JPWO2015162718A1 - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

交流回転機の制御装置は、交流回転機1の2組の三相巻線に電圧を印加する電圧印加部3,4と、電圧印加部3,4に電圧指令を出力する制御部5と、三相巻線で地絡故障及び天絡故障が発生した場合に、地絡故障及び天絡故障に応じて変化する故障検知信号を出力する故障検知部6,7とを備えている。制御部5は、故障が発生した組の電圧印加部3,4に対して、故障検知信号に基づいて地絡故障が発生したと検知した場合には、三相巻線の各相の電圧を直流電源2の負極側電位V−とする電圧指令を出力し、天絡故障が発生したと検知した場合には、三相巻線の各相の電圧を直流電源2の正極側電位V+とする電圧指令を出力する。

Description

この発明は、交流回転機の制御装置に関するものである。
従来の交流回転機の制御装置においては、故障検知部が検知した故障に応じて故障側インバータの各相の同電位側を故障と同じ状態に制御するとともに、故障した側を除く正常側のインバータの制御を継続する例が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−176215号公報
特許文献1においては、故障検知部が、インバータで発生した故障が、高電位側か低電位側であるかの判別は行っているが、天絡故障と地絡故障のいずれであるかについては判別していない。従って、例えば、故障側インバータの高電位側のU相の半導体スイッチが天絡故障したと仮定すると、当該半導体スイッチは常にON状態のままとなる。このときに、特許文献1の制御方法に従って、故障側インバータの高電位側のV相とW相の半導体スイッチを、故障と同じ状態に制御しようとすると、当該故障側インバータの高電位側のV相とW相の半導体スイッチをONすることになる。しかしながら、その場合に、低電位側のV相またはW相の半導体スイッチがON状態であったとすると、その相においては、高電圧側と低電圧側の半導体スイッチが同時にONとなって短絡故障が発生し、当該低電圧側の半導体スイッチの故障を引き起こすという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、天絡故障と地絡故障のどちらの故障が生じているかを判別し、地絡故障を検知した場合には、故障が発生した組の三相巻線に印加する各電圧を直流電源の負極側電位とする電圧指令を出力し、天絡故障を検知した場合には、故障が発生した組の三相巻線に印加する各電圧を直流電源の正極側電位とする電圧指令を出力することで、短絡故障の発生を抑えながら、正常な組の電圧印加部による交流回転機の制御を継続することが可能な、交流回転機の制御装置を得ることを目的とする。
この発明は、N組の三相巻線を備えた交流回転機を制御するための交流回転機の制御装置であって、上記Nは2以上の自然数であり、直流電源の直流電圧を電力変換して前記N組の三相巻線のそれぞれに電圧を印加するN組の電圧印加部と、前記N組の電圧印加部に電圧指令を出力する制御部と、前記N組のうちの少なくともいずれか1つの組の三相巻線で地絡故障及び天絡故障が発生した場合に、組ごとに故障検知信号を前記制御部に出力する故障検知部とを備え、前記故障検知部は、前記地絡故障が発生した場合と前記天絡故障が発生した場合とで異なる値の前記故障検知信号を出力し、前記制御部は、故障が発生した組の前記電圧印加部に対して、前記故障検知信号に基づいて地絡故障が発生したと検知した場合に、故障が発生した組の前記三相巻線に印加する各前記電圧を前記直流電源の負極側電位とする電圧指令を出力し、前記故障検知信号に基づいて天絡故障が発生したと検知した場合に、故障が発生した組の前記三相巻線に印加する各前記電圧を前記直流電源の正極側電位とする電圧指令を出力する、交流回転機の制御装置である。

この発明においては、三相巻線のどの相が地絡故障および天絡故障を発生しても変化を生じるような故障検知信号を出力する故障検知部を備えたので、天絡故障と地絡故障のどちらの故障が生じているかを判別し、地絡故障を検知した場合と天絡故障を検知した場合とで異なる電圧指令を、故障した組の電圧印加部に出力することで、正常な組の電圧印加部による交流回転機の制御を継続することができる。
この発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置の全体構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態1における第1の電圧指令と第1のスイッチング信号との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における第1の電圧指令と第1のスイッチング信号との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における第1の電圧指令と第1のスイッチング信号との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における第2の電圧指令と第2のスイッチング信号との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における第2の電圧指令と第2のスイッチング信号との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における第2の電圧指令と第2のスイッチング信号との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置に設けられた制御部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置に設けられた制御部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2における交流回転機の制御装置の全体構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態3における交流回転機の制御装置の全体構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態3における、半導体スイッチの状態、第1の電圧指令、第1のスイッチング信号、および、故障検知信号との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態3における、半導体スイッチの状態、第2の電圧指令、第2のスイッチング信号、および、故障検知信号との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態3における、半導体スイッチの状態、第1の電圧指令、第1のスイッチング信号、および、故障検知信号との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態3における、半導体スイッチの状態、第2の電圧指令、第2のスイッチング信号、および、故障検知信号との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態3における交流回転機の制御装置に設けられた制御部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3における交流回転機の制御装置に設けられた制御部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1〜3における、故障した組の電圧印加部に通電する電流と、ブレーキトルクとの関係を示した説明図である。 この発明の実施の形態1〜3における、交流回転機の回転速度に対する、電圧印加部の電流特性を示した説明図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置の全体構成を示す図である。
図1において、交流回転機1は、2組の三相巻線(第1の三相巻線U1,V1,W1及び第2の三相巻線U2,V2,W2)を有する交流回転機である。
直流電源2は、交流回転機の制御装置に、電力を供給する電源である。直流電源2は、後述する第1の電圧印加部3および第2の電圧印加部4の正極側に電圧V+を、負極側に電圧V−を与える。また、電圧V+と電圧V−との電位差をVdcとする。直流電源2として、例えば、バッテリー、DC−DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM整流器等、直流電圧を出力する全ての機器を用いることができる。また、図1においては、1つの直流電源2が設けられている例を示しているが、その場合に限らず、第1の電圧印加部3および第2の電圧印加部4に対して各々直流電源2を1つずつ設けるようにしてもよい。
本実施の形態1に係る交流回転機の制御装置は、直流電源2と交流回転機1との間に接続された第1の電圧印加部3及び第2の電圧印加部4と、第1の電圧印加部3と交流回転機1との間に接続された第1の故障検知器6と、第2の電圧印加部4と交流回転機1との間に接続された第2の故障検知器7と、第1の電圧印加部3、第2の電圧印加部4、第1の故障検知器6、及び、第2の故障検知部7に接続された制御部5とから構成されている。なお、第1の故障検知器6と第2の故障検知器7とは、2組のうちの少なくともいずれか1つの組の三相巻線で地絡故障及び天絡故障が発生した場合に、組ごとに故障検知信号を制御部5に出力する故障検知部を構成している。
