JPWO2016133020A1 - 光学活性アリルアルコール化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】立体選択的な光学活性アリルアルコール化合物の新規な製造方法を提供する。【解決手段】式(5)で表されるケトン化合物に、光学活性オキサザボロリジン化合物の存在下、ボラン還元剤を反応させる工程を含むことを特徴とする、式(7)で表される光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。上記工程の生成物に加水分解酵素の存在下、エステル化剤を添加することにより、反応時に生じた3位立体異性体を選択的にアシル化して除去することができる。上記方法は、高収率かつ高い立体選択性で光学活性アリルアルコール化合物を製造することができ、工業的に有用である。【化1】(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)【選択図】なし
Description
本発明は光学活性アリルアルコール化合物の新規な製造方法に関する。
従来、光学活性アリルアルコール化合物は医薬、農薬、電子材料などの製造中間体として用いられることが知られている。特に式(1)で表される(3S,5S,E)−1−ヨード−5−メチルノナ−1−エン−3−オールは、プロスタグランジンE1(PGE1)誘導体製剤リマプロストアルファデクス(一般名)へ誘導される重要な中間体である。
化合物(1)は、式(2)で表される(S,E)−1−ヨード−5−メチルノナ−1−エン−3−オンを、光学活性なビナフトールより得られる不斉還元剤を用いて還元し、合成する方法が知られている(特許文献1)。しかし上記方法では、反応温度が−100℃〜−78℃であり、工業的な製造には不向きである。
本発明は、光学活性なアリルアルコール化合物の新規な製造方法を提供する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、光学活性オキサザボロリジン化合物の存在下、α,β−不飽和ケトン化合物にボラン還元剤を反応させることにより、光学活性アリルアルコール化合物を、高収率かつ高い立体選択性で製造する方法を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、下記〔1〕〜〔12〕に関するものである。
〔1〕
式(7)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表される光学活性アリルアルコール化合物の製造方法であって、式(5)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表されるケトン化合物に、光学活性オキサザボロリジン化合物の存在下、ボラン還元剤を反応させて上記式(7)で表される化合物を含む生成物を得る工程を含むことを特徴とする、製造方法。
〔2〕
光学活性オキサザボロリジン化合物が、式(6)
で表される化合物である、上記〔1〕に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔3〕
ボラン還元剤がボラン−テトラヒドロフラン錯体である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔4〕
R1がn−ブチル基であり、R2がメチル基である、上記〔1〕乃至〔3〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔5〕
Xがヨウ素原子である、上記〔1〕乃至〔4〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔6〕
式(7)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表される光学活性アリルアルコール化合物の製造方法であって、
i) 式(5)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表されるケトン化合物に、光学活性オキサザボロリジン化合物の存在下、ボラン還元剤を反応させて上記式(7)で表される化合物を含む生成物を得る工程、
ii)工程i)で得られた生成物に、さらに、加水分解酵素の存在下、エステル化剤を添加して、上記式(7)で表される化合物の3位立体異性体を選択的にアシル化する段階を経て、該3位立体異性体を除去する工程
を含むことを特徴とする製造方法。
〔7〕
光学活性オキサザボロリジン化合物が、式(6)
で表される化合物である、上記〔6〕に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔8〕
ボラン還元剤がボラン−テトラヒドロフラン錯体である、上記〔6〕又は〔7〕に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔9〕
R1がn−ブチル基であり、R2がメチル基である、上記〔6〕乃至〔8〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔10〕
Xがヨウ素原子である、上記〔6〕乃至〔9〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔11〕
加水分解酵素がリパーゼTLである、上記〔6〕乃至〔10〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔12〕
エステル化剤がヘキサン酸ビニルである、上記〔6〕乃至〔11〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
