JPWO2014128995A1 - パッシブレーダ装置 - Google Patents

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Abstract

送信源201から送信されて目標202で反射された反射波を受信する受信アンテナ101と、送信源201から送信された直接波を受信する受信アンテナ102と、反射波の受信信号を周波数帯域毎に分割する帯域分割手段103と、直接波の受信信号を周波数帯域毎に分割する帯域分割手段104と、周波数帯域毎の受信信号を受信しA/D変換する受信手段105と、周波数帯域毎の受信信号を受信しA/D変換する受信手段106と、反射波の受信信号と直接波の受信信号とを周波数帯域毎に相互相関する相互相関処理手段107と、周波数帯域毎の相互相関結果を帯域合成する帯域合成手段108と、帯域合成結果を基に目標202を探知するピーク検出手段109とを備えた。

Description

この発明は、自らは電波を放射せずに既存電波源を放射源として、航空機や船舶等の目標の探知追尾を実現するパッシブレーダ装置において、複数の周波数帯域をコヒーレントに合成することにより、探知追尾性能の改善を図るパッシブレーダ装置に関するものである。
パッシブレーダ装置とは、自らは電波を放射せずに、通信・放送等に用いられる既存電波源を送信源として、それらから放射された電波と目標に反射された電波を受信して処理することにより、航空機や船舶等の目標の探知追尾を実現するものである。送信源から放射された電波が直接受信手段に到達した電波を直接波と呼び、目標により反射された電波を反射波と呼ぶ。そして、直接波と反射波の相互相関を計算し、そのピークを検出することで目標の探知追尾を行う。直接波を受信するアンテナ、受信手段等を参照系と呼び、反射波を受信するアンテナ、受信手段等を捜索系と呼ぶ。
パッシブレーダにおいて放射源となる既存電波源は、多くの場合、複数の周波数帯域を有し、それらをコヒーレントに合成することにより探知追尾性能の向上が可能である。複数周波数帯域を有する電波を利用したパッシブレーダの例として、以下の特許文献1がある。
この特許文献1では、複数の周波数帯域を有する信号を広帯域受信機で受信し、参照系の受信信号のドップラー周波数を補償して、捜索系の受信信号との相関処理を行い、遅延/ドップラー周波数の2次元相互相関を算出する。そして、そのピークを検出することで、目標の探知を行う。
特表2005−517190号公報
K.S.Kulpa,J.Misiurewicz,"Stretch Processing for Long Integration Time Passive CovertRadar,"CIE’06.International Conf.,Radar,Oct.2006.
しかしながら、上記特許文献1の構成では下記2点の課題がある。
1つ目の課題は、広帯域受信機が必要であり、狭帯域受信機と比較して高コストとなる点である。また、A/D変換後のサンプルデータ数も増加するため、相互相関の演算量が増加する。
2つ目の課題は、周波数帯域毎にドップラー周波数が異なるので、一つのドップラー周波数により同時に複数周波数帯域の信号のドップラー周波数を補償した場合に、正確な補償ができずに、相互相関処理における損失が発生するという点である。
以下に、2つ目の課題について説明する。
目標のバイスタティックドップラー速度V(目標速度の目標−送信機方向成分と目標−受信機方向成分との和)と送信搬送波周波数には下式(1)の関係がある。
Figure 2014128995
ここで、fd(n)は、n番目周波数帯域におけるドップラー周波数、fc(n)は、n番目周波数帯域の信号の搬送波周波数、cは光速である。
パッシブレーダにおいて、探知距離を延伸するために、一般に長時間の相互相関処理が用いられる。相互相関時間をTとすると、相互相関処理後の周波数分解能Δfdは次式(2)で表せる。
Figure 2014128995
例えば、CS放送信号(右旋偏波)を送信源とすることを考えると、T=1秒間の場合、Δfd=1Hzとなる。バイスタティックドップラー速度V=300m/sを想定し、fc(n)=12.291GHz+(n−1)×40MHzであることを考慮すると、CS放送信号の各周波数帯域間で生じるドップラー周波数差は、(V/c)×40MHz=40Hzとなり、容易にドップラー周波数分解能1Hzを超えてしまうことが分かる。つまり、各周波数帯域の信号を一つのドップラー周波数により同時に補償した場合に、正確な補償が実現されずに、相互相関損失が発生する。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、複数周波数帯域間でドップラー周波数が異なることによる積分損失を抑制することができるパッシブレーダ装置を提供することを目的としている。
この発明に係るパッシブレーダ装置は、電波源から送信されて目標で反射された反射波を受信する捜索系受信アンテナと、電波源から送信された直接波を受信する参照系受信アンテナと、捜索系受信アンテナにより受信された反射波の受信信号を周波数帯域毎に分割する捜索系帯域分割手段と、参照系受信アンテナにより受信された直接波の受信信号を周波数帯域毎に分割する参照系帯域分割手段と、捜索系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の反射波の受信信号を受信してA/D変換を行う捜索系受信手段と、参照系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の直接波の受信信号を受信してA/D変換を行う参照系受信手段と、捜索系受信手段によりA/D変換された反射波の受信信号と、参照系受信手段によりA/D変換された直接波の受信信号との周波数帯域毎の相互相関を行う相互相関処理手段と、相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果を帯域合成する帯域合成手段と、帯域合成手段による帯域合成結果に基づいて目標を探知する目標探知手段とを備えたものである。
また、この発明に係るパッシブレーダ装置は、電波源から送信されて目標で反射された反射波を受信する捜索系受信アンテナと、電波源から送信された直接波を受信する参照系受信アンテナと、捜索系受信アンテナにより受信された反射波の受信信号を広帯域で受信してA/D変換を行い、周波数帯域毎に分割する捜索系広帯域受信手段と、参照系受信アンテナにより受信された直接波の受信信号を広帯域で受信してA/D変換を行い、周波数帯域毎に分割する参照系広帯域受信手段と、捜索系広帯域受信手段により分割された反射波の受信信号と、参照系広帯域受信手段により分割された直接波の受信信号との周波数帯域毎の相互相関を行う相互相関処理手段と、相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果を帯域合成する帯域合成手段と、帯域合成手段による帯域合成結果に基づいて目標を探知する目標探知手段とを備えたものである。
この発明によれば、上記のように構成したので、複数周波数帯域間でドップラー周波数が異なることによる積分損失を抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係るパッシブレーダ装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1における帯域分割手段による処理を示す図である。 この発明の実施の形態1における相互相関処理手段の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るパッシブレーダ装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2における相互相関処理手段の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2における相互相関処理手段による処理を示す図である。 この発明の実施の形態3に係るパッシブレーダ装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態4に係るパッシブレーダ装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態6に係るパッシブレーダ装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態7に係るパッシブレーダ装置の構成を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るパッシブレーダ装置の構成を示す図である。
