JPWO2015045418A1 - カーボンナノチューブ及びその分散液、並びに、カーボンナノチューブ含有膜および複合材料 - Google Patents
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Abstract
本発明は、各種材料として有用なカーボンナノチューブ及びその分散液を提供することを目的とする。本発明のカーボンナノチューブは、昇温脱離法における150〜950℃での一酸化炭素の脱離量と二酸化炭素の脱離量が所定範囲にあることを特徴とする。
Description
本発明は、カーボンナノチューブ及びその分散液、並びに、カーボンナノチューブを用いたカーボンナノチューブ含有膜および複合材料に関する。
従来、炭素系材料が、各種製品の構成材料として広く用いられている。具体的には、例えば、タッチパネル、太陽電池、燃料電池等の電子機器や電子部材に用いる電極の、導電層や触媒層の構成材料等として、炭素系材料が広く用いられている。また、例えば、静電気に対して脆弱な半導体製電子部品の運搬容器や、自動車における燃料キャップなどの火花防止が必要な部材や、電子部品などの材料として使用されている導電性樹脂の製造において絶縁体である樹脂に導電性を付与する導電性付与材として、導電性を有する炭素系材料が用いられている。そして、近年、炭素系材料としては、カーボンナノチューブが注目されている。
例えば、特許文献1では、燃料電池に使用される白金触媒を代替可能な炭素系材料(炭素触媒)として、昇温脱離法における150℃から400℃での一酸化炭素の脱離量及び二酸化炭素の脱離量の合計が、0.02gあたり0.06mmol以上であるカーボンナノチューブを使用することが提案されている。
また、例えば、特許文献2では、カーボンナノ物質の表面をオゾン処理し、疎水性表面を親水性表面に変化させて、親水性溶媒に対する分散性を高めた高分散性カーボンナノ物質を導電性付与材として使用することが提案されている。
しかし、特許文献1に記載のカーボンナノチューブは、金属を含んでなるものであり、金属の劣化による性能低下が生じうることから、信頼性の点で未だ不充分であった。
また、特許文献2に記載のカーボンナノチューブについては、未だ分散性が低く、改良の余地があった。
また、特許文献2に記載のカーボンナノチューブについては、未だ分散性が低く、改良の余地があった。
そのため、近年では、各種材料として有用なカーボンナノチューブ及びその分散液を提供することが求められていた。特に、近年では、電極や導電性樹脂の構成材料として有用な、信頼性や分散性に優れるカーボンナノチューブ及びその分散液を提供することが求められていた。
そこで、本発明は、各種材料として有用なカーボンナノチューブ及びその分散液を提供することを目的とする。また、本発明は、前記カーボンナノチューブを含む、カーボンナノチューブ含有膜及び複合材料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った結果、昇温脱離法における150〜950℃での一酸化炭素の脱離量と二酸化炭素の脱離量が所定範囲にあるカーボンナノチューブによれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、この発明のカーボンナノチューブは、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が10〜20000μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が100〜10000μmol/gであることを特徴とする。
中でも、本発明においては、カーボンナノチューブが、下記〔1〕〜〔3〕の何れかの性状を示すのが好ましい。
〔1〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が10〜600μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が150〜350μmol/gである。
〔2〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が1000〜10000μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が100〜10000μmol/gである。
〔3〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が1000〜20000μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が500〜10000μmol/gである。
〔1〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が10〜600μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が150〜350μmol/gである。
〔2〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が1000〜10000μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が100〜10000μmol/gである。
〔3〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が1000〜20000μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が500〜10000μmol/gである。
なお、本発明のカーボンナノチューブが上記〔3〕の性状を示す場合、当該カーボンナノチューブは通常、窒素吸着によるBET比表面積が500〜3000m2/gであり、かつ水蒸気吸着によるBET比表面積が10〜500m2/gである。
そして、本発明のカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであることが好ましい。
また、本発明の分散液は、上述したカーボンナノチューブを含むものである。
更に、本発明のカーボンナノチューブ含有膜は、上述したカーボンナノチューブを含むものである。
そして、本発明の複合材料は、上述したカーボンナノチューブと重合体とを含むものである。
更に、本発明のカーボンナノチューブ含有膜は、上述したカーボンナノチューブを含むものである。
そして、本発明の複合材料は、上述したカーボンナノチューブと重合体とを含むものである。
本発明によれば、各種材料として有用なカーボンナノチューブ、その分散液、前記カーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ含有膜、及び前記カーボンナノチューブを含む複合材料が得られる。
以下、本発明を、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」という場合がある。)、その分散液、カーボンナノチューブ含有膜及び複合材料に項分けして詳細に説明する。
(カーボンナノチューブ)
本発明のCNTは、昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が10〜20000μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が100〜10000μmol/gである。
本発明のCNTは、昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が10〜20000μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が100〜10000μmol/gである。
そして、本発明のCNTは、下記〔1〕〜〔3〕の何れかの性状を示すのが好ましい。
〔1〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が10μmol/g以上600μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が150μmol/g以上350μmol/g以下である。
〔2〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が1000μmol/g以上10000μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が100μmol/g以上10000μmol/g以下である。
〔3〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が1000μmol/g以上20000μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が500μmol/g以上10000μmol/g以下である。
〔1〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が10μmol/g以上600μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が150μmol/g以上350μmol/g以下である。
〔2〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が1000μmol/g以上10000μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が100μmol/g以上10000μmol/g以下である。
〔3〕昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が1000μmol/g以上20000μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が500μmol/g以上10000μmol/g以下である。
以下、上記〔1〕の性状を示すカーボンナノチューブを「カーボンナノチューブ(1)」と、上記〔2〕の性状を示すカーボンナノチューブを「カーボンナノチューブ(2)」と、上記〔3〕の性状を示すカーボンナノチューブを「カーボンナノチューブ(3)」と、それぞれいう。
