JPWO2019172220A1 - 粘着シート - Google Patents
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Abstract
応力上昇率[%]={(SB−SA)/SA}×100 ・・・(数1)
Description
応力上昇率[%]={(SB−SA)/SA}×100 ・・・(数1)
前記復元率は、前記粘着シートを150mm×15mmに切り出した試験片において、長さ方向の両端を、つかみ具間の長さが100mmとなるようにつかみ具でつかみ、その後、つかみ具間の長さが200mmとなるまで200mm/minの速度で引張り、つかみ具間の長さが200mmに拡張された状態で1分間保持し、その後、つかみ具間の長さが100mmとなるまで200mm/minの速度で長さ方向に戻し、つかみ具間の長さが100mmに戻された状態で1分間保持し、その後、60mm/minの速度で長さ方向に引張り、引張力の測定値が0.1N/15mmを示した時のつかみ具間の長さを測定し、当該長さから初期のつかみ具間の長さ100mmを引いた長さをL2(mm)とし、前記拡張された状態におけるつかみ具間の長さ200mmから初期のつかみ具間の長さ100mmを引いた長さをL1(mm)としたとき、下記数式(数2)で算出される。
復元率(%)={1−(L2÷L1)}×100 ・・・(数2)
[粘着シート]
本実施形態に係る粘着シートは、基材と、粘着剤層と、を有する。粘着シートの形状は、例えば、テープ状(長尺の形態)、及びラベル状(枚葉の形態)等、あらゆる形状をとり得る。
本実施形態に係る粘着シートにおいて、粘着剤層のひずみ100%応力SA[Pa]とし、ひずみ300%応力SB[Pa]としたとき、下記数式(数1)で算出される応力上昇率が、25%未満である。
粘着剤層の応力上昇率は、23%以下であることが好ましく、21%以下であることがより好ましい。
粘着剤層の応力上昇率は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
基材の材料は、大きく延伸させ易いという観点から、熱可塑性エラストマー、またはゴム系材料であることが好ましく、熱可塑性エラストマーであることがより好ましい。
オレフィン含有率が過度に低い場合には、オレフィンに由来する構造単位を含むエラストマーとしての性質が現れにくくなり、基材は、柔軟性及びゴム弾性を示し難くなる。
柔軟性及びゴム弾性を安定的に得る観点から、オレフィン含有率は50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。
添加剤としては、例えば、顔料、染料、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、及びフィラー等が挙げられる。顔料としては、例えば、二酸化チタン、及びカーボンブラック等が挙げられる。また、フィラーとしては、メラミン樹脂のような有機系材料、ヒュームドシリカのような無機系材料、及びニッケル粒子のような金属系材料が例示される。こうした添加剤の含有量は特に限定されないが、基材が所望の機能を発揮し得る範囲に留めることが好ましい。
引張弾性率及び100%応力が上記範囲であることで、粘着シートを大きく延伸することが可能となる。
基材の100%応力は、次のようにして得られる値である。150mm(長さ方向)×15mm(幅方向)の大きさの試験片を基材から切り出す。切り出した試験片の長さ方向の両端を、つかみ具間の長さが100mmとなるようにつかみ具でつかむ。つかみ具で試験片をつかんだ後、速度200mm/minで長さ方向に引張り、つかみ具間の長さが200mmとなったときの引張力の測定値を読み取る。基材の100%応力は、読み取った引張力の測定値を、基材の断面積で除算することで得られる値である。基材の断面積は、幅方向長さ15mm×基材(試験片)の厚みで算出される。当該切り出しは、基材の製造時における流れ方向(MD方向)またはMD方向に直交する方向(CD方向)と、試験片の長さ方向とが一致するように行う。なお、この引張試験において、試験片の厚さは特別に制限されず、試験の対象とする基材の厚さと同じであってよい。
基材のMD方向及びCD方向の破断伸度が、それぞれ100%以上であることで、破断が生じることなく、粘着シートを大きく延伸することが可能となる。
本実施形態に係る粘着シートにおいて、粘着剤層は、前述した応力上昇率の範囲を満たす限り、特に限定されない。前述した応力上昇率の範囲を満たすように、粘着剤層を構成する材料を、例えば、以下に説明する材料の中から適宜選択して配合することができる。
粘着剤層は、エネルギー線硬化性樹脂(a1)を含有することが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂(a1)は、分子内に、エネルギー線硬化性の二重結合を有する。
エネルギー線硬化性樹脂を含有する粘着剤層は、エネルギー線照射により硬化して粘着力が低下する。被着体と粘着シートとを分離したい場合、エネルギー線を粘着剤層に照射することにより、容易に分離できる。