パッシブレーダ装置は、図1に示すように、受信アンテナ101,102、帯域分割手段103,104、受信手段105,106、相互相関処理手段107、帯域合成手段108及びピーク検出手段109から構成されている。このパッシブレーダ装置のうち、受信アンテナ101、帯域分割手段103、受信手段105、相互相関処理手段107、帯域合成手段108及びピーク検出手段109は捜索系を構成し、受信アンテナ102、帯域分割手段104及び受信手段106は参照系を構成する。
受信アンテナ(捜索系受信アンテナ)101は、既存の電波源である送信源201から送信され、航空機や船舶等の探知したい目標202により反射された電波(反射波)を受信するものである。
受信アンテナ(参照系受信アンテナ)102は、送信源201から送信された電波(直接波)を受信するものである。
なお、目標202の探知を行う捜索系では、直接波は干渉となるため、極力直接波が混入しないように配慮することが望ましい。また、参照系で受信した直接波は、相互相関処理手段107において、捜索系の受信信号との相互相関を行うため、マルチパス環境等において発生した多重散乱波が含まれていないことが望ましい。従って、受信アンテナ102は極力、送信源201を見通せる場所に設置する。
帯域分割手段(捜索系帯域分割手段)103は、受信アンテナ101により受信された反射波の受信信号(RF信号)を周波数帯域毎に分割するものである。
帯域分割手段(参照系帯域分割手段)104は、受信アンテナ102により受信された直接波の受信信号(RF信号)を周波数帯域毎に分割するものである。
なお、帯域分割手段103,104として、一般には、分波器やセパレータ、アンテナ共用器等と呼ばれている部品を使用して、図2に示すように、受信信号を所定の周波数帯域毎にアナログ段で分割する。分波器は周波数で信号を分離するため、SNR(Signal to Noise Ratio)の損失が少ない。ただし、周波数帯域幅によっては分割した際のSNR損失が大きくなる場合もあるので、複数の周波数帯域幅毎に分割する構成としてもよい。
また、帯域分割手段103,104にローカル信号発信源を備え、当該ローカル信号発信源からの周波数を時系列に変更した信号と、受信信号とのミキシングを行うことで、抽出する帯域を変更し、当該受信信号を周波数帯域毎に分割する構成としてもよい。
受信手段(捜索系受信手段)105は、帯域分割手段103により分割された周波数帯域毎の反射波の受信信号を受信してA/D変換を行うものである。
受信手段(参照系受信手段)106は、帯域分割手段104により分割された周波数帯域毎の直接波の受信信号を受信してA/D変換を行うものである。
なお、受信手段105,106は、広帯域受信機である必要はなく、狭帯域受信機(低速なA/D変換機)でよい。
相互相関処理手段107は、受信手段105によりA/D変換された反射波の受信信号と、受信手段106によりA/D変換された直接波の受信信号との周波数帯域毎の相互相関を行うものである。この相互相関処理手段107の構成については後述する。
帯域合成手段108は、相互相関処理手段107による周波数帯域毎の相互相関結果を帯域合成するものである。
ピーク検出手段(目標探知手段)109は、帯域合成手段108による帯域合成結果に基づいて目標202を探知するものである。
次に、相互相関処理手段107の構成について、図3を参照しながら説明する。
相互相関処理手段107は、図3に示すように、周波数帯域毎に、ドップラー周波数シフト部1071、FFT部1072,1073、複素共役乗算部1074及びIFFT部1075から構成されている。
ドップラー周波数シフト部1071は、受信手段106からの周波数帯域毎の直接波の受信信号を、想定する目標のバイスタティックドップラー速度及び周波数帯域毎の搬送波周波数から算出したドップラー周波数の分だけ周波数シフトするものである。
FFT部1072は、受信手段105からの周波数帯域毎の反射波の受信信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)するものである。
FFT部1073は、ドップラー周波数シフト部1071により周波数シフトされた周波数帯域毎の直接波の受信信号を高速フーリエ変換(FFT)するものである。
複素共役乗算部1074は、FFT部1073により高速フーリエ変換された周波数帯域毎の直接波の受信信号の複素共役を取り、FFT部1073により高速フーリエ変換された周波数帯域毎の反射波の受信信号と乗算するものである。
IFFT部1075は、複素共役乗算部1074による複素共役乗算結果である出力信号を逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse FFT)するものである。
次に、上記のように構成されたパッシブレーダ装置の動作について、図4を参照しながら説明する。
パッシブレーダ装置の動作では、図4に示すように、まず、受信アンテナ101は、送信源201から送信され目標202により反射された反射波を受信する(ステップST1)。また、受信アンテナ102は、送信源201から送信された直接波を受信する(ステップST2)。
次いで、帯域分割手段103は、受信アンテナ101により受信された反射波の受信信号を周波数帯域毎に分割する(ステップST3)。また、帯域分割手段104は、受信アンテナ102により受信された直接波の受信信号を周波数帯域毎に分割する(ステップST4)。
次いで、受信手段105は、帯域分割手段103により分割された周波数帯域毎の反射波の受信信号を受信してA/D変換を行う(ステップST5)。また、受信手段106は、帯域分割手段104により分割された周波数帯域毎の直接波の受信信号を受信してA/D変換を行う(ステップST6)。
ここで、受信手段105,106は、周波数帯域毎の受信信号(♯1〜N)が入力されると、LNA(Low Noise Amplifier)による受信信号の増幅及びミキサによるローカル信号とのミキシング等を行ってIF(中間周波数)帯の信号に変換した後に、A/D変換を行うことで、ディジタル信号に変換する。
なお、上記ミキサが直交ミキサの場合には、A/D変換後の信号はI信号・Q信号を持つので、複素信号として扱うことができる。この場合、A/D変換後の信号に対して、exp(−j・2π・fIF・t)を乗算することにより、ベースバンド信号に変換できる。なお、fIFはIF中心周波数である。また、上記ミキサが直交ミキサでない場合には、A/D変換後の信号はI信号のみしか持たないので、ヒルベルト変換等により複素信号に変換し、exp(−j・2π・fIF・t)を乗算することで、ベースバンド信号に変換する。
次いで、相互相関処理手段107は、受信手段105によりA/D変換された反射波の受信信号と、受信手段106によりA/D変換された直接波の受信信号との周波数帯域毎の相互相関を行う(ステップST7)。
ここで、ある周波数帯域♯nにおける捜索系及び参照系の受信信号(ベースバンド信号)をそれぞれssur(n,t),sref(n,t)とする。また、送信源201が静止しているものとみなすと、捜索系のベースバンド信号は、式(1)で表した目標の移動に伴い発生するバイスタティックドップラー周波数fd(n)分、周波数シフトしている。このfd(n)は通常、未知である。そこで、ドップラー周波数シフト部1071において、想定するバイスタティックドップラー周波数の範囲分のバイスタティックドップラー速度V(l)を用意して、参照系のベースバンド信号を周波数シフトさせる。シフトさせた信号s~ref(n、l、t)は下式(3)で与えられる。
Figure 2014128995
バイスタティックドップラー速度V(l)は、例えばV(l)=V(1)+ΔV(l−1)のように設定する。ここで、V(1)は観測したいバイスタティックドップラー速度の初期値、ΔVはバイスタティックドップラー間隔であり、相互相関処理での損失を低減するために、1/T以下とすることが望ましい。
また、s~ref(n,l,t)とssur(n,t)との相互相関関数CCF(n,l,τ)は下式(4)のように与えられる。
Figure 2014128995
上記の相互相関関数を実際に計算する場合、相互相関時間Tの増加に伴い演算量が増加する。そこで、FFT部1072,1073、複素共役乗算部1074及びIFFT部1075において、高速フーリエ変換(FFT)及び逆高速フーリエ変換(IFFT)を用いた巡回相関演算として下式(5)を用いて相互相関関数を計算する。
Figure 2014128995
ここで、m(m=1,・・・,M)は、相互相関処理後の遅延ビンである。また、遅延時間τは、サンプリング周期Δtを用いて、τ=(m−1)・Δtとして計算できる。
次いで、帯域合成手段108は、相互相関処理手段107による周波数帯域毎の相互相関結果CCF(n,l,m)を帯域間で下式(6)のように合成することで、SNRを改善する(ステップST8)。
Figure 2014128995
