JP5827204B2 - 偏光板およびその製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents

偏光板およびその製造方法、並びに液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、偏光板およびその製造方法、並びに液晶表示装置に関する。特に、高温高湿の環境下においても偏光子耐久性に優れ、カールが小さく、さらに液晶表示装置に組み込んだ際に使用環境による液晶パネルのそりや歪み、およびこれに起因する表示ムラがおこりにくい偏光板、並びに液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、消費電力の小さい省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。テレビ等の高品位の画像が要求される市場に加えて、携帯電話やタブレット型PC等いわゆるモバイル用途の市場が拡大するにつれて、薄型化のニーズが一段と高まっている。
液晶表示装置の基本的な構成は液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。前記偏光板は一定方向の偏波面の光だけを通す役割を担っており、偏光板の性能によって液晶表示装置の性能が大きく左右される。偏光板は、一般にヨウ素や染料を吸着配向させたポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光子と、その偏光子の表裏両側に透明な保護フィルムを貼り合わせた構成となっている。偏光板保護フィルムとしては、セルロースアセテートに代表されるセルロースアシレート系の偏光板保護フィルムが、透明性が高く、偏光子に使用されるポリビニルアルコールとの密着性を容易に確保できることから広く使用されてきた。
液晶表示装置の薄型化にともない、液晶パネルとバックライトユニット間の空隙も狭くなり、各部材の寸法安定性に対する要求レベルが一段と厳しくなってきた。偏光板についても、偏光板自体の薄型化ばかりでなく、偏光板のカールや寸法変化を小さくすることが求められている。とりわけ、高温高湿環境下における偏光板の収縮はパネルのそりや歪みの原因となり、表示ムラを引き起こすため、強く改良が求められていた。
この問題に対して、特許文献1および特許文献2には、偏光フィルムおよび偏光板保護フィルムを薄くし、偏光板全体の収縮により液晶パネルに発生する応力を小さくすることにより、表示ムラを改良する方法が開示されている。
特開2007−47536号公報 国際公開第07/7565号
しかしながら、上記特許文献に記載された偏光板では、表示ムラの改良については一定の効果がみられるものの高温高湿環境下長時間使用した場合における表示品位の劣化が大きいことが本発明者らの検討で明らかになった。
本発明者らが上記特許文献1および2に記載の偏光板の、60℃、相対湿度95%、経時条件下での偏光性能を調べたところ、直交透過率が著しく低下することがわかった。
すなわち、高温高湿下での偏光子耐久性と、液晶表示装置に組み込んだ際の周辺ムラが共に改善された偏光板はこれまで知られておらず、改良が求められていた。
本発明の目的は、高温高湿の環境下においても偏光子耐久性に優れ、カールが小さく、さらに液晶表示装置に組み込んだ際に使用環境による液晶パネルのそりや歪み、およびこれに起因する表示ムラがおこりにくい偏光板、並びに液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らが上記課題を解決することを目的として鋭意研究したところ、偏光板保護フィルムに、少なくともひとつの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が300以下の添加剤を樹脂に対して1質量部以上20質量部以下含有させることにより、一定の透湿度を有する偏光板保護フィルムにおいても、前記高温高湿経時における偏光子中のホウ酸含量の減少を抑制できることを見出した。
すなわち、上記課題は、以下の構成によって解決される。
<1>
偏光子、および該偏光子の両側に配置された2枚の偏光板保護フィルムを含み、
(1)偏光子の厚みが3μm以上18μm以下であり、
(2)少なくとも1枚の偏光板保護フィルムは、
厚みが3μm以上40μm以下であり、
少なくとも1種の樹脂、及び、少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が300以下である化合物を前記樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下含有し、
(3)偏光板の厚みが15μm以上70μm以下、
である偏光板であって、
前記少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が300以下である化合物が下記一般式(2−a)で表される化合物である、偏光板。
Figure 0005827204

上記一般式(2−a)中、L 〜L は、各々独立に、単結合又は炭素数1以上の2価の連結基を表す。前記2価の連結基は置換基を有していてもよい。L 〜L のうちの少なくとも1つは炭素数1〜6のアルキレン基である。
Ar 〜Ar は炭素数6〜20のアリール基を表す。Ar 〜Ar は置換基を有してもよい。
<2>
前記偏光板保護フィルムが単糖あるいは2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体である可塑剤、又は下記一般式(4)で表される化合物である疎水化剤を含有する、<1>に記載の偏光板。
一般式(4) B−(G−A)n−G−B
(式中、Bはそれぞれ独立にベンゼンモノカルボン酸残基を表す。Gはそれぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、炭素数6〜12のアリールグリコール残基、又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。nは0以上の整数を表す。)
<3>
前記偏光板保護フィルムを構成する樹脂がセルロースアシレートである<1>又は<2>に記載の偏光板。
<4>
2枚の偏光板保護フィルムのうちの1枚が前記偏光板保護フィルムであり、もう1枚の偏光板保護フィルムを構成する樹脂がアクリル樹脂である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の偏光板。
<5>
<1>〜<4>のいずれか1項に記載の偏光板を少なくとも1枚含む液晶表示装置。
本発明は、前記<1>〜<5>に係る発明であるが、以下、それ以外の事項(例えば、下記1.〜7.)についても記載している。
1.
偏光子、および該偏光子の両側に配置された2枚の偏光板保護フィルムを含み、
(1)偏光子の厚みが3μm以上18μm以下であり、
(2)少なくとも1枚の偏光板保護フィルムは、
厚みが3μm以上40μm以下であり、
少なくとも1種の樹脂、及び、少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が300以下である化合物を前記樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下含有し、
(3)偏光板の厚みが15μm以上70μm以下、
である偏光板。
2.
前記少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が300以下である化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、上記1に記載の偏光板。
Figure 0005827204
一般式(1)中、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは下記一般式(1−2)で表される置換基を表し;n1は0〜4の整数を表し、n1が2以上の時、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよく;n2は1〜5の整数を表し、n2が2以上の時、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0005827204
一般式(1−2)中、Aは置換又は無置換の芳香族環を表し;R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は下記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜10の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0005827204
一般式(1−3)において、Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し;n5は1〜11の整数を表し、n5が2以上の時、複数のR、R、R、R及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
3.
前記一般式(1−2)が、下記一般式(1−2’)で表される基である、上記2に記載の偏光板。
Figure 0005827204
一般式(1−2’)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は前記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜5の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
4.
前記少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が300以下である化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である、上記1に記載の偏光板。
Figure 0005827204
上記一般式(2)中、R11、R13及びR15は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基または炭素数6〜20の芳香族基を表す。
5.
前記偏光板保護フィルムを構成する樹脂がセルロースアシレートである上記1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
6.
2枚の偏光板保護フィルムのうちの1枚が前記偏光板保護フィルムであり、もう1枚の偏光板保護フィルムを構成する樹脂がアクリル樹脂である、上記1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
7.
上記1〜6のいずれか1項に記載の偏光板を少なくとも1枚含む液晶表示装置。
本発明によれば、高温高湿の環境下においても偏光子耐久性に優れ、カールが小さく、さらに液晶表示装置に組み込んだ際に使用環境による液晶パネルのそりや歪み、およびこれに起因する表示ムラがおこりにくい偏光板、並びに液晶表示装置を提供することができる。
本発明の液晶表示装置の例を示す概略図である。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光子、および該偏光子の両側に配置された2枚の偏光板保護フィルムを含み、
(1)偏光子の厚みが3μm以上18μm以下であり、
(2)少なくとも1枚の偏光板保護フィルムは、
厚みが3μm以上40μm以下であり、
少なくとも一つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が300以下の添加剤を樹脂に対して1質量部以上20質量部以下含有し、
(3)偏光板の厚みが15μm以上70μm以下
である。
従来の偏光板は高温高湿経時下に偏光子中のホウ酸含量が減少し、親水性高分子(例えばポリビニルアルコール)と二色性色素(例えばヨウ素)の錯体が不安定化することが多く、これが偏光性能劣化の原因であった。これに対し、本発明の偏光板は、偏光板保護フィルム中に少なくともひとつの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が300以下の添加剤を樹脂に対して1質量部以上20質量部以下含有させることにより偏光子中のホウ酸含量減少を抑制するとともに、前記添加剤が高温高湿経時下に偏光子と偏光板保護フィルムの界面に遍在することにより、ヨウ素錯体を安定化するものである。
以下に本発明の偏光板について詳しく説明する。
<偏光板の性能>
(直交透過率CT)
本発明の偏光板は、直交透過率CTがCT≦2.0であることが好ましく、より好ましい範囲としてはCT≦1.3であり、最も好ましくはCT≦0.6(単位はいずれも%)である。
(直交透過率変化)
また、偏光板耐久性試験前後では直交透過率の変化量は小さいほうが好ましい。
本発明の偏光板は、60℃、相対湿度95%に1000時間静置させたときの直交単板透過率の変化量(%)が0.65%以下、且つ、105℃、Dry環境下(調湿をしていない状態であり、本発明における実施例では相対湿度0%〜20%)に50時間静置させたときの直交単板透過率の変化量(%)が0.05%以下であることが好ましい。
60℃、相対湿度95%に1000時間静置させたときの直交単板透過率の変化量(%)は、0.30%以下であることが好ましく、0.20%以下であることがより好ましい。一方、105℃、Dry環境下に50時間静置させたときの直交単板透過率の変化量(%)は、0.03%以下であることがより好ましい。
ここで、直交透過率の変化量とは下記式で算出されるものである。
直交透過率の変化量(%)={(耐久性試験後の直交透過率(%)−耐久性試験前の直交透過率(%)
上記直交透過率の変化量の範囲を満たせば、偏光板の高温高湿下および高温低湿下で長時間使用中あるいは保管中の安定性が確保でき、好ましい。
本発明において、偏光板の直交透過率CTは、UV3100PC(島津製作所社製)を用いて測定した。測定では、410nmで測定し、10回測定の平均値を用いた。
ここで、偏光板耐久性試験は(1)偏光板のみの形態と(2)偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた形態との、2種類の形態で次のように行うことができる。(1)の偏光板のみの測定は、2つの偏光子の間に本発明の要件を満たす偏光板保護フィルムが挟まれるように組み合わせて、互いの吸収軸が直交させたものを2つ用意する。(2)の偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた形態での測定は、ガラスの上に偏光板を、本発明の要件を満たす偏光板保護フィルムがガラス側になるように貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作成する。単板直交透過率測定ではこのサンプルのフィルムの側を光源に向けてセットして測定する。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を単板直交透過率とする。本発明の実施例では、上記(1)及び(2)の試験方法のうち、(2)の試験方法を採用した。
(その他の特性)
本発明の偏光板のその他の好ましい光学特性等については特開2007−086748号公報の〔0238〕〜〔0255〕に記載されており、これらの特性を満たすことが好ましい。
<形状・構成>
本発明の偏光板の形状は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、偏光板の幅は1470mm以上とすることが好ましい。
本発明の偏光板は、偏光子及びその両面を保護する偏光板保護フィルムで構成されているが、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成されることも好ましい。
前記プロテクトフィルム及び前記セパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
以下、本発明の偏光板に用いることができる偏光子と2枚の偏光板保護フィルムの詳細について説明する。
<偏光子>
まず、本発明の偏光板に用いられる偏光子について説明する。
本発明の偏光板に用いることができる偏光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましいが、特開平11−248937号公報に記載されているようにPVAやポリ塩化ビニルを脱水、脱塩素することによりポリエン構造を生成し、これを配向させたポリビニレン系偏光子も使用することができる。
(1−1)PVA
前記PVAとしては、ポリ酢酸ビニルを鹸化したポリマー素材が好ましいが、例えば不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のような酢酸ビニルと共重合可能な成分とを含有しても構わない。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性PVAも用いることができる。
