JP2004139802A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱コイルの自己発熱による影響を抑制して、精度の高い被加熱体の温度制御を行える使い勝手の優れた誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】本発明の誘導加熱装置は、鉄系の被加熱体を加熱可能で且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱可能な第1の加熱コイル及び鉄系の被加熱体を加熱可能で且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱できない第2の加熱コイルと、前記第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータ回路及び第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータ回路とを備え、被加熱体の温度を制御目標温度に対応した温度に制御する温度制御手段が、前記第1の加熱コイルにより加熱される鉄系の被加熱体についてのみ動作するよう構成されている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般家庭、レストラン、オフィス、あるいは工場などで使用される誘導加熱装置に関するものであり、さらに詳しくは複数の加熱装置を同時に使用することが可能な誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の誘導加熱装置の加熱方法を誘導加熱調理器を例に挙げて、図2を用いて説明する。図2は従来の誘導加熱調理器の概略構成を示すブロック図である。
図2において、鍋等の被加熱体21を載置する絶縁板22の下方には加熱コイル23が配設されている。加熱コイル23はインバータ回路25から高周波電流が供給されることにより被加熱体21に高周波交番磁界を印加して誘導加熱を行う。温度検知手段27は加熱コイル23の近傍に配設され、被加熱体21の温度を絶縁板22を介して検知している。温度検知手段27により検知した被加熱体21の温度情報は温度制御手段28に送られ、この温度制御手段28は制御目標温度に等しくなるようにインバータ回路25の動作を制御する。
【0003】
上記のように構成された従来の誘導加熱調理器における動作を説明する。
インバータ回路25は商用電源(図示せず)から入力された商用周波数の交流を整流、平滑して直流に変換し、さらに所望の高周波交流に変換して、加熱コイル23に高周波電流を供給する。高周波電流が供給された加熱コイル23は、この加熱コイル23と磁気結合した鍋等の被加熱体21に渦電流を発生させて、そのジュール熱で被加熱体21を誘導加熱する。
被加熱体21が誘導加熱されているとき、温度検知手段27はインバータ回路25が加熱コイル23に供給した高周波電流によって誘導加熱されている被加熱体21の温度を検知している。このとき、誘導加熱されている被加熱体21の温度が制御目標温度となるよう、温度制御手段28はインバータ回路25の動作を制御している。すなわち、被加熱体21が誘導加熱されているとき、温度検知手段27により検知された被加熱体21の温度に基づき温度制御手段28はインバータ回路25により被加熱体21に対する加熱出力を可変させている。
【0004】
従来の誘導加熱調理器において、加熱コイル23の形状は一般的に渦巻き状であり、その内径は約50mmであり、絶縁板22に対して約3mmの距離を有して配置されている。温度検知手段27は、加熱コイル23の内側部分の略中央位置でかつ絶縁板22に接するように配設されており、被加熱体21の温度を絶縁板22を通して検知するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−254483号公報(第4−6頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された従来の誘導加熱装置においては、温度検知手段27により検知された温度に応じて温度制御手段28がインバータ回路25の出力を可変し、加熱コイル23に流れる高周波電流値を変化させて被加熱体21を誘導加熱している。しかしながら、このとき加熱コイル23自体も発熱しており、加熱コイル23の自己発熱量もそこに流れる高周波電流値に応じて変化する。したがって、この発熱体である加熱コイル23の近傍に配設されている温度検知手段27は、被加熱体21の発熱による温度のみならず、加熱出力に応じて変化する加熱コイル23自体の発熱による温度にも影響を受ける。この結果、温度検知手段27は被加熱体21の正確な温度を検知することができないため、温度制御に悪影響を及ぼし、誘導加熱調理器の場合においては調理の出来映えに不具合をもたらすという重大な問題を有していた。
