JP4700559B2 - スポット溶接部の破壊予測装置、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

スポット溶接部の破壊予測装置、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、例えば自動車用の構造部材のスポット溶接において、衝突変形時にスポット溶接部が破断するのを予測するためのスポット溶接部の破壊予測装置、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
近年、自動車業界では、衝突時の乗員への傷害を低減しうる車体構造の開発が急務の課題となっている。そのような衝突安全性に優れた車体構造は、衝突時の衝撃エネルギーを客室部以外の構造部材で吸収させ、客室部の変形を最小限とし生存空間を確保することにより実現できる。すなわち、構造部材により衝撃エネルギーを吸収させることが重要である。
自動車のフルラップ衝突やオフセット衝突での衝撃エネルギーを吸収させる主要な構造部材はフロントサイドメンバーである。フロントサイドメンバーは、プレス成形等で部材成形後、スポット溶接により部材を閉断面化している。通常、このフロントサイドメンバーを座屈させることで、衝撃エネルギーを吸収させるようにしている。衝撃エネルギーの吸収を向上させるためには、座屈形態を安定化させ、途中で折れ曲りや破断をさせないことが重要である。
上記部材のスポット溶接に関して、座屈を安定化させるためには、スポット溶接間隔やナゲット径や溶接条件を最適化しないと、座屈時に溶接点からの破断が起きてしまい、安定した座屈形態にならず衝撃エネルギーの吸収が低下するという問題がある。
従来からこの種の問題を解決するため、非特許文献1等にあるように、スポット溶接間隔を変更して部材を試作し、座屈試験を実施して、溶接点で破断せず安定に座屈する条件を調べていた。
しかしながら、この方法では自動車ごと、また部材ごとに試作し、試験を実施するという試行錯誤が必要となり、製作コストがかかるとともに、設計にも時間を要するという問題を抱えていた。
また、特許文献1には、フロアパネルでの荷重のかかるところの溶接部の剥離防止構造が提案されているが、フロアパネルについてのみの構造であり、すべての衝撃吸収部材で溶接点の剥離を防ぎ安定座屈により衝撃エネルギーを吸収するスポット溶接法には試作による試行錯誤になっていた。
さらに、特許文献2では、スポット溶接間隔の最適化が提案されているが、個々のスポット溶接強度については、単純な指標でしかなく、破断そのものの正確な予測になっていないため、精度の良いスポット溶接部破断の予測に基づいた設計ができないという問題があった。
スポット溶接部の強度の指標は、非特許文献2、3に規定される、せん断引張試験及び十字形引張試験が代表的である。この他にも多様な荷重状態を想定した多様な試験形態での報告例はあるが、一般には、JISで規定された2種の試験により、せん断引張試験値を溶接部のせん断強度として、また、十字形引張試験値を溶接部の剥離強度として扱っている。
しかしながら、試験により得られたスポット溶接のせん断強度及び剥離強度が、幅等の構造影響を受けることから、実部材では、試験値を様様な観点から補正して推定せざるを得ない。近年では計算機の機能が飛躍的に進歩し、計算機上で自動車の衝突のシミュレーションによる最適設計を行うシステムも存在するが、その推定精度が十分とは言えない。
また、本発明者が開示した特許文献3では、幅等の構造影響を考慮したスポット溶接の破断強度を予測する方法を提案しているが、実際のスポット溶接部の破断は延性破壊になることが多く、その支配因子となる破壊ひずみでの予測でないため、予測精度に限界があった。
解説論文No.9705JSAE SYMPOSIUM「新しい車体構造成形技術」 JIS Z3136 JIS Z3137 特開平6−182561号公報 特開2002−31627号公報 特開2005−326401号公報
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、部材の試作や衝突試験によらず、コンピュータ上での有限要素法解析により、衝撃変形時にスポット溶接部の破断の予測を、有限要素法解析中に組込んだ予測モデルにより判定して、部材の衝撃時の溶接部破断を防ぎ、変形座屈モードの適正化を図り、衝撃エネルギーの吸収を向上させることを目的とするものである。
本発明によるスポット溶接部の破壊予測装置は、スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づいて、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方を入力する入力手段と、
前記板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する演算手段と、
Ef=EL・A ・・・(1)
A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
(ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破壊予測式に導入して、スポット溶接部破壊を判定する演算手段とを有する点に特徴を有する。
本発明による他のスポット溶接部の破壊予測装置は、スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づいて、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方を入力する入力手段と、