この他、本発明の偏光板には、特許第3021494号公報に記載されている1、2−グリコール結合量が1.5モル%以下のPVAフィルム、特開2001−316492号公報に記載されている5μm以上の光学的異物が100cm当たり500個以下であるPVAフィルム、特開2002−030163号に記載されているフィルムのTD方向の熱水切断温度斑が1.5℃以下であるPVAフィルム、さらにグリセリンなどの3〜6価の多価アルコ−ルを1〜100質量%混合した溶液や、特開平06−289225号公報に記載されている可塑剤を15質量%以上混合した溶液から製膜したPVAフィルムを好ましく用いることができる。
(1−2)二色性分子
二色性分子はI やI などの高次のヨウ素イオンもしくは二色性染料を好ましく使用することができる。
本発明では高次のヨウ素イオンが特に好ましく使用される。高次のヨウ素イオンは、「偏光板の応用」永田良編、CMC出版や工業材料、第28巻、第7号、p.39〜p.45に記載されているようにヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶解した液および/またはホウ酸水溶液にPVAを浸漬し、PVAに吸着・配向した状態で生成することができる。
二色性分子として二色性染料を用いる場合は、アゾ系色素が好ましく、特にビスアゾ系とトリスアゾ系色素が好ましい。二色性染料は水溶性のものが好ましく、このため二色性分子にスルホン酸基、アミノ基、水酸基などの親水性置換基が導入され、遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩として好ましく用いられる。このような二色性染料の具体例としては、特開2007−086748号公報に記載のものを挙げることができる。
(1−3)ホウ酸
本発明の偏光板は偏光子に架橋剤としてホウ酸を含有することが好ましい。ホウ酸で偏光子を架橋することにより、二色性分子とPVAから形成される錯体の安定性が向上し、高温高湿条件における偏光性能劣化を抑制することができる。本発明の偏光板の偏光子中のホウ酸の含有率は偏光子100質量部に対して1質量部以上100質量部以下が好ましく、5質量部以上50質量部以下が好ましい。上記範囲にホウ酸の含有率を制御することにより色味のバランスのとれた偏光子を作製することができる。
本発明の偏光板は、60℃、相対湿度95%、1000時間経時前後における偏光子中のホウ酸の減少率が50%以下であることが好ましい。該ホウ酸の減少率は、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。
(1−5)偏光子の膜厚
偏光子の延伸前のフィルム膜厚は特に限定されないが、フィルム保持の安定性、延伸の均質性の観点から、1μm〜1mmが好ましく、10〜200μmが特に好ましい。また、特開2002−236212号に記載されているように水中において4倍〜6倍の延伸を行った時に発生する応力が10N以下となるような薄いPVAフィルムを使用してもよい。
本発明の偏光子の延伸後の厚みは、3μm以上18μm以下である。3μm以上15μm以下がさらに好ましく、3μm以上10μm以下が最も好ましい。偏光子を前記厚みにすることにより、環境湿度による液晶パネルのそりや歪みを小さくすることができる。
(1−6)偏光板の厚み
本発明の偏光板の厚みは、15μm以上70μm以下である。15μm以上60μm以下が好ましく、15μm以上50μm以下がより好ましい。偏光板を前記厚みにすることにより、環境湿度による液晶パネルのそりや歪みを小さくすることができる。
<偏光板保護フィルム>
次に、本発明の偏光板に用いられる2枚の偏光板保護フィルムについて説明する。
(偏光板保護フィルムの厚み)
前記偏光板保護フィルムの厚みは3μm〜40μmが好ましく、3μm〜30μmより好ましく、3μm〜20μmが特に好ましい。
ここで、本発明の偏光板に用いられる2枚の偏光板保護フィルムは、ともに同じ偏光板保護フィルムであっても、異なる偏光板保護フィルムであってもよい。
本発明の2枚の偏光板保護フィルムの透湿度が互いに異なる場合は、液晶セルから遠い側の偏光板保護フィルムの方が液晶セルに近い側の偏光板保護フィルムの透湿度よりも大きいことが、液晶表示装置のそりや歪みおよびこれに起因する周辺ムラを抑制する点で好ましい。
前記(2)の特性を満たす偏光板保護フィルムが1枚のみである場合、前記(1)および(2)の特性を満たさない偏光板保護フィルムとしては、60℃、相対湿度90%、24時間経時後の透湿度が、前記有機酸を含む偏光板保護フィルムとバランスの取れた量であるフィルムを用いることができる。
また、その他、含水率、弾性率などを考慮して、前記その他の偏光板保護フィルムを選択することが好ましい。
前記(1)および(2)の特性を満たさない偏光板保護フィルムとしては、市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)、特開2006−58322号公報に記載の脂環式構造含有重合体樹脂フィルム、特開2009−122644号公報に記載のアクリル系樹脂などを好ましく用いることができる。
以下、前記偏光板保護フィルムに用いられる樹脂、添加剤について説明する。
(2−2)樹脂
本発明における前記偏光板保護フィルムは、フィルム状の樹脂であることが好ましい。前記偏光板保護フィルムで使用する樹脂について説明する。
前記偏光板保護フィルムに用いられる樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限はない。前記樹脂としてはセルロースアシレート樹脂、アクリル樹脂、シクロオレフィン系樹脂を挙げることができ、その中でもセルロースアシレート樹脂が好ましい。すなわち前記偏光板保護フィルムはセルロースアシレートを含むことが好ましい。
(セルロースアシレート)
以下、本発明に用いることができるセルロースアシレートについて、詳しく説明する。
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。本発明において、セルロース体の置換度はセルロース体を重水素置換されたジメチルスルフォキシド等の溶剤に溶解して13C−NMRスペクトルを測定し、アシル基中のカルボニル炭素のピーク強度比から求めることにより算出することができる。セルロースアシレートの残存水酸基をセルロースアシレート自身が有するアシル基とは異なる他のアシル基に置換したのち、13C−NMR測定により求めることができる。測定方法の詳細については、手塚他(Carbohydrate.Res.,273(1995)83−91)に記載がある。
セルロースアシレートの全アシル置換度が2.0〜2.97であることが好ましく、2.2〜2.95であることがより好ましく、2.3〜2.95であることが特に好ましい。本発明に用いられる前記有機酸は、特にこのような全アシル置換度の範囲のセルロースアシレートと併用したときに偏光板耐久性改善効果が高い。
本発明に用いることができるセルロースアシレートのアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が好ましく、アセチル基がより好ましい。
2種類以上のアシル基からなる混合脂肪酸エステルも本発明においてセルロースアシレートとして好ましく用いることができる。この場合も、アシル基としてはアセチル基と炭素数が3〜4のアシル基が好ましい。また、混合脂肪酸エステルを用いる場合、アセチル基の置換度は2.5未満が好ましく、1.9未満がさらに好ましい。一方、炭素数が3〜4のアシル基の置換度は0.1〜1.5であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましく、0.5〜1.1であることが特に好ましい。
本発明においては、置換基および/または置換度の異なる2種のセルロースアシレートを併用、混合して用いてもよいし、後述の共流延法などにより、異なるセルロースアシレートからなる複数層からなるフィルムを形成してもよい。
さらに特開2008−20896号公報の〔0023〕〜〔0038〕に記載の脂肪酸アシル基と置換もしくは無置換の芳香族アシル基とを有する混合酸エステルも本発明に好まく用いることができる。
本発明で用いられるセルロースアシレートは、250〜800の質量平均重合度を有することが好ましく、300〜600の質量平均重合度を有することがさらに好ましい。また本発明で用いられるセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
本発明で用いられるセルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。前記アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有機酸(例えば、酢酸)や塩化メチレンが使用される。また、触媒として、硫酸のようなプロトン性触媒を用いることができる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化合物を用いることができる。工業的に最も一般的な合成方法では、セルロースをアセチル基および他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)またはそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。
前記方法においては、綿花リンターや木材パルプのようなセルロースは、酢酸のような有機酸で活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、上記のような有機酸成分の混合液を用いてエステル化する場合が多い。有機酸無水物成分は、一般にセルロース中に存在する水酸基の量に対して過剰量で使用する。このエステル化処理では、エステル化反応に加えてセルロース主鎖(β)1,4−グリコシド結合)の加水分解反応(解重合反応)が進行する。主鎖の加水分解反応が進むとセルロースエステルの重合度が低下し、製造するセルロースエステルフィルムの物性が低下する。そのため、反応温度のような反応条件は、得られるセルロースエステルの重合度や分子量を考慮して決定することが好ましい。
(2−3)偏光子耐久性改良剤
本発明の偏光板に用いることができる偏光板保護フィルムのうち少なくとも1枚は、樹脂と、少なくとも一つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比率が300以下の化合物(偏光子耐久性改良剤)を、該樹脂100質量部に対して1〜20質量部含有する。このような添加剤を用いることで、前記偏光板保護フィルムは、高温高湿下での偏光子耐久性を改善することができる。添加剤中の水素結合性水素供与性基の効果により、該添加剤は高温高湿下で偏光子と偏光板保護フィルムの界面に偏在しやすくなり、かつ添加剤中の芳香環が偏光子中ホウ酸が偏光板保護フィルム中を拡散して偏光板の外に抜けることを抑制するものである。
水素結合性水素供与性基の例は、例えば、Jeffrey,George A.著、Oxford UP刊のIntroduction to Hydrogen Bonding等の成書に記載されている。
本発明における偏光子耐久性改良剤中の水素結合性水素供与性基としては、セルロースアシレート中のカルボニル基との相互作用の観点から、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、が好ましく、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、アミノ基、水酸基がより好ましく、アミノ基、水酸基が更に好ましい。
本発明の偏光子耐久性改良剤中の分子量/芳香環数の比は300以下であり、好ましくは250以下であり、より好ましくは200以下である。
芳香環/分子量の比を300以下にすることにより、高温高湿下での偏光子耐久性を大きく改良することができる。
(分子量)
前記偏光子耐久性改良剤の分子量は200〜1000であることが好ましく、250〜800であることがより好ましく、280〜600であることが特に好ましい。分子量が上述の範囲の下限値以上であると偏光板保護フィルムの製膜時の偏光子耐久性改良剤の揮散による消失を抑制でき、分子量が上述の範囲の上限値以下であるとセルロースアシレートと偏光子耐久性改良剤の相溶性が良好で低ヘイズの偏光板フィルムが得られるため、好ましい。
<一般式(1)で表される化合物>
本発明の偏光子耐久性改良剤として、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005827204
一般式(1)中、Rは水素原子又は置換基を表し、Rは下記一般式(1−2)で表される置換基を表し;n1は0〜4の整数を表し、n1が2以上の時、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよく;n2は1〜5の整数を表し、n2が2以上の時、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0005827204
一般式(1−2)中、Aは置換又は無置換の芳香族環を表し;R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は下記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜10の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0005827204
一般式(1−3)において、Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し;n5は1〜11の整数を表し、n5が2以上の時、複数のR、R、R、R及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
は水素原子又は置換基を表す。置換基の例としては、特に制限はなく、アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜10のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ヒドロキシル基が挙げられる。Rは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基が好ましく、水素原子、ヒドロキシル基、メチル基がより好ましい。また、Rは、置換基に1つ以上の前記置換基を有していてもよい。
n1は、0〜4の整数を表し、2〜4が好ましい。
n2は、1〜5の整数を表し、1〜3が好ましい。
は、下記一般式(2)で表される置換基を表す。
Figure 0005827204
一般式(1−2)中、Aは置換又は無置換の芳香族環を表し;R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は下記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜10の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Aは、置換又は無置換の芳香族環を表す。芳香族環は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を含む複素環であってもよい。Aの例としては、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ビフェニル環、ピレン環、ピラン環、ジオキサン環、ジチアン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、トリアジン環などが挙げられる。また、他の6員環または5員環が縮合していてもよい。Aは、ベンゼン環が好ましい。Aが有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基、ヒドロキシル基などが挙げられる。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基、下記一般式(1−3)で表される置換基を表す。R及びRは、水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、一般式(1−3)で表される置換基が好ましく、水素原子、メチル基、一般式(1−3)で表される置換基がより好ましい。
Figure 0005827204