本発明は、従来の誘導加熱装置における問題を解決するものであり、被加熱体の温度制御において、加熱コイルの自己発熱による影響を抑制して、精度の高い温度制御を行うことができる、使い勝手の優れた誘導加熱装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の誘導加熱装置は、上記の目的を達成するために、被加熱体を載置する絶縁板と、前記絶縁板における被加熱体と反対側に設けられた、鉄系の被加熱体を加熱可能で且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱可能な第1の加熱コイル及び鉄系の被加熱体を加熱可能で且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱できない第2の加熱コイルと、前記第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルに各々高周波電流を供給する第1及び第2のインバータ回路とを備え、前記絶縁板を介して被加熱体の温度を検知する温度検知手段と被加熱体の制御目標温度を設定する温度設定手段の出力情報に応じて前記インバータの出力を制御して被加熱体の温度を前記制御目標温度に対応した温度に制御する温度制御手段が、前記第1の加熱コイルにより加熱される鉄系の被加熱体についてのみ動作するよう配設されている。上記のように構成された本発明の誘導加熱装置は、各々のインバータ回路が対応する加熱コイルに高周波電流を供給することにより、加熱コイルから発生する高周波磁束により被加熱体を誘導加熱すると共に、同一被加熱体材質、同一加熱出力における高周波電流値の少ない加熱コイル、つまり、第2の加熱コイルよりも巻数が多い第1の加熱コイルは、その通電損失が第2の加熱コイルよりも低く発熱量も小さいので、温度検知手段が検知する被加熱体の温度に加熱コイルの発熱による影響が少なく、加熱対象としている被加熱体の温度制御を正確に行うことが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、各請求項に記載した構成を実施の形態とすることにより達成することができるので、以下には各請求項の特徴とする構成に作用を併記して実施の形態の意義を理解しやすく説明することとする。
【0009】
請求項1に記載の発明は、被加熱体を載置する絶縁板と、前記絶縁板における被加熱体と反対側に設けられた、鉄系の被加熱体を加熱可能で且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱可能な第1の加熱コイル及び鉄系の被加熱体を加熱可能で且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱できない第2の加熱コイルと、前記第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルに各々高周波電流を供給する第1及び第2のインバータ回路とを備え、前記絶縁板を介して被加熱体の温度を検知する温度検知手段と被加熱体の制御目標温度を設定する温度設定手段の出力情報に応じて前記インバータの出力を制御して被加熱体の温度を前記制御目標温度に対応した温度に制御する温度制御手段が、前記第1の加熱コイルにより加熱される鉄系の被加熱体についてのみ動作するよう配設されてなる誘導加熱装置である。請求項1に記載の発明の誘導加熱装置は、各々のインバータ回路が対応する加熱コイルに高周波電流を供給することにより、加熱コイルから発生する高周波磁束により被加熱体を誘導加熱することができる。また、第1の加熱コイルに所望の高周波電流を供給する第1のインバータ回路により鉄系の被加熱体が所望の温度となるよう加熱可能であり、且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体が加熱可能であるという作用を有する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成を有すると共に、第1の加熱コイルが第2の加熱コイルよりも巻き数を多く形成している。請求項2に記載の発明においては、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱可能な第1の加熱コイルの巻き数が、鉄系材質の被加熱体を加熱可能で且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱できない第2の加熱コイルの巻き数より多くすることにより、同一加熱出力、同一被加熱体材質であれば、それぞれのインバータ回路が供給する高周波電流値は巻き数の多い第1の加熱コイルの方が、第2の加熱コイルよりも少なくなるという作用を有する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成を有すると共に、第1の加熱コイルと共振体を構成する第1のコンデンサの容量を切り替えられるよう構成されている。請求項3に記載の発明の誘導加熱装置は、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体、及び鉄系材質の被加熱体の両方を1つの加熱コイルにより加熱できるという作用を有する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の構成を有すると共に、第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータ回路により、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体及び鉄系の被加熱体の何れもを加熱可能に構成されている。