JPWO2016132803A1 - 有機パターン埋め込み用組成物、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(2) 上記樹脂が、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリエーテル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂である、上記(1)に記載の有機パターン埋め込み用組成物。
(3) 上記樹脂が、後述する式(1−1)で表される繰り返し単位を有する、上記(1)または(2)に記載の有機パターン埋め込み用組成物。
(4) 式(1−1)中、R2が、ラクトン構造含有基、カーボネート構造含有基、アセタール構造含有基、ヒドロキシ基含有基、または、後述する式(P)で表される基である、上記(3)に記載の有機パターン埋め込み用組成物。
(5) 上記樹脂が、後述する式(1−2)で表される繰り返し単位を有する、上記(1)または(2)に記載の有機パターン埋め込み用組成物。
(6) 上記樹脂が芳香環を含まない、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の有機パターン埋め込み用組成物。
(7) 基板上に第一のレジスト組成物を用いて第一のレジスト膜を形成する工程、
上記第一のレジスト膜を露光する工程、
露光された上記第一のレジスト膜を現像し、第一のパターンを形成する工程、
上記第一のパターンが設けられた基板上に、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の有機パターン埋め込み用組成物を用いて平坦化層を形成する工程、
上記平坦化層上に、第二のレジスト組成物を用いて第二のレジスト膜を形成する工程、
上記第二のレジスト膜を露光する工程、及び
露光された上記第二のレジスト膜を現像し、第二のパターンを形成する工程、
をこの順序で含む、パターン形成方法。
(8) 上記第一のパターンおよび/または上記第二のパターンが、有機溶剤を含む現像液を用いて現像することによって形成されたパターンである、上記(7)に記載のパターン形成方法。
(9) 上記(7)又は(8)に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
本明細書における基及び原子団の表記において、置換又は無置換を明示していない場合は、置換基を有さないものと置換基を有するものの双方が含まれるものとする。例えば、置換又は無置換を明示していない「アルキル基」は、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含することとする。
本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線、イオンビーム等の粒子線等を意味する。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、極紫外線(EUV光)などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も含まれるものとする。
本明細書では、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」を意味する。また、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の有機パターン埋め込み用組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う。)は、大西パラメータが5.0より大きい樹脂を含有する。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、樹脂の大西パラメータを特定の値よりも大きくすることで、エッチング性が向上するとともに、極性が向上することで濡れ性が上がり、埋め込み性および平坦性との両立が図れるものと推測される。
なお、本明細書において、有機パターン埋め込み用組成物に使用される樹脂を「埋め込み用樹脂」とも言う。
上述のとおり、本発明の組成物は、大西パラメータが5.0より大きい樹脂を含有する。以下、大西パラメータが5.0より大きい樹脂を「特定樹脂」とも言う。
特定樹脂の大西パラメータは、5.5〜20.0であることが好ましく、6.0〜15.0であることがより好ましい。
ここで、樹脂の大西パラメータは下記のとおり定義される。
(樹脂の大西パラメータ)=Σ{(繰り返し単位の大西パラメータ)×(繰り返し単位のモル分率)}
また、繰り返し単位(ユニット)の大西パラメータは下記のとおり定義される。
(繰り返し単位の大西パラメータ)=(繰り返し単位中の全原子数)/{(繰り返し単位中の炭素原子数)−(繰り返し単位中の酸素原子数と硫黄原子数との合計)}
A−1の左から1番目の繰り返し単位は、全原子数が22、炭素原子数が8、酸素原子数が4であるため、その大西パラメータは、22/(8−4)=5.5である。
A−1の左から2番目の繰り返し単位は、全原子数が23、炭素原子数が7、酸素原子数が4であるため、その大西パラメータは、23/(7−4)≒7.7である。
A−1の左から3番目の繰り返し単位は、全原子数が43、炭素原子数が7、酸素原子数が4であるため、その大西パラメータは、43/(13−6)≒6.1である。
A−1の左から1番目の繰り返し単位のモル分率は0.3、A−1の左から2番目の繰り返し単位のモル分率は0.5、A−1の左から3番目の繰り返し単位のモル分率は0.2であるため、上述した各繰り返し単位の大西パラメータを考慮すると、A−1の大西パラメータは、5.5×0.3+7.7×0.5+6.1×0.2≒6.7となる。
特定樹脂は芳香環を含まないのが好ましい。
なお、Tgは、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したものである。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求められる標準ポリスチレン換算値である。
・カラムの種類:TSK SuperAWM−H(東ソー(株)製、6.0mmID×150mm
・展開溶媒:NMP(N−メチル−2−ピロリジノン)
・カラム温度:50℃
・流量:0.35mL/min.
