JPWO2013111789A1 - スタティックミキサーおよびスタティックミキサーを用いた装置 - Google Patents

スタティックミキサーおよびスタティックミキサーを用いた装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、流体入口(1)を有する入口流路(2)と流体出口(3)を有する出口流路(4)との間において、分岐点(5)および合流点(6)と、分岐点と合流点との間の流路を分岐して連通する分岐流路(7)とを有する複数の混合セル(8)が直列に配置され、隣接する混合セル同士が直接にまたは連通流路(9)を介して連通し、入口流路が、これら分岐点のうちの、最上流側に位置する混合セルの分岐点に連通し、出口流路が、これら合流点のうちの、最下流側に位置する混合セルの合流点に連通している、スタティックミキサーに関する。混合セルが、スタティックミキサーの長さ方向から見たときに、任意の混合セルの分岐流路の軸線包囲面(7ea)の少なくとも一部が、他の混合セルの分岐流路の軸線包囲面とオーバーラップした状態で配置されている。

Description

本発明は、化学工場、半導体製造分野、食品分野、医療分野、バイオ分野などの各種産業における流体輸送配管の流路内を流れる流体を効果的に撹拌するために用いられるスタティックミキサー及びスタティックミキサーを用いた流体混合装置に関するものである。
従来から、流体輸送配管に装着して管内を流れる流体を均一に混合するスタティックミキサーとして、図22に示すような混合器がある(例えば、特許文献1参照)。図22の混合器は、二つの板状の部材101a、101bを接合させた接合部材101から構成されている。部材101a、101bのそれぞれの表面には、一端に流入口または流出口となる貫通孔102を有するジグザグ形状の溝103が設けられており、溝103が設けられた面同士を接合することによって、部材101a、101bに囲われた溝103が形成する空間に二つの流路104が形成される。また、二つの流路104は交差するように配置されている。
特開2008−264640号公報
しかしながら、前記従来の混合器は二つの板状の部材101a、101bの表面同士を接合させているものの、通常の板材は表面が完全に平坦ではないため、これらの面同士を均一に接合することは難しく、局部的に接合の強度が弱い部分が生じ、面同士が剥離し易くなるおそれがある。また、流路104となる溝103の境界線に沿って部材101a,101b同士を接合させることも難しく、接合が不十分だと溝103の周辺に隙間ができ、流体が隙間に流入し滞留することによって流路104が汚染されるおそれがある。また、部材101a,101b同士の接合が十分でも、接合するのに使用される接着剤などが流路104にはみ出し、流路104内の流れを妨げるおそれがある。特に半導体製造分野や食品分野、医薬分野等では、流体が隙間に滞留することで生じる流路104の汚染や流路104にはみ出した接着剤などからの接着剤成分の溶出のない混合器が求められている。
また、流体の混合効率を向上させるには、各板状の部材101a,101bの表面上に流路104として設けられたジグザグ形状の溝103を分岐合流させながらこれらの表面上で延長させる必要があるので、特に混合しにくい流体を混合させる場合には、混合器の長さが長くなるおそれがある。また、混合する流体の流量を増やす場合は溝103の断面積や長さを増やす必要があるが、溝103の断面積や長さが増えるにつれて接合部材101の厚みや部材101a,101b同士の接合面の面積が増えるため、板材の調達や成形加工及び部材101a,101b同士の接合が難しくなるおそれがある。化学工場などの多くの工場では、配管ラインを流れる流体の流量も大きく、配管ラインに使用されるパイプの径も様々であり、狭隘な空間にパイプが敷設されていることも多いため、コンパクトな形状で配管施工のしやすい混合器が求められている。
本発明の目的は、コンパクトな形状であるとともに、混合する流体の流量が大きくなっても容易に製造でき、配管ラインに施工しやすいスタティックミキサーを提供することである。さらに、本発明の目的は、多様な異種流体を混合する装置を提供することである。
請求項1の発明によれば、
流体入口を有する入口流路と流体出口を有する出口流路との間において、分岐点および合流点と、前記分岐点と前記合流点との間の流路を分岐する分岐流路とを有する複数の混合セルが直列に配置され、
隣接する前記混合セル同士が直接にまたは連通流路を介して連通し、
入口流路が、前記分岐点のうちの、最上流側に位置する混合セルの分岐点に連通し、
出口流路が、前記合流点のうちの、最下流側に位置する混合セルの合流点に連通している、
スタティックミキサーにおいて、
前記混合セルが、前記スタティックミキサーの長さ方向から見たときに、任意の混合セルの分岐流路の軸線包囲面の少なくとも一部が、他の混合セルの分岐流路の軸線包囲面とオーバーラップした状態で配置されていることを特徴とするスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項1の発明では、本発明によるスタティックミキサーの混合セルが、前記スタティックミキサーの長さ方向から見たときに、任意の混合セルの分岐流路の軸線包囲面の少なくとも一部が、他の混合セルの分岐流路の軸線包囲面とオーバーラップするように配置されているので、混合セルを効率的に配置することができ、スタティックミキサーをコンパクトに形成することができる。例えば、高い粘度を有する流体のように混合しにくい流体を混合させる場合は、多くの混合セルが必要となるが、本発明によるスタティックミキサーであればスタティックミキサーの長さをコンパクトに形成することができる。
なお、本発明では、混合セルについて、前記スタティックミキサーの長さ方向から見たときに、任意の混合セルの分岐流路の軸線包囲面の少なくとも一部が、他の混合セルの分岐流路の軸線包囲面とオーバーラップするように配置されている状態のことを「積層している」といい、本明細書において、この用語を使用するものとする。
さらに、本発明において、「分岐点」とは、分岐流路の上流側の流路から流路が分岐流路により分岐する点のことをいい、「合流点」とは、分岐点で分岐した分岐流路が合流しその分岐流路の下流側の流路に流入する点のことをいう。さらに、本発明において、「分岐流路の軸線包囲面」とは、スタティックミキサーの長さ方向から見たときに、混合セルの分岐流路の断面中心を通る流路軸線によって包囲された面のことをいい、「スタティックミキサーの長さ方向」とは、スタティックミキサーが全体的に延在する方向をいう。
請求項2の発明によれば、全ての前記混合セルの中心点が同一軸線上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項2の発明では、全ての混合セルの中心点が同一軸線上に配置されているので、混合セルを規則正しく積層することができ、スタティックミキサーをよりコンパクトに形成することができる。
本発明において、「中心点」とは、特定の周囲の中心のみを指すものではなく、例えば、混合セルの中心点は、混合セルの外周の中心点だけではなく、混合セルの内周の中心点や外周と内周の中間線の中心点であってもよい。なお、或る軸線上に各混合セルの中心点を配置してその軸線方向から各混合セルを見たときに、混合セルの流路軸線の軸線包囲面が互いに、よりオーバーラップするように中心点を設定してもよく、例えば、混合セルに囲まれて形成される面の外形の中心点でも、幾何学的な重心でもよい。