請求項4に記載の発明の誘導加熱装置は、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体、及び鉄系材質の被加熱体の両方を1つの加熱コイルにより加熱できるという作用を有する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の構成を有すると共に、第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータ回路の定格出力が第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータ回路の定格出力よりも大きく構成されている。請求項5に記載の発明の誘導加熱装置において、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルにより加熱される被加熱体が同一の材質であれば、供給される高周波電流値は第2の加熱コイルに比べて第1の加熱コイルの方が小さくなる作用を有する。また、第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータ回路の定格出力が、第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータ回路の定格出力より大きく設定されているため、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルにより加熱される被加熱体が同一の材質であれば、第1の加熱コイルにおける自己発熱量は、第2の加熱コイルにおける自己発熱量より少なくなる作用を有する。この結果、第1の加熱コイルからの熱が温度検知手段による温度検知に悪影響を与えることがなく、第1の加熱コイルによる温度制御を高精度に行うことができ、湯沸かしや、焼き物等の高火力が必要な調理の場合は、大きな定格出力を有する第2の加熱コイルを用いることにより、調理時間の短縮等を図ることができるという作用を有する。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の構成を有すると共に、第1及び第2の加熱コイルは円環形状若しくは渦巻き形状であり、第1の加熱コイルの内径が第2の加熱コイルの内径よりも大きく形成されており、温度検知手段を第1の加熱コイルの中心部分近傍に配設している。請求項6に記載の発明の誘導加熱装置によれば、第1及び第2の加熱コイルは円環形状若しくは渦巻き形状であるため、それぞれの加熱コイルにより誘導加熱される被加熱体の温度が一様になると共に、加熱コイルに対する被加熱体の位置ずれの影響を少なくすることができるという作用を有する。第1の加熱コイルの内径を第2の加熱コイルの内径よりも大きくすることにより、温度検知手段を第1の加熱コイルの略中央に配置しても、温度検知手段は第1の加熱コイルの内周部分から離すことが可能となり、温度検知手段が検知する温度において第1の加熱コイルの自己発熱による影響を低減することができるという作用を有する。このため、請求項6に記載の発明の誘導加熱装置は、正確な被加熱体の温度制御が可能となるという作用を有する。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の構成を有すると共に、絶縁板に対する第1の加熱コイルからの距離が前記絶縁板に対する第2の加熱コイルからの距離よりも長くなるよう構成されている。請求項7に記載の発明の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイルと絶縁板との間に形成される空気の断熱層となる空間を第2の加熱コイルと絶縁板との間に形成される空間よりも厚く形成しているため、第1の加熱コイルの自己発熱による絶縁板及び温度検知手段に与える熱的影響を低減できるという作用を有する。このため、請求項7に記載の発明の誘導加熱装置は、温度検知手段による被加熱体の温度を高精度に検知することが可能となり、第1の加熱コイルによる被加熱体の温度制御をより正確に行うことができるという作用を有する。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の構成を有すると共に、複数の加熱コイルのそれぞれに所望の高周波電流を供給する複数のインバータ回路を冷却する冷却手段をさらに具備し、当該冷却手段による冷却条件が最も良い位置に第1の加熱コイルを配置している。請求項8に記載の発明の誘導加熱装置は、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱するときの第1の加熱コイル及びその第1の加熱コイルに所望の高周波電流を供給する第1のインバータ回路に対して、冷却手段を設けて熱的ストレスの増加する部分を集中的に冷却することにより、機器の信頼性を高めるという作用を有する。冷却手段、例えば冷却ファンの冷却風が、第1の加熱コイルに対して、第2の加熱コイルよりも効率的に当てることにより、第1の加熱コイルの自己発熱による絶縁板及び温度検知手段に対する熱的影響を低減することが可能となるという作用を有する。例えば、冷却ファンの冷却風が効率的に当る位置としては、冷却風量の最も多い位置、或いは、吸気とほぼ同程度の温度の冷却風が当たる位置等である。このように冷却手段を設けることにより、第1の加熱コイルの自己発熱による絶縁板及び温度検知手段に与える熱的影響を低減して、温度検知手段による被加熱体の温度を高精度に検知して、第1の加熱コイルによる被加熱体の温度制御をより正確に行うことができるという作用を有する。