一般式(1−3)において、Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し;n5は1〜11の整数を表し、n5が2以上の時、複数のR、R、R、R及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1−3)のXは、一般式(1−2)中のXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。R及びRは、水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。
n5は、1〜11の整数を表し、1〜9が好ましく、1〜7がより好ましい。
前記一般式(1−3)は、下記一般式(1−3’)で表されることが好ましい。
Figure 0005827204
一般式(1−3’)の各記号の定義は、一般式(1−3)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記一般式(1−3)は、下記一般式(1−3’’)で表されることが好ましい。
Figure 0005827204
一般式(3’’)中、n4は0〜10の整数を表す。
n4は、0〜10の整数を表し、0〜8が好ましく、0〜6がより好ましい。
一般式(1−2)中、Rは、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、置換基を有していてもよい。Rは、炭素原子数が1〜4のアルキレン基が好ましく、炭素原子数が1〜3のアルキレン基がさらに好ましい。Rが有していてもよい置換基としては、炭素原子数1〜5のアルキル基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ヒドロキシル基などが挙げられる。
一般式(1−2)中、Xは、置換もしくは無置換の芳香族環を表す。芳香族環は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を含む複素環であってもよい。Xの例としては、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ビフェニル環、ピレン環、ピラン環、ジオキサン環、ジチアン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、トリアジン環などが挙げられる。また、他の6員環または5員環が縮合していてもよい。Xは、ベンゼン環が好ましい。Xが有していてもよい置換基としては、Aの置換基として挙げた例と同様である。
n3は、0〜10の整数を表し、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。なお、n3が2以上の整数である場合、複数の−(R−X)で表される基はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれAに結合する。
前記一般式(1−2)は、下記一般式(1−2’)で表されることが好ましい。
Figure 0005827204
一般式(1−2’)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は前記一般式(1−3)で表される置換基を表し;Rは、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Xは、置換又は無置換の芳香族環を表し;n3は0〜5の整数を表し、n3が2以上の時、複数のR及びXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1−2’)中の各記号の好ましい範囲は、一般式(1−2)中のそれぞれと同様である。
前記一般式(1−2)は、下記一般式(1−2’’)で表されることが好ましい。
Figure 0005827204
一般式(1−2’’)中、n3は0〜5の整数を表す。
一般式(1−2’’)のn3の好ましい範囲は、一般式(1−2)中のn3の好ましい範囲と同様である。
一般式(1)で表される化合物は、Rが水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、Rが一般式(1−2’’)で表され、n1は2〜4の整数を表し、n2は1〜3の整数を表し、n3は0〜2の整数を表す態様であることが好ましい。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 0005827204
Figure 0005827204
なお、水酸基数の異なる一般式(1)で表される化合物が多点で水素結合することを可能とするために、互いに異なる2種以上の一般式(1)で表される化合物を少なくとも2種含有する混合物としてもよい。一例は、フェノールに対してスチレンが1〜3モルアルキル化したスチレン化フェノールと、アルキル化したスチレンのフェニル部位にさらにスチレンがアルキル化したスチレン化フェノールと、スチレンの2〜4量体程度のオリゴマーがフェノールにアルキル化したスチレン化フェノールとの混合物が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は、一般に、1当量のフェノール類に酸触媒の存在下、1当量以上のスチレン類を添加することによって合成することができ、市販品を用いてもよい。また、上記合成法により得られた混合物をそのまま使用してもよい。
一般式(III)で表される化合物の市販品としては、三光株式会社製のスチレン化フェノールである「TSP」、日塗料化学株式会社製の「PH−25」、精工化学株式会社製の「ノンフレックスWS」などが挙げられる。
<一般式(2)で表される化合物>
本発明の偏光子耐久性改良剤として、下記一般式(2)で表される化合物も好ましい。
Figure 0005827204
上記一般式(2)中、R11、R13及びR15は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基または炭素数6〜20の芳香族基を表す。
上記R11、R13、及びR15として採用しうる上記炭素数1〜20のアルキル基は、その炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
上記R11、R13、及びR15として採用しうる上記炭素数3〜20のシクロアルキル基は、その炭素数が3〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。当該シクロアルキル基の具体例として、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基が挙げられ、シクロヘキシル基が特に好ましい。
上記R11、R13、及びR15として採用しうる上記炭素数2〜20のアルケニル基は、その炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。
上記R11、R13、及びR15として採用しうる上記6〜20の芳香族基は、芳香族炭化水素基であっても芳香族複素環基であってもよいが、芳香族炭化水素基であることが好ましい。当該芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
11、R13、及びR15は置換基を有してもよいが、当該置換基としては、特に制限はなく、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数0〜20のヘテロ環基で、環構成ヘテロ原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子が好ましく、5または6員環でベンゼン環やヘテロ環で縮環していてもよく、該環が飽和環、不飽和環、芳香環であってもよく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アシル基(アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロ環カルボニル基を含み、炭素数は20以下が好ましく、例えば、アセチル、ピバロイル、アクリロイル、メタクロロイル、ベンゾイル、ニコチノイル等)、アリーロイルアルキル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20で、例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、アミノ基(アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは炭素数0〜20で、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ、1−ピロリジニル、ピペリジノ、モルホニル等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数0〜20で、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20で、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、アセチルアミノ、アクリロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニコチンアミド等)、シアノ基、水酸基、メルカプト基またはハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
11、R13、及びR15が有しうる上記置換基は、さらに上記置換基を有していてもよい。
ここで、R11、R13、及びR15の各基が有してもよい上記の置換基のうち、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基が好ましい。
一般式(2)で表される化合物のうち、好ましい化合物を列挙すると以下の通りである。
・R11、R13、及びR15のいずれか1つがアラルキル基である化合物
なお、アラルキル基はアルキル基にアリール基が置換した化合物であり、アラルキル基のなかでも、アルキル基に1個又は2個のアリール基が置換したもの(2個のアリール基が置換した場合、同一炭素原子に置換していることが好ましい。)が好ましい。さらに、アルキル基にアリール基とアシル基(好ましくはアリーロイル基)が置換したものも好ましい。
・R11、R13、及びR15のいずれか1つが、シクロアルキル基を含む基で、好ましくは、シクロアルキル基を含む基がシクロアルキル基である化合物
一般式(2)で表される化合物は、製膜時の溶解安定性の観点から、R11、R13、及びR15が、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は炭素数6〜20のアリール基であることがより好ましい。また、R11、R13、及びR15が、それぞれ1個以上の環構造を有することがより好ましく、それぞれ環構造を1個有するのがさらに好ましい。
より好ましくは、上記一般式(2)で表される化合物は、下記一般式(2−a)で表される。
Figure 0005827204
上記一般式(2−a)中、L〜Lは、各々独立に、単結合又は炭素数1以上の2価の連結基を表す。上記L〜Lは単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基であることがより好ましく、単結合、メチレン基又はエチレン基であることが更に好ましく、単結合又はメチレン基であることが特に好ましい。溶解安定性を考慮すると、L〜Lのうちの少なくとも一つは炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましい。前記2価の連結基は置換基を有していてもよく、当該置換基は、前述のR11、R13、及びR15が有しうる置換基と同義である。
上記一般式(2−a)中、Ar〜Arは炭素数6〜20のアリール基を表し、好ましくはフェニル基、ナフチル基であり、フェニル基が更に好ましい。Ar〜Arは置換基を有してもよく、当該置換基は、前述のR11、R13、及びR15が有しうる置換基と同義である。Ar〜Arは置換基を有さないか、又は置換基を有する場合には、当該置換基は環構造を有さないことが好ましい。
前記一般式(2)又は(2−a)で表される化合物の分子量は250〜1200であることが好ましく、300〜800であることがより好ましく、350〜600であることが特に好ましい。
分子量が小さすぎると、フィルムからの揮散が問題となることがあり、大きすぎると、ヘイズが高くなることがある。
以下に、前記一般式(2)又は(2−a)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記例示化合物中、Meはメチル基を表す。
Figure 0005827204
Figure 0005827204
Figure 0005827204
Figure 0005827204
Figure 0005827204
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上記一般式(2)で表される化合物は、尿素誘導体とマロン酸誘導体とを縮合させるバルビツール酸の合成法を用いて合成できることが知られている。N上に置換基を2つ有するバルビツール酸は、N,N’二置換型尿素とマロン酸クロリドを加熱するか、マロン酸と無水酢酸などの活性化剤とを組合わせて加熱することにより得られ、例えば、Journal of the American Chemical Society、第61巻、1015頁(1939年)、Journal of Medicinal Chemistry、第54巻、2409頁(2011年)、Tetrahedron Letters、第40巻、8029頁(1999年)、WO2007/150011号公報などに記載の方法を好ましく用いることができる。
また、縮合に用いるマロン酸は、無置換のものでも置換基を有するものでもよく、Rに相当する置換基を有するマロン酸を用いれば、バルビツール酸を構築することにより本発明の一般式(2)で表される化合物を合成することができる。また、無置換のマロン酸と尿素誘導体を縮合させると5位が無置換のバルビツール酸が得られるので、これを修飾することにより本発明の一般式(2)で表される化合物を合成してもよい。
なお、本発明に用いる一般式(2)で表される化合物の合成法は上記に限定されるものではない。
(偏光子耐久性改良剤の含有量)
前記偏光子耐久性改良剤は、偏光板保護フィルムを構成する主成分の樹脂(主成分の樹脂とは偏光板保護フィルムに含まれる樹脂のうち、最も含有質量比率が大きい樹脂)に対して1〜20質量%であることが好ましい。1質量%以上であれば、偏光子耐久性改良効果が得られやすく、また20質量%以下であれば、偏光板保護フィルムを製膜した場合にブリードアウトや染み出しも発生しにくい。前記有機酸の含有量は1〜15質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましい。
(2−4)疎水化剤
本発明の偏光板保護フィルムは疎水化剤として炭水化物誘導体を含有することが好ましい。
(炭水化物誘導体系可塑剤)
前記疎水化剤としては、単糖あるいは2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体(以下、炭水化物誘導体系可塑剤という)が好ましい。
前記炭水化物誘導体系可塑剤を好ましく構成する単糖または多糖は、分子中の置換可能な基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基など)が置換されていることを特徴とする。置換されて形成される構造の例としては、アルキル基、アリール基、アシル基などを挙げることができる。また、によって置換されて形成されるエーテル構造、水酸基をアシル基によって置換されて形成されるエステル構造、アミノ基によって置換されて形成されるアミド構造やイミド構造などを挙げることができる。
前記単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の例としては、例えば、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、フルクトース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、トレハロサミン、コウジビオース、ニゲロース、マルトース、マルチトール、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクチトール、ラクツロース、メリビオース、プリメベロース、ルチノース、シラビオース、スクロース、スクラロース、ツラノース、ビシアノース、セロトリオース、カコトリオース、ゲンチアノース、イソマルトトリオース、イソパノース、マルトトリオース、マンニノトリオース、メレジトース、パノース、プランテオース、ラフィノース、ソラトリオース、ウンベリフェロース、リコテトラオース、マルトテトラオース、スタキオース、バルトペンタオース、ベルバルコース、マルトヘキサオース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールなどを挙げることができる。
