JPWO2015033539A1 - 反射型フォトマスク及びその製造方法 - Google Patents

反射型フォトマスク及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

反射型フォトマスク(10)は、基板(11)と、基板(11)上に形成され、リソグラフィ用として波長5nm以上15nm以下の光を含む露光光を反射する多層反射膜(12)と、多層反射膜(12)上に形成され、露光光を吸収するとともに、回路パターン(15)又は回路パターン形成予定領域が形成される吸収膜(14)と、回路パターン(15)又は回路パターン形成予定領域の外周側で、基板(11)上の多層反射膜(12)及び吸収膜(14)の一部が除去されて形成され、多層反射膜(12)で反射する露光光の一部を遮光する遮光領域(B)と、遮光領域(B)の露出した基板の表面(11b)の一部に3000nm以下のピッチで形成され、露光光に含まれる140nm以上800nm以下の波長を有し遮光領域(B)に入射するアウトオブバンド光の反射を抑制する複数の凸部(1)と、を具備する。

Description

本発明は、リソグラフィ用の反射型フォトマスク(反射型フォトマスクブランクも含む)に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体デバイスの微細化に伴い、フォトリソグラフィ技術における微細化の要求が高まっている。2000年頃のフォトリソグラフィの露光光は193nmのArFエキシマレーザー光が主流であった。現在では、EUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外線)光と呼ばれる主に15nm以下の波長領域の光(以下「EUV光という」)、特に13.5nmのEUV光の適用が進められている。
EUV光は、ほとんどの物質に対して非常に吸収され易い性質をもつため、EUV光を露光に用いるフォトマスク(以下「EUVマスク」という)は、従来の透過型のフォトマスクとは異なり、反射型のフォトマスクである。EUVマスクは、例えば、ガラス基板上にモリブデン(Mo)層及びシリコン(Si)層を交互に積層した多層反射膜が形成され、その上にタンタル(Ta)を主成分とする光吸収膜が形成され、この光吸収膜に回路パターンが形成されて構成される。
反射型のEUVマスクを用いたリソグラフィでは、一般に、EUVマスクへのEUV光の入射角度を6度程度とし、反射したEUV光を、露光させる対象物であるウェーハに導き、ウェーハ上に形成されたEUV光に感光性を有するレジストを感光させる。
ここで、上記のようにEUVマスクに入射するEUV光の入射光軸を傾斜させると、EUVマスク上の回路パターンでEUV光が反射する際、反射光の方向によっては、光吸収膜の一部が影となり、ウェーハ上に放射されない現象(いわゆる射影効果)が生じることが指摘されている。そこで射影効果を抑制するために、回路パターンが形成される光吸収膜の厚みを薄くして、影の影響を低減する手法が用いられている。
しかし、単に光吸収層を薄くすると、本来、光吸収層において必要な光の減衰量が不足するため、ウェーハ上のレジストへ放射されるEUV光の反射光が必要以上に増加し、回路パターンの形成精度が劣化することが懸念される。加えて、実際の露光作業では、一枚のウェーハにチップが多面付けされることが多いため、隣接するチップどうしの境界領域におけるレジストの露光量が増加することが、特に懸念される。すなわち、チップどうしの境界領域において回路パターンの形成精度に影響を及ぼす多重露光が発生し、この多重露光により、後工程で得られるチップの品質低下やスループットの低下が生じてしまう。そのため、このように光吸収層を薄くする場合には、EUVマスクに光吸収膜に加えさらに多層反射膜をも全て除去し、ガラス基板の表面まで掘り込んだ溝を形成するという方法がある(特許文献1参照)。これは、上記した溝をEUV光の波長に対する遮光性の高い遮光領域とし、この遮光領域におけるEUV光の反射を抑制して隣接するチップどうしの境界領域における多重露光を抑制しようとするものである。
ところが、EUV光を発生させる光源からは、13.5nm付近のEUV領域の光だけでなく、真空紫外線領域(約140nm付近)から近赤外線領域(約800nm付近)に亘る波長帯の光も放射される場合が多い。この波長帯は、一般にアウトオブバンド(Out of Band)と呼ばれる。このように、EUVマスクには、EUV光に伴ってアウトオブバンドの波長を有する光(以下「アウトオブバンド光」という)も入射する。そして、上記したEUVマスクの遮光領域では、EUV光の遮光性は比較的高いものの、アウトオブバンド光の遮光性は比較的低い。そのため遮光領域において、光源から放射された光のうちEUV光の反射は殆ど抑えることができるが、アウトオブバンド光の一部は遮光領域で反射してウェーハ上に放射される。そしてチップどうしの境界領域で、上記したような多重露光を生じさせてしまうという問題がある。
そこで、こうした問題を解決する技術を見てみると、特許文献2に記載の技術がある。これは、ガラス基板の多層反射膜とは反対面上となる裏面に、微細構造のパターンを形成し、これによって、遮光領域に入射したアウトオブバンド光が真空からガラス基板の裏面に至った後、裏面導電膜で反射することを抑制するものである。
特開2009−212220号公報 特開2013−074195号公報
しかし、本発明者らは、特許文献2に記載の技術を検証するため、遮光領域で反射してウェーハに放射されるアウトオブバンド光の成分を調べたところ、基板の表面で反射する光の方が、基板の裏面で反射する光よりも優勢的であることが判明した。よって遮光領域に入射したアウトオブバンド光の反射率を低減するためには、基板の裏面で反射する反射光を抑制するだけでは十分でなく、基板の表面における反射光を抑制する必要があるとの結論に至った。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、射影効果の影響を低減する遮光領域が形成される反射型フォトマスクにおいて、露光光の光源に含まれ、露光対象物であるウェーハに反射するアウトオブバンド光の反射率を、従来よりも低減することができる反射型フォトマスクを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る反射型フォトマスクの一つの態様は、基板と、この基板上に形成され、リソグラフィ用として波長5nm以上15nm以下の光を含む露光光を反射する多層反射膜と、この多層反射膜上に形成され、露光光を吸収するとともに、回路パターン又は回路パターンが形成される回路パターン形成予定領域の一方が形成される吸収膜と、回路パターン又は回路パターン形成予定領域の一方の外周側で、基板上の多層反射膜及び吸収膜の一部が除去されて形成され、多層反射膜で反射する露光光の一部を遮光する遮光領域と、この遮光領域の露出した基板の表面の一部に3000nm以下のピッチで形成され、露光光に含まれる140nm以上800nm以下の波長を有し遮光領域に入射するアウトオブバンド光の反射を抑制する複数の凸部と、を具備することを要旨とする。
回路パターンが形成される回路パターン形成予定領域が形成された反射型フォトマスクとは、いわゆるマスクブランクである。
アウトオブバンド光が波長140nm以上800nm以下であるのは、この範囲に含まれない波長の光による露光の影響は殆ど懸念されないからである。また、露光光が波長5nm以上であるのは、この値が現在実用的に用いられるEUV光の波長としての下限であるからである。また、露光光が15nm以下であるのは、露光光がこれより大きい波長であると、EUV光リソグラフィの特徴である微細化の効果を得られないからである。
上記した反射型フォトマスクの一つの態様によれば、遮光領域の中において、露光光の入射側である真空と基板との界面に複数の凸部がに3000nm以下の短いピッチで形成されている。よって、露光光とともに放射されるアウトオブバンド光のうち、凸部のピッチより長い波長のアウトオブバンド光の回折を抑制する。そしてこうしたアウトオブバンド光の反射の抑制が、アウトオブバンド光が基板を透過した後の基板の裏面ではなく、入射側である表面において行われる。
また、上記した反射型フォトマスクの一つの態様における凸部は、吸収膜側から基板側へ拡径形成されてもよい。また凸部の側面は、湾曲面としてもよい。
また、本発明に係る反射型フォトマスクの製造方法の一つの態様は、基板上にリソグラフィ用として波長5nm以上15nm以下の光を含む露光光を反射する多層反射膜を積層する工程と、積層された多層反射膜上に、露光光を吸収するとともに、回路パターン又は回路パターンが形成される回路パターン形成予定領域の一方が形成される吸収膜を積層する工程と、回路パターン又は回路パターン形成予定領域の一方の外周側で、基板上の多層反射膜及び吸収膜の一部を除去し、多層反射膜で反射する露光光の一部を遮光する遮光領域を形成する工程と、形成された遮光領域の露出した基板の表面の一部に、露光光に含まれる140nm以上800nm以下の波長を有するアウトオブバンド光の反射を抑制する複数の凸部を形成する工程と、を含むことを要旨とする。
また、前記反射型フォトマスクの製造方法の一つの態様において、遮光領域を形成する処理と複数の凸部を形成する処理とを一体的に実行し、基板の表面の露出と凸部の形成とを同時に行ってもよい。
従って本発明によれば、射影効果の影響を低減する遮光領域が形成される反射型フォトマスクにおいて、露光対象物であるウェーハに放射されるアウトオブバンド光の反射を、従来よりも抑制することができる。そして、ウェーハへチップを多面付けする際、EUV光だけでなくアウトオブバンド光による、チップどうしの境界領域への多重露光も効果的に抑制できる。そして、高精度の回路パターンをウェーハに転写することができるとともに、スループットを向上することができる。