式(7)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表される光学活性アリルアルコール化合物の製造方法であって、式(5)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表されるケトン化合物に、光学活性オキサザボロリジン化合物の存在下、ボラン還元剤を反応させて上記式(7)で表される化合物を含む生成物を得る工程を含むことを特徴とする、製造方法。
〔2〕
光学活性オキサザボロリジン化合物が、式(6)
で表される化合物である、上記〔1〕に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔3〕
ボラン還元剤がボラン−テトラヒドロフラン錯体である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔4〕
R1がn−ブチル基であり、R2がメチル基である、上記〔1〕乃至〔3〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔5〕
Xがヨウ素原子である、上記〔1〕乃至〔4〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔6〕
式(7)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表される光学活性アリルアルコール化合物の製造方法であって、
i) 式(5)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表されるケトン化合物に、光学活性オキサザボロリジン化合物の存在下、ボラン還元剤を反応させて上記式(7)で表される化合物を含む生成物を得る工程、
ii)工程i)で得られた生成物に、さらに、加水分解酵素の存在下、エステル化剤を添加して、上記式(7)で表される化合物の3位立体異性体を選択的にアシル化する段階を経て、該3位立体異性体を除去する工程
を含むことを特徴とする製造方法。
〔7〕
光学活性オキサザボロリジン化合物が、式(6)
で表される化合物である、上記〔6〕に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔8〕
ボラン還元剤がボラン−テトラヒドロフラン錯体である、上記〔6〕又は〔7〕に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔9〕
R1がn−ブチル基であり、R2がメチル基である、上記〔6〕乃至〔8〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔10〕
Xがヨウ素原子である、上記〔6〕乃至〔9〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔11〕
加水分解酵素がリパーゼTLである、上記〔6〕乃至〔10〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
〔12〕
エステル化剤がヘキサン酸ビニルである、上記〔6〕乃至〔11〕の何れか1つに記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
本発明により、医薬品中間体として有用な式(7)で表される光学活性アリルアルコール化合物を、極低温の反応条件を回避しつつ、高収率かつ高い立体選択性で得られる新規な製造方法を提供することができた。
以下に、本発明についてさらに詳しく説明する。
なお、本明細書中の「n−」はノルマルを、「i−」はイソを、「s−」はセカンダリーを、「t−」はターシャリーを、「c−」はシクロを、「o−」はオルトを、「m−」はメタを、「p−」はパラを、「Bu」はブチルを、「de」はジアステレオ過剰率を意味する。
また、本明細書中において式(X)で表される化合物を、「化合物(X)」と略して説明する。
なお、本明細書中の「n−」はノルマルを、「i−」はイソを、「s−」はセカンダリーを、「t−」はターシャリーを、「c−」はシクロを、「o−」はオルトを、「m−」はメタを、「p−」はパラを、「Bu」はブチルを、「de」はジアステレオ過剰率を意味する。
また、本明細書中において式(X)で表される化合物を、「化合物(X)」と略して説明する。
本明細書において示した各置換基の具体例を以下に示す。
本明細書中における炭素原子数1乃至6のアルキル基の表記は、炭素原子数が1乃至6個よりなる直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基等が具体例として挙げられる。
本明細書中における炭素原子数1乃至6のアルキル基の表記は、炭素原子数が1乃至6個よりなる直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基等が具体例として挙げられる。
光学活性アリルアルコール化合物(7)の製造方法について、以下に詳細に説明する。
式(5)で表されるケトン化合物(式中、X、R1及びR2は、前記と同じ意味を表す。)に光学活性オキサザボロリジン化合物の存在下、ボラン還元剤を反応させることにより、光学活性アリルアルコール化合物(7)(式中、X、R1及びR2は、前記と同じ意味を表す。)を合成することができる。
上記還元反応で用いることができる光学活性オキサザボロリジン化合物としては、式(6)
で表される(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジン、又は(R)−(+)−o−トルイル−CBS−オキサザボロリジン等が挙げられ、好ましくは、(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジンである。上記化合物は、いずれも市販品として入手可能である。
