JPWO2018061742A1 - 脱窒処理方法、複合微生物群集及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
硝酸態窒素除去を迅速かつ良好に長期間にわたって実現する脱窒処理方法を提供する。被処理物質を微生物により脱窒処理する方法であって、前記被処理物質は硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む水又は土壌であり、前記微生物は、ユビキノン比率が70mol%以上のキノン組成を有する複合微生物群集であることを特徴とする脱窒処理方法。
Description
本発明は、被処理物質を生物学的処理により脱窒する脱窒処理方法と、その脱窒処理方法に用い得る複合微生物群集及びその製造方法に関する。
これまで、都市下水、生活廃水、産業廃水などによる周辺流域の水質汚濁、それに伴う河川、湖沼の富栄養化、及び農地への窒素肥料の施肥による周辺水環境(地下水、河川、湖沼)への窒素化合物の流入による汚染などを防止あるいは浄化するために、廃水処理が行なわれている。
富栄養化の原因物質の一つは硝酸塩(窒素成分または硝酸態窒素)であり、これが廃水処理後の最終放流水中に残存すると、特に閉鎖性水域において藍色細菌や藻類の異常増殖を促進してしまう。また、硝酸塩は、人間や動物に対する有害性から廃水中の濃度に対する規制が順次強化され、2007年から公共水域への流出排水中の硝酸態窒素濃度を100ppm以下とする排水基準が施行されている。
一般に廃水処理は、低コスト化のため、生物学的処理によって行なわれる。その代表的な方法が活性汚泥処理である。本法では、処理槽に導入された汚水が汚泥菌体とともに曝気され、汚水に含まれる有機物(以下、適宜「BOD(biochemical oxygen demand)源」と称することがある)が、好気性微生物の酸化分解作用によって二酸化炭素と水に無機化される。
一方、このBOD源の除去過程ではアンモニア等の窒素成分は残存しやすい。そのため、現在の主たる窒素含有廃水の処理は硝化脱窒法によって行なわれる。すなわち、まずアンモニアを硝化菌によって硝酸塩に変換(硝化)し、次いで、硝化液中の硝酸塩を嫌気性条件下で脱窒菌により窒素へ変換する処理が行なわれている。
この脱窒処理は、BOD源を電子供与体(エネルギー源または基質)とし、硝酸塩を電子受容体とする硝酸呼吸菌の作用を利用したものであり、これにより、硝酸塩は、亜硝酸、一酸化窒素、一酸化二窒素を経て窒素まで還元され、その結果、廃水中の各種窒素化合物は、窒素ガスとして大気中に放散されて除去される。
この脱窒処理過程では、上記のように微生物による還元のため電子供与体が必要であるが、活性汚泥中の好気性微生物によるBOD源除去が先行すると、脱窒工程においては電子供与体が不足しがちになる。また、有機物の量が少なく、且つ、アンモニウム化合物、硝酸性窒素等の窒素化合物が過剰である低BOD/N比を持つ廃水(例えば、畜産排水、ステンレス鋼材洗浄廃水やメッキ工場排水)の処理では、慢性的に脱窒に必要な還元力が不足する。
このため、現在、脱窒工程における還元力不足を補うために、外部から液状の基質が電子供与体として処理槽に添加されている。これらの液状基質としては、廃メタノール、廃エタノールなどの低分子有機物や汚泥可溶化物などが用いられている。
しかし、廃メタノールや廃エタノールなどは、液体であるため運搬や取り扱いに手間がかかり、火気に注意を要し、さらには処理槽内での消費量を把握することが難しい。このため、かかる液状基質の添加のタイミングや添加量の的確な判断が困難となって、本来の必要量に対して液状基質の過不足が生じ易い。また、外部から添加した液状基質が過剰である場合には、二次有機汚染を引き起こしかねない。
そこで、固形有機物(固形基質)を硝酸除去の電子供与体として用いるいわゆる固相脱窒法が提案されている。例えば、固形基質として生分解性プラスチックであるポリ(3−ヒドロキシ酪酸)(PHB)、3−ヒドロキシ酪酸と3−吉草酸の共重合体(PHBV)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸(PLA)を活性汚泥や硝酸含有廃水中に添加し、窒素除去することが試みられている。
一般に脱窒処理に固形基質を用いる場合、固形基質そのものが電子供与体として機能するのではなく、その分解産物である低分子有機物が実際の電子供与体として作用する。分解産物としては酢酸等の低級脂肪酸や有機酸が考えられ、微生物はこれらを電子供与体として利用する。
特許文献1においては、分子量等の物性を改変して加水分解性を高めた固体状PLAを用いた固相脱窒法の提案がなされており、改変されたPLAは、乳酸を供給できる程度の加水分解性が付与され、加水分解に伴って放出される乳酸の徐放速度を調整することが可能となっている。
特許文献2においては、生分解性樹脂と酸放出性樹脂の複合体を固形基質として用い、これを被処理物質に添加した後、酸放出性樹脂から放出される酸にて生分解性樹脂の分解を促進し、ブリーディングする低分子有機物を微生物の基質とする方法が提案されている。
特許文献3においては、近年、量産化が実現された生分解性プラスチックである3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸との共重合体(PHBH)の粒子を用い、その存在下で微生物群を培養することにより、脱窒処理を行う技術が開示されている。
一般にPLAは、汎用性生分解性プラスチックとして生産されているため安定供給され得るが、生分解性がきわめて悪く、そのままでは脱窒処理の基質としては適さないという問題点があった。例えば、特許文献1においては、加水分解性を高めた固体状PLAを用いた固相脱窒法の提案がなされており、加水分解に伴って放出される乳酸の徐放速度を調整することが可能と述べられているが、加水分解の持続性に課題があった。
また、特許文献2においては、生分解性樹脂と酸放出性樹脂の複合体を固形基質として用い、酸放出性樹脂から放出される酸にて生分解性樹脂の分解を促進し、その分解物を微生物の基質とする方法が提案されているが、高速の硝酸塩除去を長期に渡って行なうことが困難であった。
また、特許文献3に開示された方法による硝酸塩除去の速度は緩慢であり、高濃度の硝酸塩の迅速除去、即ち硝酸塩除去速度の高速化は達成されないままであった。
本発明は、上記問題点に鑑みて行われたものであり、生物学的処理における脱窒処置の作業性の向上を図ると共に、硝酸態窒素除去を迅速かつ良好に長期間にわたって実現する脱窒処理方法と、その脱窒処理方法に好適な複合微生物群集及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のキノン組成を有する複合微生物群集を用いる被処理物質の脱窒処理方法によると、硝酸態窒素除去を迅速かつ良好に長時間にわたって実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記発明を提供する。