上式(6)は帯域方向の逆フーリエ変換に他ならない。従って、各周波数帯域の間隔がΔfbで一定であった場合(すなわち、fc(n)=f1+(n−1)Δfb(f1は1番目の周波数帯域の搬送波周波数)であった場合)、上式(6)のフーリエ変換は下式(7)のように逆高速フーリエ変換に置き換えることができる。
Figure 2014128995
ここで、目標の遅延時間τは、τ=(m−1)・Δtより計算できるが、Δtの間隔でしか推定できない。そこで、帯域合成手段108においてN個の周波数帯域を合成することで、1/(N・Δfb)の間隔で推定することができ、SNRの改善とともに遅延時間分解能も改善することができる。ただし、帯域間合成処理後に観測できる遅延時間範囲は1/Δfbに限定される。
次いで、ピーク検出手段109は、帯域合成手段108による帯域合成結果であるCCCF(k,l,m)の絶対値の二乗を計算し、そのピークを検出することで目標202の探知を行う(ステップST9)。ピーク検出法としては、上記絶対値の二乗が予め設定した所定の値を超えた場合に目標として検出する手法や、上記絶対値の二乗の注目するセル周辺範囲の平均値に係数を乗じた値を閾値として、その閾値を注目するセルが超えた場合に目標として検出するCA−CFAR(Cell Averaging−Constant False Alarm Rate)等の手法がある。
以上のように、この実施の形態1によれば、受信信号を周波数帯域毎の信号に分割してA/D変換した後に、周波数帯域毎に相互相関して帯域合成するように構成したので、広帯域受信機を不要とし、低速なA/D変換器で損失の少ない相互相関を実現できるため、複数周波数帯域間でドップラー周波数が異なることによる積分損失を抑制することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、相互相関時間Tの信号を高速フーリエ変換し、相互相関を行う場合について示したが、この場合には相互相関時間Tが長くなるにつれて演算量が増加する。そこで、実施の形態2では、受信信号をブロック毎に分割し、各ブロックで相互相関を行った後にブロック間で高速フーリエ変換することで、上記課題を解消する構成について示す。
図5はこの発明の実施の形態2における相互相関処理手段107の構成を示す図である。図5に示す実施の形態2における相互相関処理手段107は、図2に示す実施の形態1における相互相関処理手段107からドップラー周波数シフト部1071を削除し、ブロック分割部1076,1077及びブロック間FFT部1078を追加し、FFT部1072,1073をFFT部1072b,1073bに変更したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
ブロック分割部1076は、受信手段105からの周波数帯域毎の反射波の受信信号を、ブロック毎に分割するものである。
ブロック分割部1077は、受信手段106からの周波数帯域毎の直接波の受信信号を、ブロック毎に分割するものである。
FFT部1072bは、ブロック分割部1076により分割された周波数帯域及びブロック毎の反射波の受信信号を高速フーリエ変換(FFT)するものである。
FFT部1073bは、ブロック分割部1077により分割された周波数帯域及びブロック毎の直接波の受信信号を高速フーリエ変換(FFT)するものである。
なお、複素共役乗算部1074は、FFT部1073bにより高速フーリエ変換された周波数帯域及びブロック毎の直接波の受信信号の複素共役を取り、FFT部1072bにより高速フーリエ変換された周波数帯域及びブロック毎の反射波の受信信号と乗算する。
また、ブロック間FFT部1078は、IFFT部1075による逆高速フーリエ変換結果をブロック方向に高速フーリエ変換(FFT)するものである。
ここで、高速フーリエ変換を用いた相関演算では巡回相互相関となるが、パッシブレーダ装置における送信信号は一般に繰り返し信号ではない。そのため、高速フーリエ変換を用いた相関演算においてスライディング相関を行うために、図6に示すように、捜索系及び参照系の受信信号を分割する。
すなわち、図6(a)に示すように、ブロック分割部1076では、時間間隔Tb毎に受信信号を分割した後に、当該分割した各ブロックの受信信号に次のブロックの受信信号を追加することで、時間間隔2Tbのブロックを生成する。一方、図6(b)に示すように、ブロック分割部1077では、時間間隔Tb毎に受信信号を分割した後に、当該分割した各ブロックの受信信号に時間間隔Tb分の0信号を追加することで、時間間隔2Tbのブロックを生成する。ただし、相関演算の演算量を削減するために、目標遅延時間τが時間間隔Tbより十分に小さい場合には、捜索系、参照系ともに時間間隔Tb毎に分割した受信信号に対して相関演算を行う構成とすることも可能である。
また、ブロック間での高速フーリエ変換は、実施の形態1における式(3)と同様に、目標のバイスタティックドップラー速度V(l)に関してフーリエ変換する構成としても構わない。
なお、帯域合成手段108では、相互相関処理手段107の結果、CCF(n,q,m)を実施の形態1における式(6)と同様に周波数帯域n方向に合成する。ここで、qは、ドップラー周波数(=(q−1)/Tb/P)をあらわすインデックスであるが、式(1)に示したように各周波数帯域において、目標のドップラー周波数が異なる。そこで、帯域合成手段108では、式(1)に基づき目標速度(ドップラー速度)に変換した後に目標速度が一致あるいは近いqに対して、CCF(n,q,m)をn方向に逆高速フーリエ変換することで、周波数帯域間での合成を行う。
また、ブロック間での高速フーリエ変換を目標のバイスタティックドップラー速度V(l)に関してフーリエ変換する構成に置き換えた場合、上記qの対応は不要で、同じlとなるCCF(n,l,m)について、n方向に逆高速フーリエ変換すればよい。
以上のように、この実施の形態2によれば、相互相関処理手段107において、捜索系及び参照系の受信信号をともに各ブロックに分割し、ブロック毎に相互相関を行った後にブロック間で高速フーリエ変換するように構成したので、実施の形態1における効果に加えて、相互相関時間Tが長くなっても演算量の増加を回避することができる。
なお実施の形態2では、相互相関関数CCF(n,q,m)を算出した後に、ドップラー周波数インデックスqを用いてバイスタティックドップラー速度Vに変換した際に、当該バイスタティックドップラー速度Vが一致又は近い相互相関関数を合成する構成について記述した。一方、式(1)より、ドップラー周波数の周波数帯域間の比は、バイスタティックドップラー速度Vに依らずに、搬送周波数の比のみで決定される。そのため、CCF(n,q*fc(n)/f1(n),m)のように、周波数帯域毎の搬送波周波数の比とドップラー周波数の比が一致又は近い相互相関関数を合成するようにしてもよい。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3に係るパッシブレーダ装置の構成を示す図である。図7に示す実施の形態3に係るパッシブレーダ装置は、図1に示す実施の形態1に係るパッシブレーダ装置から帯域分割手段103,104及び受信手段105,106を削除し、広帯域受信手段110,111を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
広帯域受信手段(捜索系広帯域受信手段)110は、受信アンテナ101により受信された反射波の受信信号(RF信号)を広帯域で受信してA/D変換を行い、周波数帯域毎に分割するものである。
広帯域受信手段(参照系広帯域受信手段)111は、受信アンテナ102により受信された直接波の受信信号(RF信号)を広帯域で受信してA/D変換を行い、周波数帯域毎に分割するものである。
図7に示す構成では、広帯域受信手段110、111によって複数の周波数帯域の信号を一括でA/D変換した後に、ディジタル処理で帯域毎の信号に分割する。ただし、この場合には広帯域受信手段110,111として、広帯域受信機及び広帯域A/D変換機が必要になる。
以上のように、この実施の形態3によれば、帯域分割手段103,104及び受信手段105,106に代えて、広帯域受信手段110,111を用いるように構成しても、複数周波数帯域間でドップラー周波数が異なることによる積分損失を抑制することができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、複数の周波数帯域の送信信号の振幅・位相変動及び受信機の周波数特性による振幅・位相変動を簡易な構成でリアルタイムに推定することで、複数周波数帯域の信号を損失なく合成する方式について示す。
まず、CS/BS放送波を例にとって、複数の周波数帯域の送信信号の振幅・位相変動及び受信機の周波数特性による振幅・位相変動について説明する。
周波数帯域の送信信号は以下のように書ける。

