図1は本発明に係る部品実装機を模式的に示す部分平面図であり、図2は図1の部品実装機が備える電気的構成を示すブロック図である。図1および以下の図では、Z方向を鉛直方向とし、X方向およびY方向のそれぞれを水平方向とするXYZ直交座標を示す。
図2に示すように、部品実装機1は、演算処理部110、駆動制御部120、記憶部130、画像処理部140およびフィーダー通信部150を有する主制御部100を備える。演算処理部110は、CPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)等で構成されたプロセッサーであり、記憶部130に記憶されたプログラムやデータに基づき、駆動制御部120、画像処理部140およびフィーダー通信部150を制御することで、後述する各動作を制御する。また、部品実装機1には、例えばタッチパネルディスプレイで構成されたユーザーインターフェース160が設けられ、演算処理部110は、ユーザーインターフェース160の入力に応じて制御を実行する。
図1に示すように、部品実装機1は、基台11の上に設けられた一対のコンベア12、12を備える。そして、部品実装機1は、駆動制御部120によってコンベア12を制御することで、部品実装に要する基板Bの搬送を実行する。つまり、部品実装機1は、コンベア12によりX方向(基板搬送方向)の上流側から作業位置(図1の基板Bの位置)に搬入した基板Bに対して部品E(図5)を実装し、部品実装を完了した基板Bをコンベア12により作業位置からX方向の下流側へ搬出する。なお、部品Eを基板Bに実装するとは、部品Eを基板Bに載置することを示す。
一対のコンベア12、12のY方向の両側それぞれでは2つの部品供給部25がX方向に並んでおり、各部品供給部25では、複数のテープフィーダー5がX方向に並ぶ。各テープフィーダー5に対しては、集積回路、トランジスター、コンデンサ等の小片状の部品Eを所定間隔おきに収容した部品供給テープ60(図5)が巻き付けられた部品供給リールが配置されており、各テープフィーダー5は部品供給リールから引き出された部品供給テープ60を間欠的に送り出すことで、その先端部の部品供給位置Lsに部品Eを供給する。なお、演算処理部110は、フィーダー通信部150を介してテープフィーダー5のフィーダー制御部50に指令を出すことで、テープフィーダー5の動作を制御する。
X方向に並ぶ2個の部品供給部25の間には、部品認識カメラ7が上方を向いて基台11に取り付けられている。この部品認識カメラ7は、後述するようにその上方を通過する部品Eの画像を撮像して、画像処理部140に送信する。
また、部品実装機1では、Y方向に延びる一対のY軸レール21、21と、Y方向に延びるY軸ボールネジ22と、Y軸ボールネジ22を回転駆動するY軸モーターMyとが設けられ、ヘッド支持部材23が一対のY軸レール21、21にY方向に移動可能に支持された状態でY軸ボールネジ22のナットに固定されている。ヘッド支持部材23には、X方向に延びるX軸ボールネジ24と、X軸ボールネジ24を回転駆動するX軸モーターMxとが取り付けられており、ヘッドユニット3がヘッド支持部材23にX方向に移動可能に支持された状態でX軸ボールネジ24のナットに固定されている。したがって、駆動制御部120は、Y軸モーターMyによりY軸ボールネジ22を回転させてヘッドユニット3をY方向に移動させ、あるいはX軸モーターMxによりX軸ボールネジ24を回転させてヘッドユニット3をX方向に移動させることができる。
ヘッドユニット3は、X方向に並ぶ複数(6本)の実装ヘッド31を有する。さらに、ヘッドユニット3には、実装ヘッド31を昇降させるZ軸モーターMzを各実装ヘッド31に対して有する。各実装ヘッド31はZ方向(鉛直方向)に延びた長尺形状を有し、部品Eを吸着するためのノズル32をその下端に係脱自在に有する。そして、実装ヘッド31によって部品実装が実行される。
つまり、駆動制御部120は、X軸モーターMxおよびY軸モーターMyによって、実装ヘッド31のノズル32を部品供給位置Lsに上方から対向させる。次に、駆動制御部120は、Z軸モーターMzによって実装ヘッド31を下降させて、テープフィーダー5によって部品供給位置Lsに供給された部品Eにノズル32を接触させる。続いて、駆動制御部120は、ノズル32により部品Eを吸着した実装ヘッド31を上昇させる。こうして実装ヘッド31が部品供給位置Lsからの部品Eのピックアップを完了すると、駆動制御部120は、X軸モーターMxおよびY軸モーターMyによって実装ヘッド31を基板Bの上方に移動させ、実装ヘッド31は、部品Eの吸着を解除することで、基板Bに部品Eを実装する。