前記板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する演算手段と、
Ef=EL・A ・・・(1)
A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
(ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破断限界線に導入して、スポット溶接部破壊を判定する演算手段とを有する点に特徴を有する。
本発明によるスポット溶接部の破壊予測方法は、スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づく、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する工程と、
Ef=EL・A ・・・(1)
A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
(ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfをパラメータ記憶手段に記憶する工程と、
前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破壊予測式に導入して、スポット溶接部破壊を判定する工程とを有する点に特徴を有する。
本発明による他のスポット溶接部の破壊予測方法は、スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づく、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する工程と、
Ef=EL・A ・・・(1)
A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
(ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfをパラメータ記憶手段に記憶する工程と、
前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破断限界線に導入して、スポット溶接部破壊を判定する工程とを有する点に特徴を有する。
本発明によるコンピュータプログラムは、スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づく、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する処理と、
Ef=EL・A ・・・(1)
A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
(ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfをパラメータ記憶手段に記憶する処理と、
前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破壊予測式に導入して、スポット溶接部破壊を判定する処理とをコンピュータに実行させる点に特徴を有する。
本発明による他のコンピュータプログラムは、スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づく、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する処理と、
Ef=EL・A ・・・(1)
A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
(ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfをパラメータ記憶手段に記憶する処理と、
前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破断限界線に導入して、スポット溶接部破壊を判定する処理とをコンピュータに実行させる点に特徴を有する。
本発明によるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明によるコンピュータプログラムを記録した点に特徴を有する。
本発明によれば、コンピュータ上の有限要素法解析において、例えば自動車部材のスポット溶接をモデル化した部分での破断予測を正確に行うことができるので、実際の自動車の部材での衝突試験時のスポット溶接部破断の検証を省略することが可能となる、又は、検証試験の回数を大幅に削減することが可能となる。また、自動車の部材のスポット溶接条件を変えた試作や衝突試験の大規模な実験によるスポット溶接破断を防ぐ部材設計を、コンピュータ上の衝突解析によるスポット溶接部破断を防ぐ設計に置き換えることができるので、大幅なコスト削減、設計開発期間の短縮化に寄与することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、せん断型引張試験の概要を示す。試験片は、図1に示すように試験片幅4の母材2である2枚の鋼板を重ねて、スポット溶接し、ナゲット1を形成する。この試験片を引張方向(矢印3)で示す方向に試験片が破断するまで引張試験を行う。
このとき、引張方向3における試験片の変位と荷重を測定する。ナゲット1の周りで破断が発生し、このときにひずみが最大となり、これを破壊ひずみパラメータEf(−)とする。この破壊ひずみパラメータは、(1)式の様に定義する。ここで、ELは基準ひずみ、Aは形状因子であり、以下で説明する。
Ef=EL・A・・・(1)
破断の起点となるナゲット1の周りにおいて、最大ひずみが破壊ひずみパラメータEf(−)に達したと仮定すれば、ナゲット1の端部と母材2における限界ひずみ変化の形状因子Aを、試験片幅W(mm)とナゲット直径d(mm)から、(2)式のように定義する。