エネルギー線硬化性樹脂(a1)の例としては、エネルギー線重合性基を有する低分子量化合物(単官能のモノマー、多官能のモノマー、単官能のオリゴマー、及び多官能のオリゴマー)が挙げられる。エネルギー線硬化性樹脂(a1)は、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、及び1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等のアクリレート、ジシクロペンタジエンジメトキシジアクリレート、及びイソボルニルアクリレート等の環状脂肪族骨格含有アクリレート、並びにポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレート、及びイタコン酸オリゴマー等のアクリレート系化合物が用いられる。エネルギー線硬化性樹脂(a1)は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態に係る粘着剤層は、(メタ)アクリル系共重合体(b1)をさらに含んでいることが好ましい。(メタ)アクリル系共重合体は、前述したエネルギー線硬化性樹脂(a1)とは異なる。
本実施形態に係る粘着剤層は、(メタ)アクリル系共重合体(b1)100質量部に対し、エネルギー線硬化性樹脂(a1)を80質量部以下の割合で含有することが好ましく、70質量部以下の割合で含有することがより好ましく、60質量部以下の割合で含有することがさらに好ましい。
また、(メタ)アクリル系共重合体(b1)の重量平均分子量(Mw)は、150万以下であることが好ましく、100万以下であることがより好ましい。
なお、本明細書における重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
また、アクリル系共重合体(b21)は、上記官能基含有モノマーから導かれる構成単位を、35質量%以下の割合で含有することが好ましく、30質量%以下の割合で含有することがより好ましく、25質量%以下の割合で含有することがさらに好ましい。
また、アクリル系共重合体(b21)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体から導かれる構成単位を、99質量%以下の割合で含有することが好ましく、95質量%以下の割合で含有することがより好ましく、90質量%以下の割合で含有することがさらに好ましい。
アクリル系共重合体(b21)は、上述のモノマーの他にも、ジメチルアクリルアミド、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、及びスチレン等からなる群から選択される少なくともいずれかの構成単位を含有していてもよい。
また、不飽和基含有化合物(b22)は、アクリル系共重合体(b21)の官能基含有モノマーモル数に対して、95モル%以下の割合で用いられることが好ましく、93モル%以下の割合で用いられることがより好ましく、90モル%以下の割合で用いられることがさらに好ましい。
また、エネルギー線硬化性重合体(b2)の重量平均分子量(Mw)は、150万以下であることが好ましく、100万以下であることがより好ましい。
粘着剤層が紫外線硬化性の化合物(例えば、紫外線硬化性樹脂)を含有する場合、粘着剤層は、光重合開始剤(C)を含有することが好ましい。
粘着剤層が光重合開始剤(C)を含有することにより、重合硬化時間及び光線照射量を少なくすることができる。
また、光重合開始剤(C)は、粘着剤層にエネルギー線硬化性樹脂(a1)、及び(メタ)アクリル系共重合体(b1)を配合する場合には、エネルギー線硬化性樹脂(a1)、及び(メタ)アクリル系共重合体(b1)の合計量100質量部に対して10質量部以下の量で用いられることが好ましく、6質量部以下の量で用いられることがより好ましい。
架橋剤(E)としては、(メタ)アクリル系共重合体(b1)等が有する官能基との反応性を有する多官能性化合物を用いることができる。このような多官能性化合物の例としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、メラミン化合物、アジリジン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物、オキサゾリン化合物、金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物、金属塩、アンモニウム塩、及び反応性フェノール樹脂等を挙げることができる。
また、架橋剤(E)の配合量は、(メタ)アクリル系共重合体(b1)100質量部に対して、8質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3.5質量部以下であることがさらに好ましい。