第1の電圧印加部3は、直流電源2の直流電圧を電力変換し、交流回転機1の第1の三相巻線U1,V1,W1の各相に電圧を印加する。第1の電圧印加部3は、交流回転機1の各相U、V、Wに対応して設けられた複数の半導体スイッチSup1,Svp1,Swp1,Sun1,Svn1,Swn1を有するインバータから構成されている。上側の半導体スイッチSup1,Svp1,Swp1は、それぞれ、下側の半導体スイッチSun1,Svn1,Swn1に直列に接続されている。上側の半導体スイッチSup1と下側の半導体スイッチSun1との接続点に、交流回転機1のU相の巻線が接続されている。また、上側の半導体スイッチSvp1と下側の半導体スイッチSvn1との接続点に、交流回転機1のV相の巻線が接続されている。また、上側の半導体スイッチSwp1と下側の半導体スイッチSwn1との接続点に、交流回転機1のW相の巻線が接続されている。第1の電圧印加部3は、制御部5から出力される第1のスイッチング信号Qup1〜Qwn1に基づき、半導体スイッチSup1〜Swn1をON/OFFすることによって、直流電源2から入力した直流電圧Vdcを電力変換して、交流回転機1の第1の三相巻線U1,V1,W1に電圧Vu1、Vv1、Vw1を印加する。各半導体スイッチSup1〜Swn1は、IGBT,バイポーラトランジスタ,MOSパワートランジスタ等の半導体スイッチと、当該半導体スイッチに逆並列に接続されたダイオードとから構成される。第1のスイッチング信号Qup1、Qun1、Qvp1、Qvn1、Qwp1、Qwn1は、第1の電圧印加部3において、それぞれ、半導体スイッチSup1、Sun1、Svp1、Svn1、Swp1、Swn1をON/OFFするためのスイッチング信号である。
第2の電圧印加部4は、直流電源2の直流電圧を電力変換し、交流回転機1の第2の三相巻線U2、V2、W2の各相に電圧を印加する。第2の電圧印加部4は、交流回転機1の各相U、V、Wに対応して設けられた複数の半導体スイッチSup2,Svp2,Swp2,Sun2,Svn2,Swn2を有するインバータから構成されている。上側の半導体スイッチSup2,Svp2,Swp2は、それぞれ、下側の半導体スイッチSun2,Svn2,Swn2に直列に接続されている。上側の半導体スイッチSup2と下側の半導体スイッチSun2との接続点に、交流回転機1のU相の巻線が接続されている。また、上側の半導体スイッチSvp2と下側の半導体スイッチSvn2との接続点に、交流回転機1のV相の巻線が接続されている。また、上側の半導体スイッチSwp2と下側の半導体スイッチSwn2との接続点に、交流回転機1のW相の巻線が接続されている。第2の電圧印加部4は、第2のスイッチング信号Qup2〜Qwn2に基づき、半導体スイッチSup2〜Swn2をオンオフすることによって、直流電源2から入力した直流電圧Vdcを電力変換して、交流回転機1の第2の三相巻線U2,V2,W2に電圧を印加する。各半導体スイッチSup2〜Swn2は、IGBT,バイポーラトランジスタ,MOSパワートランジスタ等の半導体スイッチと、当該半導体スイッチに逆並列に接続されたダイオードとから構成される。第2のスイッチング信号Qup2、Qun2、Qvp2、Qvn2、Qwp2、Qwn2は、第2の電力変換部4において、それぞれ、半導体スイッチSup2、Sun2、Svp2、Svn2、Swp2、Swn2をON/OFFするためのスイッチング信号である。
上述したように、本実施の形態1においては、2組の電圧印加部(第1の電圧印加部3及び第2の電圧印加部4)を有する。
制御部5は、第1の電圧印加部3と第2の電圧印加部4とに電圧指令を出力する。制御部5は、交流回転機1を駆動するための第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_ref及び第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refを演算する。次に、制御部5は、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refをパルス幅(PWM)変調することによって、第1のスイッチング信号Qup1、Qun1、Qvp1、Qvn1、Qwp1、Qwn1を生成して第1の電圧印加部3へ出力する。また、同様に、制御部5は、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refをパルス幅(PWM)変調することによって、第2のスイッチング信号Qup2、Qun2、Qvp2、Qvn2、Qwp2、Qwn2を生成して第2の電圧印加部4へ出力する。第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_ref及び第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refの演算方法について以下に説明する。当該演算方法としては、例えば、図1に示す制御部5に入力される制御指令として、交流回転機1の速度(周波数)指令fを設定した上で、第1の電圧指令及び第2の電圧指令の振幅を決定とするV/F制御を用いて、電圧指令を算出する。あるいは、別の演算方法としては、前記制御指令として、交流回転機1の電流指令を設定し、当該電流指令と交流回転機の電圧方程式を用いて、電流指令を電圧方程式に代入して電圧指令を算出する方法を用いるようにしてもよい。さらなる別の演算方法としては、第1の三相巻線を流れる電流Iu1、Iv1、Iw1を検出する電流検出部を設け、電流指令と電流Iu1、Iv1、Iw1との偏差に基づいて、その偏差を零とすべく比例積分制御によって第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refを求め、更に、第2の三相巻線を流れる電流Iu2、Iv2、Iw2を検出する電流検出部を設け、電流指令と電流Iu2、Iv2、Iw2との偏差に基づいて、その偏差を零とすべく比例積分制御によって第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refを演算するフィードバック制御により、電圧指令を求めるようにしてもよい。以下では、これらの演算方法による制御・演算を、まとめて、「通常制御」と呼ぶこととする(図8のステップS83,図9のステップS93,図16のステップS365,図17のステップS375参照)。
故障検知器6(故障検知部)は、第1の三相巻線U1、V1、W1にそれぞれ接続された3つの抵抗Rから構成されている。故障検知器6は、第1の三相巻線U1,V1,W1の端子電圧Vu1、Vv1、Vw1に基づいて、故障検知信号Vm1を演算し、制御部5に出力する。故障検知部6から出力される故障検知信号Vm1は、正常時の場合と地絡故障が発生した場合と天絡故障が発生した場合とで、その値が異なる。
故障検知器7(故障検知部)は、第2の三相巻線U2、V2、W2にそれぞれ接続された3つの抵抗Rから構成されている。故障検知器7は、第2の三相巻線U2,V2,W2の端子電圧Vu2、Vv2、Vw2に基づいて、検知信号Vm2を演算し、制御部5に出力する。故障検知部7から出力される検知信号Vm2は、地絡故障が発生した場合と天絡故障が発生した場合とで、その値が異なる。
以下に、制御部5が生成する、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refと第1のスイッチング信号Qup1、Qun1、Qvp1、Qvn1、Qwp1、Qwn1との関係について詳細に述べる。図2〜図4は、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refと第1のスイッチング信号Qup1、Qun1、Qvp1、Qvn1、Qwp1、Qwn1との関係を説明する図である。
図2において、Cは三角波(PWM搬送波)であり、その最大値(山)の電位はV+(直流電源2の正極側電位)、最小値(谷)の電位はV−(直流電源2の負極側電位)とする。図2では、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refが、V+>Vu1_ref>Vv1_ref>Vw1_ref>V−となるように設定されている。このとき、三角波Cと、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refとをそれぞれ比較する。比較の結果、三角波CよりVu1_refが大きければ、Qup1を1、且つ、Qun1を0とし、一方、三角波CよりVu1_refが小さければ、Qup1を0、且つ、Qun1を1とする。また、三角波CよりVv1_refが大きければ、Qvp1を1、且つ、Qvn1を0とし、一方、三角波CよりVv1_refが小さければ、Qvp1を0、且つ、Qvn1を1とする。また、三角波CよりVw1_refが大きければ、Qwp1を1、且つ、Qwn1を0とし、一方、三角波CよりVw1_refが小さければ、Qwp1を0、且つ、Qwn1を1とする。ここで、第1のスイッチング信号Qup1、Qun1、Qvp1、Qvn1、Qwp1、Qwn1において、「1」はその信号に対応する半導体スイッチがONするよう指令を出すことを意味し、「0」はその信号に対応する半導体スイッチがOFFするよう指令を出すことを意味する。こうして、第1のスイッチング信号Qup1〜Qwn1により、図2に示すように、第1の電圧印加部3の半導体スイッチSup1〜Swn1のON/OFFが切り替えられる。
図3は、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refを、すべて、三角波Cの谷の電位V−(直流電源2の負極側電位)に設定した場合の第1のスイッチング信号Qup1〜Qwn1を示す。この場合、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refと三角波Cとを比較すると、常に、三角波Cが、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refより大きいか、あるいは、等しい。そのため、第1のスイッチング信号は、Qup1、Qvp1、Qwp1は常に0となり、Qun1、Qvn1、Qwn1は常に1となる。こうして、第1の電圧印加部3において、図3に示すように、第1のスイッチング信号Qup1〜Qwn1に従って、半導体スイッチSun1、Svn1、Swn1は常にONとなり、半導体スイッチSup1、Svp1、Swp1は常にOFFとなる。
