JPWO2014084163A1 - Mg−Si系熱電変換材料及びその製造方法、熱電変換用焼結体、熱電変換素子、並びに熱電変換モジュール - Google Patents

Mg−Si系熱電変換材料及びその製造方法、熱電変換用焼結体、熱電変換素子、並びに熱電変換モジュール Download PDF

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Abstract

熱電変換材料の焼結体を製造する際、あるいは焼結体から所定の大きさの熱電変換部用の焼結体を切り出す際にクラックが発生し難いために歩留まりが高く、しかもサイズの大きな焼結体の場合には1つの焼結体から多数の熱電変換部用の焼結体を切り出し可能な生産性の高い製造方法を提供する。また、安定した高い熱電変換性能を有するMg−Si系熱電変換材料、そのMg−Si系熱電変換材料を用いた熱電変換用焼結体、耐久性に優れた熱電変換素子、及び熱電変換モジュールを提供する。本発明に係るMg−Si系熱電変換材料の製造方法は、Mg、Si、Sb、及びZnを含有する組成原料を加熱溶融する工程を含む。組成原料中のSb及びZnの含有量はそれぞれ原子量比で0.1〜3.0at%であることが好ましく、Mg及びSi以外の元素の含有量の合計は原子量比で0.2〜5.0at%であることが好ましい。

Description

本発明は、Mg−Si系熱電変換材料及びその製造方法、並びにそのMg−Si系熱電変換材料を用いた熱電変換用焼結体、熱電変換素子、及び熱電変換モジュールに関する。
近年、環境問題の高まりに応じて、各種のエネルギーを効率的に利用する様々な手段が検討されている。特に、産業廃棄物の増加等に伴って、これらを焼却する際に生じる排熱の有効利用が課題となっている。例えば大型廃棄物焼却施設では、排熱により高圧の蒸気を発生させ、この蒸気により蒸気タービンを回転させて発電することにより排熱回収が行われている。しかし、廃棄物焼却施設の大多数を占める中型・小型廃棄物焼却施設では、排熱の排出量が少ないため、蒸気タービン等により発電する排熱の回収方法は採用できていない。
このような中型・小型の廃棄物焼却施設において採用することが可能な排熱を利用した発電方法としては、例えば、ゼーベック効果あるいはペルチェ効果を利用して可逆的に熱電変換を行う熱電変換素子・熱電変換モジュールを用いる方法が提案されている。
熱電変換素子は、熱電変換材料を焼結した焼結体を所定の大きさに切り出した熱電変換部と、該熱電変換部に設けられた第1電極及び第2電極とを備えるものである。一方、熱電変換モジュールは、このような熱電変換素子をモジュール化したものである。熱電変換材料としては、Bi−Te系、Pb−Te系、Si−Ge系、Fe−Si系、Mg−Si系等の材料が知られているが、その中でも環境負荷が少なく、高温環境下で使用可能なものとして、Mg−Si系熱電変換材料が注目されている(特許文献1〜3等)。
なお、この熱電変換技術は、上記の廃棄物焼却の際の排熱ばかりでなく、各種製造工場から出る排熱、自動車の排気熱、地熱、太陽光熱等の各種熱にも適用可能である。
特開2002−285274号公報 特開2006−128235号公報 特開2011−029632号公報
ところで、Mg−Si系熱電変換材料は主としてMg及びSiからなるものであるが、特性を改善するため、Mg、Si以外の他の元素を含有させることも広く行われている。例えば特許文献3では、Mg、SiのほかにSbを含有させることで、熱電変換性能や高温耐久性が向上する旨が報告されている。
しかし、本件発明者らが確認したところ、Sbを含有させた場合には、熱電変換材料の焼結体を製造する際、あるいは焼結体から所定の大きさの熱電変換部用の焼結体を切り出す際にクラックが発生し易いという問題があった。
本発明は、このような従来の課題に鑑みて提案されたものであり、熱電変換材料の焼結体を製造する際、あるいは焼結体から所定の大きさの熱電変換部用の焼結体を切り出す際にクラックが発生し難いために歩留まりが高く、しかもサイズの大きな焼結体の場合には1つの焼結体から多数の熱電変換部用の焼結体を切り出し可能な生産性の高い製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、安定した高い熱電変換性能を有するMg−Si系熱電変換材料、そのMg−Si系熱電変換材料を用いた熱電変換用焼結体、耐久性に優れた熱電変換素子、及び熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、Mg−Si系熱電変換材料の溶融合成時にMg、Siのほかに少なくともSb、Znを混合すれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
