JPWO2019131296A1 - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

実景の視認性を確保しつつも、車両の挙動を想起させる表示を行うことができるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置を提供する。HUD装置100は、車両1に搭載され、フロントガラス2に画像を表す表示光Lを投射することで、フロントガラス2の前方に設定された仮想面Aに画像を虚像Vとして表示する。HUD装置100は、表示光Lを発する表示部と、表示部の動作を制御することで、仮想面Aに表示される画像を制御する制御部と、を備える。仮想面Aは、車両1の上下方向に対して前方に傾いて設定され、仮想面Aに表示される画像は、線状又は点状の画像要素の組み合わせにより面を想起させる面想起画像を含む。制御部は、車両1の走行速度を取得し、面想起画像を、取得した走行速度に応じて画像要素が移動する動画態様で表示する。

Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置に関する。
車両のフロントガラス等の透光部材に画像を表す表示光を投射することで、透光部材の前方に画像を虚像として表示するヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)装置が、例えば、特許文献1に開示されている。
特許文献1は、図4(a)においてHUD装置について開示しているが、主には、車内に設けられたディスプレイの表示窓に直接、車速に応じて動く縞パターンを表示することで、車両の挙動を運転者の視覚を介して伝達する表示装置について開示している。
特開2007−210587号公報
HUD装置では、透光部材越しに見える道路などの景色(実景)に重ねて画像(虚像)を表示するため、特許文献1のように主に実画面による表示を想定したパターンを車速に応じて動かすだけでは、実景の視認性を妨げる虞がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、実景の視認性を確保しつつも、車両の挙動を想起させる表示を行うことができるヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置は、
車両に搭載され、透光部材に画像を表す表示光を投射することで、前記透光部材の前方に設定された仮想面に前記画像を虚像として表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記表示光を発する表示部と、
前記表示部の動作を制御することで、前記仮想面に表示される前記画像を制御する制御部と、を備え、
前記仮想面は、前記車両の上下方向に対して前方に傾いて設定され、
前記仮想面に表示される前記画像は、線状又は点状の画像要素の組み合わせにより面を想起させる面想起画像を含み、
前記制御部は、前記車両の走行速度を取得し、
前記面想起画像を、取得した前記走行速度に応じて前記画像要素が移動する動画態様で表示する。
本発明によれば、実景の視認性を確保しつつも、車両の挙動を想起させる表示を行うことができる。
本発明の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の車両への搭載態様を示す図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の構成を説明するための概略側面図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置などを示すブロック図である。 路面の勾配角などを説明するための模式図である。 (a)は、車両のフロントガラス越しに見える路面に重畳表示される虚像を示した模式図であり、(b)は、虚像を構成する各画像を説明するための図である。 (a)は、仮想グリッドを説明するための図であり、(b)は、面想起画像を示す図である。 (a)は、特殊モードにおける面想起画像を示す図であり、(b)は、特殊モードにおける虚像の表示例を示す図である。 表示制御処理の一例を示すフローチャートである。 (a)及び(b)は、変形例に係る面想起画像を示す図である。
本発明の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置について図面を参照して説明する。
本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置(HUD:Head-Up Display)装置100は、図1に示すように、例えば、車両1のダッシュボード3内に配設される。
HUD装置100は、コンバイナ処理されたフロントガラス2に向けて表示光Lを射出する。フロントガラス2で反射した表示光Lは、ユーザ4(主に車両1の運転者)側へと向かう。ユーザ4は、視点をアイボックスEb内におくことで、フロントガラス2の前方に、表示光Lが表す画像を虚像Vとして視認することができる。つまり、HUD装置100は、フロントガラス2の前方に虚像Vを表示する。これにより、ユーザ4は、虚像Vを風景と重畳させて観察することができる。虚像Vは、車両1に関する各種情報(以下、車両情報と言う。)を表示する。なお、車両情報は、車両1自体の情報のみならず、車両1の外部情報も含む。