図4は、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refを、すべて、三角波Cの谷の電位V+(直流電源2の正極側電位)に設定した場合の第1のスイッチング信号Qup1〜Qwn1を示す。この場合、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refと三角波Cとを比較すると、常に、三角波Cが、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refより小さいか、あるいは、等しい。そのため、第1のスイッチング信号は、Qup1、Qvp1、Qwp1は常に1となり、Qun1、Qvn1、Qwn1は常に0となる。こうして、第1の電圧印加部3において、図4に示すように、第1のスイッチング信号Qup1〜Qwn1に従って、半導体スイッチSup1、Svp1、Swp1は常にONとなり、半導体スイッチSun1、Svn1、Swn1は常にOFFとなる。
以下に、制御部5が生成する、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refと第2のスイッチング信号Qup2、Qun2、Qvp2、Qvn2、Qwp2、Qwn2との関係について詳細に述べる。図5〜図7は、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refと第2のスイッチング信号Qup2、Qun2、Qvp2、Qvn2、Qwp2、Qwn2との関係を説明する図である。
図5において、Cは三角波(PWM搬送波)であり、その最大値(山)の電位はV+(直流電源2の正極側電位)、最小値(谷)の電位はV−(直流電源2の負極側電位)とする。図5では、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refが、V+>Vu2_ref>Vv2_ref>Vw2_ref>V−となるように設定されている。このとき、三角波Cと第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refとをそれぞれ比較する。比較の結果、三角波CよりVu2_refが大きければ、Qup2を1とし、且つ、Qun2を0とし、一方、三角波CよりVu2_refが小さければ、Qup2を0とし、且つ、Qun2を1とする。また、三角波CよりVv2_refが大きければ、Qvp2を1とし、且つ、Qvn2を0とし、一方、三角波CよりVv2_refが小さければQvp2を0とし、且つ、Qvn2を1とする。また、三角波CよりVw2_refが大きければ、Qwp2を1とし、且つ、Qwn2を0とし、一方、三角波CよりVw2_refが小さければ、Qwp2を0とし、且つ、Qwn2を1とする。ここで、第2のスイッチング信号Qup2、Qun2、Qvp2、Qvn2、Qwp2、Qwn2において、「1」はその信号に対応する半導体スイッチがONするよう指令を出すことを意味し、「0」はその信号に対応する半導体スイッチがOFFするよう指令を出すことを意味する。こうして、第2のスイッチング信号Qup1〜Qwn1により、図5に示すように、第2の電圧印加部4の半導体スイッチSup2〜Swn2のON/OFFが切り替えられる。
図6は、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refを三角波Cの谷の電位V−(直流電源2の負極側電位)に設定した場合の第2のスイッチング信号Qup2〜Qwn2を示す。この場合、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refと三角波Cとを比較すると、常に、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refより三角波Cの方が大きいか、あるいは、等しいので、第2のスイッチング信号は、Qup2、Qvp2、Qwp2は常に0となり、Qun2、Qvn2、Qwn2は常に1となる。こうして、第2の電圧印加部4において、図6に示すように、第2のスイッチング信号Qup2〜Qwn2に従って、半導体スイッチSun2、Svn2、Swn2は常にONとなり、半導体スイッチSup2、Svp2、Swp2は常にOFFとなる。
図7は、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refを三角波Cの谷の電位V+(直流電源2の正極側電位)に設定した場合の第2のスイッチング信号Qup2〜Qwn2を示す。この場合、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refと三角波Cとを比較すると、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refより三角波Cの方が小さいか、あるいは、等しいので、第2のスイッチング信号は、Qup2、Qvp2、Qwp2は常に1、Qun2、Qvn2、Qwn2は常に0となる。こうして、第2の電圧印加部4において、図7に示すように、第2のスイッチング信号Qup2〜Qwn2に従って、半導体スイッチSup2、Svp2、Swp2は常にONとなり、半導体スイッチSun2、Svn2、Swn2は常にOFFとなる。
以上の説明に基づいて、第1の三相巻線U1、V1、W1の端子電圧Vu1、Vv1、Vw1はそれぞれ第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refに応じた電圧が出力され、第2の三相巻線U2、V2、W2の端子電圧Vu2、Vv2、Vw2はそれぞれ第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refに応じた電圧が出力される。
次に、故障検知器6の動作について述べる。故障検知器6は、図1に示すように、第1の三相巻線U1、V1、W1の各相に対応して、3つの抵抗Rが設けられている。第1の三相巻線U1、V1、W1の各巻線から抵抗Rを経由した点の電圧Vm1は、下記の式(1)で与えられ、第1の三相巻線U1、V1、W1の端子電圧Vu1、Vv1、Vw1を加算することにより求められる。
Vm1=(Vu1+Vv1+Vw1)/3 (1)
よって、制御部5には、第1の三相巻線U1、V1、W1の端子電圧Vu1、Vv1、Vw1を加算したことにより得られる値Vm1が入力される。
一般に、三相巻線を有する交流回転機へ印加する電圧は、各相が電気角で2π/3の位相差を有する三相交流電圧であるから、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refは、以下、それぞれ式(2)〜(4)で表現される。
Vu1_ref=Vamp1・cos(θ) + Vdc/2 (2)
Vv1_ref
=Vamp1・cos(θ−π/3) + Vdc/2 (3)
Vw1_ref
=Vamp1・cos(θ+2π/3) + Vdc/2 (4)
ここで、Vamp1は第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refの振幅であり、図1に示すように、V−を基準(0V)電位にとっているので、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refは、直流電源2の出力電圧の半分の値Vdc/2でオフセットさせている。
式(2)〜(4)において、第1の電圧印加部3の半導体スイッチSup1〜Swn1が正しく動作している場合、第1の電圧指令と第1の三相巻線の端子電圧はほぼ等しく、Vu1≒Vu1_ref、Vv1≒Vv1_ref、Vw1≒Vw1_refとなるので、式(2)〜式(4)より、下記の式(5)〜式(7)が成立する。
Vu1=Vamp1・cos(θ) + Vdc/2 (5) Vv1=Vamp1・cos(θ−π/3) + Vdc/2 (6) Vw1=Vamp1・cos(θ+2π/3) + Vdc/2 (7)
式(5)〜式(7)を式(1)へ代入すると、式(8)となる。
Vm1=Vdc/2 (8)
よって、第1の電圧印加部3が正しく動作している場合、Vm1は直流電圧Vdcの半分の値となる。
以下、第1の三相巻線U1、V1、W1のいずれかが地絡故障した場合を考える。ここで、「地絡故障」とは、三相巻線のうちの少なくとも一相の端子電圧が直流電源2の負極側電位V−で一定となる故障を言い、第1の三相巻線U1、V1、W1に対しては、第1の電圧印加部3の半導体スイッチSun1、Svn1、Swn1の少なくとも1つが、それぞれに対応する第1のスイッチング信号Qun1、Qvn1、Qwn1の状態によらず、常に、ON状態(以下、ショート故障)となることによって発生する故障である。
一例として、半導体スイッチSun1が、それに対応するスイッチング信号Qun1の状態によらず、常にONする場合を示す。このとき、第1の電圧指令が式(2)〜(4)で与えられると、第1の三相巻線U1、V1、W1の端子電圧Vu1〜Vw1は、式(9)〜(11)で与えられる。
Vu1=0 (9)
Vv1=Vamp1・cos(θ−π/3)+Vdc/2 (10)
Vw1=Vamp1・cos(θ+2π/3)+Vdc/2 (11)
