JP6211175B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
例えば、インバータの入力電流が一定となるようにインバータを制御する制御手段を有し、所定時間以内に所定以上の制御量の変化があった場合に被加熱物の温度変化が大と判断してインバータの出力を抑制する誘導加熱調理器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
(構成)
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。
図1に示すように、誘導加熱調理器100の上部には、鍋などの被加熱物5が載置される天板4を有している。天板4には、被加熱物5を誘導加熱するための加熱口として、第一の加熱口1、第二の加熱口2、第三の加熱口3とを備え、各加熱口に対応して、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12、第三の加熱手段13を備えており、それぞれの加熱口に対して被加熱物5を載置して誘導加熱を行うことができるものである。
本実施の形態1では、本体の手前側に左右に並べて第一の加熱手段11と第二の加熱手段12が設けられ、本体の奥側ほぼ中央に第三の加熱手段13が設けられている。
なお、各加熱口の配置はこれに限るものではない。例えば、3つの加熱口を略直線状に横に並べて配置しても良い。また、第一の加熱手段11の中心と第二の加熱手段12の中心との奥行き方向の位置が異なるように配置しても良い。
次に実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の動作について説明する。
まず、天板4の加熱口に載置された被加熱物5を、操作部40により設定された火力により誘導加熱する場合の動作について説明する。
ここで、負荷となる被加熱物5(鍋)の材質は、鉄やSUS430等の磁性材と、SUS304等の高抵抗非磁性材と、アルミや銅等の低抵抗非磁性材と、に大別される。
負荷判定結果が、無負荷であった場合、制御部45は、加熱不可能であることを報知手段42に放置させて、使用者に鍋の載置を促す。この際、駆動回路50から加熱コイル11aには高周波電力を供給しない。
制御部45は、決定した駆動周波数を固定した状態でインバータ回路23を駆動し、誘導加熱動作を開始する。なお駆動周波数を固定した状態においては、インバータ回路23のスイッチング素子のオンデューティ比(オンオフ比)も固定した状態とすることで、入力電力(インバータ回路23の出力電力)が一定となる。
図5に示すように、インバータ回路23は、正負母線間に直列接続された2個のスイッチング素子(IGBT23a、23b)と、そのスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続されたダイオード23c、23dとによって構成されるアームを1組備えている。
制御部45は、IGBT23aをオンさせている間はIGBT23bをオフ状態にし、IGBT23aをオフさせている間はIGBT23bをオン状態にし、交互にオンオフする駆動信号を出力する。
これにより、IGBT23aとIGBT23bとにより、加熱コイル11aを駆動するハーフブリッジインバータ回路を構成する。
制御部45は、インバータ回路23のIGBT23aおよびIGBT23bに、負荷回路の共振周波数よりも高い高周波の駆動信号を出力する。この駆動信号の周波数を固定した状態でデューティ比を可変することにより、インバータ回路23の出力を増減させる。
図7に示すように、駆動周波数が固定(一定)の場合、デューティ比を変えることにより、入力電力(インバータ回路23の出力電力)を増減させることができる。この場合、一般的にはデューティ比を0から0.5まで、あるいは0.5から1まで、のいずれかを利用して入力電力を制御している。デューティ比を0から0.5まで変化させる場合においては、デューティ比を高くすることで入力電力を高くすることが可能である。
また図6(b)の例では、駆動信号の1周期におけるIGBT23aのオン時間T11c(IGBT23bのオフ時間)に対して、IGBT23aのオフ時間T11d(IGBT23bのオン時間)が長い場合(デューティ比が40%の場合)を図示している。
ここで図6(a)、(b)の駆動信号の1周期の時間T11は同一、すなわち駆動信号の駆動周波数は同一であるため、図6(b)に対して、図6(a)の方が、入力電力が高く、高火力状態であることが分かる。
次に、操作部40により使用者から調理メニュー(動作モード)として、加熱途中での任意のタイミングにおいて、被加熱物5の現在の温度を一定にキープする定温運転モードが選択された場合の動作について説明する。
加熱動作状態において、使用者からの指示により定温運転モードが設定されると、制御部45は、被加熱物5の現在の温度を一定にキープする定温制御を実施する。ここで、定温制御を行う際の経過時間と各特性の変化について図8により説明する。
なお、図8(d)に示すコイル電流は瞬時値ではなく、平均値又は実効値などの変化傾向を示しており、図8の時間軸は駆動信号の周期と比較して十分に長いものである。
使用者の操作により時間t1(図8の破線で示すタイミング)で定温運転モードに設定される。
なお、ここでは図8(a)に示すように駆動周波数をf1からf2に増加させることで入力電力を低下させているが、本発明はこれに限定されない。インバータ回路23の駆動周波数はf1一定のままで、図8(c)に示すようにインバータ回路23の駆動信号のデューティ比のみを大きく低下させることで入力電力を低下させてもよい。
Z=V/Ic …(2)
