JPWO2014171503A1 - ガラス積層体、透明樹脂層付き薄膜ガラス、液晶表示装置および有機el表示装置 - Google Patents

ガラス積層体、透明樹脂層付き薄膜ガラス、液晶表示装置および有機el表示装置 Download PDF

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Abstract

ガラス積層体としての基板(11)は、樹脂層(21)、接着層(22)、薄膜ガラス(23)、接着層(24)、偏光層(25)がこの順序で積層されて構成される。樹脂層(21)、(24)は、反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物との共縮合物を含む。樹脂層(21)の単位ひずみ当たりの引張荷重が50N以上である。偏光層(25)は、ポリビニルアルコール系樹脂を含んでいる。

Description

本発明は、薄膜ガラス上に接着剤を介して樹脂層を積層したガラス積層体および透明樹脂層付き薄膜ガラスと、それらを備えた液晶表示装置および有機EL(Electro-Luminescence)表示装置とに関するものである。
近年、表示装置の大型化が進む一方でモバイル化も進んでおり、薄型・軽量な表示装置が必要とされている。表示装置には、一般的にガラス基板が使用されており、このガラス基板を薄膜化することで、表示装置を薄型・軽量にすることができる。しかし、ガラス基板を薄膜化すると、ガラス基板が割れやすくなり、ハンドリング性が悪くなる。この対策として、薄膜ガラスとフィルムを貼り合わせ、薄膜ガラスの柔軟性及び割れ性を補う手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、厚さ0.1μm〜100μmのガラスフィルムに接着剤を介して樹脂フィルムを接着することで、ガラスフィルムを取り扱う際の破損低減を図っている。このように、薄膜ガラスに接着剤を介してフィルムを貼り合わせる手法は、特許文献2でも提案されている。
一方、特許文献3では、厚さ50μmの極薄ガラスを、接着剤の付いたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの間に挟み込み、ラミネートすることで、フィルム全体に可撓性を持たせながら強度を強めるようにしている。
なお、用いる接着剤の例としては、特許文献1ではアクリル系粘着剤が挙げられており、特許文献2では熱硬化性のエポキシ樹脂が挙げられているが、特許文献3ではその具体例は開示されていない。
特開2001−97733号公報(請求項1、段落〔0017〕、〔0059〕等参照) 特開2009−94050号公報(請求項1、段落〔0008〕、図1等参照) 特開2002−299041号公報(請求項1、段落〔0013〕、〔0016〕、図1等参照)
上述のように、薄膜ガラスに接着剤を介してフィルムを貼り合わせることで、薄膜ガラスの強度を補うことができる。このようなフィルム付きの薄膜ガラスを液晶表示装置に適用する場合、例えば、薄膜ガラス上のフィルムに偏光板としての機能を持たせて、ガラス積層体を構成することができれば、このガラス積層体を用いて液晶セル(液晶層を2枚の基板で挟持したもの)を作製することができ、液晶セルの作製後に偏光板を貼り合わせる工程が不要となるため、望ましい。
ここで、液晶表示装置に用いられる偏光板は、一般的に、偏光層(偏光子)の表面および裏面に、それぞれ表面保護フィルムおよび裏面保護フィルムを貼り合わせて構成される。ガラス積層体を構成するにあたって、上記の3層構造の偏光板をそのままフィルムとして薄膜ガラス上に積層してもよいが、偏光層の裏面側は薄膜ガラスで保護されるため、裏面保護フィルムを省略してガラス積層体を構成してもよい。つまり、偏光層を直接接着剤と接触させて薄膜ガラス上に積層して、ガラス積層体を構成してもよい。この場合、裏面保護フィルムを不要とする分、ガラス積層体の薄型化およびコストダウンを図ることができる。
ところが、偏光層を直接接着剤と接触させて薄膜ガラス上に積層して耐久試験を行った結果、耐久性およびハンドリング性に問題があることがわかった。これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、上記接着剤として、従来のアクリル系粘着剤を用いた場合、材質の異なる薄膜ガラスと偏光層(樹脂)との両方に対して良好な接着性を確保することができないため、薄膜ガラスに対する偏光層の密着性が低下する。このため、耐久試験時の環境変動によって偏光層が劣化しやすくなり、偏光度にムラが生じる。また、薄膜ガラスと偏光層との密着性低下により、ガラス積層体の曲げ剛性(曲げに対する強度)が低下するため、ハンドリング性が悪くなり、取り扱い時にガラスが破損しやすくなる。
さらに、上記の液晶表示装置がモバイル用途、車載用途、デジタルサイネージ用途など様々な用途で利用されることを考えると、多様な環境に置かれる可能性がある。特に、デジタルサイネージ用途ではこれまでとは異なる利用法が想定される。例えば、自動車の車体に貼り付けて屋外広告として利用したり、工事現場の案内表示として利用したりすることなどが考えられる。
このような用途では、屋外の塵芥、工事で使用される油や皮脂などを落とすために水を用いて繰り返し洗浄される。このとき、上記のガラス積層体の偏光層は大きく伸縮し、ガラス積層体全体にその応力が伝播することにより、ひびや割れが生じるおそれがある。よって、ガラス積層体には洗浄によるひびや割れが生じない程度の耐水性も必要となる。
また、上記のガラス積層体を有機EL(Electro-Luminescence)表示装置に適用することも考えられる。
また、薄膜ガラスに接着剤を介して透明な樹脂層を接着して透明樹脂層付き薄膜ガラスを形成する場合に、上記接着剤として、従来のアクリル系粘着剤やエポキシ系接着剤を用いると、材質の異なる薄膜ガラスと透明樹脂層との両方に対して良好な接着性を確保することができないため、薄膜ガラスに対する透明樹脂層の密着性が低下する。このため、透明樹脂層付き薄膜ガラスの曲げ剛性(曲げに対する強度)が低下し、取り扱い時に破損しやすくなる(耐衝撃性が低下する)。したがって、上記接着剤としては、薄膜ガラスと透明樹脂層との両方に対して良好な接着性を確保できるものを用いることが望ましい。
しかし、このような接着剤を用いて、薄膜ガラスの両面に透明樹脂層をそれぞれ接着し、(両面)透明樹脂層付き薄膜ガラスを構成すると、薄膜ガラスと透明樹脂層との密着性が高いがゆえに、透明樹脂層が収縮したときにその収縮が薄膜ガラスの反りに与える影響が大きくなる。このため、以下の問題が生ずる。
近年では、透明樹脂層付き薄膜ガラスの薄型・軽量化により、透明樹脂層付き薄膜ガラスを使用した表示装置の利用環境が変化しつつあり、これまではほとんど考えられなかったような環境下で表示装置が使用されるケースが増え始めている。具体的は、透明樹脂層付き薄膜ガラスを用いた表示装置の薄型・軽量化により、表示装置の持ち運びの際の制約が非常に少なくなり、表示装置を気楽で自由に持ち運べるようになったため、温泉施設や家庭の風呂場に表示装置を持ち込んで、入浴中に表示情報(テレビの映像、インターネットや電子メールなどの情報を含む)を見るというような、従来はあまり想定されていなかった使用形態が増え始めている。
ここで、透明樹脂層のポリマー配向(主にポリマー主鎖の配向と推定される)と、透明樹脂層の引っ張り弾性率との間には相関関係があり、透明樹脂層はポリマー配向の方向に引っ張り弾性率が大きく、それゆえ、同方向に収縮しやすい。したがって、両面の各透明樹脂層において引っ張り弾性率が大きい方向(収縮しやすい方向)を適切に設定しておかないと、常温常湿では、薄膜ガラスの両側で透明樹脂層の引っ張り(収縮)のバランスがとれていたとしても、超高湿環境下では、透明樹脂層が水分を吸収して収縮することで、とれていたバランスが崩れやすくなる。その結果、超高湿環境下では、透明樹脂層付き薄膜ガラスが反りやすくなり、それを用いた表示装置が破損もしくは表示不良を起こす。特に、透明樹脂層の透湿度(水蒸気透過率)が高いと、透明樹脂層が大気中の水分を吸収しやすいために、収縮のバランスがさらに崩れやすくなり、上記の問題がさらに生じやすくなる。
本発明の目的は、前記の事情に鑑み、偏光層を直接接着剤と接触させて薄膜ガラス上に積層した構成であっても、環境変動による偏光層の劣化を抑えるとともに、ハンドリング性を向上させ、さらに、水を用いて繰り返し洗浄してもひびや割れが生じないガラス積層体と、それを備えた液晶表示装置および有機EL表示装置とを提供することにある。
本発明の他の目的は、前記の事情に鑑み、薄膜ガラスと透明樹脂層との密着性を向上させた構成で、超高湿環境下で使用する場合であっても、薄膜ガラスの両側の各透明樹脂層での収縮のバランスを維持して反りを低減できる透明樹脂層付き薄膜ガラスと、それを備えた液晶表示装置および有機EL表示装置とを提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
1.樹脂層、第1の接着剤、薄膜ガラス、第2の接着剤、偏光層がこの順序で積層されており、
第1及び第2の接着剤は、反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物との共縮合物を含み、
前記樹脂層の単位ひずみ当たりの引張荷重が50N以上であり、
前記偏光層は、ポリビニルアルコール系樹脂を含んでいることを特徴とするガラス積層体。
2.前記樹脂層は、セルロースエステルを含んでいることを特徴とする前記1に記載のガラス積層体。
3.前記水酸基含有高分子化合物は、セルロース誘導体又はポリビニルアルコールを含んでいることを特徴とする前記1又は2に記載のガラス積層体。
4.前記セルロース誘導体がセルロースエステル系樹脂である特徴とする前記3に記載のガラス積層体。
5.前記セルロースエステル系樹脂の総アシル基置換度が1.0〜2.6である特徴とする前記4に記載のガラス積層体。
6.前記反応性金属化合物が、シリコンアルコキシドであることを特徴とする前記1〜5の何れかに記載のガラス積層体。
7.前記薄膜ガラスの膜厚が5〜100μmであることを特徴とする前記1〜6の何れかに記載のガラス積層体。
8.液晶層を一対の基板で挟持してなる液晶表示装置であって、
前記一対の基板の少なくとも一方が、前記1〜7の何れかに記載のガラス積層体を有していることを特徴とする液晶表示装置。
9.有機EL素子の前面にカバーガラスを配置してなる有機EL表示装置であって、
前記カバーガラスが、前記1〜7の何れかに記載のガラス積層体を有していることを特徴とする有機EL表示装置。
10.薄膜ガラスの両面に接着層を介して透明樹脂層がそれぞれ積層された透明樹脂層付き薄膜ガラスであって、
前記接着層は、反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物との共縮合物を含んでおり、
前記薄膜ガラスの一方の面側の透明樹脂層と他方の面側の透明樹脂層とで、引っ張り弾性率が最大になる方向のずれが10°以内であり、
少なくとも一方の透明樹脂層の水蒸気透過率が、1000g/m2・24hrよりも小さいことを特徴とする透明樹脂層付き薄膜ガラス。
11.前記各透明樹脂層の引っ張り弾性率が、1GPa〜6GPaであることを特徴とする前記10に記載の透明樹脂層付き薄膜ガラス。
12.少なくとも一方の透明樹脂層の面内位相差が、30nm〜200nmであることを特徴とする前記10又は11に記載の透明樹脂層付き薄膜ガラス。
13.前記薄膜ガラスの平均厚さは、5〜200μmであることを特徴とする前記10〜12の何れかに記載の透明樹脂層付き薄膜ガラス。
14.液晶層を一対の基板で挟持してなる液晶表示装置であって、
前記一対の基板の少なくとも一方が、前記10〜13の何れかに記載の透明樹脂層付き薄膜ガラスを有していることを特徴とする液晶表示装置。
15.有機EL素子の前面にカバーガラスを配置してなる有機EL表示装置であって、
前記カバーガラスが、前記10〜13の何れかに記載の透明樹脂層付き薄膜ガラスを有していることを特徴とする有機EL表示装置。
反応性金属化合物に含まれる金属成分は、ガラス成分と共有結合することができる。一方、水酸基含有高分子化合物は、水酸基を含んでおり、樹脂との親和性が高い。このため、第1及び第2の接着剤が、反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物との共縮合物であり、反応性金属化合物の特性と水酸基含有高分子化合物の特性とを両方持つことにより、薄膜ガラスと樹脂層又は偏光層との両方に対して良好な接着性を確保することができる。そして、第1又は第2の接着剤を介して、薄膜ガラスと樹脂層又は偏光層との密着性を向上させることができる。これにより、環境変動によって偏光層が劣化して偏光度にムラが生じるのを抑えることができる。また、ガラス積層体の曲げ剛性を高めることができ、ハンドリング性を向上させることができる(取り扱い時におけるガラスの破損を低減できる)。
