JPWO2015063942A1 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

被加熱物の材質を精度良く判別することができる誘導加熱調理器を得る。本発明の誘導加熱調理器は、加熱コイル11aへの電力供給開始から第1加熱期間t1を経過するまでの、入力電流およびコイル電流の少なくとも一方の電流の変化量I1を求め、電流の変化量I1に基づき、被加熱物5の材質を判定する。

Description

この発明は、誘導加熱調理器に関するものである。
従来の誘導加熱調理器においては、被加熱物の材質を、加熱コイルに流れる出力電流により判定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の誘導加熱調理器は、加熱コイルの出力電流に基づいて、被加熱物の材質が、アルミニウム、ステンレス、又は鉄の何れであるかを判定している。
また、従来の誘導加熱調理器においては、被加熱物の温度を、インバータの入力電流又は制御量により判定するものがある(例えば特許文献2、3参照)。
特許文献2の誘導加熱調理器は、インバータの入力電流が一定となるようにインバータを制御する制御手段を有し、所定時間以内に所定以上の制御量の変化があった場合に被加熱物の温度変化が大と判断してインバータの出力を抑制している。また、所定の時間の間に所定の制御量変化以下になった場合に湯沸し完了と判断し、インバータの出力を低減すべく駆動周波数を低下させることが開示されている。
特許文献3には、入力電流の変化量を検出する入力電流変化量検出手段と、入力電流変化量検出手段により検出された入力電流の変化量から被加熱物の温度を判定する温度判定処理手段とを備えた誘導加熱調理器が提案されている。温度判定手段において被加熱物が吹き上がり温度になったと判定した場合、停止信号を出力して加熱が停止することが開示されている。
特開昭63−2284号公報(第2頁〜第4頁) 特開2008−181892号公報(第3頁〜第5頁、図1) 特開平5−62773号公報(第2頁〜第3頁、図1)
特許文献1に記載の誘導加熱調理器では、被加熱物が、アルミニウム、ステンレス、又は鉄の何れであるかを大別して判定することができる。つまり、被加熱物が、磁性材又は非磁性体の何れであるかなど、材質の性質による大まかな判別はできる。しかしながら、被加熱物の材質をさらに細別することができない、という問題点があった。例えば、アルミニウム製の被加熱物と銅製の被加熱物は、共に低抵抗非磁性材であるため、これらを細別した材質の判定をすることができない、という問題点があった。
特許文献2に記載の誘導加熱調理器では、入力電力が一定となるようにインバータの駆動周波数を制御し、この制御量変化(Δf)によって被加熱物の温度変化を判断している。しかしながら、被加熱物の材質によっては、駆動周波数の制御量変化(Δf)が微小となり、被加熱物の温度変化を検知できないという問題点があった。
特許文献3に記載の誘導加熱調理器の温度検出装置では、被加熱物の材質が変わった場合に、インバータの駆動周波数によっては入力電流が過大となり、インバータが高温となって破壊する可能性があるという問題点があった。
この発明は、上記のような課題の少なくとも1つを解決するためになされたもので、被加熱物の材質を精度良く判別することができる誘導加熱調理器を得るものである。また、被加熱物の材質によらず、被加熱物の温度変化を検知することができる誘導加熱調理器を得るものである。
この発明に係る誘導加熱調理器は、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電力を供給する駆動回路と、前記被加熱物の負荷判定処理を行う負荷判定手段と、前記駆動回路の駆動を制御し、前記加熱コイルに供給される高周波電力を制御する制御部と、前記駆動回路への入力電流を検出する入力電流検出手段と、前記加熱コイルに流れるコイル電流を検出するコイル電流検出手段とを備え、前記負荷判定手段は、前記加熱コイルへの電力供給開始から第1加熱期間を経過するまでの、前記入力電流および前記コイル電流の少なくとも一方の電流の変化量(I1)を求め、前記電流の変化量(I1)に基づき、前記被加熱物の材質を判定し、前記制御部は、前記負荷判定手段の判定結果に応じて、前記駆動回路の駆動を制御することを特徴とする。
この発明は、被加熱物の材質を精度良く判別することができる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動回路を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の制御部の一例を示す機能ブロック図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器における加熱コイル電流と入力電流の関係に基づく被加熱物の負荷判別特性図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の被加熱物の温度変化時の駆動周波数に対する入力電流の相間図である。 図5の破線で示した部分を拡大した図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動周波数、温度、電流と時間との関係を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の湯沸モードの動作例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器における加熱コイル電流と入力電流の関係に基づく被加熱物の負荷判別特性図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動周波数、温度、電流と時間との関係を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動周波数、温度、電流と時間との関係を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の別の駆動回路を示す図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の駆動回路の一部を示す図である。 実施の形態2に係るハーフブリッジ回路の駆動信号の一例を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の駆動回路の一部を示す図である。 実施の形態3に係るフルブリッジ回路の駆動信号の一例を示す図である。
実施の形態1.
(構成)
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。
図1に示すように、誘導加熱調理器100の上部には、鍋などの被加熱物5が載置される天板4を有している。天板4には、被加熱物5を誘導加熱するための加熱口として、第一の加熱口1、第二の加熱口2、第三の加熱口3とを備え、各加熱口に対応して、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12、第三の加熱手段13を備えており、それぞれの加熱口に対して被加熱物5を載置して誘導加熱を行うことができるものである。
本実施の形態1では、本体の手前側に左右に並べて第一の加熱手段11と第二の加熱手段12が設けられ、本体の奥側ほぼ中央に第三の加熱手段13が設けられている。
なお、各加熱口の配置はこれに限るものではない。例えば、3つの加熱口を略直線状に横に並べて配置しても良い。また、第一の加熱手段11の中心と第二の加熱手段12の中心との奥行き方向の位置が異なるように配置しても良い。
天板4は、全体が耐熱強化ガラス又は結晶化ガラス等の赤外線を透過する材料で構成されており、誘導加熱調理器100本体の上面開口外周との間にゴム製パッキン又はシール材を介して水密状態に固定される。天板4には、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12及び第三の加熱手段13の加熱範囲(加熱口)に対応して、鍋の大まかな載置位置を示す円形の鍋位置表示が、塗料の塗布又は印刷等により形成されている。
