JPWO2015162881A1 - 接合用組成物及びそれを用いた金属接合体 - Google Patents

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Abstract

緻密な接合層と高い接合信頼性を有する金属接合体を比較的低い接合温度で得ることができる接合用組成物及びそれを用いた金属接合体を提供する。無機粒子、有機成分、及び分散媒を含むペースト状の接合用組成物であって、無機粒子の平均粒径及び結晶子径がそれぞれ1〜20μm及び4〜40nmであり、無機粒子の表面の少なくとも一部に、1〜100nmの粒径を有する金属粒子が付着していること、を特徴とする接合用組成物。

Description

本発明は、無機粒子を主成分とする接合用組成物及びそれを用いた金属接合体に関し、より具体的には、緻密な接合層と高い接合信頼性を有する金属接合体を比較的低い接合温度で得ることができる接合用組成物及びそれを用いた金属接合体に関する。
金属部品と金属部品とを機械的及び/又は電気的及び又は熱的に接合するために、従来より、はんだ、導電性接着剤、銀ペースト及び異方導電性フィルム等が用いられている。これら導電性接着剤、銀ペースト及び異方導電性フィルム等は、金属部品だけでなく、セラミック部品や樹脂部品等を接合する場合に用いられることもある。例えば、LED等の発光素子の基板への接合、半導体チップの基板への接合、及びこれらの基板の更に放熱部材への接合等が挙げられる。
なかでも、はんだ並びに金属からなる導電フィラーを含む接着剤、ペースト及びフィルムは、電気的な接続を必要とする部分の接合に用いられている。更には、金属は一般的に熱伝導性が高いため、これらはんだ並びに導電フィラーを含む接着剤、ペースト及びフィルムは、放熱性を上げるために使用される場合もある。
一方、例えば、LED等の発光素子を用いて高輝度の照明デバイスや発光デバイスを作製する場合、或いは、パワーデバイスと言われる高温で高効率の動作をする半導体素子を用いて半導体デバイスを作製する場合等には、発熱量が上がる傾向にある。デバイスや素子の効率を向上させて発熱を減らす試みも行われているが、現状では十分な成果が出ておらず、デバイスや素子の使用温度が上がっているのが実情である。
また、接合時におけるデバイスの損傷を防ぐという観点からは、低い接合温度(例えば300℃以下)で十分な接合強度を確保できる接合材が求められている。したがって、デバイスや素子等を接合するための接合材に対しては、接合温度の低下とともに、接合後におけるデバイスの動作による使用温度の上昇に耐えて十分な接合強度を維持できる耐熱性が求められているが、従来からの接合材では十分な対応ができないことが多い。例えば、はんだは、金属を融点以上に加熱する工程(リフロー工程)を経て部材同士を接合するが、一般的に融点はその組成に固有であるため、耐熱温度を上げようとすると加熱(接合)温度も上がってしまう。
更に、はんだを用いて素子や基板を数層重ね合わせて接合する場合、重ね合わせる層の数だけ加熱工程を経る必要であり、既に接合した部分の溶融を防ぐためには、次の接合に用いるはんだの融点(接合温度)を下げる必要があり、また、重ね合わせる層の数だけはんだ組成の種類が必要になり、取扱いが煩雑になる。
また、高い使用温度において用いられる高温はんだには、従来より鉛を含むはんだが用いられている。鉛は有毒性があるため、はんだは鉛フリー化への流れが顕著である。高温はんだには他に良い代替材料が存在しないため、依然として鉛はんだが使用されているが、環境問題の観点から、鉛を使用しない接合材が切望されている。
これに対し、例えば、特許文献1(特許第4928639号公報)では、平均一次粒子径が1〜200nmであって、炭素数6の有機物質で被覆されている銀ナノ粒子と、少なくともオキシジ酢酸若しくはマロン酸の一方を有するフラックス成分および分散媒を含む接合材が開示され、当該接合材に平均粒径が0.5〜3.0μmの粒子を添加することで、接合力が更に向上するとしている。
また、特許文献2(特許第5151150号公報)においては、カルボン酸類、アルコール類、アミン類の群から選ばれる1種類以上の官能基を含む有機物で表面が被覆された粒径が1nm〜5μmの金属粒子と、酸化銀粒子と、を含み、組成物中における金属粒子と酸化銀の総重量比率が70%〜95%であり、酸化銀と金属粒子との構成比は、酸化銀が有機物で表面が被覆された金属粒子に対して、0より大きく400より小さい重量比の範囲であり、大気中で昇温速度1℃/minで加熱を行った場合に100℃〜140℃の間に発熱ピークを有することを特徴とする接合用材料が開示されている。当該接合用材料においては、酸化銀粒子の還元させることで金属粒子との焼結が達成されるとしている。
更に、特許文献3(特開2011−21255号公報)においては、平均粒径X(nm)の金属核の周囲に有機被覆層を形成した複合金属ナノ粒子と、平均粒径d(nm)の金属ナノフィラー粒子と、平均粒径D(nm)の金属フィラー粒子を金属成分として含有し、X<d<Dの第1関係及びX<d<100(nm)の第2関係を有し、焼成により有機被覆層が気散して金属層が形成されるときに複合金属ナノ粒子と金属ナノフィラー粒子と金属フィラー粒子が緻密に焼結することを特徴とする複合ナノ金属ペーストが開示されている。当該複合ナノ金属ペーストにおいては、粒径が大きな金属粒子同士が形成する空隙に粒径が小さな金属粒子が充填されることで、緻密な焼成膜が得られるとしている。
特許第4928639号公報 特許第5151150号公報 特開2011−21255号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の接合材は接合層の緻密化が十分ではなく、接合の信頼性(例えば、ヒートサイクルが印加された後の接合強度)が確保されていない。また、上記特許文献2に記載の接合用材料は接合プロセス中における酸化銀粒子の体積収縮が大きく、接合層の厚み及び接合層を構成する粒子間の空隙を制御することが困難であり、接合の信頼性を十分に得ることができない。更に、上記特許文献3に記載の複合ナノ金属ペーストにおいては、大きな粒子同士が接する部分は低温で焼結しないため、十分な接合強度を得るためには350℃以上といった高温で焼成する必要がある。
上記のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、緻密な接合層と高い接合信頼性を有する金属接合体を比較的低い接合温度で得ることができる接合用組成物及びそれを用いた金属接合体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく接合用組成物に含まれる無機粒子等について鋭意研究を重ねた結果、適切な結晶子サイズ等を有する無機粒子を用いることが、上記目的を達成する上で極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
無機粒子、有機成分、及び分散媒を含むペースト状の接合用組成物であって、
前記無機粒子の平均粒径(PL)及び結晶子径(CL)がそれぞれ1〜20μm及び4〜40nmであり、
前記無機粒子の表面の少なくとも一部に、1〜100nmの粒径(PS)を有する金属粒子が付着していること、
を特徴とする接合用組成物を提供する。
平均粒径(PL)及び結晶子径(CL)がそれぞれ1〜20μm及び4〜40nmである無機粒子の表面の少なくとも一部に、1〜100nmの粒径(PS)を有する金属粒子が付着していることで、比較的低い接合温度(例えば、300℃以下)で緻密な接合層を形成させることができる。上記の無機粒子は、金属で構成されていてもよく、また、上記の金属粒子と同じ金属種で構成されていてもよい。
無機粒子の平均粒径(PL)は、動的光散乱法又は小角X線散乱法等で測定することができる。なお、平均粒径(PL)を測定するその他の手法としては、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて撮影した写真から測定することができる。また、無機粒子の表面に付着した金属粒子の粒径(PS)は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いた観察画像から測定することができる。
動的光散乱法を用いる場合、株式会社堀場製作所製の動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550で測定した体積基準のメディアン径(D50)で平均粒径を表すことができる。具体的には、分散媒10ml中に無機粒子分散液を数滴滴下し、手で振動させるか、もしくは超音波により分散させて測定用試料を調整する。次いで、測定用試料3mlをLB−550のセル内に投入し、下記条件にて測定する。
・測定条件
データ読み込み回数:100回
セルホルダー内温度:25℃
・表示条件
分布形態:標準
反復回数:50回
粒子径基準:体積基準
分散質の屈折率:0.200−3.900(銀の場合)
分散媒の屈折率:1.36(例えばエタノールが主成分の場合)
・システム条件設定
強度基準:Dynamic
散乱強度レンジ上限:10000.00
散乱強度レンジ下限:1.00
但し、当該方法では粒径が5μmを超えると正確な測定が難しくなる。そのような場合においては、レーザー回折散乱法や走査型電子顕微鏡を用いて撮影した電子顕微鏡写真から50〜100個程度の粒子の粒径の算術平均値を粒径としてもよい。