好ましくは、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、トレハロース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、スクラロース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールであり、さらに好ましくは、アラビノース、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、スクロース、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンであり、特に好ましくは、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、スクロース、キシリトール、ソルビトールである。
また、前記炭水化物誘導体系可塑剤の置換基の例としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、2−シアノエチル基、ベンジル基など)、アリール基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは6〜18、特に好ましくは6〜12のアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアシル基、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基、トルイル基、フタリル基、ナフタル基など)を挙げることができる。また、アミノ基によって置換されて形成される好ましい構造として、アミド構造(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアミド、例えばホルムアミド、アセトアミドなど)、イミド構造(好ましくは炭素数4〜22、より好ましくは炭素数4〜12、特に好ましくは炭素数4〜8のイミド、例えば、スクシイミド、フタルイミドなど)を挙げることができる。
これらの中で、さらに好ましいものはアルキル基、アリール基またはアシル基であり、特に好ましくはアシル基である。
前記炭水化物誘導体系可塑剤の好ましい例としては、以下のものを挙げることができる。ただし、本発明で用いることができる炭水化物誘導体系可塑剤は、これらに限定されるものではない。
キシローステトラアセテート、グルコースペンタアセテート、フルクトースペンタアセテート、マンノースペンタアセテート、ガラクトースペンタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシリトールペンタアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシローステトラブチレート、グルコースペンタブチレート、フルクトースペンタブチレート、マンノースペンタブチレート、ガラクトースペンタブチレート、マルトースオクタブチレート、セロビオースオクタブチレート、スクロースオクタブチレート、キシリトールペンタブチレート、ソルビトールヘキサブチレート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエートなどが好ましい。キシローステトラアセテート、グルコースペンタアセテート、フルクトースペンタアセテート、マンノースペンタアセテート、ガラクトースペンタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシリトールペンタアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエートなどがさらに好ましい。マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエートなどが特に好ましい。
前記炭水化物誘導体系疎水化剤はピラノース構造あるいはフラノース構造を有することが好ましい。
本発明に用いられる炭水化物誘導体としては以下に示す化合物が特に好ましい。ただし、本発明で用いることができる炭水化物誘導体は、これらに限定されるものではない。なお、以下の構造式中、Rはそれぞれ独立に任意の置換基を表し、複数のRは同一であっても、異なっていてもよい。
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(入手方法)
前記炭水化物誘導体の入手方法としては、市販品として(株)東京化成製、アルドリッチ製等から入手可能であり、もしくは市販の炭水化物に対して既知のエステル誘導体化法(例えば、特開平8−245678号公報に記載の方法)を行うことにより合成可能である。
前記炭水化物誘導体系可塑剤の入手方法としては、市販品として(株)東京化成製、アルドリッチ製等から入手可能であり、もしくは市販の炭水化物に対して既知のエステル誘導体化法(例えば、特開平8−245678号公報に記載の方法)を行うことにより合成可能である。
下記一般式(4)で表される化合物(以下、「芳香族末端エステル系化合物」と呼ぶ)も本発明の偏光板保護フィルムの疎水化剤として好ましく用いることができる。
一般式(4) B−(G−A)n−G−B
(式中、Bはそれぞれ独立にベンゼンモノカルボン酸残基を表す。Gはそれぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、炭素数6〜12のアリールグリコール残基、又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。nは0以上の整数を表す。)
一般式(4)で表される芳香族末端エステル系化合物は、一般式(4)中、Bで示されるベンゼンモノカルボン酸残基と、Gで示されるアルキレングリコール残基、オキシアルキレングリコール残基、又はアリールグリコール残基と、Aで示されるアルキレンジカルボン酸残基又はアリールジカルボン酸残基とから構成されるものであり、通常のポリエステル(重縮合エステル)と同様の反応により得られる。
なお、本明細書において「残基」とは、一般式(4)で表される芳香族末端エステル系化合物の部分構造で、該化合物(ポリマー)を形成している単量体の特徴を有する部分構造を表す。例えばモノカルボン酸R−COOHより形成されるモノカルボン酸残基はR−CO−である。
前記ベンゼンモノカルボン酸残基におけるベンゼンモノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、パラターシャリーブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸が好ましく、安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸がより好ましい。
前記アルキレングリコール残基におけるアルキレングリコールは、炭素数2〜12のアルキレングリコールであり、該炭素数は好ましくは2〜6であり、より好ましくは2〜3である。
アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールであることが好ましく、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールであることがより好ましい。
前記オキシアルキレングリコール残基におけるオキシアルキレングリコールは、炭素数4〜12のオキシアルキレングリコールであり、該炭素数は好ましくは4〜8であり、より好ましくは4〜6である。
オキシアルキレングリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールであることが好ましく、であることがより好ましい。
前記アリールグリコール残基におけるアリールグリコールは、炭素数6〜12のアリールグリコールであり、該炭素数は好ましくは6〜8である。
アリールグリコールとしては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、ハイドロキノン、レゾルシンであることが好ましく、ハイドロキノンであることがより好ましい。
前記アルキレンジカルボン酸残基におけるアルキレンジカルボン酸は、炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸であり、該炭素数は好ましくは4〜10であり、より好ましくは4〜8である。
アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、コハク酸、マレイン酸であることが好ましく、コハク酸であることがより好ましい。
前記アリールジカルボン酸残基におけるアリールジカルボン酸は、炭素数8〜12のアルキレンジカルボン酸である。
アリールジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等がある。これらは、それぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。
なかでも、1,5−ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸であることが好ましく、フタル酸、テレフタル酸であることがより好ましい。
一般式(4)において、nは0〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が更に好ましい。
本発明の芳香族末端エステル系化合物は、数平均分子量が、好ましくは300〜2000、より好ましくは500〜1500の範囲が好適である。また、その酸価は、0.5mgKOH/g以下、水酸基価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.3mgKOH/g以下、水酸基価は15mgKOH/g以下のものが好適である。
(芳香族末端エステル系化合物の酸価、水酸基価)
ここで、酸価とは、試料1g中に含まれる酸(分子末端に存在するカルボキシル基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。
水酸基価とは、試料1g中に含まれるOH基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。
酸価及び水酸基価はJIS K0070に準拠して測定したものである。
以下、本発明に係る芳香族末端エステル系可塑剤の合成例を示す。
〈サンプルNo.1(芳香族末端エステルサンプル)〉
反応容器に、フタル酸820部(5モル)、1,2−プロピレングリコール608部(8モル)、安息香酸610部(5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.30部を一括して仕込み窒素気流中で攪拌下、還流凝縮器を付して過剰の1価アルコールを還流させながら、酸価が2以下になるまで130〜250℃で加熱を続け生成する水を連続的に除去した。次いで200〜230℃で6.65×10Pa〜最終的に4×10Pa以下の減圧下、留出分を除去し、この後濾過して次の性状を有する芳香族末端エステルを得た。
粘度(25℃、mPa・s):19815
酸価:0.4
〈サンプルNo.2(芳香族末端エステルサンプル)〉
反応容器に、アジピン酸500部(3.5モル)、安息香酸305部(2.5モル)、ジエチレングリコール583部(5.5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.45部を用いる以外はサンプルNo.1と全く同様にして次の性状を有する芳香族末端エステルを得た。
粘度(25℃、mPa・s):90
酸価:0.05
〈サンプルNo.3(芳香族末端エステルサンプル)〉
反応容器にフタル酸410部(2.5モル)、安息香酸610部(5モル)、ジプロピレングリコール737部(5.5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.40部を用いる以外はサンプルNo.1と全く同様にして次の性状を有する芳香族末端エステル系可塑剤を得た。
粘度(25℃、mPa・s);43400
酸価 ;0.2
以下に、本発明に係る芳香族末端エステル系可塑剤の具体的化合物を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 0005827204
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本発明に用いられる一般式(4)で表される化合物の含有量は、セルロースアシレートフィルム中に、セルロースエステルに対して2〜20質量%含有することが好ましく、5〜15質量%含有することよりが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいて、フィルムのヘイズ低減の観点から、一般式(4)で表される化合物は2種類以上含有してもよい。2種類以上用いる場合の含有量は、その合計量が上記範囲にあることが好ましい。2種以上用いる場合、上記構造におけるnが異なる化合物を混合することがフィルムのヘイズ低減の観点から特に好ましい。
本発明の疎水化剤は偏光板保護フィルムを構成する主成分の樹脂(主成分の樹脂とは偏光板保護フィルムに含まれる樹脂のうち、最も含有質量比率が大きい樹脂)に対して1〜30質量%であることが好ましい。1質量%以上であれば、偏光子耐久性改良効果が得られやすく、また30質量%以下であれば、偏光板保護フィルムを製膜した場合にブリードアウトや染み出しも発生しにくい。前記疎水化剤の含有量は5〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。
[偏光板の製造方法]
以下、本発明の偏光板の製造方法について、偏光板保護フィルムの製造方法、偏光子の製造方法、偏光板保護フィルムと偏光子の積層方法、偏光板の機能化の順に説明する。
<偏光板保護フィルムの製造方法>
前記偏光板保護フィルムは、ソルベントキャスト法により製造することができる。以下、前記偏光板保護フィルムの製造方法について、主成分の樹脂としてセルロースアシレートを用いた態様を例に挙げて説明するが、その他の樹脂を用いた場合も同様に前記有機酸を含む偏光板保護フィルムを製造することができる。
ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
前記有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルおよび炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
前記エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。また、前記エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、前記有機溶媒として用いることができる。前記有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上述の好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
前記炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
また、2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることがさらに好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
また、2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
セルロースアシレート溶液(ドープ)は、0℃以上の温度(常温または高温)で処理することからなる一般的な方法で調製することができる。セルロースアシレート溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースアシレート溶液中におけるセルロースアシレートの量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれるように調整する。セルロースアシレートの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
セルロースアシレート溶液は、常温(0〜40℃)でセルロースアシレートと有機溶媒とを撹拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で撹拌してもよい。具体的には、セルロースアシレートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、且つ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら撹拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は撹拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
