JPWO2018193999A1 - 光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸、光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩、及びこれらの水和物 - Google Patents

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Abstract

ナールスゲンと同様の薬理活性を有し、且つ保存安定性に優れた新規の化合物、及びその製造方法を提供する。本発明の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法は、原料としての、下記式(1)で表されるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸、又はその水和物に、塩基性光学活性化合物(但し、光学活性リジンを除く)を反応させて、下記式(1-1)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と前記塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)と、下記式(1-2)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と前記塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)のジアステレオマー塩混合物を得、得られたジアステレオマー塩混合物を分別晶析に付して、一方のジアステレオマー塩を単離することを特徴とする。【化1】【化2】【化3】

Description

本発明は、光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸、光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩、及びこれらの水和物、並びにこれらの製造方法に関する。本願は、2017年4月17日に日本に出願した、特願2017−081237号の優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ナールスゲン(登録商標)或いはGGsTop[一般名称:DL−2−アミノ−4−[(RSp)−(3−カルボキシメチルフェノキシ)(メトキシ)ホスホリル]ブタン酸]は、優れたGGT阻害剤として知られている(特許文献1等)。
しかし、ナールスゲンは室温では結晶化せず油状を呈し、凍結乾燥に付してようやく得られるアモルファスの粉末固体も潮解性を有して室温で分解しやすい。そのため、冷蔵若しくは冷凍保存が必要であり、取り扱いが非常に困難であった。
特開2010−270115号公報
従って、本発明の目的は、ナールスゲンと同様の薬理活性を有し、且つ保存安定性に優れた新規の化合物、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、DL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸を構成する2つの光学異性体を効率よく単離する方法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した。
ナールスゲンと共通の骨格を有する2−アミノ−5−ホスホノペンタン酸や2−アミノ−7−ホスホノヘプタン酸は2つの光学異性体の混合物(ラセミ体)であり、光学活性なリジンを使用して光学分割することが知られている。
本発明者等は、2−アミノ−5−ホスホノペンタン酸や2−アミノ−7−ホスホノヘプタン酸を含む、総炭素数4〜10のDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸について、これらと良好な結晶性を有する塩を形成することができる、リジン以外の塩基性光学活性化合物を見いだした。
また、総炭素数4〜10のD−,若しくはL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と前記塩基性光学活性化合物との塩を単離し、これを分解処理に付すことにより、総炭素数4〜10のD−,若しくはL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸が容易且つ効率よく得られることを見いだした。
なかでも総炭素数4、6、又は8のD−,若しくはL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と前記塩基性光学活性化合物との塩若しくはその水和物(すなわち、含水塩)は、とりわけ結晶性に優れ、これを単離し、分解処理に付すことにより、総炭素数4、6、又は8のD−,若しくはL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸若しくはその水和物を高純度且つ効率よく得られることを見いだした。
更にまた、上記方法で得られる総炭素数4、6、又は8のD−,若しくはL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸や、これらと塩基性光学活性化合物との塩、若しくはこれらの水和物は、ナールスゲンと同様の薬理活性(例えば、コラーゲン産生促進効果、グルタチオン産生促進効果、創傷修復促進効果)を有し、且つ保存安定性に優れることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、原料としての、下記式(1)で表されるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸、又はその水和物に、塩基性光学活性化合物(但し、光学活性リジンを除く)を反応させて、下記式(1-1)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と前記塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)と、下記式(1-2)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と前記塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)のジアステレオマー塩混合物を得、得られたジアステレオマー塩混合物を分別晶析に付して、一方のジアステレオマー塩を単離することを特徴とする、光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法を提供する。
Figure 2018193999
(式中、mは1〜7の整数を示し、*は不斉原子を示す)
Figure 2018193999
(式中、m、*は上記に同じ)
Figure 2018193999
(式中、m、*は上記に同じ)
本発明は、また、塩基性光学活性化合物が、シンコニン、シンコニジン、キニーネ、キニジン、光学活性なアルギニン、光学活性なフェニルアラニンアミド、光学活性なオルニチン、光学活性なチロシンヒドラジド、光学活性な1−フェニルプロピルアミン、光学活性な2−フェニルプロピルアミン、光学活性なバリノール、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンヒドラジド、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンメチルエステル、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンエチルエステル、光学活性なグルカミン、光学活性なロイシノール、光学活性な1−フェニルエチルアミン、及び光学活性な2−アミノ−1−ブタノールからなる群より選択される化合物である、前記の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法を提供する。
本発明は、また、原料として、式(1)で表され、式中のmが1、3、又は5であるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸、又はその水和物を使用する、前記の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法を提供する。
本発明は、また、原料として、式(1)で表されるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸の水和物を使用し、ジアステレオマー塩として、式(1-1)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と塩基性光学活性化合物との塩若しくはその水和物、又は式(1-2)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と塩基性光学活性化合物との塩若しくはその水和物を得る、前記の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法を提供する。
本発明は、また、下記式(1-1’-B)
Figure 2018193999
(式中、m’は1、3、又は5を示し、tは0〜5の数を示す。Bsは塩基性光学活性化合物(但し、光学活性リジンを除く)を示す。*は不斉原子を示す)
で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物を提供する。
本発明は、また、下記式(1-2’-B)
Figure 2018193999
(式中、m’は1、3、又は5を示し、t’は0〜5の数を示す。Bsは塩基性光学活性化合物(但し、光学活性リジンを除く)を示す。*は不斉原子を示す)
で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物を提供する。
本発明は、また、前記の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法により光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)を得た後、これを分解して、前記被処理化合物と同じ立体配置を有する、対応する光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物を得ることを特徴とする、光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物の製造方法を提供する。
本発明は、また、下記式(1-1’)
Figure 2018193999
(式中、m’は1、3、又は5を示し、nは0を超え、5以下の数を示す。*は不斉原子を示す)
で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物を提供する。
本発明は、また、下記式(1-2’)
Figure 2018193999
(式中、m’は1、3、又は5を示し、nは0を超え、5以下の数を示す。*は不斉原子を示す)
で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物を提供する。