また、樹脂層として単位ひずみ当たりの引張荷重が大きなフィルムを用いることにより、水に対する偏光層の伸縮によるガラス積層体の反りを抑えることができ、ひびや割れを防止できる。よって、本発明のガラス積層体は、水を用いて繰り返し洗浄するような用途で利用されても、長期間に亘って問題なく使用することができる。
また、上述のように、反応性金属化合物に含まれる金属成分は、ガラス成分と共有結合することができ、水酸基含有高分子化合物は樹脂との親和性が高いため、薄膜ガラスと透明樹脂層とを接着する接着層が、反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物との共縮合物であり、反応性金属化合物の特性と水酸基含有高分子化合物の特性とを両方持つことにより、薄膜ガラスと透明樹脂層との両方に対して良好な接着性を確保することができる。これにより、上記接着層を介して、薄膜ガラスと透明樹脂層との密着性を向上させて耐衝撃性を向上させることができる。また、一般的に、有機系の化合物と無機系の化合物とは相溶性に乏しいが、これらの縮合物を構成することで、単層構造で双方の特性を有する接着層を容易に実現することができる。
また、薄膜ガラスの一方の面側の透明樹脂層と他方の面側の透明樹脂層とで、引っ張り弾性率が最大になる方向のずれが10°以内であるので、各透明樹脂層の配向状態(配向方向)がほぼ一方向に揃い、各透明樹脂層の収縮の大きい方向もほぼ一方向(配向方向)に揃う。これにより、超高湿の環境下であっても、薄膜ガラスの両側の各透明樹脂層で収縮のバランスを維持することができ、透明樹脂層付き薄膜ガラスが反るのを低減することができる。
しかも、少なくとも一方の透明樹脂層の水蒸気透過率が、1000g/m2・24hrよりも小さいので、上記透明樹脂層における水分の吸収およびそれよる収縮を抑えて、上記反りを確実に低減することができる。なお、各透明樹脂層の両方が低透湿である場合は勿論のこと、一方のみが低透湿である場合でも、他方の透明樹脂層が大気側とは反対側(例えば液晶層側)となるように透明樹脂層付き薄膜ガラスを使用して、他方の透明樹脂層における水分の吸収および収縮を抑えることで、反りを低減することができる。
本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の概略の構成を示す断面図である。 上記液晶表示装置に適用されるガラス積層体の一構成例を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の概略の構成を示す断面図である。 上記液晶表示装置および上記有機EL表示装置に適用される透明樹脂層付き薄膜ガラスの概略の構成を示す断面図である。 上記有機EL表示装置の構成を簡易的に示す断面図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をA〜Bと表記した場合、その数値範囲に下限Aおよび上限Bの値は含まれるものとする。
〔液晶表示装置の構成〕
図1は、本実施形態の液晶表示装置1の概略の構成を示す断面図である。液晶表示装置1は、液晶パネル2と、液晶パネル2を照明するバックライト3とを有している。液晶パネル2は、2枚の基板11・12で液晶層13を挟持して構成されている。液晶層13は、2枚の基板11・12間でシール材14によってシールされている。
2枚の基板11・12のうち、液晶層13に対してバックライト3側とは反対側に位置する基板11は、樹脂層及び偏光層を有するガラス積層体で構成されているが、その詳細については後述する。基板12のバックライト3側には、上記偏光層とクロスニコル状態の偏光板(図示せず)が配置されている。なお、上記偏光板を配置する代わりに、基板12もガラス積層体で構成してもよい。
基板12の液晶層13側には、各画素に対応する画素電極と、各画素における表示のON/OFFを制御するためのスイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)と、TFTと接続される各種配線(走査線、信号線を含む)と、液晶分子を配向させるための配向膜とが形成されている。基板11の液晶層13側には、共通電極と、カラー表示を行うためのカラーフィルタと、配向膜とが形成されている。
上記の構成において、バックライト3から出射された光のうち、液晶パネル2の裏面側の偏光板を透過した光(直線偏光)は、基板12を介して液晶層13に入射し、液晶層13の厚み方向に伝播しながら、液晶のもつ屈折率異方性(複屈折)に応じてその偏光状態が変化する。液晶層13を介して基板11に入射した光のうち、特定方向の偏光成分の光だけが基板11の偏光層を通過し、表示光として視認側に出射される。したがって、TFTのON/OFF制御により、画素ごとに液晶層13に印加する電圧を変化させて液晶分子の配向を変化させることにより、映像を表示することができる。
なお、液晶表示装置1の表示モードは特に限定されるものではない。上記表示モードとしては、例えば、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertical Alignment)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)があるが、いずれの表示モードを採用してもよい。
〔ガラス積層体について〕
次に、ガラス積層体としての基板11について説明する。図2は、基板11の一構成例を示す断面図である。基板11は、樹脂層21、接着層22(第1の接着剤)、薄膜ガラス23、接着層24(第2の接着剤)、偏光層25、保護層26がこの順序で積層されて構成されている。
なお、接着層22、24が明確に層として存在していない場合も本発明の範囲に含まれる。これは接着層22、24に含まれる成分が樹脂層21あるいは偏光層25へ浸透、反応することにより、一体化した状態が想定される。
樹脂層21は、基板11の強度を向上させる層であり、光学的に透明な樹脂であれば特に限定はない。そして、樹脂層21の単位ひずみ当たりの引張荷重が50N以上であればよい。この理由については後述する。
偏光層25は、所定の直線偏光を透過する偏光子であり、ポリビニルアルコール系樹脂を含んでいる。例えばポリビニルアルコールフィルムを二色性色素で染色し、高倍率延伸することで得られる。保護層26は、偏光層25の表面を保護する目的で設けられており、紫外線硬化型接着剤を介して偏光層25に接着されたり、ポリビニルアルコール水溶液を接着剤(水糊)として偏光層25に貼り合わせられる。
接着層22、24は、反応性金属化合物(無機系の化合物)と水酸基含有高分子化合物(有機系の化合物)との縮合物(共縮合物)を含む、有機−無機ハイブリッド型の接着層(HB糊)である。反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物の共縮合物とは、反応性金属化合物から生じた水酸基と水酸基含有高分子化合物中の水酸基が縮合反応した構造を含むことを意味する。反応性金属化合物としては、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)やテトラメトキシシラン(TMOS)などのシリコンアルコキシドを用いることができる。また、水酸基含有高分子化合物としては、例えばジアセチルセルロース(DAC)やセルロースアセテートプロピオネート(CAP)を用いることができる。なお、反応性金属化合物および水酸基含有高分子化合物の詳細については後述する。
反応性金属化合物に含まれる金属成分は、共有結合などの化学結合により、ガラスの材料成分と強固に結びつきやすい。また、水酸基含有高分子化合物は水酸基を含んでいるため、樹脂層21及び樹脂からなる偏光層25との親和性を向上させて、接着性を向上させることができる。また、有機系の化合物と無機系の化合物とは相溶性に乏しいが、これらの縮合物を構成することで、単層構造で双方の特性を有する接着層22、24を構成することができる。
したがって、上記の有機−無機ハイブリッド型の接着層22、24を用いることにより、接着層22、24を介して薄膜ガラス23と樹脂層21又は偏光層25との密着性を向上させることができる。これにより、耐久試験時の環境変動によっても偏光層25が劣化しにくくなり、偏光度にムラが生じるのを抑えることができる。また、薄膜ガラス23と樹脂層21又は偏光層25との密着性向上により、ガラス積層体としての基板11の曲げ剛性を高めることができ、ハンドリング性を向上させて、取り扱い時におけるガラスの破損を低減することができる。
また、偏光層25に含まれるポリビニルアルコール系樹脂は親水性が強いため、水酸基を含有する接着層22と偏光層25との親和性がさらに向上し、薄膜ガラス23と偏光層25との密着性がさらに向上する。したがって、偏光層25がポリビニルアルコール系樹脂を含む場合には、水酸基を含有する接着層24を用いる構成が非常に有効となる。
上記した偏光層25の厚さは、10μm以下であることが望ましい。この場合、偏光層25の薄型の構成で、上述した効果を得ることができる。
一方で、偏光層25に含まれるポリビニルアルコール系樹脂は親水性が強いため、偏光層25は水に対する伸縮が大きい。そのため、屋外の塵芥、工事で使用される油や皮脂などを落とすために水を用いて繰り返し洗浄された場合、偏光層25が大きく伸縮し、基板11全体にその応力が伝播する。このとき、基板11が反るとひびや割れが生じるおそれがあるが、本実施形態のように樹脂層21が積層されていると、基板11の強度が増して反りが抑えられ、ひびや割れを防止できる。
また、上記の水酸基含有高分子化合物は、総アシル基置換度が1.0〜2.6のセルロースエステルであることが望ましい。このようなセルロースエステルとしては、例えばジアセチルセルロース(DAC)やセルロースアセテートプロピオネート(CAP)を用いることができる。このようなセルロースエステルは、水酸基を含有し、樹脂層21や樹脂からなる偏光層25との親和性が向上するため、樹脂層21又は偏光層25との接着性を向上させる材料として非常に有効である。
ところで、基板11上にカラーフィルタを形成する場合、例えばラテント顔料をインクとして用い、インクジェット方式によってカラーフィルタを形成する方法がある。この方式では、ラテント顔料の定着のために加熱が必要となる。そこで、この加熱に対する耐熱性の観点から、樹脂層21としては、トリアセチルセルロース(TAC)など、耐熱性を有するセルロース系樹脂を用いることが望ましい。
なお、TFTが形成される基板12側にカラーフィルタを形成した、いわゆるCOA(Color filter On Array)方式の液晶表示装置では、基板11の樹脂層21にカラーフィルタ形成時の耐熱性は不要であるため、樹脂層26をセルロース系樹脂以外の樹脂で構成することができる。
また、液晶表示装置において、液晶の駆動方式としては、上述のように、IPS方式、TN方式、VA方式などがあるが、IPS方式は、TN方式やVA方式に比べて視野角性能に優れているという特徴がある。このため、IPS方式の場合は、樹脂層21における位相差はほとんどゼロであることが望ましい(位相差がゼロに近いほうが視認性を向上させることができる)。したがって、樹脂層21の面内位相差Roが0〜5nmであり、厚み方向の位相差Rtが−10〜10nmであることが望ましい。
〔有機EL表示装置の構成〕
図3は、本実施形態の有機EL表示装置31の概略の構成を示す断面図である。上記したガラス積層体である基板11は、有機EL表示装置31にも適用することができる。この場合、樹脂層21に位相差機能を持たせ、λ/4位相差層とする。
有機EL表示装置31は、有機EL素子32と、カバーガラスとしての基板11とを有している。なお、同図では、有機EL素子32および基板11を明確に区別するために、これらを離間して図示しているが、実際には密着している。
有機EL素子32は、OLED(Organic light-Emitting Diode)とも呼ばれる表示ディスプレイであり、ガラスやポリイミド等を用いた基板33上に、順に、例えばアルミニウムからなる金属電極34、発光層35および透明電極(例えばITO;Indium Tin Oxide)36を有して構成されている。なお、本来、透明電極36上には、表面保護のための封止ガラスが設けられるが、本実施形態では、基板11をこの封止ガラスの代わりとして用いている。
金属電極34と透明電極36とに電圧を印加すると、発光層35に対して、金属電極34および透明電極36のうちで陰極となる電極から電子が注入され、陽極となる電極から正孔が注入され、両者が発光層35で再結合することにより、発光層35の発光特性に対応した可視光線の発光が生じる。発光層35で生じた光は、直接、または金属電極34で反射した後、透明電極36および基板11を介して外部に取り出されることになる。
基板11は、透明電極36の表面を保護するとともに、有機EL素子2に入射する外光の反射を防止するために設けられている。
