JPWO2014054745A1 - メカニカルシール - Google Patents

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Abstract

ベローズの劣化や破れがなく、また、ベローズのバネ定数を小さくしてベローズの伸縮よる荷重の変動を少なくしたメカニカルシールを提供する。回転軸に固定されるスリーブ2、20と、ハウジング3に固定されるカートリッジ4、40とを備え、スリーブ2、20には回転側摺動環5が設けられ、カートリッジ4、40には回転側摺動環5に対向して摺動する固定側摺動環6及び該固定側摺動環6を軸方向に付勢するベローズ7、15、30が設けられたインサイド形のメカニカルシールにおいて、ベローズ7、15、30は金属製であり、金属製のベローズ7、15、30は、一端が固定側摺動環6を保持するケース8に固定され、他端がカートリッジ4、40に固定され、その板厚が前記ケース8またはカートリッジ4、40の板厚より薄く設定されていることを特徴としている。

Description

本発明は、例えば、ポンプ等の軸封装置として用いられるメカニカルシールに関する。
従来からメカニカルシールの一種として、図7に示すように、摺動面の外周から内周方向に向かって漏れようとする高圧流体側の被密封流体を密封する形式のインサイド形式のものであり、高圧流体側のポンプインペラ(図示省略)を駆動させる回転軸50側にスリーブ51及びカップガスケット52を介してこの回転軸50と一体的に回転可能な状態に設けられた円環状の回転側摺動環53と、ポンプのハウジング54に非回転状態かつ軸方向移動可能な状態でカートリッジ56内のベローズ57を介して設けられた円環状の固定側摺動環55とが、この固定側摺動環55を軸方向に付勢するコイルドウェーブスプリング58及びベローズ57によって、ラッピング等によって鏡面仕上げされた摺動面S同士で密接摺動するものが知られている(以下、「従来技術1」という。例えば、特許文献1参照。)この従来技術のメカニカルシールにおけるベローズ57は、ゴム製であり、その一端は固定環55にケース59を介して取り付けられ、また、他端はカートリッジ内筒部56aにドライビングバンド60を介して取付けられている。
また、特許文献2には、図8に示すように、ハウジング61に固定側摺動環62を取付け、ハウジング61に回転自在に支持されたシャフトに回転側摺動環63を設け、これら固定側摺動環62と回転側摺動環63とを摺動自在に弾接させるようにしたメカニカルシールにおいて、金属ベローズ64で固定側摺動環62を軸方向移動自在に支持するように金属ベローズ64の右端に固定爪64aを形成し、この固定爪64aを折り曲げて金属ベローズ64の右端内部に固定側摺動環62を支持し、金属ベローズ64の左端を直接ハウジング61に固定した発明が開示されている(以下、「従来技術2」という。特許文献2参照。)。
しかしながら、従来技術1は、ベローズ57がゴム製であるため、屈曲部の劣化や破れ等の問題があった。また、コイルドウェーブスプリング58のような付勢部材及びドライビングバンド60のような取付部材が必要であり、部品点数が多くなるという問題もあった。
また、従来技術2は、金属ベローズ64で直接固定リング62を支持し、かつ、金属ベローズ64がカートリッジを兼用する形で直接ハウジング61に固定する構造であるため、金属ベローズ64をカートリッジあるいはケースと同じ厚さを有するようにしなければならず、金属ベローズ64のバネ定数が増大するという問題があった。
特開2000−74226号公報(3頁、図2) 特許第2956862号公報(5頁、図5)
本発明は、従来技術の問題点を解決するためになされたもので、ベローズの劣化や破れがなく、また、ベローズのバネ定数を小さくしてベローズの伸縮よる荷重の変動を少なくしたメカニカルシールを提供することを目的とするものである。
さらに、通常、回転側及び固定側の一体化による組立においては、スペースの確保のためベローズの内径を大きくする必要があり、ベローズの受圧面積が変化してバランス値も変動するが、そのような場合で、本発明は、バランス値の変動を抑制したメカニカルシールを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため本発明のメカニカルシールは、第1に、回転軸に固定されるスリーブと、ハウジングに固定されるカートリッジとを備え、前記スリーブには回転側摺動環が設けられ、前記カートリッジには前記回転側摺動環に対向して摺動する固定側摺動環及び該固定側摺動環を軸方向に付勢するベローズが設けられたインサイド形のメカニカルシールにおいて、前記ベローズは金属製であり、前記金属製のベローズは、一端が前記固定側摺動環を保持するケースに固定され、他端が前記カートリッジに固定され、その板厚が前記ケースまたは前記カートリッジの板厚より薄く設定されていることを特徴としている。