[1]被処理物質を微生物により脱窒処理する方法であって、前記被処理物質は硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む水又は土壌であり、前記微生物は、ユビキノン比率が70mol%以上のキノン組成を有する複合微生物群集であることを特徴とする脱窒処理方法。
[2]前記複合微生物群集が、全キノン(100mol%)に対するユビキノン−8の割合が60mol%以上、97mol%以下であるキノン組成を有する、[1]に記載の脱窒処理方法。
[3]前記複合微生物群集が、全キノン(100mol%)に対するユビキノン−9の割合が2mol%以上であるキノン組成を有する、[1]又は[2]に記載の脱窒処理方法。
[4]前記複合微生物群集が、全キノン(100mol%)に対するユビキノン−10の割合が1mol%以上であるキノン組成を有する、[1]〜[3]のいずれか一に記載の脱窒処理方法。
[5]前記複合微生物群集が、全キノン(100mol%)に対するユビキノン−8の割合が60mol%以上、かつ、ユビキノン−9の割合が2mol%以上、かつ、ユビキノン−10の割合が1mol%以上であるキノン組成を有する、[1]に記載の脱窒処理方法。
[6]前記複合微生物群集が、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂により馴養された複合微生物群集である、[1]〜[5]のいずれか一に記載の脱窒処理方法。
[7]前記複合微生物群集が、3−ヒドロキシ酪酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂により馴養された複合微生物群集である、[1]〜[6]のいずれか一に記載の脱窒処理方法。
[8]前記複合微生物群集が、ユビキノンの分子種の割合がユビキノン−8>ユビキノン−9>ユビキノン−10の関係を満足するキノン組成を有する複合微生物群集である、[1]〜[7]のいずれか一に記載の脱窒処理方法。
[9]前記複合微生物群集が3−ヒドロキシヘキサン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂により馴養された複合微生物群集である、[8]に記載の脱窒処理方法。
[10]前記生分解性樹脂が、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシへキサン酸とをモノマーユニットとして含む共重合体である、[9]に記載の脱窒処理方法。
[11]前記被処理物質中に電子供与体を共存させる、[1]〜[10]のいずれか一に記載の脱窒処理方法。
[12]前記電子供与体が、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂である、[11]に記載の脱窒処理方法。
[13]前記生分解性樹脂が、3−ヒドロキシ酪酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂である、[12]に記載の脱窒処理方法。
[14]前記生分解性樹脂が、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸とをモノマーユニットとして含む共重合体である、[13]に記載の脱窒処理方法。
[15]前記複合微生物群集が、炭素数2〜6の低分子有機物を電子供与体として利用する複合微生物群集である、[1]〜[14]のいずれか一に記載の脱窒処理方法。
[16]前記被処理物質は硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む水であり、前記被処理物質を、ひも状又は網状に成形された前記生分解性樹脂が収容された処理槽に導入することによって脱窒処理する、[12]〜[15]のいずれか一に記載の脱窒処理方法。
[17]全キノン(100mol%)に対するユビキノン比率が70mol%以上であるキノン組成を有することを特徴とする複合微生物群集。
[18]全キノン(100mol%)に対するユビキノン−8の割合が60mol%以上、97mol%以下であるキノン組成を有する[17]に記載の複合微生物群集。
[19]全キノン(100mol%)に対するユビキノン−9の割合が2mol%以上である、[17]又は[18]に記載の複合微生物群集。
[20]全キノン(100mol%)に対するユビキノン−10の割合が1mol%以上である、[17]〜[19]のいずれか一に記載の複合微生物群集。
[21]全キノン(100mol%)に対するユビキノン−8の割合が60mol%以上であり、かつ、ユビキノン−9の割合が2mol%以上であり、かつ、ユビキノン−10の割合が1mol%以上である、[17]に記載の複合微生物群集。
[22]ユビキノンの分子種の割合がユビキノン−8>ユビキノン−9>ユビキノン−10の関係を満足するキノン組成を有する[17]〜[21]のいずれか一に記載の複合微生物群集。
[23][17]〜[22]のいずれか一に記載の複合微生物群集の製造方法であって、活性汚泥及び/又は被処理物質中に存在する微生物を接種源とする微生物を、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂を含み、かつ硝酸性窒素が含まれる培地中で、キノン組成がユビキノン比率70mol%以上となるまで馴養することを特徴とする複合微生物群集の製造方法。
本発明の脱窒処理方法は上記構成を有するため、硝酸態窒素除去を迅速かつ良好に長時間にわたって実現できる。また、本発明の複合微生物群集は上記構成を有するため、効率的な脱窒処理に好ましく使用することができる。
[脱窒処理方法]
本発明の脱窒処理方法は、被処理物質を微生物により脱窒処理する方法であって、上記微生物としてユビキノン比率が70mol%以上のキノン組成を有する複合微生物群集(「本発明の複合微生物群集」と称する場合がある)を用いる方法である。
本発明の脱窒処理方法は、被処理物質を微生物により脱窒処理する方法であって、上記微生物としてユビキノン比率が70mol%以上のキノン組成を有する複合微生物群集(「本発明の複合微生物群集」と称する場合がある)を用いる方法である。
[被処理物質]
本発明の脱窒処理方法における処理対象としての被処理物質は、硝酸性窒素(硝酸態窒素)及び/又は亜硝酸性窒素(亜硝酸態窒素)を含む水(例えば、廃水等)又は土壌(例えば、汚染土壌等)である。なお、硝酸態窒素としては、硝酸、硝酸塩などが含まれ、亜硝酸態窒素としては、亜硝酸、亜硝酸塩などが含まれる。本発明の脱窒素処理方法は、被処理物質中の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素(硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素のいずれか一方又は両方)を微生物によって生物学的に還元して窒素ガスに変換し、大気中に放出する処理である。本発明の脱窒処理方法においては、具体的には、例えば、被処理物質を貯留する処理槽が設けられ、この処理槽内において、導入された被処理物質と本発明の複合微生物群集とを接触させることによって、硝酸態窒素及び/又は亜硝酸性窒素の還元反応が進行する。