前記復元率は、前記粘着シートを150mm(長さ方向)×15mm(幅方向)に切り出した試験片において、長さ方向の両端を、つかみ具間の長さが100mmとなるようにつかみ具でつかみ、その後、つかみ具間の長さが200mmとなるまで200mm/minの速度で引張り、つかみ具間の長さが200mmに拡張された状態で1分間保持し、その後、つかみ具間の長さが100mmとなるまで200mm/minの速度で長さ方向に戻し、つかみ具間の長さが100mmに戻された状態で1分間保持し、その後、60mm/minの速度で長さ方向に引張り、引張力の測定値が0.1N/15mmを示した時のつかみ具間の長さを測定し、当該長さから初期のつかみ具間の長さ100mmを引いた長さをL2(mm)とし、前記拡張された状態におけるつかみ具間の長さ200mmから初期のつかみ具間の長さ100mmを引いた長さをL1(mm)としたとき、下記数式(数2)で算出される。
復元率(%)={1−(L2÷L1)}×100 ・・・(数2)
本実施形態に係る粘着シートは、その粘着面を被着体(例えば、半導体チップ等)に貼付するまでの間、粘着面を保護する目的で、粘着面に剥離シートが積層されていてもよい。剥離シートの構成は任意である。剥離シートの例としては、剥離剤等により剥離処理したプラスチックフィルムが例示される。
プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエステルフィルム、及びポリオレフィンフィルムが挙げられる。ポリエステルフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はポリエチレンナフタレート等のフィルムが挙げられる。ポリオレフィンフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン、又はポリエチレン等のフィルムが挙げられる。
剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、及び長鎖アルキル系等を用いることができる。これら剥離剤の中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。
剥離シートの厚さは、特に限定されない。剥離シートの厚さは、通常、20μm以上、250μm以下である。
本実施形態に係る粘着シートは、従来の粘着シートと同様に製造できる。
粘着シートの製造方法は、前述の粘着剤層を基材の一の面に積層できれば、特に詳細には限定されない。
粘着シートの製造方法の一例としては、次のような方法が挙げられる。まず、粘着剤層を構成する粘着性組成物、及び所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗工液を調製する。次に、塗工液を、基材の一の面上に、塗布手段により塗布して塗膜を形成する。塗布手段としては、例えば、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、スリットコーター、及びナイフコーター等が挙げられる。次に、当該塗膜を乾燥させることにより、粘着剤層を形成できる。塗工液は、塗布を行うことが可能であれば、その性状は特に限定されない。塗工液は、粘着剤層を形成するための成分を溶質として含有する場合もあれば、粘着剤層を形成するための成分を分散質として含有する場合もある。
本実施形態に係る粘着シートは、様々な被着体に貼着できるため、本実施形態に係る粘着シートを適用できる被着体は、特に限定されない。例えば、被着体としては、半導体チップ、及び半導体ウエハであることが好ましい。
さらに、本実施形態に係る粘着シートは、片面に貼着された複数の半導体チップの間隔を拡げるために使用することができる。
その結果、半導体チップの間隔を正確に調整することができる。
本実施形態に係る粘着シートは、半導体チップの間隔を比較的大きく離間させることが求められる用途への使用が好ましく、このような用途の例としては、ファンアウト型の半導体ウエハレベルパッケージ(FO−WLP)の製造方法が好ましく挙げられる。このようなFO−WLPの製造方法の例として、以下に説明する第一態様が挙げられる。
以下、本実施形態に係る粘着シートを使用したFO−WLPの製造方法の第一態様を説明する。なお、この第一態様において、本実施形態に係る粘着シートは、後述する第一の粘着シート10として使用される。
本実施形態では、第一の粘着シート10がエキスパンドシートとして用いられる。
ダイシングは、ダイシングシート等に貼着された半導体ウエハに対して実施されることが好ましい。ダイシングには、ダイシングソーなどの切断手段が用いられる。
ダイシングは、上述の切断手段を用いる代わりに、半導体ウエハに対してレーザ光を照射して行ってもよい。例えば、レーザ光の照射により、半導体ウエハを完全に分断し、複数の半導体チップに個片化してもよい。
あるいは、レーザ光の照射により半導体ウエハ内部に改質層を形成した後、後述するエキスパンド工程において、粘着シートを引き延ばすことで、半導体ウエハを改質層の位置で破断して、半導体チップCPに個片化してもよい。このようにして半導体チップに個片化する方法をステルスダイシングという場合がある。ステルスダイシングの場合、レーザ光の照射は、例えば、赤外域のレーザ光を、半導体ウエハの内部に設定された焦点に集束されるように照射する。また、これらの方法においては、レーザ光の照射は、半導体ウエハのいずれの側から行ってもよい。