A=(W/(a・d−b))c・・・(2)
スポット溶接打点が1点になる試験片では、継ぎ手の溶接間隔や溶接間隔に直交する継ぎ手長さは、図1に示す試験片幅Wとなる。スポット溶接打点が複数存在するときは、継ぎ手の溶接間隔とは、例えば図2に示す部材においては、隣接するスポット溶接の間隔6となり、溶接間隔に直交する継ぎ手長さとは、スポット溶接の間隔と直交し、溶接する板同士が重なっている部材の長さ5となる。
また、このときの基準ひずみELを、材料の引張り強さTS(MPa)と板厚t(mm)と材料の引張り試験での全伸びTEL(−)から、(3)式の様に定義する。
EL=k・TEL・(t/e)f・(g/TS)h・・・(3)
ここで、a,b,c,e,f,g,h,kは、様々な引張り強さTSや全伸びTELの材料で、様々な試験片幅W、板厚t、ナゲットの直径dで、破壊ひずみパラメータEfを測定し、整理すると一つの曲線になることから、曲線の関係を(2)式及び(3)式でフィッティングするためのパラメータである。これらのパラメータは、a=0.01〜100、b=0.0001〜1000、c=0.0001〜10、k=0.001〜100、e=0.01〜100、f=0.0001〜10、g=1〜5000、h=0.0001〜10とすることが好ましい。但し、曲線をフィッティングする式は、必ずしも(2)式及び(3)式の形でなくても良く、曲線関係をフィッティングできる式であれば良い。また、(2)式及び(3)式を用いなくても、曲線のグラフから直接、形状因子Aと基準ひずみELを読み取っても良い。
これから、任意の引張り強さTS、全伸びTEL、板厚t、幅W、ナゲット径dでの破壊ひずみパラメータEfは、(1)式を破壊予測式(破断予測式)として予測できる。また、上記の曲線のグラフから直接、任意の引張り強さTS、全伸びTEL、板厚t、幅W、ナゲット径dでの破壊ひずみパラメータEfを読み取っても良い。
次に、スポット溶接で結合した任意の形状の部材を、コンピュータ上で有限要素法を用いてモデル化する。スポット溶接をモデル化した、部材同士をつなぐ要素の、相当塑性ひずみεpを有限要素法で再現した衝突解析の変形中に逐次、コンピュータに算出させる。この相当塑性ひずみεpの算出手段は、汎用の解析コードに依存するが、例えばESI社製PAM-CRASH v2002 user's manualを参照する。コンピュータ上で破断判定は、(4)式が成立したときとする。
εp≧Ef・・・(4)
このようにすることにより、スポット溶接の破断判定を、実際に部材を作成して衝突試験により検証することなく、コンピュータ上で正確に予測することができる。この方法を用いることで、コンピュータ上で、部材形状や、材料、板厚、ナゲット径、溶接位置を変えることでスポット溶接が破断しない条件を調べることができ、最適な部材を設計することができる。
この方法は、鉄鋼材料だけでなく、あらゆる材料に適用することができる。また、スポット溶接だけなく、レーザー溶接、アーク溶接、シーム溶接、マッシュシーム溶接等のあらゆる溶接、さらには、TOX接合、リベット接合等のあらゆる機械接合、摩擦接合や拡散接合、摩擦拡散接合、接着剤による接合すべてに応用することができる。さらにまた、コンピュータ上での計算方法は、有限要素法に限らず、境界要素法、差分法、メッシュレス法や、初等解析やあらゆる計算方法に適用でき、材料力学やコンピュータによらない計算方法に適用しても良い。
実験による破壊ひずみパラメータEfの算出方法も、上記のせん断型引張試験に限らず、あらゆる試験片形状、荷重負荷方法で、算出することができる。
上記の破断判定の予測は、自動車全体、部材の衝突解析だけでなく、自動車以外の部品にも適用でき、衝突以外の準静的な変形での解析にも適用できることは言うまでもない。
図3は、スポット溶接部の破壊予測装置を構成可能なコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。同図において、1200はコンピュータPCである。PC1200は、CPU1201を備え、ROM1202又はハードディスク(HD)1211に記憶された、或いはフレキシブルディスクドライブ(FD)1212により供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行し、システムバス1204に接続される各デバイスを総括的に制御する。前記PC1200のCPU1201、ROM1202又はハードディスク(HD)1211に記憶されたプログラムにより、本実施形態の各機能手段が構成される。
1203はRAMで、CPU1201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。1205はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)1209から入力される信号をシステム本体内に入力する制御を行う。1206は表示コントローラ(CRTC)であり、表示装置(CRT)1210上の表示制御を行う。1207はディスクコントローラ(DKC)で、ブートプログラム(起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラム)、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)1211、及びフレキシブルディスク(FD)1212とのアクセスを制御する。
