JPWO2013076996A1 - リチウムイオン二次電池用負極およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

非水電解質の浸透性を高めて、入出力特性を向上できるリチウムイオン二次電池用負極を提供する。負極は、負極芯材シートと負極芯材シートに支持された負極合剤層とを含み、負極合剤層は、負極活物質粒子と結着剤とを含み、負極合剤層は、表面および内部に点在する複数の空孔を有し、空孔の平均最大径Rが45〜125μmであり、空孔の個数密度が、負極合剤層の表面1cm2あたりまたは面方向における断面1cm2あたり、8〜17個である。

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の負極に関し、詳しくは、リチウムイオン二次電池用負極の負極活物質粒子を含む負極合剤層の改良に関する。
リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵放出する正極および負極、これらの間に介在するセパレータ、ならびに、非水電解質を備える。通常、負極は、銅箔などの負極芯材シートと、この表面に支持された負極合剤層とを含む。このような負極は、例えば、負極芯材のシートの表面に、負極活物質と結着剤とを含む負極合剤スラリーを塗布した後、乾燥し、さらに、圧延ロールで圧延することにより形成される。この圧延により、負極合剤層は高密度化される。負極合剤スラリーは、例えば、水などの分散媒中に、負極活物質粒子と結着剤とを分散させることにより調製される。
リチウムイオン二次電池においては、種々の課題を解決するために、活物質層の表面に、溝やコップ状の凹部を形成することが知られている。
例えば、特許文献1は、活物質層の表面に金型を押し当てることにより、溝やコップ状の凹部を形成することを開示する。そして、このような方法によれば、リチウムイオン二次電池を高温で連続使用した場合に、セパレータの軟化によりその表面の凹凸が変形して非水電解液を保持する空間が減少し、それにより、高出力特性が低下するという問題を改善できることを開示する。
また、特許文献2は、製造時における非水電解液の電極群への浸透性を改善するために、活物質層の表面に、周縁部にまで延びた溝を形成することを開示する。特許文献3は、非水電解液の電極群への浸透性を改善するために溝を設けた場合に、電極の強度が低下するという課題を解決することを目的として、活物質層の表面に格子状の溝を形成することを開示する。
特開2008−10253号公報 特開平11−154508号公報 特開2007−311328号公報
圧延ロールで圧延された負極合剤層は、負極活物質が高密度化されるため、負極容量をある程度高めることができる。しかし、負極活物質の充填密度が高まることにより、非水電解質の浸透性が低下し易い。
特許文献1〜3では、負極合剤層の表面に凹部や溝を形成している。このような凹部や溝は、負極合剤層の表面における非水電解質の保持性をある程度確保できるものの、内部への浸透性を向上するには不十分である。また、凹部や溝を押圧などにより形成する場合には、負極活物質の充填密度がさらに高まるため、負極合剤層内部への非水電解質の浸透性が低下し易くなる。よって、入出力特性(もしくは放電負荷特性)が低下し易い。
さらに、負極合剤層において、負極活物質が密に充填されると、圧延や押圧などにより負極活物質に加わる応力が緩和されにくくなる。大きな応力が加わった状態の負極活物質には、電池の充放電時に、リチウムイオンの吸蔵および放出に伴う応力がさらに加わる。その結果、負極活物質粒子が割れたり、つぶれたり、または、負極合剤層が脱落したりして、充放電特性を損ない易い。
また、近年、リチウムイオン二次電池を搭載する機器の小型化、高機能化に伴い、リチウムイオン二次電池の小型化および高容量化が求められている。このような電池を実現するために、電池の容量に影響する負極活物質のさらなる高密度化が検討されている。
具体的には、負極芯材シートと、この表面に支持された、負極活物質としての炭素質材料を含有する負極合剤層とを備えた負極の場合、従来、1.3〜1.4g/cm3程度であった負極合剤層の充填密度(見かけ密度)をさらに高めることが試みられている。なお、リチウムイオン二次電池においては、通常、正極の容量が負極の容量よりも大きいために、負極の容量が電池の容量を規制する。
しかし、負極合剤層の充填密度をさらに高めた場合、負極合剤層中への非水電解質の浸透性はさらに低下し、入出力特性を損なう。
本発明の目的は、負極合剤層に対する非水電解質の浸透性を高め、入出力特性を向上できるリチウムイオン二次電池用負極を提供することである。
本発明の一局面は、負極芯材シートと負極芯材シートに支持された負極合剤層とを含み、負極合剤層は、負極活物質粒子と結着剤とを含み、負極合剤層は、表面および内部に点在する複数の空孔を有し、空孔の平均最大径Rが45〜125μmであり、空孔の個数密度が、負極合剤層の表面1cm2あたりまたは面方向における断面1cm2あたり8〜17個である、リチウムイオン二次電池用負極に関する。
本発明の他の一局面は、負極活物質粒子と、結着剤と、少なくとも水を含む分散媒とを含む負極合剤スラリーを調製する工程と、負極合剤スラリーを、負極芯材シートに塗布して塗膜を形成する工程と、塗膜を加熱により乾燥する工程と、乾燥した塗膜を、圧延することにより、負極芯材シートに支持された負極合剤層を形成する工程と、を含み、結着剤が、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を含み、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩が、0.23〜0.7のエーテル化度、および20〜1600の平均重合度を有する、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法に関する。
本発明のさらに他の一局面は、正極と、上記負極と、正極および負極の間に介在するセパレータと、非水電解質とを備えるリチウムイオン二次電池に関する。
本発明によれば、負極合剤層に対する非水電解質の浸透性を高めることができ、リチウムイオン二次電池の入出力特性(または放電負荷特性)を向上できる負極、およびリチウムイオン二次電池を提供できる。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成および内容の両方に関し、本発明の他の目的および特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
図1は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極の構造を模式的に示す概略断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る角形のリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す一部切り欠き斜視図である。
(リチウムイオン二次電池用負極)
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、負極芯材シートと負極芯材シートに支持された負極合剤層とを含み、負極合剤層は、負極活物質粒子と結着剤とを含む。そして、負極合剤層は、表面および内部に点在する複数の空孔を有し、空孔の平均最大径Rが45〜125μmであり、空孔の個数密度が、負極合剤層の表面または面方向における断面1cm2あたり8〜17個である。
このような空孔の存在により、本発明では、負極合剤層への非水電解質の浸透性を向上できるため、電池の入出力特性(または放電負荷特性)を向上できる。また、空孔は、非水電解質を貯留することもできるため、負極合剤層の表面および内部における非水電解質の保持性(保液性)を大きく向上できる。これにより、負極中のリチウムの移動が容易になるために電池の充放電特性が向上する。よって、負極合剤層における負極活物質の充填密度が高い(つまり、電池を高容量化した)場合であっても、非水電解質の高い浸透性を維持することができ、高い入出力特性を維持できる。
負極合剤層の表面に形成された空孔は、負極合剤層の表面に開口部を有する凹部ともいう。また、負極合剤層の内部に形成された空孔は、ボイドともいう。つまり、空孔は、負極合剤層の表面に点在する複数の凹部と、負極合剤層の内部に点在する複数のボイドとを含む。
特許文献1のように、負極合剤層の形成後に、その表面に金型をプレスすることにより表面に凹部を形成するような方法によれば、負極合剤層に局所的に高い圧力が付与されるために、局所的に密度が高くなったり、負極活物質粒子に割れや変形が生じたりするおそれがある。
一方、本発明では、空孔は、負極合剤スラリーの塗膜を乾燥する工程で形成される。つまり、本発明では、特許文献1のように圧力を付与せずに、均質な空孔(具体的には、凹部およびボイド)を形成することができる。そのため、空孔の形成によって、負極活物質粒子に加わる応力が大幅に低減される。