なお、CNTに関し、昇温脱離法(Temperature Programmed Desorption)におけるCOとCO2の脱離量は、公知の方法により求めることができる。すなわち、まず、所定の昇温脱離装置内において、CNTに熱処理を施すことにより、当該CNTの表面から吸着水を脱離させる。次いで、この熱処理が施されたCNTをヘリウムガス等の不活性ガス中で所定の温度まで加熱していき、当該CNTの表面からの官能基(含酸素原子化合物など)の脱離に伴って発生するCOとCO2とをそれぞれ定量する。
昇温脱離法における150〜950℃での、COの脱離量又はCO2の脱離量は、CNTを150℃まで加熱し、その後、当該CNTをさらに加熱して、その温度が950℃に上昇するまでの間に脱離した、COの総量又はCO2の総量として求められる。
昇温脱離法における150〜950℃での、COの脱離量又はCO2の脱離量は、CNTを150℃まで加熱し、その後、当該CNTをさらに加熱して、その温度が950℃に上昇するまでの間に脱離した、COの総量又はCO2の総量として求められる。
以下、各カーボンナノチューブについて詳細に説明する。
<カーボンナノチューブ(1)>
カーボンナノチューブ(1)は、昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が10μmol/g以上600μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が150μmol/g以上350μmol/g以下である。
ここで、昇温脱離法において発生するガス中のCOとCO2は、CNT表面に結合している、水酸基、カルボキシル基、ケトン基、ラクトン基、アルデヒド基及びメチル基などの種々の官能基に由来する。カーボンナノチューブ(1)は、上記の通りのCOとCO2の脱離量を有しており、その表面には、特に水酸基とカルボキシル基が多く存在しているものと推定される。そして、カーボンナノチューブ(1)は、かかる特性を有することから、例えば、種々の溶媒への分散性に優れている。また、導電性に優れており、実質的に炭素原子から構成されていることから、構成成分として金属を含む場合に見られるような劣化がなく、信頼性に優れる。そのため、カーボンナノチューブ(1)は、各種材料として有用である。
カーボンナノチューブ(1)は、昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が10μmol/g以上600μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が150μmol/g以上350μmol/g以下である。
ここで、昇温脱離法において発生するガス中のCOとCO2は、CNT表面に結合している、水酸基、カルボキシル基、ケトン基、ラクトン基、アルデヒド基及びメチル基などの種々の官能基に由来する。カーボンナノチューブ(1)は、上記の通りのCOとCO2の脱離量を有しており、その表面には、特に水酸基とカルボキシル基が多く存在しているものと推定される。そして、カーボンナノチューブ(1)は、かかる特性を有することから、例えば、種々の溶媒への分散性に優れている。また、導電性に優れており、実質的に炭素原子から構成されていることから、構成成分として金属を含む場合に見られるような劣化がなく、信頼性に優れる。そのため、カーボンナノチューブ(1)は、各種材料として有用である。
なお、カーボンナノチューブ(1)の有用性を高める観点からは、カーボンナノチューブ(1)のCOの脱離量は、好ましくは100μmol/g以上590μmol/g以下であり、より好ましくは300μmol/g以上590μmol/g以下である。また、同様の理由により、カーボンナノチューブ(1)のCO2の脱離量は、好ましくは200μmol/g以上350μmol/g以下である。
カーボンナノチューブ(1)は、単層のものであっても、多層のものであってもよいが、CNTを用いて得られるCNT含有膜や複合材料の性能(例えば、導電性および機械的特性)を向上させる観点からは、単層から5層のものであることが好ましく、単層のものであることがより好ましい。
また、カーボンナノチューブ(1)は、分散性に優れることから、その平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が、通常、0.60>(3σ/Av)>0.20を満たし、好ましくは0.60>(3σ/Av)>0.50を満たす。ここで、直径とはカーボンナノチューブ(1)の外径を意味する。また、平均直径(Av)及び直径の標準偏差(σ)は、透過型電子顕微鏡での観察下に、無作為に選択されたカーボンナノチューブ100本の直径を測定した際の平均値及び標準偏差として求められる(後述する平均長さも、同様の方法で長さの測定を行い、その平均値として求められる。)。カーボンナノチューブ(1)としては、そのようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが好適である。
カーボンナノチューブ(1)の平均直径(Av)は、通常、0.5nm以上15nm以下であり、1nm以上10nm以下が好ましい。
また、カーボンナノチューブ(1)の平均長さは、好ましくは0.1μm以上1cm以下、より好ましくは0.1μm以上1mm以下である。カーボンナノチューブ(1)の平均長さが上記範囲にあると、カーボンナノチューブの配向性が高まりCNT含有膜の形成を容易に行うことができる。
また、カーボンナノチューブ(1)の平均長さは、好ましくは0.1μm以上1cm以下、より好ましくは0.1μm以上1mm以下である。カーボンナノチューブ(1)の平均長さが上記範囲にあると、カーボンナノチューブの配向性が高まりCNT含有膜の形成を容易に行うことができる。
さらに、カーボンナノチューブ(1)の比表面積(BET比表面積)は、好ましくは100m2/g以上、より好ましくは400m2/g以上であり、好ましくは2500m2/g以下、より好ましくは1600m2/g以下である。カーボンナノチューブ(1)の比表面積が上記範囲内にあると、その分散性が高まり好適である。なお、当該比表面積は、窒素ガス吸着法により求めることができる。具体的には、当該比表面積は、77Kにおける窒素吸着等温線を測定し、BET法により求めることができる。ここで、BET比表面積の測定は、例えば、「BELSORP(登録商標)−max」(日本ベル(株)製)を用いて行うことができる。
また、カーボンナノチューブ(1)は、複数の微小孔を有するのが好ましい。中でも、カーボンナノチューブ(1)は、孔径が2nmよりも小さいマイクロ孔を有することが好ましい。そのマイクロ孔の存在量は、下記の方法で求めたマイクロ孔容積で、好ましくは0.4mL/g以上、より好ましくは0.43mL/g以上、更に好ましくは0.45mL/g以上であり、上限としては、通常、0.65mL/g程度である。カーボンナノチューブ(1)が上記のようなマイクロ孔を有することは、その分散性を高める観点から好ましい。なお、マイクロ孔容積は、例えば、カーボンナノチューブ(1)の調製方法及び調製条件を適宜変更することで調整することができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、カーボンナノチューブ(1)の液体窒素温度(77K)での窒素吸着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より、算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cm3である。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を使用して求めることができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、カーボンナノチューブ(1)の液体窒素温度(77K)での窒素吸着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より、算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cm3である。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を使用して求めることができる。
カーボンナノチューブ(1)は、例えば、上記COとCO2の脱離量を満たさない、任意のCNT(以下、「原料CNT」という場合がある。)の表面を硫酸により処理することで製造することができる。COとCO2の脱離量は、硫酸によるCNTの表面処理の条件を適宜変更することで調整することができる。
用いる硫酸は、特に限定されないが、通常、純度96%以上のものが用いられる。原料CNT100質量部に対し、通常、硫酸を200質量部以上10000質量部以下添加する。その際、得られた混合物を超音波処理し、原料CNTを分散させてもよい。次いで、得られた混合物を加熱してもよい。加熱方法は通常用いられる方法なら特に限定されないが、オイルバスやマントルヒーターでの加熱、マイクロ波を照射して加熱する方法など適時選択すればよい。加熱は常圧またはオートクレーブ中などの加圧下で実施してもよい。加熱は、通常、常圧の場合、30℃以上120℃以下で0.1時間以上50時間以下、加圧の場合、30℃以上200℃以下で0.1時間以上50時間以下程度行う。一方、マイクロ波照射による加熱は、通常、常圧の場合、30℃以上120℃以下で、加圧の場合、30℃以上200℃以下で、前記混合物が加熱されるようにマイクロ波の出力を設定して、0.01時間以上24時間以下程度行う。いずれの場合も、加熱は一段階で行っても二段階以上で行ってもよい。また、加熱時には、前記混合物を公知の撹拌手段により撹拌するのが好ましい。
以上により、原料CNTの表面が硫酸処理されるが、当該処理終了後の混合物は非常に高温であるため、室温まで冷却する。次いで、硫酸を、例えば、デカンテーションにより除去し、処理後のCNTを、例えば、水で洗浄する。当該洗浄は、通常、洗浄排水が中性になるまで行う。
用いる硫酸は、特に限定されないが、通常、純度96%以上のものが用いられる。原料CNT100質量部に対し、通常、硫酸を200質量部以上10000質量部以下添加する。その際、得られた混合物を超音波処理し、原料CNTを分散させてもよい。次いで、得られた混合物を加熱してもよい。加熱方法は通常用いられる方法なら特に限定されないが、オイルバスやマントルヒーターでの加熱、マイクロ波を照射して加熱する方法など適時選択すればよい。加熱は常圧またはオートクレーブ中などの加圧下で実施してもよい。加熱は、通常、常圧の場合、30℃以上120℃以下で0.1時間以上50時間以下、加圧の場合、30℃以上200℃以下で0.1時間以上50時間以下程度行う。一方、マイクロ波照射による加熱は、通常、常圧の場合、30℃以上120℃以下で、加圧の場合、30℃以上200℃以下で、前記混合物が加熱されるようにマイクロ波の出力を設定して、0.01時間以上24時間以下程度行う。いずれの場合も、加熱は一段階で行っても二段階以上で行ってもよい。また、加熱時には、前記混合物を公知の撹拌手段により撹拌するのが好ましい。