【0017】
我々の実験によれば、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体が、鉄系材質の被加熱体とほぼ同程度の加熱出力を得るために、そして、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱するアルミニウム用加熱コイルの自己発熱を低減するためには、そのアルミニウム用加熱コイルの巻き数を、鉄系材質の被加熱体のみを加熱する鉄用加熱コイルの巻き数より多くする必要があった。
【0018】
したがって、本発明においては、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱可能な第1の加熱コイルの巻き数が、鉄系材質の被加熱体を加熱可能で且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱できない第2の加熱コイルの巻き数より多くしている。これにより、同一加熱出力、同一被加熱体材質であれば、インバータ回路が供給する高周波電流値は巻き数の多い第1の加熱コイルの方が、第2の加熱コイルよりも少なくなる。この結果、同じ条件においては第1の加熱コイルの自己発熱量が第2の加熱コイルよりも小さくなる。本発明においては、自己発熱量が低減されている第1の加熱コイルにおいて被加熱体温度を検知して温度制御を行うよう構成し、温度制御に対する第1の加熱コイルの自己発熱による影響を小さくして正確な被加熱体の温度制御を可能としている。
【0019】
また、本発明においては、巻き数の少ない第2の加熱コイル及びその第2の加熱コイルに所望の高周波電流を供給する第2のインバータ回路を設けて、第2の加熱コイルが鉄系の被加熱体のみを加熱可能とする構成である。このように、本発明では加熱対象の材質に応じて加熱コイルの巻き数を適切に設定しているため、加熱コイルの巻き数増加に伴うリッツ銅線の使用量増加を抑制することができる。この結果、本発明の誘導加熱装置は、コストアップを抑えるという作用を有する。
さらに、本発明の誘導加熱装置は、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱するときの第1の加熱コイル及びその第1の加熱コイルに所望の高周波電流を供給する第1のインバータ回路に対して、冷却手段を設けて熱的ストレスの増加する部分を集中的に冷却することにより、機器の信頼性を高めるという作用を有している。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の誘導加熱装置に係る好適な実施例を添付の図面を参照しつつ説明する。
【0021】
《実施例1》
図1は本発明に係る実施例1の誘導加熱装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、実施例1の誘導加熱装置は、平板な耐熱セラミック材等で形成された絶縁板2の上に2種類の鍋形状の被加熱体1a,1bが載置可能に構成されている。以下の実施例1の説明において、第1の被加熱体1aは、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する材料で形成された被加熱体の一例としてアルミニウム製の鍋で説明し、第2の被加熱体1bは、鉄系の材料で形成された被加熱体の一例として鉄製の鍋で説明する。
【0022】
絶縁板2の下側には2つの加熱コイル3,4が配置されている。第1の加熱コイル3は第1の加熱コイル出力調整手段である第1のインバータ回路5から所望の高周波電流が供給されて、その上部の絶縁板2上に載置された鍋等の被加熱体に高周波交番磁界を印加して誘導加熱を行う。また、第2の加熱コイル4は第2の加熱コイル出力調整手段である第2のインバータ回路6から所望の高周波電流が供給されて、その上部の絶縁板2上に載置された鍋等の被加熱体に高周波交番磁界を印加して誘導加熱を行う。第1及び第2の加熱コイル3,4は、それぞれが細い素線を束ねて撚り合わせ、それをさらに撚ったリッツ線を平板状で渦巻き形状に巻回して形成したものである。したがって、第1及び第2の加熱コイル3,4は、それぞれが円環形状を有している。
【0023】
図1に示すように、絶縁板2の裏面における円環形状の第1の加熱コイル3の略中心軸上に温度検知手段7が設けられている。この温度検知手段7は、絶縁板2に固着されたホルダー内にサーミスタを嵌め込み、サーミスタと絶縁板2が確実に接触するよう構成されている。サーミスタにより絶縁板2を介して検知された第1の加熱コイル3上の被加熱体の温度情報は、被加熱体温度制御手段8へ送られる。
【0024】
本発明に係る実施例1の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイル3により加熱される被加熱体は、アルミニウム製の鍋である第1の被加熱体1aと、鉄製の鍋である第2の被加熱体1bの両方である。したがって、導電率が低く透磁率の高い鉄鍋と導電率が高く透磁率の低いアルミニウム鍋や銅鍋等を加熱できるように、第1の加熱コイル3に供給される高周波電流の周波数はその上に載置される被加熱体の材質に応じて切り替えられるよう構成されている。例えば、アルミニウム製の鍋である第1の被加熱体1aが載置されたときには約63kHzの高周波電流が第1の加熱コイル3に供給され、鉄製の鍋である第2の被加熱体1bが載置されたときには約23kHzの高周波電流が第1の加熱コイル3に供給される。この選択は被加熱体選択手段10において使用者が行う。
