JPWO2018066669A1 - 破断判定装置、破断判定プログラム、及びその方法 - Google Patents

破断判定装置、破断判定プログラム、及びその方法 Download PDF

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Abstract

破断判定装置1は、鋼材のスポット溶接部の周囲に形成された熱影響部に含まれる要素を抽出する要素抽出部22と、基準成形限界値情報に基づいて、熱影響部の材料特性及び板厚に応じた基準成形限界値を生成する基準成形限界値生成部23と、要素サイズ及び鋼材の引張強度を使用して、基準成形限界値を変更して要素サイズにおける成形限界値を予測して熱影響部成形限界値を生成する熱影響部成形限界値生成部24と、入力情報を使用して変形SIMを実行して、要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを含む変形情報を出力するシミュレーション実行部25と、変形情報に含まれる要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを決定する主ひずみ決定部26と、決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、熱影響部成形限界値とに基づいて、変形SIMで演算された要素のそれぞれが破断するか否かを判定する破断判定部27とを有する。

Description

本発明は、破断判定装置、破断判定プログラム、及びその方法に関する。
近年、衝突安全性及び軽量化の要請から、自動車車体への高強度鋼板の適用が急速に進展しつつある。自動車車体に使用される高強度鋼板は、板厚を増加させることなく衝突時の吸収エネルギを高めると共に破壊強度が高められている。しかしながら、鋼板の高強度化に伴い鋼板の延性が低下することによって、プレス成形時及び自動車等の車両の衝突変形時に鋼板が破断するおそれがある。プレス成形時及び衝突変形時の鋼板の状態を判定するために、有限要素法(Finite Element Method、FEM)による高精度の衝突変形シミュレーション及び破断判定へのニーズが高まってきている。
また、自動車等の車両組立工程における鋼板の接合方法として、スポット溶接が使用されている。スポット溶接により組み立てた部材は、スポット溶接部の周囲にHAZ(Heat affected zone)部とも称される熱影響部が形成されることが知られる。HAZ部は、スポット溶接による加熱の影響により強度が低下することがある。HAZ部の強度が低下すると、衝突変形時にひずみが集中し、HAZ部から破断が発生することがある。従って、衝突変形時のHAZ部の破断を精度良く予測することが求められており、これによって自動車の衝突変形シミュレーションの精度を向上させることができる。
例えば、特許文献1には、HAZ部の機械的特性及び化学成分等から計算される材料パラメータとひずみとの関係を示すマスターカーブに基づいて、HAZ部の破断を予測する技術が記載されている。特許文献1に記載する技術は、破断ひずみが未算出である鋼種からなる部材に対しても、破断判定値算出プロセスを実行することなく破断判定値を精度良く予測することができる。しかしながら、FEMを用いた衝突変形シミュレーションにおいてHAZ部の破断を予測する場合、HAZ部のひずみは、要素サイズに応じて相違するため、HAZ部が破断したと判定されるタイミングが、要素サイズによって異なるという問題があった。
このような問題を解決するために、要素サイズ毎に解析モデルを作成し、それぞれのモデルでの破断ひずみを演算し、要素サイズを規定するパラメータと破断ひずみとの関係からHAZ部の破断を予測する技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2に記載する技術は、要素サイズを規定するパラメータと破断ひずみとの関係から要素サイズパラメータの値を求めることで、要素サイズにかかわらず、HAZ部の破断ひずみを精度良く演算することができる。
特開2012−132902号公報 特開2008−107322号公報
しかしながら、特許文献2に記載する技術では、破断ひずみが演算されていない鋼種の破断予測を行うときに、破断予測を行う前に破断判定値を演算する処理が必要であるため、自動車等の車両の衝突変形シミュレーションに適用することは容易ではない。破断判定値を演算する処理は、多大な労力を要するため、自動車等の車両の通常数千打点にも及ぶスポット溶接打点の全てに対して破断判定値を決定することは不可能である。
そこで、本発明は、自動車等の車両のような熱影響部を多く含む部材が衝突変形する際のFEMを用いた変形シミュレーションにおいて、要素サイズにかかわらず熱影響部の破断を適切に予測可能な破断判定装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決する本発明は、以下に記載する破断判定装置、破断判定プログラム、及び破断判定方法を要旨とするものである。
(1)熱影響部を有する鋼材の材料特性及び板厚、並びに有限要素法による鋼材の変形シミュレーションに用いる解析モデルにおける要素サイズを示す要素の入力情報と、基準となる要素サイズである基準要素サイズにおける成形限界値となる基準成形限界値を示す基準成形限界値情報と、を記憶する記憶部と、
鋼材のスポット溶接部の周囲に形成された熱影響部に含まれる要素を抽出する要素抽出部と、
基準成形限界値情報に基づいて、熱影響部の材料特性及び板厚に応じた基準成形限界値を生成する基準成形限界値生成部と、
鋼材の引張強度を使用して基準成形限界値を変更し、熱影響部に含まれる要素の要素サイズにおける成形限界値を予測して熱影響部成形限界値を生成する熱影響部成形限界値生成部と、
入力情報を使用して変形シミュレーションを実行して、熱影響部に含まれる要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力するシミュレーション実行部と、
熱影響部に含まれる要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを決定する主ひずみ決定部と、
主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、熱影響部成形限界値により規定される熱影響部成形限界線とに基づいて、解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する破断判定部と、
を有することを特徴とする破断判定装置。
(2)要素抽出部は、
2つの鋼材を接合することを規定する接合要素を抽出する接合要素抽出部と、
接合要素と鋼材を形成する要素との接点を中心点とする円環を規定する円環規定部と、
円環に少なくとも一部が含まれる要素を、熱影響部を形成する要素に決定する要素決定部と、
を有する、(1)に記載の破断判定装置。
(3)基準成形限界値生成部は
接合要素と鋼材を形成する要素との接点に隣接する要素の材料特性及び板厚を取得する隣接情報取得部と、