以上により、原料CNTの表面が硫酸処理されるが、当該処理終了後の混合物は非常に高温であるため、室温まで冷却する。次いで、硫酸を、例えば、デカンテーションにより除去し、処理後のCNTを、例えば、水で洗浄する。当該洗浄は、通常、洗浄排水が中性になるまで行う。
なお、CNTの表面を硫酸処理することで、前述した官能基の他、スルホ基(−SO3H)等の官能基もCNTの表面に結合すると推定される。当該スルホ基の存在は、カーボンナノチューブ(1)の導電性及び分散性の向上に大きく寄与するものと考えられる。
前記原料CNTとしては、特に限定されないが、前記の通りの性状を有するカーボンナノチューブ(1)を効率よく製造する観点から、例えば、表面にカーボンナノチューブ製造用触媒層(以下、「CNT製造用触媒層」ということがある。)を有する基材(以下、「CNT製造用基材」ということがある。)上に、原料化合物及びキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりカーボンナノチューブを合成する際に、系内に微量の酸化剤を存在させることで、CNT製造用触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)において、基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行い、原料ガスとしてアセチレンを主成分とするガス(例えば、アセチレンを50体積%以上含むガス)を用いることで製造されたCNT(以下、「SGCNT」という場合がある。)を用いるのが好ましい。
<カーボンナノチューブ(2)>
カーボンナノチューブ(2)は、昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が1000μmol/g以上10000μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が100μmol/g以上10000μmol/g以下である。
ここで、カーボンナノチューブ(2)は、上記の通りのCOとCO2の脱離量を有しており、その表面には、特に水酸基とカルボキシル基が多く存在しているものと推定される。そして、カーボンナノチューブ(2)は、かかる特性を有することから、例えば、種々の溶媒への分散性に優れている。また、導電性に優れており、実質的に炭素原子から構成されていることから、構成成分として金属を含む場合に見られるような劣化がなく、信頼性に優れる。そのため、カーボンナノチューブ(2)は、各種材料として有用である。
カーボンナノチューブ(2)は、昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が1000μmol/g以上10000μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が100μmol/g以上10000μmol/g以下である。
ここで、カーボンナノチューブ(2)は、上記の通りのCOとCO2の脱離量を有しており、その表面には、特に水酸基とカルボキシル基が多く存在しているものと推定される。そして、カーボンナノチューブ(2)は、かかる特性を有することから、例えば、種々の溶媒への分散性に優れている。また、導電性に優れており、実質的に炭素原子から構成されていることから、構成成分として金属を含む場合に見られるような劣化がなく、信頼性に優れる。そのため、カーボンナノチューブ(2)は、各種材料として有用である。
なお、カーボンナノチューブ(2)の有用性を高める観点からは、カーボンナノチューブ(2)のCOの脱離量は、好ましくは1500μmol/g以上、より好ましくは2000μmol/g以上、さらに好ましくは3000μmol/g以上であり、好ましくは8000μmol/g以下、より好ましくは6000μmol/g以下、さらに好ましくは5000μmol/g以下である。また、同様の理由により、カーボンナノチューブ(2)のCO2の脱離量は、好ましくは300μmol/g以上、より好ましくは500μmol/g以上、さらに好ましくは800μmol/g以上であり、好ましくは8000μmol/g以下、より好ましくは5000μmol/g以下、さらに好ましくは2000μmol/g以下である。
カーボンナノチューブ(2)は、前記カーボンナノチューブ(1)と同様に、単層のものであっても、多層のものであってもよく、また、前記カーボンナノチューブ(1)について記載した、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)との関係、平均直径(Av)、平均長さ、比表面積、および微小孔の存在量を、それぞれ満たすのが好ましい。また、それらの性状についての好適範囲も前記カーボンナノチューブ(1)と同様である。
カーボンナノチューブ(2)は、例えば、上記COとCO2の脱離量を満たさない、任意のCNT(以下、「原料CNT」という場合がある。)の表面を硝酸により処理することで製造することができる。COとCO2の脱離量は、硝酸によるCNTの表面処理の条件を適宜変更することで調整することができる。
用いる硝酸は、硝酸を含めば特に限定されず発煙硝酸も含む。通常、純度5%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上のものが用いられる。原料CNT100質量部に対し、通常、硝酸を200質量部以上10000質量部以下添加する。その際、得られた混合物を超音波処理し、原料CNTを分散させてもよい。次いで、得られた混合物を加熱してもよい。加熱方法は通常用いられる方法なら特に限定されないが、オイルバスやマントルヒーターでの加熱、マイクロ波を照射して加熱する方法など適時選択すればよい。加熱は常圧またはオートクレーブ中などの加圧下で実施してもよい。加熱は、通常、常圧の場合、30℃以上120℃以下で0.1時間以上50時間以下、加圧の場合、30℃以上200℃以下で0.1時間以上50時間以下程度行う。一方、マイクロ波照射による加熱は、通常、常圧の場合、30℃以上120℃以下で、加圧の場合、30℃以上200℃以下で、前記混合物が加熱されるようにマイクロ波の出力を設定して、0.01時間以上24時間以下程度行う。いずれの場合も、加熱は一段階で行っても二段階以上で行ってもよい。また、加熱時には、前記混合物を任意の撹拌手段により撹拌するのが好ましい。
以上により、原料CNTの表面が硝酸処理されるが、当該処理終了後の混合物は非常に高温であるため、室温まで冷却する。次いで、硝酸を、例えば、デカンテーションにより除去し、処理後のCNTを、例えば、水で洗浄する。当該洗浄は、通常、洗浄排水が中性になるまで行う。
用いる硝酸は、硝酸を含めば特に限定されず発煙硝酸も含む。通常、純度5%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上のものが用いられる。原料CNT100質量部に対し、通常、硝酸を200質量部以上10000質量部以下添加する。その際、得られた混合物を超音波処理し、原料CNTを分散させてもよい。次いで、得られた混合物を加熱してもよい。加熱方法は通常用いられる方法なら特に限定されないが、オイルバスやマントルヒーターでの加熱、マイクロ波を照射して加熱する方法など適時選択すればよい。加熱は常圧またはオートクレーブ中などの加圧下で実施してもよい。加熱は、通常、常圧の場合、30℃以上120℃以下で0.1時間以上50時間以下、加圧の場合、30℃以上200℃以下で0.1時間以上50時間以下程度行う。一方、マイクロ波照射による加熱は、通常、常圧の場合、30℃以上120℃以下で、加圧の場合、30℃以上200℃以下で、前記混合物が加熱されるようにマイクロ波の出力を設定して、0.01時間以上24時間以下程度行う。いずれの場合も、加熱は一段階で行っても二段階以上で行ってもよい。また、加熱時には、前記混合物を任意の撹拌手段により撹拌するのが好ましい。
以上により、原料CNTの表面が硝酸処理されるが、当該処理終了後の混合物は非常に高温であるため、室温まで冷却する。次いで、硝酸を、例えば、デカンテーションにより除去し、処理後のCNTを、例えば、水で洗浄する。当該洗浄は、通常、洗浄排水が中性になるまで行う。
CNTの表面を硝酸処理することで、前述した官能基の他、ニトロ基(−NO2) 等の官能基もCNTの表面に結合すると推定される。当該ニトロ基の存在は、カーボンナノチューブ(2)の導電性及び分散性の向上に大きく寄与するものと考えられる。
カーボンナノチューブ(2)の原料CNTとしては、特に限定されることなく、上述したカーボンナノチューブ(1)と同様に、SGCNTを好適に用いることができる。
<カーボンナノチューブ(3)>
カーボンナノチューブ(3)は、昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が1000μmol/g以上20000μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が500μmol/g以上10000μmol/g以下である。
ここで、カーボンナノチューブ(3)は、上記の通りのCOとCO2の脱離量を有しており、その表面には、特に水酸基とカルボキシル基が多く存在しているものと推定される。そして、カーボンナノチューブ(3)は、かかる特性を有することから、カーボンナノチューブの構造的特性とは無関係に、種々の溶媒への分散性に非常に優れる。特に、カーボンナノチューブ(3)は、アスペクト比が非常に高い場合でも溶媒への分散性に優れており、好適である。そのため、カーボンナノチューブ(3)は、各種材料として有用である。
カーボンナノチューブ(3)は、昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素(CO)の脱離量が1000μmol/g以上20000μmol/g以下であり、かつ二酸化炭素(CO2)の脱離量が500μmol/g以上10000μmol/g以下である。