【0025】
また、本発明に係る実施例1の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイル3により鉄製の鍋である第2の被加熱体1bが加熱されるとき、その第2の被加熱体1bの温度を設定するための温度設定手段9が設けられている。したがって、被加熱体温度制御手段8においては、絶縁板2を介して検知された第2の被加熱体1bの温度が温度設定手段9により設定された制御目標温度と等しくなるよう、第1のインバータ回路5の動作を制御する。
【0026】
さらに、本発明に係る実施例1の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイル3によりアルミニウム製の鍋である第1の被加熱体1aを加熱することを被加熱体選択手段10により選択した場合には、第1の加熱コイル出力設定手段11により第1の加熱コイル3の出力が設定され、その設定に基づき第1のインバータ回路5の動作が制御される。
【0027】
一方、第2の加熱コイル4は鉄製の鍋である第2の被加熱体1bのみを加熱でき、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱できないよう構成されている。実施例1の誘導加熱装置においては、第2の加熱コイル3により鉄製の鍋である第2の被加熱体1bを加熱するとき、第2の加熱コイル出力設定手段12により第2の加熱コイル4の出力が設定され、その設定に基づき第2のインバータ回路6の動作が制御される。
【0028】
実施例1の誘導加熱装置には、冷却手段である冷却ファン13が設けられている。この冷却ファン13は第1の加熱コイル3、第1のインバータ回路5、第2の加熱コイル4、第2のインバータ回路6を強制冷却しており、特に第1の加熱コイル3及び第1のインバータ回路5を強く冷却するよう冷却ファン13は配置されている。
【0029】
上記のように構成された実施例1の誘導加熱装置における動作を説明する。
第1のインバータ回路5は商用電源(図示せず)から入力された商用周波数の交流を整流、平滑して直流に変換し、さらに所望の高周波電流に変換して、第1の加熱コイル3にその高周波電流を供給する。高周波電流が供給された第1の加熱コイル3は、この第1の加熱コイル3と磁気結合した鍋等の被加熱体に渦電流を発生させて、そのジュール熱で被加熱体を誘導加熱する。
同様に、第2のインバータ回路6は商用電源(図示せず)から入力された商用周波数の交流を整流、平滑して直流に変換し、さらに所望の高周波電流に変換して、第2の加熱コイル4にその高周波電流を供給する。高周波電流が供給された第2の加熱コイル4は、この第2の加熱コイル4と磁気結合した鍋等の被加熱体に渦電流を発生させて、そのジュール熱で被加熱体を誘導加熱する。
【0030】
第1の加熱コイル3により鉄製の鍋である第2の被加熱体1bを加熱する場合について説明する。
まず、被加熱体選択手段10により鉄製の鍋である第2の被加熱体1bを加熱することを選択し、第2の被加熱体1bの加熱温度が設定される。加熱温度が設定されると、第1の加熱コイル3に第1のインバータ回路5から高周波電流が供給され、第2の被加熱体1bは誘導加熱される。
このとき、温度検知手段7のサーミスタが第2の被加熱体1bの温度を絶縁板2を介して検出して、被加熱体温度制御手段8は温度検知手段7の検出した温度情報に基づき、第1のインバータ回路5に対して第1の加熱コイル3に供給すべき高周波電流を制御する。このとき、被加熱体温度制御手段8は第1のインバータ回路5を制御して、第1の加熱コイル3に供給すべき高周波電流を所望の値とし、第2の被加熱体1bへの加熱出力を可変させている。この結果、誘導加熱されている第2の被加熱体1bの温度は、使用者が温度設定手段9で設定した制御目標温度となる。
【0031】
次に、第1の加熱コイル3によりアルミニウム製の鍋である第1の被加熱体1aを加熱する場合について説明する。
まず、被加熱体選択手段10によりアルミニウム製の鍋である第1の被加熱体1aを加熱することを選択し、第1の加熱コイル出力設定手段11により第1の加熱コイル3の出力が設定される。第1の加熱コイル3の出力が設定されると、第1の加熱コイル3に第1のインバータ回路5から高周波電流が供給され、第1の被加熱体1aは誘導加熱される。
このとき、誘導加熱されている第1の被加熱体1aは、使用者が第1の加熱コイル出力設定手段11で設定した第1の加熱コイル3の出力により加熱されている。
【0032】
次に、実施例1の誘導加熱装置における構成を具体的に説明する。
第1の加熱コイル3は被加熱体の材質がアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する場合にも実調理に十分な加熱火力を得ることができるように、そして第1の加熱コイル3の自己発熱を低減するために、第1の加熱コイル3の巻き数は、鉄系の被加熱体のみが加熱可能な第2の加熱コイル4の巻き数より多くして、第1のインバータ回路5が供給する高周波電流値を低減している。具体的には、実施例1においては、第1の加熱コイル3の巻き数が43ターンであり、第2の加熱コイル4の巻き数が25ターンである。実施例1におけるそれぞれの加熱コイルの断面積は、約3.0mmのリッツ銅線を用いている。具体的には、第1の加熱コイル3は、直径が0.05mmである素線(銅線)を1620本束ねた3.2mmの断面積のリッツ線を用いており、第2の加熱コイル4は、直径が0.3mmである素線(銅線)を40本束ねた2.8mmの断面積のリッツ線を用いて、実施例1の誘導加熱装置を実現している。
