JP7434786B2 - 銅/酸化銅微粒子ペースト - Google Patents

銅/酸化銅微粒子ペースト Download PDF

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本発明は、複数の金属製部材を相互に接合するための接合用材料であって、銅/酸化銅微粒子を接合の主剤とする接合用材料に関する。
近年、ナノメートルレベルの金属微粒子が通常の塊状金属(金属バルク)とは異なる熱的、磁気的性質を示すことが明らかとなり、これらの性質を利用した新規な反応や素材開発が盛んに行われている。
ナノメートルレベルの金属微粒子は、一般的なミリメートルオーダーの金属粉末とは異なり、元素単体が示す融点より著しく低温で相互融着する性質を有する。そのため、焼結時の温度を低温化する点から、粒子径の小さい金属粒子を用いることが検討されている。
金属微粒子を用いた接合は、高温条件下での高い信頼性が期待できる。金属微粒子は、パワー半導体の接合や、自動車のエンジンルームのような高温環境で用いられる回路実装用の接合に好適に用いることができる。また、金属微粒子同士が融着しバルク化した場合、バルク材料の融点まで再溶融しないので、二次実装を行う場合に、接合が安定であるという性質も実用上の価値である。
金属微粒子は、溶剤又は/及び樹脂に分散させることにより、インキ化・塗料化することができ、各種印刷やディスペンサ等を用いて容易に取り扱うことができる。
金属微粒子の種類としては、金、銀、銅、ニッケル等の様々な金属微粒子材料が知られている。それらの中でも銅は、製造時の安全性、原料価格、耐マイグレーション特性、分散体の分散安定性に優れており、これらの点から特に注目されている。
銅の融点は1000℃を超えるが、100nm以下の粒子径を有する銅微粒子は、350℃以下の温度において融着が進行し、バルク化できる利点がある。
しかし、銅は金、銀などの金属と比較して酸化しやすく、特に微粒子化された銅はその比表面積の大きさから酸化がより促進される。中でも、100nm以下の粒子径を有する銅微粒子は、比表面積が非常に大きく大気中で容易に酸化する。
銅微粒子が酸化した場合、銅微粒子の最表面には、結晶性の高いキュプライト(亜酸化銅、酸化銅(I))の層が形成される。このキュプライト層は、銅微粒子同士の融着を阻害する。したがって、キュプライト層を有する銅微粒子同士を350℃以下の温度で融着・接合させることはできない。
この銅微粒子同士を融着・接合させるには、
(1)銅微粒子の焼結に水素混合ガスやギ酸蒸気を使用して銅微粒子表面のキュプライト層を銅へ還元させる(特許文献1、特許文献2)、
(2)キュプライト層が形成されないように、銅微粒子の取り扱い工程を不活性ガス雰囲気下で行う、
(3)金属錯体の熱分解を用いて銅へ還元させる(特許文献3)、
(4)銅微粒子を貴金属で被覆することにより銅微粒子表面のキュプライト層の発生を防止する方法(特許文献4)
が知られている。
特許第6544840号公報 特開2015-214722号公報 特開2017-124986号公報 特開2007-227156号公報
従来の耐酸化性を有する銅微粒子は、金属微粒子の保護剤種、平均粒子径、結晶子径等で規定されているに過ぎず、銅微粒子の酸化度合い及び銅微粒子の酸化と接合強度との関係について、すなわち銅微粒子の酸化度合い及び銅微粒子の酸化と接合強度との関係については何ら知られていなかった。
更に、X線回折による面指数CuO(111)とCu(111)におけるピーク強度比[CuO(111)/Cu(111)]、又は/及びX線回折による面指数CuO(111)とCu(111)におけるピーク強度比[CuO(111)/Cu(111)]が銅微粒子を接合部材に用いた際の接合強度に影響を及ぼすことは何ら知られておらず、またこれらを規定することで良好な接合強度を示す銅微粒子も知られていなかった。
また、粒子径が100nm以上である場合、粒子の表面エネルギーの低下により、350℃以下での融着・接合は難しい。
本発明が解決しようとする課題は、低温焼結による融着・接合が可能な銅/酸化銅微粒子を提供することである。
本発明は、金属との接合に用いる銅微粒子又は銅微粒子分散体である。
以下に、本発明について具体的に記述する。
(1)平均一次粒子径(DTEM)が100nm未満である銅微粒子であって、
CuのKα線を線源としたX線回折において得られる、CuOの面指数(111)面のピーク強度値を、Cuの面指数(111)面のピーク強度値で除した値が、0.008以上0.3以下であることを特徴とする銅/酸化銅微粒子。
(2)平均一次粒子径(DTEM)が100nm未満である銅微粒子であって、
CuのKα線を線源としたX線回折において得られる、CuOの面指数(111)面のピーク強度値を、Cuの面指数(111)面のピーク強度値で除した値が、0.005以上0.03以下であることを特徴とする銅/酸化銅微粒子。
(3)CuのKα線を線源としたX線回折において得られる、Cuの面指数(111)における結晶子径(Dx(111))が、50nm以下である(1)または(2)いずれか記載の銅/酸化銅微粒子。
(4)(1)から(3)いずれか記載の銅/酸化銅微粒子と、
アミノ基、カルボニル基、チオール基、チオエーテル基、リン酸基のうち少なくとも一種以上の官能基を有し、かつ、分子量が1000以上の化合物と、
を含むことを特徴とする銅/酸化銅微粒子分散体を用いた導電材料又は導電性ピラー。
(5)(1)から(4)いずれか記載の銅/酸化銅微粒子を焼結してなる導電材料又は導電性ピラー。
(6)(5)記載の導電材料又は導電性ピラーを含んでなる電子デバイス。
(7)酸素濃度1%未満の雰囲気で製造した銅微粒子を、酸素濃度200ppm以上の雰囲気に1分から12時間までの間、継続して又は断続的に暴露させる工程を有する、(1)記載の銅/酸化銅微粒子の製造方法。
本発明によれば、平均一次粒子径(DTEM)が100nm未満である銅微粒子であって、CuのKα線を線源としたX線回折において得られる、CuOの面指数(111)面のピーク強度値を、Cuの面指数(111)面のピーク強度値で除した値が、0.008以上0.3以下であることを特徴とする銅/酸化銅微粒子を接合の主剤として接合用材料に用いれば、無加圧条件かつ250℃以下の低温条件において、複数の金属製部材を相互に接合可能であり、かつ、低温焼結による融着・接合が可能な銅/酸化銅微粒子を提供することができる。
実施例1により合成した銅/酸化銅微粒子のTEM像 実施例1により合成した銅/酸化銅微粒子のTEM像 銅/酸化銅微粒子の粉末X線回折像
以下、本発明を詳細に説明する。ここで単位「%」は、特に断りのない限りにおいて「質量%濃度」である。
<銅/酸化銅微粒子>
本発明に係る銅/酸化銅微粒子について、以下詳細に説明する。
本発明に係る金属微粒子の金属種は、銅である。銅は、製造時の安全性、原料価格、耐マイグレーション特性、分散体の分散安定性に優れる。
<平均一次粒子径(DTEM)>
