JPWO2012035710A1 - 高粘度高級アルファオレフィン重合体及びその製造方法 - Google Patents

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深奈子 辻
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Abstract

下記(A)〜(D)を満たすアルファオレフィン重合体。(A)立体規則性指標[mm]の範囲が10〜50mol%(B)100℃動粘度の範囲が200〜10,000mm2/s(C)2量体及び3量体成分の割合が2質量%未満(D)平均炭素数が4〜30

Description

本発明は潤滑油基材、添加剤及び機能性ワックスに適した新規なアルファオレフィン重合体及びその製造方法に関するものである。
高級アルファオレフィン重合体(PAO)の製造は、これまで、バッチ重合が主流であった。また、オレフィン鎖長がPAOの物性に影響を与えることから、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンを主な原料としてきた(例えば、特許文献1−2参照。)。
PAOには、用途等により要求される、いくつかの粘度レベルがあり、粘度を制御するために、BF、AlCl又は酸化コバルトといった触媒が使用されている。BFやAlClで得られたPAOは分子量が低く、低粘度の潤滑油である。高粘度のPAOを合成するには、反応温度を低くすることが必要であり、その結果、生産性が低下するという課題があった。
ところで、アルファオレフィン重合においては、立体規則性が低い重合体の方が分子量は低く低粘度となる傾向があり、立体規則性が高い重合体の方が分子量が高く高粘度となる傾向がある。また、メタロセン錯体を使用して重合体を製造する場合、高温で反応すると低分子量の重合体が生成し、低温で反応すると高分子量の重合体が生成するという特徴がある。
例えば、非特許文献1にはラセミ型メタロセン錯体では反応温度を上げると分子量が低くなることが記載されている。また、得られる重合体の立体規則性も高い。
特許文献3には、メソ型メタロセン錯体を使用し、65℃で反応させたアルファオレフィン重合体の製造例が記載されている。この製造例では、比較的低温での反応にもかかわらず、高粘度の重合体は得られていない。
特許文献4には立体規則性が中程度又は低く、分子量が高いポリプロピレンが製造できることが開示されている。しかしながら、炭素数が4(C4)以上のアルファオレフィンに関するものではない。プロピレンとC4以上のアルファオレフィンでは反応性が異なるため、ポリプロピレンが製造できてもC4以上のアルファオレフィンが重合できるとはいえない。
特許文献5では、一般的なメタロセン錯体を使用したPAOの製造方法が記載されている。本文献には、反応温度を100℃と比較的高温とした実施例があるが、BFやAlClで得られるPAOと同程度の粘度領域のものが生成する。尚、特許文献3の重合体は、ポリマー末端が2,1結合で停止することを特徴としている。実施例では高温での高粘度重合体の製造が難しく、低温での反応となることから、生産性が低くなるという課題がある。また、助触媒にメチルアミノキサン(MAO)を用いているため、触媒残渣が増加し、脱灰工程で負荷となることが考えられる。また、不飽和結合を含む重合体であることから、水添工程が必要であり、脱灰工程及び水添工程により製造コストが高くなるという課題がある。
特許文献6には高粘度の重合体が得られることが記載されている。しかしながら、この重合体は立体規則性(シンジオタクティシティー)が高い。また、高粘度の重合体を製造するために低温で反応させており、高温での高粘度重合体生成は難しいという課題がある。
特許文献7には高粘度の重合体が得られることが記載されている。しかしながら、停止末端等に関する記述はなく、水素を反応系中に導入していないことから重合物は不飽和結合を有すると考えられる。また、エチレンを反応系中に導入していることからエチレン連鎖を含む重合体である。さらに、高粘度を製造するために低温で反応させており、高温での高粘度重合体生成は難しいという課題がある。
米国特許3,149,178号公報 米国特許3,382,291号公報 特開2001−335607号公報 特開平8−259583号公報 特開2009−501836号公報 特開2005−200448号公報 特開2005−200447号公報
Journal of Polymer Science PartA Vol.38 2333−2339(2000)
本発明は、高温による重合でも、高粘度のPAOが得られ、かつ生産性の高いPAOの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、所定の遷移金属化合物を含有する触媒を使用することで、高温で反応させても、立体規則性が低く、高粘度かつ組成分布を制御したアルファオレフィン重合体が得られることを見出した。そして、本発明の触媒を使用して製造したアルファオレフィン重合体が、潤滑油向け基材、添加剤等の用途に適していることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下のアルファオレフィン重合体等が提供される。
1.下記(A)〜(D)を満たすアルファオレフィン重合体。
(A)立体規則性指標[mm]の範囲が10〜50mol%
(B)100℃動粘度の範囲が200〜10,000mm/s
(C)2量体及び3量体成分の割合が2質量%未満
(D)平均炭素数が4〜30
2.非晶質であり、さらに、下記(E)〜(G)を満たす1に記載のアルファオレフィン重合体。
(E)流動点が−15℃以下
(F)粘度指数が150以上
(G)平均炭素数が4〜15
3.結晶性であり、さらに、下記(H)及び(I)を満たす1に記載のアルファオレフィン重合体。
(H)示差走査型熱量計(DSC)による融点(Tm)測定において得られる融解ピークが20〜100℃の間で1つであり、該融解ピークの面積から計算される融解吸熱量(ΔH)が20J/g以上、かつ半値幅が10℃以下である。
(I)平均炭素数が16〜30
4.下記式(I)で表されるメソ型の遷移金属化合物。
Figure 2012035710
〔式(I)中、Mは周期律表第3〜10族の金属元素を示し、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよい。A及びAは、それぞれ下記式(IIa)及び(IIb)で表される架橋基を示し、A及びAは異なる基である。
Figure 2012035710
(式中、A及びA’はそれぞれ炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、及びスズ含有基から選ばれる基を示し、置換基を有していてもよい。m及びnは2以上の整数である。)
qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。Eは、下記式(IIc)で表される基であって、2つのEは同一でも異なっていてもよい。
Figure 2012035710
(式(IIc)中、R〜Rは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜4のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基又はヘテロ原子含有基を示す。波線を有する結合は架橋基A及びAとの結合を表す。)〕
5.前記式(IIa)及び(IIb)のA及びA’が、それぞれ下記式(IIIa)及び(IIIb)で表される基である4に記載の遷移金属化合物。
Figure 2012035710
〔式中、Z及びZ’は、それぞれ炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子であり、R11、R12、R11’及びR12’は、それぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、窒素含有基、珪素含有基又はハロゲン含有基を表す。〕
6.上記4又は5に記載の遷移金属化合物(A)と、下記(B−1)及び(B−2)の少なくとも一方の化合物(B)と、有機アルミニウム化合物(C)と、を含有する重合用触媒。
(B−1)前記遷移金属化合物(A)又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物
(B−2)アルミノキサン
7.前記アルミノキサン(B−2)が、下記式(VII)又は式(VIII)である6に記載の重合用触媒。
Figure 2012035710
(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示す。尚、各Rは同じでも異なっていてもよい。)
8.上記6又は7に記載の重合用触媒を使用して、アルファオレフィンを重合させる、1に記載のアルファオレフィン重合体の製造方法。
9.重合用触媒の成分である前記遷移金属化合物(A)、前記化合物(B)及び前記有機アルミニウム化合物(C)を予め接触させて得た重合用触媒を使用する、8に記載のアルファオレフィン重合体の製造方法。
10.重合用触媒の成分である前記遷移金属化合物(A)、前記化合物(B)、及び前記有機アルミニウム化合物(C)と、炭素数3〜18のアルファオレフィンを予め接触させて得た重合用触媒を使用する、8に記載のアルファオレフィン重合体の製造方法。
11.反応温度が80〜200℃である8〜10のいずれかに記載のアルファオレフィン重合体の製造方法。
12.反応時の水素圧が、常圧〜10MPa(G)である8〜11のいずれかに記載のアルファオレフィン重合体の製造方法。
13.上記8〜12のいずれかに記載の製造方法により得られる、1に記載のアルファオレフィン重合体。