隣接情報取得部によって取得された材料特性から熱影響部の材料特性を推定する材料特性推定部と、
材料特性推定部によって推定された材料特性及び隣接情報取得部によって取得された板厚に応じた基準成形限界値を生成する成形限界値生成部と、
を有する、(2)に記載の破断判定装置。
(4)熱影響部成形限界値生成部は、
熱影響部に含まれる要素の要素サイズを決定する要素サイズ決定部と、
鋼材の引張強度を使用して、決定された要素サイズに応じて基準成形限界値を変更する成形限界値変更部と、
を有する、(1)〜(3)の何れか一つに記載の破断判定装置。
(5)要素サイズ決定部は、
熱影響部に含まれる要素のそれぞれの要素サイズを抽出する要素サイズ抽出部と、
抽出された要素サイズのそれぞれから、熱影響部に含まれる要素の要素サイズを演算する要素サイズ演算部と、
を有する、(4)に記載の破断判定装置。
(6)変形シミュレーションは、鋼材によって形成された車両の衝突変形シミュレーションである、(1)〜(5)の何れか一つに記載の破断判定装置。
(7)前記対象成形限界値生成部は、要素サイズ及び鋼材の引張強度の関数である成形限界値予測式を使用して対象成形限界値を生成し、
成形限界値予測式は、ρはひずみ比であり、MはFEMによるシミュレーションに用いる解析モデルの要素の大きさを示す要素サイズであり、ε1は要素サイズMにおける最大主ひずみであり、ε2は要素サイズMにおける最小主ひずみであるとき、第1係数k1及び第2係数k2により
で示され、第1係数k1は、鋼板の材料の引張強度TS並びに、係数γ及びδから
で示され、第2係数k2は、基準要素サイズにおける最大主ひずみε1B及び係数ηから
で示される、(1)に記載の破断判定装置。
(8)鋼材のスポット溶接部の周囲に形成された熱影響部に含まれる要素を抽出し、
基準となる要素サイズである基準要素サイズにおける成形限界値となる基準成形限界値を示す基準成形限界値情報に基づいて、熱影響部の材料特性及び板厚に応じた基準成形限界値を生成し、
要素サイズ及び鋼材の引張強度を使用して基準成形限界値を変更し、熱影響部に含まれる要素の要素サイズにおける成形限界値を予測して熱影響部成形限界値を生成し、
鋼材の材料特性及び板厚を含む有限要素法による鋼材の変形シミュレーションのための入力情報を使用して変形シミュレーションを実行して、熱影響部に含まれる要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力し、
熱影響部に含まれる要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを決定し、
主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、熱影響部成形限界値により規定される熱影響部成形限界線とに基づいて、解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する、ことを含むことを特徴とする破断判定方法。
(9)鋼材のスポット溶接部の周囲に形成された熱影響部に含まれる要素を抽出し、
基準となる要素サイズである基準要素サイズにおける成形限界値となる基準成形限界値を示す基準成形限界値情報に基づいて、熱影響部の材料特性及び板厚に応じた基準成形限界値を生成し、
要素サイズ及び鋼材の引張強度を使用して基準成形限界値を変更し、熱影響部に含まれる要素の要素サイズにおける成形限界値を予測して熱影響部成形限界値を生成し、
鋼材の材料特性及び板厚を含む有限要素法による鋼材の変形シミュレーションのための入力情報を使用して変形シミュレーションを実行して、熱影響部に含まれる要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力し、
熱影響部に含まれる要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを決定し、
主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、熱影響部成形限界値により規定される熱影響部成形限界線とに基づいて、解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする破断判定プログラム。
一実施形態では、熱影響部を多く含む部材のFEMによる変形シミュレーションにおいて、要素サイズにかかわらず熱影響部の破断を適切に予測することができる。
成形限界値予測式を使用して生成された成形限界線と、実測値との関係を示す図である。 第1実施形態に係る破断判定装置を示す図である。 第1実施形態に係る破断判定装置による破断判定処理のフローチャートである。 図3に示すS103の処理のより詳細な処理を示すフローチャートである。 図4に示す処理を説明するための図であり、(a)及び(b)はS201の処理を説明するための図であり、(c)はS202の処理を説明するための図であり、(d)はS203の処理を説明するための図である。 図3に示すS104の処理のより詳細な処理を示すフローチャートである。 図3に示すS105の処理のより詳細な処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る破断判定装置を示す図である。 第2実施形態に係る破断判定装置による破断判定処理のフローチャートである。 要素サイズが相違するときのS103の処理を説明するための図であり(a)はS201の処理を説明するための図であり、(b)はS202の処理を説明するための図であり、(c)はS203の処理を説明するための図である。 実施形態に係る破断判定装置の適用例の一例である金型製造システムを示す図である。 測定に使用したハット部材3点曲げ試験装置を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は(a)のA−A´線に沿う断面図である。 実施例及び比較例のスポット溶接近傍のFEMシミュレーション条件を示す図である。 実物による実験結果と実施例1及び2との比較を示す図であり、(a)は実物の破断状態を示す図であり、(b)は実施例1の破断状態を示す図であり、(c)は実施例2の破断状態を示す図であり、(d)は押下部材の押下距離とハット部材に生じる荷重との関係を示す図である。 実物による実験結果と比較例1及び2との比較を示す図であり、(a)は実物の破断状態を示す図であり、(b)は比較例1の破断状態を示す図であり、(c)は比較例2の破断状態を示す図であり、(d)は押下部材の押下距離とハット部材に生じる荷重との関係を示す図である。
以下図面を参照して、破断判定装置、破断判定プログラム、及びその方法について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されない。
(実施形態に係る破断判定装置の概要)