本発明の脱窒処理方法における処理対象としての被処理物質は、硝酸性窒素(硝酸態窒素)及び/又は亜硝酸性窒素(亜硝酸態窒素)を含む水(例えば、廃水等)又は土壌(例えば、汚染土壌等)である。なお、硝酸態窒素としては、硝酸、硝酸塩などが含まれ、亜硝酸態窒素としては、亜硝酸、亜硝酸塩などが含まれる。本発明の脱窒素処理方法は、被処理物質中の硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素(硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素のいずれか一方又は両方)を微生物によって生物学的に還元して窒素ガスに変換し、大気中に放出する処理である。本発明の脱窒処理方法においては、具体的には、例えば、被処理物質を貯留する処理槽が設けられ、この処理槽内において、導入された被処理物質と本発明の複合微生物群集とを接触させることによって、硝酸態窒素及び/又は亜硝酸性窒素の還元反応が進行する。
[複合微生物群集]
本発明の複合微生物群集は、上述のように全キノン中のユビキノン比率が70mol%以上のキノン組成を有する複合微生物群集であり、好ましくはユビキノン比率が80mol%以上のキノン組成を有する複合微生物群集であり、より好ましくはユビキノン比率が90mol%以上のキノン組成を有する複合微生物群集である。本発明の複合微生物群集はユビキノン比率が70mol%以上のキノン組成を有することにより、高い硝酸態窒素除去活性を発揮する。
本発明の複合微生物群集は、上述のように全キノン中のユビキノン比率が70mol%以上のキノン組成を有する複合微生物群集であり、好ましくはユビキノン比率が80mol%以上のキノン組成を有する複合微生物群集であり、より好ましくはユビキノン比率が90mol%以上のキノン組成を有する複合微生物群集である。本発明の複合微生物群集はユビキノン比率が70mol%以上のキノン組成を有することにより、高い硝酸態窒素除去活性を発揮する。
本発明の脱窒処理方法においては、例えば、キノン組成中のユビキノン比率を監視することにより、複合微生物群集の群集構造を把握できる効果がある。すなわちユビキノン比率が70mol%以上であることを指標にすれば、安定的に硝酸態窒素除去活性を管理できる効果がある。例えばキノン組成中ユビキノン比率が70%mol以上であることを監視することにより、群集構造の把握、さらには安定的に硝酸態窒素除去活性を維持することができる。
なお、複合微生物群集の群集構造を上述のようにキノン組成で特定するキノンプロファイル法は一般的であり、例えば、Horiba, Y., Khan, S. T., Hiraishi, A.: Microbes Environ. 20:25-33 (2005)に記載された方法を適用してキノン組成を特定することが可能である。より具体的には、実施例に記載の方法により複合微生物群集のキノン組成を特定することができる。キノン組成におけるユビキノン比率とは、キノン組成全量に占めるユビキノン総量の割合をいう。ユビキノン総量とは、ユビキノン−6、ユビキノン−7、ユビキノン−8、ユビキノン−9及びユビキノン−10の合計量のことをいう。キノン組成には、ユビキノンの他、各種メナキノンが含まれる。
本発明の複合微生物群集は、ユビキノンの分子種の割合がユビキノン−8>ユビキノン−9>ユビキノン−10の関係を満足するキノン組成を有するものであることが好ましい。このようなキノン組成を有することにより、より安定的に硝酸態窒素除去活性を有するという効果がある。
本発明の複合微生物群集のキノン組成を構成する全キノン中で主要なキノンの1つであるユビキノン−8の割合は、全キノン(100mol%)に対して60mol%以上であることが好ましく、より好ましくは70mol%以上であり、97mol%以下が好ましく、より好ましくは94mol%以下である。また、ユビキノン−9の割合は、全キノン(100mol%)に対して2mol%以上が好ましく、より好ましくは5mol%以上であり、25mol%以下が好ましく、より好ましくは20mol%以下である。さらに、ユビキノン−10の割合は、全キノン(100mol%)に対して1mol%以上が好ましく、より好ましくは5mol%以上であり、15mol%以下が好ましく、より好ましくは10mol%以下である。
本発明の複合微生物群集の製造方法は、上述のキノン組成を有するものが得られる方法であればよく、特に限定されないが、例えば、活性汚泥及び/又は上述の被処理物質中に存在する微生物を接種源(植種源)とする微生物を、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂(ポリ(3−ヒドロキシアルカン酸))を含み、かつ硝酸性窒素が含まれる培地中で、ユビキノン比率が70mol%以上のキノン組成となるまで馴養する方法が挙げられる。なお、馴養とは微生物群集を被処理物質に対して最適なバランスに構成させる操作のことで、排水処理業界で一般的に用いられる用語である。上記活性汚泥としては、例えば、下水又は産業廃水の活性汚泥を使用することができる。
前記3−ヒドロキシアルカン酸としては特に限定されず、3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシヘプタン酸、3−ヒドロキシオクタン酸等が挙げられる。また、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂は、単独重合体でも、2種以上のモノマーユニットを含む共重合体でも良い。また、3−ヒドロキシアルカン酸と4−ヒドロキシアルカン酸(例えば4−ヒドロキシ酪酸)との共重合体であってもよい。
3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の具体例としては、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)(PHB)、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸の共重合体(PHBH)、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸の共重合体(PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシブチレートーコ−4−ヒドロキシブチレート)(P3HB4HB)、ポリ(3−ヒドロキシブチレートーコ−3−ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシオクタデカノエート)などが挙げられる。これらのうち、3−ヒドロキシ酪酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂が特に好ましい。
また、特に上記生分解性樹脂として3−ヒドロキシヘキサン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂を使用した場合には、ユビキノンの主要分子種の割合がユビキノン−8>ユビキノン−9>ユビキノン−10の関係を満足するキノン組成を有する複合微生物群集が得られる点で好ましい。