上記式(1)で表されるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸、又はその水和物は、ナールスゲンと共通の骨格を有するが、ナールスゲンより簡便且つ安価に製造可能である。また、当該化合物は2つの光学異性体の混合物(ラセミ体)であるが、本発明の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法、及び光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物の製造方法によれば、一方のジアステレオマー塩[すなわち、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と上述の塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)、又はL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と上述の塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)]を効率よく単離することができ、単離されたジアステレオマー塩を分解処理に付すと、分解物としての光学活性なD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸若しくはこの水和物、又はL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸若しくはこの水和物が簡便且つ高純度に得られる。
また、前記方法で得られるジアステレオマー塩やその分解物は結晶性に優れる。その上、室温において吸湿せず、非潮解性である。そのため、保存安定性に優れ、取り扱いが容易である。更に、ナールスゲンと同様の薬理活性(例えば、コラーゲン産生促進効果、グルタチオン産生促進効果、口腔粘膜や眼粘膜などの粘膜等の創傷修復促進効果)を有し、且つ細胞毒性を有さず、安全性に優れるため、例えば、アレルギー性皮膚疾患、尋常性魚鱗癬、老人性乾皮症等の皮膚疾患;歯周病、結膜炎等の口腔や眼の粘膜疾患の治療や予防の目的で好適に使用することができる。
調製例1で得られたDL−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・1水和物の熱分析結果を示す図である。 調製例3で得られたDL−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・1水和物の熱分析結果を示す図である。 調製例5で得られたDL−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物の熱分析結果を示す図である。 調製例7で得られたDL−2−アミノ−10−ホスホノデカン酸・1水和物の熱分析結果を示す図である。 実施例2で得られたL−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・1水和物の熱分析結果を示す図である。 実施例6で得られたD−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・L−HPGM塩・1水和物の熱分析結果を示す図である。 実施例6で得られたD−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・1水和物の熱分析結果を示す図である。 実施例8で得られたL−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・D−HPGH塩・1水和物の熱分析結果を示す図である。 実施例8で得られたD−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物の熱分析結果を示す図である。
[光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法]
本発明の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法は、原料としての、下記式(1)で表されるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸(以後、「DL−AP」と称する場合がある)又はその水和物に、塩基性光学活性化合物(但し、光学活性リジンを除く。以後、「Bs」と称する場合がある)を反応させて、下記式(1-1)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸(以後、「D−AP」と称する場合がある)と前記塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)と、下記式(1-2)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸(以後、「L−AP」と称する場合がある)と前記塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)のジアステレオマー塩混合物(ジアステレオマー関係にある一対の塩の混合物)を得、得られたジアステレオマー塩混合物を分別晶析に付して、一方のジアステレオマー塩(ジアステレオマー関係にある一対の塩の一方)を単離することを特徴とする。尚、下記式中、mは1〜7の整数を示し、*は不斉原子を示す
Figure 2018193999
Figure 2018193999
Figure 2018193999
DL−APは、1分子中に1つの不斉原子(*)を有する為、2種類の光学異性体の混合物である。上記式中、(D)、(L)は不斉原子に結合するリガンドの立体配置をD−L表示法で示したものであり、カルボキシ基を上においたFischerの投影において、(D)はアミノ基が右側に来ることを示し、(L)は、アミノ基が左側に来ることを示す。尚、本明細書において、アミノ酸以外の光学異性体の立体配置は、R−S表示法で示す。
前記原料としては、なかでも、式(1)で表され、式中のmが1、3、若しくは5である化合物(すなわち、総炭素数が4、6、若しくは8のDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸)又はその水和物を使用することが、より結晶性に優れるジアステレオマー塩が得られる点で好ましい。
また、前記原料としては、より結晶性に優れるジアステレオマー塩が得られる点で、DL−APの水和物を使用することが好ましい。
従って、前記原料としては、式(1)で表され、式中のmが1、3、又は5である化合物の水和物(すなわち、総炭素数が4、6、又は8のDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物)を使用することが好ましい。
前記塩基性光学活性化合物(Bs)としては、例えば、シンコニン、シンコニジン、キニーネ、キニジン、光学活性なアルギニン、光学活性なフェニルアラニンアミド、光学活性なオルニチン、光学活性なチロシンヒドラジド、光学活性な1−フェニルプロピルアミン、光学活性な2−フェニルプロピルアミン、光学活性なバリノール、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンヒドラジド、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンメチルエステル、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンエチルエステル、光学活性なグルカミン、光学活性なロイシノール、光学活性な1−フェニルエチルアミン、光学活性な2−アミノ−1−ブタノール等を挙げることができる。尚、シンコニンとシンコニジンは互いに光学異性体であり、キニーネとキニジンも互いに光学異性体である。前記光学活性な化合物がアミノ酸の場合、当該化合物にはD体(D-Bs)とL体(L-Bs)が含まれ、例えば光学活性なアルギニンにはD−アルギニンとL−アルギニンが含まれる。前記光学活性な化合物がアミノ酸以外の化合物の場合、当該化合物にはR体(R-Bs)とS体(S-Bs)が含まれ、例えば光学活性な1−フェニルプロピルアミンには(R)−1−フェニルプロピルアミンと(S)−1−フェニルプロピルアミンが含まれる。
DL−AP又はその水和物と塩基性光学活性化合物とを反応させると、D−APと塩基性光学活性化合物との塩又はその水和物と、L−APと塩基性光学活性化合物との塩又はその水和物との混合物(ジアステレオマー塩混合物)を形成することができる。
例えば、塩基性光学活性化合物(Bs)としてアミノ酸を使用する場合、L体(L-Bs)をDL−AP若しくはその水和物と反応させると、D−APとL体(L-Bs)との塩若しくはその水和物と、L−APとL体(L-Bs)との塩若しくはその水和物との一対のジアステレオマー塩を含むジアステレオマー塩混合物が得られ、D体(D-Bs)をDL−AP若しくはその水和物と反応させると、D−APとD体(D-Bs)との塩若しくはその水和物と、L−APとD体(D-Bs)との塩若しくはその水和物との一対のジアステレオマー塩を含むジアステレオマー塩混合物が得られる。アミノ酸以外の塩基性光学活性化合物を使用する場合もこれに準ずる。
塩基性光学活性化合物は、DL−APにおけるアルカン鎖の長さ(すなわち、式(1)中のmの値)に応じて適宜選択して使用することが、より結晶性に優れたジアステレオマー塩を含むジアステレオマー塩混合物を形成することができ、ジアステレオマー塩混合物から、前記の結晶性に優れた一方のジアステレオマー塩を析出させることにより、より高純度のジアステレオマー塩を効率良く単離することができる点で好ましい。
DL−AP又はその水和物と塩基性光学活性化合物の好ましい組み合わせは、以下の通りである。
式(1)中の
m=1の場合、すなわちDL−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸又はその水和物の場合、塩基性光学活性化合物としては、シンコニン、シンコニジン、キニーネ、キニジン、光学活性なアルギニン(D−,又はL−アルギニン)、光学活性なフェニルアラニンアミド(D−,又はL−フェニルアラニンアミド)、又は光学活性なオルニチン(D−,又はL−オルニチン)が好ましい。
m=3の場合、すなわちDL−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸又はその水和物の場合、塩基性光学活性化合物としては、光学活性なチロシンヒドラジド(D−,又はL−チロシンヒドラジド)、光学活性な1−フェニルプロピルアミン(R−,又はS−1−フェニルプロピルアミン)、光学活性なバリノール(D−,又はL−バリノール)、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンメチルエステル(D−,又はL−p−ヒドロキシフェニルグリシンメチルエステル)、光学活性なフェニルアラニンアミド(D−,又はL−フェニルアラニンアミド)、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンヒドラジド(D−,又はL−p−ヒドロキシフェニルグリシンヒドラジド)、又は光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンエチルエステル(D−,又はL−p−ヒドロキシフェニルグリシンエチルエステル)が好ましい。
m=5の場合、すなわちDL−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸又はその水和物の場合、塩基性光学活性化合物としては、光学活性なグルカミン(D−,又はL−グルカミン)、光学活性なバリノール(D−,又はL−バリノール)、光学活性なロイシノール(D−,又はL−ロイシノール)、光学活性な1−フェニルエチルアミン(R−,又はS−1−フェニルエチルアミン)、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンヒドラジド(D−,又はL−p−ヒドロキシフェニルグリシンヒドラジド)、又は光学活性な2−アミノ−1−ブタノール(R−,又はS−2−アミノ−1−ブタノール)が好ましい。
前記塩基性光学活性化合物の使用量としては、DL−AP又はその水和物(1モル)に対して、例えば0.5〜2.0モル程度、好ましくは0.5〜1.5モル、特に好ましくは0.6〜1.1モルである。