なお、ヘッドユニット3は、実装ヘッド31をR方向(Z方向を中心とする回転方向)に回転させるR軸モーターMrを各実装ヘッド31について有し、駆動制御部120は、R軸モーターMrによって実装ヘッド31をR方向に回転させることで、基板Bに実装する部品Eの回転角度を調整する。つまり、実装ヘッド31は、部品供給位置Lsから部品Eをピックアップしてから基板Bの上方へ移動する途中で部品認識カメラ7の上方を経由し、部品認識カメラ7がその上方を通過する部品Eを撮像して、部品Eの画像を取得する。部品Eの画像は、部品認識カメラ7から画像処理部140に送信され、画像処理部140は当該画像に基づき、実装ヘッド31に吸着された部品Eの位置および姿勢を認識する(部品認識)。そして、駆動制御部120は、この部品認識の結果に基づき、実装ヘッド31により基板Bに実装される部品Eの回転角度を調整する。
また、ヘッドユニット3には、基板認識カメラ8が下方を向いて取り付けられており、基板認識カメラ8は、ヘッドユニット3に伴ってX方向およびY方向へ移動する。基板認識カメラ8は、作業位置に搬入された基板Bに付されたフィデューシャルマークを上方から撮像して、フィデューシャルマークの画像を取得する。フィデューシャルマークの画像は、基板認識カメラ8から画像処理部140に送信され、画像処理部140は当該画像に基づき、基板Bの位置を認識する(基板認識)。そして、駆動制御部120は、この基板認識の結果に基づき、実装ヘッド31により実装される部品EのX方向およびY方向への位置を調整する。
図3は基板認識カメラの構成を模式的に示す部分断面図である。基板認識カメラ8は、対象物Jに光を照射する照明ユニット81と、Z方向から対象物Jに対向しつつ対象物Jを撮像する撮像ユニット83とを有する。照明ユニット81は、Z方向に平行な撮像ユニット83の光軸を中心とする円環状に複数の点光源を配列して、各光源から下方に光を照射する。点光源としては、例えばLED(Light Emitting Diode)を使用できる。撮像ユニット83は、レンズ831と固体撮像素子832とを有する。レンズ831は、Z方向に平行な光軸を有して対象物Jに上方から対向して、対象物Jで反射された光を固体撮像素子832に結像する。そして、固体撮像素子832は、レンズ831により結像された光を検出することで、対象物Jの画像を撮像する。かかる基板認識カメラ8は、フィデューシャルマークの撮像以外に、後述するようにテープフィーダー5の部品供給位置Lsの撮像も実行する。
図4はテープフィーダーの構成および動作の一例を模式的に示す側面図である。同図では、テープフィーダー5が部品供給テープ60を送り出すフィード方向Df(Y方向に平行)を適宜示すとともに、フィード方向Dfの矢印側をフィード方向Dfの「前」と、フィード方向Dfの矢印の反対側をフィード方向Dfの「後ろ」と適宜取り扱う。また、テープフィーダー5に取付可能な2本の部品供給テープ60を区別するために、同図および以下の図では、キャリアテープに対して異なる符号60a、60bを適宜用いる。
テープフィーダー5は、機械的構成であるフィーダー本体51と、部品供給テープ60を駆動するフィーダーモーターMf、Mbとを備える。フィーダー本体51は、X方向に薄くてフィード方向Dfに長尺な偏平形状のケース52を有する。ケース52は上述のフィーダー制御部50を内部に収容しており、作業者はケース52に設けられた操作ボタンを介してフィーダー制御部50に指示を入力できる。また、ケース52のフィード方向Dfの後端では、Z方向に延設されたテープ挿入口53a(破線で示す)が開口し、ケース52のフィード方向Dfの前端部分の上面に部品供給位置Lsが設けられている。そして、フィーダー本体51内ではテープ挿入口53aから部品供給位置Lsへ到るテープ搬送路53bが設けられている。このフィーダー本体51は、テープ挿入口53aからテープ搬送路53bに挿入された部品供給テープ60を、フィーダーモーターMf、Mbの駆動力を受けてフィード方向Dfに送り出すことで、部品供給位置Lsに部品を供給する。