Figure 2014128995

ここで、s(t)は周波数チャンネル#nの変調系列(放送/通信データ等)、fc,nは周波数チャンネル#nの中心周波数(搬送波周波数)、φは周波数チャンネル#nの信号の初期位相である。また、衛星の直接波を受信する受信アンテナ/受信機を参照系、目標散乱波を受信する受信アンテナ/受信機を捜索系と呼ぶ。参照系、捜索系は同期していることを前提とする。
次に、参照系で受信した周波数チャンネル#nの直接波は以下のように書ける。

Figure 2014128995

ここで、αは周波数チャンネル#nの直接波受信時の複素振幅、τは衛星から参照系までの伝播遅延時間である。
次に、式(9)の受信信号に対し、ローカル信号exp(j2πfc,nt)を乗算することにより、ベースバンド信号に変換する。

Figure 2014128995

φ は、ローカル信号の初期位相を含んだ周波数チャンネル#nの位相である。
次に、捜索系の受信信号について考える。
ここで、周波数チャンネル#nの目標散乱波受信時の複素振幅をβ、衛星−目標−捜索系までの伝播遅延時間をτ、目標のバイスタティック速度をv、光速をcとすると、以下のように書ける。

Figure 2014128995

ここで、fb,n=vB/c*fc,nであり、目標のバイスタティックドップラー周波数である。
次に、式(11)の受信信号に対し、参照系と同様にローカル信号exp(j2πfc,nt)を乗算することにより、ベースバンド信号に変換する。

Figure 2014128995
次に、周波数チャンネル#nの直接波の伝播遅延時間及びドップラー周波数をシフトさせて目標散乱波との相互相関処理を以下のように行う。

Figure 2014128995
ここで、Tは積分時間である。
次に、伝播遅延時間τ=τ−τ、ドップラー周波数fb,nにおける目標ピークの相互相関値は以下のように書ける。

Figure 2014128995
ここで、Pnは周波数帯域#nの平均電力である。
そして、周波数チャンネル間の振幅・位相変動、目標RCS及び受信機周波数特性を無視すれば、以下のように書ける。

Figure 2014128995
相互相関関数CCF(τ,fb,n)は、実際には離散信号により計算されるので、遅延時間インデックスをl(=0,・・・,L−1)、ドップラー周波数インデックスをk(=0,・・・,K−1)とすると、χ[l,kb,n]と表すことができる。ここで、Δtをサンプリング周期、Δfをドップラー周波数分解能とすると、τ=lΔt,fb,n=kb,nΔfである。
また、CS/BS衛星放送波の場合、周波数間隔Δfは一定であり、fc,n=fc,0+nΔfと書ける。その場合、以下のように相互相関値を周波数チャンネル方向にIFFTすることにより、コヒーレントに合成することができる。