基板11に入射する外光のうち、偏光層25を透過した光(直線偏光)は、λ/4位相差層(樹脂層21)によって円偏光に変換され、有機EL素子32の金属電極34で反射される際に位相が180°反転し、逆回りの円偏光として反射される。この反射光は、再びλ/4位相差層に入射して、偏光層25の透過軸に垂直な直線偏光に変換され、偏光層25で全て吸収されることになる。
上記した有機EL素子32の発光層35が例えば白色を発光するように構成されている場合、カラー表示に対応するためには、R(赤)・G(緑)・B(青)のカラーフィルタが必要となる。この場合、例えばラテント顔料をインクとして用い、インクジェット方式によって基板11のλ/4位相差層側にカラーフィルタを形成する手法がある。この方式では、ラテント顔料の定着のために加熱が必要となる。そこで、この加熱に対する耐熱性の観点から、λ/4位相差層としては、トリアセチルセルロース(TAC)など、耐熱性を有するセルロース系樹脂を用いることが望ましい。
なお、発光層35がRGBのそれぞれ光を発光するように構成されている場合、λ/4位相差層には上記したカラーフィルタ形成時の耐熱性は不要であるため、λ/4位相差層をセルロース系樹脂以外の樹脂(例えばポリカーボネート樹脂)で構成することができる。
また、λ/4位相差層の遅相軸と偏光層25の吸収軸とのなす角度が、30〜60°に設定されていると、偏光層25を透過した直線偏光を円偏光または楕円偏光に変換して金属電極34に導き、金属電極34からの反射光(上記とは逆回りの円偏光または楕円偏光)を偏光層25の透過軸と直交する方向の直線偏光に変換して、外光の反射を防止することができる。
〔透明樹脂層付き薄膜ガラスについて〕
次に、上記した表示装置に適用可能な、本実施形態の透明樹脂層付き薄膜ガラスについて説明する。図4は、本実施形態の透明樹脂層付き薄膜ガラス40の概略の構成を示す断面図である。
図1で示した液晶表示装置1の基板11・12の少なくとも一方は、図4に示す透明樹脂層付き薄膜ガラス40で構成されてもよい。透明樹脂層付き薄膜ガラス40は、上述したガラス積層体のように、偏光層25を有していない。このため、基板11・12の外側(液晶層13とは反対側)には、偏光板(図示せず)がクロスニコル状態で配置される。なお、高分子分散型液晶表示装置の場合、上記の偏光板は不要である。また、図5に示すように、透明樹脂層付き薄膜ガラス40を、有機EL表示装置31のカバーガラス37として用いてもよい。以下、透明樹脂層付き薄膜ガラス40について説明する。
透明樹脂層付き薄膜ガラス40は、薄膜ガラス41の一方の面側に、接着層42および透明樹脂層43をこの順で積層し、他方の面側に、接着層44および透明樹脂層45をこの順で積層して構成されている。
なお、接着層42・44が明確に層として存在していない場合も本発明の範囲に含まれる。これは接着層42・44に含まれる成分が透明樹脂層43・45へ浸透、反応することにより、一体化した状態が想定される。
透明樹脂層43は、セルロース系樹脂やポリカーボネート樹脂(PC)を含んで構成されるが、耐熱試験時の耐熱性の観点からは、耐熱性を有するセルロース系樹脂を含んでいることが望ましい。このようなセルロース系樹脂としては、例えばジアセチルセルロース(DAC)やセルロースアセテートプロピオネート(CAP)を用いることができる。
透明樹脂層45は、透明樹脂層付き薄膜ガラス40の強度をさらに向上させる目的で、薄膜ガラス41に対して透明樹脂層43とは反対側に、接着層44を介して積層されている。つまり、透明樹脂層45を設けることにより、薄膜ガラス41は両側から樹脂層(透明樹脂層43、透明樹脂層45)で挟まれるため、薄膜ガラス41の片面にのみ樹脂層(透明樹脂層43)を設ける構成に比べて、透明樹脂層付き薄膜ガラス40全体の強度をさらに向上させることができる。
ここで、ラテント顔料をインクとして用い、透明樹脂層付き薄膜ガラス40の透明樹脂層45側にインクジェット方式によってカラーフィルタを形成する場合、ラテント顔料の定着のための加熱が必要となることは、上述したガラス積層体の場合と同様である。透明樹脂層45に耐熱性が要求される場合、透明樹脂層45としては、トリアセチルセルロース(TAC)など、耐熱性を有するセルロース系樹脂を用いることが望ましい。そのような耐熱性が要求されない場合は、透明樹脂層45をセルロース系樹脂以外の樹脂(例えばポリカーボネート樹脂)で構成することができる。
接着層42・44は、上記したガラス積層体の接着層22・24と同様に、反応性金属化合物(無機系の化合物)と水酸基含有高分子化合物(有機系の化合物)との縮合物(共縮合物)を含む、有機−無機ハイブリッド型の接着層(HB糊)である。反応性金属化合物としては、例えばTEOSやTMOSなどのシリコンアルコキシドを用いることができる。また、水酸基含有高分子化合物としては、例えばDACやCAPを用いることができる。
反応性金属化合物に含まれる金属成分は、共有結合などの化学結合により、ガラスの材料成分と強固に結びつきやすい。また、水酸基含有高分子化合物は水酸基を含んでいるため、樹脂との親和性が高く、接着性を向上させることができる。したがって、上記の有機−無機ハイブリッド型の接着層42・44を用いることにより、接着層42を介して薄膜ガラス41と透明樹脂層43との密着性を向上させることができ、接着層44を介して薄膜ガラス41と透明樹脂層45との密着性を向上させることができる。これにより、透明樹脂層付き薄膜ガラス40の曲げ剛性を向上させて破損を低減することができる(耐衝撃性を向上させることができる)。また、一般的に、有機系の化合物と無機系の化合物とは相溶性に乏しいが、これらの縮合物を構成することで、単層構造で双方の特性を有する接着層42・44を容易に実現することができる。
特に、水酸基含有高分子化合物は、総アシル基置換度が1.0〜2.6のセルロースエステル(例えばDACやCAP)であることが望ましい。このようなセルロースエステルは、水酸基を含有し、樹脂からなる透明樹脂層43または透明樹脂層45との親和性が向上するため、薄膜ガラス41と透明樹脂層43との接着性、および薄膜ガラス41と透明樹脂層45との接着性を向上させる材料として非常に有効である。
また、本実施形態では、薄膜ガラス41の一方の面側の透明樹脂層43と他方の面側の透明樹脂層45とで、引っ張り弾性率が最大になる方向のずれが10°以内であり、透明樹脂層43・45における水蒸気透過率(透湿度)が、1000g/m2・24hrよりも小さい。
なお、引っ張り弾性率が最大になる方向は、以下のようにして求めることができる。各透明樹脂層43・45を構成する樹脂フィルム(単体)に対して、引張試験機により、面内で基準方向(例えば製膜時の搬送方向)に対して45°刻みで3〜4方向(例えば0°、45°、90°、135°の各方向)に引っ張り、各方向の弾性率を測定して楕円近似を行い、近似した楕円の長軸方向を引っ張り弾性率の最大の方向とする。つまり、0°方向の弾性率を0°方向および180°方向の値として、45°方向の弾性率を45°方向および225°方向の値として、90°方向の弾性率を90°方向および270°方向の値として、135°方向の弾性率を135°方向および315°方向の値として、座標軸上にプロットして楕円を作成し、その楕円の長軸方向を、引っ張り弾性率の最大の方向とする。また、4方向の引っ張り弾性率の値に基づいて楕円の式(x2+Axy+By2+C=0)を求め、この式から、回転角θ={tan-1(A/(B−1))}/2を求めて、その回転角θの方向を、引っ張り弾性率が最大の方向としてもよい。
上記の引っ張り弾性率は、ヤング率とも呼ばれ、単位面積当たりの引っ張り応力と応力方向に生じる伸びとの比で表される。例えば、引っ張り弾性率の数値が大きいほうが、引っ張り応力を一定としたときの応力方向の伸び(応力歪み)が小さく、また、応力歪みを一定としたときには、引っ張り応力が大きいことを意味する。収縮についても同様に考えることができ、引っ張り弾性率の数値が大きいほうが、収縮時の応力を一定としたときの縮みが小さく、また、縮みを一定としたときには、収縮応力(収縮力)が大きいことを意味する。引っ張り弾性率が大きい方向、つまり、収縮力が大きく働く方向は、樹脂の配向方向(延伸方向)と一致する。
したがって、上記のように透明樹脂層43・45における引っ張り弾性率が最大になる方向のずれが10°以内である場合、透明樹脂層43・45の配向状態(配向方向)はほぼ一方向に揃っていると言うことができる。この場合、透明樹脂層43・45の収縮の大きい方向もほぼ一方向(配向方向)に揃うので、透明樹脂層43・45が大気中の水分を吸収して収縮するとしても、薄膜ガラス41の両側で透明樹脂層43・45がバランスよく収縮し、薄膜ガラス41の両側で収縮のバランスが維持される。その結果、入浴時のような超高湿の環境下であっても、水分の吸収による透明樹脂層43・45の収縮によって、透明樹脂層43・45で挟まれた薄膜ガラス41が透明樹脂層43・45のどちらか一方の側に反るのを低減することができ、透明樹脂層付き薄膜ガラス40ひいてはそれを適用した表示装置(液晶表示装置1、有機EL表示装置31)の反りを低減することができる。その結果、超高湿環境下での使用による表示装置の割れや表示不良を低減することができる。
しかも、透明樹脂層43・45の水蒸気透過率が、1000g/m2・24hrよりも小さく、低透湿であるので、透明樹脂層43・45における水分の吸収およびそれよる収縮自体を抑えて、上記の反りを確実に低減することができる。
また、透明樹脂層43・45のどちらも透湿度が低いので、透明樹脂層付き薄膜ガラス40を液晶表示装置1の基板11や有機EL表示装置31のカバーガラスに適用する際に、透明樹脂層43・45のどちらが大気側に位置しても、大気中の水分の吸収を抑えることができる。したがって、透明樹脂層付き薄膜ガラス40を配置するにあたり、透明樹脂層43・45のどちらを大気側にするか液晶層側(または有機EL素子側)にするかで迷う必要がなくなる。
なお、透明樹脂層43・45のうちのどちらか一方のみ(例えば透明樹脂層43のみ)が低透湿であってもよい。この場合、表示装置に適用する際に、低透湿の透明樹脂層43が大気側に位置し、高透湿の透明樹脂層45が液晶層側(または有機EL素子側)となるように、透明樹脂層付き薄膜ガラス40を配置することで、透明樹脂層45が大気とは接触しないため、超高湿環境下における透明樹脂層45での水分の吸収およびそれによる収縮のバランスの崩れを低減して上記の反りを低減することができる。したがって、本実施形態での上記した効果を得るにあたっては、透明樹脂層43・45のうちの少なくとも一方が、低透湿であればよいと言える。
特に、本実施形態のように、有機−無機ハイブリッド型の接着層42・44を用いることによって、薄膜ガラス41と各透明樹脂層43・45との密着性を向上させる構成では、透明樹脂層43・45の収縮が薄膜ガラス41の反りに与える影響が大きくなるため、上記のように引っ張り弾性率が最大になる方向のずれや透明樹脂層43・45の水蒸気透過率を規定して、透明樹脂層付き薄膜ガラス40の反りを低減することが非常に有効となる。
なお、透明樹脂層43・45における引っ張り弾性率が最大になる方向のずれが0°である、つまり、引っ張り弾性率が最大になる方向が完全に平行であれば、透明樹脂層43・45の配向方向および収縮の大きい方向も完全に一方向に揃うため、透明樹脂層43・45の収縮のバランスを最も良好に維持できる。したがって、この場合は、超高湿の環境下で透明樹脂層付き薄膜ガラス40ひいては表示装置の反りを低減する効果を最大限に得ることができる。
本実施形態において、透明樹脂層43・45の引っ張り弾性率は、1GPa〜6GPaであることが望ましい。引っ張り弾性率が1GPa未満であると、透明樹脂層43・45の剛性が低く、透明樹脂層43・45に接着剤を塗布する際に塗布膜厚の安定性が確保できない恐れがある。本実施形態の透明樹脂層付き薄膜ガラス40は、ガラスの両側のフィルムのバランスによって反りを抑制できるが、引っ張り弾性率が6GPaを超えると、反りに対する調整が非常に難しくなる。また、フィルムのコシが強すぎて、接着剤を塗工してガラスと貼り合わせた直後の搬送工程で剥離が発生してしまう恐れがある。フィルム搬送時のシワや歪みの発生の少なさ、破断の危険性の観点から、透明樹脂層43・45の引っ張り弾性率のより望ましい範囲は、2GPa〜5GPaである。
本実施形態において、透明樹脂層43・45の少なくとも一方の面内位相差は、30nm〜200nmであることが望ましい。この場合は、本実施形態の透明樹脂層付き薄膜ガラス40に、位相差を付与する光学機能を持たせることができ、特に、透明樹脂層付き薄膜ガラス40を液晶表示装置1に適用する場合に有効となる。
透明樹脂層43・45は、有機−無機ハイブリッド型の接着層の塗れ性、密着性の観点から、水酸基を含有する高分子であることが望ましい。また、透明樹脂層43・45の膜厚は、5μm〜65μmであることが望ましい。透明樹脂層43・45の膜厚が下限未満の場合は、外部衝撃等によってガラスに発生する傷を抑えにくく、ガラスを保護する役割を果たしにくくなり、上限を超えると、環境湿度変動に伴う透明樹脂層の寸法変化起因の収縮力(ガラスによる収縮応力)が大きくなり、光弾性効果によって発生する複屈折が大きくなってしまう。
