JPWO2012117879A1 - 蒸しパンの品質改良剤及びその用途 - Google Patents
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Abstract
蒸しパンの品質改良に有効な品質改良剤を提供することを課題とする。グルコアミラーゼを含有する品質改良剤が提供される。好ましくはプロテアーゼ活性の低い品質改良剤とする。
Description
本発明は蒸しパンの品質改良剤及びその用途に関する。本発明の品質改良剤は特に、蒸しパンの柔らかさの維持(老化防止)や、蒸しパンの色調の改良に有用である。本出願は、2011年2月28日に出願された日本国特許出願第2011−042866号に基づく優先権を主張するものであり、当該特許出願の全内容は参照により援用される。
蒸しパンは、水蒸気を熱の媒体として一般的に100℃を超えない蒸成雰囲気内で小麦粉主体の生地を蒸すことによって製造されるパン類の一種である。他のパン類と同様に蒸しパンにおいても、澱粉の老化などに伴い、その品質(特に食感)は時間とともに低下する。長期保存用として冷凍商品やチルド商品といった商品形態で提供された場合であっても、一般に、再加熱(例えば電子レンジを使用)によって生地のパサつきが生じ、また、萎縮した外観となり商品価値が著しく低下する。蒸しパンの独特のふんわり感を長期間にわたって維持することは、蒸しパンの商品価値を高める上で極めて重要である。
蒸しパンの品質維持を目的として、生地改良効果のある乳化剤が用いられている(例えば特許文献1、2を参照)。乳化剤の使用は一定の効果を発揮するものの、乳化剤特有の味や臭いが蒸しパン本来のおいしさを損なう。
本発明は、蒸しパンの品質改良に有効な品質改良剤及びその用途(品質が改良された蒸しパンの製造法など)を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく本発明者らは研究を進めた。特に、蒸しパン本来のおいしさを損なわずに品質を改良するという目的の下、酵素に注目し、検討を重ねた。その結果、グルコアミラーゼに蒸しパンの品質改良効果があることを見出した。即ち、グルコアミラーゼを配合した蒸しパン生地を使用して蒸しパンを製造することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。また、プロテアーゼ活性が生地のべたつきや生地調製時の作業性に影響することが明らかとなった。更には、リパーゼが蒸しパンの色調改良に有効であること、グルコアミラーゼとリパーゼを併用するとグルコアミラーゼ単独の場合よりも品質改良効果が高まることが明らかとなった。一方、プロテイングルタミナーゼにも蒸しパンの品質改良効果を認めるともに、グルコアミラーゼにプロテイングルタミナーゼを併用すると品質改良効果が高まることが判明した。また、グルコアミラーゼ、リパーゼ及びグルコアミラーゼの3酵素を併用した場合には最も高い効果が得られることも明らかとなった。
本発明は上記成果に基づき完成されたものであり、以下の通りである。
[1]グルコアミラーゼを含有する蒸しパン用の品質改良剤。
[2]プロテアーゼ活性が低いことを特徴とする、[1]に記載の品質改良剤。
[3]デンプン糖化力に対するプロテアーゼの活性の比(プロテアーゼの活性/デンプン糖化力)が0.01以下であることを特徴とする、[2]に記載の品質改良剤。
[4]さらにリパーゼを含有することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の品質改良剤。
[5]さらにプロテイングルタミナーゼを含有することを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の品質改良剤。
[6]リパーゼを含有する蒸しパン用の品質改良剤。
[7]プロテイングルタミナーゼを含有する蒸しパン用の品質改良剤。
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載の品質改良剤が添加された生地を蒸す工程を含む、蒸しパンの製造方法。
[1]グルコアミラーゼを含有する蒸しパン用の品質改良剤。
[2]プロテアーゼ活性が低いことを特徴とする、[1]に記載の品質改良剤。
[3]デンプン糖化力に対するプロテアーゼの活性の比(プロテアーゼの活性/デンプン糖化力)が0.01以下であることを特徴とする、[2]に記載の品質改良剤。
[4]さらにリパーゼを含有することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の品質改良剤。
[5]さらにプロテイングルタミナーゼを含有することを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の品質改良剤。
[6]リパーゼを含有する蒸しパン用の品質改良剤。
[7]プロテイングルタミナーゼを含有する蒸しパン用の品質改良剤。
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載の品質改良剤が添加された生地を蒸す工程を含む、蒸しパンの製造方法。
(用語)
本明細書において「蒸しパン用の品質改良剤」とは、蒸しパンの製造に使用され、蒸しパンの品質の改良をもたらす酵素剤をいう。ここでの「品質」の例は、柔らかさ、弾力性、歯切れ、色調(白色化)、長期保存性(例えば柔らかさや弾力性の維持)、口溶けである。本発明の品質改良剤によれば、これらの品質の内、少なくとも一つを改善できる。本発明の品質改良剤は、典型的には、蒸しパンをより柔らかくしつつも、弾力性を保持する作用を示す。この作用を言い換えるならば、加えられた力による変形に応答する蒸しパンの力学的抵抗を弱くしつつも、加えられた力を除去することにより蒸しパンに加わっていた変形を回復する能力である
本明細書において「蒸しパン用の品質改良剤」とは、蒸しパンの製造に使用され、蒸しパンの品質の改良をもたらす酵素剤をいう。ここでの「品質」の例は、柔らかさ、弾力性、歯切れ、色調(白色化)、長期保存性(例えば柔らかさや弾力性の維持)、口溶けである。本発明の品質改良剤によれば、これらの品質の内、少なくとも一つを改善できる。本発明の品質改良剤は、典型的には、蒸しパンをより柔らかくしつつも、弾力性を保持する作用を示す。この作用を言い換えるならば、加えられた力による変形に応答する蒸しパンの力学的抵抗を弱くしつつも、加えられた力を除去することにより蒸しパンに加わっていた変形を回復する能力である
本発明における「蒸しパン」は広義に解釈されるべきであり、肉まんやあんまん等の中華饅頭、主に中国で食される饅頭(まんとう)、蒸し饅頭や蒸しカステラ等の菓子類などを包含する。蒸しパンの原料には小麦、米、糯米、澱粉、山芋等が用いられる。
1.蒸しパン用の品質改良剤
本発明の第一の局面は蒸しパン用の品質改良剤に関する。本発明の品質改良剤を使用すると、例えば、冷凍商品やチルド商品として長期に保存した際においても、蒸しパンの柔らかさを保ちながらも、口の中でくちゃつくことなく弾力性を保持することができる。
本発明の第一の局面は蒸しパン用の品質改良剤に関する。本発明の品質改良剤を使用すると、例えば、冷凍商品やチルド商品として長期に保存した際においても、蒸しパンの柔らかさを保ちながらも、口の中でくちゃつくことなく弾力性を保持することができる。