一個の無機粒子は、複数の結晶子(単結晶の最大サイズ)によって構成されており、無機粒子の結晶子径(CL)とは、当該結晶子の大きさを表す。無機粒子の結晶子径(CL)は、例えば、広角X線回折法によって求めることができる。広角X線回折法では、例えば、理学電機(株)製のRINT−UltimaIIIを用いて、回折法で2θが30〜80°の範囲で測定することができる。この場合、試料は、中央部に深さ0.1〜1mm程度の窪みのあるガラス板に表面が平坦になるように薄くのばして測定すればよい。また、理学電機(株)製のJADEを用い、得られた回折スペクトルの半値幅を下記のシェラー式に代入することにより算出された結晶子径(D)を平均粒径とすればよい。
D=Kλ/Bcosθ
ここで、K:シェラー定数(0.9)、λ:X線の波長、B:回折線の半値幅、θ:ブラッグ角である。
無機粒子の表面の少なくとも一部に付着する金属粒子の結晶子径(CL)は、4〜40nmであることが好ましい。結晶子径(CL)を4〜40nmとすることで、金属粒子に良好な低温焼結性を付与することができる。なお、金属粒子の結晶子径(CL)は、例えば、上述の広角X線回折法によって求めることができる。
金属粒子の表面の少なくとも一部には有機成分が付着しており(即ち、金属粒子の表面の少なくとも一部が有機成分で構成される有機保護層で被覆されており)、前記有機成分(有機保護層)はアミンを含むこと、が好ましい。融点降下能を示すナノメートルサイズの金属粒子が安定的に存在するためには、金属粒子の表面の少なくとも一部に有機保護層が必要である。ここで、アミンは官能基が金属粒子の表面に適度の強さで吸着することから、有機保護層として好適に用いることができる。
本発明の接合用組成物に用いる無機粒子及び金属粒子は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されるものではないが、金属粒子は銀粒子であることが好ましく、更に、無機粒子も銀粒子であることがより好ましい。銀粒子は比較的安定であることから長期保管することができると共に、金粒子やパラジウム粒子等と比較すると安価に製造することができる。
なお、接合用組成物に粒径の異なる粒子を用いる場合には均一分散性に留意する必要があり、分散が不均一な場合は接合層がポーラスになってしまう(接合信頼性が低下する)。これに対し、本発明の接合用組成物は無機粒子の表面に微小な金属粒子が付着していることから、良好な分散性が担保される。その結果、粒子同士の融着及び焼結が均一に進行するため、緻密な接合層を得ることができる(接合信頼性が高い)。
また、本発明の接合用組成物においては、無機粒子と有機成分を、大気中で室温から550℃までの温度範囲でTG−DTA測定すると、150〜300℃における最大発熱ピークの直後に重量増加すること、が好ましい。
一般的にDTAの発熱ピークは有機物の酸化分解であるため、粒子に付着している分散剤が分解し、粒子の焼結を意味する。その急激な焼結による発熱で、粒子自体が瞬間的に酸化するが、粒子として銀を用いる場合、銀の自己還元により還元されるため、酸化の影響はほとんどない。接合用途で使用する場合、粒子が焼結する際に被接合体の界面と接合していると推測できるが、前記重量増加があることで粒子の焼結による収縮を抑制し、接合時に加圧力を与えずとも被接合体界面との密着性が確保でき、無加圧での接合が可能となる。
更に、本発明の接合用組成物においては、前記重量増加の最大増加率(%)が、0.2%未満であること、が好ましい。
前記重量増加であるが、その最大増加率が0.2%以上となると、接合層の歪みに直接影響する。一般的に熱は被接合体の端部から伝わるため、焼結も端部から開始される。そのため、例えば接合面積2mm×2mm以上といった広い場合では端部と中心で焼結スピードが微妙に異なってくるため、重量増加率が0.2%以上となると端部と中心では接合層が歪んだ状態で接合されることとなる。この場合、接合後の耐熱信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明の金属体の接合方法は、本発明の接合用組成物を使用して2つの金属体の面同士を接合する方法であって、
接合雰囲気を大気又は大気窒素混合雰囲気とし、
前記接合雰囲気下において室温から500℃までの温度範囲で、前記無機粒子及び前記有機成分をTMA測定すると、室温からの寸法変化率が−1.0〜1.0%となる温度を接合温度とすること、
を特徴とする金属体の接合方法を提供する。
接合雰囲気下において室温から500℃までの温度範囲で、無機粒子及び有機成分をTMA測定した際の、室温からの寸法変化率を−1.0%以上とすることで、無加圧にて接合を行った場合に被接合体界面との密着性が確保することができ、1.0%以下とすることで、接合体への熱履歴による残留応力を低減することができる。
本発明の金属体の接合方法においては、接合温度を、前記接合雰囲気下において室温から500℃までの温度範囲で、前記無機粒子及び前記有機成分をTG−DTA測定した場合、最大発熱ピークが発生する温度以上とすること、が好ましい。
接合温度を最大発熱ピークが発生する温度以上とすることで、焼結が進むため接合することができる。
本発明の金属接合体は、
本発明の接合用組成物を使用して2つの金属体の面同士を接合した金属接合体であって、
前記金属接合体の接合層の厚さが30〜150μmであること、
を特徴とする金属接合体を提供する。
本発明の金属接合体の接合層は無機粒子及び金属粒子で構成されているため、はんだと異なり、焼結後の融点はバルク材と同程度になる。よって、はんだによって形成された接合層と比較するとより高温での冷熱衝撃信頼性が得られることになる。しかしながら、冷熱衝撃の上限温度が200℃以上となると被接合体と接合層との熱膨張係数差が大きくなり、接合層の膜厚が30μm未満では熱応力を緩和することができずに破壊してしまう。一方で、接合層の膜厚が150μmよりも大きな場合は、接合用組成物の塗布量が多くなることから、相対的に増加する有機物に起因して焼結が困難となり、緻密な接合層を得ることができない。
よって、接合層の厚さを30〜150μmとすることで、接合層が緻密になると共に、被接合体の熱膨張係数との差に起因する熱応力を緩和することができる。この結果、本発明の金属接合体は高い接合信頼性を有する。
本発明によれば、緻密な接合層と高い接合信頼性を有する金属接合体を比較的低い接合温度で得ることができる接合用組成物及びそれを用いた金属接合体を提供することができる。
以下、本発明の接合用組成物及びそれを用いた金属接合体の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、本発明の一実施形態を示すに過ぎず、これらによって本発明が限定されるものではなく、また、重複する説明は省略することがある。
(1)接合用組成物
本実施形態の接合用組成物は、無機粒子及び有機成分等を含むペースト状の接合用組成物である。以下において、接合用組成物の各成分について説明する。
(1−1)無機粒子
本実施形態の接合用組成物の無機粒子としては、特に限定されるものではないが、本実施形態の接合用組成物を用いて得られる接合層の導電性を良好にすることができるため、亜鉛よりもイオン化傾向が小さい(貴な)金属であることが好ましい。
かかる金属としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、ビスマス、スズ、鉄並びに白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金)のうちの少なくとも1種が挙げられる。上記金属としては、金、銀、銅、ニッケル、ビスマス、スズ又は白金族元素よりなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有することが好ましく、更には、銅又は銅よりもイオン化傾向が小さい(貴な)金属、即ち、金、銀、銅、及び白金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を含有することがより好ましい。
ここで、比較的安定で長期保管することができると共に、金粒子やパラジウム粒子等と比較すると安価に製造することができることから、無機粒子としては銀粒子を用いることが最も好ましい。
これらの金属は単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよく、併用する方法としては、複数の金属を含む合金粒子を用いる場合や、コア−シェル構造や多層構造を有する金属粒子を用いる場合がある。
例えば、上記接合用組成物の無機粒子として銀粒子を用いる場合、本実施形態の接合用組成物を用いて形成した接着層の導電率は良好となるが、マイグレーションの問題を考慮して、銀及びその他の金属からなる接合用組成物を用いることによって、マイグレーションを起こりにくくすることができる。当該「その他の金属」としては、上述のイオン化列が水素より貴である金属、即ち金、銅、白金、パラジウムが好ましい。
上記接合用組成物に用いる無機粒子の平均粒径(PL)は1〜20μmである。平均粒径(PL)が1〜20μmの無機粒子を用いることで焼結による体積収縮を低減することができ、均質かつ緻密な接合層を得ることができる。