撹拌は、容器内部に撹拌翼を設けて、これを用いて行うことが好ましい。撹拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。撹拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶媒中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
冷却溶解法により、セルロースアシレート溶液を調製することもできる。冷却溶解法の詳細については、特開2007−86748号公報の〔0115〕〜〔0122〕に記載されている技術を用いることができる。
調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造する。ドープにはレターデーション発現剤を添加することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。
ソルベントキャスト法における乾燥方法については、米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号および同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号および同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号および同62−115035号の各公報に記載がある。バンドまたはドラム上での乾燥は空気、窒素などの不活性ガスを送風することにより行なうことができる。
また、得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100℃〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して、残留溶媒を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)を用いて2層以上の流延を行いフィルム化することもできる。この場合、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを作製することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40質量%の範囲となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
2層以上の複数のセルロースアシレート溶液を流延する場合、複数のセルロースアシレート溶液を流延することが可能であり、支持体の進行方向に間隔をおいて設けられた複数の流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィルムを作製してもよい。これらは、例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、および特開平11−198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延することによっても、フィルム化することもできる。これは、例えば、特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、および、特開平6−134933号の各公報に記載の方法を用いることができる。さらに特開昭56−162617号公報に記載の高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセルロースアシレート溶液で包み込み、その高・低粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押し出すセルロースアシレートフィルムの流延方法を用いることもできる。
また、2個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に成形したフィルムを剥ぎ取り、支持体面に接していた側に第二の流延を行うことにより、フィルムを作製することもできる。例えば、特公昭44−20235号公報に記載の方法を挙げることができる。
流延するセルロースアシレート溶液は同一の溶液を用いてもよいし、異なるセルロースアシレート溶液を2種以上用いてもよい。複数のセルロースアシレート層に機能をもたせるために、その機能に応じたセルロースアシレート溶液を、それぞれの流延口から押し出せばよい。さらに本発明におけるセルロースアシレート溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、紫外線吸収層、偏光層など)と同時に流延することもできる。
(偏光子耐久性改良剤の添加)
偏光板保護フィルムの樹脂原料であるセルロースアシレート溶液に対し、前記偏光子耐久性改良剤を添加するタイミングは、製膜される時点で添加されていれば特に限定されない。例えば、セルロースアシレートの合成時点で添加してもよいし、ドープ調製時セルロースアシレートと混合してもよい。
(紫外線吸収剤の添加)
本発明においてはセルロースアシレート溶液に、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤を加えてもよい。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。ヒンダードフェノール系化合物の例としては、2、6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N、N’−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系化合物の例としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2、2−メチレンビス(4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、(2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3、5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1、3、5−トリアジン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N、N’−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、(2(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2、6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。これらの紫外線防止剤の添加量は、光学フィルム100質量部に対して0.1質量部〜10.0質量部が好ましい。
(その他の添加剤の添加)
偏光板保護フィルムには、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン等)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。また、前記劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%以上であれば、劣化防止剤の効果が十分に発揮されるので好ましく、添加量が1質量%以下であれば、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)などが生じにくいので好ましい。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
また、偏光板保護フィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上がさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子径が0.1〜3.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子径は0.2μm〜1.5μmが好ましく、0.4μm〜1.2μmがさらに好ましく、0.6μm〜1.1μmが最も好ましい。1次、2次粒子径はフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とした。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vが、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であり、光学フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明において2次平均粒子径の小さな粒子を有する偏光板保護フィルムを得るために、微粒子の分散液を調製する際にいくつかの手法が考えられる。例えば、溶剤と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ作成し、この微粒子分散液を別途用意した少量のセルロースアシレート溶液に加えて撹拌溶解し、さらにメインのセルロースアシレート溶液(ドープ液)と混合する方法がある。この方法は二酸化珪素微粒子の分散性がよく、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにくい点で好ましい調製方法である。ほかにも、溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解した後、これに微粒子を加えて分散機で分散を行い、これを微粒子添加液とし、この微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法もある。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が添加量に対する液濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。最終的なセルロースアシレートのドープ溶液中でのマット剤微粒子の添加量は1mあたり0.01〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。本発明における偏光板保護フィルムの製造に用いる巻き取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
(延伸処理)
前記偏光板保護フィルムには、延伸処理を行うこともできる。延伸処理により偏光板保護フィルムに所望のレターデーションを付与することが可能である。セルロースアシレートフィルムの延伸方向は幅方向、長手方向のいずれでも好ましい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。
フィルムの延伸は、加熱条件下で実施する。フィルムは、乾燥中の処理で延伸することができ、特に溶媒が残存する場合は有効である。長手方向の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。幅方向の延伸の場合、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。フィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
前記偏光板保護フィルムの延伸は、前記偏光板保護フィルムのガラス転移温度Tgを用いて、(Tg−5℃)〜(Tg+40℃)の温度で行うことが好ましく、Tg〜(Tg+35℃)であることがより好ましく、(Tg+10℃)〜(Tg+30℃)であることが特に好ましい。乾膜の場合、130℃〜200℃が好ましい。
また、流延後にドープ溶剤が残存した状態で延伸を行う場合、乾膜よりも低い温度で延伸が可能となり、この場合、100℃〜170℃が好ましい。
前記偏光板保護フィルムの延伸倍率(延伸前のフィルムに対する伸び率)は、1%〜200%が好ましく、5%〜150%がさらに好ましい。とくに、幅方向に1%〜200%で延伸するのが好ましく、さらに好ましくは5%〜150%、特に好ましくは10〜45%である。
延伸速度は1%/分〜300%/分が好ましく、10%/分〜300%/分がさらに好ましく、30%/分〜300%/分が最も好ましい。
また、前記偏光板保護フィルムは、最大延伸倍率まで延伸したのちに、最大延伸倍率より低い延伸倍率で一定時間保持する工程(以下、「緩和工程」と称することがある。)を経て製造されることが好ましい。緩和工程における延伸倍率は最大延伸倍率の50%〜99%が好ましく、70%〜97%がさらに好ましく、90%〜95%が最も好ましい。また、緩和工程の時間は1秒〜120秒が好ましく、5秒〜100秒がさらに好ましい。
さらに、前記偏光板保護フィルムは幅方向にフィルムを把持しながら収縮させる収縮工程を含むことにより好ましく製造することができる。
フィルムの幅方向に延伸する延伸工程と、フィルムの搬送方向(長手方向)に収縮させる収縮工程を含むことを特徴とする製造方法においてはパンタグラフ式あるいはリニアモーター式のテンターによって保持し、フィルムの幅方向に延伸しながら搬送方向にはクリップの間隔を徐々に狭めることでフィルムを収縮させることが出来る。
前記で説明した方法は、延伸工程と収縮工程の少なくとも一部が、同時に行われているということができる。
なお、上記のようなフィルムの長手方向または幅方向のいずれか一方を延伸し、同時にもう一方を収縮させ、同時にフィルムの膜厚を増加させる延伸工程を具体的に行う延伸装置として、市金工業社製FITZ機などを望ましく用いることができる。この装置に関しては(特開2001−38802号公報)に記載されている。
延伸工程における延伸倍率および収縮工程における収縮率としては目的とする面内のレターデーションReおよび厚さ方向のレターデーションRthの値により、任意に適切な値を選択することができるが、延伸工程における延伸倍率が10%以上であり、かつ収縮工程における収縮率を5%以上とすることが好ましい。
特に、フィルムの幅方向に10%以上延伸する延伸工程と、フィルムの幅方向にフィルムを把持しながらフィルムの搬送方向を5%以上収縮させる収縮工程とを含むことが好ましい。
なお、本発明でいう収縮率とは、収縮方向における収縮前のフィルムの長さに対する収縮後のフィルムの収縮した長さの割合を意味する。
収縮率としては5〜40%が好ましく、10〜30%が特に好ましい。
(鹸化処理)
前記偏光板保護フィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。
鹸化の方法については、特開2007−86748号公報の〔0211〕と〔0212〕に記載される方法を用いることができる。
例えば前記偏光板保護フィルムに対するアルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。前記アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの濃度は0.1〜5.0mol/Lの範囲にあることが好ましく、0.5〜4.0mol/Lの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
アルカリ鹸化処理の代わりに、特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
<偏光子の製造方法>
本発明の偏光板の製造方法における前記偏光子の製造方法としては、特に制限はないが、例えば、前記PVAをフィルム化した後、二色性分子を導入して偏光子を構成することが好ましい。PVAフィルムの製造は、特開2007−86748号公報の〔0213〕〜〔0237〕に記載の方法、特許登録第3342516号明細書、特開平09−328593号公報、特開2001−302817号公報、特開2002−144401号公報等を参考にして行うことができる。
具体的には、前記偏光子の製造方法を、PVA系樹脂溶液の調製工程、流延工程、膨潤工程、染色工程、硬膜工程、延伸工程、乾燥工程を記載の順序で遂次行うことが特に好ましい。また、前述の工程中あるいは後にオンライン面状検査工程を設けてもよい。
(PVA系樹脂溶液の調製)
前記PVA系樹脂溶液の調製工程では、PVA系樹脂を水または有機溶媒に溶解した原液を調製することが好ましい。原液中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、好ましくは5〜20質量%である。例えば、PVAのウェットケーキを溶解槽に入れ、必要に応じて可塑剤、水を加え、槽底から水蒸気を吹き込みながら攪拌する方法が好ましい。内部樹脂温度は50〜150℃に加温することが好ましく、系内を加圧してもよい。
