JP2974862B2 - 新規1―チア―4,6―ジアザスピロ〔4.4〕ノナン誘導体およびその製法 - Google Patents

新規1―チア―4,6―ジアザスピロ〔4.4〕ノナン誘導体およびその製法

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JP2974862B2 JP1078993A JP1078993A JP2974862B2 JP 2974862 B2 JP2974862 B2 JP 2974862B2 JP 1078993 A JP1078993 A JP 1078993A JP 1078993 A JP1078993 A JP 1078993A JP 2974862 B2 JP2974862 B2 JP 2974862B2
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は式[I]
【0002】
【化4】
【0003】で表わされる1―チア―4,6―ジアザス
ピロ〔4.4〕ノナン類およびその医薬的に許容しうる
塩、これらの化合物の製法およびこれらの化合物の用途
に関する。
【0004】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、式
[I′]
【0005】
【化5】
【0006】で表わされる化合物については、式[I
I′]
【0007】
【化6】
【0008】で表わされる化合物と式[IV′]
【0009】
【化7】
【0010】で表わされる化合物との相互変換の際、中
間体として存在する可能性が論じられている(Calvin,
M., in "Glutathione", edited by S.P.Colowick at a
l., Academic Press, New York,1954,3―3
0)。また最近上記式[IV′]で表わされる化合物のア
ルカリ水溶液を放射線照射すると、上記式[I′]で表
わされる化合物のラジカルが中間体として生成するかも
しれないという可能性が論じられている(Eriksen, T.
E. and Fransson, G., Radiat. Phys. Chem. 32,1
63―167(1988);J. Chem. Soc. Perkin Tra
ns. II 1117―1122(1988))。
【0011】しかしながら、これらいずれの論文におい
ても上記式[I′]で表わされる化合物が確実に存在す
るという確証は何ら提示されておらず、また、上記式
[I′]で表わされる化合物を単離したこと、あるいは
その特性について何の記載もなされていない。むしろ、
上記Eriksen らの論文で推論された上記式[I′]で表
わされる化合物の母核に対してAmerican Chemical Soci
ety が登録番号(RN.No.100454―83―
9)を付与したことは、かかる母核自体が新規であり、
かかる化合物は未だ提供されていないことを示すもので
ある。
【0012】このような従来技術の課題に鑑み、本発明
者は新規な1―チア―4,6―ジアザスピロ〔4.4〕
ノナン誘導体およびその製法等を提供すべく鋭意研究の
結果本発明に到達したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、式
[I]
【0014】
【化8】
【0015】[式中XはH、COOH,R1 ,またはC
OOR1 を表わし、YはOH,OR 1 ,A,AOR1
表わす(ここでR1 は、独立にC1 〜C8 の直鎖状、分
枝状もしくは環状炭化水素基、または芳香族基が置換し
たC1 〜C4 の直鎖状もしくは分枝状炭化水素基を表わ
し、Aはアミノ酸残基を表わし、AOR1 はアミノ酸エ
ステル残基を表わす。)]で表わされる化合物またはそ
の薬学的に許容される塩、これらの化合物の製法および
これらの化合物の有効量からなる式[I]で表わされる
化合物の補給が制限されることによって惹起される疾患
の予防または治療剤である。
【0016】式[I]の化合物にはいくつかのキラル中
心があり、それ故に多数の異性体として存在することが
容易に理解される。本発明はこれらの異性体のそれぞ
れ、およびこれらの混合物にまで及ぶ。
【0017】上記式[I]において、XはH,COO
H,R1 またはCOOR1 (ここでR 1 は独立にC1
8 の直鎖状、分枝状もしくは環状炭化水素基、または
芳香族基が置換したC1 〜C4 の直鎖状もしくは分枝状
炭化水素基を表わす)を表わす。かかるR1 のC1 〜C