平均粒径(PL)が1μm未満の小さな粒子を用いると低温で焼結が進行するが、粒子同士の焼結が進むと平均粒径の増加に伴い体積収縮が大きくなり、被接合体が当該体積収縮に追従できなくなる。その結果、接合層にボイド等の欠陥が発生し、接合体の接合強度及び信頼性が低下してしまう。一方、平均粒径(PL)が20μmより大きな粒子を用いると低温での焼結は殆ど進行せず、粒子間に形成される大きな空隙が焼結後も残存してしまう。
ここで、無機粒子の平均粒径(PL)は1〜15μmとすることが好ましく、1〜10μmとすることがより好ましい。低温での焼結を進行させることと粒子間に形成される空隙を焼結後に限りなく減らすといった観点から上記範囲が好ましい。
上述のとおり、無機粒子の平均粒径(PL)は、動的光散乱法又は小角X線散乱法等で測定することができる。なお、平均粒径(PL)を測定するその他の手法としては、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて撮影した写真から、50〜100個程度の粒子の粒径の算術平均値を算出する方法が挙げられる。
上記接合用組成物に用いる無機粒子の結晶子径(CL)は4〜40nmである。無機粒子の結晶子径(CL)を4〜40nmとすることで、比較的低い接合温度(例えば、300℃以下)でも結晶子径(CL)の増大に伴う焼結が進行する。
しかしながら、平均粒径(PL)が1〜20μmの無機粒子は、表面の曲率半径がミクロンオーダーであるため、高温で焼成を行わなければ粒子同士が融着しない。これに対し、本発明の接合用組成物に用いられる無機粒子では、無機粒子の表面の少なくとも一部に、1〜100nmの粒径(PS)を有する金属粒子が付着しており、粒子表面の少なくとも一部はナノメートルオーダーの曲率半径を有することとなる。この結果、無機粒子同士が低温で融着することができる。
ここで、無機粒子の結晶子径(CL)は10〜40nmとすることが好ましく、15〜40nmとすることがより好ましい。結晶子径が小さすぎると低温での焼結が進行しやすいが、仮に接合後に未焼結部分として残存した場合、熱により変化する起点となるため耐熱信頼性の観点から前述の範囲が好ましい。
本実施形態の接合用組成物における無機粒子及び金属粒子は、加熱分解して金属になる粒子を含まないことが好ましい。例えば、酸化銀や炭酸銀のように加熱分解して金属になるような粒子が含まれている場合、当該粒子が分解した際に酸素や二酸化炭素等の気体と金属粒子とを生成するため、体積収縮が大きくなる。当該体積収縮は無加圧での接合を困難とするため、加熱分解して金属になる粒子は接合用組成物の無機粒子としては用いない方が好ましい。
また、無機粒子と有機成分を、大気中で室温から550℃までの温度範囲でTG−DTA測定すると、150〜300℃における最大発熱ピークの直後に重量増加すること、が好ましい。
一般的にDTAの発熱ピークは、有機物の酸化分解であるため、粒子に付着している分散剤が分解し、粒子の焼結を意味する。その急激な焼結による発熱で、粒子自体が瞬間的に酸化するが、粒子として銀を用いる場合、銀の自己還元により還元されるため、酸化の影響はほとんどない。接合用途で使用する場合、粒子が焼結する際に被接合体の界面と接合していると推測できるが、前記重量増加があることで粒子の焼結による収縮を抑制し、接合時に加圧力を与えずとも被接合体界面との密着性が確保でき、無加圧での接合が可能となる。
更に、無機粒子と有機成分を、大気中で室温から550℃までの温度範囲でTG−DTA測定すると、150〜300℃における最大発熱ピークの直後に重量増加し、当該重量増加の最大増加率(%)が、0.2%未満となること、が好ましい。
前記重量増加であるが、その最大増加率が0.2%以上となると、接合層の歪みに直接影響する。一般的に熱は被接合体の端部から伝わるため、焼結も端部から開始される。そのため、例えば接合面積2mm×2mm以上といった広い場合では端部と中心で焼結スピードが微妙に異なってくるため、重量増加率が0.2%以上となると端部と中心では接合層が歪んだ状態で接合されることとなる。この場合、接合後の耐熱信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある。
(1−2)無機粒子の表面の少なくとも一部に付着する金属粒子
金属粒子としては、前述した無機粒子のうちの金属粒子として例示したものと同様のものを用いることができる。そして、前述した無機粒子が金属粒子(コア金属粒子)の場合、当該コア金属粒子は、表面に付着する金属粒子(表面金属粒子)と同じでも異なっていてもよい。
かかる金属としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、ビスマス、スズ、鉄並びに白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金)のうちの少なくとも1種が挙げられる。上記金属としては、金、銀、銅、ニッケル、ビスマス、スズ又は白金族元素よりなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有することが好ましく、更には、銅又は銅よりもイオン化傾向が小さい(貴な)金属、即ち、金、銀、銅、及び白金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を含有することがより好ましい。
ここで、比較的安定で長期保管することができると共に、金粒子やパラジウム粒子等と比較すると安価に製造することができることから、当該金属粒子としては銀粒子を用いることが最も好ましい。
これらの金属は単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよく、併用する方法としては、複数の金属を含む合金粒子を用いる場合や、コア−シェル構造や多層構造を有する金属粒子を用いる場合がある。
無機粒子の表面の少なくとも一部に付着する金属粒子の結晶子径は、4〜40nmであることが好ましい。金属粒子の結晶子径が4〜40nmであることで、低温での融着及び焼結がより進行しやすくなる。
更に、金属粒子の結晶子径は、7〜37nmであることがより好ましく、10〜35nmであることが最も好ましい。この範囲であることによって低温での融着及び焼結がより進行しやすくなる。
金属粒子の平均粒径(PS)は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されるものではないが、金属粒子において融点降下が生じるナノメートルサイズであることが好ましく、1〜100nmであることがより好ましい。金属粒子の平均粒径(PS)が1nm以上であれば、良好な接合層を形成可能な接合用組成物が得られ、金属粒子製造がコスト高とならず実用的である。また、100nm以下であれば、金属粒子の分散性が経時的に変化しにくく、好ましい。
更に、金属粒子の平均粒径(PS)は、5〜80nmであることがより好ましく、10〜70nmであることが最も好ましい。この範囲であることによって、低温焼結性も確保でき、粒子に付着する分散剤もその比表面積から比較的少なくできるため、良好な接合層を形成することができる。
ナノメートルサイズの金属粒子が安定に存在するためには、金属粒子の表面にある程度の有機物が必要である。有機物はアミン及び/又はカルボン酸や高分子分散剤であることが好ましい。アミンやカルボン酸は官能基が金属粒子の表面に適度の強さで吸着し、金属粒子の相互の接触を妨げるため、保管状態での金属粒子の安定性に寄与する。金属粒子の表面に吸着した有機物は加熱時に金属粒子の表面から移動及び/又は揮発することにより、金属粒子同士の融着及び基材との接合を促進すると考えられる。
金属粒子の表面の少なくとも一部には有機成分が付着しており(即ち、金属粒子の表面の少なくとも一部が有機成分で構成される有機保護層で被覆されており)、前記有機成分(有機保護層)はアミンを含むこと、が好ましい。融点降下能を示すナノメートルサイズの金属粒子を安定的に保管するためには、金属粒子の表面の少なくとも一部に有機保護層が必要である。ここで、アミンは官能基が金属粒子の表面に適度の強さで吸着することから、有機保護層として好適に用いることができる。
上記有機成分は、金属粒子に付着して当該金属粒子の凝集を防止することが可能な有機物であり、アルキルアミンと高分子分散剤で構成されることが好ましい。高分子分散剤を金属粒子の少なくとも一部に適量付着させることで金属粒子の低温焼結性を失うことなく、分散安定性を保持することができる。付着乃至は被覆の形態については特に規定しないが、本実施形態においては、分散性及び導電性等の観点から、アミンを含むことが好ましい。アミンは官能基が金属粒子の表面に適度の強さで吸着し、金属粒子の相互の接触を妨げるため、保管状態での金属粒子の安定性に寄与し、加熱時に金属粒子表面から移動及び/又は揮発することにより、金属粒子同士の融着及び基材との接合を促進すると考えられる。