一態様では、本発明の品質改良剤はグルコアミラーゼを含有する。グルコアミラーゼは、本発明者らが見出した作用効果(即ち、蒸しパンの柔らかさを保ち、口の中でくちゃつくことなく弾力性を保持させること)を発揮できる限り特に限定されない。グルコアミラーゼとして市販の酵素剤を用いてもよい。酵素剤の例を挙げると、グルコアミラーゼ「アマノ」2、グルク吟、ソフトマックスS、グルクザイムAF6(以上、天野エンザイム社製)、ノバミル(Novamyl社製)、ノバミル(登録商標)スチーム(以上、ノボザイムス・ジャパン社製)、グリンダミル(Glyndamyl)(ダニスコ・ジャパン社製)である。
後述の実施例に示す通り、生地垂れを防止するという観点から、品質改良剤中のプロテアーゼ活性は少ない方が好ましい。具体的には、デンプン糖化力に対するプロテアーゼの活性の比(プロテアーゼの活性/デンプン糖化力)を0.01以下にすることが好ましい。より具体的には、当該活性比を0.001〜0.01にするとよい。この条件を満たす酵素剤として上掲のソフトマックスSを例示することができる。尚、デンプン糖化力及びプロテアーゼ活性は、原則として、後述の試験例の欄に示した方法で算出される。
本発明に使用するグルコアミラーゼの精製度は特に問わない(但し、プロテアーゼ活性を低く抑えるためには、精製度が高いとよい)。例えば、植物抽出物、動物抽出物、微生物による培養抽出物、或いはこれらの部分精製物なども、本発明で意図される作用効果を発揮できる限り、本発明の品質改良剤の成分として用いることができる。
グルコアミラーゼの含有量は特に限定されない。含有量を例示すると、10%〜100%である。
本発明の一態様ではグルコアミラーゼとリパーゼを併用する。即ち、グルコアミラーゼ及びリパーゼを含有した品質改良剤が提供される。グルコアミラーゼとリパーゼを併用することにより、例えば、柔らかさの維持効果を高めることができる。また、白色化効果も発揮できるようになる。
本明細書で使用するリパーゼは、本発明者らが見出した上記作用効果を発揮できる限り特に限定されない。リパーゼとして市販の酵素剤を用いてもよい。酵素剤の例を挙げると、リパーゼA「アマノ」6、リパーゼ AH「アマノ」SD、リパーゼAY「アマノ」30、リパーゼPS「アマノ」SD、リパーゼDF「アマノ」15、リパーゼM「アマノ」、リパーゼG「アマノ」50、リパーゼR「アマノ」(以上、天野エンザイム社製)、リリパーゼA−10D(以上、ナガセケムテックス社製)、グリンドアミルEXEL639(ダニスコ(Danisco)・ジャパン社製)、ダイエットレンツリパーゼCR、バリダーゼリパーゼMJ、ベイクザイムL80.000B、ピカンターゼA、ピカンターゼAN、ピカンターゼR800、ピカンターゼC3X、ピカンターゼK、ピカンターゼKL、パナモアゴールデン、パナモアスプリング(以上、ディー・エス・エム(DSM)ジャパン社製)、リポパン50BG、リポパンFBG(以上、ノボザイムス(Novozymes)ジャパン社製)エンチロンAKG(洛東化成工業社製)である。好ましくは、リポパン50BG、リポパンFBG、リパーゼM「アマノ」又はリパーゼDF「アマノ」15を用いる。最も好ましくはリパーゼDF「アマノ」15を用いる。
本発明に使用するリパーゼの精製度は特に問わない。例えば、植物抽出物、動物抽出物、微生物による培養抽出物、或いはこれらの部分精製物なども、本発明で意図される作用効果を発揮できる限り、本発明の品質改良剤の成分として用いることができる。
リパーゼの含有量を例示すると、2.5%〜50%である。尚、リパーゼ活性は、原則として、後述の試験例の欄に示した方法で算出される。
本発明の他の一態様では、グルコアミラーゼとプロテイングルタミナーゼを併用する。即ち、グルコアミラーゼ及びプロテイングルタミナーゼを含有した品質改良剤が提供される。グルコアミラーゼとプロテイングルタミナーゼを併用することにより、例えば、柔らかさ及び弾力性の維持効果を高めることができる。また、生地成形時の作業性向上も期待できる。
本明細書で使用するプロテイングルタミナーゼは、本発明者らが見出した上記作用効果を発揮できる限り特に限定されない。例えば、WO2010/029685に記載のプロテイングルタミナーゼを用いることができる。また、プロテイングルタミナーゼ製剤であるPG−50(天野エンザイム社製)を用いてもよい。
プロテイングルタミナーゼの含有量を例示すると、2.5%〜50%である。尚、プロテイングルタミナーゼ活性は、原則として、後述の試験例の欄に示した方法で算出される。
本発明の更なる態様ではグルコアミラーゼ、リパーゼ及びプロテイングルタミナーゼを併用する。即ち、グルコアミラーゼ、リパーゼ及びプロテイングルタミナーゼを含有した品質改良剤が提供される。このように3酵素を併用することにより、例えば、柔らかさ及び弾力性の維持効果を最大化できる。また、白色化効果や生地成形時の作業性向上も期待できることになる。
ところで、後述の実施例に示す通り、リパーゼ及びプロテイングルタミナーゼは、それぞれ単独でも一定の品質改善効果を示した。そこで、本発明の一態様ではリパーゼ又はプロテイングルタミナーゼ、或いはこれらの両者を有効成分として用いる。リパーゼを単独又はプロテイングルタミナーゼとともに用いた場合、特に色調改善効果に優れた品質改良剤となる。他方、プロテイングルタミナーゼを単独又はリパーゼとともに用いた場合には、柔らかを維持する効果や生地成形時の作業性向上効果に優れた品質改良剤となる。
2.蒸しパンの製造方法
本発明の第2の局面は本発明の品質改良剤を使用した蒸しパンの製造方法に関する。本発明の製造方法によれば品質に優れた蒸しパンが得られる。本発明の製造方法では、上記品質改良剤が添加された生地を蒸す工程を行う。例えば、小麦粉などの原材料を混練する際に品質改良剤を添加し、混合する。または、小麦粉などの原材料の混練後に品質改良剤を添加し、混合する。或いは、予め小麦などの原材料に品質改良剤を混合しておくことにしてもよい(プレミックス粉の使用)。
本発明の第2の局面は本発明の品質改良剤を使用した蒸しパンの製造方法に関する。本発明の製造方法によれば品質に優れた蒸しパンが得られる。本発明の製造方法では、上記品質改良剤が添加された生地を蒸す工程を行う。例えば、小麦粉などの原材料を混練する際に品質改良剤を添加し、混合する。または、小麦粉などの原材料の混練後に品質改良剤を添加し、混合する。或いは、予め小麦などの原材料に品質改良剤を混合しておくことにしてもよい(プレミックス粉の使用)。
グルコアミラーゼを含む品質改良剤を使用する場合(他の酵素と併用する場合も該当する)の酵素使用量は、主原料1kg当たり100 U〜2000 U、好ましくは300 U〜1000 Uとする。同様に、リパーゼを含む品質改良剤を使用する場合(他の酵素と併用する場合も該当する)の酵素使用量は、例えば主原料1kg当たり150 U〜4500 U、好ましくは750 U〜3000 Uとし、プロテイングルタミナーゼを含む品質改良剤を使用する場合(他の酵素と併用する場合も該当する)の酵素使用量は、例えば主原料1kg当たり0.5 U〜5 U、好ましくは0.5 U〜2 Uとする。ここでの主原料とは、蒸しパン生地の主たる成分を供給する原料ないし材料であり、主に中国で食される饅頭(まんとう)や中華饅頭を例にとれば小麦である。
二以上の酵素を併用する場合には、相加的効果又は相乗効果が発揮されることから、使用目的に応じた十分な効果が得られるのであれば、酵素使用量を低減させてもよい。酵素使用量を抑えることは、費用の面から好ましいことは当然のこと、製品中の添加物の総量を少なくできるという点においても好ましい。尚、最適な使用量は予備実験を通して容易に設定可能である。