第一実施形態に係る反射型フォトマスクブランクを説明する図である。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクを説明する図である。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクの凸部を説明する図である。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を示すフローチャートである。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を説明する断面図である。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を説明する断面図である。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を説明する断面図である。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を説明する断面図である。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を説明する断面図である。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を説明する断面図である。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を説明する断面図である。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクの反射率について、従来の反射型フォトマスクと比較して説明するグラフ図である。 第一実施形態に係る反射型フォトマスクについて、アウトオブバンド光の波長及び凸部の高さを変化させた場合の反射率を示すグラフ図である。 第二実施形態に係る反射型フォトマスクの凸部を説明する図である。 第三施形態に係る反射型フォトマスクの凸部を説明する図である。 第四実施形態に係る反射型フォトマスクの凸部を説明する図である。 第四実施形態に係る反射型フォトマスクについて、反射率と高さの関係を示すグラフ図である。 第五実施形態における実施例2に係る反射型フォトマスクの製造方法を示すフローチャートである。 第五実施形態における実施例2に係る反射型フォトマスクの製造過程を説明する断面図である。 第五実施形態における実施例2に係る反射型フォトマスクの製造過程を説明する断面図である。 第五実施形態における実施例2に係る反射型フォトマスクを説明する図である。 第五実施形態における実施例2に係る反射型フォトマスクについて、反射率と波長の関係を示すグラフ図である。 凸部のピッチを変化させた反射型フォトマスクについて、反射率と波長の関係を示すグラフ図である。 第五実施形態における実施例3に係る反射型フォトマスクの製造方法を示すフローチャートである。 第五実施形態における実施例3に係る反射型フォトマスクの製造過程を説明する断面図である。 第五実施形態における実施例3に係る反射型フォトマスクの製造過程を説明する断面図である。 第六実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を示すフローチャートである。 第六実施形態に係る反射型フォトマスクの製造過程を説明する断面図である。 第七実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を示すフローチャートである。 第七実施形態に係る反射型フォトマスクの製造過程を説明する断面図である。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の細部について記載される。しかしながら、かかる特定の細部がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかであろう。他にも、図面を簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
本発明に係る反射型フォトマスクを、第一〜第七実施形態を用いて説明する。第一実施形態は、反射型フォトマスク及びその製造方法に関する。また第二〜第四実施形態は、反射型フォトマスクの構造に関する。また第五〜第七実施形態は、反射型フォトマスクの製造方法に関する。以下、まず、第一実施形態より説明する。
(第一実施形態)
第一実施形態に係る反射型フォトマスク(レチクルも含む)は、波長5nm以上15以下の光、特に13.5nmのEUV光を露光光とするEUVリソグラフィに用いられる。EUVリソグラフィはチャンバー内に配置された露光装置を用いて行われ、露光装置には放電型或いはレーザ励起型のプラズマ光源が配設されている。このプラズマ光源から放射されたEUV光は、本実施形態に係る反射型フォトマスクへ入射し、その後反射したEUV光は、所定の経路を経た後、露光対象物であるウェーハ上のレジストに放射され、レジストを感光させることになる。
第一実施形態に係る反射型フォトマスクは、上記プラズマ光源からEUV光に伴って放射される波長140nm以上800nm以下のアウトオブバンド光の反射を抑制し、ウェーハ上のレジストの不必要な露光を抑制するために用いられるものである。以下、第一実施形態の構成を、図面を参照して説明するが、図中に示された構造体や膜等の数量、形状、大きさ又は比率は適宜簡略化及び誇張して示されている。これらのことは、他の実施形態の説明においても同様である。
図1(a)及び図1(b)は、反射型フォトマスクブランク9を説明する図であり、図2(a)及び図2(b)は、反射型フォトマスク10を説明する図である。図1(a)は、反射型フォトマスクブランク9の平面図であり、図1(b)は、図1(a)中のI−I断面線における断面図である。また図2は、反射型フォトマスク10を説明する図である。図2(a)は、反射型フォトマスク10の平面図であり、図2(b)は、図2(a)中に示すII−II断面線における断面図である。
図1(b)に示すように、反射型フォトマスクブランク9は、基板11と、基板11の表面(図1(b)中上側)上に形成された多層反射膜12と、多層反射膜12上に形成された保護膜13と、保護膜13上に形成された吸収膜14とを具備する。基板11の多層反射膜12とは反対側の面である裏面(図1(b)中下側)には、図示しない裏面導電膜が形成されている。
また反射型フォトマスクブランク9は、図1(a)中の一点鎖線で示すように、吸収膜14の中央に回路パターン形成予定領域Aを有する。回路パターン形成予定領域Aは、後工程で回路パターン15が形成される領域である。図2(a)中の一点鎖線で示すように、この回路パターン形成予定領域Aの内部に所定の回路パターン15が形成されたものが、反射型フォトマスク10の回路パターン領域Aとなる。
このように、反射型フォトマスクブランク9と反射型フォトマスク10とは、回路パターン15が形成されるか否かが異なるだけであり、それ以外の構成は同じである。よって以下の説明文中に用いる「反射型フォトマスク」とは、特に記載しない限り「反射型フォトマスクブランク」を含むものとする。
反射型フォトマスク10には、回路パターン形成予定領域Aの外周側で、基板11が露出する位置まで多層反射膜12、保護膜13及び吸収膜14の一部が除去されて、EUV光の反射を遮光する遮光領域Bが形成されている。遮光領域Bは多層反射膜12で反射する露光光の一部を遮光する。遮光領域Bにおける基板11が露出している部分には、基板11の土台部11aの上に複数の凸部1が形成される。複数の凸部1によって、基板11の表面11bに微細な凹凸パターンCが形成される。
基板11の材料としては、基板11の表面上に微細な凹凸パターンCを形成する加工に適した特性を備える材料が望ましい。例えば、石英(SiO)を主成分とし、酸化チタン(TiO)を含む材料等が挙げられる。また上記加工技術としてリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いる場合、基板11の材料には石英ガラスを用いるのが望ましい。本実施形態では、石英(SiO)を用いた極低熱膨張性ガラス(Corning社製、屈折率1.4801〜1.4892)を用いている。
多層反射膜12は、EUV光を反射する膜であり、EUV光に対する吸収(消衰係数)が小さく、且つ積層される膜間のEUV光での屈折率差が大きい材料が用いられている。多層反射膜12は、例えばEUV光に対して理論上72%程度の反射率を達成できるように設計された、厚さ2〜3nmのモリブデン(Mo)層と厚さ4〜5nmのシリコン(Si)層とを交互に40〜50ペア積層するように構成される。モリブデン(Mo)やシリコン(Si)は、EUV光に対する吸収(消衰係数)が小さいとともに、EUV光に対する各々の屈折率の差が大きいので、これらの界面での反射率を高く構成できる。
保護膜13は、酸やアルカリに対する洗浄耐性を有する材料である必要があり、例えば、厚さ2〜3nmのルテニウム(Ru)あるいは厚さ10nm程度のシリコン(Si)を用いることができる。
保護膜13がルテニウム(Ru)により構成される場合、保護膜13は、吸収膜14の加工におけるストッパー層としての役割や、マスク洗浄における薬液に対する保護層としての役割を果たす。なお、ルテニウム(Ru)からなる保護膜13の下に位置する多層反射膜12の最上層はSi層となる。
保護膜13がシリコン(Si)により構成される場合は、吸収膜14との間に、緩衝層(不図示)を設ける場合もある。その場合、緩衝層は、吸収膜14のエッチングやパターン修正時に、緩衝層の下に位置するシリコン(Si)層を保護するために設けられ、例えば、クロムの窒素化合物(CrN)により構成することが出来る。
また保護膜13は、単層構造でも積層構造でもよい。保護膜13は、積層構造の場合には、保護膜13の最上層がルテニウム(Ru)及びその酸化物、窒化物、酸窒化物やシリコン(Si)及びその酸化物、窒化物、酸窒化物のいずれかを含む材料で形成される。
吸収膜14は、EUV光を吸収する膜であり、単層構造でも2層構造でもよい。吸収膜14が単層構造の場合、吸収膜14は、例えば、EUV光に対して吸収率の高いタンタル(Ta)及びその酸化物、窒化物、酸窒化物のいずれかを含む材料で形成される。具体的には、タンタルホウ素窒化物(TaBN)、タンタルシリコン(TaSi)、タンタル(Ta)や、それらの酸化物(TaBON、TaSiO、TaO)を用いることが出来る。また吸収膜14が2層構造の場合、上層として波長190〜260nmの紫外光に対して反射防止機能を有する低反射層(不図示)を設けてもよい。