また、負極合剤層の表面の空孔(凹部)だけでなく、内部にも空孔(ボイド)が存在するため、充放電時の負極活物質粒子の体積変化に伴う応力を効果的に緩和することができる。よって、負極活物質粒子の割れやつぶれ、負極合剤層の剥離や脱落が抑制される。つまり、負極合剤層の強度や耐久性を高めることができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極(以下、単に、負極ともいう)の一実施形態である、リチウムイオン二次電池用負極10について、図1を参照して説明する。
図1はリチウムイオン二次電池用負極10の断面の様子を模式的に示す模式断面図である。
負極10は、負極芯材シート1と、負極芯材シート1の表面に形成された負極合剤層2とを含む。負極合剤層2は、負極活物質粒子3と結着剤とを含む。負極合剤層2の表面には、空孔(凹部)6が形成されており、負極合剤層2の内部には空孔(ボイド)7が形成されている。図1において、結着剤は、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(CMC−Na)4と、ゴム粒子5とを含む。
負極10においては、負極合剤層2の表面に、点在する凹部6を満遍なく有し、負極合剤層2の内部に、点在するボイド7を満遍なく含有する。このような凹部6およびボイド7などの空孔は非水電解質の浸透性を向上させ、また、非水電解質を貯留する。
空孔の平均最大径Rは、45μm以上、好ましくは50μm以上、さらに好ましくは60μm以上(例えば、65μm以上)である。平均最大径Rは、125μm以下(例えば、105μm以下)、好ましくは100μm以下(例えば、90μm以下)、さらに好ましくは80μm以下(例えば、70μm以下)である。これらの下限値と上限値とは適宜選択して組み合わせることができる。平均最大径Rは、45〜125μm、好ましくは50〜100μm、さらに好ましくは50〜70μmであってもよい。
平均最大径Rが、45μm未満の場合には、非水電解質の浸透性または保液性が不充分になり、入出力特性が低下する。平均最大径Rが125μmを超える場合には、負極活物質粒子が占める領域が減少することにより容量が低下し易くなる。また、負極合剤層の強度が低下し易くなる。
平均最大径Rは、負極合剤層の表面における凹部の開口の平均最大径R1、またはボイドの平均最大径(負極合剤層の面方向におけるボイドの断面の平均最大径R2)で評価することができる。
凹部の開口の平均最大径R1およびボイドの平均最大径R2のいずれか一方が、上記の平均最大径Rの範囲にあればよく、双方ともが、上記の平均最大径Rの範囲にあることがより好ましい。
負極合剤層の表面および内部には、全体に亘って空孔が点在している。空孔の個数密度は、負極合剤層の表面1cm2あたり、または面方向における断面1cm2あたり、8個以上、好ましくは9個以上、さらに好ましくは10個以上である。また、上記の個数密度は、17個以下、好ましくは16個以下、さらに好ましくは15個以下である。これらの下限値と上限値とは、適宜選択して組み合わせることができる。空孔の個数密度は、8〜17個、好ましくは10〜15個であってもよい。
上記の空孔の個数密度が、8個未満の場合には、非水電解質の浸透性または保液性が不充分になり、入出力特性が低下する。また、個数密度が、17個を超える場合には、負極活物質粒子が占める領域が減少することにより容量が低下し易くなる。また、負極合剤層の強度が低下し易くなる。
なお、負極合剤層の表面における空孔の個数密度は、負極合剤層の表面における凹部の個数密度である。また、負極合剤層の断面(面方向における断面)における空孔の個数密度は、凹部およびボイドの双方の個数密度の合計であるが、負極芯材に近い位置での負極合剤層の断面における空孔の個数密度を、ボイドの個数密度と見なしてもよい。
負極合剤層の厚み方向における空孔の平均最大長さLは、例えば、45μm以上、好ましくは50μm以上(例えば、60μm以上)、さらに好ましくは65μm以上(例えば、70μm以上)である。また、平均最大長さLは、例えば、125μm以下(例えば、105μm以下)、好ましくは100μm以下(例えば、90μm以下)、さらに好ましくは80μm以下である。これらの下限値と上限値とは適宜選択して組み合わせることができる。平均最大長さLは、好ましくは45〜125μm(例えば、50〜100μm)、さらに好ましくは60〜90μm、または70〜80μmであってもよい。
平均最大長さLが45μm未満である場合には、非水電解質の浸透性または保液性が不充分になる。平均最大長さLが125μmを超える場合には、負極活物質粒子が占める領域が減少することにより容量が低下し易くなる。また、負極合剤層の強度が低下し易くなる。
負極合剤層の厚み方向における空孔の平均最大長さLは、凹部の平均最大深さH、および/またはボイドの平均最大長さL2などで評価することができる。凹部の平均最大深さHおよびボイドの平均最大長さL2のいずれか一方が、上記の平均最大長さLの範囲を満たしていてもよく、双方ともが、上記の平均最大長さLの範囲を満たしていてもよい。
なお、空孔の平均最大長さL(凹部の平均最大深さH、ボイドの平均最大長さL2など)は、負極合剤層の厚み方向の断面の電子顕微鏡(SEM)画像から求めることができる。より具体的には、SEMの撮影画像において、複数(例えば、200個)の空孔(凹部および/またはボイド)を任意に選択して、負極合剤層の厚み方向における最大長さを測定し、平均値を算出することにより、空孔の平均最大長さLを求めることができる。
空孔の平均最大径R(平均最大径R1、R2)は、負極合剤層の表面または面方向における断面のSEM画像から求めることができる。より具体的には、平均最大径Rは、負極合剤層の表面または面方向における断面のSEM画像において、複数(例えば、200個)の空孔を任意に選択して、空孔の最大径(凹部の開口部の最大径、または断面における空孔の最大径)を測定し、平均値を算出することにより求めることができる。
空孔の個数密度は、負極合剤層の表面または面方向における断面のSEM画像において、任意の1cm×1cmの領域を選択し、この領域に存在する空孔の個数を計数することにより求めることができる。
負極合剤層の断面のSEM画像は、負極合剤層をエポキシ樹脂などの硬化性樹脂で固め、化学研磨することにより断面を露出させ、露出した断面について撮影することができる。SEMの倍率は、特に制限されず、空孔を確認するのに十分な倍率であればよく、例えば、100倍程度であってもよい。
以下に、負極の構成をより詳細に説明する。
(負極活物質粒子)
負極活物質粒子を構成する負極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池用負極の負極活物質として用いられている炭素質材料や、ケイ素や錫を含む合金系負極活物質が、特に限定なく用いられる。これらの中でも、特に、黒鉛構造を有する炭素質材料、具体的には、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛など)、黒鉛化メソフェーズカーボンなどが特に好ましく用いられる。負極活物質は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
黒鉛構造を有する炭素質材料としては、広角X線回折法で測定される回折像が、(101)面に帰属されるピークと、(100)面に帰属されるピークとを有するようなものが、黒鉛化度の点から特に好ましい。この場合において、(101)面に帰属されるピークの強度I(101)と、(100)面に帰属されるピークの強度I(100)との比は、0.01<I(101)/I(100)<0.25を満たすことが好ましく、0.08<I(101)/I(100)<0.20を満たすことが電池容量の点から好ましい。
負極活物質粒子の平均粒子径Raは、例えば、5〜40μm、好ましくは14〜25μm、さらに好ましくは16〜23μmである。また、空孔の平均最大長さL(例えば、凹部の平均最大深さH)に対する、負極活物質粒子の平均粒子径Raの比Ra/Lは、例えば、0.1〜0.55、好ましくは0.2〜0.5である。
なお、本明細書中、平均粒子径とは、体積基準の粒度分布におけるメジアン径(D50V)を意味する。平均粒子径は、例えば、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、(株)堀場製作所製のLA−920、日機装(株)製のマイクロトラックなど)を用いて求められる。
黒鉛粒子などの負極活物質粒子の平均球形度は、例えば、85%以上であり、90〜95%であることが好ましく、91〜94%であることがさらに好ましい。なお、平均球形度は、4πS/La 2(ただし、Sは負極活物質粒子の正投影像の面積、Laは正投影像の周囲長)×100(%)で表される。例えば、任意の100個の負極活物質粒子の球形度の平均値が上記範囲であることが好ましい。
負極活物質粒子の比表面積は、3〜7m2/gであることが好ましく、3.5〜6.5m2/gであることがさらに好ましい。なお、比表面積はBET法により測定できる。