天板4の手前側には、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12、及び第三の加熱手段13で被加熱物5を加熱する際の火力及び調理メニュー(湯沸しモード、揚げ物モード等)を設定するための入力装置として、操作部40a、操作部40b、及び操作部40c(以下、操作部40と総称する場合がある)が設けられている。また、操作部40の近傍には、報知手段42として、誘導加熱調理器100の動作状態及び操作部40からの入力・操作内容等を表示する表示部41a、表示部41b、及び表示部41c(以下、表示部41と総称する場合がある)が設けられている。なお、操作部40a〜40cと表示部41a〜41cは加熱口毎に設けられている場合、または加熱口を一括して操作部40と表示部41を設ける場合など、特に限定するものではない。
天板4の下方であって本体の内部には、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12、及び第三の加熱手段13を備えており、各々の加熱手段は加熱コイル(図示せず)で構成されている。
誘導加熱調理器100の本体の内部には、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12、及び第三の加熱手段13の加熱コイルに高周波電力を供給する駆動回路50と、駆動回路50を含め誘導加熱調理器100全体の動作を制御するための制御部45とが設けられている。
加熱コイルは、略円形の平面形状を有し、絶縁皮膜された任意の金属(例えば銅、アルミなど)からなる導電線が円周方向に巻き付けることにより構成されており、駆動回路50により高周波電力が各加熱コイルに供給されることで、誘導加熱動作が行われている。
図2は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動回路を示す図である。なお、駆動回路50は加熱手段毎に設けられているが、その回路構成は同一であっても良いし、加熱手段毎に変更しても良い。図2では1つの駆動回路50のみを図示する。図2に示すように、駆動回路50は、直流電源回路22と、インバータ回路23と、共振コンデンサ24aとを備える。
入力電流検出手段25aは、交流電源(商用電源)21から直流電源回路22へ入力される電流を検出し、入力電流値に相当する電圧信号を制御部45へ出力する。
直流電源回路22は、ダイオードブリッジ22a、リアクタ22b、平滑コンデンサ22cとを備え、交流電源21から入力される交流電圧を直流電圧に変換して、インバータ回路23へ出力する。
インバータ回路23は、スイッチング素子としてのIGBT23a、23bが直流電源回路22の出力に直列に接続された、いわゆるハーフブリッジ型のインバータであり、フライホイールダイオードとしてダイオード23c、23dがそれぞれIGBT23a、23bと並列に接続されている。インバータ回路23は、直流電源回路22から出力される直流電力を20kHz〜50kHz程度の高周波の交流電力に変換して、加熱コイル11aと共振コンデンサ24aからなる共振回路に供給する。共振コンデンサ24aは加熱コイル11aに直列接続されており、この共振回路は加熱コイル11aのインダクタンス及び共振コンデンサ24aの容量等に応じた共振周波数となる。なお、加熱コイル11aのインダクタンスは被加熱物5(金属負荷)が磁気結合した際に金属負荷の特性に応じて変化し、このインダクタンスの変化に応じて共振回路の共振周波数が変化する。
このように構成することで、加熱コイル11aには数十A程度の高周波電流が流れ、流れる高周波電流により発生する高周波磁束によって加熱コイル11aの直上の天板4上に載置された被加熱物5を誘導加熱する。スイッチング素子であるIGBT23a、23bは、例えばシリコン系からなる半導体で構成されているが、炭化珪素、あるいは窒化ガリウム系材料などのワイドバンドギャップ半導体を用いた構成でも良い。
スイッチング素子にワイドバンドギャップ半導体を用いることで、スイッチング素子の通電損失を減らすことができ、またスイッチング周波数(駆動周波数)を高周波(高速)にしても駆動回路の放熱が良好であるため、駆動回路の放熱フィンを小型にすることができ、駆動回路の小型化および低コスト化を実現することができる。
コイル電流検出手段25bは、加熱コイル11aと共振コンデンサ24aとの間に接続されている。コイル電流検出手段25bは、例えば、加熱コイル11aに流れる電流を検出し、加熱コイル電流値に相当する電圧信号を制御部45に出力する。
温度検出手段30は、例えばサーミスタにより構成され、被加熱物5から天板4に伝熱した熱により温度を検出する。なお、サーミスタに限らず赤外線センサなど任意のセンサを用いても良い。
図3は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の制御部の一例を示す機能ブロック図である。図3を参照して制御部45について説明する。
制御部45は、マイコン又はDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等からなる誘導加熱調理器100の動作を制御するものであって、駆動制御手段31、負荷判定手段32、駆動周波数設定手段33、電流変化検出手段34、電力調整手段35、入出力制御手段36を備えている。
駆動制御手段31は、インバータ回路23のIGBT23a、23bに駆動信号DSを出力してスイッチング動作させることにより、インバータ回路23を駆動するものである。そして駆動制御手段31は、加熱コイル11aに供給する高周波電力を制御することにより、被加熱物5への加熱を制御する。この駆動信号DSは例えば所定のオンデューティ比(例えば0.5)の20〜50kHz程度の所定の駆動周波数からなる信号である。
負荷判定手段32は、被加熱物5の負荷判定処理を行うものであって、負荷として被加熱物5の材質を判定するものである。負荷判定処理の詳細は後述する。
駆動周波数設定手段33は、インバータ回路23から加熱コイル11aへ供給する際、インバータ回路23へ出力する駆動信号DSの駆動周波数fを設定するものである。特に、駆動周波数設定手段33は、負荷判定手段32の判定結果に応じて駆動周波数fを自動的に設定する機能を有している。具体的には、駆動周波数設定手段33には、例えば被加熱物5の材質と設定火力とに応じて駆動周波数fを決定するためのテーブルが記憶されている。そして、駆動周波数設定手段33は、負荷判定結果および設定火力が入力された際に、このテーブルを参照することで駆動周波数fの値fdが決定される。なお、駆動周波数設定手段33は、入力電流が過大とならないように共振回路の共振周波数よりも高い周波数を設定する。
このように、駆動周波数設定手段33が負荷判定結果に基づき被加熱物5の材質に応じた駆動周波数fによりインバータ回路23を駆動させることにより、入力電流の増加を抑制することができるため、インバータ回路23の高温化を抑制して信頼性を向上することができる。
電流変化検出手段34は、駆動周波数設定手段33において設定された駆動周波数f=fdでインバータ回路23を駆動した際に、入力電流及びコイル電流の少なくとも一方の電流の所定時間当たりの電流変化量ΔIを検出するものである。なお、所定時間とは予め設定された期間であってもよいし、操作部40の操作により変更可能な期間であってもよい。
電力調整手段35は、電流変化検出手段34により検出された電流変化量ΔIが閾値以下となった場合、駆動信号DSの調整量を設定するものである。具体的には、電力調整手段35は、予め設定された駆動周波数の増加量Δfを調整量として決定する。そして、駆動制御手段31は、駆動周波数fの固定を解除し、駆動周波数fを調整量Δfだけ増加させ(f=fd+Δf)、インバータ回路23を駆動する。
駆動制御手段31は、電力調整手段35により設定された調整量に応じて、加熱コイル11aに供給する電力を低下させる。駆動制御手段31は、駆動周波数f=fdの固定を解除し、駆動周波数fを増加量Δfだけ増加させ(f=fd+Δf)、インバータ回路23を駆動する。
(動作)
次に、実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の動作例について説明する。
まず、天板4の加熱口に載置された被加熱物5を、操作部40により設定された火力により誘導加熱する場合の動作について説明する。
使用者により加熱口に被加熱物5が載置され、加熱開始(火力投入)の指示が操作部40に行われると、制御部45の負荷判定手段32は負荷判定処理を行う。負荷判定手段32が行う負荷判定処理は、「加熱開始時の負荷判定処理」と、「加熱動作中の負荷判定処理」とがある。
(加熱開始時の負荷判定処理)