蒸し時間や蒸す方法等は常法に従えばよい。例えば、蒸気が満たされた蒸し器で5分〜1時間程度蒸す。蒸し時間は、製品の種類、特徴、大きさなどによって適宜調整すればよい。
以下、試験例及び実施例を用いて本願発明をより詳細に説明する。
以下、試験例及び実施例を用いて本願発明をより詳細に説明する。
(デンプン糖化力(S-Amy、pH4.5)の活性測定方法)
可溶性澱粉乾燥物1gを少量の水に懸濁し、これを約100mlの沸騰水中に加え、沸騰し始めてから5分間煮沸した後、流水中で冷却する。冷却後、1M酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)を10mlと水を加えて200mlとする。調整した基質10mlを100mlの三角フラスコにとり40±0.1℃の恒温水槽に入れ10分間放置し、これに試料溶液1ml(希釈液は0.05M酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液(pH 4.5))を加え、よく振り混ぜ直ちに40±0.1℃の恒温水槽に入れ正確に30分間放置する。30分後にフェーリング試液を4ml加えよく振り混ぜる。この液をガスバーナー(ガラスセラッミク板上)にのせ60±30秒間で沸騰するように火力を調節し、正確に2分間沸騰させた後、流水中で冷却する。冷却後、ヨウ化カリウム溶液(30%)2ml、硫酸溶液(25%)2mlをこの順序で加え直ちに0.05Mチオ硫酸ナトリウム溶液(定量用)で滴定する。滴定の終点は液の色が白色になった時である。終点が判りにくいは、デンプン試液2〜3滴を加え白色になるまで滴定する。別にブランクとして試料溶液の代わりに水を用いて同様に操作する。本条件下、30分間に10mgのグルコースに相当する還元力の増加をもたらす酵素量を1単位とする。
可溶性澱粉乾燥物1gを少量の水に懸濁し、これを約100mlの沸騰水中に加え、沸騰し始めてから5分間煮沸した後、流水中で冷却する。冷却後、1M酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)を10mlと水を加えて200mlとする。調整した基質10mlを100mlの三角フラスコにとり40±0.1℃の恒温水槽に入れ10分間放置し、これに試料溶液1ml(希釈液は0.05M酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液(pH 4.5))を加え、よく振り混ぜ直ちに40±0.1℃の恒温水槽に入れ正確に30分間放置する。30分後にフェーリング試液を4ml加えよく振り混ぜる。この液をガスバーナー(ガラスセラッミク板上)にのせ60±30秒間で沸騰するように火力を調節し、正確に2分間沸騰させた後、流水中で冷却する。冷却後、ヨウ化カリウム溶液(30%)2ml、硫酸溶液(25%)2mlをこの順序で加え直ちに0.05Mチオ硫酸ナトリウム溶液(定量用)で滴定する。滴定の終点は液の色が白色になった時である。終点が判りにくいは、デンプン試液2〜3滴を加え白色になるまで滴定する。別にブランクとして試料溶液の代わりに水を用いて同様に操作する。本条件下、30分間に10mgのグルコースに相当する還元力の増加をもたらす酵素量を1単位とする。
(プロテアーゼ(pH6.0)の活性測定方法)
ミルクカゼインを正確に1.500g量り、希水酸化ナトリウム試液20mLを加え、90〜95℃で時々、かき混ぜながら正確に10分間加温溶解した後、冷却する。冷後、1/30mol/Lリン酸試液を加えてpH 6.00に調整し、0.1mol/Lリン酸塩緩衝液(pH6.0) 20mL及び水を加えて100mLとする。試験管(15×150mm)にカゼイン溶液1mLを量り、37±0.5℃で10〜15分間放置した後、試料溶液1mLを加え直ちに振り混ぜる。この液を37±0.5℃で正確に60分間放置した後、0.4mol/Lトリクロロ酢酸試液を2mL加え、よく振り混ぜ、更に37±0.5℃で正確に25分間放置し、ろ過(ろ紙,No.131,7cm)する。次に、試験管(18×180mm)に0.4mol/L炭酸ナトリウム試液5mLを量り、上記ろ液1mL及び薄めたフォリン試液(1→5)1mLを加え、よく振り混ぜ37±0.5℃で正確に20分間放置する。この液につき、水を対照とし波長660nmにおける吸光度を測定する。別に、カゼイン溶液1mLに0.4mol/Lトリクロロ酢酸試液2mLを加え、振り混ぜた後、水又は試料溶液1mLを加えたものにつき、以下同様に操作して吸光度を測定する。本条件下、60分間に反応ろ液1mL中にチロジン100μgに相当するアミノ酸を生成させる酵素量を1単位とする。
ミルクカゼインを正確に1.500g量り、希水酸化ナトリウム試液20mLを加え、90〜95℃で時々、かき混ぜながら正確に10分間加温溶解した後、冷却する。冷後、1/30mol/Lリン酸試液を加えてpH 6.00に調整し、0.1mol/Lリン酸塩緩衝液(pH6.0) 20mL及び水を加えて100mLとする。試験管(15×150mm)にカゼイン溶液1mLを量り、37±0.5℃で10〜15分間放置した後、試料溶液1mLを加え直ちに振り混ぜる。この液を37±0.5℃で正確に60分間放置した後、0.4mol/Lトリクロロ酢酸試液を2mL加え、よく振り混ぜ、更に37±0.5℃で正確に25分間放置し、ろ過(ろ紙,No.131,7cm)する。次に、試験管(18×180mm)に0.4mol/L炭酸ナトリウム試液5mLを量り、上記ろ液1mL及び薄めたフォリン試液(1→5)1mLを加え、よく振り混ぜ37±0.5℃で正確に20分間放置する。この液につき、水を対照とし波長660nmにおける吸光度を測定する。別に、カゼイン溶液1mLに0.4mol/Lトリクロロ酢酸試液2mLを加え、振り混ぜた後、水又は試料溶液1mLを加えたものにつき、以下同様に操作して吸光度を測定する。本条件下、60分間に反応ろ液1mL中にチロジン100μgに相当するアミノ酸を生成させる酵素量を1単位とする。
(リパーゼの活性測定方法)
無水炭酸ナトリウム200gを水400mLに溶かし、あらかじめ45±0.5℃で20分間温めたオリブ油(日本薬局方)約1.5L中に乳化が起きないよう静かに攪拌しながら加え、更に室温で約15分間攪拌する。これを室温で20時間以上放置した後、油を遠心分離(5℃,5,000min-1,20分間)する。得た中性オリブ油51.4mLとアラビアゴム溶液158mLをホモゲナイザー容器に入れ、16,000±500min-1で30分間乳化する。平底試験管(32×130mm)に水9mL、タウロコール酸ナトリウム試液2mL及び中性オリブ油乳化液24mLを入れて混ぜ、37±0.5℃で10〜15分間放置する。この液にpH電極と0.02mol/L水酸化ナトリウム液(定量用)注入管を浸し、空気中の二酸化炭素の影響を防ぐため液面に窒素ガスを吹き付けながら以降連続攪拌する。0.02mol/L水酸化ナトリウム(定量用)にてpH7.00に調整し、ビューレットを「0」に合わせる。試料溶液5mLを加えて反応を開始する。直ちにpH7.00を保持するように0.02mol/L水酸化ナトリウム(定量用)を滴下し続け、正確に10分後すばやく0.02mol/L水酸化ナトリウム(定量用)を添加してpH9.00に合わせる(10分間の滴下終了から30秒以内にpH9.00にする)。0.02mol/L水酸化ナトリウム(定量用)の使用量(V10)を記録する。ブランク溶液も同様に操作するが、pH9.00に合わせた後、試料溶液を加え、再びpH9.00に合わせ0.02mol/L水酸化ナトリウム(定量用)の使用量(V0)を記録する。本条件下、1分間に1マイクロモルの遊離脂肪酸を生成するときを1単位とし、次式より算出する。