負極活物質粒子の平均粒子径、平均球形度、および/または比表面積が上記のような範囲である場合、負極合剤層を形成する際の滑り性が高いために高密度に充填しやすくなるとともに、負極合剤層の結着強度が高くなる傾向がある。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂;ポリアクリル酸メチル、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などのアクリル樹脂;ゴム状材料;カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース(CEC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースエーテル化合物(セルロースエーテルの塩も含む)が例示できる。これらの結着剤は、一種を単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
負極合剤層は、負極合剤スラリーの塗膜を乾燥し、圧延することにより形成される。本発明では、塗膜の乾燥工程において、空孔が形成される。空孔を形成し易い観点から、スラリーに含まれる分散媒に膨潤性の成分を少なくとも含む結着剤を用いることが好ましい。このような成分は、負極合剤スラリーの塗膜中では、分散媒で膨潤しているが、塗膜の乾燥に伴い、分散媒を放出して、収縮する。そのため、この収縮した部分に、適度なサイズの空孔が効率よく形成される。
このような成分としては、分散媒の種類に応じて、上記の結着剤の中から、適宜選択できる。例えば、分散媒として有機媒体を用いる場合には、PVDFなどのフッ素樹脂、アクリル樹脂などが使用でき、水を含む分散媒を用いる場合には、水膨潤性の成分(結着剤)、例えば、セルロースエーテル化合物などが好ましい。セルロースエーテル化合物は、高い結着性が得られ易いことに加え、負極合剤スラリーの粘度を調整するのに適しているため、負極合剤スラリーの塗布性を調整し易い。
結着性を高めるために、結着剤は、上記のような分散媒に膨潤性の成分に加え、さらにゴム状材料などの結着剤を含有することが好ましい。ゴム状材料は、少なくとも水を含む分散媒と組み合わせて使用することが好ましい。そのため、結着剤は、水膨潤性の成分と、ゴム状材料とを、少なくとも含むことが好ましい。
水膨潤性の成分としては、上記のセルロースエーテル化合物のうち、CMC、CECなどのカルボキシアルキルセルロース;CMCのナトリウム塩、CECのナトリウム塩などのカルボキシアルキルセルロースのアルカリ金属塩などが好ましい。カルボキシアルキルセルロースのカルボキシルアルキル基は、カルボキシC1-4アルキル基であることが好ましく、カルボキシC1-3アルキル基であることが好ましい。アルカリ金属塩を形成するアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムなどが好ましい。これらのうち、CMC、CMCのナトリウム塩(CMC−Na)が好ましく、特に、CMC−Naが好ましい。
CMCやCMC−Naなどのカルボキシアルキルセルロースおよびその塩は、水に対する親和性が高い。結着性を確保するとともに、空孔を効果的に形成するために、エーテル化度および平均重合度を調節することが好ましい。
なお、本明細書中、カルボキシアルキルセルロースの塩を含めて、単に、カルボキシアルキルセルロースと称する場合がある。
カルボキシアルキルセルロースのエーテル化度は、例えば、0.23以上、好ましくは0.25以上、さらに好ましくは0.3以上である。また、エーテル化度は、例えば、0.7以下、好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.55以下である。これらの下限値と上限値とは適宜選択して組み合わせることができる。エーテル化度は、例えば、0.23〜0.7、0.25〜0.7、もしくは0.3〜0.7であってもよい。
上記のような範囲のエーテル化度を有するカルボキシアルキルセルロースは、分子鎖中に比較的多くの水酸基が残存しているために、水素結合による分子鎖間の擬似架橋点が増加し易い。そのため、ゲル化が起こり易くなり、ゲル化物の割合が増加する。ゲル化された領域では、ゲル化物は負極合剤スラリー中の分散媒中の水で膨潤するが、カルボキシアルキルセルロースの分子鎖間が強固に固定されているため、水に溶解し難くなる。そのため、負極合剤スラリーの塗膜では、ゲル化物が形状を保持した状態で存在し、このゲル化物が、乾燥により水などの分散媒を放出して収縮することにより、空孔をより効果的に形成することができる。
カルボキシアルキルセルロースのエーテル化度が、上記の範囲である場合、負極合剤スラリーの粘度が高くなり過ぎるのを抑制でき、塗工性の低下を抑制し易い。そのため、負極合剤層の結着性を高め易い。
なお、エーテル化度は、セルロースエーテル化合物中に含まれる、セルロースの水酸基が置換されてエーテル化された量を示す指標である。例えば、カルボキシアルキルセルロースでは、具体的には、セルロースエーテル化合物中に含まれるエーテル基のうち、カルボキシメチル基、ナトリウムカルボキシメチル基(−CH2COONa)などのカルボキシアルキル基またはその塩で置換されて形成されたエーテル基の量の指標になる。なお、セルロースは、無水グルコース単位当たり3個の水酸基を有する。そして、全ての無水グルコース単位において水酸基1個がエーテル化されている場合、エーテル化度は1になる。従って、セルロース化合物のエーテル化度は0〜3の範囲である。
カルボキシアルキルセルロースの平均重合度は、例えば、20以上、好ましくは80以上(例えば、100以上)、さらに好ましくは500以上(例えば、700以上または1000以上)である。また、平均重合度は、例えば、1600以下、好ましくは1500以下(例えば、1300以下)、さらに好ましくは1200以下である。これらの下限値と上限値とは適宜選択して組み合わせることができる。平均重合度は、例えば、20〜1600、20〜1200、または500〜1200であってもよい。
上記のようなエーテル化度のカルボキシアルキルセルロースは、一般に負極合剤スラリーに使用されるものよりもエーテル化度が低い。エーテル化度が低いと、カルボキシアルキルセルロースの分子鎖間の相互作用が強くなり易くなるため、負極合剤スラリーの粘度が高くなり易く、これにより、塗工性が低下し易くなる。そこで、平均重合度を上記の範囲に調整すると、負極合剤スラリーの粘度の上昇をより効果的に抑制でき、塗工性の低下を抑制できるため有利である。また、平均重合度が上記の範囲である場合、結着性を高めるのにより効果的である。
エーテル化度および平均重合度が上記の範囲であるカルボキシアルキルセルロースは、水に対して、一部は溶解し、一部はゲル化して膨潤する。カルボキシアルキルセルロースの水に対する溶解度は、90〜97%であることが好ましい。溶解度は、カルボキシアルキルセルロースの全質量のうち、溶解成分が占める割合を示す。溶解度がこのような範囲である場合、負極合剤スラリーの塗工性の低下を抑制し易いとともに、空孔を形成し易くなる。
カルボキシアルキルセルロースなどの分散媒に対して膨潤性の成分は、粒子状の形態で使用することが好ましい。このような粒子の平均粒子径は、例えば、30μm以上、好ましくは35μm以上、さらに好ましくは40μm以上(例えば、50μm以上)である。また、上記平均粒子径は、例えば、100μm以下、好ましくは90μm以下、さらに好ましくは85μm以下(例えば、80μm以下)である。これらの下限値と上限値とは適宜選択して組み合わせることができる。上記平均粒子径は、例えば、30〜100μm、30〜90μm、または40〜80μmであってもよい。平均粒子径がこのような範囲である場合、溶解成分とゲル化物との量的なバランスを調整し易い。
カルボキシアルキルセルロースとしては、市販品を使用してもよく、公知の方法により製造したものを使用してもよい。カルボキシアルキルセルロースの製造方法を、CMC−Naの場合を例に挙げて以下に説明する。
CMC−Naは、セルロースを含むパルプに、モノクロル酢酸ナトリウムと苛性ナトリウムを作用させて製造される。このような製造方法によれば、セルロース中の水酸基がモノクロル酢酸ナトリウムと反応することにより、CMC−Naが合成される。なお、得られたCMC−Na中には、製造時に混入する、塩化ナトリウム,炭酸ナトリウム,グルコース酸ナトリウムなどが不純物として含まれる。このような不純物は、硫酸精製法,メタノール精製法,水媒法などを用いて除去することが好ましい。
不純物が除去されたCMC−Naは、乾燥させた後、所定の粒子径に粉砕される。粉砕には、公知の粉砕方法が採用でき、例えば、ジェットミル粉砕機,バルベライザー,衝撃式粉砕機,ハンマーミル粉砕機などを用いてもよい。これらのうち、ジェットミル粉砕機が好ましい。
粉砕されたCMC−Naは、必要に応じて分級してもよい。分級方法としては、例えば、重力分級,遠心分級,慣性分級などが挙げられ、特に、サイクロン式分級機を用いた遠心分級が平均粒子径の小さい粉末を得やすい点から好ましい。