8 の直鎖状、分枝状もしくは環状炭化水素基としては、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基(n―プロピ
ル、i―プロピル)、ブチル基(n―ブチル、i―ブチ
ル、s―ブチル、またはt―ブチル)、シクロヘキシル
基、また芳香族基が置換したC1 〜C4 の直鎖状もしく
は分枝状炭化水素基としては、例えばベンジル基、フェ
ニルエチル基等があげられる。
【0018】またYはOH,OR1 、AまたはAOR1
を表わす(ここでR1 は独立に前記で定義される基から
選ばれる基を表わし、Aはアミノ酸残基、AOR1 はア
ミノ酸エステル残基を表わす。)。かかるOR1 として
は、前記R1 で表わされるアルキル基とオキシ基からな
るアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基、ベンジルオキシ基等を挙げるこ
とができる。
【0019】またAとしては、アミノ酸残基、例えばグ
リシン(Gly)、アラニン(Ala)、ロイシン(L
eu)、スレオニン(Thr)、アスパラギン酸(As
p)、アスパラギン(Asn)、メチオニン(Me
t)、フェニルアラニン(Phe)、ヒスチジン(Hi
s)等のD及びL光学異性体、及びラセミ体を包含する
もの、もしくはβ―、およびγ―アミノカルボン酸を挙
げることができる。さらにAOR1 としては、前記Aで
表わされるアミノ酸残基とR1 で表わされるアルキル基
からなるアミノ酸エステル残基を挙げることができる。
【0020】本発明の式[I]で表わされる化合物とし
ては、上記のうち、Xとしては、例えば、COOH、C
OOR1 (ここでR1 はC1 〜C6 の直鎖状、分枝状も
しくは環状炭化水素基を表わす)が好ましく、またYと
してはOH、OR1 (ここでR1 はC1 〜C6 の直鎖
状、分枝状もしくは環状炭化水素基を表わす)、Aで表
わされるアミノ酸残基がGlyである場合のA、AOR
1 (ここでR1 はC1 〜C6 の直鎖状、分枝状もしくは
環状炭化水素基を表わす)が好ましく、なかでもXとし
ては、例えばCOOH、COOR1 が好ましく、またY
としては、例えばAで表わされるアミノ酸残基がGly
である場合のA、AOR1 (ここでR1 はC1 〜C4
アルキル基を表わす)、OH、及びOR1 (ここでR1
はC1 〜C 4 のアルキル基を表わす)を好ましいものと
して挙げることができる。
【0021】本発明の化合物の薬学的に許容される塩と
しては、X,Y置換基により酸性基が生ずる場合には、
無機塩基または有機塩基との付加塩が挙げられ、また
X,Y置換基により式[I]の化合物が塩基性となる場
合には、無機酸または有機酸との付加塩が挙げられる。
【0022】本発明の式[I]の化合物は以下の各製法
によって得ることができる。
【0023】第1番目の製法(製法1)としては、式
[II]
【0024】
【化9】
【0025】[X,Yの定義は式[I]の定義と同じ]
で表わされる化合物を弱酸性、中性、アルカリ性溶液中
で閉環反応させることによって式[I]で表わされる化
合物を形成させ、場合によって前記式[I]で表わされ
る化合物の薬学的に許容される塩を得ることからなる前
記式[I]で表わされる化合物またはその薬学的に許容
される塩の製法である。
【0026】また第2番目の製法(製法2)としては式
[III ]
【0027】
【化10】
【0028】[X,Yの定義は式[I]の定義と同じ]
で表わされる化合物を弱酸性、中性、アルカリ性溶液中
で閉環反応させることにより前記式[I]で表わされる
化合物を形成させ、場合により式[I]の化合物の薬学
的に許容される塩を得ることからなる、前記式[I]で
表わされる化合物またはその薬学的に許容される塩の製
法である。
【0029】式[II]および式[III ]で表わされる、
式[I]を製造するための化合物は、特開平2―121
965号に記載された方法によって得ることができる。
【0030】これらの反応は、例えばまず、式[II]お
よび式[III ]で表わされる化合物の強酸塩を製造し、
次いで、塩基によってこれらの化合物を弱酸性、中性、
またはアルカリ性溶液中で閉環反応に付すことによって
行われる。式[II]および式[III ]の化合物の強酸塩
を形成する強酸としては、塩酸が一般的であるが、硫
酸、硝酸、過塩素酸、臭化水素酸などの鉱酸、ベンゼン
スルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸も用