リパーゼ活性(U/mg)=(V10−V0)×希釈倍数×0.0004
無水炭酸ナトリウム200gを水400mLに溶かし、あらかじめ45±0.5℃で20分間温めたオリブ油(日本薬局方)約1.5L中に乳化が起きないよう静かに攪拌しながら加え、更に室温で約15分間攪拌する。これを室温で20時間以上放置した後、油を遠心分離(5℃,5,000min-1,20分間)する。得た中性オリブ油51.4mLとアラビアゴム溶液158mLをホモゲナイザー容器に入れ、16,000±500min-1で30分間乳化する。平底試験管(32×130mm)に水9mL、タウロコール酸ナトリウム試液2mL及び中性オリブ油乳化液24mLを入れて混ぜ、37±0.5℃で10〜15分間放置する。この液にpH電極と0.02mol/L水酸化ナトリウム液(定量用)注入管を浸し、空気中の二酸化炭素の影響を防ぐため液面に窒素ガスを吹き付けながら以降連続攪拌する。0.02mol/L水酸化ナトリウム(定量用)にてpH7.00に調整し、ビューレットを「0」に合わせる。試料溶液5mLを加えて反応を開始する。直ちにpH7.00を保持するように0.02mol/L水酸化ナトリウム(定量用)を滴下し続け、正確に10分後すばやく0.02mol/L水酸化ナトリウム(定量用)を添加してpH9.00に合わせる(10分間の滴下終了から30秒以内にpH9.00にする)。0.02mol/L水酸化ナトリウム(定量用)の使用量(V10)を記録する。ブランク溶液も同様に操作するが、pH9.00に合わせた後、試料溶液を加え、再びpH9.00に合わせ0.02mol/L水酸化ナトリウム(定量用)の使用量(V0)を記録する。本条件下、1分間に1マイクロモルの遊離脂肪酸を生成するときを1単位とし、次式より算出する。
リパーゼ活性(U/mg)=(V10−V0)×希釈倍数×0.0004
(プロテイングルタミナーゼの活性測定方法)
基質溶液調製法は、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニルグリシン(ペプチド研究所:略名Z-Gln-Gly)0.506gを量り、0.2mol/Lリン酸一カリウム・リン酸二ナトリウム緩衝液(pH6.5)を加え溶解し、50mLに定容する。発色試液A調製法は、フェノール4.05g及びペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物0.015gを量り、水約60mLを加え溶解し、さらに水を加えて100mLに定容する(0.43mol/Lフェノール、0.50mol/Lペンタシアノニトリル鉄(III)酸ナトリウム二水塩水溶液となる)。発色試液B調製法は、水酸化カリウム4.99gを量り、水約60mLを加え溶解し、さらに水を加えて100mLに定容する(0.89mol/L水酸化カリウム水溶液となる)。発色試液C(炭酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム水溶液)調製法は、無水炭酸カリウム20.04g及び次亜塩素酸ナトリウム0.83mL量り、水約60mL加え溶解し、さらに水を加えて100mLに定容する。試験管(18×130mm)に試料溶液0.1mLを入れ、37±0.5℃の恒温水槽中にて正確に1分間放置後、あらかじめ37±0.5℃で10分間放置した基質溶液1mLを正確に加え、直ちに混ぜる。この液について正確に10分間放置した後、0.4mol/Lトリクロロ酢酸試液1mLを加えて混合し、恒温水槽から取り出す。反応液を次の通り調製する。まず、別の試験管(18×130 mm)にあらかじめ水0.8mLを加えておき、反応液0.2mLを加え混合する。次に発色試液Aを1.0mL加え混合し、次に発色試液B液を0.5mL加え混合する。さらに発色試液Cを1.0mL加え混合した後、37±0.5℃の恒温水槽に入れ正確に20分間放置し発色させる。発色操作後、流水中で冷却し、この液につき水を対照として、波長630nmにおける吸光度を測定する。ブランクとして試験管(18×130mm)に試料溶液0.1mLを入れ、0.4mol/Lトリクロロ酢酸試液1mLを加え混合し、次に基質溶液1mLを加えて混合する。ブランク液は次の通り調製する。まず、別の試験管(18×130 mm)にあらかじめ水0.8mLを加えておく。ここにブランク液0.2mLを加えて混合する。次に発色試液A液1.0mLを加え混合し、発色試液B液0.5mLを加え混合し、さらに発色試液C液1.0mLを加え混合し、37±0.5℃の恒温水槽に入れ正確に20分間放置し発色させる。発色操作後、流水中で冷却し、この液につき水を対照として、波長630nmにおける吸光度を測定する。吸光度測定は、発色操作後60分以内に行う。本条件下、1分間に1μmolのアンモニアを生成する酵素量を1単位とする。
基質溶液調製法は、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニルグリシン(ペプチド研究所:略名Z-Gln-Gly)0.506gを量り、0.2mol/Lリン酸一カリウム・リン酸二ナトリウム緩衝液(pH6.5)を加え溶解し、50mLに定容する。発色試液A調製法は、フェノール4.05g及びペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物0.015gを量り、水約60mLを加え溶解し、さらに水を加えて100mLに定容する(0.43mol/Lフェノール、0.50mol/Lペンタシアノニトリル鉄(III)酸ナトリウム二水塩水溶液となる)。発色試液B調製法は、水酸化カリウム4.99gを量り、水約60mLを加え溶解し、さらに水を加えて100mLに定容する(0.89mol/L水酸化カリウム水溶液となる)。発色試液C(炭酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム水溶液)調製法は、無水炭酸カリウム20.04g及び次亜塩素酸ナトリウム0.83mL量り、水約60mL加え溶解し、さらに水を加えて100mLに定容する。試験管(18×130mm)に試料溶液0.1mLを入れ、37±0.5℃の恒温水槽中にて正確に1分間放置後、あらかじめ37±0.5℃で10分間放置した基質溶液1mLを正確に加え、直ちに混ぜる。この液について正確に10分間放置した後、0.4mol/Lトリクロロ酢酸試液1mLを加えて混合し、恒温水槽から取り出す。反応液を次の通り調製する。まず、別の試験管(18×130 mm)にあらかじめ水0.8mLを加えておき、反応液0.2mLを加え混合する。次に発色試液Aを1.0mL加え混合し、次に発色試液B液を0.5mL加え混合する。さらに発色試液Cを1.0mL加え混合した後、37±0.5℃の恒温水槽に入れ正確に20分間放置し発色させる。発色操作後、流水中で冷却し、この液につき水を対照として、波長630nmにおける吸光度を測定する。ブランクとして試験管(18×130mm)に試料溶液0.1mLを入れ、0.4mol/Lトリクロロ酢酸試液1mLを加え混合し、次に基質溶液1mLを加えて混合する。ブランク液は次の通り調製する。まず、別の試験管(18×130 mm)にあらかじめ水0.8mLを加えておく。ここにブランク液0.2mLを加えて混合する。次に発色試液A液1.0mLを加え混合し、発色試液B液0.5mLを加え混合し、さらに発色試液C液1.0mLを加え混合し、37±0.5℃の恒温水槽に入れ正確に20分間放置し発色させる。発色操作後、流水中で冷却し、この液につき水を対照として、波長630nmにおける吸光度を測定する。吸光度測定は、発色操作後60分以内に行う。本条件下、1分間に1μmolのアンモニアを生成する酵素量を1単位とする。