光学活性オキサザボロリジン化合物の使用量は、ケトン化合物(5)に対して10万分の1mol%乃至100mol%、好ましくは5mol%乃至30mol%である。
で表される(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジン、又は(R)−(+)−o−トルイル−CBS−オキサザボロリジン等が挙げられ、好ましくは、(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジンである。上記化合物は、いずれも市販品として入手可能である。
光学活性オキサザボロリジン化合物の使用量は、ケトン化合物(5)に対して10万分の1mol%乃至100mol%、好ましくは5mol%乃至30mol%である。
用いることができるボラン還元剤としては、試薬として用いられているボラン還元剤であれば特に制限は無いが、例えばボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラン−テトラヒドロフラン錯体、カテコールボランが挙げられ、好ましくは、ボラン−テトラヒドロフラン錯体である
ボラン還元剤は、ケトン化合物(5)に対して0.5〜1.5当量の任意の量を用いる事ができる。
ボラン還元剤は、ケトン化合物(5)に対して0.5〜1.5当量の任意の量を用いる事ができる。
反応の具体的な手順としては、光学活性オキサザボロリジン化合物を先に反応容器に加え、そこにボラン還元剤とケトン化合物を加える方法が、反応進行の点で望ましい。さらに、ボラン還元剤とケトン化合物を加える方法としては、還元剤とケトン化合物を同時に連続的に加えるか、どちらか一方又は双方を任意に分割して交互に加え、全量を加える手順が好ましい。工業生産における作業効率の点では、ボラン還元剤とケトン化合物の双方を分割して交互に加える方法が好ましい。さらに分割の回数としては、5〜30回が好ましく、さらに好ましくは10〜25回が、作業効率と反応進行のバランスの点で好ましい。
上記還元反応に用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば制限はなく、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸プロピル等)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル等)、エーテル系溶媒(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフランやジオキサン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えばペンタン、n−ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリンや石油エーテル等)、芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、メシチレンやテトラリン等)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンや四塩化炭素等)が挙げられ、芳香族炭化水素系溶媒が好ましく、トルエンがより好ましい。
上記還元反応は、−50℃〜40℃の任意の温度で実施することができるが、好ましくは、−25℃〜25℃であり、より好ましくは−15℃〜5℃であり、さらに好ましくは、−10℃〜0℃であり、特に好ましくは−10℃である。
上記の好ましい様態を踏まえた、光学活性アリルアルコール(7)の製造方法の好ましい様態の例としては以下の(a)〜(c)のステップが挙げられる。
(a)上記好ましい当量の(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジンと上記の好ましい溶媒の混合物を、上記好ましい温度範囲に調整する。
(b)そこに、同じ温度範囲において、上記好ましい種と量のボラン還元剤をX分割して加え、ついでケトン化合物もX分割して加える(Xは、上記好ましい分割の回数を示す)。
(c)(b)の操作をX回繰り返す。
(a)上記好ましい当量の(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジンと上記の好ましい溶媒の混合物を、上記好ましい温度範囲に調整する。
(b)そこに、同じ温度範囲において、上記好ましい種と量のボラン還元剤をX分割して加え、ついでケトン化合物もX分割して加える(Xは、上記好ましい分割の回数を示す)。
(c)(b)の操作をX回繰り返す。
次に、ケトン化合物(5)の還元反応で副生する、化合物(7)の3位立体異性体(化合物(8))を除去する工程について、以下に説明する。
化合物(8)は、加水分解酵素の存在下、エステル化剤を作用させることにより、選択的にアシル化することができる。
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)
使用する加水分解酵素としては、例えば、市販されている加水分解酵素CHIRAZYME L−6 (ロシュ社製)、リパーゼAYS(アマノ社製)、リパーゼ F−AP15(アマノ社製)、リパーゼ−OML(名糖産業社製)、リパーゼTL(名糖産業社製)、リパーゼ−MY−30(名糖産業社製)、リパーゼ−SL(名糖産業社製)、リリパーゼA−10D(ナガセケムテックス社製)、KM−109(ナガセケムテックス社製)、Immobilizedlipase (東洋紡社製)が使用でき、好ましくは、リパーゼTLが挙げられる。
加水分解酵素の使用量は、ケトン化合物(5)の質量に対して、0.01質量倍乃至1質量倍、好ましくは0.1質量倍乃至0.5質量倍である。
加水分解酵素の使用量は、ケトン化合物(5)の質量に対して、0.01質量倍乃至1質量倍、好ましくは0.1質量倍乃至0.5質量倍である。