Figure 2014128995
この式(16)の絶対値がピークを持つkは以下となる。

Figure 2014128995
また、目標のRCSの周波数特性が、振幅が一定で位相のみが線形に変化する場合、すなわち、exp(j2πfc,nτRCS)と書ける場合においても上記の周波数チャンネル方向のIFFTにより目標が積分されることが分かる。ただし、その場合、ピークとなる遅延時間インデックスがτRCS分だけシフトすることに注意が必要である。
上記が成り立つためには、αn×βn×Pnが帯域間で変化しないという前提が必要である。しかし実際には、Pnは帯域間で変化し、捜索系受信機と参照系受信機間の周波数特性差によりαn×βnは帯域毎に変化する。このPnの変化については、衛星直接波をモニタリングして推定する等により補償する方法がある。また、受信機間の周波数特性については、基準信号源を別途用意し、アンテナ近傍あるいはアンテナ端から信号入力することで補償する方法がある。しかし、その分装置規模の増大、補償作業時の人件費が必要となる等の問題がある。また、パッシブレーダ装置の運用中に上記補償を行う場合、その間、目標反射信号が受信できなくなるという問題がある。
実施の形態4では上記問題に対し、簡易な構成でかつリアルタイムにPnの変化及び受信機間の周波数特性を補償する形態について述べる。実施の形態4に係るパッシブレーダ装置の構成を図8に示す。図8に示す実施の形態4に係るパッシブレーダ装置は、図1に示す実施の形態1に係るパッシブレーダ装置に帯域間補償手段112を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
帯域間補償手段112は、相互相関処理手段107による周波数帯域毎の相互相関結果に対して、周波数帯域毎の振幅及び位相変動を補償するものである。
なお、帯域合成手段108は、帯域間補償手段112による補償後の周波数帯域毎の相互相関結果を帯域合成する。
次に、帯域間補償手段112の詳細について説明する。
送信源201からの直接波は、一般に電力が大きいため、捜索系である受信アンテナ101のサイドローブあるいはバックローブから混入する。ここでは、受信アンテナ101に混入した直接波を用いて帯域間の振幅・位相特性の補償を行う。捜索系である受信アンテナ101と参照系である受信アンテナ102がほぼ同一の場所に置かれており(信号帯域の逆数×光速の範囲内)、送信源201が受信機から見て静止しているとみなせる場合、捜索系の受信信号と参照系の受信信号の相互相関関数において、送信源201から受信アンテナ101に混入した直接波は、ドップラー周波数インデックスk=0、遅延時間インデックスl=0の箇所にピークsdir,nとして現れる。

Figure 2014128995
受信アンテナ101のサイドローブあるいはバックローブから混入した直接波の電力が小さいとしても、相互相関関数の積分時間Tが長ければピークとして現れる。一般には、目標反射受信電力と直接波漏れ込み受信電力との比較では、目標反射受信電力の方が数十倍以上に小さい。従って、目標反射信号が検出される程度の積分時間の相互相関関数を行った際には、直接波漏れ込みのピークが発生し、かつ高いSNRとなることが多い。
一方、帯域間の合成の際には、帯域間の相対振幅・位相特性が補償されていればよいので、帯域間補償手段112は、例えば以下のように帯域#1を基準として補正係数を算出する。

Figure 2014128995
そして、帯域間補償手段112は、上記のように算出した補正係数を用いて、以下のように相互相関関数を補償することで、送信信号の帯域間の信号電力変動及び受信機間の周波数特性を補償することができる。

Figure 2014128995
その後、帯域間補償手段112は、式(20)のように帯域間の補償を行った相互相関関数を帯域合成手段108に送る。これにより、損失無く合成することができる。
なお上記では、受信アンテナ101と受信アンテナ102がほぼ同一の場所に置かれており、送信源201が静止している場合を想定した。それに対し、送信源201−受信アンテナ101間と送信源201−受信アンテナ102間の遅延時間差がLdifΔtで、送信源201が移動しており、移動に伴い受信機で観測されるドップラー周波数がKdifΔfの場合、帯域間補償手段112は、以下のように補正係数を求めることができる。

Figure 2014128995
また上記では、受信アンテナ101が受信アンテナ102とは別の方向に指向されているという前提で直接波の漏れ込みを利用する構成について示した。即ち、帯域間補償手段112にて、相互相関処理手段107による周波数帯域毎の相互相関結果における直接波の漏れ込み成分の振幅比及び位相差を用いて当該周波数帯域毎の振幅及び位相変動を補償する補正係数を算出し、当該補正係数により相互相関結果を補償するように構成した。
一方、直接波の漏れ込みが極端に低く相互相関関数のピークとして現れない場合には、受信アンテナ101を送信源201方向に一時的に向けて補正係数を算出し、再度、受信アンテナ101を目標方向に指向するという構成も考えられる。即ち、帯域間補償手段112は、受信アンテナ101を直接波方向に向けて取得した周波数帯域毎の反射波の受信信号と直接波の受信信号の振幅比及び位相差を補正係数とし、当該補正係数により当該周波数帯域毎の相互相関結果を補償するように構成してもよい。
また上記では、捜索系の受信信号と参照系の受信信号との相互相関関数における直接波に相当するピークを用いることで周波数帯域間の補償を行った。それに対して、単に捜索系の受信信号と参照系の受信信号の帯域間の振幅・位相を比較することで、補正係数を求める構成としてもよい。
以上のように、この実施の形態4によれば、帯域間の補償手段として新たな装置を付加することなく、従来の目標検出処理の一連の流れの中で帯域間の補正係数を算出するように構成したので、装置規模の拡大を抑制しつつリアルタイムに帯域間の振幅・位相変動を補償することができ、帯域合成手段108における目標SNRを改善することができる。
実施の形態5.
実施の形態5では、図1に示す実施の形態1における帯域合成手段108において、遅延時間方向のデータを並び替えることで高分解能な相互相関関数を得る場合について示す。なお、実施の形態5に係るパッシブレーダ装置は、図1に示す実施の形態1に係るパッシブレーダ装置の構成と同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
実施の形態5における帯域合成手段108では、相互相関処理手段107による周波数帯域毎の相互相関結果に対して、当該相互相関結果の遅延時間インデックスに依存する周波数帯域毎の位相変動を補償し、当該周波数帯域毎の逆高速フーリエ変換行った帯域間合成後の相互相関結果を遅延時間方向に並べ替える。
ここで、帯域合成後に式(17)において観測可能な最大の遅延時間τmaxはk=Nの場合であり、以下のように書ける。

Figure 2014128995
また、遅延時間分解能Δτは、以下となる。

Figure 2014128995
従って、目標遅延時間τが上記(22)の範囲を超えていた場合、遅延時間のアンビギュイティが発生し、正確な遅延時間の推定ができなくなる。
そこで、実施の形態5では、相互相関処理結果の遅延時間インデックスを用いて、遅延に対応する位相を補償した後に帯域合成を行うことにより、遅延時間のアンビギュイティを解消し、正確な遅延時間を得ることを目的とする。
実施の形態5では、まず、以下のように相互相関処理後の遅延時間インデックスlを用いて位相補償を行う。

Figure 2014128995
次に、実施の形態1と同様に上記位相補償後の相互相関関数を以下のように帯域方向にIFFTすることにより、帯域間の合成を行う。

Figure 2014128995
ここで、m(=0,1,・・・,N−1)は高分解能遅延時間インデックスである。
上記のように計算することで、帯域合成手段108において推定すべき遅延時間範囲はΔtに限定されていることが分かる。このΔtはサンプリング周期であり、通常、信号帯域幅Bの逆数に設定する。即ち、Δt=1/Bである。従って、遅延時間τは、以下のように求めることができる。

