JPWO2017018461A1 - 一軸延伸成形物、及びその製法 - Google Patents

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Abstract

(a)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が120℃を超えるオレフィン系重合体(A)、及び、(b)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから得られる融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gであり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であるオレフィン系重合体(B)を含むポリオレフィン系組成物からなる、一軸延伸成形物である。

Description

本発明は、一軸延伸成形物、及びその製法に関する。
一軸延伸物としては、例えば、モノフィラメントやバンド、延伸テープ、延伸方向(縦方向)に沿ってスリットして加熱しながら延伸してなるスリットヤーン(以下、「フラットヤーン」ともいう)、及び、刃群(回転刃又は回転ブラシ)により不連続にするスプリットに単子が網目状に繋がった集合繊維であるスプリットヤーン等が挙げられる。
一方、ポリプロピレン系樹脂は、強度・剛性・耐熱性・化学的な安定性等に優れる。したがって、ポリプロピレン系樹脂によるフラットヤーン、モノフィラメント、バンド等の一軸延伸成形物は、機械的強度に優れることから、各種の袋、クロスシート、ロープ、ネット、結束物等の産業資材として広く使用されている。
例えば、フラットヤーンは、一般に、未延伸原反をスリットして、スリットしたフィルムを延伸することにより得られる。ここで、分子配向を促進して強度を増すために、高い延伸倍率で延伸させると、偏肉に由来する生産中の破断が生じる場合があった。
また、強度増すために延伸倍率を高くするためフラットヤーン自体の伸びが悪くなり靱性が損なわれる場合がある。その場合に、高延伸倍率のフラットヤーンを編み込んで作製された織布は、大幅な変形が加わると、脆くなる欠点があった。
フラットヤーンの延びを改善するためには、通常、延伸倍率を低下させる方法が用いられるが、この場合、偏肉精度と強度が低下するため、適切ではない。そのため、得られるフラットヤーンの強度と伸びのバランスを改善することが、求められていた。
そこで、例えば、一軸延伸成形物の強度を高める方法として、より高い分子量のポリプロピレンを用い、より高い倍率で延伸する方法が提案された。
高倍率の延伸を容易にするためには、均一な物性を有する未延伸原反を得ることが重要である。しかし、高分子量のポリプロピレンを用いる場合は、溶融押出時の流動抵抗が大きいため、サージングやメルトフラクシャーを起こしやすく、表面状態や結晶化度等の均一な未延伸原反を得ることは難しかった。
上記問題の解決の一助として、特許文献1には、ポリプロピレン100重量部に対して有機過酸化物0.01〜0.10重量部を添加し、押出機等を用いて180〜300℃で2〜10分間溶融混錬する等の加熱処理をし、メルトフローレート(以下「MFR」ともいう)を3〜15g/10min、Q値が3.5以下の結晶ポリプロピレン(B)2〜10重量部を、メルトフローレートを0.3〜2.0g/10min、Q値が5〜8の結晶ポリプロピレン(A)100重量部と混合してなる延伸成形用ポリプロピレン組成物が、提案されている。
しかしながら、上記延伸成形用ポリプロピレン組成物には、有機過酸化物が含まれ、この有機過酸化物を起点になって劣化が進行する欠点があり、一方、上記延伸成形用ポリプロピレン組成物を生産する際に、有機過酸化物の取り扱いに十分注意を払う必要があり、作業が煩雑になるという難点があった。
特開平2−308839号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、従来の一軸延伸成形物に比べ、弾性率と破断伸びと破断強度と偏肉精度のバランスに優れた一軸延伸成形物及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ポリオレフィン組成物中に、融解吸熱量が相対的に低い特定の構造を有するオレフィン系重合体(B)を配合することで、上記目的が達成されることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、以下の発明を提供する。
[1] 下記(a)及び(b)成分を含むポリオレフィン系組成物からなる、一軸延伸成形物。
(a)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が120℃を超えるオレフィン系重合体(A)
(b)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから得られる融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gであり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であるオレフィン系重合体(B)
[2] 前記ポリオレフィン系組成物の前記(b)成分が前記(a)及び(b)成分との合計量100質量%に対して0.5質量%以上、50質量%未満である、上記[1]に記載の一軸延伸成形物。
[3] 前記オレフィン系重合体(A)が、プロピレン系重合体(a1)である、上記[1]又は[2]に記載の一軸延伸成形物。
[4] 前記オレフィン系重合体(B)を構成するモノマーの50モル%以上がプロピレンモノマーで構成されるプロピレン系重合体(b1)である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の一軸延伸成形物。
[5] 前記プロピレン系重合体(b1)が下記(i)及び/又は(ii)を満たす、上記[4]に記載の一軸延伸成形物。
(i)エチレンの構成単位が0モル%を超えて、20モル%以下で含まれる。
(ii)1−ブテンの構成単位が0モル%を超えて、30モル%以下で含まれる。
[6] 前記プロピレン系重合体(b1)が下記(1)を満たす、上記[4]に記載の一軸延伸成形物。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜60モル%である。
[7] 前記プロピレン系重合体(b1)が下記(2)を満たす、上記[4]〜[6]のいずれかに記載の一軸延伸成形物。
(2)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0〜120℃である。
[8] 上記[1]〜[7]のいずれかに記載の一軸延伸成形物からなる、フラットヤーン、モノフィラメント、バンド、スプリットヤーン、テープ。
[9] フラットヤーン、モノフィラメント、バンド、スプリットヤーン及びテープからなる群から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の一軸延伸成形物。
[10] 上記[1]〜[7]のいずれかに記載の一軸延伸成形物を編み込み、編み込んだ一軸延伸成形物からなる、シート。
[11] 上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の一軸延伸成形物の編み物からなるシート。
[12] 下記(a)及び(b)成分を含むオレフィン系組成物を用いて表裏両面がフラット状のフィルムを作製し、作製したフィルムをスリットし、スリットしたフィルムを加熱しながら延伸する、一軸延伸成形物の製造方法。
(a)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が120℃を超えるオレフィン系重合体(A)
(b)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから得られる融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gであり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であるオレフィン系重合体(B)