よって、端子電圧Vu1が0Vで一定となり、また、Vu1、Vv1、Vw1を正弦波電圧に制御する場合はVamp1≦Vdc/2が成り立つため、式(9)におけるVu1は、式(5)におけるVu1よりも小さくなる。よって、式(9)〜(11)を式(1)へ代入することでVm1を求めると、当該Vm1は、式(8)に示したVm1の値よりも小さい。また、Vu1に限らず、他の端子電圧Vv1、Vw1が0Vで一定となっても、そのときのVm1は式(8)に示したVm1より小さい値となることから、第1の三相巻線U1、V1、W1のうちのどの相が地絡故障しても、Vm1は変化を生じ、故障を生じていない場合の式(8)のVm1より小さい値となる。
以上の説明により、第1の三相巻線U1、V1、W1が地絡故障を生じると、少なくとも1相が直流電源2の負極側電位V−で一定となるため、地絡故障時のVm1は、正常時の場合に比べて小さい値となる。
次に、第1の三相巻線U1、V1、W1が天絡故障した場合を考える。ここで、「天絡故障」とは、三相巻線の少なくとも一相の端子電圧が直流電源2の正極側電位V+で一定となる故障を言い、第1の三相巻線U1、V1、W1に対しては、第1の電圧印加部3の半導体スイッチSup1、Svp1、Swp1の少なくとも1つが、それぞれに対応する第1のスイッチング信号Qup1、Qvp1、Qwp1の状態によらず、常に、ON状態(以下、ショート故障)となることによって発生する故障である。
一例として、半導体スイッチSup1がショート故障した場合を示す。このとき、第1の電圧指令が式(2)〜(4)で与えられると、第1の三相巻線の端子電圧Vu1〜Vw1は、式(12)〜(14)で与えられる。
Vu1=Vdc (12)
Vv1=Vamp1・cos(θ−π/3)+Vdc/2 (13)
Vw1=Vamp1・cos(θ+2π/3)+Vdc/2 (14)
よって、端子電圧Vu1がVdc[V]で一定となり、また、Vu1、Vv1、Vw1を正弦波電圧に制御する場合は、Vamp1≦Vdc/2が成り立つため、式(12)におけるVu1は、式(5)におけるVu1よりも大きい。式(12)〜(14)を式(1)へ代入することでVm1を求めると、Vm1は式(8)に示したVm1よりも大きい値になる。また、Vu1に限らず、他の端子電圧Vv1、Vw1がVdc[V]一定となっても、そのときのVm1は、式(8)に示したVm1よりも大きい値となる。従ってこと、第1の三相巻線U1、V1、W1のどの相が天絡故障しても、Vm1は変化を生じ、故障が発生していない場合の式(8)より大きい値となる。
以上の説明により、第1の三相巻線U1、V1、W1が天絡故障を生じると、少なくとも1相が直流電源2の正極側電位V+で一定となるため、天絡故障時のVm1は、正常時の場合に比べて大きい値となる。
このように、故障検知器6においては、第1の三相巻線U1、V1、W1に対して、第1の三相巻線U1、V1、W1の各相の端子電圧(Vu1、Vv1、Vw1)を加算することで求めるVm1の値は、第1の三相巻線U1、V1、W1が正常時の場合に比べ、天絡故障時に大きくなり、地絡故障時に小さくなる。
故障検知器7も同様であり、第2の三相巻線U2、V2、W2に対して、第2の三相巻線U2、V2、W2の各相の端子電圧(Vu2、Vv2、Vw2)を加算することで求めるVm2(=(Vu2+Vv2+Vw2)/3)は、第2の三相巻線U2、V2、W2が正常時の場合のVm2に比べ、天絡故障時に大きくなり、地絡故障時に小さくなる。
従って、本実施の形態1では、このことを利用して、天絡故障と地絡故障とを検知する。
本実施の形態1では、故障がない正常時の場合に比べ、Vm1及びVm2の値が、天絡故障時に増大し、地絡故障時に減少することを利用して、Vm1及びVm2を故障検知信号として用いる。すなわち、故障検知信号Vm1及びVm2が、それぞれ、予め設定された天絡故障判定閾値Vte1及びVte2以上となった場合に天絡故障と判定する。一方、故障検知信号Vm1及びVm2が、それぞれ、予め設定された地絡故障判定閾値Vch1及びVte2以下となった場合に地絡故障と判定する。
ここで、天絡故障判定閾値Vte1は、正常時におけるVm1より大きく、且つ、天絡故障時におけるVm1未満に設定し、地絡故障判定閾値Vch1は、正常時におけるVm1未満、且つ、地絡故障時におけるVm1より大きい値に設定すればよい。同様に、天絡故障判定閾値Vte2は、正常時におけるVm2より大きく、且つ、天絡故障時におけるVm2未満に設定し、地絡故障判定閾値Vch2は、正常時におけるVm2未満、且つ、地絡故障時におけるVm2より大きい値に設定すればよい。なお、天絡故障時におけるVm1,Vm2、および、地絡故障時におけるVm1,Vm2の値は、予め実験等により求めておくようにすればよい。
図8は、実施の形態1における、制御部5の動作を示す図である。図8に示すように、制御部5は、ステップS81では、Vm1と天絡判定閾値Vte1とを比較する。ステップS81で、Vm1が天絡判定閾値Vte1以上となったとき、天絡故障と判定(「YES」を選択)し、ステップS85に進む。ステップS85では、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refをV+(直流電源2の正極側電位)に設定する。一方、ステップS81にて、Vm1が天絡判定閾値Vte1未満となったとき、天絡故障ではないと判定(「NO」を選択)し、ステップS82に進む。ステップS82では、Vm1と地絡判定閾値Vch1とを比較する。ステップS82で、Vm1が地絡判定閾値Vch1以下となったとき、地絡故障と判定(「YES」を選択)し、ステップS84に進む。ステップS84では、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refをV−(直流電源2の負極側電位)に設定する。一方、ステップS82で、Vm1が地絡判定閾値Vch1より大きい場合、天絡故障および地絡故障が共に生じていないと判定(「NO」を選択)し、ステップS83に進む。ステップS83では、先に述べた通常制御を行う。なお、図8のステップS81とステップS82の順序は逆でもよい。
以上のように、図8では、天絡故障が発生したと判定された場合、ステップS85で、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refをV+(直流電源2の正極側電位)に設定する。これにより、図4に示したように、制御部5は、第1のスイッチング信号Qup1、Qvp1、Qwp1を常に1として、第1の電圧印加部3に対し、半導体スイッチSup1、Svp1、Swp1を常にONにする指令が出力される。よって、第1の三相巻線U1、V1、w1の各電圧が、直流電源2の正極側電位V+に制御され、各電圧を、天絡故障した相と同電位に設定できる。同様に、図8では、地絡故障が発生したと判定された場合、ステップS84で、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refをV−(直流電源2の負極側電位)に設定する。これにより、図3に示したように、制御部5は、第1のスイッチング信号Qun1、Qvn1、Qwn1を常に1として、第1の電圧印加部3に対し、半導体スイッチSun1、Svn1、Swnを常にONする指令が出力される。よって、第1の三相巻線U1、V1、W1の各電圧が、直流電源2の負極側電位V−に制御され、各電圧を、地絡故障した相と同電位に設定できる。
図9は、図8と同様に、実施の形態1における、制御部5の動作を示す図である。図9に示すように、制御部5は、ステップS91では、Vm2と天絡判定閾値Vte2とを比較する。ステップS91で、Vm2が天絡判定閾値Vte2以上となったとき、天絡故障と判定(「YES」を選択)し、ステップS95に進む。ステップS95では、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refをV+(直流電源2の正極側電位)に設定する。一方、ステップS91にて、Vm2が天絡判定閾値Vte2未満となったとき、天絡故障ではないと判定(「NO」を選択)し、ステップS92に進む。ステップS92では、Vm2と地絡判定閾値Vch2とを比較する。ステップS92で、Vm2が地絡判定閾値Vch2以下となったとき、地絡故障と判定(「YES」を選択)し、ステップS94に進む。ステップS94では、第1の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refをV−(直流電源2の負極側電位)に設定する。一方、ステップS92で、Vm2が地絡判定閾値Vch2より大きいとなったとき、天絡故障および地絡故障が共に生じていないと判定(「NO」を選択)し、ステップS93に進む。ステップS93では、先に述べた通常制御を行う。なお、図9のステップS91とステップS92の順序は逆でもよい。
以上のように、図9では、天絡故障が判定された場合、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refをV+(直流電源2の正極側電位)に設定することによって、図7に示したように、制御部5は第2のスイッチング信号Qup2、Qvp2、Qwp2を常に1として出力し、第2の電圧印加部4に対し、半導体スイッチSup2、Svp2、Swp2を常にONする指令が出力される。よって、第2の三相巻線U2、V2、W2の各電圧が、直流電源2の正極側電位に制御され、各電圧を天絡故障した相と同電位に設定できる。同様に、地絡故障が判定された場合、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refをV−(直流電源2の負極側電位)に設定することによって、図6に示したように、制御部5は、第2のスイッチング信号Qun2、Qvn2、Qwn2を常に1として出力し、第2の電圧印加部3に対し、半導体スイッチSun2、Svn2、Swn2を常にONする指令が出力される。よって、第2の三相巻線の各電圧が、直流電源2の負極側電位に制御され、各電圧を地絡故障した相と同電位に設定できる。