DL−AP又はその水和物と塩基性光学活性化合物の反応は溶媒の存在下で行うことが好ましく、溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール;酢酸エチルなどのエステル;アセトニトリルなどの含窒素化合物;テトラヒドロフランなどのエーテル;水などが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記溶媒の使用量としては、DL−AP又はその水和物と塩基性光学活性化合物の総量に対して、例えば1〜100重量%程度である。溶媒の使用量が上記範囲を上回ると反応成分の濃度が低くなり、反応速度が低下する傾向がある。
反応雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。
反応温度は、例えば0〜100℃程度である。反応時間は、例えば1〜10時間程度である。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
以下、塩基性光学活性化合物(Bs)としてアミノ酸(D-Bs、又はL-Bs)を使用する場合を例に、本発明の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法(特に、ジアステレオマー塩混合物の分別晶析方法)を説明する。アミノ酸以外の塩基性光学活性化合物を使用する場合もこれに準ずる。
ジアステレオマー塩混合物に含まれるD−APとL体(L-Bs)との塩又はその水和物と、L−APとL体(L-Bs)との塩又はその水和物は、溶媒に対する溶解度が互いに異なり、D−APとD体(D-Bs)との塩又はその水和物と、L−APとD体(D-Bs)との塩又はその水和物も、溶媒に対する溶解度が互いに異なる。そのため、溶解度の差を利用した分別晶析により一方のジアステレオマー塩を容易に単離することができる。
そして、D−APとL体(L-Bs)との塩又はその水和物は、L−APとL体(L-Bs)との塩又はその水和物に比べて結晶性に優れ、L−APとD体(D-Bs)との塩又はその水和物は、D−APとD体(D-Bs)との塩又はその水和物に比べて結晶性に優れる傾向がある。そのため、例えば、DL−AP水和物にL体(L-Bs)を反応させD−APとL体(L-Bs)との塩又はその水和物と、L−APとL体(L-Bs)との塩又はその水和物の混合物(ジアステレオマー塩混合物)を得、得られたジアステレオマー塩混合物中のD−APとL体(L-Bs)との塩又はその水和物をまず結晶として析出させ、濾過処理に付して単離し、濾過母液を分解処理に付して当該濾過母液に含まれるL−APとL体(L-Bs)との塩又はその水和物をL−AP水和物に変換し、得られたL−AP水和物に、続いてD体(D-Bs)を反応させ、それにより得られるL−APとD体(D-Bs)との塩又はその水和物を結晶として析出させることで、D−APと塩基性光学活性化合物との塩又はその水和物と、L−APと塩基性光学活性化合物との塩又はその水和物をそれぞれ単離することができる。
また、結晶を析出させる方法としては、特に制限されることがなく、周知慣用の方法、例えば、冷却晶析、貧溶媒晶析、蒸発晶析、圧力晶析等を適宜採用することができる。
本発明の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法の一例を以下に示す。原料として使用するDL−AP水和物は、「DL−AP・nH2O」(nは0を超え、5以下の数を示す)と示す。また、(t-1)、(t-2)、(t-3)は同一又は異なって0〜5の数を示す。
Figure 2018193999
本発明によれば、ジアステレオマー塩として、下記式(1-1’-B)
Figure 2018193999
(式中、m’は1、3、又は7を示し、tは0〜5の数を示す。Bsは塩基性光学活性化合物(但し、光学活性リジンを除く)を示す。*は不斉原子を示す)
で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物、及び下記式(1-2’-B)
Figure 2018193999
(式中、m’は1、3、又は7を示し、t’は0〜5の数を示す。Bsは塩基性光学活性化合物(但し、光学活性リジンを除く)を示す。*は不斉原子を示す)
で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩又はその水和物を効率よく且つ高純度に単離することができる。
上記式(1-1’-B)で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩水和物としては、
m’=1の場合、塩基性光学活性化合物は、キニジン、シンコニジン、L−アルギニン、D−p−ヒドロキシフェニルグリシンヒドラジド、及びD−フェニルアラニンアミドから選択される化合物が好ましい。
m’=3の場合、塩基性光学活性化合物は、L−チロシンヒドラジドが好ましい。
m’=7の場合、塩基性光学活性化合物は、L−ロイシノール、及び(R)−2−アミノ-1-ブタノールから選択される化合物が好ましい。
上記式(1-2’-B)で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩水和物としては、
m’=1の場合、塩基性光学活性化合物は、シンコニン、及びL−オルニチンから選択される化合物が好ましい。
m’=3の場合、塩基性光学活性化合物は、(R)−1−フェニルプロピルアミン、L−バリノール、D−p−ヒドロキシフェニルグリシンメチルエステル、D−フェニルアラニンアミド、D−p−ヒドロキシフェニルグリシンヒドラジド、及びD−p−ヒドロキシフェニルグリシンエチルエステルから選択される化合物が好ましい。
m’=7の場合、塩基性光学活性化合物は、D−グルカミン、L−バリノール、(R)−1−フェニルエチルアミン、及びD−p−ヒドロキシフェニルグリシンヒドラジドから選択される化合物が好ましい。
上記方法で得られる光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)(特に、上記式(1-1’-B)で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物、及び上記式(1-2’-B)で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩又はその水和物)は、室温において吸湿せず、保存安定性に優れるため、取り扱いが容易である。また、細胞毒性を有さず、安全性に優れる。更に、ナールスゲンと同様の薬理活性(例えば、コラーゲン産生促進効果、グルタチオン産生促進効果、創傷修復促進効果)を有し、皮膚のバリア機能を向上させてアレルゲンの侵入を抑制し、アレルギー反応を抑制することができる。そのため、例えば、アレルギー性皮膚疾患、尋常性魚鱗癬、老人性乾皮症等の皮膚疾患に、治療や予防の目的で好適に使用することができる。また、口腔粘膜や眼粘膜などの粘膜修復促進剤として、歯周病等の口腔粘膜疾患や、結膜炎等の眼粘膜疾患の治療や予防にも好適に使用することができる。
尚、原料としてのDL−AP又はその水和物は、例えば、非特許文献[Kosolapoff G.M. Isomerization of alkyl phosphites.VII. Some derivatives of 2-bromoethanephosphonic acid J. Am. Chem. Soc. 1948, 70, 1971-1972; Chambers, J. R., Isbell, A. F. A new synthesis of amino phosphonic acids.J. Org. Chem. 1964, 29, 832-836]に記載の方法で製造することができる。
より詳細には、下記式で表される反応を経て製造することができる。下記式中、mは1〜7の整数を示し、nは0を超え、5以下の数を示す。Xはハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)を示し、R、R’は、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル基を示す。R”は、アミノ基の保護基を示す。DPRは保護基で保護されたアミノ基の脱保護剤を示す。*は不斉原子を示す。尚、アミノ基の保護基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基、アシル基(R1C(=O)基;R1は炭素数1〜10のアルキル基)、アルコキシカルボニル基(R2OC(=O)基;R2は炭素数1〜10のアルキル基)、置換基を有していても良いベンジルオキシカルボニル基、置換基を有していても良いフェニルメチリデン基、置換基を有していても良いジフェニルメチリデン基等を挙げることができる。また、前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルコキシ基、ニトロ基等を挙げることができる。
Figure 2018193999
前記[1]の反応は、式(2)で表されるジハロゲン化アルキレンに、式(3)で表される亜リン酸エステルを反応させて、式(4)で表されるホスホノアルカン酸を得る反応(ミカエリス・アルブゾフ反応;Michaelis-Arbuzov Reaction)である。前記式(3)で表される亜リン酸エステルの使用量は、式(2)で表されるジハロゲン化アルキレン1モルに対して、例えば0.1〜1.0モル程度である。
前記[1]の反応の反応温度は、例えば130〜140℃程度が好ましい。反応時間は、例えば0.5〜2時間程度である。
前記[2]の反応は、[1]の反応を経て得られた式(4)で表されるホスホノアルカン酸に、式(5)で表される化合物を反応させて、式(6)で表される化合物を得る反応である。前記式(5)で表される化合物の使用量は、式(4)で表されるホスホノアルカン酸1モルに対して、例えば0.7〜1.3モル程度である。
前記[2]の反応は、塩基の存在下で行うことが、反応の進行を促進する効果が得られる点で好ましい。前記塩基としては、例えば、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩類(特にアルカリ金属の炭酸塩類);水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;リン酸二水素ナトリウムやリン酸二水素カリウム等のリン酸塩類(特にアルカリ金属のリン酸塩類);酢酸ナトリウムや酢酸カリウム等のカルボン酸塩類(特にアルカリ金属のカルボン酸塩類);トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシド類(特にアルカリ金属のアルコキシ類);水素化ナトリウム等の金属水素化物類等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。塩基の使用量は、式(4)で表されるホスホノアルカン酸1モルに対して、例えば0.9〜1.1モル程度である。
前記[2]の反応は溶媒の存在下で行うことが好ましい。前記溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン等のスルホン類;酢酸エチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、t−ブタノール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ブロモホルム、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等の含ハロゲン化合物;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネートなどを挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み併せて使用することができる。