本実施形態に係るHUD装置100は、図1に示すように、フロントガラス2の前方に設定されるとともに、車両1の上下方向に対して前方に傾いて設定された仮想面Aに虚像Vを表示する。なお、仮想面Aは、後述のスクリーン30の表示面31に対応し、虚像Vの表示可能領域となる。仮想面Aは、その法線方向から見て矩形状となる。例えば、仮想面Aは、車両1に最も近い一端が、車両1から5m程度(例えば6m)の位置に設定され、車両1から最も遠い他端が、車両1から10m程度(例えば12m)の位置に設定される。仮想面A及びアイボックスEbは、後述のスクリーン30の大きさや、HUD装置100内の各種の鏡や、コンバイナ処理されたフロントガラス2によって構成される光学系に基づいて予め設定される。
HUD装置100は、図2及び図3に示すように、表示器10と、第1〜第3平面鏡21〜23と、スクリーン30と、凹面鏡40と、筐体50と、制御装置60と、を備える。まず、図2に示した各部について説明する。
表示器10は、表示光Lを生成・射出するものであり、例えば、DMD(Digital Micro mirror Device)やLCOS(Liquid Crystal On Silicon)などの反射型表示デバイスを用いたプロジェクタなどからなる。表示器10は、制御装置60の制御の下で生成した表示光Lを第1平面鏡21に向けて射出する。
第1平面鏡21は、例えばコールドミラーからなり、表示器10からの表示光Lの光路上に傾いて配置される。表示器10からの表示光Lは、第1平面鏡21で反射し、スクリーン30へと向かう。
スクリーン30は、例えば、ホログラフィックディフューザ、マイクロレンズアレイ、拡散板等の透過型スクリーンから構成される。スクリーン30は、表示光Lを受ける面の裏側の表示面31において、表示光Lが示す画像を表示する。これに伴い、表示面31に表示された画像に対応する表示光Lが、第2平面鏡22に向けて射出される。
この実施形態では、スクリーン30を車両1の上下方向に対して前方に傾けることにより、虚像Vの表示面である仮想面Aが車両1の上下方向に対して前方に傾いて設定されている。なお、仮想面Aをこのように設定する手法としては、適宜公知の手法を採用することができ、例えば、表示光Lの光路上に位置する反射部の傾きや曲率を調整することで傾いた仮想面Aを実現してもよい。
第2平面鏡22は、スクリーン30からの表示光Lを、第3平面鏡23に向けて反射させる。第3平面鏡23は、第2平面鏡22からの表示光Lを凹面鏡40に向けて反射させる。第2平面鏡22及び第3平面鏡23は、各々、例えばコールドミラーから構成されている。なお、この実施形態では、表示光Lの光路を折り返す平面鏡として、第1〜第3平面鏡21〜23の3枚を用いているが、平面鏡は1枚以上であればよい。平面鏡を何枚用いるかや、どのように表示光Lの光路を折り返すかは、設計に応じて適宜変更可能である。
凹面鏡40は、第3平面鏡23からの表示光Lを拡大しつつ、フロントガラス2に向けて反射させる。これにより、ユーザ4に視認される虚像Vは、スクリーン30に表示されている画像が拡大されたものとなる。
筐体50は、合成樹脂や金属により遮光性を有して箱状に形成されている。筐体50には、表示光Lの光路を確保する開口部が設けられ、この開口部を塞ぐように透光性カバー51が取り付けられている。透光性カバー51は、アクリル等の透光性樹脂から形成されている。
凹面鏡40で反射した表示光Lは、透光性カバー51を透過して、フロントガラス2へと向かう。このようにして、HUD装置100からフロントガラス2に向けて表示光Lが射出される。この表示光Lがフロントガラス2で反射することで、ユーザ4から見てフロントガラス2の前方に虚像Vが表示される。
なお、凹面鏡は、図示しないアクチュエータにより、回転移動または平行移動可能に設けられていてもよい。例えば、凹面鏡が、図2における時計回り・反時計回りに回転可能に設けられ、凹面鏡が回転して表示光Lの反射角が変更されることで、虚像Vの表示位置(高さ)が調整可能となっていてもよい。当該調整は、図示しない操作部からのユーザ操作や、図示しない視点検出手段が検出した視認者の視点位置に応じて、制御装置60の制御の下で実行されればよい。
続いて、主に図3を参照して、HUD装置100の制御構成を説明する。
制御装置60は、HUD装置100の全体動作を制御するものであり、制御部61と、記憶媒体62と、I/F(InterFace)63と、を備える。
制御装置60は、I/F63を介して、車両1内の各種システムと、例えばCAN(Controller Area Network)などにより通信が可能となっている。HUD装置100には、電源が接続されており、例えば、車両1のイグニッションのオンに伴って制御装置60へ動作電力が供給される。
制御部61は、マイクロコンピュータからなり、動作プログラムや各種の画像データが記憶されたROM(Read Only Memory)と、各種の演算結果などを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、ROMに記憶された動作プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、CPUと協働して画像処理を実行するGPU(Graphics Processing Unit)と、CPU及びGPUの制御により表示器10を駆動する駆動回路とを有する。特に、ROMには、後述する表示制御処理を実行するための動作プログラムが格納されている。なお、制御部61の一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用回路によって構成されていてもよい。
記憶媒体62は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)、DVD−ROM、CD−ROM等から構成される。記憶媒体62は、地図情報及び走路形状を示すための三次元の座標情報(三次元情報)からなるデジタルマップデータを記憶する。デジタルマップデータは、走路の形状を示す走路形状データ、走路の基準高さ(海抜など)を示す高さデータ、走路の長手方向の傾き(勾配)を示す勾配データ、走路の幅方向の傾きを示す傾きデータ、走路の曲率を示す曲率データ、走路の制限速度を示す制限速度データ等の各種データを、走路の所定位置(所定の緯度経度)毎に有して構成されている。デジタルマップデータは、制御部61が描画処理を実行する際に使用される。