・サンプル注入量:20μL
・装置名:HLC−8220GPC(東ソー(株)製)
上記特定樹脂は、下記式(1−1)で表される繰り返し単位を有するのが好ましい。特定樹脂は、下記式(1−1)で表される繰り返し単位を2種類以上有してもよい。
有機基としては、例えば、フッ素原子、水酸基などの置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられ、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が好ましい。
ヘテロ原子は特に制限されないが、具体例としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。なかでも、酸素原子であることが好ましい。
ヘテロ原子を有する炭化水素基は特に制限されないが、ヘテロ原子を有する脂肪族炭化水素基(例えば、炭素数1〜10)(直鎖状、分岐鎖状、環状)、ヘテロ原子を有する芳香族炭化水素基(例えば、炭素数6〜20)、脂環式複素環基、芳香族複素環基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
なお、本明細書中、式(1−1)で表される繰り返し単位のR2がラクトン構造含有基である繰り返し単位を、以下、「式(1−1)で表される繰り返し単位(R2:ラクトン構造含有基)」と示す場合がある(R2がラクトン構造含有基以外のヘテロ原子を有する炭化水素基である場合も同様とする)。
ラクトン構造の具体例としては、後述する樹脂(A)が含有していてもよい「ラクトン構造を有する繰り返し単位」中のラクトン構造が挙げられる。
ここで、アセタール構造は、下記式(Q)で表される。
上記ヒドロキシ基含有基は、ヒドロキシ基を2個以上含有する基であることが好ましい。
上述のとおり、RBは、1価の炭化水素基を表す。炭化水素基の具体例および好適な態様は、上述した式(Q)中のR1〜R4と同じである。
上述のとおり、nは、1以上の整数を表す。nは、1〜10の整数であることが好ましい。
第1の好適な態様において、特定樹脂中の上述した式(1−1)で表される繰り返し単位(R2:カーボネート構造含有基)の割合は、10〜80mol%であることが好ましく、10〜50mol%であることがより好ましい。
第1の好適な態様において、特定樹脂中の上述した式(1−1)で表される繰り返し単位(R2:アセタール構造含有基)の割合は、10〜80mol%であることが好ましく、10〜30mol%であることがより好ましい。
第1の好適な態様において、特定樹脂中の上述した式(1−1)で表される繰り返し単位(R2:式(P)で表される基)の割合は、10〜80mol%であることが好ましく、10〜30mol%であることがより好ましい。
上記樹脂は、下記式(1−2)で表される繰り返し単位を有するのが好ましい。特定樹脂は、下記式(1−2)で表される繰り返し単位を2種類以上有してもよい。
本発明の組成物は、特定樹脂以外の成分を含有してもよい。そのような成分としては、特定樹脂以外の樹脂、溶剤、界面活性剤などが挙げられる。溶剤および界面活性剤の具体例は、後述するレジスト組成物と同じである。なお、本発明の組成物は、溶剤を含有するのが好ましい。
本発明の組成物は、上述のとおり、埋め込み性、平坦性およびエッチング性に優れるため、後述する本発明で用いられる平坦化方法や本発明のパターン形成方法など、基板表面上に形成された有機パターン(例えば、レジストパターン)の間隙などへの塗布埋め込みに好適に使用することができる。間隙の形状や大きさは特に限定されないが、孔(ホール)状の間隙であっても、溝(トレンチ)状の間隙であってもよい。
本発明で用いられる平坦化方法は、
(A) 基板上に第一のレジスト組成物を用いて第一のレジスト膜を形成する工程、
(B) 上記第一のレジスト膜を露光する工程、
(C) 露光された上記第一のレジスト膜を現像し、第一のパターンを形成する工程、
(D) 上記第一のパターンが設けられた基板上に、上述した本発明の組成物を用いて平坦化層を形成する工程、
をこの順序で含む。
(E) 上記平坦化層上に、第二のレジスト組成物を用いて第二のレジスト膜を形成する工程、
(F) 上記第二のレジスト膜を露光する工程、及び
(G) 露光された上記第二のレジスト膜を現像し、第二のパターンを形成する工程、
をこの順序で含む。
以下、「本発明で用いられる平坦化方法」と「本発明のパターン形成方法」をまとめて「本発明の方法」とも言う。
ここで、第一のレジスト組成物は、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)に対する溶解性が減少する樹脂を含有することが好ましい。特にこの場合、後述の工程(B)及び(C)を経て得られる第一のパターンは、露光によって有機系現像液に対する溶解性が低下した樹脂を含有することになるため、第一のパターンを、上述した本発明の組成物に対して、不溶とすることができ、工程(D)において使用される上述した本発明の組成物中の溶剤による影響を受けにくく、所望のパターンが形成されやすいからである。
第一のレジスト組成物、及び、これが好ましく含有する、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂等の詳細については後述する。
また、本発明の方法は、工程(B)と工程(C)との間に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜130℃で行うことが好ましく、80〜120℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行っても良い。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
前加熱工程及び露光後加熱工程の少なくとも一方は、複数回の加熱工程を含んでいてもよい。
ここで、マスク61におけるマスクパターンは特に限定されないが、例えば、遮光部としてのライン部と、光透過部としてのスペース部とを有するラインアンドスペースパターンを有するマスクであって、ライン部の幅とスペース部の幅の比が1:3のマスクを挙げることができる。
工程(B)において、露光装置に用いられる光源波長に制限は無いが、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、極紫外光、X線、電子線等を挙げることができ、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下、特に好ましくは1〜200nmの波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、EUV(13nm)、電子線等であり、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV又は電子線が好ましく、ArFエキシマレーザーであることがより好ましい。
工程(B)は、複数回の露光工程を含んでいてよい。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウエハー上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウエハー上を動く必要があるので、動的な状態に於ける第一のレジスト膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
ここで、工程(C)は、典型的には、露光された第一のレジスト膜を有機溶剤を含む現像液で現像し、第一のパターンを形成する工程であり、第一のパターン54は、典型的には、ネガ型パターンである。