請求項3の発明によれば、全ての前記混合セルが同一外径を有する円環形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項3の発明では、混合セルが同一外径を有する円環形状に形成されているので、個々の混合セルの形状を揃えることができ、混合セルの成形加工やスタティックミキサーの組立が容易になる。さらに、混合セルの形状を揃え、混合セルの中心点を同一軸線上に配置すると、各混合セルの中心と外径を揃えることができるので、スタティックミキサーをよりコンパクトにできるだけでなく、スタティックミキサーの外周面に保温カバーや保護カバーなどを取付け易くすることができる。
請求項4の発明によれば、前記流体入口および前記流体出口の中心点と、全ての混合セルの中心点とが、同一軸線上に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項4の発明では、スタティックミキサーを直線形状にすることができるので、配管ラインの多くを占める直管部にスタティックミキサーを取り付けることができ、スタティックミキサーを配管ラインに容易に設置することができる。
請求項5の発明によれば、前記入口流路、前記出口流路、前記分岐流路および前記連通流路のうちの少なくとも1つの流路に、流路断面形状が変化する部分が設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項5の発明では、流路の断面形状を変化させることによって、流路内の流体を撹拌することができ、流体を効率的に混合することができる。
請求項6の発明によれば、前記入口流路、前記出口流路、前記分岐流路および前記連通流路のうちの少なくとも1つの流路に、流路断面積が変化する部分が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項6の発明では、流路の断面積を変化させることによって、流路内の流体の圧力や流速などを変化させることができ、流体を効率的に混合することができる。
請求項7の発明によれば、前記分岐流路が前記連通流路の流路中央軸線から偏心した位置で前記連通流路に連通することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項7の発明では、分岐流路から連通流路に流入する流体が連通流路の内壁に沿って渦を巻く流れを発生させるので、連通流路を流れる流体を効率よく撹拌および混合することができる。さらには、分岐流路を流れる流体が合流点で激しく衝突することを防ぐことができるので、圧力損失を低減させることができる。
請求項8の発明によれば、前記連通流路が前記混合セルのそれぞれの中心点を結ぶ直線と平行に延設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項8の発明では、混合セル同士を短縮された連通流路で容易に連通させることができるので、スタティックミキサーをコンパクトに形成することができる。
請求項9の発明によれば、前記連通流路が前記混合セルのそれぞれの中心点を結ぶ直線と交差していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項9の発明では、連通流路の長さを確保しながら混合セル同士の間隔を狭くすることができ、スタティックミキサーをコンパクトに形成することができる。
請求項10の発明によれば、柱状に形成されたエレメントと、前記エレメントの外周面と嵌合する筐体とを具備し、前記エレメントには、その一方の端面に流体入口と、その他方の端面に前記流体出口と、その外周面に連通している複数の環状溝と、前記流体入口と前記環状溝とを連通する入口側連通溝と、前記流体出口と前記環状溝とを連通する出口側連通溝とが形成され、前記環状溝および前記筐体の内周面により前記分岐流路を形成し、前記入口側連通溝および前記筐体の前記内周面により前記入口流路を形成し、前記出口側連通溝および前記筐体の前記内周面により前記出口流路を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項10の発明では、上記のようにエレメントおよび筐体を形成したことによって、混合性能に優れているだけでなく、部品点数が少なく、単純かつコンパクトな形状を有するとともに、流量の増加にも柔軟に対応できるスタティックミキサーを実現することができる。また、この構成では、隣接する環状溝同士が直接連通しており、スタティックミキサーの流路の長さを短くすることができるので、エレメントの加工時間を短くすることができる。
請求項11の発明によれば、柱状に形成されたエレメントと、前記エレメントの外周面と嵌合する筐体とを具備し、前記エレメントには、その一方の端面に流体入口と、その他方の端面に前記流体出口と、その外周面に複数の環状溝と、前記流体入口と前記環状溝とを連通する入口側連通溝と、隣接する前記環状溝同士を連通する中間連通溝と、前記流体出口と前記環状溝とを連通する出口側連通溝とが形成され、前記環状溝および前記筐体の内周面により前記分岐流路を形成し、前記入口側連通溝および前記筐体の内周面により前記入口流路を形成し、前記中間連通溝および前記筐体の内周面により前記連通流路を形成し、前記出口側連通溝および前記筐体の内周面により前記出口流路を形成することを特徴とする請求項8に記載のスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項11の発明では、上記のようにエレメントおよび筐体を形成したことによって、混合性能に優れているだけでなく、部品点数が少なく、単純かつコンパクトな形状を有するとともに、流量の増加にも柔軟に対応できるスタティックミキサーを実現することができる。また、連通流路が各環状溝の中心点をそれぞれ結ぶ軸線と平行に形成されており、混合セル8同士を連通させるときに、加工の難しい斜め方向の連通孔を用いることなく、容易に連通流路9を形成することができる。
請求項12の発明によれば、柱状に形成されたエレメントと、前記エレメントの外周面と嵌合する筐体とを具備し、前記エレメントには、その一方の端面に前記流体入口と、その他方の端面に前記流体出口と、その外周面に複数の環状溝と、前記流体入口と前記環状溝とを連通する入口側連通孔と、隣接する前記環状溝同士を連通する中間連通孔と、前記流体出口と前記環状溝とを連通する出口側連通孔とが形成され、前記環状溝および前記筐体の内周面により前記分岐流路を形成し、前記入口側連通孔、前記中間連通孔、前記出口連通孔がそれぞれ前記入口流路、前記連通流路、前記出口流路を形成することを特徴とする請求項7又は請求項9に記載のスタティックミキサーが提供される。
すなわち、請求項12の発明では、上記のようにエレメントおよび筐体を形成したことによって、混合性能に優れているだけでなく、部品点数が少なく、単純かつコンパクトな形状を有するとともに、流量の増加にも柔軟に対応できるスタティックミキサーを実現することができる。また、連通流路が混合セルの中心点を結ぶ軸線と交差しており、連通流路の長さを確保しながら隣接する環状溝同士の間隔を狭くすることができ、スタティックミキサーをコンパクトに形成することができる。
請求項13の発明によれば、請求項1〜12のいずれか1項に記載のスタティックミキサーと、前記スタティックミキサーに複数の異種流体を合流して導く流路を形成する流路形成手段とを備える装置が提供される。
すなわち、請求項13の発明では、上述のスタティックミキサーと前記流路形成手段とを備えることにより、多様な異種流体を混合する装置を形成することができる。
請求項1〜12に記載の発明によれば、コンパクトな形状であるとともに、混合する流体の流量が大きくなっても容易に製造でき、配管ラインに施工しやすいスタティックミキサーを提供することができる。
請求項13に記載の発明によれば、さらに、多様な異種流体を混合する装置を提供することができる。
以下、添付図面と本発明の好適な実施形態の記載から、本発明を一層十分に理解できるであろう。