低反射層としては、例えば、タンタル(Ta)の酸化物、窒化物、酸窒化物やシリコン(Si)の酸化物、窒化物、酸窒化物のいずれかを含む材料を用いることができる。低反射層は、マスクの欠陥検査機の検査波長に対して、コントラストを高くし、検査性を向上させるためのものである。吸収膜14の膜厚は、50〜70nmとされる。
裏面導電膜は、導電性があれば良く、例えば、クロム(Cr)またはタンタル(Ta)のいずれかの金属もしくはその酸化物、窒化物、酸窒化物のいずれか、または、導電性のあるその他の金属材料を含む材料で形成される。具体的にはCrNが用いられることが多い。裏面導電膜の膜厚は、20〜400nmとされる。
なお、上記した多層反射膜12、保護膜13、吸収膜14及び裏面導電膜は、スパッタリング法等を用いて形成することができる。
次に、上記した凸部1を説明する。凸部1は、基板11の表面11b上の微細な凹凸パターンCを構成する単位であり、この凹凸パターンCに入射するアウトオブバンド光の反射を抑制するものである。凸部1は、図2(b)に示すように、吸収膜14側から基板11側へ拡径形成されている。また凸部1は、遮光領域Bにおいて基板11の土台部11aの上に複数配設されている。そして凸部1の頂部の高さは、基板11と多層反射膜12との境界面の高さと略同じである。
凸部1の具体的な構造を、図3(a)及び図3(b)を用いて説明する。図3(a)は、基板11の土台部11a上に配設された複数の凸部1の一部を示す概略斜視図であり、図3(b)は、図3(a)中に示すIII−III断面線における断面図である。
凸部1は、図3(a)及び図3(b)に示すように、基板11の一部を略ピラミッド状に加工されて形成されており、頂部2と、略正三角形とされた4つの側面3と、略正方形とされた底面4とを有する。すなわち、凸部1は正四角錐状とされ、頂部2から底面4に降ろした垂線の長さが高さHとなる。
この凸部1によって形成される凹凸パターンCは、反射型フォトマスク10を平面視したときに、頂部2によりドットパターンを示す。基板11の表面11b上において凹凸パターンCが形成された位置では、基板11の表面11b上に高低差が付与される。また、基板11と基板11の外部の真空との間で、基板11側と真空側との体積比が凸部1の高さ方向で基板11側に滑らかに変化することとなる。
また複数の凸部1は、土台部11a上で、基板11の表面11bの平坦な上面を露呈させることなく、一定のピッチPで密に隣接配置されている。ピッチPは、図3(b)に示すように、第一実施形態においては、谷と谷との間の長さである。ピッチPは、800nmより短い長さで設定されている。800nmより短い長さに設定された第一実施形態のピッチPは、除去すべきアウトオブバンド光の波長領域が140nm以上800nm以下の範囲であることに対応し、アウトオブバンド光の干渉を効率的に抑制する。
ここで、約140nm〜約400nmの波長領域におけるアウトオブバンド光の存在密度は、約400nm〜約800nmの波長領域より大きい。よって、ピッチPを400nm未満の範囲で設定すれば、アウトオブバンド光の反射をより効果的に抑制できる。また、約200nm〜約300nmの波長領域では、特に存在密度が大きい。よって、ピッチPを300nm未満の範囲で設定すれば、アウトオブバンド光の反射をさらに効果的に抑制できる。ピッチPを200nm未満の範囲で設定すれば、アウトオブバンド光の反射を一層効果的に抑制できる。
また、光は波としての性質を有するので、反射時に半波長より短い長さで反射すれば、入射波と反射波とによる干渉を抑制することとなる。
すなわち、仮にピッチPを140nmより大きくかつ400nm未満の範囲で設定したとする(例えば150nm)。このとき、凸部1による微細な凹凸パターンCでは、上記したように、まずこのピッチP(150nm)より長い波長領域のアウトオブバンド光の反射が有効に抑制される。そして同時に、このピッチPの2倍の長さの波長(この場合は300nm)より長い波長領域のアウトオブバンド光の反射も、有効に抑制される。
(反射型フォトマスクの製造方法)
次に、第一実施形態に係る反射型フォトマスク10の製造方法を説明する。第一実施形態の製造方法は、まず遮光領域Bにおいて基板11を露出させ、その後、基板11の露出した部分に凸部1を形成するものである。
概要として、まず基板11を用意し、基板11上に多層反射膜12を積層し、この多層反射膜12上に吸収膜14を積層する。そして遮光領域Bとなる領域の多層反射膜12及び吸収膜14を、リソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて選択的に除去する。これにより回路パターン領域A又は回路パターン形成予定領域Aの外周側に、遮光領域Bを形成する。そして、遮光領域Bの基板11が露出している部分に、複数の凸部1を形成し、これによって基板11の表面11b上に微細な凹凸パターンCを形成する。
尚、凸部1の形成においては、例えば微細機械加工方法、レーザ加工方法などのパターニング方法を選択してよい。特に、精度良く凹凸パターンCを形成できる点で、リソグラフィ技術およびエッチング技術が好ましい。
以下、具体的な製造方法を、図4〜図11に示す。図4は製造工程のフローチャートを、図5〜図11は製造過程における反射型フォトマスクの断面を示す。
まず、吸収膜14に、回路パターン領域Aと遮光領域Bとを形成するプロセス(S1〜S7)について説明する。尚、このプロセスを行う前に、基板11上に多層反射膜12を積層する工程、多層反射膜12上に保護膜13を積層する工程及び保護膜13上に吸収膜14を積層する工程が既に完了している。この状態の反射型フォトマスクを図5(a)に示す。
次に、図5(b)に示すように、吸収膜14の上に、紫外線または電子線に反応を示す、化学増幅系又は非化学増幅系のレジスト21を塗布する(工程S1)。次に、図5(c)に示すように、レジスト21上で、回路パターン領域A及び遮光領域Bに対応するパターンを、紫外線または電子線を照射して描画する(工程S2)。
その後、図6(a)に示すように、反射型フォトマスクをアルカリ溶液などで現像し(工程S3)、吸収膜14上に、回路パターン領域A及び遮光領域Bに対応するレジストパターン21aを形成する。そして、図6(b)に示すように、この反射型フォトマスクに対して、レジストパターン21aをエッチングマスクとし、フッ素系ガスや塩素系ガスを用いたガスプラズマによるエッチングを行う(工程S4)。
次に、図6(c)に示すように、不要なレジストパターン21aを酸素プラズマによる灰化、硫酸やオゾン水などの酸化薬液による分解、又は有機溶剤などで溶解することによって、反射型フォトマスクから除去する(工程S5)。その後、必要に応じて、反射型フォトマスクに対し、酸・アルカリ系薬品やオゾンガスや水素ガスなどを溶解した超純水や有機アルカリ系薬品、界面活性剤などによる洗浄処理(工程S6)を行う。また、併せて遠心力を利用したスピン等による乾燥(工程S7)を行い、吸収膜14に回路パターン領域Aと遮光領域Bを形成する。
次に、保護膜13と多層反射膜12に遮光領域Bを形成するプロセス(S8〜S14)について説明する。
まず、図7(a)に示すように、上記工程S7までが施された反射型フォトマスクに、紫外線または電子線に反応を示すレジスト22を塗布する(工程S8)。これにより、吸収膜14の回路パターン領域A及び遮光領域Bには、レジスト22が塗布される。
次に、レジスト22上の遮光領域Bに対応する位置に、リソグラフィ用の紫外線又は電子線を照射する(工程S9)。次に、図7(c)に示すように、上記と同じく、この反射型フォトマスクを現像し(工程S10)て、レジストパターン22aを形成する。
次に、図8(a)に示すように、レジストパターン22aをエッチングマスクとして、保護膜13及び多層反射膜12のエッチング(工程S11)を行う。これにより、遮光領域Bがこれら2つの膜を貫通するものとなり、遮光領域の深さが深くなる。そして、遮光領域Bが基板11に到達し、基板11の表面11bが露出する。このときの表面11bは平坦である。
このエッチングでは、まずフッ素系ガスプラズマを用いて保護膜13を選択的に除去した後、次に多層反射膜12を選択的に除去することになる。多層反射膜12は、保護膜13と同じくフッ素系ガスプラズマもしくは塩素ガス系プラズマを用いて除去してよい。
次に、図8(b)に示すように、反射型フォトマスクからレジストパターン22aを除去し(工程S12)、反射型フォトマスクを洗浄し(工程S13)、反射型フォトマスクを乾燥させ(工程S14)、基板11の表面11bが露出する遮光領域Bを形成する。
次に、基板11の露出した部分に複数の凸部1を形成するプロセスについて説明する。このプロセスは、基板11の表面11bが、平坦面から凹凸パターンCを有する面となるものである。このプロセスは、凸部1の上端部が先鋭化される前の段階である仮凸部1aを形成するプロセス(S15〜S21)と、仮凸部1aに基づいて凸部1を形成するプロセス(S22〜S28)とに分けられる。
まず仮凸部1aを形成するプロセスを説明する。図8(c)に示すように、上記工程S14までが施された反射型フォトマスクに、紫外線または電子線に反応を示すレジスト23を塗布する(工程S15)。このとき、レジスト23は、吸収膜14上と、遮光領域B内に露出する基板11上とに塗布される。
次に、図9(a)に示すように、遮光領域B内に露出する基板11上のレジスト23に、紫外線または電子線を照射して、このレジスト23上に、所望の凸部1のピッチPに応じた間隔を有するパターンが形成されるように描画する(工程S16)。ここで、凸部1による凹凸パターンCをドットパターンとしたいときには、このレジスト23上にドットパターンを描画する。