この特徴によれば、金属製のベローズは専ら固定側摺動環を軸方向に付勢する役割を担い、ケース及びカートリッジ等とは別体に形成されるので、金属製のベローズの板厚を薄くすることができ、金属製のベローズのバネ定数を小さくすることができ、金属製のベローズの伸縮量に対する荷重の変化を小さくできる。このため、回転側摺動環が軸方向に変動しても、固定側摺動環に対する軸方向の付勢力を安定することができ、摺動面の圧力を最適な値に維持することができる。また、金属製のベローズの取付長さの公差を緩和できる。さらに、従来のゴム製のベローズに代えて、金属製のベローズを用いると、ベローズの劣化や破れがなく、寿命を増大させることができる。また、ゴム製のベローズの場合に比べ、取付けのための部品を削減することができる。さらに、ベローズのバネ定数を、材質、板厚あるいは山数により、自在に設定することができる。さらに、バランス値を最適な値に設定することができる。
また、本発明のメカニカルシールは、第2に、第1の特徴において、前記金属製のベローズは、山部と谷部が交互に繰り返し形成される蛇腹部、及び、前記蛇腹部の両端に前記谷部から径方向外側に延びる円盤状のフランジ部を備え、前記フランジ部の外径は前記山部の径より大きく、また、前記フランジ部の内径は前記谷部の径と略同じかまたは若干大きくなるように、成型または溶接により形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、金属製のベローズをケース及びカートリッジに容易に固定させることができると共に被密封流体の漏れを防止することができる。
また、本発明のメカニカルシールは、第3に、第1または第2の特徴において、前記金属製のベローズと金属製のケース及び金属製のカートリッジとの固定は、前記金属製のベローズの前記フランジ部の外径よりわずかに内径側の位置において溶接または溶着により行われることを特徴としている。
この特徴によれば、金属製のベローズのフランジ部の内周部は、ケース及びカートリッジから離れることが可能となり、回転軸の偏芯に対しても追従性に優れ、安定したシール性を発揮することが可能になる。また、金属製のベローズの固定を特別の取付部材を使用することなく、確実に行うことができる。
また、本発明のメカニカルシールは、第4に、第1ないし第3のいずれかの特徴において、前記回転側摺動環は前記スリーブにカップガスケットを介して固定され、前記カップガスケットは前記回転側摺動環の反摺動面側及び外周面に跨って設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、高圧流体の圧力がカップガスケットの外周面に作用しても、カップガスケットの離脱を防止することができる。
また、本発明のメカニカルシールは、第5に、回転軸に固定されるスリーブと、ハウジングに固定されるカートリッジとを備え、前記スリーブには回転側摺動環が設けられ、前記カートリッジには前記回転側摺動環に対向して摺動する固定側摺動環及び該固定側摺動環を軸方向に付勢するベローズが設けられたインサイド形のメカニカルシールにおいて、前記ベローズは金属製であり、前記金属製のベローズは、一端が前記固定側摺動環を保持するガスケットに嵌合され、他端が前記カートリッジに固定され、その板厚が前記カートリッジの板厚より薄く設定されていることを特徴としている。
この特徴によれば、金属製のベローズがケースを兼用するように形成されているため、部品点数を削減でき、また、溶接箇所を減らすことができる。
また、本発明のメカニカルシールは、第6に、第5の特徴において、前記固定側摺動環を保持する前記ガスケットに嵌合する前記金属製のベローズの外筒部の外周にはバンドが装着されることを特徴としている。
この特徴によれば、金属製のベローズとカップガスケットとの嵌合を確実なものとすることができる。
また、本発明のメカニカルシールは、第7に、回転軸に固定されるスリーブと、ハウジングに固定されるカートリッジとを備え、前記スリーブには回転側摺動環が設けられ、前記カートリッジには前記回転側摺動環に対向して摺動する固定側摺動環及び該固定側摺動環を軸方向に付勢するベローズが設けられたインサイド形のメカニカルシールにおいて、前記ベローズは金属製であり、前記金属製のベローズは、一端が前記固定側摺動環に直接固定され、他端が前記カートリッジに固定され、その板厚が前記カートリッジの板厚より薄く設定されていることを特徴としている。
この特徴によれば、部品点数を削減できると共に、メカニカルシールの軸方向の長さを短くできる。また、メカニカルシールの軸方向の長さを短くする代わりに、金属製のベローズの山数を増やすことも可能である。
また、本発明のメカニカルシールは、第8に、第1ないし第7のいずれかの特徴において、前記スリーブの内筒部の先端がカシメにより拡径されて前記カートリッジの内筒部に係合することにより前記カートリッジと前記スリーブとの軸方向の離脱が防止されるタイプにおいて、前記カートリッジの内筒部には前記固定側摺動環側と軸方向反対側に位置する部分が拡径されて段部が設けられ、前記ベローズは、前記カートリッジの内筒部の段部から固定側摺動環側に位置する部分の内径が前記カートリッジの内筒部の段部から固定側摺動環と反対側に位置する部分の内径より小径に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、ベローズの外径を大きくすることなく、バランス値の低下を抑制することができ、摺動面の漏れ量を低減させることができ、また、ベローズのバネ定数の増加を抑制することができる。さらに、バランス値が100%を超えるように設定する場合においても、回転側摺動環及び固定側摺動環の大径化を抑制することができ、メカニカルシールの大型化を回避することができる。