本発明の遷移金属化合物を触媒成分として用いることで、高温で重合しても高粘度のアルファオレフィン重合体が得られる。
高温で重合できることにより、高粘度の重合物が生成しても反応器内での粘度が下がるため、流動性が良くなり、序熱効率が良くなることから生産性向上が期待できる。また、本発明の錯体は重合体の不飽和量を低く抑えることができるため、水添工程への負荷を減らすことが期待できる。
また、触媒残渣を低減できる。さらに、重合時に水素を導入することで飽和構造の重合体が得られるため、水添工程を省略出来る可能性があり、さらなる低コスト化が期待できる。
本発明のアルファオレフィン重合体は、立体規則性が低く、かつ2量体成分及び3量体成分が少ない重合体である。
本発明のアルファオレフィン重合体は、下記(A)〜(D)を満たすことを特徴とする。
(A)立体規則性指標[mm]の範囲が10〜50mol%
(B)100℃動粘度の範囲が200〜10,000mm/s
(C)2量体及び3量体成分の割合が2%未満
(D)平均炭素数が4〜30
以下、各要件について説明する。
(A)立体規則性指標(メソトリアッド分率)[mm]
本発明のアルファオレフィン重合体は、[mm]が10〜50mol%である。好ましくは25〜50mol%であり、より好ましくは30〜40mol%である。[mm]が50mol%超であると、低温特性に劣る。一方、10mol%以上であると、低温特性の点でより好ましい。
[mm]は、13C−NMRで測定できる。
[mm]は、重合触媒、重合温度、圧力、モノマー濃度等により制御できる。
(B)100℃動粘度
本発明のアルファオレフィン重合体は、JISK2283に準拠して測定した100℃動粘度が200〜10000mm/sである。100℃動粘度は、用途により適宜調整することが好ましい。
例えば、潤滑油の場合、100℃動粘度は500〜2000mm/sが好ましい。100℃動粘度が500mm/s以上であると、潤滑油成分として使用した場合の耐久性等が十分となる。一方、2,000mm/s以下であると省エネルギー性等が十分となる。
潤滑油添加剤としては100℃動粘度が2000〜10000mm/sが好ましい。100℃動粘度が2000mm/s以上であると、潤滑油に添加した場合の効果(粘度指数向上能)が十分となる。一方、10000mm/sを超えると流動性が悪く作業性が劣る。
機能性ワックスとしては100℃動粘度が200〜10000mm/sであることが好ましく、250〜5000mm/sであるとより好ましい。200mm/s未満であるとべたつき等が発生し、10,000を超えると粘度が高すぎるため、溶解性が悪くなり、作業性が劣る。
100℃動粘度は、重合温度、水素圧等により制御できる。
(C)2量体及び3量体成分の割合(組成分布)
本発明のアルファオレフィン重合体は、2量体及び3量体の成分の割合が2質量%未満である。さらに、1.9質量%未満であることが好ましい。本規定を満たすことで、本発明の重合体は2量体成分及び3量体成分の量が低く、分子量分布値が小さく、均一な組成に近くなり、目的とする粘度領域の重合体を得ることができる。また、性能低下成分がほとんどないため、ワックスや潤滑油成分として有用となる。
3量体以下の成分の割合が2質量%以上である場合、2量体及び3量体成分が多量に生成している状態であり、製造後に精製処理を施しても目的の用途に適する重合体が得られない場合がある。また、生産性の低下や廃棄物の増加による環境悪化の問題がある。
3量体以下の成分の割合は、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて求めることができる。
また、上記割合は、重合触媒、重合温度、水素圧、触媒の構成成分等により制御できる。
(D)平均炭素数
本発明のアルファオレフィン重合体は、原料であるアルファオレフィンの平均炭素数が4〜30である。例えば、潤滑油用途の場合、4〜15であることが好ましく、特に、6〜12が好ましい。また、機能性ワックス用途の場合、平均炭素数が16〜30であることが好ましく、特に、18〜28が好ましい。平均炭素数が4より小さいと、得られる重合体がポリエチレンやポリプロピレンに類似するものとなり、液状重合体とならないため、潤滑油用途には適用は難しい。一方、30を超えると、モノマーが固体であることから、作業性に劣る。
尚、炭素数4以上のαオレフィン単位が、100mol%であることが好ましい。
平均炭素数は、NMR測定により求めることができる。αオレフィンの構造ではH−NMRにおいて−CH−,−CH−に由来するプロトンのピークが約1.2ppm付近、−CHに由来するプロトンのピークが0.9ppm付近に発現する。このピークの積分値より求めるプロトンの数より平均炭素数を求めることができる。
A:0.9ppmに現れる積分値
B:1.2ppmに現れる積分値
[{AとBの積分値の比(B/A)×3}−3]/2より側鎖の炭素数の数を算出できる。得られた側鎖の炭素数+3=平均炭素数となる。
尚、上記平均炭素数は、重合に用いる原料モノマーとその比率が分かる場合、重合に用いる原料モノマーとその比率により計算して求めることもできる。NMRで測定した結果と同じになる。
平均炭素数は、原料であるアルファオレフィンの炭素数及び仕込量を調整することにより制御できる。例えば、炭素数16以上のαオレフィンを使用する場合、炭素数4〜12のアルファオレフィンと共重合させることにより、平均炭素数を5〜24の範囲にすることができる。
本発明のアルファオレフィン重合体は、非晶質であり、さらに、下記(E)〜(G)を満たすことが好ましい。
(E)流動点が−15℃以下
(F)粘度指数が150以上
(G)平均炭素数が4〜15
上記要件を満たすアルファオレフィン重合体は、潤滑油用途としては好ましい。
尚、本願において「非晶質」とは、融点が存在しないこと、ガラス転移温度のみ存在すること、透明性を有すること、冷却固化時の容積変化が少ない等、一般的に非晶質である場合に現れる特性を有する場合を意味する。
以下、上記要件について説明する。
(E)流動点
本形態のアルファオレフィン重合体は、流動点が−15℃以下であることが好ましい。より好ましくは−20℃以下であり、特に好ましくは−30℃以下である。流動点は低ければ低いほど好ましく、−15℃より高いと、低温特性が悪くなる。
尚、流動点はJIS K 2269に準拠して測定する。
また、流動点は、平均炭素数、重合温度等により制御できる。
(F)粘度指数(VI)
本形態のアルファオレフィン重合体は、粘度指数が150以上であることが好ましく、より好ましくは170以上である。粘度指数は高ければ高いほど好ましく、150より低いと、低温始動性が悪くなる。高粘度指数ほど温度依存性は低くなり潤滑油として好ましい。
尚、粘度指数は、動粘度からJIS K 2283に準拠して求める。
また、粘度指数は、動粘度から算出するため、動粘度を制御すること制御できる。
(G)平均炭素数
本形態のアルファオレフィン重合体は、平均炭素数が4〜15であることが好ましく、特に、6〜12が好ましい。この範囲が潤滑油用途として好適である。
また、本発明のアルファオレフィン重合体は、結晶性であり、さらに、下記(H)及び(I)を満たすことが好ましい。
(H)示差走査型熱量計(DSC)による融点(Tm)測定において得られる融解ピークが20〜100℃の間で1つであり、該融解ピークの面積から計算される融解吸熱量(ΔH)が20J/g以上であり、かつ半値幅が10℃以下である。
(I)平均炭素数が16〜30
上記要件を満たす本形態のアルファオレフィン重合体は、機能性ワックス用途として好適である。
尚、本願において「結晶性」とは、ガラス転移温度や融点が存在すること、透明にはなりにくいこと、結晶化に伴う容積変化が生じる等、一般的に結晶性である場合に現れる特性を有する場合を意味する。
以下、上記要件について説明する。
(H)融解ピーク、融解吸熱量(ΔH)及び半値幅
本形態のアルファオレフィン重合体では、示差走査型熱量計(DSC)による融点(Tm)測定において観測される融解ピークが20〜100℃の間で1つである。本願においては、融点を測定する昇温過程にて観測される融解ピークは1つである。ピークが1つであることは、他のピークやショルダーと見られる吸収が無いことを意味する。融解ピークが20〜100℃の間で1つであることにより、所望の温度でシャープに融解するように制御できるようになる。
また、本形態のアルファオレフィン重合体では、融解ピークの面積から計算される融解吸熱量(ΔH)が20J/g以上であり、半値幅が10℃以下である。
ΔHは、軟質の程度を表す指標であり、この値が大きくなると弾性率が高く、軟質性が低下していることを意味する。ΔHは、好ましくは20〜250J/g、より好ましくは30〜200J/gである。ΔHが20J/g以上であることにより、弾性率が高く、軟質性が低いため、機能性ワックス用途に適している。
半値幅とは、上記のようにDSCにて融点を測定した際の吸熱ピークの50%高さにおけるピーク幅を意味する。半値幅が小さいほど、均一な結晶が形成されていることを意味し、アルファオレフィン重合体の均一性を示す特性である。半値幅は、好ましくは9.5℃以下、より好ましくは9〜2℃である。半値幅が10℃以下であると、融解挙動がシャープであり、例えば、アルファオレフィン重合体を温度感応性の粘着剤の主材料として用いた場合、粘着−非粘着のスイッチ温度域の広がりが抑制され、粘着力の温度による急激な変化を実現することができる。即ち、温度感応性が良好となる。
融解ピーク、融解吸熱量及び半値幅は、平均炭素数、重合温度、水素圧等により制御できる。
(I)平均炭素数
本形態のアルファオレフィン重合体は、平均炭素数が16〜30であることが好ましく、特に、18〜28が好ましい。この範囲が機能性ワックス用途として好適である。融点を示すような重合体を得るには、平均炭素数が16以上であることが好ましい。