ダイシング後、複数の半導体チップCPは、エキスパンドシートに一括転写されることが好ましい。
第一の粘着シート10を引き延ばして複数の半導体チップCPの間隔を拡げて、距離D1とした後、半導体チップCPの裏面W3に第二の粘着シート20を貼着する。ここで、当該第二の粘着シート20として、複数の半導体チップCPを保持できれば特に限定されない。複数の半導体チップCP間の距離D1をさらに拡張させたい場合には、第二の粘着シート20として、エキスパンドシートを用いることが好ましく、本実施形態の粘着シートを用いることがより好ましい。
第二の粘着シート20として本実施形態の粘着シートを用いる場合は、第二の基材21は、本実施形態に係る粘着シートの基材に対応し、第三の粘着剤層22は、本実施形態に係る粘着シートの粘着剤層に対応する。
第二の粘着シート20を貼着した後、第一の粘着シート10を剥離すると、複数の半導体チップCPの回路面W1が露出する。第一の粘着シート10を剥離した後も、エキスパンド工程において拡張させた複数の半導体チップCP間の距離D1が維持されていることが好ましい。
第二のエキスパンド工程では、複数の半導体チップCP間の間隔をさらに拡げる。
第二の粘着シート20が本実施形態に係る粘着シートである場合、第三の粘着剤層22が、所定の応力上昇率の範囲内であるため、拡張後における複数の半導体チップCPの位置ずれを抑制できる。
第三の粘着シート30は、複数の半導体チップCPを保持できれば特に限定されない。
第三の粘着シート30として耐熱性を有する粘着シートを用いる場合は、第三の基材31及び第四の粘着剤層32は、それぞれ、封止工程で課される温度に耐え得る耐熱性を有する材料で形成されていることが好ましい。第三の粘着シート30の別の態様としては、第三の基材、第三の粘着剤層、及び第四の粘着剤層を備えた粘着シートが挙げられる。この粘着シートは、第三の粘着剤層と第四の粘着剤層との間に第三の基材を含み、第三の基材の両面に粘着剤層を有する。
封止工程において、回路面W1が第三の粘着シート30に保護された状態で、複数の半導体チップCPを封止部材60によって覆うことにより封止体3が形成される。複数の半導体チップCPの間にも封止部材60が充填されている。第三の粘着シート30により回路面W1及び回路W2が覆われているので、封止部材60で回路面W1が覆われることを防止できる。
外部端子電極が接続された封止体3を半導体チップCP単位で個片化する。封止体3を個片化させる方法は、特に限定されない。封止体3を個片化することで、半導体チップCP単位の半導体パッケージが製造される。半導体チップCPの領域外にファンアウトさせた外部電極を接続させた半導体パッケージは、ファンアウト型のウエハレベルパッケージ(FO−WLP)として製造される。
本発明は、上述の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的を達成できる範囲で、上述の実施形態を変形した態様などを含む。
例えば、基材の両面に粘着剤層が設けられた粘着シートが挙げられ、少なくとも一方の粘着剤層が、前記実施形態に係る粘着剤層である。
例えば、図3には、粘着シート10Aが示されている。粘着シート10Aは、基材110と、第一の粘着剤層12と、第二の粘着剤層13とを有する。粘着シート10Aは、第一の粘着剤層12と第二の粘着剤層13との間に基材110を含む。
基材110の第一の基材面11Aには、第一の粘着剤層12が設けられ、第二の基材面11Bには、第二の粘着剤層13が設けられている。
基材110は、前記実施形態における第一の基材11と同様である。
第一の粘着剤層12は、前記実施形態に係る粘着シートの粘着剤層に対応し、第一の粘着剤層12の応力上昇率が前述の所定の範囲を満たす。
第二の粘着剤層13は、特に限定されない。第二の粘着剤層13のひずみ100%応力SC[Pa]とし、ひずみ300%応力SD[Pa]としたとき、下記数式(数5)で算出される応力上昇率が、25%未満であることが好ましい。
応力上昇率[%]={(SD−SC)/SC}×100 ・・・(数5)
第一の粘着剤層12及び第二の粘着剤層13の組成は、同じであっても、異なっていてもよい。
第一の粘着剤層12及び第二の粘着剤層13の厚さは、同じであっても、異なっていてもよい。
ブチルアクリレート(BA)52質量部、メタクリル酸メチル(MMA)20質量部、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)28質量部を共重合してアクリル系共重合体を得た。このアクリル系共重合体に対して、2−イソシアナートエチルメタクリレート(昭和電工株式会社製、製品名「カレンズMOI」(登録商標))を付加した樹脂(アクリルA)の溶液(粘着剤主剤、固形分35.0質量%)を調製した。付加率は、アクリル系共重合体の2HEA100モル%に対して、2−イソシアナートエチルメタクリレートを90モル%とした。