ここで用いることができるアミンは特に限定されず、例えば、オレイルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘキシルアミン等のアルキルアミン(直鎖状アルキルアミン、側鎖を有していてもよい。)、N−(3−メトキシプロピル)プロパン−1,3−ジアミン、2−メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン等のアルコキシアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等のシクロアルキルアミン、アニリン等のアリルアミン等の第1級アミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン等の第2級アミン、トリプロピルアミン、ジメチルプロパンジアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、キノリン等の第3級アミン、オクチルアミン等のように炭素数が2〜20程度のものを例示することができるが、炭素数が4〜7のアミンを用いることが好ましい。炭素数が4〜7の低沸点アミンの具体例としては、ヘプチルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、及びヘキシルアミンを例示することができる。炭素数が4〜7のアミンは比較的低温で移動及び/又は揮発するため、金属粒子の低温焼結性を十分に活用することができる。金属粒子が低温焼結性を有することで、低温でも無機粒子(大きな粒子)の周囲若しくは無機粒子に対して焼結し始め、無機粒子間を充填する効果と無機粒子の焼結速度を促進する効果を発現することができる。
炭素数が5以下である短鎖アミンは分配係数logPが−1.0〜1.4であれば特に限定されず、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、また、側鎖を有していてもよい。当該短鎖アミンとしては、例えば、エチルアミン(−0.3)プロピルアミン(0.5)、ブチルアミン(1.0)、N−(3−メトキシプロピル)プロパン−1,3−ジアミン(−0.6)、1,2−エタンジアミン、N−(3−メトキシプロピル)−(−0.9)、2−メトキシエチルアミン(−0.9)、3−メトキシプロピルアミン(−0.5)、3−エトキシプロピルアミン(−0.1)、1,4−ブタンジアミン(−0.9)、1,5−ペンタンジアミン(−0.6)、ペンタノールアミン(−0.3)、アミノイソブタノール(−0.8)等が挙げられるが、なかでもアルコキシアミンを用いることが好ましい。
また、アミンは直鎖に限ることはなく、揮発温度を制御するために側鎖を有していてもよい。なお、これらの有機成分は、金属粒子と化学的あるいは物理的に結合している場合、アニオンやカチオンに変化していることも考えられ、本実施形態においては、これらの有機成分に由来するイオンや錯体等も上記有機成分に含まれる。
上記のアミンは、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、メルカプト基等の、アミン以外の官能基を含む化合物であってもよい。また、上記アミンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加えて、常温での沸点が300℃以下、更には250℃以下であることが好ましい。
金属粒子に付着する有機物としては、本発明の効果を損なわない範囲であれは、アミンに加えて、カルボン酸を含んでいてもよい。カルボン酸の一分子内におけるカルボキシル基が、比較的高い極性を有し、水素結合による相互作用を生じ易いが、これら官能基以外の部分は比較的低い極性を有する。更に、カルボキシル基は、酸性的性質を示し易い。また、カルボン酸は、本実施形態の接合用組成物中で、金属粒子の表面の少なくとも一部に局在化(付着)すると(即ち、金属粒子の表面の少なくとも一部を被覆すると)、有機成分と金属粒子とを十分に親和させることができ、金属粒子同士の凝集を防ぐ(分散性を向上させる。)。
カルボン酸としては、少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物を広く用いることができ、例えば、ギ酸、シュウ酸、酢酸、ヘキサン酸、アクリル酸、オクチル酸、オレイン酸等が挙げられる。カルボン酸の一部のカルボキシル基が金属イオンと塩を形成していてもよい。なお、当該金属イオンについては、2種以上の金属イオンが含まれていてもよい。
上記カルボン酸は、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、メルカプト基等の、カルボキシル基以外の官能基を含む化合物であってもよい。この場合、カルボキシル基の数が、カルボキシル基以外の官能基の数以上であることが好ましい。また、上記カルボン酸は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加えて、常温での沸点が300℃以下、更には250℃以下であることが好ましい。また、アミンとカルボン酸はアミドを形成する。当該アミド基も銀粒子表面に適度に吸着するため、有機成分にはアミド基が含まれていてもよい。
上記高分子分散剤としては、市販されている高分子分散剤を使用することができる。市販の高分子分散剤としては、例えば、上記市販品としては、例えば、ソルスパース(SOLSPERSE)11200、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000(日本ルーブリゾール(株)製);ディスパービック(DISPERBYK)142;ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック2155(ビックケミー・ジャパン(株)製);EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49(EFKAケミカル社製);ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453(EFKAケミカル社製);アジスパーPB711、アジスパーPA111、アジスパーPB811、アジスパーPW911(味の素社製);フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−730W、フローレンG−700、フローレンTG−720W(共栄社化学工業(株)製)等を挙げることができる。低温焼結性及び分散安定性の観点からは、ソルスパース11200、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース28000、ディスパービック142又はディスパービック2155を用いることが好ましい。
高分子分散剤の含有量は0.1〜15質量%であることが好ましい。高分子分散剤の含有量が0.1%以上であれば得られる接合用組成物の分散安定性が良くなるが、含有量が多過ぎる場合は接合性が低下することとなる。このような観点から、高分子分散剤のより好ましい含有量は0.03〜3質量%であり、更に好ましい含有量は0.05〜2質量%である。
本実施形態の接合用組成物中における金属粒子に付着する有機成分の含有量は、0.5〜50質量%であることが好ましい。有機成分含有量が0.5質量%以上であれば、得られる金属接合用組成物の貯蔵安定性が良くなる傾向があり、50質量%以下であれば、金属接合用組成物の導電性が良い傾向がある。有機成分のより好ましい含有量は1〜30質量%であり、更に好ましい含有量は2〜15質量%である。
アミンとカルボン酸とを併用する場合の組成比(質量)としては、1/99〜99/1の範囲で任意に選択することができるが、好ましくは20/80〜98/2であり、更に好ましくは30/70〜97/3である。なお、アミン又はカルボン酸は、それぞれ複数種類のアミン又はカルボン酸を用いてもよい。
金属粒子は、例えば、金属イオンソースと分散剤とを混合し、還元法によって得ることができる。この場合、添加する分散剤や還元剤の量等を最適化することによって、有機成分量を制御することができる。
金属粒子に付着する有機成分量を調整するためには、金属粒子に対する加熱処理、酸(硫酸、塩酸、及び硝酸等)による洗浄、及びアセトンやメタノール等の脂溶性有機溶剤による洗浄等を用いることができる。なお、洗浄中に超音波を印加することで、より効率的に有機成分を取り除くことができる。
(1−3)その他の有機成分等
本実施形態の接合用組成物には、不飽和炭化水素が含まれていてもよい。当該不飽和炭化水素としては、例えば、エチレン、アセチレン、ベンゼン、アセトン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−ビニルシクロヘキセン、シクロヘキサノン、テルペン系アルコール、アリルアルコール、オレイルアルコール、2−パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、チアンシ酸、リシノール酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、アラキドン酸、アクリル酸、メタクリル酸、没食子酸及びサリチル酸等が挙げられる。
これらのなかでも、水酸基を有する不飽和炭化水素が好ましい。水酸基は金属粒子の表面に配位しやすく、当該金属粒子の凝集を抑制することができる。水酸基を有する不飽和炭化水素としては、例えば、テルペン系アルコール、アリルアルコール、オレイルアルコール、チアンシ酸、リシノール酸、没食子酸及びサリチル酸等が挙げられる。好ましくは、水酸基を有する不飽和脂肪酸であり、例えば、チアンシ酸、リシノール酸、没食子酸及びサリチル酸等が挙げられる。