Figure 2014128995
また、式(26)を以下のように遅延時間方向に並べ替えることにより、遅延時間の分解能を向上した相互相関関数を得ることができる。

Figure 2014128995
ここで、

Figure 2014128995
である。
以上のように、この実施の形態5によれば、帯域合成手段108にて、相互相関関数の遅延時間に依存した位相を補償した後に帯域間の合成処理を行うように構成したので、帯域間合成後の遅延時間アンビギュイティを無くし、高分解能な相互相関関数を得ることができる。
実施の形態6.
実施の形態1〜5では捜索系が1系統の場合について示したが、実施の形態6では複数系統を備えた構成について示す。図9はこの発明の実施の形態6に係るパッシブレーダ装置の構成を示す図である。図9に示す実施の形態6に係るパッシブレーダ装置は、図1に示す実施の形態1に係るパッシブレーダ装置の受信アンテナ101、帯域分割手段103、受信手段105、相互相関処理手段107、帯域合成手段108、ピーク検出手段109を複数系統設け、ビーム形成手段113を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
ビーム形成手段113は、複数の帯域合成手段108による帯域合成結果を複数の受信アンテナ101間で合成することによりビーム形成を行うものである。
なお、複数の目標探知手段109は、ビーム形成手段113によるビーム形成結果に基づいて目標を探知する。
ここで、ビーム形成手段113では、以下のように帯域合成後の相互相関関数を捜索系の受信アンテナ101間で合成する。即ち、ビーム形成手段113は、帯域合成手段108による帯域合成結果に対して、搬送波周波数、ビーム指向方向及び受信アンテナ101の位置関係に依存した位相差を補償するようビーム形成を行う。受信アンテナ101が等間隔アレーアンテナ(アンテナ間隔d、アンテナ数p)を構成していた場合、相互相関関数χcom,p[l,kb,n,m]のビーム形成処理は以下のように書ける。

Figure 2014128995

ここで、θqはビーム指向方向である。
上記のようにビーム形成を行うことで、アンテナ数分のSNR改善利得が見込まれる。
また、χ[l,kb,n,m]の絶対値(振幅値)又は電力値を算出した後にアンテナ数分だけ合成(加算又は平均)する構成としても構わない。
また、上記では等間隔アレーアンテナの場合について述べたが、不等間隔アレーまた2次元アレーについても拡張が可能である。
また、ビーム形成手段113は、相互相関処理手段107による処理直後にビーム形成を行う構成としてもよい。
以上のように、この実施の形態6によれば、捜索系を複数系統設け、相互相関処理手段107または帯域合成手段108による処理結果を複数の受信アンテナ101間で合成することによりビーム形成を行うビーム形成手段113を設けたので、アンテナ数分のSNR改善利得を見込むことができる。
実施の形態7.
実施の形態7では、帯域合成後の相互相関関数を時間方向に積分することで、効率的に長時間の積分を行う構成について示す。図10はこの発明の実施の形態7に係るパッシブレーダ装置の構成を示す図である。図10に示す実施の形態7に係るパッシブレーダ装置は、図1に示す実施の形態1に係るパッシブレーダ装置に長時間積分手段114を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
長時間積分手段114は、帯域合成手段108による帯域合成結果を長時間積分するものである。
なお、目標探知手段109は、長時間積分手段114による積分結果に基づいて目標を探知する。
ここで、長時間積分手段114による長時間積分法としては、例えば非特許文献1に開示された手法がある。この非特許文献1の長時間積分法では、まず、パルスヒット毎のレーダ受信信号を幾つかのCPI(Coherent Pulse Interval)に分割する。そして、分割したCPI内においてパルスヒット間のFFTにより積分したレンジドップラーマップを生成する。そして、それをCPI間で積分する際に目標の移動に応じた複数の仮説を立てて時間方向に積分する。これにより、目標のレンジ・ドップラー周波数シフトによる積分損失を低減することができる。
ここで、上記パルスヒット毎のレンジドップラーマップは、実施の形態2におけるブロック毎の相互相関関数に置き換えることができる。即ち、図5で示したブロックのいくつかをまとめて1CPIとして、複数のCPIのデータを作成する。1CPI内では実施の形態2で示したようにFFTによるブロック間の積分を行って相互相関関数を算出し、それらをCPI間で積分する際に複数の仮説を立てることを考える。
ここで、1CPI内の相互相関後の遅延時間(レンジ)インデックス数をL、ドップラー周波数インデックス数をK、目標の移動に伴う仮説数をNHY、CPI数をNCPIとすると、長時間積分後に帯域合成処理を行う構成とした場合、帯域合成処理時には、LHYCPI回のN点IFFTの計算が必要になる。一方、帯域合成処理後の長時間積分を行う場合、帯域合成処理の演算量は、LCPI回のN点IFFTで良く、仮説数NHYの分だけIFFT演算回数が減少するという利点がある。
以上のように、この実施の形態7によれば、帯域合成処理後に相互相関関数のCPI間での長時間積分を行う長時間積分手段114を備えたので、長時間積分後に帯域合成処理を行う構成と比較して、仮説数分だけIFFT演算の回数を減少させることができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係るパッシブレーダ装置は、複数周波数帯域間でドップラー周波数が異なることによる積分損失を抑制することができ、自らは電波を放射せずに既存電波源を放射源として、航空機や船舶等の目標の探知追尾を実現するパッシブレーダ装置において、複数の周波数帯域をコヒーレントに合成することにより、探知追尾性能の改善を図るパッシブレーダ装置等に用いるのに適している。
101 受信アンテナ(捜索系受信アンテナ)、102 受信アンテナ(参照系受信アンテナ)、103 帯域分割手段(捜索系帯域分割手段)、104 帯域分割手段(参照系帯域分割手段)、105 受信手段(捜索系受信手段)、106 受信手段(参照系受信手段)、107 相互相関処理手段、108 帯域合成手段、109 ピーク検出手段(目標探知手段)、110 広帯域受信手段(捜索系広帯域受信手段)、111 広帯域受信手段(参照系広帯域受信手段)、112 帯域間補償手段、113 ビーム形成手段、114 長時間積分手段、201 送信源(電波源)、202 目標、1071 ドップラー周波数シフト部、1072,1072b,1073,1073b FFT部、1074 複素共役乗算部、1075 IFFT部、1076 ブロック分割部(捜索系ブロック分割部)、1077 ブロック分割部(参照系ブロック分割部)、1078 ブロック間FFT部。
この発明に係るパッシブレーダ装置は、電波源から送信されて目標で反射された反射波を受信する捜索系受信アンテナと、電波源から送信された直接波を受信する参照系受信アンテナと、捜索系受信アンテナにより受信された反射波の受信信号を周波数帯域毎に分割する捜索系帯域分割手段と、参照系受信アンテナにより受信された直接波の受信信号を周波数帯域毎に分割する参照系帯域分割手段と、捜索系帯域分割手段により分割された反射波の受信信号と、参照系帯域分割手段により分割された直接波の受信信号との周波数帯域毎の相互相関を行う相互相関処理手段と、相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果のドップラー周波数からドップラー速度を算出し、当該ドップラー速度が一致または近い相互相関結果を帯域方向に逆高速フーリエ変換または逆フーリエ変換することで帯域合成を行う帯域合成手段とを備えたものである。