(蒸しパンの製造方法)
以下に示す配合(表1)でストレート法により蒸しパンを製造した。実施例に用いる配合は特にことわりがない限り、レシピAを用いた。下記レシピを調製し、自動パン焼き機(ホームベーカリーSD−BT50(松下電器産業社製))のプログラムに基づきミキシングを行った。35℃で40分発酵させた後、100gごとに生地を分割した。分割生地を手に取ってきれいな面を出し、表面を手のひらで包み込むようにまるめて整え成形した後、生地の表面が乾かないように濡れた布巾を用いて、室温で20分生地を静置した。静置後、水を入れた蒸し器の上に固く絞った布巾を敷き蒸し器を加熱し、十分に蒸気が上がったら間隔をあけて生地を並べ、ふたをして15分間蒸し、蒸したものを取り出し2時間室温まで冷却した後、ビニール袋に入れて25℃で保管した。
以下に示す配合(表1)でストレート法により蒸しパンを製造した。実施例に用いる配合は特にことわりがない限り、レシピAを用いた。下記レシピを調製し、自動パン焼き機(ホームベーカリーSD−BT50(松下電器産業社製))のプログラムに基づきミキシングを行った。35℃で40分発酵させた後、100gごとに生地を分割した。分割生地を手に取ってきれいな面を出し、表面を手のひらで包み込むようにまるめて整え成形した後、生地の表面が乾かないように濡れた布巾を用いて、室温で20分生地を静置した。静置後、水を入れた蒸し器の上に固く絞った布巾を敷き蒸し器を加熱し、十分に蒸気が上がったら間隔をあけて生地を並べ、ふたをして15分間蒸し、蒸したものを取り出し2時間室温まで冷却した後、ビニール袋に入れて25℃で保管した。
(蒸しパンの評価方法)
評価項目は4つ(比容積、ソフトネス、弾力性、官能試験)とした。容積は菜種置換法で測定し、容積(mL)を蒸しパン重量(g)で割った値を比容積とした。ソフトネスと弾力性はレオメーター(SUN RHEO METER COMPAC−100II; サン科学社製)による押し込み荷重を測定することにより評価した。
評価項目は4つ(比容積、ソフトネス、弾力性、官能試験)とした。容積は菜種置換法で測定し、容積(mL)を蒸しパン重量(g)で割った値を比容積とした。ソフトネスと弾力性はレオメーター(SUN RHEO METER COMPAC−100II; サン科学社製)による押し込み荷重を測定することにより評価した。
蒸しパンのソフトネスと弾力性は下記の通り測定した。厚さ20mmにスライスした蒸しパンを円形にくり抜き、押し込み速度1mm/sで押し込み、蒸しパンの厚さが1/2になるまで押し込んだ時の荷重を測定し、ソフトネス(=最大荷重(g))とした。押し込まれて1/2の厚さになった蒸しパンを30秒間固定し、そのとき(30秒後)の荷重を測定し、その値を最大荷重で割った値を弾力性(%)とした。
生地調製時の作業性、官能試験はパネラーによる評価とした。官能試験では蒸したて時の蒸しパンで評価した。評価項目としては内相の均一性、口溶け、香り、甘み、白さ、歯切れの6項目について行った。いずれも評価基準は下記の通りである。
++: 対照と比較して非常に良好。
+: 対照と比較して良好。
±: 対照と比較して変化なし。
−: 対照と比較して不良。
−−: 対照と比較して非常に不良。
++: 対照と比較して非常に良好。
+: 対照と比較して良好。
±: 対照と比較して変化なし。
−: 対照と比較して不良。
−−: 対照と比較して非常に不良。
実施例1 グルコアミラーゼの蒸しパンへの応用(1)
配合レシピAに各種酵素を添加し、上述の方法により蒸しパンを製造した。酵素は、ソフトマックスS(低プロテアーゼ活性グルコアミラーゼ剤;天野エンザイム社製)、グルクザイムAF6(Rizopus oryzae由来のグルコアミラーゼ剤;天野エンザイム社製)を使用した。尚、以下の実施例においては基本配合、工程及び評価方法は特に断らない限り試験例に記載した方法と同一とした。なお、各添加量当たりの酵素活性は表2の通りである。
配合レシピAに各種酵素を添加し、上述の方法により蒸しパンを製造した。酵素は、ソフトマックスS(低プロテアーゼ活性グルコアミラーゼ剤;天野エンザイム社製)、グルクザイムAF6(Rizopus oryzae由来のグルコアミラーゼ剤;天野エンザイム社製)を使用した。尚、以下の実施例においては基本配合、工程及び評価方法は特に断らない限り試験例に記載した方法と同一とした。なお、各添加量当たりの酵素活性は表2の通りである。
酵素剤を下記の通り添加し(処方1〜5)、蒸しパンの評価を行った。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: グルクザイムAF6を1000単位/kg小麦粉。
処方3: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉。
処方4:グルクザイムAF6を2000単位/kg小麦粉。
処方5: ソフトマックスSを2000単位/kg小麦粉。
各保管時間(4時間、1日間、3日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表3に示す。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: グルクザイムAF6を1000単位/kg小麦粉。
処方3: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉。
処方4:グルクザイムAF6を2000単位/kg小麦粉。
処方5: ソフトマックスSを2000単位/kg小麦粉。
各保管時間(4時間、1日間、3日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表3に示す。
グルクザイムAF6を用いることにより、1000単位/kg小麦粉では蒸しパンを柔らかく維持する効果が認められた。ただグルクザイムAF6を2000単位/kg小麦粉添加した際にはべたつきが生じ、生地が立たなくなってしまい蒸しパンを成形できなかった。一方で、ソフトマックスSは2000単位/kg小麦粉添加した際も生地のべたつきは生じず、作業性は良好であった。このことから、プロテアーゼ活性の高さが生地調製時の作業性に影響を与えているものと考えられる。
実施例2 グルコアミラーゼの蒸しパンへの応用(2)
Rizopus oryzae由来のグルコアミラーゼ剤を用いて、プロテアーゼ活性が異なるGA剤を調製した。調製した各酵素剤(GA I、GA II、GA III、GA IV)のデンプン糖化力とプロテアーゼ活性の比率は表4の通りである。
Rizopus oryzae由来のグルコアミラーゼ剤を用いて、プロテアーゼ活性が異なるGA剤を調製した。調製した各酵素剤(GA I、GA II、GA III、GA IV)のデンプン糖化力とプロテアーゼ活性の比率は表4の通りである。