前記[2]の反応の反応温度は、例えば100〜110℃程度が好ましい。反応時間は、例えば6〜24時間程度である。
前記[3]の反応は、[2]の反応を経て得られた式(6)で表される化合物の保護基で保護されたカルボキシ基(−COOR’)、及び保護基で保護されたアミノ基(−NHR")、及び保護基で保護されたホスホン酸基(−P(=O)(OR)2)を脱保護して、式(7)で表される化合物を得る反応である。保護基で保護された基の脱保護は、脱保護剤を反応させることにより行うことができる。前記脱保護剤(上記式中では、「DPR」で表される)としては、強塩基(例えば、水酸化ナトリウム)又は強酸(例えば、塩酸)を好適に使用することができる。
前記[3]の反応の反応温度は、例えば90〜100℃程度が好ましい。反応時間は、例えば20〜24時間程度である。
前記[4]の反応は、[3]の反応を経て得られた式(7)で表される化合物に、脱保護剤をトラップする作用を有する化合物を反応させて脱保護剤をトラップすることにより、式(1)で表される化合物を得る反応である。脱保護剤をトラップする作用を有する化合物としては、例えば脱保護剤が塩酸である場合は、プロピレンオキシドを使用することが好ましい。脱保護剤をトラップする作用を有する化合物の使用量は、式(7)で表される化合物1モルに対して、例えば3.0〜6.0モル程度である。
式(1)で表される化合物の水和物(=式(1')で表される化合物、式中のnは、0を超え、5以下の数を示す)は、[4]の反応を経て得られた式(1)で表される化合物を、前記[5]の工程に付すことにより製造することができる。詳細には、式(1)で表される化合物を水と水溶性溶媒とを用いた晶析処理に付すことにより、式(1')で表される化合物が得られる。
前記水溶性溶媒としては、室温(25℃)において水と任意の割合で溶解する有機溶媒が好ましく、水に対する溶解度が50%以上(好ましくは80%以上、特に好ましくは95以上)のものが好ましい。
前記水溶性溶媒としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール等の炭素数1〜5の低級アルコール)を使用することが好ましい。
前記[1]〜[5]の反応の雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。また、反応は常圧、減圧又は加圧下で行なうことができる。更に、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
前記[1]〜[5]の各反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、洗浄、乾燥(例えば、自然乾燥、減圧真空乾燥、熱風乾燥など)等を施してもよい。
[光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物の製造方法]
本発明の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物の製造方法は、上述の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法により光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)を得た後、これを分解して、前記被処理化合物と同じ立体配置を有する、対応する光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物を得ることを特徴とする。
光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)の分解方法としては、特に限定されないが、イオン交換樹脂(特に、酸性陽イオン交換樹脂)を用いることが好ましい。イオン交換樹脂としては、例えば、商品名「アンバーライトIR−120B」(オルガノ(株)製)、商品名「ダイヤイオン」(三菱化学(株)製)等を使用することができる。
光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)の分解後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、洗浄、乾燥等を施すことが好ましい。
上記方法を利用すれば、高純度(光学純度は、例えば99.0%e.e.以上、好ましくは99.5%e.e.以上、特に好ましくは99.9%e.e.以上)の、D−AP若しくはその水和物、又はL−AP若しくはその水和物が得られる。
本発明によれば、特に、下記式(1-1’)
Figure 2018193999
(式中、m’は1、3、又は5を示し、nは0を超え、5以下の数を示す。*は不斉原子を示す)
で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物、若しくは下記式(1-2’)
Figure 2018193999
(式中、m’は1、3、又は5を示し、nは0を超え、5以下の数を示す。*は不斉原子を示す)
で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物が効率よく、且つ高純度に得られる。
[光学活性体、光学活性体と塩基性光学活性化合物との塩]
上述の方法で得られる光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)や光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸(水和物を含む)は、潮解性を有さず、室温において結晶化する。そのため、保存安定性に優れ、室温、相対湿度75%の環境下で、6か月以上(特に、24か月以上)安定であり、取り扱いが容易である。さらに、ナールスゲン(登録商標)と同様に、若しくはそれ以上に優れた薬理活性を有する。例えば、前記光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)や2−アミノ−ホスホノアルカン酸(水和物を含む)(10μM程度)をヒト皮膚線維芽細胞に投与すると、コラーゲンの産生を亢進する効果が得られる。また、前記コラーゲンの産生は濃度依存的に亢進するが、たとえ過剰に投与しても、コラーゲンの産生が無制限に亢進することはない。その他、エラスチン産生促進効果、HSP47産生促進効果、グルタチオン産生促進効果、フィラグリン産生促進効果、フィラグリン遺伝子発現促進効果、皮膚表皮の角化細胞の遊走・増殖の促進効果、創傷修復促進効果等も発揮することができる。更にまた、細胞毒性を有さず、安全性に優れる。そのため、コラーゲン産生促進剤、エラスチン産生促進剤、HSP47産生促進剤、グルタチオン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤、フィラグリン遺伝子発現促進剤、皮膚表皮の角化細胞の遊走・増殖の促進剤等として、好適に使用することができる。また、口腔粘膜や眼粘膜などの粘膜修復促進剤として、歯周病等の口腔粘膜疾患や、結膜炎等の眼粘膜疾患の治療や予防にも好適に使用することができる。
前記光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)や2−アミノ−ホスホノアルカン酸(水和物を含む)は、皮膚や毛髪の美容・健康を目的とした使用に好適である。その他、コラーゲン、エラスチン、HSP47、グルタチオン、フィラグリン、皮膚表皮の角化細胞の遊走・増殖に関与する種々の疾患に、治療や予防の目的で好適に使用することができる。
前記光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)や2−アミノ−ホスホノアルカン酸(水和物を含む)を、外皮(皮膚、毛髪、爪等)に適用した場合は、コラーゲンの産生が促進され、バリア機能が改善する効果が得られる。そのため、例えば、アレルギー性皮膚疾患、尋常性魚鱗癬、老人性乾皮症等の皮膚疾患の治療又は予防に好適に用いることができる。また、前記光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)や2−アミノ−ホスホノアルカン酸(水和物を含む)を皮膚に適用すると、グルタチオンの産生や、フィラグリンの産生が促進されることにより、アンチエイジング効果や美白効果が得られる。そのため、スキンケア用化粧料等の添加剤として好適に使用することができる。
前記スキンケア用化粧料には、例えば、ファンデーション、アイシャドウ、マスカラ、アイブロウ、チーク、口紅、マニキュア等のメイクアップ化粧料や、化粧水、乳液、美容液等の基礎化粧料等が含まれる。
前記光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)や2−アミノ−ホスホノアルカン酸(水和物を含む)の添加量は、用途に応じて適宜調整することができる。例えば、化粧品に添加する場合の濃度は、例えば0.5〜70μM(好ましくは10〜60μM、特に好ましくは30〜60μM、最も好ましくは40〜60μM)となる範囲である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、下記式中、*は不斉原子を示す。
調製例1(DL−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸水和物の調製)
Figure 2018193999
1,2−ジブロモエタン(80ml、928mmol)に亜リン酸トリエチル(40.0ml、233mmol)を加え、攪拌下に油浴で140℃まで昇温し、同温度で30分間加熱した後、放冷した。40℃付近まで冷却した後、減圧を開始した。徐々に減圧と加熱を強め、臭化エチル等の副生成物、および過剰のジブロモエタンを留去した。その後、さらに真空度を上げ(約1mmHg)、約130℃で加熱、蒸留することによって、無色無臭の油状の2−ブロモエチルホスホン酸ジエチル(36.3g、収率:64%)を得た。
Figure 2018193999
2−ブロモエチルホスホン酸ジエチル(25.0g,102mmol)に、トルエン(70mL)、ジエチルカーボネート(40mL)、アセトアミドマロン酸ジエチル(16.9g、77.6mmol)、および60%水素化ナトリウム(4.40g、110mmol)をヘキサンで洗浄したものを仕込み、110℃で還流した。24時間還流した後、室温まで冷却し、セライトを用いて固体を濾去し、濾液を減圧濃縮することによって、褐色油状物の2−アセタミド−2−[2−(ジエトキシホスホリル)エチル]マロン酸ジエチル(33.3g、収率:定量的)を得た。
Figure 2018193999
2−アセタミド−2−[2−(ジエトキシホスホリル)エチル]マロン酸ジエチル(33.3g、87.3mmol)を6N塩酸(154mL)に溶解し、24時間還流した。その後、減圧濃縮し、褐色油状物DL−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・塩酸塩(21.1g、収率;定量的)を得た。
Figure 2018193999
DL−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・塩酸塩(21.1g、96.1mmol)を水(30mL)に溶解し、5〜10℃に冷却下に激しく撹拌しながらプロピレンオキシド(30mL、428mmol)を滴下すると同時に、エタノール(150mL)を少しずつ滴下した後、室温下で4日間撹拌した。析出した結晶をろ取し、エタノールで洗浄した後、40℃で真空乾燥して、無色粉末状のDL−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・1水和物(11.8g、収率;61.1%)を得た。得られた化合物の熱分析結果を図1に示す。
Mp(DSC):115.3℃, 203.1℃(dec).
IR(cm-1) : 3147, 2981, 2287, 1704, 1637, 1524, 1834, 1103, 1024, 895.