ここで、カーボンナノチューブ(3)は、上記の通りのCOとCO2の脱離量を有しており、その表面には、特に水酸基とカルボキシル基が多く存在しているものと推定される。そして、カーボンナノチューブ(3)は、かかる特性を有することから、カーボンナノチューブの構造的特性とは無関係に、種々の溶媒への分散性に非常に優れる。特に、カーボンナノチューブ(3)は、アスペクト比が非常に高い場合でも溶媒への分散性に優れており、好適である。そのため、カーボンナノチューブ(3)は、各種材料として有用である。
カーボンナノチューブ(3)の有用性を高める観点からは、カーボンナノチューブ(3)のCOの脱離量は、好ましくは1200μmol/g以上、より好ましくは1500μmol/g以上、さらに好ましくは2000μmol/g以上であり、好ましくは15000μmol/g以下、より好ましくは10000μmol/g以下、さらに好ましくは7000μmol/g以下である。また、同様の理由により、カーボンナノチューブ(3)のCO2の脱離量は、好ましくは600μmol/g以上、より好ましくは800μmol/g以上、さらに好ましくは1000μmol/g以上であり、好ましくは8000μmol/g以下、より好ましくは5000μmol/g以下、さらに好ましくは2000μmol/g以下である。
なお、カーボンナノチューブ(3)は通常、窒素吸着によるBET比表面積が500〜3000m2/gであり、かつ水蒸気吸着によるBET比表面積が10〜500m2/gである。
ここで、窒素吸着によるBET比表面積は、CNTの全表面を対象とした比表面積に相当するのに対し、水蒸気吸着によるBET比表面積は、CNTの親水性表面部分を対象とした比表面積に相当する。カーボンナノチューブ(3)は、比較的に窒素吸着によるBET比表面積が大きく、しかも窒素吸着によるBET比表面積と水蒸気吸着によるBET比表面積が上記範囲となる割合で、CNTの全表面に親水性表面部分が存在していることから、種々の溶媒への分散性に非常に優れる。
なお、窒素吸着によるBET比表面積および水蒸気吸着によるBET比表面積は、77Kにおける窒素吸着等温線及び298Kにおける水蒸気吸着等温線をそれぞれ測定し、BET法により求めることができる。両BET比表面積の測定は、例えば、「BELSORP(登録商標)−max」(日本ベル(株)製)を用いて行うことができる。
ここで、窒素吸着によるBET比表面積は、CNTの全表面を対象とした比表面積に相当するのに対し、水蒸気吸着によるBET比表面積は、CNTの親水性表面部分を対象とした比表面積に相当する。カーボンナノチューブ(3)は、比較的に窒素吸着によるBET比表面積が大きく、しかも窒素吸着によるBET比表面積と水蒸気吸着によるBET比表面積が上記範囲となる割合で、CNTの全表面に親水性表面部分が存在していることから、種々の溶媒への分散性に非常に優れる。
なお、窒素吸着によるBET比表面積および水蒸気吸着によるBET比表面積は、77Kにおける窒素吸着等温線及び298Kにおける水蒸気吸着等温線をそれぞれ測定し、BET法により求めることができる。両BET比表面積の測定は、例えば、「BELSORP(登録商標)−max」(日本ベル(株)製)を用いて行うことができる。
カーボンナノチューブ(3)の分散性を高める観点からは、カーボンナノチューブ(3)の窒素吸着によるBET比表面積は、好ましくは800m2/g以上、より好ましくは1000m2/g以上、さらに好ましくは1200m2/g以上であり、好ましくは2500m2/g以下、より好ましくは2300m2/g以下、さらに好ましくは2000m2/g以下である。また、同様の理由により、カーボンナノチューブ(3)の水蒸気吸着によるBET比表面積は、好ましくは30m2/g以上、より好ましくは50m2/g以上、さらに好ましくは60m2/g以上であり、好ましくは300m2/g以下、より好ましくは150m2/g以下、さらに好ましくは130m2/g以下である。さらに、同様の理由により、窒素吸着によるBET比表面積に対する水蒸気吸着によるBET比表面積の比(水蒸気吸着BET比表面積/窒素吸着BET比表面積)は、好ましくは0.01以上0.2以下、より好ましくは0.03以上0.1以下である。
カーボンナノチューブ(3)は、前記カーボンナノチューブ(1)と同様に、単層のものであっても、多層のものであってもよく、また、前記カーボンナノチューブ(1)について記載した、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)との関係、平均直径(Av)、平均長さ、および微小孔の存在量を、それぞれ満たすのが好ましい。また、それらの性状についての好適範囲も前記カーボンナノチューブ(1)と同様である。
カーボンナノチューブ(3)は、例えば、上記COとCO2の脱離量を満たさない、任意のCNT(以下、「原料CNT」という場合がある。)の表面をオゾンにより処理することで製造することができる。カーボンナノチューブの上記COとCO2の脱離量及び比表面積はそれぞれ、オゾンによるCNTの表面処理の条件を適宜変更することで調整することができる。
オゾン処理は、原料CNTを容器に入れ、原料CNTの温度を0℃以上100℃以下、好ましくは20℃以上50℃以下の範囲になるように調整しながら、オゾン発生装置より、通常、常圧で該容器にオゾン含有ガスを導き、通常、1分間以上720分間以下、好ましくは30分間以上600分間以下反応させることで行うことができる。
使用されるオゾンは空気または窒素で希釈され、オゾン含有ガス中のオゾンの濃度は、好ましくは0.01g/Nm3以上、より好ましくは1g/Nm3以上、さらに好ましくは10g/Nm3以上であり、好ましくは100g/Nm3以下、より好ましくは70g/Nm3以下、さらに好ましくは50g/Nm3以下である。また、オゾン含有ガスの湿度は、特に限定されないが20RH%以上90RH%以下の通常範囲である。
以上により、原料CNTの表面がオゾン処理されるが、オゾン処理は、硫酸や硝酸など、液体の酸化剤を用いた表面処理とは異なり、ガスを用いて行うことができる。従って、反応終了後、得られたカーボンナノチューブ(3)は、直ちに乾燥固体として使用することができる。
オゾン処理は、原料CNTを容器に入れ、原料CNTの温度を0℃以上100℃以下、好ましくは20℃以上50℃以下の範囲になるように調整しながら、オゾン発生装置より、通常、常圧で該容器にオゾン含有ガスを導き、通常、1分間以上720分間以下、好ましくは30分間以上600分間以下反応させることで行うことができる。
使用されるオゾンは空気または窒素で希釈され、オゾン含有ガス中のオゾンの濃度は、好ましくは0.01g/Nm3以上、より好ましくは1g/Nm3以上、さらに好ましくは10g/Nm3以上であり、好ましくは100g/Nm3以下、より好ましくは70g/Nm3以下、さらに好ましくは50g/Nm3以下である。また、オゾン含有ガスの湿度は、特に限定されないが20RH%以上90RH%以下の通常範囲である。
以上により、原料CNTの表面がオゾン処理されるが、オゾン処理は、硫酸や硝酸など、液体の酸化剤を用いた表面処理とは異なり、ガスを用いて行うことができる。従って、反応終了後、得られたカーボンナノチューブ(3)は、直ちに乾燥固体として使用することができる。
カーボンナノチューブ(3)の原料CNTとしては、特に限定されることなく、上述したカーボンナノチューブ(1)と同様に、SGCNTを好適に用いることができる。SGCNTは通常、アスペクト比が非常に高いものであるが、上記オゾン処理によりカーボンナノチューブ(3)とすることで、その分散性が非常に優れたものとなる。
(分散液)
本発明の分散液は、本発明のCNTを含んでなる。本発明のCNTは、溶媒への分散性に優れたものであることから、その分散液を製造するにあたり、通常、分散剤を必要としない。従って、当該分散液は、その一態様において、本発明のCNTと溶媒とからなる。
本発明の分散液は、本発明のCNTを含んでなる。本発明のCNTは、溶媒への分散性に優れたものであることから、その分散液を製造するにあたり、通常、分散剤を必要としない。従って、当該分散液は、その一態様において、本発明のCNTと溶媒とからなる。
分散液の調製に用いる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含イオウ系溶媒;等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本発明の分散液には、所望により、結着剤、導電助剤、分散剤、界面活性剤等を含有させてもよい。これらは公知のものを適宜使用すればよい。
本発明の分散液は、例えば、本発明のCNTを溶媒中で混合し、該CNTを分散させることで得ることができる。
混合処理や分散処理は、例えば、ナノマイザー、アルティマイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノミル、スパイクミル、DCPミル、バスケットミル、ペイントコンディショナー、高速攪拌装置等を用いる方法を利用すればよい。
混合処理や分散処理は、例えば、ナノマイザー、アルティマイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノミル、スパイクミル、DCPミル、バスケットミル、ペイントコンディショナー、高速攪拌装置等を用いる方法を利用すればよい。
本発明の分散液中、本発明のCNTの含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001質量%以上10質量%以下である。
本発明の分散液は、CNTが均一に分散しており、CNT含有膜や複合材料の製造に好適に用いられる。
本発明の分散液は、CNTが均一に分散しており、CNT含有膜や複合材料の製造に好適に用いられる。
(カーボンナノチューブ含有膜)
本発明のカーボンナノチューブ含有膜は、本発明のCNTを含んでなる。CNT含有膜を作製する方法は特に限定されず、公知の膜形成方法を使用することができる。例えば、CNT含有膜は、本発明のCNT分散液を用いて、以下の(i)または(ii)の方法を用いて形成することができる。
(i)CNT分散液を基材フィルム上に塗布し、塗布したCNT分散液から溶媒を除去し、基材フィルム上に積層されたCNT含有膜を得る方法。
(ii)CNT分散液を剥離用支持体上に塗布し、塗布したCNT分散液から溶媒を除去して剥離用支持体付きCNT含有膜を形成後、任意に得られた剥離用支持体付きCNT含有膜から剥離用支持体を剥離することでCNT含有膜を得る方法。