平均一次粒子径(DTEM)が、100nm以下の銅/酸化銅微粒子は、350℃以下の温度において融着が進行し、バルク化できる点で接合用材料として好適である。本発明に係る銅/酸化銅微粒子には、発明の目的を損なわない範囲において、銅及び酸化銅の他に、金、銀、ニッケル、又はこれらの合金を含んでいても良い。
平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により算出することができる。すなわち、本明細書において、金属微粒子の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)により試料の写真を撮影し、その画像を解析することにより算出する。
作製した銅/酸化銅微粒子を、良溶媒で任意の濃度に希釈し、その希釈液を、カーボン膜被覆グリッド上にキャストし、乾燥させ、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察用試料とする。
平均一次粒子径は、得られたTEM像の中から無作為に微粒子を200個抽出し、それぞれの面積を求め、真球に換算したときの粒子径を個数基準として算出した値を採用する。無作為に抽出される粒子からは、2個の粒子が重なったものは除外する。多数の粒子が、接触して、又は、二次凝集して、集合している場合には、集合を構成している粒子はそれぞれ独立した粒子であるものとして取り扱う。例えば、5個の一次粒子が接触又は二次凝集して1の集合を構成している場合、集合を構成する5個の粒子それぞれが金属微粒子の平均一次粒子径の算出対象となる。
また、平均一次粒子径は、焼結前の値を採用する。すなわち、焼結されることにより融着が生じる前の値を採用する。
<X線回折>
本発明に係る銅/酸化銅微粒子の粒子構造の組成は、X線回折におけるCuO(111)面に帰属されるピークの強度値とCu(111)面に帰属されるピークの強度値との比、すなわちCuOの面指数(111)面のピーク強度値を、Cuの面指数(111)面のピーク強度値で除した値を指標とすることができ、前記指標は0.3以下であることが好ましく、より好ましくは0.18以下である。
金属種が銅である場合には2θ=43.3°付近に(111)面に、金属種が酸化銅(I)である場合には2θ=36.4°付近に(111)面に由来するピークを観測することができる。
(111)面は原子の密度が他の面に比べて高く、高い反応性を示すことが知られている。(111)面を多く有する(他の面よりも存在比率が高い)銅微粒子は、比較的低温で融着しやすく、接合材料に用いた場合に、他の金属との良好な接合強度を発現することができる。
また、本発明に係る銅/酸化銅微粒子の粒子構造の組成は、X線回折における酸化銅(II)(111)面に帰属されるピークの強度値と銅(111)面に帰属されるピークの強度値との比、すなわち酸化銅(II)の面指数(111)面のピーク強度値を、銅の面指数(111)面のピーク強度値で除した値を指標とすることができ、前記指標は0.03以下であることが好ましく、より好ましくは0.007以下である。
<結晶子径(D)>
銅/酸化銅微粒子中の銅の結晶子の大きさは、シェラーの式により求められる。平均一次粒子径と同様に、各格子面における結晶子径Dも、小さい方が低温での融着を生じやすいという点において好ましい。
具体的には、X線回折測定で得られる回折線のうち、最も強度が高い回折線(Cu(111)、2θ=43.3°)、2番目に強度が高い回折線(Cu(200)、2θ=50.4°)、3番目に強度が高い回折線(Cu(220)、2θ=74.1°)に関してそれぞれ結晶子径Dを求めることができる。中でも、3つの結晶子径のうち、ミラー指数(111)における結晶子径DX(111)が、50nm以下であることが好ましい。特に、それぞれの結晶子径がいずれも50nm以下であることが好ましい。また、より好ましくは、DX(111)が、20nm以下である。
<保護剤>
保護剤は、銅/酸化銅微粒子表面を保護剤により保護するものであり、銅/酸化銅微粒子の凝集を防止し、銅/酸化銅微粒子を分散媒に安定して分散させる。保護剤は、銅/酸化銅微粒子や分散媒との親和性を有する官能基及び/又は分子構造を有する化合物であれば特に制限はなく、例えば以下に示す官能基・分子構造を有する化合物を用いることができる。
使用する保護剤は、分子量の大小にかかわらず使用することができ、所望する物性及び特性に応じて保護剤を設計することで高導電性や分散安定性を銅/酸化銅微粒子に付与することが可能である。
種々の目的に応じて保護剤を選択することで銅/酸化銅微粒子の特性を自在に変更することができる。高分子量の保護剤を用いる場合は、化合物中の官能基の数及び種類を変更することで様々な特性を発現できる。低分子量の保護剤を用いる場合は、二種以上の化合物を併用することで様々な特性を発現できる。
保護剤に含まれる官能基として、具体的には、チオール基、チオエーテル基、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、リン酸基、リン酸エステル基、スルホン酸基、芳香族基が挙げられる。これら官能基を有する保護剤を使用することにより、微粒子に分散安定性を付加することができる。
中でも、チオエーテル基、リン酸エステル基、アミノ基、ヒドロキシ基を有する保護剤を使用することが好ましく、低温焼結した場合においてより低い体積抵抗率を発現する高導電性を付加することができる。
保護剤に高分子量の保護剤を用いる場合、選択可能な分子構造としては、分散媒との親和性を有する任意の分子構造を採用することができる。例えば、分散媒がアルコール類や水などの極性溶媒である場合においては、炭素数8~200のポリエチレンオキシド構造を含む有機化合物を好適に用いることができ、炭素数8~100のポリエチレンオキシド構造を含む有機化合物をより好適に用いることができる。
当該保護剤のポリエチレンオキシド部位は、沸点が250℃以下のアルコール系溶媒との親和性に優れることから、金属微粒子の凝集を強く抑制でき、金属微粒子の高分散することができる。これにより、金属微粒子が高密度に充填されている状態となり、加熱処理による保護剤及び溶媒の分解除去に伴うボイド発生が起きず、高密度充填が可能となる。
保護剤に炭素数8~200のポリエチレンオキシド構造を含む有機化合物を含有する金属微粒子(有機化合物と金属微粒子の複合体)の例として、特許第4784847号公報、特開2013-60637号公報又は特許第5077728号公報に記載の金属微粒子が挙げられ、これらに記載の方法で合成することができる。これらは、チオエーテル型(R-S-R’)化合物が銅/酸化銅微粒子表面に対して適切な親和吸着効果と、加熱による迅速な脱離性を有することが特徴となっており、銅/酸化銅微粒子に低温融着特性を付与する保護剤としても使用できる。
他の例として、特開2010-209421号公報に記載のチオエーテル基を有する高分子化合物のうち、炭素数8~200のポリエチレンオキシド部位を有する高分子化合物が複合した金属微粒子、さらには、特許第4697356号公報に記載のチオエーテル基を有しリン酸エステル基を有する高分子化合物のうち、炭素数8~200のポリエチレンオキシド部位を有する高分子化合物が複合した金属微粒子などが挙げられる。これらのポリエチレンオキシド構造を含む高分子化合物の製造は、これら公報に記載の方法に従い行うことができる。
