JPWO2013098962A1 - 非水二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の非水二次電池に係る負極には、例えば、負極活物質、バインダ及び必要に応じて導電助剤等を含む負極合剤層を、集電体の片面又は両面に有する構造のものが使用できる。
負極活物質は、前述のとおり、第1の活物質と、第2の活物質と、第3の活物質とを含んでいる。
上記負極に用いるバインダとしては、例えば、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース等の多糖類やそれらの変成体;ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドイミド、ポリアミド等の熱可塑性樹脂やそれらの変成体;ポリイミド;エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド等のゴム状弾性を有するポリマーやそれらの変成体;などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記負極合剤層には、更に導電助剤として導電性材料を添加してもよい。このような導電性材料としては、電池内において化学変化を起こさないものであれば特に限定されず、例えば、カーボンブラック(サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等)、炭素繊維等の炭素材料;金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の粉末)、金属繊維等の金属材料;ポリフェニレン誘導体(特開昭59−20971号公報に記載のもの)等の材料を、1種又は2種以上用いることができる。これらの中でも、繊維長が10μm以上20μm以下である気相成長炭素繊維、及び、比表面積が13m2/g以下であり、吸油値が1.5mL/g以下である炭素材料が特に好ましい。上記気相成長炭素繊維は、その形状が細い糸状であり柔軟性が高いために電池の充放電に伴うSiOxの膨張・収縮に追従でき、また、嵩密度が大きいために、SiOx粒子と多くの接合点を持つことができるからである。また、上記吸油値が1.5mL/g以下である炭素材料は、電解液の消費を抑えることができるため、サイクル寿命が向上するからである。
上記負極に用いる集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタル等を用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、機械的強度を確保するために下限は5μmであることが望ましい。
上記負極は、例えば、前述した負極活物質及びバインダ、更には必要に応じて導電助剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)や水等の溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を調製し(但し、バインダは溶剤に溶解していてもよい。)、これを集電体の片面又は両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダ処理を施す工程を経て製造することができる。負極の製造方法は、上記の製法に制限されるわけではなく、他の製造方法で製造することもできる。
上記負極合剤層においては、負極活物質の総量を80〜99重量%とし、バインダの量を1〜20重量%とすることが好ましい。また、別途導電助剤として導電性材料を使用する場合には、負極合剤層におけるこれらの導電性材料は、負極活物質の総量及びバインダ量が、上記の好適値を満足する範囲で使用することが好ましい。上記負極合剤層の厚さは、例えば、50〜400μmであることが好ましい。上記負極合剤層の厚さを上記範囲に設定し、できるだけ厚くすることにより、非水二次電池の高容量化を図ることができる。
本発明の非水二次電池に係る正極には、例えば、正極活物質、導電助剤、バインダ等を含有する正極合剤層を、集電体の片面又は両面に有する構造のものが使用できる。
上記正極に用いる正極活物質は、特に限定されず、リチウム含有遷移金属酸化物等の一般に用いることのできる活物質を使用すればよい。リチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1−yO2、LixCoyM1−yO2、LixNi1−yMyO2、LixMnyNizCo1−y−zO2、LixMn2O4、LixMn2−yMyO4等が例示される。但し、上記の各構造式中において、Mは、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ti、Ge及びCrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、0≦x≦1.1、0<y<1.0、2.0<z<1.0である。
上記正極に用いるバインダとしては、電池内で化学的に安定なものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、又は、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体及びそれら共重合体のNaイオン架橋体等の1種又は2種以上を使用できる。
上記正極に用いる導電助剤としては、電池内で化学的に安定なものであればよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト;アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維;アルミニウム粉等の金属粉末;フッ化炭素;酸化亜鉛;チタン酸カリウム等からなる導電性ウィスカー;酸化チタン等の導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性の高いグラファイトと、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましい。また、導電助剤の形態としては、一次粒子に限定されず、二次凝集体や、チェーンストラクチャー等の集合体の形態のものも用いることができる。このような集合体の方が、取り扱いが容易であり、生産性が良好となる。