実施例1の配合を基本とし、酵素を以下のように調製した。
処方1: 酵素剤無添加(対照)
処方2: GA Iを2000単位/kg小麦粉。
処方3: GA IIを2000単位/kg小麦粉。
処方4: GA IIIを2000単位/kg小麦粉。
処方5: GA IVを2000単位/kg小麦粉。
処方1: 酵素剤無添加(対照)
処方2: GA Iを2000単位/kg小麦粉。
処方3: GA IIを2000単位/kg小麦粉。
処方4: GA IIIを2000単位/kg小麦粉。
処方5: GA IVを2000単位/kg小麦粉。
グルコアミラーゼ剤の中にPro/S-Amy比率0.036と0.023を用いることにより、2000単位/kg小麦粉添加ではべたつきが生じ、生地が立たなくなってしまい蒸しパンを成形できなかった。Pro/S-Amy比率0.013を2000単位/kg小麦粉添加した際には蒸しパンを柔らかく維持する効果が認められたが、蒸しパンの弾力性が若干弱かった。そのため、Pro/S-Amy比率は0.01以下の夾雑プロテアーゼ比率が好ましいと考えられた。
実施例3 グルコアミラーゼの蒸しパンへの応用(3)
実施例1の配合を基本とし、酵素を以下のように調製した。
処方1: 酵素剤無添加(対照)
処方2: ノバミル10000BGを50ppm。
処方3: ノバミル(登録商標)スチームを50ppm。
処方4: ソフトマックスSを250単位/kg小麦粉。
処方5: ソフトマックスSを500単位/kg小麦粉。
処方6: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉。
3日間保管した際の測定結果及び評価結果をまとめて表6に示す。
実施例1の配合を基本とし、酵素を以下のように調製した。
処方1: 酵素剤無添加(対照)
処方2: ノバミル10000BGを50ppm。
処方3: ノバミル(登録商標)スチームを50ppm。
処方4: ソフトマックスSを250単位/kg小麦粉。
処方5: ソフトマックスSを500単位/kg小麦粉。
処方6: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉。
3日間保管した際の測定結果及び評価結果をまとめて表6に示す。
以上の結果より、ソフトマックスSを250単位/kg小麦粉以上添加した場合に比容積が大きくなり、口溶け、歯切れのよい蒸しパンとなることがわかる。
実施例4 グルコアミラーゼの蒸しパンへの応用(4)
実施例1の配合を基本とし酵素を以下の様に添加した。酵素剤として、ビオザイムF10SD(Aspergillus Oryzae由来のα-アミラーゼ、天野エンザイム社製)、ヘミセルラーゼ「アマノ」90(Aspergillus niger由来ヘミセルラーゼ剤、天野エンザイム社製)、グルコースオキシダーゼとしてハイデラーゼ15(Aspergillus niger由来グルコースオキシダーゼ剤:天野エンザイム社製)を使用した。各保管時間(4時間、3日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表7に示す。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: ビオザイムF10SDを5ppm。
処方3: ヘミセルラーゼ「アマノ」90を50ppm。
処方4: ハイデラーゼ15を30ppm。
処方5: ソフトマックスSを2000単位/kg小麦粉。
実施例1の配合を基本とし酵素を以下の様に添加した。酵素剤として、ビオザイムF10SD(Aspergillus Oryzae由来のα-アミラーゼ、天野エンザイム社製)、ヘミセルラーゼ「アマノ」90(Aspergillus niger由来ヘミセルラーゼ剤、天野エンザイム社製)、グルコースオキシダーゼとしてハイデラーゼ15(Aspergillus niger由来グルコースオキシダーゼ剤:天野エンザイム社製)を使用した。各保管時間(4時間、3日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表7に示す。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: ビオザイムF10SDを5ppm。
処方3: ヘミセルラーゼ「アマノ」90を50ppm。
処方4: ハイデラーゼ15を30ppm。
処方5: ソフトマックスSを2000単位/kg小麦粉。
上記結果より、ビオザイムF10SDについては老化防止効果が認められた。ヘミセルラーゼ「アマノ」90は蒸しパンのボリュームアップは顕著であったものの生地の作業性に問題が見られた。ハイデラーゼ15では蒸しパンの表面がやや乾燥したものの生地の作業性という観点から優位性が見られた。ソフトマックスSではボリュームアップ、ソフトネスの維持、甘み、口溶けの観点からも優れた蒸しパンをつくることができた。
実施例5 リパーゼの蒸しパンへの応用
実施例1の配合を基本とし酵素を以下の様に添加した。酵素剤として、リパーゼDF「アマノ」15(Rhizopus delemar由来のリパーゼ、天野エンザイム社製)、リパーゼM「アマノ」(Mucor javanicus由来のリパーゼ、天野エンザイム社製)、リポパンTM 50BG(Thermomyces lanuginosus由来の遺伝子をAspergillus oryzaeに組換えされて得た酵素剤、ノボザイムス社製)、リポパンFBG(Fusarium oxysporum由来の遺伝子をAspergillus oryzaeに組換えされて得た酵素剤、ノボザイムス社製)を使用した。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: リポパンTM50BGを50ppm。
処方3: リポパンFBGを60ppm。
処方4: リパーゼM「アマノ」を10ppm。
処方5: リパーゼDF「アマノ」15を1500単位/kg小麦粉。
各保管時間(1日間、4日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表8に示す。
実施例1の配合を基本とし酵素を以下の様に添加した。酵素剤として、リパーゼDF「アマノ」15(Rhizopus delemar由来のリパーゼ、天野エンザイム社製)、リパーゼM「アマノ」(Mucor javanicus由来のリパーゼ、天野エンザイム社製)、リポパンTM 50BG(Thermomyces lanuginosus由来の遺伝子をAspergillus oryzaeに組換えされて得た酵素剤、ノボザイムス社製)、リポパンFBG(Fusarium oxysporum由来の遺伝子をAspergillus oryzaeに組換えされて得た酵素剤、ノボザイムス社製)を使用した。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: リポパンTM50BGを50ppm。
処方3: リポパンFBGを60ppm。
処方4: リパーゼM「アマノ」を10ppm。
処方5: リパーゼDF「アマノ」15を1500単位/kg小麦粉。
各保管時間(1日間、4日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表8に示す。
リポパンTM50BG、リポパンFBG、リパーゼM「アマノ」、リパーゼDF「アマノ」15のいずれのリパーゼにも蒸しパンの白色化効果が認められた。とりわけリパーゼDF「アマノ」15は老化防止効果に優れていることがわかった。