結着剤のうち、ゴム状材料としては、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエンゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)などのスチレンと共役ジエン(1,3−ブタジエン、イソプレンなど)との共重合体ゴム;アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などのアクリロニトリルと共役ジエンとの共重合体ゴム;アクリルゴム;またはこれらの変性体などが例示できる。これらのゴム状材料は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
変性体は、上記のゴム状材料の主たる構成モノマー(例えば、SBRでは、スチレンおよびブタジエン)単位に加え、共重合可能なその他のモノマー(共重合性モノマー)単位を含むものであってもよく、水素化物であってもよく、また、他の官能基が導入されたものであってもよい。共重合性モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル;アクリル酸、メタクリル酸などの重合性不飽和カルボン酸;重合性不飽和カルボン酸のエステル(メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレートなど)などが挙げられる。なお、共重合性モノマーは、ゴム状材料の種類に応じて、各ゴム状材料の主たる構成モノマー以外の共重合性モノマーが使用できる。
ゴム状材料のうち、スチレンと共役ジエンとの共重合体ゴムが好ましい。中でも、SBRは、通常、−30〜+40℃の範囲にガラス転移点を有し、電池の使用温度域において結着性に優れ、かつ負極電位で安定であることから、負極合剤層の結着剤として特に好ましい。スチレンと共役ジエンとの共重合体ゴムにおいて、スチレン単位の含有量は、例えば、30〜70mol%、好ましくは40〜65mol%である。
ゴム状材料は、粒子の形態で使用することが好ましい。ゴム状材料の粒子(以下、単に「ゴム粒子」とも言う。)は、水系の、ラテックス,エマルジョン,またはサスペンジョンの形態で負極合剤スラリー中に混合できる。
CMC−Naなどの分散媒に膨潤性の成分は、負極活物質粒子の表面に付着する。そして、ゴム粒子は、高い結着性を有し、上記の成分が付着した負極活物質粒子同士、およびこのような負極活物質粒子と負極芯材シートとを、点接触により結着する。
ゴム粒子の平均粒子径は、例えば、50〜200nm、好ましくは50〜180nm(例えば、50〜150nm)、さらに好ましくは100〜170nm(例えば、100〜120nm)である。ゴム粒子の平均粒子径がこのような範囲である場合、負極合剤層における結着性をより効果的に高めることができる。
結着剤の量は、負極活物質粒子100質量部に対して、例えば、1〜7質量部、好ましくは1.5〜5質量部、さらに好ましくは1.7〜4質量部である。結着剤の量がこのような範囲である場合、電池容量を高め易い上、空孔が形成され易い。また、内部抵抗の増加を抑制できる。そのため、入出力特性の低下をより効果的に抑制できる。
結着剤が、CMC−Naなどの分散媒に膨潤性の成分を含む場合、このような成分の量は、負極活物質粒子100質量部に対して、例えば、0.8〜3質量部、好ましくは0.8〜2.8質量部(例えば、0.9〜2.7質量部)、さらに好ましくは0.8〜1.5質量部、または1〜2質量部である。上記成分の量がこのような範囲である場合、電池容量を高め易く、空孔をより効果的に形成することができる。そのため、入出力特性を高める上で有利である。
結着剤が、ゴム状材料を含む場合、ゴム状材料の量は、負極活物質粒子100質量部に対して、例えば、0.5〜1.5質量部、好ましくは0.6〜1.2質量部である。ゴム状材料の量がこのような範囲である場合、結着強度を高め易いことに加え、負極活物質粒子がゴム状材料で過度に被覆されるのを抑制し易く、内部抵抗の増加をより効果的に抑制できる。
負極合剤層は、必要に応じて、さらに導電剤、および/または増粘剤などを含んでもよい。導電剤としては、カーボンブラック;炭素繊維などの導電性繊維;フッ化カーボンなどが挙げられる。増粘剤としては、例えば、ポリエチレングリコールなどのポリC2-4アルキレングリコールなどが例示できる。
負極合剤層の見かけ密度は特に限定されない。本発明では、負極合剤層が適度なサイズの空孔を適度な分布状態で有するため、負極合剤層の見かけ密度が高い場合であっても、非水電解質の浸透性が高く、高い液回り性を維持できるので、入出力特性(もしくは放電負荷特性)を高めることができる。例えば、負極活物質として、黒鉛構造を有する炭素質材料を用いる場合、負極合剤層の見かけ密度(空孔を除いた負極合剤層の見かけ密度)は、例えば、1.5〜1.8g/cm3、好ましくは1.55〜1.75g/cm3である。
空孔を除いた負極合剤層の見かけ密度は、負極合剤層の重量を、負極合剤層の非空孔部分の体積で除することにより算出できる。具体的には、空孔を除いた負極合剤層の見かけ密度は、例えば、下記のようにして算出できる。
負極を所定サイズ(例えば、1cm×1cm)にカットし、重量および厚みを測定する。測定した重量から、芯材の重量を差し引き、1cm2あたりの負極合剤層の重量w(g/cm2)を求める。また、カットした負極の厚みから、芯材の厚みを差し引き、負極合剤層の厚みt(cm)を求め、負極合剤層の体積(=1×1×t=t(cm3))を求める。そして、w、tに加え、上述の方法により算出される空孔の個数密度、平均最大長さ、および平均最大径を用いて、下記式から、見かけ密度d(g/cm3)を算出することができる。
d=w/{t−(πR2 3/22 3/2n)/6−(πR1 3/23/2N)/3√2}
ここで、R2はボイドの平均最大径であり、L2はボイドの平均最大長さであり、nは負極合剤層の面方向における断面におけるボイドの個数密度であり、R1は凹部の開口部の平均最大径であり、Hは凹部の平均最大深さであり、Nは負極合剤層の表面における凹部の個数密度である。
なお、従来の方法のように、凹部や溝を、金型などを用いた押圧により形成すると、押圧された箇所およびその周辺では、局所的に負極活物質の充填密度が高くなり、負極合剤層の空孔を除いた領域の見かけ密度にばらつきが生じる。それに対し、本発明では、空孔は、負極合剤スラリーの塗膜の乾燥工程で形成される。そのため、負極合剤層の空孔を除いた領域の全体に亘り、見かけ密度のばらつきが極めて小さい。
負極合剤層の空孔を除いた領域における、見かけ密度のばらつきは、平均値に対して、例えば、1%未満、好ましくは0.7%未満である。
見かけ密度のばらつきは、負極合剤層の任意の複数箇所(例えば、20箇所)について、上述のように見かけ密度を算出してその平均値を求め、見かけ密度の算出値のうち、最大または最小の値と、平均値との差で評価することができる。
負極合剤層の厚み(平均厚みT)は、特に限定されず、例えば、30〜200μm、好ましくは50〜150μm程度である。
負極合剤層の平均厚みTに対する、空孔の平均最大長さL(例えば、凹部の平均最大深さH)の比L/Tは、例えば、0.4以上、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.55以上である。比L/Tは、1以下、好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下(例えば、0.75以下)である。これらの下限値と上限値とは、適宜選択して組み合わせることができる。比L/Tは、例えば、0.4〜1、または0.4〜0.8などであってもよい。比L/Tがこのような範囲である場合、電解質の浸透性を向上するのに、より効果的である。
負極芯材シートとしては、従来からリチウムイオン二次電池用負極の芯材シートとして用いられているものが、特に限定なく用いられる。
負極芯材シートの材質としては、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケルなどが例示できる。これらのうち、銅または銅合金が好ましい。銅合金中の銅以外の成分の含有量は、例えば、0.2モル%以下である。
負極芯材シートは、無孔性導電性基板であってもよく、複数の貫通孔を有する多孔性の導電性基板であってもよい。無孔導電性基板としては、金属箔、金属シートなどが利用できる。多孔性の導電性基板としては、連通孔(穿孔)を有する金属箔、メッシュ体、パンチングシート、エキスパンドメタルなどが例示できる。
負極芯材シートとしては、銅箔、特に、電解銅箔などが好ましい。
負極芯材シートの厚みは、例えば、5〜30μm、好ましくは5〜15μm程度である。
負極合剤層は、負極芯材シートの一方の表面に形成してもよく、両方の表面に形成してもよい。
(負極の製造方法)
本発明の負極は、負極合剤スラリーを、負極芯材シートの表面に塗布し、塗膜を乾燥し、乾燥した塗膜を圧延することにより形成される。
より具体的に説明すると、負極は、
(i)負極活物質粒子と、結着剤と、分散媒とを含む負極合剤スラリーを調製する工程と、
(ii)負極合剤スラリーを、負極芯材シートに塗布して塗膜を形成する工程と、
(iii)塗膜を加熱により乾燥する工程と、