フィーダー本体51は、テープ搬送路53bの上方でテープ挿入口53aに隣接して配置されたスプロケット54と、フィーダーモーターMbの駆動力をスプロケット54に伝達するギヤ55とをケース52内に有し、スプロケット54はフィーダーモーターMbが発生する駆動力を受けて回転する。さらに、フィーダー本体51は、ケース52に対して着脱可能に取り付けられたテープ支持部材56を有する。このテープ支持部材56はスプロケット54に下方から対向し、スプロケット54との間に部品供給テープ60を挟むことで、部品供給テープ60をスプロケット54に係合させる。こうして、スプロケット54とテープ支持部材56との間のテープ取付位置Laに、部品供給テープ60の先端が取り付けられる。したがって、フィーダーモーターMbは、順方向に回転(順回転)することで、スプロケット54に係合する部品供給テープ60をフィード方向Dfへ搬送することができる。また、フィーダーモーターMbは、順方向と反対の逆方向に回転(逆回転)することで、スプロケット54に係合する部品供給テープ60をフィード方向Dfの反対側(後側)へ搬送できる。
また、フィーダー本体51は、その前端部分に配置されて下方からテープ搬送路53bに隣接する2個のスプロケット57d、57uと、フィーダーモーターMfの駆動力をスプロケット57d、57uにそれぞれ伝達する2個のギヤ58d、58uとをケース52内に有する。そして、スプロケット57d、57uはフィーダーモーターMfが発生する駆動力を受けて回転する。したがって、フィーダーモーターMfは、順方向に間欠的に回転(順回転)することで、スプロケット57d、57uに係合する部品供給テープ60をフィード方向Dfへ間欠的に搬送できる。また、フィーダーモーターMfは、順方向と反対の逆方向に回転(逆回転)することで、スプロケット57d、57uに係合する部品供給テープ60をフィード方向Dfの反対側(後側)へ搬送できる。
フィーダー制御部50は、フィーダーモーターMf、Mbを制御することで、図4に示す各ステップを実行する。つまり、ステップS11に示すように部品供給テープ60aがテープ取付位置Laに取り付けられて、作業者が自動装填の実行指示をフィーダー制御部50に入力すると、フィーダーモーターMbが順方向への回転を開始して、スプロケット54が部品供給テープ60aをフィード方向Dfに搬送する。さらに、部品供給テープ60の先端がスプロケット57uに到達するのに応じて、フィーダーモーターMfが順方向への回転を開始して、スプロケット57u、57dが部品供給テープ60aをフィード方向Dfに搬送する。そして、ステップS12に示すように、部品供給テープ60aの先端が部品供給位置Lsに到達すると、スプロケット57u、57dがフィード方向Dfへの部品供給テープ60aの搬送を停止する。こうして、テープフィーダー5は、テープ取付位置Laから部品供給位置Lsへフィード方向Dfに自動的に部品供給テープ60を搬送することで部品供給位置Lsに部品Eを供給する自動装填を実行する。
ちなみに、テープフィーダー5は、2個のスプロケット57d、57uの間に配置され、部品供給位置Lsのフィード方向Dfの上流側近傍のキャリアテープ60を検出するテープセンサーSfを有する。そして、フィーダー制御部50は、テープセンサーSfが部品供給テープ60aを検出したタイミングに基づき、部品供給テープ60aが部品供給位置Lsに到達するタイミングを把握する。
また、ステップS13に示すように、作業者がテープ支持部材56をケース52から取り外すと、部品供給テープ60aがスプロケット54から外れてテープ搬送路53bに落下する。続いて、ステップS14に示すように、作業者はテープ支持部材56をケース52に再び取り付けることで、部品供給テープ60aの次に部品実装に使用される部品供給テープ60bをスプロケット54とテープ支持部材56との間のテープ取付位置Laに取り付けておくことができる。なお、スプロケット54から外れた部品供給テープ60aの駆動は、フィーダーモーターMbを停止させた状態でフィーダーモーターMfによって実行すれば良い。
さらに、テープフィーダー5は、部品供給位置Lsのフィード方向Dfの上流側近傍の開放位置Leで部品供給テープ60を開放する部品露出部材59を有する。この部品露出部材59は、開放位置Leで部品供給テープ60に接触するカッターを有し、開放位置Leをフィード方向Dfに通過する部品供給テープ60をカッターにより開くことで、部品供給位置Lsにおいて部品Eを露出させる。
図5は部品供給テープの一例を示す斜視図であり、図6は図5の部品供給テープの終端近傍を示す平面図である。部品供給テープ60は、一方向に長いシート形状を有するキャリアテープ62と、キャリアテープ62に貼着されるカバーテープ64とから構成される。キャリアテープ62には、上方に開口した空洞状のポケット621がテープの長手方向に一定間隔で、換言すれば所定の配列ピッチで一列に並ぶ。そして、カバーテープ64によって塞がれた状態で部品Eがポケット621に収容され、保持されている。