本発明の複合微生物群集の製造方法における馴養完了の目安としては、前述のユビキノン比率を参考にすることができ、全キノン中のユビキノン比率が70mol%以上となった時点を馴養完了点とすることが挙げられ、好ましくは80mol%以上、より好ましくは90mol%以上である。
本発明の複合微生物群集の製造方法において馴養時に共存させる(例えば添加する)生分解性樹脂の量は、培地に対して、0.1w/v%以上が好ましく、より好ましくは0.2w/v%以上、さらに好ましくは0.3w/v%以上であり、10w/v%以下が好ましく、より好ましくは8w/v%以下、さらにより好ましくは5w/v%以下である。生分解性樹脂の量を0.1w/v%以上とすることにより、馴養完了までの期間を短くすることができ、より効率的に複合微生物群集を製造することができる傾向がある。一方、生分解性樹脂の量を10w/v%以下とすることにより、コストがより低減される傾向がある。
本発明の複合微生物群集の製造方法における培地中の硝酸性窒素の濃度は、5mM以上が好ましく、より好ましくは10mM以上、さらにより好ましくは15mM以上である。なお、その上限については特に限定されないが、例えば50mM以下とすることができる。また、馴養時の温度については、被処理物質の温度と同等であれば問題なく、一般的には0℃〜50℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、5℃〜45℃、さらにより好ましくは5℃〜40℃である。また、馴養時のpHについても同様に、被処理物質のpHと同等であれば問題ないが、3以上が好ましく、より好ましくは4以上であり、11以下が好ましく、より好ましくは10以下である。
本発明の複合微生物群集の製造方法における生分解性樹脂として、3−ヒドロキシヘキサン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の1つであるPHBH(3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸の共重合体)を用いる場合、その量は、培地に対して0.1w/v%〜5w/v%が好ましく、より好ましくは0.2w/v%〜5w/v%、さらに好ましくは0.2w/v%〜3w/v%である。この場合、培地に含まれる硝酸態窒素の濃度は、10〜20mMとすることが好ましい。PHBHの量を上記範囲に制御することで、より効率的な脱窒能を有する複合微生物群集が得られる。より具体的には、例えば3−ヒドロキシヘキサン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の1つであるPHBHの添加濃度1w/v%及び10〜20mM硝酸態窒素の添加系において、一定期間半嫌気回分培養し、ユビキノン比率が70mol%以上になった時点で馴養を完了することにより、該複合微生物群集として供することができる。
本発明の複合微生物群集の製造方法の馴養操作においては、上述の生分解性樹脂及び硝酸性窒素に加えて、その他の必要な無機塩を存在させてもよい。
本発明の脱窒処理方法を実施するにあたって、本発明の複合微生物群集の製造方法により複合微生物群集を予め準備又は製造しておくことは、脱窒処理の設備運転開始を容易にし、また、異常トラブルからの回復を容易にするという効果がある。
本発明の脱窒処理方法は、上述のように本発明の複合微生物群集を用いて被処理物質の脱窒処理を行う。本発明の脱窒素処理方法を実施する前には、必要に応じて、被処理物質中の有機物を微生物により好気的に分解する好気性処理を行う工程(「好気性処理工程」と称する場合がある)、及び/又は、被処理物質中のアンモニアを硝化する硝化処理を行う工程(「硝化工程」と称する場合がある)が実施される場合がある。本発明の脱窒処理方法に用いる被処理物質が好気性処理工程及び/又は硝化工程を受けたものである場合には特に、脱窒処理を行う際に微生物が活動するための炭素源(電子供与体)の不足が生じる場合があるため、本発明の脱窒処理方法においては、電子供与体の供給を行う(つまり、電子供与体を共存させる)ことが好ましい。
上記電子供与体としては、特に限定されないが、例えば、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂が挙げられる。3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂としては前述したものを使用でき、単独重合体、共重合体のいずれも使用できる。特に、3−ヒドロキシ酪酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂が好ましい。3−ヒドロキシ酪酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂としては、特に、3−ヒドロキシ酪酸のモノマーユニットと3−ヒドロキシヘキサン酸のモノマーユニットとを含むポリエステル系の共重合体(PHBH)を好ましく使用できる。
上述の3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂を電子供与体または炭素源供給剤とすることにより、被処理物質中の窒素化合物を効率的に除去する脱窒処理を行うことができるという効果を有する。被処理物質が水の場合は、窒素化合物を含む廃水等を指す。同様に土壌も窒素化合物を含む土壌をいう。脱窒処理方法は例えば、水処理槽、汚水槽、水生生物水槽、河川、湖沼、地下水、土壌、堆積物、コンポスト等で実施される。3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む固形の生分解性樹脂を電子供与体として用いることにより、複合微生物群集による硝酸等の窒素化合物の脱窒処理において、硝酸等の濃度に応じて3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の生分解が持続的に続き、安定した脱窒処理ができる効果がある。この結果、硝酸等が完全除去されれば、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の分解が停止するか、あるいは分解物が菌体に同化されることによって、過剰な電子供与体による二次汚染の発生が回避できるという効果がある。さらに電子供与体が固形であることから、減じた量が容易に把握できる効果を有する。
3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂が共重合体である場合、該共重合体は、交互共重合体やブロック共重合体、またはランダム共重合体であっても良い。さらに構造の一部が置換基によって置換されていても良い。
3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂として前記PHBHを使用する場合には、PHBHの繰り返し単位中の3−ヒドロキシ酪酸のモノマーユニット/3−ヒドロキシヘキサン酸のモノマーユニットの比(組成比)を変えることで、融点、結晶化度を変化させ、ヤング率、耐熱性などの物性を変化させることができる。このため、PHBHに必要な所望の物性に応じて、3−ヒドロキシ酪酸のモノマーユニット数と、3−ヒドロキシヘキサン酸のモノマーユニット数とは適正な範囲のものが選択される。よって、各モノマーユニットの組成比については特に限定されるものではないが、その加工性を考慮し、1〜99mol%、好ましくは1〜50mol%、より好ましくは1〜25mol%の割合で3−ヒドロキシヘキサン酸のモノマーユニットが含まれているものが好適である。