調製例2
原料として、1,2−ジブロモエタンに代えて1,3−ジブロモプロパンを使用した以外は調製例1と同様にして、DL−2−アミノ−5−ホスホノペンタン酸を得た。
調製例3
原料として、1,2−ジブロモエタンに代えて1,4−ジブロモブタンを使用した以外は調製例1と同様にして、DL−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・1水和物を得た。得られた化合物の熱分析結果を図2に示す。
調製例4
原料として、1,2−ジブロモエタンに代えて1,5−ジブロモペンタンを使用した以外は調製例1と同様にして、DL−2−アミノ−7−ホスホノヘプタン酸を得た。
調製例5
原料として、1,2−ジブロモエタンに代えて1,6−ジブロモヘキサンを使用した以外は調製例1と同様にして、DL−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物を得た。得られた化合物の熱分析結果を図3に示す。
調製例6
原料として、1,2−ジブロモエタンに代えて1,7−ジブロモヘプタン(25.0g、97mmol)を使用した以外は調製例1と同様にして、DL−2−アミノ−9−ホスホノノナン酸(2.5g)を得た。
Mp(DSC):221℃(dec)
IR(cm-1) : 3300-2000(br), 2917, 2848, 1715, 1525, 1415, 1266, 1088, 1052, 779, 720, 642.
1H-NMR (600 MHz, D2O with DCl) δH: 1.15-1.33 (8H, m), 1.37-1.44 (2H, m), 1.57-1.67 (2H, m), 1.73-1.86 (2H, m), 3.94 (1H, t).
31P-NMR (242 MHz, D2O with DCl) δP: 33.8.
HRMS(FAB)calcd for C9H20NO5P(M+H)253, 1079: Found 254, 1155.
調製例7
原料として、1,2−ジブロモエタンに代えて1,8−ジブロモオクタン(15.5g,57mmol)を使用した以外は調製例1と同様にして、DL−2−アミノ−10−ホスホノデカン酸・1水和物(1.8g)を得た。得られた化合物の熱分析結果を図4に示す。
Mp(DSC):237℃(dec)
IR(cm-1) : 3300-2000(br), 2918, 2848, 1715, 1621, 1581, 1515, 1466, 1416, 1245, 1014, 927, 821, 776, 716.
1H-NMR (600 MHz, D2O with DCl) δH: 0.95-1.13 (10H, m), 1.16-1.23 (2H, m), 1.42-1.47 (2H, m), 1.52-1.65 (2H, m), 3.75 (1H, t).
31P-NMR (242 MHz, D2O with DCl) δP: 34.0.
HRMS(FAB)calcd for C10H22NO5P(M+H)267, 1236: Found 268, 1315.
実施例1(DL‐2−アミノ−4−ホスホノブタン酸の光学分割)
調製例で得られたDL−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・1水和物(50mg、0.248mmol)に、下記表1に記載の塩基性光学活性化合物(0.300mmol)と溶媒を加えて加熱溶解した。析出した結晶を濾過、洗浄、乾燥して、ジアステレオマー塩を得た。これらのジアステレオマー塩をキラルHPLCで分析し、光学純度(de(%))を求めた。結果を下記表1に示す。
Figure 2018193999
実施例2(L−Argを用いるDL−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸の光学分割)
調製例で得られたDL−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・1水和物(5.00g、24.9mmol)とL−Arg(4.99g、28.6mmol)と水(50mL)を加熱溶解し、70℃でメタノール(65mL)を徐々に加えた後、徐冷し、25℃で3時間攪拌した。析出晶を濾過(この濾過母液は下記*で使用)、洗浄、乾燥して、無色の粗結晶D−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・L−Arg塩(4.41g)を得た。
[α]D 20 + 6.3 (c1, H2O), 89.3%de(表1のキラルHPLC分析条件)
この粗結晶D−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・L−Arg塩(4.30g)に水(43mL)を加え、70℃に加熱攪拌し、メタノール(43mL)を滴加した。徐冷し、20℃で3時間攪拌後、析出晶を濾過、洗浄、乾燥して、再結晶(1)D−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・L−Arg塩(3.62g)を得た。
[α]D 20 + 6.3 (c1, H2O), 98.3%de.
さらにこの再結晶(1)D−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・L−Arg塩(3.50g)に水(35mL)を加え70℃に加熱攪拌し、これにメタノール(35mL)を同温度下に滴加した。徐冷後、10℃で2時間攪拌後、析出晶を濾過、洗浄、乾燥して、再結晶(2)D−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・L−Arg塩(3.35g)を得た。
Mp(DSC):263℃(dec), [α]D 20 + 6.5 (c1, H2O), 100%de(表1のキラルHPLC分析条件)
IR(cm-1) : 3355, 2945, 2084, 1663, 1581, 1412, 1338,1162, 984, 780, 687.
1H-NMR (600 MHz, D2O) δH: 1.57-1.74 (4H, m), 1.84-1.93 (2H, m), 2.02-2.14 (2H, m), 3.22 (2H, dd, JH-H = 6.9 and 6.9 Hz), 3.75 (1H, dd, JH-H = 6.2 and 6.2 Hz), 3.78 (1H, dd, JH-H = 6.5 and 5.5 Hz).
31P-NMR (121 MHz, D2O) δP: 23.7.
再結晶(2)D−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・L−Arg塩(2.35g)を純水に溶解し、イオン交換樹脂(商品名「アンバーライトIR−120(H+)」、オルガノ(株)製)(10.4mL)にゆっくりと通液し、純水(300mL)で洗浄後、通液と洗水を合して濃縮した。残渣の固体にメタノール(10mL)を加え分散濾過し、メタノールで洗浄後、乾燥して、無色結晶のD−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・1水和物(1.19g)を得た。
Mp(DSC):98.0℃, 211.0℃(dec), [α]D 20 -17.3 (c1, H2O), 100%ee
IR(cm-1) : 3247, 2642, 1723, 1520, 1265, 984, 923, 731.
1H-NMR (300 MHz, D2O) δH: 1.58-1.86 (2H, m), 2.02-2.25 (2H, m), 4.00-4.06 (1H, dd, JH-H = 6.2 and 6.2 Hz). 31P-NMR (121 MHz, D2O) δP: 24.6.
上記*で得られた濾過母液を濃縮し、残渣に純水を加えて溶解し、イオン交換樹脂(商品名「アンバーライトIR−120(H+)」、オルガノ(株)製)(25mL)にゆっくりと通液した。純水約300mLで洗浄後、通液と洗水を合して濃縮し、残渣を乾燥して、無色の粗結晶L−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・1水和物(2.37g;89.0%ee)を得た。
この粗結晶L−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・1水和物(2.30g)とD−Arg(2.23g)を水(45mL)に加熱溶解し、70℃でメタノール(45mL)を徐々に加えた後、徐冷し15℃で2時間攪拌した。析出晶を濾過、洗浄、乾燥して、無色結晶の再結晶(1)L−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・D−Arg塩(3.34g)を得た。
Mp(DSC):263℃(dec), [α]D 20 -6.5 (c1, H2O), 100%de.
IR(cm-1) : 3355, 2945, 2084, 1663, 1581, 1413, 1338,1162, 984, 780, 687.
1H-NMR (600 MHz, D2O) δH: 1.57-1.74 (4H, m), 1.84-1.93 (2H, m), 2.02-2.14 (2H, m), 3.22 (2H, dd, JH-H = 6.9 and 6.9 Hz), 3.75 (1H, dd, JH-H = 6.2 and 6.2 Hz), 3.78 (1H, dd, JH-H = 6.5 and 5.5 Hz). 31P-NMR (121 MHz, D2O) δP: 23.7.
再結晶(1)L−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・D−Arg塩(2.07g)を純水に溶解し、イオン交換樹脂(商品名「アンバーライトIR−120(H+)」、オルガノ(株)製)(9.2mL)にゆっくりと通液し、純水(300mL)で洗浄後、通液と洗水を合して濃縮し、残渣の固体にメタノール10mLを加え、分散濾過し、メタノールで洗浄後、40℃で3時間減圧乾燥して、無色結晶のL−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・1水和物((1.07g)を得た。得られた化合物の熱分析結果を図5に示す。
Mp(DSC):98.6℃, 212.3℃(dec), [α]D 20 +17.5 (c1, H2O), 100%ee.
IR(cm-1) : 3130, 2481, 1722, 1521, 1167, 895, 718.
1H-NMR (300 MHz, D2O) δH: 1.60-1.89 (2H, m), 2.02-2.28 (2H, m), 4.02-4.08 (1H, dd, JH-H = 6.2 and 6.2 Hz). 31P-NMR (121 MHz, D2O) δP: 24.6.