本発明によれば、従来の一軸延伸成形物に比べ、弾性率と破断伸びと破断強度と偏肉精度のバランスに優れた一軸延伸成形物及びその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を説明する。なお、本明細書において、数値の記載に関する「A〜B」という用語は、「A以上B以下」(A<Bの場合)又は「A以下B以上」(A>Bの場合)を意味する。また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。本明細書中において、(a)成分とオレフィン系重合体(A)、(b)成分とオレフィン系重合体(B)とは同義である。
[一軸延伸成形物]
本発明における「一軸延伸成形物」は、上述したように、モノフィラメントやバンド、延伸テープ、延伸方向(縦方向)に沿ってスリットして加熱しながら延伸してなる「スリットヤーン」(以下、「フラットヤーン」ともいう)、及び、刃群(回転刃又は回転ブラシ)により不連続にするスプリットに単子が網目状に繋がった集合繊維である「スプリットヤーン」を含む意で用いることとする。
本発明の一軸延伸成形物は、下記(a)及び(b)成分を含むポリオレフィン系組成物からなる。
(a)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が120℃を超えるオレフィン系重合体(A)
(b)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから得られる融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gであり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であるオレフィン系重合体(B)
また、本発明の一軸延伸成形物は、前記ポリオレフィン系組成物の前記(b)成分が前記(a)及び(b)成分との合計量100質量%に対して、弾性率と破断伸びと破断強度と偏肉精度のバランスを向上させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、50質量%未満であり、より好ましくは0.5質量%以上、20質量%未満、更に好ましくは0.5質量%以上、15質量%未満、より更に好ましくは1質量%以上、10質量%未満である。
以下、本発明に用いられる各成分、製造方法について順次説明する。
<オレフィン系重合体(A)>
本発明に用いられる(a)成分であるオレフィン系重合体(A)は、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が120℃を超える。該融点(Tm−D)が120℃以下の場合、前記ポリオレフィン系組成物を用いた成形体、例えば、一軸延伸成形物、例えばフラットヤーン等の耐熱性が劣るといった不具合が発生する。そのような観点から、融点(Tm−D)は好ましくは125℃以上、より好ましくは140℃以上、さらに好ましくは150℃以上、より更に好ましくは160℃以上である。
なお、該融点(Tm−D)は後述する実施例に記載の方法により測定される値である。
本実施の形態のオレフィン系重合体(A)は、例えば、エチレン及び炭素数3〜28のα−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマーを重合してなるオレフィン系重合体が好ましい。
炭素数3〜28のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン及び1−イコセン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは炭素数3〜24のα−オレフィン、より好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィン、更に好ましくは炭素数3〜6のα−オレフィン、特に好ましくは炭素数3〜4のα−オレフィン、最も好ましくはプロピレンである。
これらのうちの1種を単独で重合したオレフィン系重合体を使用してもよいし、2種以上を組み合わせて共重合して得られるオレフィン系共重合体を使用してもよい。なお、本明細書中において、単に「オレフィン系重合体」という場合には、オレフィン系共重合体も含まれる。オレフィン系共重合体としては、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がエチレンモノマーであるエチレン系重合体、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がプロピレンモノマーであるプロピレン系重合体(a1)、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がブテンモノマーであるブテン系重合体等が挙げられ、剛性と耐熱性の観点から優れた成形体物性、例えば、一軸延伸成形物の物性が得られる、プロピレン系重合体(a1)がより好ましい。さらに、プロピレン系重合体(a1)は、剛性と耐熱性の向上の観点から、後述するメソペンタッド分率[mmmm]が、好ましくは70〜99.5モル%、より好ましくは80〜99モル%、更に好ましくは85〜98モル%、より更に好ましくは87〜97モル%であり、最も好ましくは90〜97モル%である。
プロピレン系重合体(a1)としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、又はプロピレン−α−オレフィングラフト共重合体等から選択されるプロピレン系重合体(a1)であることが好ましい。更に、成形体物性、例えば、一軸延伸成形物の物性(たとえば、力学特性)の観点から、本発明のプロピレン系重合体(a1)は、特に好ましくはプロピレン−エチレンランダム共重合体もしくは、プロピレン単独重合体である。なお、上記の重合体は、石油・石炭由来のモノマーを用いた重合体でもよいし、バイオマス由来のモノマーを用いた重合体でもよい。
ポリオレフィン系組成物中におけるオレフィン系重合体(A)の含有量としては、後述するオレフィン系重合体(B)と前記オレフィン系重合体(A)との合計含有量100質量%に対して、50質量%以上である。当該含有量が50質量%未満の場合、該ポリオレフィン系組成物を用いた一軸延伸成形物は耐熱性が低下するといった不具合が発生する。そのような観点から、前記ポリオレフィン系組成物中におけるオレフィン系重合体(A)の含有量としては、後述するオレフィン系重合体(B)と前記オレフィン系重合体(A)との合計含有量100質量%に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%である。また、該ポリオレフィン系組成物を用いた一軸延伸成形物の耐熱性の観点から、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
<オレフィン系重合体(B)>
本発明に用いられる(b)成分であるオレフィン系重合体(B)は、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから得られる融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gであり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満である。
本発明のオレフィン系重合体(B)は、エチレン及び炭素数3〜28のα−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマーを重合してなるオレフィン系重合体(B)が好ましい。
炭素数3〜28のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン及び1−イコセン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは炭素数3〜24のα−オレフィン、より好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィン、更に好ましくは炭素数3〜6のα−オレフィン、特に好ましくは炭素数3〜4のα−オレフィン、最も好ましくはプロピレンである。
これらのうちの1種を単独で重合したオレフィン系重合体(B)を使用してもよいし、2種以上を組み合わせて共重合して得られるオレフィン系共重合体(B)を使用してもよい。オレフィン系共重合体(B)としては、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がエチレンモノマーであるエチレン系重合体、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がプロピレンモノマーであるプロピレン系重合体(b1)、重合体を構成するモノマーの50モル%以上がブテンモノマーであるブテン系重合体等が挙げられ、延伸ムラ抑制の観点から優れた成形体物性、例えば、一軸延伸成形物の物性が得られる、プロピレン系重合体(b1)がより好ましい。