本発明のアルファオレフィン重合体は、原料オレフィンを重合することにより製造できる。
原料オレフィンとしては、公知のアルファオレフィンを使用できる。原料オレフィンは1種単独であってもよく、2種以上を混合してもよい。上述した平均炭素数が4〜30となるように、原料オレフィンの仕込比を調整すればよい。
例えば、潤滑油用途として平均炭素数を4〜15に調整する場合、上記炭素数を満たすアルファオレフィンを使用して重合してもよく、また、炭素数16以上のアルファオレフィンと炭素数12以下のアルファオレフィンと共重合させることにより、平均炭素数を調整してもよい。
アルファオレフィンの具体例としては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン等が好ましい。これらの原料オレフィンを使用することで、ワックス成分や潤滑油成分として有用なアルファオレフィン重合体が得られる。尚、上記以外のアルファオレフィンを使用してもよい。例えば、分岐オレフィンを使用してもよい。
原料オレフィンを、上述した各要件を満たすような条件で重合させることで本発明のアルファオレフィン重合体が得られる。好ましくは、以下に説明する本発明の遷移金属化合物を含む触媒を使用して重合させる。これにより、上記要件を満たすアルファオレフィン重合体を製造できる。
本発明の遷移金属化合物は、下記式(I)で表されるメソ型の遷移金属化合物である。
Figure 2012035710
式(I)において、Mは周期律表第3〜10族の金属元素を示す。具体例としてはチタン,ジルコニウム,ハフニウム,イットリウム,バナジウム,クロム,マンガン,ニッケル,コバルト,パラジウム及びランタノイド系金属等が挙げられる。これらの中ではオレフィン重合活性等の点から周期律表第4族の金属元素が好ましく、中でもチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好適であり、末端ビニリデン基の収率及び触媒活性の点から、ジルコニウムが最も好適である。
Xはσ結合性の配位子である。Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX、E又はYと架橋していてもよい。Xの具体例としては、ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアミド基,炭素数1〜20の珪素含有基,炭素数1〜20のホスフィド基,炭素数1〜20のスルフィド基,炭素数1〜20のアシル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜20の炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアリールアルキル基;フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、フェナントニル基等のアリール基等が挙げられる。なかでもメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基やフェニル基等のアリール基が好ましい。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基等が挙げられる。炭素数1〜20のアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基、ジブチルアミド基、ジシクロヘキシルアミド基、メチルエチルアミド基等のアルキルアミド基や、ジビニルアミド基、ジプロペニルアミド基、ジシクロヘキセニルアミド基等のアルケニルアミド基;ジベンジルアミド基、フェニルエチルアミド基、フェニルプロピルアミド基等のアリールアルキルアミド基;ジフェニルアミド基、ジナフチルアミド基等のアリールアミド基が挙げられる。
炭素数1〜20の珪素含有基としては、メチルシリル基、フェニルシリル基等のモノ炭化水素置換シリル基;ジメチルシリル基、ジフェニルシリル基等のジ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基等のトリ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基等の炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチル基等の珪素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基等の珪素置換アリール基等が挙げられる。なかでもトリメチルシリルメチル基、フェニルジメチルシリルエチル基等が好ましい。
炭素数1〜20のホスフィド基としては、ジメチルホスフィド基、ジエチルホスフィド基、ジプロピルホスフィド基、ジブチルホスフィド基、ジシクロヘキシルホスフィド基、ジオクチルホスフィド基等のアルキルホスフィド基;ジビニルホスフィド基、ジプロペニルホスフィド基、ジシクロヘキセニルホスフィド基等のアルケニルホスフィド基;ジベンジルホスフィド基、ビス(フェニルエチルフェニル)ホスフィド基等のアリールアルキルホスフィド基;ジフェニルホスイフィド基、ジトリルホスフィド基、ジナフチルホスフィド基等のアリールホスフィド基が挙げられる。
炭素数1〜20のスルフィド基としては、メチルスルフィド基、エチルスルフィド基、プロピルスルフィド基、ブチルスルフィド基、ヘキシルスルフィド基、シクロヘキシルスルフィド基、オクチルスルフィド基等のアルキルスルフィド基;ビニルスルフィド基、プロペニルスルフィド基、シクロヘキセニルスルフィド基等のアルケニルスルフィド基;ベンジルスルフィド基、フェニルエチルスルフィド基、フェニルプロピルスルフィド基等のアリールアルキルスルフィド基;フェニルスルフィド基、トリルスルフィド基、ジメチルフェニルスルフィド基、トリメチルフェニルスルフィド基、エチルフェニルスルフィド基、プロピルフェニルスルフィド基、ビフェニルスルフィド基、ナフチルスルフィド基、メチルナフチルスルフィド基、アントラセニルスルフィド基、フェナントニルスルフィド基等のアリールスルフィド基が挙げられる。
炭素数1〜20のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、パルミトイル基、テアロイル基、オレオイル基等のアルキルアシル基、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基等のアリールアシル基、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸からそれぞれ誘導されるオキサリル基、マロニル基、スクシニル基等が挙げられる。
Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよい。他のYやE又はXと架橋していてもよい。Yの具体例としては、アミン類,エーテル類,ホスフィン類,チオエーテル類等を挙げることができる。
アミンとしては、炭素数1〜20のアミンが挙げられ、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン等のアルキルアミン;ビニルアミン、プロペニルアミン、シクロヘキセニルアミン、ジビニルアミン、ジプロペニルアミン、ジシクロヘキセニルアミン等のアルケニルアミン;フェニルアミン、フェニルエチルアミン、フェニルプロピルアミン等のアリールアルキルアミン;ジフェニルアミン、ジナフチルアミン等のアリールアミンが挙げられる。
エーテル類としては、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、n−アミルエーテル、イソアミルエーテル等の脂肪族単一エーテル化合物;メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチル−n−アミルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチル−n−アミルエーテル、エチルイソアミルエーテル等の脂肪族混成エーテル化合物;ビニルエーテル、アリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテル等の脂肪族不飽和エーテル化合物;アニソール、フェネトール、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、フェニルベンジルエーテル、α−ナフチルエーテル、β−ナフチルエーテル等の芳香族エーテル化合物、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化トリメチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環式エーテル化合物が挙げられる。