実施形態に係る破断判定装置は、実測等によって作成された基準要素サイズにおける基準成形限界値情報と、HAZ部(熱影響部)の材料特性及び板厚によって決定される基準成形限界値を、解析モデルにおける要素の大きさである要素サイズと鋼材の引張強度の関数である成形限界値予測式によって変更する。実施形態に係る破断判定装置は、解析モデルにおける要素の大きさである要素サイズと鋼材の引張強度の関数である成形限界値予測式によって変更された熱影響部成形限界値を使用することで、引張強度に応じた対象成形限界値を使用することができる。実施形態に係る破断判定装置は、引張強度に応じた対象成形限界値を使用することができるので、部材に含まれる多くの熱影響部の破断を短時間で予測することができる。以下、実施形態に係る破断判定装置について説明する前に実施形態に係る破断判定装置における破断判定処理の原理を説明する。
本発明の発明者らは、実測等によって作成された成形限界線に対応する基準要素サイズにおける基準成形限界値を、判定対象とする鋼板の解析モデルにおける要素サイズと基準要素サイズにおける最大主ひずみとの関係に基づいて要素サイズにおける最大主ひずみを予測する成形限界値予測式を見出した。すなわち、本発明の発明者らは、基準となる基準成形限界線に対応する基準成形限界値を、鋼材の引張強度及び要素サイズの関数である成形限界値予測式によって変更することで生成される対象成形限界値を使用して破断の有無を判断することを見出した。要素サイズに応じて、成形限界値予測式を使用して成形限界値を変更することで、要素サイズに応じた破断判断が可能になる。
以下に示す式(1)は、本発明の発明者らによって見出された成形限界値予測式である。
ここで、ρはひずみ比であり、Mは有限要素法を使用したシミュレーションにおいて対象とする要素の大きさを示す要素サイズ〔mm〕であり、ε1は要素サイズMにおける最大主ひずみであり、ε2は要素サイズMにおける最小主ひずみである。要素サイズMの乗数であるk1は第1係数であり、要素サイズMの指数であるk2は以下に示す式(2)及び(4)を参照して説明するように基準要素サイズにおける最大主ひずみに依存する第2係数である。式(1)は、要素サイズMと基準要素サイズにおける最大主ひずみとの関係に基づいて要素サイズMにおける最大主ひずみε1を予測する式である。式(1)において、要素サイズMにおける最大主ひずみε1は、第1係数k1を乗数、第2係数k2を指数とし且つ要素サイズMを底とする冪演算による演算により演算される演算結果とを乗算して生成されることが示される。
以下に示す式(2)は式(1)をより詳細に示す式である。
ここで、TSは鋼板等の材料の引張強度〔MPa〕を示し、ε1Bは基準要素サイズを示し、γ、δ及びηは係数を示す。γは負の値であり、δは正の値である。係数γ及びδは、ひずみ比ρに応じて変化する。係数ηは、基準要素サイズにより決定される。式(1)及び(2)から、第1係数k1は、
で示される。式(3)において、第1係数K1は、ひずみ比ρが一定のときに鋼材の引張強度TSに比例する、すなわち、ひずみ比ρ及び鋼材の抗張力の関数であることが示される。式(3)は、第1係数k1が鋼材の引張強度TSに比例することを示しており、鋼材の引張強度TSが増加するに従って、最大主ひずみε1及び最小主ひずみε2が増加することを示す。第1係数k1は、正の値であり、γは負の値であり、δは正の値であるので、鋼材の引張強度TSが増加するに従って第1係数k1は小さくなる。また、式(1)及び(2)から、第2係数k2は、
で示される。式(4)において、第2係数k2は、基準要素サイズにおける最大主ひずみε1B及び第1係数k1の関数であることが示される。より詳細には、式(4)において、第2係数k2は基準要素サイズにおける最大主ひずみの対数に比例することが示されると共に、第2係数k2が第1係数k1の逆数の対数に比例することが示される。
図1は、式(1)〜(4)を参照して説明した成形限界値予測式により変更された対象成形限界値を使用して生成された成形限界線と、実測値との関係を示す図である。図1において、横軸は最小主ひずみε2を示し、縦軸は最小主ひずみε1を示す。また、丸印はゲージ長さが10〔mm〕のときの実測値を示し、四角印はゲージ長さが6〔mm〕のときの実測値を示し、三角印はゲージ長さが2〔mm〕のときの実測値を示す。曲線101は、ゲージ長さが10〔mm〕の実測データから生成された基準成形限界値情報と材料特性及び板厚から計算された基準成形限界値とを使用して作成した基準成形限界線である。曲線102及び103は、式(1)〜(4)を参照して説明した成形限界線予測式により曲線101で示される基準成形限界値から変更された対象成形限界値を使用して生成された対象成形限界線を示す。曲線102はゲージ長さが6〔mm〕のときの成形限界線を示し、曲線103はゲージ長さが2〔mm〕のときの成形限界線を示す。なお、図1に示す実測及び成形限界線の生成に使用された、鋼板の材料特性としての引張強度は1180〔MPa〕であり、板厚は1.6〔mm〕である。一般に、破断部近傍ではひずみが局所化しているため、破断部に近くなるほど高いひずみが発生している。そのため、破断部のひずみを読み取るゲージ長さが短くなるほど、破断部近傍で発生している高いひずみを読み取るため、成形限界値の値は高くなる。つまり、図1において成形限界線はより上に位置する。また、他の材料特性の鋼材と比較した場合、一般に鋼材の引張強度TSが大きくなると鋼材の延性が低下するので、破断部近傍のひずみの値は小さくなる。そのため図1における成形限界曲線はより下に位置することになる。
図1に示すように、基準成形限界線から基準成形限界値を使用して変更された対象成形限界線は、ゲージ長さが2〔mm〕及び6〔mm〕の場合もいずれも実測値と精度よく一致しており、本発明に係る成形限界値予測式が高い精度を有することが示される。
実施形態に係る破断判定装置は、HAZ部に含まれる要素の要素サイズに応じた成形限界線に基づいて破断するか否かを判定するので、要素サイズに応じて破断判定が可能になる。さらに、実施形態に係る破断判定装置は、HAZ部の解析精度を向上させるためにHAZ部に含まれる要素の要素サイズを他の要素の要素サイズと相違させた場合でも、要素サイズに応じて破断を判定することができる。
(第1実施形態に係る破断判定装置の構成及び機能)
図2は、第1実施形態に係る破断判定装置を示す図である。
破断判定装置1は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、処理部20とを有する。通信部11、記憶部12、入力部13、出力部14及び処理部20は、バス15を介して互いに接続される。破断判定装置1は、鋼材の引張強度を使用する成形限界値予測式によって、基準成形限界値を変更して要素サイズにおける成形限界値を示す対象成形限界値を生成すると共に、FEMによる自動車等の車両の衝突変形シミュレーションを実行する。破断判定装置1は、生成した対象成形限界値に基づいて、衝突変形シミュレーションにより出力される要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小ひずみから、要素のそれぞれが破断するか否かを判定する。一例では、破断判定装置1は、FEMによるシミュレーションが実行可能なパーソナルコンピュータである。