用いることができるエステル化剤は、入手可能なエステル化合物であれば特に制限は無いが、好ましくは炭素原子数1乃至6のアルキルカルボニルオキシビニルであり、より好ましくは酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニルであり、さらに好ましくはヘキサン酸ビニルである。また、その他の好ましいエステル化剤としては、炭素原子数1乃至6のアルキルカルボン酸無水物が挙げられ、好ましくは無水プロピオン酸、無水イソブタン酸、無水ピバリック酸、無水ヘプタン酸も使用できる。
エステル化剤は、ケトン化合物(5)に対して0.01〜4当量の任意の量を用いる事ができる。
エステル化剤は、ケトン化合物(5)に対して0.01〜4当量の任意の量を用いる事ができる。
上記選択的アシル化反応に用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば制限はなく、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ビニル等)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル等)、エーテル系溶媒(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフランやジオキサン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えばペンタン、n−ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリンや石油エーテル等)、芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、メシチレンやテトラリン等)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンや四塩化炭素等)が挙げられ、ニトリル系溶媒が好ましく、アセトニトリルがより好ましい。
上記選択的アシル化反応は、−50℃〜70℃の任意の温度で実施することができるが、10℃〜30℃が好ましい。
また、上記選択的アシル化反応では脱水試剤、例えば、モレキュラーシーブスを加えてもよく、モレキュラーシーブスを加えるのが好ましい。
得られた化合物(7)と化合物(10)は、種々の分離操作、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離する事が可能である。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で使用したガスクロマトグラフィー分析(GC)、液体クロマトグラフィー分析(LC)は、以下の機器および条件で測定した。
また、特開昭64−006266号に記載の実施例と同様の反応を実施して合成した化合物(1)の合成例を、参考合成例1として示した。なお、特開昭64−006266号に記載の実施例と同様の反応を実施して合成した化合物(1)と本願実施例で合成した化合物(1)は、GCの保持時間(分析条件:GC−1)及びLCの保持時間(分析条件:LC−2)が、それぞれ一致することを確認した。
また、実施例で用いる化合物(2)は、Chem. Pharm.Bull. 33(6) 2359−2385 (1985)に記載の方法に準じて合成した。
また、特開昭64−006266号に記載の実施例と同様の反応を実施して合成した化合物(1)の合成例を、参考合成例1として示した。なお、特開昭64−006266号に記載の実施例と同様の反応を実施して合成した化合物(1)と本願実施例で合成した化合物(1)は、GCの保持時間(分析条件:GC−1)及びLCの保持時間(分析条件:LC−2)が、それぞれ一致することを確認した。
また、実施例で用いる化合物(2)は、Chem. Pharm.Bull. 33(6) 2359−2385 (1985)に記載の方法に準じて合成した。
GC(反応の転化率の測定及び定量分析に使用)
<分析条件:GC−1>
装置:島津2010
カラム:HP−ULTRA1(25m×0.2mmI.D. 0.33μm)
カラム温度:80℃(0分)→ 10℃/分→ 250℃(10分)
キャリアガス:He
流速:0.8mL/分
注入温度:250℃
検出器温度:FID、250℃
保持時間:化合物(1)11.2分
<分析条件:GC−1>
装置:島津2010
カラム:HP−ULTRA1(25m×0.2mmI.D. 0.33μm)
カラム温度:80℃(0分)→ 10℃/分→ 250℃(10分)
キャリアガス:He
流速:0.8mL/分
注入温度:250℃
検出器温度:FID、250℃
保持時間:化合物(1)11.2分
LC(光学純度の分析に使用)
<分析条件:LC−2>
装置:島津20A
カラム:CHIRALCEL OJ−3(250×4.6mmI.D. 3μm)
カラム温度:40℃
溶離液:ヘキサン/イソプロパノール混液(400/1、体積比(v/v))
流速:0.5mL/分
検出波長:UV254nm
保持時間:化合物(1)21.0分、3位ジアステレオマー23.6分
<分析条件:LC−2>
装置:島津20A
カラム:CHIRALCEL OJ−3(250×4.6mmI.D. 3μm)
カラム温度:40℃
溶離液:ヘキサン/イソプロパノール混液(400/1、体積比(v/v))
流速:0.5mL/分
検出波長:UV254nm
保持時間:化合物(1)21.0分、3位ジアステレオマー23.6分
参考合成例1:化合物(1)の標品合成
(E)−1−ヨードオクト−1−エン−3−オールの代わりに、化合物(3)を用いる以外は、特開昭64−006266号に記載の実施例と同様の反応を実施して、化合物(1)を合成した(収率20%、3位ジアステレオマー純度が99.5%de)。
・ジアステレオマー純度の分析条件:
カラム:Nucleosil 50−5 250×4.6mmI.D.