また、キャリアテープ62の一辺側には、その縁部に沿って上下に貫通する係合孔622が一定間隔で設けられており、上述のスプロケット54およびスプロケット57d、57uが係合孔622に係合する。そして、テープフィーダー5は、フィーダーモーターMf、Mbによってスプロケット57d、57u、54を回転させることで、部品供給テープ60をフィード方向Dfに部品Eの配列ピッチずつ間欠的に駆動することで、部品供給位置Lsに各ポケット621を順に搬送する。これによって、ポケット621内の部品Eが部品供給位置Lsに供給される。
また、図6に示すように、部品供給テープ60の終端601から所定範囲は、部品Eが存在しない空のポケット621が所定個数(2個以上)並ぶトレイル部Tである。つまり、キャリアテープ62の複数のポケット621のうち、トレイル部Tのポケット621は部品Eを収容せず、トレイル部Tより先端側のポケット621が部品E収容する。かかる部品供給テープ60の終端601は、換言すれば、テープフィーダー5に取り付けられた部品供給テープ60のフィード方向Dfの上流端に相当し、上述のリールの軸心に取り付けられる。また、部品供給テープ60の先端は、換言すれば、テープフィーダー5に取り付けられた部品供給テープ60のフィード方向Dfの下流端に相当する。
そして、図4の部品露出部材59は、開放位置Leでカバーテープ64を開くことで、部品供給位置Lsに供給される部品Eを露出させる。この際、部品Eを露出させる方法としては、カバーテープ64の中心をカッターにより開いてカバーテープを両側に捲るセンター開放方式(特開2015−220297号公報等)や、カバーテープ64の一方側の周縁をカッターにより開いてカバーテープを他方側へ捲る片捲り方式(WO2017/042898号公報等)がある。
図7は図1の部品実装機で実行されるピックアップ動作の第1例を示すフローチャートである。図7のフローチャートは、演算処理部110とフィーダー制御部50との協働制御によって実行される。ステップS101では、実装ヘッド31によるピックアップ動作の対象となるテープフィーダー5が部品供給テープ60を間欠的に駆動して、ポケット621を部品供給位置Lsに搬送する。
ステップS102では、演算処理部110は、当該テープフィーダー5について、前回の部品供給位置Lsからの部品のピックアップが成功したかを確認する。つまり、例えば上述の部品認識の際に、演算処理部110は、部品認識カメラ7が撮像した画像に基づき、実装ヘッド31が部品Eのピックアップの成否を判定した結果を、テープフィーダー5毎に記憶部130に記憶する。そして、ステップS102では、記憶部130に記憶された当該結果を参照する。ちなみに、実装ヘッド31による部品Eのピックアップの成否は、部品認識の結果によらずとも判定できる。つまり、部品Eのピックアップに成功した場合と失敗した場合とで、実装ヘッド31のノズル32に生じる負圧の大きさが異なる。そこで、ノズル32の圧力に基づき、ピックアップの成否を判定しても良い。
ピックアップが成功している場合(ステップS103で「YES」の場合)には、演算処理部110は実装ヘッド31に部品Eのピックアップを許可する(ステップS104)。これによって、実装ヘッド31は、ステップS101で部品供給位置Lsに搬送されたポケット621から部品Eをピックアップして、基板Bに実装することができる。
ピックアップが失敗している場合(ステップS103で「NO」の場合)には、基板認識カメラ8が、実装ヘッド31によるピックアップ動作の対象となる部品供給位置Lsの上方に移動して(ステップS105)、部品供給位置Lsを撮像する(ステップS106)。こうして、部品露出部材59によって上方へ向けて露出されたポケット621が位置する部品供給位置Lsを、基板認識カメラ8が上方から撮像した画像が取得される。この部品供給位置Lsの画像は、基板認識カメラ8から画像処理部140に送信され、画像処理部140は、部品供給位置Lsのポケット621内の部品Eの有無を当該画像に基づき判定する(ステップS107)。そして、部品Eが存在すると判定した場合(ステップS107で「YES」の場合)には、演算処理部110は実装ヘッド31に部品Eのピックアップを許可する(ステップS104)。