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)ベローズを金属製とし、金属製のベローズは、一端が固定側摺動環を保持するケースに固定され、他端がカートリッジに固定され、その板厚がケースまたはカートリッジの板厚より薄く設定されていることにより、金属製のベローズは専ら固定側摺動環を軸方向に付勢する役割を担い、ケース及びカートリッジ等とは別体に形成されるので、金属製のベローズの板厚を薄くすることができ、金属製のベローズのバネ定数を小さくすることができ、金属製のベローズの伸縮量に対する荷重の変化を小さくできる。このため、回転側摺動環が軸方向に変動しても、固定側摺動環に対する軸方向の付勢力を安定することができ、摺動面の圧力を最適な値に維持することができる。また、金属製のベローズの取付長さの公差を緩和できる。
さらに、従来のゴム製のベローズに代えて、金属製のベローズを用いると、ベローズの劣化や破れがなく、寿命を増大させることができる。また、ゴム製のベローズの場合に比べ、取付けのための部品を削減することができる。さらに、ベローズのバネ定数を、材質、板厚あるいは山数により、自在に設定することができる。さらに、バランス値を最適な値に設定することができる。
(2)前記金属製のベローズは、山部と谷部が交互に繰り返し形成される蛇腹部、及び、前記蛇腹部の両端に前記谷部から径方向外側に延びる円盤状のフランジ部を備え、前記フランジ部の外径は前記山部の径より大きく、また、前記フランジ部の内径は前記谷部と略同じかまたは若干大きくなるように、成型または溶接により形成されることにより、金属製のベローズをケース及びカートリッジに容易に固定させることができると共に被密封流体の漏れを防止することができる。
(3)金属製のベローズと金属製のケース及び金属製のカートリッジとの固定は、前記金属製のベローズの前記フランジ部の外径よりわずかに内径側の位置において溶接または溶着により行われることにより、金属製のベローズのフランジ部の内周部は、ケース及びカートリッジから離れることが可能となり、回転軸の偏芯に対しても追従性に優れ、安定したシール性を発揮することが可能になる。また、金属製のベローズの固定を特別の取付部材を使用することなく、確実に行うことができる。
(4)回転側摺動環はスリーブにカップガスケットを介して固定され、カップガスケットは回転側摺動環の反摺動面側及び外周面に跨って設けられることにより、高圧流体の圧力がカップガスケットの外周面に作用しても、カップガスケットの離脱を防止することができる。
(5)金属製のベローズは、一端が固定側摺動環を保持するガスケットに嵌合され、他端がカートリッジに固定されることにより、金属製のベローズがケースを兼用するように形成されているため、部品点数を削減でき、また、溶接箇所を減らすことができる。
(6)固定側摺動環を保持するガスケットに嵌合する金属製のベローズの外筒部の外周にはバンドが装着されることにより、金属製のベローズとカップガスケットとの嵌合を確実なものとすることができる。
(7)金属製のベローズは、一端が固定側摺動環に直接固定され、他端がカートリッジに固定されることにより、部品点数を削減できると共に、メカニカルシールの軸方向の長さを短くできる。また、メカニカルシールの軸方向の長さを短くする代わりに、金属製のベローズの山数を増やすことも可能である。
(8)前記スリーブの内筒部の先端がカシメにより拡径されて前記カートリッジの内筒部に係合することにより前記カートリッジと前記スリーブとの軸方向の離脱が防止されるタイプにおいて、前記カートリッジの内筒部には前記固定側摺動環側と軸方向反対側に位置する部分が拡径されて段部が設けられ、前記ベローズは、前記カートリッジの内筒部の段部から固定側摺動環側に位置する部分の内径が前記カートリッジの内筒部の段部から固定側摺動環と反対側に位置する部分の内径より小径に形成されていることにより、ベローズの外径を大きくすることなく、バランス値の低下を抑制することができ、摺動面の漏れ量を低減させることができ、また、ベローズのバネ定数の増加を抑制することができる。さらに、バランス値が100%を超えるように設定する場合においても、回転側摺動環及び固定側摺動環の大径化を抑制することができ、メカニカルシールの大型化を回避することができる。
本発明の実施例1に係るメカニカルシールの要部を示す縦断面図である。 本発明の実施例2に係るメカニカルシールの要部を示す縦断面図である。 本発明の実施例3に係るメカニカルシールの要部を示す縦断面図である。 本発明の実施例4に係るメカニカルシールの要部を示す縦断面図である。 本発明の実施例5に係るメカニカルシールの要部を示す縦断面図である。 本発明の実施例6に係るメカニカルシールの要部を示す縦断面図である。 従来技術1のメカニカルシールの要部を示す縦断面図である。 従来技術2のメカニカルシールの要部を示す縦断面図である。 本発明の実施例5及び6に係るメカニカルシールを説明するための参考例を示す要部縦断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置などは、特に明示的な記載がない限り、それらのみに限定する趣旨のものではない。