カラム温度:35℃
溶離液:ヘキサン/イソプロパノール混液(100/1、体積比(v/v))
流速:1.0mL/分
検出器:UV254nm
保持時間:化合物(1)9.4分、3位ジアステレオマー8.0分
・1H−NMR(核磁気共鳴スペクトル):
装置:AVANCE III 600(BRUKER製、600MHz)
1H−NMR(600MHz,ppm,in CDCl3)δ:0.89−0.91(m,6H),1.10−1.55(m,10H),4.17−4.20(m,1H),6.34−6.37(dd,1H),6.54−6.58(dd,1H)
・LC−MS(液体クロマトグラフィー/質量分析):
装置:Waters2695,MICROMASS QUATTRO MICRO API
カラム:YMC−Pack ODS−A(A−312)(150×6.0mmI.D. 5μm)
カラム温度:35℃
溶離液:CH3CN/0.02MAcONH4水溶液混液(75/25、体積比(v/v))
流速:1.0mL/分
検出波長:UV254nm
LC−MS(ESI−)m/z:341(M+AcO−)
(E)−1−ヨードオクト−1−エン−3−オールの代わりに、化合物(3)を用いる以外は、特開昭64−006266号に記載の実施例と同様の反応を実施して、化合物(1)を合成した(収率20%、3位ジアステレオマー純度が99.5%de)。
・ジアステレオマー純度の分析条件:
カラム:Nucleosil 50−5 250×4.6mmI.D.
カラム温度:35℃
溶離液:ヘキサン/イソプロパノール混液(100/1、体積比(v/v))
流速:1.0mL/分
検出器:UV254nm
保持時間:化合物(1)9.4分、3位ジアステレオマー8.0分
・1H−NMR(核磁気共鳴スペクトル):
装置:AVANCE III 600(BRUKER製、600MHz)
1H−NMR(600MHz,ppm,in CDCl3)δ:0.89−0.91(m,6H),1.10−1.55(m,10H),4.17−4.20(m,1H),6.34−6.37(dd,1H),6.54−6.58(dd,1H)
・LC−MS(液体クロマトグラフィー/質量分析):
装置:Waters2695,MICROMASS QUATTRO MICRO API
カラム:YMC−Pack ODS−A(A−312)(150×6.0mmI.D. 5μm)
カラム温度:35℃
溶離液:CH3CN/0.02MAcONH4水溶液混液(75/25、体積比(v/v))
流速:1.0mL/分
検出波長:UV254nm
LC−MS(ESI−)m/z:341(M+AcO−)
実施例1:化合物(1)の合成
トルエン2.5gに溶解した(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジン(R−Me−CBS)0.025g(0.09mmol)を、−10℃に冷却し、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の約1Mテトラヒドロフラン溶液1.8gの21分の1を滴下した。次いで、化合物(2)0.5g(1.78mmol)のトルエン2.5g溶液のうち21分の1を加えた。その後、21分の1ずつボラン−テトラヒドロフラン錯体の1Mテトラヒドロフラン溶液と化合物(2)のトルエン溶液を交互に反応槽へ加えた。全て添加後、撹拌を1時間行い、反応槽へメタノール1.0gを加えた。撹拌後、さらに3%リン酸水溶液5.7gを加え、分液操作により水層を分離した。得られた有機層に対して、3%水酸化ナトリウム水溶液7.2gでの水洗を行った後、水2.5gで2回洗浄した。分液後に得られた有機層を減圧下にて濃縮し、化合物(1)を0.47g(1.67mmol)取得(収率93.8%、3位ジアステレオマー純度91.5%de)した。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
トルエン2.5gに溶解した(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジン(R−Me−CBS)0.025g(0.09mmol)を、−10℃に冷却し、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の約1Mテトラヒドロフラン溶液1.8gの21分の1を滴下した。次いで、化合物(2)0.5g(1.78mmol)のトルエン2.5g溶液のうち21分の1を加えた。その後、21分の1ずつボラン−テトラヒドロフラン錯体の1Mテトラヒドロフラン溶液と化合物(2)のトルエン溶液を交互に反応槽へ加えた。全て添加後、撹拌を1時間行い、反応槽へメタノール1.0gを加えた。撹拌後、さらに3%リン酸水溶液5.7gを加え、分液操作により水層を分離した。得られた有機層に対して、3%水酸化ナトリウム水溶液7.2gでの水洗を行った後、水2.5gで2回洗浄した。分液後に得られた有機層を減圧下にて濃縮し、化合物(1)を0.47g(1.67mmol)取得(収率93.8%、3位ジアステレオマー純度91.5%de)した。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