前記不飽和炭化水素はリシノール酸であることが好ましい。リシノール酸はカルボキシル基とヒドロキシル基とを有し、金属粒子の表面に吸着して当該金属粒子を均一に分散させると共に、金属粒子の融着を促進する。
また、本実施形態の接合用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、使用目的に応じた適度な粘性、密着性、乾燥性又は印刷性等の機能を付与するために、分散媒や、例えばバインダーとしての役割を果たすオリゴマー成分、樹脂成分、有機溶剤(固形分の一部を溶解又は分散していてよい。)、界面活性剤、増粘剤又は表面張力調整剤等の任意成分を添加してもよい。かかる任意成分としては、特に限定されない。
任意成分のうちの分散媒としては、本発明の効果を損なわない範囲で種々のものを使用可能であり、例えば炭化水素及びアルコール等が挙げられる。
炭化水素としては、脂肪族炭化水素、環状炭化水素及び脂環式炭化水素等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族炭化水素としては、例えば、テトラデカン、オクタデカン、ヘプタメチルノナン、テトラメチルペンタデカン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トリデカン、メチルペンタン、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素が挙げられる。
環状炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
更に、脂環式炭化水素としては、例えば、リモネン、ジペンテン、テルピネン、ターピネン(テルピネンともいう。)、ネソール、シネン、オレンジフレーバー、テルピノレン、ターピノレン(テルピノレンともいう。)、フェランドレン、メンタジエン、テレベン、ジヒドロサイメン、モスレン、イソテルピネン、イソターピネン(イソテルピネンともいう。)、クリトメン、カウツシン、カジェプテン、オイリメン、ピネン、テレビン、メンタン、ピナン、テルペン、シクロヘキサン等が挙げられる。
また、アルコールは、OH基を分子構造中に1つ以上含む化合物であり、脂肪族アルコール、環状アルコール及び脂環式アルコールが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、OH基の一部は、本発明の効果を損なわない範囲でアセトキシ基等に誘導されていてもよい。
脂肪族アルコールとしては、例えば、ヘプタノール、オクタノール(1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール等)、デカノール(1−デカノール等)、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタデシルアルコール、ヘキサデセノール、オレイルアルコール等の飽和又は不飽和C6-30脂肪族アルコール等が挙げられる。
環状アルコールとしては、例えば、クレゾール、オイゲノール等が挙げられる。
更に、脂環式アルコールとしては、例えば、シクロヘキサノール等のシクロアルカノール、テルピネオール(α、β、γ異性体、又はこれらの任意の混合物を含む。)、ジヒドロテルピネオール等のテルペンアルコール(モノテルペンアルコール等)、ジヒドロターピネオール、ミルテノール、ソブレロール、メントール、カルベオール、ペリリルアルコール、ピノカルベオール、ソブレロール、ベルベノール等が挙げられる。
本実施形態の接合用組成物中に分散媒を含有させる場合の含有量は、粘度などの所望の特性によって調整すれば良く、接合用組成物中の分散媒の含有量は、1〜30質量%であるのが好ましい。分散媒の含有量が1〜30質量%であれば、接合用組成物として使いやすい範囲で粘度を調整する効果を得ることができる。分散媒のより好ましい含有量は1〜20質量%であり、更に好ましい含有量は1〜15質量%である。
樹脂成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ブロックドイソシアネート等のポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、メラミン系樹脂又はテルペン系樹脂等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤としては、上記の分散媒として挙げられたものを除き、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、重量平均分子量が200以上1,000以下の範囲内であるポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、重量平均分子量が300以上1,000以下の範囲内であるポリプロピレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、グリセリン又はアセトン等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
増粘剤としては、例えば、クレイ、ベントナイト又はヘクトライト等の粘土鉱物、例えば、ポリエステル系エマルジョン樹脂、アクリル系エマルジョン樹脂、ポリウレタン系エマルジョン樹脂又はブロックドイソシアネート等のエマルジョン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、キサンタンガム又はグアーガム等の多糖類等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記有機成分とは異なる界面活性剤を添加してもよい。多成分溶媒系の金属粒子分散液においては、乾燥時の揮発速度の違いによる被膜表面の荒れ及び固形分の偏りが生じ易い。本実施形態の接合用組成物に界面活性剤を添加することによってこれらの不利益を抑制し、均一な導電性被膜を形成することができる接合用組成物が得られる。
本実施形態において用いることのできる界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも用いることができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。少量の添加量で効果が得られるので、フッ素系界面活性剤が好ましい。
なお、有機成分量を所定の範囲に調整する方法としては、加熱を行って調整するのが簡便である。また、金属粒子を作製する際に添加する有機成分の量を調整することで行ってもよく、金属粒子調整後の洗浄条件や回数を変えてもよい。加熱はオーブンやエバポレーターなどで行うことができ、減圧下で行ってもよい。常圧下で行う場合は、大気中でも不活性雰囲気中でも行うことができる。更に、有機成分量の微調整のために、上記アミン(及びカルボン酸)を後で加えることもできる。
本実施形態の接合用組成物の粘度は、固形分の濃度は本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整すればよいが、例えば0.01〜5000Pa・Sの粘度範囲であればよく、0.1〜1000Pa・Sの粘度範囲がより好ましく、1〜100Pa・Sの粘度範囲であることが特に好ましい。当該粘度範囲とすることにより、基材上に接合用組成物を塗布する方法として幅広い方法を適用することができる。
基材上に接合用組成物を塗布する方法としては、例えば、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー方式、バーコート法、スピンコート法、インクジェット法、ディスペンサー法、ピントランスファー法、刷毛による塗布方式、流延法、フレキソ法、グラビア法、オフセット法、転写法、親疎水パターン法、又はシリンジ法等のなかから適宜選択して採用することができるようになる。
粘度の調整は、金属粒子の粒径の調整、有機物の含有量の調整、分散媒その他の成分の添加量の調整、各成分の配合比の調整、増粘剤の添加等によって行うことができる。接合用組成物の粘度は、例えば、コーンプレート型粘度計(例えばアントンパール社製のレオメーターMCR301)により測定することができる。
(2)接合用組成物の製造
本実施形態の接合用組成物を製造するためには、主成分としての、表面の少なくとも一部に金属粒子が付着した無機粒子とその他の成分とを調製及び混合する必要がある。
表面の少なくとも一部に金属粒子が付着した無機粒子は、平均粒径(PL)が1〜20μmの無機粒子の存在下で金属粒子を合成することで得ることができる。例えば、無機粒子として銀粒子を用い、当該銀粒子の表面に微細な銀粒子を付着させる場合、市販のミクロンサイズの銀粒子、シュウ酸銀、及びアミン等を混合し、恒温槽で反応させることで所望の無機粒子を好適に得ることができる。
有機成分で被覆された金属粒子を調製する方法としては、特に限定されないが、例えば、金属粒子を含む分散液を調製し、次いで、その分散液の洗浄を行う方法等が挙げられる。金属粒子を含む分散液を調製する工程としては、例えば、下記のように、溶媒中に溶解させた金属塩(又は金属イオン)を還元させればよく、還元手順としては、化学還元法に基づく手順を採用すればよい。