プロピレン系重合体(b1)としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、又はプロピレン−α−オレフィングラフト共重合体等から選択されるプロピレン系重合体(b1)であることが好ましく、特にプロピレン単独重合体が好ましい。
また、本発明のポリオレフィン系組成物において、主成分であるオレフィン系重合体(A)がプロピレン系重合体(a1)である場合、主成分のプロピレン系重合体(a1)との相溶性の観点から、プロピレン系重合体(b1)は、炭素数が2のオレフィンを含有する共重合体の場合には、炭素数が2のオレフィン(すなわち、エチレンモノマー)の構成単位が、好ましくは0モル%を超え、20モル%以下、より好ましくは0モル%を超え、18モル%以下、さらに好ましくは0モル%を超え、15モル%以下、より更に好ましくは0モル%を超え、13モル%以下である。また、炭素数が3のオレフィンを含有する共重合体の場合には、炭素数が3のオレフィン(すなわち、プロピレンモノマー)の構成単位が、好ましくは50モル%以上、より好ましくは65モル%以上、更に好ましくは75モル%以上、より更に好ましくは80モル%以上である。また、炭素数が4以上のαオレフィンを含有する共重合体の場合には、炭素数が4以上のα−オレフィン含有量が、好ましくは0モル%を超え、30モル%以下、より好ましくは0モル%を超え、27モル%以下、更に好ましくは0モル%を超え、20モル%以下である。また、本発明のポリオレフィン系組成物において、主成分であるオレフィン系重合体(A)がプロピレン系重合体(a1)である場合、主成分のプロピレン系重合体(a1)との相溶性の観点等から、本発明のオレフィン系重合体(B)は、最も好ましくはプロピレン単独重合体である。なお、上記の重合体は、石油・石炭由来のモノマーを用いた重合体でもよいし、バイオマス由来のモノマーを用いた重合体でもよい。
本発明のポリオレフィン系組成物は、オレフィン系重合体(B)を含むことで、非晶成分の割合が増大し、ポリオレフィン系組成物を延伸した時の降伏応力が低下するため、均一延伸性が向上し、得られた一軸延伸成形物、例えばフラットヤーンの粘り強さが向上する。
特に、ポリオレフィン系組成物の均一延伸性が大幅に改善される観点から、ポリオレフィン系組成物における非晶成分の割合を増大させるためには、オレフィン系重合体(B)の含有量が、前記オレフィン系重合体(B)と前記オレフィン系重合体(A)との合計含有量100質量%に対して、好ましくは0.5質量%以上、50質量%未満であり、より好ましくは0.5質量%以上、20質量%未満、更に好ましくは0.5質量%以上、15質量%未満、より更に好ましくは1質量%以上、10質量%未満である。
また、特に、前記オレフィン系重合体(A)がプロピレン系重合体(a1)であって、かつ、オレフィン系重合体(B)がプロピレン系重合体(b1)である場合は、プロピレン系重合体(a1)に対するプロピレン系重合体(b1)の相溶性もより良好となり、より優れた延伸性を有する成形体を得ることができる。
成形体の力学特性に影響を与えることなく、延伸性が大幅に改善される観点から、オレフィン系重合体(B)が、下記融解吸熱量(ΔH−D)と分子量分布(Mw/Mn)を有しかつ後述する特性を有する場合(特に、プロピレン系重合体(b1)である場合)であって、このオレフィン系重合体(B)の含有量が、上述した範囲の含有量であることが好ましい。
(融解吸熱量(ΔH−D))
オレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)の融解吸熱量(ΔH−D)は、0〜80J/gである。オレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)の融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gの場合、本発明の一軸延伸成形物用に好適なポリオレフィン系組成物の主成分であるオレフィン系重合体(A)(特に、オレフィン系重合体(A)がプロピレン系重合体(a1)である場合)に対して、結晶化度を低減させる。それにより、ラメラ−ラメラ間のタイ分子数が低減する。延伸時にタイ分子数が少ないと初期の高次構造が均一に変形するため、結果として、均一延伸性が向上する。このような観点から、融解吸熱量(ΔH−D)は、好ましくは10〜70J/g、より好ましくは20〜60J/g、更に好ましくは30〜50J/gである。
融解吸熱量(ΔH−D)は、モノマー濃度や反応圧力を適宜調整することで制御することができる。
なお、上記融解吸熱量(ΔH−D)は、熱量変化の無い低温側の点と熱量変化の無い高温側の点とを結んだ線をベースラインとして、DSC測定により得られた融解吸熱カーブのピークを含むライン部分と当該ベースラインとで囲まれる面積を求めることで算出される。
(分子量分布(Mw/Mn))
オレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)の分子量分布(Mw/Mn)は、高強度の観点から、好ましくは3.0未満である。分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であれば、延伸性や成形体物性、例えば、一軸延伸成形物の物性(たとえば、力学特性)に悪影響を及ぼす低分子量成分が抑制され、後述する本発明の成形体物性、特に、一軸延伸成形物の物性の低下が抑制される。このような観点から、オレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは2.5以下、より好ましくは1.5〜2.5である。
本発明において、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnより算出した値である。
本発明のオレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)は、好ましくは下記(1)若しくは(2)のいずれか1つ、又はその両方を満たすプロピレン系重合体であり、より好ましくは下記(3)を満たし、更に好ましくは下記(4)及び(5)を満たす。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜60モル%である。
(2)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0〜120℃である。
(3)[rrrr]/(1−[mmmm])の値が0.1以下である。
(4)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が2.5モル%を超える。
(5)[mm]×[rr]/[mr]の値が2.0以下である。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]
メソペンタッド分率[mmmm]は、オレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)の立体規則性を表す指標であり、メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。
オレフィン系重合体(B)がプロピレン単独重合体である場合、そのメソペンタッド分率[mmmm]は、プロピレン系重合体の取り扱い性及びオレフィン系重合体(A)へ少量添加した際の延伸性の改良効果の観点から、好ましくは20〜60モル%、より好ましくは30〜55モル%、更に好ましくは40〜50モル%である。メソペンタッド分率[mmmm]が20モル%以上であると、本発明のポリオレフィン系組成物の主成分である、オレフィン系重合体(A)の剛性を低下させず、延伸性を改良することができ、60モル%以下であると、主成分であるオレフィン系重合体(A)と共晶化せず、主成分であるオレフィン系重合体(A)の非晶部分に相溶することで延伸性を改良できる。
(2)融点(Tm−D)
オレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)の融点(Tm−D)は、強度や成形性の観点から高い方が好ましい。好ましくは0〜120℃、より好ましくは50〜100℃、更に好ましくは55〜90℃、より更に好ましくは60〜80℃である。