図1を参照して、本発明の実施例1に係るメカニカルシールについて説明する。
なお、本発明は、摺動面の外周から内周方向へ向かって漏れようとする流体をシールする形式であるインサイド形のメカニカルシールに適用されるものであって、図1の左側が高圧流体側(被密封流体側)、右側が低圧流体側(大気側)である。
本発明のメカニカルシールは、回転軸1に固定されるスリーブ2と、ハウジング3に固定されるカートリッジ4とを備え、スリーブ2には回転側摺動環5が設けられ、カートリッジ4には回転側摺動環5に対向して摺動する固定側摺動環6及び該固定側摺動環6を軸方向に付勢するベローズ7が設けられたメカニカルシールにおいて、ベローズ7は金属製であり、金属製のベローズ7は、一端が固定側摺動環6を保持するケース8に固定され、他端がカートリッジ4に固定され、その板厚がケース8またはカートリッジ4の板厚より薄く設定されていること、を主な特徴とするものである。
回転軸1の高圧流体側には、例えば、ポンプインペラ(図示省略)が固定されており、ポンプのハウジング3の内径側と回転軸1の外径側との軸封部に本発明のメカニカルシールが配設されて密封するようになっている。
スリーブ2は、回転軸1に嵌合される内筒部2aと、内筒部2aの高圧流体側から外径方向に延びる円盤部2bと、円盤部2bの外径側から低圧流体側に延びる外筒部2cを有し、略コ字状断面の低圧流体側にカップガスケット9を介して回転側摺動環5を保持する。カップガスケット9は回転側摺動環5の反摺動面側及び外周面に跨って設けられる。このため、高圧流体の圧力がカップガスケット9の外周面に作用しても、カップガスケット9が離脱することはない。
カートリッジ4は、例えば、金属製からなり、ハウジング3の内周に嵌入する外筒部4aと、外筒部4aの低圧流体側から径方向内側に延びる円盤部4bと、円盤部4bの内径部から回転軸に沿って高圧流体側に延びる内筒部4cとを有し、略コ字状断面の高圧流体側に金属製のベローズ7を介して固定側摺動環6を軸方向に移動可能に保持する。カートリッジ4は、ハウジング3に対して着脱自在なカートリッジ形式に形成されている。カートリッジ4の板厚は、例えば金属製の場合、約0.4mm程度である。
固定側摺動環6は、その反摺動面側及び外周面がカップガスケット10を介してケース8に保持される。ケース8は、例えば、金属製からなり、外筒部8aと円盤部8bを有する断面略逆L字状をなし、高圧流体側にカップガスケット10を介して固定側摺動環6を保持し、円盤部8bの低圧流体側において金属製のベローズ7の一端と固定する。ケース8の板厚は、金属製の場合、約0.4mm程度である。
なお、カップガスケット9及び10は弾性変形可能であり、例えば、ゴム、樹脂、又は金属などから選択される。
金属製のベローズ7は、一端が固定側摺動環6を保持する金属製のケース8の円盤部8bに固定され、他端が金属製のカートリッジ4の円盤部4bに溶接などの手段により固定される。すなわち、金属製のベローズ7は、ケース8及びカートリッジ4とは別体に形成される。
山部7aと谷部7bが交互に繰り返して形成される伸縮自在の蛇腹部を備えたベローズ7において、ベローズ7の軸方向両端部にはベローズ7の谷部7bから伸びる円盤状のフランジ部7cが備えられており、これら両端のフランジ部7c、7cの内径はベローズ7の谷部7bと略同じかあるいは若干大きく形成され、フランジ部7cの外径はベローズ7の山部7aよりも大きく形成されている。
また、ベローズ7両端のフランジ部7c、7cは、ケース8の円盤部8b及びカートリッジ4の円盤部4bに固定される。固定される際には、ベローズ7の山部7aの外径よりも大きく形成されたフランジ部7cの外径よりわずかに内径側の位置11においてケース8及びカートリッジ4に溶接あるいは溶着させる。それにより、容易にベローズ7をケース8及びカートリッジ4に固定させると共に被密封流体が漏れないようにすることが可能になる。
さらに、ケース8の円盤部8bは、ベローズ7のフランジ部7cよりも若干内径側に延びていると共に、ベローズ7のフランジ部7cを全体的に支持していることにより、ベローズ7の作動及びばね定数の安定を図り、シール性の維持を達成している。
さらに、ベローズ7のフランジ部7cの外径よりわずかに内径側においてのみ溶接していることから、ベローズ7のフランジ部7cの内周部は、ケース8の円盤部8b及びカートリッジ4の円盤部4bから離れることが可能となり、回転軸1の偏芯に対しても追従性に優れ、安定したシール性を発揮することが可能になる。
金属製のベローズ7の材質としては、例えば、SUS304、SUS316L、AM350及びインコネル625が一般的である。また、金属製のベローズ7は、例えば、成型により形成される成型ベローズまたは溶接により形成される溶接ベローズからなる。さらに、金属製のベローズ7の板厚は金属製のケース8または金属製のカートリッジ4の板厚より薄く設定される。例えば、金属製のベローズ7の板厚は約0.1mm程度に設定され、ケース8またはカートリッジ4の板厚よりかなり薄いものから形成されている。