通信部11は、イーサネット(登録商標)などの有線の通信インターフェース回路を有する。通信部11は、LANを介して不図示のサーバ等と通信を行う。
記憶部12は、例えば、半導体記憶装置、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。記憶部12は、処理部20での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部12は、アプリケーションプログラムとして、HAZ部に含まれる要素等の要素のそれぞれの破断を判定する破断判定処理を実行するための破断判定処理プログラムを記憶する。さらに、記憶部12は、アプリケーションプログラムとして、FEMを用いた衝突変形シミュレーションを実行するための衝突変形シミュレーションプログラム等を記憶する。破断判定処理プログラム及び衝突変形シミュレーションプログラム等は、例えばCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部12にインストールされてもよい。
また、記憶部12は、破断判定処理及び衝突変形シミュレーションで使用される種々のデータを記憶する。例えば、記憶部12は、破断判定処理及び衝突変形シミュレーションで使用される入力情報120及び基準成形限界値情報121等を記憶する。
入力情報120は、鋼材の材料特性及び板厚、並びに有限要素法による衝突変形シミュレーションにおける要素の大きさを示す要素サイズを含む。鋼材の材料特性は、応力ひずみ(stress-strain、S−S)曲線、S−S曲線のフィッティングに使用されるSwiftの式における各係数、ヤング率、ポアソン比及び密度等を含む。基準成形限界値情報121は、基準となる要素サイズを示す基準要素サイズにおける成形限界線に対応する成形限界値を示す基準成形限界値を材料特性及び板厚毎に規定するときに使用される。一例では、基準成形限界値情報121は、材料特性及び板厚毎に実測された基準成形限界線対応する成形限界値を含む。また、他の例では、基準成形限界線情報121は、Storen-Riceの理論式から得られた成形限界線が、実測された基準成形限界線と一致するように補正した基準成形限界線対応する成形限界値を含む。
また、記憶部12は、FEMによる衝突変形シミュレーションの入力データを記憶する。
また、スポット溶接により形成されるHAZ部の材料特性の相関関係を示すHAZ部特性テーブル122を記憶する。一例では、種々の鋼材におけるHAZ部の微小引張試験を実施して、母材の鋼材の材料グレードと、HAZ部の材料特性の関係を求めて、HAZ部特性テーブル122に記憶する。HAZ部の材料特性は、応力ひずみ曲線もしくは、応力ひずみ曲線をSwiftの式でフィッテングすることで得られる、Swift係数等で記憶する。HAZ部特性テーブル122が母材の鋼材の材料グレードとHAZ部の材料特性の関係を記憶することで、母材の鋼材の材料グレードに応じたHAZ部の材料特性が正しく定義される。さらに、記憶部12は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
入力部13は、データの入力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル、キーボード等である。作業者は、入力部13を用いて、文字、数字、記号等を入力することができる。入力部13は、作業者により操作されると、その操作に対応する信号を生成する。そして、生成された信号は、作業者の指示として、処理部20に供給される。
出力部14は、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。出力部14は、処理部20から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。また、出力部14は、紙などの表示媒体に、映像、画像又は文字等を印刷する出力装置であってもよい。
処理部20は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部20は、破断判定装置1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。処理部20は、記憶部12に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部20は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行できる。
処理部20は、情報取得部21と、要素抽出部22と、基準成形限界値生成部23と、熱影響部成形限界値生成部24と、シミュレーション実行部25と、主ひずみ決定部26と、破断判定部27と、シミュレーション結果出力部28とを有する。要素抽出部22は、接合要素抽出部221と、円環規定部222と、要素決定部223とを有する。基準成形限界値生成部23は、隣接情報取得部231と、材料特性推定部232と、成形限界値生成部233とを有する。熱影響部成形限界値生成部24は、要素サイズ抽出部241と、要素サイズ演算部242と、成形限界値変更部243とを有する。これらの各部は、処理部20が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして破断判定装置1に実装されてもよい。
(第1実施形態に係る破断判定装置による破断判定処理)
図3は、破断判定装置1が衝突変形シミュレーションされたHAZ部の要素のそれぞれが破断するか否かを判定する破断判定処理のフローチャートである。図3に示す破断判定処理は、予め記憶部12に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部20により破断判定装置1の各要素と協働して実行される。
まず、情報取得部21は、引張強度等の材料特性、板厚及び要素サイズを含む入力情報120を記憶部12から取得する(S101)と共に、基準成形限界値情報121を記憶部12から取得する(S102)。
次いで、要素抽出部22は、鋼材のスポット溶接部の周囲に形成されたHAZ部に含まれる要素を抽出する(S103)。
次いで、基準成形限界値生成部23は、S102の処理で取得された基準成形限界値情報121に基づいて、HAZ部の材料特性及び板厚に応じた基準成形限界値を生成する(S104)。
次いで、熱影響部成形限界値生成部24は、式(1)〜(4)に示す成形限界値予測式によって、S104の処理で生成された基準成形限界値を変更して、HAZ部の要素サイズにおける成形限界値を示す熱影響部成形限界値を生成する(S105)。
次いで、シミュレーション実行部25は、S101の処理で取得された入力情報に基づいて、記憶部12に記憶されるメッシュデータを使用して、鋼材によって形成された自動車等の車両の衝突変形シミュレーションをFEMにより実行する(S106)。シミュレーション実行部25は、シミュレーションの実行結果として、接点の変位、要素のひずみ及び要素の応力を含む変形情報を要素毎に順次出力する。