次に、図9(b)に示すように、反射型フォトマスクを現像(工程S17)して、遮光領域B内に露出する基板11上にレジストドットパターン23aを形成する。次に、図9(b)に示すように、このレジストドットパターン23aをエッチングマスクとして用いて、基板11をエッチング(工程S18)する。これにより、遮光領域B内に露出する基板11の表面11bに、複数の仮凸部1aが形成される。
次に、図10(a)に示すように、反射型フォトマスクからレジスト23及びレジストドットパターン23aを除去し(工程S19)、反射型フォトマスクを洗浄し(工程S20)、反射型フォトマスクを乾燥させ(工程S21)、遮光領域B内に露出する基板11の表面11bに仮凸部1aを形成する。
次に、この仮凸部1aに基づいて凸部1を形成するプロセスを説明する。まず、図10(b)に示すように、上記工程S21までが施された反射型フォトマスクに、紫外線または電子線に反応を示すレジスト24を塗布する(工程S22)。このとき、レジスト24は、吸収膜14上と、回路パターン領域A内と、遮光領域B内に露出する基板11の表面11b上に塗布される。
次に、図10(c)に示すように、遮光領域B内に露出する基板11上のレジスト24の全面に、紫外線または電子線を照射する描画を行う(工程S23)。次に、上記と同様に反射型フォトマスクを現像し、遮光領域B内の基板11上の表面11b上のレジスト24bを除去する。そして、図11(a)に示すように、吸収膜14上にレジストパターン24aを形成する(工程S24)。
次に、レジストパターン24aをエッチングマスクとして用いてエッチング(工程S25)を行う。これにより、図11(b)に示すように、遮光領域B内に露出する基板11の表面11bの仮凸部1aの上端部が先鋭化する。また高さHを高くする。これにより、先鋭化された頂部2及び所定の高さHを有する略ピラミッド状の凸部1が複数形成される。尚、図示の凸部1の頂部の位置は、上記した凸部1(図1、図2参照)の頂部の位置と異なるが、凸部1の頂部の位置はこのように適宜変更されてよい。
最後に、図11(c)に示すように、反射型フォトマスクからレジストパターン24aを除去し(工程S26)、反射型フォトマスクを洗浄し(工程S27)、反射型フォトマスクを乾燥させ(工程S28)、基板11の遮光領域B内に露出する部分に凸部1を形成する。
尚、工程S25のように、吸収膜14上のレジストパターン24aをエッチングマスクとして用いることにより、凸部1を形成する際、仮凸部1a以外の部位をエッチングによるダメージから保護することができる。
以上説明した工程S1〜S28によって、第一実施形態に係る反射型フォトマスク10の製造方法が構成される。
以下、上記した反射型フォトマスクの製造方法を用いた実施例1を説明する。反射型フォトマスクブランクには、基板11の上に、波長13.5nmのEUV光に対して反射率が64%程度となるように設計されたMo層とSi層の40ペアの多層反射膜12が、その上に2.5nm厚のRuの保護膜13が、更にその上に70nm厚のTaSiからなる吸収膜14が、順次形成されている。
まず、反射型フォトマスクブランク9の表面に、ポジ型化学増幅レジスト(レジスト21)(FEP171:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ製)を300nmの膜厚に塗布した(図5(b):工程S1)。次に電子線描画機(JBX9000:日本電子製)によって回路パターン15及び遮光領域Bのパターンを描画(図5(c):工程S2)した後、110℃で10分間のPEBを行い、更にスプレー現像(SFG3000:シグマメルテック製)して、レジストパターン21aを形成した(図6(a):工程S3)。
次に、ドライエッチング装置を用いて、CFプラズマとClプラズマにより、吸収膜14をエッチング(図6(b):工程S4)した。その後、反射型フォトマスクからレジストパターン21aを剥離し(図6(c):工程S5)、反射型フォトマスクの表面を洗浄し(図6(c):工程S6)、乾燥(図6(c):工程S7)することで、吸収膜14に回路パターン領域Aを有する構造を作製した。回路パターン領域Aは、幅200nmの1:1のライン&スペースパターンで描いた回路パターン15を複数、マスク中心に配置し、回路パターン領域Aの大きさは10cm×10cmとした。
次に、吸収膜14の上に、i線レジスト(レジスト22)を500nmの膜厚で塗布し(図7(a):工程S8)、そこへi線描画機(ALTA3000:アプライドマテリアル社製)により遮光領域Bのパターンを描画し(図7(b):工程S9)、現像(図7(c):工程S10)を行った。これにより、吸収膜14上で後に遮光領域Bとなる略矩形の領域を開口させたレジストパターン22aを形成した。このときレジストパターン22aの開口幅は5mmとし、この略矩形のレジストパターン22aを、マスク中心部の10cmx10cmの回路パターン領域Aから3μm離間した位置に配置した。
その後、CHFプラズマを用いた下記の条件での垂直性ドライエッチングにより、上記レジストパターン22aの開口部の吸収膜14、保護膜13及び多層反射膜12を選択的に除去した(図8(a):工程S11)。
ドライエッチング装置内の圧力:6.665Pa(50mTorr)
ICP(誘導結合プラズマ)パワー:500W
RIE(反応性イオンエッチング)パワー:2000W
CHFの流量:3.38×10−2Pa・m/s(20sccm)
処理時間:6分
次に、反射型フォトマスクからレジストパターン22aを剥離し(図8(b):工程S12)、反射型フォトマスクを洗浄し(図8(b):工程S13)、反射型フォトマスクを乾燥させ(図8(b):工程S14)、反射型フォトマスクに遮光領域Bを形成した。
次に、反射型フォトマスクの全面に、ポジ型化学増幅レジスト(レジスト23)(FEP171:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ製)を300nmの膜厚で塗布した(図8(c):S15)。そして、基板11の遮光領域B内に露出する部分のレジスト23に、ドットパターンの配列状に電子線描画機(JBX9000:日本電子製)によって描画(図9(a):工程S16)した。その後、110℃で10分間のPEBおよびスプレー現像(SFG3000:シグマメルテック製)により、基板11上における前記レジスト23の部分に、レジストドットパターン23aを形成した(図9(b):工程S17)。
次に、ドライエッチング装置を用いて、CFプラズマとClプラズマによりエッチングし(図9(c):工程S18)、遮光領域B内に露出する基板11の表面11bに仮凸部1aを形成した。その後、反射型フォトマスクからレジスト23及びレジストドットパターン23aを剥離し(図10(a):工程S19)、反射型フォトマスクを洗浄し(図10(a):工程S20)、反射型フォトマスクを乾燥させた(図10(a):工程S21)。
次に、反射型フォトマスクの全面に、i線レジスト(レジスト24)を500nmの膜厚で塗布した(図10(b):工程S22)。遮光領域B内に露出する基板11上のレジスト24の部分を、i線描画機(ALTA3000:アプライドマテリアル社製)により描画(図10(c):工程S23)して露光させた。これを上記と同様に現像し、遮光領域B内の基板11上のレジスト24bを除去し、レジストパターン24aを形成した。(図11(a):工程S24)。
次に、レジストパターン24aをエッチングマスクとして用いてエッチングした(図11(b):工程S25)。次に、反射型フォトマスクからレジストパターン24aの除去し(図11(c):工程S26)、反射型フォトマスクを洗浄し(図11(c):工程S27)、反射型フォトマスクを乾燥させた(図11(c):工程S28)。
上記した工程S1〜S28により、第一実施形態に係る反射型フォトマスク10を得た。
(実験1:凸部の有無)
次に、上記のとおり製造された反射型フォトマスク10に対し、光学式膜厚計を用いて、波長を変化させて光を照射し、その反射率を求める実験1を行った。実験結果を図12に示す。
図中(1)は上記のとおり製造した第一実施形態に係る反射型フォトマスク10であり、(2)は、遮光領域Bは有するものの遮光領域B内に露出する基板11表面に凸部1が形成されていない反射型フォトマスクである。(1)の反射型フォトマスクの凸部1の形状は略ピラミッド状とした。
図12から、第一実施形態に係る反射型フォトマスク10は、いずれの波長の光であっても、従来の凸部1を有さない反射型フォトマスクよりも、反射を抑制することが確認できた。特に、波長200nm〜300nmの光に関し、従来の反射型フォトマスクでは反射率が約4%〜約5%であるのに対し、実施例1にて作製した反射型マスク100では、反射率が最大約0.15%となった。よって第一実施形態は、この波長領域のアウトオブバンド光に対して特に有効であることが判明した。
(実験2:凸部のアスペクト比及び高さ)
次に、上記した製造方法を用いて様々な高さHの凸部1を形成した反射型フォトマスク10を製造し、これに異なる波長を有する光を入射させて、各々の反射率を測定する実験2を行った。この実験2は、本実施形態に係る凸部1の構成において、最適なアスペクト比(凸部1間のピッチPに対する高さHの比)及び高さHを導き出すためのものである。実験結果を図13に示す。
反射型フォトマスク10は、高さH以外は、上記した実施例1で説明したように構成されている。凸部1の形状は略ピラミッド状であり、凹凸パターンCはドットパターンである。アウトオブバンド光として入射させる光は、波長λ=195nm、300nm及び400nmの3種類を用いた。そして各波長λの光を入射角度:5度で遮光領域Bに入射させたとき、凸部1の高さHを0〜400nmの間で変化させて反射率を測定した。これにより、以下のような知見を得た。
(1)アスペクト比
図13に示すように、ピッチPを150nmとする場合において、アスペクト比が0.1(実験2において高さH=15nm)であれば、各波長のアウトオブバンド光の反射率が、凸部1を形成しない場合(実験2において高さH=0nm)より低下した。よって、アスペクト比が0.1以上あるように構成すれば、反射防止の効果を得ることができる。
またアスペクト比が0.5(実験2において高さH=75nm)以上であれば、各波長のアウトオブバンド光の反射率が約3%以下となり、より好適な反射型フォトマスク10とすることができる。