いることができる。また式[II]および式[III]の化
合物の強酸塩の溶液の酸度を減弱させるための塩基とし
ては、苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニア水などの無機
塩基、脂肪族アミン、芳香族アミンなどの有機塩基を使
用することができる。
【0031】かかる反応の反応条件としては特に制限は
ないが、反応溶媒としては水、極性有機溶媒等を用い、
反応温度としては0〜100℃、反応時間としては1分
〜24時間が挙げられる。
【0032】また式[III ]で表わされる化合物を遊離
の形で製造し、弱酸性、中性、アルカリ性溶液で、上記
反応条件下に式[I]の化合物に導くこともできる。
【0033】さらに、特開平2―121965号に記載
された式[IV]
【0034】
【化11】
【0035】[X,Yの定義は式[I]の場合と同じ]
で示される化合物を出発原料として、上記反応条件を制
御することによって式[II]あるいは式[III ]の化合
物を単離することなしに、式[I]で示される化合物を
製造することができる。
【0036】式[I]に示される化合物で、X,Y置換
基により酸性基が生ずる時には、これらの酸性基を塩の
形に変えることができる。薬学的に許容される塩には、
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バ
リウム、リチウム、アンモニウムなどの無機塩基から誘
導されるもの、およびジエチルアミン、イソプロピルア
ミン、エタノールアミン、コリン、ピペリジン、アルギ
ニン、リジンなどの有機塩基から誘導されるものがあ
る。一般的な塩としてはナトリウム、カルシウム、マグ
ネシウム、エタノールアミン、アルギニン、リジン、コ
リンが選ばれる。好ましくは塩基付加塩はナトリウム塩
とマグネシウム塩である。
【0037】また式[I]で示される化合物には塩基性
を有する置換されたアミノ基が存在する。これらのアミ
ノ基を塩に誘導する時に使われる薬学的に許容される酸
としては、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、
硫酸および有機酸、例えば酢酸、酒石酸、マレイン酸、
クエン酸、コハク酸、乳酸、α―ケトグルタル酸、α―
グリセロリン酸およびグルコース―1―リン酸などが含
まれる。一般的には塩酸、リン酸、硫酸、クエン酸、酒
石酸、乳酸および酢酸のような酸との酸付加塩である。
【0038】式[I]の化合物およびそれらの薬学的に
許容される塩は、また水和物のような薬学的に許容され
る溶媒和物を形成することができ、これらの溶媒和物も
式[I]の化合物またはその塩について、本明細書中で
言及する時常に包含されるものである。
【0039】かくして得られる本発明の[I]式で表わ
される化合物は、天然の生理活性物質である[IV]式の
XがCOOH,YがHN―CH2 ―COOHである化合
物(グルタチオン)を出発原料として誘導される化合物
を包含する新規物質であることから、生体にとって重要
な機能を発揮することが容易に推測される。従って
[I]式で表わされる化合物の補給が、生体内で円滑に
行われないことが原因で惹起される各種疾患の予防薬も
しくは治療薬として[I]式で表わされる化合物または
その薬学的に許容される塩を使用することができる。か
かる疾患としては、例えば糖尿病、不整脈、潰瘍、アン
ギナ、血栓性疾患、癌等を挙げることができるが、
[I]式で表わされる化合物の医薬的用途はこれらに限
定されるものではない。
【0040】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を具体的に説明す
る。
【0041】
【実施例1】 7―カルボキシ―3―{[(カルボキシメチル)アミ
ノ]カルボニル}―1―チア―4,6―ジアザスピロ
〔4.4〕ノナンの製造(製法2) グルタチオン9gを濃塩酸45mlに溶かし、100℃で
3分間加熱した後、ただちに氷浴上で冷却した。これに
冷エタノール900mlを加え、続いて冷酢酸エチル4,
050mlを攪拌下に加え、低温室に20分間放置した。
上清の大部分をデカンテーションで除き、残りを遠心分
離することにより、白色沈澱を集めた。集めた沈澱はデ
シケーター中にて粒状水酸化ナトリウム上で3日間減圧
乾燥した後、さらに粉末五酸化リン上にて3日間減圧乾
燥し、N―[2―(3―アミノ―3―カルボキシ―1―
プロピル)―4―Δ2 ―チアゾリニルカルボニル]―グ
リシン塩酸塩(グルタチオン・チアゾリン塩酸塩)6.