【0033】
第1の加熱コイル3と第2の加熱コイル4により同一材質の被加熱体が同一加熱火力により加熱される場合には、被加熱体に与えられる電力は加熱コイルに流れる高周波電流と加熱コイルの巻き数との積の2乗に比例する。したがって、この場合に第1の加熱コイル3に流れる高周波電流値は第2の加熱コイル4に流れる高周波電流値の約半分である。このため、実施例1の構成においては、巻き数増による抵抗分の増加を含めても、第1の加熱コイル3の自己発熱量が第2の加熱コイル4の自己発熱量よりも小さくなっている。
実施例1の誘導加熱装置では、自己発熱量の小さい第1の加熱コイル3において鉄系の被加熱体である第2の被加熱体1bの温度制御を行うよう構成している。したがって、実施例1の誘導加熱装置によれば、第1の加熱コイル3の自己発熱による熱の影響が少なくなり、正確な第1の被加熱体1aの温度制御が可能である。
【0034】
実施例1の誘導加熱装置は、鉄系の被加熱体のみを加熱することができ、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱できない第2の加熱コイル4及び第2の加熱コイル出力調整手段である第2のインバータ回路6を設けているのは以下の理由による。アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱するための加熱コイルは巻き数が多いため、すべての加熱コイルがアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体と鉄系の被加熱体とを加熱できるよう構成すると、使用機会の少ないアルミニウム鍋等のために加熱コイルの巻き数が無用に多くなる。したがって、無用な加熱コイルの巻き数の増加によるリッツ線の使用量の増加を抑制するため、本発明の実施例1においては、必要な加熱コイルのみにおいて巻き数を多くしている。本発明においては、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱するとき、第1の加熱コイル及び第1のインバータ回路を用いるよう構成して、加熱コイル及びインバータ回路における熱的ストレスの増加する部分をできるだけ小さくしている。すなわち、本発明では高温度となる領域を限定して、そこを集中的に冷却するよう構成している。これにより、本発明においては機器のコストアップの抑制が可能となっている。
【0035】
実施例1の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイル3を有する第1のインバータ回路5の最大出力が2kWであり、第2の加熱コイル4を有する第1のインバータ回路6の最大出力が2kWである。各々の最大出力は、実施例1の場合、少なくとも特定の大きさ(外径略200mm以上等)の鉄鍋において確保される出力である。
なお、第2の加熱コイル4の最大出力は3kWに構成してもよい。このように構成された場合には、被加熱体に対する高精度な温度制御が必要な第1の加熱コイル3においては自己発熱を増加させずに正確な検出温度を可能とし、湯沸かしや、焼き物等においてさらに高火力が必要な場合には、最大出力が大きな第2の加熱コイル4及び第2のインバータ回路6を用いることが可能となる。このような構成の誘導加熱装置は、調理時間の大幅な短縮を図ることが可能となる。
【0036】
実施例1では、各加熱コイル3,4の形状が渦巻き形状であり、第1の加熱コイル3の内径を第2の加熱コイル4の内径よりも大きく形成している。具体的には、第1の加熱コイル3の内径(R1)が約80mmであり、第2の加熱コイル4の内径(R1)が約50mmである。
実施例1の誘導加熱装置においては、温度検知手段7を第1の加熱コイル3の内周の内側部分における略中心線上で、絶縁板2の裏面に接触するよう配設されている。すなわち、温度検知手段7は第1の加熱コイル3で誘導加熱される被加熱体の温度を確実に検知できる位置で、かつ第1の加熱コイル3の自己発熱の影響を受けにくい第1の加熱コイル3の内周から離れた位置に配置されている。このため、第1の加熱コイル3に対して被加熱体が多少ずれた位置に配置されたとしても、実施例1の誘導加熱装置における温度検知手段7は、被加熱体の位置ずれによる影響を受けることがなく、正確に被加熱体の温度を検出することができる。
【0037】
また、実施例1の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイル3と絶縁板2との間の距離は、第2の加熱コイル4と絶縁板2との間の距離より長くなるよう構成している。すなわち、第1の加熱コイル3は第2の加熱コイル4より絶縁板2に対して離れて配置されている。具体的には、第1の加熱コイル3から絶縁板2の下面までの垂直方向の距離(L1)が約7mmである。一方、第2の加熱コイル4から絶縁板2の下面までの垂直方向の距離(L2)は約4mmである。したがって、もし第2の加熱コイル4の中心線上であり絶縁板2の裏面に同様の温度検知手段7を設けた場合、第1の加熱コイル3は第2の加熱コイル4に比して約3mm長く垂直方向に温度検知手段7から離れる。このとき、温度検知手段7から第1の加熱コイル3までの実質的な直線距離は、温度検知手段7から第2の加熱コイル4までの実質的な距離に比べて約15mm長くなる。図1において、これらの距離(L1,L2)は誇張して記載している。