即ち、上記のような有機成分で被覆された金属粒子は、例えば、金属粒子を構成する金属の金属塩と、分散剤としての有機物と、溶媒(基本的にトルエン等の有機系であるが、水を含んでいてもよい。)と、を含む原料液(成分の一部が溶解せず分散していてもよい。)を還元することにより調製することができる。当該還元によって、有機成分が表面の少なくとも一部に付着した金属粒子を得ることができる。
有機物で被覆された金属粒子を得るための出発材料としては、種々の公知の金属塩又はその水和物を用いることができ、例えば、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、酸化銀、酢酸銀、シュウ酸銀、ギ酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀等の銀塩;例えば、塩化金酸、塩化金カリウム、塩化金ナトリウム等の金塩;例えば、塩化白金酸、塩化白金、酸化白金、塩化白金酸カリウム等の白金塩;例えば、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム等のパラジウム塩等が挙げられるが、適当な分散媒中に溶解し得、かつ還元可能なものであれば特に限定されない。また、これらは単独で用いても複数併用してもよい。
また、上記原料液においてこれらの金属塩を還元する方法は特に限定されず、例えば、還元剤を用いる方法、紫外線等の光、電子線、超音波又は熱エネルギーを照射する方法等が挙げられる。なかでも、操作の容易の観点から、還元剤を用いる方法が好ましい。
上記還元剤としては、例えば、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニドン、ヒドラジン等のアミン化合物;例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヨウ素化水素、水素ガス等の水素化合物;例えば、一酸化炭素、亜硫酸等の酸化物;例えば、硫酸第一鉄、酸化鉄、フマル酸鉄、乳酸鉄、シュウ酸鉄、硫化鉄、酢酸スズ、塩化スズ、二リン酸スズ、シュウ酸スズ、酸化スズ、硫酸スズ等の低原子価金属塩;例えば、エチレングリコール、グリセリン、ホルムアルデヒド、ハイドロキノン、ピロガロール、タンニン、タンニン酸、サリチル酸、D−グルコース等の糖等が挙げられるが、分散媒に溶解し上記金属塩を還元し得るものであれば特に限定されない。上記還元剤を使用する場合は、光及び/又は熱を加えて還元反応を促進させてもよい。
上記金属塩、有機成分、溶媒及び還元剤を用いて、有機物で被覆された金属粒子を調製する具体的な方法としては、例えば、上記金属塩を有機溶媒(例えばトルエン等)に溶かして金属塩溶液を調製し、当該金属塩溶液に分散剤としての有機物を添加し、ついで、ここに還元剤が溶解した溶液を徐々に滴下する方法等が挙げられる。
上記のようにして得られた分散剤としての有機成分で被覆された金属粒子を含む分散液には、金属粒子の他に、金属塩の対イオン、還元剤の残留物や分散剤が存在しており、液全体の電解質濃度が高い傾向にある。このような状態の液は、電導度が高いため、金属粒子の凝析が起こり、沈殿し易い。あるいは、沈殿しなくても、金属塩の対イオン、還元剤の残留物、又は分散に必要な量以上の過剰な分散剤が残留していると、導電性を悪化させるおそれがある。そこで、上記金属粒子を含む溶液を洗浄して余分な残留物を取り除くことにより、有機物で被覆された金属粒子を確実に得ることができる。
上記洗浄方法としては、例えば、有機成分で被覆された金属粒子を含む分散液を一定時間静置し、生じた上澄み液を取り除いた上で、アルコール(メタノール等)を加えて再度撹枠し、更に一定期間静置して生じた上澄み液を取り除く工程を幾度か繰り返す方法、上記の静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過装置やイオン交換装置等により脱塩する方法等が挙げられる。このような洗浄によって有機溶媒を除去することにより、本実施形態の有機成分で被覆された金属粒子を得ることができる。
接合用組成物は、上述の無機粒子、有機成分で被覆された金属粒子、及びその他の成分を混合することにより得られる。かかる混合方法は特に限定されるものではなく、撹拌機やスターラー等を用いて従来公知の方法によって行うことができる。スパチュラのようなもので撹拌したりして、適当な出力の超音波ホモジナイザーを当ててもよい。
有機成分量及び重量減少率の調整方法は、特に限定しないが、加熱を行って調整するのが簡便である。また、金属粒子を作製する際に添加する有機成分の量を調整することで行ってもよく、金属粒子調整後の洗浄条件や回数を変えてもよい。加熱はオーブンやエバポレーター等で行うことができる。加熱温度は50〜300℃程度の範囲であればよく、加熱時間は数分間〜数時間であればよい。加熱は減圧下で行ってもよい。減圧下で加熱することで、より低い温度で有機物量の調整を行うことができる。常圧下で行う場合は、大気中でも不活性雰囲気中でも行うことができる。更に、有機分量の微調整のためにアミンやカルボン酸を後で加えることもできる。
なお、接合用組成物に含まれる有機成分とその量については、例えば、(株)リガク製のTG−DTA/GC−MSを用いた測定により確認することができる。この測定の条件については適宜調整すればよいが、例えば、10mgの試料を大気中で室温〜550℃(昇温速度10℃/min)まで保持した際のTG−DTA/GC−MS測定を行えばよい。
また、金属粒子をメタノールで洗浄し、遠心分離(例えば、3300rpmで2分間)で再度沈降させた後、上澄みを取り除き、減圧乾燥することによって粒子固形分を得ることができる。得られた粒子固形分についてTG−DTA/GC−MS測定することにより、金属粒子の表面に付着している有機成分とその量を特定することができる。
(3)接合方法
本実施形態の接合用組成物を用いれば、加熱を伴う部材同士の接合において高いせん断強度と信頼性を得ることができる。ここで、接合信頼性とは、接合体の機械的特性等が長期間維持されることを意味し、例えば、多数のヒートサイクルの印加によっても接合体の機械的特性等が低下し難いことを意味している。
本実施形態の接合用組成物を用いた接合方法としては、例えば、接合用組成物を第一の被接合部材である金属体と第二の被接合部材である金属体との間に塗布する接合用組成物塗布工程と、第一の金属体と第二の金属体との間に塗布した接合用組成物を、所望の温度(例えば300℃以下)で焼成して接合する(接合層を形成する)接合工程と、により、第一の金属体と第二の金属体とを接合することができる。この際、加圧することもできるが、特に加圧しなくともある程度の接合強度を得ることができるのも本発明の利点のひとつである。また、焼成を行う際、段階的に温度を上げたり下げたりすることもできる。また、予め被接合部材表面に界面活性剤又は表面活性化剤等を塗布しておくことも可能である。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、前記接合用組成物塗布工程での接合用組成物として、上述した本実施形態の接合用組成物を用いれば、第一の金属体と第二の金属体とを、高い接合強度をもってより確実に接合でき(緻密な接合層が形成され)、得られた接合体が高い接合信頼性を有することを見出した。
ここで、本実施形態の接合用組成物の「塗布」とは、接合用組成物を面状に塗布する場合も線状に塗布(描画)する場合も含む概念である。塗布されて、加熱により焼成される前の状態の接合用組成物からなる塗膜の形状は、所望する形状にすることが可能である。したがって、加熱による焼成後の本実施形態の接合体では、接合用組成物は、面状の接合層及び線状の接合層のいずれも含む概念であり、これら面状の接合層及び線状の接合層は、連続していても不連続であってもよく、連続する部分と不連続の部分とを含んでいてもよい。
本実施形態において用いることのできる第一の金属体及び第二の金属体としては、接合用組成物を塗布して加熱により焼成して接合することのできるものであればよく、特に制限はないが、接合時の温度により損傷しない程度の耐熱性を具備した部材であるのが好ましい。
このような金属体を構成する材料としては、種々の金属を挙げることができる。被接合部材として金属体が好ましいのは、耐熱性に優れているとともに、無機粒子が金属である本発明の接合用組成物との親和性に優れているからである。また、被接合部材は、例えば板状又はストリップ状等の種々の形状であってよく、リジッドでもフレキシブルでもよい。基材の厚さも適宜選択することができる。接着性若しくは密着性の向上又はその他の目的ために、表面層が形成された部材や親水化処理等の表面処理を施した部材を用いてもよい。
接合用組成物を被接合部材に塗布する工程では、種々の方法を用いることが可能であるが、上述のように、例えば、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー式、バーコート式、スピンコート式、インクジェット式、ディスペンサー式、ピントランスファー法、刷毛による塗布方式、流延式、フレキソ式、グラビア式、又はシリンジ式等のなかから適宜選択して用いることができる。