96gを得た。次に得られたグルタチオン・チアゾリン
塩酸塩6.41gを冷却下0.2N NaOH溶液20
0mlに溶解し、さらに56mlの同溶液を添加することに
より速やかに溶液のpHを6.50に調整した後、凍結
乾燥を行い、N―[2―(5―カルボキシ―2―ピロリ
ジニリデンアミノ)―3―メルカプトプロピオニル]―
グリシン(グルタチオン・ピロリジン)のナトリウム塩
粗乾燥品7.90gを得た。凍結乾燥したこのグルタチ
オン・ピロリジンをメタノール50mlで抽出し、遠心分
離して不溶画分とメタノール溶液に分けた。
【0042】不溶物を再度メタノール10mlで抽出し、
最初の抽出液と混合した後、減圧下に濃縮、乾固し、残
渣をデシケーター中で一夜減圧下に乾燥し、6.34g
の固体を得た。続いて乾燥した本固体6.13gをメタ
ノール212mlに溶解し、攪拌下に酢酸エチル141ml
を滴下した。生じた沈澱を遠心分離して除いた上清に酢
酸エチル350mlを同様にして加え、生じた沈澱を集め
て、デシケーター中減圧下に五酸化リン上で1週間乾燥
し、3.33gの白色固体を得た。
【0043】このようにして得られたグルタチオン・ピ
ロリジンNa塩の固体400mgを、Pierce社製の
加水分解管中で蒸留水3mlに溶かし、エタノール7mlを
加えた後氷浴で冷却下窒素置換を行い、100℃で40
分間加熱した。反応後、容器を冷却した時に管底に析出
する油状物質を蒸留水4mlを加えて溶かした。本操作を
さらに2回繰り返し、全体で1,200mgのグルタチオ
ン・ピロリジン塩を処理し、溶液を1つにした。
【0044】次に本溶液を低温室に設置したQAE―Se
phadexA―25 HCO3 - 型のカラム(2×32cm)
にかけ、50%エタノール中の重炭酸アンモニウムが
0.08Mおよび0.4M濃度の溶液500mlずつで直
線勾配をかけて溶出し、画分を16mlずつ集めた。各画
分はGLサイエンス社製イナートシルODS―2の高速
液体クロマトカラムにかけ、2.0mMのリン酸カリウ
ム緩衝液(pH6.6)で溶出した。目的とする物質を
含む画分43から50を集めて減圧下40℃でフィルム
状物質が得られる迄濃縮乾固した。残渣をメタノール2
0mlに溶かした後エタノール10mlを加え再濃縮した。
この操作を繰り返して白色固体にし、デシケーター中で
減圧下に乾燥した。
【0045】かくして得られた固体のうち152mgをメ
タノール54mlに溶かした後、300mgのジチオスレイ
トールを加え、窒素置換をして室温で1夜放置し、不純
物として混入したグルタチオン・ピロリジンのジスルフ
ィド酸化型を還元した。これに酢酸エチル54mlを加え
生じた沈澱を15,000×gで30分間遠心分離して
集めた。沈澱を再度メタノール50mlに溶かし、これに
酢酸エチル74mlを加え、60分間遠心分離して沈澱を
集め、減圧下に乾燥後75mgの7―カルボキシ―3―
{[カルボキシメチル)アミノ]カルボニル}―1―チ
ア―4,6―ジアザスピロ〔4.4〕ノナンを得た(S