制御部61のCPUは、GPUと協働して、ROMに記憶された各種の画像データや、記憶媒体62に記憶されたデジタルマップデータに基づき、表示器10の表示制御(表示光Lの生成制御)を行う。GPUは、CPUからの表示制御指令などに基づき、表示器10における表示動作の制御内容を決定する。例えば、GPUは、表示器10からの表示光Lによりスクリーン30に表示される画像の切換タイミングを決定することなどにより、各種の表示を実行させるための制御を行う。このようにして、制御部61は、虚像Vの表示制御を行う。また、虚像Vを構成する各画像には予めレイヤが割り当てられており、制御部61は、各画像の個別の表示制御が可能となっている。
I/F63は、車両1内に配設された操作部70、車速センサ81、自車姿勢検出部82、GPS(Global Positioning System)装置83、無線通信部84、前方状況検出部85、及びECU(Electronic Control Unit)86の各々と制御部61とを電気的に接続するための回路である。
HUD装置100の構成は以上である。続いて、HUD装置100の制御装置60と通信を行う各種構成について説明する。車両1内においては、HUD装置100と以下の各種構成により車両用表示システムが構成される。
操作部70は、ユーザ4による各種操作を受け付けるものであり、受け付けた操作内容を示す信号を制御部61に供給する。例えば、操作部70は、ユーザ4による、後述の地図情報などを示す第1報知画像V1の拡大又は縮小操作や、虚像Vの表示モードの切替操作などを受け付ける。
車速センサ81は、車両1の走行速度(車速)を検出し、車速に応じた信号を制御部61に出力する。車速センサ81は、例えば、車輪と同期して回転する被検出部(例えば、ギアの凹凸や金属突起)を検出するホール素子からなり、車速に応じた周波数の車速信号を制御部61に供給する。制御部61は、取得した車速信号をA/D(Analog to Digital)変換し、車速信号の周波数に応じた車速を算出し、取得する。
自車姿勢検出部82は、車両1(以下、「自車1」とも言う。)の姿勢を検出するものであり、例えばジャイロセンサからなる。ジャイロセンサは、自車1の向き(進行方向)や自車勾配角θを検出し、検出結果を示す信号を制御部61へ出力する。自車勾配角θは、図4に示すように、水平面Hと自車1とのなす角を示す。一例として、自車勾配角θの正の方向は、同図における時計周り方向とする(後述の勾配角γも同様)。なお、自車勾配角θは、後述のGPS装置83からの位置情報と、記憶媒体62のデジタルマップデータとに基づいて算出することも可能である。また、自車姿勢検出部82は、操舵角センサやヨーレートセンサを含んでいてもよい。
GPS装置83は、自車1の現在位置の緯度経度を求めるものであり、GPS用の受信アンテナや増幅回路を備え、当該受信アンテナで人工衛星から受信した位置情報を示す送信電波を、高周波信号として増幅した信号を制御部61へ出力する。制御部61は、GPS装置83からの位置情報に基づいて、現在位置近傍の地図情報及び走路形状のデータなどを記憶媒体62から読み出し、ユーザ4(主に運転者)により設定された目的地までの案内経路を決定するカーナビゲーションコントローラとしても機能する。
無線通信部84は、アンテナ、高周波回路等を備え、路車間通信を行う。無線通信部84は、インフラストラクチャーとして設置された路側無線装置を介して、道路情報(各種道路の勾配角を示す勾配情報を含む。その他、制限速度、車線、道路の幅員、交差点、カーブ、分岐路に関する情報など)を受信し、制御部61へ出力する。例えば、無線通信部84は、交通管制用の基地局(例えば、安全運転支援システム(DSSS:Driving Safety Support Systems)の基地局)から、路側無線装置を介して、道路情報を取得する。制御部61は、無線通信部84から取得した勾配情報により、路面Rの勾配角γが把握可能となっている。図4に示すように、勾配角γは、水平面Hと路面Rとのなす角を示す。なお、路面Rは、車両1の前方の走路であって、図5(a)に示すように、少なくともユーザ4がフロントガラス2越しに視認可能なものである。
前方状況検出部85は、例えば、自車1の前方風景(路面Rを含む)を撮像する撮像手段(ステレオカメラなど)、撮像手段による撮像により得た撮像画像を解析する画像解析部、被写体との距離を測定する距離センサ等から構成されている。前方状況検出部85は、撮像画像をパターンマッチング法などの公知の手法により解析することで、自車1の前方における各種対象を検出する。当該各種対象は、路面R上の物体に関する情報(先行車や障害物)や、道路形状情報(路面Rの傾斜を含む。その他、車線、道路の幅員、交差点、カーブ、分岐路に関する情報等)などである。なお、前方状況検出部85は、ソナー、超音波センサ、ミリ波レーダ等を含んで構成されてもよい。
ECU86は、車両1の各部の制御を行うものであり、この実施形態では特に、車両1を自動運転モードと手動運転モードとで切替制御する。そして、ECU86は、現在、車両1が手動運転モードであるか自動運転モードであるかを示す運転モード情報を制御部61に出力する。例えば、車両1が手動運転モードに設定されているときの自動運転レベルは、レベル0又はレベル1である。レベル0においては、運転者がすべての主制御系統(加速・操舵・制動)の操作を行う。レベル1においては、加速・操舵・制動のいずれか一つをシステムが支援的に行う。また、車両1例えば、自動運転モードに設定されているときの自動運転レベルは、レベル3以上である。レベル3においては、限定的な環境下若しくは交通状況のみ、システムが加速・操舵・制動を行い、システムが要請したときは運転者が対応する。