なお、本発明では、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップを融点(Tm−D)とする。融点は、モノマー濃度や反応圧力を適宜調整することで制御可能である。
(3)[rrrr]/(1−[mmmm])
[rrrr]/(1−[mmmm])の値は、メソペンタッド分率[mmmm]及びラセミペンタッド分率[rrrr]から求められ、ポリプロピレンの規則性分布の均一さを示す指標である。[rrrr]/(1−[mmmm])のこの値が大きくなると既存触媒系を用いて製造される従来のポリプロピレンのように高立体規則性ポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合物となり、成形後のポリプロピレン一軸延伸成形物のべたつきの原因となる。なお、上記における[rrrr]及び[mmmm]の単位は、モル%である。
オレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)における[rrrr]/(1−[mmmm])の値は、べたつきの観点から、好ましくは0.1以下であり、より好ましくは0.001〜0.05、更に好ましくは0.001〜0.04、特に好ましくは0.01〜0.04である。
ここで、メソペンタッド分率[mmmm]、ラセミペンタッド分率[rrrr]、及び後述するラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠し、13C−NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率、ラセミ分率、及びラセミメソラセミメソ分率である。メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。また、後述するトリアッド分率[mm]、[rr]及び[mr]も上記方法により算出される。
(4)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]
ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、ポリプロピレンの立体規則性のランダム性を表す指標であり、値が大きいほどポリプロピレンのランダム性が増加する。
オレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)のラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、好ましくは2.5モル%を超える。オレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)の[rmrm]が2.5モル%を超えることにより、ランダム性が増し、本発明のポリオレフィン系組成物の主成分であるオレフィン系重合体(A)(特に、オレフィン系重合体(A)がプロピレン系重合体(a1)である場合)と共晶化し難くなり、その結果、ポリオレフィン系組成物の耐熱性や剛性の低下が抑制される。このような観点から、オレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)のラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、より好ましくは2.6モル%以上、更に好ましくは2.7モル%以上である。その上限は、通常、好ましくは10モル%程度であり、より好ましくは7モル%、更に好ましくは5モル%、特に好ましくは4モル%である。
(5)[mm]×[rr]/[mr]
トリアッド分率[mm]、[rr]及び[mr]から算出される[mm]×[rr]/[mr]の値は、重合体のランダム性の指標を表し、1に近いほどランダム性が高くなり、本発明のポリオレフィン系組成物の主成分であるオレフィン系重合体(A)(特に、オレフィン系重合体(A)がプロピレン系重合体(a1)である場合)と共晶化が起こらず、主成分であるオレフィン系重合体(A)(特に、プロピレン系重合体(a1))に対して効率的に延伸性を改良することができる。本発明のオレフィン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(b1)は、上式の値が通常2.0以下、好ましくは1.8〜0.5、さらに好ましくは1.5〜0.5の範囲である。なお、上記における[mm]及び[rr]の単位は、モル%である。
上記プロピレン系重合体(b1)は、例えば、WO2003/087172に記載されているようなメタロセン系触媒を使用して製造することができる。特に、配位子が架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物を用いたものが好ましく、なかでも、2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られるメタロセン系触媒が好ましい。
具体的に例示すれば、
(i)一般式(I)
Figure 2017018461

〔式中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E及びEはそれぞれ置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、ヘテロシクロペンタジエニル基、置換ヘテロシクロペンタジエニル基、アミド基、ホスフィド基、炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A及びAを介して架橋構造を形成しており、又それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX、E、E又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E、E又はXと架橋していてもよく、A及びAは二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−Se−、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−BR−又は−AlR−を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。〕
で表される遷移金属化合物、並びに
(ii)(ii−1)該(i)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(ii−2)アルミノキサンからなる群から選ばれる少なくとも一種の成分
を含有する重合用触媒が挙げられる。
上記(i)成分の遷移金属化合物としては、配位子が(1,2’)(2,1’)二重架橋型の遷移金属化合物が好ましく、例えば(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドが挙げられる。
上記(ii−1)成分の化合物の具体例としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム、テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム、テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム、テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム、テトラキス〔ビス(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム、テトラフェニル硼酸フェロセニウム、テトラフェニル硼酸銀、テトラフェニル硼酸トリチル、テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン、テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオロ燐酸銀、ヘキサフルオロ砒素酸銀、過塩素酸銀、トリフルオロ酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀等を挙げることができる。
上記(ii−2)成分のアルミノキサンとしては、公知の鎖状アルミノキサンや環状アルミノキサンが挙げられる。
また、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等の有機アルミニウム化合物を併用して、プロピレン系重合体(b1)を製造してもよい。
<添加剤>