本発明において3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとする生分解性樹脂を電子供与体として使用する場合、その重量平均分子量としては、5万〜200万が好ましく、より好ましくは5万〜100万である。なお、ここでの重量平均分子量は、クロロホルム溶離液を用いたゲルバーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算分子量分布より測定されたものをいう。
さらに、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂は、単独であっても良く、また、他の生分解性高分子との共重合体であっても良い。また、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂と他の生分解性高分子とが混合された混合体であってもよい。重要なのは、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含んでいることである。
共重合または混合される他の生分解性高分子としては、環境中で分解されるものであれば、生合成されたものであっても良く、化学合成されたものであっても良いが、共重合や混合する他の高分子も、良好な生分解性を有する物が好ましい。かかる高分子としては、例えば、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂以外のポリヒドロキシアルカン酸や、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリエチレンテレフタレート共重合体などが例示される。
生分解性の点からは、ポリヒドロキシアルカン酸が好適である。3−ヒドロキシ酪酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂として前記PHBHを使用する時には、PHBH以外の、3−ヒドロキシ酪酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂を併用することができる。そのような生分解性樹脂としては、例えば、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)(PHB)、3−ヒドロキシ酪酸と3−吉草酸の共重合体(PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシブチレートーコ−4−ヒドロキシブチレート)(P3HB4HB)、ポリ(3−ヒドロキシブチレートーコ−3−ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシオクタデカノエート)などが挙げられる。
3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の形態は、固形状であれば特に制限はなく、粉末状、ペレット状、球状、シート状、コイル状、ひも状、網状のいずれであっても良い。ただし処理効果と作業効率を上げるために、表面積が広く、ある程度の物理的強度を有し、取り扱いが容易であれば、形態には制限されない。使用に際しては、各形態のものを単独で用いても良く、複数の形態のものを混合して用いても良い。3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の表面積が大きい程、多数の微生物を容易に付着させることができる。
3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の形態は、脱窒効率の観点で、コイル状、ひも状、網状が好ましい。
特に、本発明の脱窒処理方法において用いる被処理物質が硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む水であって、当該被処理物質を、上述のひも状又は網状に成形された上記生分解性樹脂が収容された処理槽に導入することによって脱窒処理を実施する場合には、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の表面積が限られるため、その生分解が持続的、安定的に継続し、その結果、継続的かつ安定的な有機低分子化合物の供給が容易となる。仮に、一定量以上の生分解が短時間に生じると過剰な低分子有機物が放出されるため、pH等が減少し水環境が悪化し、廃水の脱窒処理ができなくなるが、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂がひも状又は網状の形態であれば、生分解の速度が制限され、従来の固相脱窒法よりも脱窒反応が効率的に進行するという効果がある。さらに、上記生分解性樹脂としてひも状又は網状の形態に成形したものを使用することにより、カラムあるいは固定化した処理槽に対して容易に配設することができるという効果がある。すなわち、ひも状又は網状の3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂を充填したカラムあるいは固定化した処理槽を用いることにより、より効率的に脱窒処理ができるという効果を有する。
3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の代表例であるPHBHは、元来、脂肪酸や植物油を炭素源として高分子を生合成し体内に貯蔵物質として該高分子を蓄積する特質の微生物から生産され、菌体内から効果的な抽出法、精製法が確立されていることから安価に供給することができるものとなっている。また、生物学的処理において微生物の基質となり得る極めて高い生分解性を備えつつ固体状態とできる性質を備える。その結果、固体状態のPHBHは、効果的な電子供与体となることから、排水処理等の生物学的処理に用いるのに適している。
脱窒処理に際して電子供与体として供給される3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の量は、被処理物質の一定容量に対し、所定の範囲の重量となるように添加される。好適な添加量としては、0.1w/v%以上が好ましく、より好ましくは0.2w/v%以上であり、さらに好ましくは0.3w/v%以上である。また、その上限は、10w/v%以下が好ましく、より好ましくは8w/v%以下、さらにより好ましくは5w/v%以下である。