制御部61は、後述する虚像Vの構成画像を適切に表示するため、まず、自車1の前方道路のうち、自車1からの仮想面Aの設定位置(例えば、自車1から数m〜十数m)における路面Rの形状を、GPS装置83からの位置情報や記憶媒体62に記憶されたデータに基づき特定する。また、制御部61は、特定した路面Rの勾配角γを、GPS装置83からの位置情報と記憶媒体62に記憶されたデータに基づき取得可能な勾配データ、無線通信部84から取得した勾配情報などに基づき特定する。また、制御部61は、自車姿勢検出部82からの検出信号に基づき、自車勾配角θを特定する。そして、制御部61は、自車1に対する前方路面Rの相対角γ1を、路面Rの勾配角γから自車勾配角θを減算することで算出(推定)する。なお、制御部61、相対角γ1に相当する自車1から見た路面Rの勾配を、前方状況検出部85からの情報に基づいて算出(推定)してもよい。前方状況検出部85が検出する路面Rの傾斜は、自車1に搭載された撮像手段により得られる撮像画像に基づくものであるため、相対角γ1に相当するものとなる。
続いて、HUD装置100の制御装置60が表示器10の動作を制御することで、仮想面Aに表示される虚像Vについて説明する。
虚像Vは、図5(a)及び(b)に示すように、面想起画像VSと、第1報知画像V1と、第2報知画像V2と、を含んで構成されている。
なお、図5(a)及び(b)に示す虚像Vは、車両1の運転席に着座したユーザ4(運転手)からの見え方を表したものである(後述の図6、図7、図9も同様)。前述のように仮想面Aは、斜めに設定されているため、図5(a)及び(b)のように虚像Vをユーザ4に視認させるためには、ユーザ4の視点から視認させたい像の仮想面A上への射影を考慮して、制御部61は、虚像Vの表示制御を行う。例えば、ユーザ4に、自身と正対する長方形の虚像Vを視認させるためには、当該長方形をユーザ4の視点から仮想面A上へ射影して得られる台形状の虚像Vを表示させることになる。以下で説明する虚像Vを構成する各画像は、このように仮想面Aが斜めであることを考慮して表示制御される。なお、ユーザ4の視点位置として、制御部61は、ROM内に予め格納した想定される視点位置を用いてもよいし、図示しない視点検出手段(ユーザ4を撮像するカメラなど)からの検出信号に基づき適宜特定してもよい。
面想起画像VSは、図5(b)に示す線状の画像要素Eの組み合わせにより、ユーザ4に、面を想起させる画像であり、図5(a)に示すように車両1の前方の路面Rに沿ってユーザ4に視認される。
制御部61は、前述のように、特定可能な路面Rの形状や、算出可能な路面Rの勾配角γ、相対角γ1に基づき、ユーザ4にとって、路面Rの一部と概ね平行(丁度、平行も含む)に面想起画像VSが視認されるように、表示器10を表示制御する。
画像要素Eは、例えば、図6(a)に示す仮想グリッドGに従って描画される。仮想グリッドGは、前記のように特定した前方の路面Rに沿うように生成される。
仮想グリッドGは、遠近法(Perspective)を考慮して、例えば、一点透視図法により、設定された消失点Pからユーザ4側に向う複数の線と、左右方向に延びる複数の線との組合せにより構成される。消失点Pは、ユーザ4の視点位置と仮想面Aとの関係を考慮して予め設定され、ROMに記憶されていてもよいし、前方状況検出部85の画像解析により、前方風景における水平線や視認限界となる走路先端を特定し、当該特定結果に基づいて算出したものを用いてもよい。また、仮想グリッドGにおける左右方向に延びる複数の線は、ユーザ4側から消失点Pに近づけば近づくほど、配列間隔が短くなっている。つまり、仮想グリッドGの模様は、遠くになればなるほどきめが細かくなる「きめの勾配」を考慮して設定される。仮想グリッドGは、実際に虚像Vとして表示されるものではなく、制御部61が面想起画像VSを描画するために用いられる。
この実施形態では、制御部61は、図6(b)に示すように、仮想グリッドGにおける消失点Pからユーザ4側に向う複数の線上に位置するように、線状の画像要素Eを描画する。また、線状の画像要素Eは、仮想グリッドGにおける左右方向に延びる複数の線の配列間隔を考慮して、消失点Pに近づけば近づくほど、長さが短くなるように描画される。これにより、複数の線状の画像要素Eからなる面想起画像VSは、図6(b)に示すように、遠近感を考慮した面をユーザ4に想起させることが可能になる。
また、制御部61は、面想起画像VSを、画像要素Eがユーザ4に向かうように、車両1の走行速度(車速)に応じて移動させる動画態様で表示する。これにより、ユーザ4に車両1の挙動を視覚を介して伝達することができる。また、面想起画像VSは、線状(または後述するように点状)の画像要素Eにより構成されるため、実景の視認性を確保することができる。
第1報知画像V1は、図5(a)、(b)に示すように、車両1の現在地近傍の地図情報や、案内経路を示すものである。制御部61は、GPS装置83からの位置情報と記憶媒体62のデジタルマップデータに基づき、車両1の現在地近傍の地図情報や、案内経路を示す第1報知画像V1の表示制御を行う。第1報知画像V1は、前述のように生成される仮想グリッドGに沿って、つまり、面想起画像VSに沿って表示される。第1報知画像V1は、面想起画像VSとは異なり、全体としては走行速度(車速)に応じて移動しない。なお、第1報知画像V1が現在の自車1の位置を表す自車画像を含んでいた場合は、当該自車画像については車速に応じて移動させてもよい。