上記正極に用いる集電体としては、従来から知られているリチウムイオン二次電池の正極に使用されているものと同様のものが使用でき、例えば、厚さが10〜30μmのアルミニウム箔が好ましい。
上記正極は、例えば、前述した正極活物質、導電助剤及びバインダを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の正極合剤含有組成物を調製し(但し、バインダは溶剤に溶解していてもよい。)、これを集電体の片面又は両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダ処理を施す工程を経て製造することができる。正極の製造方法は、上記の方法に制限されるわけではなく、他の製造方法で製造することもできる。
上記正極合剤層においては、正極活物質の総量を92〜95重量%とし、導電助剤の量を3〜6重量%とし、バインダの量を3〜6重量%とすることが好ましい。上記正極合剤層の厚さは、カレンダ処理後において、集電体の片面あたり、70〜300μmであることが好ましい。上記正極合剤層の厚さを上記範囲に設定し、できるだけ厚くすることにより、非水二次電池の高容量化を図ることができる。これにより、上記正極合剤層の片面の単位面積あたりの電気容量は、3mAh/cm2以上とすることができる。本明細書で、電気容量とは、理論容量にクーロン効率を乗じたものとし、クーロン効率は、充電容量に対する放電容量の割合(放電容量/充電容量)をいう。
本発明の非水二次電池に係る非水電解質としては、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解液を使用できる。
本発明の非水二次電池に係るセパレータには、80℃以上(より好ましくは100℃以上)170℃以下(より好ましくは150℃以下)において、その孔が閉塞する性質(即ち、シャットダウン機能)を有していることが好ましく、通常のリチウムイオン二次電池等で使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。
本発明の非水二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶等を外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形等)等が挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
<負極の作製>
正極活物質であるLiCoO2:93重量部と、導電助剤であるアセチレンブラック:3.5重量部と、バインダであるPVDF:3.2重量部と、分散剤であるポリビニルピロリドン(PVP):0.3重量部とを混合し、更に適量のNMPを添加し、プラネタリーミキサーを用いて混合・分散を行い、正極合剤含有スラリーを調製した。次に、正極集電体となる厚さが13μmのアルミニウム箔の片面に、上記正極合剤含有スラリーを一定厚さで塗布し、85℃で乾燥した後、更に100℃で8時間真空乾燥した。その後、ロールプレス機を用いてプレス処理を施して、厚さが130μmの正極合剤層を備えた正極前駆体を作製した。但し、上記正極合剤含有スラリーをアルミニウム箔に塗布する際には、アルミニウム箔の一部が露出するように未塗布部分を形成した。
上記リード付き正極と上記リード付き負極とを、PE製微多孔膜セパレータ(厚さ18μm)を介して重ね合わせて積層電極体とし、この積層電極体を、90mm×180mmのアルミニウムラミネートフィルムからなる外装体に収容した。次に、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを3:7の体積比で混合した溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lの濃度で溶解させた非水電解液を上記外装体内に注入した後、上記外装体を封止して、ラミネート形非水二次電池を得た。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質:第1炭素材料)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)を準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質:第1炭素材料)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)を準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質)とを準備した。
実施例1と同様にして人造黒鉛(第1の活物質)を準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質:第1炭素材料)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質:第1炭素材料)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質:第1炭素材料)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)を準備した。
本剥離試験では、負極合剤層と集電体との接着強度の評価を、レスカ社製の引っ掻き試験機“CSR−1000”を用いて、先端半径50μmのサファイア針による引っ掻き試験により行った。即ち、上記サファイア針を負極合剤層に接触させ、サファイア針の荷重を変化させて、サファイア針が受ける抵抗カーブの変化から、負極合剤層の集電体からの剥離が始まる臨界荷重を求め、サファイア針の臨界荷重での引っ掻き抵抗値で負極合剤層と集電体との接着強度を評価した。上記臨界荷重が13g以上であれば接着強度として十分であり剥離試験は合格と判断し、上記臨界荷重が13gを下回った場合には剥離試験は不合格と判断した。