1208はネットワークインターフェースカード(NIC)で、LAN1220を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、或いは他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
上述した実施形態の機能は、コンピュータがコンピュータプログラムを実行することによっても実現される。また、コンピュータプログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、前記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。前記のコンピュータプログラム、記録媒体、伝送媒体及びコンピュータプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性メモリ、ROM等を用いることができる。
(実施例1)
上記の破断予測モデルを使い、汎用衝突解析FEMコードにサブルーチンプログラムとして、部材の衝突変形の解析中にスポット溶接部の破断を自動判定するシステムを構築した。使用したコードはESI社製PAM-CRASH v2002であり、シェル要素でモデル化した部材について、Multi-PLINKを用いてスポット溶接部をモデル化している。
破断予測モデルの精度検証には、せん断型引張試験、十字型引張試験そのものをモデル化した解析と実験の比較が、厳密な比較が可能となるので、最も良い。そこで、590MPa級の厚さt=1.8mmの鋼板で、JIS規格 3136、3137に準じたせん断型引張試験片及び十字型引張試験片を作成した。スポット溶接のナゲット径は、5√tである。インストロンタイプ試験機を用いて試験を実施し、その際のスポット溶接部破断までの荷重と変位を計測した。
同時に、試験と同一形状のせん断型引張試験と十字型引張試験をコンピュータ上でモデル化し、上記のサブルーチンプログラムを実装したFEMコードで引張試験の解析を行いスポット溶接部の破断を自動判定させて、実験と同様のスポット溶接の破断までの荷重と変位を計算した。
入力した初期パラメータは、引張強さTS=642(MPa)、板厚t=1.8(mm)、ナゲット直径d=6.7(mm)、全伸びTEL=0.315(−)である。継ぎ手の溶接間隔・溶接間隔と直交する継ぎ手長さは、1点のスポット溶接であれば試験片幅Wとなるので、せん断型引張試験で試験片幅W=40(mm)であり、十字型引張り試験では試験片幅W=50(mm)である。
次に、せん断型引張試験の試験片幅Wを20〜50mmと変化させると同時に、ナゲット直径dも4〜7mmと変化させて、試験を実施し、破壊ひずみパラメータEfを最大の荷重での試験片のナゲット周りのひずみとして実測するか、試験の最大の荷重と同じ条件の有限要素法解析の溶接結合部の要素のひずみとして求める。この結果から、図4に示す破壊ひずみパラメータによる破断限界線を得ることができる。初期パラメータの条件では、この破断限界線から、せん断型引張試験については、図4の○印で示すように、破壊ひずみパラメータEf=0.40と読み取ることができる。また、同様に十字型引張試験については、図4の□印で示すように、破壊ひずみパラメータEf=0.42と読み取ることができる。
また、別の方法として、図4の曲線を(2)式及び(3)式でフィッティングすることにより、せん断型引張試験では、EL=0.37,A=1.08、十字型引張試験では、EL=0.37,A=1.135と決まる。これらの値から(1)式を用いて、せん断型引張試験ではEf=0.42、十字型引張試験ではEf=0.40と、破断予測式からも前記と同じ値が求まる。
この破壊ひずみパラメータEfを有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破断判定条件の(4)式に導入して、スポット溶接部破断を判定した。試験モデルは、実際の部材の衝突解析で適用できることを考慮して、実車の衝突解析レベルの粗いシェル要素で作成し、境界条件も単純化している。
図5及び図6は、このシステムの検証例であり、せん断型引張試験及び十字型引張試験のそれぞれで、破断モードが異なるが、実験とFEM解析の荷重−ストローク曲線上で破断荷重が一致していることが分る。
せん断型引張試験では、破断荷重に至るまでの荷重−変位曲線の形状が実験と解析で異なるように見える。これは実験では試験片チャックがユニバーサルジョイントを介してクロスヘッドにつながっているため、荷重立上がり時にチャック部の回転が起きており、解析ではこの回転をモデルの単純化で考慮していないために異なるように見えるだけである。これは初期のストローク変化の挙動を変えるだけであるので、破断発生時の荷重には本質的に影響されない。
十字型引張試験でも荷重−変位曲線の挙動が実験と解析で、やや異なるもの同様に実験のチャックの問題であり、初期の挙動への影響のみで、破断荷重では実験と解析は一致する。
もちろんチャック部分も含めて解析上でモデル化すれば、この部分の挙動も実験と一致するが、ここでは本質的問題でないので省略する。むしろ、この試験を単純なモデル化をしたFEM解析でも、実際の試験の破断荷重を正確に予測できていることにより、実車の全体モデルや部分モデルの大規模な衝突解析で、詳細部を単純化した実用レベルの解析でも、正確にスポット破断を予測できることを示している。
(実施例2)
単純な部材の軸圧潰試験で、予測モデルの検証を行った。部材は、図7に示す形状であり、断面がハット型と当て板のスポット溶接で構成され、ハット頂部、たて壁がそれぞれ50(mm)で、フランジが20(mm)、圧潰方向の長さが300(mm)である。部材に使用した材料は、980MPa級の鋼材であり、スポット溶接のナゲット径は、4√t(mm)である。