第1報知画像V1は、ユーザ4による操作部70からの拡大操作に応じて、制御部61の制御により、拡大表示が可能となっている。制御部61は、第1報知画像V1の拡大表示に合わせて、面想起画像VSを構成する画像要素Eの左右方向の配列ピッチを広くする。これにより、面想起画像VSと連動して第1報知画像V1が拡大表示されたように感じさせることができる。また、第1報知画像V1は、ユーザ4による操作部70からの縮小操作に応じて、制御部61の制御により、縮小表示が可能となっている。制御部61は、第1報知画像V1の縮小表示に合わせて、面想起画像VSを構成する画像要素Eの左右方向の配列ピッチを狭くする。これにより、面想起画像VSと連動して第1報知画像V1が縮小表示されたように感じさせることができる。なお、制御部61は、第1報知画像V1の拡大・縮小表示に合わせて、消失点Pからユーザ4側に向う複数の線の配列ピッチや、長さを変化させてもよい。
第2報知画像V2は、図5(a)、(b)に示すように、一例として、車両1の走路の制限速度を報知するための画像である。制御部61は、GPS装置83からの位置情報と記憶媒体62のデジタルマップデータや、無線通信部84で受信した制限速度を示すデータに基づき、第2報知画像V2の表示制御を行う。第2報知画像V2は、仮想面Aに表示されるものの、ユーザ4から見ると、面想起画像VSに対して起き上がったように視認される擬似起立画像として制御部61に表示制御される。一例として、第2報知画像V2は、ユーザ4にとっては、自身とほぼ正対して視認される。第2報知画像V2も、面想起画像VSとは異なり、全体としては走行速度(車速)に応じて移動しない。なお、第2報知画像V2は、車速センサ81が検出した車速を数値により表す車速表示などであってもよい。当該車速表示は、当然、車速に応じて変化して表示されることになるが、車速に応じて移動しないことには変わりがない。
なお、図5(a)、(b)に示した例では、第1報知画像V1の表示領域においても、面想起画像VSが表示されている例を示したが、第1報知画像V1の表示領域においては、他の表示領域に比べて面想起画像VSの表示輝度などを低下させて視認困難としたり、面想起画像VSを非表示にしたりしてもよい。また、面想起画像VS、第1報知画像V1、及び第2報知画像V2の表示優位度をレイヤにより予め定めてもよい。例えば、表示優位度が高い方(レイヤが上位な方)から、第2報知画像V2、第1報知画像V1、面想起画像VSとし、面想起画像VSの表示優先度を最も低く設定するなどしてもよい。
ここで、HUD装置100が表示する虚像Vは、重畳対象によって見え方が変化するという特性がある。例えば、前方に建物や先行車など(以下、前方物体と言う。)がある場合、ユーザ4がそれらに焦点を合わせたことに応じて、ユーザ4にとっては虚像Vがやや立ち上がったように感じてしまったりする。したがって、虚像Vとして、第1報知画像V1や第2報知画像V2のみを表示する場合は、このように見え方が変化してしまう可能性がある。一方で、動きを感じさせる画像では、人間は当該動きに敏感に反応する。したがって、車速に応じたアニメーションが可能な面想起画像VSによれば、ユーザ4は、前方物体に極力つられずに、面を想起することができる。HUD装置100は、このように動きを感じさせる面想起画像VSをユーザ4に基準面として捉えさせた上で、当該基準面に対して第1報知画像V1や第2報知画像V2を視認させることで、ユーザ4に、車両1の挙動を感じさせつつも、第1報知画像V1と第2報知画像V2とを良好に視認させることができる。
また、図5(a)、(b)に示すように、面想起画像VSが路面Rに沿ってVR(Virtual Reality)表示されるモード(以下、「通常モード」と言う)から、所定の切替契機で、制御部61は、虚像Vの表示モードを、特殊モードへと切り替える。特殊モードの虚像Vは、図7(b)に示すように、第1報知画像V1が地図情報や案内経路を平面視で表すものであり、これにあわせて、面想起画像VSも平面視を感じさせるように変化する。具体的には、制御部61は、仮想グリッドGを、図7(a)に示すように、上下方向の線と、左右方向の線とが直交するように生成する。そして、制御部61は、図7(a)に示すように、仮想グリッドGにおける上下方向に延びる複数の線上に位置するように、線状の画像要素Eを描画する。なお、平面視に係る特殊モードでは、遠近感を創出する必要がないため、制御部61は、消失点Pや「きめの勾配」は考慮せずに面想起画像VSを描画する。
通常モードから特殊モードへの切替契機は、制御部61が、例えば、ユーザ4による操作部70からの表示モード切替操作を受け付けた場合や、ECU86から、車両1が自動運転モードとなったことを示す運転モード情報を受信した場合などであればよい。特殊モードから通常モードへの切替契機は、制御部61が、例えば、ユーザ4による操作部70からの表示モード切替操作を受け付けた場合や、ECU86から、車両1が手動運転モードとなったことを示す運転モード情報を受信した場合などであればよい。また、制御部61は、前方状況検出部85が検出した前方状況から、危険の蓋然性を特定した場合に、虚像Vを特殊モードから通常モードへと切り替えたり、通常モードと特殊モードのいずれの表示を終了させたり(例えば、第1報知画像V1や面想起画像VSを消去するなど)してもよい。
また、特殊モードにおいても、制御部61は、面想起画像VSを、画像要素Eがユーザ4に向かうように(図7(a)、(b)の上方から下方に向かうように)、車速に応じて移動させる動画態様で表示する。また、図示しないが、特殊モードにおいても、第2報知画像V2を適宜の位置に表示してもよい。