〔各層の詳細について〕
(薄膜ガラス)
ガラス積層体および透明樹脂層付き薄膜ガラスを構成する薄膜ガラスとしては、各種成形法によって成形されたものを使用することができる。例えばロールアウト法、リドロー法、ダウンドロー法、フロート法等によって成形された薄膜ガラスを使用できる。
薄膜ガラスの形状については特に限定はなく、チップカット形状であってもよいが、ロール・トゥ・ロールでの生産の適性の観点から、ロール状であることが好ましい。
薄膜ガラスの平均厚さは、5〜200μmであることが好ましく、5〜100μmであることがより好ましい。厚さが5μm未満では、搬送などの取り扱いが難しく、厚さが200μmを超えると、薄膜の価値が薄れてしまう。
薄膜ガラスは、多成分系酸化物ガラスであれば特に限定はない。例えば、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、アルミノシリケートガラス等が薄膜ガラスとして特に好適であり、その中でも無アルカリガラスは最も好ましい。
薄膜ガラスの表面は、適切に洗浄されている事が好ましい。皮脂やほこりなどの有機物が付着していると、接着層との接着性が低下してしまう。洗浄方法は公知のガラス洗浄方法に従うが、例えば、アルカリ洗浄、酸洗浄、洗剤洗浄、溶媒洗浄、液体噴射洗浄、UV洗浄、エキシマー洗浄、プラズマ洗浄、イオン洗浄、スパッター洗浄、加熱洗浄、ドライアイス噴射洗浄等が洗浄方法として好適であり、その中でもアルカリ洗浄、UV洗浄、エキシマー洗浄が好ましい。
また、薄膜ガラスに予め表面処理が施されていてもよい。例えば、TEOSやTMOSなどのシリコンアルコキシドや、シランカップリング剤で処理されていることが好ましい。
(偏光層)
ガラス積層体の偏光層は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子(偏光子)である。偏光層として現在用いられている代表的な素子としては、ポリビニルアルコール系樹脂を用いた偏光子があり、これには、ポリビニルアルコール系樹脂にヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものとがある。
偏光子としては、ポリビニルアルコール水溶液をフィルム状に製膜し、これを原反として一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものを用いることができる。原反の膜厚を薄くすることで、薄膜の偏光子を得ることができる。
また、延伸用フィルム基材上にポリビニルアルコール水溶液を塗布・乾燥した積層体を延伸・染色・架橋することで得られた塗布型の薄膜偏光子を用いることもできる。例えば、特許第4279944号、特開2009−93074号、特許第4691205号、特許第4751481号、特許第4804588号、特許第4804589号、特許第1701555号、特開2011−248293号、の各公報などを参考にして塗布型の薄膜偏光子を得ることができる。
延伸用フィルム基材の上で作製された偏光子を薄膜ガラス上に転写後、延伸用フィルム基材を剥離してもよいし、剥離せずにそのまま保護層として活用してもよい。塗布型の薄膜偏光子は、フィルム原反を用いる偏光子よりも薄膜化が容易であるため、好ましく用いられる。
また、偏光層におけるガラスとの接着側とは反対側の面には、別途保護層を形成してもよい。保護層を粘着剤、水糊、紫外線(UV)硬化型接着剤などの接着剤を使用して偏光層に貼合してもよいし、偏光子の表面にハードコート(HC)などの表面加工を施すことで保護層を形成してもよい。
偏光層の厚さは、2〜10μmであることが好ましい。厚さが2μm未満では、ガラス強度が不足し、厚さが10μmを超えると薄型化の意味が薄れる。
(樹脂層)
薄膜ガラスに対して偏光層とは反対側に接着層を介して形成される樹脂層、および透明樹脂層付き薄膜ガラスに用いられる樹脂層としては、光学的に透明な樹脂であれば特に限定はなく、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂などを用いることができる。
中でも、樹脂層としては、カラーフィルタ形成時の耐熱性を考慮して、セルロース系樹脂を用いることが好ましい。
樹脂層は、ガラス積層体の強度を増して反りを抑えることでひびや割れを防止する役割がある。そのため、樹脂層としては単位ひずみ当たりの引張荷重が50N以上のものを用いる。
なお、樹脂層の単位ひずみ当たりの引張荷重Mは以下の式で表される。
M[N]=E[MPa]×10[mm]×d[μm]×10-3
ただし、式中、Eは樹脂層の弾性率を示し、dは樹脂層の膜厚を示す。
弾性率E及び膜厚dは、例えば以下の方法によって求めることができる。すなわち、23℃、55%RHの空調室で24時間調湿したフィルム(樹脂層)を、同条件下、120mm(縦)×10mm(幅)で切り出し、テンシロン試験機(ORIENTEC社製、RTC−1225A)を使用し、引張り速度50mm/minで5回引張り試験を行い、この測定を直交する2方向で行い、平均値を弾性率Eとする。一方、フィルムの膜厚dは株式会社ミツトヨ製の接触式膜厚計により測定する。
樹脂層は、面内方向位相差(リタデーション)Roと厚み方向位相差(リタデーション)Rtが両方とも小さいことが好ましく、さらに好ましくは、リタデーションRoが0〜5nmの範囲であり、かつ、リタデーションRtが−10〜10nmの範囲である。
なお、リタデーションRoおよびRtは以下の式で表される。
Ro=(nx−ny)×d
Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
ただし、式中、nxは樹脂層の面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nyは樹脂層の面内で遅相軸に直交する方向の屈折率を示し、nzは樹脂層の厚み方向の屈折率を示し、dはフィルムの厚み(nm)を示す。また、屈折率の測定波長は590nmである。
また、リタデーションRoおよびRtは、以下の方法によっても求めることができる。
1)得られた樹脂層を、23℃55%RHで調湿する。調湿後の樹脂層の平均屈折率を、アッベ屈折計にて測定する。
2)調湿後の樹脂層に、樹脂層法線方向から測定波長590nmの光を入射させたときのRoを、KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)またはKOBRA 31WPR(王子計測機器(株)製)にて測定する。
3)KOBRA 21ADH等により、樹脂層法線方向に対してθの角度(入射角(θ))から測定波長590nmの光を入射させたときのリタデーション値R(θ)を測定する。θは、好ましくは30°〜50°としうる。
4)測定されたRoおよびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、KOBRA 21ADH等により、nx、nyおよびnzを算出して、測定波長590nmでのRtを算出する。リタデーションの測定は、23℃55%RH条件下で例えば12時間程度調質処理を行った後に行うことができる。
樹脂層は、予めフィルム状に形成したものを準備し、接着層を介してガラスに接着してもよいし、ガラス上に接着層を形成した上に、樹脂層を直接塗布や流延することによって形成してもよい。
<セルロース系樹脂>
本実施形態で用いるセルロース系樹脂としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、シアノエチルセルロースなどのセルロースエーテル類と、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース(DAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、硝酸セルロース等のセルロースエステル類が挙げられるが、好ましくはセルロースエステル類である。あるいは、特開2002−179701号公報の段落番号[0010]〜[0027]記載の芳香族カルボン酸エステルが用いられ、特に特開2002−17979号公報の段落番号[0028]〜[0036]のセルロースアシレートが好ましく用いられる。
セルロース系樹脂の原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることができる。また、これらから得られたセルロース系樹脂は、それぞれを単独あるいは任意の割合で混合使用することができるが、綿花リンターを50質量%以上使用することが好ましい。
セルロースエステルの分子量が大きいと弾性率が大きくなるが、分子量を上げ過ぎるとセルロースエステルの溶解液の粘度が高くなり過ぎるため生産性が低下する。セルロースエステルの分子量は数平均分子量で70000〜200000のものが好ましく、100000〜200000のものが更に好ましい。本実施形態で用いるセルロースエステルは、重量平均分子量をMwとし、数平均分子量をMnとして、Mw/Mn比が1.4〜3.0であることが好ましく、更に好ましくは1.4〜2.3である。
セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定することができるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。なお、測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1,000,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
セルロースエステルの総アシル基置換度は1.0〜2.9のものが好ましく用いられ、更に好ましくは1.5〜2.9である。総アシル基置換度はASTM−D817−96に準じて測定することができる。
<全光線透過率>
樹脂層の全光線透過率は、80%以上であることが好ましい。全光線透過率の現実的な上限としては、99%程度である。かかる全光線透過率にて表される優れた透明性を達成するには、可視光を吸収する添加剤や共重合成分を導入しないようにすることや、ポリマー中の異物を高精度濾過により除去し、フィルム(樹脂層)内部の光の拡散や吸収を低減させることが有効である。また、製膜時のフィルム接触部(冷却ロール、カレンダーロール、ドラム、ベルト、溶液製膜における塗布基材、搬送ロールなど)の表面粗さを小さくしてフィルム表面の表面粗さを小さくすることによりフィルム表面の光の拡散や反射を低減させることが有効である。
〈添加剤〉
本実施形態の樹脂層には、フィルムに加工性・柔軟性・防湿性を付与する可塑剤、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収剤、フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット剤)、フィルムの劣化を防止する酸化防止剤、フィルムのリタデーションを調整するリタデーション調整剤等を含有させてもよい。
《可塑剤》
用いられる可塑剤しては特に限定はないが、フィルムにヘイズを発生させたり、フィルムからブリードアウトや揮発が生じないように、接着層と相互作用可能である官能基を有していることが好ましい。
このような官能基としては、水酸基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、カルボン酸残基、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、スルホン酸残基、ホスホニル基、ホスホン酸残基等が挙げられるが、好ましくはカルボニル基、エステル基、ホスホニル基である。
このような可塑剤の例として、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、カルボン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることができる。特に好ましくは、多価アルコールエステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤等の非リン酸エステル系可塑剤である。
多価アルコールエステルは、2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなり、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。
《紫外線吸収剤》
樹脂層には、液晶の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤を含有させることが望ましい。なお、樹脂フィルム上に紫外線吸収機能を持つ層を形成してもよい。