また、脱窒処理に際しては、電子供与体として、有機低分子化合物を加えてもよい。この時、上述した3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂を併用してもよい。当該有機低分子化合物としては、例えば、C2〜C6(炭素数2〜6)の有機酸(脂肪酸を含む)等が好ましく例示される。かかる有機低分子化合物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、3−ヒドロキシ酪酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、コハク酸が例示される。なお、本発明においては、有機低分子化合物は、主骨格がC2〜C6であることを意味するものであり、その一部に置換基を備えたものであっても良い。また、本発明においては、有機低分子化合物のカルボン酸基は、必ずしもCOOHの態様である必要はなく、カルボン酸塩の態様であっても良い。特に酢酸、酪酸、ヘキサン酸、3−ヒドロキシ酪酸等の有機低分子化合物を電子供与体として利用する基質利用特性を有する複合微生物群集は、各々の基質で30 mg−N h−1g−1以上の硝酸態窒素除去速度を示すことができる。
上述の低分子有機物を電子供与体として利用する基質利用特性を有する複合微生物群集は、接種源である馴養処理の施されていない微生物群に比し、著しく硝酸塩等を除去できるという効果を有する。また、脱窒処理を行う際に3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂のような固形基質を用いる場合、固形基質を資化した結果に生じた分解代謝産物である有機低分子化合物が電子供与体として利用され、脱窒効果を高める。分解代謝産物としては酢酸、酪酸、ヘキサン酸、3−ヒドロキシ酪酸等のC2〜C6(炭素数2〜6)の低分子有機物が考えられる。複合微生物群集は脱窒する際には可能な限り幅広い基質を利用できることが望ましいが、特に、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂で馴養した複合微生物群集は、これらの低分子有機物を有効に利用できる。このことは実施例においても示されている(図2参照)。さらに、これらの有機低分子化合物を脱窒反応に利用することで従来の固相脱窒法よりも高い硝酸態窒素除去能力を発揮できるという効果を有する。
本発明の脱窒処理方法を実施する温度は、自然界にて環境が取り得る温度範囲が好ましく、例えば、0℃から40℃の範囲である。
本発明の脱窒処理方法は、上述のように、被処理物質を本発明の複合微生物群集により脱窒処理する方法であればどのような態様であっても実施することができるが、具体的には例えば、図5(a)及び(b)に示す方法により実施することができる。以下、当該具体例について説明する。
図5における1は廃水、2は処理水(処理された水)、3は充填カラム、4はひも状又は網状の生分解性樹脂、5は処理槽、6は支持体を示す。図5(a)の方法では、生分解性樹脂4が筒状の充填カラム3内に配設され、被処理物質である廃水1が充填カラム3の一方から流入し、充填カラム3内で脱窒処理され、処理水2として充填カラム3の他方より流出する。生分解性樹脂4の表面には本発明の複合微生物群集が付着している。脱窒処理に発生するガス等についても、充填カラム3の他方から処理水2とともに排出される。なお、廃水1及び処理水2の出入りは、ポンプ等で制御してもよい。
一方、図5(b)の方法では、廃水1は、ポンプ等により処理槽(脱窒槽)5に流入し、処理槽5内で脱窒処理された処理水2は、処理槽から発生したガスとともに排出される。処理槽5には、例えば、ひも状又は網状の生分解性樹脂4が支持体6を介して配設されており、配設される生分解性樹脂4の量は廃水1中の硝酸等の濃度によって調整(増減)可能である。本方法では、処理槽5内の廃水1は、処理槽5内で処理に適した時間で循環させることができる。循環させる際には、処理槽5内に廃水1を滞留させることもできる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(複合微生物群集の製造)
1000mL容のガラス製メディウム瓶をリアクターとして、これに下水活性汚泥を植種源として加え、窒素源として0.1%硫酸アンモニウム、電子受容体として硝酸ナトリウムを約10mM含む無機塩培地をリアクターに満たし、1w/v%濃度のPHBH(シート状)を添加して25℃で2ヶ月間回分培養し複合微生物群集(以下ではPHBH馴養汚泥ともいう)を製造した。なお、回分培養時には2〜3日間隔で新鮮培地と半量交換した(図6参照)。
(複合微生物群集の製造)
1000mL容のガラス製メディウム瓶をリアクターとして、これに下水活性汚泥を植種源として加え、窒素源として0.1%硫酸アンモニウム、電子受容体として硝酸ナトリウムを約10mM含む無機塩培地をリアクターに満たし、1w/v%濃度のPHBH(シート状)を添加して25℃で2ヶ月間回分培養し複合微生物群集(以下ではPHBH馴養汚泥ともいう)を製造した。なお、回分培養時には2〜3日間隔で新鮮培地と半量交換した(図6参照)。
上記方法で馴養して製造した複合微生物群集のキノン組成を以下の方法で分析した。
上記のリアクター構築系において、2ヶ月間リアクターを馴養した後、汚泥を採取した。この汚泥に対し、クロロホルム/メタノール(2:1(v/v))を添加し混合後、水相を廃棄し、クロロホルム相を回収した。抽出後の汚泥に対して、さらに同様の操作を2回行い、クロロホルム相を全量回収した後、エバポレーターで溶剤を除去した。この乾燥抽出物に対して、蒸留水/ヘキサン(1:1(v/v))を添加混合した。その後、水相を除去し、ヘキサン相を回収した後、エバポレーターで溶剤を除去した。この乾燥抽出物に対して、さらに同様の操作を2回行い、精製キノンを取得した。この得られた精製キノンを、少量のアセトンに溶解してHPLCでキノン組成を分析した。なお、HPLC分析にはC18逆相カラムを用い、メタノール及びジイソピルエーテルを移動相とし、270nmで検出した。
上記分析結果を図3及び図4に示す。図3及び図4に示すように、前記HPLC分析において、PHBH馴養汚泥系では主要ピークとしてユビキノン−8(Q−8)のピークが最も高く現れ、二番目に高いピークとしてユビキノン−9(Q−9)のピーク、三番目に高いピークとしてユビキノン−10(Q−10)のピークが現れ、少量成分としてメナキノン(MK)分子種のピークが合計して10mol%以下の組成比で現れた。このPHBH馴養汚泥は、キノン組成におけるユビキノン比率が94.0mol%であった。
[実施例2]
(実施例1で得られた複合微生物群集を用いた脱窒処理方法)
1000mL容のガラス製メディウム瓶に1w/v%のPHBH(シート状)および10mMの硝酸ナトリウムを添加し、続いて、実施例1で得られた複合微生物群集を初発汚泥(MLSS)濃度が500mgL−1になるように添加し、各2日間の回分運転で、脱窒処理を行った。その際、汚泥濃度と硝酸塩濃度を経時的に測定した。結果を図1に示す。
(実施例1で得られた複合微生物群集を用いた脱窒処理方法)
1000mL容のガラス製メディウム瓶に1w/v%のPHBH(シート状)および10mMの硝酸ナトリウムを添加し、続いて、実施例1で得られた複合微生物群集を初発汚泥(MLSS)濃度が500mgL−1になるように添加し、各2日間の回分運転で、脱窒処理を行った。その際、汚泥濃度と硝酸塩濃度を経時的に測定した。結果を図1に示す。