[1] 化学組成式:Mg66.7−aSi33.3−bSbZn
(AはAl、Bi、P、Ga、As、In、Ag、Cu、Au、Ni、Fe、Mn、Co、Ta、Nd、Nb、及びPbよりなる群から選ばれる1種以上の元素を示す。x、y、zは0.1≦x≦3.0、0.1≦y≦3.0、0≦z≦3.0、0.2≦x+y+z≦5.0の条件を満たす。a、bは正数であり、a+b=x+y+zの条件を満たす。)
で表されるMg−Si系熱電変換材料。
[2] 上記[1]記載のMg−Si系熱電変換材料を焼結してなる熱電変換用焼結体。
[3] 上記[2]記載の熱電変換用焼結体からなる熱電変換部と、該熱電変換部に設けられた第1電極及び第2電極とを備える熱電変換素子。
[4] 上記[3]記載の熱電変換素子を備える熱電変換モジュール。
[5] Mg、Si、Sb、及びZnを含有する組成原料を加熱溶融する工程を含むMg−Si系熱電変換材料の製造方法。
[6] 上記組成原料中のSb及びZnの含有量がそれぞれ原子量比で0.1〜3.0at%であり、Mg及びSi以外の元素の含有量の合計が原子量比で0.2〜5.0at%である上記[5]記載のMg−Si系熱電変換材料の製造方法。
[7] 上記[5]又は[6]記載のMg−Si系熱電変換材料の製造方法により製造されるMg−Si系熱電変換材料。
本発明によれば、熱電変換材料の焼結体を製造する際、あるいは焼結体から所定の大きさの熱電変換部用の焼結体を切り出す際にクラックが発生し難いために歩留まりが高く、しかもサイズの大きな焼結体の場合には1つの焼結体から多数の熱電変換部用の焼結体を切り出し可能な生産性の高い製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、安定した高い熱電変換性能を有するMg−Si系熱電変換材料、そのMg−Si系熱電変換材料を用いた熱電変換用焼結体、耐久性に優れた熱電変換素子、及び熱電変換モジュールを提供することができる。
Mg−Si系熱電変換材料の焼結に用いられる冶具の一例を示す図である。 実施例1で得られた焼結体の外観(同図(a))、及び切断面の光学顕微鏡像(同図(b))を示す図である。 実施例1、比較例1〜5で得られた焼結体の各温度におけるゼーベック係数を示す図である。 実施例1、比較例1〜5で得られた焼結体の各温度における電気伝導率を示す図である。 実施例1、比較例1〜5で得られた焼結体の各温度におけるパワーファクターを示す図である。 実施例1、比較例1〜5で得られた焼結体の各温度における熱伝導率を示す図である。 実施例1、比較例1〜5で得られた焼結体の各温度における無次元性能指数を示す図である。 実施例1、比較例2〜5で得られた焼結体について高温耐久性試験を行った際の電気抵抗率変化を示す図である。 実施例2〜4で得られた焼結体の各温度における無次元性能指数を示す図である。
<Mg−Si系熱電変換材料の製造方法>
本発明に係るMg−Si系熱電変換材料の製造方法は、Mg、Si、Sb、及びZnを含有する組成原料を加熱溶融する工程を含む。
上記のとおり組成原料はMg、Si、Sb、及びZnを含有するが、それ以外にAl、Bi、P、Ga、As、In、Ag、Cu、Au、Ni、Fe、Mn、Co、Ta、Nd、Nb、及びPbよりなる群から選ばれる1種以上の元素(以下、「任意元素」ともいう。)を含有していてもよい。これらの原料としては、いずれも高純度(例えば純度99.9%以上)のものが好ましい。
組成原料中のMgとSiとの混合比は、原子量比で2:1である。また、組成原料中のSb及びZnの含有量はそれぞれ原子量比で0.1〜3.0at%であることが好ましく、0.1〜2.0at%であることがより好ましく、0.1〜1.5at%であることがさらに好ましく、0.5〜1.0at%であることが特に好ましい。また、組成原料中の上記任意元素の含有量は原子量比で0〜3.0at%であることが好ましく、0〜2.0at%であることがより好ましく、0〜1.5at%であることがさらに好ましく、0〜0.5at%であることが特に好ましい。