本発明の第一の実施形態に係るスタティックミキサーの概略構成を示す斜視図である。 方向Aに対する或る混合セルの仮想平面Bの傾きを示す部分拡大概略斜視図である。 図2AのA方向矢視図である。 本発明の第一の実施形態に係るスタティックミキサーの変形例の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態に係るスタティックミキサーの別の変形例の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態に係るスタティックミキサーの別の変形例の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態に係るスタティックミキサーの別の変形例の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態に係るスタティックミキサーの別の変形例の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態に係るスタティックミキサーの別の変形例の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第二の実施形態に係るスタティックミキサーの概略構成を示す斜視図である。 本発明の第三の実施形態に係るスタティックミキサーの概略構成を示す斜視図である。 本発明の第四の実施形態に係るスタティックミキサーの概略構成を示す斜視図である。 本発明の第五の実施形態に係るスタティックミキサーを示す縦断面図である。 本発明の第五の実施形態に係るスタティックミキサーの変形例を示す縦断面図である。 本発明の第六の実施形態に係るスタティックミキサーを示す縦断面図である。 本発明の第六の実施形態に係るスタティックミキサーの変形例を示す縦断面図である。 本発明の第七の実施形態に係るスタティックミキサーを示す縦断面図である。 本発明の第八の実施形態に係るスタティックミキサーを示す縦断面図である。 本発明の第九の実施形態に係るスタティックミキサーの本体部の縦断面図である。 本発明の第九の実施形態に係るスタティックミキサーの変形例を示す縦断面図である。 本発明のスタティックミキサーを用いた装置の実施形態を示す模式図である。 本発明のスタティックミキサーを用いた装置の実施形態の変形例を示す模式図である。 従来の混合器を示す平面図である。
以下、図1〜2Bを参照して、本発明の第一の実施形態に係るスタティックミキサーについ説明する。
スタティックミキサーは、流体が流入する開口部である流体入口1を有する入口流路2と、流体が流出する開口部である流体出口3を有する出口流路4との間に、分岐点5a〜dおよび合流点6a〜dと、それぞれの分岐点5a〜dと合流点6a〜dとの間の流路を分岐して連通する分岐流路7a〜dとを有する複数の混合セル8a〜dが連通流路9a〜cを介して直列に積層して配置されている。スタティックミキサーの入口流路2は最上流側の混合セル8aの分岐点5aに連通し、出口流路4は最下流側の混合セル8dの合流点6dに連通している。ここでは、流体入口1および流体出口3ならびに全ての混合セル8のそれぞれの中心点は同一の軸線上に配置されており、連通流路9a〜cは各混合セル8a〜dの中心点を結ぶ軸線と直交している。また、入口流路2、分岐流路7a〜d、連通流路9a〜cおよび出口流路4は断面円形状に形成されている。また、本実施形態では、混合セル8a〜dは全て同じ外径を有する円環形状に形成されている。図2Aに示されている、方向Aに対するそれぞれの混合セル8の傾き(すなわち方向Aに対する混合セル8の円環形状が形成される仮想平面Bの角度)は、本実施形態では全て同じ角度で配置されている。なお、図2Aでは、方向Aは各混合セル8a〜dの中心点を通過する軸線と平行であるが、方向Aは、スタティックミキサーが延在する方向である、スタティックミキサーの長さ方向であればよい。また、第一の実施形態に係るスタティックミキサーの状態は、一定の方向、特にスタティックミキサーの長さ方向から見たときに、少なくとも1つの各混合セル8の少なくとも一部が他の混合セル8と重なっているということもできる。このことは、後述する他の実施形態に係るスタティックミキサーにも当てはまる。
図2Bは、図2AのA方向矢視図を示す。図2Bでは、分岐流路7の断面中心を通る流路軸線7fa(図2Bでは点線で示されている)によって包囲された領域に相当する軸線包囲面7ea(図2Bでは斜線で示されている)が示されている。ここで、図2Bを考慮しつつ、図1のスタティックミキサーを、このスタティックミキサーの長さ方向と一致する方向である方向Aから見ると、各混合セル8a〜dの分岐流路7a〜dの軸線包囲面7eaはそれぞれ、方向Aが各混合セル8a〜dの中心点を通過する軸線と平行でありかつ各混合セル8a〜dが同一形状であるので、これら軸線包囲面7eaの全体が互いにオーバーラップしている。しかしながら、混合セル8は、スタティックミキサーの長さ方向から見たときに、任意の混合セル8a〜dの分岐流路7a〜dの軸線包囲面7eaの少なくとも一部が、他の混合セル8a〜dの分岐流路7a〜dの軸線包囲面7eaとオーバーラップするように配置されていれば、つまり混合セル8a〜dが積層された状態で配置されていればよい。その結果、スタティックミキサーの長さを幅方向に拡がることなくコンパクトに形成することができる。なお、1つの混合セル8において分岐流路7が3つ以上存在するスタティックミキサーの場合では、上述の軸線包囲面7eaは、スタティックミキサーの長さ方向から見たときに、その面積が最大になるように、軸線包囲面7eaの外縁となる流路軸線7faを選択することによって画定される。
本実施形態では、混合セル8a〜dの形状を円環形状としているが、混合セル8a〜dの形状はそれぞれ、分岐点5a〜dおよび合流点6a〜dと、分岐点5a〜dと合流点6a〜dとの間の流路を分岐して連通する分岐流路7a〜dとから形成されていればよく、特に限定されない。混合セル8a〜dの形状としては、円形および楕円形といった円環形状や三角形や四角形といった多角形のほかに、例えば、円環形状と多角形を組み合わせた形状、部分的または全体的にひねりや屈曲または蛇行を加えた形状などが挙げられる。また、本実施形態では、各混合セル8a〜dの大きさを揃えているが、混合セル8a〜dの大きさについても特に限定されるものではなく、それぞれの混合セル8を異なる大きさに形成してもよい。本実施形態では、混合セル8a〜dの形状を同一外径の円環形状に揃えて形成することによって、混合セル8a〜dの成形加工やスタティックミキサーの組立が容易になっている。
また、本実施形態では、方向Aに対する全ての混合セル8a〜dの傾きが揃えられているが、この傾きは、方向Aと混合セル8a〜dの円環形状が形成される仮想平面Bとが交差し角度を有していればよく、本実施形態の構成に特に限定されない。また、各混合セル8a〜dは積層されていればどのように配置されてもよく、特に限定されない。本実施形態では、全ての混合セル8a〜dの中心点が同一軸線上に配置されるように、混合セル8a〜dが積層されている。このように混合セル8a〜dを配置することによって、混合セル8a〜dを規則正しく積層することができ、スタティックミキサーをコンパクトに形成することができる。更に、各混合セル8a〜dの中心点や形状および角度を揃えることによって、スタティックミキサーをよりコンパクトにすることができ、更に、外周面に保温カバーや保護カバーなどの付属品を容易に取り付けられるようになる。