次いで、主ひずみ決定部26は、HAZ部の要素のそれぞれの最大主ひずみε1及び最小主ひずみε2を決定する(S107)。一例では、主ひずみ決定部26は、S106の処理で出力された変形情報に含まれる要素のそれぞれのひずみ成分から要素のそれぞれの最大主ひずみε1及び最小主ひずみε2を決定する。
次いで、破断判定部27は、S107の処理で決定された要素のそれぞれの最大主ひずみε1及び最小主ひずみε2と、S104の処理で生成された対象成形限界値により規定される熱影響部成形限界線とに基づいて、HAZ部の要素のそれぞれが破断するか否かを判定する(S108)。破断判定部27は、最大主ひずみε1及び最小主ひずみε2が熱影響部成形限界線にて与えられる閾値を超えていないとき、要素が破断しないと判定し、最大主ひずみε1及び最小主ひずみε2が熱影響部成形限界線にて与えられる閾値を超えているとき、要素が破断すると判定する。一例では、熱影響部成形限界線は、対象成形限界値の近似式として演算される。
次いで、破断判定部27は、HAZ部の要素が破断したと判定する(S108−YES)と、要素が破断したことを示す要素破断情報をシミュレーション実行部25に出力する(S109)。シミュレーション実行部は、破断と判定された要素を消去するすなわち衝突変形シミュレーション用のデータから削除することもできる。
基準成形限界値生成部23、熱影響部成形限界値生成部24、主ひずみ決定部26及び破断判定部27の処理に対応する処理は、HAZ部以外の鋼板の要素についても実行される。すなわち、基準成形限界値生成部23は、基準成形限界値情報121に基づいてHAZ部以外の要素の材料特性及び板厚に応じた基準成形限界値を生成する。また、不図示の対象成形限界値生成部は、成形限界値予測式によって基準成形限界値を変更してHAZ部以外の素子の要素サイズにおける成形限界値を示す対象成形限界値を生成する。また、主ひずみ決定部26は、HAZ部以外の要素のそれぞれの最大主ひずみε1及び最小主ひずみε2を決定する。そして、破断判定部27は、HAZ部以外の要素のそれぞれの最大主ひずみε1及び最小主ひずみε2と、S103の処理で生成された対象成形限界値とに基づいて、HAZ部以外の要素のそれぞれが破断するか否かを判定する。
シミュレーション結果出力部28は、シミュレーション実行部25が順次出力した変形情報を出力する(S110)。次いで、シミュレーション実行部25は、所定のシミュレーション終了条件が成立したか否かを判定する(S111)。シミュレーション終了時間は、入力データから取得される。シミュレーション終了条件が成立したと判定するまで、処理が繰り返される。
図4は、S103の処理のより詳細な処理を示すフローチャートである。図5は図4に示す処理を説明するための図であり、図5(a)及び(b)はS201の処理を説明するための図であり、図5(c)はS202の処理を説明するための図であり、図5(d)はS203の処理を説明するための図である。
まず、接合要素抽出部221は、2つの鋼材を接合することを規定する接合要素を抽出する(S201)。
図5(a)及び(b)に示すように、複数の第1シェル要素410で形成される第1鋼材401と、複数の第2シェル要素420で形成される第1鋼材401とは、バー要素403を介して接合される。バー要素403は、ビーム要素とも称され、第1鋼材401と第2鋼材402とを結合する接合要素である。バー要素403は、第1端点431で第1鋼材401に接合され、第2端点432で第2鋼材402に接合される。
次いで、図5(c)に示すように、円環規定部222は、バー要素403の一端と第1鋼材401の第1シェル要素410との接点である第1端点431を中心点とする円環440を規定する(S202)。円環440の内径は入力情報に示されている、スポット溶接による溶接部であるナゲットのナゲット径に相当する。そのため、円環440の内径は、ナゲット径〜ナゲット径+0.1〜2.0〔mm〕程度とすることが好ましく、これによって、円環440と交差する領域はスポット溶接により生じるHAZ部と定義することができる。一例では、HAZ部の幅は0.1〔mm〕から2〔mm〕程度である。
そして、図5(d)において斜線を付して示すように、要素決定部223は、円環440に少なくとも一部が含まれる第1シェル要素410を、HAZ部を形成するシェル要素450に決定する(S203)。
図6は、S104の処理のより詳細な処理を示すフローチャートである。
まず、隣接情報取得部231は、接合要素であるバー要素403の一端と第1鋼材401を形成する第1シェル要素410との接点である第1端点431に隣接する第1シェル要素411の材料特性及び板厚を取得する(S301)。
隣接情報取得部231は、図5(b)において斜線が付された第1シェル要素411を、第1端点431に隣接する第1シェル要素411と判定して、隣接する第1シェル要素411の材料特性及び板厚を記憶部12に記憶される入力情報120から取得する。一例では、隣接情報取得部231は、入力情報120に含まれる応力ひずみ曲線もしくは、Swiftの式に示されるSwift係数に基づいて、第1鋼材401の引張強度TSを理論的に計算し、隣接する第1シェル要素410の材料グレードを取得する。
次いで、材料特性推定部232は、記憶部12に記憶されるHAZ部特性テーブル122を参照して、隣接情報取得部231によって取得された材料特性から、HAZ部を形成するシェル要素450の材料特性を推定する(S302)。
そして、成形限界値生成部233は、材料特性推定部232によって推定された材料特性及び隣接情報取得部231によって取得された板厚に対応する基準成形限界値を生成する(S303)。具体的には、基準成形限界値生成部22は、例えば、記憶部12に記憶された複数群の基準成形限界値の中から入力情報120に含まれる材料特性及び板厚の組み合わせに基づいて、一群の基準成形限界値を選択することで、当該材料特性及び板厚に対応する基準成形限界値を生成する。この場合、基準成形限界値情報121に含まれる複数群の基準成形限界値は実測値である。また、基準成形限界値生成部22は、例えば、記憶部12に記憶された一群の基準成形限界値を材料特性及び板厚に応じた実測値で補正することで材料特性及び板厚に対応する基準成形限界値を生成する。この場合、成形限界線生成部233は、まず、Storen-Riceの理論式から成形限界線に対応する成形限界値を生成する。次いで、成形限界値生成部233は、材料特性及び板厚に応じたシフト量として記憶部12に記憶されている実測値に基づいて、Storen-Riceの理論式から生成した成形限界値を実測値に応じて成形限界値をシフトして当該材料特性及び板厚に対応する基準成形限界値を生成する。
図7は、S105の処理のより詳細な処理を示すフローチャートである。
まず、要素サイズ抽出部241は、記憶部12に記憶されるメッシュデータから、HAZ部に含まれるシェル要素450のそれぞれの要素サイズを抽出する(S401)。