実施例1の誘導加熱装置は、上記のように第1の加熱コイル3と温度検知手段7との間の空間に断熱層としての空気層が形成されているため、温度検知手段7が検知する温度に対して第1の加熱コイル3の自己発熱の影響を低減することができ、第1の加熱コイル3による被加熱体に対する温度制御を高精度に行うことができる。
【0038】
また、実施例1の誘導加熱装置においては、前述のように、各加熱コイル並びにインバータ回路を強制空冷すべく冷却手段としての冷却ファン13が設けられている。実施例1においては、第1の加熱コイル3に対して冷却ファン13の冷却風が最も強く当たるよう構成されている。なお、冷却ファン13により装置外部から空気を取り込むように構成して、その吸気温度と略同程度の温度の冷却風が第1の加熱コイル3に当たるよう構成してもよい。このように構成することにより、第1の加熱コイル3の自己発熱による絶縁板2及び温度検知手段7に与える熱的影響を低減することが可能となる。この結果、温度検知手段7による被加熱体の温度を正確に検知することができ、第1の加熱コイル3による被加熱体の温度制御を高精度に行うことができる。
【0039】
さらに、実施例1の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイル3と共振体を構成するコンデンサの容量を切り替えられるよう構成されている。被加熱体選択手段10において、被加熱体が鉄系材質の被加熱体である場合にはアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体の場合に比べて、第1の加熱コイル3と共振体を構成するコンデンサの容量を大きくする容量変更手段14を有するよう構成されている。これにより、鉄系材質の被加熱体及びアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体の両方を1つの加熱コイルにより確実に所望の温度で加熱できるという優れた効果を有する。
【0040】
尚、上記実施例では、第1の加熱コイル及び第1のインバータ回路、並びに第2の加熱コイル及び第2のインバータ回路の2組で構成した例で説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、使用状況に応じてそれぞれの組が1つ以上あれば、上記実施例と同様の効果が得られる。
【0041】
【発明の効果】
以上、実施の形態について詳細に説明したところから明らかなように、本発明は次の効果を有する。
【0042】
本発明によれば、被加熱体の温度制御における、加熱コイルの自己発熱による影響を少なくし、精度の高い温度制御を行うことが可能な、使い勝手の優れた誘導加熱装置を提供することができる。
【0043】
本発明の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイルに所望の高周波電流を供給する第1のインバータ回路により鉄系の被加熱体を所望の温度に加熱可能であり、且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体が加熱可能である。
【0044】
本発明の誘導加熱装置においては、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱可能な第1の加熱コイルの巻き数が、鉄系材質の被加熱体を加熱可能な第2の加熱コイルの巻き数より多くすることにより、同一加熱出力、同一被加熱体材質であれば、それぞれのインバータ回路が供給する高周波電流値は巻き数の多い第1の加熱コイルの方が、第2の加熱コイルよりも少なくなり、自己発熱が低減される。この結果、本発明においては、加熱コイルの自己発熱による熱の影響を抑制でき、より正確な被加熱体の温度制御が可能となる。
【0045】
本発明の誘導加熱装置においては、第1の加熱コイルと共振体を構成する第1のコンデンサの容量を切り替えられるよう構成されているため、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体、及び鉄系材質の被加熱体の両方を1つの加熱コイルにより所望の温度で加熱できる。
【0046】
本発明の誘導加熱装置においては、第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータ回路の定格出力が第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータ回路の定格出力よりも大きく構成しているため、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルにより加熱される被加熱体が同一の材質であれば、第1の加熱コイルにおける自己発熱量が第2の加熱コイルにおける自己発熱量より少なくなる。このため、本発明によれば、第1の加熱コイルからの熱が温度検知手段による温度検知に悪影響を与えることがなく、第1の加熱コイルによる温度制御を高精度に行うことができると共に、湯沸かしや、焼き物等の高火力が必要な調理の場合には、大きな定格出力を有する第2の加熱コイルを用いることにより、調理時間の短縮等を図ることができる。