また、Sb、Zn等の元素をMgSi結晶構造中のMg又はSiの一部と置換・固溶させるためには、Mg及びSi以外の元素の含有量の合計は原子量比で0.2〜5.0at%であることが好ましく、0.2〜4.0at%であることがより好ましく、0.2〜3.0at%であることがさらに好ましく、0.5〜2.5at%であることが特に好ましく、1.0〜2.0at%であることが最も好ましい。
なお、本発明に係るMg−Si系熱電変換材料の製造方法としては、組成原料中に上記任意元素を含まないものが好ましい。この場合のSb及びZnのそれぞれの含有量は上記と同様である。また、Sb及びZnの含有量の合計は上記任意元素の含有量を0とした場合と同様である。
このような組成原料を還元雰囲気下且つ好ましくは減圧下において、Mgの融点以上且つSiの融点未満の温度条件下で熱処理し、本発明に係るMg−Si系熱電変換材料を溶融合成する。
ここで、「還元雰囲気下」とは、特に水素ガスを5体積%以上含み、必要に応じてその他の成分として不活性ガスを含む雰囲気を指す。かかる還元雰囲気下で組成原料を加熱溶融することにより、酸化マグネシウムや酸化ケイ素等の生成を避けながら、組成原料を確実に反応させることができる。
加熱溶融の際の圧力条件としては、大気圧でもよいが、安全性を考慮すれば例えば1.33×10−3Pa程度の減圧条件が好ましい。
加熱溶融の際の加熱温度としては、650℃以上1414℃未満、好ましくは1085℃以上1414℃未満であり、加熱時間は例えば2〜10時間である。熱処理を長時間とすることにより、得られるMg−Si系熱電変換材料をより均一化することができる。また、昇温条件としては、例えば、150℃に達するまでは150〜250℃/時間、1100℃に達するまでは350〜450℃/時間の昇温条件を挙げることができ、熱処理後の降温条件としては、900〜1000℃/時間の降温条件を挙げることができる。
加熱溶融は、通常、組成原料を溶融ルツボに投入し、蓋部により密閉した状態で行われる。加熱溶融中に揮発したMg等が飛散することのないよう、溶融ルツボと蓋部との接触面を研磨し、密着性を高めておくことが好ましい。また、蓋部を加圧することも好ましい。これにより、組成原料の組成比率と同じ組成比率を有するMg−Si系熱電変換材料を得ることができる。該熱電変換材料にはMg酸化物、Si酸化物、未反応のMg、未反応のSiが含まれないため、この材料を用いて製造した熱電変換素子は所期の高い性能を有するものとなる。
なお、加熱溶融後に冷却したものをそのままMg−Si系熱電変換材料として使用することもできるが、焼結する際の便宜上、粒径が数μm以下の微細な粉末に粉砕しておくことが好ましい。
<Mg−Si系熱電変換材料>
本発明に係るMg−Si系熱電変換材料は、上記の製造方法によって製造されるものである。このMg−Si系熱電変換材料は、例えば、化学組成式:Mg66.7−aSi33.3−bSbZnで表される。
ここで、Aは上記の任意元素(Al、Bi、P、Ga、As、In、Ag、Cu、Au、Ni、Fe、Mn、Co、Ta、Nd、Nb、及びPbよりなる群から選ばれる1種以上の元素)を示す。x、y、zは0.1≦x≦3.0、0.1≦y≦3.0、0≦z≦3.0、0.2≦x+y+z≦5.0の条件を満たす。a、bは正数であり、a+b=x+y+zの条件を満たす。x、y、zの範囲は、0.1≦x≦2.0、0.1≦y≦2.0、0≦z≦2.0であることが好ましく、0.1≦x≦1.5、0.1≦y≦1.5、0≦z≦1.5であることがより好ましく、0.5≦x≦1.0、0.5≦y≦1.0、0≦z≦0.5であることがさらに好ましい。また、x+y+zの範囲は、0.2≦x+y+z≦4.0であることが好ましく、0.2≦x+y+z≦3.0であることがより好ましく、0.5≦x+y+z≦2.5であることがさらに好ましく、1.0≦x+y+z≦2.0であることが特に好ましい。
本発明に係るMg−Si系熱電変換材料としては、任意元素Aを含まないもの、すなわち化学組成式:Mg66.7−aSi33.3−bSbZnで表されるものが好ましい(ただし、a+b=x+y)。この化学組成式におけるx、yの好ましい範囲は上記と同様である。また、x+yの好ましい範囲は上記でz=0とした場合と同様である。
なお、SbはMgSi結晶構造中のSiサイトに置換し、ZnはMgSi結晶構造中のMgサイトに置換すると考えられるため、任意元素Aを含まない場合の化学組成式はMg66.7−ySi33.3−xSbZnで表されると推測される。