これらのポリエチレンオキシド構造を含むリン酸エステル型有機化合物は、チオエーテル基及びリン酸エステル基を有しており、これらの基を有することにより、銅/酸化銅微粒子表面に対して適切な親和吸着効果と、加熱による迅速な脱離性を付加することができる。
保護剤にカルボキシル基を有する低分子量の化合物を用いる場合、具体例として以下の物質を用いることができる。
例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リシノール酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジグリコール酸、マレイン酸、イタコン酸、安息香酸、N-オレイルサルコシン、N-カルボベンゾキシ-4-アミノ酪酸、p-クマル酸、3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-ヒドロキシミリスチン酸、2-ヒドロキシパルミチン酸、2-ヒドロキシイコサン酸、2-ヒドロキシドコサン酸、2-ヒドロキシトリコサン酸、2-ヒドロキシテトラコサン酸、3-ヒドロキシカプロン酸、3-ヒドロキシオクタン酸、3-ヒドロキシノナン酸、3-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシウンデカン酸、3-ヒドロキシドデカン酸、3-ヒドロキシトリデカン酸、3-ヒドロキシテトラデカン酸、3-ヒドロキシヘキサデカン酸、3-ヒドロキシヘプタデカン酸、3-ヒドロキシオクタデカン酸、15-ヒドロキシペンタデカン酸、17-ヒドロキシヘプタデカン酸、15-ヒドロキシペンタデカン酸、17-ヒドロキシヘプタデカン酸、ラウロイルサルコシン、6-アミノヘキサン酸、2-ベンゾイル安息香酸、12-ヒドロキシステアリン酸、12-ヒドロキシペンタデカン酸、2-ヒドロキシパルミチン酸、3-ヒドロキシデカン酸、15-ヒドロキシペンタデカン酸、ラウロイルサルコシン、6-アミノヘキサン酸、N-(tert-ブトキシカルボニル)-6-アミノヘキサン酸、[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、N-カルボベンゾキシ-β-アラニン等を例示することができる。また、多量体を形成する化合物であれば、これらの二量体及び三量体から六量体までの多量体を用いても良い。また、1又は2以上のカルボン酸を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
保護剤にアミノ基を有する低分子量の化合物を用いる場合、具体例として以下の物質を用いることができる。
例えば、2-メトキシエチルアミン、2-エトキシエチルアミン、2-イソプロポキシエチルアミン、3-メトキシプロピルアミン、3-エトキシプロピルアミン、3-イソプロポキシプロピルアミン、3-(2-エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、N-メチルエチレンジアミン、N-エチルエチレンジアミン、N-イソプロピルエチレンジアミン、N-メチル-1,3-プロパンジアミン、3-イソプロピルアミノプロピルアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチルエチレンジアミン、N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-プロパンジアミン、N-(3-アミノプロピル)モルホリン、N-(tert-ブトキシカルボニル)-1,4-ジアミノブタン、N-(tert-ブトキシカルボニル)-1,5-ジアミノペンタン、N-(tert-ブトキシカルボニル)-1,6-ジアミノヘキサン、2-(アミノエチルアミノ)エタノール、2-(アミノエトキシ)エタノール、3-(2-ヒドロキシエチルアミノ)プロピルアミン、N-(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N-(3-アミノプロピル)ジエタノールアミン等を例示することができる。この他に、アミン類として第二級アミン化合物、又は、第三級アミン化合物も併用することができる。
銅/酸化銅微粒子ペースト中の保護剤濃度は、特に制限されるものではないが、焼結時の銅/酸化銅微粒子同士の融着のし易さ、導電性及び接合強度向上の観点からペースト全量中の15%以下の範囲が好適であり、より好ましくは、10%以下の範囲である。
<分散媒>
本発明に係る銅/酸化銅微粒子には、発明の効果を損なわない範囲において分散媒として水又は溶剤を添加することができる。分散媒は、基材への濡れ性付与や、ペースト中の銅/酸化銅微粒子の濃度を調整することを目的として添加できる。本発明で使用できる分散媒としては、焼結後にピラー内部に分散媒が残留しないことが望ましく、沸点250℃以下の化合物又は混合物を用いることが好ましい。
分散媒は、沸点が250℃以下の化合物であれば、特に制限されることはなく、水又は/及び有機溶剤を分散媒として用いることが可能である。前記分散媒は、銅/酸化銅微粒子を凝集させない良分散媒を用いることが、均一な粒子径を有するペーストを製造する上で好ましい。
以下に、好適に用いることができる溶剤について例示列挙する。
例えば、水酸基を有する溶剤としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、アミルアルコール、tert-アミルアルコール、1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、2-エチル-1-ブタノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、4-メチル-2-ペンタノール、ネオペンチルグリコール、プロピオニトリル、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、イソブチレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、2,5-ヘキサンジオール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、乳酸エチルなどを例示することができる。中でも、1-ブタノール、エタノール、1-プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、を好適に用いることができる。