上記の特許文献1では、天絡故障・地絡故障に基づいて同電位に設定することについて言及していないので、例えば、第1の電圧印加部3の半導体スイッチSup1が第1のスイッチング信号Qup1の状態によらずON状態となったことによる天絡故障時において、第1の三相巻線の各電圧を同電位とすべく、図3に示す第1のスイッチング信号Qup1、Qvp1、Qwp1を常に1にすると、半導体スイッチSup1、Svp1、Swp1がONすることによって、半導体スイッチSvp1とSvn1との同時ONによる短絡故障が発生するとともに、半導体スイッチSwp1とSwn1との同時ONによる短絡故障が発生し、半導体スイッチSvn1およびSwn1の故障を引き起こすという問題点があった。しかしながら、この発明の実施の形態1においては、三相巻線のどの相が地絡故障、天絡故障を発生しても変化を生じるような、三相巻線の各相の端子電圧の加算値に基づくVm1、Vm2を故障検知信号として出力することによって、制御部5が、地絡故障を検知した場合は、各電圧を直流電源2の負極側電位とし、天絡故障を検知した場合は、各電圧を直流電源2の正極側電位とする電圧指令を、故障した組の電圧印加部3または4に出力できるようになったことで、短絡故障を起こさず、故障した組の各電圧を同電位に制御することができる。また、本実施の形態1では、天絡検出および地絡検出を実施するにあたり、各相の端子電圧を検出するような複雑な構成は必要でなく、1組の三相巻線に対して、1つの故障検知信号(第1の三相巻線に対しては第1の三相巻線の端子電圧の加算値Vm1、第2の三相巻線に対しては第2の三相巻線の端子電圧の加算値Vm2)で天絡検出および地絡検出が行えるので、簡素な構成で故障検出が実現できるという効果も奏する。
以上のように、実施の形態1では、交流回転機の制御装置が、図1に示すように、直流電源2の直流電圧を電力変換して2組の三相巻線のそれぞれに電圧を印加する2組の電圧印加部3,4と、2組の電圧印加部3,4に電圧指令を出力する制御部5と、2組のうちの少なくともいずれか1つの組の三相巻線で地絡故障及び天絡故障が発生した場合に、組ごとに故障検知信号を制御部5に出力する故障検知部6,7とを備えている。故障検知部6,7は、地絡故障が発生した場合と天絡故障が発生した場合とで異なる値の故障検知信号Vm1、Vm2を出力する。制御部5は、故障が発生した組の電圧印加部3,4に対して、故障検知信号Vm1,Vm2に基づいて、地絡故障が発生したと検知した場合には、故障が発生した組の三相巻線に印加する各電圧を直流電源2の負極側電位V−とする電圧指令を出力し、一方、故障検知信号Vm1,Vm2に基づいて天絡故障が発生したと検知した場合には、故障が発生した組の三相巻線に印加する各電圧を直流電源2の正極側電位V+とする電圧指令を出力する。このように、実施の形態1では、三相巻線のどの相が地絡故障または天絡故障を発生しても変化を生じるような故障検知信号を制御部5に出力する故障検知部6,7を備えたことによって、制御部5は、故障検知信号に基づいて地絡故障を検知した場合に各電圧を直流電源2の負極側電位V−とし、天絡故障を検知した場合に各電圧を直流電源2の正極側電位V+とする電圧指令を、故障した組の電圧印加部3,4に出力できるようになり、故障した組を除く正常な組の電圧印加部3,4で交流回転機1の制御を継続することが可能となる。
また、実施の形態1では、故障検知部6,7が、三相巻線の端子電圧を加算して、故障検知信号を生成するようにしたので、1組の三相巻線に対して、1つの故障検知信号で故障が検出できるので、簡素な構成で地絡故障および天絡故障を行うことができる。
また、実施の形態1では、制御部5が、故障検知信号の値と予め設定された地絡判定閾値とを比較し、故障検知信号の値が地絡判定閾値以下の場合に、地絡故障が発生したと検知するようにしたので、簡単な演算処理で、発生した故障が地絡故障か否かを確実に判別することができる。
また、実施の形態1では、制御部5が、故障検知信号の値と予め設定された天絡判定閾値とを比較し、故障検知信号の値が天絡判定閾値以上の場合に、天絡故障が発生したと検知するようにしたので、簡単な演算処理で、発生した故障が地絡故障か否かを確実に判別することができる。
実施の形態2.
図10は、この発明の実施の形態2における交流回転機の制御装置の全体構成を示す図である。実施の形態1と異なる点は、故障検知器6A、7A、制御部5Aである。他の構成は、実施の形態1と同じであるため、同一符号を付して示し、ここでは説明を省略する。
故障検知器6A、7Aは、それぞれ、故障検知器6、7の構成に対して、低域通過フィルタ(R1,R2,C)を追加した構成を有する。低域通過フィルタは、直列接続された2つの抵抗R1,R2と、抵抗R1,R2に並列に接続されたコンデンサCとから構成されている。従って、実施の形態2に係る故障検知器6A、7Aは、交流回転機1の三相に対応して設けられた3つの抵抗Rと、低域通過フィルタ(R1,R2,C)とから、構成されている。低域通過フィルタは、遮断周波数がPWM搬送波周波数fc(=1/Tc)よりも低い低域通過特性を有する。
故障検知器6Aは、第1の三相巻線U1、V1、W1の各巻線から抵抗Rを経由した点の電圧Vm1を、低域通過フィルタ(R1,R2,C)を介して、故障検知信号Vm1_2として、制御部5Aに出力する。ここで、Vm1は、上記の実施の形態1の式(1)に示すように、第1の三相巻線U1、V1、W1の端子電圧Vu1,Vv1,Vw1を加算して得られる値である。
同様に、故障検知器7Aは、第2の三相巻線U2、V2、W2の各巻線から抵抗Rを経由した点の電圧Vm2を、低域通過フィルタ(R1,R2,C)を介して、故障検知信号Vm2_2として、制御部5Aに出力する。ここで、Vm2は、上記の実施の形態1で説明したように、第2の三相巻線U2、V2、W2の端子電圧Vu2,Vv2,Vw2を加算して得られる値である(すなわち、Vm2=(Vu2+Vv2+Vw2)/3)。
ここで、故障検知信号Vm1_2、Vm2_2は、それぞれ、下記の式(15)、(16)で表わされる。
Vm1_2
=R’Vcc+R”(Vu1+Vv1+Vw1)/(1+τs) (15)
Vm2_2
=R’Vcc+R”(Vu2+Vv2+Vw2)/(1+τs) (16)
ただし、Vccは予め設定された定電圧であり、R’、R”、τは以下の式で与えられる。
R’={R1//(R/3)}/{R2+{R2+{R2//(R/3)}}}
R”={R1//R2//(R/2)}
/{R+{R+{R1//R2//(R/2)}}}
τ=C・R・R”
ここで、τは、PWM搬送波(三角波)周期Tcが50μsのとき、τ=1ms程度とすればよい。
以上の通り、式(2)〜(4)より、交流回転機1の三相巻線U1、V1、W1の端子電圧の加算値はVu1+Vv1+Vw1=3Vdc/2であり、PWM搬送波(三角波)成分が除去されていれば、Vm1_2=R’Vcc+3R”Vdc/2となる。同様に、交流回転機1の三相巻線U2、V2、W2の端子電圧の加算値はVu2+Vv2+Vw2=3Vdc/2であり、PWM搬送波(三角波)成分が除去されていれば、Vm2_2=R’Vcc+3R”Vdc/2となる。よって、第1の電圧印加部3の半導体スイッチSup1〜Swn1、第2の電圧印加部4の半導体スイッチSup2〜Swn2が正常に動作しているとき、実施の形態1では、Vm1、Vm2は共に「Vdc/2」であったが、実施の形態2では、Vm1_2、Vm2_2は共に「R’Vcc+3R”Vdc/2」となる。
実施の形態1では、制御部5が、故障が生じていないときの検知信号Vm1、Vm2の基準値を「Vdc/2」とした上で、それに基づいて天絡判定閾値および地絡判定閾値を設け、天絡故障および地絡故障を検知していた。実施の形態2では、同様に、制御部5Aが、故障が生じていないときの検知信号Vm1_2、Vm2_2の基準値を「R’Vcc+3R”Vdc/2」とした上で、それに基づいて天絡判定閾値および地絡判定閾値を設け、天絡故障および地絡故障を検知する。
制御部5Aが、制御部5と異なるのは、天絡判定閾値および地絡判定閾値の設定法のみであり、他は制御部5と同じである。
以下、実施の形態2における故障検知器6A、7Aの効果について述べる。実施の形態1における、故障検知器6、7の出力Vm1、Vm2の基準値は、抵抗Rの値によらず、「Vdc/2」であった。よって、例えば、直流電源2の出力Vdcが300Vの場合、Vm1、Vm2の基準値は150Vとなる。よって、制御部5は、150Vを入力する必要があるが、制御部5をマイコン等によって実現する場合、マイコンの検出電圧のレンジは例えば「0V以上5V以下」等の制約があって、入力できない場合が生ずる。一方で、実施の形態2における故障検知器6A、7Aの出力Vm1_2、Vm2_2の基準値は、「R’Vcc+3R’’Vdc/2」であるから、Vdcが例えば300Vであっても、電圧Vccや抵抗R1やR2の値を適切に設定することによって、Vm1_2、Vm2_2の値を調節でき、先に述べた「0V以上5V以下」にも調節できる。以上より、制御部5Aを検出電圧のレンジに制約のあるマイコンによって実現する場合にも適用できる効果を奏する。
また、実施の形態2における故障検知器6A、7Aでは、R1、R2、Cによって端子電圧Vu1、Vv1、Vw1、Vu2、Vv2、および、Vw2に含まれる三角波(PWM搬送波)成分が除去されているので、故障検知信号Vm1_2、Vm2_2においても、その成分が除去されており、制御部5Aでの天絡故障および地絡故障の誤検知を防ぐ効果も奏する。
また、実施の形態2においても、上記の実施の形態1と同様に、天絡検出および地絡検出を実施するにあたり、各相の端子電圧を検出するような複雑な構成は必要でなく、1組の三相巻線に対して、1つの故障検知信号(第1の三相巻線に対しては第1の三相巻線の端子電圧の加算値Vm1_2、第2の三相巻線に対しては第2の三相巻線の端子電圧の加算値Vm2_2)で故障検出が行えるので、簡素な構成で故障検出が実現できるという効果も奏する。
実施の形態3.