また、特殊モードは、第1報知画像V1や面想起画像VSを平面視で表す態様に限られない。第1報知画像V1や面想起画像VSを鳥瞰図で表してもよい。
例えば、制御部61は、予め設定された可変の仮想視点(仮想の上空に位置する視点)を用い、仮想視点からの地図平面までの射影を、仮想視点と記憶媒体62に記憶されたデジタルマップデータとに基づき演算し、第1報知画像V1の鳥瞰図を生成してもよい。この場合、生成した第1報知画像V1の鳥瞰図に応じた、鳥瞰態様の面想起画像VSを生成すればよい。鳥瞰態様の面想起画像VSを描画する際に使用する仮想グリッドGでは、消失点Pが表示領域内に設定されていても、表示領域外に設定されていてもよい。いずれの場合においても、制御部61は、消失点Pから仮想視点側に向う複数の線と、当該線と交差する複数の線との組合せにより構成される仮想グリッドGを生成し、生成した仮想グリッドGにおける、消失点Pから仮想視点側に向う複数の線上に位置する、線状の画像要素Eにより面想起画像VSを描画すればよい。この場合においても、仮想グリッドGの模様は、遠くになればなるほど(消失点Pに近づけば近づくほど)きめが細かくなる「きめの勾配」を考慮して設定すればよい。また、鳥瞰態様においても、制御部61は、面想起画像VSを、画像要素Eが消失点P側から所定の方向へ車速に応じて移動させる動画態様で表示すればよい。
なお、平面態様と鳥瞰態様のいずれの特殊モードにおいても、制御部61は、第1報知画像V1の拡大・縮小表示に合わせて、線状の画像要素Eの配列ピッチや、長さを変化させることで、面想起画像VSと連動して第1報知画像V1が拡大・縮小表示されたように感じさせればよい。
続いて、HUD装置100の制御部61により実行される表示制御処理の一例を、図8を参照して説明する。表示制御処理は、例えば、車両1のイグニッションのオン期間内に、所定の周期で繰り返し実行される。以下では、一例として、図5(a)、(b)に示す通常モードでの虚像Vの表示制御処理について説明する。
(表示制御処理)
表示制御処理を開始すると、制御部61は、画像生成に必要な情報を取得する(ステップS1)。具体的には、制御部61は、GPS装置83から車両1の位置座標を取得する。また、制御部61は、GPS装置83から取得した位置座標の時間変化や、自車姿勢検出部82のジャイロセンサからの信号に基づいて、車両1の進行方向を算出する。また、制御部61は、自車1からの仮想面Aの設定位置における路面Rの形状を、GPS装置83からの位置情報や記憶媒体62に記憶されたデータに基づき特定する。また、制御部61は、前記のように、路面の勾配角γ、自車勾配角θ、自車1に対する路面Rの相対角γ1を算出・取得する。また、制御部61は、仮想グリッドGの演算に必要な消失点Pを、ROMから取得するか、前方状況検出部85の画像解析に基づいて算出する。
続いて、制御部61は、面想起画像VS、第1報知画像V1、第2報知画像V2を生成し、表示器10の動作を駆動制御することで、これら各種画像からなる虚像Vを仮想面Aに表示させる(ステップS2)。具体的には、制御部61は、ステップS1で取得した前方の路面Rの形状や、相対角γ1に基づき、路面Rに沿う仮想グリッドGを演算し、当該仮想グリッドG上に線状の画像要素Eを描画することで面想起画像VSを生成する。また、制御部61は、GPS装置83からの位置情報と記憶媒体62のデジタルマップデータに基づき、車両1の現在地近傍の地図情報や、案内経路を示す第1報知画像V1を生成する。また、制御部61は、GPS装置83からの位置情報と記憶媒体62のデジタルマップデータや、無線通信部84で受信した制限速度を示すデータに基づき、第2報知画像V2の表示制御を行う。
続いて、制御部61は、車速センサ81から車速を取得し(ステップS3)、取得した車速に基づいて、車両1が停車しているか否かを判別する(ステップS4)。なお、車両1が停車しているか否かは、ECU86から取得可能なブレーキ情報や、GPS装置83から取得した位置座標の時間変化に基づいて判別してもよい。
ステップS4で、車両1が停車していないと判別した場合(ステップS4;No)、制御部61は、面想起画像VSを動画態様で表示する際の画像要素Eの移動速度を算出する(ステップS5)。例えば、制御部61は、ROM内に予め格納された、車速と対応付けられた画像要素Eの移動速度を示すテーブルデータを参照し、ステップS3で取得した車速に応じた移動速度を取得する。なお、ステップS3で取得した車速をそのまま移動速度としてもよいし、ステップS3で取得した車速に予め定められた係数α(0<α<1であっても、α>1であってもよい)を乗算することで画像要素Eの移動速度を算出してもよい。
続いて、制御部61は、表示器10を駆動制御し、面想起画像VSを、ステップS5で算出した移動速度で画像要素Eがユーザ4に向かうように、動画態様で表示する(ステップS6)。つまり、面想起画像VSを、画像要素Eが車両1の車速に応じて移動する動画態様で表示する。
ステップS4で、車両1が停車していると判別した場合(ステップS4;Yes)、制御部61は、面想起画像VSを、予めROM内に記憶した設定速度で画像要素Eがユーザ4に向かうように、動画態様で表示する(ステップS8)。これにより、車両1が停車時においても、面想起画像VSに動きを感じさせることができ、ユーザ4は、前方物体に極力つられずに、面を想起することができる。ステップS8の実行後、制御部61は、またステップS1に戻って処理を実行する。
なお、停車時における画像要素Eの移動速度は、停車直前における移動速度(つまり、ステップS4でYesと判別される直前に、ステップS5で算出した移動速度)であってもよい。また、停車時においては、画像要素Eがユーザ4に向かって移動する態様でなく、画像要素Eを揺動させたり、点滅させたりしてもよい。