本発明に係るMg−Si系熱電変換材料は、焼結体を製造する際、あるいは焼結体を所定の大きさに切り出す際にクラックが発生し難く、且つ、高い熱電変換性能を有する。なお、クラックが発生し難い理由は明確ではないが、Znが微視的な観点から原子間の結合強化に寄与することでクラックの導入を抑制する効果をもたらしているためと推測される。
<熱電変換用焼結体>
本発明に係る熱電変換用焼結体は、本発明に係るMg−Si系熱電変換材料を焼結してなるものである。
焼結には、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方圧焼結法(HIP)、放電プラズマ焼結法等の加圧圧縮焼結法を採用することができるが、その中でも放電プラズマ焼結法が好ましい。放電プラズマ焼結法は、直流パルス通電法を用いた加圧圧縮焼結法の一種で、パルス大電流を種々の材料に通電することによって加熱・焼結する方法であり、原理的には金属・グラファイト等の導電性材料に電流を流し、ジュール加熱により材料を加工・処理する方法である。
放電プラズマ焼結には、例えば図1に示すような冶具が用いられる。焼結に際しては、まず、図1に示すグラファイト製ダイ10とグラファイト製パンチ11a、11bとで囲まれた空間に本発明に係るMg−Si系熱電変換材料の粉末を充填する。その際、固着を防ぐため、Mg−Si系熱電変換材料とグラファイト製ダイ10、グラファイト製パンチ11a、11bとの接触部分にカーボンペーパーを挟んでおくことが好ましい。その後、放電プラズマ焼結装置を用いて焼結する。
放電プラズマ焼結の焼結圧力は5〜60MPaが好ましい。焼結圧力が5MPa未満である場合、十分な密度を有する焼結体を得ることが難しく、強度が不足する虞がある。一方、焼結圧力が60MPaを超える場合、コストの面で好ましくない。
また、焼結温度は600〜1000℃が好ましい。焼結温度が600℃未満である場合、十分な密度を有する焼結体を得ることが難しく、強度が不足する虞がある。一方、焼結温度が1000℃を超える場合、焼結体に損傷が生じるばかりでなく、Mgが急激に揮発して飛散する虞がある。
また、焼結は減圧下且つ好ましくは不活性ガス雰囲気下で行われる。
なお、熱電変換用焼結体は、通常、1種類の熱電変換材料を用いて製造されるが、複数種類の熱電変換材料を用いて複層構造を有する焼結体としてもよい、複層構造を有する焼結体は、焼結前に複数種類の熱電変換材料を所望の順序で積層した後、焼結することにより製造することができる。この場合、本発明に係るMg−Si系熱電変換材料のうち組成の異なるものを複数種類組み合わせて用いてもよく、本発明に係るMg−Si系熱電変換材料と他のMg−Si系熱電変換材料とを組み合わせて用いてもよい。
また、図1に示すようなグラファイト製ダイ10とグラファイト製パンチ11a、11bとで囲まれた空間に電極材料、Mg−Si系熱電変換材料、電極材料をこの順で充填して焼結することにより、電極が一体となった焼結体を得ることもできる。このような焼結体を所定の大きさに切り出ることにより、熱電変換素子を得ることができる。
<熱電変換素子、熱電変換モジュール>
本発明に係る熱電変換素子は、上記の熱電変換用焼結体からなる熱電変換部と、該熱電変換部に設けられた第1電極及び第2電極とを備えるものである。この熱電変換素子は、安定して高い熱電変換性能を発揮でき、風化せず、耐久性に優れているため、安定性及び信頼性に優れたものである。
熱電変換部は、ワイヤーソー等を用いて、焼結体から、所望の大きさになるように切り出されたものである。本発明ではクラックのない物理的強度に優れた大きなサイズの焼結体、例えば直径30mm以上の大口径の円柱状焼結体が得られるため、1つの焼結体から数多くの熱電変換部を切り出すことができ、高い生産性を有する。なお、切り出し後の焼結体は、その表面を鏡面加工法等によって研磨し、平滑にしてから使用することが好ましい。
第1電極及び第2電極の形成方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、焼結体に対して無電界ニッケルメッキ等を施すことにより、電極を形成することができる。
なお、熱電変換素子を製造する際には、焼結体から熱電変換部を切り出した後に第1電極及び第2電極を形成するようにしてもよく、あるいは、焼結体に第1電極及び第2電極を形成した後に熱電変換素子を切り出すようにしてもよい。
一方、本発明に係る熱電変換モジュールは、本発明に係る熱電変換素子を備えるものである。この熱電変換モジュールは、本発明に係る熱電変換素子を公知の方法によりモジュール化することにより製造することができる。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