その他、水酸基を含まない有機溶剤として、アセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、アクリロニトリル、プロピオニトリル、n-ブチロニトリル、イソブチロニトリル、γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、プロピオラクトン、炭酸-2,3-ブチレン、炭酸エチレン、炭酸1,2-エチレン、炭酸ジメチル、炭酸エチレン、マロン酸ジメチル、安息香酸メチル、サリチル酸メチル、二酢酸エチレングリコール、ε-カプロラクタム、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N-エチルアセトアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、ホルムアミド、ピロリジン、1-メチル-2-ピロリジノン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ナフタレン、ケロシンなどを用いることができる。
(混合物の沸点測定方法)
複数の溶媒を組み合わせた混合溶媒を分散媒として用いる場合、前期混合溶媒の沸点は、JIS K2233-1989「自動車用非鉱油系ブレーキ液」7.1に規定する「平衡還流沸点試験方法」に準じて測定することができる。
<銅/酸化銅微粒子の製造方法>
銅/酸化銅微粒子の製造方法としては、従来から知られてる任意の方法を採用することができる。例えば、湿式法である化学還元法、熱分解法、電気化学法等や、乾式法であるガス中蒸発法、スパッタ法等を用いることができる。
本発明に係る銅/酸化銅微粒子は、極性溶媒中で銅イオンを還元剤により還元することにより作製した。また、合成時に保護剤を共存させることにより、還元され生成した銅微粒子の最表面を保護剤で覆うことができる。銅微粒子表面を覆う保護剤は、微粒子の成長や凝集を抑制するため、均一な粒子径を有する同微粒子の製造を可能にする。
不活性ガスで満たされた反応容器内において、極性溶媒中、かつ、保護剤存在下、で銅イオンを還元剤により還元することにより銅/酸化銅微粒子を作製する方法によれば、X線回折におけるCuO(111)面に帰属されるピークの強度値とCu(111)面に帰属されるピークの強度値との比、すなわちCuOの面指数(111)面のピーク強度値を、Cuの面指数(111)面のピーク強度値で除した値が0.3以下又は/及び酸化銅(II)の面指数(111)面のピーク強度値を、銅の面指数(111)面のピーク強度値で除した値が0.03以下の銅/酸化銅微粒子を得ることができる。
銅/酸化銅微粒子の製造時に使用する不活性ガス種としては、例えば、窒素、アルゴン等を使用することができ、反応容器内の酸素濃度が1%未満であることが好ましく、特に好ましくは0.1%未満である。
亜酸化銅又は酸化銅の割合が増加すると、銅粒子同士の融着を阻害するため、十分な接合強度が発揮されないばかりか、高導電性を発揮できない。また、銅微粒子表面を均一に保護剤で覆うことができなくなるため、凝集や分散不良が生じる。
本発明の効果を説明するため、保護剤として炭素数8~200のポリエチレンオキシド構造を含む有機化合物を使用した際のペーストの製造方法について説明する。
炭素数8~200のポリエチレンオキシド構造を含む有機化合物が複合した銅微粒子分散体は、チオエーテル型有機化合物の存在下で、2価の銅イオン化合物を溶媒と混合する工程と、銅イオンを還元する工程と組み合わせることで容易に作製することが可能である。
2価の銅イオン化合物としては、一般に入手可能な銅化合物が利用可能であり、硫酸塩、硝酸塩、カルボン酸塩、炭酸塩、塩化物、アセチルアセトナート錯体等を用いることができる。0価の銅微粒子との複合体を得る場合には、2価の化合物や、1価の化合物から製造してもよく、水分や結晶水を有していても良い。
2価の銅イオン化合物として具体的には、CuSO、Cu(NO、Cu(OAc)、Cu(CHCHCOO)、Cu(HCOO)、CuCO、CuCl、CuO、CCuO、及びそれらの水和物等を使用することができる。また、前記塩類を加熱し、又は、塩基性雰囲気に曝す等により得られる塩基性塩たとえばCu(OAc)・CuO、Cu(OAc)・2CuO、CuCl(OH)等を好適に用いることができる。
これら塩基性塩は、反応系内で調製してもよいし、反応系外で別途調製したものを使用してもよい。また、アンモニアやアミン化合物を加えて錯体形成し、溶解度を確保してから還元に用いる一般的な方法も適用できる。
これらの銅イオン化合物を、予めチオエーテル型有機化合物を溶解又は分散した溶媒に溶解、または混合する。このとき用いることができる溶媒としては、使用する有機化合物の構造にもよるが、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、水、アセトン等の極性溶媒、及び、それらの混合物が好適に用いることができる。なかでも、水-エチレングリコール混合物が特に好ましい。
チオエーテル型有機化合物の各種溶媒中における濃度としては、引き続き行なう還元反応の制御が容易になる点から、0.3~10%の範囲に調整することが好ましい
上記で調整した溶媒中に、銅イオン化合物を、一括又は分割して添加し、混合する。難溶性溶媒を使用する場合には、予め少量の良溶媒に溶解させ、溶媒中に添加しても良い。
混合するチオエーテル型有機化合物と銅イオン化合物の配合割合としては、反応溶媒中でのチオエーテル型有機化合物の保護能力に応じて適宜選択することができる。銅イオン化合物1mol当たりチオエーテル型有機化合物として1mmol~30mmolの範囲で調製し、特に15~30mmolの範囲で用いることが好ましい。ここで、ポリエチレンオキシド構造を含むリン酸エステル型有機化合物を用いても同様に行うことができ、銅イオン化合物1molあたりの有機化合物の使用量も前記と同様である。
引き続き、銅イオンの還元反応を各種還元剤により行なう。還元剤としては、ヒドラジン化合物、ヒドロキシルアミンおよびその誘導体、金属水素化物、ホスフィン酸塩類、アルデヒド類、エンジオール類、ヒドロキシケトン類など、氷冷温から80℃以下の温度で銅の還元反応を進行させることができるため、好適に用いることができる。
銅イオンの還元にはヒドラジン水和物、非対称ジメチルヒドラジン、ヒドロキシルアミン水溶液、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤が好適である。これらの還元剤は、銅化合物を0価まで還元することができ、2価および1価の銅化合物を還元銅とし、有機化合物と銅微粒子との複合体を製造する場合に適している。
還元反応の条件は、原料として用いる銅化合物、還元剤の種類、錯化の有無、溶媒、チオエーテル型有機化合物の種類に応じ、適宜設定することができる。例えば、水系溶媒で酢酸銅(II)を水素化ホウ素ナトリウムで還元する場合には、氷冷程度の温度でも0価の銅微粒子が調製できる。一方、ヒドラジンを用いる場合には、室温では反応が遅く、60℃程度に加熱してはじめて円滑な還元反応が起こる。またエチレングリコール/水系で酢酸銅を還元する場合には、60℃で2時間程度の反応時間を要する。これら還元反応の結果、有機化合物と銅微粒子との複合体を含む反応混合物が得られる。