また、スタティックミキサーの流体入口1と流体出口3はスタティックミキサーの外周面であればどこに形成してもよく、特に限定されない。本実施形態では、流体入口1と流体出口3がスタティックミキサーの両方の端面に設けられており、流体入口1と流体出口3との中心点が各混合セル8a〜dの中心点を結ぶ軸線と同一軸線上に配置されている。このように流体入口1と流体出口3を形成することによって、スタティックミキサーを直線形状とすることができ、配管ラインの多くを占める直管部にスタティックミキサーを取り付けることができるので、スタティックミキサーを配管ラインに容易に設置することができる。
また、本実施形態では、入口流路2、分岐流路7a〜d、連通流路9a〜cおよび出口流路4の長さや太さを同一にしているが、それぞれの流路ごとに長さや太さを変化させてもよく、特に限定されない。また、本実施形態では、混合セル8a〜dの分岐流路7a〜dはそれぞれ、同じ分岐点5a〜dで分岐し、同じ合流点6a〜dで合流しているが、それぞれの分岐流路7a〜dごとに異なる分岐点5a〜dで分岐したり異なる合流点6a〜dで合流したりしてもよく、特に限定されない。
次に、図1を用いて本発明の第一の実施形態に係るスタティックミキサーの作用について説明する。
スタティックミキサーよりも上流で、水が流れる配管と薬液が流れる配管を合流させ、水と薬液が不均一に混合している薬液をスタティックミキサーに流したときに、流路内で部分的に濃度が濃くなって流れている薬液は流体入口1から入口流路2に流入する。薬液が入口流路2から混合セル8aの分岐点5aに到達すると、薬液は分岐され分岐流路7aに流入する。分岐流路7aを流れる薬液が合流点6aに到達すると、薬液は衝突し撹拌されながら合流し連通流路9aに流入して下流側へ流れて行く。連通流路9aを流れる薬液が次の混合セル8bの分岐点5bに到達すると、分岐点5aを流れたときと同様に薬液は分岐され、分岐流路7bを経て合流点6bに到達し、薬液が衝突し撹拌されながら合流し連通流路9bに流入し下流側へ流れて行く。連通流路9bを流れる薬液は、混合セル8a、8b、連通流路9a、9bと同様に混合セル8cおよび連通流路9cを経て混合セル8dに流入し、混合セル8dの合流点6dに到達する。合流点6dに到達した薬液は、4つの混合セル8a〜dの合流点6a〜dで繰り返し撹拌および混合されることによって流路内の濃度が均一化され、出口流路4を経て流体出口3からスタティックミキサーの外部へ流出する。
本実施形態では、連通流路9a〜cは、混合セル8a〜dの合流点6a〜dとその混合セル8a〜dの下流側に隣接する他の混合セル8b〜dの分岐点5b〜dとを最短距離で連通するように、かつ混合セル8a〜dの中心点を結ぶ軸線と直交するように形成されているが、連通流路9a〜cが隣接する混合セル8a〜dと連通していればよく、特に限定されない。連通流路9a〜cと混合セル8a〜dの中心点を結ぶ軸線とで形成される角度が、90°から上流側に傾くように連通流路9を形成すると、連通流路9の長さを確保しながら隣接する混合セル8a〜d同士の間隔を狭くすることができ、スタティックミキサーをよりコンパクトに形成することができる。また、図3のように、連通流路9a〜cが各混合セル8a〜dの中心点を結ぶ軸線と平行になるように形成してもよい。このように形成すると、混合セル8a〜d同士を連通させるときに、組み立てや加工の難しい斜め方向の連通流路9a〜cを用いることなく、混合セル8a〜dの外周側で容易に連通流路9a〜cを形成することができる。連通流路9a〜cの長さがスタティックミキサーを流れる薬液を混合するのに大きな影響を及ぼさないときは、特に好適である。また、合流点6a〜dで衝突し撹拌された薬液を混合させるのに十分な長さの連通流路9a〜cが必要なときは、連通流路9a〜cを螺旋状に形成するとよい。このとき、連通流路9a〜cの流路中心軸線が混合セル8a〜dの中心点を結ぶ軸線と平行になるように連通流路9a〜cを形成すると、連通流路9a〜cの長さを長くしつつスタティックミキサーをコンパクトに形成することができる。また、合流点6a〜dで衝突し撹拌された薬液を連通流路9a〜cでさらに撹拌したいときは、連通流路9a〜cを蛇行させて、連通流路9a〜c内で薬液の流れ方向が変化するように連通流路9a〜cを形成するとよい。
また、本実施形態では、流体入口1を有する入口流路2と流体出口3を有する出口流路4とがそれぞれ最上流側の混合セル8aおよび最下流側の混合セル8dに連通するように配置されているが、図4のように、入口流路2と出口流路4を形成せずに、流体入口1と流体出口3を混合セル8a、8dの上に直接形成してもよい。また、本実施形態では、隣接する混合セル8a〜dを連通流路9a〜cで互いに連通しているが、図4のように、隣接する混合セル8a〜d同士が連通流路9a〜cを介さずに連通されるように配置してもよい。
また、本実施形態では、混合セル8a〜dの分岐点5a〜dおよび合流点6a〜dが混合セル8a〜d上の対向する位置に配置されているが、分岐点5と合流点6は混合セル8上であればどこに配置されてもよく、特に限定されない。図5のように、混合セル8ごとに分岐点5と合流点6を異なる位置に配置してもよい。
また、本実施形態では、分岐点5a〜dから流路を分岐する分岐流路7a〜dはそれぞれ2本であるが、各分岐流路7a〜dの数はいくつでもよく、特に限定されない。図6のように、混合セル8ごとに分岐流路7の数が異なっていても良い。
また、本実施形態では、スタティックミキサーが流体入口1から流体出口3まで連続したチューブで一体に形成されているが、図7のように、スタティックミキサーの複数の構成要素が継手10などを用いて一体的に接合され、スタティックミキサーが形成されてもよい。複数の構成要素を組み合わせることによって、スタティックミキサーの各種流路の長さや形状、太さなどを幅広くかつ容易に変更することができるため、スタティックミキサーを流れる薬液の特性に合わせた幅広い設計をすることができる。
また、本実施形態では、入口流路2からひとつの混合セル8aのみに接続しているが、図8に示されるように、入口流路2から分岐連通流路32を用いて複数の混合セル8に接続させ、それぞれの混合セル8内部を流れる流体が、分岐および合流を繰り返して出口流路4において合流するようにしてもよい。
―第二の実施形態―
次に、図9を参照して、本発明の第二の実施形態におけるスタティックミキサーについて説明する。第二の実施形態が第一の実施形態と異なる点は、連通流路9に流路断面形状が変化する部分が設けられている点である。なお、図1と同様の箇所には同様の符号を付し、以下では第一の実施形態との相違点を主に説明する。
本実施形態では、連通流路9に流路断面形状が変化する部分が設けられている。連通流路9の流路断面形状は、連通流路9の上流側の混合セル8の合流点6から連通流路9の中間部分にかけて、断面積を維持しながら円形状から楕円形状に連続的に変形している。さらに、連通流路9の中間部分から連通流路9の下流側の混合セル8の分岐点5にかけて連通流路9の流路断面形状が断面積を維持しながら楕円形状から円形状に連続的に変形している。
次に、図9を用いて本発明の第二の実施形態に係るスタティックミキサーの作用について説明する。
流体入口1から入口流路2に流入した薬液は混合セル8に流入し、分岐点5を経て分岐流路7に流入する。分岐流路7から合流点6に到達すると、分岐された薬液が衝突および混合され、連通流路9に流入する。連通流路9は、これらの断面形状が上流側から下流側にかけて断面積を維持しながら円形状から楕円形状を経て再び円形状に連続的に変形しているので、連通流路9を流れる薬液は連通流路9の内部で撹拌および混合される。全ての混合セル8および連通流路9を通過した薬液は出口流路4に流入し、流体出口3からスタティックミキサーの外部へと流出する。
本実施形態では、連通流路9に流路断面形状が変化する部分が設けられているが、連通流路9の他の流路にも流路断面形状が変化する部分を設けてもよく、特に限定されない。また、本実施形態では、流路断面形状が円形状から楕円形状を経て円形状に連続的に変形しているが、流路断面形状はどのような形状に変形してもよく、特に限定されない。流路断面形状が変化する部分の形状や範囲はスタティックミキサーを流れる薬液の特性に合わせて適宜設計される。