60.36質量部のMg(日本サーモケミカル製、純度:99.93%、大きさ:1.4mm×0.5mmのチップ状)、34.87質量部のSi(MEMC Electronic Materials製、純度:99.9999999%、大きさ:直径4mm以下の粒状)、2.30質量部のSb(エレクトロニクス アンド マテリアルズ コーポレーション製、純度:99.9999%、大きさ:直径5mm以下の粒状)、及び2.47質量部のZn(高純度化学研究所製、純度:99.9%、大きさ:直径150μm以下の粒状)を混合し、組成原料を得た。この組成原料中のSbの含有量は0.5at%であり、Znの含有量は1.0at%である。
得られた組成原料をAl製の溶融ルツボ(日本化学陶業製、内径34mm、外径40mm、高さ150mm;蓋部は直径40mm、厚さ2.5mm。溶融ルツボと蓋部との接触面が研磨されたものを使用。)に投入した。溶融ルツボの開口部に蓋部を密着させて加熱炉内に静置し、加熱炉の外部からセラミック棒を介して3kg/cmとなるようにおもりで加圧した。
次いで、加熱炉の内部をロータリーポンプで5Pa以下となるまで減圧し、次いで拡散ポンプで1.33×10−2Paとなるまで減圧した。この状態で、加熱炉内を200℃/時間で150℃に達するまで加熱し、150℃で1時間保持して組成原料を乾燥させた。この際、加熱炉内には水素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを充填し、水素ガスの分圧を0.005MPa、アルゴンガスの分圧を0.052MPaとした。
その後、400℃/時間で1150℃に達するまで加熱し、1150℃で3時間保持した。その後、100℃/時間で900℃にまで冷却し、1000℃/時間で室温にまで冷却することで、Mg−Si系熱電変換材料を得た。
得られたMg−Si系熱電変換材料を、自動乳鉢を用いて粒径が25〜75μmになるまで粉砕した。そして、図1に示すグラファイト製ダイ10(内径15mm)とグラファイト製パンチ11a、11bとで囲まれた空間にMg−Si系熱電変換材料の粉末を充填した。その際、固着を防ぐため、Mg−Si系熱電変換材料とグラファイト製ダイ10、グラファイト製パンチ11a、11bとの接触部分にカーボンペーパーを挟んだ。
その後、放電プラズマ焼結装置(ELENIX製、「PAS−III−Es」)を用いて減圧雰囲気下で焼結を行い、焼結体を得た。焼結条件は下記のとおりである。
焼結温度:840℃
圧力:30.0MPa
昇温レート:300℃/分×2分(〜600℃)
100℃/分×2分(600〜800℃)
10℃/分×4分(800〜840℃)
0℃/分×5分(840℃)
冷却条件:真空放冷
雰囲気:Ar 60Pa(冷却時は真空)
焼結後、付着したカーボンペーパーをサンドペーパーで除去した。なお、得られた焼結体の形状は、円柱状(上面及び底面が直径15mmの円、高さが10mm)である。
得られた焼結体の外観を図2(a)に示す。また、ワイヤーソー(ムサシノ電子製、「CS−203」)を用いて焼結体を直径に沿って切断し、自動研磨機(ムサシノ電子製、「MA−150」)を用いて切断面を鏡面加工した。鏡面加工後の切断面を光学顕微鏡(倍率200倍)で観察した結果を図2(b)に示す。
図2(a)、(b)から分かるように、ボイドの存在しない緻密な焼結体を得ることができた。
<比較例1>
63.39質量部のMg(日本サーモケミカル製、純度:99.93%、大きさ:1.4mm×0.5mmのチップ状)、及び36.61質量部のSi(MEMC Electronic Materials製、純度:99.9999999%、大きさ:直径4mm以下の粒状)を混合し、組成原料を得た。そして、この組成原料を用いて実施例1と同様にして焼結体を得た。
<比較例2>
62.24質量部のMg(日本サーモケミカル製、純度:99.93%、大きさ:1.4mm×0.5mmのチップ状)、35.42質量部のSi(MEMC Electronic Materials製、純度:99.9999999%、大きさ:直径4mm以下の粒状)、及び2.34質量部のSb(エレクトロニクス アンド マテリアルズ コーポレーション製、純度:99.9999%、大きさ:直径5mm以下の粒状)を混合し、組成原料を得た。この組成原料中のSbの含有量は0.5at%である。そして、この組成原料を用いて実施例1と同様にして焼結体を得た。