負荷となる被加熱物5(鍋)の材質は、磁性特性とインピーダンス特性とにより、磁性材、高抵抗非磁性材、及び、低抵抗非磁性材に大別される。磁性材としては、例えば鉄、フェライト系ステンレス(例えば、18Cr:日本工業規格SUS430)等がある。高抵抗非磁性材としては、オーステナイト系ステンレス(例えば、18Cr-8Ni:日本工業規格SUS304)等がある。低抵抗非磁性材としては、アルミニウム、銅等がある。
負荷判定手段32は、加熱開始時の負荷判定処理において、入力電流とコイル電流との相関に基づいて、被加熱物5の材質が、磁性材、高抵抗非磁性材、および低抵抗非磁性材の何れの区分であるかを大別して判定する。また、負荷判定手段32は、入力電流とコイル電流との相関に基づいて、天板4に被加熱物5が載置されていない状態、又は十分な大きさの被加熱物5が載置されていない状態である無負荷であるか否かを判定する。
図4は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器における加熱コイル電流と入力電流の関係に基づく被加熱物の負荷判別特性図である。
図4に示すように、天板4に載置された被加熱物5(鍋)の材質によってコイル電流と入力電流の関係が異なる。負荷判定手段32は、図4に示すコイル電流と入力電流との関係をテーブル化した負荷判定テーブルを予め内部に記憶している。負荷判定テーブルを内部に記憶することで安価な構成で負荷判定手段32を構成することができる。
加熱開始時の負荷判定処理において、制御部45は、予め設定した負荷判定用の駆動周波数でインバータ回路23を所定の判定時間の間駆動し、入力電流検出手段25aの出力信号から入力電流を検出する。また同時に制御部45は、コイル電流検出手段25bの出力信号からコイル電流を検出する。制御部45は検出したコイル電流および入力電流と、図4の関係を表した負荷判定テーブルから、載置された被加熱物(鍋)5の材質の区分を判定する。このように、負荷判定手段32は、入力電流とコイル電流との相関に基づいて、加熱コイル11aの上方に載置された被加熱物5の材質を大別して判定する。
加熱開始時の負荷判定処理を行った後、制御部45は、負荷判定結果に基づいた制御動作を行う。
負荷判定結果が、無負荷であった場合、制御部45は、加熱不可能であることを報知手段42に報知させて、使用者に鍋の載置を促す。この際、駆動回路50から加熱コイル11aには高周波電力を供給しない。
負荷判定結果が、磁性材、高抵抗非磁性材、または低抵抗非磁性材の何れかであった場合、これらの鍋は本実施の形態1の誘導加熱調理器100で加熱可能な材質であるため、制御部45は、判定した材質に応じた駆動周波数を決定する。この駆動周波数は、入力電流が過大とならないよう共振周波数よりも高い周波数とする。この駆動周波数の決定は、例えば被加熱物5の材質と設定火力とに応じた周波数のテーブル等を参照することで決定することができる。
制御部45は、決定した駆動周波数を固定した状態にしてインバータ回路23を駆動し、誘導加熱動作を開始する。なお、駆動周波数を固定した状態においては、インバータ回路23のスイッチング素子のオンデューティ(オンオフ比)も固定した状態とする。
このように、加熱コイル11aの上方に載置された被加熱物5の材質を大別して判定し、被加熱物5の材質に応じて、インバータ回路23の駆動周波数を決定し、該駆動周波数によりインバータ回路23を駆動させる。このため、被加熱物5の材質に応じた駆動周波数によりインバータ回路23を固定して駆動させることができ、入力電流の増加を抑制することができる。よって、インバータ回路23の高温化を抑制でき、信頼性を向上することができる。
(加熱動作中の負荷判定処理)
図5は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の被加熱物の温度変化時の駆動周波数に対する電流の相間図である。
図5において、細線は被加熱物5(鍋)が低温のときの特性であり、太線は被加熱物5が高温のときの特性である。
図5に示すように、被加熱物5の温度によって特性が変化するのは、温度上昇によって被加熱物5の電気抵抗率が増加し、また透磁率が低下することで、加熱コイル11aと被加熱物5の磁気結合が変化するためである。
図6は、図5の破線で示した部分を拡大した図である。
制御部45は、インバータ回路23の駆動周波数を固定した状態にして、加熱コイル11aへの電力供給を行うことで被加熱物5の加熱を実施する。この際、図6に示すように、被加熱物5が低温から高温になるにつれて、当該駆動周波数における電流値(動作点)が、点Aから点Bに変化し、被加熱物5の温度上昇に伴い、電流が徐々に低下していく。
このような電流の変化量は、被加熱物の材質の種類によって異なり、電流変化量の大きい材質と、電流変化量の小さい材質とが存在する。
図4に示すように、◆印でプロットした被加熱物5(電流変化“大”鍋)と、■印でプロットした被加熱物5(電流変化“小”鍋)は、加熱初期の低温時においては、入力電流と出力電流の値がほぼ同じである。上述した加熱開始時の負荷判定処理において、これらの被加熱物5の材質は、共に磁性材であると判定される。
加熱動作によって被加熱物5の温度が上昇すると、電流変化“大”鍋は、◇印でプロットしたように、電流が大きく低下する。一方、電流変化“小”鍋は、□印でプロットしたように、電流変化“大”鍋と比較して、電流の低下量が少ない。
このようなことから、負荷判定手段32は、加熱動作中の負荷判定処理において、加熱コイル11aへの電力供給開始から第1加熱期間を経過するまでの、入力電流およびコイル電流の少なくとも一方の電流の変化量I1を求める。そして、電流の変化量I1に基づき、被加熱物5の材質を細別して判定する。つまり、上述した加熱開始時の負荷判定処理において大別した区分に属する複数の材質のうち、何れの材質であるか判定する。
例えば、負荷判定手段32は、予め実験データなどにより、入力電流の値とコイル電流との値とに対応して、電流の変化量I1と材質の種類との関係を記憶しておく。
そして、負荷判定手段32は、入力電流検出手段25aによって検出された入力電流、および、コイル電流検出手段25bによって検出されたコイル電流の少なくとも一方に基づき、予め記憶した電流の変化量I1と材質の種類との関係の情報を参照することで、当該被加熱物5の材質の種類を細別して判定する。
これにより、例えば磁性材の区分に属する鉄、フェライト系ステンレス等のうち、被加熱物5の材質が何れの材質であるかを細別して判定することができる。
なお、被加熱物5の温度上昇に伴い、入力電流とコイル電流は共に低下するため、加熱動作中の負荷判定処理においては、入力電流又はコイル電流の一方の電流の変化量I1を用いて被加熱物5の材質の判定をすることが可能である。なお、入力電流とコイル電流の両方を用いる場合には、電流の変化量I1=sqrt{(入力電流の変化量)+(出力電流の変化量)}、とすればよい。入力電流とコイル電流の両方を用いることで、被加熱物5の材質の判定の精度を更に向上することが可能となる。
なお、第1加熱期間は、予め設定した時間でも良いし、操作部40により設定された火力又は調理モードなどによって決定しても良い。
加熱動作中の負荷判定処理を行った後、制御部45は、負荷判定結果に基づいた制御動作を行う。例えば、細別に判定された被加熱物5の材質の種類に応じて、駆動周波数を補正するようにしても良い。また例えば、被加熱物5の材質の種類に応じて、投入火力の上限値を設定するようにしても良い。
このように、加熱コイル11aへの電力供給開始から第1加熱期間を経過するまでの電流の変化量に基づき、被加熱物5の材質が、大別した区分に属する複数の材質のうち何れの材質であるか細別するので、被加熱物5の材質を精度良く判別することができる。
(温度変化の検出)
駆動周波数を固定した状態においては、被加熱物5の温度に応じて電流(入力電流およびコイル電流)が低下する。図6に示したように、被加熱物5が低温から高温になるにつれて、当該駆動周波数における電流値(動作点)が、点Aから点Bに変化し、被加熱物5の温度上昇に伴い、電流が徐々に低下していく。
このことから、制御部45は、インバータ回路23の駆動周波数を固定した状態で、電流(入力電流又はコイル電流)の所定時間当たりの変化量(電流変化量ΔI)を求め、この電流変化量ΔIに基づき、被加熱物5の温度変化を検出する。
このように、電流の変化により被加熱物5の温度変化を検出することができるので、温度センサ等と比較して高速に被加熱物5の温度変化を検出することができる。
(湯沸しモード)