紫外線吸収機能のある紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばトリアジン系化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。また、特開平6−148430号公報に記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
《マット剤》
本実施形態の樹脂層には、滑り性を付与するためにマット剤等の微粒子を添加することができる。微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
無機化合物の例としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化錫等の微粒子が挙げられる。この中では、ケイ素原子を含有する化合物であることが好ましく、特に二酸化ケイ素微粒子が好ましい。二酸化ケイ素微粒子としては、例えばアエロジル(株)製のAEROSIL 200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、R805、OX50、TT600などが挙げられる。
有機化合物の例としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素化合物樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
《酸化防止剤》
酸化防止剤は、劣化防止剤ともいわれる。高湿高温の状態に液晶表示装置が置かれた場合には、光学フィルムの劣化が起こる場合がある。酸化防止剤は、例えば、光学フィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等により光学フィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、光学フィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、特に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また、例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
(接着層)
接着層としては、無機系の反応性金属化合物と有機系の水酸基含有高分子化合物との縮合物(共縮合物)が用いられる。接着層中に、薄膜ガラスと共有結合可能な金属性水酸基と、偏光層、樹脂層中の有機成分と相溶性・親和性の高い有機系水酸基含有高分子化合物とを含有することで、薄膜ガラスと樹脂層(偏光層を含む)との接着が可能となる。縮合反応は、一般的に知られている方法で行えばよく、触媒添加による加水分解縮合でもよく、加熱による脱水縮合でもよい。
<加水分解触媒>
無機化合物である加水分解重縮合可能な反応性金属化合物は、加水分解触媒として塩酸・酢酸・クエン酸などの酸を用いることも可能であるが、固体触媒を用いることが好ましい。更に水と必要に応じて他の触媒を加えて加水分解を起こさせて縮合反応を促進してよい。加水分解は、加水分解可能な基が全て加水分解される完全加水分解であってもよいが、特に好ましくは、一部のみが加水分解される部分加水分解である。
加水分解のために添加する水は、反応性金属化合物1モルに対し0.5〜10モルの範囲で用い、前記固体触媒で加水分解することが好ましい。加水分解に使用する水の量が少ないと、アルコキシ基の加水分解が不十分となり、わずかしか水酸基が生成しないといった問題が生じる。好ましくは、使用する水の量は、反応性金属化合物1モルに対し0.5〜4モルである。
また、水としてイオン交換水を用いることも好ましい。イオン交換水は、上記反応性金属化合物の加水分解を行うために好ましく、電気伝導度が1010MΩ以上であるイオン交換水を用いることが好ましい。この電気伝導度よりも低い場合、イオン交換樹脂と加水分解水に含まれているイオンがイオン交換を起こし、加水分解水のpHが大きく変動し、せっかく生成した加水分解重縮合物が安定に存在し得ず、好ましくない。なお、イオン交換水の電気伝導度は1012MΩ以上であることがより好ましく、さらに好ましくは1015MΩ以上である。
また、疎水的な加水分解重縮合可能な反応性金属化合物に水を添加する場合には、加水分解重縮合可能な反応性金属化合物と水が混和し易いように、メタノール、エタノール、アセトニトリルのような親水性の有機溶媒も添加されていることが好ましい。また、水酸基含有高分子化合物(例えばセルロース誘導体)と加水分解重縮合可能な反応性金属化合物とを混合する際に、セルロース誘導体が析出しないよう、セルロース誘導体の良溶媒も添加されていることが好ましい。なお、良溶媒とは、セルロース誘導体に対して良好な溶解性を有する有機溶媒を言う。
加水分解触媒としての固体触媒は、特に限定されるものではなく、以下に挙げるものを使用することができる。
(1)陽イオン交換樹脂:
アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)など。
(2)陰イオン交換樹脂:
アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)など。
(3)プロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体:
Zr(O3PCH2CH2SO3H)2、Th(O3PCH2CH2COOH)2など。
(4)プロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン:
スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなど。
(5)ヘテロポリ酸:
コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸など。
(6)イソポリ酸:
ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸など。
(7)単元系金属酸化物:
アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなど。
(8)複合系金属酸化物:
シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など。
(9)粘土鉱物:
酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなど。
(10)金属硫酸塩:
LiSO4、MgSO4など。
(11)金属リン酸塩:
リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなど。
(12)金属硝酸塩:
LiNO3、Mn(NO32など。
(13)アミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体:
シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体など。
(14)アミノ基を含有するポリオルガノシロキサン:
アミノ変性シリコーン樹脂など。
これらの中で、本実施形態では、特に陽イオン交換樹脂が好ましい。陽イオン交換樹脂の種類としては、まず、骨格はポリスチレン又はジビニルベンゼンの懸濁重合高分子体が好ましい。イオン交換樹脂のタイプは、ゲル型とマクロポーラス型に分かれるが、ゲル型樹脂は空孔を有さず、反応に関与する物質が樹脂内部に進入しにくく、活性点が有効に利用され難い。マクロポーラス型樹脂は大きな空孔を有しており、反応に関与する物質が容易に活性点に到達することができ、活性点が有効に利用される。このため、本実施形態で用いる陽イオン交換樹脂としては、空孔体積が水銀注入法による測定で0.1ml/g以上を示すマクロポーラスであることが好ましい。また、樹脂についている酸性基としてはスルホン基、アクリル基等で、H+型であることが好ましく、スルホン基がより好ましい。これらを満たすイオン交換樹脂の例としては、アンバーリスト15(ローム・アンド・ハーズ社製)、ダイアイオンPK−208H,PK−216H,PK−228H(以上三菱化成製)、ビュロライトCT−175,CT−171,CT−169(以上ビュロライト社製)等を例示することができる。これらの中で、特にビュロライトCT−175(ビュロライト社製)が好ましい。
本実施形態おいては、上記イオン交換樹脂の添加後、撹拌し、上記反応性金属化合物を加水分解させて加水分解物またはその縮合物を得るものであるが、この場合、撹拌時間(反応時間)は3分以上、特に5分以上とすることが好ましい。また、反応温度は0℃以上とすることが好ましい。しかし、反応時間は長過ぎると縮合物の分子量が大きく成り過ぎヘイズ上昇の可能性があるため、3時間以内の反応時間が好ましい。また、反応温度が高い場合においても、同様であり、反応温度としては0〜50℃での実施が好ましい。
本実施形態で用いる陽イオン交換樹脂の粒径としては、特に制限はないが、平均粒径が10〜2000μmの範囲が好ましい。平均粒径が10μm未満の場合は、処理後の樹脂分離の際濾過性や液切れが劣化することがあり、また平均粒径が2000μmを超えると、質量当たりの表面積が低下し、加水分解効率が低いという問題がある。粒径は揃っていたほうが好ましいが、欠けたり割れたりした粒子が一部混入していてもよい。
また、イオン交換樹脂のイオン交換容量は、0.1ミリ等量/ml以上が好ましい。0.1ミリ等量/ml未満では、加水分解効率が低下し、生産性の低下を来たすことがある。
本実施形態において、固体触媒であるイオン交換樹脂の添加量は、加水分解重縮合可能な反応性金属化合物に対して、0.00001〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜20質量%である。イオン交換樹脂の量が多過ぎると、縮合が優先的に進行してしまい、縮合物の分子量が大きく成り過ぎる。また、イオン交換樹脂の量が少な過ぎると、加水分解に必要な十分な活性が得られず、加水分解物またはその縮合物を十分得ることができない。
本実施形態における固体触媒を用いた加水分解の方法は、予め水とアルコールを混合しておき、ここに反応性金属化合物を添加混合した後、固体触媒を添加して攪拌して加水分解を進めることが好ましい。また、予め水とアルコールを混合し、ここに固体触媒を添加した後、更にここに反応性金属化合物を攪拌しながら添加して加水分解を進めることも好ましい。
<反応性金属化合物>
本実施形態において、金属とは、「周期表の化学」岩波書店 斎藤一夫著 p.71記載の金属、すなわち、半金属性原子を含む金属である。
本実施形態で用いられる加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物としては、例えば金属アルコキシド、金属ジケトネート、金属アルキルアセトアセテート、金属イソシアネート、反応性の金属ハロゲン化物が挙げられる。好ましくは、金属種が、Si、Ti、ZrまたはAlのアルコキシドであり、特に好ましくは、Siのアルコキシドである。
このような加水分解重縮合可能な反応性金属化合物は、中心金属をM、その原子数をq、加水分解されない置換基をA、その置換基数をp、加水分解可能な置換基をB、その置換基数をrとすると、理想的には下記の式(1)のように反応が完結し、金属酸化物が得られる。
式(1) Apqr → Apqr/2
加水分解重縮合可能な反応性金属化合物としては、式(1)で示されているApqrにおいて、p=0であるような、全てが加水分解可能な置換基で置換されていることが好ましいが、基材フィルムの透湿度を低減する観点から、加水分解されない置換基によって該金属1原子当たり1つまたは2つ、或いは3つ置換されている化合物が含まれていても良い。このような加水分解されない置換基を有する金属化合物の添加量としては、添加される金属化合物の50モル%以下が好ましい。また、上記添加量の範囲で2種以上の異なる種類の金属アルコキシドを併用しても良い。
このような加水分解されない置換基としては、置換または無置換のアルキル基、または置換または無置換のアリール基が好ましく、該アルキル基またはアリール基の置換基としては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)、複素環基(例えばフラン、チオフェン、ピリジン等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルキルチオ基、グリシジル基、ビニル基、フッ素原子含有アルキル基またはフッ素原子含有アリール基等が挙げられる。
本実施形態で用いられる重縮合が可能な反応性金属化合物としては、ケイ素化合物として、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、テトラキス(メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(メトキシプロポキシ)シラン、テトラクロロシラン、テトライソシアナートシラン等が挙げられる。