<比較例3>
62.37質量部のMg(日本サーモケミカル製、純度:99.93%、大きさ:1.4mm×0.5mmのチップ状)、36.58質量部のSi(MEMC Electronic Materials製、純度:99.9999999%、大きさ:直径4mm以下の粒状)、及び1.05質量部のAl(フルウチ化学製、純度:99.99%、大きさ:10mm×15mm×0.5mmのチップ状)を混合し、組成原料を得た。この組成原料中のAlの含有量は1.0at%である。そして、この組成原料を用いて実施例1と同様にして焼結体を得た。
<比較例4>
61.45質量部のMg(日本サーモケミカル製、純度:99.93%、大きさ:1.4mm×0.5mmのチップ状)、36.04質量部のSi(MEMC Electronic Materials製、純度:99.9999999%、大きさ:直径4mm以下の粒状)、及び2.52質量部のZn(高純度化学研究所製、純度:99.9%、大きさ:直径150μm以下の粒状)を混合し、組成原料を得た。この組成原料中のZnの含有量は1.0at%である。そして、この組成原料を用いて実施例1と同様にして焼結体を得た。
<比較例5>
61.25質量部のMg(日本サーモケミカル製、純度:99.93%、大きさ:1.4mm×0.5mmのチップ状)、35.38質量部のSi(MEMC Electronic Materials製、純度:99.9999999%、大きさ:直径4mm以下の粒状)、2.34質量部のSb(エレクトロニクス アンド マテリアルズ コーポレーション製、純度:99.9999%、大きさ:直径5mm以下の粒状)、及び1.04質量部のAl(フルウチ化学製、純度:99.99%、大きさ:10mm×15mm×0.5mmのチップ状)を混合し、組成原料を得た。この組成原料中のSbの含有量は0.5at%であり、Alの含有量は1.0at%である。そして、この組成原料を用いて実施例1と同様にして焼結体を得た。
<クラック発生有無の評価>
ワイヤーソー(ムサシノ電子製、「CS−203」)を用いて、実施例1、比較例2、5で得られた焼結体から2.0mm×2.0mm×8.0mmの試料をそれぞれ切り出し、クラックが発生した試料の数とクラックが発生しなかった試料の数とを確認した。また、この確認結果から歩留まりを算出した。結果を表1に示す。
表1に示すように、Mg、Si以外の元素としてSbを含有する比較例2の焼結体は、クラックが発生し易く、歩留まりが34.7%と低いものであった。一方、Mg、Si以外の元素としてSb及びZnを含有する実施例1の焼結体やSb及びAlを含有する比較例5の焼結体は、クラックが発生し難く、歩留まりは100%であった。
<熱電変換特性の評価>
(ゼーベック係数の算出)
ワイヤーソー(ムサシノ電子製、「CS−203」)を用いて、実施例1、比較例1〜5で得られた焼結体から2.0mm×2.0mm×8.0mmの試料を切り出した。試料の表面を軽く研磨した後、ゼーベック係数測定装置(アルバック理工製、「ZEM−2」)を用いて以下のようにゼーベック係数を測定した。
まず、試料の上端及び下端をニッケル電極で挟み込み、横から温度差測定用熱電対(プローブ)を接触させた。測定温度は50℃から600℃までとし、50℃刻みで測定を行った。また、測定雰囲気はHe雰囲気とし、電極間の温度差は20℃、30℃、又は40℃に設定した。そして、試料とプローブとの間に発生する熱起電力及び試料の温度差を読み取り、このプローブ間の起電力差を温度差で割ることでゼーベック係数を算出した。結果を図3に示す。
(電気伝導率の算出)
上記と同様に、上下電極及びプローブを用いた四端子法によって抵抗値を測定し、プローブ間の距離と試料の断面積とから抵抗率を算出し、その逆数から電気伝導率を算出した。結果を図4に示す。
(パワーファクターの算出)
上記のようにして算出したゼーベック係数及び電気伝導率を用いてパワーファクターを算出した。結果を図5に示す。
(熱伝導率の算出)
ワイヤーソー(ムサシノ電子製、「CS−203」)を用いて、実施例1、比較例1〜5で得られた焼結体から8.0mm×8.0mm×1.0mmの試料を切り出した。試料の表面を軽く研磨した後、8mm×8mmの一方の面の隅にR熱電対を銀ペーストで接着した。そして、この試料について、レーザーフラッシュ法熱伝導率測定装置(アルバック理工製、「TC・7000H」)を用いて以下のように熱伝導率を測定した。