このように調製した銅微粒子は、保護剤の効果により水分を完全に除去して乾燥体粉末とした後に、再び溶媒に分散させた場合にも乾燥前と同じように高分散させることが可能である。
還元反応後は、必要に応じて金属化合物残渣、還元試薬残渣、余剰のポリエチレンオキシド構造を含む有機化合物等を除く、いわゆる精製工程を設けることができる。銅微粒子の精製行程は、再沈殿、遠心沈降、限外濾過等の公知公用の方法により行うことができる。また、再沈殿、遠心沈降等の方法を使用する場合には、銅微粒子を含む反応混合物を水、エタノール、アセトン等によって洗浄することで、過剰に存在する前述の不純物を洗い流すことができる。
分散体の精製工程において過剰量の還元試薬残渣、余剰のポリエチレンオキシド構造を含む有機化合物等を除去した場合、銅微粒子中に存在する還元剤、酸化防止剤の量が低下するため銅微粒子は酸化しやすくなる。したがって、精製後の銅微粒子は、酸素濃度0.1%未満の環境で取り扱うことが好ましく、酸素濃度200ppm未満の環境で取り扱うことがより好ましい。
本発明に係る銅/酸化銅微粒子には、本発明の効果を損なわせない範囲において、必要に応じて、樹脂等のバインダー成分、乾燥防止剤、消泡剤、基材への密着付与剤、酸化防止剤、皮膜形成促進のための各種触媒、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤の様な各種界面活性剤、レベリング剤、離型促進剤等を助剤として添加できる。
本発明に係る銅/酸化銅微粒子は、本発明の効果を損なわない範囲内でフラックス成分を加えることができる。フラックス成分を加えることにより、一層の還元力を持たせて使用することもできる。フラックスとしては、通常用いられる一般的なフラックスを用いることが可能であり、特に制限するものではない。このフラックス中には、通常用いられるロジン、活性剤、チキソ剤等が含まれていても構わない。
本発明に係る銅/酸化銅微粒子は、作製した金属微粒子に充填用のペーストとして使い易い溶媒を加え、あるいは、媒体交換することにより、銅/酸化銅微粒子ペーストとしての適性を付与することができる。
<金属微粒子含有率及びその計算>
銅/酸化銅微粒子ペースト中の金属微粒子含有率は、熱重量分析(TG/DTA)により算出することができる。銅/酸化銅微粒子ペーストを熱重量分析用アルミパンに精密にはかり、示差熱重量分析装置に載せ、不活性ガス雰囲気下において、室温~600℃まで毎分10℃の割合で昇温して、重量減少率に基づいて金属微粒子含有率を計算した。
金属微粒子含有率について、特に制限を設ける必要はなく、微粒子の分散安定性を損なわない範囲で任意の濃度を定めることができる。また、銅/酸化銅微粒子ペーストの金属微粒子含有率は、使用用途及び使用目的に合わせて任意の濃度で使用をすることができる。
銅/酸化銅微粒子ペーストは、導電性配線材料や接合材料に用いることができる。加えて、種々の電子部品・デバイスの実装にも用いることができる。
<銅/酸化銅微粒子の焼結>
本発明に係る銅/酸化銅微粒子は、金属微粒子が融着する温度にまで加熱をすることで、粒子間で融着が生じ、導電性が発現する。金属微粒子が融着する温度は、使用する金属種、保護剤や溶媒種によって異なる。金属微粒子が融着する温度は、熱重量分析(TG-DTA)や示差走査熱量計(DSC)を用いて見積もることができる。
ピラーの導電性及び接合強度について十分な値が得られる範囲であれば、焼成温度及び焼成時間に特に制限されるものではないが、好ましくは、焼成温度が150~350℃かつ焼成時間が1~60分間の範囲である。より好ましくは、焼成温度が200~250℃以下かつ焼成時間が5~15分間、の範囲である。本発明に係るペーストを使用すれば、短時間焼成を行った場合であっても十分な性能を発揮することができる。
また、必要に応じて、低温で溶媒を揮発させる仮焼成を行った後、150~350℃の範囲で本焼成を行う等の、温度プロファイルを用いて焼成を行うこともできる。
金属微粒子を焼結させる焼成方法としては金属微粒子の融着が生じる限りにおいて特に制限されるものではなく、ホットプレートや熱風オーブンをはじめとする熱による焼成や可視光、赤外光又はレーザー光の照射、フラッシュランプ、水素ガスをはじめとするプラズマ処理を用いても良い。
焼結時に使用するガス種については特に制限はない。窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス環境下に限らず酸素存在下での焼結も可能である。
本実施形態の銅微粒子を使用すれば、十分に低い抵抗率をもった、配線、電極等の導電構造を形成できる。したがって、本実施形態の金属微粒子は、薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタを含む集積回路、タッチパネル、RFID、フレキシブルディスプレイ、有機EL、回路基板、センサーデバイス、導電性ピラー、フリップチップ実装用導電材料、パワー半導体等用の接合材料等の様々な電子部品の製造に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ここで「%」は、特に指定がない限り「質量パーセント濃度」である。
(合成例1)
<銅微粒子分散体の作製>
(分散体の合成)
酢酸銅(II)一水和物(3.00g、15.0mmol)(東京化成工業社製)、エチル3-(3-(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)-2-ヒドロキシプロピルスルファニル)プロピオナート〔ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量2000(炭素数91))への3-メルカプトプロピオン酸エチルの付加化合物〕(0.451g)、およびエチレングリコール(10mL)(関東化学社製)からなる混合物に、窒素を50mL/分の流量で吹き込みながら加熱し、125℃で2時間通気攪拌して脱気した。この混合物を室温に戻し、ヒドラジン水和物(1.50g、30.0mmol)(東京化成工業社製)を水7mLで希釈した溶液を、シリンジポンプを用いて滴下した。約1/4量を2時間かけて滴下し、ここで一旦滴下を停止し、2時間攪拌して発泡が沈静化するのを確認した後、残量を更に1時間かけて滴下した。得られた褐色の溶液を60℃に昇温して、さらに2時間攪拌し、還元反応を終結させた。分散体の合成は、窒素ガス雰囲気で行い、酸素濃度は0.1%未満であった。
(分散体の精製)
つづいて、この反応混合物をダイセン・メンブレン・システムズ社製の中空糸型限外濾過膜モジュール(HIT-1-FUS1582、145cm、分画分子量15万)中に循環させ、滲出する濾液と同量の0.1%ヒドラジン水和物水溶液を加えながら、限外濾過モジュールからの濾液が約500mLとなるまで循環させて精製した。0.1%ヒドラジン水和物水溶液の供給を止め、そのまま限外濾過法により濃縮すると、2.85gのチオエーテルを含む有機化合物と銅/酸化銅微粒子との複合体の水分散液が得られた。水分散液中の不揮発物含量は16%であった。
(分散体の調製)