またアスペクト比が1.0(実験2において高さH=150nm)以上であれば、各波長のアウトオブバンド光の反射率が約0.5%以下となり、さらに好適な反射型フォトマスク10とすることができる。
またアスペクト比が1.5(実験2において高さH=225nm)以上であれば、各波長のアウトオブバンド光の反射率が約0.1%以下となり、さらに好適な反射型フォトマスク10とすることができる。
(2)高さ
図13に示すように、高さHが、入射する各アウトオブバンド光の波長の半分の長さの場合、いずれも反射率が0.5%以下となった。よって、高さHを入射するアウトオブバンド光の波長の半分の長さとなるように構成すれば、好適な反射型フォトマスク10とすることができる。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態に係る反射型フォトマスク10によれば、遮光領域Bの中において、露光光の入射側である真空と基板11との界面に複数の凸部1が800nmより短いピッチPで形成され、基板11の表面11bに微細な凹凸パターンCが形成される。よって、露光光とともに放射されるアウトオブバンド光のうち、凸部1のピッチより長い波長のアウトオブバンド光の回折を抑制する。またこうしたアウトオブバンド光の反射の抑制が、基板11の裏面ではなく、入射側である表面において行われる。
よって、第一実施形態に係る反射型フォトマスク10によれば、射影効果の影響を低減する遮光領域Bが形成される反射型フォトマスクにおいて、露光光とともに放射され、露光対象物であるウェーハに放射されるアウトオブバンド光の反射を、従来よりも抑制することができる。そして、ウェーハへチップを多面付けする際、EUV光だけでなくアウトオブバンド光による、チップどうしの境界領域への多重露光も効果的に抑制できる。そして、高精度の回路パターンをウェーハに転写することができるとともに、スループットを向上することができる。尚、こうした効果は、遮光領域を先に形成し、その後に回路パターン領域Aを形成した反射型フォトマスクにおいても同様である。
また第一実施形態に係る凸部1は、略ピラミッド状に形成されることにより、基板側と真空側との体積比が、凸部の高さ方向に滑らかに変化する。これにより、隣接する凸部1間の距離が、ひとつの値ではなく、一定の幅をもって構成される。すなわち、対応できるアウトオブバンド光の波長がひとつではなく複数となる。よって入射する光が比較的広範囲の波長であっても、また入射角度が異なっていても、アウトオブバンド光の反射をより抑制することができる。
また、第一実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法によれば、EUV光リソグラフィにおいて、好適な反射型フォトマスク10を得ることができる。そしてこの反射型フォトマスク10には、基板11の遮光領域Bに露出している部分に、800nmより短いピッチPで凸部1が形成されていることにより、アウトオブバンド光の反射を抑制でき、ウェーハ上にあるチップの境界領域における多重露光を抑制することが可能となる。
また、本実施形態に係る凹凸パターンCは、複数の凸部1が、基板の表面11b上に、基板の表面11bの平坦な上面が露呈することなく密に配設されて形成されるので、凹凸パターンCの領域に平坦部が生じない。よってアウトオブバンド光が平坦部で反射することがなく、アウトオブバンド光の反射をより抑制できる。
(第一実施形態に係るその他の記載事項)
尚、凸部1間のピッチPは、第一実施形態の場合のように目標とする光の波長より短い長さであれば、光の回折を効果的に抑制できるので、必要以上にピッチを短縮する必要はない。例えば、波長140nm以上800nm以下のアウトオブバンド光を全て目標とする場合、最少波長である140nmの半波長である70nmより小さいピッチP(例えば60nm)とすればよく、10nmや20nmとまでする必要はない。このようにピッチPを設定して凸部1を形成することで、製造性を高めることができる。
また、ピッチPは、第一実施形態のように一定の値に設定される場合に限定されず、不揃いであってもよい。例えば、350nm、300nm、250nm、200nm、といったように、不揃いかつ連続的に変化させてもよく、各ピッチPに対応する波長帯域のアウトオブバンド光の反射を抑制することができる。
また、凸部1の形状は、第一実施形態で説明した形状に限定されるものではない。基板11の表面11b上に高低差を付与するとともに、基板11側と真空側との体積比が凸部1の高さ方向で基板11側に滑らかに変化する形状であれば、円錐状、半球状、台形状等他の形状とされてもよい。
また、第一実施形態に係る製造方法では、吸収膜14に回路パターン領域Aを形成した後、その回路パターン領域Aの外周側に遮光領域Bを形成し、さらに基板11の遮光領域B内に露出した部分に凸部1を形成した。しかし、初めに遮光領域Bを形成した上で、基板11の遮光領域B内に露出した部分に凸部1を形成し、その後、吸収膜14に回路パターン領域Aを形成してもよい。すなわち、まず反射型フォトマスクブランク9を製造し、その後に回路パターン領域Aを形成して反射型フォトマスク10を製造してもよい。これにより、凸部1をエッチング等により形成する際に、回路パターン15をエッチングガス等によるダメージから保護することができる。
次に、第二〜第四実施形態を説明する。第二〜第四の実施形態は、各々、第一の実施形態との間で凸部1の形状のみが異なり、その他の構成は同じである。よって、以下の説明では、凸部1及びこれに関する作用効果についてのみ説明し、他の構成については説明を省略する。
(第二実施形態)
まず、第二の実施形態に係る反射型フォトマスクを、図14を用いて説明する。図14(a)は、配設された複数の凸部1の一部を示す概略斜視図であり、図14(b)は、図14(a)中に示すIV−IV断面線における断面図である。
凸部1は、図14(a)、(b)に示すように、全体が略釣り鐘状とされ、その頂部2が凸曲状であるとともに、側面3が、断面視で上に凸の放物線状とされている。すなわち、頂部2及び側面3から構成される凸部1の外面が、湾曲面を有するように構成されている。これにより、凸部1の側面3の底面4に対する角度は一つの値ではなく、一定の幅をもつように構成される。具体的には、図14(b)において、側面3を構成する上に凸状の放物線上の任意の一点における接線Lと、水平面との間の角度θが、略90度〜0度の間で変化する。これにより、アウトオブバンド光が基板11へ入射する入射面を、複数の角度とすることができる。
よって、第二の実施形態に係る反射型フォトマスク10は、上記した構成とされた凸部1を備える。よって、第一実施形態で説明した効果に加え、入射するアウトオブバンド光が比較的広範囲の波長であっても反射を抑制することができる。またアウトオブバンド光の入射角度が異なっていても(例えば5度、7度等)、反射を抑制することができる。このように対応できるアウトオブバンド光の波長の範囲を増加させるので、アウトオブバンド光の反射の低減により好適な反射型フォトマスク10とすることができる。
尚、第二の実施形態のように側面3に湾曲面を形成する場合、その断面視の形状は、放物線状の他、サインカーブ、双曲線、円弧等適宜選択されてよい。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態に係る反射型フォトマスクを、図15を用いて説明する。図15(a)は、並設された複数の凸部1の一部を示す概略斜視図であり、図15(b)は、図15(a)中に示すV−V断面線における断面図である。
第三実施形態に係る凸部1は、図15に示すように、頂部2が凸状であり一定の高さを有する突条とされ、突条とされた凸部1がさらに一定のピッチPで並設されている。凸部1は、図15(b)に示すように、断面視で略サインカーブの形状とされ、隣接する凸部1間に、互いの側面3どうしで囲まれた凹条部5を形成している。凹条部5は、凸部1の側面3及び頂部2で画定される領域である。
第三実施形態に係る凸部1は、上記した第一実施形態及び第二実施形態に示したような突起形状ではなく、突条形状とされる。よって、基板11の表面11bに形成される微細な凹凸パターンCは、ドットパターンではなくライン&スペースパターンとなる。このような突条形状の凸部1は、例えばリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて形成する場合、描画するパターン数がドットパターンを描く場合より少ないので、パターン描画時間をドットパターンより短縮できる。よって、本実施形態に係る反射型フォトマスク10は、第一実施形態及び第二実施形態と比較して、より製造性に優れた反射型フォトマスク10とすることができる。
尚、第三実施形態のように突条形状の凸部1を形成する場合、凸部1の断面視の形状は、サインカーブの他、放物線、双曲線、円弧等適宜選択されてよい。
(第四実施形態)
次に、第四実施形態に係る反射型フォトマスク10を、図16を用いて説明する。図16(a)は、配設された複数の凸部1の一部を示す概略斜視図であり、図16(b)は、図16(a)中に示すVI−VI断面線における断面図である。
第四実施形態に係る凸部1は、図16に示すように、頂部が先鋭であり一定の高さを有する突条の形状とされた上で、この凸部1が一定のピッチPで並設される。またこの凸部1と直交する方向に、同じ形状の凸部1が同様に複数同じピッチPで並設される。そして全体として、互いに直交する複数の凸部1の頂部2の稜線が、平面視で井桁状(不図示)に配置され、逆ピラミッド状の凹部6を形成するように構成されている(図16(a)参照)。
凸部1は、図16(b)に示すように、断面視で略正三角形状とされている。凹部6は、四つの側方を、各々4つの凸部1の側面3で囲まれて形成されている。
このように、第四の実施形態に係る凸部1は、上記した逆ピラミッド状の凹部6を形成するので、基板11の表面11bに形成される微細な凹凸パターンCは、ドットパターンではなくホールパターンとなる。
(実験3:反射率とピッチP及び高さHの関係)