(iv)乾燥した塗膜を、圧延することにより、負極芯材シートに支持された負極合剤層を形成する工程と、を経ることにより製造できる。
負極合剤層の空孔は、塗膜を乾燥する工程を経ることにより形成される。空孔のサイズや形状、個数密度などは、乾燥条件を調整したり、結着剤の種類、物性、量、平均粒子径、負極活物質粒子の平均粒子径、および/または分散媒の種類などを選択したりすることにより、調整できる。そのため、従来の方法のように、凹部などを形成する工程を別途設ける必要がなく、負極を簡便に製造することができる。
負極合剤層の表面および内部に空孔を効率よく形成するために、CMC−Naなどの分散媒に膨潤する成分を含む結着剤を用いることが好ましい。特に、このような成分として、上記のようなエーテル化度および平均重合度を有するCMC−Naを用いると、適度なサイズの空孔を形成できるとともに、空孔の個数密度を制御し易い。また、さらに結着性を高める観点から、このようなCMC−Naとゴム状材料とを含む結着剤を用いることが好ましい。
工程(i)において、負極合剤スラリーは、負極活物質粒子と、結着剤と、分散媒とを混合することにより調製できる。負極活物質粒子および/または結着剤は、分散媒の少なくとも一部に予め分散させてから使用してもよい。混合には、慣用の混合機または混練機などを用いることができる。
分散媒としては、例えば、水、エタノールなどのアルコール、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル、アセトンなどのケトン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、またはこれらの混合溶媒などが例示できる。結着剤が、CMC−Naなどの水に膨潤する成分を用いる場合、分散媒は、少なくとも水を含むことが好ましく、水と、水溶性の有機溶媒(例えば、エタノールなどのC1-4アルカノール;THF;アセトン;NMPなど)との混合溶媒であってもよい。
分散媒中の水の含有量は、例えば、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。
負極合剤スラリーの粘度は、例えば、2000〜100000cP(=2〜100Pa・s)程度であることが好ましい。
負極合剤層が、他の成分、例えば、導電剤、増粘剤などを含む場合、これらの成分は、負極合剤スラリーを調製する工程で、添加してもよい。
工程(ii)では、負極合剤スラリーを、負極芯材シートの表面に塗布することにより塗膜を形成する。塗布には、ダイコーターなどの各種コーターなどを利用する公知の塗布方法が採用できる。
負極合剤スラリーの塗布量(塗膜の厚み)は、所望する負極合剤層の厚み、負極活物質の充填密度などに応じて適宜調整できる。
工程(iii)では、工程(ii)で形成された塗膜を乾燥して、塗膜に含まれる分散媒を除去する。この工程により、負極合剤層の表面および内部に空孔が形成される。前述のように、CMC−Naなどの分散媒に膨潤する成分を含む結着剤を用いる場合、特に、負極合剤層の表面および内部に空孔を効率よく形成できる。
塗膜の乾燥は、自然乾燥であってもよいが、加熱により、および/または減圧下で、乾燥することが好ましい。
加熱温度は、分散媒の種類、乾燥時の雰囲気圧力などに応じて適宜選択できる。水を含む分散媒を用いる場合、加熱温度は、例えば、40〜250℃,好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは60〜150℃である。
乾燥は、空気中で行ってもよく、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。不活性ガスとしては、例えば、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素などが挙げられる。
乾燥時間は、分散媒の種類、乾燥温度、雰囲気圧力などに応じて適宜選択でき、例えば、1〜20時間、好ましくは1.5〜12時間、さらに好ましくは2〜10時間程度であってもよい。
工程(iv)では、工程(iii)で得られた乾燥塗膜を、負極芯材シートとともに圧延する。圧延には、圧延ロールなどを用いることができる。
圧延ロールの線圧は、空孔を保持した状態で、負極合剤層の厚み、負極活物質の充填密度などが所望の範囲になるように適宜設定できる。線圧は、例えば、0.2〜1kN/cm、好ましくは0.3〜0.8kN/cm、さらに好ましくは0.4〜0.7kN/cmである。
圧延の回数は、例えば、1〜5回、好ましくは1〜3回である。
本発明の負極は、非水電解質の浸透性が高く、入出力特性(もしくは、放電負荷特性)などを向上できる。そのため、リチウムイオン二次電池の負極として使用するのに適している。
(リチウムイオン二次電池)
リチウムイオン二次電池は、正極と、上記の負極と、これらの間に介在するセパレータと、非水電解質とを備える。
リチウムイオン二次電池の構成について、図面を参照しながら、より詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を模式的に示す斜視図である。図2では、電池21の要部の構成を示すために、その一部を切り欠いて示している。電池21は、角形電池ケース11内に、扁平状電極群10および非水電解質(図示せず)が収容された角形電池である。
電極群10は、上記の負極と、正極とを、これらの間にセパレータを介在させた状態で渦捲状に捲回し、さらに側面から挟み込むようにプレスして扁平状に成形することにより形成されている。そして、正極13を構成する正極芯材シートの端部には正極リード14の一端が溶接されており、正極リード14の他端は、正極端子となる封口板12に溶接されている。負極を構成する負極芯材シートの端部には、負極リード15の一端が溶接され、負極リード15の他端は、負極端子13に溶接されている。
封口板12と、負極端子13との間には、ガスケット16が配置され、両者を絶縁している。封口板12と、電極群10との間には、通常、ポリプロピレンなどの絶縁性材料で形成された枠体18が配置され、負極リード15と封口板12とを絶縁している。
封口板12は、角形電池ケース11の開口端に接合され、角形電池ケース11を封口する。封口板12には、注液孔17aが形成されており、注液孔17aは、非水電解質を角形電池ケース11内に注液した後に、封栓17により塞がれる。
以下、リチウムイオン二次電池の負極以外の各構成要素について、詳細に説明する。
(正極)
正極は、例えば、正極芯材シートと、正極芯材シートに支持された正極合剤層とを含む。
正極芯材シートの材質としては、公知のもの、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタンなどが例示できる。これらのうち、アルミニウムまたはアルミニウム合金などが好ましい。正極芯材シートは、負極芯材シートについて例示したものと同様の、無孔性または多孔性の導電性基板であってもよい。正極芯材シートとしては、アルミニウム箔などが好ましい。
正極芯材シートの厚みは、例えば、5〜30μm、好ましくは7〜20μmである。
正極合剤層は、正極芯材シートの一方の表面に形成してもよく、両方の表面に形成してもよい。正極合剤層の厚みは、負極合剤層の厚みと同様の範囲から選択できる。
正極合剤層は、必須成分として、正極活物質の粒子および結着剤を含み、任意成分として、導電剤を含む。
正極活物質としては、公知のリチウム二次電池用正極活物質が使用でき、その中でも、リチウム含有複合酸化物、オリビン型リン酸リチウムなどが好ましい。
リチウム含有複合酸化物は、リチウムと遷移金属元素とを含む金属酸化物またはこの金属酸化物中の遷移金属元素の一部が異種元素によって置換された酸化物である。遷移金属元素としては、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Crなどを挙げることができる。これらの遷移金属元素の中でも、Mn、Co、Niなどが好ましい。異種元素としては、Na、Mg、Zn、Al、Pb、Sb、Bなどが挙げられる。これらの異種元素の中でも、Mg、Alなどが好ましい。遷移金属元素および異種元素は、それぞれ一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
リチウム含有複合酸化物の具体例としては、例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixComNi1-m2、LixCom1-mn、LixNi1-mmn、LixMn24、LixMn2-mm4などが挙げられる。Mは、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Cr、Na、Mg、Zn、Al、Pb、SbおよびBよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示す。x、mおよびnは、それぞれ、0<x≦1.2であり、0≦m≦0.9であり、2.0≦n≦2.3である。
リチウム含有複合酸化物のうち、Coおよび/またはNiを含むものが好ましい。中でも、LixCoO2、LixNiO2が好ましい。