また、前記偏光子中に酸を添加しなくてもよく、添加してもよいが、添加する場合はこの工程で加えることが好ましい。なお、偏光子中に酸を添加する場合は、前記偏光板保護フィルムに含まれる前記有機酸と同じものを用いてもよい。
(流延)
前記流延工程は、上記にて調製したPVA系樹脂溶液原液を流延して成膜する方法が一般に好ましく用いられる。流延の方法としては、特に制限はないが、加熱した前記PVA系樹脂溶液原液を2軸押し出し機に供給し、ギアポンプにより排出手段(好ましくはダイ、より好ましくはT型スリットダイ)から支持体上に流涎して製膜することが好ましい。また、ダイからの排出される樹脂溶液の温度については特に制限はない。
前記支持体としては、キャストドラムが好ましく、ドラムの直径、幅、回転速度、表面温度については、特に制限はない。
その後、得られたロールの裏面と表面とを乾燥ロールに交互に通過させながら乾燥を行なうことが好ましい。
(膨潤)
前記膨潤工程は、水のみで行うことが好ましいが、特開平10−153709号公報に記載されているように、光学性能の安定化および、製造ラインでの偏光板基材のシワ発生回避のために、偏光板基材をホウ酸水溶液により膨潤させて、偏光板基材の膨潤度を管理することもできる。
また、膨潤工程の温度、時間は、任意に定めることができるが、10℃〜60℃、5秒〜2000秒が好ましい。
なお、膨潤工程のときにわずかに延伸を行ってもよく、例えば1.3倍程度に延伸する態様が好ましい。
(染色)
前記染色工程は、特開2002−86554号公報に記載の方法を用いることができる。また、染色方法としては浸漬だけでなく、ヨウ素あるいは染料溶液の塗布あるいは噴霧等、任意の手段が可能である。また、特開2002−290025号公報に記載されているように、ヨウ素の濃度、染色浴温度、浴中の延伸倍率、および浴中の浴液を攪拌させながら染色させる方法を用いてもよい。
二色性分子として高次のヨウ素イオンを用いる場合、高コントラストの偏光板を得るためには、染色工程はヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶解した液を用いることが好ましい。この場合のヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液のヨウ素とヨウ化カリウムの質量比については特開2007−086748号公報に記載の態様を用いることができる。
また、特許登録第3145747号明細書に記載されているように、染色液にホウ酸、ホウ砂等のホウ素系化合物を添加してもよい。
(硬膜)
前記硬膜工程は、架橋剤溶液に浸漬、または溶液を塗布して架橋剤を含ませるのが好ましい。また、特開平11−52130号公報に記載されているように、硬膜工程を数回に分けて行うこともできる。
前記架橋剤としては米国再発行特許第232897号明細書に記載のものが使用でき、特許第3357109号明細書に記載されているように、寸法安定性を向上させるため、架橋剤として多価アルデヒドを使用することもできるが、ホウ酸類が最も好ましく用いられる。硬膜工程に用いる架橋剤としてホウ酸を用いる場合には、ホウ酸−ヨウ化カリウム水溶液に金属イオンを添加してもよい。金属イオンとしては塩化亜鉛が好ましいが、特開2000−35512号公報に記載されているように、塩化亜鉛の変わりに、ヨウ化亜鉛などのハロゲン化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛などの亜鉛塩を用いることもできる。
また、塩化亜鉛を添加したホウ酸−ヨウ化カリウム水溶液を作製し、PVAフィルムを浸漬させて硬膜を行ってもよく、特開2007−086748号公報に記載の方法を用いることができる。
なお、ここで、高温環境下における耐久性を高める方法として公知の酸性溶液による浸漬処理を行っても、行なわなくてもよい。前記酸性溶液による処理としては、特開2001−83329号公報、特開平6−254958号公報、国際公開WO2006/095815号公報などに記載の方法を挙げることができる。
(延伸)
前記延伸工程は、米国特許2,454,515号明細書などに記載されているような、縦一軸延伸方式、もしくは特開2002−86554号公報に記載されているようなテンター方式を好ましく用いることができる。好ましい延伸倍率は2倍〜12倍であり、さらに好ましくは3倍〜10倍である。また、延伸倍率と原反厚さと偏光子厚さの関係は特開2002−040256号公報に記載されている(保護フィルム貼合後の偏光子膜厚/原反膜厚)×(全延伸倍率)>0.17としたり、最終浴を出た時の偏光子の幅と保護フィルム貼合時の偏光子幅の関係は特開2002−040247号公報に記載されている0.80≦(保護フィルム貼合時の偏光子幅/最終浴を出た時の偏光子の幅)≦0.95としたりすることも好ましく行うことができる。
(乾燥)
前記乾燥工程は、特開2002−86554号公報で公知の方法を使用できるが、好ましい温度範囲は30℃〜100℃であり、好ましい乾燥時間は30秒〜60分である。また、特許登録第3148513号明細書に記載されているように、水中退色温度を50℃以上とするような熱処理を行ったり、特開平07−325215号公報や特開平07−325218号公報に記載されているように温湿度管理した雰囲気でエージングしたりすることも好ましく行うことができる。
このような工程により、膜厚10〜200μmの偏光子を製造することが好ましい。なお、膜厚の制御は、公知の方法で制御することができ、例えば前記流延工程におけるダイスリット幅や、延伸条件を適切な値に設定することで制御できる。
<偏光子と偏光板保護フィルムの積層方法>
本発明の偏光板の製造方法は、上記にて得られた前記偏光子の両面に、2枚の偏光板保護フィルムを積層する。
本発明の偏光板の製造方法では、偏光板保護フィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に、完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法により作製することが好ましい。
前記偏光板保護フィルムの処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
本発明の偏光板の偏光板保護フィルムの前記偏光子への貼り合せ方は、偏光子の透過軸と前記偏光板保護フィルムの遅相軸が実質的に平行となるように貼り合せることが好ましい。
ここで、実質的に平行であるとは、前記有機酸を含む偏光板保護フィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが5°以内であることをいい、1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°以内であれば、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下しにくく、光抜けが生じにくく好ましい。
<偏光板の機能化>
本発明の偏光板は、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板としても好ましく使用される。機能化のための反射防止フィルム、輝度向上フィルム、他の機能性光学フィルム、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア層については、特開2007−86748号公報の〔0257〕〜〔0276〕に記載され、これらの記載を基に機能化した偏光板を作成することができる。
(3−1)反射防止フィルム
本発明の偏光板は反射防止フィルムと組み合わせて使用することができる。反射防止フィルムは、フッ素系ポリマー等の低屈折率素材を単層付与しただけの反射率1.5%程度のフィルム、または薄膜の多層干渉を利用した反射率1%以下のフィルムのいずれも使用できる。本発明では、透明支持体上に低屈折率層、および低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、高屈折率層、中屈折率層)を積層した構成が好ましく使用される。また、日東技報,vol.38,No.1,May,2000,26頁〜28頁や特開2002−301783号公報などに記載された反射防止フィルムも好ましく使用できる。
各層の屈折率は以下の関係を満足する。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
反射防止フィルムに用いる透明支持体は、前述の偏光子の保護フィルムに使用する透明ポリマーフィルムを好ましく使用することができる。
低屈折率層の屈折率は1.20〜1.55であることが好ましく、さらに好ましくは1.30〜1.50である。低屈折率層は、耐擦傷性、防汚性を有する最外層として使用することが好ましい。耐擦傷性向上のため、シリコーン基を含有する含シリコーン化合物や、フッ素を含有する含フッ素化合物等の素材を用い表面への滑り性を付与することも好ましく行われる。
前記含フッ素化合物としては、例えば、特開平9−222503号公報[0018]〜[0026]、同11−38202号公報[0019]〜[0030]、特開2001−40284号公報[0027]〜[0028]、特開2000−284102号公報等に記載の化合物を好ましく使用することができる。
前記含シリコーン化合物はポリシロキサン構造を有する化合物が好ましいが、反応性シリコーン(例えば、サイラプレーン(チッソ(株)製)や両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報)等を使用することもできる。シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化させてもよい(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報、特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)。
低屈折率層には、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820号公報の[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有させることも好ましく行うことができる。
前記低屈折率層は、気相法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等)により形成されてもよいが、安価に製造できる点で、塗布法で形成することが好ましい。塗布法としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビア法を好ましく使用することができる。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
中屈折率層および高屈折率層は、平均粒子サイズ100nm以下の高屈折率の無機化合物超微粒子をマトリックス用材料に分散した構成とすることが好ましい。高屈折率の無機化合物微粒子としては、屈折率1.65以上の無機化合物、例えば、Ti、Zn、Sb、Sn、Zr、Ce、Ta、La、In等の酸化物、これらの金属原子を含む複合酸化物等を好ましく使用できる。
このような超微粒子は、粒子表面を表面処理剤で処理したり(シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908号公報、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造としたり(特開2001−166104号公報等)、特定の分散剤を併用する(例えば、特開平11−153703号公報、米国特許第6,210,858B1明細書、特開2002−2776069号公報等)等の態様で使用することができる。
前記マトリックス用材料としては、従来公知の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂皮膜等を使用できるが、特開2000−47004号公報、同2001−315242号公報、同2001−31871号公報、同2001−296401号公報等に記載の多官能性材料や、特開2001−293818号公報等に記載の金属アルコキシド組成物から得られる硬化性膜を使用することもできる。
前記高屈折率層の屈折率は、1.70〜2.20であることが好ましい。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
前記中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
前記反射防止フィルムのヘイズは、5%以下あることが好ましく、3%以下がさらに好ましい。また、膜の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
(3−2)輝度向上フィルム
本発明の偏光板は、輝度向上フィルムと組み合わせて使用することができる。輝度向上フィルムは、円偏光もしくは直線偏光の分離機能を有しており、偏光板とバックライトとの間に配置され、一方の円偏光もしくは直線偏光をバックライト側に後方反射もしくは後方散乱する。バックライト部からの再反射光は、部分的に偏光状態を変化させ、輝度向上フィルムおよび偏光板に再入射する際、部分的に透過するため、この過程を繰り返すことにより光利用率が向上し、正面輝度が1.4倍程度に向上する。輝度向上フィルムとしては異方性反射方式および異方性散乱方式が知られており、いずれも本発明における偏光板と組み合わせることができる。
異方性反射方式では、一軸延伸フィルムと未延伸フィルムとを多重に積層して、延伸方向の屈折率差を大きくすることにより反射率ならびに透過率の異方性を有する輝度向上フィルムが知られており、誘電体ミラーの原理を用いた多層膜方式(国際公開第95/17691号パンフレット、国際公開第95/17692号パンフレット、国際公開第95/17699号パンフレットの各明細書記載)やコレステリック液晶方式(欧州特許606940A2号明細書、特開平8−271731号公報記載)が知られている。誘電体ミラーの原理を用いた多層方式の輝度向上フィルムとしてはDBEF―E、DBEF−D、DBEF−M(いずれも3M社製)、コレステリック液晶方式の輝度向上フィルムとしてはNIPOCS(日東電工(株)製)が本発明で好ましく使用される。NIPOCSについては、日東技報,vol.38,No.1,May,2000,19頁〜21頁などを参考にすることができる。
また、本発明では国際公開第97/32223号パンフレット、国際公開第97/32224号パンフレット、国際公開第97/32225号パンフレット、国際公開第97/32226号パンフレットの各明細書および特開平9−274108号、同11−174231号の各公報に記載された正の固有複屈折性ポリマーと負の固有複屈折性ポリマーとをブレンドして一軸延伸した異方性散乱方式の輝度向上フィルムと組み合わせて使用することも好ましい。異方性散乱方式輝度向上フィルムとしては、DRPF−H(3M社製)が好ましい。
本発明の偏光板は、さらに、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層、ガスバリア層、滑り層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けた機能性光学フィルムと組み合わせて使用することも好ましい。また、これらの機能層は、前述の反射防止フィルムにおける反射防止層、あるいは光学異方性層等と同一層内で相互に複合して使用することも好ましい。これらの機能層は、偏光子側および偏光子と反対面(より空気側の面)のどちらか片面、または両面に設けて使用できる。
(3−3)ハードコート層
本発明の偏光板は耐擦傷性等の力学的強度を付与するため、ハードコート層を透明支持体の表面に設けた機能性光学フィルムと組み合わせることが好ましく行われる。ハードコート層を、前述の反射防止フィルムに適用して用いる場合は、特に、透明支持体と高屈折率層の間に設けることが好ましい。
前記ハードコート層は、光および/または熱による硬化性化合物の架橋反応、または、重合反応により形成されることが好ましい。硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、または、加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、国際公開第00/46617号パンフレット等記載のものを好ましく使用することができる。