一方、部品Eが存在しないと判定した場合(ステップS107で「NO」の場合)には、部品供給位置Lsの撮像回数mをインクリメントし(ステップS108)、撮像回数mが所定回数mt(mtは2以上の整数)以上かを判断する(ステップS109)。なお、所定回数mtは、例えばユーザーインターフェース160への操作によってユーザーにより任意に入力できるように、部品実装機1を構成しても良い。ここでは、撮像回数mは「1」であるため、ステップS109で「NO」と判断される。したがって、ステップS110において、実装ヘッド31によるピックアップ動作の対象となるテープフィーダー5が部品供給テープ60を間欠的に駆動して、ポケット621を部品供給位置Lsに搬送してから、ステップS106に戻る。この際、演算処理部110は、ステップS107で部品Eが存在しないと判定された部品供給位置Lsからの部品Eのピックアップを実装ヘッド31に禁止する。
そして、基板認識カメラ8が部品供給位置Lsの画像を撮像して(ステップS106)、画像処理部140が部品供給位置Lsのポケット621内の部品Eの有無を当該画像に基づき判定する(ステップS107)。そして、部品Eが存在すると判定した場合(ステップS107で「YES」の場合)には、演算処理部110は実装ヘッド31に部品Eのピックアップを許可する(ステップS104)。一方、部品Eが存在しないと判定した場合(ステップS107で「NO」の場合)には、ステップS108〜S110が再実行される。
こうして、部品Eが存在しないポケット621が連続してmt回確認されると、換言すれば、部品供給位置Lsに順番に供給される隣接するmt個以上のポケット621に部品Eが存在しないことが確認されると(ステップS109で「YES」)、演算処理部110は、撮像回数mをゼロにリセットしてから(ステップS111)、部品供給テープ60の部品切れが発生したと判定する(ステップS112)。そして、フィーダー制御部50は、判定対象となった部品供給テープ60の終端601がテープフィーダー5の先端から排出されるまで部品供給テープ60を連続的にフィード方向Dfに搬送するテープ排出動作を、フィーダーモーターMf、Mbに実行させる(ステップS113)。かかるテープ排出動作での部品供給テープ60での移動速度は、間欠搬送での部品供給テープ60の移動速度より高速である。
部品供給テープ60の排出が終了すると、スプロケット54が回転を開始して、テープ支持部材56との間でスプロケット54に係合する部品供給テープ60が部品供給位置Lsに向けて搬送される。こうして自動装填が実行されることで、部品供給テープ60のフィード方向Dfの最下流の部品Eが部品供給位置Lsに供給され、実装ヘッド31による部品Eの実装が続行される。この自動装填の開始、すなわちスプロケット54の回転の開始は、部品切れと判断された直後に開始され、先行する部品供給テープ60の排出と後続する部品供給テープ60の自動装填とを並行して実行しても良い。
以上に説明した実施形態では、露出されたポケット621が位置する部品供給位置Lsを撮像した画像から、部品供給位置Lsに搬送されたポケット621内の部品Eの有無が確認される。つまり、露出されたポケット621を撮像した画像に基づき当該ポケット621内の部品Eの有無が確認される。その結果、部品供給テープ60の部品切れの発生を的確に判定することが可能となっている。
また、演算処理部110は、部品供給位置Lsに順番に供給された隣接する2個以上のポケット621に部品Eが存在しないことを確認すると、部品供給テープ60の部品切れが生じたと判定する。これによって、部品供給テープ60の部品切れの発生をより的確に判定することができる。
また、演算処理部110は、部品供給テープ60の部品切れが生じたと判定すると、部品供給テープ60の終端601が排出されるまで部品供給テープ60を連続的に搬送するテープ排出動作を、フィーダーモーターMf、Mbに実行させる。かかる構成では、部品供給テープ60の部品切れの発生を的確に判定した上で、テープ排出動作を適切に実行することができる。
なお、テープ排出動作では、部品供給テープ60は、間欠的に停止することなく、連続して搬送される。そして、この部品供給テープ60の連続搬送に伴って、カバーテープ64の開放は実行される。したがって、部品切れの検出後においても、基板認識カメラ8による部品供給位置Lsの撮像を継続することで、部品供給位置Lsを通過するポケット621における部品Eの有無を確認しても良い。そして、部品Eが存在するポケット621が検出された場合には、部品供給テープ60を停止させ、あるいは停止後にフィード方向Dfの上流側へ搬送させて、実装ヘッド31による部品Eのピックアップを許可しても良い。