入力した初期パラメータは、引張強さTS=983(MPa)、板厚t=1.4(mm)、ナゲット径d=4.7(mm)、全伸びTEL=0.18(−)を用いた。試験片幅Wに対応する値は、軸圧潰であるので図2の溶接間隔と直交する継ぎ手長さ5となり、図7の部材9のフランジ長さ20(mm)と同じになるので、W=20(mm)とした。
破壊ひずみパラメータEfは、図4の△印で示すようにEf=0.27と読み取れる。また、実施例1と同様に図4のデータの(2)、(3)式のフィッティングにより、EL=0.21、A=1.29と決まる。これらの値から(1)式を用いて、Ef=0.27として破断予測式からも前記と同じ値が求まる。
この破壊ひずみパラメータEfを有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破断判定条件の(4)式に導入して、スポット溶接部破断を判定した。試験モデルは、実際の部材の衝突解析で適用できることを考慮して、実車の衝突解析レベルの粗いシェル要素で作成し、境界条件も単純化している。
落錘の重さを500kg、圧潰時の初期速度を6m/sとして、動的な圧潰試験を実施し、それと同じ条件で、FEM解析を行った。圧潰後の部材形状で、図8(a)のFEM解析結果と図8(b)試験結果を比較すると、座屈の形状が同じで、特に、どちらもスポット溶接部が破断することにより、当て板が外れている形態が一致する。これにより、実車の全体モデルや部分モデルの大規模な衝突解析で、詳細部を単純化した実用レベルの解析でも、正確にスポット破断を予測できることを示している。
このように、基本的な試験で精度よくスポット溶接の破断を予測できる解析方法であることを検証することができた。また、部品レベルでの衝突変形時のスポット溶接破断の予測について実験・解析両面から検証しており、解析での破断予測が実験と一致することを確かめている。以上から、スポット溶接部の破断の可否により、部材の変形モード、吸収エネルギーの制御・設計が可能なシステムであることが確かめられた。
この方法は、汎用ソルバーPAM-CRASHだけでなく、LSTC社製LS-DYNA3Dや、MECALOG社製RADIOSS等の汎用ソルバーや、個別に開発されたソルバーにも導入できる。また、スポット溶接部のモデルも、Multi-PLINKのような接触タイプだけでなく、ビーム要素や、シェル要素、ソリッド要素等にも適用可能である。
せん断型引張試験の概要を示す模式図である。 スポット溶接打点が複数存在する部材の例を示す斜視図である。 スポット溶接部の破壊予測装置を構成可能なコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。 各種の条件の破壊ひずみパラメータ曲線(破断限界線)を示す図である。 実施例1におけるせん断型試験の破断時の荷重と変位の関係を実験とシミュレーション(FEM)で比較した特性図である。 実施例1における十字型試験の破断時の荷重と変位の関係を実験とシミュレーション(FEM)で比較した図である。 実施例2に用いた部材を示す図である。 実施例2における部材の動的圧潰試験時のスポット溶接部の破断の様子を説明するための図であり、(a)がFEM解析結果を示す図、(b)が試験結果の写真を示す図である。
符号の説明
1 ナゲット
2 母材
3 試験片両端部の引張方向
4 試験片幅(W)
5 溶接間隔と直交する継ぎ手長さ
6 継ぎ手の溶接間隔

Claims (7)

  1. スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づいて、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方を入力する入力手段と、
    前記板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する演算手段と、
    Ef=EL・A ・・・(1)
    A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
    EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
    (ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
    前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfを記憶するパラメータ記憶手段と、
    前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破壊予測式に導入して、スポット溶接部破壊を判定する演算手段とを有することを特徴とするスポット溶接部の破壊予測装置。
  2. スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づいて、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方を入力する入力手段と、
    前記板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する演算手段と、
    Ef=EL・A ・・・(1)
    A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
    EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
    (ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