上記のように塗布した後の塗膜を、被接合部材を損傷させない範囲で、例えば300℃以下の温度に加熱することにより焼成し、本実施形態の接合体を得ることができる。本実施形態においては、先に述べたように、本実施形態の接合用組成物を用いるため、被接合部材に対して優れた密着性を有する接合層が得られ、強い接合強度がより確実に得られる。なお、接合層の厚さは塗膜の厚さによって容易に制御することができる。
本実施形態においては、接合用組成物がバインダー成分を含む場合は、接合層の強度向上及び被接合部材間の接合強度向上等の観点から、バインダー成分も焼結することになるが、場合によっては、各種印刷法へ適用するために接合用組成物の粘度を調整することをバインダー成分の主目的として、焼成条件を制御してバインダー成分を全て除去してもよい。
上記焼成を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば従来公知のオーブン等を用いて、被接合部材上に塗布又は描画した上記接合用組成物の温度が、例えば300℃以下となるように焼成することによって接合することができる。上記焼成の温度の下限は必ずしも限定されず、被接合部材同士を接合できる温度であって、かつ、本発明の効果を損なわない範囲の温度であることが好ましい。ここで、上記焼成後の接合用組成物においては、なるべく高い接合強度を得るという点で、有機物の残存量は少ないほうがよいが、本発明の効果を損なわない範囲で有機物の一部が残存していても構わない。
ここで、本発明の金属体の接合方法においては、接合雰囲気を大気又は大気窒素混合雰囲気とし、当該接合雰囲気下において室温から500℃までの温度範囲で、無機粒子及び有機成分をTMA測定すると、室温からの寸法変化率が−1.0〜1.0%となる温度を接合温度とすること、が好ましい。
接合雰囲気下において室温から500℃までの温度範囲で、無機粒子及び有機成分をTMA測定した際の、室温からの寸法変化率を−1.0%以上とすることで、無加圧にて接合を行った場合に被接合体界面との密着性が確保することができ、1.0%以下とすることで、接合体への熱履歴による残留応力を低減することができる。
また、本発明の金属体の接合方法においては、接合温度を、接合雰囲気下において室温から500℃までの温度範囲で、無機粒子及び有機成分をTG−DTA測定した場合、最大発熱ピークが発生する温度以上とすること、が好ましい。
接合温度を最大発熱ピークが発生する温度以上とすることで、焼結が進むため接合することができる。
なお、本発明の接合用組成物には、有機物が含まれているが、従来の例えばエポキシ樹脂等の熱硬化を利用したものと異なり、有機物の作用によって焼成後の接合強度を得るものではなく、前述したように融着した金属粒子の融着によって十分な接合強度が得られるものである。このため、接合後において、接合温度よりも高温の使用環境に置かれて残存した有機物が劣化ないし分解・消失した場合であっても、接合強度の低下するおそれはなく、したがって耐熱性に優れている。
本実施形態の接合用組成物によれば、例えば300℃程度の低温加熱による焼成でも高い導電性を発現する接合層を有する接合を実現することができるため、比較的熱に弱い被接合部材同士を接合することができる。また、焼成時間は特に限定されるものではなく、焼成温度に応じて、接合できる焼成時間であればよい。
本実施形態においては、上記被接合部材と接合層との密着性を更に高めるため、上記被接合部材の表面処理を行ってもよい。上記表面処理方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、UV処理、電子線処理等のドライ処理を行う方法、基材上にあらかじめプライマー層や導電性ペースト受容層を設ける方法等が挙げられる。
(4)金属接合体
本実施形態の金属接合体は、上述の接合用組成物及び接合方法を用いて製造することができる。本実施形態の金属接合体は、本発明の接合用組成物を使用して2つの金属体の面同士を接合した金属接合体であって、接合層の厚さが30〜150μmである金属接合体である。当該接合層は無機粒子及び金属粒子で構成されているため、はんだと異なり、焼結後の融点はバルク材と同程度になる。よって、はんだによって形成された接合層と比較するとより高温での冷熱衝撃信頼性を有している。
加えて、接合層の厚さを30〜150μmとすることで、接合層が緻密になると共に、被接合体の熱膨張係数との差に起因する熱応力を緩和することができることから、高い接合信頼性を有している。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の接合用組成物及びそれを用いた金属接合体について更に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
≪実施例1≫
高分子分散剤であるソルスパース16000を0.05gと、ヘキシルアミン(和光純薬工業株式会社製の特級試薬)8.0gと、ドデシルアミン(和光純薬工業株式会社製の試薬一級)0.40gと、を混合し、マグネティックススターラーで十分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながらシュウ酸銀6.0gと三井金属鉱業株式会社製の銀粒子(カタログ平均粒径:3μm)10.0gを添加し、増粘させた。得られた粘性物質を120℃の恒温槽に入れ、約15分間反応させた。
次に、懸濁液の分散媒を置換するため、メタノール10mlを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子で表面を被覆された銀粒子を沈殿させて分離し、上澄みを除去した。当該置換処理をもう一度繰り返した後、得られた銀微粒子で表面を被覆された銀粒子15gに分散媒としてトリデカノール1gを加えて撹拌混合し、接合用組成物1を得た。接合用組成物1を用いて下記の各種評価試験を行い、結果を表1に示した。
[評価試験]
(1)無機粒子の平均粒径(PL)及び金属粒子の粒径(PS)の測定
少量の接合用組成物1を10mlのトルエンで希釈し、株式会社堀場製作所製のLB−550を用いて動的光散乱法(DLS)にて(PL)を測定した。また、(PS)は銀粒子を添加せずに合成し、測定した。
(2)無機粒子の結晶子径(CL)及び金属粒子の結晶子径(CS)の測定
接合用組成物1について、理学電機株式会社製のRINT−UltimaIIIを用いて、広角X線回折法にて測定した。2θが30〜80°の範囲で測定を行い、得られた回折スペクトルで最大の強度を示す約38°(111面)の半値幅を上述のシェラー式に代入し、結晶子径(CL)を求めた。また(CS)は銀粒子を添加せずに合成し、測定した。
(3)接合信頼性試験
接合用組成物1を金めっきしたアルミナ基板(20mm角)にメタルマスク(板厚70μm)を用いて5mm角に塗布し、その上に、金めっきを施したシリコンチップ(底面積5mm×5mm)を積層した。得られた積層体を常温のマッフル炉に入れ、300℃まで昇温して30分間の焼成処理を行った。なお、焼成処理の際は0.5MPaの加圧を行った。自然冷却後に積層体(金属接合体)を取り出し、冷熱衝撃試験機(ヒューテック株式会社製のJTS−615−64A)に入れ、−40℃と250℃で各30分間の保持を1サイクルとする条件を用い、任意のサイクル数で取り出した。その後、ボンドテスター(レスカ株式会社製のModel:PTR−1101)を用いて接合強度測定を行い、500サイクル後の接合強度が0サイクル時の接合強度に対して低下した場合は(×)、低下していない場合は(○)と判定した。なお、接合層の厚さは50μmであった。
(4)ボイド率の測定
焼成処理の際に加圧を行わなかったこと以外は(3)と同様の焼成条件で得られた金属接合体について、日本クラウトクレーマー株式会社製の超音波探傷装置(μ−SDS)を用いて、探触子:80MHz,φ3mm,PF=10mmの条件でボイド率を評価した。接合界面での反射ピークが最も高くなるように微調整を行い、材質音速=Cu:4800mm/sとして測定を行った。なお、反射強度の閾値を55%とし、それ以上をボイドとみなしてボイド率を得た。
≪実施例2≫
3−エトキシプロピルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬特級)8.0gとドデシルアミ
ン(和光純薬工業(株)製の試薬一級)0.40gを混合し、マグネティックススターラーで
十分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながらシュウ酸銀6.0gと三井金属鉱業製銀粒子(還元粉、D50=1.5μm)10gを添加し、増粘させた。得られた粘性物質を120℃の恒温槽に入れ、約15分間反応させた。懸濁液の分散媒を置換するため、メタノール10mlを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子で表面を被覆された銀粒子を沈殿させて分離し、上澄みを捨てた。この操作をもう一度繰り返した後、銀微粒子で表面を被覆された銀粒子15gに分散媒としてトリデカノール1gを加えて撹拌混合し、接合用組成物2を得た。接合用組成物2を用いて下記の各種評価試験を行い、結果を表2に示した。
[評価試験]
(1)接合強度測定