ホスフィン類としては、炭素数1〜20のホスフィンが挙げられる。具体的には、メチルホスフィン、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、ヘキシルホスフィン、シクロヘキシルホスフィン、オクチルホスフィン等のモノ炭化水素置換ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジプロピルホスフィン、ジブチルホスフィン、ジヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ジオクチルホスフィン等のジ炭化水素置換ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリ炭化水素置換ホスフィン等のアルキルホスフィンや、ビニルホスフィン、プロペニルホスフィン、シクロヘキセニルホスフィン等のモノアルケニルホスフィンやホスフィンの水素原子をアルケニルが2個置換したジアルケニルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルケニルが3個置換したトリアルケニルホスフィン;ベンジルホスフィン、フェニルエチルホスフィン、フェニルプロピルホスフィン等のアリールアルキルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアリール又はアルケニルが3個置換したジアリールアルキルホスフィン又はアリールジアルキルホスフィン;フェニルホスフィン、トリルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリメチルフェニルホスフィン、エチルフェニルホスフィン、プロピルフェニルホスフィン、ビフェニルホスフィン、ナフチルホスフィン、メチルナフチルホスフィン、アントラセニルホスフィン、フェナントニルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルキルアリールが2個置換したジ(アルキルアリール)ホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルキルアリールが3個置換したトリ(アルキルアリール)ホスフィン等のアリールホスフィンが挙げられる。
チオエーテル類としては、Xで例示したスルフィドが挙げられる。
及びAは、それぞれ下記式(IIa)及び(IIb)で表される架橋基を示し、A及びAは異なる基である。
Figure 2012035710
A及びA’は、それぞれ炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、及びスズ含有基から選ばれる基を示し、m及びnはそれぞれ2以上の整数である。
式(IIa)及び(IIb)のA及びA’としては、それぞれ下記式(IIIa)及び(IIIb)で表される基であるものが好ましい。
Figure 2012035710
〔式中、Z及びZ’は、それぞれ炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子であり、R11、R12、R11’及びR12’は、それぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、窒素含有基、珪素含有基又はハロゲン含有基を表す。〕
式(IIIa)及び(IIIb)の脂肪族炭化水素基としては、上記式(I)のXで例示した、アルキル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、上記式(I)のXで例示した、アリール基等が挙げられる。
窒素含有基としては、上記式(I)のXで例示した、炭素数1〜20のアミド基等が挙げられる。
珪素含有基としては、上記式(I)のXで例示した、炭素数1〜20の珪素含有基等が挙げられる。
ハロゲン含有基としては、上記各基をハロゲンで置換した基が挙げられる。
11、R12、R11’及びR12’は、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、トリメチルシリル基である。
架橋基A、Aの具体例としては、エチレン基,テトラメチルエチレン基,テトラメチルジシリレン基,テトラメチルジゲルミレン基等を挙げることができる。これらの中では、重合活性がより高くなる点から、エチレン基,及びテトラメチルジシリレン基が好適である。
m及びnは、それぞれ2以上の整数であり、好ましくは2〜5の整数であり、より好ましくは、2〜3の整数である。また、qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。
Eは、下記式(IIc)で表される基であって、2つのEは同一でも異なっていてもよい。
Figure 2012035710
式(IIc)中、R〜Rは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜4のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基又はヘテロ原子含有基を示す。波線を有する結合は架橋基A及びAとの結合を表す。
2つのEは、A及びAを介して架橋構造を形成している。
式(IIc)のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基及び珪素含有基の具体例は、上述したXの例と同様なものが挙げられる。
炭素数1〜4のハロゲン含有炭化水素基としては、クロロメチル基、2−クロロエチル基、フルオロメチル基、2−フルオロエチル基、4−フルオロブチル基等が挙げられる。
ヘテロ原子含有基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、アミノエチル基、メチルチオ基等が挙げられる。
上記式(I)で表される遷移金属化合物の中では、下記式(IV)で表される遷移金属化合物が好ましい。
Figure 2012035710
上記化合物では、基本骨格におけるインデン環が「1,1’−」及び「2,2’−」架橋構造を有するメソ型の構造を有する。
上記式(IV)において、M,A,A,q及びrは、上記式(I)と同じである。Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX又はYと架橋していてもよい。このXの具体例としては、式(I)のXで例示したものと同じものを挙げることができる。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY又はXと架橋していてもよい。このYの具体例としては、式(I)のYで例示したものと同じものを挙げることができる。
Rはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基,珪素含有基又はヘテロ原子含有基を示す。また、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。
式(I)で表される遷移金属化合物の具体例としては(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−テトラメチルジシリレン)(2,2’−エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−テトラメチルエチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−テトラメチルジシリレン)(2,2’−テトラメチルエチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチリシリレンメチレン)(2,2’−エチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−エチレン)(2,2’−ジメチリシリレンメチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジゲルミレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−テトラメチルジゲルミレン)(2,2’−エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−テトラメチルジシリレン)(2,2’−エチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−テトラメチルエチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−テトラメチルジシリレン)(2,2’−テトラメチルエチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチリシリレンメチレン)(2,2’−エチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−エチレン)(2,2’−ジメチリシリレンメチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジゲルミレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−テトラメチルジゲルミレン)(2,2’−エチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド等、及びこれらの化合物におけるジルコニウムをチタン又はハフニウムに置換したものを挙げることができる。尚、これらに限定されるものではない。また、他の族又はランタノイド系列の金属元素の類似化合物であってもよい。
本発明の遷移金属化合物は、公知のメタロセン触媒の合成方法を参照して合成することができる。例えば、特開2002−308893号公報や、本願実施例の合成方法を参照して合成することができる。
本発明の遷移金属化合物(A)(以下、(A)成分ということがある)は、下記(B−1)並びに(B−2)の少なくとも一方の化合物(B)、及び有機アルミニウム化合物(C)とともに使用することで、オレフィン重合触媒となる。
(B−1)遷移金属化合物(A)又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物
(B−2)アルミノキサン
(B−1)成分としては、上記(A)成分の遷移金属化合物と反応して、イオン性の錯体を形成しうる化合物であれば、いずれのものでも使用できるが、下記式(V)又は(VI)で表されるものを好適に使用することができる。
(〔L−R13k+(〔Z〕・・・(V)
(〔Lk+(〔Z〕・・・(VI)
(但し、LはM、R1415、R16 C又はR17である。)