実施例3(D−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・D−Arg塩・1水和物の調製)
D−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・1水和物(0.165g、82.0mmol)とD−Arg(0.147g、84.5mmol)と水(5mL)を加熱溶解後、減圧濃縮し、メタノール(2.5mL)を徐々に加えた後、氷冷下30分放置した。析出晶を濾過し、洗浄、乾燥して、無色の粗結晶D−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・D−Arg塩・1水和物(0.295g)を得た。
[α]D 20 -8.2 (c1, H2O)
IR(cm-1) : 3357, 2949, 2874, 2618, 1578, 1514, 1338, 1162, 1134, 1017, 663.
実施例4(L−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・L−Arg塩・1水和物の調製)
L−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・1水和物(0.165g、82.0mmol)とL−Arg(0.147g、84.5mmol)と水(5mL)を加熱溶解後、減圧濃縮し、メタノール(2.5mL)を徐々に加えた後、氷冷下30分放置した。析出晶を濾過し、洗浄、乾燥して、無色の粗結晶L−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・L−Arg塩・1水和物(0.295g)を得た。
[α]D 20 +7.8 (c1, H2O)
IR(cm-1) : 3355, 2932, 1657, 1576, 1514, 1404, 1133, 1018, 895, 766, 683.
実施例5(DL−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸の光学分割)
調製例で得られたDL−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・1水和物(50mg)に、下記表2に記載の塩基性光学活性化合物(0.222mmol)と溶媒を加えて加熱溶解した。析出した結晶を濾過、洗浄、乾燥して、ジアステレオマー塩を得た。これらのジアステレオマー塩をキラルHPLCで分析し、光学純度(de(%))を求めた。結果を下記表2に示す。
Figure 2018193999
実施例6(D−HPGMを用いるDL−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸の光学分割)
調製例で得られたDL−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・1水和物(5.00g)とD−HPGM(4.38g)と水(55mL)を加熱溶解し、70℃でメタノール(100mL)を徐々に加えた後、徐冷し、25℃で3時間攪拌した。析出晶を濾過(この濾過母液は下記*で使用)、洗浄、乾燥して、無色の粗結晶L−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・D−HPGM塩・1水和物(3.24g)を得た。
[α]D 26 -64.6 (c1, H2O), 92.1%de(表2のキラルHPLC分析条件)
この粗結晶L−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・D−HPGM塩・1水和物(3.20g)に水(19.2mL)を加え、75℃に加熱攪拌し、メタノール(80mL)を滴加した。徐冷し、15℃で3時間攪拌後、析出晶を濾過、洗浄、乾燥して、再結晶(1)L−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・D−HPGM塩・1水和物(2.60g)を得た。
Mp(DSC):116.6℃, 205.4℃(dec), [α]D 25 -65.0 (c1, H2O), 100%de
IR(cm-1) : 3463, 2860, 2644, 1733, 1605, 1524, 1579, 1418, 1253, 998, 894.
1H-NMR (600 MHz, D2O) δH: 1.43-1.54 (2H, m), 1.56-1.65 (4H, m), 1.83-1.96 (2H, m), 3.76 (1H, dd, JH-H = 7.2 and 5.1 Hz), 3.84 (3H, s), 5.23 (1H, s), 6.99 (2H, d, JH-H = 8.6 Hz), 7.36 (2H, d, JH-H = 8.6 Hz). 31P-NMR (121 MHz, D2O) δP: 26.8.
再結晶(1)L−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・D−HPGM塩・1水和物(2.50g)を純水に溶解し、イオン交換樹脂(商品名「アンバーライトIR−120(H+)」、オルガノ(株)製)(10mL)にゆっくりと通液し、純水で十分に洗浄後、通液と洗液を合して濃縮した。残渣の固体にメタノール(15mL)を加え分散濾過し、メタノールで洗浄後、乾燥して、無色結晶のL−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・1水和物(1.29g)を得た。
Mp(DSC):93.8℃, 224.7℃, 225℃(dec), [α]D 25 +19.7 (c1, 2N-HCl), 100%ee
IR(cm-1) : 3235, 2933, 1704, 1600, 1537, 1148, 998, 878, 770.
1H-NMR (600 MHz, D2O + DCl) δH: 1.42-1.62 (4H, m), 1.74-1.80 (2H, m), 1.85-1.91 (1H, m), 1.93-1.99 (1H, m), 4.05 (1H, dd, JH-H = 6.4 and 6.4 Hz). 31P-NMR (121 MHz, D2O) δP: 32.6.
上記*で得られた濾過母液を濃縮し、残渣に純水を加えて溶解し、イオン交換樹脂(商品名「アンバーライトIR−120(H+)」、オルガノ(株)製)(25mL)にゆっくりと通液した。純水で十分に洗浄後、通液と洗液を合して濃縮し、残渣を乾燥して、白色の粗結晶D−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・1水和物(3.17g)を得た。
[α]D 26 -6.5 (c1 ,H2O), 60.8%ee
この粗結晶D−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・1水和物(3.10g)とL−HPGM(2.71g)を水(34.5mL)に加熱溶解し、70℃でメタノール(144mL)を徐々に加えた後、徐冷し15℃で2時間攪拌した。析出晶を濾過、洗浄、乾燥して、無色結晶の粗結晶(1)D−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・L−HPGM塩・1水和物(3.30g)を得た。
[α]D 25 +64.9 (c1, H2O), 96.5%de.
粗結晶(1)D−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・L−HPGM塩・1水和物(3.26g)に水(19.6mL)を加え、約70℃に加熱溶解し、さらにメタノール(82mL)を同温度下に滴加した。徐冷後、15℃で2時間攪拌後、析出晶を濾過、洗浄、乾燥して、再結晶(1)D−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・L−HPGM塩・1水和物(2.76g)を得た。得られた化合物の熱分析結果を図6に示す。
Mp(DSC):126.8, 205.5℃(dec), [α]D 26 +66.4 (c1, H2O), 100%de.
IR(cm-1) : 3458, 2860, 2643, 1733, 1605, 1579, 1523, 1418, 1253, 997, 893.
1H-NMR (600 MHz, D2O) δH: 1.38-1.52 (2H, m), 1.52-1.63 (4H, m), 1.80-1.93(2H, m), 3.73 (1H, dd, JH-H = 7.2 and 5.1 Hz), 3.81 (3H, s), 5.20 (1H, s), 6.97 (2H, d, JH-H = 8.6 Hz), 7.34 (2H, d, JH-H = 8.6 Hz). 31P-NMR (121 MHz, D2O) δP: 26.8.
再結晶(1)D−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・L−HPGM塩・1水和物(2.66g)を純水に溶解し、イオン交換樹脂(商品名「アンバーライトIR−120(H+)」、オルガノ(株)製)(10.7mL)にゆっくりと通液した。純水で十分に洗浄後、通液と洗液を合して濃縮した。残渣の固体にメタノール(15mL)を加え分散濾過し、メタノールで洗浄後、乾燥して、無色結晶のD−2−アミノ−6−ホスホノヘキサン酸・1水和物(1.40g)を得た。熱分析結果を図7に示す。
Mp(DSC):112.9℃, 231.8℃(dec), [α]D 25 -19.6 (c1, 2N-HCl), 100%ee
IR(cm-1) : 3235, 2934, 1705, 1600, 1537, 1148, 1000, 879, 770.
1H-NMR (600 MHz, D2O + DCl) δH: 1.43-1.67 (4H, m), 1.74-1.82 (2H, m), 1.85-1.93 (1H, m), 1.93-2.01 (1H, m), 4.06 (1H, dd, JH-H = 6.4 and 6.4 Hz). 31P-NMR (121 MHz, D2O) δP: 32.6.