本発明のカーボンナノチューブ含有膜は、本発明のCNTを含んでなる。CNT含有膜を作製する方法は特に限定されず、公知の膜形成方法を使用することができる。例えば、CNT含有膜は、本発明のCNT分散液を用いて、以下の(i)または(ii)の方法を用いて形成することができる。
(i)CNT分散液を基材フィルム上に塗布し、塗布したCNT分散液から溶媒を除去し、基材フィルム上に積層されたCNT含有膜を得る方法。
(ii)CNT分散液を剥離用支持体上に塗布し、塗布したCNT分散液から溶媒を除去して剥離用支持体付きCNT含有膜を形成後、任意に得られた剥離用支持体付きCNT含有膜から剥離用支持体を剥離することでCNT含有膜を得る方法。
[CNT含有膜の形成方法(i)]
ここで、CNT含有膜を作製する際にCNT分散液を塗布する基材フィルムとしては、特に限定されることなく、作製するCNT含有膜の用途に応じて既知の基材フィルムを用いることができる。具体的には、例えば、得られたCNT含有膜を透明導電膜として使用する場合には、基材フィルムとしては、樹脂基材、ガラス基材などを挙げることができる。樹脂基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどよりなる基材を挙げることができる。ガラス基材としては、通常のソーダガラスよりなる基材を挙げることができる。
ここで、CNT含有膜を作製する際にCNT分散液を塗布する基材フィルムとしては、特に限定されることなく、作製するCNT含有膜の用途に応じて既知の基材フィルムを用いることができる。具体的には、例えば、得られたCNT含有膜を透明導電膜として使用する場合には、基材フィルムとしては、樹脂基材、ガラス基材などを挙げることができる。樹脂基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどよりなる基材を挙げることができる。ガラス基材としては、通常のソーダガラスよりなる基材を挙げることができる。
そして基材フィルムは、UV照射による処理、コロナ放電照射による処理またはオゾンによる処理や、シランカップリング剤、アクリル樹脂またはウレタン樹脂の塗布による処理など、公知の方法に従って、その表面が処理されたものであってもよい。基材フィルムの表面を上記のようにして処理することで、CNT含有膜との密着性やCNT分散液の濡れ性などを制御することができる。また、基材フィルムは、例えば、上述した樹脂基材、ガラス基材の上に、ハードコート層、ガスバリア層、および粘着剤層等を有してなるものであってもよい。基材フィルムの厚みは、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常、10〜10000μmである。
また、基材フィルム上にCNT含有膜を形成して、そのまま透明性を有する導電性フィルムとして使用する場合は、基材フィルムの光線透過率(測定波長:500nm)は、好ましくは60%以上である。なお、基材フィルムの光線透過率(測定波長:500nm)は、例えば、分光光度計(日本分光社製、V−570)を用いて測定することができる。
また、基材フィルム上にCNT含有膜を形成して、そのまま透明性を有する導電性フィルムとして使用する場合は、基材フィルムの光線透過率(測定波長:500nm)は、好ましくは60%以上である。なお、基材フィルムの光線透過率(測定波長:500nm)は、例えば、分光光度計(日本分光社製、V−570)を用いて測定することができる。
CNT分散液を基材フィルム上に塗布する方法としては、公知の塗布方法を採用できる。具体的には、塗布方法としては、キャスト法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等を用いることができる。
基材フィルム上に塗布したCNT分散液から溶媒を除去する方法としては、公知の乾燥方法を採用できる。乾燥方法としては、熱風乾燥法、真空乾燥法、熱ロール乾燥法、赤外線照射法等が挙げられる。乾燥温度は、特に限定されないが、通常、室温〜200℃、乾燥時間は、特に限定されないが、通常、0.1〜150分である。乾燥雰囲気は、空気中、窒素やアルゴンなどの不活性ガス中、真空中など、適時選択してよい。
溶媒の除去後に得られるCNT含有膜の厚みは、特に限定されないが、通常、100nmから1mmである。また、CNT含有膜中に含まれるカーボンナノチューブの含有量は、特に限定されないが、通常、0.1×10-6〜15mg/cm2である。
[CNT含有膜の作製方法(ii)]
CNT含有膜を作製する際にCNT分散液を塗布する剥離用支持体としては、その上に形成した膜を十分に固定することができ、かつ、薄膜剥離方法を用いて、形成した膜を剥離用支持体から剥離することができるものであれば特に限定されない。剥離用支持体としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シート、PET(ポリエチレンテレフタレート)シート等の合成樹脂シートや、セルロース、ニトロセルロース、アルミナ等の多孔性シート、濾紙が挙げられる。
剥離用支持体の厚みは、適宜決定すればよいが、通常、10〜10000μmである。
CNT含有膜を作製する際にCNT分散液を塗布する剥離用支持体としては、その上に形成した膜を十分に固定することができ、かつ、薄膜剥離方法を用いて、形成した膜を剥離用支持体から剥離することができるものであれば特に限定されない。剥離用支持体としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シート、PET(ポリエチレンテレフタレート)シート等の合成樹脂シートや、セルロース、ニトロセルロース、アルミナ等の多孔性シート、濾紙が挙げられる。
剥離用支持体の厚みは、適宜決定すればよいが、通常、10〜10000μmである。
剥離用支持体上に形成されたCNT含有膜は、公知の薄膜剥離方法を利用することにより、剥離用支持体から剥離することができる。例えば、剥離用支持体が所定の溶媒に溶解するものである場合、剥離用支持体付きCNT含有膜をその溶媒に浸漬させて剥離用支持体を溶解させることで、CNT含有膜を単独で取り出すことができる。また、剥離用支持体が多孔性シートや濾紙である場合、本発明の分散液を、該剥離用支持体を介して濾過し、得られた濾過物を乾燥し、剥離用支持体を除去することでCNT含有膜を得ることができる。なお、本発明のCNT含有膜は、支持体を付けた状態で支持体付CNT含有膜として用いてもよい。
CNT分散液を剥離用支持体上に塗布する方法、および剥離用支持体上に塗布したCNT分散液から溶媒を除去する方法としては、上述したCNT含有膜の作製方法(i)と同様の方法を採用することができる。
なお、CNT含有膜は、通常、一層からなるが、CNT分散液の塗布と溶媒の除去とを適宜繰り返し、二層以上の複数層構造を有する膜としてもよい。
以上により、本発明のCNT含有膜は、基材フィルム上にCNT含有膜が積層された積層フィルムとして、剥離用支持体上にCNT含有膜が積層された剥離用支持体付CNT含有膜として、または、CNT含有膜のみからなる自立膜として得ることができる。
本発明のCNT含有膜を本発明のCNT分散液により形成すると、当該CNT含有膜は分散剤を含まないものとして得ることができる。例えば、当該CNT含有膜を導電膜として使用するにあたっては、導電性を高めるために分散剤の除去を行う必要がなく、本発明のCNT含有膜はそのまま優れた導電性を有する導電膜として使用することができ好適である。
ここで、自立膜とは、少なくとも、所定の厚さ及び所定の面積において、他の支持体が存在していなくとも膜としての形状を保つことができる膜をいう。前記所定の厚さとしては、10nm以上3μm以下の範囲が挙げられる。また、前記所定の面積としては、1mm2以上100cm2以下の範囲が挙げられる。
本発明のCNT含有膜を自立膜として得る場合、用いる本発明のCNTの平均直径(Av)は、好ましくは0.5nm以上15nm以下である。また、用いる本発明のCNTの平均長さは、好ましくは0.1μm以上1cm以下である。本発明のCNT含有膜を、このような形状的特徴を有するCNTを用いて形成すると、カーボンナノチューブが互いに交差して網目状構造を形成した構造を有する自立膜が容易に得られる。
本発明のCNT含有膜は、タッチパネル、太陽電池、燃料電池等の電子機器の電極材料等の導電層や触媒層の形成に好適に用いられる。例えば、前記支持体付CNT含有膜を、所定の基材等を用意し、この基材等に、ホットプレス等でCNT含有膜を圧着させた後、支持体を剥離することで、当該基材等の表面に本発明のCNT含有膜からなる導電層又は触媒層を形成することができる。また、支持体として、所定の基材等を用い、その上に本発明の分散液を塗布し、得られた塗膜を乾燥することで、当該基材等の表面に本発明のCNT含有膜からなる導電層又は触媒層を形成してもよい。
(複合材料)
本発明の複合材料は、本発明のCNTと重合体とを含んでなる。本発明の複合材料は、例えば、本発明の分散液に、目的に応じて重合体を配合することにより得ることができる。当該重合体に特に限定はなく、重合体としては任意のゴムや樹脂が挙げられる。
本発明の複合材料は、本発明のCNTと重合体とを含んでなる。本発明の複合材料は、例えば、本発明の分散液に、目的に応じて重合体を配合することにより得ることができる。当該重合体に特に限定はなく、重合体としては任意のゴムや樹脂が挙げられる。
本発明の複合材料中、本発明のCNTの含有量は、重合体100質量部に対して、0.01質量部以上とするのが好ましく、0.1質量部以上とするのがより好ましく、0.25質量部以上とするのが更に好ましく、また、10質量部以下とするのが好ましく、7質量部以下とするのがより好ましく、5質量部以下とするのが更に好ましい。重合体100質量部当たりのCNTの量を0.01質量部以上とすれば、複合材料に充分な導電性や機械的特性を付与することができる。また、重合体100質量部当たりのCNTの量を10質量部以下とすれば、CNTの損傷を防止しつつ、複合材料中でCNTを均一に分散させることができる。
本発明の分散液への重合体の配合は、ゴム又は樹脂のラテックスを用いて行うのが好適である。
ゴムのラテックスとしては、特に限定されることなく、天然ゴムラテックス、合成ジエン系ゴムラテックス(ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ビニルピリジンゴム、ブチルゴムなどのラテックス)などが挙げられる。