工程(C)において、第一のレジスト膜を有機溶剤を含む現像液を用いて現像して第一のパターンを形成する工程における当該現像液(以下、「有機系現像液」とも言う。)としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、イソ酪酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、酢酸イソアミル、ブタン酸ブチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、プロピオン酸ブチル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン、フェネトール、ジブチルエーテル等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合して使用してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含む現像液であるのが好ましい。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。界面活性剤としては上記したものを挙げることができる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%の水溶液が望ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機溶剤を含む現像液において説明したものと同様のものを挙げることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、より好ましくは、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、炭化水素系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄する工程を行い、更に好ましくは、炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、特に好ましくは、炭化水素系溶剤、1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、最も好ましくは、炭素数5以上の1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。
ここで、リンス工程で用いられる1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールが挙げられ、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノールなどを用いることができ、特に好ましい炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどを用いることができる。
炭化水素系溶剤を含有するリンス液としては、炭素数6〜30の炭化水素化合物が好ましく、炭素数8〜30の炭化水素化合物がより好ましく、炭素数10〜30の炭化水素化合物が特に好ましい。中でも、デカン及び/又はウンデカンを含むリンス液を用いることにより、パターン倒れが抑制される。
有機溶剤としてエステル系溶剤を用いる場合には、エステル系溶剤(1種または2種以上)に加えて、グリコールエーテル系溶剤を用いてもよい。この場合の具体例としては、エステル系溶剤(好ましくは、酢酸ブチル)を主成分として、グリコールエーテル系溶剤(好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME))を副成分として用いることが挙げられる。これにより、残渣欠陥がより抑制される。
加熱工程(C’)は、有機物の分解残渣の揮発が促進されることにより、加熱温度を低下でき、加熱時間を短縮できるという観点から、減圧下で実施することも好ましい。
第一のパターンの表面を基準面とした平坦化層の膜厚は、0〜50nmであることが好ましく、2〜40nmであることがより好ましく、5〜30nmであることが更に好ましい。なお、平坦化層が第一のパターンの空隙部分の中に充填されるように形成されて、第一のパターンの表面と平坦化層の表面とで、平坦な面を形成する場合において、上記した第一のパターンの表面を基準面とした平坦化層の膜厚は、0nmであってもよい。換言すれば、第一のパターンの表面と平坦化層の表面とは、面一であってもよい。
第二のレジスト組成物は、酸の作用により極性が増大して有機系現像液に対する溶解性が減少する樹脂を含有することが好ましい。特にこの場合、後述の工程(F)及び(G)を経て得られる第二のパターンを、有機系現像液を用いて形成されたネガ型パターンとすることができるため、上記のように、ポジ型パターンと比較して、超微細(例えば、スペース幅40nm以下)のスペースパターンを確実に形成できるためである。
第二のレジスト組成物、及び、これが好ましく含有する、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂等の詳細については後述する。
また、本発明のパターン形成方法は、工程(F)と工程(G)との間に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜130℃で行うことが好ましく、80〜120℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行っても良い。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
前加熱工程及び露光後加熱工程の少なくとも一方は、複数回の加熱工程を含んでいてもよい。
ここで、マスク61におけるマスクパターンは特に限定されないが、工程(B)で使用したマスクと同様のもの(例えば、遮光部としてのライン部と、光透過部としてのスペース部とを有するラインアンドスペースパターンを有するマスクであって、ライン部の幅とスペース部の幅の比が1:3のマスク)を挙げることができる。
また、マスク61は、遮光部の位置が、工程(B)における位置に対してハーフピッチ分ずれるように(すなわち、最終的には、第一のパターンのライン方向と、第二のパターンのライン方向とが平行となるように、より具体的には、基板に対して垂直な方向から見た場合、第二のパターンのスペース部の中心線を、第一のパターンのライン部の中心線に一致させるように)、配置することが好ましく、これにより、後述する工程(G)、工程(H)、及び、工程(I)を実施することにより、超微細の1:1ラインアンドスペースパターンを形成できる。
工程(G)において、第二のレジスト膜を現像して第二のパターンを形成する工程において使用できる現像液は、有機系現像液であっても、アルカリ現像液であってもよく、それぞれ、工程(C)における有機系現像液について説明したもの、及び、例えば工程(C)と工程(D)との間に実施してもよい、上記「アルカリ現像液を用いて現像する工程」におけるアルカリ現像液について説明したものを同様に使用できる。
工程(G)としては、第二のパターンとして、有機溶剤を含む現像液を用いてネガ型パターンを形成する工程と、第二のパターンとして、アルカリ現像液を用いてポジ型パターンを形成する工程とを好適に挙げることができる。
この形態は、第一のレジスト組成物及び第二のレジスト組成物の少なくともいずれか一方が、ケイ素原子(例えば、ケイ素原子を有する樹脂)を含有するまたは、第一のパターン及び第二のパターンの少なくともいずれか一方が、ケイ素原子(例えば、ケイ素原子を有する樹脂)を含有する形態であることが好ましい。
上記の形態によれば、ケイ素原子を含有する膜に対してエッチング反応が生じやすいエッチング条件、あるいは、ケイ素原子を含有しない膜に対してエッチング反応が生じやすいエッチング条件を採用することにより、第一のパターンのエッチング速度が第二のエッチング速度よりも充分に大きくなるようなエッチング条件を設定しやすくなる。これにより、第二のパターン58の模様(パターン)が第一のパターン54に転写されてなる微細化パターン55をより容易に形成できる。
工程(I)においては、微細化パターン55に対して損傷を与えることなく、平坦化層81と第二のパターン58とを除去すること、換言すれば、平坦化層81と第二のパターン58とを選択的に除去することが好ましいため、上記例示の処理においても、平坦化層81と第二のパターン58とを選択的に除去できるものを採用することが好ましい。
なお、平坦化層81をエッチング処理により除去する場合、工程(I)は、平坦化層81に対して、平坦化層81のエッチング速度が第二のパターン58のエッチング速度より大きくなる条件のエッチング処理を実施する工程を含むことも好ましい。
上記条件は、第一のレジスト組成物、第二のレジスト組成物、及び、上述した本発明の組成物の各組成の内容や、エッチングガスの種類などを、適宜、調整することにより達成可能である。特に上述した本発明の組成物はエッチング性に優れるため、上記条件を達成しやすい。
ここでは、上記実施形態のように、第一のパターン及び第二のパターンが、いずれも、スペース幅よりも線幅の方が大きいラインアンドスペースのパターンであることが好ましい。特にこの場合、第一のパターンのライン方向と、第二のパターンのライン方向とが平行であることが好ましい。
このような実施形態は、超微細パターン(例えば、線幅及びスペース幅が共に40nm以下のラインアンドスペースパターン)を容易に形成可能なものとして好適である。
このように、第一のパターン及び第二のパターンの各模様の種類及び大きさ等は、最終的に形成したい微細化パターンの模様に応じて、適宜、選択可能であり、特定の内容に限定されるものではない。
このように、本発明のパターン形成方法は、工程(G)の後に、「更なる平坦化層の形成、更なるレジスト膜の形成、及び、このレジスト膜の露光・現像による更なるパターンの形成」の一連の工程群を、1回以上で含んでもよい。