次いで、要素サイズ演算部242は、要素サイズ抽出部241によって抽出された要素サイズのそれぞれから、HAZ部に含まれるシェル要素450の要素サイズを演算する(S402)。一例では、要素サイズ演算部242は、要素サイズ抽出部241によって抽出された要素サイズの平均値を、HAZ部に含まれるシェル要素450の要素サイズとして演算する。
要素サイズ抽出部241及び要素サイズ演算部242は、HAZ部に含まれるシェル要素450の要素サイズを決定する要素サイズ決定部として機能する。
そして、成形限界値変更部243は、成形限界値予測式によって、要素サイズ演算部242によって演算された要素サイズに応じて基準成形限界値を変更して、熱影響部成形限界値を生成する(S403)。
(第1実施形態に係る破断判定装置の作用効果)
破断判定装置1は、成形限界値予測式によって要素サイズに応じて変更された熱影響部成形限界値を使用してHAZ部が破断したか否かを判定するため、要素サイズに依存せず正確にHAZ部の破断予測を行うことができる。
破断判定装置1によって正確なHAZ部の破断予測を行うことができるので、実際の自動車部材での衝突試験の回数を大幅に削減することができる。さらに、場合によっては、実際の自動車部材での衝突試験を省略することが可能となる。
また、破断判定装置1によって正確なHAZ部の破断予測を行うことで、衝突時の破断を防ぐ部材をコンピュータ上で設計することができるため、大幅なコスト削減、開発期間の短縮に寄与することができる。
(第2実施形態に係る破断判定装置の構成及び機能)
図8は、第2実施形態に係る破断判定装置を示す図である。
破断判定装置2は、処理部30が処理部20の代わりに配置されることが第1実施形態に係る破断判定装置1と相違する。処理部30は、熱影響部成形限界応力生成部34及びひずみ応力変換部35を有すること、並びに破断判定部36が破断判定部27の代わりに配置されることが処理部30と相違する。熱影響部成形限界応力生成部34、ひずみ応力変換部35及び破断判定部36以外の破断判定装置2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された破断判定装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
(第2実施形態に係る破断判定装置による破断判定処理)
図9は、破断判定装置2が衝突変形シミュレーションされたHAZ部の要素のそれぞれが破断するか否かを判定する破断判定処理のフローチャートである。図9に示す破断判定処理は、予め記憶部12に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部30により破断判定装置2の各要素と協働して実行される。
S501〜S505の処理は、S101〜S105の処理と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。熱影響部成形限界応力生成部34は、S505の処理で生成された基準成形限界値を変更して熱影響部成形限界応力を生成する(S506)。
次いで、シミュレーション実行部25は、有限要素法を使用して、記憶部12に記憶されるメッシュデータを使用して、所定の衝突が発生したときの衝突変形シミュレーションをFEMにより実行する(S507)。次いで、主ひずみ決定部26は、HAZ部の要素のそれぞれの最大主ひずみε1及び最小主ひずみε2を決定する(S508)。
次いで、ひずみ応力変換部35は、S508の処理で出力された決定されたHAZ部の要素のそれぞれの最大主ひずみε1及び最小主ひずみε2を最大主応力および最小主応力に変換する(S509)。
次いで、破断判定部36は、S509の処理で変換された要素のそれぞれの最大主応力および最小主応力と、S506の処理で生成された熱影響部成形限界応力とに基づいて、HAZ部の要素を含む要素のそれぞれが破断するか否かを判定する(S510)。破断判定部36は、最大主応力及び最小主応力が熱影響部成形限界応力を超えていないとき、要素が破断しないと判定し、最大主応力及び最小主応力が熱影響部成形限界応力を超えているとき、要素が破断すると判定する。S511〜S513の処理は、S109〜S111の処理と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
(実施形態に係る破断判定装置の変形例)
破断判定装置1及び2は、車両の衝突変形シミュレーションにおける破断判定処理を実行するが、実施形態に係る破断判定装置は、鋼板をプレス成形時の変形シミュレーション等の他のシミュレーションにおいて破断判定処理を実行してもよい。また、説明した例では、解析モデルの要素サイズが均一な場合を例にして説明されたが、実施形態に係る破断判定装置は、部位によって要素サイズが異なる解析モデルを使用してよい。すなわち、実施形態に係る破断判定装置が使用する要素モデルは、複数の要素サイズを含むものであってもよい。
また、破断判定装置1及び2では、バー要素が第1鋼材401及び第2鋼材402を結合する接合要素として使用されるが、実施形態に係る破断判定装置では、シェル要素、ソリッド要素等の他の要素を一対の鋼材を接合する接合要素として使用してもよい。
また、破断判定装置1及び2では、第1シェル要素410及び第2シェル要素420のそれぞれは、同一の要素サイズを有するが、実施形態に係る破断判定装置では、要素の要素サイズは、要素毎に相違してもよい。
図10は、要素サイズが相違するときのS103の処理を説明するための図である。図10(a)はS201の処理を説明するための図であり、図10(b)はS202の処理を説明するための図であり、図10(c)はS203の処理を説明するための図である。
図10(a)に示すように、S201の処理により接合要素抽出部221によって抽出された接合要素の第1端531は、4つのシェル要素510で形成される八角形の中心に位置する。4つのシェル要素510で形成される八角形の外側に位置する台形状の4つのシェル要素510は、HAZ部に対応するように、不図示の設計者によって配置される。
図10(b)に示すように、S202の処理により円環規定部222によって、円環540が4つのシェル要素510で形成される八角形の外側に位置する台形状の4つのシェル要素510に含まれるように配置される。
そして、図10(c)に示すように、S202の処理により要素決定部223によってHAZ部を形成するシェル要素550が決定される。
(実施形態に係る破断判定装置の適用例)
図11は、実施形態に係る破断判定装置の適用例の一例である金型製造システムを示す図である。
金型製造システム100は、破断判定装置1と、金型設計装置111と、金型製造装置112とを有する。金型設計装置111は、例えば自動車のボデーを製造するための金型を設計する装置であり、破断判定装置1とLAN113を介して接続される電気計算機である。金型設計装置111は、破断判定装置1による破断判定を使用して、所望の金型を示す金型データを生成する。図8では、金型設計装置111は、破断判定装置1と別個の装置として配置されるが、他の例では破断判定装置1と一体化されてもよい。