図1に示すように、初発濃度140〜150mg−N L−1の硝酸態窒素が10時間以内に完全除去された。
[実施例3]
(実施例1で得られた複合微生物群集を用いた脱窒処理方法)
実施例1で得られたPHBH馴養汚泥をリアクターから採取し、これをリン酸緩衝液(pH7.1)で洗浄した後、同緩衝液に再懸濁して13mL容ガラスバイアル中に一定量投入し、さらに10mM硝酸塩溶液及び10mMの酢酸(C2)の基質液を加えてバイアルを満たした。スターラーで攪拌しながら25℃で5時間インキュベートし、その間の硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
(実施例1で得られた複合微生物群集を用いた脱窒処理方法)
実施例1で得られたPHBH馴養汚泥をリアクターから採取し、これをリン酸緩衝液(pH7.1)で洗浄した後、同緩衝液に再懸濁して13mL容ガラスバイアル中に一定量投入し、さらに10mM硝酸塩溶液及び10mMの酢酸(C2)の基質液を加えてバイアルを満たした。スターラーで攪拌しながら25℃で5時間インキュベートし、その間の硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
[実施例4]
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの酪酸(C4)の基質液を用いたこと以外は実施例3と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの酪酸(C4)の基質液を用いたこと以外は実施例3と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
[実施例5]
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMのヘキサン酸(C6)の基質液を用いたこと以外は実施例3と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMのヘキサン酸(C6)の基質液を用いたこと以外は実施例3と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
[実施例6]
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの3−ヒドロキシ酪酸(3HB)の基質液を用いたこと以外は実施例3と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの3−ヒドロキシ酪酸(3HB)の基質液を用いたこと以外は実施例3と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
図2に示すように、3−ヒドロキシヘキサン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂の代表例であるPHBH馴養汚泥ではC2〜C6いずれの基質においても40mg-NO3 −-N h−1g−1以上の硝酸塩除去速度が得られることが確認された。
[実施例7]
PHBHの代わりにPHBVを用いたこと以外は実施例1と同様にして、複合微生物群集(以下ではPHBV馴養汚泥ともいう)を製造した。当該複合微生物群集のキノン組成を図3及び図4に示す。このPHBV馴養汚泥は、キノン組成におけるユビキノン比率が92.2mol%であった。
PHBHの代わりにPHBVを用いたこと以外は実施例1と同様にして、複合微生物群集(以下ではPHBV馴養汚泥ともいう)を製造した。当該複合微生物群集のキノン組成を図3及び図4に示す。このPHBV馴養汚泥は、キノン組成におけるユビキノン比率が92.2mol%であった。
[実施例8]
実施例1で得られたPHBH馴養汚泥の代わりに、実施例7で得られたPHBV馴養汚泥を用いたこと以外は実施例3と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
実施例1で得られたPHBH馴養汚泥の代わりに、実施例7で得られたPHBV馴養汚泥を用いたこと以外は実施例3と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
[実施例9]
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの酪酸(C4)の基質液を用いたこと以外は実施例8と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの酪酸(C4)の基質液を用いたこと以外は実施例8と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
[実施例10]
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMのヘキサン酸(C6)の基質液を用いたこと以外は実施例8と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMのヘキサン酸(C6)の基質液を用いたこと以外は実施例8と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
[実施例11]
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの3−ヒドロキシ酪酸(3HB)の基質液を用いたこと以外は実施例8と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの3−ヒドロキシ酪酸(3HB)の基質液を用いたこと以外は実施例8と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
[比較例1]
実施例1で得られたPHBH馴養汚泥の代わりに、微生物の馴養操作を施していない下水活性汚泥を用いたこと以外は実施例3と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。この下水活性汚泥のキノン組成におけるユビキノン比率は47.1mol%であった。
実施例1で得られたPHBH馴養汚泥の代わりに、微生物の馴養操作を施していない下水活性汚泥を用いたこと以外は実施例3と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。この下水活性汚泥のキノン組成におけるユビキノン比率は47.1mol%であった。
[比較例2]
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの酪酸(C4)の基質液を用いたこと以外は比較例1と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの酪酸(C4)の基質液を用いたこと以外は比較例1と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
[比較例3]