金属製のベローズ7の板厚を薄くした場合、ベローズ7のバネ定数が小さくなり、ベローズ7の伸縮量に対する荷重の変化も小さくなる。このように、ベローズ7の伸縮量に対する荷重の変化が小さくなると、回転側摺動環5が軸方向に変動しても、固定側摺動環6に対する軸方向の付勢力が安定するので、摺動面の圧力を最適な値に維持することができる。また、ベローズ7の取付長さの公差を緩和できるというメリットもある。図1の場合、金属製のベローズ7の山数は2山であるが、ベローズ7の伸縮量に対する荷重を小さくする場合は3山に、また、軸方向の長さを短くする場合には1山にするなど、必要に応じて山数を増減させてもよい。
金属製のベローズ7の有効径(略、内径と外径との中心径。)と摺動面Sの径方向の位置関係については、固定側摺動環6を摺動面側に押圧する力F1と反摺動面側に押圧する力F2とが一定の関係でバランスするように設定される。
図1に示す実施例の場合、金属製のベローズ7の被密封流体から受ける受圧面積(固定側摺動環6を摺動面側に押圧する方向に作用させるためのベローズ7が被密封流体から受ける受圧面積の意味であり、ベローズ7の有効径と摺動面Sの外径との間の面積で表される。以下、同じ)をA1とし、回転側摺動環5と固定側摺動環6との摺動面積をA2とした場合、A1/A2の比で表されるバランス値が、50%≦バランス値≦100%の範囲に設定されている。このバランス値は、バランス径(有効径)と摺動面積の設定如何により変更可能であり、通常、被密封流体の圧力が高い場合は大きく、低い場合は小さく設定される。
従来のゴム製のベローズに代えて、金属製のベローズを用いると、ベローズの劣化や破れがなく、寿命を増大させることができる。また、ゴム製のベローズの場合に比べ、取付けのための部品を削減することができる。さらに、ベローズのバネ定数を、材質、板厚あるいは山数により、自在に設定することができる。さらに、バランス値を最適な値に設定することができる。
次に、図2を参照して、本発明の実施例2に係るメカニカルシールについて説明する。
図2に示す実施例2は、金属製のベローズがケースを兼用するように形成されている点で、図1に示した実施例1と相違するが、その他の構成は実施例1と同じであり、重複する説明は省略する。
図2において、金属製のベローズ15は、山部15aと谷部15bが交互に繰り返して形成される伸縮自在の蛇腹部を備え、ベローズ15の軸方向両端部にはベローズ15の谷部15bから伸びる円盤状のフランジ部15cが備えられており、これら両端のフランジ部15c、15cの内径はベローズ15の谷部15bと略同じかあるいは若干大きく形成され、フランジ部15cの外径はベローズ15の山部15aよりも大きく形成されている。ベローズ15のカートリッジ4側のフランジ部15cは、カートリッジ4の円盤部4bに固定される。固定側摺動環6側のフランジ部15cには、固定側摺動環6を保持するカップガスケット10の外周面と嵌合されるように外筒部15dが連続して形成され、外筒部15dとカップガスケット10の外周面とが弾力的に嵌合するようになっている。カートリッジ4側のフランジ部15cを、カートリッジ4の円盤部4b固定する際には、ベローズ15の山部15aの外径よりも大きく形成されたフランジ部15cの外径よりわずかに内径側の位置11においてカートリッジ4に溶接あるいは溶着させる。それにより、容易にベローズ15をカートリッジ4及びカップガスケット10に固定させると共に被密封流体が漏れないようにすることが可能になる。さらに、ベローズ15のカートリッジ4側のフランジ部7cは外径よりわずかに内径側においてのみ溶接されていること、及び、固定側摺動環6側のフランジ部15cはカップガスケット10の側面に弾力的に接合されていることから、ベローズ15のフランジ部15cの内周部は、カートリッジ4の円盤部4b及びカップガスケット10の側面から離れることが可能となり、回転軸1の偏芯に対しても追従性に優れ、安定したシール性を発揮することが可能になる。
金属製のベローズ15の材質及び成形方法については、実施例1の金属製のベローズ7と同じである。また、金属製のベローズ15の板厚は金属製のカートリッジ4の板厚より薄く設定される。
本実施例2では、金属製のベローズ15がケースを兼用するように形成されているため、部品点数を削減でき、また、溶接箇所を減らすことができる。
次に、図3を参照して、本発明の実施例3に係るメカニカルシールについて説明する。
図3に示す実施例3は、金属製のベローズの外筒部の外周にバンドが装着される点で、図2に示した実施例2と相違するが、その他の構成は実施例2と同じであり、重複する説明は省略する。
図3において、金属製のベローズ15の外筒部15dの外周にバンド16が装着される。バンド16は、カップガスケット10の径方向外側への弾性力に抗して外筒部15dを径方向内側に締め付けるものである。バンド16としては、例えば、弾性変形可能なリング状の薄板からなり、周方向の接合部をネジで締め込むことにより径を小さくするようにしたホースバンドタイプや、同じく、弾性変形可能なリング状の薄板からなり、弾性で縮小方向に変形する力に抗してワンタッチで拡径方向に操作可能な板クリップ型(ワンタッチホスクランプ)、あるいは、弾性変形可能なリング状の薄板の周方向の1箇所が切断されたCリング型等から構成される。