―第三の実施形態―
次に、図10を参照して、本発明の第三の実施形態におけるスタティックミキサーについて説明する。第三の実施形態が第一の実施形態と異なる点は、分岐流路に流路断面積が変化する部分が設けられている点である。なお、図1と同様の箇所には同様の符号を付し、以下では第一の実施形態との相違点を主に説明する。
本実施形態では、分岐流路7に流路断面積が変化する部分が設けられている。分岐流路7は、分岐点5では入口流路2と同じ流路断面積であるが、分岐点5から合流点6にかけて連続的に流路断面積が小さくなっている。
次に、図10を用いて本発明の第三の実施形態に係るスタティックミキサーの作用について説明する。
流体入口1から入口流路2に流入した薬液は混合セル8に流入し、分岐点5を経て分岐流路7に流入する。分岐流路7は、断面形状が分岐点5から合流点6にかけて流路断面積が連続的に小さくなっているので、分岐流路7を流れる薬液の流速は合流点6に近づくほど速くなる。分岐流路7から合流点6に達すると、分岐された薬液が衝突および混合され、連通流路9に流入する。このとき、薬液は分岐流路7内で加速されているため、より激しく衝突し、効率的に混合される。連通流路9を通過した薬液は下流側に流れ、全ての混合セル8および連通流路9を通過した後に出口流路4に流入し、流体出口3からスタティックミキサーの外部へと流出する。
本実施形態では、分岐流路7に流路断面積が変化する部分が設けられているが、分岐流路7以外の流路にも流路断面積が変化する部分を設けてもよく、特に限定されない。また、本実施形態では、流路断面積を連続的に小さくするように変化させているが、流路断面積はどのように変化させてもよく、特に限定されない。流路断面積が変化する部分の面積比や形状および範囲はスタティックミキサーを流れる流体の特性に合わせて適宜設計される。
―第四の実施形態―
次に、図11を参照して、本発明の第四の実施形態におけるスタティックミキサーについて説明する。第四の実施形態が第一の実施形態と異なる点は、分岐流路7が連通流路9の流路中央軸線、すなわち流路断面の中心点を通過する軸線から偏心した位置で連通流路9に連通している点である。なお、図1と同様の箇所には同様の符号を付し、以下では第一の実施形態との相違点を主に説明する。
分岐流路7は、分岐点5で入口流路2または連通流路9の流路中央軸線から偏心した位置で分岐している。また、分岐流路7は合流点6で連通流路9または出口流路4の流路中央軸線から偏心した位置で合流している。
次に、図11を用いて本発明の第四の実施形態に係るスタティックミキサーの作用について説明する。
分岐流路7は、合流点6で連通流路9または出口流路4の流路中央軸線に対して偏心した位置で各々連通していることから、薬液は連通流路9または出口流路4の内壁に沿って渦を巻く流れを発生させる。これにより、連通流路9または出口流路4を流れる薬液が効率よく撹拌されるとともに、連通流路9内または出口流路4内のデッドスペースをなくして薬液の滞留を防止することができる。また、分岐流路7を通過する薬液が合流点6で合流することによって生じる圧力損失を低減させることができる。また、分岐流路7は、分岐点5でも入口流路2または連通流路9の流路中央軸線に対して偏心した位置で各々連通している。このとき、連通流路9の内壁に沿って渦を巻く流れと同じ方向に分岐流路9が形成されると、薬液が連通流路9内で発生した流れに従って分岐流路7に流入するため、分岐点5における圧力損失を低減することができる。また、連通流路9の内壁に沿って渦を巻く流れと異なる方向に分岐流路9が形成されると、薬液が連通流路9内で発生した流れに逆らい流れ方向を急激に変化させて分岐流路7に流入するため、薬液を撹拌することができ効果的に混合することができる。
本実施形態では、分岐流路7が連通流路9または出口流路4の同じ場所に同じ方向および同じ角度で合流しているが、分岐流路7ごとで異なる場所に異なる角度および異なる方向から合流してもよく、特に限定されない。また、本実施形態では、分岐流路7が入口流路2または連通流路9の同じ場所から同じ方向および同じ角度で分岐しているが、分岐流路7ごとで異なる場所から異なる角度および方向から分岐してもよく、特に限定されない。
―第五の実施形態―
次に、図12を参照して、本発明の第五の実施形態におけるスタティックミキサーについて説明する。なお、図1と同様の作用を有する箇所には同様の符号を付与する。
本実施形態では、エレメント11はポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)製である。エレメント11は柱状に、ここでは円柱状に形成され、エレメント11の一方の端面に流体入口1が設けられ、他方の端面に流体出口3が設けられている。流体入口1および流体出口3はエレメント11の中心軸線と同軸に配置され、エレメント11の流体入口1および流体出口3の内周面はすり鉢状に形成されている。エレメント11の外周面には複数の環状溝12が設けられている。全ての環状溝12は同じ形状で同じ溝幅および溝深さを有しており、各環状溝12の中心点を結ぶ軸線はエレメント11の中心軸線と同軸に配置されている。エレメント11の内部には、流体入口1と流体入口1に最も近い場所に位置する環状溝12とを連通する入口側連通孔13と、流体出口3と流体出口3に最も近い場所に位置する環状溝12とを連通する出口側連通孔14とが設けられている。また、隣接する環状溝12同士を最短距離で連通する中間連通孔15が環状溝12の中心点を結ぶ軸線と交差するように設けられている。
例えば、筐体16はテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(以下、PFAと記す)製のチューブであり、筐体16の内径はエレメント11の外径とほぼ同じに形成されている。エレメント11に筐体16を嵌合させることにより、エレメント11の環状溝12と筐体16の内周面とで分岐流路7が形成される。また、入口側連通孔13、出口側連通孔14および中間連通孔15がそれぞれ、入口流路2、出口流路4および連通流路9となる。筐体16の内部中央にはエレメント11が配置され、筐体16の両方の端部にはメールコネクタ17が取り付けられ、フレア18を装着した後に、メールコネクタ17に締付ナット19を螺着することによって、上流側および下流側に接続する接続部分が形成される。このようにすることによって、組み立てや分解が容易で洗浄のしやすい構成となっている。
次に、図12を用いて本発明の第五の実施形態に係るスタティックミキサーの作用について説明する。
スタティックミキサーよりも上流側で、水が流れる配管と薬液が流れる配管とを合流させ、水と薬液が不均一に混合している薬液をスタティックミキサーに流したときに、流路内で部分的に濃度が濃くなって流れている薬液は、流体入口1から入口流路2に流入する。薬液が入口流路2から混合セル8の分岐点5に到達すると、薬液は分岐され分岐流路7に流入する。分岐流路7を流れる薬液が合流点6に到達すると、薬液は衝突し撹拌されながら合流し連通流路9に流入して下流側へ流れて行く。全ての混合セル8を通過した薬液は、それぞれの混合セル8の合流点6で繰り返し撹拌および混合されることで、濃度が均一化された状態で出口流路4を経て流体出口3からスタティックミキサーの外部へ流出する。