得られた樹脂(アクリルA)の重量平均分子量(Mw)は、60万、Mw/Mnは4.5であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mw、及び数平均分子量Mnを測定し、それぞれの測定値から分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
この粘着剤主剤に、UV樹脂A(10官能ウレタンアクリレート、日本合成化学工業株式会社製、製品名「UV−5806」、Mw=1740、光重合開始剤を含む。)、及び架橋剤としてのトリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名「コロネートL」)を添加した。粘着剤主剤中の固形分100質量部に対して、UV樹脂Aを50質量部添加し、架橋剤を0.2質量部添加した。添加後、30分間攪拌して、粘着剤組成物A1を調製した。
次いで、調製した粘着剤組成物A1の溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)系剥離フィルム(リンテック株式会社製、製品名「SP−PET381031」、厚さ38μm)に塗布して乾燥させ、厚さ40μmの粘着剤層を剥離フィルム上に形成した。
当該粘着剤層に、基材としてのポリエステル系ポリウレタンエラストマーシート(シーダム株式会社製,製品名「ハイグレスDUS202」,厚さ100μm)を貼り合わせた後、幅方向における端部の不要部分を裁断除去して粘着シートSA1を作製した。
実施例1に係る樹脂(アクリルA)の溶液(粘着剤主剤、固形分35.0質量%)に、UV樹脂B(3官能ウレタンアクリレート、大日精化工業株式会社製、製品名「EXL810TL」、Mw=5000、光重合開始剤を含む。)、及び架橋剤としてのトリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名「コロネートL」)を添加した。粘着剤主剤中の固形分100質量部に対して、UV樹脂Bを50質量部添加し、架橋剤を0.2質量部添加した。添加後、30分間攪拌して、粘着剤組成物A2を調製した。
以降、粘着剤組成物A2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る粘着シートSA2を作製した。
実施例1に係る樹脂(アクリルA)の溶液(粘着剤主剤、固形分35.0質量%)に、UV樹脂A(10官能ウレタンアクリレート、日本合成化学工業株式会社製、製品名「UV−5806」、Mw=1740、光重合開始剤を含む。)、及び架橋剤としてのトリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名「コロネートL」)を添加した。粘着剤主剤中の固形分100質量部に対して、UV樹脂Aを25質量部添加し、架橋剤を0.2質量部添加した。添加後、30分間攪拌して、粘着剤組成物A3を調製した。
次いで、調製した粘着剤組成物A3の溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)系剥離フィルム(製品名「SP−PET381031」、厚さ38μm、リンテック株式会社製)に塗布して乾燥させ、厚さ40μmの粘着剤層を剥離フィルム上に形成した。
当該粘着剤層に、基材としてのポリエステル系ポリウレタンエラストマーシート(シーダム株式会社製,製品名「ハイグレスDUS202」,厚さ100μm)を貼り合わせた後、幅方向における端部の不要部分を裁断除去して粘着シートSA3を作製した。
実施例1に係る樹脂(アクリルA)の溶液(粘着剤主剤、固形分35.0質量%)に、UV樹脂B(3官能ウレタンアクリレート、大日精化工業株式会社製、製品名「EXL810TL」、Mw=5000、光重合開始剤を含む。)、及び架橋剤としてのトリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名「コロネートL」)を添加した。粘着剤主剤中の固形分100質量部に対して、UV樹脂Bを25質量部添加し、架橋剤を0.2質量部添加した。添加後、30分間攪拌して、粘着剤組成物A4を調製した。
以降、粘着剤組成物A4を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、実施例4に係る粘着シートSA4を作製した。
実施例1に係る樹脂(アクリルA)の溶液(粘着剤主剤、固形分35.0質量%)に、架橋剤としてトリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名「コロネートL」)を添加した。粘着剤主剤中の固形分100質量部に対して、架橋剤を0.2質量部添加した。添加後、30分間攪拌して、粘着剤組成物A5を調製した。
以降、粘着剤組成物A5を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、比較例1に係る粘着シートSA5を作製した。