ステップS6に続いて、制御部61は、ステップS3で取得した車速が、予めROM内に記憶した閾値を超えたか否かを判別する(ステップS7)。当該閾値は、高速走行しているか否かを判別するための閾値である。車速が閾値以下である場合(ステップS7;No)、制御部61は、またステップS1に戻って処理を実行する。
一方、車速が閾値を超えた場合(ステップS7;Yes)、つまり、所定の高速走行をしていると見做せる場合、制御部61は、視認性確保処理を実行する(ステップS9)。視認性確保処理は、画像要素Eが車速に応じて高速で動くことにより、ユーザ4に煩雑さを与えてしまうことを抑制する処理である。視認性確保処理として、制御部61は、車速が閾値以下であった場合よりも、面想起画像VSの視認性を低下させる(例えば、表示輝度を低下させる、明度や彩度を低下させる等)か、面想起画像VSが含む画像要素Eの数を減らすかの少なくともいずれかの制御を行う。ステップS9の処理後、制御部61は、またステップS1に戻って処理を実行する。以上が表示制御処理である。なお、表示制御処理の実行中に、虚像Vの表示モードが、通常モードから、平面態様や鳥瞰態様の特殊モードへ切り替わった場合においても、制御部61は、同様に表示制御処理を繰り返し実行する。
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
(変形例)
以上の例では、面想起画像VSを、仮想グリッドGにおける消失点Pからユーザ4側に向う線上に位置する、線状の画像要素Eにより構成した例を示したが、これに限られない。
例えば、図9(a)に示すように、仮想グリッドGにおける消失点Pからユーザ4側に向う線と、左右方向に延びる線との各々に沿う、線状の画像要素Eにより構成したグリッド(格子)状の面想起画像VS1であってもよい。面想起画像VS1は、図9(a)に示すように、仮想グリッドGを構成する複数の線の少なくとも一部に重畳されるものであってもよいし、図示しないが、仮想グリッドGの構成する複数の線の全てと一致するものであってもよい。また、図9(b)に示すように、仮想グリッドGを構成する線と重畳する、複数の十字状の画像要素Eにより構成した面想起画像VS2であってもよい。また、以上のように線状の画像要素Eの組合せに限られず、ユーザ4に面を想起させることができれば、点状の画像要素の組合せ、または線状の画像要素と点状の画像要素との組合せにより、面想起画像を構成してもよい。
また、仮想グリッドGや、仮想グリッドG上に生成される面想起画像VS、VS1、VS2(以下、符号VS1、VS2は省略する。)は、直線で構成されるものに限られない。制御部61は、GPS装置83からの位置情報と記憶媒体62のデジタルマップデータに基づき、前方の路面Rに沿うように、仮想グリッドGや面想起画像VSを曲線で構成してもよい。例えば、前方の路面Rの長手方向の勾配だけでなく、路面Rの幅方向の傾きや曲率をGPS装置83からの位置情報と記憶媒体62のデジタルマップデータに基づき特定し、当該幅方向の傾きや曲率も考慮して、仮想グリッドGや面想起画像VSを生成してもよい。
また、制御部61は、自車姿勢検出部82が含む操舵角センサやヨーレートセンサからの検出信号に応じて、車両1の予想される走行軌跡を演算し、演算した走行軌跡に沿うように、仮想グリッドGや面想起画像VSを曲線で構成してもよい。
また、以上では、制御部61が生成した仮想グリッドGを基準として、面想起画像VSを描画制御する例を示したが、これに限られない。仮想グリッドGを介さずに面想起画像VSを描画制御してもよい。また、面想起画像VSは、ユーザ4に面を想起させることができれば、消失点Pや、きめの勾配を用いずに描画されたものであってもよい。面想起画像VSをどのような態様で描画するかは、目的に応じて適宜変更可能である。
また、図示しないアクチュエータによりスクリーン30の角度を調整可能とし、仮想面A自体を、前方の路面Rの一部と平行に制御する構成を採用してもよい。
また、HUD装置100の筐体50内において、表示光Lの元となる表示像を表示する表示部は、DMDなどの反射型表示デバイスからなる表示器10とスクリーン30の組合せに限られない。当該表示部を、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどから構成してもよい。
また、表示光Lの投射対象(透光部材)は、車両1のフロントガラス2に限定されず、板状のハーフミラー、ホログラム素子等により構成されるコンバイナであってもよい。
また、HUD装置100が搭載される車両1の種類は限定されず、自動四輪車や、自動二輪車など、様々の車両に適用可能である。
(1)以上に説明したHUD装置100は、車両1に搭載され、透光部材(フロントガラス2)に画像を表す表示光Lを投射することで、透光部材の前方に設定された仮想面Aに画像を虚像Vとして表示する。HUD装置100は、表示光Lを発する表示部(例えば、表示器10)と、表示部の動作を制御することで、仮想面Aに表示される画像を制御する制御部61と、を備える。仮想面Aは、車両1の上下方向に対して前方に傾いて設定され、仮想面Aに表示される画像は、線状又は点状の画像要素Eの組み合わせにより面を想起させる面想起画像VSを含む。制御部61は、車両1の走行速度を取得し、面想起画像VSを、取得した走行速度に応じて画像要素Eが移動する動画態様で表示する。
このようにしたから、前述の通り、実景の視認性を確保しつつも、車両の挙動を想起させる表示を行うことができる。また、虚像Vが表示される仮想面Aは、車両1の上下方向に対して前方に傾いて設定されているため、仮想面Aが上下方向に沿ってユーザ4と正対して設定されている場合に比べて、実景との対比において、ユーザ4に極力煩わしさを感じさせることなく虚像Vを表示することができる。