次に、操作部40により調理メニュー(動作モード)として、被加熱物5に投入された水の湯沸し動作を行う湯沸しモードが選択された場合の動作について説明する。
図7は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動周波数、温度、電流と時間との関係を示す図である。
図7においては、被加熱物5内に水が投入され、湯沸しモードで動作させた時の経過時間と各特性の変化を示している。図7(a)は駆動周波数、図7(b)は温度(水温)、図7(c)は電流(入力電流又はコイル電流)を示す。なお、図7(c)の■印などの表示は、図4の■印などのプロットに対応する。
図7(a)に示すように、駆動周波数を固定してインバータ回路23の制御を行うと、図7(b)に示すように、被加熱物5の温度(水温)は沸騰するまで徐々に上昇し、沸騰すると温度は約100℃一定となる。この時、図7(c)に示すように、被加熱物5の温度の上昇に応じて、電流は徐々に低下していき、水が沸騰して温度が一定となると、入力電流も一定となる。すなわち、電流が一定となれば、水が沸騰して湯沸しが完了したこととなる。
なお、図7(c)に示すように、被加熱物5が、電流変化“大”鍋と、電流変化“小”鍋との何れの場合であっても、電流は徐々に低下していき、水が沸騰して温度が一定となると、入力電流も一定となる。
このようなことから、本実施の形態1における制御部45は、インバータ回路23の駆動周波数を固定した状態で電流の時間当たりの変化量(電流変化量ΔI)を求め、この電流変化量ΔIが閾値以下となった場合、湯沸しが完了したと判断する。
このような湯沸かしモードの詳細を図8に基づき説明する。
図8は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の湯沸モードの動作例を示すフローチャートである。
まず、使用者により天板4の加熱口に被加熱物5が載置され、加熱開始(火力投入)の指示が操作部40に行われる。すると、負荷判定手段32は、加熱開始時の負荷判定処理を実施する。加熱開始時の負荷判定処理においては、入力電流とコイル電流との関係を示す負荷判定テーブルを用いて、載置された被加熱物(鍋)5の材質の区分が大別して判定する(ステップST1)。なお、無負荷であると判定された場合、制御部45は、その旨を報知手段42から報知させ、駆動回路50から加熱コイル11aに高周波電力が供給されないように制御する。
次に、駆動周波数設定手段33は、加熱開始時の負荷判定処理の結果に基づき判定した材質の区分に応じて、駆動周波数fの値fdを決定する(ステップST2)。このとき、駆動周波数fは、入力電流が過大とならないように共振回路の共振周波数よりも高い駆動周波数f=fdに設定する。
なお、ステップST2において、駆動周波数設定手段33は、加熱コイル11aに供給される高周波電力が、負荷判定手段32によって大別された区分に応じた最大値となるように、駆動周波数fの値fdを決定しても良い。例えば、被加熱物5の材質が磁性材の場合には、加熱コイル11aに供給される電力を3kwにする駆動周波数fの値fdを決定する。また例えば、被加熱物5の材質が低抵抗非磁性材の場合には、加熱コイル11aに供給される電力を1kwにする駆動周波数fの値fdを決定する。
このように、加熱コイル11aに供給される高周波電力が最大値となるようにすることで、被加熱物5の温度の変化速度が速くなり、加熱動作中の負荷判定処理における電流の変化量I1が大きくなる。よって、被加熱物5の材質の判定の精度を更に向上することができる。
その後、駆動制御手段31は、駆動周波数fをfdに固定してインバータ回路23を駆動することにより誘導加熱動作を開始する(ステップST3)。負荷判定手段32は、誘導加熱動作の開始とともに、第1加熱期間t1の計測を開始する。
駆動周波数を固定して加熱を開始すると、被加熱物5の温度(水温)は沸騰するまで徐々に上昇する(図7(b))。この駆動周波数の固定での制御においては、図6に示すように、当該駆動周波数における入力電流値(動作点)が、点Aから点Bに変化し、被加熱物5の温度上昇に伴い、電流が徐々に低下していく。
誘導加熱動作が行われている間、電流変化検出手段34は、所定のサンプリング間隔で電流変化量ΔIを算出する(ステップST4)。
次に、負荷判定手段32は、加熱開始から第1加熱期間t1を経過したか否かを判断する(ステップST5)。加熱開始から第1加熱期間t1を経過していない場合は、ステップST4に戻る。
加熱開始から第1加熱期間t1を経過した場合、負荷判定手段32は、上述した加熱動作中の負荷判定処理により、被加熱物5の材質が、大別した区分に属する複数の材質のうち何れの材質であるか細別する(ステップST6)。
なお、ステップST6において、制御部45は、第1加熱期間を経過した時、インバータ回路23を、予め設定した負荷判定用の駆動周波数で所定の判定時間の間駆動させても良い。つまり、制御部45は、加熱コイル11aへの電力供給を開始する際、および第1加熱期間t1を経過した時、インバータ回路23を、予め設定した負荷判定用の駆動周波数で所定の判定時間の間駆動させ、負荷判定手段32は、加熱コイル11aへの電力供給を開始する際の電流と、第1加熱期間t1を経過した時の電流との変化量I1に基づき、被加熱物5の材質を判定するようにしても良い。
次に、制御部45は、ステップST6で負荷判定手段32が判定した被加熱物5の材質に応じて、電流変化量ΔIの閾値(Iref)を設定する(ステップST7)。なお、閾値(Iref)の初期値は、予め設定しても良いし、操作部40等から入力可能としても良い。または、ステップST1における加熱開始時の負荷判定処理の結果から決定しても良い。
この閾値(Iref)は、負荷判定手段32が判定した被加熱物5の材質の、第1加熱期間t1における電流の変化量I1が大きい程、大きく設定する。つまり、被加熱物5の材質が、電流の変化量I1の小さい材質の場合には、沸騰の判定条件を厳しく(閾値を小さく)して、所定時間当たりの電流変化量ΔIが、電流検出の際のノイズ等に埋もれにくくする。また、被加熱物5の材質が、電流の変化量I1の大きい材質の場合には、沸騰の判定条件を緩く(閾値を大きく)することで、被加熱物5の材質に応じて精度よく沸騰検知が可能となる。
ステップST7の後、制御部45は、電流変化量ΔIが、被加熱物5の材質に応じて設定した閾値(Iref)以下であるか否かを判断する(ステップST8)。
被加熱物5が低温から高温になるにつれて、電流変化量ΔIが小さくなっていく(図7(c))。水が沸騰して温度が一定となると、電流も一定となる(図7(c))。これにより、第1加熱期間t1において、制御部45は、電流の電流変化量ΔIが閾値(Iref)以下となったと判定する。
そして、電流変化量ΔIが閾値以下となったとき、制御部45の駆動制御手段31は、駆動周波数の固定を解除し、インバータ回路23の駆動周波数fを増加量Δfだけ増加させ(f=fd+Δf)、加熱コイル11aに供給される高周波電力(火力)を低下させる(ステップST9)。つまり、被加熱物5の保温時には温度を上昇させる程の火力は不要であるため、加熱コイル11aから被加熱物5への加熱量を抑える。
制御部45は、報知手段42を用いて湯沸かしが完了した旨を報知する(ステップST10)。ここで報知手段42としては、表示部41に沸騰完了などの表示を行ったり、スピーカ(図示せず)を用いて音声で使用者に報知したり、その方式は特に限定しない。
以上のように、水の湯沸し動作を設定する湯沸しモードにおいて、インバータ回路23の駆動周波数を固定した状態で、電流の所定時間当たりの変化量ΔIを求め、この所定時間当たりの変化量が、閾値以下となったとき、湯沸しが完了した旨を報知手段42により報知させる。
このため、水の湯沸かし完了を速やかに報知することができ、使い勝手の良い誘導加熱調理器を得ることができる。
また制御部45は入力電流の電流変化量ΔIを求める際、高精度のマイコンは不要であるため、安価な方式で湯沸し検知が可能な誘導加熱調理器を得ることができる。
また、負荷判定手段32によって被加熱物5の材質を細別して判定し、この被加熱物5の材質に応じて閾値(Iref)を設定するので、被加熱物5の材質に応じて、精度よく湯沸かし検知を行うことができる。
(変形例)
次に、加熱動作中の負荷判定処理の変形例について説明する。
(加熱初期の温度を考慮した判定)