式(V),(VI)式中、Lはルイス塩基であり、〔Z〕は、非配位性アニオン〔Z又は〔Zである。ここで〔Zは複数の基が元素に結合したアニオン、即ち〔M・・・G(ここで、Mは周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期律表第13〜15族元素を示す。G〜Gはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜40のジアルキルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数7〜40のアルキルアリール基,炭素数7〜40のアリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G〜Gのうち2つ以上が互いに結合して環を形成していてもよい。fは〔(中心金属Mの原子価)+1〕の整数を示す。)。〔Zは、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基、あるいは一般的に超強酸と定義される酸の共役塩を示す。また、ルイス塩基が配位していてもよい。
13は水素原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。
14及びR15はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R16は炭素数1〜20のアルキル基,アリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。
17はテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニン等の大環状配位子を示す。
kは〔L−R13〕,〔L〕のイオン価数で1〜3の整数、aは1以上の整数、b=(k×a)である。Mは、周期律表第1〜3、11〜13、17族元素であり、Mは、周期律表第7〜12族元素を示す。
の具体例としては、アンモニア,メチルアミン,アニリン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,N−メチルアニリン,ジフェニルアミン,N,N−ジメチルアニリン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルアミン,メチルジフェニルアミン,ピリジン,p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリン等のアミン類、トリエチルホスフィン,トリフェニルホスフィン,ジフェニルホスフィン等のホスフィン類、テトラヒドロチオフェン等のチオエーテル類、安息香酸エチル等のエステル類、アセトニトリル,ベンゾニトリル等のニトリル類等を挙げることができる。
13の具体例としては、水素原子,メチル基,エチル基,ベンジル基,トリチル基等を挙げることができ、R14,R15の具体例としては、シクロペンタジエニル基,メチルシクロペンタジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基等を挙げることができる。
16の具体例としては、フェニル基,p−トリル基,p−メトキシフェニル基等を挙げることができ、R17の具体例としてはテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニン,アリル,メタリル等を挙げることができる。
の具体例としては、Li,Na,K,Ag,Cu,Br,I,I等を挙げることができ、Mの具体例としては、Mn,Fe,Co,Ni,Zn等を挙げることができる。
〔Z、即ち〔M・・・G〕において、Mの具体例としてはB,Al,Si,P,As,Sb等、好ましくはB及びAlが挙げられる。
,G〜Gの具体例としては、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基等、アルコキシ基若しくはアリールオキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基,フェノキシ基等、炭化水素基としてメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,n−オクチル基,n−エイコシル基,フェニル基,p−トリル基,ベンジル基,4−t−ブチルフェニル基,3,5−ジメチルフェニル基等、ハロゲン原子としてフッ素,塩素,臭素,ヨウ素,ヘテロ原子含有炭化水素基としてp−フルオロフェニル基,3,5−ジフルオロフェニル基,ペンタクロロフェニル基,3,4,5−トリフルオロフェニル基,ペンタフルオロフェニル基,3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基,ビス(トリメチルシリル)メチル基等、有機メタロイド基としてペンタメチルアンチモン基、トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニル硼素等が挙げられる。
非配位性のアニオン、即ちpKaが−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基〔Zの具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CFSO,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)ベンジルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド,過塩素酸アニオン(ClO,トリフルオロ酢酸アニオン(CFCO,ヘキサフルオロアンチモンアニオン(SbF,フルオロスルホン酸アニオン(FSO,クロロスルホン酸アニオン(ClSO,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化アンチモン(FSO/SbF,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化砒素(FSO/AsF,トリフルオロメタンスルホン酸/5−フッ化アンチモン(CFSO/SbF等を挙げることができる。
本発明の遷移金属化合物((A)成分)と反応してイオン性の錯体を形成するイオン性化合物、即ち(B−1)成分化合物の具体例としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム,テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム,テトラキス〔ビス(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼酸銀、テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオロ燐酸銀,ヘキサフルオロ砒素酸銀,過塩素酸銀,トリフルオロ酢酸銀,トリフルオロメタンスルホン酸銀等を挙げることができる。
(B−1)は1種を用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B−2)成分のアルミノキサンとしては、下記式(VII)で示される鎖状アルミノキサン又は式(VIII)で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
Figure 2012035710
(式中、Rは炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基等の炭化水素基あるいはハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、通常2〜50、好ましくは2〜40の整数である。尚、各Rは同じでも異なっていてもよい。)
アルミノキサンの製造法としては、アルキルアルミニウムと水等の縮合剤とを接触させる方法が挙げられるが、その手段については特に限定はなく、公知の方法に準じて反応させればよい。
例えば、(1)有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これを水と接触させる方法、(2)重合時に当初有機アルミニウム化合物を加えておき、後で水を添加する方法、(3)金属塩等に含有されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、(4)テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応させ、さらに水を反応させる方法等がある。尚、アルミノキサンとしては、トルエン不溶性のものであってもよい。これらのアルミノキサンは1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分である遷移金属化合物と(B)成分との使用割合は、(B)成分として(B−1)を用いた場合には、モル比[(A):(B−1)]で好ましくは10:1〜1:100、より好ましくは2:1〜1:10の範囲が望ましい。上記範囲を逸脱する場合は、単位質量ポリマーあたりの触媒コストが高くなり、実用的でない。
(B−2)を用いた場合には、モル比[(A):(B−2)]で好ましくは1:1〜1:1000000、より好ましくは1:10〜1:10000の範囲が望ましい。この範囲を逸脱する場合は単位質量ポリマーあたりの触媒コストが高くなり、実用的でない。
尚、(B)成分としては(B−1)と(B−2)をそれぞれ単独で使用してもよく、また、2種以上組み合わせて用いることもできる。
有機アルミニウム化合物(C)としては、下記式(IX)で示される化合物が用いられる。
10 AlJ3−v (IX)
〔式中、R10は炭素数1〜10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である〕