また、樹脂のラテックスとしては、特に限定されることなく、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、シリコーン樹脂などのラテックスが挙げられる。
ラテックスの固形分濃度は、特に限定されないが、ラテックス中での均一分散性の点から、好ましくは20質量%以上80質量%以下、より好ましくは20質量%以上60質量%以下である。
本発明の複合材料には公知の添加剤が含まれていてもよい。当該添加剤としては、特に限定されることなく、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、架橋剤、顔料、着色剤、発泡剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、軟化剤、粘着付与剤、可塑剤、離型剤、防臭剤、香料などを挙げることができる。
本発明の複合材料は、例えば、本発明の分散液と、ラテックスと、任意に添加剤とを、公知の方法により混合することで、得ることができる。混合時間は、通常、10分間以上24時間以下である。
本発明の分散液へのラテックスの配合後、得られた複合材料を、公知の方法に従ってさらに凝固させてもよい。複合材料の凝固は、公知のラテックスの凝固方法に準じて行うことができる。凝固方法としては、例えば、複合材料を水溶性の有機溶媒に加える方法、酸を複合材料に加える方法、塩を複合材料に加える方法が挙げられる。
なお、凝固させた複合材料は、任意に乾燥させた後、複合材料成形体としてもよい。当該成形体は、上述した複合材料を、所望の成形品形状に応じた成形機、例えば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロール機等により成形して得ることができる。なお、複合材料成形体には、任意に架橋処理を施してもよい。
本発明の複合材料においては、本発明のCNTが均一に分散していることから、例えば、前記のようにして得られる複合材料成形体は優れた導電性や機械的特性を有する。本発明の複合材料は、特に限定されることなく、ホース、タイヤ、電磁波シールドの材料などとして好適に用いることができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜5における物性等の評価は、以下の方法により行った。
実施例1〜5における物性等の評価は、以下の方法により行った。
〔昇温脱離法による評価〕
日本ベル社製の全自動昇温脱離スペクトル装置「TPD−1−ATw」に自立膜を設置し、キャリヤーガス(He)を50mL/分で流通させた。CO及びCO2の脱離量は、5℃/分の昇温速度で150℃から950℃に昇温して自立膜を加熱し、その間に生じたCO及びCO2を四重極質量分析計で検出し、得られたCO及びCO2のガス量からCNTの1gあたりから生ずるガスの量(μmol)を計算して求めた。
〔BET比表面積〕
自立膜を真空状態で前処理して吸着水を除去した後、日本ベル社製「BELSORP(登録商標)−max」を用い、窒素(温度:77K)及び蒸留水(温度:298K)の吸着等温線を測定し、BET法により、窒素吸着によるBET比表面積と水蒸気吸着によるBET比表面積とを求めた。
〔分散性〕
エタノール5mLまたは水5mLにCNTを0.001g加え、超音波分散機で60分間分散させ、以下の基準に従って分散性を目視で評価した。
[評価基準]
○:目で見える凝集物が存在しない
×:目で見える凝集物が存在する
〔体積抵抗率〕
自立膜を用い、導電率計(三菱アナリテック社製、製品名「ロレスタ(登録商標)GP」)により四端子法にて測定した。
日本ベル社製の全自動昇温脱離スペクトル装置「TPD−1−ATw」に自立膜を設置し、キャリヤーガス(He)を50mL/分で流通させた。CO及びCO2の脱離量は、5℃/分の昇温速度で150℃から950℃に昇温して自立膜を加熱し、その間に生じたCO及びCO2を四重極質量分析計で検出し、得られたCO及びCO2のガス量からCNTの1gあたりから生ずるガスの量(μmol)を計算して求めた。
〔BET比表面積〕
自立膜を真空状態で前処理して吸着水を除去した後、日本ベル社製「BELSORP(登録商標)−max」を用い、窒素(温度:77K)及び蒸留水(温度:298K)の吸着等温線を測定し、BET法により、窒素吸着によるBET比表面積と水蒸気吸着によるBET比表面積とを求めた。
〔分散性〕
エタノール5mLまたは水5mLにCNTを0.001g加え、超音波分散機で60分間分散させ、以下の基準に従って分散性を目視で評価した。
[評価基準]
○:目で見える凝集物が存在しない
×:目で見える凝集物が存在する
〔体積抵抗率〕
自立膜を用い、導電率計(三菱アナリテック社製、製品名「ロレスタ(登録商標)GP」)により四端子法にて測定した。
(SGCNTの調製)
国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によりSGCNTを調製した。
得られたSGCNTは、主に単層CNTから構成され、BET比表面積が800m2/g、マイクロ孔容積が0.44mL/gであった。また、平均直径(Av)が3.3nm、直径分布(3σ)が1.9nm、(3σ/Av)が0.58であり、平均長さが500μmであった。
国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によりSGCNTを調製した。
得られたSGCNTは、主に単層CNTから構成され、BET比表面積が800m2/g、マイクロ孔容積が0.44mL/gであった。また、平均直径(Av)が3.3nm、直径分布(3σ)が1.9nm、(3σ/Av)が0.58であり、平均長さが500μmであった。
(実施例1)
500mL容積の三口フラスコに、温度計、水流式還流冷却器及び撹拌機を取り付け、当該フラスコに、上記のSGCNTを1gと、硫酸(東京化成社製、純度96%)80mLと、を加えた。この三口フラスコを155℃のオイルバスに漬け、内温が130℃になってから6時間加熱撹拌し、SGCNTを硫酸処理した。
処理終了後、室温まで放冷し、イオン交換水を加えて上澄みをデカンテーションする操作を、洗浄排水が中性(pH=6.8)になるまで繰り返した。以上により、ウェットの状態で29.6gの硫酸処理SGCNT1を得た。
また、イオン交換水10mLに、得られた硫酸処理SGCNT1を0.01g(固形分換算)加え、超音波分散機で60分間分散させて分散液を得た。その後、分散液を減圧濾過で濾過し、濾過物を濾紙ごと100℃で1時間乾燥させ、乾燥した濾過物を濾紙から剥がし、自立膜を得た。
以上の硫酸処理SGCNT1及びその自立膜を用いて各種物性を評価した。得られた結果を表1に示す。
500mL容積の三口フラスコに、温度計、水流式還流冷却器及び撹拌機を取り付け、当該フラスコに、上記のSGCNTを1gと、硫酸(東京化成社製、純度96%)80mLと、を加えた。この三口フラスコを155℃のオイルバスに漬け、内温が130℃になってから6時間加熱撹拌し、SGCNTを硫酸処理した。
処理終了後、室温まで放冷し、イオン交換水を加えて上澄みをデカンテーションする操作を、洗浄排水が中性(pH=6.8)になるまで繰り返した。以上により、ウェットの状態で29.6gの硫酸処理SGCNT1を得た。
また、イオン交換水10mLに、得られた硫酸処理SGCNT1を0.01g(固形分換算)加え、超音波分散機で60分間分散させて分散液を得た。その後、分散液を減圧濾過で濾過し、濾過物を濾紙ごと100℃で1時間乾燥させ、乾燥した濾過物を濾紙から剥がし、自立膜を得た。
以上の硫酸処理SGCNT1及びその自立膜を用いて各種物性を評価した。得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
マイクロ波処理装置(四国計測社製、製品名μReactor Ex)に、200mL容積のナスフラスコ、磁気撹拌子、温度計及び水流式還流冷却器を設置し、当該ナスフラスコに、上記のSGCNTを1gと、硫酸(東京化成社製、純度96%)80mLと、を加えた。
磁気撹拌子を撹拌しながら、内温が130℃になるようにマイクロ波の出力を設定し、内温が130℃に到達してから30分間にわたりマイクロ波加熱し、SGCNTを硫酸処理した。処理終了後、実施例1と同様にして洗浄操作を行い、ウェットの状態で8.8gの硫酸処理SGCNT2を得た。また、実施例1と同様にして、その自立膜を作製した。
以上の硫酸処理SGCNT2及びその自立膜を用いて各種物性を評価した。得られた結果を表1に示す。
マイクロ波処理装置(四国計測社製、製品名μReactor Ex)に、200mL容積のナスフラスコ、磁気撹拌子、温度計及び水流式還流冷却器を設置し、当該ナスフラスコに、上記のSGCNTを1gと、硫酸(東京化成社製、純度96%)80mLと、を加えた。
磁気撹拌子を撹拌しながら、内温が130℃になるようにマイクロ波の出力を設定し、内温が130℃に到達してから30分間にわたりマイクロ波加熱し、SGCNTを硫酸処理した。処理終了後、実施例1と同様にして洗浄操作を行い、ウェットの状態で8.8gの硫酸処理SGCNT2を得た。また、実施例1と同様にして、その自立膜を作製した。
以上の硫酸処理SGCNT2及びその自立膜を用いて各種物性を評価した。得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
500mL容積の三口フラスコに、温度計、水流式還流冷却器及び撹拌機を取り付け、当該フラスコに、上記のSGCNTを1gと、硝酸(東京化成社製、純度69%)80mLと、を加えた。この三口フラスコを130℃のオイルバスにつけ、内温が130℃の還流状態になってから6時間加熱撹拌し、SGCNTを硝酸処理した。
処理終了後、室温まで放冷し、イオン交換水を加えて上澄みをデカンテーションする操作を、洗浄排水が中性(pH=6.8)になるまで繰り返した。以上により、ウェットの状態で21.3gの硝酸処理SGCNT1を得た。
また、イオン交換水10mLに、得られた硝酸処理SGCNT1を0.01g(固形分換算)加え、超音波分散機で60分間分散させて分散液を得た。その後、分散液を減圧濾過で濾過し、濾過物を濾紙ごと100℃で1時間乾燥させ、乾燥した濾過物を濾紙から剥がし、自立膜を得た。
以上の硝酸処理SGCNT1及びその自立膜を用いて各種物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