加熱開始から第1加熱期間t1を経過するまでの電流の変化量I1は、被加熱物5の温度変化量に依存するため、被加熱物5の加熱初期の温度の影響を受ける。このため、加熱開始時における被加熱物5の温度を考慮して材質判定を行うことで、更に精度良く材質を判定できる。
図9は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器における加熱コイル電流と入力電流の関係に基づく被加熱物の負荷判別特性図である。
図9において、◆印でプロットした被加熱物5(電流変化“大”鍋)と、■印でプロットした被加熱物5(電流変化“小”鍋)は、加熱初期の温度が中温の場合を示している。
上述した図4における、加熱初期の温度が低温の場合と比較して、プロット位置が異なり、また、温度が高温となるまでの電流の変化量が少なくなる。
このようなことから、負荷判定手段32は、加熱開始時に、温度検出手段30によって検出された被加熱物5の温度を取得する。そして、加熱動作中の負荷判定処理において、負荷判定手段32は、加熱開始時に温度検出手段30が検出した被加熱物5の温度と、加熱開始から第1加熱期間t1を経過するまでの電流の変化量I1と、に基づき、被加熱物5の材質が、大別した区分に属する複数の材質のうち何れの材質であるか細別する。
例えば、予め実験データなどにより、加熱初期の温度に対応して、電流の変化量I1と材質の種類との関係を記憶しておく。そして、負荷判定手段32は、加熱開始時における被加熱物5の温度と、電流の変化量I1とに基づき、予め記憶した電流の変化量I1と材質の種類との関係の情報を参照することで、当該被加熱物5の材質の種類を細別して判定する。
これにより、被加熱物5の材質を更に精度良く判定することができる。
(高周波電力を考慮した判定)
被加熱物5の温度変化の速度は、加熱コイル11aに供給される高周波電力(火力)に依存し、加熱開始から第1加熱期間t1を経過するまでの電流の変化量I1は、高周波電力の影響を受ける。このため、加熱開始から第1加熱期間t1を経過するまでの高周波電力(駆動周波数)を考慮して材質判定を行うことで、更に精度良く材質を判定できる。
図10は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動周波数、温度、電流と時間との関係を示す図である。
図10においては、上記図7の例と比較して、駆動周波数を高く(高周波電力を低く)した場合の経過時間と各特性の変化を示している。図10(a)は駆動周波数、図10(b)は温度(水温)、図10(c)は電流(入力電流又はコイル電流)を示す。
図10(b)に示すように、加熱コイル11aに投入される高周波電力が低い場合には、沸騰までの温度上昇が緩やかになる。また、図10(c)に示すように、被加熱物5が、電流変化“大”鍋と、電流変化“小”鍋との何れの場合であっても、電流は緩やかに下降し、第1加熱期間t1における電流の変化量I1は、図7の例と比較して小さくなる。
このようなことから、加熱動作中の負荷判定処理において、負荷判定手段32は、加熱開始から第1加熱期間t1を経過するまでの、駆動回路50の高周波電力(駆動周波数)と、電流の変化量I1と、に基づき、被加熱物5の材質が、大別した区分に属する複数の材質のうち何れの材質であるか細別する。
例えば、予め実験データなどにより、高周波電力に対応して、電流の変化量I1と材質の種類との関係を記憶しておく。そして、負荷判定手段32は、第1加熱期間t1における高周波電力と電流の変化量I1とに基づき、予め記憶した電流の変化量I1と材質の種類との関係の情報を参照することで、当該被加熱物5の材質の種類を細別して判定する。
これにより、被加熱物5の材質を更に精度良く判定することができる。
(第1加熱期間t1の設定)
上述した湯沸かしモードにおける負荷判定処理では、加熱開始して沸騰を検知する前に負荷判定を行う。つまり、第1加熱期間t1は、沸騰する時間の前であることが望ましい。
このようなことから、加熱動作中の負荷判定処理において、負荷判定手段32は、加熱開始から、第1加熱期間t1より短い第2加熱期間t2を経過するまでの、入力電流およびコイル電流の少なくとも一方の電流の変化量I2に応じて、第1加熱期間t1を設定する。
図11は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の駆動周波数、温度、電流と時間との関係を示す図である。
図11においては、上記図7の例と比較して、被加熱物5内の水の量を少なくした場合の経過時間と各特性の変化を示している。図11(a)は駆動周波数、図11(b)は温度(水温)、図11(c)は電流(入力電流又はコイル電流)を示す。
図11(b)に示すように、被加熱物5内の水の量が少ない場合には、沸騰までの加熱時間が短くなる。また、図11(c)に示すように、被加熱物5が、電流変化“大”鍋と、電流変化“小”鍋との何れの場合であっても、電流は急激に下降する。
このため、負荷判定手段32は、加熱開始から第2加熱期間t2を経過するまでの電流の変化量I2が大きい場合には、第1加熱期間t1を短く設定する。
逆に、被加熱物5内の水の量が多い場合又は高周波電力が小さい場合など、電流の変化量I2が小さい場合には、第1加熱期間t1を長く設定する。
例えば、予め実験データなどにより、電流の変化量I2と第1加熱期間t1との関係を記憶しておく。そして、負荷判定手段32は、第2加熱期間t2における電流の変化量I2に基づき、予め記憶した情報を参照することで、第1加熱期間t1を設定する。
これにより、被加熱物5の材質を更に精度良く判定することができる。
なお、加熱開始から第2加熱期間t2を経過するまでの入力電流およびコイル電流の少なくとも一方の変化率に応じて、第1加熱期間t1を設定しても良い。例えば変化率が大きい場合は、電流が急激に下降するため、第1加熱期間t1を短く設定する。また変化率が小さい場合は、電流の変化が緩やかであるため、第1加熱期間t1を長く設定する。
なお、この第1加熱期間t1の設定動作は、定期的に複数回行うようにしても良い。
(各変形例の組合せ)
上述した加熱動作中の負荷判定処理の変形例は、それぞれ任意に組み合わせることも可能である。例えば、加熱動作中の負荷判定処理において、負荷判定手段32は、加熱開始時に温度検出手段30が検出した被加熱物5の温度と、加熱開始から第1加熱期間t1を経過するまでの、駆動回路50の駆動周波数と、電流の変化量I1と、に基づき、被加熱物5の材質が、大別した区分に属する複数の材質のうち何れの材質であるか細別しても良い。
これにより、被加熱物5の材質を更に精度良く判定することができる。
(別の駆動回路の構成例)
続いて別の駆動回路を使用した例について説明する。
図12は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の別の駆動回路を示す図である。
図12に示す駆動回路50は、図2に示した構成に、共振コンデンサ24bを付加したものである。なお、その他の構成は図2と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
前述の通り、加熱コイル11aと共振コンデンサにより共振回路を構成しているため、誘導加熱調理器に必要とされる最大火力(最大入力電力)によって、共振コンデンサの容量は決定される。図10に示す駆動回路50では、共振コンデンサ24aおよび24bを並列接続することで、それぞれの容量を半分にすることができ、共振コンデンサを2個使用した場合でも安価な制御回路を得ることができる。
またコイル電流検出手段25bを並列接続した共振コンデンサのうちの共振コンデンサ24a側に配置することで、コイル電流検出手段25bに流れる電流は、加熱コイル11aに流れる電流の半分になるため、小型で小容量のコイル電流検出手段25bを用いることが可能となり、小型で安価な制御回路を得ることができ、安価な誘導加熱調理器を得ることができる。
なお、本実施の形態1では、ハーフブリッジ型のインバータ回路23について説明したが、フルブリッジ型又は一石電圧共振型のインバータなどを用いた構成でも良い。
更に負荷判定手段32での加熱開始時の負荷判定処理でコイル電流と一次電流の関係を用いる方式について説明したが、共振コンデンサの両端の共振電圧を検出することで負荷判定処理を行う方式を用いても良く、負荷判定の方式は特に問わない。
なお、上記の説明では、駆動周波数を変更することで高周波電力(火力)を制御する方式について述べたが、インバータ回路23のスイッチング素子のオンデューティ(オンオフ比率)を変更することで火力を制御する方式を用いても良い。
実施の形態2.