接合用組成物2を金メッキした銅板(20mm角)にメタルマスクを用いて5mm角に塗布し、その上に、金メッキを施したSiチップ(底面積5mm×5mm)を積層した。その後、得られた積層体を、リフロー炉(シンアペックス製)に入れ、大気中で昇温から取り出しまで計60分、最大温度230℃にて焼成処理を行った。なお、焼成処理の際、加圧は行わず無加圧で行った。積層体を取り出した後、常温にてボンドテスター(レスカ社製)を用いて接合強度試験を行った。
(2)ボイド率測定
焼成処理の際、外力を印加しなかった積層体を日本クラウトクレーマー製の超音波探傷装置(探触子 80MHz・φ3mm・PF=10mm)にてボイドを評価した。接合界面での反射ピークが最も高くなるところに微調整し、材質音速=Cu:4800mm/sとして測定した。ボイド率は反射強度の閾値55%とし、それ以上をボイドと見做した。
(3)高温信頼性
(1)で焼成した積層体を冷熱衝撃試験機(ヒューテック製)に入れ、−40℃と200℃でそれぞれ10分間保持するサイクルを1サイクルとし、任意のサイクル数で取り出した。20サイクル後のボイド率が0サイクルに対して大きく増加した場合は×、多少の増加が認められた場合は△、変化していない場合は○と判定した。
(4)メッキ無しCu基板での高温信頼性
接合用組成物2をメッキ無しの無酸素銅板(20mm角)にメタルマスクを用いて5mm角に塗布し、その上に、金メッキを施したSiチップ(底面積5mm×5mm)を積層した。その後、当該積層体を、リフロー炉(シンアペックス製)に入れ、窒素を流しながら、昇温から取り出しまで計60分、最大温度250℃で焼成処理を行った。焼成後の酸素濃度は0.1%であった。なお、焼成処理の際、加圧は行わずに無加圧とした。積層体を取り出した後、ボンドテスター(レスカ社製)を用いた常温での接合強度試験及び冷熱衝撃試験を行った。冷熱衝撃試験はヒューテック製の冷熱衝撃試験機を用い、−40℃と200℃でそれぞれ10分間保持するサイクルを1サイクルとし、任意のサイクル数で取り出した。20サイクル後のボイド率が0サイクルに対して大きく増加した場合は×、多少の増加が認められた場合は△、変化していない場合は○と判定した。
(5)寸法変化率測定
分散媒を含まない1gの接合用組成物1を、5×20mmのダイスに挿入し、20kNでプレスして作製した試験片について、TMA(リガク社製,TMA8310)を用いて評価を行った。大気中、昇温速度5℃/分の条件で室温から500℃まで測定を行い、試験片長の室温からの変化率を寸法変化率とした。
≪実施例3≫
3−エトキシプロピルアミンの代わりに3−メトキシプロピルアミン(和光純薬工業(株)製の試薬特級)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして接合用組成物3を調整し、各種評価を行った。得られた結果を表2に示した。
≪実施例4≫
トリデカノールの代わりにブチルカルビトールアセテートを用いたこと以外は、実施例3と同様にして接合用組成物4を調整し、各種評価を行った。得られた結果を表2に示した。
≪実施例5≫
1.5μmの銀粒子の代わりに三井金属鉱業製の銀粒子(還元粉、D50=3.0μm)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして接合用組成物5を調整し、各種評価を行った。得られた結果を表2に示した。
≪実施例6≫
Cu基板との接合で窒素流量を調整し、焼成後の酸素濃度を1%としたこと以外は、実施例3と同様にして接合用組成物6を調整し、各種評価を行った。得られた結果を表2に示した。
≪実施例7≫
Cu基板との接合で窒素流量を調整し、焼成後の酸素濃度を5%としたこと以外は、実施例3と同様にして接合用組成物7を調整し、各種評価を行った。得られた結果を表2に示した。
≪実施例8≫
焼成処理の最大温度を250℃としたこと以外は、実施例2と同様にして接合用組成物8を調整し、各種評価を行った。得られた結果を表3に示した。
≪比較例1≫
平均粒径のカタログ値が3μmの銀粒子の代わりに平均粒径のカタログ値が0.3μmの銀粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較接合用組成物1を調整し、各種評価を行った。得られた結果を表1に示した。
≪比較例2≫
高分子分散剤であるソルスパース16000を0.40gと、ヘキシルアミン(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)2.0gと、ドデシルアミン(和光純薬工業株式会社製,試薬一級)0.40gと、を混合し、マグネティックススターラーで十分に撹拌した。ここに、撹拌を行いながらシュウ酸銀6.0gを添加し、増粘させた。得られた粘性物質を100℃の恒温槽に入れ、約15分間反応させた。
次に、懸濁液の分散媒を置換するため、メタノール10mlを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子を沈殿させて分離し、上澄みを除去した。得られた銀微粒子5gに分散媒としてジヒドロターピニルアセテート1gを加えて撹拌混合し、銀コロイド分散液を得た。三井金属株式会社製の銀粒子(カタログ平均粒径:3μm)に付着している有機成分や無機成分等の不純物を取り除くために、銀粒子を10g秤量し、濃度35%の硝酸0.1mlをイオン交換水で100mlにメスアップした水溶液50mlに投入した。超音波処理を施した後、遠心分離にて銀粒子を沈降させ、上澄みを除去した。その後、ダイヤフラムポンプでメタノールを除去し、得られた銀粒子とジヒドロターピニルアセテート0.5gを銀コロイド分散液に混合し、比較接合用組成物2を得た。実施例1と同様に各種評価を行い、結果を表1に示した。
≪比較例3≫
平均粒径1.5μmの銀粒子を三井金属鉱業製の銀粒子(還元粉、D50=8.5μm)としたこと以外は、実施例2と同様にして比較接合用組成物3を調整し、各種評価を行った。得られた結果を表3に示した。なお、表3においては、接合強度が20MPa以上を○、20MPa未満を×としている。
Figure 2015162881
平均粒径が3.0μmの銀粒子の表面に平均粒径が45nmの銀微粒子が付着した粒子を含有する接合用組成物1を用いた場合は、接合層のボイド率が1%と極めて低く、高い接合信頼性を有している。これに対し、表面に平均粒径が45nmの銀微粒子が付着しているものの、平均粒径が0.3μmと小さな銀粒子を用いている比較接合用組成物1の場合、ボイド率が50%と大きく、十分な接合信頼性が得られていない。また、平均粒径が50nmの銀微粒子と平均粒径が3.0μmの銀粒子を共に含有しているが、銀粒子の表面に銀微粒子が付着するように設計されていない比較接合用組成物2を用いた場合においても、ボイド率が20%と大きく、十分な接合信頼性が得られていない。
接合用組成物1を用い、実施例1と同様の方法で接合層の厚さを10〜200μmの範囲で変化させた金属接合体を作製した。当該金属接合体について接合信頼性試験を行い、得られた結果を表4に示した。なお、接合層の厚さは接合用組成物1の塗布量によって制御した。
Figure 2015162881
DTAピーク後に重量増加が認められる本発明の接合用組成物2〜接合用組成物7を用いた場合は、20MPa以上の高い接合強度、低いボイド率、及び良好な高温信頼性を有していることが分かる。加えて、当該特性はAuメッキを施したCu基板に対してのみならず、Auメッキ処理を施していないCu基板に対しても維持されている。
Figure 2015162881
分散媒を含まない接合用組成物2及び接合用組成物8は極めて小さな寸法変化率を示し、接合用組成物2及び接合用組成物3を用い、本発明の金属体の接合方法を用いた実施例2及び実施例8は、高い接合強度と高温信頼性を有している。これに対し、比較例3ではボイド率が高く、接合強度及び高温信頼性が十分に得られていない。
Figure 2015162881
接合層の厚さが30〜150μmの範囲においては、高い接合信頼性が得られている。これに対し、接合層の厚さが30μm未満の場合(10μm及び20μm)、及び150μmよりも大きな場合(200μm)の場合においては、500サイクルの冷熱衝撃試験によって接合強度が低下しており、十分な接合信頼性が得られていない。

Claims (5)

  1. 無機粒子、有機成分及び分散媒を含むペースト状の接合用組成物であって、
    前記無機粒子の平均粒径及び結晶子径がそれぞれ1〜20μm及び4〜40nmであり、
    前記無機粒子の表面の少なくとも一部に、1〜100nmの粒径を有する金属粒子が付着していること、
    を特徴とする接合用組成物。
  2. 前記金属粒子の結晶子径が4〜40nmであること、
    を特徴とする請求項1に記載の接合用組成物。
  3. 前記金属粒子が銀粒子であること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の接合用組成物。
  4. 前記無機粒子が銀粒子であること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の接合用組成物。
  5. 請求項1に記載の接合用組成物を使用して2つの金属体の面同士を接合した金属接合体であって、
    前記金属接合体の接合層の厚さが30〜150μmであること、
    を特徴とする金属接合体。
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