つまり、制御部45は、電圧検出手段26aが検出した印加電圧Vと、コイル電流検出手段25bが検出したコイル電流Icとに応じて駆動信号のデューティ比を制御することで、被加熱物5の温度、すなわち水温を一定に制御する定温運転モードを実現することができる。
このような定温制御を行うことで、図8(b)示すように温度(水温)を一定にキープすることができる。なお、図8(b)の点線は、定温制御を行わない場合の温度上昇を示している。
このため、サーミスタ又は赤外線センサなどの温度検知手段を用いずに定温制御を実現することができる。また、被加熱物5の形状、材質、及び被加熱物5の温度帯にかかわらず、被加熱物5の温度を精度良く一定に制御することができる。
操作部40により定温運転モードが選択された場合の別の制御動作について説明する。
定温運転モードが設定された時間t1以降においては、制御部45は、入力電流検出手段25aで検出した入力電流と、コイル電流検出手段25bが検出したコイル電流と、一次電圧検出手段26bが検出した一次電圧とに基づいて、インバータ回路23の駆動周波数を固定した状態で、駆動信号のデューティ比を変化させることで定温制御を行う。
Pin=V1×Iin …(3)
Pout=η×Pin …(4)
Pout=Z×Ic2 …(5)
Z=η×Pin/Ic2
=η×(V1×Iin)/Ic2 …(6)
例えば、被加熱物5の内部に油が投入され、天ぷらなどの揚げ物調理においても、上述した定温運転モード1及び2を行うことで、油の温度を一定にキープする定温制御を行うことができる。
本実施の形態では、上述した定温制御を行うことで、油へ食材を投入した時においても被加熱物5の温度を一定に制御することができる。よって、揚げ物調理の失敗のない使い勝手の良い誘導加熱調理器を得ることができる。
続いて別の駆動回路を使用した例について説明する。図9は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の別の駆動回路を示す図である。図9に示す駆動回路50は、図2に示した構成に、共振コンデンサ24bを付加したものである。なお、その他の構成は図2と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
Claims (5)
- 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
前記加熱コイルに接続され、共振回路を構成する共振コンデンサと、
前記加熱コイルに高周波電力を供給するインバータ回路と、
前記インバータ回路の駆動信号を制御することにより、前記加熱コイルに供給される高周波電力を制御する制御部と、
予め定められた動作モードの選択操作を受け付ける操作部と、
前記加熱コイルに流れるコイル電流を検出するコイル電流検出手段と、
前記共振回路に印加される印加電圧を検出する電圧検出手段と、
を備え、
前記予め定められた動作モードは、前記被加熱物の温度を一定に保つ定温運転モードを含み、
前記制御部は、
前記定温運転モードが選択された場合、
前記インバータ回路の駆動周波数を固定した状態で、前記コイル電流と前記印加電圧との比率が一定となるように、前記インバータ回路の前記駆動信号のデューティ比を可変して、前記共振回路のインピーダンスを一定にする
誘導加熱調理器。 - 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
前記加熱コイルに接続され、共振回路を構成する共振コンデンサと、
前記加熱コイルに高周波電力を供給するインバータ回路と、
前記インバータ回路の駆動信号を制御することにより、前記加熱コイルに供給される高周波電力を制御する制御部と、
前記加熱コイルに流れるコイル電流を検出するコイル電流検出手段と、
前記インバータ回路への入力電流を検出する入力電流検出手段と、
前記インバータ回路に印加されている一次電圧を検出する一次電圧検出手段と、
予め定められた動作モードの選択操作を受け付ける操作部と、
を備え、
前記予め定められた動作モードは、前記被加熱物の温度を一定に保つ定温運転モードを含み、
前記制御部は、
前記定温運転モードが選択された場合、
前記インバータ回路の駆動周波数を固定した状態で、前記入力電流と前記一次電圧との積と、前記コイル電流を2乗した値との比率が一定となるように、前記インバータ回路の前記駆動信号のデューティ比を可変して、前記共振回路のインピーダンスを一定にする
誘導加熱調理器。 - 前記制御部は、
前記定温運転モードが選択された場合、
前記インバータ回路の駆動周波数を増加させたあと、前記インバータ回路の駆動周波数を固定する
請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。 - 前記インバータ回路は、
2つのスイッチング素子を直接に接続したアームを有するハーフブリッジインバータ回路により構成され、
前記制御部は、
前記ハーフブリッジインバータ回路の、前記スイッチング素子の駆動周波数を固定した状態において、前記スイッチング素子のデューティ比を可変する
請求項1〜3の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記インバータ回路への入力電流と、前記加熱コイルに流れるコイル電流との相関に基づいて、前記被加熱物の負荷判定処理を行う負荷判定手段を、更に備えた
請求項1〜4の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
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