本実施の形態2では、上記実施の形態1における駆動回路50の詳細について説明する。
図13は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器の駆動回路の一部を示す図である。なお、図13においては、上記実施の形態1の駆動回路50の一部の構成のみを図示している。
図13に示すように、インバータ回路23は、正負母線間に直列に接続された2個のスイッチング素子(IGBT23a、23b)と、そのスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続されたダイオード23c、23dとによって構成されるアームを1組備えている。
IGBT23aとIGBT23bは、制御部45から出力される駆動信号によりオンオフ駆動される。
制御部45は、IGBT23aをオンさせている間はIGBT23bをオフ状態にし、IGBT23aをオフさせている間はIGBT23bをオン状態にし、交互にオンオフする駆動信号を出力する。
これにより、IGBT23aとIGBT23bとにより、加熱コイル11aを駆動するハーフブリッジインバータを構成する。
なお、IGBT23aとIGBT23bとにより本発明における「ハーフブリッジインバータ回路」を構成する。
制御部45は、投入電力(火力)に応じて、IGBT23aおよびIGBT23bに高周波の駆動信号を入力し、加熱出力を調整する。IGBT23aおよびIGBT23bに出力される駆動信号は、加熱コイル11aおよび共振コンデンサ24aにより構成される負荷回路の共振周波数よりも高い駆動周波数の範囲で可変して、負荷回路に流れる電流が負荷回路に印加される電圧と比較して遅れ位相で流れるように制御する。
次に、インバータ回路23の駆動周波数とオンデューティ比とによる投入電力(火力)の制御動作について説明する。
図14は、実施の形態2に係るハーフブリッジ回路の駆動信号の一例を示す図である。図14(a)は高火力状態における各スイッチの駆動信号の例である。図14(b)は低火力状態における各スイッチの駆動信号の例である。
制御部45は、インバータ回路23のIGBT23aおよびIGBT23bに、負荷回路の共振周波数よりも高い高周波の駆動信号を出力する。
この駆動信号の周波数を可変することにより、インバータ回路23の出力が増減する。
例えば、図14(a)に示すように、駆動周波数を低下させると、加熱コイル11aに供給される高周波電流の周波数が、負荷回路の共振周波数に近づき、加熱コイル11aへの投入電力が増加する。
また、図14(b)に示すように、駆動周波数を上昇させると、加熱コイル11aに供給される高周波電流の周波数が、負荷回路の共振周波数から離れ、加熱コイル11aへの投入電力が減少する。
さらに、制御部45は、上述した駆動周波数の可変による投入電力の制御とともに、インバータ回路23のIGBT23aおよびIGBT23bのオンデューティ比を可変することで、インバータ回路23の出力電圧の印加時間を制御し、加熱コイル11aへの投入電力を制御することも可能である。
火力を増加させる場合には、駆動信号の1周期におけるIGBT23aのオン時間(IGBT23bのオフ時間)の比率(オンデューティ比)を大きくして、1周期における電圧印加時間幅を増加させる。
また、火力を低下させる場合には、駆動信号の1周期におけるIGBT23aのオン時間(IGBT23bのオフ時間)の比率(オンデューティ比)を小さくして、1周期における電圧印加時間幅を減少させる。
図14(a)の例では、駆動信号の1周期T11におけるIGBT23aのオン時間T11a(IGBT23bのオフ時間)と、IGBT23aのオフ時間T11b(IGBT23bのオン時間)との比率が同じ場合(オンデューティ比が50%)の場合を図示している。
また、図14(b)の例では、駆動信号の1周期T12におけるIGBT23aのオン時間T12a(IGBT23bのオフ時間)と、IGBT23aのオフ時間T12b(IGBT23bのオン時間)との比率が同じ場合(オンデューティ比が50%)の場合を図示している。
制御部45は、上記実施の形態1で説明した、入力電流(又はコイル電流)の所定時間当たりの電流変化量ΔIを求める際に、インバータ回路23の駆動周波数を固定した状態においては、インバータ回路23のIGBT23aおよびIGBT23bのオンデューティ比を固定した状態にしている。
これにより、加熱コイル11aへの投入電力が一定の状態で、入力電流(又はコイル電流)の所定時間当たりの電流変化量ΔIを求めることができる。
実施の形態3.
本実施の形態3においては、フルブリッジ回路を用いたインバータ回路23について説明を行う。
図15は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の駆動回路の一部を示す図である。なお、図15においては、上記実施の形態1の駆動回路50との相違点のみを図示している。
本実施の形態3では、1つの加熱口に対して2つの加熱コイルが設けられている。2つの加熱コイルは、例えば、それぞれ直径が異なり、同心円状に配置されている。ここでは、直径の小さい加熱コイルを内コイル11bと称し、直径の大きい加熱コイルを外コイル11cと称する。
なお、加熱コイルの数及び配置は、これに限定されない。例えば、加熱口の中央に配置した加熱コイルの周囲に複数の加熱コイルを配置する構成でも良い。
インバータ回路23は、正負母線間に直列に接続された2個のスイッチング素子(IGBT)と、そのスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続されたダイオードとによって構成されるアームを3組備えている。なお、これ以降、3組のアームのうち1組を共通アーム、他の2組を内コイル用アームおよび外コイル用アームと呼ぶ。
共通アームは、内コイル11bおよび外コイル11cに接続されたアームで、IGBT232a、IGBT232b、ダイオード232c、及びダイオード232dで構成されている。
内コイル用アームは、内コイル11bが接続されたアームで、IGBT231a、IGBT231b、ダイオード231c、及びダイオード231dで構成されている。
外コイル用アームは、外コイル11cが接続されたアームで、IGBT233a、IGBT233b、ダイオード233c、及びダイオード233dで構成されている。
共通アームのIGBT232aとIGBT232b、内コイル用アームのIGBT231aとIGBT231b、外コイル用アームのIGBT233aとIGBT233bは制御部45から出力される駆動信号によりオンオフ駆動される。
制御部45は、共通アームのIGBT232aをオンさせている間はIGBT232bをオフ状態にし、IGBT232aをオフさせている間はIGBT232bをオン状態にし、交互にオンオフする駆動信号を出力する。
同様に、制御部45は、内コイル用アームのIGBT231aとIGBT231b、外コイル用アームのIGBT233aとIGBT233bを交互にオンオフする駆動信号を出力する。
これにより、共通アームと内コイル用アームとにより、内コイル11bを駆動するフルブリッジインバータを構成する。また、共通アームと外コイル用アームとにより、外コイル11cを駆動するフルブリッジインバータを構成する。
なお、共通アームと内コイル用アームとにより本発明における「フルブリッジインバータ回路」を構成する。また、共通アームと外コイル用アームとにより本発明における「フルブリッジインバータ回路」を構成する。
内コイル11bおよび共振コンデンサ24cにより構成される負荷回路は、共通アームの出力点(IGBT232aとIGBT232bの接続点)と、内コイル用アームの出力点(IGBT231aとIGBT231bの接続点)との間に接続される。
外コイル11cおよび共振コンデンサ24dにより構成される負荷回路は、共通アームの出力点と、外コイル用アームの出力点(IGBT233aとIGBT233bの接続点)との間に接続されている。
内コイル11bは、略円形に巻回された外形の小さい加熱コイルであり、その外周に外コイル11cが配置されている。
内コイル11bに流れるコイル電流は、コイル電流検出手段25cにより検出する。コイル電流検出手段25cは、例えば、内コイル11bに流れる電流のピークを検出し、加熱コイル電流のピーク値に相当する電圧信号を制御部45に出力する。
外コイル11cに流れるコイル電流は、コイル電流検出手段25dにより検出する。コイル電流検出手段25dは、例えば、外コイル11cに流れる電流のピークを検出し、加熱コイル電流のピーク値に相当する電圧信号を制御部45に出力する。
制御部45は、投入電力(火力)に応じて、各アームのスイッチング素子(IGBT)に高周波の駆動信号を入力し、加熱出力を調整する。