【0047】
本発明の誘導加熱装置は、第1及び第2の加熱コイルは円環形状若しくは渦巻き形状であるため、それぞれの加熱コイルにより誘導加熱される被加熱体の温度が一様になると共に、加熱コイルに対する被加熱体の位置ずれの影響を少なくすることができる。また、第1の加熱コイルの最内側の直径を第2の加熱コイルよりも大きく構成しているため、温度検知手段が第1の加熱コイルから離して配置されているため、温度検知手段が検知する温度において第1の加熱コイルの自己発熱による影響を低減することができる。
【0048】
本発明の誘導加熱装置は、第1の加熱コイルと絶縁板との間に形成される空気の断熱層となる空間を第2の加熱コイルと絶縁板との間に形成される空間よりも厚く形成しているため、第1の加熱コイルの自己発熱による絶縁板及び温度検知手段に与える熱的影響を低減して、温度検知手段による被加熱体の温度を高精度に検知することが可能となり、第1の加熱コイルによる被加熱体の温度制御を正確に行うことができる。
【0049】
本発明の誘導加熱装置は、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱するときの第1の加熱コイル及びその第1の加熱コイルに所望の高周波電流を供給する第1のインバータ回路に対して、冷却手段を設けて熱的ストレスの増加する部分を集中的に冷却しているため、機器の信頼性を高めることが可能となり、第1の加熱コイルを第2の加熱コイルよりも効率的に冷却することにより、第1の加熱コイルの自己発熱による絶縁板及び温度検知手段に対する熱的影響を低減することができ、温度検知手段による被加熱体の温度を高精度に検知して、第1の加熱コイルによる被加熱体の温度制御をより正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。
【図2】従来の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1a 第1の被加熱体
1b 第2の被加熱体
2  絶縁板
3  第1の加熱コイル
4  第2の加熱コイル
5  第1のインバータ回路
6  第2のインバータ回路
7  温度検知手段
8  被加熱体温度制御手段
9  温度設定手段
10  被加熱体選択手段
11  第1の加熱コイル出力設定手段
12  第2の加熱コイル出力設定手段
13  冷却ファン

Claims (8)

  1. 被加熱体を載置する絶縁板と、前記絶縁板における前記被加熱体と反対側に設けられた、鉄系の被加熱体を加熱可能で且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱可能な第1の加熱コイル及び鉄系の被加熱体を加熱可能で且つアルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体を加熱できない第2の加熱コイルと、前記第1の加熱コイル及び第2の加熱コイルに各々高周波電流を供給する第1及び第2のインバータ回路とを備え、前記絶縁板を介して被加熱体の温度を検知する温度検知手段と被加熱体の制御目標温度を設定する温度設定手段の出力情報に応じて前記インバータ回路の出力を制御して被加熱体の温度を前記制御目標温度に対応した温度に制御する温度制御手段が、前記第1の加熱コイルにより加熱される鉄系の被加熱体についてのみ動作するよう配設されてなる誘導加熱装置。
  2. 第1の加熱コイルは第2の加熱コイルよりも巻き数が多い請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 第1の加熱コイルと共振体を構成する第1のコンデンサの容量を切り替えられるよう構成された請求項1又は2に記載の誘導加熱装置。
  4. 第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第1のインバータ回路により、アルミニウムの導電率と略同等またはそれ以上の導電率を有する被加熱体及び鉄系の被加熱体の何れもを加熱可能に構成された請求項1乃至3のいずれか一項に記載の誘導加熱装置。
  5. 第2の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータ回路の定格出力が第1の加熱コイルに高周波電流を供給する第2のインバータ回路の定格出力よりも大きく構成した請求項1乃至4のいずれか一項に記載の誘導加熱装置。
  6. 第1及び第2の加熱コイルは円環形状若しくは渦巻き形状であり、第1の加熱コイルの内径が第2の加熱コイルの内径よりも大きく形成されており、温度検知手段を第1の加熱コイルの中心部分近傍に配設した請求項1乃至5のいずれか一項に記載の誘導加熱装置。
  7. 絶縁板に対する第1の加熱コイルからの距離が前記絶縁板に対する第2の加熱コイルからの距離よりも長く構成した請求項1乃至6のいずれか一項に記載の誘導加熱装置。
  8. 複数の加熱コイルのそれぞれに所望の高周波電流を供給する複数のインバータ回路を冷却する冷却手段をさらに具備し、当該冷却手段による冷却条件が最も良い位置に第1の加熱コイルを配置した請求項1乃至7のいずれか一項に記載の誘導加熱装置。
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