本発明の一軸延伸成形物用に好適なポリオレフィン系組成物の好ましい一実施態様は、上記(a)及び(b)成分からなる。ただし、本発明の一軸延伸成形物用に好適なポリオレフィン系組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じてさらに、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、防曇剤、滑剤、核剤、ブロッキング防止剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤、エラストマー等を配合することができる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、イオウ系、ラクトーン系、有機ホスファイト系、有機ホスフォナイト系の酸化防止剤、あるいはこれらを数種類組み合わせた酸化防止剤等を使用することができる。酸化防止剤は、前記ポリオレフィン系組成物の全量100質量%に対して、0.01〜5質量%の範囲で配合することが好ましい。
帯電防止剤としては、一般的に用いられる公知の低分子型又は高分子型帯電防止剤を好適に用いることができる。
低分子型帯電防止剤としては、例えば、アルキルジエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン型帯電防止剤、テトラアルキルアンモニウム塩型のカチオン型帯電防止剤、アルキルスルホン酸塩等のアニオン型帯電防止剤、アルキルベタイン等の両性型帯電防止剤等の帯電防止剤等を挙げることができる。
高分子型帯電防止剤としては、例えば、ポリエーテルエステルアミド等の非イオン型帯電防止剤、ポリスチレンスルホン酸等のアニオン型帯電防止剤、第四級アンモニウム塩含有重合体等のカチオン型帯電防止剤等を挙げることができる。
帯電防止剤は、前記ポリオレフィン系組成物の全量100質量%に対して、0.01〜5質量%の範囲で配合することが好ましい。
スリップ剤としては、ラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エルカ酸、ベヘン酸等の飽和または不飽和脂肪酸のアミド、あるいはこれら飽和または不飽和脂肪酸のビスアマイドを用いることができる。これらの内でも、エルカ酸アミドおよびエチレンビスステアリン酸アミドが好ましい。スリップ剤は、前記ポリオレフィン系組成物の全量100質量%に対して、0.01〜5質量%の範囲で配合することが好ましい。
ブロッキング防止剤としては、微粉末シリカ、微粉末酸化アルミニウム、微粉末クレー、粉末状もしくは液状のシリコン樹脂、ポリテトラフロロエチレン樹脂、架橋されたアクリル樹脂やメタクリル樹脂粉末のような微粉末状架橋樹脂を挙げることができる。これらの内では、微粉末シリカおよび微粉末状架橋樹脂が好ましい。ブロッキング防止剤は、前記ポリオレフィン系組成物の全量100質量%に対して、0.01〜5質量%の範囲で配合することが好ましい。
エラストマーとしては、スチレン系、オレフィン系、エステル系、軟質塩ビ系、ウレタン系、アミド系、ブタジエン・イソプレン系のエラストマー、あるいはこれらを数種類組み合わせたエラストマーを用いることができる。これらの中でもスチレン系、オレフィン系、ブタジエン・イソプレン系が好ましい。エラストマーは、前記ポリオレフィン系組成物の全量100質量%に対して、1〜20質量%の範囲で配合することが好ましい。
<ポリオレフィン系組成物の製造>
ポリオレフィン系組成物は、上記の成分(a)、及び(b)、また、必要に応じて添加剤を加えて、例えば、高速ミキサー、バンバリーミキサー、連続ニーダー、一軸又は二軸押出機、ロール、ブラベンダープラストグラフ等の通常の混合混練機を使用して、一般には加熱溶融混練して造粒する方法が採用される。
ポリオレフィン系組成物は押し出し成形用に好ましく用いられる。また、上記(a)、及び(b)成分を押し出し成形直前に、例えば、押出機上のホッパー内に同時に投入して(ドライブレンド)用いてもよい。
[フラットヤーン]
本発明のフラットヤーンは、上記ポリオレフィン系組成物からなるフラットヤーンである。
上述のポリオレフィン系組成物を用いることにより、延伸性が向上し、伸びが改善される。これは、オレフィン系重合体(A)、特にプロピレン系重合体(a1)に、予め定められた量のオレフィン系重合体(B)、特にプロピレン系重合体(b1)が局在化して存在することにより、得られるフラットヤーンの強度と伸びのバランスが改善されるものと推察する。さらに詳細に説明すると、オレフィン系重合体(A)にオレフィン系重合体(B)をブレンドすると、融点を保ったまま結晶化度が遅くなることに起因して、球晶サイズの成長が抑制され、球晶サイズが小さくなる。さらに、球晶占有面積率が減少することにより、初期変形のネック変形が抑制され、均一延伸性が向上することになる。均一延伸性が向上することで、偏肉精度が改善し、破断頻度が低減して、生産安定性が高まる。
本発明のフラットヤーンは、後述する編み込みによりシートにされた場合、フレコンバッグ、土嚢袋、粘着テープ基材、レジャーシート、メッシュシート、デザインシート、トラックシート等の各種シート、バルチップ、ネット、カーペットの裏地材、袋材、インテリア資材等に使用されている。
また、本発明のフラットヤーン自体を用いて、人工芝を製造することもできる。
[モノフィラメント]
本発明のモノフィラメントは、上記ポリオレフィン系組成物からなるモノフィラメントである。
上述したフラットヤーンと同様に、上述のポリオレフィン系組成物を用いることにより、延伸性が向上し、伸びが改善される。そのメカニズムについては、上述したとおりであり、ここでは説明を省略する。
モノフィラメントとは、単一の、撚り(より)がかけられていない繊維のことをいう。
本発明のモノフィラメントは、通常、上述のポリオレフィン系組成物を溶融状態で押出機等から押し出し、所望により延伸と緩和処理することにより形成される。また、モノフィラメントは、押出された後に延伸された延伸糸でもよいし、押出された後に延伸と緩和の処理を受けた延伸糸でもよいが、押出された後に延伸と緩和の処理を受けた延伸糸が好ましい。また、本発明のモノフィラメントは、全延伸倍率が10倍以下であるモノフィラメントが好ましく、全延伸倍率が8倍以下であるモノフィラメントがより好ましい。モノフィラメントの全延伸倍率は、耐摩耗性、引張強度、伸度、柔軟性等の諸特性のバランス等を参酌して定めればよい。全延伸倍率の下限値は特にないが、全延伸倍率は、通常2倍以上、多くの場合3倍以上である。
本発明のモノフィラメントは、糸径が0.01mm以上であり、10mm以下であり、好ましくは0.02〜7mm、より好ましくは0.05〜5mm、更に好ましくは0.05〜2mmの範囲である。
また、布を織るために使われる糸等は、モノフィラメントを撚ったものである。一方、布には糸を織って作られるものだけでなく、繊維が複雑に絡み合ってできた不織布もある。
また、剛性の利点を生かして、釣り糸、オイルフィルター、砂利濾過用フィルター等の各種フィルター、漁網や養殖網、テニスやバドミントンのラケット用のガット、歯ブラシ、ヘアブラシ等のトイレタリー用ブラシをはじめ、化粧ブラシや各種の工業用ブラシ等の幅広い用途に使用されている。
[バンド]
本発明のバンドは、上記ポリオレフィン系組成物からなるバンドである。
上述したフラットヤーンと同様に、上述のポリオレフィン系組成物を用いることにより、延伸性が向上し、伸びが改善される。そのメカニズムについては、上述したとおりであり、ここでは説明を省略する。
バンドとしては、例えば、荷造りに用いる手作業用のバンド、物を固定するために用いる結束バンド等が挙げられる。
一般的なバンドの製造方法を説明する。一般的なバンドの製造方法は、上述のポリオレフィン系組成物を主成分とする原料を、押出機口金より溶融押出し、冷却して帯状原反を得る。この帯状原反を加熱して設定された延伸倍率で延伸する。長さ方向へ延伸された延伸物を一対の型押しローラーで型押ししてその表裏面にエンボス模様を施す。次いでアニール処理を行い、冷却後巻き取る。梱包用のバンドは一般に延伸倍率7倍〜20倍程で製造され、延伸することで強度や剛性が向上し、剛性は梱包機適性に寄与する。原料は、述のポリオレフィン系組成物を主原料とし炭酸カルシウム、顔料、その他添加剤が少量混合される事がある。炭酸カルシウムを添加しないと透明なバンドとなり、添加すると不透明なバンドになるが割れ防止の効果がある。
なお、バンドの用途に応じて、適宜、バンドの幅及びや厚みが選択され、結束バンドも同様に、用途に応じて、その形状、幅及び厚みが選択される。