金型製造装置112は、不図示の放電加工機、フライス及び研磨機等の金型製造設備を有し、不図示の交換機によって広域通信回線網である通信ネットワーク114を介して金型設計装置111に接続される。金型製造装置102は、金型設計装置111から送信された金型データに基づいて、金型データに対応する金型を製造する。
図12は測定に使用したハット部材3点曲げ試験装置を示す図であり、図12(a)は側面図であり、図12(b)は図12(a)のA−A´線に沿う断面図である。
ハット部材3点曲げ試験装置600は、被試験部材であるハット部材601と、押下冶具602と、第1支持冶具603と、第2支持冶具604とを有する。ハット部材601は、ハット型にプレス成形されたフランジ部を有すハットパネル611と、ハットパネル611のフランジ部でスポット溶接部613を介して接合されたクロージングプレート612で構成されている。ハットパネル611は、材質の引張強度が1.5〔GPa〕であり且つ板厚が1.6〔mm〕であるホットスタンプ材である。クロージングプレート612は、材質引張強度が440〔MPa〕であり且つ板厚が1.2〔mm〕である。ハット部材の高さは、60〔mm〕、幅は、80〔mm〕である。ハットパネル611のフランジ部とクロージングプレート612とを長手方向に50〔mm〕ピッチでスポット溶接することで、スポット溶接部613は、ハット部材601のフランジ部の長手方向に50〔mm〕ピッチで配置される。
押下冶具602は、半径が150〔mm〕の円柱状の部材であり、ハット部材601を、クロージングプレート612と対向するハットパネル611の表面を押下する。第1支持冶具603及び第2支持冶具604は、300〔mm〕離隔して配置され、クロージングプレート612の裏面でハット部材601を支持する。
図13は、実施例及び比較例のスポット溶接近傍のFEMシミュレーション条件を示す図である。
実施例1では、メッシュ形状はクモの巣状であり、HAZ部の定義は本発明によりHAZ部に対応する要素を抽出した後に材料特性を規定している。HAZ部の平均要素サイズは1.1〔mm〕であり、成形限界線は本発明の予測式によるものである。
実施例2では、メッシュ形状は格子状であり、HAZ部の定義は本発明によりHAZ部に対応する要素を抽出した後に材料特性を規定している。HAZ部の平均要素サイズは1.3〔mm〕であり、成形限界線は本発明の予測式によるものである。
比較例1では、メッシュ形状はクモの巣状であり、HAZ部は定義されず、成形限界線は本発明の予測式によるものである。
比較例2では、メッシュ形状はクモの巣状であり、HAZ部の定義は本発明によりHAZ部に対応する要素を抽出した後に材料特性を規定している。HAZ部の平均要素サイズは1.1〔mm〕であり、成形限界線は従来のStoren-Riceの理論式によるものである。
実施例1及び2並びに比較例1及び2において、ハット部材601の母材部のSwift係数は、K=2000〔MPa〕、n=0.05、ε0==0.0001である。一方、ハット部材601のHAZ部のSwift係数は、K=1400〔MPa〕、n=0.04、ε0==0.0002である。
図14は、実物による実験結果と実施例1及び2のFEMシミュレーション結果との比較を示す図である。図14(a)は実物の実験後のハット部材を示す図であり、図14(b)は実施例1のFEMシミュレーション結果を示す図であり、図14(c)は実施例2のFEMシミュレーション結果を示す図であり、図14(d)は押下冶具602の押下距離と押下反力との関係を示す図である。図14(d)において、横軸は押下部材602の押下距離、すなわちストローク〔mm〕を示し、縦軸は押下冶具に生じる反力、つまり荷重〔kN〕を示す。
図14(a)において矢印A及びBで示すように、実物による実験結果では、2つのHAZ部において破断が発生した。また、図14(b)において矢印C及びDで示すように、実施例1では、実物による実験結果と同じ2つのHAZ部において破断が発生した。また、図14(c)において矢印E及びFで示すように、実施例2では、実物による実験結果と同じ2つのHAZ部において破断が発生した。また、図14(d)に示すように、実験において、破断発生直後に荷重がわずかに低下することが分かっているが、実施例1及び2において破断が発生するタイミングは、実物による実験において破断が発生するタイミングと略同一であり、かつ破断発生直後にわずかに荷重が低下する現象も再現していた。
実施例1及び2は、実物による実験において発生したHAZ部からの破断位置及び破断発生タイミングを正確に予測することができた。また、スポット溶接周りのメッシュ切りの方法として、クモの巣状に切った実施例1、及び格子状に切った実施例2の何れにおいても、実験結果を精度良く予測できることが確認できた。
図15は、実物による実験結果と比較例1及び2のFEMシミュレーション結果との比較を示す図である。図15(a)は実物の実験後のハット部材を示す図であり、図15(b)は比較例1のFEMシミュレーション結果を示す図であり、図15(c)は比較例2のFEMシミュレーション結果を示す図であり、図15(d)は押下部材602の押下距離と押下反力との関係を示す図である。図15(a)に示される図は、図14(a)に示される図と同一である。図15(d)において、横軸は押下部材602の押下距離、すなわちストローク〔mm〕を示し、縦軸は押下冶具に生じる反力つまり、荷重〔kN〕を示す。
図15(a)において矢印A及びBで示すように、実物による実験結果では、2つのHAZ部において破断が発生した。また、図15(b)に示すように、比較例1では、実機での実験における押下距離の範囲では、破断は発生しなかった。また、図15(c)において矢印C〜Fで示すように、比較例2では、実物による実験結果よりも多い4つのHAZ部において破断が発生した。また、図15(d)に示すように、比較例1は、破断が発生しないので、押下距離(ストローク)の増加に従って荷重が増加する。一方、比較例2において破断が発生するタイミングは、実物による実験において破断が発生するタイミングよりも早い。また、比較例2では、破断後の荷重の低下量が、実物による実験における破断後の荷重の低下量よりも大きい。
比較例1では、HAZ部の抽出および材料特性の定義が行われていないため、実験において発生したHAZ部からの破断を予測することができず、全く破断が発生しない結果となり、実験に比べ過大な荷重を発生させる結果となった。また、比較例2では、HAZ部の特性は定義出来ているものの、従来のStoren-Riceの理論式による限界線を使用しているため、実験に比べ過剰に破断を予測する結果となり、破断発生数が倍増し、実験と比べ大幅な荷重低下が起こる結果となった。

Claims (9)

  1. 熱影響部を有する鋼材の材料特性及び板厚、並びに有限要素法による前記鋼材の変形シミュレーションに用いる解析モデルにおける要素サイズを示す要素の入力情報と、基準となる要素サイズである基準要素サイズにおける成形限界値となる基準成形限界値を示す基準成形限界値情報と、を記憶する記憶部と、