500mL容積の三口フラスコに、温度計、水流式還流冷却器及び撹拌機を取り付け、当該フラスコに、上記のSGCNTを1gと、硝酸(東京化成社製、純度69%)80mLと、を加えた。この三口フラスコを130℃のオイルバスにつけ、内温が130℃の還流状態になってから6時間加熱撹拌し、SGCNTを硝酸処理した。
処理終了後、室温まで放冷し、イオン交換水を加えて上澄みをデカンテーションする操作を、洗浄排水が中性(pH=6.8)になるまで繰り返した。以上により、ウェットの状態で21.3gの硝酸処理SGCNT1を得た。
また、イオン交換水10mLに、得られた硝酸処理SGCNT1を0.01g(固形分換算)加え、超音波分散機で60分間分散させて分散液を得た。その後、分散液を減圧濾過で濾過し、濾過物を濾紙ごと100℃で1時間乾燥させ、乾燥した濾過物を濾紙から剥がし、自立膜を得た。
以上の硝酸処理SGCNT1及びその自立膜を用いて各種物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
(実施例4)
マイクロ波処理装置(四国計測社製、製品名μReactor Ex)に、200mL容積のナスフラスコ、磁気撹拌子、温度計及び水流式還流冷却器を設置し、当該ナスフラスコに、上記のSGCNTを1gと、硝酸(東京化成社製、純度69%)80mLと、を加えた。
磁気撹拌子を撹拌しながら、内温が130℃になるようにマイクロ波の出力を設定し、130℃に内温が到達してから30分間にわたりマイクロ波加熱し、SGCNTを硝酸処理した。処理終了後、実施例3と同様にして洗浄操作を行い、ウェットの状態で3.9gの硝酸処理SGCNT2を得た。また、実施例3と同様にして、その自立膜を作製した。
以上の硝酸処理SGCNT2及びその自立膜を用いて各種物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
マイクロ波処理装置(四国計測社製、製品名μReactor Ex)に、200mL容積のナスフラスコ、磁気撹拌子、温度計及び水流式還流冷却器を設置し、当該ナスフラスコに、上記のSGCNTを1gと、硝酸(東京化成社製、純度69%)80mLと、を加えた。
磁気撹拌子を撹拌しながら、内温が130℃になるようにマイクロ波の出力を設定し、130℃に内温が到達してから30分間にわたりマイクロ波加熱し、SGCNTを硝酸処理した。処理終了後、実施例3と同様にして洗浄操作を行い、ウェットの状態で3.9gの硝酸処理SGCNT2を得た。また、実施例3と同様にして、その自立膜を作製した。
以上の硝酸処理SGCNT2及びその自立膜を用いて各種物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
(実施例5)
500mL容積のナスフラスコに、上記のSGCNTを1g入れ、エバポレーターに接続した。エバポレーターのガス流路に、オゾン発生装置からオゾンと空気の混合ガス(オゾン濃度20g/Nm3)を常圧で、流量600mL/分にて流し、室温で6時間、エバポレーターによりナスフラスコを回転させながら、SGCNTをオゾン処理し、オゾン処理SGCNT1を得た。得られたオゾン処理SGCNT1は、目視では元のSGCNTと変化なかった。
また、イオン交換水10mLに、得られたオゾン処理SGCNT1を0.01g加え、超音波分散機で60分間分散させて分散液を得た。その後、分散液を減圧濾過で濾過し、濾過物を濾紙ごと100℃で1時間乾燥させ、乾燥した濾過物を濾紙から剥がし、自立膜を得た。
以上のオゾン処理SGCNT1及びその自立膜を用いて各種物性を評価した。得られた結果を表3に示す。
500mL容積のナスフラスコに、上記のSGCNTを1g入れ、エバポレーターに接続した。エバポレーターのガス流路に、オゾン発生装置からオゾンと空気の混合ガス(オゾン濃度20g/Nm3)を常圧で、流量600mL/分にて流し、室温で6時間、エバポレーターによりナスフラスコを回転させながら、SGCNTをオゾン処理し、オゾン処理SGCNT1を得た。得られたオゾン処理SGCNT1は、目視では元のSGCNTと変化なかった。
また、イオン交換水10mLに、得られたオゾン処理SGCNT1を0.01g加え、超音波分散機で60分間分散させて分散液を得た。その後、分散液を減圧濾過で濾過し、濾過物を濾紙ごと100℃で1時間乾燥させ、乾燥した濾過物を濾紙から剥がし、自立膜を得た。
以上のオゾン処理SGCNT1及びその自立膜を用いて各種物性を評価した。得られた結果を表3に示す。
表1〜3より、上記実施例で得られた、硫酸処理、硝酸処理またはオゾン処理による酸化処理を行ったSGCNTは、分散剤を使用せずとも均一に分散しており、分散性に優れ(実施例1〜5参照)、また、自立膜の体積抵抗率が低く導電性に優れる(実施例1〜4参照)、ことが分かる。
実施例6〜8における物性の評価は、以下の方法により行った。
〔導電率の評価〕
得られた塗工膜を、直径が約40〜60mm、厚さ100〜500μmの薄膜円形状に成形した後、10mm×10mmの正方形状試験片を4個切り出し、測定サンプルとした。
そして、導電率は、低抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、製品名「ロレスタ(登録商標)−GP MCP−T610」)を用い、JIS K7194に準拠した方法で以下のように測定し、評価した。なお、低抵抗率計の四端針プローブには、PSPプローブを選択した。具体的には、測定サンプルを絶縁ボードの上に固定し、測定サンプルの中心位置(縦5mm横5mmの位置)にプローブを押し当て、最大90Vの電圧をかけ導電率を測定した。4個の測定サンプルの任意の箇所の導電率を50点測定し、その平均値を求め、以下の基準に従って導電率を評価した。
[評価基準]
A:100Ω/□未満
B:100Ω/□以上1000Ω/□未満
C:1000Ω/□以上
得られた塗工膜を、直径が約40〜60mm、厚さ100〜500μmの薄膜円形状に成形した後、10mm×10mmの正方形状試験片を4個切り出し、測定サンプルとした。
そして、導電率は、低抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、製品名「ロレスタ(登録商標)−GP MCP−T610」)を用い、JIS K7194に準拠した方法で以下のように測定し、評価した。なお、低抵抗率計の四端針プローブには、PSPプローブを選択した。具体的には、測定サンプルを絶縁ボードの上に固定し、測定サンプルの中心位置(縦5mm横5mmの位置)にプローブを押し当て、最大90Vの電圧をかけ導電率を測定した。4個の測定サンプルの任意の箇所の導電率を50点測定し、その平均値を求め、以下の基準に従って導電率を評価した。
[評価基準]
A:100Ω/□未満
B:100Ω/□以上1000Ω/□未満
C:1000Ω/□以上
(実施例6)
実施例1で得た硫酸処理SGCNT1の分散液5.063gおよび0.5gのアクリロニトリル・ブタジエン系ラテックス(日本A&L社製、製品名「サイアテックス(登録商標)NA−20」;アクリロニトリル・ブタジエンゴムのTHF不溶成分含量=70質量%)をポリマーに対して2質量%のCNTが含まれる比率で混合し、1時間撹拌することにより硫酸処理SGCNT1/ゴムの混合溶液を得た。この混合溶液をガラスシャーレへ注ぎいれ、50℃で48時間、乾燥空気フロー環境中で保持することで水分を蒸発させて塗工膜(複合材料)を得た。かかる塗工膜を用い、上記方法により導電率を評価した。結果を表4に示す。
実施例1で得た硫酸処理SGCNT1の分散液5.063gおよび0.5gのアクリロニトリル・ブタジエン系ラテックス(日本A&L社製、製品名「サイアテックス(登録商標)NA−20」;アクリロニトリル・ブタジエンゴムのTHF不溶成分含量=70質量%)をポリマーに対して2質量%のCNTが含まれる比率で混合し、1時間撹拌することにより硫酸処理SGCNT1/ゴムの混合溶液を得た。この混合溶液をガラスシャーレへ注ぎいれ、50℃で48時間、乾燥空気フロー環境中で保持することで水分を蒸発させて塗工膜(複合材料)を得た。かかる塗工膜を用い、上記方法により導電率を評価した。結果を表4に示す。
(実施例7)
硫酸処理SGCNT1の分散液に代えて実施例3で得た硝酸処理SGCNT1の分散液を用いたこと以外は実施例6と同様にして塗工膜(複合材料)を形成し、導電率を評価した。結果を表4に示す。
硫酸処理SGCNT1の分散液に代えて実施例3で得た硝酸処理SGCNT1の分散液を用いたこと以外は実施例6と同様にして塗工膜(複合材料)を形成し、導電率を評価した。結果を表4に示す。
(実施例8)
硫酸処理SGCNT1の分散液に代えて実施例5で得たオゾン処理SGCNT1の分散液を用いたこと以外は実施例6と同様にして塗工膜(複合材料)を形成し、導電率を評価した。結果を表4に示す。
硫酸処理SGCNT1の分散液に代えて実施例5で得たオゾン処理SGCNT1の分散液を用いたこと以外は実施例6と同様にして塗工膜(複合材料)を形成し、導電率を評価した。結果を表4に示す。
表4より、硫酸処理、硝酸処理またはオゾン処理による酸化処理を行ったSGCNTによれば、低抵抗値を示す導電性に優れた複合材料が得られることがわかる(実施例6〜8参照)。
実施例9、10における物性等の評価は、以下の方法により行った。
〔触媒層の密着性〕
作製した対向電極を使用し、触媒層の密着性について以下の基準で評価した。
[評価基準]
○:トルエンにて洗浄しても膜の状態に変化がない。
×:トルエンにて洗浄すると膜が剥がれてくる。
〔電池性能〕
光源として、150Wキセノンランプ光源にAM1.5Gフィルタを装着した擬似太陽光照射装置(PEC−L11型、ペクセル・テクノロジーズ社製)を用いた。光量は、1sun〔AM1.5G、100mW/cm2(JIS C8912のクラスA)〕に調整した。作製した色素増感型太陽電池をソースメータ(2400型ソースメータ、Keithley社製)に接続し、以下の電流電圧特性の測定を行なった。
1sunの光照射下、バイアス電圧を0Vから0.8Vまで0.01V単位で変化させながら出力電流を測定した。出力電流の測定は、各電圧ステップにおいて、電圧を変化させた後、0.05秒後から0.15秒後までの値を積算することで行った。バイアス電圧を、逆方向に0.8Vから0Vまで変化させる測定も行い、順方向と逆方向の測定の平均値を光電流とした。
上記の電流電圧特性の測定結果より、開放電圧(V)、曲線因子およびエネルギー変換効率(%)を算出した。また、短絡電流密度(mA/cm2)を測定した。
〔触媒層の密着性〕
作製した対向電極を使用し、触媒層の密着性について以下の基準で評価した。
[評価基準]