0.2Cの電流値で4.2Vまで定電流充電を行った後、電流値が0.1CmAになるまで4.2Vで定電圧充電した。その後、2.5Vまで0.2Cの電流値で放電した後、2Cの電流値で4.2Vまで定電流充電Aを行い、電流値が0.2CmAになるまで4.2Vで定電圧充電Bを行った。その時の上記定電流充電Aの充電容量を上記定電圧充電Bの充電容量で割った値を百分率で表示した値Cにより充電負荷特性を評価した。上記値Cが大きいほど充電負荷特性が優れていることを示す。
2Cの電流値で4.2Vまで定電流充電を行った後、電流値が0.2CmAになるまで4.2Vで定電圧充電する充電と、2Cの電流値で2.5Vになるまで定電流で行う放電とを行う一連の操作を1サイクルとして充放電を繰り返し、300サイクル目の放電容量を測定した。
負極合剤層中に、導電助剤として、負極活物質100重量部に対して、繊維長さが15μmの気相成長炭素繊維を1重量部更に加えた以外は、実施例5と同様にしてリード付き負極を作製した。上記負極の負極合剤層の密度は、1.4g/cm3であった。
負極合剤層中に、導電助剤として、負極活物質100重量部に対して、吸油量が1.5mL/gで、比表面積が13m2/gのカーボンブラックを1重量部更に加えた以外は、実施例5と同様にしてリード付き負極を作製した。上記負極の負極活物質の密度は、1.4g/cm3であった。
バインダとして、AGC旭硝子社製のフッ素ゴム“AFLAS”(登録商標)を、界面活性剤としてポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーを用いて水に分散させフッ素ゴムバインダを準備した。上記フッ素ゴムは、テトラフルオロエチレンをモノマー単位として含むポリマーからなる。
2 外装体
3 正極外部端子
4 負極外部端子
本発明の非水二次電池に係る負極には、例えば、負極活物質、バインダ及び必要に応じて導電助剤等を含む負極合剤層を、集電体の片面又は両面に有する構造のものが使用できる。
負極活物質は、前述のとおり、第1の活物質と、第2の活物質と、第3の活物質とを含んでいる。
上記負極に用いるバインダとしては、例えば、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース等の多糖類やそれらの変成体;ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドイミド、ポリアミド等の熱可塑性樹脂やそれらの変成体;ポリイミド;エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド等のゴム状弾性を有するポリマーやそれらの変成体;などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記負極合剤層には、更に導電助剤として導電性材料を添加してもよい。このような導電性材料としては、電池内において化学変化を起こさないものであれば特に限定されず、例えば、カーボンブラック(サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等)、炭素繊維等の炭素材料;金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の粉末)、金属繊維等の金属材料;ポリフェニレン誘導体(特開昭59−20971号公報に記載のもの)等の材料を、1種又は2種以上用いることができる。これらの中でも、繊維長が10μm以上20μm以下である気相成長炭素繊維、及び、比表面積が13m2/g以下であり、吸油値が1.5mL/g以下である炭素材料が特に好ましい。上記気相成長炭素繊維は、その形状が細い糸状であり柔軟性が高いために電池の充放電に伴うSiOxの膨張・収縮に追従でき、また、嵩密度が大きいために、SiOx粒子と多くの接合点を持つことができるからである。また、上記吸油値が1.5mL/g以下である炭素材料は、電解液の消費を抑えることができるため、サイクル寿命が向上するからである。
上記負極に用いる集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタル等を用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、機械的強度を確保するために下限は5μmであることが望ましい。
上記負極は、例えば、前述した負極活物質及びバインダ、更には必要に応じて導電助剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)や水等の溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を調製し(但し、バインダは溶剤に溶解していてもよい。)、これを集電体の片面又は両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダ処理を施す工程を経て製造することができる。負極の製造方法は、上記の製法に制限されるわけではなく、他の製造方法で製造することもできる。
上記負極合剤層においては、負極活物質の総量を80〜99重量%とし、バインダの量を1〜20重量%とすることが好ましい。また、別途導電助剤として導電性材料を使用する場合には、負極合剤層におけるこれらの導電性材料は、負極活物質の総量及びバインダ量が、上記の好適値を満足する範囲で使用することが好ましい。上記負極合剤層の厚さは、例えば、50〜400μmであることが好ましい。上記負極合剤層の厚さを上記範囲に設定し、できるだけ厚くすることにより、非水二次電池の高容量化を図ることができる。
本発明の非水二次電池に係る正極には、例えば、正極活物質、導電助剤、バインダ等を含有する正極合剤層を、集電体の片面又は両面に有する構造のものが使用できる。