また、基板Bのフィデューシャルマークを撮像する基板認識カメラ8により部品供給位置Lsを撮像する。かかる構成では、フィデューシャルマークを撮像する基板認識カメラ8を、部品供給テープ60の部品切れの判定に共用することができ、部品実装機1に装備するカメラの台数を抑えることが可能となる。
また、基板認識カメラ8は、実装ヘッド31が部品供給位置Lsのポケット621からの部品Eのピックアップに失敗した場合に、部品供給位置Lsを撮像する。かかる構成では、実装ヘッド31による部品Eのピックアップの失敗をきっかけとして、部品供給テープ60の部品切れを適切なタイミングで確認することができる。
また、演算処理部110は、部品供給位置Lsに搬送されたポケット621内に部品Eが存在しないことを確認すると、ポケット621からの部品Eのピックアップを実装ヘッドに禁止する。これによって、実装ヘッド31が部品Eのピックアップを不要に試行するのを抑制できる。
図8は実装ヘッドの変形例を模式的に示す図である。図8の実装ヘッド31は、Z方向に平行な回転中心Cの周りで円周状に並ぶ複数のノズル32を有する。なお、図8では、複数のノズル32のうち、2個のノズル32のみが示されている。かかる実装ヘッド31では、複数のノズル32が回転中心Cを中心に回転することで、これらのうちの1個のノズル32が選択的に動作位置Loに位置して、部品供給位置Lsからの部品Eのピックアップを行う。
また、実装ヘッド31には部品認識カメラ9(撮像部)が取り付けられている。この部品認識カメラ9は、動作位置Loのノズル32が部品供給位置Lsに上方から対向した状態で、部品供給位置Lsを視野に収める。具体的には、部品認識カメラ9は、部品供給位置Lsに光を照射する照明ユニット91と、部品供給位置Lsを撮像する撮像ユニット93とを有する。照明ユニット91は複数のノズル32の内側に配置され、マトリックス状に配列された複数の点光源(例えば、LED)から部品供給位置Lsに対して斜め上方から光を照射する。撮像ユニット93は複数のノズル32の外側に配置され、レンズ931と固体撮像素子932とを有する。レンズ931は、部品供給位置Lsに対して斜め上方から対向して、部品供給位置Lsで反射された光を固体撮像素子932に結像する。そして、固体撮像素子932は、レンズ931により結像された光を検出することで、部品供給位置Lsの画像を撮像する。
なお、照明ユニット91の配置はここの例に限られず、照明ユニット91を撮像ユニット93に隣接して取り付けても良い。この場合には、照明ユニット91は、撮像ユニット93の側から部品Eに光を照射することとなる。
図9は部品実装機におけるピックアップ動作での処理の第2例を示すフローチャートである。かかるフローチャートは、主制御部100とフィーダー制御部50との協働制御よって、図8の実装ヘッド31を用いて実行される。ここでは、図7のフローチャートとの差異部分を中心に説明することとし、共通する部分は相当符号を付して適宜説明を省略する。ただし、共通する構成を備えることで、同様の効果が奏されることは言うまでもない。
図9では、ステップS201で、実装ヘッド31によるピックアップ動作の対象となるテープフィーダー5が部品供給テープ60を間欠的に駆動して、ポケット621を部品供給位置Lsに搬送する。ステップS202では、部品Eのピックアップのために、実装ヘッド31は、動作位置Loのノズル32を部品供給位置Lsに上方から対向させる(ステップS202)。これによって、部品認識カメラ9の視野内に部品供給位置Lsが収まることとなる。
ステップS203では、部品認識カメラ9が、実装ヘッド31によるピックアップ動作の対象となる部品供給位置Lsを撮像する。こうして、部品露出部材59によって上方へ向けて露出されたポケット621が位置する部品供給位置Lsを、部品認識カメラ9が上方(斜め上方)から撮像した画像が取得される。この部品供給位置Lsの画像は、部品認識カメラ9から画像処理部140に送信され、画像処理部140は、部品供給位置Lsのポケット621内の部品Eの有無を当該画像に基づき判定する(ステップS107)。そして、部品Eが存在すると判定した場合(ステップS107で「YES」の場合)には、演算処理部110は実装ヘッド31に部品Eのピックアップを許可する(ステップS104)。