図11は、この発明の実施の形態3における交流回転機の制御装置の全体構成を示す図である。実施の形態1、2と異なるのは、故障検知器6B、7B、制御部5Bである。他の構成は、実施の形態1、2と同じであるため、同一符号を付して示し、ここでは説明を省略する。
故障検知器6Bは、第1の電圧印加部3と直流電源2との間に接続されている。故障検知器6Bは、第1の電圧印加部3の直流母線に直列に接続された抵抗Rdcから構成されている。故障検知器6Bは、抵抗Rdcの両端電圧を検出することで、第1の電圧印加部3の直流母線を流れる第1の母線電流Idc1を検出する母線電流検出器を有し、検出した第1の母線電流Idc1を制御部5Bに出力する。
故障検知器7Bは、第1の電圧印加部3と直流電源2との間に接続されている。故障検知器6Bは、第1の電圧印加部3の直流母線に直列に接続された抵抗Rdcから構成されている。故障検知器7Bは、抵抗Rdcの両端電圧を検出することで、第2の電圧印加部4の直流母線を流れる第2の母線電流Idc2を検出する母線電流検出器を有し、検出した第2の母線電流Idc2を制御部5Bに出力する。
図12は、第1の電圧印加部3の半導体スイッチSup1〜Swn1の状態(正常/故障)と、第1の電圧ベクトルV(1)と、第1の電圧ベクトルV(1)に対応したスイッチング信号Qup1〜Qwn1と、半導体スイッチSup1〜Swn1のON/OFF状態と、第1の母線電流Idc1に等しい第1の三相巻線を流れる相電流(Iu1、Iv1、Iw1)の関係を表に示した図である。図12に示されるように、半導体スイッチSup1〜Swn1が全て正常の場合、第1の電圧ベクトルV(1)に応じたスイッチング信号Qup1〜Qwn1が「1」のときに、該当する半導体スイッチがONし、一方、第1の電圧ベクトルV(1)に応じたスイッチング信号Qup1〜Qwn1が「0」のときに、該当する半導体スイッチがOFFする。また、第1の電圧ベクトルV(1)がV0またはV7のときに、第1の母線電流Idc1は0となり、一方、第1の電圧ベクトルV(1)がV0及びV7以外のとき、第1の母線電流Idc1は、第1の三相巻線を流れる三相電流(Iu1、Iv1、Iw1)のうちのいずれか1つ、もしくは、いずれか1つの符号反転値(−Iu1、−Iv1、−Iw1)に等しくなる。
ここで、第1の電圧ベクトルV(1)とは、下記のように、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refを要素に持つベクトルである。
V(1)=(Vu1_ref,Vv1_ref,Vw1_ref)
また、第1の電圧ベクトルV(1)がV0とは、制御部5Bが、第1の三相巻線U1、V1、W1の各電圧Vu1、Vv1、Vw1が直流電源2の負極側電位V−となるように第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refを出力したときの第1の電圧ベクトルV(1)に相当する。
同様に、第1の電圧ベクトルV(1)がV7とは、制御部5Bが、第1の三相巻線U1、V1、W1の各電圧Vu1、Vv1、Vw1が直流電源2の正極側電位V+となるように第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refを出力したときの第1の電圧ベクトルV(1)に相当する。
図13は、第2の電圧印加部4の半導体スイッチSup2〜Swn2の状態(正常/故障)と、第2の電圧ベクトルV(2)と、第2の電圧ベクトルV(2)に対応したスイッチング信号Qup2〜Qwn2と、半導体スイッチSup2〜Swn2のON/OFF状態と、第2の母線電流Idc2に等しい第2の三相巻線を流れる相電流(Iu2、Iv2、Iw2)の関係を表に示した図である。図13に示されるように、半導体スイッチSup2〜Swn2が全て正常の場合、第2の電圧ベクトルV(2)に応じたスイッチング信号Qup2〜Qwn2が「1」のときに、該当する半導体スイッチがONし、一方、第2の電圧ベクトルV(2)に応じたスイッチング信号Qup2〜Qwn2が「0」のときに、該当する半導体スイッチがOFFする。また、第2の電圧ベクトルV(2)がV0またはV7のときに、第2の母線電流Idc2は0となり、一方、第2の電圧ベクトルV(2)がV0及びV7以外のとき、第2の母線電流Idc2は、第2の三相巻線を流れる三相電流(Iu2、Iv2、Iw2)のうちのいずれか1つ、もしくは、いずれか1つの符号反転値(−Iu2、−Iv2、−Iw2)に等しくなる。
ここで、第2の電圧ベクトルV(2)とは、下記のように、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refを要素に持つベクトルである。
V(2)=(Vu2_ref,Vv2_ref,Vw2_ref)
また、第2の電圧ベクトルV(2)がV0とは、制御部5Bが、第2の三相巻線U2、V2、W2の各電圧Vu2、Vv2、Vw2が直流電源2の負極側電位V−となるように第1の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refを出力したときの第2の電圧ベクトルV(2)に相当する。
同様に、第2の電圧ベクトルV(2)がV7とは、制御部5Bが、第2の三相巻線U2、V2、W2の各電圧Vu2、Vv2、Vw2が直流電源2の正極側電位V+となるように第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refを出力したときの第2の電圧ベクトルV(2)に相当する。
図14は、半導体スイッチSup1〜Swn1がショート故障することによって天絡故障および地絡故障した場合を示している。図14の各項目は、図12の各項目と同じである。図14は、半導体スイッチSup1〜Swn1がショート故障することによって天絡故障または地絡故障した時に、第1の電圧ベクトルV(1)がV0またはV7となる場合に、第1の母線電流Idc1を流れる電流を説明する図である。
半導体スイッチSup1〜Swn1が全て正常の場合は、図12に示すように、第1の電圧ベクトルV(1)がV0、V7となると、第1の母線電流Idc1は0となる。
一方、図14に示すように、例えばSup1がショート故障し天絡故障した場合、第1の電圧ベクトルV(1)がV0になると、半導体スイッチSun1、Svn1、Swn1がONするように制御され、更に、Sup1がショート故障しているので、第1の母線電流Idc1は、直流電源2の正極側からSup1、Sun1を経由して直流電源2の負極側へ短絡電流Is1が流れる。同様に、Svp1がショート故障し天絡故障した場合、第1の電圧ベクトルV(1)がV0になると、第1の母線電流Idc1は、直流電源2の正極側からSvp1、Svn1を経由して直流電源2の負極側に短絡電流Is1が流れる。また、同様に、Swp1がショート故障して天絡故障した場合、第1の電圧ベクトルV(1)がV0となると、第1の母線電流Idc1は、直流電源2の正極側からSwp1、Swn1を経由して直流電源2の負極側に短絡電流Is1が流れる。つまり、第1の電圧印加部3の上側の半導体スイッチSup1、Svp1、Swp1のいずれか1つがショート故障することによって天絡故障したとき、第1の電圧ベクトルV(1)がV0になると、第1の母線電流Idc1には短絡電流Is1が流れる。よって、第1巻線のU相、V相、W相のどの相が天絡故障しても、第1の母線電流Idc1は変化を生じる。
また、図14に示すように、例えばSun1がショート故障し地絡故障した場合、第1の電圧ベクトルV(1)がV7になると、半導体スイッチSup1、Svp1、Swp1がONするように制御され、更に、Sun1がショート故障しているので、第1の母線電流Idc1は、直流電源2の正極側からSup1、Sun1を経由して直流電源2の負極側へ短絡電流Is1が流れる。同様に、Svn1がショート故障し地絡故障した場合、第1の電圧ベクトルV(1)がV7になると、第2の母線電流Idc2は、直流電源2の正極側からSvp1、Svn1を経由して直流電源2の負極側に短絡電流Is1が流れる。同様に、Swn1がショート故障し地絡故障した場合、第1の電圧ベクトルV(1)がV7になると、第1の母線電流Idc1は、直流電源2の正極側からSwp1、Swn1を経由して直流電源2の負極側に短絡電流Is1が流れる。つまり、第1の電圧印加部4の下側の半導体スイッチSun1、Svn1、Swn1がショート故障し地絡故障したとき、第1の電圧ベクトルV(1)がV7になると、第1の母線電流Idc1には短絡電流Is1が流れる。よって、第1巻線のU相、V相、W相のどの相が地絡故障しても、第1の母線電流Idc1は変化を生じる。