実施例6 リパーゼとグルコアミラーゼとの併用による蒸しパンへの効果
さらにリパーゼとグルコアミラーゼとの併用効果を検証するため、ソフトマックスSとリパーゼDF「アマノ」15の両酵素剤を添加し実験を行い、比較を試みた。
処方1: 酵素剤無添加(対照)
処方2: ノバミル10000BGを50ppm。
処方3: ノバミル(登録商標)スチームを50ppm。
処方4: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉。
処方5: リパーゼDF「アマノ」15を1500単位/kg小麦粉。
処方6: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉、リパーゼDF「アマノ」15を1500単位/kg小麦粉。
各保管時間(4時間、1日間、3日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表9に示す。
さらにリパーゼとグルコアミラーゼとの併用効果を検証するため、ソフトマックスSとリパーゼDF「アマノ」15の両酵素剤を添加し実験を行い、比較を試みた。
処方1: 酵素剤無添加(対照)
処方2: ノバミル10000BGを50ppm。
処方3: ノバミル(登録商標)スチームを50ppm。
処方4: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉。
処方5: リパーゼDF「アマノ」15を1500単位/kg小麦粉。
処方6: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉、リパーゼDF「アマノ」15を1500単位/kg小麦粉。
各保管時間(4時間、1日間、3日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表9に示す。
ソフトマックスSとリパーゼDF「アマノ」15の併用によって、各々単独で用いるよりソフトネスの維持効果が高まることがわかった。
さらに、低い添加量のソフトマックスSとリパーゼDF「アマノ」15を併用する相乗効果を評価した。また、レシピBも一緒に評価した。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: ノバミル(登録商標)スチームを300単位/kg小麦粉、リパーゼDF「アマノ」15を1500単位/kg小麦粉(レシピA)。
処方3: ソフトマックスSを30ppm、リパーゼDF「アマノ」15を10ppm(レシピA)。
処方4: 酵素剤無添加(対照)(レシピB)。
処方5: ノバミル(登録商標)スチームを50ppm(レシピB)。
処方6: ソフトマックスSを300単位/kg小麦粉、リパーゼDF「アマノ」15を1500単位/kg小麦粉(レシピB)。
各保管時間(4時間、1日間、2日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表10に示す。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: ノバミル(登録商標)スチームを300単位/kg小麦粉、リパーゼDF「アマノ」15を1500単位/kg小麦粉(レシピA)。
処方3: ソフトマックスSを30ppm、リパーゼDF「アマノ」15を10ppm(レシピA)。
処方4: 酵素剤無添加(対照)(レシピB)。
処方5: ノバミル(登録商標)スチームを50ppm(レシピB)。
処方6: ソフトマックスSを300単位/kg小麦粉、リパーゼDF「アマノ」15を1500単位/kg小麦粉(レシピB)。
各保管時間(4時間、1日間、2日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表10に示す。
上記結果より、レシピAでも、ショートニングと砂糖が入っていないレシピBでも、ソフトマックスSを300単位/kg小麦粉、リパーゼDF「アマノ」15を1500単位/kg小麦粉添加すれば、老化防止及び白色化効果を得られることが認められた。
実施例7 プロテイングルタミナーゼの蒸しパンへの応用
酵素剤として、プロテイングルタミナーゼ(PG−50、Chryseobacterium proteolyticum由来の酵素剤;天野エンザイム社製)を使用した。
処方1: 酵素剤無添加(対照)
処方2: PG−50を0.25単位/kg小麦粉。
処方3: PG−50を1単位/kg小麦粉。
処方4: PG−50を2単位/kg小麦粉。
各保管時間(1日間、4日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表11に示す。
酵素剤として、プロテイングルタミナーゼ(PG−50、Chryseobacterium proteolyticum由来の酵素剤;天野エンザイム社製)を使用した。
処方1: 酵素剤無添加(対照)
処方2: PG−50を0.25単位/kg小麦粉。
処方3: PG−50を1単位/kg小麦粉。
処方4: PG−50を2単位/kg小麦粉。
各保管時間(1日間、4日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表11に示す。
上記結果より、PG−50を1単位/kg小麦粉以上添加した際に、蒸しパンのソフトネス維持効果が認められ、生地成形の作業性も向上した。
実施例8 グルコアミラーゼとプロテイングルタミナーゼとの併用による蒸しパンへの効果
さらにグルコアミラーゼとプロテイングルタミナーゼとの併用による効果を検証した。グルコアミラーゼにはソフトマックスS、プロテイングルタミナーゼにはPG−50をそれぞれ用いた。酵素剤の添加を下記の通りとし、比較実験を行った。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉。
処方3: PG−50を1単位/kg小麦粉。
処方4: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉。
各保管時間(1日間、4日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表12に示す。
さらにグルコアミラーゼとプロテイングルタミナーゼとの併用による効果を検証した。グルコアミラーゼにはソフトマックスS、プロテイングルタミナーゼにはPG−50をそれぞれ用いた。酵素剤の添加を下記の通りとし、比較実験を行った。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉。
処方3: PG−50を1単位/kg小麦粉。
処方4: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉。
各保管時間(1日間、4日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表12に示す。
上記結果よりソフトマックスSとPG−50を併用することにより、各々単独で用いる際よりも蒸しパンのソフトネス維持、弾力性の維持に効果があることがわかった。
さらに、グルコアミラーゼの添加量を減らした際の効果についても確認した。
酵素剤の添加を下記の通りとし、比較実験を行った。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: ソフトマックスSを300単位/kg小麦粉。