本実施形態に係るスタティックミキサーは、エレメント11および筐体16によって全ての流路が構成されており、部品点数が少ない構成となっている。また、エレメント11と筐体16との間に流路以外の隙間は存在せず、接着剤を使用しなくても筐体16内にエレメント11を挿入することもできるため、接着剤成分の溶出や液溜まりによる流路の汚染が少ない構成となっている。また、エレメント11の形状が単純であり、射出成形で容易に成形することができるとともに、筐体16の形状も単純であり、軟質チューブや硬質管を容易に流用することができる。従って、小流量から大流量まで、流量に応じたスタティックミキサーを容易に製造することができる。また、エレメント11に溝や孔を形成することによって全ての流路が形成されているので、流路の設計がしやすく、流路体積を制限することによって、混合後にスタティックミキサー内に残され廃棄される流体の量を抑えることができる。ここでは、エレメント11、筐体16ともに断面が円形状であり、パイプと類似した外形を有するため、本実施形態に係るスタティックミキサーを工場や混合装置の内部に容易に設置することができる。
本実施形態では、筐体16の内部に配置されたエレメント11はひとつのみであるが、スタティックミキサーを流れる薬液の特性やスタティックミキサーに求められる混合性能に応じて、筐体16の内部に同一形状または形状の異なる複数のエレメント11を配置してもよい。また、本実施形態では、エレメント11を一体で形成しているが、例えば、ひとつの混合セル8が形成された複数個のエレメント部品を直列に配置し一体的に接合することによってエレメント11を形成してもよい。このようにすると、スタティックミキサーを流れる薬液の特性やスタティックミキサーに求められる混合性能に応じて、エレメント11の流路形状や流路の長さを容易に変更することができる。
また、第五の実施形態の変形例として、入口流路2、分岐流路7、連通流路9および出口流路4の各種の流路の流路形状や流路断面積を変化させてもよい。例えば、図13に示されるように、環状溝12の溝深さを分岐点5から合流点6にかけて連続的に浅くし、分岐流路7の流路断面積が連続的に小さくなるようにしてもよい。このようにすると、分岐流路7を流れる薬液の流速が速くなり、合流点6において、薬液がより激しく衝突し、効率的に混合される。
−第六の実施形態−
次に、図14を参照して、本発明の第六の実施形態に係るスタティックミキサーについて説明する。第六の実施形態が第五の実施形態と異なる点は、接続部分にキャップナット20と鍔付き短管21を用いている点である。なお、図12と同様の箇所には同様の符号を付し、以下では第五の実施形態との相違点を主に説明する。
本実施形態では、エレメント11はポリ塩化ビニル(以下、PVCと記す)製であり、エレメント11の両方の端面にそれぞれ位置する流体入口1、流体出口3の外周に環状溝が設けられ、その環状溝内に止水部材33が嵌着されている。また、エレメント11の両端部の外周面にも環状溝が設けられ、その環状溝内に止水部材33が嵌着されている。
本実施形態では、筐体16はPVC製であり、円筒形に形成されている。筐体16の内径はエレメント11の外径とほぼ同じに形成されている。筐体16の両端部の外周面には、キャップナット20の雌ネジ部と螺合される雄ネジ部が設けられている。筐体16の内部にエレメント11が配置され、筐体16の両方の端部に取り付けられた鍔付き短管21、キャップナット20によってエレメント11が固定される。
一例として、キャップナット20はPVC製であり、円筒形に形成されている。キャップナット20の一方の端部の内周には、筐体16の両方の端部の外周面に設けられた雄ネジ部に螺合される雌ネジ部が設けられている。キャップナット20の他方の端部には、内径方向へ突出する内鍔部22が設けられている。
本実施形態では、鍔付き短管21はPVC製であり、パイプなどが接続される短管部23と鍔部24から構成されている。短管部23の外径は、キャップナット20の内鍔部22の内径よりも小径に形成され、短管部23の内径は、エレメント11の流体入口1および流体出口3の内径とほぼ同径に形成されている。また、鍔部24の外径はキャップナット20の内径よりも小径に形成されている。鍔付き短管21は、鍔部24の端面とエレメント11の端面との間に止水部材33を介在させた状態で、キャップナット20と筐体16との間において水密状態で挟持され固定されている。
第六の実施形態に係るスタティックミキサーのその他の部品の構成および薬液が均一に混合される作用は、第六の実施形態と同様なので説明を省略する。本実施形態のスタティックミキサーは、上流側および下流側とキャップナット20と鍔付き短管21とによって接続部分を形成しているので、PVC製パイプなどの一般的な配管部材が使用される分野において好適に使用することができる。
本実施形態では、エレメント11がキャップナット20と鍔付き短管21によって挟持され固定されているが、筐体16とエレメント11との固定方法は、接着や溶接、螺合などでもよく、特に限定されない。また、第六の実施形態の変形例として、図15に示されるように、筐体16を2つに分割し、分割面にフランジ部25を設け、フランジ部25をフェルール継手26によって接続してもよい。また、筐体16の両方の端部の接続部分もフェルール継手26による接続にしてもよい。このようにすると、スタティックミキサーの分解および組み立てが容易であり、スタティックミキサーの洗浄を容易かつ確実に行うことができる。
−第七の実施形態−
次に、図16を参照して、本発明の第七の実施形態に係るスタティックミキサーについて説明する。第七の実施形態が第五の実施形態と異なる点は、流体入口1と流体出口3とが筐体16の外周面に形成されている点である。なお、図12と同様の箇所には同様の符号を付し、以下では第五の実施形態との相違点を主に説明する。
本実施形態では、エレメント11の一方の端部の外周面に筐体16と螺着するための雄ネジ部が設けられている。雄ネジ部近傍の外周面には環状溝が設けられ、止水部材33がその内部に嵌着されている。止水部材33が嵌着される環状溝近傍には、エレメント11の長手方向軸線に直交しかつ最下流に位置する環状溝12部分に連通する出口側連通孔14が設けられている。本実施形態では、出口側連通孔14の他に環状溝12、中間連通孔15がエレメント11に形成されている。
一例として、筐体16は有底円筒形に形成されている。筐体16の底部を有さない方の端部の外周面には、有底円筒形に形成されたキャップナット20の雌ネジ部と螺合する雄ネジ部が設けられている。また、筐体16の底部を有さない方の端部の内周面にはエレメント11の雄ネジ部と螺合される雌ネジ部が設けられている。筐体16の外周面には、雌ネジ付き開口部27、28が筐体16を貫通して設けられ、雌ネジ付き開口部27は最上流側に位置する環状溝12に連通し流体入口1を形成し、雌ネジ付き開口部28は出口側連通孔に連通し流体出口3を形成する。
第七の実施形態に係るスタティックミキサーのその他の部品の構成および薬液が均一に混合される作用は第五の実施形態と同様なので説明を省略する。本実施形態のスタティックミキサーは、流体入口1と流体出口3とが筐体16の外周面に形成され、流体入口1と流体出口3とを結ぶ軸線は筐体16の中心軸線と平行になるように配置されているが、流体入口1および流体出口3を形成する場所はスタティックミキサーの表面であればよく、周囲の配管状況によって適宜設計することができる。例えば、流体入口1を筐体16の端面に形成し、流体出口3を筐体16の他端部の外周面に形成して、スタティックミキサーを配管ラインの曲管部に設置してもよい。
―第八の実施形態―
次に、図17を参照して、本発明の第八の実施形態におけるスタティックミキサーについて説明する。第八の実施形態が第五の実施形態と異なる点は、混合セル8同士が連通流路9を介さずに連通している点である。なお、図12と同様の箇所には同様の符号を付し、以下では第五の実施形態との相違点を主に説明する。