式(IX)で示される化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムヒドリド,エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。これらの中で、炭素数4以上の炭化水素基が結合した有機アルミニウム化合物は、高温安定性に優れる点で好ましく、当該観点から炭素数4〜8の炭化水素基がより好ましい。さらに好ましくは100℃以上の反応温度の場合は、炭素数6〜8の炭化水素基がより好ましい。上記有機アルミニウム化合物は1種用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
(A)成分と(C)成分との使用割合は、モル比[(A):(C)]で好ましくは1:1〜1:10000、より好ましくは1:5〜1:2000、さらに好ましくは1:10〜1:1000の範囲が望ましい。(C)成分を用いることにより、遷移金属当たりの重合活性を向上させることができるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物(C)が無駄になったり、活性低下原因となるとともに、アルファオレフィン重合体中に多量に残存し、好ましくない。
本発明の重合用触媒は、触媒成分の少なくとも1種を適当な担体に担持して用いることができる。担体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用いることができる。特に、無機酸化物担体や、それ以外の無機担体が好ましい。
無機酸化物担体としては、具体的には、SiO,Al,MgO,ZrO,TiO,Fe,B,CaO,ZnO,BaO,ThOやこれらの混合物、例えば、シリカアルミナ,ゼオライト,フェライト,グラスファイバー等が挙げられる。これらの中では、特にSiO,Alが好ましい。尚、上記無機酸化物担体は、少量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩等を含有してもよい。
一方、上記以外の担体として、MgCl,Mg(OC等で代表される式(MgR21 )で表されるマグネシウム化合物やその錯塩等を挙げることができる。
ここで、R21は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、xは0〜2、yは0〜2でり、かつx+y=2である。各R21及び各Xはそれぞれ同一でもよく、又異なってもいてもよい。
有機担体としては、ポリスチレン,スチレン−ジビニルベンゼン共重合体,ポリエチレン,ポリ1−ブテン,置換ポリスチレン,ポリアリレート等の重合体やスターチ,カーボン等を挙げることができる。
本発明においては、担体としてMgCl,MgCl(OC),Mg(OC,SiO,Al等が特に好ましい。
担体の性状は、その種類及び製法により異なるが、平均粒径は通常1〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。粒径が小さいと重合体中の微粉が増大し、粒径が大きいと重合体中の粗大粒子が増大し嵩密度の低下やホッパーの詰まりの原因になる。
また、担体の比表面積は、通常1〜1000m/g、好ましくは50〜500m/g、細孔容積は通常0.1〜5cm/g、好ましくは0.3〜3cm/gである。
比表面積又は細孔容積の何れかが上記範囲を逸脱すると、触媒活性が低下することがある。尚比表面積及び細孔容積は、例えば、BET法に従って吸着された窒素ガスの体積から求めることができる〔J.Am.Chem.Soc.、60,309(1983)参照〕。
さらに、上記担体が無機酸化物担体である場合には、通常150〜1000℃、好ましくは200〜800℃で焼成して用いることが望ましい。触媒成分の少なくとも1種を担体に担持させる場合、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方を、好ましくは(A)触媒成分及び(B)触媒成分の両方を担持させるのが望ましい。
担体に、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方を担持させる方法については、特に制限されないが、例えば、下記方法が挙げられる。
(1)(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体とを混合する方法(2)担体を有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物で処理した後、不活性溶媒中で(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と混合する方法
(3)担体と(A)成分及び/又は(B)成分と有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物とを反応させる方法
(4)(A)成分又は(B)成分を担体に担持させた後、(B)成分又は(A)成分と混合する方法
(5)(A)成分と(B)成分との接触反応物を担体と混合する方法
(6)(A)成分と(B)成分との接触反応に際して、担体を共存させる方法
尚、上記(4)、(5)及び(6)の方法において、(C)成分の有機アルミニウム化合物を添加することもできる。
このようにして得られた触媒は、いったん溶媒留去を行って固体として取り出してから重合に用いてもよいし、そのまま重合に用いてもよい。
また、本発明では(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方の担体への担持操作を重合系内で行うこともできる。例えば、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体と、さらに必要により(C)成分を加え、エチレン等のオレフィンを常圧〜2MPa(gauge)加えて、−20〜200℃で1分〜2時間程度予備重合することにより、触媒粒子を生成させることができる。
本発明の重合用触媒における(B−1)成分と担体との使用割合は、質量比[(B−1):担体]で好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とする。(B−2)成分と担体との使用割合は、質量比[(B−2):担体]で好ましくは1:0.5〜1:1000、より好ましくは1:1〜1:50とする。
(B)成分として2種以上を混合して用いる場合は、各(B)成分と担体との使用割合が質量比で上記範囲内にあることが望ましい。
(A)成分と担体との使用割合は、質量比で[(A):担体]、好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とする。
(B)成分〔(B−1)成分又は(B−2)成分〕と担体との使用割合、及び(A)成分と担体との使用割合が上記範囲を逸脱すると、活性が低下することがある。
このようにして調整された重合用触媒の平均粒径は、通常2〜200μm、好ましくは10〜150μm、特に好ましくは20〜100μmであり、比表面積は、通常20〜1000m/g、好ましくは50〜500m/gである。平均粒径が2μm未満であると重合体中の微粉が増大することがあり、200μmを超えると重合体中の粗大粒子が増大することがある。比表面積が20m/g未満であると活性が低下することがあり、1000m/gを超えると重合体の嵩密度が低下することがある。
本発明の重合用触媒において、担体100g中の遷移金属量は、通常0.05〜10gであり、特に0.1〜2gであることが好ましい。遷移金属量が上記範囲外であると、活性が低くなることがある。このように担体に担持することによって工業的に有利な高い嵩密度と優れた粒径分布を有する重合体を得ることができる。
本発明のアルファオレフィン重合体の製造方法では、上述した本発明の重合用触媒を使用して、アルファオレフィンを重合させる。本発明において、重合方法は特に制限されず、スラリー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法等のいずれの方法を用いてもよい。スラリー重合法,溶液重合法が特に好ましい。
重合条件については、重合温度は通常0〜200℃、より好ましくは20〜200℃、特に好ましくは100〜200℃である。
反応原料に対する触媒の使用割合は、モル比[原料モノマー/(A)成分]で、好ましくは1〜108であり、特に100〜105が好ましい。
アルファオレフィン重合体の粘度制御は反応温度で制御できるが、予め合成した高粘度アルファオレフィン重合体の熱分解及び過酸化物分解により、制御してもよい。
重合時間は、通常5分〜30時間、好ましくは15分〜25時間である。
本発明のアルファオレフィン重合体の製造方法において、水素を添加すると重合活性が大幅に向上するので好ましい。水素圧力は好ましくは常圧〜10MPa(gauge)、好ましくは常圧〜5.0MPa(gauge)である。さらに好ましくは常圧〜1.0MPa(gauge)である。水素添加量が大きいほど重合活性は向上するが、10MPa(G)を超えると活性向上の効果は少なく、逆に製造設備の巨大化等不具合が生じる。
重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン、デカリン等の芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタン等の脂肪族炭化水素、クロロホルム,ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等を用いることができる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上のものを組み合わせてもよい。また、重合方法によっては無溶媒で行うことができる。