Claims (24)

  1. 電波源から送信されて目標で反射された反射波を受信する捜索系受信アンテナと、
    前記電波源から送信された直接波を受信する参照系受信アンテナと、
    前記捜索系受信アンテナにより受信された反射波の受信信号を周波数帯域毎に分割する捜索系帯域分割手段と、
    前記参照系受信アンテナにより受信された直接波の受信信号を周波数帯域毎に分割する参照系帯域分割手段と、
    前記捜索系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の反射波の受信信号を受信してA/D変換を行う捜索系受信手段と、
    前記参照系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の直接波の受信信号を受信してA/D変換を行う参照系受信手段と、
    前記捜索系受信手段によりA/D変換された反射波の受信信号と、前記参照系受信手段によりA/D変換された直接波の受信信号との周波数帯域毎の相互相関を行う相互相関処理手段と、
    前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果を帯域合成する帯域合成手段と、
    前記帯域合成手段による帯域合成結果に基づいて前記目標を探知する目標探知手段と
    を備えたパッシブレーダ装置。
  2. 前記捜索系帯域分割手段及び前記参照系帯域分割手段は、前記受信信号を周波数帯域毎にアナログ段で分割する
    ことを特徴とする請求項1記載のパッシブレーダ装置。
  3. 前記捜索系帯域分割手段及び前記参照系帯域分割手段は、ローカル信号発信源を有し、当該ローカル信号発信源からの周波数を時系列に変更した信号と、前記受信信号とのミキシングを行うことで、当該受信信号を周波数帯域毎に分割する
    ことを特徴とする請求項1記載のパッシブレーダ装置。
  4. 前記相互相関処理手段は、
    前記参照系受信手段からの周波数帯域毎の直接波の受信信号を、想定する目標のバイスタティックドップラー速度及び当該周波数帯域毎の搬送波周波数から算出したドップラー周波数の分だけ周波数シフトするドップラー周波数シフト部と、
    前記捜索系受信手段からの周波数帯域毎の反射波の受信信号及び前記ドップラー周波数シフト部により周波数シフトされた周波数帯域毎の直接波の受信信号を高速フーリエ変換するFFT部と、
    前記FFT部により高速フーリエ変換された周波数帯域毎の直接波の受信信号の複素共役を取り、前記FFT部により高速フーリエ変換された周波数帯域毎の反射波の受信信号と乗算する複素共役乗算部と、
    前記複素共役乗算部による複素共役乗算結果を逆高速フーリエ変換するIFFT部とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載のパッシブレーダ装置。
  5. 前記相互相関処理手段は、
    前記捜索系受信手段からの周波数帯域毎の反射波の受信信号及び前記参照系受信手段からの周波数帯域毎の直接波の受信信号を、それぞれブロック毎に分割するブロック分割部と、
    前記ブロック分割部により分割された周波数帯域及びブロック毎の反射波の受信信号、並びに周波数帯域及びブロック毎の直接波の受信信号を高速フーリエ変換するFFT部と、
    前記FFT部により高速フーリエ変換された周波数帯域及びブロック毎の直接波の受信信号の複素共役を取り、前記FFT部により高速フーリエ変換された周波数帯域及びブロック毎の反射波の受信信号と乗算する複素共役乗算部と、
    前記複素共役乗算部による複素共役乗算結果を逆高速フーリエ変換するIFFT部と、
    前記IFFT部による逆高速フーリエ変換結果をブロック方向に高速フーリエ変換するブロック間FFT部とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載のパッシブレーダ装置。
  6. 前記捜索系ブロック分割部は、時間間隔Tb毎に前記受信信号を分割した後に、当該分割した各ブロックの受信信号に次のブロックの受信信号を追加することで、時間間隔2Tbのブロックを生成し、
    前記参照系ブロック分割部は、前記時間間隔Tb毎に前記受信信号を分割した後に、当該分割した各ブロックの受信信号に前記時間間隔Tb分の0信号を追加することで、時間間隔2Tbのブロックを生成する
    ことを特徴とする請求項5記載のパッシブレーダ装置。
  7. 前記捜索系ブロック分割部は、時間間隔Tb毎に前記受信信号を分割し、時間間隔Tbのブロックを生成し、
    前記参照系ブロック分割部は、時間間隔Tb毎に前記受信信号を分割し、時間間隔Tbのブロックを生成する
    ことを特徴とする請求項5記載のパッシブレーダ装置。
  8. 前記帯域合成手段は、前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果を帯域方向に逆フーリエ変換することで、帯域合成を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のパッシブレーダ装置。
  9. 前記帯域合成手段は、前記各周波数帯域の間隔が一定である場合に、前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果を帯域方向に逆高速フーリエ変換することで、帯域合成を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のパッシブレーダ装置。
  10. 前記帯域合成手段は、前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果のドップラー周波数からドップラー速度を算出し、当該ドップラー速度が一致又は近い相互相関結果を帯域方向に逆高速フーリエ変換することで、帯域合成を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のパッシブレーダ装置。
  11. 電波源から送信されて目標で反射された反射波を受信する捜索系受信アンテナと、
    前記電波源から送信された直接波を受信する参照系受信アンテナと、
    前記捜索系受信アンテナにより受信された反射波の受信信号を広帯域で受信してA/D変換を行い、周波数帯域毎に分割する捜索系広帯域受信手段と、
    前記参照系受信アンテナにより受信された直接波の受信信号を広帯域で受信してA/D変換を行い、周波数帯域毎に分割する参照系広帯域受信手段と、
    前記捜索系広帯域受信手段により分割された反射波の受信信号と、前記参照系広帯域受信手段により分割された直接波の受信信号との周波数帯域毎の相互相関を行う相互相関処理手段と、
    前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果を帯域合成する帯域合成手段と、
    前記帯域合成手段による帯域合成結果に基づいて前記目標を探知する目標探知手段と
    を備えたパッシブレーダ装置。
  12. 前記帯域合成手段は、前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果のドップラー周波数の比が、当該周波数帯域毎の搬送波周波数の比に一致又は近い相互相関結果を帯域方向に逆フーリエ変換することで、帯域合成を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のパッシブレーダ装置。
  13. 前記帯域合成手段は、前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果に対して、当該相互相関結果の遅延時間インデックスに依存する周波数帯域毎の位相変動を補償し、当該周波数帯域毎の逆高速フーリエ変換を行った帯域間合成後の相互相関結果を遅延時間方向に並べ替える
    ことを特徴とする請求項1記載のパッシブレーダ装置。
  14. 電波源から送信されて目標で反射された反射波を受信する捜索系受信アンテナと、
    前記電波源から送信された直接波を受信する参照系受信アンテナと、