実施例7(DL‐2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸の光学分割)
調製例で得られたDL−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物(50mg)に、下記表3に記載の塩基性光学活性化合物(0.213mmol)と溶媒を加えて加熱溶解した。析出した結晶を濾過、洗浄、乾燥して、ジアステレオマー塩を得た。これらのジアステレオマー塩をキラルHPLCで分析し、光学純度(de(%))を求めた。結果を下記表3に示す。
Figure 2018193999
実施例8(D−HPGHを用いるDL−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸の光学分割)
DL−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物(5.00g)にD−HPGH(3.86g)と水(60mL)を加え、80℃で加熱攪拌し、メタノール(30mL)を徐々に加えた後、徐冷し25℃で2時間攪拌した。析出晶を濾過(この濾過母液は下記*で使用)、洗浄、乾燥して、無色の粗結晶L−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・D−HPGH塩・1水和物(3.30g)を得た。
[α]D 25 -54.5 (c1, N-HCl), 90.6%de.(表3のキラルHPLC分析条件)
この粗結晶L−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・D−HPGH塩・1水和物(3.20g)に水(112mL)を加え、85℃に加熱攪拌し、さらにメタノール(112mL)を同温度下に滴加した。徐冷後、15℃で2時間攪拌後、析出晶を濾過、洗浄、乾燥して、再結晶(1)L−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・D−HPGH塩・1水和物(2.80g)を得た。
[α]D 26 −52.8 (c1, N-HCl), 99.1%de
この再結晶(1)L−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・D−HPGH塩・1水和物(2.70g)に水(54mL)とメタノール(10mL)を加え、約75℃に加熱攪拌し、N−HCl(6.42mL)を加えて溶解した。この溶液に重曹(0.539g)を発泡に注意しながら添加し、さらにメタノール(58mL)を同温度下に滴加した。徐冷後、15℃で2時間攪拌し、析出晶を濾過、洗浄、乾燥して、再結晶(2)L−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・D−HPGH塩・1水和物(2.60g)を得た。得られた化合物の熱分析結果を図8に示す。
Mp(DSC):82.8℃, 212.5℃(dec), [α]D 26 -51.7 (c1, N-HCl), 100%de.
IR(cm-1) : 3461, 3334, 3289, 2858, 1682, 1580, 1519, 1263, 999, 911.
1H-NMR (600 MHz, D2O) δH: 1.33-1.46(6H, m), 1.48-1.62(4H, m), 1.80-1.94 (2H, m), 3.74-3.75 (1H, dd, JH-H = 6.2 and 6.2 Hz ). 5.03(1H, S), 6.97-6.99 (1H, dd, JH-H = 6.2 and 6.2 Hz ), 7.35-7.38(1H, dd, JH-H = 6.2 and 6.2 Hz), 31P-NMR (121 MHz, D2O) δP: 27.6.
再結晶(2)L−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・D−HPGH塩・1水和物(2.30g)を純水に溶解し、イオン交換樹脂(商品名「アンバーライトIR−120(H+)」、オルガノ(株)製)(26mL)にゆっくりと通液した。純水で十分に洗浄後、通液と洗液を合して濃縮し、析出してきた結晶を濾過、洗浄、乾燥して無色結晶のL−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物(1.35g、収率96.0%)を得た。
Mp(DSC):73.0℃, 239.3℃(dec), [α]D 25 +14.9 (c1, 2N HCl), 100%ee(表3のキラルHPLC分析条件)
IR(cm-1) : 3144, 2933, 1715, 1634, 1525, 1156, 1030, 887
1H-NMR (300 MHz, D2O) δH: 1.58-1.86(2H, m), 2.02-2.25 (2H, m), 4.00-4.06 (1H, t ). 31P-NMR (121 MHz, D2O) δP: 33.6.
上記*で得られた濾過母液を濃縮し、その残渣に純水を加えて溶解し、イオン交換樹脂(商品名「アンバーライトIR−120(H+)」、オルガノ(株)製)(25mL)にゆっくりと通液した。純水で十分に洗浄後、通液と洗液を合して濃縮し、残渣を乾燥して、無色の粗結晶D−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物(2.65g)を得た。
[α]D 25 −9.0 (c1, N-HCl), 67.7%ee
この粗結晶D−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物(2.56g)にL−HPGH(1.98g)と水(90mL)を加え、85℃に加熱攪拌し、さらにメタノール(90mL)を同温度下に滴加した。徐冷し、15℃で2時間攪拌後析出した結晶を濾過、洗浄、乾燥して、無色結晶の再結晶(1)D−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・L−HPGH塩・1水和物(3.50g)を得た。
[α]D 25 +53.5 (c1, N-HCl), 96.2%de.
さらにこの再結晶(1)D−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・L−HPGH塩・1水和物(3.45g)に水(69mL)とメタノール(10mL)を加え、約75℃に加熱攪拌し、N−HCl(8.20mL)を加えて溶解した。この溶液に重曹(0.69g)を発泡に注意しながら添加し、さらにメタノール(76mL)を同温度下に滴加した。徐冷後、15℃で2時間攪拌し、析出晶を濾過、洗浄、乾燥して、再結晶(2)D−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・L−HPGH塩・1水和物(3.19g)を得た。
Mp(DSC):81.8℃, 215.1℃, [α]D 25 +52.7 (c1, N-HCl), 99.3%ee.
IR(cm-1) : 3459, 3333, 3288, 2858, 1681, 1579, 1519, 1263, 999, 911.
1H-NMR (600 MHz, D2O) δH: 1.33-1.46(6H, m), 1.48-1.62(4H, m), 1.80-1.94 (2H, m), 3.73-3.76 (1H, dd, JH-H = 6.2 and 6.2 Hz ). 5.03(1H, S), 6.97-6.99 (1H, dd, JH-H = 6.2 and 6.2 Hz ), 7.35-7.38(1H, dd, JH-H = 6.2 and 6.2 Hz), 31P-NMR (121 MHz, D2O) δP:27.6.
再結晶(2)D−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・L−HPGH塩・1水和物(2.30g)を純水に溶解し、イオン交換樹脂(商品名「アンバーライトIR−120(H+)」、オルガノ(株)製)(26mL)にゆっくりと通液した。純水で十分に洗浄後、通液と洗液を合して濃縮し、析出してきた結晶を濾過、洗浄、乾燥して無色結晶のD−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物(1.37g)を得た。得られた化合物の熱分析結果を図9に示す。
Mp(DSC):75.3℃, 240.8℃(dec), [α]D 25 -14.8 (c1, 2N HCl), 100%ee
IR(cm-1) : 3142, 2933, 1714, 1633, 1524, 1155, 1030, 887.
1H-NMR (300 MHz, D2O) δH: 1.58-1.86(2H, m), 2.02-2.25 (2H, m), 4.00-4.06 (1H, t ). 31P-NMR (121 MHz, D2O) δP: 33.6.