また、加水分解されない置換基を有するケイ素化合物として、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジエチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、アセトキシトリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリクロロシラン、メチルトリイソシアナートシラン、フェニルトリイソシアナートシラン、ビニルトリイソシアナートシラン等が挙げられる。また、これらの化合物が部分的に縮合した、多摩化学製シリケート40、シリケート45、シリケート48、Mシリケート51のような、数量体のケイ素化合物でもよい。
また、チタン化合物としては、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタン−n−ブトキシド、テトラクロロチタン、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−エチルアセトアセテート)、チタンジ−n−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、ブチルチタネートダイマー等が挙げられる。
また、ジルコニウム化合物としては、ジルコニウム−n−プロポキシド、ジルコニウム−n−ブトキシド、ジルコニウムトリ−n−ブトキシドアセチルアセトネート、ジルコニウムジ−n−ブトキシドビスアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムアセテート、等が挙げられる。
また、アルミニウム化合物としては、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−n−ブトキシド、アルミニウム−s−ブトキシド、アルミニウム−ジ−s−ブトキシドエチルアセチルアセトナート、アルミニウム−t−ブトキシド、アルマトラン、アルミニウムフェノキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、アルミニウムエチルアセチルアセトナート等が挙げられる。
また、その他の金属からなる化合物としては、例えば、バリウムイソプロポキシド、カルシウムエトキシド、銅エトキシド、マグネシウムエトキシド、マンガンメトキシド、ストロンチウムイソプロポキシド、錫エトキシド、亜鉛メトキシエトキシド、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、アンチモンエトキシド、ヒ素トリエトキシド、ビスマスt−ペントキシド、クロムイソプロポキシド、エルビウムメトキシエトキシド、ガリウムエトキシド、インジウムメトキシエトキシド、鉄エトキシド、ランタンイソプロポキシド、ネオジウムメトキシエトキシド、プラセオジムメトキシエトキシド、サマリウムイソプロポキシド、バナジウムトリイソブトキシドオキシド、イットリウムイソプロポキシド、テトラメトキシゲルマン、テトラエトキシゲルマン、テトライソプロポキシゲルマン、テトラ−n−ブトキシゲルマン、セリウム−t−ブトキシド、ハフニウムエトキシド、ハフニウム−n−ブトキシド、テルルエトキシド、モリブデンエトキシド、ニオブエトキシド、ニオブ−n−ブトキシド、タンタルメトキシド、タンタルエトキシド、タンタル−n−ブトキシド、タングステン(V)エトキシド、タングステン(VI)エトキシド、タングステン(VI)フェノキシド等が挙げられる。
また、本実施形態で用いられる重縮合が可能な反応性金属化合物としては、分子種内に2つの金属原子を持つダブル金属アルコキシドと呼ばれる化合物でも良い。このようなダブル金属アルコキシドとしては、例えば、ゲレスト社製のアルミニウム銅アルコキシド、アルミニウムチタンアルコキシド、アルミニウムイットリウムアルコキシド、アルミニウムジルコニウムアルコキシド、バリウムチタンアルコキシド、バリウムイットリウムアルコキシド、バリウムジルコニウムアルコキシド、インジウム錫アルコキシド、リチウムニッケルアルコキシド、リチウムニオブアルコキシド、リチウムタンタルアルコキシド、マグネシウムアルミニウムアルコキシド、マグネシウムチタンアルコキシド、マグネシウムジルコニウムアルコキシド、ストロンチウムチタンアルコキシド、ストロンチウムジルコニウムアルコキシド等が挙げられるが、少なくとも、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウムのいずれかの金属が含まれているものが好ましい。
<水酸基含有高分子化合物>
水酸基含有高分子化合物は、分子内に水酸基を含有していればよく、例えば、ポリビニルアルコール等の合成高分子や、デンプン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどの多糖類とそれらの誘導体などが挙げられる。これらの水酸基含有高分子化合物は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
合成高分子には、例えば、水酸基を有するビニル系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、アルキド系、メラミン系、尿素系、フェノール系、ポリエステル系、ポリグリセリン系高分子化合物、また多分岐形状を有する水酸基を有する高分子化合物を用いることができる。また、水酸基を有する高分子は、水酸基をもつ単量体を導入した重合体であってもよい。この場合、高分子の有する水酸基の量や導入位置が調整可能となる。
水酸基を有する単量体としては、3−ビニルフェノール、ヒドロキシメチルスチレン、4−ビニルベンジル−4−ヒドロキシブチルエーテル、4−(ヒドロキシメチルシリルフェニル)スチレン、などの水酸基を有するスチレン類や、ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸基を有するアクリル樹脂や、N−(4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシカルボニル)メタクリルアミドなどの水酸基を有するアクリルアミド樹脂などが使用でき、好ましくはビニル系モノマーである。これらの水酸基を有する単量体は、2種類以上を混合して用いてもよい。
多糖類としては、デンプン、ヒドロキシメチルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、グリコーゲン、イヌリン、リケニン、セルロース、ヘミセルロース、アミロペクチン、ヘパリン、ヘパリチン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ケラト硫酸、キチン、キトサン、寒天、カラギーナン、アルギン酸、ファーセレラン、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、グアガム、サイリュウガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、ペクチン、アラビノガラクタン、キサンタンガム、ジェランガム、プルラン、デキストラン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、及びこれらのカチオン化物等が挙げられる。
本実施形態で用いられる水酸基含有高分子化合物としては、セルロース誘導体が好ましく用いられ、中でもジアセチルセルロース(DAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、硝酸セルロース等のセルロースエステル類が好ましい。更に好ましくは、アシル基置換度が0.5〜2.9であり、より好ましくは、アシル基置換度が1.0〜2.6である。
〔実施例〕
以下、本発明の具体例を実施例として説明する。また、本発明との比較のため、比較例についても併せて説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下での説明において、「部」あるいは「%」の表示は、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表すものとする。
<フィルムAの製造>
〈二酸化珪素分散希釈液〉
アエロジルR812(日本アエロジル(株)製) 10質量部
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行い、二酸化珪素分散液を得た。この二酸化珪素分散液に88質量部のメチレンクロライドを撹拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間撹拌混合し、続いて微粒子分散希釈液濾過器(アドバンテック東洋(株):ポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1N)で濾過し、二酸化珪素分散希釈液を作製した。
〈ドープ液の調製〉
TAC:トリアセチルセルロース(アセチル基置換度2.89、Mw=190000、Ca含有量25ppm)
100質量部
チヌビン928(BASFジャパン(株)製) 2.5質量部
重縮合エステル化合物P2 7.0質量部
重縮合エステル化合物P5 1.6質量部
メチレンクロライド 540質量部
エタノール 35質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱・撹拌しながら完全に溶解し、濾過した。これに4質量部の二酸化珪素分散希釈液を撹拌しながら加え、更に30分間撹拌してドープ液を調製した。
〈重縮合エステル化合物P2の合成〉
上記の重縮合エステル化合物P2は以下のようにして合成した。1,2−プロピレングリコール251g、無水フタル酸244g、アジピン酸103g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温した。そして、重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後、200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、重縮合エステル化合物P2を得た。酸価0.10、数平均分子量450であった。
〈重縮合エステル化合物P5の合成〉
上記の重縮合エステル化合物P5は以下のようにして合成した。1,2−プロピレングリコール251g、テレフタル酸354g、p−トロイル酸680g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温した。そして、重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後、200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、重縮合エステル化合物P5を得た。酸価0.30、数平均分子量400であった。
〈製膜・延伸・乾燥〉
次に、ベルト流延装置を用い、温度35℃、2m幅でステンレスベルト支持体に均一に上記のセルロースアシレートのドープ液を流延した。ステンレスベルト支持体で、残留溶剤量が100質量%になるまで溶剤を蒸発させ、ステンレスベルト支持体上から剥離した。剥離したフィルムのウェブを50℃で乾燥しながら搬送させ、スリットし、その後、テンターでTD方向(フィルムの搬送方向と直交する方向)に160℃の温度条件下、26%の延伸倍率で延伸した。このときテンターで延伸を始めたときの残留溶剤量は5.0%であった。その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、スリットし、フィルム両端に幅15mm、高さ5μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、フィルムAを得た。フィルムの残留溶剤量は0.1%未満であり、膜厚は10μm、幅は2m、巻長さは6000mであった。なお、ステンレスベルト支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向(フィルムの搬送方向)の延伸倍率は1.05倍であった。
<フィルムBの製造>
フィルムAの製造と同様にして、ドープの流延量を適宜調整して、厚み60μmのフィルムBを製造した。
<フィルムCの製造>
フィルムAの製造と同様にして、ドープの流延量を適宜調整して、厚み20μmのフィルムCを製造した。
<フィルムA〜Cの評価>
23℃、55%RHの空調室で24時間調湿した各フィルムA〜Cを、同条件下、120mm(縦)×10mm(幅)で切り出し、テンシロン試験機(ORIENTEC社製、RTC−1225A)を使用し、引張り速度50mm/minで5回引張り試験を行い、この測定を直交する2方向で行い、平均値を弾性率Eとした。また、フィルムの膜厚dを株式会社ミツトヨ製の接触式膜厚計により測定した。そして、下記式により各フィルムA〜Cの単位ひずみ当たりの引張荷重Mを算出した。