第一のレジスト組成物(感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物)は、公知の組成物を使用できる。また、第一のレジスト組成物は、典型的には化学増幅型のレジスト組成物である。
上記したように、第一のレジスト組成物は、酸の作用により極性が増大して有機溶剤を含む現像液に対する溶解性が減少する樹脂を含有することが好ましい。
このような樹脂としては、例えば、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、極性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう。)を有する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」又は「樹脂(A)」ともいう。)を挙げることができる。
酸分解性基は、極性基を酸の作用により分解し脱離する基で保護された構造を有することが好ましい。
極性基としては、有機溶剤を含む現像液中で難溶化又は不溶化する基であれば特に限定されないが、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等の酸性基(従来レジストの現像液として用いられている、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中で解離する基)、又はアルコール性水酸基等が挙げられる。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
R36〜R39、R01及びR02のシクロアルキル基は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。なお、シクロアルキル基中の少なくとも1つの炭素原子が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
R36〜R39、R01及びR02のアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等を挙げることができる。
R36〜R39、R01及びR02のアラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
R36〜R39、R01及びR02のアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げることができる。
R36とR37とが結合して形成される環としては、シクロアルキル基(単環若しくは多環)であることが好ましい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基がより好ましく、炭素数5の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Xa1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx1〜Rx3の2つが結合して環構造を形成してもよい。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH2−基、−(CH2)2−基、−(CH2)3−基がより好ましい。Tは、単結合であることがより好ましい。
Xa1のアルキル基は、炭素数1〜4のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基等が挙げられるが、メチル基であることが好ましい。
Xa1は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
Rx1、Rx2及びRx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
具体例中、Rxは、水素原子、CH3、CF3、又はCH2OHを表す。Rxa、Rxbはそれぞれ独立にアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)を表す。Xa1は、水素原子、CH3、CF3、又はCH2OHを表す。Zは、置換基を表し、複数存在する場合、複数のZは互いに同じであっても異なっていてもよい。pは0又は正の整数を表す。Zの具体例及び好ましい例は、Rx1〜Rx3などの各基が有し得る置換基の具体例及び好ましい例と同様である。
また、酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることが好ましく、65モル%以下であることがより好ましい。
環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位は、下記一般式(A−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
RA 2は、nが2以上の場合は各々独立して、置換基を表す。
Aは、単結合、又は2価の連結基を表す。
Zは、式中の−O−C(=O)−O−で表される基と共に単環又は多環構造を形成する原子団を表す。
nは0以上の整数を表す。
樹脂(A)において、環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位(好ましくは、一般式(A−1)で表される繰り返し単位)の含有率は、樹脂(A)を構成する全繰り返し単位に対して、3〜80モル%であることが好ましく、3〜60モル%であることが更に好ましく、3〜30モル%であることが特に好ましく、10〜15モル%であることが最も好ましい。このような含有率とすることによって、レジストとしての現像性、低欠陥性、低LWR(Line Width Roughness)、低PEB温度依存性、プロファイル等を向上させることができる。
これにより、樹脂(A)に要求される性能、特に、(1)塗布溶剤に対する溶解性、(2)製膜性(ガラス転移点)、(3)アルカリ現像性、(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、(5)未露光部の基板への密着性、(6)ドライエッチング耐性、等の微調整が可能となる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
樹脂(A)において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
また、本発明において、樹脂(A)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
第一のレジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」とも言う。)を含有する。酸発生剤としては、特に限定されないが、活性光線又は放射線の照射により有機酸を発生する化合物であることが好ましい。
酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができ、例えば、特開2010−61043号公報の段落<0039>〜<0103>に記載されている化合物、特開2013−4820号公報の段落<0284>〜<0389>に記載されている化合物などが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
一般式(3)中、
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は、少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
R4及びR5は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又は、少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、複数存在する場合のR4、R5は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Wは、環状構造を含む有機基を表す。
oは、1〜3の整数を表す。pは、0〜10の整数を表す。qは、0〜10の整数を表す。
Xfは、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。Xfは、フッ素原子又はCF3であることがより好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが好ましい。
R4及びR5としてのアルキル基は、置換基を有していてもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。R4及びR5は、好ましくは水素原子である。
少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基の具体例および好適な態様は一般式(3)中のXfの具体例および好適な態様と同じである。