本実施形態では、エレメント11の両方の端面に設けられた流体入口1および流体出口3の内周面には雌ネジ部が設けられている。エレメント11の外周面には、流体入口1と流体入口1に最も近い場所に位置する環状溝12部分とを連通する入口側連通溝29と、流体出口3と流体出口3に最も近い場所に位置する環状溝12とを連通する出口側環状溝30とが設けられている。また、入口側連通溝29および出口側環状溝30は、エレメント11の外周面に設けられた環状溝12は隣接する環状溝12と直接連通している。すなわち、全ての混合セル8は連通流路9を介さずに連通している。
一例として、筐体16は円筒形に形成され、筐体16の内径はエレメント11の外径とほぼ同じに形成されている。エレメント11に筐体16を嵌合させることにより、エレメント11の入口側連通溝29および出口側連通溝30がそれぞれ入口流路2および出口流路4を形成する。エレメント11と筐体16は焼きばめによって水密状態で嵌合されている。
第八の実施形態に係るスタティックミキサーのその他の部品の構成および薬液が均一に混合される作用は第五の実施形態と同様なので説明を省略する。本実施形態のスタティックミキサーは、混合セル8同士が直接連通しており、スタティックミキサーの流路の長さを短くすることができるので、加工時間を短くすることができる。
―第九の実施形態―
次に、図18を参照して、本発明の第九の実施形態におけるスタティックミキサーについて説明する。第九の実施形態が第五の実施形態と異なる点は、連通流路9が各混合セル8の中心点を結ぶ軸線と平行になるように延設されている点である。なお、図12と同様の箇所には同様の符号を付し、以下では第五の実施形態との相違点を主に説明する。
本実施形態では、エレメント11の外周面に、隣接する環状溝12を連通する中間連通溝31が各混合セル8の中心点を結ぶ軸線と平行になるように延設されている。また、エレメント11の外周面に、流体入口1と流体入口1に最も近い場所に位置する環状溝12とを連通する入口側連通溝29と、流体出口3と流体出口3に最も近い場所に位置する環状溝12とを連通する出口側連通溝30が設けられている。エレメント11に筐体16を嵌合させることにより、エレメント11の入口側連通溝29、出口側連通溝30および中間連通溝31がそれぞれ入口流路2、出口流路4および連通流路9を形成する。また、本実施形態では、混合セル8の傾きがエレメント11の長手方向軸線に対して90度になるように環状溝12を形成している。
第九の実施形態に係るスタティックミキサーの上記の構成以外の構成および薬液が均一に混合される作用は第五の実施形態と同様なので説明を省略する。本実施形態のスタティックミキサーは、連通流路9が各混合セル8の中心点を結ぶ軸線と平行になるように延設されており、混合セル8同士を連通させるときに、加工の難しい斜め方向の連通孔を用いることなく、容易に連通流路9を形成することができる。
また、第九の実施形態の変形例として、入口流路2、分岐流路7、連通流路9、出口流路4などの流路形状や流路断面積を変化させてもよい。例えば、図19に示されるように、中間連通溝31の底面に凹凸形状部34を形成すると、連通流路9を流れる薬液が撹拌され、薬液が効率的に混合される。
次に、図20、図21を参照して上述のスタティックミキサーを用いた装置について説明する。
本発明の実施形態に係るスタティックミキサーは、例えば流体の温度または濃度が不均一な状態で流体が流れるライン内に適用され、スタティックミキサーを用いることでラインの流体の温度または濃度を均一化することができる。なお、本発明の実施形態に係るスタティックミキサーを用いて混合することができる流体は、流体であれば特に限定されないが、高い粘度を有する流体に対して特に好適である。
図20は、本発明に係るスタティックミキサーを用いた装置の一例を示す図である。図では、2つの物質が各々流れるライン41、42の合流部43の下流側に本発明に係るスタティックミキサー46が配置されている。各物質はそれぞれポンプ44、45により供給される。各ライン41、42を流れる物質が合流したときに、混合比率にバラツキが生じることがあるが、スタティックミキサー46により温度や濃度を一定にすることができる。このときの物質は気体、液体、固体、粉体等のいずれでもよく、固体、粉体については、あらかじめ気体または液体と混合しておいてもよい。なお、3つ以上の物質が流れるラインを合流させるように装置を構成し、3つ以上の物質がスタティックミキサーによって混合されるようにしてもよい。
図21は、図20の装置の変形例を示す図である。図21では、2つの物質が各々流れるライン47、48の合流部49の下流側に本発明に係るスタティックミキサー50を配置するとともに、スタティックミキサー50の下流側に他の物質が流れるライン51が合流する合流部52を設け、合流部52の下流側にも本発明に係るスタティックミキサー53を配置している。これにより、3つ以上の物質を同時に混合するときに混合ムラが生じる場合に、最初に混合した2つの物質を均一に混合した後に他の物質を混合して均一に混合させることにより、効率よく混合ムラのない均一な混合を行うことができる。なお、最初に3つ以上の物質を合流させてもよく、途中で2つ以上の物質を合流させてもよい。また、スタティックミキサーを3つ以上直列に配置し、段階的に他の物質を混合するようにしてもよい。
また、図20または図21の、スタティックミキサーを用いた装置において、流体が合流する、前の物質の流れる各々のラインにヒーターまたは気化器を設けてもよく、スタティックミキサーの下流側に熱交換器を設けてもよい。さらに、流体が合流する前の一方の物質が流れるラインに計測器を配置し、その計測器で計測されたパラメーターに応じて他方の物質が流れるラインのポンプの出力を調整する制御部を設けてもよく、他方の物質の流れるラインに制御弁を配置し、計測器のパラメーターに応じて制御弁の開度を調整する制御弁を設けてもよい。このとき、計測器は、必要な流体のパラメーターを計測できるものであれば、流量計、流速計、濃度計またはpH測定器でもよい。また、ラインの合流部の下流側の流路にスタティックミキサーを設置してもよい。
また、本発明に係るスタティックミキサーを混合流体が吐出される装置に装着してもよい。混合流体が吐出される装置とは、例えば成形機や押出機、接着剤の塗布装置などが挙げられる。例えば成形機の場合は、成形機のノズルと金型との間にスタティックミキサーを配置して射出成形を行えばよく、押出機の場合は、押出機とダイとの間にスタティックミキサーを配置して押出成形を行えばよく、接着剤の塗布装置の場合は、接着剤の塗布装置の先端にスタティックミキサーを配置して接着剤を塗布すればよい。
本発明に係るスタティックミキサーのエレメント11、筐体16などの各部品の材質は、樹脂製であればPVC、ポリプロピレン、ポリエチレンなどいずれでもよい。特に流体に腐食性流体を用いる場合は、PTFE、PFA、ポリビニリデンフルオロライドなどのフッ素樹脂であることが好ましい。また、エレメント11または筐体16の一部または全部を透明または半透明な材質で形成してもよく、この場合には流体の混合の状態を目視で確認できるため好適である。また、スタティックミキサーに流す流体によっては、各部品の材質は、鉄、銅、銅合金、真鍮、アルミニウム、ステンレス、チタンなどの金属または合金であってもよい。
本発明において、入口流路2、分岐流路7、連通流路9、出口流路4などの各種流路の流路形状や流路断面積は、スタティックミキサーを流れる流体の特性や混合の度合いに応じて適宜設計することができ、特に限定されない。例えば、流路内の液溜まりを防ぎたいときは、流路の底面の断面形状を円弧状にするとともに、それぞれの流路の境界を滑らかにするとよい。また、流路内で流体を撹拌し混合を促進させたいときは、流路を蛇行させることや流路の幅の広狭、深さの深浅などを変化させると好適である。また、流路の内部に別の部品から構成される撹拌手段を装着してもよい。また、上記実施形態では、エレメント11の外周面に環状溝12などの各種流路を構成する溝を設けたが、エレメント11と筐体16との間に環状溝12などの溝を形成するのであれば、他の構成要素(例えば筐体16の内周面)に環状溝12、中間連通溝31などを構成する溝を設けてもよい。さらに、エレメント11と筐体16との間に、各種流路が形成された別の構成要素を介装するようにしてもよい。