これによって、実装ヘッド31は、ステップS201で部品供給位置Lsに搬送されたポケット621から部品Eをピックアップして、基板Bに実装することができる。この際、部品Eのピックアップは、ステップS203で撮像した画像から算出された部品Eの位置に基づき、実装ヘッド31のノズル32とポケット621内の部品Eとの位置を補正しつつ実行される。これによって、部品Eの適切な箇所をノズル32により吸着しつつ、部品Eをピックアップすることができる。
一方、部品Eが存在しないと判定した場合(ステップS107で「NO」の場合)には、図7と同様にして、ステップS107〜S113が実行される。なお、ステップS109での判断結果に応じて実行されるステップS203では、部品認識カメラ9によって部品供給位置Lsの撮像が実行される。
なお、部品Eが正常な姿勢でポケット621に収納されていない等の理由により、部品Eの有無をどちらとも判断できない場合がありうる。このような場合に対応できるようにするために、部品Eの有無を明確に判断できる場合には図7および図9のフローチャートを実行し、部品Eの有無を明確に判断できない場合には部品Eのピックアップを禁止する一方、図7および図9のフローチャートにて、撮像回数mをインクリメントしないように構成しても良い。
以上に説明した実施形態においても、露出されたポケット621が位置する部品供給位置Lsを撮像した画像から、部品供給位置Lsに搬送されたポケット621内の部品Eの有無が確認される。つまり、露出されたポケット621を撮像した画像に基づき当該ポケット621内の部品Eの有無が確認される。その結果、部品供給テープ60の部品切れの発生を的確に判定することが可能となっている。
図10は図1の部品実装機が備えるテープフィーダーの変形例を示す図である。図10に示すテープフィーダー5は、部品供給位置Lsよりもフィード方向Dfの上流側で部品供給テープ60を検出するテープセンサーSbをケース52内に有する。特にテープセンサーSbは、部品供給テープ60の終端601(フィード方向Dfの上流端)がテープセンサーSbの検出領域を通過したことを検出する。かかるテープフィーダー5は、図11に示すテープ排出動作を実行することができる。
図11は図10のテープフィーダーにより実行可能なテープ排出動作での処理の一例を示すフローチャートである。テープ排出動作の開始のために、フィーダー制御部50は、フィード方向Dfへの部品供給テープ60の駆動をフィーダーモーターMf、Mbに開始させるとともに(ステップS301)、テープセンサーSbが部品供給テープ60の終端601を検出する検出タイミングを監視する(ステップS302)。そして、テープセンサーSbが部品供給テープ60の終端601を検出すると(ステップS302で「YES」)、フィーダー制御部50は、検出タイミングから所定時間が経過したかを確認する(ステップS303)。この所定時間は、部品供給テープ60の終端601がテープセンサーSbにより検出されてからテープフィーダー5から排出されるまでに要する時間に相当する。そして、所定時間の経過が確認されると(ステップS303で「YES」)、フィーダー制御部50は、フィーダーモーターMf、Mbによる部品供給テープ60の駆動を停止する(ステップ304)。
以上に説明した実施形態では、フィーダー制御部50は、テープ排出動作をフィーダーモーターMf、Mbに開始させると、テープセンサーSbが部品供給テープ60の終端601を検出する検出タイミングを監視する。そして、フィーダー制御部50は、検出タイミングから求まる部品供給テープ60の排出タイミング(すなわち、検出タイミングから所定時間が経過したタイミング)に応じてフィーダーモーターMf、Mbを停止させる。かかる構成では、テープセンサーSbが部品供給テープ60の終端601を検出した検出タイミングに基づいた適切なタイミングで、テープ排出動作を実行するフィーダーモーターMf、Mbを停止することができる。したがって、部品供給テープ60の排出が完了すると、フィーダーモーターMf、Mbを速やかに停止することができる。
図12は部品実装機におけるピックアップ動作での処理の第3例を示すフローチャートである。かかるフローチャートは、主制御部100とフィーダー制御部50との協働制御よって実行される。ここでは、図7のフローチャートとの差異部分を中心に説明することとし、共通する部分は相当符号を付して適宜説明を省略する。ただし、共通する構成を備えることで、同様の効果が奏されることは言うまでもない。