共通アーム及び内コイル用アームのスイッチング素子に出力される駆動信号は、内コイル11bおよび共振コンデンサ24cにより構成される負荷回路の共振周波数よりも高い駆動周波数の範囲で可変して、負荷回路に流れる電流が負荷回路に印加される電圧と比較して遅れ位相で流れるように制御する。
また、共通アーム及び外コイル用アームのスイッチング素子に出力される駆動信号は、外コイル11cおよび共振コンデンサ24dにより構成される負荷回路の共振周波数よりも高い駆動周波数の範囲で可変して、負荷回路に流れる電流が負荷回路に印加される電圧と比較して遅れ位相で流れるように制御する。
次に、インバータ回路23のアーム相互間の位相差による投入電力(火力)の制御動作について説明する。
図16は、実施の形態3に係るフルブリッジ回路の駆動信号の一例を示す図である。
図16(a)は高火力状態における各スイッチの駆動信号と各加熱コイルの通電タイミングの例である。
図16(b)は低火力状態における各スイッチの駆動信号と各加熱コイルの通電タイミングの例である。
なお、図16(a)及び(b)に示す通電タイミングは、各アームの出力点(IGBTとIGBTの接続点)の電位差に関係するものであり、内コイル用アームの出力点および外コイル用アームの出力点に対して共通アームの出力点が低い状態を「ON」で示している。また、内コイル用アームの出力点および外コイル用アームの出力点に対して共通アームの出力点が高い状態および同電位の状態を「OFF」で示している。
図16に示すように、制御部45は、共通アームのIGBT232aおよびIGBT232bに、負荷回路の共振周波数よりも高い高周波の駆動信号を出力する。
また、制御部45は、共通アームの駆動信号より位相の進んだ駆動信号を、内コイル用アームのIGBT231aとIGBT231b、外コイル用アームのIGBT233aとIGBT233bに出力する。なお、各アームの駆動信号の周波数は同一周波数であり、オンデューティ比も同一である。
各アームの出力点(IGBTとIGBTの接続点)には、IGBTとIGBTのオンオフ状態に応じて、直流電源回路の出力である正母線電位、あるいは負母線電位が高周波で切り替わって出力される。これにより、内コイル11bには、共通アームの出力点と、内コイル用アームの出力点との電位差が印加される。また、外コイル11cには、共通アームの出力点と、外コイル用アームの出力点との電位差が印加される。
したがって、共通アームへの駆動信号と、内コイル用アームおよび外コイル用アームへの駆動信号との位相差を増減することにより、内コイル11bおよび外コイル11cに印加する高周波電圧を調整することができ、内コイル11bと外コイル11cに流れる高周波出力電流と入力電流を制御することができる。
火力を増加させる場合には、アーム間の位相αを大きくして、1周期における電圧印加時間幅を大きくする。なお、アーム間の位相αの上限は、逆相(位相差180°)の場合であり、このときの出力電圧波形はほぼ矩形波となる。
図16(a)の例では、アーム間の位相αが180°の場合を図示している。また、各アームの駆動信号のオンデューティ比が50%の場合、つまり、1周期T13におけるオン時間T13aとオフ時間T13bとの比率が同じ場合を図示している。
この場合、駆動信号の1周期T14における、内コイル11b、外コイル11cの通電オン時間幅T14aと、通電オフ時間幅T14bとが同じ比率となる。
火力を低下させる場合には、高火力状態と比較してアーム間の位相αを小さくして、1周期における電圧印加時間幅を減少させる。なお、アーム間の位相αの下限は、例えば、ターンオン時に負荷回路に流れる電流の位相等との関係でスイッチング素子に過大電流が流れて破壊してしまわないレベルに設定する。
図16(b)の例では、アーム間の位相αを図16(a)と比較して小さくした場合を図示している。なお、各アームの駆動信号の周波数及びオンデューティ比は、図16(a)と同じである。
この場合、駆動信号の1周期T14における、内コイル11b、外コイル11cの通電オン時間幅T14aは、アーム間の位相αに応じた時間となる。
このように、アーム相互間の位相差によって、内コイル11b、外コイル11cへの投入電力(火力)を制御することができる。
なお、上記の説明では、内コイル11bおよび外コイル11cを共に加熱動作させる場合を説明したが、内コイル用アーム又は外コイル用アームの駆動を停止し、内コイル11b又は外コイル11cの何れか一方のみを加熱動作させるようにしても良い。
制御部45は、上記実施の形態1で説明した、入力電流(又はコイル電流)の所定時間当たりの電流変化量ΔIを求める際に、インバータ回路23の駆動周波数を固定した状態においては、アーム間の位相αと、各アームのスイッチング素子のオンデューティ比とを固定した状態にする。なお、その他の動作は上記実施の形態1と同様である。
これにより、内コイル11b、外コイル11cへの投入電力が一定の状態で、入力電流(又はコイル電流)の所定時間当たりの電流変化量ΔIを求めることができる。
なお、本実施の形態3では、内コイル11b流れるコイル電流と、外コイル11c流れるコイル電流とを、コイル電流検出手段25cとコイル電流検出手段25dによってそれぞれ検出している。
このため、内コイル11bおよび外コイル11cを共に加熱動作させた場合において、コイル電流検出手段25c又はコイル電流検出手段25dの何れか一方が、故障などでコイル電流値が検出できない場合であっても、他方の検出値によって、コイル電流の所定時間当たり電流変化量ΔIを検出することが可能となる。
また、制御部45は、コイル電流検出手段25cで検出されたコイル電流の所定時間当たりの電流変化量ΔIと、コイル電流検出手段25dで検出されたコイル電流の所定時間当たりの電流変化量ΔIとをそれぞれ求め、それぞれ電流変化量ΔIのうち大きい方を用いて、上記実施の形態1で説明した各判断動作を行うようにしても良い。また、それぞれの電流変化量ΔIの平均値を用いて、上記実施の形態1で説明した各判断動作を行うようにしても良い。
このような制御を行うことで、コイル電流検出手段25c又はコイル電流検出手段25dの何れか検出精度が低い場合であっても、コイル電流の所定時間当たりの電流変化量ΔIを、より精度良く求めることができる。
なお、上記実施の形態1〜3においては、本発明の誘導加熱調理器の一例として、IHクッキングヒーターを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、誘導加熱により加熱調理を行う炊飯器など、誘導加熱方式を採用する任意の誘導加熱調理器に適用することが可能である。
1 第一の加熱口、2 第二の加熱口、3 第三の加熱口、4 天板、5 被加熱物、11 第一の加熱手段、11a 加熱コイル、11b 内コイル、11c 外コイル、12 第二の加熱手段、13 第三の加熱手段、21 交流電源、22 直流電源回路、22a ダイオードブリッジ、22b リアクタ、22c 平滑コンデンサ、23 インバータ回路、23a、23b IGBT、23c、23d ダイオード、24a〜24d 共振コンデンサ、25a 入力電流検出手段、25b〜25d コイル電流検出手段、30 温度検出手段、31 駆動制御手段、32 負荷判定手段、33 駆動周波数設定手段、34 電流変化検出手段、35 電力調整手段、36 入出力制御手段、40a〜40c 操作部、41a〜41c 表示部、42 報知手段、45 制御部、50 駆動回路、100 誘導加熱調理器、231a、231b IGBT、232a、232b IGBT、233a、233b IGBT、231c、231d ダイオード、232c、232d ダイオード、233c、233d ダイオード。
この発明に係る誘導加熱調理器は、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電力を供給する駆動回路と、前記被加熱物の材質が、磁性材、高抵抗非磁性材、および低抵抗非磁性材の少なくとも2つのうち、何れの区分であるかを大別する処理を含む前記被加熱物の負荷判定処理を行う負荷判定手段と、前記駆動回路の駆動を制御し、前記加熱コイルに供給される高周波電力を制御する制御部と、前記駆動回路への入力電流を検出する入力電流検出手段と、前記加熱コイルに流れるコイル電流を検出するコイル電流検出手段とを備え、前記負荷判定手段は、前記加熱コイルへの電力供給開始から第1加熱期間を経過するまでの、前記入力電流および前記コイル電流の少なくとも一方の電流の変化量(I1)に基づき、前記被加熱物の材質が、前記大別した区分に属する複数の材質のうち何れの材質であるか細別し、前記制御部は、前記負荷判定手段の判定結果に応じて、前記駆動回路の駆動を制御することを特徴とする。

Claims (15)