[スプリットヤーン]
本発明のスプリットヤーンは、上記ポリオレフィン系組成物からなるスプリットヤーンである。
上述したフラットヤーンと同様に、上述のポリオレフィン系組成物を用いることにより、延伸性が向上し、伸びが改善される。そのメカニズムについては、上述したとおりであり、ここでは説明を省略する。
「スプリットヤーン」とは、微細な網目を有する繊維構造物である。外観上は、微細な繊維が多数集合し、繊維同士が部分的に結合していて網状になっているような構造を有している。スプリットヤーンは、通常、一軸延伸したプラスチックフィルムを、針刃ロール間に通すこと等によって得られる。このように、フィルムに多数の裂け目を生じさせて繊維を形成することを、本明細書においては、「分割(splitting)」または「分割解繊」と称する。狭義にはスプリットヤーンとは上記のような繊維構造物に撚りをかけた糸状体といい、撚りがかかっていないものをこれと区別してフラットヤーンと称する場合がある。しかし、本明細書中、スプリットヤーンなる語は、両者を包含して用いられる。
本発明のスプリットヤーンは、各繊維がお互いに連結していて、引き張りの強さが大きいのが特徴であり、包装資材や、産業資材、カーテン、カーペットに用いられる。
なお、スプリットヤーンの用途に応じて、適宜、網目構造又は分岐構造に形成してもよく、スプリットヤーンの長繊維及び分岐は、直径100μm以下のものも含まれる。
[テープ]
本発明のテープは、上記ポリオレフィン系組成物からなるテープである。
上述したフラットヤーンと同様に、上述のポリオレフィン系組成物を用いることにより、延伸性が向上し、伸びが改善される。そのメカニズムについては、上述したとおりであり、ここでは説明を省略する。
本発明のテープとしては、梱包用のテープ、粘着テープの基材テープ等が挙げられる。
ここで、梱包用のテープの製造方法及び粘着テープの基材の製造方法は、上述のバンドの製造方法と同様である。
なお、テープの用途に応じて、適宜、テープの幅及びや厚みが選択される。
[シート]
本発明のシートは、上述した一軸延伸成形物を編み込み、編み込んだ一軸延伸成形物からなるシートである。
本発明において、上記フラットヤーンを経糸および/または緯糸に用いて織編成しシートを形成する。織成方法としては、サーキュラー織機、スルーザー型織機、ウオータージェット型織機等の公知の織機を用いて織成することができ、その織り組織としては、平織、綾織、からみ織等の種々の形状が適用される。また、編成方法としては、横編み、縦編みいずれでもよく、具体的にはトリコット編、ミラニーズ編、ラッセル編等が挙げられる。
このように織編成したものを基材として、この片面または両面にポリエチレン系樹脂層を積層したものも多層シートとして好適に使用してもよい。ポリエチレン系樹脂層を積層することにより、防水性、防塵性が付与され、被包装物にフィットした仕上がりの美しい収縮包装物が得られる。ポリエチレン系樹脂層を積層する方法としては、公知の押出ラミネート法が好ましく用いられる。押出ラミネート法により設けられる層の厚みは、片面あたり20〜100μmが好ましく、30〜60μmがより好ましい。20μm未満では後加工における溶着強度が不十分となり、100μmを超えると柔軟性が失われるので好ましくない。
[一軸延伸成形物の製造方法]
前記ポリオレフィン系組成物は、延伸過程を有する成形方法に好適に用いられる。
延伸成形法としては、特に限定されないが、汎用プラスチックの延伸成形に適用される一軸延伸成形法(ロール法、チューブラー法、テンター法等)等を採用される。
本発明の一軸延伸成形物の製造方法は、まず、上記ポリオレフィン系組成物からなる未延伸原反を、通常50℃〜280℃の温度範囲で加熱して、表裏両面がフラット状のフィルム(「製膜」ともいう)を成形する。次に、得られたフィルムをロール法、テンター法、チューブラー法等により、機械方向(MD)に一軸延伸が施される。延伸温度は、通常30℃〜200℃、好ましくは50℃〜170℃の範囲である。延伸倍率は、通常、縦方向に通常2倍〜25倍の範囲で行われる。また、延伸後、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法、ヒートロール上に接触させる等の熱処理を施してもよい。
例えば、一軸延伸成形物がフラットヤーンの場合には、加熱して機械方向(MD)に一軸延伸する前に、得られたフィルムを短冊状にカット(スリット)してもよいし、場合によってはスリットを設けなくてもよい。スリットを設けない場合は、一軸延伸後に得られた一軸延伸フィルムを短冊状にカット(スリット)することもできる。
このような延伸成形法により得られた一軸延伸成形物の厚さは、その用途に応じて任意であるが、例えば、フラットヤーンの場合は、その厚みが、通常3μm以上、500μm以下であり、好ましくは10μm以上、500μm以下、より好ましくは10μm以上、300μm以下である。
また、上記ポリオレフィン系組成物からなるバンドも、上記一軸延伸成形物と同様にして製造するが、延伸倍率は、フラットヤーンが4〜8倍なのに対して、バンドは10〜20倍程度と高くなっている。
なお、成形された一軸延伸成形物には、化学的機能、電気的機能、磁気的機能、力学的機能、摩擦/磨耗/潤滑機能、光学的機能、熱的機能、生体適合性等の表面機能等の付与を目的として、各種合目的的二次加工を施すことも可能である。二次加工の例としては、エンボス加工、塗装、接着、印刷、メタライジング(めっき等)、機械加工、表面処理(帯電防止処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、フォトクロミズム処理、物理蒸着、化学蒸着、コーティング等)等が挙げられる。
本実施形態により得られる一軸延伸成形物は、有機溶媒を使用しても、使用しなくてもどちらでもよい。安全性に優れているため好ましい。したがって、有機溶媒を使用しなければ、安全性に優れているため、医療用途、食品包装用途、日用品、電気機器材料、家電筐体、自動車材料等の用途として幅広く適用される。特に、食品等も含め、酸素の影響を受けやすく、あるいは劣化する可能性のある物質を包装する上でも有用となる。また、残存モノマーも5,000ppm以下であれば、耐久性を高めることができ、着色を低減できる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
以下に、実施例で用いたオレフィン系重合体(A)、及びオレフィン系重合体(B)の測定方法について説明する。
〔DSC測定〕
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから融解吸熱量ΔH−Dとして求めた。また、得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップから融点(Tm−D)を求めた。
なお、融解吸熱量(ΔH−D)は、熱量変化の無い低温側の点と熱量変化の無い高温側の点とを結んだ線をベースラインとして、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)を用いた、DSC測定により得られた融解吸熱カーブのピークを含むライン部分と当該ベースラインとで囲まれる面積を求めることで算出される。
〔重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)測定〕
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。測定には、下記の装置および条件を使用し、ポリスチレン換算の重量平均分子量および数平均分子量を得た。分子量分布(Mw/Mn)は、これらの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)より算出した値である。
<GPC測定装置>
カラム :東ソー(株)製「TOSO GMHHR−H(S)HT」
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出 ウォーターズ・コーポレーション製「WATERS 150C」
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0mL/分
試料濃度 :2.2mg/mL
注入量 :160μL
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
〔NMR測定〕
以下に示す装置および条件で、13C−NMRスペクトルの測定を行った。なお、ピークの帰属は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案された方法に従った。