重合に際しては、予備重合することで重合用触媒を調製してもよい。予備重合は、触媒成分に、例えば、少量のオレフィンを接触させることにより行うことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。予備重合に用いるオレフィンについては特に制限はなく、例えば、炭素数3〜18のα−オレフィン、あるいはこれらの混合物等を挙げることができる。重合において用いるオレフィンと同じオレフィンを用いることが有利である。
予備重合の具体例としては、(A)成分、(B)成分及び炭素数3〜18のアルファオレフィンを予め接触させて重合用触媒を調製したり、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び炭素数3〜18のαオレフィンを予め接触させて重合用触媒を調製することが挙げられる。予備重合温度は、通常−20〜200℃、好ましくは−10〜130℃、より好ましくは0〜80℃である。予備重合においては、溶媒として、脂肪族炭化水素,芳香族炭化水素,モノマー等を用いることができる。尚、予備重合は無溶媒で行ってもよい。
予備重合においては、予備重合生成物の極限粘度〔η〕(135℃デカリン中で測定)が0.1デシリットル/g以上、触媒中の遷移金属成分1ミリモル当たりに対する予備重合生成物の量が1〜10000g、特に10〜1000gとなるように条件を調整することが望ましい。
アルファオレフィン重合体の特性を変える方法として、各触媒成分の種類、使用量、重合温度の選択、さらには水素存在下での重合等がある。窒素等の不活性ガスを存在させてもよい。
[遷移金属化合物]
実施例1
500ミリリットル2口フラスコにマグネシウム(12グラム,500ミリモル)及びテトラヒドロフラン(30ミリリットル)を投入し、1,2−ジブロモエタン(0.2ミリリットル)を滴下することでマグネシウムを活性化した。ここへテトラヒドロフラン(150ミリリットル)に溶解させた2−ブロモインデン(20グラム,103ミリモル)を滴下し、室温で1時間攪拌した。その後、1,2-ジクロロテトラメチルジシラン(9.4ミリリットル,5.1ミリモル)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、溶媒を留去し、残渣をヘキサン(150ミリリットル×2)で抽出し、1,2−ジ(1H−インデン−2−イル)−1,1,2,2−テトラメチルジシランを白色固体として得た(15.4グラム,44.4ミリモル,収率86%)。
これをジエチルエーテル(100ミリリットル)に溶解し、0℃でn−ブチルリチウム(2.6モル/リットル,38ミリリットル,98ミリモル)を滴下し、室温で1時間攪拌したところ白色粉末が沈殿した。上澄みを除去し、固体をヘキサン(80ミリリットル)で洗浄して、リチウム塩を白色粉末状固体として得た(14.6グラム,33.8ミリモル,76%)。
これをテトラヒドロフラン(120ミリリットル)に溶解させ、−30℃で1,2‐ジブロモエタン(2.88ミリリットル,33.8ミリモル)を滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、乾固し、残渣をヘキサン(150ミリリットル)で抽出することにより2架橋配位子を無色オイル状液体として得た(14.2グラム,37.9ミリモル)。
これをジエチルエーテル(120ミリリットル)に溶解させ、0℃でn−ブチルリチウム(2.6モル/リットル,32ミリリットル,84ミリモル)を滴下し、室温で1時間攪拌したところ白色粉末が沈殿した。上澄みを除去し、固体をヘキサン(70ミリリットル)で洗浄することにより2架橋配位子のリチウム塩を白色粉末として得た(14.0グラム,31ミリモル,収率81%)。
得られた2架橋配位子のリチウム塩(3.00グラム,6.54ミリモル)のトルエン(30ミリリットル)懸濁液に、−78℃で四塩化ジルコニウム(1.52グラム,6.54ミリモル)のトルエン(30ミリリットル)懸濁液をキャヌラーにより滴下した。反応混合物を室温で2時間攪拌した後、上澄み液を分離し、さらに残渣をトルエンで抽出した。
減圧下、上澄み液及び抽出液の溶媒を留去して乾固することにより黄色固体として下記式(1)に示す遷移金属触媒「(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロライド」を得た(2.5グラム,4.7ミリモル,収率72%)。
Figure 2012035710
H−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl):δ0.617(s,6H,-SiMe-),0.623(s,6H,-SiMe-),3.65−3.74,4.05−4.15(m,4H,CHCH),6.79(s,2H,CpH),7.0−7.5(m,8H,Aromatic−H)
[アルファオレフィン重合体]
実施例2
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−デセン(C10)400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、メチルアルミノキサン2ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロライド2マイクロモルを加え、さらに水素0.05MPa導入し、重合温度50℃にて5時間重合した。
重合反応終了後、反応物をエタノールにて沈殿させた後、加熱、減圧下、乾燥することにより、アルファオレフィン重合体を得た。得られた重合体の物性測定結果を表1に示す。
実施例3
重合温度110℃にて2時間重合した以外は、実施例1と同様にしてアルファオレフィン重合体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例4
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−デセン(C10)400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート8マイクロモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロライド2マイクロモルを加え、さらに水素0.05MPa導入し、重合温度50℃にて5時間重合した。
重合反応終了後、反応物をエタノールにて沈殿させた後、加熱、減圧下、乾燥することにより、アルファオレフィン重合体を得た。
得られた重合体の物性測定結果を表1に示す。
実施例5
重合温度90℃にて6時間重合した以外は、実施例4と同様にしてアルファオレフィン重合体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例6
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−オクタデセン(C18)400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート8マイクロモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロライド2マイクロモルを加え、さらに水素0.15MPa導入し、重合温度90℃にて1時間重合した。
重合反応終了後、反応物をエタノールにて沈殿させた後、加熱、減圧下、乾燥することにより、アルファオレフィン重合体を得た。得られた重合体の物性測定結果を表1に示す。
実施例7
熱乾燥させた1Lのオートクレーブに、炭素数26と28からなるα−オレフィンの混合物(C26:56.9質量%、C28:39.4質量%)400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート8マイクロモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロライド2マイクロモルを加え、さらに水素0.15MPa導入し、重合温度110℃にて1時間重合した。
重合反応終了後、反応物をエタノールにて沈殿させた後、加熱、減圧下、乾燥することにより、アルファオレフィン重合体を得た。得られた重合体の物性測定結果を表1に示す。
実施例8
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−ドデセン(C12)400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート8マイクロモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−テトラメチルジシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロライド2マイクロモルを加え、さらに水素0.05MPa導入し、重合温度50℃にて6時間重合した。
重合反応終了後、反応物をエタノールにて沈殿させた後、加熱、減圧下、乾燥することにより、アルファオレフィン重合体を得た。得られた重合体の物性測定結果を表1に示す。
比較例1
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−デセン(C10)400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、メチルアルミノキサン2ミリモル、(1,1’−エチレン)(2,2’−エチレン)ビスインデニルジルコニウムジクロライド2マイクロモルを加え、さらに水素0.05MPa導入し、重合温度50℃にて5時間重合した。重合反応終了後、反応物をエタノールにて沈殿させた後、加熱、減圧下、乾燥することにより、アルファオレフィン重合体を得た。得られた重合体の物性測定結果を表1に示す。