上記の水分散液5mLをそれぞれ50mL三口フラスコに封入し、ウォーターバスを用いて40℃に加温を行いながら、減圧下、窒素を5mL/分の流速で流すことで、水を完全に除去し、銅/酸化銅微粒子の乾燥粉末1.0gを得た。
分散体の調製工程は、酸素濃度200ppm未満の環境で行った。
<熱重量分析(TG-DTA)による重量減少率の測定>
合成した銅/酸化銅微粒子の乾燥粉末約25mgを熱重量分析用アルミパンに精密にはかり、EXSTAR TG/DTA6300型示差熱重量分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)に載せ、窒素ガス雰囲気下において、室温~600℃まで毎分10℃の割合で昇温して、100℃~600℃の重量減少率を測定した。前記重量減少率より有機物の含有率を計算した。
TG-DTA測定による重量減少より、得られた銅/酸化銅微粒子粉末には3%のポリエチレンオキシド構造を含む有機物が存在することを確認した。
(実施例1)
<銅/酸化銅微粒子ペーストの作製>
合成例1記載の方法により得られた銅/酸化銅微粒子の乾燥粉末に、金属微粒子含有率が70%に成るように窒素バブリングしたエチレングリコールを添加した。添加後、大気下において混錬しながら3分間空気に暴露させ、銅/酸化銅微粒子ペーストを作製した。
作製した銅/酸化銅微粒子ペーストについて、以下に記載した方法で物性を評価した。
<平均一次粒子径の測定>
平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により見積った。作製した金属微粒子を、良溶媒(水、テルピネオール、1-ブタノール又はエチレングリコール)で100倍に希釈し、その希釈液を、カーボン膜被覆グリッド上にキャストし、乾燥させ、透過型電子顕微鏡(装置:TEMJEM-1400(JEOL製)、加速電圧:120kV)にて観察した。
平均一次粒子径は、得られたTEM像の中から無作為に微粒子を200個抽出し、それぞれの面積を求め、真球に換算したときの粒子径を個数基準として算出した値を採用した。
得られた銅/酸化銅微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察すると、得られた銅/酸化銅微粒子の平均一次粒子径は46nmであった。得られた電子顕微鏡写真を図1及び図2に示した。
<X線回折分析>
粉末X線回折装置(SmartLab、リガク製)を用いた。測定条件は、2θ/θ法 2θ=30~70deg. step=0.02deg. speed=2.0deg/min.とした。Cu管球で40kV、30mAで発生させたKα線を用いた。
合成例1において作製した銅/酸化銅微粒子ペースト1.5gを真空乾燥させた。乾燥させて得られた銅/酸化銅微粒子の粉体について、上記条件で粉末X線回折分析を行った。当該分析により得られたX線回折像を図3に示した。
<ピーク強度比の算出>
粉末X線回折により得られた、CuO(111)面に由来するピーク強度値をCu(111)面に由来するピーク強度値で除した値をピーク強度比(CuO/Cu)として計算した。また、CuO(111)面に由来するピーク強度値をCu(111)面に由来するピーク強度値で除した値をピーク強度比(CuO/Cu)として計算した。
得られた値を表1に示した。
<結晶子径Dの算出>
前記金属粉体の粉末X線回折(XRD)パターンにおけるCu(111)回折ピークの半値全幅から下記のシェラーの式で見積もった結晶子径は、14nmであった。
D=Kλ/(βcosθ) (1)
上記式中、Dは結晶子の大きさ(Å)を表し、Kはシェラー定数(0.9を使用)を表し、λはX線源の波長(CuKα1の場合は、1.540562Å)を表し、βはXRDパターンにおける回折ピークの半値全幅(FWHM)を表し、θは回折角(degree)を表す。
<接合強度の測定>
接合強度の測定は、以下に記載された条件で実施した。以下に記載していない条件に関してはJIS Z-03918-5:2003「鉛フリーはんだ試験方法」に記載の方法に準拠して測定を実施した。本測定接は、合試験片にせん断力を印加し、接合強度を測定するものである。当該測定は、せん断強度試験ともいう。
接合強度測定に用いた試験片の作製方法について説明する。試験片は、銅製の試験材(母材)に円柱形状の試験材を接合し、作製される。
試験材(母材)には、厚さ1mm、1辺20mmの銅板(C1020)を用いた。
母材に接合する試験材には、円柱形状(直径3mm、高さ2mm)の銅(C1020)を用いた。
窒素ガス雰囲気下において、実施例1記載の方法により得られた銅/酸化銅微粒子ペーストを、母材上に厚さ30μmになるように塗布した後、母材と円柱形状の試験材とを接合させた。
得られた接合体を、窒素ガス雰囲気下で250℃、10分間焼成し、試験片を作製した。
作製した試験片について、ダイシェア試験により接合強度を測定した。ダイシェア試験による接合強度は、ダイシェア試験機(Nordson社製)を用いて、200μm/sのシェア速度で測定を行った。
接合強度測定は、5個の試験片を作製し、5回測定を実施した。得られた値の中央値を接合強度として、結果を表1に示した。
<接合強度の評価>
前記接合強度について評価を行った。評価基準は、以下のとおりとした。
◎:作製した導電性ピラーのシェア強度の最高値が10MPa以上であり、非常に良好な接合強度であったことを示している。
○:作製した導電性ピラーのシェア強度の最高値が5MPa以上であり、良好な接合強度であったことを示している。
△:作製した導電性ピラーのシェア強度の最高値が5MPa未満であり、接合可能であったことを示している。
×:作製した導電性ピラーのシェア強度の最高値が0MPa又は接合されていないことを示す。
得られた評価結果を表1に示した。
<塗膜の導電性測定>
体積抵抗率は、四端子測定法の低抵抗率計ロレスターEP(三菱化学株式会社製)にて測定した。
0.7mm厚の無アルカリガラス基板(40mm×50mm)上に銅/酸化銅微粒子ペーストをスピンコートすることにより塗布膜を作製した。
得られた塗布膜を窒素ガス雰囲気下において250℃で10分間焼成することにより焼結膜を得た。焼結膜の膜厚は、1μmとなるようにスピンコート時の回転数を調整した。
得られた塗膜の体積抵抗率を表1に示した。
<塗膜導電性の評価>
上記方法で作製した焼結膜の導電性について評価を行った。評価基準は、以下のとおりとした。
◎:作製した塗膜における体積抵抗率が10μΩ・cm以下であり、非常に良好な体積抵抗率であったことを示している。
○:作製した塗膜における体積抵抗率が50μΩ・cm以下であり、良好な体積抵抗率であったことを示している。
△:作製した塗膜における体積抵抗率が500μΩ・cm未満であり、良い体積抵抗率であったことを示している。
×:作製した塗膜における体積抵抗率が500μΩ・cm以上であり、低い体積抵抗率であったことを示している。
得られた評価結果を表1に示した。
(実施例2)
<銅/酸化銅微粒子ペーストの作製>