    前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfを記憶するパラメータ記憶手段と、
    前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破断限界線に導入して、スポット溶接部破壊を判定する演算手段とを有することを特徴とするスポット溶接部の破壊予測装置。
  3. スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づく、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する工程と、
    Ef=EL・A ・・・(1)
    A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
    EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
    (ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
    前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfをパラメータ記憶手段に記憶する工程と、
    前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破壊予測式に導入して、スポット溶接部破壊を判定する工程とを有することを特徴とするスポット溶接部の破壊予測方法。
  4. スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づく、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する工程と、
    Ef=EL・A ・・・(1)
    A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
    EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
    (ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
    前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfをパラメータ記憶手段に記憶する工程と、
    前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破断限界線に導入して、スポット溶接部破壊を判定する工程とを有することを特徴とするスポット溶接部の破壊予測方法。
  5. スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づく、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する処理と、
    Ef=EL・A ・・・(1)
    A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
    EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
    (ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
    前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfをパラメータ記憶手段に記憶する処理と、
    前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破壊予測式に導入して、スポット溶接部破壊を判定する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするスポット溶接部の破壊予測のためのコンピュータプログラム。
  6. スポット溶接継ぎ手において、十字型引張試験及び/又はせん断型引張試験に基づく、板厚、スポット溶接のナゲット径、母材部分の材料強度、及び破断伸びの一部又は全てと、継ぎ手の溶接間隔、及び前記溶接間隔と直交する継ぎ手長さのうちいずれか又は両方とから、十字型引張及び/又はせん断型引張でのスポット溶接部の下記(1)〜(3)式で表される、破壊ひずみパラメータEfを算出する処理と、
    Ef=EL・A ・・・(1)
    A=(W/(a・d−b)) c ・・・(2)
    EL=k・TEL・(t/e) f ・(g/TS) h ・・・(3)
    (ここで、EL:基準ひずみ、A:形状因子、W:試験片幅(mm)、d:ナゲット直径(mm)、TS:材料の引張り強さ(MPa)、t:板厚(mm)、TEL:材料の引張り試験での全伸び、a,b,c,e,f,g,h,k:フィッティングパラメータである。)
    前記鋼種毎の破壊ひずみパラメータEfをパラメータ記憶手段に記憶する処理と、
    前記パラメータ記憶手段に記憶した破壊ひずみパラメータEfを、有限要素法によりスポット溶接周りの変形をモデル化した破断限界線に導入して、スポット溶接部破壊を判定する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするスポット溶接部の破壊予測のためのコンピュータプログラム。
  7. 請求項5又は6記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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