また、リチウム含有複合酸化物としては、LixNiy1 z2 1-(y+z)2+d (1)も好ましい。式(1)において、M1は、上記元素Mに相当し、中でも、CoおよびMnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であることが好ましい。M2は、上記元素Mに相当し、中でも、Al、Cr、Fe、Mg、およびZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であることが好ましい。式(1)において、x、yおよびdは、0.98≦x≦1.1、0≦z≦0.7、0.9≦(y+z)≦1および−0.01≦d≦0.01を満たす。
オリビン型リン酸リチウムとしては、例えば、LiZPO4、Li2ZPO4Fなどが挙げられる。Zは、Co、Ni、MnおよびFeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。
上記した各組成式において、リチウムのモル比は正極活物質合成直後の値であり、充放電により増減する。正極活物質は一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂;ポリアクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;SBR、アクリルゴムなどのゴム状材料;またはこれらの混合物などが例示できる。
導電剤としては、上記負極合剤層について例示したものと同様のものの他、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛など)などが例示できる。
正極合剤層は、必要に応じて、増粘剤、公知の添加剤を含んでもよい。増粘剤としては、負極合剤層について例示したものと同様のものの他、CMC、CMC−Naなどのセルロースエーテル化合物などが例示できる。
(セパレータ)
セパレータとしては、樹脂製の、微多孔フィルム、不織布または織布などが使用できる。セパレータを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリアミド;ポリアミドイミド;ポリイミドなどが例示できる。
セパレータの厚みは、例えば、5〜50μm、好ましくは10〜30μmである。
(非水電解質)
非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解したリチウム塩とを含む。
非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(EC)などの環状炭酸エステル;ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート(MEC)、ジメチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状カルボン酸エステルなどが例示できる。これらの非水溶媒は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6、LiClO4、LiAlCl4、LiSCN、LiCF3CO2、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiC(SO2CF33などが挙げられる。リチウム塩は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
非水電解質中のリチウム塩の濃度は、例えば、0.5〜2mol/Lである。
非水電解質には、公知の添加剤、例えば、ビニレンカーボネート(VC)などのビニレンカーボネート化合物;ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネートなどのビニル基を有する環状カーボネート化合物;シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテルなどの芳香族化合物などを添加してもよい。
(その他)
リチウムイオン二次電池の形状は、角型に限らず、円筒型、コイン型、偏平型などであってもよい。また、リチウムイオン二次電池は、ラミネート型であってもよい。
電池ケースの材料としては、ステンレス鋼鈑、アルミニウム、アルミニウム合金(マンガン、銅などの金属を微量含有する合金など)などの他、アルミニウム層などの金属層を樹脂フィルムで挟んだラミネートフィルムなどが使用できる。
電極群は、電池の形状に応じて、捲回型に限らず、正極と、負極と、これらの間に介在するセパレータとを、積層またはつづら折りにしたものであってもよい。電極群の形状は、電池または電池ケースの形状に応じて、偏平形状に限らず、円筒状であってもよい。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明の範囲は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(1)CMC−Na粉末の製造
破砕機((株)フジテックス製の二軸破砕機TIGER SHRED)を用いて、パルプ片を破砕することによりパルプ粉を得た。そして、得られたパルプ粉191gと濃度88質量%の2−プロパノール水溶液5,730mLを45℃で攪拌混合してスラリーを調製した。得られたスラリーを室温まで自然冷却した後、水酸化ナトリウムを13.7g添加することによりアルカリセルロースを得た。そして、アルカリセルロースのスラリーを10℃以下まで氷冷した。次に、冷却されたアルカリセルロースのスラリーにモノクロル酢酸を31.4g添加して5分間撹拌した後、5℃に冷却して2時間静置した。
得られたスラリーをフラスコに入れた後、湯浴で沸騰させ、沸点で80分間反応させた。そして、フラスコ内に5質量%塩酸を過剰に添加し、5分間撹拌し、スラリーを室温まで冷却した。得られたスラリーはメタノール水溶液(メタノール濃度80質量%)で洗浄し、ろ過し、この洗浄および濾過を合計5回繰り返すことにより、塩化物イオンを除去した。残渣を、80℃で3時間乾燥することによりCMC−Naの固形物を得た。
得られたCMC−Naの固形物を、ジェットミル粉砕機(ホソカワミクロン(株)製100AFG)を用いて粉砕した後、目開き120μmのメッシュの篩を通過させることにより、最大粒子径120μm(平均粒子径60μm)のCMC−Naの粉末を得た。得られたCMC−Naのエーテル化度は0.4であり平均重合度は1200であった。
(2)負極合剤スラリーの調製
得られたCMC−Na粉末を適量の水と混合した。次に、負極活物質としての天然黒鉛(平均粒子径20μm)と、CMC−Na粉末を含む混合液(固形分濃度1質量%)と、SBR(平均粒子径150nm、ガラス転移点25℃)を含む水分散液(JSR(株)製、SBR含有量48質量%)とを混合することにより、負極合剤スラリーを調製した。なお、天然黒鉛100質量部に対して、CMC−Na粉末およびSBRの量は、それぞれ、1質量部とした。
(3)負極の作製
上記(2)で得られた負極合剤スラリーを、負極芯材シートとしての電解銅箔(厚み10μm)の両面に、ダイコーターを用いて塗布した。そして、塗膜を、60℃で10時間乾燥した。乾燥された塗膜を、負極芯材シートとともに、圧延ローラにて、線圧490N/cmで圧延することにより負極合剤層を形成した。得られた負極を、所定の形状に裁断した。
得られた負極合剤層は、厚みが120μmであり、空孔を除いた領域における見かけ密度が1.6g/cm3であった。
(4)正極の作製
正極活物質であるLiCoO2 100質量部と、結着剤であるPVDF4質量部と、適量のNMPとを混合することにより、正極合剤スラリーを調製した。得られた正極合剤スラリーを、正極芯材シートであるアルミニウム箔(厚み15μm)の両面に塗布し、乾燥および圧延することにより正極合剤層を形成した。得られた正極を、所定の形状に裁断した。得られた正極において、正極合剤層の厚みは100μmであった。
(5)非水電解質の調製
ECとMECとを体積比30:70で含む非水溶媒に、1mol/Lの濃度でLiPF6を溶解させることにより、非水電解質を調製した。そして、非水電解質に、添加剤としてVCを添加した。非水電解質中のVCの濃度は、3質量%とした。
(6)電池の組み立て
次のような手順で、図2に示すような角型リチウムイオン二次電池を作製した。
上記(3)および(4)で得られた負極および正極の間に、セパレータ(ポリエチレン製微多孔質フィルム、セルガード(株)製A089、厚み20μm)を介在させた状態で捲回し、さらに側面からプレスすることにより断面が略楕円形である扁平状の電極群を作成した。なお、正極には、正極リードの一端を溶接し、負極には、負極リードの一端を溶接した。
得られた電極群を、アルミニウム製の角型の電池ケースに収容した。電池ケースは、底部と側壁とを有し、上部は開口している。側壁の主要平坦部は矩形であり、厚みは80μmであった。電極群の上部に、封口板および電池ケースと、負極リードとの短絡を防ぐための絶縁性の枠体を配置した。