比較例2
重合温度110℃にて2時間重合した以外は比較例1と同様にして、アルファオレフィン重合体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
比較例3
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−デセン(C10)400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、メチルアルミノキサン2ミリモル、(1,1’−イソプロピリデン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロライド2マイクロモルを加え、さらに水素0.05MPa導入し、重合温度50℃にて5時間重合した。
重合反応終了後、反応物をエタノールにて沈殿させた後、加熱、減圧下、乾燥することにより、アルファオレフィン重合体を得た。得られた重合体の物性測定結果を表1に示す。
比較例4
加熱乾燥した1リットルオートクレーブに、1−デセン(C10)400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート8マイクロモル、(1,1’−イソプロピリデン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロライド2マイクロモルを加え、さらに水素0.05MPa導入し、重合温度50℃にて5時間重合した。重合反応終了後、反応物をエタノールにて沈殿させた後、加熱、減圧下、乾燥することにより、アルファオレフィン重合体を得た。得られた重合体の物性測定結果を表1に示す。
Figure 2012035710
測定方法を以下に示す。
(1)転化率
ガスクロマトグラフィー(GC)にて評価した。
カラム:HT−SIMDISTCB(5m×0.53mmφ,膜厚:0.17μm)
カラム温度:50℃(0.1min)、20℃/minで430℃まで上昇、430℃(15min)
注入口(COC)温度:オーブントラック
検出器(FID)温度:440℃
キャリアガス:He
線速度:40cm/sec
モード:コンスタントフロー
注入量:0.5μl
(2)立体規則性(メソトリアッド分率(mm))、末端構造
[Macromolecules24,2334(1991);Polymer,30,1350(1989)]に記載の方法により13C−NMRを用いて求めた。
(3)2量体及び3量体成分量
試料0.05gをトルエン5ミリリットルに溶解してガスクロマトグラフィー(GC)測定にて決定した。
(4)流動点
JIS K 2269に準拠し測定した。
(5)100℃動粘度及び粘度指数
動粘度は、JIS K 2283に準拠し測定した。粘度指数は、動粘度より、JIS K 2283に準拠し計算して求めた。
(6)融点(Tm)、融解吸熱量(ΔH)、半値幅
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC−7)により測定した。試料10mgを窒素雰囲気下、−10℃で5分間保持した後、120℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップが融点(Tm)であり、融点(Tm)の測定において得られる融解ピークの面積から、融解吸熱量(ΔH)を計算した。
本発明のアルファオレフィン重合体は、潤滑油基材、粘度指数向上剤、耐磨耗剤、摩擦調整剤、インキ・塗料・エマルジョン・トナー用離型剤に有用である。また、樹脂の改質剤、粘着剤成分、接着剤成分、潤滑油成分、有機無機複合材料、蓄熱材、軽油等の燃料油の改質剤、アスファルトの改質剤、高性能ワックス、化粧品(口紅、ポマード、クリーム、眉墨、アイシャドウ、チック、パック、シャンプー、リンス)、医療用(軟膏、座薬、乳剤、外科用包帯材、湿布材)、文房具用(クレヨン、クレパス、鉛筆、カーボン紙)、艶出し用(木材、家具、皮革、自動車、紙、菓子、繊維)、蝋燭用、皮クリーム、繊維油剤、製菓材料、模型材料、彫刻材料、皮革仕上げ材、絶縁材料蝋紙、楽器、接木用蝋材印刷用、鋳型用品の製造果物のワックスコーティング、各種グリース、スキーワックス、蝋けつ染、ポリシュ、カーワックス、金属加工油、ゴム老化防止剤、タイヤ、接着剤、加工紙、蓄熱剤、農薬、肥料、研磨剤用(金属、ステンレス)、油滑剤、グリース、離型剤、塗料)、歯科用デンタルワックス、固定用途(レンズ、包埋)等の成分として有用である。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献の内容を全てここに援用する。

Claims (13)

  1. 下記(A)〜(D)を満たすアルファオレフィン重合体。
    (A)立体規則性指標[mm]の範囲が10〜50mol%
    (B)100℃動粘度の範囲が200〜10,000mm/s
    (C)2量体及び3量体成分の割合が2質量%未満
    (D)平均炭素数が4〜30
  2. 非晶質であり、さらに、下記(E)〜(G)を満たす請求項1に記載のアルファオレフィン重合体。
    (E)流動点が−15℃以下
    (F)粘度指数が150以上
    (G)平均炭素数が4〜15
  3. 結晶性であり、さらに、下記(H)及び(I)を満たす請求項1に記載のアルファオレフィン重合体。
    (H)示差走査型熱量計(DSC)による融点(Tm)測定において得られる融解ピークが20〜100℃の間で1つであり、該融解ピークの面積から計算される融解吸熱量(ΔH)が20J/g以上、かつ半値幅が10℃以下である。
    (I)平均炭素数が16〜30
  4. 下記式(I)で表されるメソ型の遷移金属化合物。
    Figure 2012035710
    〔式(I)中、Mは周期律表第3〜10族の金属元素を示し、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよい。A及びAは、それぞれ下記式(IIa)及び(IIb)で表される架橋基を示し、A及びAは異なる基である。
    Figure 2012035710
    (式中、A及びA’はそれぞれ炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、及びスズ含有基から選ばれる基を示し、置換基を有していてもよい。m及びnは2以上の整数である。)
    qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。Eは、下記式(IIc)で表される基であって、2つのEは同一でも異なっていてもよい。
    Figure 2012035710
    (式(IIc)中、R〜Rは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜4のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基又はヘテロ原子含有基を示す。波線を有する結合は架橋基A及びAとの結合を表す。)〕
  5. 前記式(IIa)及び(IIb)のA及びA’が、それぞれ下記式(IIIa)及び(IIIb)で表される基である請求項4に記載の遷移金属化合物。
    Figure 2012035710
    〔式中、Z及びZ’は、それぞれ炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はスズ原子であり、R11、R12、R11’及びR12’は、それぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、窒素含有基、珪素含有基又はハロゲン含有基を表す。〕
  6. 請求項4又は5に記載の遷移金属化合物(A)と、
    下記(B−1)及び(B−2)の少なくとも一方の化合物(B)と、
    有機アルミニウム化合物(C)と、
    を含有する重合用触媒。
    (B−1)前記遷移金属化合物(A)又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物
    (B−2)アルミノキサン
  7. 前記アルミノキサン(B−2)が、下記式(VII)又は式(VIII)で表される化合物である請求項6に記載の重合用触媒。
    Figure 2012035710
    (式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示す。尚、各Rは同じでも異なっていてもよい。)
  8. 請求項6又は7に記載の重合用触媒を使用して、アルファオレフィンを重合させる、請求項1に記載のアルファオレフィン重合体の製造方法。
  9. 重合用触媒の成分である前記遷移金属化合物(A)、前記化合物(B)及び前記有機アルミニウム化合物(C)を予め接触させて得た重合用触媒を使用する、請求項8に記載のアルファオレフィン重合体の製造方法。
  10. 重合用触媒の成分である前記遷移金属化合物(A)、前記化合物(B)、及び前記有機アルミニウム化合物(C)と、炭素数3〜18のアルファオレフィンを予め接触させて得た重合用触媒を使用する、請求項8に記載のアルファオレフィン重合体の製造方法。
  11. 反応温度が80〜200℃である請求項8〜10のいずれかに記載のアルファオレフィン重合体の製造方法。
  12. 反応時の水素圧が、常圧〜10MPa(G)である請求項8〜11のいずれかに記載のアルファオレフィン重合体の製造方法。
  13. 請求項8〜12のいずれかに記載の製造方法により得られる、請求項1に記載のアルファオレフィン重合体。
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