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)80質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)20質量部を共重合してアクリル系共重合体を得た。このアクリル系共重合体に対して、2−イソシアナートエチルメタクリレート(製品名「カレンズMOI」(登録商標)、昭和電工株式会社製)を2HEA100モル%に対して付加率が80モル%となるように付加した樹脂(アクリルB)の溶液(粘着剤主剤、固形分35.0質量%)を調製した。得られた樹脂(アクリルB)の重量平均分子量(Mw)は、45万、Mw/Mnは4.2であった。
比較例2に係る樹脂(アクリルB)の溶液(粘着剤主剤、固形分35.0質量%)に、架橋剤としてトリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名「コロネートL」)を添加した。粘着剤主剤中の固形分100質量部に対して、架橋剤を0.2質量部添加した。添加後、30分間攪拌して、粘着剤組成物A6を調製した。
以降、粘着剤組成物A6を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、比較例2に係る粘着シートSA6を作製した。
剥離フィルム(リンテック株式会社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の剥離処理面にナイフコーターを用いて、実施例1、2、3及び4、並びに比較例1及び2で調製した粘着剤組成物を塗布した。剥離フィルムは、ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面に剥離処理面を有し、この剥離処理面は、当該フィルムの片面にシリコーン処理により剥離処理が施された面である。
塗布した粘着剤組成物を120℃で乾燥させ、厚さが40μmの粘着剤層を得た。得られた粘着剤層の露出面には、さらに上記と同じ剥離フィルムを、その剥離処理面に粘着剤層を接触させて貼り合わせ、粘着剤層の両面に前記剥離フィルムが設けられた積層体を得た。
この積層体を複数、作製し、一方の剥離フィルムを剥離して厚さ40μmの粘着剤層を露出させ、露出させた粘着剤層に、さらに別の露出させた40μmの粘着剤層を積層させ、厚さ80μmの粘着剤層を形成した。
このような積層を繰り返して、厚さ200μmの粘着剤層を有する積層体を得た。
厚さ200μmの粘着剤層を幅15mm、長さ70mmに切断して試験片を得た。JIS K7161:2014及びJIS K7127:1999に準拠して、万能試験機(株式会社島津製作所製「オートグラフAG−IS500N」)を用いて引張試験を行った。引張試験において、つかみ具間の距離を50mmとなるように試験片を固定し、引張速度50mm/分で行った。
上記引張試験で得られた粘着剤層の応力ひずみ曲線におけるひずみ100%応力SA[Pa]、及びひずみ300%応力SB[Pa]から応力上昇率を算出した。応力上昇率の算出は、下記数式(数1)で算出した。
実施例1、2、3及び4、並びに比較例1及び2で得られた粘着シートを210mm×210mmに切断し試験用シートを得た。このとき、裁断後のシートの各辺が、粘着シートにおける基材のMD方向と平行または垂直となるように裁断した。
6インチシリコンウエハをダイシングして、3mm×3mmのサイズのチップがX軸方向に5列、及びY軸方向に5列となるように、計25個のチップを切り出した。
試験用シートの剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層の中心部に、上述の通り切り出した計25個のチップを貼付した。このとき、チップがX軸方向に5列、及びY軸方向に5列で並んでいた。
拡張状態を保持した状態で、各チップ間の距離をデジタル顕微鏡で測定し、各チップ間の距離の平均値をチップ間隔とした。
チップ間隔が1800μm以上であれば合格「A」と判定し、チップ間隔が1800μm未満であれば不合格「B」と判定した。
上記チップ間隔を測定したワークのX軸及びY軸方向の隣り合うチップの中心線からのズレ率を測定した。
図5に具体的な測定方法の概略図を示す。
X軸方向に5個のチップが並んだ一つの列を選び、当該列の中で、チップの最上端と、チップの最下端との距離Dyをデジタル顕微鏡で測定した。Y軸方向のズレ率は、下記数式(数3)に基づいて算出した。Syは、Y軸方向のチップサイズであり、本実施例では、3mmとした。
Y軸方向のズレ率[%]=[(Dy−Sy)/2]/Sy×100 ・・・(数3)
X軸方向に5個のチップが並んだその他の4列についても、同様にしてY軸方向のズレ率を算出した。
Y軸方向に5個のチップが並んだ一つの列を選び、当該列の中で、チップの最左端と、チップの最右端との距離Dxをデジタル顕微鏡で測定した。X軸方向のズレ率は、下記数式(数4)に基づいて算出した。Sxは、X軸方向のチップサイズであり、本実施例では、3mmとした。
X軸方向のズレ率[%]=[(Dx−Sx)/2]/Sx×100 ・・・(数4)