装置:日本電子(株)製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/mL
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10,000回
<計算式>
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
メソペンタッド分率[mmmm]、ラセミペンタッド分率[rrrr]およびラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠して求めたものであり、13C−NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率、ラセミ分率、およびラセミメソラセミメソ分率である。メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。また、トリアッド分率[mm]、[rr]および[mr]も上記方法により算出した。
〔メルトフローレート(MFR)測定〕
JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
以下に、実施例で使用したオレフィン系重合体(A)について説明する。
<オレフィン系重合体A>
オレフィン系重合体(A)として、MFR:4g/10min(温度230℃、荷重2.16kgの条件下)、融点(Tm−D):163℃、融解吸熱量(ΔH−D):94g/Jのプロピレン単独重合体を用いた。
以下に、実施例で使用したオレフィン系重合体(B)の製造例について説明する。
製造例1[オレフィン系重合体(B)の製造]
撹拌機付きの内容積20Lのステンレス製反応器に、n−ヘプタンを20L/hr、トリイソブチルアルミニウムを15mmol/hr、さらに、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド及びトリイソブチルアルミニウムを質量比1:2:20でプロピレンと事前に接触させて得られた触媒成分を、ジルコニウム換算で6μmol/hrで連続供給した。
反応器内の全圧を1.0MPa・Gに保つようプロピレンと水素とを連続供給し、重合温度を適宜調整し、所望の分子量を有する重合溶液を得た。
得られた重合溶液に、酸化防止剤をその含有割合が1,000質量ppmになるように添加し、次いで溶媒であるn−ヘプタンを除去することにより、オレフィン系重合体(B)を得た。
製造例1で得られた、オレフィン系重合体(B)について、上述の測定を行った。結果を、以下の表1に示す。
Figure 2017018461
製造例2[オレフィン系重合体(B)の製造]
製造例1の重合温度のみを変化させて、別の所望の分子量を有する重合溶液を得た。
得られた重合溶液に、酸化防止剤をその含有割合が1,000質量ppmになるように添加し、次いで溶媒であるn−ヘプタンを除去することにより、オレフィン系重合体(B)を得た。
製造例2で得られた、オレフィン系重合体(B)について、上述の測定を行った。結果を、以下の表2に示す。
Figure 2017018461
<一軸延伸物であるフラットヤーンの評価>
下記測定方法によって、後述する各実施例及び比較例で作製した一軸延伸物であるフラットヤーンの物性を評価した。
〔力学特性の測定〕
作製した一軸延伸物であるフラットヤーンから採取した200mm×15mmの短冊状の試験片を用い引張試験機((株)島津製作所製、「オートグラフAG−I」)で機械方向に引張速度300mm/minで引張り、弾性率、破断強度、破断伸度を求めた。
各試験とも、機械方向に5回ずつ測定して、その平均値を測定値とした。なお、ここで機械方向の試験片とは、上記短冊状試験片の長手方向が一軸延伸物の機械方向である試験片のことをいう。
(i)弾性率
200mm×15mmの短冊状の試験片を用いて、引張試験機でチャック間距離150mm、引張速度300mm/minで引張り、伸度(ひずみ)を横軸とし、応力を縦軸とした二次元座標軸上に関係線(曲線)を引き、降伏点前の関係線の傾きを「弾性率」として求めた。弾性率は値が高いほど、フィルムの剛性が優れる。
<評価基準>
A:弾性率が6GPa以上
B:弾性率が5GPa以上6GPa未満
C:弾性率が4.5GPa以上5GPa未満
D:弾性率が4.5GPa未満
(ii)破断強度
二次元座標軸上に関係線(曲線)において、試験片が破断する前に試験片に表れる最大の引張応力を『破断強度』として、求めた。
<評価基準>
A:破断強度が370MPa以上
B:破断強度が300MPa以上370MPa未満
C:破断強度が260MPa以上300MPa未満
D:破断強度が260MPa未満
(iii)破断伸度
破断伸度(%)=100×(L−L)/L
(式中、L:試験前の試験片の長さ、L:破断時の試験片の長さ)
<評価基準>
A:破断伸度が20%以上
B:破断伸度が15%以上20%未満
C:破断伸度が10%以上15%未満
D:破断伸度が10%未満
〔延伸性の評価〕
(i) 厚み分布測定
フラットヤーンの厚みは、厚み分布計(Marl社製、「Millimar C1216」)で測定した。測定範囲は、フラットヤーンの機械方向に各例5cm間隔では8点を測定した。得られた測定値から平均値を算出した値をフラットヤーン厚みとした。また得られた測定値から標準偏差を算出した。
<評価基準>
A:標準偏差が8未満
B:標準偏差が8以上9未満
C:標準偏差が9以上10未満
D:標準偏差が10以上
実施例1
製造例1のオレフィン系重合体(B)5質量%とオレフィン系重合体(A)(ポリプロピレン、MFR:4g/10min(温度230℃、荷重2.16kgの条件下)、融点(Tm−D):163℃、融解吸熱量(ΔH−D):94g/J)95質量%とからなる樹脂組成物を熱プレス(溶融:200℃/5分、冷却:20℃/5分)にて、厚み200μmのフィルムを成形した。得られたフィルムを岩本製作所製のテーブルテンターにより、延伸温度135℃、延伸倍率7倍で機械方向に一軸延伸してフラットヤーンを作製することで、一軸延伸ヤーンを作製した。得られたフラットヤーンの厚みムラ(「延伸性の標準偏差」ともいう)、力学特性を評価した。結果を表3に示す。
比較例1
実施例1の樹脂組成物をオレフィン系重合体(A)100質量%とした以外、実施例1と同様に行った。得られたフラットヤーンの厚みムラ、力学特性を評価した。結果を表3に示す。
実施例2
実施例1のオレフィン系重合体(B)10質量%とオレフィン系重合体(A)(ポリプロピレン、MFR:4g/10min(温度230℃、荷重2.16kgの条件下)、融点(Tm−D):163℃、融解吸熱量(ΔH−D):94g/J)90質量%とからなる樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様に行った。得られたフラットヤーンの厚みムラ、力学特性を評価した。結果を表3に示す。
比較例2及び3
実施例1の樹脂組成物をオレフィン系重合体(A)100質量%とし、縦延伸倍率及び延伸温度、又は延伸温度を表3に示すように変更した以外、実施例1と同様に行った。得られたフラットヤーンの厚みムラ、力学特性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2017018461
表3からわかるように、オレフィン系重合体(B)を含む一軸延伸物(フラットヤーン)はフラットヤーンの厚みの均一性が高いことがわかる。これは、オレフィン系重合体(B)を含むことで、降伏応力が低下し、ネック変形が抑制されるので、均一性が良好になったと考えられる。延伸性もがよく、厚みが均一になることで、破断の頻度が低減されると想定され、さらに力学特性もバランス良く向上していることが分かる。その結果、生産安定性も優れることが分かる。
<モノフィラメントの評価>
下記測定方法によって、後述する各実施例及び比較例で作製したモノフィラメントの物性を評価した。
〔力学特性の測定〕
オレフィン系重合体(A)とオレフィン系重合体(B)とをドライブレンドし、ダイス幅0.5mm、ダイスノズル径0.3mφ、ノズル数24本、第一ロールと第二ロールにて巻き取る装置を用い繊維を製造した。ノズルから第一ロールまでの状態から紡糸性を判断し、第一ロールから第二ロールまでの繊維の状態から延伸性を判断した。さらに、上記の方法で得られた繊維の力学物性を評価した。結果を表4に示す。
(i)紡糸性:ダイスから第一ロールまでに得られる繊維の破断有無にて判断した。