ハードコート層の膜厚は、0.2μm〜100μmであることが好ましい。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層を形成する材料は、エチレン性不飽和基を含む化合物、開環重合性基を含む化合物を用いることができ、これらの化合物は単独あるいは組み合わせて用いることができる。エチレン性不飽和基を含む化合物の好ましい例としては、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールのポリアクリレート類;ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレート等のエポキシアクリレート類;ポリイソシナネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を好ましい化合物として挙げることができる。また、市販化合物としては、EB−600、EB−40、EB−140、EB−1150、EB−1290K、IRR214、EB−2220、TMPTA、TMPTMA(以上、ダイセル・ユーシービー(株)製)、UV−6300、UV−1700B(以上、日本合成化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、開環重合性基を含む化合物の好ましい例としては、グリシジルエーテル類としてエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど、脂環式エポキシ類としてセロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401、EHPE3150CE(以上、ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど、オキセタン類としてOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)などが挙げられる。その他にグリシジル(メタ)アクリレートの重合体、或いはグリシジル(メタ)アクリレートと共重合できるモノマーとの共重合体をハードコート層に使用することもできる。
ハードコート層には、ハードコート層の硬化収縮の低減、基材との密着性の向上、本発明においてハードコート処理物品のカールを低減するため、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム等の酸化物微粒子やポリエチレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリジメチルシロキサン等の架橋粒子、SBR、NBRなどの架橋ゴム微粒子等の有機微粒子等の架橋微粒子を添加することも好ましく行われる。これらの架橋微粒子の平均粒子サイズは、1nm〜20000nmであることが好ましい。また、架橋微粒子の形状は、球状、棒状、針状、板状など特に制限無く使用できる。微粒子の添加量は硬化後のハードコート層の60体積%以下であることが好ましく、40体積%以下がより好ましい。
上記で記載した無機微粒子を添加する場合、一般にバインダーポリマーとの親和性が悪いため、ケイ素、アルミニウム、チタニウム等の金属を含有し、かつアルコキシド基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基等の官能基を有する表面処理剤を用いて表面処理を行うことも好ましく行われる。
ハードコート層は、熱または活性エネルギー線を用いて硬化することが好ましく、その中でも放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を用いることがより好ましく、安全性、生産性を考えると電子線、紫外線を用いることが特に好ましい。熱で硬化させる場合は、プラスチック自身の耐熱性を考えて、加熱温度は140℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以下である。
(3−4)前方散乱層
前方散乱層は、本発明における偏光板を液晶表示装置に適用した際の、上下左右方向の視野角特性(色相と輝度分布)改良するために使用される。本発明では、前方散乱層は屈折率の異なる微粒子をバインダー分散した構成が好ましく、例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子との相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等の構成を使用することができる。また、本発明における偏光板をヘイズの視野角特性を制御するため、住友化学(株)の技術レポート「光機能性フィルム」31頁〜39頁に記載された「ルミスティ」と組み合わせて使用することも好ましく行うことができる。
(3−5)アンチグレア層
アンチグレア(防眩)層は、反射光を散乱させ映り込みを防止するために使用される。アンチグレア機能は、液晶表示装置の最表面(表示側)に凹凸を形成することにより得られる。アンチグレア機能を有する光学フィルムのヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
フィルム表面に凹凸を形成する方法は、例えば、微粒子を添加して膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、比較的大きな粒子(粒子サイズ0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成する方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報、同2001−100004号公報、同2001−281407号公報等)、フィルム表面に物理的に凹凸形状を転写する方法(例えば、エンボス加工方法として、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等記載)等を好ましく使用することができる。
[液晶表示装置]
次に本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、本発明の偏光板を少なくとも1枚含むことを特徴とする。
図1は、本発明の液晶表示装置の例を示す概略図である。図1において、液晶表示装置10は、液晶層5とこの上下に配置された液晶セル上電極基板3および液晶セル下電極基板6とを有する液晶セル、液晶セルの両側に配置された上側偏光板1および下側偏光板8からなる。液晶セルと各偏光板との間にカラーフィルターを配置してもよい。前記液晶表示装置10を透過型として使用する場合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置する。
上側偏光板1および下側偏光板8は、それぞれ2枚の偏光板保護フィルムで偏光子を挟むように積層した構成を有しており、本発明の液晶表示装置10は、少なくとも一方の偏光板が本発明の偏光板であることが好ましい。本発明の液晶表示装置10は、装置の外側(液晶セルから遠い側)から、一般の透明保護フィルム、偏光子、前記偏光板保護フィルムの順序で積層することが好ましい。
液晶表示装置10には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。TFTやMIMのような3端子または2端子半導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置が本発明は有効である。もちろん時分割駆動と呼ばれるSTNモードに代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置でも有効である。
(VAモード)
本発明の液晶表示装置の液晶セルはVAモードであることが好ましい。
VAモードでは上下基板間に誘電異方性が負で、Δn=0.0813、Δε=−4.6程度の液晶をラビング配向により、液晶分子の配向方向を示すダイレクタ、いわゆるチルト角を、約89°で作製する。図1における液晶層5の厚さdは3.5μm程度に設定してあることが好ましい。ここで厚さdと屈折率異方性Δnとの積Δndの大きさにより白表示時の明るさが変化する。このため最大の明るさを得るためには液晶層の厚みを0.2μm〜0.5μmの範囲になるように設定する。
液晶セルの上側偏光板1の吸収軸2と下側偏光板8の吸収軸9は略直交に積層する。液晶セル上電極基板3および液晶セル下電極基板6のそれぞれの配向膜の内側には透明電極(図示せず)が形成されるが、電極に駆動電圧を印加しない非駆動状態では、液晶層5中の液晶分子は、基板面に対して概略垂直に配向し、その結果液晶パネルを通過する光の偏光状態はほとんど変化しない。すなわち、液晶表示装置では、非駆動状態において理想的な黒表示を実現する。これに対し、駆動状態では、液晶分子は基板面に平行な方向に傾斜し、液晶パネルを通過する光はかかる傾斜した液晶分子により偏光状態を変化させる。換言すると、液晶表示装置では、駆動状態において白表示が得られる。なお図1において、符号4および7は、配向制御方向である。
ここでは上下基板間に電界が印加されるため、電界方向に垂直に液晶分子が応答するような、誘電率異方性が負の液晶材料を使用することが好ましい。また電極を一方の基板に配置し、電界が基板面に平行の横方向に印加される場合は、液晶材料は正の誘電率異方性を有するものを使用する。
またVAモードの液晶表示装置では、TNモードの液晶表示装置で一般的に使われているカイラル剤の添加は、動的応答特性の劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加されることもある。
VAモードの特徴は、高速応答であることと、コントラストが高いことである。しかし、コントラストは正面では高いが、斜め方向では劣化する課題がある。黒表示時に液晶分子は基板面に垂直に配向している。正面から観察すると、液晶分子の複屈折はほとんどないため透過率は低く、高コントラストが得られる。しかし、斜めから観察した場合は液晶分子に複屈折が生じる。さらに上下の偏光板吸収軸の交差角が、正面では90°の直交であるが、斜めから見た場合は90°より大きくなる。この2つの要因のために斜め方向では漏れ光が生じ、コントラストが低下する。前記有機酸を含む偏光板保護フィルムが位相差フィルムである場合、この問題を解決するために光学補償シート(位相差フィルム)として、前記偏光板保護フィルムを配置することができる。
また白表示時には液晶分子が傾斜しているが、傾斜方向とその逆方向では、斜めから観察した時の液晶分子の複屈折の大きさが異なり、輝度や色調に差が生じる。これを解決するためには、液晶表示装置の一画素を複数の領域に分割するマルチドメインと呼ばれる構造にすることも好ましい。
(マルチドメイン)
例えば、VA方式では液晶分子が電界印加により、一つの画素内で異なる複数の領域に傾斜することで視角特性が平均化される。一画素内で配向を分割するには、電極にスリットを設けたり、突起を設け、電界方向を変えたり電界密度に偏りを持たせる。全方向で均等な視野角を得るにはこの分割数を多くすればよいが、4分割、あるいは8分割以上することでほぼ均等な視野角が得られる。特に8分割時は偏光板吸収軸を任意の角度に設定できるので好ましい。
また配向分割の領域境界では、液晶分子が応答しづらい。そのためノーマリーブラック表示では黒表示が維持されるため、輝度低下が問題となる。そこで液晶材料にカイラル剤を添加して境界領域を小さくすることが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[参考例101]
(1)セルロースアシレートフィルムの製膜
(<セルロースアシレートの調製>)
アセチル置換度2.87のセルロースアシレートを調製した。これは、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
〔偏光板保護フィルムの作製〕
<エア側表層用ドープ101液の調製>
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
スクロースオクタベンゾエート 11.0質量部
偏光子耐久性改良剤(2−3) 4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 353.9質量部
メタノール(第2溶媒) 89.6質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 4.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(マット剤溶液2の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液2を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液2の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 69.3質量部
メタノール(第2溶媒) 17.5質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.9質量部
前記セルロースアシレート溶液1 0.9質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記マット剤溶液2の1.3質量部と、セルロースアシレート溶液1を98.7質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合し、エア側表層用ドープ101液を調製した。
<基層用ドープ101の調製>
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、基層用ドープ101を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
基層用ドープ101(セルロースアシレート溶液2)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
スクロースオクタベンゾエート 11.0質量部
偏光子耐久性改良剤(2−3) 4.0質量部
下記紫外線吸収剤C 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 297.7質量部
メタノール(第2溶媒) 75.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 3.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
紫外線吸収剤C
Figure 0005827204
<支持体側表層用ドープ101液の調製>
エア層側表層用ドープ101液において作製した、マット剤溶液2の1.3質量部と、セルロースアシレート溶液1を99.3質量部をインラインミキサーを用いて混合し、支持体側表層用ドープ101液を調製した。
(流延)
ドラム流延装置を用い、前記調製したドープ(基層用ドープ)と、その両側に表層用ドープとを3層同時にステンレス製の流延支持体(支持体温度−9℃)に流延口から均一に流延した。各層のドープ中の残留溶媒量が略70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、残留溶媒量が3〜5質量%の状態で、横方向に1.28倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、参考例101のセルロースアシレートフィルムを得た。得られたセルロースアシレートフィルムの厚みは30μm(エア側表層3μm、基層24μm、支持体側表層3μm)、幅は1480mmであった。
[参考例102〜122]
参考例101の偏光板保護フィルムの作製において偏光子耐久性改良剤の種類および添加量、フィルム厚みを下記表1に記載したとおりに変更した以外は同様にして、参考例102〜122の偏光板保護フィルムを製造した。なお、偏光子耐久性改良剤の種類および添加量はエア側表層、基層、支持体側表層の3層ですべて同一にした。
また、参考例102の厚み37μmは、エア側表層3μm、基層31μm、支持体側表層3μmであった。
同様に、参考例110の厚み25μmは、エア側表層2μm、基層21μm、支持体側表層2μmであった。
同様に、参考例112の厚み45μmは、エア側表層2μm、基層41μm、支持体側表層2μmであった。
Figure 0005827204
Figure 0005827204
Figure 0005827204

Figure 0005827204
Figure 0005827204
Figure 0005827204
[参考例201]
(1)セルロースアシレートフィルムの製膜
<セルロースアシレートの調製>
アセチル置換度2.87のセルロースアシレートを調製した。これは、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。またアシル化後に40℃で熟成を行った。更にこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