図15は、半導体スイッチSup2〜Swn2がショート故障することによって天絡故障および地絡故障した場合を示している。図15の各項目は、図13の各項目と同じである。図15は、半導体スイッチSup2〜Swn2がショート故障した時に、第2の電圧ベクトルV(2)がV0またはV7となるときに、第2の母線電流Idc2を流れる電流を説明する図である。
図14の場合と同様に、図13に示すように、半導体スイッチSup2〜Swn2が全て正常の場合、第2の電圧ベクトルV(2)がV0またはV7となると、第2の母線電流Idc2は0となる。一方、図15に示すように、第2の電圧印加部4の上側の半導体スイッチSup2、Svp2、Swp2のいずれか1つがショート故障し天絡故障したとき、第2の電圧ベクトルV(2)がV0になると、第2の母線電流Idc2には短絡電流Is2が流れる。また、第1の電圧印加部4の下側の半導体スイッチSun2、Svn2、Swn2のいずれか1つがショート故障し地絡故障したとき、第2の電圧ベクトルV(2)がV7になると、第2の母線電流Idc2には短絡電流Is2が流れる。よって、第2巻線のU相、V相、W相のどの相が天絡故障または地絡故障しても、第2の母線電流Idc2は変化を生じる。
以上の説明より、実施の形態3における制御部5Bにおいては、第1の母線電流Idc1、第2の母線電流Idc2を故障検知信号として用い、それらが正常時に比べて天絡故障時、地絡故障時に増大することを利用して、天絡故障判定、地絡故障判定を行う。
図16は、実施の形態3における、制御部5Bの動作を示すフローチャートである。ステップS361では、第1の電圧ベクトルV(1)がV0に等しいか否かを判定する。第1の電圧ベクトルV(1)がV0に等しい時、「YES」を選択後、ステップS362を実行する。一方、等しくない時、「NO」を選択後、ステップS363を実行する。ステップS362では、故障検知信号である第1の母線電流Idc1と予め設定された天地絡判定値It1とを比較する。第1の母線電流Idc1が天地絡判定値It1以上となったとき、「YES」を選択後、ステップS367を実行する。一方、第1の母線電流Idc1が天地絡判定値It1未満のとき「NO」を選択後、ステップS363を実行する。天地絡判定閾値It1は、正常時に誤検知することのない範囲で、短絡電流Is1より小さい値に設定する。
ステップS363では、第1の電圧ベクトルV(1)がV7に等しいか否かを判定する。第1の電圧ベクトルV(1)がV7に等しい時、「YES」を選択後、ステップS364を実行する。一方、等しくない時、「NO」を選択後、ステップS365を実行する。ステップS364では、故障検知信号である第1の母線電流Idc1と天地絡判定値It1とを比較する。第1の母線電流Idc1が天地絡判定値It1以上となったとき、「YES」を選択後、ステップS366を実行する。一方、第1の母線電流Idc1が天地絡判定値It1未満のとき「NO」を選択後、ステップS365を実行する。ステップS365では、天絡故障および地絡故障共に生じていないと判定し、図8のステップS83にて先に述べた、通常制御を行う。ステップS366では、地絡故障と判定し、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refをV−(直流電源2の負極側電位)に設定する。ステップS367では、天絡故障と判定し、第1の電圧指令Vu1_ref、Vv1_ref、Vw1_refをV+(直流電源2の正極側電位)に設定する。なお、図16において、ステップS361とステップS363の判定を行う順序は、逆でもよい。
図17は、図16と同様に、実施の形態3における、制御部5Bの動作を示す図である。ステップS371では、第2の電圧ベクトルV(2)がV0に等しいか否かを判定する。第2の電圧ベクトルV(2)がV0に等しい時、「YES」を選択後、ステップS372を実行する。一方、等しくない時、「NO」を選択後、ステップS373を実行する。ステップS372では、故障検知信号である第2の母線電流Idc2と予め設定された天地絡判定値It2とを比較する。第2の母線電流Idc2が天地絡判定値It2以上となったとき、「YES」を選択後、ステップS377を実行する。一方、第2の母線電流Idc2が天地絡判定値It2未満のとき「NO」を選択後、ステップS373を実行する。天地絡判定閾値It2は、正常時に誤検知することのない範囲で、短絡電流Is2より小さい値に設定する。
ステップS373では、第2の電圧ベクトルV(2)がV7に等しいか否かを判定する。第2の電圧ベクトルV(2)がV7に等しい時、「YES」を選択後、ステップS374を実行する。一方、等しくない時、「NO」を選択後、ステップS375を実行する。ステップS374では、故障検知信号である第2の母線電流Idc2と天地絡判定値It2とを比較する。第2の母線電流Idc2が天地絡判定値It2以上となったとき、「YES」を選択後、ステップS376を実行する。一方、第2の母線電流Idc2が天地絡判定値It2未満のとき「NO」を選択後、ステップS375を実行する。ステップS375では、天絡故障および地絡故障共に生じていないと判定し、図8のステップS83にて先に述べた、通常制御を行う。ステップS376では、地絡故障と判定し、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refをV−(直流電源2の負極側電位)に設定する。ステップS377では、天絡故障と判定し、第2の電圧指令Vu2_ref、Vv2_ref、Vw2_refをV+(直流電源2の正極側電位)に設定する。なお、図17において、ステップS371とステップS373の判定を行う順序は、逆でもよい。
以上のように、実施の形態3では、第1の電圧印加部3の直流母線を流れる電流Idc1および第2の電圧印加部4の直流母線を流れる電流Idc2を故障検知信号としたことによって、天絡故障及び地絡故障を検出できる。
さらに、実施の形態3では、電流Idc1,Idc2の故障検知信号を、電流フィードバック制御にも用いることが可能という効果を奏する。すなわち、実施の形態1、2にて、電流フィードバック制御を実施するには、それぞれ、図1、図2の構成に第1の三相巻線を流れる電流Iu1、Iv1、Iw1及び第2の三相巻線を流れる電流Iu2、Iv2、Iw2を検出する検出部が別に必要であった。一方、本実施の形態3では、第1の母線電流Idc1に基づいて図12の表に従って第1の三相巻線を流れる電流Iu1、Iv1、Iw1を検出し、それらの電流値と制御指令とに基づいて第1の電圧指令Vu_ref1、Vv_ref1、Vw_ref1を演算することが可能である。同様に、第2の母線電流Idc2に基づいて図13の表に従って第2の三相巻線を流れる電流Iu2、Iv2、Iw2を検出し、それらの電流値と制御指令とに基づいて第2の電圧指令Vu_ref2、Vv_ref2、Vw_ref2を演算することが可能である。
また、実施の形態3においても、実施の形態1、2と同様に、天絡検出及び地絡検出を実施するにあたり、各相の端子電圧を検出するような複雑な構成は必要でなく、1組の三相巻線に対して、1つの検知信号(第1の三相巻線に対しては第1の母線電流Idc1、第2の三相巻線に対しては第2の母線電流Idc2)で簡素な構成で実現できる効果も奏する。
以上のように、実施の形態3においては、上記の実施の形態1と同様に、三相巻線のどの相が地絡故障または天絡故障を発生しても変化を生じるような故障検知信号を制御部5Bに出力する故障検知部6B,7Bを備えたことによって、制御部5Bは、故障検知信号に基づいて地絡故障を検知した場合に各電圧を直流電源2の負極側電位V−とし、天絡故障を検知した場合に各電圧を直流電源2の正極側電位V+とする電圧指令を、故障した組の電圧印加部3,4に出力できるようになり、故障した組を除く正常な組の電圧印加部3,4で交流回転機1の制御を継続することが可能となる。