実施例2:化合物(1)の合成
トルエン5.0g に溶解した(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジン(R−Me−CBS)0.099g(0.36mmol)を、0℃に冷却し、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の約1Mテトラヒドロフラン溶液3.3gの11分の1を滴下した。次いで、化合物(2)1.0g(3.57mmol)のトルエン5.0g溶液のうち11分の1を加えた。その後、11分の1ずつボラン−テトラヒドロフラン錯体の1Mテトラヒドロフラン溶液と化合物(2)のトルエン溶液を交互に反応槽へ加えた。全て添加後、撹拌を1時間行い、反応槽へメタノール2.0gを加えた。撹拌後、さらに3%リン酸水溶液11.4gを加え、分液操作により水層を分離した。得られた有機層に対して、3%水酸化ナトリウム水溶液14.4gでの水洗を行った後、水5.0gで2回洗浄した。分液後に得られた有機層を減圧下にて濃縮し、化合物(1)を0.83g(2.96mmol)取得(収率82.9%、3位ジアステレオマー純度93.7%de)した。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
トルエン5.0g に溶解した(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジン(R−Me−CBS)0.099g(0.36mmol)を、0℃に冷却し、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の約1Mテトラヒドロフラン溶液3.3gの11分の1を滴下した。次いで、化合物(2)1.0g(3.57mmol)のトルエン5.0g溶液のうち11分の1を加えた。その後、11分の1ずつボラン−テトラヒドロフラン錯体の1Mテトラヒドロフラン溶液と化合物(2)のトルエン溶液を交互に反応槽へ加えた。全て添加後、撹拌を1時間行い、反応槽へメタノール2.0gを加えた。撹拌後、さらに3%リン酸水溶液11.4gを加え、分液操作により水層を分離した。得られた有機層に対して、3%水酸化ナトリウム水溶液14.4gでの水洗を行った後、水5.0gで2回洗浄した。分液後に得られた有機層を減圧下にて濃縮し、化合物(1)を0.83g(2.96mmol)取得(収率82.9%、3位ジアステレオマー純度93.7%de)した。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
実施例3:化合物(1)の精製
3位ジアステレオマー純度が93.3%deである化合物(1)0.6gをアセトニトリル3.0gに溶解させ、ヘキサン酸ビニル0.15g(1.1mmol)、モレキュラーシーブス3A0.6g、リパーゼTL(名糖産業社製)0.06gを加えた。10〜20℃で29時間撹拌し、ジアステレオマー純度の分析実施後、ろ過を行った。ろ物をアセトニトリルで洗浄し、ろ洗液を減圧下にて濃縮し、粗生成物を取得した。その後、粗生成物を定量分析すると、化合物(1)を0.43g検出した(回収率71.8%、3位ジアステレオマー純度99.6%de)。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
3位ジアステレオマー純度が93.3%deである化合物(1)0.6gをアセトニトリル3.0gに溶解させ、ヘキサン酸ビニル0.15g(1.1mmol)、モレキュラーシーブス3A0.6g、リパーゼTL(名糖産業社製)0.06gを加えた。10〜20℃で29時間撹拌し、ジアステレオマー純度の分析実施後、ろ過を行った。ろ物をアセトニトリルで洗浄し、ろ洗液を減圧下にて濃縮し、粗生成物を取得した。その後、粗生成物を定量分析すると、化合物(1)を0.43g検出した(回収率71.8%、3位ジアステレオマー純度99.6%de)。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
実施例4:化合物(1)の精製
3位ジアステレオマー純度が93.3%deである化合物(1)0.6gをアセトニトリル3.0gに溶解させ、ヘキサン酸ビニル0.06g(0.4mmol)、モレキュラーシーブス3A0.6g、リパーゼTL(名糖産業社製)0.18gを加えた。10〜20℃で16時間撹拌し、ヘキサン酸ビニル0.03g(0.2mmol)を加え、さらに7時間撹拌し、ジアステレオマー純度の分析実施後、ろ過を行った。ろ物をアセトニトリルで洗浄し、ろ洗液を減圧下にて濃縮し、粗生成物を取得した。その後、粗生成物を定量分析すると、化合物(1)を0.43g検出した(回収率71.3%、3位ジアステレオマー純度99.7%de)。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