Y軸方向に5個のチップが並んだその他の4列についても、同様にしてX軸方向のズレ率を算出した。
数式(数3)及び(数4)において、2で除するのは、拡張後のチップの所定位置からずれた最大距離を絶対値にて表現するためである。
X軸方向及びY軸方向のすべての列(計10列)において、ズレ率が±10%未満の場合を合格「A」と判定し、1つ以上の列において±10%以上であれば不合格「B」と判定した。
Claims (13)
- 基材と、粘着剤層と、を有し、
前記粘着剤層のひずみ100%応力SA[Pa]とし、ひずみ300%応力SB[Pa]としたとき、下記数式(数1)で算出される応力上昇率が、25%未満である、
ことを特徴とする粘着シート。
応力上昇率[%]={(SB−SA)/SA}×100 ・・・(数1) - 請求項1に記載の粘着シートにおいて、
前記粘着剤層は、エネルギー線硬化性樹脂を含有する、
ことを特徴とする粘着シート。 - 請求項2に記載の粘着シートにおいて、
前記エネルギー線硬化性樹脂は、(メタ)アクリル系樹脂である、
ことを特徴とする粘着シート。 - 請求項2または請求項3に記載の粘着シートにおいて、
前記エネルギー線硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂である、
ことを特徴とする粘着シート。 - 請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の粘着シートにおいて、
前記粘着剤層は、(メタ)アクリル系共重合体をさらに含み、
前記(メタ)アクリル系共重合体は、前記エネルギー線硬化性樹脂とは異なる、
ことを特徴とする粘着シート。 - 請求項5に記載の粘着シートにおいて、
前記(メタ)アクリル系共重合体は、エネルギー線硬化性の炭素−炭素二重結合を有する、
ことを特徴とする粘着シート。 - 請求項5または請求項6に記載の粘着シートにおいて、
前記粘着剤層は、前記エネルギー線硬化性樹脂を、前記(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対し、10質量部以上、80質量部以下の割合で含有する、
ことを特徴とする粘着シート。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の粘着シートにおいて、
前記基材は、熱可塑性エラストマーを含有する、
ことを特徴とする粘着シート。 - 請求項8に記載の粘着シートにおいて、
前記基材は、ウレタン系エラストマーを含有する、
ことを特徴とする粘着シート。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の粘着シートにおいて、
23℃において前記基材のMD方向及びCD方向の引張弾性率が、それぞれ10MPa以上、350MPa以下であり、
23℃において前記基材のMD方向及びCD方向の100%応力が、それぞれ3MPa以上、20MPa以下である、
ことを特徴とする粘着シート。 - 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の粘着シートにおいて、
前記粘着シートの復元率が、70%以上、100%以下であり、
前記復元率は、前記粘着シートを150mm×15mmに切り出した試験片において、長さ方向の両端を、つかみ具間の長さが100mmとなるようにつかみ具でつかみ、その後、つかみ具間の長さが200mmとなるまで200mm/minの速度で引張り、つかみ具間の長さが200mmに拡張された状態で1分間保持し、その後、つかみ具間の長さが100mmとなるまで200mm/minの速度で長さ方向に戻し、つかみ具間の長さが100mmに戻された状態で1分間保持し、その後、60mm/minの速度で長さ方向に引張り、引張力の測定値が0.1N/15mmを示した時のつかみ具間の長さを測定し、当該長さから初期のつかみ具間の長さ100mmを引いた長さをL2(mm)とし、前記拡張された状態におけるつかみ具間の長さ200mmから初期のつかみ具間の長さ100mmを引いた長さをL1(mm)としたとき、下記数式(数2)で算出される、
ことを特徴とする粘着シート。
復元率(%)={1−(L2÷L1)}×100 ・・・(数2) - 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の粘着シートにおいて、
前記基材は、第一の基材面と、前記第一の基材面とは反対側の第二の基材面とを有し、
前記第一の基材面には、第一の粘着剤層として前記粘着剤層が設けられ、
前記第二の基材面には、第二の粘着剤層が設けられている、
ことを特徴とする粘着シート。 - 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の粘着シートにおいて、
前記粘着シートは、半導体加工に用いられる、
ことを特徴とする粘着シート。
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