜15回/分、換気量11〜20mL/kg、呼気終末二酸化炭素分圧30〜38mmHg)。右第5肋間で開胸後、心嚢膜を切開し、前右側自律神経叢(anterior right ganglionated plexi;ARGP)及び下右側自律神経叢(inferior right ganglionated plexi;IRGP)付近のfat pad内に投与検体をそれぞれ1.25mLずつ注射した。続いて、タルク(丸石製薬株式会社、タルク原末「マルイシ」)1gに対し生理食塩液1.5mLの割合で加え混和させたものを3×6cm(右心房用、1枚)及び3×3cm(左心房用、2枚)のガーゼに約2g塗布した後、右心房用のガーゼを心臓に留置し、心嚢膜を縫合して閉胸した。次に、左第5肋間で開胸後、心嚢膜を切開し、上左側自律神経叢(superior left ganglionated plexi;SLGP)及び下左側自律神経叢(inferior left ganglionated plexi;ILGP)付近のfat pad内に投与検体をそれぞれ1.25mLずつ注射した。続いて、左心房用のガーゼを心臓に留置し、5時間放置した後に左右両心房用のガーゼを摘出し、心嚢内を生理食塩液で洗浄してから心嚢膜を縫合し閉胸した。手術終了4日後、麻酔下で体表面心電図測定用電極を装着し、右心耳及び右心房に電極(Jリード(Boston Scientific社、Finline II sterox)及びEPSカテーテル(6Fr))を挿入した後、ポリグラフ(日本光電工業株式会社)及びPowerLab(ADInstruments社、ML870)を用いて誘発時心電図を記録しながら、バーストペーシング(日本光電工業株式会社、Cardiac stimulator)を行った。刺激条件は刺激電圧9.9V、刺激間隔90ms、刺激回数20発、刺激部位は右心房の心耳、低位側壁、高位側壁及び自由壁の4か所、誘発回数は各刺激部位あたり2回ずつとした。
各個体について刺激操作を行った際に心房細動が誘発される頻度を測定した。溶媒群及びh1f.6抗体群における心房細動誘発率(% Induced)の中央値はそれぞれ25%及び0%(算術平均値はそれぞれ22.5%及び5.0%)であり、h1f.6抗体群は溶媒群に対してウィルコクソン(Wilcoxon)の順位和検定において有意な低下(p<0.05)を認めた(図1)。本結果より、h1f.6抗体が心房細動に対する抑制作用を有することが示された。
以上から、抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントを有効成分とする本発明の医薬組成物は、心房細動の抑制に有用な医薬品になり得ることが示された。
抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントを有効成分とする本発明の医薬組成物は、心房細動の抑制に有用であることが期待される。
以下の配列表の数字見出し<223>には、「Artificial Sequence」の説明を記載する。具体的には、配列表の配列番号1で示される塩基配列は、h1f.6抗体の重鎖フラグメントの塩基配列であり、配列表の配列番号3で示されるアミノ酸配列は、配列番号1によりコードされる重鎖フラグメントのアミノ酸配列である。配列表の配列番号2で示される塩基配列は、h1f.6抗体の軽鎖の塩基配列であり、配列表の配列番号4で示されるアミノ酸配列は、配列番号2によりコードされる軽鎖のアミノ酸配列である。

Claims (12)

  1. 抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメント、及び薬学的に許容される担体を含む、心房細動の抑制用医薬組成物。
  2. 抗ヒトNGF抗体の抗原結合フラグメントが、抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントである、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントが、以下の(a)及び/又は(b)からなる群より選択される、請求項2に記載の医薬組成物:
    (a)配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント;
    (b)(a)の抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントの翻訳後修飾により生じた抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント。
  4. 配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントを含む、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントの翻訳後修飾により生じた抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントを含む、請求項3に記載の医薬組成物。
  6. 配列番号3のアミノ酸番号1のグルタミンがピログルタミン酸に修飾された配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントを含む、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメント、並びに、配列番号3のアミノ酸番号1のグルタミンがピログルタミン酸に修飾された配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗ヒトNGF抗体Fabフラグメントを含む、請求項3に記載の医薬組成物。
  8. 心房細動が術後心房細動である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. 心房細動の抑制用医薬組成物の製造のための、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの使用。
  10. 心房細動を抑制するための、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの使用。
  11. 心房細動の抑制に使用するための、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメント。
  12. 抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、心房細動の抑制方法。
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