次に、様々な高さHの凸部1及び複数のピッチPを形成した第四の実施形態に係る反射型フォトマスク10を製造し、これに一定の波長の光を入射させて、各々の場合の反射率を測定する実験3を行った。この実験3は、第四実施形態に係る凸部1の構成において、反射率とピッチP及び高さHとの関係を考察するものである。結果を図17に示す。
反射型フォトマスク10に入射させるアウトオブバンド光の波長λ=195nmとし、ピッチPを50nm、100nm、150nmの3パターンとした。そして各ピッチPについて、上記したアウトオブバンド光を、入射角度:5度で遮光領域Bに入射させたとき、凸部1の高さHを変化させて反射率を測定した。これにより、以下のような知見を得た。
図17に示すように、ピッチPが同じである場合、高さHが高いほど反射率は低下した。また高さHが同じである場合、ピッチPが密なほど反射率は低下した。
また高さHが、入射する光の波長の半分の長さ(97.5nm)の場合、いずれも反射率が1.5%以下となった。よって、第一実施形態の説明中の(凸部1のアスペクト比及び高さH)における「(2)高さ」中で述べたように、高さHを、入射するアウトオブバンド光の波長の半分の長さとなるように構成すれば、好適な反射型フォトマスク10とすることが確認された。
第四実施形態に係る反射型フォトマスク10の凸部1は、逆ピラミッド状の凹部を有するホールパターンを形成する。このような凸部1は、例えばナノインプリントのように、微細な突起のパターンが形成されたモールドを用いれば、製造プロセスを比較的容易に構成できるとともに大量生産にも適している。よって、第四実施形態に係る反射型フォトマスク10は、他の実施形態より、製造性に優れた反射型フォトマスク10とすることができる。
尚、第四実施形態のように、凹部6を形成させる複数の凸部1を形成する場合、凸部1の断面視の形状は、略三角形に限らず、サインカーブ、放物線、双曲線、円弧等適宜選択されてよい。例えば、凸部1を先端が凸曲状で断面が略サインカーブ状の突条(第三実施形態参照)とし、複数の突条を直交配置させるように構成すれば、すり鉢状の凹部6(図21参照)を形成できる。
以上説明した第一〜第四実施形態においては、微細な凹凸パターンCとしてドットパターン、ライン&スペースパターン、ホールパターンを説明したが、凹凸パターンの種類はこれらに限定されるものではない。例えば凸部1を略直方体形状とし、ピラーパターンを形成してもよい。EUVリソグラフィにおいて、光の入射側である真空と基板11との界面に、複数の凸部1が、アウトオブバンド光の波長より短いピッチPで形成され、基板11の表面11b上に高低差が形成される構造であればよい。
次に反射型フォトマスクの製造方法に係る第五〜第七実施形態を説明する。
上記した第一実施形態で説明した製造方法では、最初に遮光領域Bにおいて基板11を露出させた後、この露出した部分に凸部1を形成した。しかし、第五〜第七実施形態に係る製造方法は、基板11が露出される遮光領域Bを形成する工程と、基板11の露出した部分に複数の凸部1を形成する工程とが一体的に行われ、基板11の露出と同時に凸部1が形成されるものである。第五〜第七実施形態の間では、この凸部1の形成方法が各々異なる。
尚、第五〜第七実施形態は各々、第一実施形態との間で凸部1の形成方法を除き他の構成は同じとなるため、以下の説明では、凸部1の形成方法及びこれに関する作用効果について主に説明するとともに、他の構成については説明を省略する。
(第五実施形態)
まず、第五実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を、リソグラフィ及びエッチングを用いる実施例2(図18〜図22参照)と、ナノインプリントを用いる実施例3(図23〜図26参照)とを用いて説明する。
第五実施形態では、まず、吸収膜14自体に、遮光領域内に露出した基板11上に形成する予定の凹凸パターンCと同じパターンをパターニングする。パターニングされた領域を凹凸パターン領域Bとする。その後、エッチングによって、多層反射膜12、保護膜13及び吸収膜14を除去し、基板11が露出される遮光領域Bを形成する。その際、吸収膜14上の凹凸パターン領域Bを、エッチングマスクとして作用させる。
以下、具体的な製造方法を説明する。図18は実施例2の製造工程のフローチャートを、図19〜図20は実施例2の製造過程における反射型フォトマスクの断面を示す。尚、第五実施形態の製造方法の説明は、第一実施形態における実施例1中で工程S1が施された反射型フォトマスク(図5(b)参照)の状態から始めるものとする。この状態を図19(a)に示す。
まず、反射型マスクブランクの表面に、ポジ型化学増幅レジスト(レジスト21)(FEP171:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ)を300nmの膜厚に塗布した(図19(a):S31)。
次に、レジスト21上に、図示しない電子線描画機(JBX9000:日本電子製)によって回路パターン15及び凸部1を形成するための凹凸パターンを描画した(図19(b):S32)。その後、110℃、10分のPEBおよびスプレー現像(SFG3000:シグマメルテック製)を行い、レジストパターン21aを形成した(図19(c):S33)。
次に、ドライエッチング装置(不図示)を用いて、CFプラズマとClプラズマにより、吸収膜14をエッチングし(図19(d):S34)た。次に反射型フォトマスクからレジストパターン21aを剥離し(S35)、反射型フォトマスクを洗浄(図19(e):S36)し、反射型フォトマスクを乾燥(S37)させた。
上記した工程により、吸収膜14に、回路パターン領域A及び凹凸パターン領域Bを形成した(図19(e))。
回路パターン領域Aは、幅200nmの1:1のライン&スペースパターンで描いた回路パターン15を複数、マスク中心に配置し、回路パターン領域Aの大きさは10cmx10cmとした。凹凸パターン領域Bは、高さHが70nm、パターンピッチが320nmのホールパターンとした。
次に、反射型フォトマスクに遮光領域B及び凸部1を形成する工程を行った。
吸収膜14上に、i線レジスト(レジスト22)を500nmの膜厚で塗布し(図20(a):S38)、続けてi線描画機(ALTA3000:アプライドマテリアル社製)により遮光領域Bのパターンを描画し(図20(b):S39)、現像(図20(c):S40)を行った。これにより、遮光領域Bと同じ略矩形状の領域を開口させたレジストパターン22aを形成した。このときレジストパターン22aの開口幅は3mmとし、このレジストパターン22aを、マスク中心部の10cm×10cmの回路パターン領域Aから3μm離間した位置に配置した。
その後、CHFプラズマを用いた下記の条件の垂直性ドライエッチング(工程S41)を行い、上記レジストパターン22aの開口部の吸収膜14、保護膜13及び多層反射膜12を選択的に除去した(図20(d))。これにより、上端部を先鋭化させた凸部1を形成し、凹凸パターンCを形成した。
ドライエッチング装置内の圧力:6.665Pa(50mTorr)
ICP(誘導結合プラズマ)パワー:500W
RIE(反応性イオンエッチング)パワー:2000W
CHF3の流量:3.38×10−2Pa・m/s(20sccm)
処理時間:6分
このようにして、基板11が露出される遮光領域Bを形成する工程と、基板11の露出した部分に複数の凸部1を形成する工程とが一体的に行われ、基板11の露出と同時に凸部1が形成されることとなる。
次に、反射型フォトマスクからレジストパターン22aを剥離し(S42)、反射型フォトマスクを洗浄し(S43)、反射型フォトマスクを乾燥させ(S44)、反射型フォトマスク10を得た(図20(e)参照)。尚、図20(e)中の凸部1の数は、1つのみ示されているが、実際は1つに限定されるものではない。
上記した工程S31〜S44により、第五実施形態に係る反射型フォトマスク10の製造方法が構成される。
実施例2にて作製された反射型フォトマスク10を平面視したトップビューを図21(a)に、また断面プロファイルを図21(b)に示す。図21(a)に示すように、凹凸パターンCの形状はすり鉢形状である。また図21(b)に示すように、凸部1の平均ピッチP=約320nm、平均高さH=50nm、アスペクト比=0.16であった。
また、実施例2の反射型フォトマスク10を用いてアウトオブバンド光の反射率を測定した結果を図22Aに示す。波長200nmにおいて、凸部1を有さない反射型フォトマスク(図22A中の(2))の反射率は、約5.95%であるのに対し、凸部1を有する実施例2の反射型フォトマスク(図22A中の(1))の反射率は2.37%であった。平均ピッチPが約320nmの凸部1を有する反射型フォトマスクの反射率は、波長200nmにおいて、凸部1を有さない反射型フォトマスクの反射率の概ね2/5に低減した。また図22Aに示すように、800nm以下のアウトオブバンド光の波長領域全体に亘って、凸部1を有する反射型フォトマスクの反射率は、凸部1を有さない反射型フォトマスクの反射率より低下した。
また、凸部1のピッチを変化させた反射型フォトマスクを用いてアウトオブバンド光の反射率を測定した結果を図22Bに示す。凹凸パターンCの形状はすり鉢形状であり、凸部の平均ピッチを、1μm、1.5μm、3μmの3パターンとした。また平均高さは、図22Aの凸部と同様に50nmとした。また凸部を有さない反射型フォトマスクは、図22Aの場合と同じものを用いた。
波長200nmにおいて、凸部を有さない反射型フォトマスク(図22B中の中(2))の反射率は、図22Aの場合と同様に約5.95%である一方、平均ピッチが3μmの凸部を有する反射型フォトマスク(図22B中の(3))の場合、反射率は3.32%であった。また平均ピッチが1.5μmの凸部1を有する反射型フォトマスク(図22B中の(4))の場合、反射率は2.28%であった。また平均ピッチが1μmの凸部1を有する反射型フォトマスク(図22B中の(5))の場合、反射率は1.42%であった。平均ピッチPを1μm、1.5μm、3μmの3パターンに変化させた場合であっても、凸部を有する反射型フォトマスクの反射率は、波長200nmにおいて、凸部を有さない反射型フォトマスクの反射率より大きく低下した。また図22Bに示すように、800nm以下のアウトオブバンド光の波長領域全体に亘って、凸部を有する反射型フォトマスクの反射率は、凸部を有さない反射型フォトマスクの反射率より低下した。