<評価基準>
A:破断なし
D:破断あり
(ii)延伸性:第一ロールから第二ロールまでの繊維の破断有無にて判断した。
<評価基準>
A:破断なし
D:破断あり
実施例3
製造例1のオレフィン系重合体(B)2質量%とオレフィン系重合体(A)(ポリプロピレン、プライムポリマー社製、商品名「Y2005GP」、MFR:20g/10min(温度230℃、荷重2.16kgの条件下)、融点(Tm−D):161℃)98質量%とをドライブレンドし、ダイス幅0.5mm、ダイスノズル径0.3mφ、ノズル数24本、第一ロールと第二ロールにて巻き取る装置を用い繊維を製造した。ノズルから第一ロールまでの状態から紡糸性を判断し、第一ロールから第二ロールまでの繊維の状態から延伸性を判断した。さらに、上記の方法で得られた繊維の力学物性を評価した。結果を表4に示す。
比較例4
実施例3の樹脂組成物をオレフィン系重合体(A)100質量%とした以外、実施例1と同様に行った。得られたモノフィラメントの紡糸性及び延伸性を判断した。さらに、その力学物性を評価した。結果を表4に示す。
実施例4
製造例1のオレフィン系重合体(B)5質量%とオレフィン系重合体(A)(ポリプロピレン、プライムポリマー社製、商品名「Y2005GP」、MFR:20g/10min(温度230℃、荷重2.16kgの条件下)、融点(Tm−D):161℃)95質量%とからなる樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様に行った。得られたモノフィラメントの紡糸性及び延伸性を判断した。さらに、その力学物性を評価した。結果を表4に示す。
比較例5及び6
実施例1の樹脂組成物をオレフィン系重合体(A)100質量%とし、巻き取り速度1,2を表4に示すように変更した以外、実施例1と同様に行った。得られたモノフィラメントの紡糸性及び延伸性を判断した。さらに、その力学物性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2017018461
表4から分かるように、オレフィン系重合体(B)を含む繊維は、モノフィラメントの紡糸性、延伸性が高いことがわかる。これは、オレフィン系重合体(B)を含むことで、結晶化速度が遅くなることの効果だと考えられる。さらに力学特性もバランス良く向上していることが分かる。その結果、生産安定性も優れることが分かる。
実施例5
製造例2のオレフィン系重合体(B)2質量%とオレフィン系重合体(A)(ポリプロピレン、プライムポリマー社製、商品名「Y2000GV」、MFR:18g/10min(温度230℃、荷重2.16kgの条件下)、融点(Tm−D):167℃)98質量%とをドライブレンドし、ダイス幅0.5mm、ダイスノズル径0.3mφ、ノズル数24本、第一ロールと第二ロールにて巻き取る装置を用い繊維を製造した。ノズルから第一ロールまでの状態から紡糸性を判断し、第一ロールから第二ロールまでの繊維の状態から延伸性を判断した。さらに、上記の方法で得られた繊維の力学物性を評価した。結果を表5に示す。
実施例6
巻き取り速度2を表5に示すように変更した以外、実施例5と同様に行った。得られたモノフィラメントの紡糸性及び延伸性を判断した。さらに、その力学物性を評価した。結果を表5に示す。
実施例7
製造例1のオレフィン系重合体(B)5質量%とオレフィン系重合体(A)(ポリプロピレン、プライムポリマー社製、商品名「Y2000GV」、MFR:18g/10min(温度230℃、荷重2.16kgの条件下)、融点(Tm−D):167℃)95質量%とからなる樹脂組成物を用い、巻き取り速度2を表5に示すように変更した以外、実施例5と同様に行った。得られたモノフィラメントの紡糸性及び延伸性を判断した。さらに、その力学物性を評価した。結果を表5に示す。
比較例7及び8
実施例5の樹脂組成物をオレフィン系重合体(A)100質量%とし、巻き取り速度2を表5に示すように変更した以外、実施例5と同様に行った。得られたモノフィラメントの紡糸性及び延伸性を判断した。さらに、その力学物性を評価した。結果を表5に示す。
Figure 2017018461
表5から分かるように、オレフィン系重合体(B)を含む繊維は、モノフィラメントの紡糸性、延伸性が高いことがわかる。これは、オレフィン系重合体(B)を含むことで、結晶化速度が遅くなることの効果だと考えられる。さらに力学特性もバランス良く向上していることが分かる。その結果、生産安定性も優れることが分かる。
本発明の一軸延伸成形物は、弾性率と破断伸びと破壊強度と偏肉精度のバランスに優れており、この一軸成形物がフラットヤーンの場合には、編み込みによりシートにされると、フレコンバッグ、土嚢袋、粘着テープ基材、レジャーシート、メッシュシート、デザインシート、トラックシート等の各種シート、バルチップ、ネット、カーペットの裏地材、袋材、インテリア資材等に使用することができ、また、フラットヤーン自体を用いて、人工芝を製造することもできる。

Claims (10)

  1. 下記(a)及び(b)成分を含むポリオレフィン系組成物からなる、一軸延伸成形物。
    (a)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が120℃を超えるオレフィン系重合体(A)
    (b)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから得られる融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gであり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であるオレフィン系重合体(B)
  2. 前記ポリオレフィン系組成物の前記(b)成分が前記(a)及び(b)成分との合計量100質量%に対して0.5質量%以上、50質量%未満である、請求項1に記載の一軸延伸成形物。
  3. 前記オレフィン系重合体(A)が、プロピレン系重合体(a1)である、請求項1又は2に記載の一軸延伸成形物。
  4. 前記オレフィン系重合体(B)を構成するモノマーの50モル%以上がプロピレンモノマーで構成されるプロピレン系重合体(b1)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の一軸延伸成形物。
  5. 前記プロピレン系重合体(b1)が下記(i)及び/又は(ii)を満たす、請求項4に記載の一軸延伸成形物。
    (i)エチレンの構成単位が、0モル%を超えて、20モル%以下で含まれる。
    (ii)1−ブテンの構成単位が、0モル%を超えて、30モル%以下で含まれる。
  6. 前記プロピレン系重合体(b1)が下記(1)を満たす、請求項4に記載の一軸延伸成形物。
    (1)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜60モル%である。
  7. 前記プロピレン系重合体(b1)が下記(2)を満たす、請求項4〜6のいずれか1項に記載の一軸延伸成形物。
    (2)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0〜120℃である。
  8. フラットヤーン、モノフィラメント、バンド、スプリットヤーン及びテープからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の一軸延伸成形物。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の一軸延伸成形物の編み物からなるシート。
  10. 下記(a)及び(b)成分を含むオレフィン系組成物を用いて表裏両面がフラット状のフィルムを作製し、作製したフィルムをスリットし、スリットしたフィルムを加熱しながら延伸する、一軸延伸成形物の製造方法。
    (a)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が120℃を超えるオレフィン系重合体(A)
    (b)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから得られる融解吸熱量(ΔH−D)が0〜80J/gであり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であるオレフィン系重合体(B)
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