本実施例3では、バンド16によりカップガスケット10の径方向外側への弾性力に抗して外筒部15dを径方向内側に締め付けるため、ベローズ15の外筒部15dとカップガスケット10との嵌合を確実なものとすることができる。
次に、図4を参照して、本発明の実施例4に係るメカニカルシールについて説明する。
図4に示す実施例4は、金属製のベローズのフランジ部と固定側摺動環とが直接固定される点で、図1に示した実施例1と相違するが、その他の構成は実施例1と同じであり、重複する説明は省略する。
固定側摺動環6が金属溶接可能な材質の場合、図1に示すケース8及びカップガスケット10を用いることなく、金属製のベローズ7を固定側摺動環6に直接溶接することができる。
図4において、ベローズ7両端のフランジ部7c、7cは、カートリッジ4の円盤部4b及び固定側摺動環6の反摺動面側6aに固定される。固定される際には、ベローズ7の山部7aの外径よりも大きく形成されたフランジ部7cの外径よりわずかに内径側の位置11において固定側摺動環6及びカートリッジ4に、直接、溶接あるいは溶着される。
固定側摺動環6の材質としては、例えば、ステンレス鋼(SUS304)、燒結金属、超硬合金あるいはシリコンカーバイド(SiC)が挙げられる。固定側摺動環6の材質が、ステンレス鋼(SUS304)及び燒結金属の場合は溶接により、また、超硬合金及びシリコンカーバイド(SiC)の場合はろう付けにより固定可能である。
本実施例4では、図1に示すようなケース8及びカップガスケット10を用いることがないため、部品点数を削減できると共に、メカニカルシールの軸方向の長さを短くできる。また、メカニカルシールの軸方向の長さを短くする代わりに、金属製のベローズ7の山数を増やすことも可能である。
次に、図5及び図9を参照して、本発明の実施例5に係るメカニカルシールについて説明する。
図5に示す実施例5は、カートリッジとスリーブとの軸方向の離脱を防止できる、いわゆる固定側・回転側カシメによる一体化のタイプである点で、図1〜図4に示した実施例1〜実施例4と相違するが、その他の構成、例えば、バランス値が、50%≦バランス値≦100%の範囲に設定されている点でも、これらの実施例と同じであり、重複する説明は省略する。
図9は、本発明の実施例5に係るメカニカルシールを説明するための参考例である。
スリーブ2の内筒部2aの先端2dがカシメにより拡径されてカートリッジ4の内筒部4cに係合することによりカートリッジ4とスリーブ2との軸方向の離脱が防止されるタイプにおいて、カートリッジ4の内筒部4cにはスリーブ2の内筒部2aの先端2dと係合する段部4dが設けられた状態を示している。この段部4dは、内筒部4cの円盤部4b側の一部が拡径される形状とされることで形成されており、この内筒部4cの拡径された部分にスリーブ2の内筒部2aのカシメにより拡径された先端2dが嵌入され、先端2dと段部4dとが係合するようになっている。
図9に示すように、カートリッジ4の内筒部4cに段部4dが設けるには、ベローズ7の内径を実施例1〜4のベローズの内径より大きくして内筒部4cとの間に一定の間隙を設ける必要がある。ベローズ7の内径を大きくすると、その外径を一定とした場合、有効径が大きくなり、ベローズ7の被密封流体から受ける受圧面積A1が小さくなるため、バランス値=A1/A2(A2は摺動面の面積)は低下し、漏れ量が増加するという問題がある。
なお、ベローズ7の外径を大きくすれば、受圧面積A1が大きくなり、バランス値も大きくなるが、ベローズ7の外径を大きくすると、ベローズ7とカートリッジ4等の金属部品との溶接作業がやりにくくなり、また、メカニカルシールの外径が大きくなるという問題があるため、実用的ではない。
本発明の実施例5に係るメカニカルシールは、前記参考例の問題点を解決したものであり、図5は、その要部を示す縦断面図である。図5の破線は固定側摺動環6の周方向の一部に設けられた回り止め部の断面を示しており、実線は回り止め部以外の部分の断面を示している。なお、図1〜図4の実施例1〜実施例4では、実線が回り止め部を示し、破線が回り止め部以外の部分の断面を示し、図5と逆である。
図5において、スリーブ20の内筒部20aの先端20dがカシメにより拡径されてカートリッジ40の内筒部40cに係合することによりカートリッジ40とスリーブ20との軸方向の離脱を防止するため、カートリッジ40の内筒部40cの円盤部40b側の一部が拡径されて拡径部40eが形成され、段部40dが設けられている。スリーブ20の内筒部20aの先端20dと係合する段部40dが設けられている。この内筒部40cの段部40dにスリーブ20の内筒部20aのカシメにより拡径された先端20dが係合することで、カートリッジ40とスリーブ20との軸方向の離脱を防止され、固定側と回転側とが一体化されるものである。
金属製のベローズ30は、外径が上記参考例と同じであって、カートリッジ40の内筒部40cの段部40dから固定側摺動環6側に位置する部分の内径がカートリッジ40の内筒部40cの段部40dから固定側摺動環6と反対側に位置する部分の内径より小径に形成されている。すなわち、金属製のベローズ30は、断面視において、内径側が段をなす形状をしている。