2価の連結基としては、例えば、−COO−(−C(=O)−O−)、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜10)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜6)又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基などが挙げられる。これらの中でも、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CO−、−O−、−SO2−、−COO−アルキレン基−、−OCO−アルキレン基−、−CONH−アルキレン基−又は−NHCO−アルキレン基−が好ましく、−COO−、−OCO−、−CONH−、−SO2−、−COO−アルキレン基−又は−OCO−アルキレン基−がより好ましい。
環状の有機基としては、例えば、脂環基、アリール基、及び複素環基が挙げられる。
脂環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂環基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環基としては、例えば、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性の抑制及びMEEF(Mask Error Enhancement Factor)の向上の観点から好ましい。
複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよいが、多環式の方がより酸の拡散を抑制可能である。また、複素環基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。芳香族性を有している複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及びピリジン環が挙げられる。芳香族性を有していない複素環としては、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環、スルトン環及びデカヒドロイソキノリン環が挙げられる。複素環基における複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、又はデカヒドロイソキノリン環が特に好ましい。また、ラクトン環及びスルトン環の例としては、前述の樹脂において例示したラクトン構造及びスルトン構造が挙げられる。
一態様において、一般式(3)中のoが1〜3の整数であり、pが1〜10の整数であり、qが0であることが好ましい。Xfは、フッ素原子であることが好ましく、R4及びR5は共に水素原子であることが好ましく、Wは多環式の炭化水素基であることが好ましい。oは1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。pが1〜3の整数であることがより好ましく、1又は2であることが更に好ましく、1が特に好ましい。Wは多環のシクロアルキル基であることがより好ましく、アダマンチル基又はジアマンチル基であることが更に好ましい。
一般式(3)中、X+は、カチオンを表す。
X+は、カチオンであれば特に制限されないが、好適な態様としては、例えば、後述する一般式(ZI)、(ZII)又は(ZIII)中のカチオン(Z-以外の部分)が挙げられる。
特定酸発生剤の好適な態様としては、例えば、下記一般式(ZI)、(ZII)又は(ZIII)で表される化合物が挙げられる。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
Z-は、一般式(3)中のアニオンを表し、具体的には、下記のアニオンを表す。
なお、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくとも一つと、単結合又は連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
一般式(ZII)、(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204〜R207のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等を挙げることができる。
R204〜R207におけるアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基)を挙げることができる。
Z−は、一般式(3)中のアニオンを表し、具体的には、上述のとおりである。
酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量は3000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、1000以下が更に好ましい。
酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、前述した樹脂の一部に組み込まれてもよく、樹脂とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。
酸発生剤は、公知の方法で合成することができ、例えば、特開2007−161707号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
酸発生剤は、1種類単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
酸発生剤の組成物中の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜25質量%、更に好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。
酸発生剤として、上記一般式(ZI−3)又は(ZI−4)により表される化合物を含む場合、組成物中に含まれる酸発生剤の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、5〜35質量%が好ましく、8〜30質量%がより好ましく、9〜30質量%が更に好ましく、9〜25質量%が特に好ましい。
第一のレジスト組成物は、疎水性樹脂(以下、「疎水性樹脂(D)」又は単に「樹脂(D)」ともいう。)を含有してもよい。なお、疎水性樹脂(D)は樹脂(A)とは異なることが好ましい。
疎水性樹脂(D)は、界面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性および非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂を添加することの効果として、水に対するレジスト膜表面の静的および動的な接触角の制御、液浸液追随性の向上、アウトガスの抑制などを挙げることができる。
疎水性樹脂(D)が、フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合、疎水性樹脂(D)に於ける上記フッ素原子及び/又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基及びフッ素原子を有するアリール基は、それぞれ、1つの水素原子がフッ素原子で置換されたシクロアルキル基及びフッ素原子を有するアリール基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子又は珪素原子を有する繰り返し単位の例としては、US2012/0251948A1〔0519〕に例示されたものを挙げることが出来る。
ここで、疎水性樹脂(D)中の側鎖部分が有するCH3部分構造(以下、単に「側鎖CH3部分構造」ともいう。)には、エチル基、プロピル基等が有するCH3部分構造を包含するものである。
一方、疎水性樹脂(D)の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα−メチル基)は、主鎖の影響により疎水性樹脂(D)の表面偏在化への寄与が小さいため、本発明におけるCH3部分構造に包含されないものとする。
一方、C−C主鎖から何らかの原子を介して存在するCH3部分構造は、本発明におけるCH3部分構造に該当するものとする。例えば、R11がエチル基(CH2CH3)である場合、本発明におけるCH3部分構造を「1つ」有するものとする。
R11〜R14は、各々独立に、側鎖部分を表す。
側鎖部分のR11〜R14としては、水素原子、1価の有機基などが挙げられる。
R11〜R14についての1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基などが挙げられ、これらの基は、更に置換基を有していてもよい。