合成例1記載の方法により得られた銅/酸化銅微粒子の乾燥粉末に、金属微粒子含有率が70%に成るように窒素バブリングしたエチレングリコールを添加した。添加後、大気下において混錬しながら60分間空気に暴露させ、銅/酸化銅微粒子ペーストを作製した。
作製した銅/酸化銅微粒子ペーストについて、以下に記載した方法で物性を評価した。
<平均一次粒子径の測定>
実施例1記載の方法と同様にして電子顕微鏡を用いて平均一次粒子径の測定を実施した。得られた銅/酸化銅微粒子の平均一次粒子径は46nmであった。
<X線回折分析>
実施例1記載の方法と同様にして銅/酸化銅微粒子ペーストを乾燥させて得られた金属粉体について、粉末X線回折分析を行った。当該分析により得られたX線回折像を図3に示した。
<ピーク強度比の算出>
実施例1記載の方法と同様にして、ピーク強度比(CuO/Cu)及びピーク強度比(CuO/Cu)を計算した。得られた値を表1に示した。
<結晶子径Dの算出>
実施例1記載の方法と同様にして粉末X線回折(XRD)パターンにおけるCu(111)回折ピークの半値全幅等から見積もった結晶子径は、15nmであった。
<接合強度の測定>
接合強度測定は、実施例1記載の方法と同様に、5個の試験片を作製し、5回測定を実施した。得られた値の中央値を接合強度として、結果を表1に示した。
<接合強度の評価>
実施例1記載の方法と同様にして接合強度の評価を実施した。結果を表1に示した。
<塗膜の導電性測定>
実施例1記載の方法と同様にして得られた塗膜の体積抵抗率を表1に示した。
<導電性の評価>
実施例1記載の方法と同様にして焼結膜の導電性の評価を実施した。結果を表1に示した。
(実施例3)
<銅/酸化銅微粒子ペーストの作製>
合成例1記載の方法により得られた銅/酸化銅微粒子の乾燥粉末に、金属微粒子含有率が70%に成るように窒素バブリングしたエチレングリコールを添加した。添加後、大気下において混錬しながら180分間空気に暴露させ、銅/酸化銅微粒子ペーストを作製した。
作製した銅/酸化銅微粒子ペーストについて、以下に記載した方法で物性を評価した。
<平均一次粒子径の測定>
実施例1記載の方法と同様にして電子顕微鏡を用いて平均一次粒子径の測定を実施した。得られた銅/酸化銅微粒子の平均一次粒子径は47nmであった。
<X線回折分析>
実施例1記載の方法と同様にして銅/酸化銅微粒子ペーストを乾燥させて得られた金属粉体について、粉末X線回折分析を行った。当該分析により得られたX線回折像を図3に示した。
<ピーク強度比の算出>
実施例1記載の方法と同様にして、ピーク強度比(CuO/Cu)及びピーク強度比(CuO/Cu)を計算した。得られた値を表1に示した。
<結晶子径Dの算出>
実施例1記載の方法と同様にして粉末X線回折(XRD)パターンにおけるCu(111)回折ピークの半値全幅等から見積もった結晶子径は、15nmであった。
<接合強度の測定>
接合強度測定は、実施例1記載の方法と同様に、5個の試験片を作製し、5回測定を実施した。得られた値の中央値を接合強度として、結果を表1に示した。
<接合強度の評価>
実施例1記載の方法と同様にして接合強度の評価を実施した。結果を表1に示した。
<塗膜の導電性測定>
実施例1記載の方法と同様にして得られた塗膜の体積抵抗率を表1に示した。
<導電性の評価>
実施例1記載の方法と同様にして焼結膜の導電性の評価を実施した。結果を表1に示した。
(実施例4)
<銅/酸化銅微粒子ペーストの作製>
合成例1記載の方法により得られた銅/酸化銅微粒子の乾燥粉末に、金属微粒子含有率が70%に成るように窒素バブリングしたエチレングリコールを添加した。添加後、大気下において混錬しながら6時間空気に暴露させ、銅/酸化銅微粒子ペーストを作製した。
作製した銅/酸化銅微粒子ペーストについて、以下に記載した方法で物性を評価した。
<平均一次粒子径の測定>
実施例1記載の方法と同様にして電子顕微鏡を用いて平均一次粒子径の測定を実施した。得られた銅/酸化銅微粒子の平均一次粒子径は48nmであった。
<X線回折分析>
実施例1記載の方法と同様にして銅/酸化銅微粒子ペーストを乾燥させて得られた金属粉体について、粉末X線回折分析を行った。当該分析により得られたX線回折像を図3に示した。
<ピーク強度比の算出>
実施例1記載の方法と同様にして、ピーク強度比(CuO/Cu)及びピーク強度比(CuO/Cu)を計算した。得られた値を表1に示した。
<結晶子径Dの算出>
実施例1記載の方法と同様にして粉末X線回折(XRD)パターンにおけるCu(111)回折ピークの半値全幅等から見積もった結晶子径は、14nmであった。
<接合強度の測定>
接合強度測定は、実施例1記載の方法と同様に、5個の試験片を作製し、5回測定を実施した。得られた値の中央値を接合強度として、結果を表1に示した。
<接合強度の評価>
実施例1記載の方法と同様にして接合強度の評価を実施した。結果を表1に示した。
<塗膜の導電性測定>
実施例1記載の方法と同様にして得られた塗膜の体積抵抗率を表1に示した。
<導電性の評価>
実施例1記載の方法と同様にして焼結膜の導電性の評価を実施した。結果を表1に示した。
(実施例5)
<銅/酸化銅微粒子ペーストの作製>
合成例1記載の方法により得られた銅/酸化銅微粒子の乾燥粉末に、金属微粒子含有率が70%に成るように窒素バブリングしたエチレングリコールを添加した。添加後、大気下において混錬しながら9時間空気に暴露させ、銅/酸化銅微粒子ペーストを作製した。
作製した銅/酸化銅微粒子ペーストについて、以下に記載した方法で物性を評価した。
<平均一次粒子径の測定>
実施例1記載の方法と同様にして電子顕微鏡を用いて平均一次粒子径の測定を実施した。得られた銅/酸化銅微粒子の平均一次粒子径は47nmであった。
<X線回折分析>
実施例1記載の方法と同様にして銅/酸化銅微粒子ペーストを乾燥させて得られた金属粉体について、粉末X線回折分析を行った。当該分析により得られたX線回折像を図3に示した。
<ピーク強度比の算出>
実施例1記載の方法と同様にして、ピーク強度比(CuO/Cu)及びピーク強度比(CuO/Cu)を計算した。得られた値を表1に示した。
<結晶子径Dの算出>
実施例1記載の方法と同様にして粉末X線回折(XRD)パターンにおけるCu(111)回折ピークの半値全幅等から見積もった結晶子径は、14nmであった。
<接合強度の測定>
接合強度測定は、実施例1記載の方法と同様に、5個の試験片を作製し、5回測定を実施した。得られた値の中央値を接合強度として、結果を表1に示した。
<接合強度の評価>
実施例1記載の方法と同様にして接合強度の評価を実施した。結果を表1に示した。
<塗膜の導電性測定>
実施例1記載の方法と同様にして得られた塗膜の体積抵抗率を表1に示した。
<導電性の評価>
実施例1記載の方法と同様にして焼結膜の導電性の評価を実施した。結果を表1に示した。
(実施例6)
<銅/酸化銅微粒子ペーストの作製>
合成例1記載の方法により得られた銅/酸化銅微粒子の乾燥粉末に、金属微粒子含有率が70%に成るように窒素バブリングしたエチレングリコールを添加した。添加後、大気下において混錬しながら12時間空気に暴露させ、銅/酸化銅微粒子ペーストを作製した。