以下、説明の便宜上、ベローズ30の内径が大きい部分を大内径部30−1、内径の小さい部分を小内径部30−2と呼ぶことがある。
ベローズ30の大内径部30−1は、有効径が上記参考例と同じであるため、有効径と摺動面Sの外径との間の面積で表される受圧面積A1−1が小さく、バランス値も小さくなる。
一方、ベローズ30の小内径部30−2は、大内径部30−1よりも有効径が小さくなるため、有効径と摺動面Sの外径との間の面積で表される受圧面積A1−2が大きく、バランス値も大きくなる。
このため、ベローズ30の全体のバランス値は、図9に示したベローズの外径が同じであって段付きでないもの(参考例)のバランス値よりも大きくなり、バランス値の低下を抑制することができ、摺動面Sの漏れ量を低減させることができる。また、ベローズ30のバネ定数の増加を抑制することができる。
本実施例においては、スリーブ20の内筒部20の先端20dがカシメにより拡径されてカートリッジ40の内筒部40cに係合することによりカートリッジ40とスリーブ20との軸方向の離脱が防止されるタイプにおいて、カートリッジ40の内筒部40cには固定側摺動環6側と軸方向反対側に位置する部分が拡径されて段部40dが設けられ、ベローズ30は、カートリッジ40の内筒部40cの段部40dから固定側摺動環6側に位置する部分の内径が段部40dから固定側摺動環6と反対側に位置する部分の内径より小径に形成されているため、ベローズの外径が同じであって、内径を一様に大きくした場合に比べ、バランス値が大きくなり、バランス値の低下を抑制することができ、摺動面Sの漏れ量を低減させることができる。また、ベローズ30のバネ定数の増加を抑制することができる。換言すれば、ベローズの外径を大きくすることなく、バランス値の低下を抑制することができ、摺動面Sの漏れ量を低減させることができ、また、ベローズ30のバネ定数の増加を抑制することができるという顕著な効果を奏するものである。
次に、図6を参照して、本発明の実施例6に係るメカニカルシールについて説明する。
図6に示す実施例6は、カートリッジとスリーブとの軸方向の離脱を防止できる、いわゆる固定側・回転側カシメによる一体化のタイプである点で、図5に示した実施例5と同じであるが、バランス値が100%を超えるように設定されている点で図5に示した実施例5と相違する。
以下において、実施例5と同じ点については重複する説明は省略する。
図6に示す実施例6の場合、金属製のベローズ30の被密封流体から受ける受圧面積をA1(受圧面積A1−1と受圧面積A1−1との平均値)とし、回転側摺動環5と固定側摺動環6との摺動面積をA2とした場合、A1/A2の比で表されるバランス値が、100%を超えるように設定されている。
バランス値が100%を超えるように設定するには、ベローズ30のバランス径(有効径)よりも、回転側摺動環5と固定側摺動環6との摺動面の内径を大きくする必要があるため、ベローズ30のバランス径を一定とすると、回転側摺動環5及び固定側摺動環6の径が大きくなり、メカニカルシールの大型化を招くという問題がある。
本実施例6によれば、ベローズ30の小内径部30−2は、大内径部30−1よりも有効径が小さいため、回転側摺動環5と固定側摺動環6との摺動面の内径の大径化を抑制することができる。
本実施例においては、スリーブ20の内筒部20の先端20dがカシメにより拡径されてカートリッジ40の内筒部40cに係合することによりカートリッジ40とスリーブ20との軸方向の離脱が防止されるタイプにおいて、カートリッジ40の内筒部40cには固定側摺動環6側と軸方向反対側に位置する部分が拡径されて段部40dが設けられ、ベローズ30は、カートリッジ40の内筒部40cの段部40dから固定側摺動環6側に位置する部分の内径が段部40dから固定側摺動環6と反対側に位置する部分の内径より小径に形成されているため、ベローズの外径が同じであって、内径を一様に大きくした場合に比べ、バランス値が100%を超えるように設定する場合においても、回転側摺動環5と固定側摺動環6との摺動面の内径の大径化を抑制することができる。
換言すれば、回転側摺動環5及び固定側摺動環6の径をさほど大きくすることなく、バランス値が100%を超えるように設定することができ、メカニカルシールの大型化を回避することができるという顕著な効果を奏するものである。
以上、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、本発明のメカニカルシールがポンプに適用される場合について説明したが、これに限らず、例えば、コンプレッサ、水中モータ等、各種産業機械に適用できる。
また、例えば、前記実施例では、カートリッジ4及びケース8が金属製から形成される場合について説明したが、金属製に限らず、耐食性の高い材料であればよく、例えば、プラスチック製でもよい。その場合、金属製のベローズとの固定は、例えば、接着剤による接着あるいはレーザによる結合などが考えられる。