処方3: PG−50を1単位/kg小麦粉。
処方4: ソフトマックスSを300単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉。
各保管時間(4時間、1日間、2日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表13に示す。
酵素剤の添加を下記の通りとし、比較実験を行った。
処方1: 酵素剤無添加(対照)。
処方2: ソフトマックスSを300単位/kg小麦粉。
処方3: PG−50を1単位/kg小麦粉。
処方4: ソフトマックスSを300単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉。
各保管時間(4時間、1日間、2日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表13に示す。
上記結果より、ソフトマックスSの添加量を減らした場合においても十分な効果が認められた。
実施例9 グルコアミラーゼ、プロテイングルタミナーゼ、リパーゼの併用効果(1)
酵素剤を下記の通り添加し、蒸しパンの評価を行った。
処方1: 酵素剤無添加(対照)
処方2: ノバミル(登録商標)スチームを50ppm
処方3: ソフトマックスSを100単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉、リパーゼDF15を1500単位/kg小麦粉
処方4: ソフトマックスSを200単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉、リパーゼDF15を1500単位/kg小麦粉
処方5: ソフトマックスSを300単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉、リパーゼDF15を1500単位/kg小麦粉
処方6: ソフトマックスSを500単位/kg小麦粉ppm、PG−50を1単位/kg小麦粉、リパーゼDF15を1500単位/kg小麦粉
処方7: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉、リパーゼDF15を1500単位/kg小麦粉
各保管時間(4時間、3日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表14に示す。
酵素剤を下記の通り添加し、蒸しパンの評価を行った。
処方1: 酵素剤無添加(対照)
処方2: ノバミル(登録商標)スチームを50ppm
処方3: ソフトマックスSを100単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉、リパーゼDF15を1500単位/kg小麦粉
処方4: ソフトマックスSを200単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉、リパーゼDF15を1500単位/kg小麦粉
処方5: ソフトマックスSを300単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉、リパーゼDF15を1500単位/kg小麦粉
処方6: ソフトマックスSを500単位/kg小麦粉ppm、PG−50を1単位/kg小麦粉、リパーゼDF15を1500単位/kg小麦粉
処方7: ソフトマックスSを1000単位/kg小麦粉、PG−50を1単位/kg小麦粉、リパーゼDF15を1500単位/kg小麦粉
各保管時間(4時間、3日間)における測定結果及び評価結果をまとめて表14に示す。
上記結果より、3種の酵素剤の併用においてグルコアミラーゼ量を増やせば増やすほど、蒸しパンの生地調製時の作業性が向上した。また蒸したて時の蒸しパンはふんわりとしており(ボリュームが増えている。)、歯にくちゃつくことなく良好な弾力性を保っており、ほどよい甘さが認められた。
実施例10 グルコアミラーゼ、プロテイングルタミナーゼ、リパーゼの併用効果(2)
実施例9の処方による蒸しパンをさらに低温で保管した際の評価を行った。蒸したての蒸しパンを2時間室温(25℃)で冷まし、ビニール袋に入れて4℃で5日間保管した。保管した蒸しパンを室温(25℃)にもどし、電子レンジ(ER-HD500,東芝製)で加熱(「ソフト」コースを使用。袋に入れたまま加熱したものと袋から取り出して加熱したものを比較した。)後、室温(25℃)に冷ましてパフォーマンスを評価した。結果を表15に示す。
実施例9の処方による蒸しパンをさらに低温で保管した際の評価を行った。蒸したての蒸しパンを2時間室温(25℃)で冷まし、ビニール袋に入れて4℃で5日間保管した。保管した蒸しパンを室温(25℃)にもどし、電子レンジ(ER-HD500,東芝製)で加熱(「ソフト」コースを使用。袋に入れたまま加熱したものと袋から取り出して加熱したものを比較した。)後、室温(25℃)に冷ましてパフォーマンスを評価した。結果を表15に示す。
袋で覆わずに電子レンジで加熱すると、蒸しパン中の水分が蒸気となって減少してしまうことが従来より懸念されていたが、上記結果より電子レンジ加熱時における袋使用の有無に関わらず、酵素剤添加による蒸しパンの機能性向上が確認できた。
本発明の品質改良剤は蒸しパンの品質改良に有効である。本発明の品質改良剤によれば蒸しパンの味や風味を損なうことなく、蒸しパンの品質(例えば、柔らかさ、弾力性)を長期間に亘って維持することができる。本発明の品質改良剤は、冷凍商品又はチルド商品として提供される蒸しパン(通常は再加熱して食される)の品質改良にも有用であり、電子レンジ等で加熱した場合の収縮やしわ或いは表面がふやけることを抑制し得る。
この発明は上記発明の実施の形態及び実施例の説明になんら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲での種々の態様もこの発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報のなどの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
Claims (8)
- グルコアミラーゼを含有する蒸しパン用の品質改良剤。
- プロテアーゼ活性が低いことを特徴とする、請求項1に記載の品質改良剤。
- デンプン糖化力に対するプロテアーゼの活性の比(プロテアーゼの活性/デンプン糖化力)が0.01以下であることを特徴とする、請求項2に記載の品質改良剤。
- さらにリパーゼを含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の品質改良剤。
- さらにプロテイングルタミナーゼを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の品質改良剤。
- リパーゼを含有する蒸しパン用の品質改良剤。
- プロテイングルタミナーゼを含有する蒸しパン用の品質改良剤。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の品質改良剤が添加された生地を蒸す工程を含む、蒸しパンの製造方法。
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