上記正極に用いる正極活物質は、特に限定されず、リチウム含有遷移金属酸化物等の一般に用いることのできる活物質を使用すればよい。リチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1-yO2、LixCoyM1-yO2、LixNi1-yMyO2、LixMnyNizCo1-y-zO2、LixMn2O4、LixMn2-yMyO4等が例示される。但し、上記の各構造式中において、Mは、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ti、Ge及びCrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、0≦x≦1.1、0<y<1.0、2.0<z<1.0である。
上記正極に用いるバインダとしては、電池内で化学的に安定なものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、又は、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体及びそれら共重合体のNaイオン架橋体等の1種又は2種以上を使用できる。
上記正極に用いる導電助剤としては、電池内で化学的に安定なものであればよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト;アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維;アルミニウム粉等の金属粉末;フッ化炭素;酸化亜鉛;チタン酸カリウム等からなる導電性ウィスカー;酸化チタン等の導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性の高いグラファイトと、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましい。また、導電助剤の形態としては、一次粒子に限定されず、二次凝集体や、チェーンストラクチャー等の集合体の形態のものも用いることができる。このような集合体の方が、取り扱いが容易であり、生産性が良好となる。
上記正極に用いる集電体としては、従来から知られているリチウムイオン二次電池の正極に使用されているものと同様のものが使用でき、例えば、厚さが10〜30μmのアルミニウム箔が好ましい。
上記正極は、例えば、前述した正極活物質、導電助剤及びバインダを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の正極合剤含有組成物を調製し(但し、バインダは溶剤に溶解していてもよい。)、これを集電体の片面又は両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダ処理を施す工程を経て製造することができる。正極の製造方法は、上記の方法に制限されるわけではなく、他の製造方法で製造することもできる。
上記正極合剤層においては、正極活物質の総量を92〜95重量%とし、導電助剤の量を3〜6重量%とし、バインダの量を3〜6重量%とすることが好ましい。上記正極合剤層の厚さは、カレンダ処理後において、集電体の片面あたり、70〜300μmであることが好ましい。上記正極合剤層の厚さを上記範囲に設定し、できるだけ厚くすることにより、非水二次電池の高容量化を図ることができる。これにより、上記正極合剤層の片面の単位面積あたりの電気容量は、3mAh/cm2以上とすることができる。本明細書で、電気容量とは、理論容量にクーロン効率を乗じたものとし、クーロン効率は、充電容量に対する放電容量の割合(放電容量/充電容量)をいう。
本発明の非水二次電池に係る非水電解質としては、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解液を使用できる。
本発明の非水二次電池に係るセパレータには、80℃以上(より好ましくは100℃以上)170℃以下(より好ましくは150℃以下)において、その孔が閉塞する性質(即ち、シャットダウン機能)を有していることが好ましく、通常のリチウムイオン二次電池等で使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。
本発明の非水二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶等を外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形等)等が挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
<負極の作製>
正極活物質であるLiCoO2:93重量部と、導電助剤であるアセチレンブラック:3.5重量部と、バインダであるPVDF:3.2重量部と、分散剤であるポリビニルピロリドン(PVP):0.3重量部とを混合し、更に適量のNMPを添加し、プラネタリーミキサーを用いて混合・分散を行い、正極合剤含有スラリーを調製した。次に、正極集電体となる厚さが13μmのアルミニウム箔の片面に、上記正極合剤含有スラリーを一定厚さで塗布し、85℃で乾燥した後、更に100℃で8時間真空乾燥した。その後、ロールプレス機を用いてプレス処理を施して、厚さが130μmの正極合剤層を備えた正極前駆体を作製した。但し、上記正極合剤含有スラリーをアルミニウム箔に塗布する際には、アルミニウム箔の一部が露出するように未塗布部分を形成した。
上記リード付き正極と上記リード付き負極とを、PE製微多孔膜セパレータ(厚さ18μm)を介して重ね合わせて積層電極体とし、この積層電極体を、90mm×180mmのアルミニウムラミネートフィルムからなる外装体に収容した。次に、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを3:7の体積比で混合した溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lの濃度で溶解させた非水電解液を上記外装体内に注入した後、上記外装体を封止して、ラミネート形非水二次電池を得た。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質:第1炭素材料)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)を準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質:第1炭素材料)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)を準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質)とを準備した。