また、例えば、前記実施例1〜5では、バランス値が、50%≦バランス値≦100%の範囲に設定される場合について説明し、実施例6ではバランス値が100%を超えるように設定される場合について説明しているように、本発明は、いずれのバランス値の場合でも適用可能である。
なお、バランス値は、被密封流体の種類、圧力などに応じて適宜設定されるものである。
また、例えば、前記実施例5及び6では、分かりやすく説明する都合上、ベローズの外径が同じである場合を例にして本発明の効果を説明したが、これに限定されるものではなく、ベローズ30の外径に変動があっても、本発明は効果を奏するものである。要は、固定側と回転側とが一体化されるタイプにおいて、ベローズ30の一部分の内径を小さくすることにより、バランス値の低下の防止、又は、回転環及び固定環の大径化を抑制することに技術的意義があるものである。
すなわち、実施例5のように、バランス値が、50%≦バランス値≦100%の範囲では、バランス値の低下が防止され、実施例6のように、バランス値が100%を超える場合には、回転側摺動環及び固定側摺動環の大径化を抑制され、メカニカルシールの大型化を回避されるものである。
1 回転軸
2 スリーブ
3 ハウジング
4 カートリッジ
5 回転側摺動環
6 固定側摺動環
7 金属製のベローズ
8 ケース
9 カップガスケット
10 カップガスケット
15 金属製のベローズ
16 バンド
20 スリーブ
30 金属製のベローズ
40 カートリッジ

Claims (8)

  1. 回転軸に固定されるスリーブと、ハウジングに固定されるカートリッジとを備え、前記スリーブには回転側摺動環が設けられ、前記カートリッジには前記回転側摺動環に対向して摺動する固定側摺動環及び該固定側摺動環を軸方向に付勢するベローズが設けられたインサイド形のメカニカルシールにおいて、前記ベローズは金属製であり、前記金属製のベローズは、一端が前記固定側摺動環を保持するケースに固定され、他端が前記カートリッジに固定され、その板厚が前記ケースまたは前記カートリッジの板厚より薄く設定されていることを特徴とするメカニカルシール。
  2. 前記金属製のベローズは、山部と谷部が交互に繰り返し形成される蛇腹部、及び、前記蛇腹部の両端に前記谷部から径方向外側に延びる円盤状のフランジ部を備え、前記フランジ部の外径は前記山部の径より大きく、また、前記フランジ部の内径は前記谷部の径と略同じかまたは若干大きくなるように、成型または溶接により形成されることを特徴とする請求項1記載のメカニカルシール。
  3. 前記金属製のベローズと金属製のケース及び金属製のカートリッジとの固定は、前記金属製のベローズの前記フランジ部の外径よりわずかに内径側の位置において溶接または溶着により行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のメカニカルシール。
  4. 前記回転側摺動環は前記スリーブにカップガスケットを介して固定され、前記カップガスケットは前記回転側摺動環の反摺動面側及び外周面に跨って設けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のメカニカルシール。
  5. 回転軸に固定されるスリーブと、ハウジングに固定されるカートリッジとを備え、前記スリーブには回転側摺動環が設けられ、前記カートリッジには前記回転側摺動環に対向して摺動する固定側摺動環及び該固定側摺動環を軸方向に付勢するベローズが設けられたインサイド形のメカニカルシールにおいて、前記ベローズは金属製であり、前記金属製のベローズは、一端が前記固定側摺動環を保持するガスケットに嵌合され、他端が前記カートリッジに固定され、その板厚が前記カートリッジの板厚より薄く設定されていることを特徴とするメカニカルシール。
  6. 前記固定側摺動環を保持する前記ガスケットに嵌合する前記金属製のベローズの外筒部の外周にはバンドが装着されることを特徴とする請求項5記載のメカニカルシール。
  7. 回転軸に固定されるスリーブと、ハウジングに固定されるカートリッジとを備え、前記スリーブには回転側摺動環が設けられ、前記カートリッジには前記回転側摺動環に対向して摺動する固定側摺動環及び該固定側摺動環を軸方向に付勢するベローズが設けられたインサイド形のメカニカルシールにおいて、前記ベローズは金属製であり、前記金属製のベローズは、一端が前記固定側摺動環に直接固定され、他端が前記カートリッジに固定され、その板厚が前記カートリッジの板厚より薄く設定されていることを特徴とするメカニカルシール。
  8. 前記スリーブの内筒部の先端がカシメにより拡径されて前記カートリッジの内筒部に係合することにより前記カートリッジと前記スリーブとの軸方向の離脱が防止されるタイプにおいて、前記カートリッジの内筒部には前記固定側摺動環側と軸方向反対側に位置する部分が拡径されて段部が設けられ、前記ベローズは、前記カートリッジの内筒部の段部から固定側摺動環側に位置する部分の内径が前記カートリッジの内筒部の段部から固定側摺動環と反対側に位置する部分の内径より小径に形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のメカニカルシール。
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