    前記捜索系受信アンテナにより受信された反射波の受信信号を周波数帯域毎に分割する捜索系帯域分割手段と、
    前記参照系受信アンテナにより受信された直接波の受信信号を周波数帯域毎に分割する参照系帯域分割手段と、
    前記捜索系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の反射波の受信信号を受信してA/D変換を行う捜索系受信手段と、
    前記参照系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の直接波の受信信号を受信してA/D変換を行う参照系受信手段と、
    前記捜索系受信手段によりA/D変換された反射波の受信信号と、前記参照系受信手段によりA/D変換された直接波の受信信号との周波数帯域毎の相互相関を行う相互相関処理手段と、
    前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果に対して、当該周波数帯域毎の振幅及び位相変動を補償する帯域間補償手段と、
    前記帯域間補償手段による補償後の周波数帯域毎の相互相関結果を帯域合成する帯域合成手段と、
    前記帯域合成手段による帯域合成結果に基づいて前記目標を探知する目標探知手段と
    を備えたパッシブレーダ装置。
  15. 前記帯域間補償手段は、前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果における直接波の漏れ込み成分の振幅比及び位相差を用いて当該周波数帯域毎の振幅及び位相変動を補償する補正係数を算出し、当該補正係数により相互相関結果を補償する
    ことを特徴とする請求項14記載のパッシブレーダ装置。
  16. 前記帯域間補償手段は、前記捜索系受信アンテナを直接波方向に向けて取得した周波数帯域毎の反射波の受信信号と直接波の受信信号の振幅比及び位相差を補正係数とし、当該補正係数により当該周波数帯域毎の相互相関結果を補償する
    ことを特徴とする請求項14記載のパッシブレーダ装置。
  17. 電波源から送信されて目標で反射された反射波を受信する複数の捜索系受信アンテナと、
    前記電波源から送信された直接波を受信する参照系受信アンテナと、
    前記複数の捜索系受信アンテナにより受信された反射波の受信信号を周波数帯域毎に分割する捜索系帯域分割手段と、
    前記参照系受信アンテナにより受信された直接波の受信信号を周波数帯域毎に分割する参照系帯域分割手段と、
    前記捜索系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の反射波の受信信号を受信してA/D変換を行う捜索系受信手段と、
    前記参照系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の直接波の受信信号を受信してA/D変換を行う参照系受信手段と、
    前記捜索系受信手段によりA/D変換された反射波の受信信号と、前記参照系受信手段によりA/D変換された直接波の受信信号との周波数帯域毎の相互相関を行う相互相関処理手段と、
    前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果を帯域合成する帯域合成手段と、
    前記帯域合成手段による帯域合成結果を前記複数の捜索系受信アンテナ間で合成することによりビーム形成を行うビーム形成手段と
    前記ビーム形成手段によるビーム形成結果に基づいて前記目標を探知する目標探知手段と
    を備えたパッシブレーダ装置。
  18. 電波源から送信されて目標で反射された反射波を受信する複数の捜索系受信アンテナと、
    前記電波源から送信された直接波を受信する参照系受信アンテナと、
    前記複数の捜索系受信アンテナにより受信された反射波の受信信号を周波数帯域毎に分割する捜索系帯域分割手段と、
    前記参照系受信アンテナにより受信された直接波の受信信号を周波数帯域毎に分割する参照系帯域分割手段と、
    前記捜索系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の反射波の受信信号を受信してA/D変換を行う捜索系受信手段と、
    前記参照系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の直接波の受信信号を受信してA/D変換を行う参照系受信手段と、
    前記捜索系受信手段によりA/D変換された反射波の受信信号と、前記参照系受信手段によりA/D変換された直接波の受信信号との周波数帯域毎の相互相関を行う相互相関処理手段と、
    前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果を前記複数の捜索系受信アンテナ間で合成することによりビーム形成を行うビーム形成手段と
    前記ビーム形成手段によるビーム形成結果を帯域合成する帯域合成手段と、
    前記ビーム形成手段による帯域合成結果に基づいて前記目標を探知する目標探知手段と
    を備えたパッシブレーダ装置。
  19. 前記ビーム形成手段は、前記帯域合成手段による帯域合成結果に対して、搬送波周波数、ビーム指向方向及び前記捜索系受信アンテナの位置関係に依存した位相差を補償するようビーム形成を行う
    ことを特徴とする請求項17記載のパッシブレーダ装置。
  20. 前記ビーム形成手段は、前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果に対して、搬送波周波数、ビーム指向方向及び前記捜索系受信アンテナの位置関係に依存した位相差を補償するようビーム形成を行う
    ことを特徴とする請求項18記載のパッシブレーダ装置。
  21. 前記ビーム形成手段は、前記帯域合成手段による帯域合成結果に対して、振幅値又は電力値を算出した後に前記捜索系受信アンテナ分だけ加算又は平均する
    ことを特徴とする請求項17記載のパッシブレーダ装置。
  22. 前記ビーム形成手段は、前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果に対して、振幅値又は電力値を算出した後に前記捜索系受信アンテナ分だけ加算又は平均する
    ことを特徴とする請求項18記載のパッシブレーダ装置。
  23. 電波源から送信されて目標で反射された反射波を受信する捜索系受信アンテナと、
    前記電波源から送信された直接波を受信する参照系受信アンテナと、
    前記捜索系受信アンテナにより受信された反射波の受信信号を周波数帯域毎に分割する捜索系帯域分割手段と、
    前記参照系受信アンテナにより受信された直接波の受信信号を周波数帯域毎に分割する参照系帯域分割手段と、
    前記捜索系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の反射波の受信信号を受信してA/D変換を行う捜索系受信手段と、
    前記参照系帯域分割手段により分割された周波数帯域毎の直接波の受信信号を受信してA/D変換を行う参照系受信手段と、
    前記捜索系受信手段によりA/D変換された反射波の受信信号と、前記参照系受信手段によりA/D変換された直接波の受信信号との周波数帯域毎の相互相関を行う相互相関処理手段と、
    前記相互相関処理手段による周波数帯域毎の相互相関結果を帯域合成する帯域合成手段と、
    前記帯域合成手段による帯域合成結果を長時間積分する長時間積分手段と
    前記長時間積分手段による積分結果に基づいて前記目標を探知する目標探知手段と
    を備えたパッシブレーダ装置。
  24. 前記長時間積分手段は、前記相互相関処理手段による相互相関結果に対して、前記目標の移動に応じた複数の仮説に基づき時間方向に積分する
    ことを特徴とする請求項23記載のパッシブレーダ装置。
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