まず、比熱が既知の標準試料(サファイア)を用いて吸収熱量を測定した。続いて、サファイアを取り外し、上記の試料をセットして吸収熱量を測定した。続いて、熱拡散率測定のために、R熱電対を有する面に対してグラファイトスプレーによる黒化処理を均一に行った。なお、黒化処理の際、銀ペーストにグラファイトスプレーがかからないようにマスキングした。そして、50℃から600℃まで50℃刻みで熱拡散率を測定し、熱拡散率、比熱、及び試料の密度から熱伝導率を算出した。結果を図6に示す。
(無次元性能指数の算出)
上記のようにして算出したゼーベック係数、電気伝導率、及び熱伝導率を用いて無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を図7に示す。
図3〜7に示すように、Mg、Si以外の元素としてSb及びZnを含有する実施例1の焼結体は、Mg、Si以外の元素を含有しない比較例1の焼結体と比較してゼーベック係数の絶対値は小さかったものの、電気伝導率の値が大きく、熱伝導率の値が小さいものであった。その結果、873Kにおいて0.98という高い無次元性能指数を実現することができた。
一方、Mg、Si以外の元素としてSbを含有する比較例2の焼結体は、実施例1の焼結体よりも熱伝導率の値が大きく、その結果、873Kにおける無次元性能指数は0.88にとどまった。
また、Mg、Si以外の元素としてAl又はZnを含有する比較例3、4の焼結体は、比較例1の焼結体と比較してゼーベック係数の絶対値が大きく、熱伝導率の値が小さかったものの、電気伝導率の値が小さく、その結果、無次元性能指数はそれほど向上しなかった。
また、Mg、Si以外の元素としてSb及びAlを含有する比較例5の焼結体は、比較例2の焼結体と比較して熱伝導率の値が同程度であったものの、パワーファクターの値が小さく、その結果、873Kにおける無次元性能指数は0.69にとどまった。
<高温耐久性の評価>
ワイヤーソー(ムサシノ電子製、「CS−203」)を用いて、実施例1、比較例2〜5で得られた焼結体から10.0mm×10.0mm×2.0mmの試料を切り出した。自動研磨装置(ムサシノ電子製、「MA−150」)を用いて試料の表面酸化膜を除去した後、四探針測定装置(共和理研製、「K−503RS」)を用いて以下のように電気抵抗率を測定した。
まず、四探針測定装置のステージ上に試料をセットし、プローブを試料に押し当てた後、任意の電流をかけた際の電圧を求め、抵抗値を算出した。その際、測定面に接触する4本のプローブの間隔は1mmとした。また、電流の条件は30mAまでとした。次いで、得られた抵抗値に補正係数を掛けることにより、電気抵抗率を算出した。補正係数はw×C×Fで表され、wは試料の厚さを表す。また、Cは試料の縦及び横の長さの補正係数であり、C=4.2209とした(測定面が10.0mm×10.0mm、プローブの間隔が1mmから導出)。また、Fは試料の厚さの補正係数である。試料の厚さは研磨により変動するため、下記表2の関係からFを算出した。
抵抗率を算出した後、大気中、600℃に保った環状炉に試料を入れた。1時間経過後、環状炉から試料を取り出し、測定面を研磨して、上記と同様の方法で電気抵抗率を算出した。同様に、環状炉での加熱時間が5、10、50、100、500、1000時間となる段階で試料を取り出し、電気抵抗率を算出した。結果を図8に示す。
図8に示すように、Mg、Si以外の元素としてSb及びZnを含有する実施例1の焼結体は、Mg、Si以外の元素としてSbを含有する比較例2の焼結体と同程度に電気抵抗率が低く、且つ、高温耐久性に優れたものであった。
<実施例2>
61.29質量部のMg(日本サーモケミカル製、純度:99.93%、大きさ:1.4mm×0.5mmのチップ状)、35.14質量部のSi(MEMC Electronic Materials製、純度:99.9999999%、大きさ:直径4mm以下の粒状)、2.32質量部のSb(エレクトロニクス アンド マテリアルズ コーポレーション製、純度:99.9999%、大きさ:直径5mm以下の粒状)、及び1.25質量部のZn(高純度化学研究所製、純度:99.9%、大きさ:直径150μm以下の粒状)を混合し、組成原料を得た。この組成原料中のSbの含有量は0.5at%であり、Znの含有量は0.5at%である。そして、この組成原料を用いて実施例1と同様にして焼結体を得た。
<実施例3>