3位ジアステレオマー純度が93.3%deである化合物(1)0.6gをアセトニトリル3.0gに溶解させ、ヘキサン酸ビニル0.06g(0.4mmol)、モレキュラーシーブス3A0.6g、リパーゼTL(名糖産業社製)0.18gを加えた。10〜20℃で16時間撹拌し、ヘキサン酸ビニル0.03g(0.2mmol)を加え、さらに7時間撹拌し、ジアステレオマー純度の分析実施後、ろ過を行った。ろ物をアセトニトリルで洗浄し、ろ洗液を減圧下にて濃縮し、粗生成物を取得した。その後、粗生成物を定量分析すると、化合物(1)を0.43g検出した(回収率71.3%、3位ジアステレオマー純度99.7%de)。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
実施例5:化合物(1)の精製
3位ジアステレオマー純度が94.0%deである化合物(1)0.09gをアセトニトリル0.5gに溶解させ、ヘキサン酸ビニル0.06g(0.4mmol)、リパーゼTL(名糖産業社製)0.03gを加えた。50℃で24時間撹拌し、ジアステレオマー純度の分析実施後、ろ過を行った。ろ物をアセトニトリルで洗浄し、ろ洗液を減圧下にて濃縮し、粗生成物を取得した。その後、粗生成物を定量分析すると、化合物(1)を0.068g検出した(回収率74.3%、3位ジアステレオマー純度98.8%de)。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
3位ジアステレオマー純度が94.0%deである化合物(1)0.09gをアセトニトリル0.5gに溶解させ、ヘキサン酸ビニル0.06g(0.4mmol)、リパーゼTL(名糖産業社製)0.03gを加えた。50℃で24時間撹拌し、ジアステレオマー純度の分析実施後、ろ過を行った。ろ物をアセトニトリルで洗浄し、ろ洗液を減圧下にて濃縮し、粗生成物を取得した。その後、粗生成物を定量分析すると、化合物(1)を0.068g検出した(回収率74.3%、3位ジアステレオマー純度98.8%de)。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
実施例6:化合物(1)の合成
トルエン65kgに溶解した(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジン(R−Me−CBS)1.28kg(4.6mol)を、−10℃に冷却し、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の約1Mテトラヒドロフラン溶液42kgの11分の1を滴下した。次いで、化合物(2)12.9kg(46.1mol)のトルエン65kg溶液のうち11分の1を加えた。その後、11分の1ずつボラン−テトラヒドロフラン錯体の1Mテトラヒドロフラン溶液と化合物(2)のトルエン溶液を交互に反応槽へ加えた。全て添加後、撹拌を1時間行い、反応槽へメタノール26kgを加えた。撹拌後、さらに3%リン酸水溶液147kgを加え、分液操作により水層を分離した。得られた有機層に対して、7.5%炭酸ナトリウム水溶液196kgでの水洗を行った後、水65kgで2回洗浄した。分液後に得られた有機層を減圧下にて濃縮し、化合物(1)を11.5kg(40.6mol)取得(収率88.1%、3位ジアステレオマー純度95.6%de)した。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
トルエン65kgに溶解した(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジン(R−Me−CBS)1.28kg(4.6mol)を、−10℃に冷却し、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の約1Mテトラヒドロフラン溶液42kgの11分の1を滴下した。次いで、化合物(2)12.9kg(46.1mol)のトルエン65kg溶液のうち11分の1を加えた。その後、11分の1ずつボラン−テトラヒドロフラン錯体の1Mテトラヒドロフラン溶液と化合物(2)のトルエン溶液を交互に反応槽へ加えた。全て添加後、撹拌を1時間行い、反応槽へメタノール26kgを加えた。撹拌後、さらに3%リン酸水溶液147kgを加え、分液操作により水層を分離した。得られた有機層に対して、7.5%炭酸ナトリウム水溶液196kgでの水洗を行った後、水65kgで2回洗浄した。分液後に得られた有機層を減圧下にて濃縮し、化合物(1)を11.5kg(40.6mol)取得(収率88.1%、3位ジアステレオマー純度95.6%de)した。なお、定量分析条件はGC−1、ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2の条件で実施した。