M[N]=E[MPa]×10[mm]×d[μm]×10-3
表1にフィルムA〜Cの単位ひずみ当たりの引張荷重Mを示す。
Figure 2014171503
<偏光層Aの製造>
重合度1000以上、けん化度99%以上のポリビニルアルコール(PVA)粉末を水に溶解した4〜5%濃度のPVA水溶液を準備し、200μm厚の非晶性PET基材上にPVA水溶液を塗布し、50〜60℃の温度で乾燥させることで、非晶性PET基材上に7μm厚のPVA層が積層された積層体を作製した。
〈延伸処理〉
上記で得られた積層体を、140℃にて搬送方向(MD方向)に延伸倍率5倍で自由端延伸して、延伸積層体を得た。
〈染色処理〉
上記で作製した延伸積層体を、張力を保持した状態で、30℃のヨウ素溶液(質量比:ヨウ素/ヨウ化カリウム/水=1/10/100)に60秒間浸漬した。その後、60℃にて4分間乾燥を行った。
以上の工程を経て、非晶性PET基材と5μmの偏光層Aが積層された積層体を得た。この積層体のPVA層の表面に下記接着剤Mを塗布したのち、ラミネーターでコニカミノルタアドバンストレイヤー製KC2UAを貼り合わせ、紫外線照射により硬化接着した。硬化層の厚みは0.05μmであった。この積層体から非晶性PET基材を剥離することで、偏光層Aを含む積層体Rを得た。
〈接着剤M〉
N−ヒドロキシエチルアクリルアミド100重量部に、光重合開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名:イルガキュア127)3重量部を配合して、接着剤Mを得た。
<偏光層Bの製造>
けん化度99.95モル%、重合度2400のPVA100質量部に、グリセリン10質量部、及び水170質量部を含浸させたものを水溶液中に溶解し、脱泡後、Tダイから金属ロール上に流延し、製膜した。その後、乾燥・熱処理して、PVAフィルムを得た。このPVAフィルムは、平均厚さが25μm、水分率が4.4%、フィルム幅が3mであった。
次に、このPVAフィルムを予備膨潤、染色、湿式法による一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順番で、連続的に処理して、偏光層Bを作製した。
すなわち、PVAフィルムを温度30℃の水中に30秒間浸して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットルの温度35℃の水溶液中に3分間浸した。続いて、ホウ酸濃度4%の50℃の水溶液中でフィルムにかかる張力が700N/mの条件下で、6倍に一軸延伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの温度30℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行った。
その後、PVAフィルムを取り出し、温度40℃で熱風乾燥し、更に温度100℃で5分間熱処理を行った。得られた偏光層Bは、平均厚さが13μm、偏光性能については透過率が43.0%、偏光度が99.5%、2色性比が40.1であった。
そして、偏光層の片面に、接着剤Mを塗布したのち、ラミネーターでコニカミノルタアドバンストレイヤー製KC2UAを貼り合わせ、紫外線照射により硬化接着し、偏光層Bを含む積層体Sを得た。
<接着剤Aの製造>
下記の比率で材料を混合し、室温で攪拌した後、濾過によって固体触媒を分離して反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物との共縮合物を含む接着剤Aを調製した。
アセトン 100質量部
テトラエトキシシラン(TEOS) 10質量部
アンバーリスト15(固体触媒) 2質量部
セルロースエステル(DAC、アセチル基置換度2.45) 10質量部
<接着剤Bの製造>
下記の比率で材料を混合し、室温で攪拌した後、濾過によって固体触媒を分離して反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物との共縮合物を含む接着剤Bを調製した。
水 100質量部
テトラエトキシシラン(TEOS) 10質量部
アンバーリスト15(固体触媒) 2質量部
ポリビニルアルコール 10質量部
<接着剤Cの製造>
下記の比率で材料を混合し、室温で攪拌した後、濾過によって固体触媒を分離して反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物との共縮合物を含む接着剤Cを調製した。
水 100質量部
テトラメトキシシラン(TMOS) 10質量部
アンバーリスト15(固体触媒) 2質量部
ポリビニルアルコール 10質量部
<実施例1−1>
日本電気硝子(株)製の厚さ50μmの薄膜ガラスを準備し、その片面に接着剤Aを用いてフィルムAを、他方の片面に接着剤Bを用いて積層体Rを偏光層A側が薄膜ガラスに接着するように加熱貼合することで実施例1−1のガラス積層体を得た。
<実施例1−2>
フィルムAの代わりにフィルムBを用いた以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−2のガラス積層体を得た。
<実施例1−3>
フィルムAの代わりにフィルムBを用い、接着剤Bの代わりに接着剤Cを用いた以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−3のガラス積層体を得た。
<実施例1−4>
接着剤Bの代わりに接着剤Cを用い、積層体Rの代わりに積層体Sを用いて偏光層B側が薄膜ガラスに接着するようにした以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−4のガラス積層体を得た。
<比較例1−1>
フィルムAの代わりにフィルムCを用いた以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−1のガラス積層体を得た。
<実施例及び比較例の評価>
実施例1−1〜1−4及び比較例1−1のガラス積層体について、水での洗浄に対する耐性を評価した結果を表2に示す。
Figure 2014171503
水での洗浄試験及び評価基準は以下の通りである。各実施例及び比較例のガラス積層体を10枚ずつ準備し、それらを30分間水に浸漬した後、水から取り出し50℃の風を30分当てて乾燥した。これを1サイクルとし、500サイクル繰り返した。そして、試験後のガラス積層体の状態を下記評価基準に従い目視で判断した。
(評価基準)
○:10枚ともひびや割れがない。
△:10枚中1〜2枚にひびや割れがあるが、実使用上問題ない。
×:10枚中3枚以上にひびや割れがあり、実使用上問題となる。
表2より、樹脂層にフィルムCを用いた比較例1−1では、水での洗浄試験でガラス積層体の10枚中3枚以上にひびや割れが生じたのに対し、樹脂層にフィルムAを用いた実施例1−1及び樹脂層にフィルムBを用いた実施例1−2では、水での洗浄試験でガラス積層体の10枚ともひびや割れが生じなかった。これは、PVAからなる偏光層Aが水に浸漬したときに膨張し、乾燥したときに収縮することに対して、比較例1−1で用いたフィルムCがその単位ひずみ当たりの引張荷重が40Nと小さいためにその伸縮を抑えきれず、その結果、ガラス積層体が繰り返し反ることによってひびや割れが生じたものと考えられる。
これに対して、実施例で用いたフィルムA、Bはその単位ひずみ当たりの引張荷重が60、100Nと大きいために、PVAの伸縮を抑えることができ、その結果、ガラス積層体が繰り返し反ることがなく、ひびや割れが生じなかったものと考えられる。
また、表2より、実施例1−2と実施例1−3とでは偏光層Aを接着する接着剤が異なっているが、水での洗浄試験の評価結果は同等であるので、接着剤Bと接着剤Cとの間に優位差はないものと考えられる。
また、表2より、偏光層Bを用いた実施例1−4では、水での洗浄試験でガラス積層体の10枚中1〜2枚にひびや割れが生じた。これは、偏光層Bが偏光層Aよりも伸縮力が強いので、フィルムAでより大きな伸縮を抑えなければならず、その結果、ガラス積層体が繰り返し若干反ったことによるものであると考えられる。
よって、樹脂層の単位ひずみ当たりの引張荷重が50N以上であるフィルムを用いることで、水での洗浄試験に耐性を有するといえる。
以上より、実施例1−1〜1−4のガラス積層体を表示装置に用いた場合、水を用いて繰り返し洗浄するような用途で利用されても、長期間に亘って問題なく使用することができる。
<透明樹脂フィルムの作製>
セルロースアセテート(アセチル置換度2.86) 100質量部
糖エステル1 9質量部
糖エステル2 3質量部
メチレンクロライド 365.8質量部
メタノール 92.6質量部
ブタノール 4.6質量部
以上の組成物をミキシングタンクに投入、攪拌しドープを作成した。なお、糖エステル1、糖エステル2としては、以下のものを用いた。
Figure 2014171503
Figure 2014171503
次に、ドープを金属ベルトで流延製膜し、ウェブを金属ベルトから剥離した後、乾燥させながら搬送方向に1.3倍延伸し、次いでテンターで搬送方向と直交する方向に1.25倍延伸処理を行い、乾燥して、膜厚80μmの透明樹脂フィルムNo.1を作製した。
同じドープを用い、ウェブを搬送方向に1.45倍延伸し、続いてテンターで搬送方向と直交する方向に1.4倍延伸処理を行い、乾燥して、膜厚80μmの透明樹脂フィルムNo.3を作製した。
同じドープを用い、ウェブを搬送方向に1.3倍延伸し、次いでテンターの両側のクリップ位置が搬送方向に1%ずれるようにウェブをクリップした状態で、搬送方向と直交する方向に1.25倍延伸処理を行い、乾燥して、膜厚80μmの透明樹脂フィルムNo.5を作製した。
同じドープを用い、ウェブを搬送方向に1.3倍延伸し、次いでテンターの両側のクリップ位置が搬送方向に2%ずれるようにウェブをクリップした状態で、搬送方向と直交する方向に1.25倍延伸処理を行い、乾燥して、膜厚80μmの透明樹脂フィルムNo.6を作製した。
また、同じドープを金属ベルトで流延製膜し、ウェブを金属ベルトから剥離して断裁し、延伸処理を行わずに30分おいてから乾燥して、膜厚80μmの透明樹脂フィルムNo.2を作製した。
同じドープを用い、ウェブを断裁後、延伸処理を行わずにすぐに乾燥して、膜厚60μmの透明樹脂フィルムNo.4を作製した。
同じドープを用い、ウェブを搬送方向に1.25倍延伸し、次いでテンターの両側のクリップ位置が搬送方向に2%ずれるようにウェブをクリップした状態で、搬送方向と直交する方向に1.2倍延伸処理を行い、乾燥して、膜厚40μmの透明樹脂フィルムNo.7を作製した。
また、特開2012−225994号公報に記載の実施例11の方法で2種類のドープを作製し、共流延法により金属ベルト上で流延製膜し、ウェブを剥離後乾燥させながら、搬送方向に1.1倍延伸し、乾燥して、膜厚70μmの透明樹脂フィルムNo.8を作製した。
また、上記と同じ2種類のドープを用い、ウェブを搬送方向に1.6倍延伸し、膜厚70μmの透明樹脂フィルムNo.9を作製した。
ここで、上記2種類のドープ(ドープ1、ドープ2とする)は、具体的には以下のようにして作製した。
(ドープ1の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、コア層(低置換度層)用セルロースアシレート溶液を調製した。このとき、各セルロースアシレート溶液の固形分濃度が22%に記載の値となるように溶剤(メチレンクロライドおよびメタノール)の量は適宜調整した。なお、添加剤としては、表3に示すエス3を用いた。
セルロースアセテート(置換度2.43) 100.0質量部
添加剤 15.0質量部
メチレンクロライド 365.5質量部
メタノール 54.6質量部
Figure 2014171503
(ドープ2の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、外層用(高置換度層)用セルロースアシレート溶液を調製した。このとき、各セルロースアシレート溶液の固形分濃度が19.7%となるように溶剤(メチレンクロライドおよびメタノール)の量は適宜調整した。
セルロースアセテート(置換度2.81) 100.0質量部
シリカ微粒子 R972(日本エアロジル製) 0.15質量部
メチレンクロライド 395.0質量部
メタノール 59.0質量部
<透湿度の測定>
各透明樹脂フィルムの透湿度(水蒸気透過率)を、JIS Z 0208に記載の方法より、40℃90%RH条件下で測定し、1m2あたり24時間の透湿量の値(g/m2・24h)として求めた。
<引っ張り弾性率の測定>
作製した透明樹脂フィルムから、基準方向(製膜時の搬送方向に対応)に対して0°、45°、90°、135°の各方向が長手方向となるように、試料10mm×150mmを切り出し、23℃、相対湿度55%で12時間調湿した。そして、東洋ボールドウィン製万能引張試験機STM T50BPを用い、23℃で相対湿度55%の雰囲気中、初期試料長50mm、10%/分での、各試料の長手方向への延伸処理により応力歪み曲線を測定して、フィルムの引っ張り弾性率を測定した。その後、4方向の引っ張り弾性率を、原点中心に8方向にプロットして楕円近似を行い、各透明樹脂フィルムの引っ張り弾性率が最大になる方向、および最大の引っ張り弾性率の値を算出した。