<グルタチオン産生促進作用の評価>
実施例8で得られたD−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物をサンプルとして使用し、これについて、下記方法により、グルタチオン産生促進作用を評価した(n=4)。
すなわち、正常ヒト表皮細胞を、正常ヒト表皮角化細胞増殖用培地(商品名「HuMedia KG2」、倉敷紡績(株)製)を用いて96穴マイクロプレートに、2.0×104cells/96wellの細胞密度にて播種した。
播種24時間後、所定濃度のサンプルを含有した正常ヒト表皮角化細胞増殖用培地(商品名「HuMedia KB2」、倉敷紡績(株)製)と交換して培養を続けた。
また、ブランクとして、前記サンプルを使用しない以外は同様に培養を行った。
24時間の培養後、100μMのフェニルメチルスルフォニルフルオライド含有リン酸緩衝液を用い、超音波処理にて細胞を破砕し、グルタチオンレダクターゼリサイクリング法により総グルタチオン量を定量した。
すなわち、細胞破砕液を還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸及びグルタチオンレダクターゼと混合し、37℃にて10分間反応させた。
次に、10mMの5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)を溶解させた0.1Mリン酸緩衝液(0.5M EDTA含有、pH7.5)を加え、添加直後、及び30分間インキュベート後の吸光度(450nmにおける)を測定し、その差[30分後の吸光度−添加直後の吸光度]をグルタチオン合成量の指標とした。
尚、細胞破砕液中の総グルタチオン量は、酸化型グルタチオンを用いて作成した検量線より算出した。また、細胞破砕液のタンパク質含有量は、Pierce Microplate BCA Protein Assay Kit(Thermo SCIENTIFIC)を用いて定量した。グルタチオン合成量は、Student t検定を用いて有意差検定を行い、試料未処理、及び陽性対象との差異を評価した。2回実施した結果を下記表4−1(1回目)、表4−2(2回目)に示す。
Figure 2018193999
表4−1、4−2より、実施例で得られたD−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物はブランク(未処理の場合)に比べて、有意なグルタチオン産生促進作用を有することがわかった。
サンプルとして、D−2−アミノ−8−ホスホノオクタン酸・1水和物に代えて、実施例2で得られたD−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・L−Arg塩、及び実施例3で得られたD−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・D−Arg塩・1水和物を使用した以外は上記と同様にしてグルタチオン産生促進作用を評価した(n=4)。
参考例として、前記サンプルに代えてナールスゲン[一般名称:DL−2−アミノ−4−[(RSp)−(3−カルボキシメチルフェノキシ)(メトキシ)ホスホリル]ブタン酸]を使用した以外は上記と同様にした。
2回実施した結果を下記表5−1(1回目)、表5−2(2回目)に示す。
Figure 2018193999
表5−1、5−2より、実施例で得られたD−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・L−Arg塩、及びD−2−アミノ−4−ホスホノブタン酸・D−Arg塩・1水和物は、ナールスゲンと同等、若しくはそれ以上に有意なグルタチオン産生促進作用を有することがわかった。
以上のまとめとして、本発明の構成及びそのバリエーションを以下に付記しておく。
[1] 原料としての、式(1)で表されるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸、又はその水和物に、塩基性光学活性化合物(但し、光学活性リジンを除く)を反応させて、式(1-1)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と前記塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)と、式(1-2)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と前記塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)のジアステレオマー塩混合物を得、得られたジアステレオマー塩混合物を分別晶析に付して、一方のジアステレオマー塩を単離することを特徴とする、光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法。
[2] 塩基性光学活性化合物が、シンコニン、シンコニジン、キニーネ、キニジン、光学活性なアルギニン、光学活性なフェニルアラニンアミド、光学活性なオルニチン、光学活性なチロシンヒドラジド、光学活性な1−フェニルプロピルアミン、光学活性な2−フェニルプロピルアミン、光学活性なバリノール、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンヒドラジド、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンメチルエステル、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンエチルエステル、光学活性なグルカミン、光学活性なロイシノール、光学活性な1−フェニルエチルアミン、及び光学活性な2−アミノ−1−ブタノールからなる群より選択される化合物である、[1]に記載の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法。
[3] 原料として、式(1)で表され、式中のmが1、3、又は5であるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸、又はその水和物を使用する、[1]又は[2]に記載の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法。
[4] 原料として、式(1)で表されるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸の水和物を使用し、ジアステレオマー塩として、式(1-1)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と塩基性光学活性化合物との塩若しくはその水和物、又は式(1-2)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と塩基性光学活性化合物との塩若しくはその水和物を得る、[1]〜[3]の何れか1つに記載の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法。
[5] 式(1-1’-B)で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物。
[6] 式(1-2’-B)で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物。
[7] [1]〜[4]の何れか1つに記載の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法により光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)を得た後、これを分解して、前記被処理化合物と同じ立体配置を有する、対応する光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物を得ることを特徴とする、光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物の製造方法。
[8] 式(1-1’)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物。
[9] 式(1-2’)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物。
[10] 式(1-1’-B)で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-2’-B)で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-1’)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物、及び式(1-2’)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物から選択される少なくとも1種を有効成分として含有するコラーゲン産生促進剤。
[11] 式(1-1’-B)で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-2’-B)で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-1’)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物、及び式(1-2’)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物から選択される少なくとも1種を有効成分として含有するエラスチン産生促進剤。
[12] 式(1-1’-B)で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-2’-B)で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-1’)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物、及び式(1-2’)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物から選択される少なくとも1種を有効成分として含有するHSP47産生促進剤。
[13] 式(1-1’-B)で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-2’-B)で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-1’)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物、及び式(1-2’)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物から選択される少なくとも1種を有効成分として含有するグルタチオン産生促進剤。
[14] 式(1-1’-B)で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-2’-B)で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-1’)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物、及び式(1-2’)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物から選択される少なくとも1種を有効成分として含有するフィラグリン産生促進剤。
[15] 式(1-1’-B)で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-2’-B)で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-1’)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物、及び式(1-2’)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物から選択される少なくとも1種を有効成分として含有するフィラグリン遺伝子発現促進剤。
[16] 式(1-1’-B)で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-2’-B)で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-1’)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物、及び式(1-2’)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物から選択される少なくとも1種を有効成分として含有する皮膚表皮の角化細胞の遊走・増殖の促進剤。
[17] 式(1-1’-B)で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-2’-B)で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物、式(1-1’)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物、及び式(1-2’)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物から選択される少なくとも1種を有効成分として含有するスキンケア用化粧料。
本発明によれば、簡便且つ安価に製造可能な式(1)で表されるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸、又はその水和物を原料として、光学活性なD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸若しくはこの水和物、又はL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸若しくはこの水和物が簡便且つ高純度に得られる。
また、得られた光学活性なD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸若しくはこの水和物、又はL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸若しくはこの水和物は結晶性に優れる。その上、室温において吸湿せず、非潮解性である。そのため、保存安定性に優れ、取り扱いが容易である。更に、コラーゲン産生促進効果、グルタチオン産生促進効果、創傷修復促進効果を有し、且つ細胞毒性を有さず、安全性に優れるため、例えば、アレルギー性皮膚疾患、尋常性魚鱗癬、老人性乾皮症、歯周病、結膜炎等の治療や予防に好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. 原料としての、下記式(1)で表されるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸、又はその水和物に、塩基性光学活性化合物(但し、光学活性リジンを除く)を反応させて、下記式(1-1)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と前記塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)と、下記式(1-2)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と前記塩基性光学活性化合物との塩(水和物を含む)のジアステレオマー塩混合物を得、得られたジアステレオマー塩混合物を分別晶析に付して、一方のジアステレオマー塩を単離することを特徴とする、光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法。
    Figure 2018193999
    (式中、mは1〜7の整数を示し、*は不斉原子を示す)
    Figure 2018193999
    (式中、m、*は上記に同じ)
    Figure 2018193999
    (式中、m、*は上記に同じ)
  2. 塩基性光学活性化合物が、シンコニン、シンコニジン、キニーネ、キニジン、光学活性なアルギニン、光学活性なフェニルアラニンアミド、光学活性なオルニチン、光学活性なチロシンヒドラジド、光学活性な1−フェニルプロピルアミン、光学活性な2−フェニルプロピルアミン、光学活性なバリノール、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンヒドラジド、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンメチルエステル、光学活性なp−ヒドロキシフェニルグリシンエチルエステル、光学活性なグルカミン、光学活性なロイシノール、光学活性な1−フェニルエチルアミン、及び光学活性な2−アミノ−1−ブタノールからなる群より選択される化合物である、請求項1に記載の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法。
  3. 原料として、式(1)で表され、式中のmが1、3、又は5であるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸、又はその水和物を使用する、請求項1又は2に記載の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法。
  4. 原料として、式(1)で表されるDL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸の水和物を使用し、ジアステレオマー塩として、式(1-1)で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と塩基性光学活性化合物との塩若しくはその水和物、又は式(1-2)で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸と塩基性光学活性化合物との塩若しくはその水和物を得る、請求項1〜3の何れか1項に記載の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法。
  5. 下記式(1-1’-B)
    Figure 2018193999
    (式中、m’は1、3、又は5を示し、tは0〜5の数を示す。Bsは塩基性光学活性化合物(但し、光学活性リジンを除く)を示す。*は不斉原子を示す)
    で表される、D−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物。
  6. 下記式(1-2’-B)
    Figure 2018193999
    (式中、m’は1、3、又は5を示し、t’は0〜5の数を示す。Bsは塩基性光学活性化合物(但し、光学活性リジンを除く)を示す。*は不斉原子を示す)
    で表される、L−2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩若しくはその水和物。
  7. 請求項1〜4の何れか1項に記載の光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩の製造方法により光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸塩(水和物を含む)を得た後、これを分解して、前記被処理化合物と同じ立体配置を有する、対応する光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物を得ることを特徴とする、光学活性な2−アミノ−ホスホノアルカン酸又はその水和物の製造方法。
  8. 下記式(1-1’)
    Figure 2018193999
    (式中、m’は1、3、又は5を示し、nは0を超え、5以下の数を示す。*は不斉原子を示す)
    で表されるD−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物。
  9. 下記式(1-2’)
    Figure 2018193999
    (式中、m’は1、3、又は5を示し、nは0を超え、5以下の数を示す。*は不斉原子を示す)
    で表されるL−2−アミノ−ホスホノアルカン酸水和物。
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