(セルロースアシレート溶液201の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液201を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液201の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
・疎水化剤1(A−1) 6.5質量部
・疎水化剤2(B−1) 4.0質量部
・紫外線吸収剤D 1.5質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 412.2質量部
・エタノール(第2溶媒) 35.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
紫外線吸収剤D
Figure 0005827204
疎水化剤(A−1)
Figure 0005827204
疎水化剤(B−1)
Figure 0005827204
(マット剤溶液202の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液202を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液202の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 79.9質量部
エタノール(第2溶媒) 6.9質量部
前記セルロースアシレート溶液201 0.9質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(偏光子耐久性改良剤溶液203の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、偏光子耐久性改良剤溶液203を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
偏光子耐久性改良剤溶液203の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
偏光子耐久性改良剤(1−11) 20.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 73.6質量部
エタノール(第2溶媒) 6.4質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<流延>
上記マット剤溶液202の1.3質量部と、偏光子耐久性改良剤溶液203の3.4質量部をそれぞれ濾過後にインラインミキサーを用いて混合し、更にセルロースアシレート溶液201を95.3質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合した。バンド流延装置を用い、前記調製したドープをステンレス製の流延支持体(支持体温度22℃)に流延した。ドープ中の残留溶媒量が略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンターで把持し、残留溶媒量が5〜10質量%の状態で、120摂氏の温度下で幅方向に1.10倍(10%)延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、実施例201のセルロースアシレートフィルムを得た。得られたセルロースアシレートフィルムの厚みは20μm、幅は1480mmであった。
[参考例202〜214]
参考例201の偏光板保護フィルムの作製において偏光子耐久性改良剤の種類および添加量、フィルム厚みを下記表2に記載したとおりに変更した以外は同様にして、参考例202〜214の偏光板保護フィルムを製造した。
Figure 0005827204
Figure 0005827204
[参考例301]
(アクリル溶液301の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、アクリル溶液301を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アクリル溶液301の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・三菱レイヨン(株)製ダイヤナールBR88 100.0質量部
・スクロースオクタベンゾエート 11.0質量部
・紫外線吸収剤C 2.0質量部
・偏光子耐久性改良剤(1−13) 6.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 393.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 59.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(セルロースアシレート溶液302の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液302を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液302の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アセチル置換度2.86、重合度350のセルロースアセテート
100.0質量部
・スクロースオクタベンゾエート 5.0質量部
・紫外線吸収剤C 2.0質量部
・偏光子耐久性改良剤(1−13) 8.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 414.0質量部
・メタノール(第2溶媒) 62.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<積層フィルムの作製>
3層共流延が可能な流延ギーサーを通して、金属支持体上に、金属支持体上に近い側から、アクリル層/セルロースアシレート層/アクリル層=30μm/10μm/30μmの層構成となるように流延した。金属支持体上にある間、ドープを40℃の乾燥風により乾燥してフィルムを形成した後に剥ぎ取り、フィルム両端をピンで固定し、その間を同一の間隔で保ちつつ105℃の乾燥風で5分間乾燥した。ピンを外した後、更に130℃で20分間乾燥し、積層フィルムの状態で巻き取った。
このようにして製造した積層フィルムから、上層および下層のアクリルフィルムを剥離して取り除くことにより、膜厚が10μmのセルロースアシレートフィルムを得た。
[参考例302〜304]
参考例301の偏光板保護フィルムの作製においてフィルム厚みを下記表3に記載の値に変更した以外は同様にして、参考例302〜304の偏光板保護フィルムを製造した。
Figure 0005827204
[参考例401]
特開2010−058455号公報に記載の方法により、厚み180μmのアクリルフィルムを製膜した。さらに前記アクリルフィルムを、温度130℃まで加熱して縦方向に1.9倍に延伸を行った。さらにそのまま、フィルムの両端部から20mmの位置を2インチのクリップで掴みテンターへ供給し、145℃まで加熱して2.2倍の延伸を行い、膜厚45μmの偏光板保護フィルム401を得た。
[参考例402〜404]
参考例401の偏光板保護フィルムの作製において溶融製膜時点のフィルムの厚みを表4に記載の値に変更した以外は同様にして、参考例402〜404の偏光板保護フィルムを製造した。
Figure 0005827204
<偏光子Aの作製>
平均重合度2400、けん化度99.9%以上のPVA粉体を純水に溶解して10質量%になるように調整した水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して40℃、3時間乾燥した後、さらに110℃、60分乾燥を行ない、厚さ50μmのPVAフィルムを得た。得られたフィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)の水溶液に浸漬して1.5倍に縦一軸延伸した。ヨウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)の水溶液の濃度は、ヨウ素濃度0.38質量%とした。次いで、50℃の4.25%のホウ酸水溶液中で、総延伸倍率が7倍になるように縦一軸延伸し、30℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥し、厚さ12.5μmの偏光子Aを得た。
<偏光子Bの作製>
平均重合度2400、けん化度99.9%以上のPVA粉体を純水に溶解して12質量%になるように調整した水溶液を、ポリエステルフィルム上に塗布して40℃、3時間乾燥した後、さらに110℃、60分乾燥を行ない、厚さ50μmのPVAフィルムを得た。得られたフィルムを30℃の温水で1分間膨潤させ、30℃のヨウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)の水溶液に浸漬して2倍に縦一軸延伸した。ヨウ化カリウム/ヨウ素(質量比10:1)の水溶液の濃度は、ヨウ素濃度0.38質量%とした。次いで、ホウ酸4.25質量%の50℃水溶液中で、総延伸倍率が6.5倍になるように縦一軸延伸し、30℃の水浴に浸漬して水洗し、50℃、4分間乾燥し、厚さ16μmの偏光子Bを得た。
<偏光子Cの作製>
原反膜厚を32μmとした以外は、実施例の偏光子Aと同様にして偏光子Cを作製した。偏光子Cの厚さは8μmだった。
<偏光子Dの作製>
原反膜厚を16μmとした以外は、実施例の偏光子Aと同様にして用偏光子Dを作製した。偏光子Dの厚さは4μmだった。
<比較用偏光子Eの作製>
原反膜厚を77μmとした以外は、実施例の偏光子Aと同様にして比較用偏光子Eを作製した。偏光子Eの厚さは19μmだった。
以降、実施例A−101〜A−114、A−117、B−101〜102、C101〜109、D−101〜105は、それぞれ、参考例A−101〜A−114、A−117、B−101〜102、C101〜109、D−101〜105に読み替えるものとする。下記表5においても同様である。
[実施例A−101]
〔偏光板保護フィルムの鹸化処理〕
作製した参考例101の偏光板保護フィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、参考例101の偏光板保護フィルムについて表面の鹸化処理を行った。
〔偏光板の作製〕
鹸化処理した参考例101の偏光板保護フィルムのエア側表層面を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記にて製造した偏光子Aの片側面に貼り付けた。さらに鹸化処理した参考例302の偏光板保護フィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、参考例101の偏光板保護フィルムを貼りあわせた面とは反対側に貼り付けた。この際、偏光子の透過軸と作成した参考例101および参考例302の偏光板保護フィルムの幅方向とが平行になるように配置した。このようにして実施例A−101の偏光板を作製した。
[実施例A−102〜A−117、B−101〜102、C101〜109、D−101〜105、および比較例A−201〜209、B−201、C−201、D−201〜204、E−201の偏光板の作製]
実施例A−101において、偏光板保護フィルムの種類を表5に記載のものに偏光した以外は実施例A−101と同様にして、実施例の偏光板および、比較例の偏光板を作製した。
なお、アクリル系フィルムについては、鹸化処理を行なわずに、総研化学(株)製SK粘着シートを用いて偏光子に貼り付けた。
(偏光板耐久性の評価)
上記で作製した各実施例および比較例の偏光板について、波長410nmにおける偏光子の直交透過率を本明細書に記載した方法で測定した。
その後、60℃、相対湿度95%の環境下で1000時間保存した後についても同様の手法で直交透過率を測定した。経時前後の直交透過率の変化量を求め、以下の基準により評価し、これを偏光子耐久性として下記表5にその結果を記載した。
A:波長410nmの直交透過率変化が1%未満
B:波長410nmの直交透過率変化が1%以上5%未満
C:波長410nmの直交透過率変化が5%以上10%未満
D:波長410nmの直交透過率変化が10%以上
Figure 0005827204
表5に示した結果から明らかなように、請求項1で規定する偏光子厚みを満たし、請求項1で規定する厚みの本発明の偏光子耐久性改良剤を有する偏光板保護フィルムを用いた請求項1で規定する厚みの偏光板(実施例A−101〜D−105)は比較例の偏光板に対して、60℃、相対湿度95%、1000時間経時前後の410nmのクロス透過率変化が小さいことがわかる。
[実施例501]
〔液晶表示装置の作製〕
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の2枚の偏光板をはがし、視認者側およびバックライト側に本発明の偏光板A−101を表5で液晶セルに近い側として示した偏光板保護フィルムがそれぞれ液晶セル側となるように、粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
表5中のその他の偏光板についても、同様にして、表5で液晶セルに近い側として示した偏光板保護フィルムがそれぞれ液晶セル側となるように、粘着剤を介して、観察者側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。
(表示ムラの評価)
このようにして作製した液晶表示装置について市販の液晶テレビに対して、60℃90%72時間保管した後の、パネルの表示ムラを以下の基準で評価し、表5に示した。
A:ムラなし
B:ムラの面積が10%未満
C:ムラの発生面積が10%以上
表5に示した結果から明らかなように、本発明の偏光板を用いた液晶表示装置は、高温高湿の環境下に使用しても表示ムラが発生しにくいことが分かる。
1 上側偏光板
2 上側偏光板吸収軸の方向
3 液晶セル上電極基板
4 上基板の配向制御方向
5 液晶層
6 液晶セル下電極基板
7 下基板の配向制御方向
8 下側偏光板
9 下側偏光板吸収軸の方向
10 液晶表示装置

Claims (5)

  1. 偏光子、および該偏光子の両側に配置された2枚の偏光板保護フィルムを含み、
    (1)偏光子の厚みが3μm以上18μm以下であり、
    (2)少なくとも1枚の偏光板保護フィルムは、
    厚みが3μm以上40μm以下であり、
    少なくとも1種の樹脂、及び、少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が300以下である化合物を前記樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下含有し、
    (3)偏光板の厚みが15μm以上70μm以下、
    である偏光板であって、
    前記少なくとも1つの水素結合性水素供与性基を有し、分子量/芳香環数の比が300以下である化合物が下記一般式(2−a)で表される化合物である、偏光板。
    Figure 0005827204

    上記一般式(2−a)中、L 〜L は、各々独立に、単結合又は炭素数1以上の2価の連結基を表す。前記2価の連結基は置換基を有していてもよい。L 〜L のうちの少なくとも1つは炭素数1〜6のアルキレン基である。
    Ar 〜Ar は炭素数6〜20のアリール基を表す。Ar 〜Ar は置換基を有してもよい。
  2. 前記偏光板保護フィルムが単糖あるいは2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体である可塑剤、又は下記一般式(4)で表される化合物である疎水化剤を含有する、請求項1に記載の偏光板。
    一般式(4) B−(G−A)n−G−B
    (式中、Bはそれぞれ独立にベンゼンモノカルボン酸残基を表す。Gはそれぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、炭素数6〜12のアリールグリコール残基、又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。nは0以上の整数を表す。)
  3. 前記偏光板保護フィルムを構成する樹脂がセルロースアシレートである請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 2枚の偏光板保護フィルムのうちの1枚が前記偏光板保護フィルムであり、もう1枚の偏光板保護フィルムを構成する樹脂がアクリル樹脂である、請求項1〜のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の偏光板を少なくとも1枚含む液晶表示装置。
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