ステップS401では、部品供給位置Lsのポケット621からの部品Eのピックアップに実装ヘッド31が成功したか否かが監視される。そして、実装ヘッド31が部品Eのピックアップに失敗すると(ステップS401で「NO」)、基板認識カメラ8が当該ピックアップの対象となった部品供給位置Lsの上方へ移動して(ステップS402)、部品供給位置Lsを撮像する(ステップS403)。
そして、演算処理部110は、部品供給位置Lsにおいてポケット621の露出に成功しているかを確認する(ステップS404)。このステップS404では、ポケット621の開口のうち、部品Eのピックアップに必要な範囲からカバーテープ64が除去されている場合は、露出成功(YES)と判定され、当該範囲にカバーテープ64の少なくとも一部が重複する場合には、露出失敗(NO)と判定される。そして、ステップS404で露出失敗(NO)と判定されると、演算処理部110は、ポケット621pの露出に失敗した旨を、ユーザーインターフェース160を介して作業者に報知する(ステップS405)。 一方、ステップS404で露出成功(YES)と判定されると、上述の図7と同様にしてステップS107以後が実行される。
以上に説明した実施形態においても、露出されたポケット621が位置する部品供給位置Lsを撮像した画像から、部品供給位置Lsに搬送されたポケット621内の部品Eの有無が確認される。つまり、露出されたポケット621を撮像した画像に基づき当該ポケット621内の部品Eの有無が確認される。その結果、部品供給テープ60の部品切れの発生を的確に判定することが可能となっている。
なお、実装ヘッド31による部品Eのピックアップの失敗は、部品供給テープ60の部品切れ以外に、部品Eの露出の失敗によっても生じうる。そこで、演算処理部110は、基板認識カメラ8が撮像した画像から、部品供給位置Lsに供給された部品Eの露出が成功したと判定した場合に、部品供給位置Lsに搬送されたポケット621内の部品Eの有無を確認する(ステップS107)。一方、演算処理部110は、当該部品Eの露出が失敗したと判定した場合に、部品供給位置Lsのポケット621内の部品Eの有無を確認しない。これによって、実装ヘッド31による部品Eのピックアップの失敗の原因が部品Eの露出の失敗による場合に、ポケット621内の部品Eの有無の確認を不要に実行されるのを抑制できる。
このように本実施形態では、部品実装機1が本発明の「部品実装機」の一例に相当し、テープフィーダー5が本発明の「テープフィーダー」の一例に相当し、フィーダーモーターMf、Mbが本発明の「テープ駆動部」の一例に相当し、部品露出部材59が本発明の「露出部」の一例に相当し、部品供給位置Lsが本発明の「供給位置」の一例に相当し、コンベア12が本発明の「基板搬入部」の一例に相当し、実装ヘッド31が本発明の「実装ヘッド」の一例に相当し、基板認識カメラ8あるいは部品認識カメラ9が本発明の「撮像部」の一例に相当し、基板認識カメラ8が本発明の「カメラ」の一例に相当し、主制御部100およびフィーダー制御部50が協働して本発明の「制御部」の一例として機能し、テープセンサーSbが本発明の「センサー」の一例に相当し、部品供給テープ60が本発明の「部品供給テープ」の一例に相当し、キャリアテープ62が本発明の「キャリアテープ」の一例に相当し、ポケット621が本発明の「収容部」の一例に相当し、トレイル部Tが本発明の「所定範囲」の一例に相当し、カバーテープ64が本発明の「カバーテープ」の一例に相当し、部品Eが本発明の「部品」の一例に相当し、基板Bが本発明の「基板」の一例に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、テープ排出動作での部品供給テープ60での移動速度も適宜変更が可能である。
また、部品供給テープ60の部品切れが生じたと判定した場合には、テープ排出動作を実行せずに、部品切れの報知をユーザーインターフェース160により実行して、部品切れが生じた部品供給テープ60と次の部品供給テープ60を接続するスプライシングの実行を作業者に促しても良い。
また、部品供給位置Lsにおいてポケット621を露出させる構成は上記の例に限られない。つまり、特開2017−143225号公報に記載のように、カバーテープ64を引っ張ってキャリアテープ62から剥離する剥離部材によって、ポケット621を露出させても良い。
また、部品切れの発生確認に、複数のポケット621について部品Eの不存在を確認することは要しない。つまり、単一のポケット621について部品Eが存在しないことを確認した時点で、部品供給テープ60の部品切れが生じたと判定しても良い。