また、実施の形態3では、故障検知部6B,7Bが、直流電源2と電圧印加部3,4との間を通る母線電流Idc1,Idc2を各組ごとに検出する母線電流検出器を有している。故障検出部6B,7Bは、母線電流検出器を用いて、制御部5Bがいずれかの組の電圧印加部3,4に対して三相巻線に印加する各電圧が同電位となる電圧指令を出力したときに当該組の母線電流を検出し、検出した当該母線電流に基づいて故障検知信号を生成する。これにより、天絡故障及び地絡故障を検出できるという効果に加えて、それらの故障検知信号が、電流フィードバック制御にも用いることが可能という効果を奏する。
また、実施の形態3では、故障検出部5Bが、制御部5Bがいずれかの組の電圧印加部3,4に対して三相巻線に印加する各電圧が直流電源2の正極側電位となる電圧指令V7を出力したときに当該組の母線電流を検出し、検出した当該母線電流に基づいて、地絡故障が発生したことを示す故障検知信号を生成する。これにより、簡単な構成で、地絡故障が発生したことを確実に検知することができる。
また、実施の形態3では、故障検出部5Bが、制御部5Bがいずれかの組の電圧印加部3,4に対して三相巻線に印加する各電圧が直流電源2の負極側電位となる電圧指令V0を出力したときに当該組の母線電流を検出し、検出した当該母線電流に基づいて、天絡故障が発生したことを示す故障検知信号を生成する。これにより、簡単な構成で、天絡故障が発生したことを確実に検知することができる。
上記の実施の形態1〜3において、第1の三相巻線と第2の三相巻線のうち天絡故障または地絡故障した組に対して、各電圧を直流電源2の負極側電位V−または正極側電位V+とする電圧指令を出力することによって、故障した組には、交流回転機1の誘起電圧によって図18(b)に示す電流が流れ、この電流によって図18(a)に示すブレーキトルクが生じる。このブレーキトルクは、交流回転機1の回転速度に依存し、図19の電流(トルク)−交流回転機回転速度特性において、「故障組」において図19の一点鎖線で示すトルク(ブレーキトルク)となる。今、図19で、交流回転機1から出力したい電流(トルク)が実線で示す「正常組+故障組」とすると、故障組のブレーキトルクの影響を低減するためには、正常組の電流(トルク)が、図19の破線で示す電流(トルク)になるように補正する必要がある。電圧印加部に通電する電流(トルク)は、交流回転機1の回転速度に依存する。そこで、交流回転機1の回転速度を検出するための、例えば、エンコーダ、レゾルバ、ホールセンサ等の回転速度検出部を設け、検出した回転速度を制御部5、5A、5Bに入力する。これにより、制御部5、5A、5Bは、故障組のブレーキトルクの影響を低減するように正常組の電圧印加部に通電する電流を補正するように、正常組の電圧印加部に対する電圧指令を、検出した回転速度に応じて補正し、図19に示す正常組の電流(トルク)を出力することも可能である。
また、実施の形態1〜3においては、天絡故障及び地絡故障を判別し、天絡故障時は故障した組の電圧指令を直流電源の正極側電位に設定し、地絡故障時は故障した組の電圧指令を直流電源の負極側電位に設定するが、電圧印加部と三相巻線との間に、両者の電気的接続する遮断器を設け、天絡故障または地絡故障を検知した場合に故障した組の遮断器を開放しても良い。
また、実施の形態1〜3においては、2組の3相巻線を有する交流回転機1と2組の電圧印加部3,4とを有する構成について述べたが、実施の形態1〜3に基づいて、N組(N:2以上の自然数)の3相巻線を有する交流回転機とN組(N:2以上の自然数)の電圧印加部とを有する構成に、本発明が適用できることは言うまでもない。

Claims (9)

  1. N組の三相巻線を備えた交流回転機を制御するための交流回転機の制御装置であって、上記Nは2以上の自然数であり、
    直流電源の直流電圧を電力変換して前記N組の三相巻線のそれぞれに電圧を印加するN組の電圧印加部と、
    前記N組の電圧印加部に電圧指令を出力する制御部と、
    前記N組のうちの少なくともいずれか1つの組の三相巻線で地絡故障及び天絡故障が発生した場合に、組ごとに故障検知信号を前記制御部に出力する故障検知部と
    を備え、
    前記故障検知部は、前記地絡故障が発生した場合と前記天絡故障が発生した場合とで異なる値の前記故障検知信号を出力し、
    前記制御部は、故障が発生した組の前記電圧印加部に対して、
    前記故障検知信号に基づいて地絡故障が発生したと検知した場合に、故障が発生した組の前記三相巻線に印加する各前記電圧を前記直流電源の負極側電位とする電圧指令を出力し、
    前記故障検知信号に基づいて天絡故障が発生したと検知した場合に、故障が発生した組の前記三相巻線に印加する各前記電圧を前記直流電源の正極側電位とする電圧指令を出力する
    交流回転機の制御装置。
  2. 前記故障検知部は、前記三相巻線の端子電圧を加算して前記故障検知信号を生成する
    請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
  3. 前記制御部は、前記故障検知信号の値と予め設定された地絡判定閾値とを比較し、前記故障検知信号の値が前記地絡判定閾値以下の場合に、地絡故障が発生したと検知する
    請求項1または2に記載の交流回転機の制御装置。
  4. 前記制御部は、前記故障検知信号の値と予め設定された天絡判定閾値とを比較し、前記故障検知信号の値が前記天絡判定閾値以上の場合に、天絡故障が発生したと検知する
    請求項1から3までのいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
  5. 前記故障検知部は、前記直流電源と前記電圧印加部との間を通る母線電流を各組ごとに検出する母線電流検出器を有し、
    前記故障検出部は、前記母線電流検出器を用いて、前記制御部がいずれかの組の前記電圧印加部に対して前記三相巻線に印加する各電圧が同電位となる前記電圧指令を出力したときに当該組の前記母線電流を検出し、検出した当該母線電流に基づいて前記故障検知信号を生成する
    請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
  6. 前記故障検出部は、前記制御部がいずれかの組の前記電圧印加部に対して前記三相巻線に印加する各電圧が前記直流電源の正極側電位となる前記電圧指令を出力したときに当該組の前記母線電流を検出し、検出した当該母線電流に基づいて、地絡故障が発生したことを示す故障検知信号を生成する
    請求項5に記載の交流回転機の制御装置。
  7. 前記故障検出部は、前記制御部がいずれかの組の前記電圧印加部に対して前記三相巻線に印加する各電圧が前記直流電源の負極側電位となる前記電圧指令を出力したときに当該組の前記母線電流を検出し、検出した当該母線電流に基づいて、天絡故障が発生したことを示す故障検知信号を生成する
    請求項5または6に記載の交流回転機の制御装置。
  8. 前記制御部は、前記故障検知信号に基づいて前記地絡故障または前記天絡故障を検知した場合、前記故障した組の前記電圧印加部に通電される電流によって生じる前記交流回転機のブレーキトルクの影響を低減するように、前記故障した組を除いた前記電圧印加部に対する前記電圧指令を補正して出力する
    請求項1から7までのいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
  9. 前記交流回転機の回転速度を検出する回転速度検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記回転速度に基づいて前記補正を行う
    請求項8に記載の交流回転機の制御装置。
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