(x)酸基、
(y)ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基、
(z)酸の作用により分解する基
好ましい酸基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基が挙げられる。
酸基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(D)中の全繰り返し単位に対し、1〜50モル%が好ましく、より好ましくは3〜35モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
酸基(x)を有する繰り返し単位の具体例としては、特開2014−235179号公報の段落<0447>〜<0448>に記載の繰り返し単位が挙げられるが、本発明は、これに限定されるものではない。
これらの基を含んだ繰り返し単位は、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等の、樹脂の主鎖に直接この基が結合している繰り返し単位である。或いは、この繰り返し単位は、この基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合している繰り返し単位であってもよい。或いは、この繰り返し単位は、この基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、例えば、先に樹脂(A)の項で説明したラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
疎水性樹脂(D)は、更に、上述した繰り返し単位とは別の繰り返し単位を有していてもよい。
また、疎水性樹脂(D)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
疎水性樹脂(D)の組成物中の含有量は、第一のレジスト組成物中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましい。
第一のレジスト組成物は、酸拡散制御剤を含有することが好ましい。酸拡散制御剤は、露光時に酸発生剤等から発生する酸をトラップし、余分な発生酸による、未露光部における酸分解性樹脂の反応を抑制するクエンチャーとして作用するものである。酸拡散制御剤としては、塩基性化合物、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下又は消失する塩基性化合物、又は、酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩を使用することができる。
R200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
R203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
これら一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
好ましい化合物の具体例としては、US2012/0219913A1 <0379>に例示された化合物を挙げることができる。
好ましい塩基性化合物として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物を挙げることができる。
これらの塩基性化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
酸発生剤と塩基性化合物の組成物中の使用割合は、酸発生剤/塩基性化合物(モル比)=2.5〜300が好ましく、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
酸の作用により脱離する基として、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、ヘミアミナールエーテル基であることが特に好ましい。
化合物(C)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が特に好ましい。
化合物(C)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有してもよい。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表すことができる。
Rbは、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30)、アリール基(好ましくは炭素数3〜30)、アラルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、又はアルコキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。Rbは相互に連結して環を形成していてもよい。
Rbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
2つのRbが相互に連結して形成する環としては、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式炭化水素基若しくはその誘導体等が挙げられる。
一般式(d−1)で表される基の具体的な構造としては、US2012/0135348 A1 <0466>に開示された構造を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
Rbは、上記一般式(d−1)におけるRbと同義であり、好ましい例も同様である。
lは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、l+m=3を満たす。
一般式(6)において、Raとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、Rbとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基が置換されていてもよい基として前述した基と同様な基で置換されていてもよい。
本発明における特に好ましい化合物(C)の具体例としては、US2012/0135348 A1 <0475>に開示された化合物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
本発明において、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(C)は、一種単独でも又は2種以上を混合しても使用することができる。
第一のレジスト組成物における化合物(C)の含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.001〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と、酸発生剤から生じた酸に対して相対的に弱酸である酸を発生するオニウム塩を混合して用いた場合、活性光線性又は放射線の照射により酸発生剤から生じた酸が未反応の弱酸アニオンを有するオニウム塩と衝突すると、塩交換により弱酸を放出して強酸アニオンを有するオニウム塩を生じる。この過程で強酸がより触媒能の低い弱酸に交換されるため、見かけ上、酸が失活して酸拡散の制御を行うことができる。
一般式(d1‐2)で表される化合物のアニオン部の好ましい例としては、特開2012−242799号公報の段落〔0201〕に例示された構造を挙げることが出来る。
一般式(d1‐3)で表される化合物のアニオン部の好ましい例としては、特開2012−242799号公報の段落〔0209〕及び〔0210〕に例示された構造を挙げることが出来る。
化合物(CA)としては、下記一般式(C−1)〜(C−3)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
R1、R2、R3は、炭素数1以上の置換基を表す。
L1は、カチオン部位とアニオン部位を連結する2価の連結基又は単結合を表す。
−X−は、−COO−、−SO3 −、−SO2 −、−N−−R4から選択されるアニオン部位を表す。R4は、隣接するN原子との連結部位に、カルボニル基:−C(=O)−、スルホニル基:−S(=O)2−、スルフィニル基:−S(=O)−を有する1価の置換基を表す。
R1、R2、R3、R4、L1は互いに結合して環構造を形成してもよい。また、(C−3)において、R1〜R3のうち2つを合わせて、N原子と2重結合を形成してもよい。
一般式(C−1)で表される化合物の好ましい例としては、特開2013−6827号公報の段落〔0037〕〜〔0039〕及び特開2013−8020号公報の段落〔0027〕〜〔0029〕に例示された化合物を挙げることが出来る。