<面内位相差の測定>
各透明樹脂フィルムを、23℃55%RHで調湿した後、フィルム面の法線方向から測定波長590nmの光を入射させたときの面内位相差(リタデーション)Roを、KOBRA 31WPR(王子計測機器(株)製)にて測定した。
表4は、各透明樹脂フィルムにおける透湿度、引っ張り弾性率が最大の方向、および最大の引っ張り弾性率の測定結果を示している。
Figure 2014171503
<接着剤の調製>
次に、下記の比率で材料を混合し、室温で2時間攪拌した後、濾過によって固体触媒を分離し、反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物との縮合物を含む、有機−無機ハイブリッド型の接着剤を調製した。
アセトン 100質量部
Mシリケート51(多摩化学工業株式会社製) 10質量部
アンバーリスト15(固体触媒) 2質量部
セルロースエステル(DAC) 10質量部
なお、Mシリケート51は、メチルポリシリケート(Sin(n-1)(OCH32(n+1)、n=3〜5(平均)、シリカとして50〜53%)と、メチルシリケート(正珪酸メチル(Si(OCH)4))と、メタノール(メチルアルコール(CH3OH))との混合物である。
<透明樹脂層付き薄膜ガラスの作製>
日本電気硝子(株)製の厚さ30μm、4.5インチサイズの薄膜ガラスを準備し、その両面に上記の接着剤を塗布し、乾燥させた。乾燥後の接着層の厚みは5μmであった。この薄膜ガラスの両面に、透明樹脂フィルムNo.1を、引っ張り弾性率の最大の方向が平行(上記方向のずれが0°)となるように加熱貼合することで、透明樹脂層付き薄膜ガラスNo.11を得た。
上記と同様にして、薄膜ガラスの両面に、下記の表5の組み合わせで各透明樹脂フィルムを接着し、透明樹脂層付き薄膜ガラスNo.12〜20を作製した。このとき、薄膜ガラスの両側で、透明樹脂フィルムの基準方向が互いに平行となるようにして、各透明樹脂フィルムを接着した。
表5は、透明樹脂層付き薄膜ガラスNo.11〜20を構成する、両面の透明樹脂フィルムの組み合わせと、引っ張り弾性率が最大の方向のずれ(°)を示すとともに、透明樹脂層付き薄膜ガラスNo.11〜20と実施例または比較例との対応関係を示している。
Figure 2014171503
<液晶表示装置の作製(その1)>
上記の透明樹脂層付き薄膜ガラスに、スパッタリング処理でITO層を設けて電極を形成し、駆動用の配線に接続した。さらに上記ITO層の上に配向膜としてPVA層を設けてラビング処理を行った。このラビング処理を行った透明樹脂層付き薄膜ガラスを表6の組み合わせとなるように用いて液晶セルを作製した。なお、透明樹脂層付き薄膜ガラスNo.17を用いる場合は、透明樹脂フィルムNo.7が液晶セル側(液晶表示装置の内側)となるように配置した。
なお、液晶としては、TN型液晶でよく用いられる液晶物質である5CB(4−シアノ−4‘−ペンチルビフェニル;メルク社製)を用いた。そして、直径6μmの球状スペーサを用いてセルギャップを確保し、ラビング方向を直交させて、TN配向の4.5インチサイズの液晶セルを作製した。
そして、各液晶セルの両側に、偏光板の吸収軸と液晶セルのラビング方向とが平行になるように、偏光板を貼合し、7Vで遮光、0Vで透過となる駆動用液晶セルを作製し、表6に示す、4.5インチサイズのTN配向表示装置No.101〜109とした。
Figure 2014171503
<液晶表示装置の作製(その2)>
上記の透明樹脂層付き薄膜ガラスに、スパッタリング処理でITO層を設けて電極を形成し、駆動用の配線に接続した。この電極付きの透明樹脂層付き薄膜ガラスを表7の組み合わせで用い、液晶を高分子中に分散させた液晶層を介して貼り合わせた。このとき、直径12μmのスペーサを用いてセルギャップを確保した。これにより、表7に示す、4.5インチサイズの高分子分散型表示装置No.201〜206を作製した。これらの表示装置では、電圧をかけない状態で白濁し、12Vの電圧をかけると透明性が上がる(ヘイズが下がる)ことが確認された。なお、透明樹脂層付き薄膜ガラスNo.17を用いる場合は、透明樹脂フィルムNo.7が液晶セル側(液晶表示装置の内側)となるように配置した。
Figure 2014171503
なお、液晶層を構成する液晶組成物としては、特開2011−105908公報の実施例1と同じものを用いた。すなわち、組成物(A)が74%、ウレタンアクリレートオリゴマーであるUN−6300(根上工業社製、分子量13000)が7.72%、モルフォリンアクリレートである化合物(B)が18.02%、光重合開始剤イルガキュア651(チバジャパン社製)が0.26%からなる高分子分散型液晶素子用液晶組成物を用いた。これらを調合して温度を適度にコントロールし、紫外線カットフィルターとして、10mm厚の青板ガラスを用い、照射強度が10mw/cm2となるように調整された高圧水銀ランプを60秒間照射して重合性化合物を重合させ、液晶組成物との相分離を誘発させることにより、高分子分散型表示装置を得た。
Figure 2014171503
Figure 2014171503
<液晶表示装置の評価>
表6および表7で示した各表示装置を、40℃90%RHの環境で30分間、縦置きで放置し、その後、四隅の反り量を測定し、4点平均した。続いて、同じものをバックライトユニットにベゼルで固定し、上記と同じ条件で放置した。そのときの反り量および評価の結果を表6および表7に併せて示す。なお、各表示装置の評価は、以下の基準に基づき行った。
(評価基準)
○・・・表示装置(特に透明樹脂層付き薄膜ガラス)に割れが生じておらず、表示不良も確認されなかった。
×・・・表示装置(特に透明樹脂層付き薄膜ガラス)に割れが生じているか、表示不良が確認された。
No.106、No.107、No.205、No.206以外の表示装置については、透明樹脂層付き薄膜ガラスの反り量は4mm以下であり、割れや表示不良が確認されず、評価としては良好な結果が得られた。
これに対して、No.107の表示装置については、透明樹脂層付き薄膜ガラスの割れが確認された。これは、用いた透明樹脂フィルムの透湿度が1000g/m2・24hを超えており、超高湿下において水分の吸収による収縮量が大きすぎることから、透明樹脂フィルムの引っ張り弾性率の最大の方向がたとえ揃っていても(上記方向のずれが0°であっても)、薄膜ガラスの両側で透明樹脂フィルムの収縮のバランスが崩れやすくなり、その結果、反り量が10mmと大きくなって、透明樹脂層付き薄膜ガラスに割れが生じたことによるものと思われる。
また、No.106、No.205、No.206の各表示装置については、透明樹脂層付き薄膜ガラスの割れは確認されなかったが、白/黒表示、または、白/透明の表示が適切にできておらず、表示不良が確認された。これは、各透明樹脂フィルムにおける引っ張り弾性率の最大の方向のずれが10°を超えている、または上記透明樹脂フィルムの透湿度が1000g/m2・24hを超えていることから、超高湿下では、薄膜ガラスの両側で透明樹脂フィルムの収縮のバランスが崩れやすくなって反り量が7mmと大きくなり、その結果、電圧印加による液晶層の配向制御を適切に行うことができず、表示不良が発生したものと考えられる。
以上より、有機−無機ハイブリッド型の接着剤により、薄膜ガラスと透明樹脂フィルムとの密着性を向上させた構成で、薄膜ガラスの両側の透明樹脂フィルムにおける引っ張り弾性率が最大になる方向のずれが10°以内であり、少なくとも一方の透明樹脂フィルムの透湿度が1000g/m2・24hrよりも小さければ、超高湿環境下でも、薄膜ガラスの両側の各透明樹脂層で収縮のバランスを維持して、透明樹脂層付き薄膜ガラスひいては表示装置の反りを低減でき、これによって、表示装置の破壊や表示不良を低減できると言える。特に、少なくとも一方の透明樹脂フィルムの透湿度が表4に示す600g/m2・24hr以下であれば、透明樹脂フィルムにおける水分の吸収がより抑えられるため、上記の効果を確実に得ることができると思われる。
なお、No.101のTN配向表示装置とNo.201の高分子分散型表示装置、No.102のTN配向表示装置とNo.203の高分子分散型表示装置、No.107のTN配向表示装置とNo.206の高分子分散型表示装置とでは、それぞれ同じ透明樹脂層付き薄膜ガラスを用いているにもかかわらず、反り量が異なっている。これは、液晶セルの厚みが異なることによるものと考えられる。
なお、以上の実施例では、表示装置として液晶表示装置を例に挙げたが、有機EL表示装置であっても上記と同様の結果が得られることが確認された。
本発明のガラス積層体および透明樹脂層付き薄膜ガラスは、有機EL表示装置や液晶表示装置に利用可能である。
1 液晶表示装置
11 基板(ガラス積層体、カバーガラス)
12 基板
13 液晶層
21 樹脂層
22 接着層(第1の接着剤)
23 薄膜ガラス
24 接着層(第2の接着剤)
25 偏光層
31 有機EL表示装置
32 有機EL素子
37 カバーガラス
40 透明樹脂層付き薄膜ガラス
41 薄膜ガラス
42 接着層
43 透明樹脂層
44 接着層
45 透明樹脂層

Claims (15)

  1. 樹脂層、第1の接着剤、薄膜ガラス、第2の接着剤、偏光層がこの順序で積層されており、
    第1及び第2の接着剤は、反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物との共縮合物を含み、
    前記樹脂層の単位ひずみ当たりの引張荷重が50N以上であり、
    前記偏光層は、ポリビニルアルコール系樹脂を含んでいることを特徴とするガラス積層体。
  2. 前記樹脂層は、セルロースエステルを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のガラス積層体。
  3. 前記水酸基含有高分子化合物は、セルロース誘導体又はポリビニルアルコールを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス積層体。
  4. 前記セルロース誘導体がセルロースエステル系樹脂である特徴とする請求項3に記載のガラス積層体。
  5. 前記セルロースエステル系樹脂の総アシル基置換度が1.0〜2.6である特徴とする請求項4に記載のガラス積層体。
  6. 前記反応性金属化合物が、シリコンアルコキシドであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラス積層体。
  7. 前記薄膜ガラスの膜厚が5〜100μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のガラス積層体。
  8. 液晶層を一対の基板で挟持してなる液晶表示装置であって、
    前記一対の基板の少なくとも一方が、請求項1〜7の何れかに記載のガラス積層体を有していることを特徴とする液晶表示装置。
  9. 有機EL素子の前面にカバーガラスを配置してなる有機EL表示装置であって、
    前記カバーガラスが、請求項1〜7の何れかに記載のガラス積層体を有していることを特徴とする有機EL表示装置。
  10. 薄膜ガラスの両面に接着層を介して透明樹脂層がそれぞれ積層された透明樹脂層付き薄膜ガラスであって、
    前記接着層は、反応性金属化合物と水酸基含有高分子化合物との共縮合物を含んでおり、
    前記薄膜ガラスの一方の面側の透明樹脂層と他方の面側の透明樹脂層とで、引っ張り弾性率が最大になる方向のずれが10°以内であり、
    少なくとも一方の透明樹脂層の水蒸気透過率が、1000g/m2・24hrよりも小さいことを特徴とする透明樹脂層付き薄膜ガラス。
  11. 前記各透明樹脂層の引っ張り弾性率が、1GPa〜6GPaであることを特徴とする請求項10に記載の透明樹脂層付き薄膜ガラス。
  12. 少なくとも一方の透明樹脂層の面内位相差が、30nm〜200nmであることを特徴とする請求項10又は11に記載の透明樹脂層付き薄膜ガラス。
  13. 前記薄膜ガラスの平均厚さは、5〜200μmであることを特徴とする請求項10〜12の何れかに記載の透明樹脂層付き薄膜ガラス。
  14. 液晶層を一対の基板で挟持してなる液晶表示装置であって、
    前記一対の基板の少なくとも一方が、請求項10〜13の何れかに記載の透明樹脂層付き薄膜ガラスを有していることを特徴とする液晶表示装置。
  15. 有機EL素子の前面にカバーガラスを配置してなる有機EL表示装置であって、
    前記カバーガラスが、請求項10〜13の何れかに記載の透明樹脂層付き薄膜ガラスを有していることを特徴とする有機EL表示装置。
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