次に、実施例3を説明する。図23は実施例3の製造工程のフローチャートを、図24〜図26は実施例3の製造過程における反射型フォトマスクの断面を示す。
まず、ナノインプリントにより、吸収膜14に凹凸パターン領域Bを形成する方法を説明する。説明は、第一実施形態における実施例1中で工程S1が施された反射型フォトマスク(図5(b)参照)の状態から始めるものとする。この状態を図24(a)に示す。
反射型フォトマスクの表面に、ポジ型化学増幅レジスト(レジスト21)(FEP171:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ)を300nmの膜厚で塗布する(図24(a):S45)。次に、図示しない電子線描画機(JBX9000:日本電子)によって、レジスト21に回路パターン15を描画(図24(b):S46)した後、110℃、10分のPEBおよびスプレー現像(SFG3000:シグマメルテック製)により、レジスト21にレジストパターン21aを形成した(図24(c):S47)。
次に、ドライエッチング装置を用いて、CFプラズマとClプラズマにより、吸収膜14をエッチングし(図24(d):S48)た。次に、反射型フォトマスクからレジストパターン21aを剥離し(S49)、反射型フォトマスクを洗浄(S50)し、反射型フォトマスクを乾燥(S51)させた(図24(e))。回路パターン領域Aには、幅200nmの1:1のライン&スペースパターンが、マスク中心に配置されるように形成された。パターン領域の大きさは10cm×10cmとした。
次に、高さHが50nmのドットパターンを有するインプリント用モールド16を用意した。このドットパターンは、インプリント用モールド16のパターン面16aに形成される。そしてインプリント用モールド16は、このパターン面16aと反射型フォトマスクの吸収膜14の上面とを重ね合わせたとき、パターン面16aが凹凸パターン領域Bの位置と対向するように構成されている。
次に、光インプリント装置(不図示)にて光インプリントを実施するために、上記工程S51までが施された反射型フォトマスクの吸収膜14上に、光硬化性レジスト(レジスト17)(PAK−01 東洋合成工業製)を300nmの膜厚で塗布した(図25(a):S52)。ここで、インプリント用モールド16のパターン面16aには、離型剤として、フッ素系表面処理剤EGC−1720(住友3M)をあらかじめ塗布した。
次に、吸収膜14にインプリント用モールド16のパターン面16aを重ねあわせ、室温でプレスして(プレス圧力:1MPa)圧着状態とした。その上でインプリント用モールド16の裏面(図25(b)中の上方)より、波長300〜400nmの紫外線を、40mJ照射して(図25(b):S53)、レジスト17を硬化させた。
次に、反射型フォトマスクからインプリント用モールド16を離型(図25(c):S54)した。これにより、インプリント用モールド16のドットパターンが転写されたレジストドットパターン17aが形成された。
次に、ドライエッチング装置を用いて、RIE法(フッ素系又は塩素系ガスによる反応性イオンエッチング)により吸収膜14をエッチングした(図25(d):S55)。そして反射型フォトマスクからレジストドットパターン17aを剥離(S56)し、反射型フォトマスクを洗浄(S57)し、反射型フォトマスクを乾燥(S58)させた(図25(e))。これにより、吸収膜14に、高さHが50nmのホールパターンとされた凹凸パターン領域Bを形成した。
吸収膜14に凹凸パターン領域Bが形成されたことにより、吸収膜14が残っている部位と残っていない部位が形成される。よって、後工程で遮光領域Bを、エッチングガスを用いるエッチングを開始するとき、吸収膜14が残っている部位と残っていない部位とでは、エッチング開始位置が各々異なることとなり、エッチングガスが基板11に到達する時間が異なる。このようにエッチングすることにより、基板11の表面11bに高低差を付与する凸部1を形成することができる。また凸部1の高さHを調節することができるとともに、吸収膜14側から基板11側に拡径された凸部1を形成することもできる。
S58までの工程が施されて得られた反射型フォトマスクは、上記した第五実施形態における工程S37までの工程が施された反射型フォトマスクと同じである(図19(e)参照)。よってS58までの工程が施された反射型フォトマスクに対し、上記した工程S38〜S44を続けて施すことにより、遮光領域Bの基板11が露出した部分に凸部1を形成する。工程S38〜S44の説明は省略する。
このようにして、基板11が露出される遮光領域Bを形成する工程と、基板11の露出した部分に複数の凸部1を形成する工程とが一体的に行われ、基板11の露出と同時に凸部1が形成されることとなる。
実施例3によれば、リソグラフィ技術及びエッチング技術を2回用い、ナノインプリントを1回用いて、基板11の表面11bに微細な凹凸パターンCを形成する。
(第五実施形態の効果)
第五実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法によれば、基板11の表面11bの露出と同時に凸部1が形成されるので、第一実施形態における仮凸部1aを形成するような工程を用いる必要がなく、第一実施形態よりも製造工程が減少する。よって第一実施形態で説明した効果に加え、さらに反射型フォトマスク10の生産性を高めることができる。
(第六実施形態)
次に、第六実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を、図26、図27を用いて説明する。
第六実施形態では、吸収膜14の表面(図27中上側)に、自己組織化単分子膜18による凹部18aを形成し、この凹部18aによって、遮光領域内に露出した基板11上に形成する予定の凹凸パターンCと同じパターンを形成させる。その後、エッチングによって多層反射膜12、保護膜13及び吸収膜14を除去し、基板11が露出される遮光領域Bを形成する。その際、上記凹部18aを有する自己組織化単分子膜18を、遮光領域を形成する際のエッチングにおけるエッチングマスクとして作用させる。
以下、具体的な製造方法を説明する。図26は製造工程のフローチャートを、図27は製造過程における反射型フォトマスクの断面を示す。尚、第六実施形態の製造方法は、上記工程S52(図24(a)参照)までと同じ工程を有するため、工程S52までの説明を省略し、その後の工程について以下説明する。
まず、上記工程S52までが施された反射型フォトマスクを、図27(a)に示す。次に、i線描画機(ALTA)により、レジスト22に遮光領域Bとなる矩形パターンを描画(図27(b):S59)し、現像(図27(c):S60)を行うことにより、遮光領域Bと同じ矩形パターンの開口部を形成したレジストパターン22aを形成した。このときレジストパターン22aの開口幅は3mmとし、矩形パターンはマスク中心部に配置された回路パターン領域A(10cm×10cm)の外側3μmの距離に配置した。
次に、反射型フォトマスクをN雰囲気下でOTS(octadecyltrichlorosilane)分子の溶解した無水トルエン溶液に5分間浸漬した。これにより、オクタデシル基を末端に持つ自己組織化単分子膜18を、レジストパターン22a及び露出した吸収膜14の表面14a上に形成した(図27(d):S61)。
次に、吸収膜14の露出した表面14aに、別のフォトマスクを介して紫外線を照射し(図27(e):S62)、吸収膜14の表面14aにおける自己組織化単分子膜18中で、紫外線が照射された領域のみをシラノール基へと変性させた。これにより、吸収膜14の露出した表面14a上に、深さが50nmの凹部18aを複数形成し、自己組織化単分子膜18にホールパターンの凹凸パターンを形成した。
尚、以下の工程は、上記した第二実施形態における工程S40〜S44の場合と同じとなるため、これらについては説明を省略する。このようにして、基板11が露出される遮光領域Bを形成する工程と、基板11の露出した部分に複数の凸部1を形成する工程とが一体的に行われ、基板11の露出と同時に凸部1が形成されることとなる。
第六実施形態によれば、リソグラフィ技術及びエッチング技術を2回用い、自己組織化単分子膜18を1回用いて、基板11の表面11bに微細な凹凸パターンCを形成する。
(第六実施形態の効果)
第六実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法によれば、第五実施形態の効果に加え、吸収膜14の露出した表面14a上に凹部18aを形成することで、吸収膜14自体に凹凸パターン領域Bを形成することなく、基板11に凸部1を形成することができる。
(第七実施形態)
次に、第七実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法を、図28〜図30を用いて説明する。
第七実施形態は、上記した第六実施形態と同じように吸収膜14をパターニングするものではなく、吸収膜14の表面が粗くなるように加工し、吸収膜14に凹凸状の表面14bを形成するものである。すなわち、エッチングマスクとしての膜を形成することがない点が第六実施形態と異なる。これにより、吸収膜14の表面を平坦とせず、吸収膜14の表面に高低差を付与する。そしてこの凹凸状の表面14bを用いて、遮光領域Bを形成するエッチングを行う。
吸収膜14に、凹凸状の表面14bを具備させる方法としては、例えば、プラズマ処理、ウェット処理、マイクロブラスト処理、イオン注入処理等によって、吸収膜の表面にダメージを与える方法がある。これらの方法によれば、エッチングマスクとしての膜を形成することなく、吸収膜14の表面そのものを粗く形成する。また微粒子堆積処理を用いれば、エッチングマスクとしての膜を形成しないとともに、吸収膜14の表面を直接加工することなく、吸収膜14に凹凸状の表面14bを具備させる。