59.31質量部のMg(日本サーモケミカル製、純度:99.93%、大きさ:1.4mm×0.5mmのチップ状)、33.74質量部のSi(MEMC Electronic Materials製、純度:99.9999999%、大きさ:直径4mm以下の粒状)、4.52質量部のSb(エレクトロニクス アンド マテリアルズ コーポレーション製、純度:99.9999%、大きさ:直径5mm以下の粒状)、及び2.43質量部のZn(高純度化学研究所製、純度:99.9%、大きさ:直径150μm以下の粒状)を混合し、組成原料を得た。この組成原料中のSbの含有量は1.0at%であり、Znの含有量は1.0at%である。そして、この組成原料を用いて実施例1と同様にして焼結体を得た。
<実施例4>
60.22質量部のMg(日本サーモケミカル製、純度:99.93%、大きさ:1.4mm×0.5mmのチップ状)、34.00質量部のSi(MEMC Electronic Materials製、純度:99.9999999%、大きさ:直径4mm以下の粒状)、4.56質量部のSb(エレクトロニクス アンド マテリアルズ コーポレーション製、純度:99.9999%、大きさ:直径5mm以下の粒状)、及び1.41質量部のZn(高純度化学研究所製、純度:99.9%、大きさ:直径150μm以下の粒状)を混合し、組成原料を得た。この組成原料中のSbの含有量は1.0at%であり、Znの含有量は0.5at%である。そして、この組成原料を用いて実施例1と同様にして焼結体を得た。
<比較例6>
61.14質量部のMg(日本サーモケミカル製、純度:99.93%、大きさ:1.4mm×0.5mmのチップ状)、34.26質量部のSi(MEMC Electronic Materials製、純度:99.9999999%、大きさ:直径4mm以下の粒状)、及び4.59質量部のSb(エレクトロニクス アンド マテリアルズ コーポレーション製、純度:99.9999%、大きさ:直径5mm以下の粒状)を混合し、組成原料を得た。この組成原料中のSbの含有量は1.0at%である。そして、この組成原料を用いて実施例1と同様にして焼結体の製造を試みたが、クラックが発生し、焼結体を得ることができなかった。
<クラック発生有無の評価>
ワイヤーソー(ムサシノ電子製、「CS−203」)を用いて、実施例2〜4で得られた焼結体から8.0mm×8.0mm×1.0mmの試料2本と、2.0mm×2.0mm×12.0mmの試料3本とをそれぞれ切り出し、クラックの有無を確認した。その結果、試料にはクラックが全く発生していなかった。
<熱電変換特性の評価>
実施例1、比較例1〜5と同様に、実施例2〜4で得られた焼結体についてゼーベック係数、電気伝導率、及び熱伝導率を求め、無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を図9に示す。
図9に示すように、Mg、Si以外の元素としてSb及びZnを含有する実施例2〜4の焼結体は、いずれも873Kにおける無次元性能指数が0.7以上あり、熱電変換性能に優れたものであった。
10 グラファイト製ダイ
11a、11b グラファイト製パンチ

Claims (7)

  1. 化学組成式:Mg66.7−aSi33.3−bSbZn
    (AはAl、Bi、P、Ga、As、In、Ag、Cu、Au、Ni、Fe、Mn、Co、Ta、Nd、Nb、及びPbよりなる群から選ばれる1種以上の元素を示す。x、y、zは0.1≦x≦3.0、0.1≦y≦3.0、0≦z≦3.0、0.2≦x+y+z≦5.0の条件を満たす。a、bは正数であり、a+b=x+y+zの条件を満たす。)
    で表されるMg−Si系熱電変換材料。
  2. 請求項1記載のMg−Si系熱電変換材料を焼結してなる熱電変換用焼結体。
  3. 請求項2記載の熱電変換用焼結体からなる熱電変換部と、該熱電変換部に設けられた第1電極及び第2電極とを備える熱電変換素子。
  4. 請求項3記載の熱電変換素子を備える熱電変換モジュール。
  5. Mg、Si、Sb、及びZnを含有する組成原料を加熱溶融する工程を含むMg−Si系熱電変換材料の製造方法。
  6. 前記組成原料中のSb及びZnの含有量がそれぞれ原子量比で0.1〜3.0at%であり、Mg及びSi以外の元素の含有量の合計が原子量比で0.2〜5.0at%である請求項5記載のMg−Si系熱電変換材料の製造方法。
  7. 請求項5又は6記載のMg−Si系熱電変換材料の製造方法により製造されるMg−Si系熱電変換材料。
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