IMS:290(M+H)+ )。
【0046】この精製品44mgを蒸留水3mlに溶かし
0.1N NaOHで中和した後凍結乾燥を行った。こ
の塩を重水中で測定した 1H―NMRを図1に示した。
またGLサイエンス社のイナートシルODS―2カラム
を使い、2.0mMリン酸緩衝液(pH6.6)を溶出
液に1.0ml/min の流出速度、210nmでの検出条
件下で高速液体クロマトグラフィーを行うと、本物質は
保持時間5.0分の所に溶出された。さらに調製した塩
の水溶液をDTNB法で調べたところ遊離SH基の存在
を認めなかった。
【0047】
【実施例2】 7―カルボキシ―3―{[(カルボキシメチル)アミ
ノ]カルボニル}―1―チア―4,6―ジアザスピロ
〔4.4〕ノナンの製造(製法1) 実施例1に記述した方法と同じようにしてグルタチオン
・ピロリジンのナトリウム塩粗乾燥品7.87gを製造
した。これをメタノール50mlで抽出し、乾燥抽出物
5.70gを得た。
【0048】次に全量を368mlの50%エタノールに
溶解し、室温でQAE―SephadexA―25 HCO3 -
型のカラム(3×31cm)にかけ、50%エタノール中
の重炭酸アンモニウムが0.08Mおよび0.4M濃度
の溶液1,000mlずつで直線勾配をかけて溶出し、画
分を17.8mlずつ集めた。画分55から64にはグル
タチオン・ピロリジンが溶出されたが、この溶出液を室
温で放置しておくと、高速液体クロマトグラフィー上
で、実施例1で最終的に精製された物質と同じ挙動を示
すものが生成した。
【0049】この物質が全体の約25%(210nmの
吸収を基準)に成長した時、画分55から60を一緒に
して40℃で減圧下に濃縮、乾固した。油状の残渣をメ
タノール30mlに溶かし、次にエタノール5mlを加え、
再び乾固した。この溶解、濃縮操作を再度行うことによ
り、白色固体を得、デシケーター中五酸化リン上で減圧
下に3日間乾燥した。
【0050】かくして得られた乾燥固体2.70gをメ
タノール93.5mlに溶かし、不溶物を遠心分離して除
去した後、上清に酢酸エチル62mlを攪拌下に加え、生
じた沈澱を遠心分離で集め、同様に乾燥し、1.45g
の固体を得た。この固体1.24gをメタノール311
mlに溶かし、酢酸エチル467mlを攪拌下に加え、沈澱
を乾燥後830mgの固体を得た。この全量を再びメタノ
ール415mlに溶かし、ジチオスレイトール8.3gを
加えて窒素気流下1夜放置した後、塩化メチレン1,0
37mlを加えて12,000×gで30分間遠心分離を
行い、得られた沈澱を乾燥し、444mgの固体を得た。
この固体417mgをメタノール305mlに溶解し、攪拌
下に塩化メチレン280mlを加え、同様にして遠心分離
後沈澱を除き上清を得た。この上清に塩化メチレン60
0mlを加えた時に生ずる沈澱を集め、乾燥後精製した7
―カルボキシ―3―{[(カルボキシメチル)アミノ]
カルボニル}―1―チア―4,6―ジアザスピロ〔4.