以下、具体的な製造方法を上記方法毎に説明する。図28は、各方法の製造工程のフローチャートを、図29は、各方法の製造過程における反射型フォトマスクの断面を示す。
(プラズマ処理)
まず、プラズマ処理により遮光領域Bの吸収膜14に凹凸状の表面14bを具備させる方法を説明する。この方法は、第五実施形態で説明した上記工程S52(図27(a)参照)までは同じ工程を有する。次に、上記工程S52までが施された反射型フォトマスクに、i線描画機(ALTA)により遮光枠となる領域を描画(S63)する。そして、現像(S64)を行うことにより、遮光領域Bと同じ矩形パターンの開口部を有するレジストパターン22aを形成する(図29(a))。
次に、この反射型フォトマスクに、例えば、Arプラズマを用いてドライエッチングを施す(S65)。これにより吸収膜14の表面を粗く加工し、凹凸状の表面14bを形成する。尚、後続する工程は、上記した第五実施形態における実施例2(S35〜S44参照)の場合と同じであるため、これらについては説明を省略する。このようにプラズマ処理を用いて、基板11の表面11bに凹凸状の表面14bを形成することができる。
(ウェット処理)
次に、ウェット処理により遮光領域Bの吸収膜14に凹凸状の表面14bを具備させる方法を説明する。この方法は、上記(プラズマ処理)における工程S64(図29(a)参照)までは同じ工程を有する。
次に、工程S64までが施された反射型フォトマスクに対して、洗浄機(不図示)を用いて、例えば、NH:HF:HOの水溶液により洗浄を行う(S66)。これにより吸収膜14の表面を粗く加工し、凹凸状の表面14bを形成する。後続する工程については、上記(プラズマ処理)の場合と同様である。
(マイクロブラスト処理)
次に、マイクロブラスト処理により遮光領域Bの吸収膜14に凹凸状の表面14bを具備させる方法を説明する。この方法は、第五実施形態で説明した上記工程S51(図24(e)参照)までは同じ工程を有する。次に、上記工程S51までが施された反射型フォトマスクの吸収膜14の上面に、例えば、紫外線硬化性のレジストフィルム25を密着させて貼り合わせる(図29(b):S67)。貼り合わせには、例えばラミネーター(不図示)を用いて、熱による圧着を行う。
次に、露光装置(不図示)を用いて、レジストフィルム25に紫外線を照射する(図29(c):S68)。これにより、当該照射部位のレジストフィルム25を硬化させる。そして、反射型フォトマスクを露光(S69)させ、反射型フォトマスクを現像(S70)することにより、遮光領域Bと同じ矩形パターンの開口部を有するレジストパターン25aを形成する(図29(d))。
次に、マイクロブラスト装置(不図示)を用いて、例えばレジノイド砥石(不図示)を噴射する(S71)。これにより吸収膜14の表面を粗く加工し、凹凸状の表面14bを形成する(図28(d))。後続の工程については、上記(プラズマ処理)の場合と同様である。
(イオン注入処理)
次に、イオン注入処理により遮光領域Bの吸収膜14に凹凸状の表面14bを具備させる方法を説明する。この方法は、(プラズマ処理)で説明した上記工程S70(図29(d)参照)までは同じ工程を有する。
次に、上記工程S70までが施された反射型フォトマスクに対して、イオン注入装置(不図示)を用いて、例えば、ホウ素(B)を注入する(S72)。これにより吸収膜14の表面を粗く加工し、凹凸状の表面14bを形成する(図29(e)参照)。後続の工程については、上記(プラズマ処理)の場合と同様である。
イオン注入処理では、吸収膜14の表面を粗く加工できることに加え、吸収膜14に注入されたイオン(dopant)の濃度むらを形成し、これに起因するエッチング処理のレート差を発現させることができるという効果を有する。
(微粒子堆積)
次に、遮光領域Bの吸収膜14に微粒子堆積を行い、遮光領域Bの吸収膜14に凹凸状の表面14bを具備させる方法を説明する。この方法は、(マイクロブラスト処理)で説明した上記工程S68(図29(d)参照)までは同じ工程を有する。
次に、上記工程S68までが施された反射型フォトマスクに対して、スピンコートを用いて、真球状のポリスチレンラテックスを含む懸濁液を滴下(S73)する。そして、ポリスチレンラテックスを吸収膜14の表面に均一に塗布する。塗布されたポリスチレンラテックスは吸収膜14の表面で凝集し、凝集したポリスチレンラテックスの凝集体26の寸法は約60nm〜800nmの範囲となる。こうしたポリスチレンラテックスの凝集体26が複数、吸収膜14の表面に分布する(図29(f))。このように吸収膜14に微粒子であるポリスチレンラテックスを堆積させ、付着させる。
この吸収膜14の表面に付着した微粒子によって、吸収膜14の表面に高低差が生じ、吸収膜14に凹凸状の表面14bが具備される。後続の工程については、上記(プラズマ処理)の場合と同様である。
上記した各方法を用いることにより、基板11が露出される遮光領域Bを形成する工程と、基板11の露出した部分に複数の凸部1を形成する工程とが一体的に行われ、基板11の露出と同時に凸部1が形成されることとなる。
第七実施形態によれば、リソグラフィ技術及びエッチング技術を2回用いるとともに、上記した各方法のうちいずれかを1回用いて、遮光領域Bの基板11に微細な凹凸パターンCを形成する。
(第七実施形態の効果)
第七実施形態に係る反射型フォトマスクの製造方法は、第五実施形態のように、吸収膜14をパターニングすることがないので、反射型フォトマスク10の製造工程を減少し、生産性を高めることができる。また第六実施形態のように、エッチングマスクとしての膜を形成することがないので、より反射型フォトマスク10の生産性を高めることができる。
尚、上記したプラズマ等によるダメージを付与する方法や、微粒子堆積を行う際、膜ダメージや微粒子が、所定の領域以外の領域に及ばないようにするため、あらかじめ防護用の膜を別途形成したり、防護用のフィルムを配設したりすることが望ましい。第七実施形態におけるレジスト22及びレジストフィルム25が、この防護用のフィルムに相当する。
(本発明に係るその他の記載事項)
本発明に係る反射型フォトマスクは、上記した各実施形態に限定されるものではない。例えば、上記した各実施形態に係るEUV光は13.5nmの波長のEUV光が用いられているが、本発明に係るEUV光の波長としてはこれに限定されず、例えば6〜7nmレベル等、他の波長が選択されてもよい。
また、本発明に係る反射型フォトマスクの反射膜は、上記各実施形態に示した多層反射膜に限定されず単層であってもよい。また、本発明に係る反射型フォトマスクは、基板に裏面導電膜を設けない構成であってもよい。
また、本実施形態に係る遮光領域の形状は平面視で略矩形とされるが、本発明に係る遮光領域の形状としてはこれに限定されず、例えば正方形、円形等、他の形状とされてもよい。
また、本実施形態に係る凸部は、遮光領域の中の基板の露出した部分全体に形成されているが、本発明に係る凸部はこれに限定されず、アウトオブバンド光の反射を抑制できる限り、基板の露出した部分の一部に形成される態様であってもよい。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例または実施形態も網羅すると解すべきである。
1 凸部
3 側面
9 反射型フォトマスクブランク
10 反射型フォトマスク
11 基板
12 多層反射膜
13 保護膜
14 吸収膜
15 回路パターン
A 回路パターン領域
回路パターン予定領域
B 遮光領域
凹凸パターン領域
P ピッチ

Claims (5)

  1. 基板と、
    該基板上に形成され、リソグラフィ用として波長5nm以上15nm以下の光を含む露光光を反射する多層反射膜と、
    該多層反射膜上に形成され、前記露光光を吸収するとともに、回路パターン又は回路パターンが形成される回路パターン形成予定領域の一方が形成される吸収膜と、
    前記回路パターン又は前記回路パターン形成予定領域の一方の外周側で、前記基板上の前記多層反射膜及び前記吸収膜の一部が除去されて形成され、前記多層反射膜で反射する前記露光光の一部を遮光する遮光領域と、
    該遮光領域の露出した前記基板の表面の一部に3000nm以下のピッチで形成され、前記露光光に含まれる140nm以上800nm以下の波長を有し前記遮光領域に入射するアウトオブバンド光の反射を抑制する複数の凸部と、
    を具備する反射型フォトマスク。
  2. 前記凸部は、前記吸収膜側から前記基板側へ拡径形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスク。
  3. 前記凸部の側面は、湾曲面であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の反射型フォトマスク。
  4. 基板上にリソグラフィ用として波長5nm以上15nm以下の光を含む露光光を反射する多層反射膜を積層する工程と、
    前記積層された多層反射膜上に、前記露光光を吸収するとともに、回路パターン又は回路パターンが形成される回路パターン形成予定領域の一方が形成される吸収膜を積層する工程と、
    前記回路パターン又は前記回路パターン形成予定領域の一方の外周側で、前記基板上の前記多層反射膜及び前記吸収膜の一部を除去し、前記多層反射膜で反射する前記露光光の一部を遮光する遮光領域を形成する工程と、
    前記形成された遮光領域の露出した前記基板の表面の一部に、前記露光光に含まれる140nm以上800nm以下の波長を有するアウトオブバンド光の反射を抑制する複数の凸部を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする反射型フォトマスクの製造方法。
  5. 前記遮光領域を形成する処理と前記複数の凸部を形成する処理とを一体的に実行し、前記基板の表面の露出と前記凸部の形成とを同時に行うことを特徴とする請求項4に記載の反射型フォトマスクの製造方法。
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