一般式(C−2)で表される化合物の好ましい例としては、特開2012−189977号公報の段落〔0012〕〜〔0013〕に例示された化合物を挙げることが出来る。
一般式(C−3)で表される化合物の好ましい例としては、特開2012−252124号公報の段落〔0029〕〜〔0031〕に例示された化合物を挙げることが出来る。
第一のレジスト組成物は、通常、溶剤を含有する。
組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を有してもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
これらの溶剤の具体例は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書<0441>〜<0455>に記載のものを挙げることができる。
水酸基を含有する溶剤、水酸基を含有しない溶剤としては前述の例示化合物が適宜選択可能であるが、水酸基を含有する溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルがより好ましい。また、水酸基を含有しない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有してもよいモノケトン化合物、環状ラクトン、酢酸アルキルなどが好ましく、これらの内でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶剤、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
第一のレジスト組成物は、更に界面活性剤を含有してもしなくてもよく、含有する場合、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子とケイ素原子との両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落<0276>に記載の界面活性剤が挙げることができる。
また、本発明では、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落<0280>に記載の、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
第一のレジスト組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の使用量は、組成物の全固形分に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.0005〜1質量%である。
一方、界面活性剤の添加量を、組成物の全量(溶剤を除く)に対して、10ppm以下とすることで、疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、レジスト膜表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることができる。
第一のレジスト組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有してもしなくてもよい。このようなカルボン酸オニウム塩は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書<0605>〜<0606>に記載のものを挙げることができる。
これらのカルボン酸オニウム塩は、スルホニウムヒドロキシド、ヨードニウムヒドロキシド、アンモニウムヒドロキシドとカルボン酸を適当な溶剤中酸化銀と反応させることによって合成できる。
第一のレジスト組成物には、必要に応じて更に、酸増殖剤、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止剤及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の質量の質量百分率である。
次に、本発明のパターン形成方法で使用する第二のレジスト組成物について説明する。
第二のレジスト組成物は、ネガ型のレジスト組成物であっても、ポジ型のレジスト組成物であってもよく、それぞれ公知のレジスト組成物を使用できるが、上記した理由により、ネガ型のレジスト組成物(より具体的には、有機溶剤現像用のネガ型レジスト組成物)であることが好ましい。また、第二のレジスト組成物は、典型的には化学増幅型のレジスト組成物である。
また、第二のレジスト組成物は、第一のレジスト組成物が含有し得る上記各成分を、同様に含有することができ、第二のレジスト組成物の全量に対する各成分の含有量の好ましい範囲も、第一のレジスト組成物において説明したものと同様である。
上記各種材料から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過を挙げることができる。フィルター孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルターの材質としては、ポリテトラフルオロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のフィルターが好ましい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用しても良い。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であってもよい。
また、上記各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う、装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法を挙げることができる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
フィルター濾過の他、吸着材による不純物の除去を行っても良く、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用しても良い。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル、ゼオライトなどの無機系吸着材、活性炭などの有機系吸着材を使用することができる。
本発明の電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA(Office Automation)・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
下記表1に示される成分をPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)およびPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)(70wt%/30wt%)に固形分濃度6.0wt%の濃度で溶解させ、得られた溶液を0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過して、固形分濃度6.0wt%のレジスト組成物(有機パターン埋め込み用組成物)を得た。なお、表1中、樹脂(A)の構造欄に記載の数値は各繰り返し単位の組成比(モル比)を表す。
窒素気流下、PGME73.9gを3つ口フラスコに入れ、80℃に加熱した。これに、BMB(下記構造)10.2g、DiOH(下記構造)16.0g、PME−200(下記構造)11.1g、および、重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)をモノマーに対し4mol%をPGME 137.3gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下後の溶液を、更に80℃で2時間攪拌した。攪拌後の溶液を、放冷後、ヘプタン1217.8gおよび酢酸エチル521.9gの混合液に20分かけて滴下した。析出した粉体をろ取、乾燥することにより、下記A−1の樹脂(埋め込み用樹脂)が33.7g得られた。得られた樹脂の繰り返し単位の組成比(モル比)は30/50/20、重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で26000、分散度(Mw/Mn)は2.03であった。また、同様の操作で、下記A−2〜A−10およびB−1〜B−6の樹脂(埋め込み用樹脂)を合成した。
得られた埋め込み用樹脂を下記表2に示される溶剤に同表に示される固形分濃度(5.0wt%又は2.5wt%)で溶解し、これを0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過して固形分濃度5.0wt%又は2.5wt%の有機パターン埋め込み用組成物を調製した。