    前記鋼材のスポット溶接部の周囲に形成された熱影響部に含まれる要素を抽出する要素抽出部と、
    前記基準成形限界値情報に基づいて、前記熱影響部の材料特性及び板厚に応じた前記基準成形限界値を生成する基準成形限界値生成部と、
    前記鋼材の引張強度を使用して前記基準成形限界値を変更し、前記熱影響部に含まれる要素の要素サイズにおける成形限界値を予測して熱影響部成形限界値を生成する熱影響部成形限界値生成部と、
    前記入力情報を使用して前記変形シミュレーションを実行して、前記熱影響部に含まれる要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力するシミュレーション実行部と、
    前記熱影響部に含まれる要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを決定する主ひずみ決定部と、
    前記主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、前記熱影響部成形限界値により規定される熱影響部成形限界線とに基づいて、前記解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する破断判定部と、
    を有することを特徴とする破断判定装置。
  2. 前記要素抽出部は、
    2つの鋼材を接合することを規定する接合要素を抽出する接合要素抽出部と、
    前記接合要素と前記鋼材を形成する要素との接点を中心点とする円環を規定する円環規定部と、
    前記円環に少なくとも一部が含まれる要素を、前記熱影響部を形成する要素に決定する要素決定部と、
    を有する、請求項1に記載の破断判定装置。
  3. 前記基準成形限界値生成部は
    前記接合要素と前記鋼材を形成する要素との接点に隣接する前記要素の材料特性及び板厚を取得する隣接情報取得部と、
    前記隣接情報取得部によって取得された材料特性から前記熱影響部の材料特性を推定する材料特性推定部と、
    前記材料特性推定部によって推定された材料特性及び前記隣接情報取得部によって取得された板厚に応じた前記基準成形限界値を生成する成形限界値生成部と、
    を有する、請求項2に記載の破断判定装置。
  4. 熱影響部成形限界値生成部は、
    前記熱影響部に含まれる要素の要素サイズを決定する要素サイズ決定部と、
    前記要素サイズ及び前記鋼材の引張強度を使用して、前記決定された要素サイズに応じて前記基準成形限界値を変更する成形限界値変更部と、
    を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の破断判定装置。
  5. 前記要素サイズ決定部は、
    前記熱影響部に含まれる要素のそれぞれの要素サイズを抽出する要素サイズ抽出部と、
    前記抽出された要素サイズのそれぞれから、前記熱影響部に含まれる要素の要素サイズを演算する要素サイズ演算部と、
    を有する、請求項4に記載の破断判定装置。
  6. 前記変形シミュレーションは、前記鋼材によって形成された車両の衝突変形シミュレーションである、請求項1〜5の何れか一項に記載の破断判定装置。
  7. 前記対象成形限界値生成部は、前記要素サイズ及び前記鋼材の引張強度の関数である成形限界値予測式を使用して前記対象成形限界値を生成し、
    前記成形限界値予測式は、ρはひずみ比であり、MはFEMによるシミュレーションに用いる解析モデルの要素の大きさを示す要素サイズを示す要素サイズであり、ε1は要素サイズMにおける最大主ひずみであり、ε2は要素サイズMにおける最小主ひずみであるとき、第1係数k1及び第2係数k2により
    で示され、第1係数k1は、前記鋼板の材料の引張強度TS並びに、係数γ及びδから
    で示され、第2係数k2は、前記基準要素サイズにおける最大主ひずみε1B及び係数ηから
    で示される、請求項1に記載の破断判定装置。
  8. 鋼材のスポット溶接部の周囲に形成された熱影響部に含まれる要素を抽出し、
    基準となる要素サイズである基準要素サイズにおける成形限界値となる基準成形限界値を示す基準成形限界値情報に基づいて、前記熱影響部の材料特性及び板厚に応じた前記基準成形限界値を生成し、
    前記要素サイズ及び前記鋼材の引張強度を使用して前記基準成形限界値を変更し、前記熱影響部に含まれる要素の要素サイズにおける成形限界値を予測して熱影響部成形限界値を生成し、
    前記鋼材の材料特性及び板厚を含む有限要素法による前記鋼材の変形シミュレーションのための入力情報を使用して前記変形シミュレーションを実行して、前記熱影響部に含まれる要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力し、
    前記熱影響部に含まれる要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを決定し、
    前記主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、前記熱影響部成形限界値により規定される熱影響部成形限界線とに基づいて、前記解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する、
    ことを含むことを特徴とする破断判定方法。
  9. 鋼材のスポット溶接部の周囲に形成された熱影響部に含まれる要素を抽出し、
    基準となる要素サイズである基準要素サイズにおける成形限界値となる基準成形限界値を示す基準成形限界値情報に基づいて、前記熱影響部の材料特性及び板厚に応じた前記基準成形限界値を生成し、
    前記要素サイズ及び前記鋼材の引張強度を使用して前記基準成形限界値を変更し、前記熱影響部に含まれる要素の要素サイズにおける成形限界値を予測して熱影響部成形限界値を生成し、
    前記鋼材の材料特性及び板厚を含む有限要素法による前記鋼材の変形シミュレーションのための入力情報を使用して前記変形シミュレーションを実行して、前記熱影響部に含まれる要素のそれぞれのひずみを含む変形情報を出力し、
    前記熱影響部に含まれる要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみを決定し、
    前記主ひずみが決定された要素のそれぞれの最大主ひずみ及び最小主ひずみと、前記熱影響部成形限界値により規定される熱影響部成形限界線とに基づいて、前記解析モデルにおける要素のそれぞれが破断するか否かを判定する、
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする破断判定プログラム。
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