(2)また、仮想面Aに表示される画像は、走行速度に応じて移動しない報知画像(第1報知画像A1や第2報知画像A2)を含む。
(3)また、報知画像は、面想起画像VSに対して起き上がったように視認される擬似起立画像としての第2報知画像V2を含む。
このように、走行速度に応じては移動しない第1報知画像V1や第2報知画像V2を、動きを感じさせる面想起画像VSを基準として視認させることで、ユーザ4に、車両1の挙動を感じさせつつも、第1報知画像V1や第2報知画像V2を良好に把握させることができる。
(4)また、制御部61は、車両1が停まった場合であっても画像要素Eを移動させる。これにより、車両1が停車時においても、面想起画像VSに動きを感じさせることができ、ユーザ4は、前方物体に極力つられずに、面を想起することができる。
(5)また、制御部61は、透光部材を透かして前方に視認される路面Rに沿うように面想起画像VSを表示する(通常モードにおける表示)。これにより、AR(Augmented Reality)を利用した表示が可能である。
(6)また、制御部61は、路面Rに沿うように面想起画像VSを表示する第1態様(通常モード)と、第1態様とは異なる態様で面想起画像VSを表示する第2態様(特殊モード)とを条件に応じて切り替え、第1態様では、所定の消失点Pからユーザ4側に向かう方向に画像要素Eが移動し、第2態様では、第1態様とは異なる方向に画像要素Eが移動する。このようにしたから、面白味のある演出を付加して、各種の報知を行うことができる。
(7)また、制御部61は、取得した走行速度が予め定めた閾値を超えた場合には、走行速度が閾値以下であった場合よりも、面想起画像VSの視認性を低下させるか、面想起画像VSが含む画像要素Eの数を減らすかの少なくともいずれかの制御を行う。これにより、高速走行時の実景の視認性を確保することができる。
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
100…ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置
10…表示器
21〜23…第1〜第3平面鏡
30…スクリーン、31…表示面
40…凹面鏡
50…筐体、51…透光性カバー
60…制御装置
61…制御部、62…記憶媒体、63…I/F
70…操作部
81…車速センサ
82…自車姿勢検出部
83…GPS装置
84…無線通信部
85…前方状況検出部
86…ECU
L …表示光
A …仮想面
V …虚像
VS、VS1、VS2…面想起画像
E…画像要素、G…仮想グリッド、P…消失点
V1…第1報知画像
V2…第2報知画像
R…路面、γ…勾配角、γ1…相対角、θ…自車勾配角
1…車両、2…フロントガラス、3…ダッシュボード、4…ユーザ

Claims (7)

  1. 車両に搭載され、透光部材に画像を表す表示光を投射することで、前記透光部材の前方に設定された仮想面に前記画像を虚像として表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記表示光を発する表示部と、
    前記表示部の動作を制御することで、前記仮想面に表示される前記画像を制御する制御部と、を備え、
    前記仮想面は、前記車両の上下方向に対して前方に傾いて設定され、
    前記仮想面に表示される前記画像は、線状又は点状の画像要素の組み合わせにより面を想起させる面想起画像を含み、
    前記制御部は、前記車両の走行速度を取得し、
    前記面想起画像を、取得した前記走行速度に応じて前記画像要素が移動する動画態様で表示する、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記仮想面に表示される前記画像は、前記走行速度に応じて移動しない報知画像を含む、
    請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記報知画像は、前記面想起画像に対して起き上がったように視認される擬似起立画像を含む、
    請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記制御部は、前記車両が停まった場合であっても前記画像要素を移動させる、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 前記制御部は、前記透光部材を透かして前方に視認される路面に沿うように前記面想起画像を表示する、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  6. 前記制御部は、前記路面に沿うように前記面想起画像を表示する第1態様と、前記第1態様とは異なる態様で前記面想起画像を表示する第2態様とを条件に応じて切り替え、
    前記第1態様では、所定の消失点から視認者側に向かう方向に前記画像要素が移動し、
    前記第2態様では、前記第1態様とは異なる方向に前記画像要素が移動する、
    請求項5に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  7. 前記制御部は、取得した前記走行速度が予め定めた閾値を超えた場合には、前記走行速度が前記閾値以下であった場合よりも、前記面想起画像の視認性を低下させるか、前記面想起画像が含む前記画像要素の数を減らすかの少なくともいずれかの制御を行う、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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