実施例7:化合物(1)の精製
3位ジアステレオマー純度が95.6%de である化合物(1)11.5kgをアセトニトリル66kg に溶解させ、ヘキサン酸ビニル3.3kg(23.1mol)、モレキュラーシーブス3A12.9kg、リパーゼTL(名糖産業社製)3.9kgを加えた。10〜20℃で10時間撹拌し、ジアステレオマー純度の分析実施後、ろ過を行った。ろ物をアセトニトリルで洗浄し、ろ洗液を減圧下にて濃縮し、粗生成物を8.4kg取得した。その後、粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(1)8.3kgを油状物として得た(回収率72.8%、3位ジアステレオマー純度99.7%de)。なお、カラムクロマトグラフィー精製は、以下に記載した条件で行った。
シリカゲル:PSQ60B(メーカー;富士シリシア)、168kg×1回
溶離液組成:n−ヘキサン/酢酸エチル/2−プロパノール混液(30/1/0.2、体積比(v/v/v))
フラクション捕集量:フラクション1〜20、168L/フラクション、
ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2
3位ジアステレオマー純度が95.6%de である化合物(1)11.5kgをアセトニトリル66kg に溶解させ、ヘキサン酸ビニル3.3kg(23.1mol)、モレキュラーシーブス3A12.9kg、リパーゼTL(名糖産業社製)3.9kgを加えた。10〜20℃で10時間撹拌し、ジアステレオマー純度の分析実施後、ろ過を行った。ろ物をアセトニトリルで洗浄し、ろ洗液を減圧下にて濃縮し、粗生成物を8.4kg取得した。その後、粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(1)8.3kgを油状物として得た(回収率72.8%、3位ジアステレオマー純度99.7%de)。なお、カラムクロマトグラフィー精製は、以下に記載した条件で行った。
シリカゲル:PSQ60B(メーカー;富士シリシア)、168kg×1回
溶離液組成:n−ヘキサン/酢酸エチル/2−プロパノール混液(30/1/0.2、体積比(v/v/v))
フラクション捕集量:フラクション1〜20、168L/フラクション、
ジアステレオマー純度の分析条件:LC−2
本発明は、医薬品中間体として有用な光学活性アリルアルコール化合物を、高収率かつ高い立体選択性で製造できる点で有用である。
Claims (12)
- ボラン還元剤がボラン−テトラヒドロフラン錯体である、請求項1又は2に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
- R1がn−ブチル基であり、R2がメチル基である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
- Xがヨウ素原子である、請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
- 式(7)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表される光学活性アリルアルコール化合物の製造方法であって、
i) 式(5)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表されるケトン化合物に、光学活性オキサザボロリジン化合物の存在下、ボラン還元剤を反応させて上記式(7)で表される化合物を含む生成物を得る工程、
ii)工程i)で得られた生成物に、さらに、加水分解酵素の存在下、エステル化剤を添加して、上記式(7)で表される化合物の3位立体異性体を選択的にアシル化する段階を経て、該3位立体異性体を除去する工程
を含むことを特徴とする製造方法。 - ボラン還元剤がボラン−テトラヒドロフラン錯体である、請求項6又は7に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
- R1がn−ブチル基であり、R2がメチル基である、請求項6乃至8の何れか1項に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
- Xがヨウ素原子である、請求項6乃至9の何れか1項に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
- 加水分解酵素がリパーゼTLである、請求項6乃至10の何れか1項に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
- エステル化剤がヘキサン酸ビニルである、請求項6乃至11の何れか1項に記載の光学活性アリルアルコール化合物の製造方法。
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