○:トルエンにて洗浄しても膜の状態に変化がない。
×:トルエンにて洗浄すると膜が剥がれてくる。
〔電池性能〕
光源として、150Wキセノンランプ光源にAM1.5Gフィルタを装着した擬似太陽光照射装置(PEC−L11型、ペクセル・テクノロジーズ社製)を用いた。光量は、1sun〔AM1.5G、100mW/cm2(JIS C8912のクラスA)〕に調整した。作製した色素増感型太陽電池をソースメータ(2400型ソースメータ、Keithley社製)に接続し、以下の電流電圧特性の測定を行なった。
1sunの光照射下、バイアス電圧を0Vから0.8Vまで0.01V単位で変化させながら出力電流を測定した。出力電流の測定は、各電圧ステップにおいて、電圧を変化させた後、0.05秒後から0.15秒後までの値を積算することで行った。バイアス電圧を、逆方向に0.8Vから0Vまで変化させる測定も行い、順方向と逆方向の測定の平均値を光電流とした。
上記の電流電圧特性の測定結果より、開放電圧(V)、曲線因子およびエネルギー変換効率(%)を算出した。また、短絡電流密度(mA/cm2)を測定した。
(実施例9)
<対向電極の製造>
30mLのガラス容器に、水5g、エタノール1g、および実施例1で得た硫酸処理SGCNT1を0.0025g加えた。
このガラス容器の内容物に対して、バス型超音波洗浄機(BRANSON社製、5510J−MT、42kHz、180W)を用いて、2時間分散処理を行い、水分散液を得た。
次に、インジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンナフタレートフィルム(ITO−PENフィルム、フィルム厚み200μm、ITO厚み200nm、シート抵抗15Ω/□)のITO面上に、前記水分散液を、バーコーター(テスター産業社製、SA−203、No.10)を用いて、塗布厚み22.9μmとなるように塗布した。得られた塗膜を、23℃、60%(相対湿度)で2時間乾燥させて触媒層を形成し、対向電極を得た。
そして、触媒層の密着性を評価した。結果を表5に示す。
<光電極の製造>
インジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンナフタレートフィルム(ITO−PENフィルム、フィルム厚み200μm、ITO厚み200nm、シート抵抗15Ω/□)のITO面上に、バインダーフリーの酸化チタンペースト(PECC−C01−06、ペクセル・テクノロジーズ社製)を、ベーカー式アプリケーターを用いて、塗布厚み150μmとなるように塗布した。得られた塗膜を常温で10分間乾燥させた後、150℃の恒温層中でさらに5分間加熱乾燥して、ITO−PENフィルムと多孔質半導体微粒子層とからなる積層体を得た。
この積層体を幅1.2cm、長さ2.0cmの大きさにカットし、さらに積層体の短辺の2mm内側より、多孔質半導体微粒子層を直径6mmの円になるように成形した。これを増感色素溶液〔増感色素:ルテニウム錯体(N719、ソラロニクス社製)、溶媒:アセトニトリル、tert−ブタノール、濃度:0.4mM〕に、40℃で2時間浸漬させることで、増感色素を多孔質半導体微粒子層に吸着させた。浸漬処理の後、積層体をアセトニトリルで洗浄し、乾燥させることで光電極を得た。
<電解液の調製>
ヨウ素0.05mol/L、ヨウ化リチウム0.1mol/L、t−ブチルピリジン0.5mol/L、および1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド0.6mol/Lとなるように、これらをメトキシアセトニトリルに溶解して、電解液を得た。
<色素増感型太陽電池の製造>
サーリンフィルム(厚み25μm、デュポン社製)を、14mm四方に切り取り、さらに中心部を直径9mmにくり抜き、スペーサーフィルムを作製した。前記対向電極と光電極とを、このスペーサーフィルムを挟んで導電面が内側になるように対向させて貼り合せ、110℃に加熱したホットプレートの上で1分間熱圧着させた。
放冷後、対向電極に穴をあけ、この穴から上記電解液を注液した。電解液を注液後、サーリンフィルム(厚み25μm、デュポン社製)を用いて、電解液の注入に用いた穴を封じることで色素増感型太陽電池を得た。
そして、色素増感型太陽電池の電池性能を評価した。結果を表5に示す。
<対向電極の製造>
30mLのガラス容器に、水5g、エタノール1g、および実施例1で得た硫酸処理SGCNT1を0.0025g加えた。
このガラス容器の内容物に対して、バス型超音波洗浄機(BRANSON社製、5510J−MT、42kHz、180W)を用いて、2時間分散処理を行い、水分散液を得た。
次に、インジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンナフタレートフィルム(ITO−PENフィルム、フィルム厚み200μm、ITO厚み200nm、シート抵抗15Ω/□)のITO面上に、前記水分散液を、バーコーター(テスター産業社製、SA−203、No.10)を用いて、塗布厚み22.9μmとなるように塗布した。得られた塗膜を、23℃、60%(相対湿度)で2時間乾燥させて触媒層を形成し、対向電極を得た。
そして、触媒層の密着性を評価した。結果を表5に示す。
<光電極の製造>
インジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンナフタレートフィルム(ITO−PENフィルム、フィルム厚み200μm、ITO厚み200nm、シート抵抗15Ω/□)のITO面上に、バインダーフリーの酸化チタンペースト(PECC−C01−06、ペクセル・テクノロジーズ社製)を、ベーカー式アプリケーターを用いて、塗布厚み150μmとなるように塗布した。得られた塗膜を常温で10分間乾燥させた後、150℃の恒温層中でさらに5分間加熱乾燥して、ITO−PENフィルムと多孔質半導体微粒子層とからなる積層体を得た。
この積層体を幅1.2cm、長さ2.0cmの大きさにカットし、さらに積層体の短辺の2mm内側より、多孔質半導体微粒子層を直径6mmの円になるように成形した。これを増感色素溶液〔増感色素:ルテニウム錯体(N719、ソラロニクス社製)、溶媒:アセトニトリル、tert−ブタノール、濃度:0.4mM〕に、40℃で2時間浸漬させることで、増感色素を多孔質半導体微粒子層に吸着させた。浸漬処理の後、積層体をアセトニトリルで洗浄し、乾燥させることで光電極を得た。
<電解液の調製>
ヨウ素0.05mol/L、ヨウ化リチウム0.1mol/L、t−ブチルピリジン0.5mol/L、および1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド0.6mol/Lとなるように、これらをメトキシアセトニトリルに溶解して、電解液を得た。
<色素増感型太陽電池の製造>
サーリンフィルム(厚み25μm、デュポン社製)を、14mm四方に切り取り、さらに中心部を直径9mmにくり抜き、スペーサーフィルムを作製した。前記対向電極と光電極とを、このスペーサーフィルムを挟んで導電面が内側になるように対向させて貼り合せ、110℃に加熱したホットプレートの上で1分間熱圧着させた。
放冷後、対向電極に穴をあけ、この穴から上記電解液を注液した。電解液を注液後、サーリンフィルム(厚み25μm、デュポン社製)を用いて、電解液の注入に用いた穴を封じることで色素増感型太陽電池を得た。
そして、色素増感型太陽電池の電池性能を評価した。結果を表5に示す。
(実施例10)
ITO/PENフィルムをPENフィルムにしたこと以外は実施例9と同様にして対向電極を作製し、これを用いて得られた色素増感型太陽電池を評価した。結果を表5に示す。
ITO/PENフィルムをPENフィルムにしたこと以外は実施例9と同様にして対向電極を作製し、これを用いて得られた色素増感型太陽電池を評価した。結果を表5に示す。
表5より、硫酸処理による酸化処理を行ったSGCNTによれば、優れた特性を有する触媒層を備えた対向電極および電池特性に優れる色素増感型太陽電池が得られることが分かる(実施例9、10参照)。
本発明のCNTは、例えば、タッチパネル、太陽電池、燃料電池等の電子機器や電子部材に用いる電極の、導電層や触媒層の構成材料等として好適に用いられる。
Claims (9)
- 昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が10〜20000μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が100〜10000μmol/gであるカーボンナノチューブ。
- 昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が10〜600μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が150〜350μmol/gである、請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
- 昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が1000〜10000μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が100〜10000μmol/gである、請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
- 昇温脱離法における150〜950℃での、一酸化炭素の脱離量が1000〜20000μmol/gであり、かつ二酸化炭素の脱離量が500〜10000μmol/gである、請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
- 窒素吸着によるBET比表面積が500〜3000m2/gであり、かつ水蒸気吸着によるBET比表面積が10〜500m2/gである、請求項4に記載のカーボンナノチューブ。
- 単層カーボンナノチューブである請求項1〜5の何れかに記載のカーボンナノチューブ。
- 請求項1〜6の何れかに記載のカーボンナノチューブを含む分散液。
- 請求項1〜6の何れかに記載のカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ含有膜。
- 請求項1〜6の何れかに記載のカーボンナノチューブと重合体とを含む複合材料。
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