4〕ノナン197mgを得た(SIMS:290(M+
H)+ )。このうち89mgを実施例1と同様にナトリウ
ム塩に変換した。
【0051】その 1H― 1H COSY NMRを重水
中で測定した結果を図2に示した。本精製物は実施例1
に記した高速液体クロマトグラフィーと同一の条件で、
保持時間が5.0分の所に溶出された。またDTNB法
による検討でも遊離SH基の存在を認めなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1において製法2に従って合成、
精製した7―カルボキシ―3―{[(カルボキシメチ
ル)アミノ]カルボニル}―1―チア―4,6―ジアザ
スピロ〔4.4〕ノナンの重水溶液中での 1H NMR
スペクトラムを示す。
【図2】図2は実施例2において製法1に従って合成、
精製した7―カルボキシ―3―{[(カルボキシメチ
ル)アミノ]カルボニル}―1―チア―4,6―ジアザ
スピロ〔4.4〕ノナンの重水溶液中での 1H― 1
COSYによるNMRスペクトラムを示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−121965(JP,A) 特開 昭58−148871(JP,A) 特開 昭63−208590(JP,A) 特公 昭46−23385(JP,B1) Radiation Physics and Chemistry,Vo l.32,No.2,p.163−176 (1988) J.Chem.Soc.Perkin Trans.▲II▼,No.7, p.1117−1122(1988) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 513/10 C07D 207/00 - 207/50 C07D 277/00 - 277/84 C07D 498/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[I] 【化1】 [式中XはH、COOH,R1,COOR1を表わし、Y
    はOH,OR1,A,AOR1を表わす(ここでR1は、
    独立にC1〜C8の直鎖状、分枝状もしくは環状炭化水素
    基、または芳香族基が置換したC1〜C4の直鎖状もしく
    は分枝状炭化水素基を表わし、Aはアミノ酸残基を表わ
    し、AOR1はアミノ酸エステル残基を表わす。)]で
    表わされる化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 前記式[I]においてXにより表わされ
    る基がCOOH,COOR1(ここでR1はC1〜C6の炭
    化水素基を表わす)から選ばれる請求項1記載の化合物
    またはその薬学的に許容される塩。
  3. 【請求項3】 前記式[I]においてYにより表わされ
    る基がOH,OR1(ここでR1はC1〜C6の炭化水素基
    を表わす)、Gly(ここでGlyはグリシン残基を表
    わす)、Gly・OR1(ここでGly,R1はそれぞれ
    グリシン残基、C1〜C6の炭化水素基を表わし、全体と
    してグリシンエステル残基を意味する)から選ばれる請
    求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  4. 【請求項4】 式[II] 【化2】 [式中X,Yの定義は前記式[I]の場合と同じ]で表
    わされる化合物を弱酸性、中性もしくはアルカリ性溶液
    中で閉環反応させることにより前記式[I]で表わされ
    る化合物を形成させ、場合により前記式[I]で表わさ
    れる化合物の薬学的に許容される塩を得ることからな
    る、前記式[I]で表わされる化合物またはその薬学的
    に許容される塩の製法。
  5. 【請求項5】 式[III] 【化3】 [式中X,Yの定義は前記式[I]の場合と同じ]で表
    わされる化合物を弱酸性、中性もしくはアルカリ性溶液
    中で閉環反応させることにより前記式[I]で表わされ
    る化合物を形成させ、場合により前記式[I]の化合物
    の薬学的に許容される塩を得ることからなる、前記式
    [I]で表わされる化合物またはその薬学的に許容され
    る塩の製法。
JP1078993A 1992-01-28 1993-01-26 新規1―チア―4,6―ジアザスピロ〔4.4〕ノナン誘導体およびその製法 Expired - Lifetime JP2974862B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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J.Chem.Soc.Perkin Trans.▲II▼,No.7,p.1117−1122(1988)
Radiation Physics and Chemistry,Vol.32,No.2,p.163−176(1988)

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