実施例1と同様にして人造黒鉛(第1の活物質)を準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質:第1炭素材料)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質:第1炭素材料)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備した。
実施例1と同様にして、人造黒鉛(第1の活物質)と、ピッチコート黒鉛(第2の活物質:第1炭素材料)と、炭素被覆SiO(第3の活物質)とを準備し、実施例3と同様にしてソフトカーボン(第2の活物質:第2炭素材料)を準備した。
本剥離試験では、負極合剤層と集電体との接着強度の評価を、レスカ社製の引っ掻き試験機"CSR−1000"を用いて、先端半径50μmのサファイア針による引っ掻き試験により行った。即ち、上記サファイア針を負極合剤層に接触させ、サファイア針の荷重を変化させて、サファイア針が受ける抵抗カーブの変化から、負極合剤層の集電体からの剥離が始まる臨界荷重を求め、サファイア針の臨界荷重での引っ掻き抵抗値で負極合剤層と集電体との接着強度を評価した。上記臨界荷重が13g以上であれば接着強度として十分であり剥離試験は合格と判断し、上記臨界荷重が13gを下回った場合には剥離試験は不合格と判断した。
0.2Cの電流値で4.2Vまで定電流充電を行った後、電流値が0.1CmAになるまで4.2Vで定電圧充電した。その後、2.5Vまで0.2Cの電流値で放電した後、2Cの電流値で4.2Vまで定電流充電Aを行い、電流値が0.2CmAになるまで4.2Vで定電圧充電Bを行った。その時の上記定電流充電Aの充電容量を上記定電圧充電Bの充電容量で割った値を百分率で表示した値Cにより充電負荷特性を評価した。上記値Cが大きいほど充電負荷特性が優れていることを示す。
2Cの電流値で4.2Vまで定電流充電を行った後、電流値が0.2CmAになるまで4.2Vで定電圧充電する充電と、2Cの電流値で2.5Vになるまで定電流で行う放電とを行う一連の操作を1サイクルとして充放電を繰り返し、300サイクル目の放電容量を測定した。
負極合剤層中に、導電助剤として、負極活物質100重量部に対して、繊維長さが15μmの気相成長炭素繊維を1重量部更に加えた以外は、実施例5と同様にしてリード付き負極を作製した。上記負極の負極合剤層の密度は、1.4g/cm3であった。
負極合剤層中に、導電助剤として、負極活物質100重量部に対して、吸油量が1.5mL/gで、比表面積が13m2/gのカーボンブラックを1重量部更に加えた以外は、実施例5と同様にしてリード付き負極を作製した。上記負極の負極活物質の密度は、1.4g/cm3であった。
バインダとして、AGC旭硝子社製のフッ素ゴム“AFLAS”(登録商標)を、界面活性剤としてポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーを用いて水に分散させフッ素ゴムバインダを準備した。上記フッ素ゴムは、テトラフルオロエチレンをモノマー単位として含むポリマーからなる。
2 外装体
3 正極外部端子
4 負極外部端子
負極合剤層中に、導電助剤として、負極活物質100重量部に対して、吸油量が1.5mL/gで、比表面積が13m2/gのカーボンブラックを1重量部更に加えた以外は、実施例5と同様にしてリード付き負極を作製した。上記負極の負極合剤層の密度は、1.4g/cm3であった。
Claims (5)
- 正極、負極、非水電解質及びセパレータを含む非水二次電池であって、
前記負極は、負極活物質及びバインダを含有する負極合剤層を含み、
前記負極合剤層の密度が、1.4g/cm3以下であり、
前記負極活物質は、第1の活物質と、第2の活物質と、第3の活物質とを含み、
前記第1の活物質は、ラマン分光測定によるラマンスペクトルの1578〜1592cm−1で観察されるピーク強度Gと、1349〜1353cm−1で観察されるピーク強度Dとの比率D/Gの値が、0.15以下である炭素材料であり、
前記第2の活物質のD50が、10μm以下であり、
前記第2の活物質は、前記比率D/Gの値が、0.2以上2.0以下である第1炭素材料、及び、前記比率D/Gの値が、1.0以上2.0以下である第2炭素材料から選ばれる少なくとも一方を含み、
前記第3の活物質のD50が、5μm以下であり、
前記第3の活物質は、シリコンと酸素とを構成元素に含む材料であり、
前記第1の活物質の含有量が、前記負極活物質の全重量に対して、10重量%以上57重量%以下であり、
前記第3の活物質の含有量が、前記負極活物質の全重量に対して、1重量%以上10重量%以下であり、
前記第2の活物質が前記第2炭素材料を含む場合、前記第2炭素材料の含有量が、前記負極活物質の全重量に対して、40重量%以下であることを特徴とする非水二次電池。 - 前記正極は、正極活物質を含有する正極合剤層を含み、前記正極合剤層の片面の単位面積あたりの電気容量が、3mAh/cm2以上である請求項1に記載の非水二次電池。
- 前記第1の活物質のD50が、15μm以上20μm以下である請求項1に記載の非水二次電池。
- 前記負極合剤層は、繊維長が10μm以上20μm以下である気相成長炭素繊維、及び、比表面積が13m2/g以下であり、吸油値が1.5mL/g以下である炭素材料を更に含む請求項1に記載の非水二次電池。
- 前記バインダは、テトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレンから選ばれる少なくとも1種のモノマー単位を含むポリマーからなるフッ素ゴムを含む請求項1に記載の非水二次電池。
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