作製した銅/酸化銅微粒子ペーストについて、以下に記載した方法で物性を評価した。
<平均一次粒子径の測定>
実施例1記載の方法と同様にして電子顕微鏡を用いて平均一次粒子径の測定を実施した。得られた銅/酸化銅微粒子の平均一次粒子径は49nmであった。
<X線回折分析>
実施例1記載の方法と同様にして銅/酸化銅微粒子ペーストを乾燥させて得られた金属粉体について、粉末X線回折分析を行った。当該分析により得られたX線回折像を図3に示した。
<ピーク強度比の算出>
実施例1記載の方法と同様にして、ピーク強度比(CuO/Cu)及びピーク強度比(CuO/Cu)を計算した。得られた値を表1に示した。
<結晶子径Dの算出>
実施例1記載の方法と同様にして粉末X線回折(XRD)パターンにおけるCu(111)回折ピークの半値全幅等から見積もった結晶子径は、14nmであった。
<接合強度の測定>
接合強度測定は、実施例1記載の方法と同様に、5個の試験片を作製し、5回測定を実施した。得られた値の中央値を接合強度として、結果を表1に示した。
<接合強度の評価>
実施例1記載の方法と同様にして接合強度の評価を実施した。結果を表1に示した。
<塗膜の導電性測定>
実施例1記載の方法と同様にして得られた塗膜の体積抵抗率を表1に示した。
<導電性の評価>
実施例1記載の方法と同様にして焼結膜の導電性の評価を実施した。結果を表1に示した。
(比較例1)
<銅/酸化銅微粒子ペーストの作製>
合成例1記載の方法により得られた銅/酸化銅微粒子の乾燥粉末に、金属微粒子含有率が70%に成るように窒素バブリングしたエチレングリコールを添加した。添加後、大気下において混錬しながら24時間空気に暴露させ、銅/酸化銅微粒子ペーストを作製した。
作製した銅/酸化銅微粒子ペーストについて、以下に記載した方法で物性を評価した。
<平均一次粒子径の測定>
実施例1記載の方法と同様にして電子顕微鏡を用いて平均一次粒子径の測定を実施した。得られた銅/酸化銅微粒子の平均一次粒子径は51nmであった。
<X線回折分析>
実施例1記載の方法と同様にして銅/酸化銅微粒子ペーストを乾燥させて得られた金属粉体について、粉末X線回折分析を行った。当該分析により得られたX線回折像を図3に示した。
<ピーク強度比の算出>
実施例1記載の方法と同様にして、ピーク強度比(CuO/Cu)及びピーク強度比(CuO/Cu)を計算した。得られた値を表1に示した。
<結晶子径Dの算出>
実施例1記載の方法と同様にして粉末X線回折(XRD)パターンにおけるCu(111)回折ピークの半値全幅等から見積もった結晶子径は、13nmであった。
<接合強度の測定>
接合強度測定は、実施例1記載の方法と同様に、5個の試験片を作製し、5回測定を実施した。得られた値の中央値を接合強度として、結果を表1に示した。
<接合強度の評価>
実施例1記載の方法と同様にして接合強度の評価を実施した。結果を表1に示した。
<塗膜の導電性測定>
実施例1記載の方法と同様にして得られた塗膜の体積抵抗率を表1に示した。
<導電性の評価>
実施例1記載の方法と同様にして焼結膜の導電性の評価を実施した。結果を表1に示した。
(比較例2)
<銅/酸化銅微粒子ペーストの作製>
合成例1記載の方法により得られた銅/酸化銅微粒子の乾燥粉末に、金属微粒子含有率が70%に成るように窒素バブリングしたエチレングリコールを添加した。添加後、大気下において混錬しながら72時間空気に暴露させ、銅/酸化銅微粒子ペーストを作製した。
作製した銅/酸化銅微粒子ペーストについて、以下に記載した方法で物性を評価した。
<平均一次粒子径の測定>
実施例1記載の方法と同様にして電子顕微鏡を用いて平均一次粒子径の測定を実施した。得られた銅/酸化銅微粒子の平均一次粒子径は51nmであった。
<X線回折分析>
実施例1記載の方法と同様にして銅/酸化銅微粒子ペーストを乾燥させて得られた金属粉体について、粉末X線回折分析を行った。当該分析により得られたX線回折像を図3に示した。
<ピーク強度比の算出>
実施例1記載の方法と同様にして、ピーク強度比(CuO/Cu)及びピーク強度比(CuO/Cu)を計算した。得られた値を表1に示した。
<結晶子径Dの算出>
実施例1記載の方法と同様にして粉末X線回折(XRD)パターンにおけるCu(111)回折ピークの半値全幅等から見積もった結晶子径は、14nmであった。
<接合強度の測定>
接合強度測定は、実施例1記載の方法と同様に、5個の試験片を作製し、5回測定を実施した。得られた値の中央値を接合強度として、結果を表1に示した。
<接合強度の評価>
実施例1記載の方法と同様にして接合強度の評価を実施した。結果を表1に示した。
<塗膜の導電性測定>
実施例1記載の方法と同様にして得られた塗膜の体積抵抗率を表1に示した。
<導電性の評価>
実施例1記載の方法と同様にして焼結膜の導電性の評価を実施した。結果を表1に示した。
図3は、各実施例及び比較例において得られた銅/酸化銅微粒子の粉末XRD像である。作製した銅/酸化銅微粒子ペーストを大気に暴露させることにより、ペースト中の銅/酸化銅微粒子のCu(111)面に帰属される回折ピークが減少し、CuO(111)面に帰属される回折ピークが増大していることがわかった。このXRD測定により得られた回折ピークについて、回折強度比を計算した。
表1は、各実施例及び比較例において得られた測定結果及び評価結果を示した物である。CuO/Cuのピーク強度比が0.3以下、CuO/Cuのピーク強度比が0.03以下の場合には、約1MPa以上の接合強度が得られた。
以上の結果から前記比率で構成される銅/酸化銅微粒子は、250℃の低温焼結において良好な金属間接合材料として機能することが明らかとなった。また、前記比率で構成される銅/酸化銅微粒子は、良好な導電性を示すことが明らかとなった。
Figure 0007434786000001

Claims (3)

  1. 平均一次粒子径(DTEM)が100nm未満である銅微粒子であって、
    CuのKα線を線源としたX線回折において得られる、CuOの面指数(111)面のピーク強度値を、Cuの面指数(111)面のピーク強度値で除した値が、0.005以上0.03以下であることを特徴とする銅/酸化銅微粒子と、
    チオール基又はチオエーテル基を有し、かつ、分子量が1000以上の化合物と、
    を含むことを特徴とする銅/酸化銅微粒子ペースト。
  2. CuのKα線を線源としたX線回折において得られる、Cuの面指数(111)における結晶子径(Dx(111))が、50nm以下である請求項記載の銅/酸化粒子と、
    チオール基又はチオエーテル基を有し、かつ、分子量が1000以上の化合物と、
    を含むことを特徴とする銅/酸化銅微粒子ペースト。
  3. 請求項1または2記載の銅/酸化銅微粒子ペーストを150℃~350℃の温度範囲で加熱することを特徴とする導電材料又は導電性ピラーの製造方法。
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