電極群から引き出した正極リードの他端を、略矩形の封口板に溶接した。封口板の中央部には、負極端子が配置されており、負極端子と封口板との間には、両者を絶縁するガスケットが配置されている。電極群から引き出した負極リードの他端を、負極端子に溶接した。
次いで、封口板を、電池ケースの開口部に配置し、封口板の周縁と電池ケースの開口部の周縁とを、レーザー溶接することにより封口した。封口板には、非水電解質の注液口が形成されており、この注液口から、2.5gの非水電解質を、電池ケース内に注液した。そして、注液口を封栓で溶接により塞ぐことにより角型リチウムイオン二次電池が得られた。得られた角型リチウムイオン二次電池は、高さ50mm、幅34mm、内空間の厚み5.2mm、設計容量850mAhであった。
CMC−Na粉末の物性(I)、負極合剤層(II)および電池の評価(III)を、下記の手順で行った。
(I)CMC−Na粉末の物性
CMC−Na粉末のエーテル化度、平均重合度、平均粒子径の測定は、次の方法で行った。
<エーテル化度の測定>
エーテル化度は、灰化したサンプルを硫酸にて煮沸し、フェノールフタレイン指示薬を加え、過剰の酸を水酸化カリウムで逆滴定することにより求めることができる。以下に、より詳細に説明する。
はじめに、CMC−Naのアルカリ度Aを測定した。
具体的には、フラスコ中でCMC−Na粉末1gを水200mlに溶解させた。この溶液に0.05mol/mL濃度の硫酸を5mL加えて10分間煮沸した。煮沸後、室温まで冷却した。そして、得られた溶液にフェノールフタレイン指示薬を加え、0.1mol/mLの水酸化カリウム水溶液で滴定した。
一方、上記と同様の手順で、CMC−Na粉末を加えずに空試験を行った。滴定および空試験の結果と、下記式(a)を用いて、アルカリ度Aを算出した。
A=(e−da)f/Ma・・・(a)
e:空試験の滴定の際に要した水酸化カリウム水溶液の体積(mL)
a:CMC−Naと硫酸の溶液の滴定に要した水酸化カリウム水溶液の体積(mL)
f:水酸化カリウム水溶液の力価(g/mL)
a:CMC−Na粉末の質量
次に、以下の手順でエーテル化度DSを測定した。
CMC−Na粉末0.5gを灰化した。得られた灰分と、水250mLと、0.05mol/mLの硫酸35mLとを、そしてビーカーに加え、30分間煮沸した。得られた溶液を室温まで冷却した後、0.1mol/mLの水酸化カリウム水溶液で滴定した。
そして、下記式(b)および式(c)を用いて、エーテル化度DSを算出した。
DS=162W/(10000−80W) ・・・(b)
W=(af'−bf)/Ma−A ・・・(c)
a:硫酸の体積(mL)
f’:硫酸の力価(g/mL)
b:滴定に要した水酸化カリウムの体積(mL)
f、A、およびMaは上記に同じ
<平均重合度の測定>
毛細管粘度計((株)草野化学製、キャノンフェンスケ型)にて、極限粘度ηを求めた。得られた値を下記式(d)に代入することにより、質量平均分子量Mmを算出した。そして、質量平均分子量Mmを、平均重合度に換算した。
η=6.46×10-16×Mm ・・・(d)
<平均粒子径の測定>
乾燥状態のCMC−Na粉末を、エタノールに分散させた分散液を用いて、レーザー回折/散乱式の粒度分布測定装置(日機装(株)製のマイクロトラック)により体積基準の粒度分布における累積体積50%における粒子径(平均粒子径D50v)を求めた。
(II)負極合剤層
空孔(凹部およびボイド)の寸法、空孔の個数密度、負極合剤層の見かけ密度およびそのばらつき、結着強度、ならびに非水電解質の浸透性を、以下の手順で評価した。
<凹部の平均最大深さH>
負極を、エポキシ樹脂で包埋して、負極合剤層の厚み方向の断面が露出するようにカットし、次いで露出した断面を化学研磨した。研磨面の画像を、SEM(日本電子(株)製JSM−7800F、加速電圧10kV)を用いて撮影した(倍率100倍)。
撮影画像において、200個の凹部を任意に選択し、各凹部の負極合剤層の表面からの最大深さを測定し、平均値を算出することにより、平均最大深さHを求めた。
<空孔の平均最大径R1およびR2、空孔の個数密度>
負極合剤層の表面および面方向における断面の画像を、SEM(日本電子(株)製JSM−7800F、加速電圧10kV)を用いて撮影した(倍率100倍)。
表面の撮影画像において、200個の空孔(凹部)を任意に選択し、各凹部の開口部の最大径を測定し、平均値を算出することにより、平均最大径R1を求めた。
断面の撮影画像において、200個の空孔を任意に選択し、各空孔の最大径を測定し、平均値を算出することにより、平均最大径R2を求めた。
また、表面の撮影画像において、任意の1cm×1cmのサイズの領域を選択し、この領域に存在する空孔の個数を計数することにより、個数密度を求めた。
<負極合剤層の見かけ密度およびばらつき>
空孔を除いた負極合剤層の見かけ密度およびそのばらつき既述の方法により測定した。なお、見かけ密度の平均値は、負極合剤層の任意の20箇所について測定した見かけ密度から算出し、この平均値に基づいて、見かけ密度のばらつきを求めた。
<結着強度>
以下の手順で、負極合剤層における負極活物質粒子間の結着強度を求めた。
まず、負極から、縦2cm×横3cmの試験片を切り出した。試験片の一方の面からのみ、負極合剤層を剥がした。負極合剤層が残っている試験片の他方の面を、ガラス板上に貼り付けた両面テープ(品番:No.515、日東電工(株)製)の接着面に貼り付けた。次いで、試験片から負極芯材を剥離して負極合剤層を露出させた。このようにして、両面テープの片面に負極合剤層が付着した測定用試料を作製した。
測定用試料のガラス板から剥がした接着面を、タッキング試験機(商品名:TAC−II、株式会社レスカ製)の測定子(先端直径0.2cm)の先端に取り付けた。次に、下記条件で、測定プローブを、測定用試料の負極合剤層に押し付け、引き離すことにより、剥離試験を行い、このときの活物質粒子間で剥離が起る最大荷重を測定した。測定した最大荷重を、測定子の断面積(0.031cm2)で除することにより、活物質粒子間の結着強度(N/cm2)を求めた。
なお、結着強度の測定後には、測定に供した負極試料の測定子側の剥離面を観察し、活物質粒子間で剥離が起こっていることを確認した。
試験条件:
測定プローブの押し込み速度:30mm/分
測定プローブの押し込み時間:10秒
測定プローブの押し込み荷重:3.9N
測定プローブの引き離し速度:600mm/分
<非水電解質の浸透性>
負極合剤層の非水電解質に対する浸透性の指標として、負極合剤層の電解質の吸液性を下記の手順で評価した。なお、非水電解質に対する浸透性は、負極合剤層中での非水電解質の移動の容易さの目安となる。
負極の負極合剤層の表面に、非水電解質を5μL滴下し、非水電解質が負極合剤層に完全に浸透するまでの時間を測定した。非水電解質としては、ECとMECとを、体積比30:70で含む非水溶媒に、1mol/Lの濃度でLiPF6を溶解させたものを使用した。
(III)電池の評価
角型リチウムイオン二次電池を、20℃の環境下、以下の条件で、2回充放電した。なお、2サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した値を放電負荷特性として求めた。
(1サイクル目)
定電流充電:充電電流値850mA/充電終止電圧4.2V
定電圧充電:充電電圧値4.2V/充電終止電流100mA
定電流放電:放電電流値425mA/放電終止電圧3.0V
(2サイクル目)
定電流充電:充電電流値850mA/充電終止電圧4.2V
定電圧充電:充電電圧値4.2V/充電終止電流100mA
定電流放電:放電電流値1700mA/放電終止電圧3.0V
[実施例2〜4および比較例1]
CMC−Na粉末の製造(1)において、粉砕した後の粗粒を通過させる篩の目開きを、80μm(実施例2)、160μm(実施例3)、200μm(実施例4)または50μm(比較例1)に変更する以外は、実施例1と同様にしてCMC−Na粉末を作製した。得られたCMC−Na粉末を用いる以外は、実施例1と同様にして負極および電池を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例5〜6および比較例2〜3]
CMC−Na粉末の製造(1)において、水酸化ナトリウムおよびモノクロル酢酸の添加量を変更する以外は、実施例1と同様にしてCMC−Na粉末を作製した。得られたCMC−Na粉末を用いる以外は、実施例1と同様にして負極および電池を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
水酸化ナトリウムの添加量は、12.7g(実施例5)、8.6g(実施例6)、29.1g(比較例2)、または6.9g(比較例3)であり、モノクロル酢酸の添加量は、39.1g(実施例5)、19.6g(実施例6)、66.8g(比較例2)、または15.7g(比較例3)であった。
[実施例7〜8および比較例4〜5]
負極合剤スラリーの調製(2)において、天然黒鉛100質量部に対するCMC−Na粉末の量を、0.9質量部(実施例7)、2.7質量部(実施例8)、0.5質量部(比較例4)、または3.5質量部(比較例5)に変更する以外は、実施例1と同様にして負極および電池を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例9〜10]