  1. 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
    前記加熱コイルに高周波電力を供給する駆動回路と、
    前記被加熱物の負荷判定処理を行う負荷判定手段と、
    前記駆動回路の駆動を制御し、前記加熱コイルに供給される高周波電力を制御する制御部と、
    前記駆動回路への入力電流を検出する入力電流検出手段と、
    前記加熱コイルに流れるコイル電流を検出するコイル電流検出手段とを備え、
    前記負荷判定手段は、
    前記加熱コイルへの電力供給開始から第1加熱期間を経過するまでの、前記入力電流および前記コイル電流の少なくとも一方の電流の変化量(I1)を求め、
    前記電流の変化量(I1)に基づき、前記被加熱物の材質を判定し、
    前記制御部は、
    前記負荷判定手段の判定結果に応じて、前記駆動回路の駆動を制御する
    ことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記制御部は、
    前記加熱コイルへの電力供給開始から第1加熱期間を経過するまでの間、前記駆動回路の駆動周波数を固定した状態にする
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記負荷判定手段は、
    前記入力電流と前記コイル電流との相関に基づいて、前記被加熱物の材質が、磁性材、高抵抗非磁性材、および低抵抗非磁性材の少なくとも2つのうち、何れの区分であるかを大別し、
    前記加熱コイルへの電力供給開始から前記第1加熱期間を経過するまでの前記電流の変化量(I1)に基づき、前記被加熱物の材質が、前記大別した区分に属する複数の材質のうち何れの材質であるか細別する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記制御部は、
    前記加熱コイルに供給される高周波電力が、前記負荷判定手段によって大別された区分に応じた最大値となるように、前記駆動回路を駆動させ、
    前記加熱コイルへの電力供給開始から第1加熱期間を経過するまでの間、前記駆動回路の駆動周波数を固定した状態にする
    ことを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記被加熱物の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記負荷判定手段は、
    前記加熱コイルへの電力供給開始時に前記温度検出手段が検出した前記被加熱物の温度と、
    前記加熱コイルへの電力供給開始から前記第1加熱期間を経過するまでの前記電流の変化量(I1)と、に基づき、
    前記被加熱物の材質が、前記大別した区分に属する複数の材質のうち何れの材質であるか細別する
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記制御部は、
    前記加熱コイルへの電力供給開始から前記第1加熱期間を経過するまでの間、前記駆動回路の駆動周波数を固定した状態とし、
    前記負荷判定手段は、
    前記加熱コイルへの電力供給開始から前記第1加熱期間を経過するまでの、前記駆動回路の駆動周波数と、前記電流の変化量(I1)と、に基づき、
    前記被加熱物の材質が、前記大別した区分に属する複数の材質のうち何れの材質であるか細別する
    ことを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記被加熱物の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記負荷判定手段は、
    前記入力電流と前記コイル電流との相関に基づいて、前記被加熱物の材質が、磁性材、高抵抗非磁性材、および低抵抗非磁性材の少なくとも2つのうち、何れの区分であるかを大別し、
    前記制御部は、
    前記負荷判定手段によって大別された区分に応じて、前記駆動回路を駆動させ、前記駆動回路の駆動周波数を固定した状態とし、
    前記負荷判定手段は、
    前記加熱コイルへの電力供給開始時に前記温度検出手段が検出した前記被加熱物の温度と、
    前記加熱コイルへの電力供給開始から前記第1加熱期間を経過するまでの、前記駆動回路の駆動周波数と、前記電流の変化量(I1)と、に基づき、
    前記被加熱物の材質が、前記大別した区分に属する複数の材質のうち何れの材質であるか細別する
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記制御部は、
    前記加熱コイルへの電力供給を開始する際、および前記第1加熱期間を経過した時、前記駆動回路を、予め設定した負荷判定用の駆動周波数で所定の判定時間の間駆動させ、
    前記負荷判定手段は、
    前記加熱コイルへの電力供給を開始した時の電流と、前記第1加熱期間を経過した時の電流との差分を、前記電流の変化量(I1)として求め、前記被加熱物の材質を判定する
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記負荷判定手段は、
    前記加熱コイルへの電力供給開始から、前記第1加熱期間より短い第2加熱期間を経過するまでの、前記入力電流および前記コイル電流の少なくとも一方の変化量または変化率に応じて、前記第1加熱期間を設定する
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  10. 前記制御部は、
    前記駆動回路の駆動周波数を固定した状態で、前記入力電流および前記コイル電流の少なくとも一方の所定時間当たりの変化量(ΔI)を求め、
    前記所定時間当たりの変化量(ΔI)が、前記被加熱物の材質に応じて設定した閾値以下となった場合、
    前記駆動回路の駆動を制御して、前記加熱コイルに供給される高周波電力を可変させる
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  11. 動作モードの選択操作を行う操作部と、
    報知手段とを備え、
    前記制御部は、
    前記動作モードとして、水の湯沸し動作を設定する湯沸しモードが選択された場合、前記駆動回路を駆動させ、
    前記駆動回路の駆動周波数を固定した状態で、前記入力電流および前記コイル電流の少なくとも一方の所定時間当たりの変化量(ΔI)を求め、
    前記駆動回路の駆動周波数を固定した状態で求めた前記所定時間当たりの変化量(ΔI)が、前記被加熱物の材質に応じて設定した閾値以下となったとき、湯沸しが完了した旨を前記報知手段により報知させる
    ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  12. 前記制御部は、
    前記負荷判定手段が判定した前記被加熱物の材質の、前記電流の変化量(I1)が大きい程、前記閾値を大きく設定する
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の誘導加熱調理器。
  13. 前記制御部は、
    前記駆動回路の駆動周波数を固定した状態において、前記駆動回路のスイッチング素子のオンデューティ比を固定した状態にする
    ことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  14. 前記駆動回路は、
    2つのスイッチング素子を直列に接続したアームを少なくとも2つ有するフルブリッジインバータ回路により構成され、
    前記制御部は、
    前記フルブリッジインバータ回路の、前記スイッチング素子の駆動周波数を固定した状態において、前記2つのアームの相互間の前記スイッチング素子の駆動位相差と、前記スイッチング素子のオンデューティ比とを固定した状態にする
    ことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  15. 前記駆動回路は、
    2つのスイッチング素子を直列に接続したアームを有するハーフブリッジインバータ回路により構成され、
    前記制御部は、
    前記ハーフブリッジインバータ回路の、前記スイッチング素子の駆動周波数を固定した状態において、前記スイッチング素子のオンデューティ比を固定した状態にする
    ことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
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