(埋め込み性)
シリコンウェハ上に有機反射防止膜形成用組成物ARC29A(Brewer Science社製)を塗布し、膜厚86nmの有機反射防止膜を形成した。有機反射防止膜上に調製したレジスト組成物を塗布し、100℃の温度で60秒間ベーク(Pre Bake;PB)を行い、膜厚200nmのレジスト膜を形成した。得られたレジスト膜に対してArFエキシマレーザースキャナー(NA(開口数)0.75)を用い、ピッチ150nm、遮光部幅75nmの6%ハーフトーンマスクを介し、パターン露光を行った。パターン露光後のレジスト膜を、115℃の温度で60秒間ベーク(Post Exposure Bake;PEB)した後、酢酸ブチル現像液で30秒間パドルすることにより現像し、ライン部90nm、スペース部60nmのラインアンドスペースパターンを得た。次いで、得られたパターンを200℃の温度で60秒間ベークし、その上に調製した有機パターン埋め込み用組成物を塗布して平坦化膜(平坦化層)を形成した。
形成された平坦化膜の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)により確認し、以下の評価基準に基づいて埋め込み性を評価した。
<評価基準>
A(優れる):空隙(ボイド)が見られない。
B(やや優れる):空隙が見られ、観察画像中の空隙の面積の割合が5%以下である。
C(やや劣る):空隙が見られ、観察画像中の空隙の面積の割合が5%より大きく10%以下である。
D(劣る):空隙が見られ、観察画像中の空隙の面積の割合が10%より大きい。
結果を表2に示す。
上述した埋め込み性の評価と同様の方法により、シリコンウェハ上に有機反射防止膜を形成し、有機反射防止膜上にレジスト膜を形成した。得られたレジスト膜に対してArFエキシマレーザースキャナー(NA0.75)を用い、ピッチ600nm、遮光部300nmの6%ハーフトーンマスクを介し、パターン露光を行った。パターン露光後のレジスト膜を、150℃の温度で60秒間ベークした後、酢酸ブチル現像液で30秒間パドルすることにより現像し、ライン部300nm、スペース部300nmのラインアンドスペースパターンを得た。次いで、得られたパターンを200℃の温度で60秒間ベークし、その上に調製した有機パターン埋め込み用組成物を塗布して平坦化膜(平坦化層)を形成した。
平坦化膜を形成した後のライン部とスペース部の膜厚差を原子間力顕微鏡で観察し、最大膜厚と最小膜厚の差(すなわち、ライン部とスペース部の膜厚差)を算出し、以下の評価基準に基づいて平坦性を評価した。
<評価基準>
A(非常に優れる):ライン部とスペース部の膜厚差が5nm未満である。
B(優れる):ライン部とスペース部の膜厚差が5nm以上10nm未満である。
C(やや優れる):ライン部とスペース部の膜厚差が10nm以上15nm未満である。
D(劣る):ライン部とスペース部の膜厚差が15nm以上である。
結果を表2に示す。
シリコンウェハ上に調製した有機パターン埋め込み用組成物を塗布し、150℃で60秒間ベークすることにより、平坦化膜(平坦化層)を形成した。得られた膜に酸素ガスを用いて5秒間エッチング処理を行い、処理前後の膜厚変化よりエッチング速度を算出した。結果を表2に示す。エッチング速度が大きいほどエッチング性に優れる。実用上、エッチング速度は、100Å(オングストローム)/sec(秒)以上であることが好ましい。
上述した埋め込み性の評価と同様の方法により、ラインアンドスペースパターン(第一のパターン)を形成し、その上に平坦化膜を形成した。さらに、平坦化膜の上に第一のパターンの形成に用いたレジスト組成物(第一のレジスト組成物)と同じレジスト組成物(第二のレジスト組成物)を用いて、第一のパターンの形成と同様の方法により、レジスト膜(第二のレジスト膜)を形成し、その後、露光および現像を行って、ラインアンドスペースパターン(第二のパターン)を形成した。
また、下記表3に、A−1〜A−10について、各繰り返し単位のR2における炭素原子数および酸素原子数、ならびに、R2ヘテロ比を示す。
・CyHx:シクロヘキサノン
・MEK:メチルエチルケトン
・MeOH:メタノール
・PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
特定樹脂が上述した式(1−1)で表される繰り返し単位を有する実施例1〜10の対比から、上述した式(1−1)で表される繰り返し単位(R2:式(P)で表される基)を有する実施例1〜2および4〜7は、より優れた埋め込み性および平坦性を示した。なかでも、上記式(1−1)で表される繰り返し単位(R2:式(P)で表される基)の割合が15mol%以上である実施例1〜2、4および6〜7は、より優れたエッチング性を示した。そのなかでも、式(1−1)で表される繰り返し単位において、R2が式(P)で表される基である繰り返し単位とは別に、式(1−1)で表される繰り返し単位において、R2がヒドロキシ基を2個以上含有する基である繰り返し単位を有する実施例1〜2は、さらに優れたエッチング性を示した。
特定樹脂が上述した式(1−2)で表される繰り返し単位(X:−O−)のみ有する実施例14〜17の対比から、特定樹脂の重量平均分子量が8000以下である実施例15〜17は、より優れたエッチング性を示した。そのなかでも、特定樹脂の重量平均分子量が5,000以下である実施例16〜17は、さらに優れたエッチング性を示した。そのなかでも、特定樹脂の重量平均分子量が2,000以下である実施例17は、より優れた埋め込み性、平坦性およびエッチング性を示した。
52 第一のレジスト膜
53 露光済の第一のレジスト膜
54 第一のパターン
55 微細化パターン
56 第二のレジスト膜
57 露光済の第二のレジスト膜
58 第二のパターン
61 マスク
71 活性光線又は放射線
75 エッチングガス
81 平坦化層
Claims (9)
- 大西パラメータが5.0より大きい樹脂を含有する、有機パターン埋め込み用組成物。
- 前記樹脂が、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリエーテル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂である、請求項1に記載の有機パターン埋め込み用組成物。
- 前記樹脂が、下記式(1−1)で表される繰り返し単位を有する、請求項1または2に記載の有機パターン埋め込み用組成物。
式(1−1)中、R1は、水素原子又は有機基を表す。R2は、ヘテロ原子を有する炭化水素基を表す。ただし、R2中の炭素原子数に対する、R2中のヘテロ原子数の割合は、0.30以上である。 - 前記式(1−1)中、R2が、ラクトン構造含有基、カーボネート構造含有基、アセタール構造含有基、ヒドロキシ基含有基、または、下記式(P)で表される基である、請求項3に記載の有機パターン埋め込み用組成物。
式(P)中、RAは、2価の炭化水素基を表す。RBは、1価の炭化水素基を表す。nは、1以上の整数を表す。nが2以上の整数である場合に複数存在するRAは同一であっても、異なってもよい。*は、結合位置を表す。 - 前記樹脂が、下記式(1−2)で表される繰り返し単位を有する、請求項1または2に記載の有機パターン埋め込み用組成物。
式(1−2)中、Lは、2価の炭化水素基を表す。Xは、−O−、−S−、または、−CO−O−を表す。 - 前記樹脂が芳香環を含まない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機パターン埋め込み用組成物。
- 基板上に第一のレジスト組成物を用いて第一のレジスト膜を形成する工程、
前記第一のレジスト膜を露光する工程、
露光された前記第一のレジスト膜を現像し、第一のパターンを形成する工程、
前記第一のパターンが設けられた基板上に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機パターン埋め込み用組成物を用いて平坦化層を形成する工程、
前記平坦化層上に、第二のレジスト組成物を用いて第二のレジスト膜を形成する工程、
前記第二のレジスト膜を露光する工程、及び
露光された前記第二のレジスト膜を現像し、第二のパターンを形成する工程、
をこの順序で含む、パターン形成方法。 - 前記第一のパターンおよび/または前記第二のパターンが、有機溶剤を含む現像液を用いて現像することによって形成されたパターンである、請求項7に記載のパターン形成方法。
- 請求項7又は8に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
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