CMC−Na粉末の製造(1)において、沸点で反応させる時間を、100分間(実施例9)または7分間(実施例10)にする以外は、実施例1と同様にしてCMC−Na粉末を作製した。得られたCMC−Na粉末を用いる以外は、実施例1と同様にして負極および電池を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
実施例および比較例の結果を、表1および表2に示す。
Figure 2013076996
Figure 2013076996
表1から明らかなように、実施例1〜10では、非水電解質の浸透性が高く、高い放電負荷特性が得られた。また、実施例1〜3、5〜9では、負極合剤層における結着強度も高かった。
これに対して、空孔の平均最大径(平均最大径R1、R2)が45μm未満である比較例1では、結着強度は高いものの、非水電解質の浸透性が低く、放電負荷特性が低下した。また、空孔の個数密度が、8個未満または17個を超える比較例2〜4では、非水電解質の浸透性が低下し、放電負荷特性が低下した。特に、比較例3では、負極合剤層の結着強度が大きく低下した。
空孔の個数密度が17個を超える比較例5では、電解質の浸透性は高く、また、結着剤の量が相対的に多いため、空孔の個数密度が多くても、結着強度の低下は、それほど顕著ではない。しかし、比較例5では、結着剤の量が相対的に多くなることにより、放電時の抵抗が増加したためか、放電負荷特性が低下した。また、同様の理由により、放電特性および電池容量が低下しやすい。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形および改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、すべての変形および改変を包含する、と解釈されるべきものである。
本発明の負極は、非水電解質に対する浸透性が高いため、リチウムイオン二次電池に使用すると、電池の入出力特性を向上できる。このような負極を用いるリチウムイオン二次電池は、出力特性に優れるため、各種用途、例えば、ハイブリッド電気自動車(特に、プラグインハイブリッド自動車用)などにおけるモータ駆動用電源、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカムコーダなどの各種携帯型電子機器における駆動用電源、家庭用電力貯蔵装置における大型電源などに用いることができる。
1 負極芯材シート
2 負極合剤層
3 負極活物質粒子
4 カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩
5 ゴム粒子
6 凹部
7 ボイド
10 電極群
11 角形電池ケース
12 封口板
13 負極端子
14 正極リード
15 負極リード
16 ガスケット
17 封栓
17a 注液孔
18 絶縁性枠体
21 リチウムイオン二次電池
具体的には、負極芯材シートと、この表面に支持された、負極活物質としての炭素質材料を含有する負極合剤層とを備えた負極の場合、従来、1.3〜1.4g/cm3程度であった負極合剤層の充填密度(見かけ密度)をさらに高めることが試みられている。なお、リチウムイオン二次電池においては、通常、極の容量が極の容量よりも大きいために、極の容量が電池の容量を規制する。
電極群10は、上記の負極と、正極とを、これらの間にセパレータを介在させた状態で渦捲状に捲回し、さらに側面から挟み込むようにプレスして扁平状に成形することにより形成されている。そして、正極を構成する正極芯材シートの端部には正極リード14の一端が溶接されており、正極リード14の他端は、正極端子となる封口板12に溶接されている。負極を構成する負極芯材シートの端部には、負極リード15の一端が溶接され、負極リード15の他端は、負極端子13に溶接されている。
<負極合剤層の見かけ密度およびばらつき>
空孔を除いた負極合剤層の見かけ密度およびそのばらつき既述の方法により測定した。なお、見かけ密度の平均値は、負極合剤層の任意の20箇所について測定した見かけ密度から算出し、この平均値に基づいて、見かけ密度のばらつきを求めた。
Figure 2013076996
Figure 2013076996

Claims (12)

  1. 負極芯材シートと前記負極芯材シートに支持された負極合剤層とを含み、
    前記負極合剤層は、負極活物質粒子と結着剤とを含み、
    前記負極合剤層は、表面および内部に点在する複数の空孔を有し、
    前記空孔の平均最大径Rが45〜125μmであり、
    前記空孔の個数密度が、前記負極合剤層の表面1cm2あたりまたは面方向における断面1cm2あたり8〜17個である、リチウムイオン二次電池用負極。
  2. 前記空孔が、前記負極合剤層の表面に点在する複数の凹部と、前記負極合剤層の内部に点在する複数のボイドとを含み、
    前記凹部の平均最大深さHが45〜125μmである、請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  3. 前記結着剤が、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を含み、
    前記カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩が、0.23〜0.7のエーテル化度と、20〜1600の平均重合度を有する、請求項1または2記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  4. 前記負極合剤層が、前記負極活物質粒子100質量部に対して、前記カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を0.8〜3質量部含む、請求項3記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  5. 前記カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩が、平均粒子径30〜100μmの粒子状である、請求項3または4記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  6. 前記結着剤が、さらにゴム状材料を含む、請求項3〜5のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  7. 前記負極合剤層中の前記ゴム状材料の含有量が、前記負極活物質粒子100質量部に対して、0.5〜1.5質量部である、請求項6記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  8. 前記負極合剤層の前記空孔を除いた領域における、見かけ密度のばらつきが、平均値に対して1%未満である、請求項1〜7のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  9. 前記負極活物質粒子を構成する負極活物質が、黒鉛構造を有する炭素質材料であり、
    前記空孔を除いた前記負極合剤層の見かけ密度が、1.5〜1.8g/cm3である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  10. 負極活物質粒子と、結着剤と、少なくとも水を含む分散媒とを含む負極合剤スラリーを調製する工程と、
    前記負極合剤スラリーを、負極芯材シートに塗布して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜を乾燥する工程と、
    乾燥した前記塗膜を、圧延することにより、前記負極芯材シートに支持された負極合剤層を形成する工程と、を含み、
    前記結着剤が、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を含み、
    前記カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩が、0.23〜0.7のエーテル化度、および20〜1600の平均重合度を有する、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  11. 前記結着剤が、さらにゴム状材料を含む、請求項10記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  12. 正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、非水電解質とを備え、
    前記負極が、請求項1〜9のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池用負極である、リチウムイオン二次電池。
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