なお、上記第一の実施形態〜第九の実施形態を任意に組み合わせてスタティックミキサーを構成してもよい。すなわち、本発明の特徴および機能を実現できる限り、本発明は実施形態のスタティックミキサーに限定されない。
また、本発明について特定の実施形態に基づいて詳述しているが、当業者であれば、本発明の請求の範囲及び思想から逸脱することなく様々な変更、修正等が可能である。
1 流体入口
2 入口流路
3 流体出口
4 出口流路
5,5a,5b,5c,5d 分岐点
6,6a,6b,6c,6d 合流点
7,7a,7b,7c,7d 分岐流路
7fa 流路軸線
7ea 軸線包囲面
8,8a,8b,8c,8d 混合セル
9,9a,9b,9c 連通流路
10 継手
11 エレメント
12 環状溝
13 入口側連通孔
14 出口側連通孔
15 中間連通孔
16 筐体
17 メールコネクタ
18 フレア
19 締付ナット
20 キャップナット
21 鍔付き短管
22 内鍔部
23 短管部
24 鍔部
25 フランジ部
26 フェルール継手
27 雌ネジ付き開口部
28 雌ネジ付き開口部
29 入口側連通溝
30 出口側連通溝
31 中間連通溝
32 分岐連通流路
33 止水部材
34 凹凸形状部
41 ライン
42 ライン
43 合流部
44 ポンプ
45 ポンプ
46 スタティックミキサー
47 ライン
48 ライン
49 合流部
50 スタティックミキサー
51 ライン
52 合流部
53 スタティックミキサー

Claims (13)

  1. 流体入口を有する入口流路と流体出口を有する出口流路との間において、分岐点および合流点と、前記分岐点と前記合流点との間の流路を分岐する分岐流路とを有する複数の混合セルが直列に配置され、
    隣接する前記混合セル同士が直接にまたは連通流路を介して連通し、
    入口流路が、前記分岐点のうちの、最上流側に位置する混合セルの分岐点に連通し、
    出口流路が、前記合流点のうちの、最下流側に位置する混合セルの合流点に連通している、
    スタティックミキサーにおいて、
    前記混合セルが、前記スタティックミキサーの長さ方向から見たときに、任意の前記混合セルの分岐流路の軸線包囲面の少なくとも一部が、他の前記混合セルの分岐流路の軸線包囲面とオーバーラップした状態で配置されていることを特徴とするスタティックミキサー。
  2. 全ての前記混合セルの中心点が同一軸線上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスタティックミキサー。
  3. 全ての前記混合セルが同一外径を有する円環形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスタティックミキサー。
  4. 前記流体入口および前記流体出口の中心点と、全ての混合セルの中心点とが、同一軸線上に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタティックミキサー。
  5. 前記入口流路、前記出口流路、前記分岐流路および前記連通流路のうちの少なくとも1つの流路に、流路断面形状が変化する部分が設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスタティックミキサー。
  6. 前記入口流路、前記出口流路、前記分岐流路および前記連通流路のうちの少なくとも1つの流路に、流路断面積が変化する部分が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスタティックミキサー。
  7. 前記分岐流路が前記連通流路の流路中央軸線から偏心した位置で前記連通流路に連通することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスタティックミキサー。
  8. 前記連通流路が前記混合セルのそれぞれの中心点を結ぶ直線と平行に延設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスタティックミキサー。
  9. 前記連通流路が前記混合セルのそれぞれの中心点を結ぶ直線と交差していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスタティックミキサー。
  10. 柱状に形成されたエレメントと、前記エレメントの外周面と嵌合する筐体とを具備し、
    前記エレメントには、
    その一方の端面に流体入口と、
    その他方の端面に前記流体出口と、
    その外周面に連通している複数の環状溝と、
    前記流体入口と前記環状溝とを連通する入口側連通溝と、
    前記流体出口と前記環状溝とを連通する出口側連通溝と、
    が形成され、
    前記環状溝および前記筐体の内周面により前記分岐流路を形成し、
    前記入口側連通溝および前記筐体の前記内周面により前記入口流路を形成し、
    前記出口側連通溝および前記筐体の前記内周面により前記出口流路を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスタティックミキサー。
  11. 柱状に形成されたエレメントと、前記エレメントの外周面と嵌合する筐体とを具備し、
    前記エレメントには、
    その一方の端面に流体入口と、
    その他方の端面に前記流体出口と、
    その外周面に複数の環状溝と、
    前記流体入口と前記環状溝とを連通する入口側連通溝と、
    隣接する前記環状溝同士を連通する中間連通溝と、
    前記流体出口と前記環状溝とを連通する出口側連通溝と、
    が形成され、
    前記環状溝および前記筐体の内周面により前記分岐流路を形成し、
    前記入口側連通溝および前記筐体の内周面により前記入口流路を形成し、
    前記中間連通溝および前記筐体の内周面により前記連通流路を形成し、
    前記出口側連通溝および前記筐体の内周面により前記出口流路を形成することを特徴とする請求項8に記載のスタティックミキサー。
  12. 柱状に形成されたエレメントと、前記エレメントの外周面と嵌合する筐体とを具備し、
    前記エレメントには、
    その一方の端面に前記流体入口と、
    その他方の端面に前記流体出口と、
    その外周面に複数の環状溝と、
    前記流体入口と前記環状溝とを連通する入口側連通孔と、
    隣接する前記環状溝同士を連通する中間連通孔と、
    前記流体出口と前記環状溝とを連通する出口側連通孔と、
    が形成され、
    前記環状溝および前記筐体の内周面により前記分岐流路を形成し、
    前記入口側連通孔、前記中間連通孔、前記出口連通孔がそれぞれ前記入口流路、前記連通流路、前記出口流路を形成することを特徴とする請求項7又は請求項9に記載のスタティックミキサー。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のスタティックミキサーと、
    前記スタティックミキサーに複数の異種流体を合流して導く流路を形成する流路形成手段と、
    を備える装置。
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