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMのヘキサン酸(C6)の基質液を用いたこと以外は比較例1と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMのヘキサン酸(C6)の基質液を用いたこと以外は比較例1と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
[比較例4]
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの3−ヒドロキシ酪酸(3HB)の基質液を用いたこと以外は比較例1と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
10mMの酢酸の基質液の代わりに、10mMの3−ヒドロキシ酪酸(3HB)の基質液を用いたこと以外は比較例1と同様にして、硝酸塩の除去速度を測定した。結果を図2に示す。
1.廃水
2.処理水
3.充填カラム
4.ひも状(網状)の生分解性樹脂(例えばPHBH又はPHBV)
5.処理槽
6.支持体
2.処理水
3.充填カラム
4.ひも状(網状)の生分解性樹脂(例えばPHBH又はPHBV)
5.処理槽
6.支持体
Claims (23)
- 被処理物質を微生物により脱窒処理する方法であって、前記被処理物質は硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む水又は土壌であり、前記微生物は、ユビキノン比率が70mol%以上のキノン組成を有する複合微生物群集であることを特徴とする脱窒処理方法。
- 前記複合微生物群集が、全キノン(100mol%)に対するユビキノン−8の割合が60mol%以上、97mol%以下であるキノン組成を有する、請求項1に記載の脱窒処理方法。
- 前記複合微生物群集が、全キノン(100mol%)に対するユビキノン−9の割合が2mol%以上であるキノン組成を有する、請求項1又は2に記載の脱窒処理方法。
- 前記複合微生物群集が、全キノン(100mol%)に対するユビキノン−10の割合が1mol%以上であるキノン組成を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱窒処理方法。
- 前記複合微生物群集が、全キノン(100mol%)に対するユビキノン−8の割合が60mol%以上、かつ、ユビキノン−9の割合が2mol%以上、かつ、ユビキノン−10の割合が1mol%以上であるキノン組成を有する、請求項1に記載の脱窒処理方法。
- 前記複合微生物群集が、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂により馴養された複合微生物群集である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の脱窒処理方法。
- 前記複合微生物群集が、3−ヒドロキシ酪酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂により馴養された複合微生物群集である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の脱窒処理方法。
- 前記複合微生物群集が、ユビキノンの分子種の割合がユビキノン−8>ユビキノン−9>ユビキノン−10の関係を満足するキノン組成を有する複合微生物群集である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の脱窒処理方法。
- 前記複合微生物群集が3−ヒドロキシヘキサン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂により馴養された複合微生物群集である、請求項8に記載の脱窒処理方法。
- 前記生分解性樹脂が、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシへキサン酸とをモノマーユニットとして含む共重合体である、請求項9に記載の脱窒処理方法。
- 前記被処理物質中に電子供与体を共存させる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の脱窒処理方法。
- 前記電子供与体が、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂である、請求項11に記載の脱窒処理方法。
- 前記生分解性樹脂が、3−ヒドロキシ酪酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂である、請求項12に記載の脱窒処理方法。
- 前記生分解性樹脂が、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸とをモノマーユニットとして含む共重合体である、請求項13に記載の脱窒処理方法。
- 前記複合微生物群集が、炭素数2〜6の低分子有機物を電子供与体として利用する複合微生物群集である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の脱窒処理方法。
- 前記被処理物質は硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む水であり、前記被処理物質を、ひも状又は網状に成形された前記生分解性樹脂が収容された処理槽に導入することによって脱窒処理する、請求項12〜15のいずれか1項に記載の脱窒処理方法。
- 全キノン(100mol%)に対するユビキノン比率が70mol%以上であるキノン組成を有することを特徴とする複合微生物群集。
- 全キノン(100mol%)に対するユビキノン−8の割合が60mol%以上、97mol%以下であるキノン組成を有する請求項17に記載の複合微生物群集。
- 全キノン(100mol%)に対するユビキノン−9の割合が2mol%以上である、請求項17又は18に記載の複合微生物群集。
- 全キノン(100mol%)に対するユビキノン−10の割合が1mol%以上である、請求項17〜19のいずれか一項に記載の複合微生物群集。
- 全キノン(100mol%)に対するユビキノン−8の割合が60mol%以上であり、かつ、ユビキノン−9の割合が2mol%以上であり、かつ、ユビキノン−10の割合が1mol%以上である、請求項17に記載の複合微生物群集。
- ユビキノンの分子種の割合がユビキノン−8>ユビキノン−9>ユビキノン−10の関係を満足するキノン組成を有する請求項17〜21のいずれか一項に記載の複合微生物群集。
- 請求項17〜22のいずれか一項に記載の複合微生物群集の製造方法であって、活性汚泥及び/又は被処理物質中に存在する微生物を接種源とする微生物を、3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして含む生分解性樹脂を含み、かつ硝酸性窒素が含まれる培地中で、キノン組成がユビキノン比率70mol%以上となるまで馴養することを特徴とする複合微生物群集の製造方法。
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